【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part7

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488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 16:06:47.45 ID:WsS2cOHK0
>>487
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 17:38:30.53 ID:tMFutBkL0
クロシュ「……」

クロシュ(ミネルヴァさんの……言う通りかも……)

クロシュ(でも……なんか、違う気がする……)

クロシュ(ミネルヴァさんは……たぶん……心から、デロデロが良いって……思ってない……)

クロシュ(……そんな気持ちで……デロデロに、なるのは……)

クロシュ(……わたし……あんまり、嬉しくない……)

クロシュ(………きっと……クロシュヴィアちゃんだって……嫌だよね……? しかたなく、デロデロになること、選ばれるの……)

クロシュ(……でも……)

クロシュ(ミネルヴァさんの……言ってることも……間違って、ない……)

クロシュ(たとえ、しかたなく、でも……。デロデロになれば……きっと、もう、絶望しない……)

クロシュ(……だから……しかたなく、でも……いいのかな……?)

クロシュ(………)


クロシュ「……ミネルヴァさんは……あかちゃん……会いたく、ないの……?」

ミネルヴァ「……そんなことありません。会えることなら、会いたい……。でも、それは私のエゴなのです。私の身勝手な願いでデロデロにならないでいれば……この子は、この絶望に満ちた世界に産まれ落ちることになる……。私はこの子に会いたいけれど……それ以上に、この子には私と同じような苦しみを、味わって欲しくないのです……」

クロシュ「んゅ……」

フメイ「……なら、ミネルヴァが守ればいい」

ミネルヴァ「えっ……!?」

フメイ「苦しまないように……悲しまないように……。ミネルヴァが、がんばれば……会える」

ミネルヴァ「……」

聖女「……フメイさん……。しかし、それは……」

妖精「絶対に苦しませず、悲しませないなんて……それには無限のがんばりが必要だよ。全然簡単なことじゃないんだ」

フメイ「………そう。がんばれないなら……別に、いいと思う」プイッ

ミネルヴァ「………」

聖女「あ、あのミネルヴァさん……。フメイさんは、その……あなたを傷付けたいわけでは……」

ミネルヴァ「……わかっています。全部……私が、弱いから……」

聖女「うぅ……」


クロシュ「……」
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 17:39:20.42 ID:tMFutBkL0
クロシュ「!」ピコン!

妖精「……クロシュ?」

クロシュ「………わたし……あかちゃん、会いたい……!!」モニョッ!!

フメイ「!」

ミネルヴァ「えっ……!?」

クロシュ「だから……ミネルヴァさんは……産むのが、いい……!!!!」

妖精「ちょ、クロシュ!? ミネルヴァの話を聞いてたの!?」

クロシュ「……でも、わたし……会いたい!!!!」

聖女「……! わ、私も……会いたいです、ミネルヴァさん!!」

妖精「聖女まで……」

ミネルヴァ「き、急にどうしたんですか……?」

クロシュ「……デロデロに、なるの……産んでからでも、いい……。あかちゃんにも……聞かなきゃ、だめ……」

ミネルヴァ「……!!」

クロシュ「会わなきゃ……聞くことも、できない……」

妖精「……!」

クロシュ「だから……えっと……」

聖女「……未来が必ず絶望であると、決まっているわけではありません。ミネルヴァさんが諦めなければ……その子を心から愛し続ければ……きっと、希望に満ち溢れるはずです……!」

クロシュ「うん!」

フメイ「……うん」

ミネルヴァ「………」

聖女「だから……もう一度、考え直してみませんか……? 先ほどクロシュさんが言った通り……産んで、本人の意思を確認してからでも、デロデロの判断は遅くありません」

ミネルヴァ「……そう、ですね……。はい……。もう一度……ゆっくり、考えてみます……」

聖女「はい……!」

 ◇
491 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 17:41:41.50 ID:tMFutBkL0
―夜
 幌馬車内

妖精「ふう……」

クロシュ「妖精さん……ごめんなさい」ペコリ

妖精「ん? なんで急に謝るの?」

クロシュ「さっき……ミネルヴァさんに……無理、言っちゃったかも……」

妖精「ああ……いや、それならミネルヴァ本人に謝りなよ」

クロシュ「それは、だめ……。撤回は、しない……」

妖精「……ふふ。クロシュ、けっこう口先が回るようになったね?」

クロシュ「ほえ……?」

妖精「無自覚か……。まあいいや。でもあかちゃん本人への意思確認は大事だと私も思う。問題は、人間の子供が意思確認できるようになるには誕生からさらに何年かかかるってことだけど……」

クロシュ「そうなの?」

妖精「そうなんだよ。街中とかで、人間の女性に抱きかかえられた小さい子供を見たことあるでしょ? あれが人間のあかちゃん」

クロシュ「そうなんだ」

妖精「人間とかエルフは成長が遅いからねえ……。まあ成長しない妖精よりはマシか」

クロシュ「じゃあ……妖精さんも、あかちゃん?」

妖精「え、まあ……そうとも言える……かも?」

クロシュ「わあ……。えと、肩、もむ……?」

妖精「それはおばあちゃん扱いだよ!」

 *

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モミモミ

 妖精の肩「」モミモミ

妖精「結局私の肩揉んでるし……。別に凝ってないけど」

スライムクロシュ『んへへ……。でも、きもちいい……!』モニョニョ

妖精「クロシュが気持ち良くなってるだけじゃないの?」

スライムクロシュ『〜〜♪』モニョモニョ モミモミ

妖精「まあ別にいいけど。あ、もう少し真ん中の方……うん、そこそこ……んっ……」

スライムクロシュ『〜〜♪♪』モニョニョ モミモミ

 ☆妖精さんの肩をもみました

 ◆
492 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 17:55:01.75 ID:tMFutBkL0
―オリシン王国への旅路 2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:なし       盾:なし       飾:なし
武:なし       防:ぬののふく    飾:煤けた不死鳥の羽根

◇フメイ  [バーニングハート]
武:なし       盾:なし       飾:なし
武:なし       防:火鼠の衣     飾:なし

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:なし       盾:なし       飾:なし
武:なし       防:木綿のドレス   飾:なし

◇聖女   [運命変転修道女]
武:木の杖      盾:なし       飾:なし
武:なし       防:ロイエの修道服  飾:なし

◇リュアン [亡命のお嬢様]
武:黒曜鋼のナイフ  盾:なし       飾:守りのペンダント
武:なし       防:旅人のドレス   飾:なし

◇ミネルヴァ[亡命の医術師]
武:魔銀のメス    盾:なし       飾:お守り
武:         防:旅人のローブ   飾:なし

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽の欠片*3    大きな巻き貝      冒険者証(ランク1)
運命賽*2       サボテンドラゴンの花  メルルの帽子
会心賽*1                   暗黒優待券
反魂丹*1
ステライト鉱石                 
ヒヒイロカネ                  

◯現在の目標
・クロシュヴィアの行方を追う

◯努力目標
・特になし

◯仲間の目標
・僧侶を連れて帰る(聖女)

◯経験値
・クロシュ 近接[03/09] 魔法[06/09] 防御[04/07]
・フメイ  近接[00/04] 魔法[00/16] 防御[00/09]
・聖女   近接[00/03] 魔法[00/07] 防御[00/03] ?[00/08]
……………………………………………………………………………………
―オリシン平原

 精霊の幌馬車「」ガタンゴトン
 元デロデロ馬車「」ガタンゴトン

聖女「ん〜爽やかな風です!」

ミネルヴァ「今日は穏やかな旅路でありますように……」

妖精「首都には明後日くらいに着くかなあ」


リュアン「……なんだか懐かしいな。あの時もクロシュちゃんたちに助けられて……ほんの短い間だったけれど、一緒に旅をしたんだよね……」

フメイ「そんなこともあったんだ……」

リュアン「うん。フメイちゃんは、クロシュちゃんが探してたっていう友達なんだよね? 改めて、よろしくね」

フメイ「ん。よろしく」

クロシュ「んへへ……」

リュアン「……そういえばあの時、クロシュちゃん変な剣に乗っ取られたりしてたけど……今はもう剣を使ってないの?」

クロシュ「あ、えと……。クロシュヴィアちゃんに、取られちゃって……」

フメイ「……あれ? そういえば……セインたちの予備の剣を持ってくよう言われてなかったっけ?」

クロシュ「……忘れちゃった」

↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-40 食料発見(コンマ)
41-70 場所発見(コンマ)
71-90 良いこと(自由安価)
91-00 良いこと+(自由安価*2)
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 17:56:42.63 ID:C2nvXhzQO
はい
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 17:57:22.84 ID:yClnVY0io
さて
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 18:02:10.30 ID:tMFutBkL0
場所を見つけ、そして良いことがありました

↓1コンマ 見つけた場所
01-10 盗賊のアジト
11-50 廃村
51-90 謎の入口
91-00 ???

↓2 自由安価 起こった良いこと
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 18:03:25.09 ID:4szFqEjso
やん
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 18:03:35.15 ID:I4WO6NF9O
ヒナテイルと再会
498 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 20:03:16.50 ID:tMFutBkL0
 精霊の幌馬車「」ガタンゴトン
 元デロデロ馬車「」ガタンゴトン


聖女「あ、街道を歩いている人がいます」

妖精「ん? あれは――」


ヒナ「お〜い」ブンブン

 *

テイル「久しぶりね、妖精、クロシュ」

ヒナ「こんなところでお会いするなんて、縁がありますね!」

妖精「久しぶり。あなたたちはまたギルドの依頼でも受けてるの?」

ヒナ「ええその通り! この辺りに大盗賊たちの連合があるって話なんですよ!」

聖女「大盗賊の……連合?」

テイル「ええ。村は焼き、男は殺し、女は犯し、泣く子も黙ってぶち犯し、仲間がやられたら必ず百億万倍返し……そんな恐ろしい噂の大盗賊連合のアジトがこの平原にあるのよ。速報によれば、大盗賊のうちの一人は昨日検挙されたみたいだけれど――」

フメイ「昨日の奴ら?」

妖精「たぶんそう。あいつらだけじゃなかったんだ」

ヒナ「わ!? あなたたちがやったんだ!?」

フメイ「まーね」

テイル「流石は妖精とクロシュ……。他のメンバーはお初だけど、実力は相変わらずのようね」

妖精「いや……実はけっこう弱体化してるんだよね」

テイル「え、そうなの!?」


リュアン「そ、それより……仲間がやられたら百億万倍返しって……」

テイル「あら、お嬢ちゃん興味ある? ……ていうかアレか、報復が怖いってことよね?」

ミネルヴァ「……」

クロシュ「……わたしたちも……協力、する……?」

フメイ「そうしよ。根絶やしにすれば報復なんてできない」

ヒナ「その通り! 一族郎党皆殺しが一番後腐れない殺り方です、天界でもそう言われてます」

聖女「て、天界……? あの、あなたは……」

テイル「あー、こいつの言うことは真に受けなくて良いよ。頭がおかしいだけだから」

ヒナ「テイルちゃん、ちょっと酷くないですか?」

テイル「実際おかしいでしょ」


クロシュ(そういうわけで……わたしたちは、テイルさんと、ヒナさんと、一緒に……大盗賊のアジトに、向かうことになった……)

 ◇
499 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 20:04:05.13 ID:tMFutBkL0
―大盗賊のアジト 踏破率[0/10] 満腹度[10/10]


 草木に覆われた謎の建造物「」


ヒナ「見てください。森の中に巧妙に隠されている家がわかりますか?」

聖女「はい。見事な隠蔽ですね……」

テイル「ま、熟練冒険者の私たちにとっては見え透いたもんだけどね」

フメイ「あれを焼き討ちすれば良いの?」

ヒナ「いえ。中には奪われた金品や拉致された人々がいます。焼き討ちはできません」

フメイ「む……」

テイル「まあでも作戦はシンプルよ。ヒナを突っ込ませて暴れさせて敵を壊滅。どう?」

聖女「え、ええ……」

フメイ「ヒナって人、大丈夫なの?」

ヒナ「まあ大体大丈夫ですね。魔王とかでも出てこない限りは」

テイル「そういうこと。魔王でも弱いやつならたぶん相打ちくらいには持ち込めるだろうし」

ヒナ「うーん……雷霆の魔王以外の魔王には会ったことないので、なんとも言えないですね……」

聖女「ええっ!? ら、雷霆の魔王……!?」

ヒナ「ええ。あの強さの魔王が出てきたら、一人じゃ手も足も出ないですね。極めて遺憾ですけど」

テイル「ま、まあ雷霆の魔王は史上最強と言われてたやつだから……。まあそんな心配は今回はいらないのよ。ただの盗賊だもの」

ヒナ「まあそういうことです。人間相手なら遅れを取る気はありませんので、ご安心を」

フメイ「でも、昨日のやつけっこう強かった。フメイたちも一緒に行く」

クロシュ「うん!」

ヒナ「ありがとう! テイルちゃんと違って良い子たちですね、キミたち!」

テイル「う……まあ、良い子ではないわね、私……」


リュアン「あ、あの……私も、一緒に行きます!」

ミネルヴァ「……私も、治癒の技が使えます。怪我人が出た時は、お役に立てるかと……」

テイル「え、いやいや……! 流石に戦い慣れてない人たちを連れてくわけにはいかないわよ! しかもそっちの方、妊婦さんでしょ!?」

ミネルヴァ「大丈夫です。強化術の応用で私自身や胎児に過剰な負担がかからないようにできます」

テイル「い、いやいや……そういう問題じゃ……」

リュアン「ミネルヴァさんのことは、私が見てます。それに……この盗賊たちが世に存在し続ける限り、安心して眠れないので……。私たちは、自分の身を守りたいだけなんです……!」

テイル「むむう……」

ヒナ「まあまあいいんじゃない? やばくなっても私が守ってあげれば大丈夫でしょ」

テイル「まあ……ヒナがいいなら良いか」
500 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 20:04:51.36 ID:tMFutBkL0
―大盗賊のアジト 踏破率[0/10] 満腹度[10/10]


元デロデロ信徒A「馬車は私たちがお守りしてます!」

元デロデロ信徒B「お気をつけて……! 絶対、無事でいてください……!」

ヒナ「よっし、じゃあ行こう!」

フメイ「おー」


 草木に覆われた謎の建造物「」


妖精(……あの建物……本当に盗賊のアジト? あの植物による隠蔽……かなり高度な魔法……結界……?)

妖精(………細心の注意を払おう。嫌な予感がする)


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-50 踏破率+3、安酒(満腹度+1、次回戦闘コンマ+10)
51-70 踏破率+3、干肉(満腹度+3)
71-90 踏破率+3、???(本日戦闘コンマ+20、会心+10)
91-00 踏破率+3、???
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 20:12:12.09 ID:e1L65MZq0
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 20:42:47.44 ID:tMFutBkL0
―大盗賊のアジト玄関 踏破率[3/10] 満腹度[10/10]

 扉「」ドガァンッ!!

ヒナ「おらー!! 悪者はぶちころ――」ザッ


 血溜まり「」ドプ…
 倒れた盗賊たち「」
 倒れた盗賊たち「」
 倒れた盗賊たち「」


ヒナ「……」

テイル「ヒナ、どうし――っ!!?」

フメイ「……!!?」

聖女「こ、これは……!!?」

リュアン「ど、どうしたん――うっ!?」グッ

ミネルヴァ「こ、これは……一体……!?」


妖精「――みんな構えて!!!!」

クロシュ「……!!!!」シュバッ


 ガギンッ!!!!


溶けかけている何者か「」デロデロ…

 錆びた剣「」ギギギギ
 氷塊「」ギギギギ

氷クロシュ「……!!」ギギギギ


 ――戦闘 溶けかけている者――


◆クロシュ一行(連携+10、薄明+10、烈閃+20)
 満腹度[10/10]

 ◇パッシブ(条件を満たすと自動発動)
 ・連携(常にコンマ+10)
 ・残火(敗北時1度だけ復活するが次ターンコンマ-20)
 ・埋火(敗北危機のとき、コンマ+10、会心+10)
 ・追風(優勢時、次ターンコンマ+10)
 ・変天(痛恨時1度だけコンマの1桁と2桁を入れ替える)
 ・薄明(最初のターンコンマ+10)
 ・治癒(劣勢時、1度だけ次ターン終了時に1回復)
 ・烈閃(常にコンマ+20、会心+10)
 ・我慢(劣勢時、次ターンコンマ+10)

 ◇アクティブ(判定時に書き込むと発動。同時使用は不可)
 ・氷冷(腹-1、氷属性、敵コンマ-10永続)

◆溶けかけ(惨歌+30、破滅+30、再生+10、崩壊-10)

↓1コンマ(合計-20)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-80 勝利
81-00 会心
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 20:48:36.47 ID:I4WO6NF9O
氷冷
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 20:49:12.93 ID:ZXrmkXu7O
残火
505 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 21:01:55.53 ID:tMFutBkL0
 ―コンマ37 劣勢―

 砕ける氷塊「」バギャッ!!

 錆びた剣「」ギュオオオッ!!!!

氷クロシュ「!!」

ヒナ「でいっ!!」ゲシッ

吹っ飛ぶ氷クロシュ「〜〜!」モニャニャ!

 空振る錆びた剣「」ビッ――


溶けかけている者「……」ジリ…デロデロ…


フメイ「……こいつ……!!」


溶けかけている者「」シュバッ

ヒナ「ぬんっ!」バッ

 錆びた剣「」シュビビビビッ
 光の剣「」ガガガガッ

 蹴り「」シュッ

ヒナ「おっと」サッ


フメイ「やっ!」チリッ

 火球「」ボンッ!!

溶けかけている者「」シャッ

 火/球「」スパッ


溶けかけている者「……」ゴゴゴゴゴ


ヒナ「ふ、ふふ……魔王ですか、これ」

妖精「……疑似魔王化……っていうのを、見たことがある……。こいつ……まさか……」

フメイ「………」チリリ…

氷クロシュ「……」パキパキ…


クロシュ(……わたしの中の……アイスちゃんの、欠片が……)

クロシュ(………泣いて、る……)


◆クロシュ一行(連携+10、烈閃+20、埋火+10、我慢+10)
 満腹度[9/10]

 ◇パッシブ(条件を満たすと自動発動)
 ・連携(常にコンマ+10)
 ・残火(敗北時1度だけ復活するが次ターンコンマ-20)
 ・埋火(敗北危機のとき、コンマ+10、会心+10)
 ・追風(優勢時、次ターンコンマ+10)
 ・変天(痛恨時1度だけコンマの1桁と2桁を入れ替える)
 ・薄明(最初のターンコンマ+10)
 ・治癒(劣勢時、1度だけ次ターン終了時に1回復)
 ・烈閃(常にコンマ+20、会心+10)
 ・我慢(劣勢時、次ターンコンマ+10)

 ◇アクティブ(判定時に書き込むと発動。同時使用は不可)
 ・氷冷(腹-1、氷属性、敵コンマ-10永続)

◆溶けかけ(惨歌+30、破滅+30、再生+10、崩壊-20、氷冷-10)

↓1コンマ(合計+10)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-70 勝利
71-00 会心
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 21:05:28.35 ID:4szFqEjso
コンマがデロりかけてきた…
507 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 21:25:01.82 ID:tMFutBkL0
 ―コンマ45 劣勢―

溶けかけている者「」シュバッ

ヒナ「くっ」ギンギンギンッ!!

テイル「いつまでもやらせないわよ!! その剣、もらった!!」バッ

 浮遊魔法「」カッ!
 錆びた剣「」グイッ

溶けかけている者「!」

ヒナ「そこお!!」

 光の剣「」ヴンッ!!

 スパッ――

溶けかけ/ている者「」デロデロ

 デロデロ…デロデロ…ピトッ

溶けかけている者「」デロデロ


ヒナ「嘘でしょ、今真っ二つにしたのに!?」

テイル「ば、馬鹿な……ああっ!?」

 錆びた剣「」グオンッ!!
 ドスッ

テイル「ごふっ……が、我慢……できな……んああああっ……!」ビクンビクン

 バタッ

ヒナ「テイルちゃん!! こいつよくも――」

 デロデロ弾「」バギュンッ!!
 ベチャッ

ヒナ「ぎゃあああ!!! と、溶ける!! 私まで溶ける!!!」デロデロ


妖精「ま、まずい!! ヒナがやられたら戦線が――」
508 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 21:25:35.26 ID:tMFutBkL0

ニワトリクロシュ「コッ……コケコッコー!!!!」

 不滅の残火「」メラメラ…

テイル「……げほっ!!! はあ、はあ……し、しぬかと……」ゲホゲホ

ヒナ「う、うう……!? 溶けるのが止まった……!?」デロ…


 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシュ、無理をして……!! とにかくテイルとヒナは下がって!!!」

ミネルヴァ「負傷者の治療を行います!! 早くこちらへ!!」


フメイ「フメイが前に出る!!」バッ

リュアン「ううっ……!!! クロシュちゃんたちは……やらせない!!!」

妖精「リュアン!! フメイはともかくリュアンは無茶だよ、下がって!!」


◆クロシュ一行(連携+10、烈閃+20、埋火+10、我慢+10、残火-20)
 満腹度[9/10]

 ◇パッシブ(条件を満たすと自動発動)
 ・連携(常にコンマ+10)
 ・残火(敗北時1度だけ復活するが次ターンコンマ-20)
 ・埋火(敗北危機のとき、コンマ+10、会心+10)
 ・追風(優勢時、次ターンコンマ+10)
 ・変天(痛恨時1度だけコンマの1桁と2桁を入れ替える)
 ・薄明(最初のターンコンマ+10)
 ・治癒(劣勢時、1度だけ次ターン終了時に1回復)
 ・烈閃(常にコンマ+20、会心+10)
 ・我慢(劣勢時、次ターンコンマ+10)

 ◇アクティブ(判定時に書き込むと発動。同時使用は不可)
 ・クロシュがダウンしているため現在使用不可

◆溶けかけ(惨歌+30、破滅+30、再生+10、崩壊-30、氷冷-10)

↓1コンマ(合計+0)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-70 勝利
71-00 会心
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 21:26:33.10 ID:WsS2cOHK0
510 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 22:11:37.24 ID:tMFutBkL0
 ☆痛恨により聖女の〈変転〉が発動!
  しかし1桁と2桁を入れ替えても痛恨なのは変わらなかった……


聖女「み、皆さんはやらせません!!!」バッ

妖精「ああっ、聖女まで!? もう無理だよ、逃げよう!!!」

フメイ「あいつを……この場所をほっといて、逃げるわけには……いかないっ……!!」チリリ…!!

妖精「ううっ……気持ちは、わかるけどぉ……」


溶けかけている者「……」デロデロ…ジリジリ…

フメイ「おまえも……もう、いいの……!!! もう……」チリリッ

 火炎「」カッ!!

 火/炎「」スパッ

フメイ「あ、ううっ……」グググ

溶けかけている者「……」ジャッ


 デロデロ弾「」ドギャギャギャギャッ!!!!


フメイ「わあああああ!!!!」
リュアン「きゃあああああ!!!!」
聖女「やあああああああ!!!!」
妖精「んわあああああ!!!!」
スライムクロシュ「〜〜!!!!」モニャニャニャニャ!!!!
ミネルヴァ「いやあああああ!!!!」
テイル「んああああああ!!!!」ビクンビクン
ヒナ「あああああああ!!!!」


 ドッギャァァァァァァン!!!!!

 ――敗走――

 ◆
511 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 22:14:25.69 ID:tMFutBkL0
―夕方
 オリシン平原 街道沿い

 カー… カー…

スライムクロシュ「!」モニャッ

ブラッド「ようやく気が付いたか?」

フメイ「う……あ、赤スライム……?」

ブラッド「無様なお前たちに代わって、あの不愉快な場所は潰しておいた」

スライムクロシュ『み、みんなは……無事なの……?』

ブラッド「知るか。人間なんて死なせとけば良い」

フメイ「……」

ブラッド「……ああもう、面倒な後輩どもだな。生きてるよ、たぶん。トンチンカンなローブを付けた二人組がそこの馬車にセコセコ運んでた」


 精霊の幌馬車「」
 元デロデロ馬車「」


スライムクロシュ「……!」

スライムクロシュ(……みんなの、命の波……なんとなく、感じ取れる……。無事みたい……良かった……)

フメイ「……あそこは……カリス・ノーランドの施設なの?」

ブラッド「そう。世界各地にああいうのが残ってる。死してなお不快な物体を大量に残してやがんだよ、あの腐れ外道。まあ……クロシュヴィアのデロデロ化で、あいつに造られた哀れな生き残りたちも大体は楽になれただろうけど」

スライムクロシュ「……!」

フメイ「……フメイたちが戦った、あいつは……?」

ブラッド「お前たちが負けたアレは、非スライム由来の再生能力を付与されていた。すぐにデロデロ化できなかったのはそういうこと。まあ当人にとっちゃ生き地獄だったろうから、あたしが直々に楽にしてやったよ」

スライムクロシュ『……ありがと……』モニョニョ

ブラッド「……ふん。カリスの影響がまだ残ってんのが不快ってだけ。それにしてもお前たち……あの程度の奴に遅れを取るなんて、そんなに弱くなったの?」

フメイ「むう……。前のフメイなら……負けなかった……」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

ブラッド「はあ、まあいい……。あたしはもう行く。お前たち、変なとこで勝手におっ死ぬなよ」スタスタ

 シュバッ


フメイ「……」

スライムクロシュ『……』


 □大盗賊のアジトから敗走しました……

 ◆
512 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 22:16:02.54 ID:tMFutBkL0
―夜
 オリシン平原 野営地

 焚き火「」パチパチ

妖精「はあ……みんな無事で良かったよ……」

リュアン「本当に良かったです……」

聖女「お二人も、危ないところを運んでくださってありがとうございます」ペコリ

元デロデロ信徒A「んーん! 私たち、助けられてばっかりなので……!」

元デロデロ信徒B「赤い髪の女の子が、僕たちが皆さんを運び出すまで待っていてくれたんです! あの子が皆さんを助けてくれたんですよね……!?」

妖精「え、本当に……?」

クロシュ「んへへ……ブラッドちゃん、優しい……」

フメイ「うん……あの人、厳しいけど、時々優しいとこもある」

ミネルヴァ「……しかし、盗賊よりも遥かに恐ろしい者が潜んでいたのですね……。ちょっと、想定外すぎました……」

リュアン「でも……結局盗賊の方々はあの溶けかけてたものに皆殺しにされて……溶けかけてたものも、ブラッドさん? に倒されたんですよね……? 結果的には……丸く収まったと考えて良いんでしょうか……?」

妖精「まあ、そうだね……。ヒナとテイルは意気消沈した様子で帰ってったけど……」

フメイ「生き残れたのに、嬉しくないの?」

妖精「ヒナは勝てなかった悔しさ、テイルは盗賊討伐の証明不可で依頼失敗……ってとこかなあ。まああの二人のことだから明日には元気に別の仕事やってると思うよ」


オリシン平原で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 22:17:26.71 ID:e1L65MZq0
ミネルヴァに赤ちゃんの名前を考えてくれと頼まれる
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 22:18:06.50 ID:kZUEnb2Fo
メゾンドクロシュ
強くなるには会議
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 22:18:23.37 ID:ZXrmkXu7O
フメイ 火魔法の特訓をする
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 22:19:35.14 ID:qYMjkNpBo
クロシュ、フメイが弱体化したし、パーティメンバーも変わっている、ここらで連携を考え直そうと妖精が提案
517 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 22:44:23.43 ID:tMFutBkL0
―夜
 オリシン平原 野営地

フメイ「……」チリッ

 火球「」ボンッ

フメイ「……」


フメイ(火力は……体感だけど、前の2割未満……。このままじゃ、クロシュを守れない……)

フメイ(でも……失った力って、どうやって取り戻せば良いんだろう……)

フメイ(たぶん今のフメイ……生まれたばかりの、力の使い方を知る前のフメイより……さらに弱い……)

フメイ(う〜ん……どうしよう……)


妖精「フメイ、どうしたの? 悩み事?」パタパタ

フメイ「妖精。どうやったら、強くなれる?」

妖精「え、そうだなあ……。地道に魔法の勉強をするとか?」

フメイ「勉強……したことない」

妖精「……そういえば、フメイの魔法は、魔法というよりは直線的な炎魔力の放出に近いもんね。確かにあのやり方なら勉強はいらなかったかもしれないけど……」

フメイ「……でも、弱くなったフメイじゃ、通用しない気がする」

妖精「魔力の放出は、術式を介さないからロスが生じにくいっていう利点はあるけれど……素の魔力量とか属性の質にかなり左右される部分も大きいんだよね。今のフメイは……属性の質は以前と同じく高純度の炎属性だけど、魔力量がものすごく減ってるから、出力もかなり落ちてる……」

フメイ「どうやったら取り戻せる?」

妖精「生まれつきの魔力量は、実は簡単に増やしたりはできないんだ。フメイの場合は……力を奪われたってケースはちょっと見たことがないから、なんとも言えないけれど……ひとまずできることは、やっぱり魔力運用の勉強をして魔力の効率化を図ることだと思う」

フメイ「効率化?」

妖精「そう。魔力の放出は元々効率的ではあるけれど、それでもロスがないわけじゃない。それに魔力運用がもっとできるようになったら、最小限の魔力で必要十分な瞬間火力を発揮する……みたいなこともできるようになるはず」

フメイ「よ、よくわかんない……。とにかく、勉強すればいいの?」

妖精「まあそういうこと。良かったら教えてあげようか? たぶんフメイの魔法についてなら、人間の魔術師よりも妖精の私の方が向いてると思うし」

フメイ「お願いします」

妖精「よおし! じゃあ早速、今のフメイの魔法を見せてみて!」


↓1コンマ
01-60 まあまあ 経験+1
61-90 そこそこ 経験+2
91-00 理解した 経験+8
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 22:51:56.91 ID:I4WO6NF9O
519 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 23:03:24.22 ID:tMFutBkL0
フメイ「こう?」
 指先「」スッ
  超高温の小さな光「」ジジジジ…

妖精「……!!? え、ちょ、え……!?」

フメイ「?」

妖精「理解が速い……というか、私が教える以前に魔力の精密性はもう高位の魔術師級だった……てことだ!!」

フメイ「え、そうなの……!?」

妖精「既にできるのにやってなかっただけ……! そんな風に凝縮した炎なら、少ない魔力でもかなりの高温にできるでしょ? その熱を相手にぶつければ良いってこと!」

フメイ「えー? でもちっちゃいし……もっとこう、ばーっと燃える方が……」

妖精「そんな風に無駄遣いしてるから魔力が足りなくなっちゃうんだよ! 今までよりも魔力が少ないんだから、それを見越して運用するの!」

フメイ「むむ……わかった。こんな感じの炎を作って飛ばす練習を、する……」

 超高温の小さな光「」ジジジジ…

 ☆フメイが魔法経験を8獲得しました
 ☆会心成功によりフメイのパッシブスキルが強化されました

 ◇
520 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/14(日) 23:21:19.94 ID:tMFutBkL0
―夜
 馬車内

リュアン「ミネルヴァさん……お腹の様子は大丈夫ですか……?」

ミネルヴァ「ええ……。皆さんに守ってもらえたから、大事ないみたい」

聖女「良かったです……。あまり無理はなさらないでくださいね」

ミネルヴァ「はい……。ありがとうございます」

クロシュ「んへへ……」ニコニコ


聖女「ところで、お子さんのお名前はもうお決まりなのですか?」

ミネルヴァ「えっ……?」

リュアン「わあ、名前……!」

クロシュ「なまえ……?」

聖女「ああいえ、決まってないのでしたら、ゆっくりお決めになられるのが良いと思います。急かすつもりとかでは全然ありませんので」

ミネルヴァ「名前……そうですね……。今までは、考える余裕もなかったですけれど……。せっかくですし、ここにいる皆さんにも考えていただけますか?」

クロシュ「ほえ……?」

リュアン「えっ……!? わ、私たちが、ですか!?」

ミネルヴァ「今この馬車に乗っている皆さんは、一蓮托生の運命共同体みたいなものですから。そんなあなた方に付けて頂けたら、ひょっとすると良い運命に恵まれるかもしれない――なんて、流石に都合が良すぎるかもしれないですけれど……」

聖女「……わかりました! でも、最終的にはミネルヴァさんがお決めになってくださいね。その子のお母様は、ミネルヴァさんなんですから」

ミネルヴァ「はい、もちろんです。どうぞよろしくお願いいたします……」

リュアン「あ、あかちゃんの名前……! どうしよう、考えたことない……」オロオロ

クロシュ「……」


クロシュはなんて名前を提案する?
↓1〜 先取2票
1.モニョモニョ(スライム語でしあわせ≠フ意)
2.モニョモニョ(スライム語であい≠フ意)
3.デロデロ  (スライム語でデロデロ≠フ意)
0.自由安価(票数は内容ごと)
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 23:22:55.68 ID:WsS2cOHK0
2
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/14(日) 23:26:56.31 ID:kZUEnb2Fo
2
523 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/15(月) 00:37:21.59 ID:8yi7F61f0
聖女「むむ……名前、名前……」

リュアン「……う、うーん……やっぱり思い付きません……。クロシュちゃんはどう……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

リュアン「えっ?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

聖女「………もしかして……〜〜、ですか?」モニョモニョ

スライムクロシュ「!」モニョッ!

リュアン「……ええっ!? 聖女さん、スライム語を話せるんですか……!?」

聖女「ふふ、まあその、少し練習しまして……。ミネルヴァさん、クロシュさんからの提案は〜〜です」モニョモニョ

ミネルヴァ「え、ええ……? すみません、ちょっと聞き取れなかったのですけれど……」

聖女「……クロシュさん、人の言葉に訳してしまっても構いませんか?」

スライムクロシュ「!」モニョッ!

聖女「ありがとうございます。では……クロシュさんからはあい≠ニいう提案です」

リュアン「あい……。あい……?」

ミネルヴァ「……あい……」

聖女「基本的には愛≠ニいう意味です。しかし〜〜には哀≠ニいう意味もあるので……あい≠ニいう言葉が、ニュアンス的には最も近いかと」

リュアン「愛……哀……。そんな、全然違う意味が……?」

聖女「……全く違う意味というわけでもないんです。愛と哀しみは、実は表裏一体の情……。愛が深ければ深いほど、哀しみもまた深くなります……。オノゴロの古語では、愛と書いてかなしみと読むそうですよ」

リュアン「そうなんですか……!」

ミネルヴァ「……あい、ですか……。哀を知らずに育って欲しい、と思っていましたけれど……。哀がなければ、愛もないのだとしたら……そういうわけにも、いかないのですね……」

聖女「……でも、最終的に決めるのはミネルヴァさんですから。一つの案として受け取っていただければ……とクロシュさんも言ってます」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

ミネルヴァ「……ありがとう。ふふ……あなたはまだ小さいのに、いつも考える切っ掛けをくださいますね」

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ?

 ☆ミネルヴァの子に名前の提案を行いました

 ◇
524 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/15(月) 00:38:04.09 ID:8yi7F61f0
―クロシュの夢
 集落の広場


クロシュ「……」


アイスの欠片「……」グスグス…


クロシュ「アイスちゃん……」

アイスの欠片「……あの子……らくに、なれた……? ほんとに……らくに、なれた……?」

クロシュ「……うん。きっと……ブラッドちゃんが……楽に、してあげた……」

アイスの欠片「うん……」グスッ

クロシュ「……ごめんね……。わたし……ちゃんと、できなかった……」

アイスの欠片「………ばかクロシュ……。いきてたら……それで、いい……」

クロシュ「んへへ……。うん……」



焦げたニワトリ「ここへ来るのは久しぶりね、クロシュ」トコトコ

クロシュ「ニワトリさん……!」

焦げたニワトリ「事の次第は理解しているわ。力を求めているのよね」

クロシュ「うん……!」

焦げたニワトリ「……でも結論から言うと……ここの住民は、これで全員よ」

クロシュ「!?」モニャッ!?

焦げたニワトリ「皆、クロシュヴィアのデロデロ攻撃に呑まれ、星の内側へ沈んでいったわ。私は不滅の炎であなたたちを守る為に最期まで抗ったけれど……その結果、こんな有り様となったわけ……」バサッ

クロシュ「……」モニョ…

焦げたニワトリ「そういうわけで、今の私は力をほとんど使い果たした燃えカスよ。それなのに、今日みたいに私の力を無理矢理使おうとすると……今度はあなた自身の命が削れてしまう。あなた、今日は無理をして平静を装っていたけれど……実はかなりきつかったでしょう?」

クロシュ「!」モニャッ

焦げたニワトリ「だからもう使わないで。これ以上あの力を使えば、いつかあなたの命は尽きてしまうわ」

クロシュ「……でも、ああしないと……」

焦げたニワトリ「……はあ……。そうね……。ああしなければ、きっとあなたたちはブラッドに助けられる暇もなく、あの場で終わっていた……。あなたの判断は正しかったわ。腹立たしいけどね……」

クロシュ「……」

焦げたニワトリ「……だから、もうあんな状況にならないようにしなさい。今までは生まれ持った才能と魔力量で無理矢理どうにかできたけれど、今の力を失ったあなたではそういかないの。絶対に無茶をしてはいけない。わかったわね?」

クロシュ「う、うん……」

焦げたニワトリ「……アイス、あなたからもクロシュによく言っておいて。私の力を使わないように」

アイスの欠片「……ばかクロシュ……。みんなを、かなしませたら……おおばかクロシュだから……」

クロシュ「……うん」

アイスの欠片「……クロシュ……ニワトリはだめだけど……アイスのちからは、だしおしみしなくていい。フメイも、よわってるから……アイスのちからで、まもって……」

クロシュ「……うん!」

525 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/15(月) 00:43:07.98 ID:8yi7F61f0
焦げたニワトリ「これでよしね。……とはいえ私も大魔女の端くれ。ただ手をこまねいているつもりもない……。以前までとは言わずとも、なんとか力を取り戻す方法を模索してみるわ。だからそれまでは、私の力は使わないこと。いいわね?」

クロシュ「うん……!」

焦げたニワトリ「ああ……それともう一つ言えることがあるとすれば……ここにいた者たちは、存在そのものが消え去ったわけではないわ。クロシュヴィアのデロデロ攻撃によって、星の内側へ沈んでしまっただけ。そして呑まれる間際、大盾や星竜が協力して皆に結界を張っていた。だから恐らく、彼らは力を保ったまま星脈を流れているはずよ。それを掬い上げることができれば……きっとまた、あなたの力になる。それを狙ってみるのも良いかもしれないわね」

クロシュ「!」

焦げたニワトリ「何度も言うけれど、無茶はしないこと。あなたを愛している者たちがいる……なんてことは、わざわざ言うまでもないことよね」

クロシュ「うん……!」

焦げたニワトリ「わかっているなら良いわ。今夜はゆっくり安らぎなさい」

クロシュ「うん……」

アイスの欠片「……つめたいもの……ほしかったら、いえば……」

クロシュ「んへへ……じゃあ、かきごおり……」

アイスの欠片「みずあじしかないけど」

焦げたニワトリ「ヴァンが育ててたリンゴの木は残ってるわ。りんご味にしましょう」

アイスの欠片「ん」

 ☆夢の集落で心の住人と交流しました

 ◇
526 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/12/15(月) 00:44:28.27 ID:8yi7F61f0
本日はここまで。次回はオリシン平原三日目からとなります

ヒナ&テイルと協力して大盗賊のアジトに攻め入るも、カリスの悪意の置き土産に出くわして敗走を余儀なくされたクロシュ一行……。弱体化はクロシュたちが自分で思っている以上に深刻だったらしく、魔法の練習や戦力増強を図るクロシュ氏とフメイちゃんなのでした。ミネルヴァさんのお子さんのお名前を提案したりもしつつ、寂しくなった夢の集落でかきごおりを食べつつ、あかちゃんスライムは眠る――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/15(月) 01:55:33.97 ID:vo12aFZYo
おつ
コンマ振るわず久々に負けたなぁ…
その代わりか成長は高めでよかった
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