他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅱ
Check
Tweet
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 07:00:26.83 ID:WzZcT05X0
乙
両方同時に戦ってるし同時に会心いきそう
136 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 09:19:18.30 ID:LqUHziWtO
>>134
戦闘も終わりが近づいてきました。もう一息です。頑張りましょう!
>>135
描写上ではちょっと離れた別の場所で戦っていますが、システム的には同一判定なのでまさしくその通りです。引き続きよろしくお願いします。
137 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 09:20:22.19 ID:LqUHziWtO
サーシャ「それなら、キキさんにはセーレフェリアの目と耳を一瞬だけでいいから狂わせてほしいんです。風で砂埃を巻き上げて音をかき消して……できますか?」
キキ「勿論です。お任せください〜」
サーシャ「ベルさんは結界でリーゼの撃った弾が着弾した場所にセーレフェリアを誘導してください……なるべく、悟られないように」
ベルフレア「分かりました。いつでも合わせますよ!」
アインズ「私も誘導を手伝おう」フラッ
サーシャ「ダメ。アインズは動けるようになるまでしばらく休んでて」
アインズ「しかし……」
サーシャ「私たちなら大丈夫だよ、アインズ。本当に危ないときになったら、助けてくれる?」
アインズ「サーシャ……わかった。無理はするなよ」
サーシャ「うん……リーゼ、テルさん、準備はいい?」
リーゼリット「──水属性弾、準備できたよ」
テル「チャンスは一度きり──」スッ
テルに集まる魔力「」ギュウウウン……
テル「……いつでもいいよ、サーシャちゃん」
サーシャ(ガイ……リーナちゃんを殺したとき、『後悔はあるが迷いはない』って言ったよね。本当にそうなれたら楽だろうなって、少しだけ思った……でも、私はきっとそうはなれない)
サーシャ(私は……後悔も迷いも抱えたまま、それでも手だけは止めない。ガイとは違う形でも、同じ方向を見て戦う……怖さごと抱えて、それでも射る。それが、私の前を見るって決めた答えだから)スゥ……
サーシャ「──行くよ!」バッ
魔導弓「」バシュバシュバシュッ
セーレフェリア「そこに隠れてたんだ!場所さえわかっちゃえば……」スッ
キキ「見えなくとも当てられますか〜?」
巻き上がる砂風「」ビュオオオ……
セーレフェリア「風──目くらましのつもり!?鬱陶しいなぁ……!」
リーゼリット「……」スッ
狙撃型魔導銃「」ドギュウン!ドギュウン!ドギュウン!
セーレフェリアの近くの壁に着弾する水属性弾「」バシャッ!
濡れるセーレフェリア「きゃっ……あはは!惜しいね!今のが本命の弾だったら、ちょっとは痛かったかも?」
地面に当たる水属性弾「」ビチョッ……
リーゼリット(よし、狙い通り地面に着弾した……しかも、セーレフェリアを濡らすことができた!これなら──)
138 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 09:21:16.92 ID:LqUHziWtO
衝撃波で自分ごと弾き飛ばすセーレフェリア「もう終わり?それなら反撃するよ──」ドォン!……ドォン!……
ベルフレア「逃げ道はそっちじゃありませんよ!」
壁のように展開する結界「」フォンッ
結界に衝突するセーレフェリア「ぐっ!?……」ガンッ ドサッ……ビチャッ!
セーレフェリア「うぅ……もういいや、まとめて吹き飛ばして……」ググッ……
セーレフェリア「あれ?……待って、テルはどこ──」
テル「──落ちろ、雷よ!」バチッ……バチッバチッ……
放たれた雷「」ドォンッ……!
水で濡れた石畳「」バチッ!!
濡れた地面を伝う電流「」バチバチバチバチバチバチ……!
感電するセーレフェリア「きゃあああああああっ!?!?!?」ジジジジジジ‼︎‼︎‼︎
セーレフェリア「あ……?あ……」プスプス……
セーレフェリア「なんで……わたし、が……テルの、魔法を……受けてるの……?」フラ……
膝から崩れ落ちるセーレフェリア「」ガクンッ
セーレフェリア「足……力、入んない……?魔力も……うまく、回らない……息、苦し……」ヒューヒュー
テル「……その状態じゃまともに魔法も撃てないでしょ」
アインズ「……どうやら、終わったみたいだな」
セーレフェリア「コホッ……ねぇ、テル。これ……ほんとに、テルが……やったの?」
テル「うん。私がやった……初めてセーレに当てられたけど、威力は相当でしょ……?」
セーレフェリア「はは……そうだね……ゴホッゴホッ……最悪……気持ち悪い……」
リーゼリット「笑ってる場合じゃないでしょ、あんた……」
サーシャ「……」
◆
139 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 09:23:12.82 ID:LqUHziWtO
フローディア「──セーレ!?」
ガイ「よそ見をしている暇があるのか?」シュンッ
短剣「」ジャキンッ!
魔導拳銃「」ドギュウン!
首を斬られるフローディア「……っ!!!」ビチャッ
フローディア「──いくら斬っても、いくら撃っても無駄よ!私は死なないッ……世界から死を消し去ろうとしている私が、自分の終わりごときで止まるはずないでしょう!」ボォォ……
ガイ「……」スタッ……
ガイ(ずっと致命傷を与え続けているが、それを上回る速度で傷が治癒していく……キリがないな)
ガイ(こうなったら……)チラ
代償の刃「」カタカタ……
パティ『それは世界の法則そのもの。奇跡を起こすには、それに見合うだけの対価が必要になる』
アトニス『ソイツはあと一回まではお前自身から代償を貰う。そこから先は──お前だけじゃなく、お前の周りからも代償をもらう可能性がある』
ガイ(──ダメだ。コレは使えない。だが、永遠に再生する相手をどうやって……)
トゥルーエンド『戻ってこれなかったら、時間の狭間に取り残されるわ。身体も、意識も、世界の時間からズレたまま固定されるの。誰にも触れられず、声も届かない……存在しているのに、どこにもいない状態になるわ』
ガイ(こんなときに何を思い出しているんだ、俺は……待て。"世界の時間からズレたまま固定される"……?)
ガイ「……そうか」
フローディア「ふふ、なにか閃いたような顔ね?どうせまた、無駄に斬りかかるだけでしょうけど」
ガイ「試してみたいことができた」
フローディア「試す?この私を相手に、実験のつもりかしら?」
ガイ「ぶっつけ本番だが、うまく行けばお前を殺せる」
フローディア「……なんですって?」
コンマ下1
01-50 劣勢
51-90 勝利
91-00 ???
コンマ下1
閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り0回)
代償の刃 +99(現在使用不可)
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 09:26:13.81 ID:JX1l2zhx0
閃光玉
141 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 16:55:11.95 ID:VQZzRQ+NO
ガイ「……やれるかどうかは、試してみないとわからないがな」
フローディア「……殺せるって言ったり、わからないって言ったり……どっちなのかしら?」
ガイ「これからわかるさ」スッ
閃光玉「」ピッカァァァン‼︎
フローディア「くっ……やっぱりハッタリだったってわけね……!」
ガイ(──今だ)スッ
ガイ(今までは自分自身にしか時間干渉をしてこなかったが……今回は違う。フローディアの“流れ”そのものに触れる。再生へ向かう速度を奪い、致命傷を負った状態の時間だけを引き延ばす!)
ガイ(そうすれば、治癒は追いつかず──致命傷のまま固定できる。その先にあるのは、ただの死だ……掴め……あいつの時間を──)グッ……
何かに触れる感覚「」
ガイ「……っ!?」ゾワッ
世界「」ゴォォォ──
巻き上がった砂埃「」
燃え上がる炎「」
飛びかけていた瓦礫「」
フローディア「」
ガイ「これは……ソールがやっていた時間の檻?」
ガイ「うぐっ……魔力の消費も桁違いだ……」フラッ
吐血するガイ「ごふっ……」ビチャッ……
目から血を流すガイ(解除しなければ……俺が、呑まれる──!)フラ……
ガイ(……だが、この一瞬を捨てるわけにもいかない。世界が止まっている今だけが、フローディアを殺せる唯一の隙だ……ここで削り切る)ギリッ
ガイ(腹、心臓、脳……魔力の流れが集中している核……考えられる場所は全部、同時に叩き潰す)
ガイ「──」
短剣「」スラッ……
魔導拳銃「」チャキ……
◆
世界「」──ゴォォォ
フローディアの身体「」ドシャァッ!!
血だらけのガイ「ハァ……ハァ……!」ビチャビチャ
フローディア「なっ……な、に……これ……?」ドサッ
半分欠けた頭「」
胸部に空いた穴「」
腹部を深く抉られた身体「」
フローディア「さっきまで……なかった傷が……?い、一度に……」メラメラ……
フローディア「っ……再生が……追いつかない……?おかしい……私の身体は、もっと速く──」メラメラ……
フローディア「……ふふ……すごい……今、ほんの少しだけ……私の終わりの気配がしたわ……」ボソッ
ガイ「……さすがに、効いたか」
フローディア「なにを……したのよ、あなた……刃で斬られた感覚も、銃で撃ち抜かれた感覚もある……それが、全部“一度に”来てる……?そんな芸当……どうやって──」
ガイ「……さあな。俺にも、うまく説明できない」ビチャビチャ……
◆
サーシャ「え……?」
リーゼリット「なに、今の……ガイ、ほとんど動かなかったよね……?」
テル「ていうか、あの血……大丈夫なの!?」
キキ「気づいたら、二人ともボロボロになってましたね……」
ベルフレア「一瞬、息が詰まるような圧を感じましたけど……何が起きたのかは、まったく……」
アインズ「……ガイの周囲だけ、空気が凪いだように見えたが……」ジッ
アインズ(間合いを詰める気配も、攻撃の予備動作もなかった。代償の刃を使った感覚もない……結果だけが上書きされたような……)
アインズ(……動こうとした瞬間には、もう終わっていた。あれは“戦闘”というより、結果だけを押し付ける何かだ……何をした、ガイ?)
◆
142 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 16:56:52.10 ID:VQZzRQ+NO
フローディア「あなた、本当に人間なの……?」
ガイ「少なくとも今は、人間のつもりだ」
フローディア「……ふふ、その言い方、嫌いじゃないわ」
崩れかけの身体を無理やり支えるフローディア「」ググッ…
フローディア「でも……まだ、足りないわ……これじゃまだ……終わりには届かない……!」カッ!
不滅の炎「」ゴオオオオオッ‼︎‼︎
短剣を構え直すガイ「……驚いたな。まだ、死なないのか?」フラッ
ガイ(まだ足りなかったか──本当に厄介な相手だな。だが、もう立つのもやっとだ……あれをもう一度やれば、先に潰れるのは俺のほうだ)
◆
サーシャ「ガイ!!!」バッ
魔導弓「」ギリギリ……バシュッ
炎に溶ける矢「」ジュッ!
リーゼリット「……炎が邪魔して狙えない!」
キキ「風よ──!」ヒュオオオ……
炎「」ゴウッ‼︎
キキ「あの炎……相当手強いですね。下手に掻き消そうとしたら、こっちにまで飛び火しますよ〜」
ベルフレア「こっちに火が来ないようにするので精一杯です……!」ジリ……
結界「」ジジジ……
アインズ「くっ……動けさえすれば、こんな炎──!」フラ……
◆
ガイに近づくフローディア「ふふ……そんな身体で、まだこちらに手を伸ばしてくるなんて……やっぱりあなた、最高ね……」ユラァ……
ガイの胸倉をつかむフローディア「」ガシッ
持ち上げられるガイ「くっ……!」ブラン
落ちる短剣「」カラン……
フローディア「……ねぇガイ。私……あなたのこと、すごく……すごく気に入ったわ……」ジッ……
ガイ「何……」
ガイの頬を触るフローディア「終わらない私に、終わりを見せようとしてくれるなんて……ふふ、やっと見つけた。私を殺してくれるかもしれない人……その残酷で優しい姿……本当に、綺麗よ」サワ……
ガイ「……褒め言葉には、聞こえないな」
フローディア「とびきりの賛辞よ。だって──あなたなら、いつか本当に“私の死”に手を届かせてくれそうなんだもの」クス
フローディア「だから、あなたが忘れないように証を残してあげる」クイッ
ガイ「……何、を──」
唇を重ねるガイとフローディア「」
◆
143 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 16:57:24.68 ID:VQZzRQ+NO
サーシャ「っ……!?」
リーゼリット「ちょっ……な、なにあれ……!?ガイと、あの女が……!」
テル「えっ、どういうこと?なんで……?」
キキ「おやおや〜……ずいぶん大胆ですね〜……あれ、戦闘行為に入るんでしょうか〜?」
ベルフレア「い、今すぐ引き剥がしたいですけど……炎が邪魔で、近づけません……!」ギリッ
結界「」ジリジリ……
アインズ「……ああいう女は厄介だ。甘い仕草で距離を詰めて、一番深いところを揺さぶってくる」
◆
バッ
フローディア「……ふふ。震えてるじゃない」
フローディアを殴るガイ「」ペチン……
フローディア「あら……それで本気?」
ガイ「何を……考えている……!」
フローディア「私に終わりを少しだけでも見せてくれたお礼よ?……それに──」スッ
指先で自分の唇に触れるフローディア「今のは、約束の口づけ。いつか本当に殺してくれる、その時まで……絶対に逃がしてあげないわ」
ガイ「……物騒な執着だな」
フローディア「ふふ、あなたも大概でしょう?……それと残念だけど、セーレは置いていくわ。今の私じゃ、連れて帰るだけの余裕がないの」ヤレヤレ
フローディア「どうするかは好きにしなさい。あなた達がどんな答えを選んでも……私はそれを否定しないわ。だって、あなたの選択は全部……“私の最期”に繋がっていく道筋だもの」
フローディア「……また会いましょう、ガイ。次は──今日の続きから、ね?もっとちゃんと、“私を殺せるあなた”を見せて頂戴」ニコ
炎に包まれながら消えていくフローディア「」ゴッ──
ガイ「くっ、待て──」ドサッ
◆
144 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 16:58:00.64 ID:VQZzRQ+NO
ーーホトルス族 診療所
ガイ「──ッ!?」ガバッ
ガイ「……ここは?」
サーシャ「ガイ!!!」ギュッ
ガイ「ぐっ……サーシャ……く、苦しい。状況を説明してくれ……」ペシペシ
ソーラ「ガイさん!目が覚めた……?」
ガイ「ソーラ……ここは、ホトルス族の管轄か」
サーシャ「うん。パーティのみんなとホトルス族の人達がずっと治療を手伝ってくれてたんだよ。ガイ、二日くらいずっと意識がなくて……!」
ガイ(サーシャの目の周りに隈ができている……)
ガイ「……すまない。心配をかけたな」
リーゼリット「ホントだよ。目からも鼻からも血を出して倒れてさ……今回ばかりは本当に死んだかと思ったんだから……こっちは心配してたのに、起きるなり“状況を説明してくれ”はないでしょ」
テル「ガイくん……よかった、目が覚めたんだね!」
ガイ「テル……」
アインズ「起きて早々、それか……もう少し自分の身体を心配しても罰は当たらんと思うがな」スタスタ
ガイ「アインズ……」
テル「ガイ君は高熱と魔力欠乏……それと全身に過剰な負荷がかかっていました。今は峠は越えたけど、しばらく無理は絶対に禁物です」
ガイ「フッ……なんだか、本当に医者みたいだな」
テル「なっ……私、これでも医術には自信があるってテラヌス・ウルスに来る前に言ったよね!?」
ガイ「すまない……正直、疑っていた」
アインズ「フッ……状況なら、簡単に説明しよう。フローディアは撤退した。炎を残して姿を消したが、追撃は不可能だった」
アインズ「街側の被害は……兵たちの奮戦もあって最小限で済んだ。死者も負傷者も出たが、最悪の事態は免れている」
ソーラ「この診療所に運び込まれた人たちも、今のところ、みんな命は繋がっています……ガイさんがフローディアの動きを止めてくれたおかげです」
リーゼリット「セーレフェリアは、別室で拘束と治療中。テラヌス・ウルスの各種族が一緒に監視してるよ。まだ完全には目を覚ましてないけど、暴れられる状態じゃない。セーレフェリアの処遇は、まだ決まってないよ」
アインズ「細かい経緯や今後の方針は……お前がもう少し回復してから、改めて話し合うとしよう」
ガイ「……そうか。大筋はわかった……少し眠らせてくれ。起きたら、全部話す」ユッ…
サーシャ「うん。ここにいるから……ちゃんと、起きてね」
ガイ「ああ……サーシャも寝てくれ。お前の目の下の隈がひどい。二日も張り付いていたんだろう?」
サーシャ「えっ……あ、その……」
ガイ「もう十分だ。これ以上ここに張り付いている必要はない。お前だけじゃなく……みんなも少しは休め」
リーゼリット「……そう言われちゃったら、素直に甘えとくよ。ガイもちゃんと起きてくれたしね」
テル「うん……けど、何かあったら遠慮なく言ってね。対処してあげるから」
アインズ「ふむ……ようやくまともなことを言ったな。今は各々、身体を整えるのが先決だ」
サーシャ「……うん。じゃあ、ちょっとだけ隣で休むね」ポスン
ガイ「?……勝手にしろ……」
サーシャ「……」zzz
現在はテラヌス・ウルスです。(9日目)
※まだ回復しきっていないため、遺跡探索や遠出、戦闘等はできません。また、自由安価終了後、セーレフェリアの処遇を決めます。
何をする?
安価下1〜3
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 16:58:32.28 ID:WzZcT05X0
酒場でキキと会い身の上話を聞く
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 16:58:49.51 ID:u4iH1xmQO
トゥルーエンドに言い寄りつつ時間魔法を鍛える
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 17:00:20.02 ID:NJ2H/X6Do
取り敢えずキスの件で煽られる
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 17:00:30.56 ID:74TFnHwK0
アインズ ドルクの強さに気になる為、軽く模擬戦する
149 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:34:29.79 ID:CDrkjIQNO
ーー大魔女の部屋
ガイ「ルー……入るぞ」
トゥルーエンド「その声……ガイ!?」
タッタッタッ……ガチャ
ガイ「訓練の続きをしに──」
トゥルーエンド「無事だったのね!?バカ!どれだけ心配したと思ってるのよ!」
ガイ「……まだ今日、目が覚めたばかりなんだ。大きい声は頭に響く……」
トゥルーエンド「あっ、ごめんなさい……って謝るのはこっちじゃなくて、そっちでしょ」ジトッ
ガイ「……そうなのか?」
トゥルーエンド「“そうなのか?”じゃないわよ。意識が戻らないって報告を受けたこっちの身にもなりなさい」
ガイ「……すまない」
トゥルーエンド「まったく……いい?状況を聞いた限り──あなたは自分の時間だけじゃなく、相手の時間の流れにまで触れたみたいね。普通なら数年単位で段階を踏む領域に、いきなり踏み込んだのよ」
ガイ「……だが、そのおかげでフローディアを止められた」
トゥルーエンド「止めたわね。だから結果だけ見れば正解よ。でもね、ガイ──もしそこで、あなたが戻ってこなかったら。誰が『正解だった』って言ってあげるの?」
ガイ「……」
トゥルーエンド「世界は救われるかもしれない。人も守られるかもしれない。でも、あなたはそこで終わるの。誰にも触れられず、誰にも気づかれずに」
トゥルーエンド「……私は、それを正しいとは思わない。世界を救う手段に、誰か一人まるごと捧げるなんて──そんなの、悪趣味な魔術式と変わらないわ」
ガイ「……そういう線引きをするのは、意外だな」
トゥルーエンド「誰に向かって言ってるのよ。私は“大魔女代理”なの。世界を俯瞰して見なきゃいけない立場だけど……それでも、目の前で頑張ってる誰かを雑に扱いはしないわ」
ガイ「……少なくとも、俺のことをそこまで思ってくれているのは理解した」
トゥルーエンド「最初からそう理解しなさい。時間を弄る前に、自分の命の扱い方から学び直してほしいくらいだわ……さて、本題よ。今回の戦闘で──あなたが何に触れたのか、一緒に整理しましょう。報告は受けたけど、本人の口からも聞かせなさい。今回起きたことを順を追って話して」
150 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:34:55.49 ID:CDrkjIQNO
ガイ「順を……そうだな。閃光玉で視界を奪ったあと、フローディアの時間の流れを掴みにいった。これまでと違って、自分ではなく──相手の時間に手を伸ばすつもりで」
トゥルーエンド「そこまでは想定の範囲内ね。自分じゃなく、他者の時間への干渉……それ自体は理屈としては間違ってないわ」
ガイ「だが、そこで妙な感覚があった。フローディアだけじゃない……周囲一帯の流れごと、何かに引っかかったような……掴んだ瞬間、世界が黙り込んだ。砂も、炎も、瓦礫も、何もかも……全部、動きを止めた。あとは、そこにいる“的”を……片っ端から壊した」
トゥルーエンド「……自分の感覚としては?止めたのか、置いていったのか。どっちに近い?」
ガイ「……止めた、だな。これまでとは違う。俺だけが速くなったんじゃない。周りが、こちら側に追いつけなくなった感覚だ」
トゥルーエンド「研究者としては喉から手が出るほど興味深いわ。大魔女代理としては全力で頭を抱える案件だけど……あなたのやったことを仮に言葉にするなら──“自分を基準に、周囲の時間を一時的に固定した”ってところかしらね」
ガイ「……狙ってやったわけじゃない」
トゥルーエンド「知ってる。狙ってできるなら訓練なんてしなくていいもの。無自覚で世界の時間に触れた、ってことは──同じぐらいの無自覚さで、今度は自分の存在を世界からこぼし落とす可能性だってあるの」
ガイ「……時間の狭間に取り残される、か」
トゥルーエンド「そう。前に言ったでしょう。戻ってこられなかったら、身体も意識もズレたまま固定されるって」
ガイ「ああ。だからこそ、制御が必要だと」
トゥルーエンド「そうね。今回あなたが掴んでしまったものは、時間操作のかなり深い部分よ。素質を持っていても、一生そこに届かないまま終わる人間のほうが多い……本来なら、年単位で段階を踏んで、“触れていい場所”と“踏み込んだら戻れない場所”を体で覚えていく領域──それをあなたは、実戦の中で一気に跨いだの」
トゥルーエンド「だからこそ、ここからはきちんと順を踏むわ。今までみたいな勘と勢いだけの時間操作は、もう絶対に禁止。いいわね?」
ガイ「了解した。二度とあんな賭け方はしない。少なくとも、意図せずにやることはないようにする」
トゥルーエンド「そう、それでいいわ……それじゃあ、訓練を始めるわよ」スッ
ガイ「……また抱きしめる必要があるのか?」
トゥルーエンド「察しが良くて助かるわね」
ガイ「……」ギュッ
トゥルーエンド「じゃあ……始めるわよ、ガイ」ギュッ
トゥルーエンド「……あら?」ピク
ガイ「どうした」
トゥルーエンド「ちょっと黙って……へぇ……この魔力……あなた、不死鳥か何かの知り合いでもいる?」ジッ
ガイ「いや、いないが……少なくとも、直接会った覚えはない」
トゥルーエンド「そう……まあ、あとで話すわ。訓練を始めましょう」ギュッ
◆
151 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:35:24.55 ID:CDrkjIQNO
トゥルーエンド「──はい、そこまで」
ガイ「……ふぅ。終わりか?」
トゥルーエンド「ええ。世界を巻き込むような気配は感じなかったわ。暴走しかけた流れも、一度もなかった」
ガイ「そうか。実感としては、前より浅い水面で踏みとどまっている感じがあったが」
トゥルーエンド「それでいいの。深く潜る訓練じゃなくて、深く潜らない訓練だから……少なくともこれで、先日みたいにいきなり世界ごと止めることは、起こりにくくなったはずよ」
ガイ「……助かる」
トゥルーエンド「あなた、だいぶ掴みが上手いから私と一緒にする訓練は次で最後かもね……」
ガイ「……そういえば、訓練を始める前に言いかけていたことはなんだ?」
トゥルーエンド「ああ……あなたの胸のあたりに、あなたのものじゃない魔力が絡みついてるの。すごく古くて、焼けた灰みたいな……大魔女様に似てるけど、少し違うような……」
ガイ「心当たりはない」
トゥルーエンド「呪いじゃないわね。どちらかといえば祝福。炎の属性……再生、保護、輪廻……そういう性質に近い。ひどく歪んでるけど、悪意はない……」
ガイ「炎と再生?……待て、フローディアに口付けをされた」
トゥルーエンド「……ハァ!?ちょっと待ちなさい。今なんて言ったの?もう一回言って?」ズイッ
ガイ「フローディアに口付けをされた」
トゥルーエンド「よりにもよって、あの女に!?」
ガイ「ああ。心当たりはそれしかない」
トゥルーエンド「それしかない、じゃないわよ……!」ユサユサ
ガイ「揺らさないでくれ」
トゥルーエンド「……その灰みたいな魔力、口元から胸の奥にかけて筋を引くように残ってるの。キスの瞬間に流し込まれたって考えるのが一番自然ね……ホント、やってくれたわね、あの女」
ガイ「取り除けるか?」
トゥルーエンド「ええ……でも、結論から言うと取り除く必要はないわ」
ガイ「なぜだ」
トゥルーエンド「悪意を感じられないの。あなたの居場所がわかるとか、害を成すとか、そういったものを一切感じられない。むしろあなたに恩恵を与えるような性質ね」
ガイ「恩恵……?」
トゥルーエンド「不死鳥ほどじゃないけど、あなた、相当死にづらくなってるわ。怪我の治りも速くなってるし、死にかけてから死ぬまでの猶予が前よりずっと長くなってる」
ガイ「……つまり、簡単には死ななくなった、ということか」
トゥルーエンド「正確には"簡単には死なせてもらえない"、ね。瀕死になればなるほど、そこから先の時間を無理やり引き延ばされる感じ……少しだけでも足掻けるようにっていう意図を感じるわ」
ガイ「なぜ、そんなものを……」
トゥルーエンド「さあ?本人じゃないから本当の理由なんてわからないわよ……考えがあるのか、あるいはただの気まぐれか……動機までは読めないけど、この魔力はあなたを長く生かすために組まれてる──それだけは確かね」
ガイ「……厄介な好意だな」
トゥルーエンド「同感だけど、今さら文句を言っても外れないわよ。それに──利用できるものは利用しなさい。どうせあなたはまた無茶をするんだから、そのとき生き延びる確率が少しでも上がるなら、悪くない取引よ」
トゥルーエンド「……さて、と。今日はここまで。回復は早くなってるみたいだけど、まだ病み上がりなんだから、さっさと戻って休みなさい」
ガイ「そうさせてもらう……ありがとう、ルー。また頼む」
バタン
トゥルーエンド「ふふ……ほんと、手のかかる時間魔法使いを拾っちゃったわね、私」
⭐︎時間魔法への理解が深まりました。2/3
⭐︎フローディアに祝福?を仕込まれました。
152 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:38:03.46 ID:CDrkjIQNO
ーーテラヌス・ウルス 酒場
ワイワイガヤガヤ
ガイ(昼間に沢山寝たせいか、まったく眠くないな……診療所にいてもパーティの誰かが気配を探ってくるし……あの中でじっとしているほうが落ち着かない……ルーの所へ行くのも苦労したしな……)
ガイ(やることもないからここへ来たが……酒は飲めないんだよな……引き返すか?)
テーブルに突っ伏すキキ「あ、ガイさぁん〜……」ヒラヒラ
ガイ「……キキか」
キキ「お医者さんに止められてるんじゃなかったんですか〜?こんなとこで夜ふかしなんて、いけない人ですね〜」
ガイ「寝つけなかっただけだ。それに、お前こそ仕事はいいのか?首長の護衛だったはずだが」
キキ「ちゃんと交代制ですよ〜。今は他の人がヨードリー様についてますから、私はお暇タイムです」
キキ「ほらほら〜、そこ、空いてますよ。回復途中の患者さんは座って安静に〜」
ガイ「……わかった」スッ
キキ「あの〜……」チラ
ガイ「?」
キキ「あのとき……フローディアさんと、キスしてたのってなんでですか〜?」ニコ
ガイ「……」
キキ「なんでですか〜?理由によっては〜、サーシャちゃん達に報告しないといけないかもですね〜」ニコニコ
ガイ「……やめろ。余計な火種を増やすな」
キキ「じゃあ、先にガイさんの口から聞きますよ〜。『情熱的で忘れられないひとときでした』〜とかなら、黙ってられませんし〜」ニコ
ガイ「そんなことは一言も言ってないし、これからも言うつもりはない」
キキ「ふ〜ん?じゃあ、実際はどうだったんですか〜?」
ガイ「あいつが勝手にやっただけだ。動けないように胸倉を掴まれて、そのまま押し付けられた」
キキ「へぇ〜、襲われたってことですか〜?」
ガイ「……まあ、そうだな」
キキ「でもでも〜襲われた割には、ちゃんと目をそらしてるし〜、声も少し低くなってますよ〜?」ジー
ガイ「気のせいだ。無駄に思い出させるな」
キキ「あ〜、そういうことにしておきます〜。じゃあ、まとめると〜『世界から死を消し去ろうとしてるやばい女に、不本意にキスされました。非常に不快です』──こんな感じですか〜?」ニコ
ガイ「だいたい合っている」
キキ「ふふ〜ん、だいたいって言うあたり、ちょ〜っとだけ不快じゃなかった部分もあるんですね〜?」ニヤ
ガイ「……お前、意外と性格が悪いな」
キキ「堕天使ですから〜。性格くらいひねくれてないと、堕ち甲斐がないんですよ〜」
153 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:38:32.69 ID:CDrkjIQNO
ガイ「……堕天使?ハーピィじゃないのか?」
キキ「失礼ですね〜。羽が生えてて空飛んでる女の子は、全部ハーピィさん扱いですか〜?」
ガイ「他に思いつかないな。天使なんて、お伽噺の中の存在だろう」
キキ「世間的にはそういうことになってるんですよね〜。そのほうが、いろいろと丸く収まりますし〜……昔々〜、上のほうでお堅いお仕事してたんですよ〜。お祈りの書類整理したり〜、寿命の帳簿つけたり〜、現世報告書にハンコ押したり〜」
ガイ「……酒の席の冗談にしては、やけに具体的だな」
キキ「冗談半分、本当半分くらいで聞いておいてください〜。『天界』なんて言っても、どうせ信じてもらえませんし〜……あっ、でも堕ちたのはほんとですよ〜。お姉ちゃんが先に地上に降りちゃって〜」
ガイ「姉がいるのか?」
キキ「いますいます〜。ヒナって言うんですけど〜戦いが大好きで〜、『上は退屈!本気の戦いがしたい!』って勝手に降りちゃって〜」
キキ「で、放っといたら絶対ろくなことにならないから〜連れ戻さなきゃって追いかけたら〜……そのまま私も“堕ちました〜”って判定になっちゃって〜。書類一枚で地上行き片道コースです〜」
ガイ「書類一枚で堕天とは、ずいぶん雑な運用だな」
キキ「お役所仕事ですから〜。上も下もそういうとこは変わらないんですよ〜。というわけで、今は堕天使キキ・ナイテンゲール、お仕事は首長様の護衛とお姉ちゃん探しと昼寝です〜」
ガイ「最後の一つだけ、仕事じゃないだろう」
キキ「私の中では重要任務なんですよ〜? 寝ながら歩けて、寝ながら飛べて、寝ながら戦えるようになるまで鍛えたんですから〜。立派なスキルです〜」
キキと何か話す?
安価下1〜2
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 23:41:07.69 ID:0V4M2Yd+O
姉の情報は集まってるのか
155 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/06(土) 23:48:39.42 ID:CDrkjIQNO
本日の更新はここまでです。このレスは安価に含まれません。
本家様の展開がすごくすごいことになっていて続きがどうなるのか楽しみですね。
こちらのスレは明日も更新予定です。よければお付き合いください。
それでは、また。
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/06(土) 23:54:35.65 ID:uq7fJyGro
アトニスやシルバークロースも天使だけど知り合いだったりする?
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 10:29:05.99 ID:c03wcF1Fo
乙
クロシュのときもそうだけど不死鳥パワーはいくらあってもええですからね
158 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 15:28:44.35 ID:p6+9/7K0O
>>156
シルバークロースさんについては、ガイたちの視点から天使と結びつけることができないので今回、言及をするのはアトニスさんだけにさせていただきます。申し訳ない。
>>157
クロシュさんとは違って仲間に効果は及ばず、ガイ一人だけが生きながらえるような感じなので、全滅時のメンタルは大変なことになりそうです。気をつけましょう。
159 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 15:29:13.79 ID:p6+9/7K0O
ガイ「姉の情報は集まっているのか?」
キキ「それなりには〜。危険な依頼をこなして生還する凄腕冒険者だと聞いてます〜。今は青い髪のエルフと一緒にいろんなところを回ってるみたいなんですけど、中々見つかりませんね〜……」
ガイ「見つけたらどうする気だ?」
キキ「そうですね〜……本音を言うと、首根っこ掴んででも上に連れ戻したいですけど〜……もう私たちは堕天してしまったので天界には戻れませんし〜……だから今は、このまま地上でのんびり一緒に暮らせたらいいな〜って思ってます」
ガイ「話を聞く限りだと、姉はなかなか破天荒そうだが」
キキ「そうなんですよね〜。戦いが大好き過ぎて堕天するくらいですから。けど、そういうのも全部ひっくるめて、私はお姉ちゃんが大好きなんですよ〜……お姉ちゃんがいなかったら、今の私はいませんからね〜。お仕事の仕方も〜、戦い方も〜……ぜ〜んぶ、お姉ちゃんの真似から入ってるんです」
ガイ「……尊敬しているんだな」
キキ「尊敬と〜、心配と〜、ちょっとだけ怒りと〜……それから、どうしようもないくらいの好きですね〜。全部まとめてお姉ちゃんです〜」
ガイ「……姉の具体的な特徴を教えてくれ。もしかしたら、旅の途中で出会うかもしれない。見かけたら、それとなく声をかけてみよう」
キキ「いいんですか〜?じゃあ遠慮なく〜。名前はヒナ・ナイテンゲール。背中に左右で色の違う白と黒の羽が生えてます〜。あと、強そうな人を見るとニコニコしながら近づいて行って〜『ねえ、ちょっと手合わせしませんか?』って言い出すと思いますよ」
ガイ(途端に会いたくなくなってきたな……)
ガイ「その時は、話を聞く前に応じる羽目になりそうだな……見かけたら、『キキが探している』と伝えておこう」
キキ「お願いしますね〜」
160 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 15:29:50.93 ID:p6+9/7K0O
ガイ(……それにしても天使か。まさか実在するとは思わなかったが……ん?そういえば……)
アトニス『ふーん……自己犠牲ってヤツか。じゃあここは天使らしく助言を与えてやろう』
ガイ「……知り合いの天使の中に、アトニスという名前のやつはいるか?」
キキ「っ」ピク
ガイ「?」
キキ「あ〜……ガイさん、それ、その名前どこで覚えたんですか〜?ロイエ教の中でも、かなりマイナーな天使ですよ〜?普通の人はまず知らない名前です〜。知ってるの、だいたい聖職者さんか、その筋の研究者さんくらいですから〜」
ガイ「そうなのか」
キキ「それに〜、こういう公の場でその名前を口にするのは、あんまりオススメしませんよ〜。聞き耳立ててるロイエ嫌いの人がいたら、絡まれます〜。今のご時世、あの宗教の天使の名前なんて出したら、それだけで変な目で見られますから〜」
ガイ「別に信仰しているわけじゃない……お前は、その天使を知っているのか?」
キキ「名前だけなら、ですね〜。アトニス様は、天界ではだいぶ上のほうの天使ですよ〜。非常に真面目で、冷静沈着。規定通りにしか動かない堅物って評価でしたね〜」
ガイ「……今のところ、俺の知っているやつとは似ても似つかないな」
キキ「でも〜、十年前の世界めくれが起きた時に、アトニス様は天界から姿を消したんです〜。ぽっかり穴が空いたみたいにいなくなって〜、その穴を埋めるために上はしばらく大騒ぎでしたよ〜」
ガイ「……そうか」
キキ「ま、ひとつだけ言えるのは〜上級天使ってだけで、信用しちゃダメってことですね〜。真面目でも〜、堅物でも〜、世界めくれのタイミングでいなくなった時点でロクな事情じゃないことだけは確かですし〜」
161 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 15:31:00.93 ID:p6+9/7K0O
ガイ「……忠告として受け取っておく。仮にそいつが本物だったとしても、距離は取っておいたほうがいい、ということだな」
キキ「ですね〜。何か言われても〜『へぇ〜、そうなんですね〜』くらいで聞き流しておくのが吉ですよ〜。天使や悪魔の都合に巻き込まれると、ろくなことになりませんから〜」
ガイ「肝に銘じておく」
キキ「あ、そういえば〜」
ガイ「まだ、何かあるのか」
キキ「あのときのサーシャちゃん達の顔、ちゃんと見ました〜?炎の向こうで、す〜っごい顔してましたよ〜。特にサーシャちゃんとリーゼリットちゃん」
ガイ「……見ている余裕はなかった」
キキ「ですよね〜。でもあれは〜、きっと後できっちり決算されますよ〜。『あの時のキスは何だったのか説明して下さい』って〜」ニコ
ガイ「……想像はつくな」
キキ「そのときに〜『あれは不本意な戦闘行為であってやましい感情は一切ありませんでした』って、ちゃんと言えるようにしとかないとですね〜。堕天使としては〜、面白くなるほうを応援したいところですけど〜」
ガイ「余計な応援はしなくていい……そろそろ戻る。あまり遅くなると、誰かに怒られそうだ」
キキ「ですね〜。病み上がりさんはおとなしく寝床に戻りましょ〜。今度サーシャちゃん達から事情聴取されたら〜、ちゃんと答えてあげてくださいね〜。盛らずに、削りすぎず〜、程よく正直に〜」
ガイ「……善処する」
⭐︎キキと話しました。
162 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 15:33:45.21 ID:p6+9/7K0O
ーーテラヌス・ウルス 宮殿
大勢のテラヌス兵「」ガチッ
拘束されたセーレフェリア「……」
ヨードリー「各首長、揃ったようだな……これより、我が国テラヌス・ウルスに刃を向け、民を危機に晒した流浪の魔術師──セーレフェリアの処遇について、各部族代表と協議を行う。各首長は意見を述べてくれ」
金髪の女性→ミラ「スピーゲル族はその罪を極めて重大と見なすわ。少ないとはいえ、怪我人も死人も出ている上に、あれだけの混乱を呼び込んだのよ?本来なら即時の処刑を求めたいところね」
リアンノン「……ホトルス族の見解を述べます。彼女はこの町の出身ではなく、フローディアと自らの意思で行動を共にしていた……外から来た加害者であることは疑いようもありません。ただ、今後の脅威を防ぐためにも軽率な処刑ではなく、能力と経緯の精査が必要だと考えます。少なくとも当面は、我々の管理下で厳重に拘束して情報を引き出すべきです」
A部族の首長「あたしらは砂漠の掟だけで言うなら、とっくに首を落としてるところだと思ってるよ。けど今回は、あの不死の火の女も絡んでる。事情を洗わずに捨て駒みたいに処刑するのは、国として得策じゃないね。生かすにしても、二度と自由に魔術は使わせないこと……それが条件だよ」
B部族の首長「わしは民の不安を何より重く見ておる。長くこの街に留め置けば、『またあの炎が来るのではないか』と恐れる者も出よう。必要な聞き取りと拘束を終えたのち、二度とこの地を踏めぬ形での追放を提案する」
C部族の首長「オデらは危機を連れてきた女を、何もせず帰らせるのは違うと思う。せめて、この国のために痛い思いをしてから、その先どうするか決めるべきだと思う」
セーレフェリア「ふーん……ずいぶん、好き勝手言ってくれるね」
テラヌス兵「黙れ!」ジャラッ……
◆
ヨードリー「では、実際に相対した冒険者たちよ……意見を聞こう。お前たちは、彼女をどう裁くべきだと考える?」
ガイ「……」
サーシャ(……セーレフェリアのせいで、あんなことになったのは事実……あのとき、炎の向こうで笑ってた顔は楽しんでるように見えた……街が壊れて、みんなが傷ついてるのに……あれを見ちゃった以上、「仕方なかった」なんて言い訳は通らない……)
リーゼリット(正直、ムカついてる。街をあんな目に遭わせて、仲間をボロボロにして、それで無傷で帰れるなんて筋が通らない……でも、ここで「殺せ」って簡単に言ったら……私もきっと、あの女と同じ場所に足を踏み入れる気がする……)
テル(たとえ、どんな結末になっても……ちゃんと目で見て、聞かなきゃいけない。セーレがどこで間違って、どうしてあんな選び方しかできなくなったのか……)
アインズ(……何を選んでも誰かは不満を抱く。だが、ここで曖昧に濁すことだけは許されん。さて、ガイ……お前はどうするつもりだ)ジッ
セーレフェリアの処遇 先取3票
1 処刑
2 収容
3 追放
4 自由安価
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 15:36:26.55 ID:AUwmaB+lO
2
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 15:37:36.37 ID:9Zs/3hPGo
2
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 15:44:28.59 ID:x0AgwVJdO
3
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 16:33:17.58 ID:c03wcF1Fo
2
167 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 21:21:53.14 ID:VBnAJeABO
ガイ「処刑も、追放も……選択肢としては理解できる。こいつは街を混乱に巻き込み、民を傷つけた。戦いを楽しんでいた節もある。そこに情状酌量の余地はない」
セーレフェリア「うんうん、楽しかったよ?」ジャラ
ガイ「だが、セーレフェリアはフローディアと行動を共にしていた。あいつの具体的な狙いと、次にどこをどう狙うつもりなのか……俺たちの知らないことを、こいつは知っているはずだ」
ガイ「ここで首を落とすのは簡単だが、その瞬間に手がかりも消える。追放も同じだ。ただ外に放り出せば、今度は別の土地が同じ目にあうだけだ。こいつは後悔していない。もう一度同じことをやるだろう……だから俺は──セーレフェリアの魔力を封じ、二度と自由に力を振るえないようにしたうえで、テラヌス・ウルスの管理下に収容すべきだと考える。生かすのは、この先の被害を減らすための道具としてだ」
セーレフェリア「ふーん……でさ──テルはどう思ってるの?」クイッ
テラヌス兵「貴様が発言を──黙っていろ!」
セーレフェリア「えー?当事者の意見ぐらい聞いてくれてもよくない?」ジャラッ
テル「待ってください」スッ
テル「その質問、私も……聞かなきゃいけないと思ってました。彼女に、発言の許可を」
ヨードリー「……よかろう。ただし、無駄口を叩けばすぐに止めさせる。よいな、魔術師」
セーレフェリア「はーいはーい、了解でーす……じゃ、改めて。ねぇテル。あんた、さっきからずーっとこっち見てるくせに黙ってるじゃん。処刑?追放?それとも、ガイと同じ収容?あんたは、どうしたいの?」
テル「……私は、ガイ君と同じ意見だよ」
セーレフェリア「へぇ?わたしを殺せないから、便利なほうに乗っかったわけじゃなくて?」
テル「……別に、セーレを庇いたいわけじゃない。世界のことだけを考えるなら、ここで首を落とすのが一番簡単で、わかりやすい終わらせ方だってことは、私だって理解してる……セーレは危険で、反省もしてない。放っておいたら、きっとまた同じことをする……それもわかってる」
セーレフェリア「うん、するね。また面白そうな場所があったら、きっと行くよ?」ニコ
テル「……そういうところ、昔から変わらないよね。私が収容を選ぶ理由は二つ」
テル「一つは、フローディアのこと。あの女はきっと、死を消すためなら何だってする。私たちの目的の邪魔になるなら……その情報は、生かしてでも絞り出す価値がある」
テル「もう一つは── 私のわがまま」
セーレフェリア「んん?」
テル「私、まだ何も伝えてないから。セーレがどこで間違って、どうしてあんな選び方しかできなくなったのか……それを、ちゃんと聞いて、ちゃんと話して、それでも届かなかったって、胸を張って言えるところまで行きたい。そうじゃないと──もしここで『処刑でいいです』って言ったら……きっと、私もあの家と同じだ。間違ったものは切り捨てて、はい終わりって決めつける側に回っちゃう」
テル「……私は、そうなりたくない」
セーレフェリア「ふふっ。相変わらず、優しいねぇ。落ちこぼれのくせに」
テル「……以上です。世界とテラヌス・ウルスのことを考えたうえでの意見として私は、ガイ君の案に賛成します」
ヨードリー「……なるほど。冒険者ガイ、そしてテル。二人は収容を主張するか。今この場で、実際に命を賭けて相対した者たちの意見は重い。他の首長たちよ……その判断を踏まえたうえで、改めて聞こう」
ミラ「スピーゲル族としては、本心では即時処刑を望むわ。それでも……今後の被害を抑えるための資源として生かすというなら、首長としてその判断を支持する余地はあるわね」
リアンノン「ホトルス族も、当初から収容・拘束による情報の引き出しを提案していました。冒険者からの意見もそれに沿うのであれば、異論はありません」
A部族首長「こっちも同じさね。首を落とすのはいつでもできるけど、生きてなきゃ聞けないこともある。二度と好きに魔術を使わせないって条件付きなら、乗ってあげるよ」
B部族首長「民の不安は、厳重な拘束と情報の共有で和らげるしかあるまい。追放よりはまだマシじゃ」
C部族首長「オデらも賛成だ。痛い思いは……地下でたっぷりしてもらえばいい」
他部族首長たち「」ザワ……ザワ……
168 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 21:22:22.08 ID:VBnAJeABO
ヨードリー「……よし。概ね、意見は収束したようだな」
ヨードリー「──セーレフェリア。お前の罪は重い。本来ならば砂漠の掟に従い、その首をここで刎ねるが相当だろう……だが、お前は世界を脅かす存在フローディアと行動を共にし、その目的と力について、我らの知らぬ多くを知っている。さらに、特異な衝撃魔法を扱う稀有な術者でもある……その価値を鑑み、即時処刑は見送りとする」
セーレフェリア「寛大な処置、痛みいります」ペコリ ジャラ
テラヌス兵「ふざけるな!」ギリッ
ヨードリー「……ふざけている余裕は、地下に降りてから好きなだけ味わうがいい。テラヌス・ウルスの地下牢において、魔力を封じたうえで無期限拘束。監視と尋問を続け、危険が完全に去るまで地上への出歩きは一切許可しない。逃亡を企てた場合は、その場での殺処分もやむなしとする……意義のあるものはいるか?」
シーン……
ヨードリー「──では、これをもって決定とする。セーレフェリア。その身、今日よりテラヌス・ウルスが預かる」
セーレフェリア「はーい。地下牢かぁ……退屈そうだけど、まあいっか。適度にお話し相手がいるといいなぁ?」ニコ
テラヌス兵「黙って歩け!」グイッ
セーレフェリア「いったた……乱暴だなぁ、もう。……じゃ、またね。テル。ガイも」ヒラヒラ
ガイ「……次に会うときは、話を聞かせてもらう。そのつもりでいろ」
セーレフェリア「あはは、怖いなぁ。楽しみにしとくよ」
ジャラ……ジャラ……
サーシャ(……これで、本当によかったのかな。終わらせたわけじゃなくて、先送りにしただけかもしれない……きっと、この先また、誰かが傷つくかもしれない)
サーシャ(それでも今、テルさんが顔を伏せずに、ちゃんと前を向いて立っていられるのは、この答えを選んだからなんだと思う。誰か一人を切り捨てて楽になる道じゃなくて……迷って、悩んで、それでも生かして向き合うほうを選んだから)
サーシャ(……だったら、私も目を逸らさない。セーレフェリアのことも、フローディアのことも。この選択の先に何があっても……一緒に見届ける)
⭐︎セーレフェリアがテラヌス・ウルスに拘束されました。
169 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 21:22:56.38 ID:VBnAJeABO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」
リーゼリット「……セーレフェリア、ほんとにあのままでよかったのかな」
サーシャ「リーゼ……」
リーゼリット「街をめちゃくちゃにして、人も傷つけてさ。それで“地下牢行き”で済ませちゃって……甘い、のかなって」
テル「甘いかどうかで言うなら、きっと甘いよ。もっとスッキリした終わらせ方はいくらでもあったしね」
ガイ「だが、選んだのは俺たちだ。あそこで別の答えを出したとしても、きっと同じように迷っていただろう」
アインズ「そうだな。処刑しても、追放しても……後悔の形が変わるだけだろう。どのみち誰かが背負う話だ」
ガイ「今は、選んだ結果を抱えて進むしかない。セーレフェリアの処遇はテラヌス・ウルスに任せる。それより──」
サーシャ「それより?」
ガイ「本来ここに来た目的を、そろそろ思い出すべきだ。世界樹の光の残滓を探すこと……そして、『影を喰らうもの』への対処だ」
サーシャ「あ……そうだ。フローディアに街を狙われたせいで、すっかり後回しになっちゃってたけど……」
ドルク「おーい、入っていいか?」コンコン
ガイ「ドルクか。どうぞ」
ガチャ
ドルク「よう、みんな!遺跡から帰ってきたらなんだか街が凄いことになってて驚いたぜ……っと、今回は全員いるな。雰囲気はまあ、思ったよりマシか?」ニヤ
テル「ふふん、ちゃんと話し合ったからね!」
サーシャ「えっと……私はサーシャ。初めまして、ですよね?」
ドルク「お、噂の狙撃エルフか。ドルク・ロックだ、よろしくな!さて、挨拶はこのくらいにして本題いくぞ」スッ
地図とメモ「」バサッ
ドルク「頼まれてた三ヶ所の古代遺跡──ひと通り洗ってきたぞ」
ガイ「助かる。どんな場所だった?」
ドルク「まず一つ目がここだな」トントン
ドルク「“砂に呑まれた書庫”って呼ばれてる。古の魔法文明の遺跡だ。半分以上砂に埋もれてるけど、地下に魔法陣や古い魔法式を刻んだ部屋が残ってるらしい」
アインズ「魔法文明……なら、結界や魔導具の残骸も期待できそうだな」
ドルク「ああ。それと──三つの遺跡の中で影を喰らうものの目撃例が一番多かったのはここだ」
サーシャ(……なにか関係してるのかな?)
ドルク「二つ目は“風切りの機械塔”。こっちは機械文明の遺跡だ。外から見るとただの崩れた塔なんだけど、中には金属の通路や歯車みたいな構造物が残ってる。罠も特殊なものが多く見られる。影を喰らうものの報告は三つの中では少ないな」
ドルク「んで、三つ目がここだ。テラヌス・ウルスの先祖が聖域として使ってたって話の“砂底の聖堂”。比較的新しい時代のものだな。元は別系統の遺跡を流用して、祭祀場にしてた形らしい」
リーゼリット「ここは……街から大分近いね」
ドルク「地形は一番素直だ。迷いにくい造りになってる」
サーシャ「魔法文明、機械文明、テラヌスの聖域……きれいに三つの系統がばらけてるんだね」
ガイ「どれを調べても何かしらの古い事情にはぶつかる、ということか」
ドルク「そういうことだな。影を喰らうものの出没も、それぞれ癖が違う。どこから攻めるか決めたら、古代遺跡の探索をするってなったタイミングで声をかけてくれよな!」
ガイ「ああ……準備が整い次第、すぐに動こう」
現在はテラヌス・ウルスです。(10日目)
※古代遺跡を調査する際はその旨を記載してください。
何をする?
安価下1〜3
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 21:24:10.42 ID:plmn4o6o0
リンを遺跡探索に誘ってみる
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 21:28:18.57 ID:AUwmaB+lO
ヨードリーにテラヌスの聖域についてもっと詳しい情報知らないかと聞く
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 21:33:15.35 ID:pACGuCzGO
>>148
173 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/07(日) 22:02:26.56 ID:VBnAJeABO
アインズ「ドルク、少しいいか?」
ドルク「ん?アインズ、だったよな。どうかしたか?」
アインズ「古代遺跡の探索で力を貸してくれることは感謝している……だが、実際にどれほどの腕前かは、まだ見ていない」
ドルク「おっと、信用がないって話か?」
アインズ「そういう意味ではない。命を預け合う以上、互いの間合いと癖くらいは事前に知っておきたい……それに──」
アインズ「お前も槍を使うんだろう?私と手合わせしてくれないか?」ウズ
リーゼリット「……あ、なんか今ちょっと楽しそうな顔した」
テル「うん。完全にやっと殴り合える相手が来たって顔してた」
ドルク「ははっ、そういうことかよ。なるほどな──どんな相手か確かめたいってのと、純粋に槍でぶつかり合いたいって顔だ……よし、受けて立つか。さすがにこの部屋じゃ暴れられねぇし……どっか広い場所、借りられねぇか?」
ガイ「練兵場は一般の者も許可を受ければ使える。そこはどうだ?」
アインズ「問題ない。正式な場なら、全力も出しやすい」
ドルク「決まりだな。じゃ、さっさと行こうぜ。うずうずしてきた!」
サーシャ「二人とも、怪我しないようにね」
コンマ下1
01-30 敗北
31-50 引き分け
51-00 勝利
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 22:19:37.05 ID:KceK/2Mw0
あ
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/07(日) 22:19:50.11 ID:kqb56AEX0
どうだ?
176 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/08(月) 00:00:05.93 ID:wam5wfj/O
ーー練兵場
ザワザワ……
リーゼリット「すごい人の数……明らかに兵士じゃない人も混ざってない?」
テル「いやー、私たちって今有名人じゃん?セーレフェリアの一件で、さんざん顔と名前売っちゃったしさー」
サーシャ「一体どこから聞きつけてきたんだろうね、周りの人達……」
ガイ「……大方、予想はつく」チラ
キキ「」ヒラヒラ
サーシャ「ああ……なるほど……」
アインズ「確認しておくが──これはあくまで模擬戦だ。本気で殺し合うつもりはない」
ドルク「もちろん。けど、手加減した戦いで間合いなんか分かりゃしねぇ……倒すつもりで当てない、くらいには本気でやろうぜ?」
アインズ「……いいだろう。木製の槍を使うとはいえ、そちらも致命傷だけは避けてくれ」
ドルク「上等だ、竜のお姉さんよ」
サーシャ「二人とも……ほんとに怪我だけは気をつけてね……!」
テル「最悪、私とサーシャちゃんが治すから大丈夫大丈夫」
リーゼリット「いや、最悪前提で見守るのやめてあげてよ……」
ガイ「始まるぞ」
テラヌス兵「これより、模擬戦を行う!双方、準備はいいな!」
アインズ「問題ない」
ドルク「いつでもいいぜ」
テラヌス兵「──始めっ!」
ダンッ
一気に間合いを詰めるアインズ「」ザッ
ドルク「速ぇっ──!」ガキィン!
アインズ(受け止めたか……なら)グッ
木製の槍「」ブォンッ!
ドルク「っと!」サッ
観衆「おおっ……!」
観衆「今の避けるのかよ……」
テル「二人とも、相当速いね……目で追うのが大変だよ」
サーシャ「うん……視線と足の向きまで見てないと、今の踏み込みは追えないね……」
177 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/08(月) 00:01:21.14 ID:wam5wfj/O
アインズ「……悪くない。では、これはどうだ」
木製の槍「」ドドドド‼︎
ドルク「うおおおっ、マジかよ──!」ガキッ! ガキッ!ガキッ!
ドルク(一発一発が重てぇ……正面の力比べじゃジリ貧だな……けど、あんたなら……!)ズザザ……
アインズ「踏み込みが甘いぞ!」ダンッ
ドルク「……来た来た、そう来なくっちゃな!」バッ
ガキィッ!
木製の槍「」ギリギリ……
木製の槍「」ギリギリ……
アインズ「ふっ……この程度の力で、竜に押し勝てると思うなよ」グッ
ドルク「正面からじゃ竜には勝てねえ……なら、こういうのはどうだ!」ググッ……バッ
噛み合わせた槍を軸に、身体を捻るドルク「」グルッ!
バランスを崩すアインズ「っ!」ガクッ
ドルク「もらった──!」バッ
アインズの目の前で止まる木製の槍「」ピタッ……
テラヌス兵「……勝負あり!勝者、ドルク・ロック!」
観衆「」ワアアアアアア‼︎‼︎‼︎
キキ「わあ~、いいもの見れました~。どっちも強すぎて、普通の人が混ざったら蒸発しちゃいそうですね~」パチパチ
アインズ「フッ……見事だ。完全に足をすくわれたな」
ドルク「いやいや、お互い様だぜ。真正面から一発でもまともに喰らってたら、今頃砂の上で伸びてんのは俺の方だ。最後まで手加減抜きで来てくれたおかげで、こっちも全力を出せた」
アインズ「慰めは不要だが……竜である私の一撃を受け止めた上でこの結果を出したのは事実だ。古代遺跡で背中を預けるには、申し分ない」
ドルク「へっ、その言葉だけで十分だ。竜のお姉さんにそう言ってもらえるならな」
ガイ「……これで、実力の方は十分確認できたな」
サーシャ「これなら遺跡の中でも心強いよ!」
リーゼリット「どっちも前衛で暴れてくれたら、後ろから撃ち放題だしね」
テル「うんうん……ガイ君とアインズさんの負担も減るだろうし、私も気兼ねなく酔っぱら……じゃなくて、後方支援に回れるね」
手を差し出すアインズ「次は実戦だな、ドルク……よろしく頼むぞ」スッ
ドルク「おう!望むところだ。改めてよろしくな、みんな!」ガシッ
⭐︎ドルクとの模擬戦に敗北しました。
178 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2025/12/08(月) 00:07:58.71 ID:wam5wfj/O
本日はここまでです。次回はリンさん勧誘とヨードリーさんから聖域の情報を聞くところから始めていきたいと思います。よければお付き合いください。
また、本家様のスレも目が離せない展開になっております。備えましょう。
それでは、また。
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/12/08(月) 01:38:49.31 ID:7YboOegio
おつ
彼の場合だと自分が死にづらくなってるのなら率先して仲間の盾になりに行きそうでちょっと怖いなぁ…
186.93 KB
Speed:7.6
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)