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【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅱ

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346 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 21:24:36.99 ID:pXB2Ik4/O
部屋の中央にある台座「」

ドルク「なんだありゃ……聖堂で剣が刺さってた台座に似てるな」

ガイ「だが、あの窪み……あれに飾られていたものは既にない様子だが」

ドルク「罠も無いみたいだし、本来だったらお宝部屋ってやつだったんだろうが……テルグレースがここを見つけて持ち帰ったんじゃねえか?」

ガイ「……あの様子だと、この遺跡から物を持ち出していない。以前ここに訪れた冒険者が持ち去ったのかもな」

ドルク「そういうことか……それじゃ戻って奥に進もうぜ。魔王が街を襲うまで時間が無いんだろ?」

ガイ「ああ──」クルッ

『待て』

ガイ「……ドルク、なにか言ったか?」

ドルク「ん?いや、何も。どうした?」

ガイ「……気のせいか」

『待て、と言っている。貴様に話しかけているのだ』

ガイ「……ドルク、この部屋で俺とお前以外の声は聞こえるか?」

ドルク「いや、聞こえないが……ガイ、何か聞こえるのか?」

ガイ「ああ……俺を呼ぶ声がする。罠の可能性がある。ゆっくり部屋を出ろ」

『罠では無い。台座の方へ近づけ』

ガイ「……声を信じるなら罠ではないと」

ドルク「胡散臭いな……俺もこの部屋に残るぜ。なにかあったらすぐに言えよ」

ガイ「……わかった」

スタスタ……

『来たか……この塔は絶望の魔王を鎖で繋ぐために作られた塔。正しき者に、我は力を与える』

ガイ「……正しき者?」

『貴様のことだ。貴様はここへ、絶望の魔王を止める手がかりを探しに来た……そうだな?』

ガイ「その通りだ……俺たちより前に、女が一人で探索しているはずだが、そいつには声をかけなかったのか?」

『この塔に入った時点である程度見定めている……お前が言っている女は、絶望の魔王を利用しようとしていた。我はそのような者に力を与えることはできない』

ガイ「与える力というのは?」

『絶望の魔王を封じる力だ……だが、今の我は意志のみの存在。我を使うには、正しき容れ物がいる』

ガイ「容れ物……正規の物ではないが、今はこれに移れるか?」スッ
翡翠の賽「」キラッ……

『ほう……力を発揮するには不十分だが、今のところはいいだろう……我を連れてこの塔の頂上まで行け』

──ピカァァァッ!

ドルク「──眩しっ!?……大丈夫か、ガイ!?」ダッ

ガイ「問題ない……先へ進もう」

ドルク「お、おお……なんともないならいいんだが……」

⭐︎剣?の意志を手に入れました。
347 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 21:25:05.58 ID:pXB2Ik4/O
ーー風切りの機械塔 踏破率[4/10]

アインズ「戻ったか。収穫はあったか?」

ガイ「……まだ、なんとも言えない。先へ進むぞ」

リン「二人とも無事だったー?んじゃ、先進もう」

サーシャ「あっ、リンさん!先行するのは危ないですよ!」タタッ

リーゼリット「こういった場所では走るのも危ないよ!」タタッ

ドルク「おいおい、二人とも走っちまってるじゃねぇか……」

テル「みんなが罠にかからないうちに追いかけないと!」タタッ

ガイ「おい、テル!……まったく、困ったな……」

アインズ「はぐれる前に追いかけるぞ!」

01-10 踏破率+1 敵襲
11-60 踏破率+2 罠(負傷+2)
61-70 踏破率+3 罠(負傷+1)
71-80 踏破率+3 罠(?負傷なし)
81-90 踏破率+4 物品発見(自由安価下2)
91-00 踏破率+4 いいこと(自由安価下2)

※負傷判定が10個貯まると死亡判定に入ります。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 21:28:18.34 ID:DN0vgaQ3O
あ
349 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 21:59:30.72 ID:pXB2Ik4/O
ーー風切りの機械塔 踏破率[6/10]

ガイ(大体半分は超えたか……リンたちの姿が見えない。そんなに距離は離れていないと思ったが……もしや、分断されたか?いや、見えた──)タタッ

ガイ「ここで立ち止まってどうした──」

リン「あっ、ガイさん……」

サーシャ「ガイ……リーゼが……」
回復魔法「」ポワ……

腕から血を流すリーゼリット「あはは……罠だらけって聞いてたのに……手酷くやられちゃった……」

ガイ「……罠か」

テル「これは……ワイヤートラップにやられたんだね」

ドルク「鎧を着込んでたらダメージは少なかったが……防具が薄いと最悪死ぬタイプのトラップだ。命があってよかったぜ……」

リン「ごめん……いつも私一人で進んでたから、つい癖で前に出ちゃった……」

リーゼリット「気にしないでよ、リンさん……それに、腕が掠っただけだから、直ぐに動けるよ……」

ガイ「リーゼ、無理はするな」

リーゼリット「ううん、無理なんてしてないよ……それよりさ、先に進まなきゃ……ここで時間を喰ってる場合じゃないでしょ?」ググ……

ガイ「……街に戻ったらしっかり治療してもらおう。リン、独断で先行するな。俺たちは今集団で動いている」

リン「うん……本当にごめん……」

サーシャ「……止血はしたよ。傷口も塞いだけど……完全に元通りにはならない……動かすと、また開くかも」

リーゼリット「うん、わかってる。ありがと……」グッ

テル「おっと……私につかまって、リーゼリットちゃん」

リーゼリット「ありがと、テルさん……」

ドルク「よし、隊列組み直すぞ……誰も一人で前に出るなよ?」

リン「うん……」

アインズ「……切り替えろ。まだ私たちは遺跡の中にいる。これ以上の危険がまだ残っているかもしれないが、先に進む必要がある……」

リーゼリット「そうそう……ほら、行こ?」

リン「……」ギュッ

01-10 踏破率+1 敵襲
11-60 踏破率+2 罠(負傷+2)
61-70 踏破率+3 罠(負傷+1)
71-80 踏破率+3 罠(負傷なし)
81-90 踏破率+4 物品発見(自由安価下2)
91-00 踏破率+4 いいこと(自由安価下2)

※負傷判定が10個貯まると死亡判定に入ります。
現在の負傷判定 2個
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 22:01:27.93 ID:r+3Pj+9d0
あ
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 22:02:01.17 ID:1ZaeFHwp0
ユキが来てたので合流
352 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 23:38:56.93 ID:143rC2nZO
サーシャ「ん?……あそこの壁、変な形じゃない?」

テル「暗くてよく見えないけど……たしかに、なにか立体的……というか、動いてない?」

「──て!──」

ドルク「この声、亡霊系の魔物か!?」ザッ

リン「死の匂いはしないけど……」

アインズ「いや、よく聞け。これは……」

「──誰か、たすけて!」

ガイ「ハッキリ聞こえたな……まさか先に入っているやつがいるとは……」

リーゼリット「それより、相当困ってそうな声してない……?行ってあげようよ」

◆

壁から上半身だけ出してるユキ「あっ、あなたたちは──」ジタバタ

サーシャ「えっ、ユキ教授!?」

リン「……何やってるの、ユキさん」

ユキ「あなた……リン!?どうしてここに……いや、今はそれどころじゃなくて。見ての通り困ってるの。助けてください……///」

アインズ「どうやったらそんな状況になるんだ?」

ドルク「こういっちゃ悪いけど、このまま眺めてるのも悪くねえな……」

ガイ(同感だが、何も言わないでおこう)ジッ……

テル「ちょっとちょっと、男共。何を言ってんの。特にガイくん、目がいやらしいよ、目が」

ガイ「待て、俺は何も言っていないぞ」

ドルク「ははっ、冗談冗談!この壁なら直ぐに壊せるな……よっと……!」
鋼の槍「」シュババババ‼︎

壁「」ガラガラ……
ユキ「きゃっ……ふぅ、助かったわ。まさかあんな情けない罠にかかるなんて……」パンパン

リーゼリット「ユキ教授もこの遺跡に来てたんですね」

ユキ「ええ。魔王に対抗するなにかがあると聞いたら調べないわけにはいかないでしょう?まあ、下手したらあの壁で死んでいたかもしれないけど……」

サーシャ「通りがかって本当によかったです……」

アインズ「まったくだ……さて、この先は最上階か。お目当てのものがあればいいんだがな」

ガイ「……」チラ

翡翠の賽「」キラキラ……

◆
353 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 23:39:39.53 ID:143rC2nZO
ーー風切りの機械塔 最上階

真っ二つにされたゴーレムの残骸「」ボロッ

リン「……もしかしてテルグレースって人がやったの、これ?」

テル「この切れ方……ほぼ間違いなくグレースだ……」

ドルク「めちゃくちゃ頑丈そうな見た目をしてるが、一回で両断してやがる……相当腕が立つんだな、そいつは」

ユキ「おかげでこの階には大きい危険はないわ……罠もないから色々調べてみましょう」

ガイ「おい」スッ

翡翠の賽『馬鹿な……ここになら我が身体があると思っていたのだが……』

ガイ「身体?それは一体、どんな形をしている?」

翡翠の賽『黄金でできた剣だ……この塔に無いとなれば、誰かが持ち去ってしまったのか……これでは本来の役割を果たすことができない……』

ガイ「……心あたりがある。おそらく、俺はお前の身体を既に所有している」

翡翠の賽『なんと、それは本当か!?であればすぐに──』

ガイ「今、手元にはない……宿に戻ったら見せよう」

翡翠の賽『ぜひとも頼むぞ!』

サーシャ「……ん、なんだろう、これ?」スッ

古い本「」ボロッ……

リーゼリット「見るからにボロい本だね……案の定、中身も古代文字と汚れでほとんど読めないし……」

ユキ「あら、その本は……もしよければ、私に預けてもらえる?」

アインズ「ふむ……専門の知識を持つ者が読んだ方がわかることも多いだろう。構わん。必要なら写しを取って返してもらえばいい」

サーシャ「そうだね……それじゃあお願いします」スッ

ユキ「はい。たしかに受け取ったわ……内容がわかったらあなたたちにも教えるわね」

リーゼリット「うーん……でも、この遺跡も散々名前が上がってた割にはハズレだったね。せっかくの時間を無駄にしちゃった……」

ガイ「……いや、そんなことはないぞ。リーゼ」

リーゼリット「え?」

ガイ「この遺跡には重要なものがあった……宿に戻ったら説明する。この辺りには他に何もないようだし、まずはここを安全に脱出しよう」

⭐︎風切りの塔を攻略しました。
354 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/25(木) 23:40:17.32 ID:143rC2nZO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ガイ「──さて、これなんだが……」
黄金の剣「」スッ

翡翠の賽『おお、まさしく!これぞ我が身体……感謝するぞ──』キラキラキラ……

──キラン!

聖剣『ふむ……久方ぶりだな……この感覚は……』

サーシャ「えっ!?剣が喋ってる!すごい!!!」

リーゼリット「えっ、なにこれ!?どういうこと!?」

アインズ「まさか本当にリビングソードの類だったとはな……」

テル「遺跡からの帰り道で、ガイくんが翡翠の賽とお喋りし出したときは内心ドキドキだったけど……こういうことだったんだね」

ガイ「……」

聖剣→リジェネ『はっはっはっ!まあそういうわけでよろしく頼む。私は遥か古に絶望の魔王を封印する際に作られた聖剣……リジェネブレイドと名付けられた。リジェネ、とでも呼んでくれ』

ガイ「……リジェネ、聞きたいことがある。お前は絶望の魔王について、どこまで知っている?」

リジェネ『知っておるとも。あやつは枯渇の権能を持つ。周囲の気を奪い、媒質を薄くすることで音も息も消える……静寂はその徴だ』

サーシャ「それが……ラハニさんが言ってた不自然な静寂……」

アインズ「枯渇……魔王らしい、珍しい魔法だ」

リーゼリット「リジェネなら……絶望の魔王を止められるの?」

リジェネ『止められると言うより、止めるための道具だ。我は、枯渇の逆を成す。奪われた気を満たし、静寂を破り、枯渇の領域を押し返す』

テル「……魔王の土俵をひっくり返すってこと?」

リジェネ『そうだ。無音の狩りを無力化し、吸収を鈍らせる。貴様らが戦える場を作るのが我が役割だ』

リジェネ『ただし、忘れるな。力は貸すが、条件付きだ』

ガイ「条件?」

リジェネ『誓いを守る限り、我は貴様に従う。だが支配や私欲のために振るうなら、その瞬間に剥奪する……暫定承認、というやつだな』

サーシャ「……本当に、意思があるんだ」

ガイ「……わかった。俺は誓いを破らない。魔王を止める。そのために、お前の力を借りる」

リジェネ『うむ。ならば準備を整えよ……前に我を振るった者たちも、あやつを倒すまでには至らなかったからな』

ガイ(残り二日か……何かやり残したことはないか?)

現在はテラヌス・ウルスです。(18日目)
※古代遺跡を調査する際はその旨を記載してください
※20日目になにか起こるみたいです

何をする?
安価下1~3

コンマ下1
遺跡への襲撃
01-50 あり
51-00 なし

コンマ下2
遺跡の襲撃者(襲撃ありの場合のみ)
01-50 絶望の魔王
51-75 サラザール
76-00 テルグレース
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 23:41:27.72 ID:llLF5gpIo
絶望の魔王戦に備えてネームドに皆声かけていこう
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 23:49:24.64 ID:fhIbhBDTO
テルグレースに古代兵器は魔王だから止めとけと伝えつつ、世界を救うのは俺だと宣戦布告しとく
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/25(木) 23:51:33.94 ID:r+3Pj+9d0
リアンノンとソーラ、ソーラの様子を見てるホレスと遭遇
リアンノンの話ではどこかソーラが浮かれているように見えるとのこと
358 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/26(金) 00:00:52.43 ID:8Ap2/xrkO
そろそろテラヌス編も終わりが見えてきました。このままいけば魔王と一国の総力戦になりそうです……まだ19日目があるからなんとも言えませんが。
明日もチビチビ更新していきますのでよければお付き合いください。ちなみに、>>1のところにサンタさんは来ませんでした。
それでは、また。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/26(金) 00:05:41.92 ID:vdWr6MMpO
乙
遺跡への襲撃が起きない優しい世界
360 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:39:45.97 ID:mg67i2UbO
>>359
ことごとく回避していきましたね。みなさま、本当にお見事です。

遅くなってしまいましたが、ほんの少し、更新していきたいと思います。
361 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:40:13.87 ID:mg67i2UbO
ーーテラヌス・ウルス 宮殿

ヨードリー「──以上で、絶望の魔王に対する臨時議会を終える。各首長は市民の避難誘導、兵たちに戦の準備を整えさせろ。有志の冒険者や学者たちの協力も得て、可能な限りの備えを尽くす。混乱を恐れて手を止めるな。以上だ」

ミラ「……魔王ってだけでも厄介なのに、世界樹の光の力を取り込んでいる可能性があるなんて……この国も終わりかしら?」

リアンノン「でも、諦めたくないです……ソーラがいるから。私だけじゃなくて、あの子の明日まで奪われるのは嫌です」

ミラ「あら、母親らしい……安心なさい。諦めたわけじゃないわ。やれることは全部やる。諦めるのは、全ての手を尽くしたあとで遅くないでしょう?」

リアンノン「はい……!」

ラハニ四世「ほほっ、立派になったもんじゃのう、我が孫は……こりゃどうしても、まだ死ぬわけには行かなくなったわい」

眼鏡をかけたターバン兵士「ラハニ様……もうあなたはスピーゲル族首長ではなく一市民です。送りますので避難してください」

ミラ「そうよ、おじいちゃん。危ないんだからあとは私に任せて避難して」

ラハニ四世「みんなして年寄りを虐めるでない。わしとてこの国の危機を黙って眺めておることはできないのだ」

リアンノン「ラハニさん……お気持ちは嬉しいですが……ここで無理をして倒れたら、みんなの心が折れます。避難所で、逃げてきた人たちを落ち着かせてください……それも、この国を守る立派な役目です」

ラハニ四世「……ほう。言い回しが上手くなったのう」

ミラ「……おじいちゃん。ここで頑固を通すなら、私は本気で縛ってでも運ぶわよ」

ラハニ四世「ほほっ……その物騒さは昔のままじゃな」

眼鏡をかけたターバン兵士「ラハニ様。避難先には首長は誰もいません。指示を出せる人間が必要です。あなたが行けば、混乱が減ります」

ラハニ四世「……よし、分かった。避難してやる……倉庫の奥、砂避けの布と乾燥肉の備蓄がある。あれを避難所へ回せ。腹が減れば心も折れる。恐怖は腹からくる……忘れるでないぞ」

リアンノン「……はい。すぐに手配させます」

ラハニ四世「お前さんも、十年前と比べて首長として成長したのう……グラン、案内してくれるか?」

眼鏡をかけたターバン兵士「はっ……」

ラハニ四世「ミラ、リアンノン。死ぬなよ。孫の孫の顔を見るまでは、わしは死ねん」

ミラ「……縁起でもないこと言わないで。生きて帰るわよ、必ず」

◆
362 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:40:41.05 ID:mg67i2UbO
ーー大魔女の部屋

コンコン

トゥルーエンド「……入りなさい」

ユキ「失礼します」

トゥルーエンド「ユキ……お疲れ様。状況はどう?」

ユキ「……はい。新しく発見された被害域なのですが……これまでの報告例と比べて広く、土地の枯渇も速くなっているようです」

トゥルーエンド「もうそろそろ世界樹の光に適応するってことね……適応する前ですら、封印が関の山だったのに……強化された魔王を相手にどこまでやれるのかしら……ガイたちから新しい情報は得られたかしら?」

ユキ「風切りの機械塔を踏破した際、封印に関わる聖剣の存在が確認できたそうです」

トゥルーエンド「……聖剣?」

ユキ「ええ。枯渇の逆を成す、とのことです。奪われた気を満たし、魔王の領域を押し返す……要点は、こちらが戦える場を作れる可能性がある、ということです」

トゥルーエンド「場を作れる……つまり、結界の代替、あるいは結界の核になる」

ユキ「もう一点。機械塔の最上階で、古い記録らしき本が回収されています。現在は私が預かっていて、損傷が激しいので修復と判読を進めていますが……封印の手順か失敗例が残っている可能性があります」

トゥルーエンド「……わかった。あなたは本の解析を急いで。私は各首長と共有して、防衛の前提を組み替えるわ」

ユキ「はい……では、私は作業に戻ります。大魔女様も、ご無理はなさらないように」

トゥルーエンド「ええ。よろしくね……」

◆
363 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:41:29.22 ID:mg67i2UbO
ーーテラヌス・ウルス 首都

ベルフレア「師匠!こっちの結界、作業終わりました!」タタッ

ベスティア「次はホトルス族の土地へ向かってください。終わり次第、大魔女帝国の人たちを手伝うように。私は宮殿の方へ結界を張りに行きます」

ベルフレア「了解です!」ダッ

ベスティア「……ベル。待ちなさい」

ベルフレア「わっとと……なんですか?」

ベスティア「もし仮に……私が死んだらあなたが結界の指揮を引き継ぎなさい」

ベルフレア「えっ?……そんな、冗談やめてくださいよー!師匠が死ぬわけないじゃないですか!」

ベスティア「ベル」

ベルフレア「……絶対に、そうはさせません!たとえどれだけ絶望的な状況でも、最後は必ずハッピーエンドになるんです!私、次の場所に行ってきます!」ダッ

タッタッタッ……

ベスティア「……そう言えるあなたが誇らしいです。私も簡単に死ぬ気はありませんが……最悪の結末も、覚悟しておかないといけませんね……」

◆
364 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:41:57.51 ID:mg67i2UbO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ザワ……

リーゼリット「……あまり残ってないね」

アインズ「当然だ。魔王相手にわざわざ戦いたい、なんて物好きはそういないだろう。自ら命を捨てに行くようなものなのだからな」

テル「……店主さんは避難しないんですか?」

猫耳の褐色女性「はい……兵士の方や、皆さんのように残って下さった方々がいるので……私も最後までこの宿を灯しておきます。帰ってくる人がいるなら、迎える場所がないと」

サーシャ「……危なくなったらすぐに逃げてください。今この国に魔王がいつ来てもおかしくないので……」

猫耳の褐色女性「ありがとうございます……でも、大丈夫です。危なくなったら逃げます。約束します」

ドルク「なに、そんな悲壮な感じになる必要はねえよ!魔王だろうが何だろうが、ぶっ倒せば解決だ!」

リン「威勢がいいねぇ、ドルクさん」

ドルク「お、おう!当たり前だろ!」

リン「……当たり前、か。死なないでよ、ドルクさん。みんなも。材料にはしたくないからさ」

リーゼリット「材料って……」

サーシャ「リンさん……」

リン「……あ、今のは言い方が悪かった。死なないでは本音。材料云々は……癖。ごめんね」

アインズ「まったく……反省している顔に見えんのが厄介だな」

リン「してるってば。ほら、このとおり」ニコ

ドルク「本当に謝罪してんのか……?」

リン「でも、ほんとにね。死者が増えると、私の研究は進む……それが一番嫌なんだよ。私が得をする形で、人が死ぬのは」

テル「……リンさんって、たまに変なところでちゃんとしてるよね」

リン「たまにじゃなくて、基本ちゃんとしてるよ?」ムッ

◆
365 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:42:46.56 ID:mg67i2UbO
ーーテラヌス・ウルス 地下牢

スタスタ……

セーレフェリア「ん?……ああ、ガイ。久しぶりだね。元気だった?」

ガイ「……」

セーレフェリア「何か言ってよー。こっちはずっと退屈してるんだからさぁ」ジャラ

ガイ「魔王が動く可能性がある。戦うことになれば、被害は避けられない……セーレ、お前の力は使い方次第で民を守れる」

セーレフェリア「えー?急に民を守れって?わたし、そういうの興味ないんだけど」

ガイ「知っている。だから取引だ。魔王戦で協力しろ。戦闘が終わるまで、お前に最低限の自由を与えるよう、各首長に進言する」

セーレフェリア「最低限って、どのへん?」

ガイ「拘束具はつけたまま、行動範囲は戦場に限る。監視は複数。逃げれば即処分。条件は変わらない」

セーレフェリア「うわ、渋っ。楽しくないなぁ」

ガイ「楽しい必要はない。必要なのは結果だ」

セーレフェリア「結果ねぇ。まあいいや。で?協力しろって言われても……わたしが魔王を倒したら、みんな喜ぶの?」

ガイ「喜ぶ者もいる。恐れる者もいる。お前は嫌われているからな」

セーレフェリア「知ってるよ。ここで熱い視線をいつも貰ってるもん」

ガイ「協力しろ。ここで魔王を止められなければ、お前の世界征服の野望も潰えるぞ」

セーレフェリア「協力したら、フローディアのことも聞くつもり?」

ガイ「話す気があるなら、今話せ」

セーレフェリア「やだ。取引の価値が減るじゃん」

ガイ「……」

セーレフェリア「……ねえ、ガイ。あなたはわたしを殺さずに閉じ込めた。理由は被害を減らすためだって言ったけど……ほんとは、怖いんじゃないの?」

ガイ「何がだ」

セーレフェリア「わたしの処遇を決めるとき言ってたよね。『被害を減らすための道具として生かす』って……道具って便利だよねー。罪悪感が薄まるもん。道具だからって言えば、どんな汚いことでも手が動く」

ガイ「……俺は汚いことをする。それで守れる命があるなら──」

セーレフェリア「ほら、それ。まさにそれが怖いんだよ」

ガイ「……何?」

セーレフェリア「守るためって言いながら、あなたはだんだん慣れていく。誰かを使うことにも、誰かが壊れることにも。もちろん、自分自身も含めて。そうやって、気づいたら自分が何になったか分からなくなる──」

セーレフェリア「それが怖いんでしょ?」
366 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:43:13.40 ID:mg67i2UbO
ガイ「……俺が何になろうと構わない。守れる命があるなら、それでいい」

セーレフェリア「ほんとに?」

ガイ「俺は俺を守るために戦っているわけじゃない。街が焼けるのも、人が倒れるのも、可能な限り見たくない。それだけだ」

セーレフェリア「それだけ、で済ませちゃうんだ」

ガイ「済ませる。迷って手が止まった瞬間、守れるものも守れなくなる」

セーレフェリア「ふーん……じゃあ、聞くね。もし魔王と戦ってて、わたしが魔王そっちのけで暴れ出したら?」

ガイ「殺す」

セーレフェリア「即答だ。かっこいー」

ガイ「必要なら躊躇はしない」

セーレフェリア「へぇ……躊躇しないんだ」

ガイ「ああ」

セーレフェリア「ひとつだけ確認。あなたは殺すって言葉を、脅しのために使わない。必要になったら、ほんとにやる」

ガイ「その通りだ」

セーレフェリア「うん。じゃあ信用できる。少なくとも、筋は通ってる」

ガイ「信用など要らん」

セーレフェリア「いるよ。だって、背中を預けるんでしょ?逃げたら死ぬ。余計なことをしたら死ぬ。つまんないけど、分かりやすい……それなら、こっちも条件。お願い、って形にしとくけど……聞いてくれる?」

ガイ「言え」

セーレフェリア「わたしを兵器みたいに使うなら、使う瞬間は……テルの前で命令しないで。テル、そういうの一番嫌うから」

ガイ「……わかった」

セーレフェリア「それと、もうひとつ。魔王戦のあと、またここに戻るなら……テルと話す時間、ちょうだい……少しだけで、いいから」

ガイ「……首長に伝えよう」

セーレフェリア「……やった。楽しみができた♪」

ガイ「勘違いするな。怪しい動きをしたら、その提案ごと潰す」

セーレフェリア「うんうん。分かってる分かってる。それじゃあ協力するよ。少しは面白そうだし。さっきのお願い、忘れないでね?」

ガイ「ああ……」

セーレフェリア「そうそう──魔王と戦うなら、あなたも自分を道具にしないでね。壊れたら、取引も成立しなくなるから。それじゃあね、ガイ」フリフリ

ガイ「……」

◆
367 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:44:12.33 ID:mg67i2UbO
ーーテラヌス・ウルス 地下牢の入り口

警鐘「」ゴーン……ゴーン…….

避難する市民たち「」ゾロゾロ……

オレンジ色のスライム「!」モニャッ

テルグレース「……魔王が来るかもしれないというのに、逃げないのか。死に急ぐ愚か者か……よほどの理由があるか」

ガイ「……テルグレース。ここで何をしている」

テルグレース「個人的な用件の確認だ。お前は?」

ガイ「さっきまで地下にいた。……取引のために」

テルグレース「取引?まさか──」

ガイ「セーレフェリアだ。魔王が来れば戦になる。その時、あいつの力が必要になる」

テルグレース「……囚人を引きずり出して戦わせる気か」

ガイ「綺麗事は不要だ。勝率は高い方がいい……ここで会ったついでだ。ひとつ伝えておく」

ガイ「お前が探している古代兵器は、兵器じゃない。今、この国を襲おうとしている魔王そのものだ」

テルグレース「……戯言を」

ガイ「古代の連中は利用しようとして失敗した。だから書庫に封じた。最初から、古代兵器なんて存在しなかった」

テルグレース「根拠は?」

ガイ「これだ」
黄金の剣「」キラン

テルグレース「……剣?」

ガイ「リジェネブレイド。絶望の魔王への対策として造られた聖剣だ」

リジェネ『……久方ぶりだな、娘』

オレンジ色のスライム「」モニャッ⁉︎

テルグレース「……塔の声。お前が、あれの正体か」

リジェネ『見ての通りだ。貴様には渡さぬ──そう言ったはずだな』

テルグレース「渡す渡さぬを決めるのは剣ではない。ガイ、その剣を渡せ。今すぐに」

ガイ「断る」
368 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 01:44:43.01 ID:mg67i2UbO
テルグレース「……状況が見えていないのか。その剣は魔王のために作られたと言ったな。魔王が来る。お前が持つ意味は薄い……勝率を上げたいと言ったのはお前だ。なら最適解を選べ。私に渡せ」

ガイ「最適解は一つだ。お前には持たせない」

テルグレース「……理由は?」

ガイ「お前はいずれ支配に使う。そういう目をしている」

テルグレース「支配は手段だ。秩序なくして救済は成立しない」

ガイ「秩序の名で誰かを踏み潰す……セーレフェリアと同じだ」

テルグレース「……あれと一緒にするな」

ガイ「やり方が違うだけだ。行き着く先は同じになる」

テルグレース「根拠のない決めつけだ」

ガイ「根拠ならある。風切りの塔は、お前を正しき者と認めなかった。だから剣は渡さない」

リジェネ『その通りだ。私は“救済”の皮を被った支配には力を貸さぬ』

テルグレース「……話は終わりだ。渡さないなら、奪う」

ガイ「やってみろ」

テルグレース「魔王が来る前に死にたいのか?」

ガイ「死ぬ気はない。世界を救うのは──俺だ」

警鐘「」ゴーン……ゴーン……

テルグレース「……最後の警告だ。剣を差し出せ」

ガイ「断る」

オレンジ色のスライム「」モニョ……

テルグレース「──後悔するなよ」
大剣「」ジャキン……

ガイ「──来い」
リジェネ『此度は魔王との戦いではない。我の権能は貸せぬ……悪いがな』シャキン……

ーー戦闘開始 テルグレースーー

01-50 痛恨
51-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心

閃光玉+10(残り2回)
時間の檻※奇数で+99偶数で+0(残り1回)
代償の刃+99(現在使用不可)
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 02:06:12.93 ID:8iHXLYzp0
閃光玉
370 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 19:38:48.75 ID:T5DsDkmaO
切り裂かれる地面「」ズシャアッ……!
真っ二つになる建物「」スパッ……

ガイ「……正面から打ち合うのは無理そうだな」タタッ

ガイ「だが、振った後の隙は大きい……!」シュンッ
黄金の剣「」ブンッ!

大剣を引き戻すテルグレース「速い、が──」ズズズ……

弾かれる黄金の剣「」ガギィンッ!!!

ガイ「防がれたか……」スタッ
リジェネ『貴様、剣の扱いがなっておらんな。あの娘の方が遥かに上手だぞ』

ガイ「記憶を失くす前はそれなりだったらしいんだがな……!」シュンッ

ガイのいた場所を通り抜ける斬撃「」ズバッ──!

テルグレース「これも避けるか。いい加減に倒れろ」
大剣「」ブンッ……!

飛んでくる斬撃「」ゴオオオオオッ!

ガイ(動きは大振りだが、飛んでくる斬撃は尋常じゃなく速い……あの大剣が振られなければ──)

ガイ「」スッ
魔導拳銃「」ドギュウン!ドギュウン!

大剣でガードするテルグレース「!」バッ
大剣「」ギィン!ギィン!

テルグレース「……剣では勝てぬと悟ったか。くだらないな……もう終わらせ──」

閃光玉「」ピッカァァァン‼︎

テルグレース「閃光玉!?チッ、小賢しい──」
ガイ「──大剣が振られなければここまで近付ける」シュンッ

黄金の剣「」シャキン……
371 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 19:39:23.67 ID:T5DsDkmaO
両腕を落とされるテルグレース「……!?、あっ……バカ、な……」

ボトボトッ……
地面に落ちる大剣「」ドスン……

ガイ「……」シュンッ

オレンジ色のスライム「〜〜〜!!!」モニャニャ

テルグレース「来るな!」

オレンジ色のスライム「!」モニャッ……

テルグレース「……ッ、なぜだ……!」ビチャビチャ……

銃口を向けるガイ「」スッ
魔導拳銃「」カチャ

テルグレース「首をはねることもできたはずだ……なのに、なぜそうしなかった……?」

ガイ「必要じゃないからだ」

テルグレース「……綺麗事か」

ガイ「約束をした」

テルグレース「約束?……何を言っている」

ガイ「テルとな……あいつは、お前たちをただ斬り捨てて終わりにしたくないと言った。止めるべきなら止める、敵なら倒す……だが、殺さずに済むなら殺さない、と」

テルグレース「……そんなもので、私は生かされているのか」

大きい布を運ぶオレンジ色のスライム「……!」モニャ……

ガイ「……借りるぞ」スッ

布を巻かれるテルグレース「……触れるな」

ガイ「拒否してもいい。だが拒否した場合、お前はここで失血死する。原因は俺が作ったが、手を下していないから約束は守れる──それでもいいなら、そうしろ」ギュッ!

テルグレース「くっ……!」

リジェネ『腕を斬り落としておいて看病とは、随分と器用な真似をするではないか』

ガイ「黙れ。今は止血が先だ」

◆

テルグレース「……これで、終わりか」

ガイ「ああ。最低限はな」

テルグレース「……私を生かして、何を考えている」

ガイ「今は魔王だ。お前と争っている場合じゃない。このまま退け」

テルグレース「……退く?この私が?」

ガイ「お前が望むならまだ戦うが」

テルグレースを支えるオレンジ色のスライム「」モニャ……

テルグレース「……ッ」ギリ……

テルグレース「……いい。今は退く。だが、忘れるな。世界を救うのはお前ではない……私だ」

ザッ……ザッ……ザッ……

地面に落ちたままの大剣「」

ガイ「……行ったか」

◇

リーナ『……ためらわなかった……ね……』

セーレフェリア『守るためって言いながら、あなたはだんだん慣れていく。誰かを使うことにも、誰かが壊れることにも。もちろん、自分自身も含めて』

セーレフェリア『気づいたら自分が何になったか分からなくなる──それが怖いんでしょ?』

◇

ガイ「……戻ろう」スタスタ……

⭐︎セーレフェリアを撃退しました。
372 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 19:40:24.01 ID:T5DsDkmaO
ーーテラヌス・ウルス 首都

避難する市民たち「」ザワザワ……

ソーラ「やだ!ソーラも残る!」

リアンノン「わがまま言わないの!」ギュッ

ソーラ「だって!だってね!ソーラ、ここにいないと──」バタバタ

リアンノン「ここにいないと、じゃありません!あなたは子どもだから、!」グッ

ソーラ「子どもでも……やくそく、したもん……!」

リアンノン「……約束?」

ソーラ「……うん。もうすぐ、会えるって……だから、いなくなったらだめって……」ニマ

リアンノン「……ッ」ゾクッ

リアンノン(ソーラ……なんで、こんなときに笑っているの……?)

ガイ「リアンノン、ソーラ」スタスタ

リアンノン「ガイさん……!」ハッ

ガイ「何をしている」

リアンノン「避難させようとしているんです……でも、この子が……」ギュッ

ソーラ「ソーラものこる!おかあさまも残るんでしょ!?なんでソーラはダメなの!」

リアンノン「私はホトルス族の首長としてやらなきゃいけないことがあるの!あなたまで危険な目に遭わせるわけには──」

ソーラ「でも……!」

リアンノン「ソーラ、お願い……!」ギュッ

ソーラ「あっ、おかあさま……?」

リアンノン「……あなたがここに残ったら、私は首長じゃいれなくなる……」

ソーラ「……」ジワッ

リアンノン「ソーラ、私の仕事は、ここに残ることじゃないの。守るために動くこと……そのために、あなたには……安全な場所にいてほしい」ブルッ

ソーラ「……でも」ボソ

リアンノン「聞いて……避難所に行くのは、逃げることじゃない……あなたが避難してくれるから、私はここにいられる」

リアンノン「だから、ソーラが避難するのは……私を助けること」ニコ

ソーラ「……ソーラが、おかあさまを……たすける」

リアンノン「ええ……だから、私を助けてくれる?」

ソーラ「……おかあさま」グッ

ソーラ「ぜったい、あとで、むかえにきて」

リアンノン「ええ。必ず──必ず、迎えに行く」ギュッ

ソーラ「……やくそく」ギュッ

リアンノン「約束」ギュッ

ガイ「……リアンノン、よければソーラを安全なところまで送っていこう」

リアンノン「ガイさん……では、申し訳ないのですが、ソーラを……お願いします」

◆
373 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 19:40:51.24 ID:T5DsDkmaO
ーーテラヌス・ウルス 避難所

ザワザワ……

ソーラ「……ありがとう、ガイさん。ガイさんは、ここに残るの?」

ガイ「いや……俺はここに残らない」

ソーラ「……じゃあ、どこいくの?」

ガイ「必要な場所だ。お前が知る必要はない」

ソーラ「……むずかしいこと、するの?」

ガイ「やることは一つだ。ここにいるやつらが、ちゃんと眠れるようにする」

ソーラ「ねむれるように……?」

ガイ「ああ。怖くて眠れない顔が多い」

ソーラ「……ソーラも、ちょっとこわい」

ガイ「それでいい。怖いなら、ここにいろ」

ソーラ「……ガイさん」

ガイ「なんだ」

ソーラ「おかあさま、だいじょうぶ?」

ガイ「……大丈夫にするために動いてる」

ソーラ「ガイさん」

ガイ「なんだ」

ソーラ「あとで……また、会える?」

ガイ「ああ……会えるさ。帰ってきたら声をかける」

ソーラ「……じゃあ、待ってる。気をつけてね」

◆

壁際で腕を組むホレス「……」ジッ

ガイ「ホレス……ここで何をしている」

ホレス「ソーラのこと、みてた」

ガイ「……戻るぞ。宿で飯を食って、明日の段取りを詰める」

ホレス「ガイ」

ガイ「なんだ」

ホレス「ソーラのこと……さいあく、かくごしておくべき」

ガイ「……どういう意味だ」

ホレス「こどもが、こどものまま、すむとはかぎらない……うれしいかお、こわい。ひっぱるちから、つよい」

ガイ「……分かった。最悪も想定して動く……行くぞ」

◆リアンノン、ソーラ、ホレスと話しました。
374 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 19:41:20.53 ID:T5DsDkmaO
現在はテラヌス・ウルスです。(19日目)
※古代遺跡を調査する際はその旨を記載してください
※20日目になにか起こるみたいです

何をする?
安価下1~3
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 19:41:49.15 ID:8U2Tj9bc0
ガイ、サーシャテルルーと混浴する
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 19:43:59.25 ID:LO58w3QnO
リンとユキの模擬戦を見届ける
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 19:44:13.02 ID:BESuOjsio
テルグレースの大剣回収して武力アップを図る
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 19:46:00.94 ID:DAGmYqiB0
アルバ、エルマ、バールベルトと合流
379 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 23:51:35.01 ID:mQhtn4DkO
ーーテラヌス・ウルス 首都

シーン……

瓦礫の影を覗き込むリン「だーれもいない?……よし。生存者ゼロ……じゃなくて、逃げ遅れた人はいないね」ピョコ

リン「にしても、なんでここだけこんなに荒れてるんだろ?火事場泥棒ならぬ火事場テロリストでもいたのかな?……ん?」

地面に横たわる大剣「」ズン……

リン「うわ、でっか……なにこれ……戦いの置き土産?なんだか業物な気配がするけど……放置はだめだなぁ。子どもが触ったら怪我しちゃうよ」ツンツン

リン「……よし。じゃ、拾得物として回収!持ち主に返すまで、私が預かります!」スッ

大剣「」ズズ……

リン「重っ!?……うそでしょ。これ、持ち歩くの無理じゃん……運び役を呼ぶか」スッ
魔法陣「」ボワッ…
ばら撒かれる骨「」バラッ……

首なしスケルトン「」ズズズ……

リン「やっほー、デュラハン。臨時でお仕事なんだけど、この大剣持てる?」スッ

大剣を握る首なしスケルトン「」ガシッ……ブンッ!

リン「……持てるんだ。じゃあ装備しよっか」

大剣を構える首なしスケルトン「」ズン!

リン「わー、絵面が最悪。悪役みたい!」パチパチ

宿の方向を指差す首なしスケルトン「」スッ

リン「うん……みんなに報告しにいこ。これ拾ったって……怒られそうだなあ、勝手に動かすなって……帰ろ、デュラハン。それ、落とさないでよ?」

親指を上げる首なしスケルトン「」グッ

◆
380 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/27(土) 23:52:04.34 ID:mQhtn4DkO
スケルトンの肩に乗ったリン「おーい、みんなー」フリフリ

大剣を携えた首なしスケルトン「」ズシン…ズシン…

ドルク「おわあっ!?……って、リンかよ!心臓に悪い!」

テル「絵面が毎回ひどいね……」

リーゼリット「その剣……大きすぎない?」

サーシャ「リンさん、どこでそんなの……?」

リン「昨日の戦いの跡っぽい場所に落ちてたの。市民が戻ってきて踏んだら危ないし、兵士さんが触って怪我しても嫌だし……とりあえず私が回収したんだ」スト

テル「……持ち主が探してたら面倒じゃない?」

ガイ「それについては心配はいらない。持ち主はそれをしばらく使うことはできないだろう」

アインズ「知っている口ぶりだな」

ガイ「……知っている。昨日、その剣を振っていたのはテルグレースだ」

テル「え?」

ドルク「風切りの塔のゴーレムを倒してたヤツか!」

リーゼリット「なんでわざわざ置いていったんだろ……?」

ガイ「……落としていったんだ」

テル「……グレースはそんなことしないでしょ」

ガイ「現に大剣を置いていってる。手放したくなくても、手放さざるを得ない状況だった」

サーシャ「……追い詰められてたってこと?」

ガイ「戦いの途中で、立て直す余裕がなくなった……それだけだ」

アインズ「……相手は退いたのか?それとも逃げたのか?」

ガイ「退いた……今は争っている場合じゃないと判断したんだろう。それより、その大剣だが……テルグレース以外で今この場で使えそうなのはアインズとリンくらいか」

リン「私は“私が振る”って意味なら無理だよ?重いし。……でも、首なし鎧に持たせるなら話は別」ピッ

大剣を携えた首なしスケルトン「」ズシン…

アインズ「私は扱える。だが、武器を替えるには慣らしが要る。今この瞬間の即戦力という意味なら、リンの眷属に持たせる方が早いだろう」

テル「ねえ、待って。そもそも落とし物を勝手に戦力化して大丈夫なの?」

ガイ「持ち主が戻ってきて返せと言うなら返す。それまでの間、借りておくだけだ……魔王が相手なら猫の手も借りたい状況だろう。使えるものは使うべきだ」

誰が使う?

安価下1

1 リン
2 アインズ
3 やっぱり使わない
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/27(土) 23:58:31.28 ID:PmO1jBSd0
2
382 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 00:02:30.04 ID:c79Ko3p3O
本日はここで更新を終わります。
次はリンとユキの模擬戦、サーシャとテルとトゥルーエンドさんと仲良く入浴するところからスタートしていきます。
ちなみにアルバさんとバールベルトさん、エルマさんについては魔王戦で協力してくれますのでご安心(?)を

それでは、また。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 00:10:55.63 ID:nu7LkVSBo
乙
仲良く修羅場か
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 08:47:38.88 ID:+NYoH7MS0
乙
テレグレースを無力化したとはいえテレグレースの両腕切り落とすのはなかなかエグいな。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 08:51:07.24 ID:+NYoH7MS0
>>384すいませんテルグレースでした
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 11:42:21.34 ID:VnlHy6lZo
おつです
ガイさん外付け良心無いと怖いな本当
387 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 18:56:49.81 ID:ymUw0o99O
>>383
修羅場になるかどうかはわかりませんが、ガイ込みでこのメンバーが揃うのは初めてなので、いい感じに描写できたらな、と思います。

>>384
ガイは無傷で無力化できる場合は、なるべくそうしますが、相手が強敵の場合は余裕がなくなり、確実な手段に走るようです。今回はテルとの約束もあったので腕の切断でとどまったみたいですね。

>>386
現在、ガイの行動原理は世界めくれを止めることに比重が置かれているので、それを邪魔する者には容赦しません。リーナさんを倒したことにより、その傾向は尚のこと加速しているようです。
388 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 18:57:43.41 ID:IdC5ZnoYO
テル「まあ、そういうことなら……運ぶことを考えたら、アインズさんが持つのがいいんじゃないかな?」

リン「あー、たしかに。デュラハン出してたら地味に消耗するんだよねぇ……というわけで、はい!」
大剣を差し出す骨なしスケルトン「」スッ

アインズ「ふむ……これならステライトで出来た魔物でも倒せそうだな」
大剣「」ブンッ

リーゼリット「わっ、そんな軽々しく……やっぱ竜ってすごいね」

アインズ「ふふん。リーゼも持ってみるか?」

リーゼリット「えっ!?いやいや、無理だから……」

ユキ「……それは魔王対策の武器ですか?」スタスタ

サーシャ「ユキ教授!」

ユキ「こんにちは、サーシャさん」

リン「ユキさん、何しにきたのー?」

ユキ「風切りの機械塔で古文書を預かったでしょう……その解読が済んだから内容を共有しようと思って」

ドルク「……なあ、リンとユキ教授ってもしかしなくても知り合いか?」

リン「ん?そうだけど?」

ユキ「リンは十年前までは大魔女帝国の住人だったの。魔法学園で研究していた頃の同期……というか、腐れ縁ね」

リン「腐れ縁ってひどっ。こっちは美人で頭のいい友達って紹介してあげようと思ってたのに」

ユキ「余計な枕詞はいらないわ」

テル「えっ、リンさんって大魔女帝国出身なの?」

リン「そだよ。世界めくれのあとにこっち来ただけ。今はテラヌス市民~」
389 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 18:58:21.95 ID:IdC5ZnoYO
ガイ「……古文書の内容を聞かせろ」

ユキ「ああ、ごめんなさいね。結論から言うと、あの古文書には絶望の魔王についてと、封印するにあたっての謝罪が書かれていたわ」

サーシャ「謝罪……?」

ユキ「ええ……あまり面白いものではないわ。重複する情報もあると思うけど伝えるわね……まず、絶望の魔王は遥か昔にこのテラヌス砂漠を作る原因となった魔王よ。その姿は街一つを飲み込むような大きさの蛇のような姿をしている。絶望の魔王が通った場所はあらゆる植物が枯れ果て、生き物は生気を失った。絶望の魔王が現れるまではこの辺りも自然が豊かだったと記されているわね」

ドルク「その時点で相当ヤバいのはわかった。でも、昔の人は封印に成功したんだろ?」

ユキ「ええ、その通り……魔法文明が封印に成功している……言い換えれば倒すことはできなかった、ということでもあるわ」

ガイ「……似たようなことをコイツも言っていた」

リジェネ『ふむ、我はそれを見ていないが、

アインズ「お前は封印のときにいなかったのか?」

リジェネ『我が作られたのは二度目のときだからな』

リーゼリット「二度目……そっか、兵器として利用しようとした文明があるんだよね……」

ユキ「ええ。砂に呑まれた書庫に封印された絶望の魔王を戦争へ利用できないか考えた文明があったの……それが風切りの機械塔を作った機械文明よ。色々、試行錯誤していたみたいだけど結局は失敗して、副産物として風切りの機械塔と、その剣が残った」

リジェネ『そういうことである』

リン「ほえー、じゃあこの剣は機械文明が作ったんだ。テンペスターとかで作られてるようなメカメカしい見た目になりそうなもんだけど、由緒正しい聖剣みたいな見た目で作られたのは不思議だねぇ」

テル「……最初に言っていた謝罪っていうのは?」

ユキ「……二度目の封印の際に犠牲になった人たちへの謝罪よ」

サーシャ「犠牲って……?」

ユキ「一度目の封印は討伐隊が……二度目の封印は、機械文明の国民の殆どが……封印のために必要な犠牲となったわ」

アインズ「……その者たちは望んで犠牲になった訳ではない、ということか」

サーシャ「!」

ユキ「そういうこと。そして、機械文明の生き残りは今後、自分たちのような罪を犯さないように、絶望の魔王の記録を消しさって存在の抹消を試みた……全ての記録を消し去ることはできなかったけども、事実、絶望の魔王がこの地に封印されているということは最近まで誰も知らなかった」

ガイ「……内容はそれだけか」

ユキ「……封印の方法についても、記されているわ」

リジェネ『……使いたくはない、な。我を作ったものによれば二度目の封印は一度目の封印より効率が悪かったと聞く。魔法文明でさえ、討伐隊の命を犠牲にするような強大なものだ。技術力が衰えた二度目の封印で国民が犠牲となった……』

リーゼリット「そんなの、封印じゃなくて……殺してるのと同じだよ……」

ユキ「古文書の謝罪は、封印の成功を誇っていない……やったことの重さを、後世に押し付けないための遺書に近い」

ドルク「じゃあ……封印を選んだら、同じことをやる羽目になるってことか?」

ユキ「可能性が高い……封印をするには命が必要になる。どれだけ用意すれば足りるか──書かれていないのが一番残酷ね」

アインズ「……論外だな」

リン「うん、論外。私、そういうの嫌い」

ガイ「そうだな。封印は選ばない」

サーシャ「ガイ……」

ガイ「封印は延命だ。次の誰かに押し付けるだけで、しかも犠牲を積む……そんなものは救いじゃない」

テル「でも、古代魔法を作った魔法文明ですら倒せなかったんだよ?しかも、世界樹の光を取り込んでるかもしれないんだよね……?」

ガイ「この国は魔法文明でも、ましてや機械文明でもない……だから誰も正解を持っていない。ならば、俺たちで正解を作る──絶望の魔王は、倒す」

ドルク「……やるしかねえってことだな」パシッ

アインズ「やる、ではない。やり切る。封印などという選択肢を捨てた以上、退路はない」

サーシャ「……うん。誰かを犠牲にして勝つくらいなら、私も戦う。……絶対に、倒そう」

リーゼリット「……倒して、終わらせよう。次の誰かに渡さない」

テル「よし、決まり。封印はなし……絶望の魔王をぶっ倒そう!」

リン「うんうん、そうと決まれば準備をしないとね!」

ガイ「……」クルッ スタスタ……

ガイ(“最悪”は常に想定しろ。テラヌス・ウルスが焼けても、魔王が外へ出るよりはマシだ。優先するのは一つの国じゃない、世界だ。迷った瞬間、守れるものも守れなくなる。全ては、在りし日を取り戻すために──)
390 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 18:58:50.64 ID:IdC5ZnoYO
ユキ「……リン、少しいいかしら?」

リン「ん?どうしたの?」

ユキ「魔王戦の前に、魔法の感覚を整えておきたくて……現地調査も行ってたんだけど、最近はデスクワークばかりだったから」

リン「えー、仕方ないなあ……軽くでお願いね?」

ユキ「ええ、勿論……魔王と戦う前に、リタイアは避けたいものね」

コンマ下1

偶数でリン、奇数でユキの勝利
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 19:08:42.58 ID:euvThuXvO
あ
392 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:25:44.25 ID:DOHRByXiO
リン「それじゃあ……みんな、よろしく!」バッ
地面「」ボゴォッ!
包帯巻きのミイラ「」ヨロ……ヨロ……

ユキ「出たわね……」

テル「うぇぇ!?地面からミイラが!!!」

リン「演出だよー、驚いた?」

ユキ「……リン、相変わらず趣味が悪いわね」

リン「趣味じゃないよ、実用性だよ。魔王戦の前に怖がらない訓練も大事でしょ?」

ユキ「それもそうね……けど、その程度じゃ」スッ

氷包帯巻きのミイラ「」ギンッ カチコチ

アインズ「……一瞬で凍りついただと」

サーシャ「すごい……流石ダークヒーローの弟子……」

リン「前より腕が上がってる……この子じゃ役不足だったか……」スッ
魔法陣「」ブォン……

首なし鎧「」ズズズ……

リーゼリット「あれは……さっきのスケルトンが、鎧を纏ってるの?」

ユキ「大きくなろうと、鎧を着ようと、結果は変わらないわ」スッ

氷首なし鎧「」ギンッ カチコチ

テル「また一瞬で凍らせた!」

ユキ「次はあなたよ、リン」

リン「……ふふん、氷魔法は死体の保存に最適だからね。私もある程度の扱いは心得ているよ」

ユキ「!まさか、氷魔法を使えるの?」

リン「そう言う訳じゃないんだけどね……死体を解凍させる方法は決まって、こう!」パチン

炎に包まれる首なし鎧「」ゴウッ!!!

アインズ「ほう……中々の炎魔法だな」

ドルク「こっちもすげぇ火力だ!」

リン「私の本来の属性は火属性だからね……もう使えなくなった死体とかはこれで燃やしてるの──さあ、行け!デュラハン!」バッ
393 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:26:12.46 ID:DOHRByXiO
炎に包まれた首なし鎧「」ズン……ズン……

ユキ「瞬間冷凍ができなくとも、手数はまだまだあるわよ──」スッ
氷の刀「」シャキンッ

ユキ「」ダッ
氷の刀「」ヒュンヒュンヒュンヒュン……

切り刻まれる首なし鎧「」バラッ

ドルク「近接もいけるのか!」

氷の刀の先を向けるユキ「さあ、終わりかしら?」

リン「デュラハンがやられたら私も勝ち目は薄いなー……でも」スッ

地面から出てくる手「」ボゴォッ ガシッ

ユキ「きゃっ!?何!?」

リン「拘束!」

手から伸びる包帯「」グルグルグル

リーゼリット「包帯がユキさんを包んで──」

包帯に巻かれたユキ「くっ……」グルグル……

リン「ふふっ、ここまでされたら軽くの範囲じゃ何もできないでしょ?……私の勝ち、だね」

包帯に巻かれたユキ「……そのようね。これ以上はお互いに本気になっちゃうもの。負けたわ……」

リン「それじゃあ解除!」パチン

解かれる包帯「」シュルシュル……

ドルク「二人ともすごいぜ!見事な戦いだったな!」

アインズ「そうだな。共に肩を並べて戦えることを誇りに思う」

ユキ「ありがたい言葉ね……リン、いい感じに魔法の勘が冴えてきたわ。付き合ってくれてありがとう」

リン「いやいや。魔王との戦いはもうすぐ……一緒に頑張ろ?」スッ

握手するユキ「ええ……!」スッ

⭐︎リンが模擬戦で勝利しました。
394 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:27:44.10 ID:DOHRByXiO
ーーテラヌス・ウルス 大浴場 女湯

カポーン……

ガイ「……これだけ広いのに、誰もいないと新鮮な気分だな……」

トゥルーエンド「市民は避難してるし、もう遅い時間だもの。こんなところまでわざわざ来る人なんて、そういないわ……」

ガイ「ルー……魔王の封印について聞きたいんだが」

トゥルーエンド「ええ」

ガイ「俺たちは封印の方法があることを知っているが……やり方は知らない。ルーはその方法を知っているのか?」

トゥルーエンド「勿論よ。どんな魔法式も命を使うものはすごく強大な力を発揮する。絶望の魔王を封印する方法はその魔法式の延長……単純だけど、最も効果的」

ガイ「他に方法はないのか」

トゥルーエンド「探したわ……けどダメね。文献から察するに、機械文明も魔法文明の再現をしようとしてその魔法式に至った。そもそも、魔法文明ですらその方法で封印するのがやっとだった。代替手段があれば、とっくにその方法を伝えてるわよ」

ガイ「……」

トゥルーエンド「もしも、を考えてるの?」

ガイ「ああ……仲間の前では倒す、と言ったが……正直、自信がない」

トゥルーエンド「……そうね。倒せるのが理想よ。でも、記録に残る絶望の魔王は……理想を許してくれる相手じゃない」

ガイ「封印に必要な命の数は、どれくらいだ?」

トゥルーエンド「……今、この国にいる大半の人ね」

ガイ「……今日、街の結界や避難所を大魔女帝国の者が回っていたな。点検だと言っていたが、本当は違うんだろう?」

トゥルーエンド「そうよ。絶望の魔王を倒せるのなら、それが一番いい。けど、もしも、倒せなかったら……そのときに備える必要があるわ。ここで何もできなかったら、次は他の国……他の土地……世界めくれで世界が滅ぶ前に、絶望の魔王によって世界が滅んでしまう」

ガイ「……他に知っているやつは」

トゥルーエンド「各首長よ……結界の点検は、封印の起動条件を揃えるためでもあるけど……同時に、避難経路を確保するためでもある。どこが先に崩れるか、どこが最後まで保つか。人を逃がす順番を作るためにね」

ガイ「……それでも大半が死ぬ」

トゥルーエンド「ええ。だから、勝つの。倒すの。あなたたちが」

ガイ「……もし、倒せなかったら」

トゥルーエンド「そのときは──」

ガイ「そのときは、俺がやる。俺の命も使って、絶望の魔王を封印する」

トゥルーエンド「それはできないわ。あなたは世界樹の光を集めて世界めくれを止める使命がある。それに、絶望の魔王が世界樹の光を取り入れていたら、それに対応できるのはあなただけよ」

ガイ「……怖いんだ」

トゥルーエンド「うん」

ガイ「俺が負けたら、あの街の人間が“材料”になる。俺のせいで」

トゥルーエンド「違う。責任を一人で背負うな。背負うなら、背負うのは“止めるための責任”よ」

トゥルーエンド「あなたが負けたら、私が封印を押す。押したら、私が汚れる。それだけの話。あなたは戦う。私は選ぶ。役割を混ぜないで」

ガイ「……ルーは、怖くないのか」

トゥルーエンド「怖いに決まってるでしょう」

トゥルーエンド「……だから、あなたに来てほしかった。私が一人で“準備”を進めてると、心が麻痺するの。正しく怖がってくれる人間が、傍に必要だった」

ガイ「……」

トゥルーエンド「ガイ。封印は最後。最後の最後よ」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「……その代わり。あなたも約束して」

ガイ「何を」
395 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:28:56.53 ID:DOHRByXiO
トゥルーエンド「勝つために無茶はする。でも、“死ぬための無茶”はしない。もし自分を投げそうになったら、私の顔を思い出しなさい」

ガイ「……努力する」

トゥルーエンド「努力じゃなくて、やりなさい」

ガイ「……やる」

トゥルーエンド「よろしい」

目を閉じるトゥルーエンド「ん……」

ガイ「……」

ペタペタ……

隠れるトゥルーエンド「!」バシャッ
隠れるガイ「!」バシャッ

テル「いや〜、一度入っておきたかったんだよねぇ、ここの大浴場!」

サーシャ「わあ、すごい広い……ほぼ貸し切り状態ですね!」

チャポ……

テル「はぁ〜……生き返る〜……ねえサーシャちゃん、今のうちに色々話そ?明日とかさ、何があるかわかんないし」

物陰に隠れるトゥルーエンド(……あの子たち……)

物陰に隠れるガイ(よりにもよって、今……最悪だ)

トゥルーエンド(最悪ね)

ガイ(どうする)

トゥルーエンド(どうする、じゃないわよ……あなた、今ここで出たら死ぬわよ)

ガイ(出なければ、それはそれで死ぬ)

トゥルーエンド(……静かに。湯気が揺れるわ)

テル「あれ?……なんかさ、今……水音しなかった?他に誰かいるのかな」

サーシャ「えっ? 気のせいじゃないですか?……湯気が落ちたとか……でも、もし他の人がいたら静かにしないと……」

テル「もしかして入ってました?気づかなくてごめんなさい!」

トゥルーエンド(……謝るのは偉いけど、今はそれが刺さるわね)

ガイ(俺が返事をするべきか)

トゥルーエンド(しなくていい。あなたが返事をした瞬間、終わる……私が出る。あなたは、そのまま)

ガイ(……待ってろと?)

トゥルーエンド(ええ。女湯に女がいるのは普通よ。男がいるのが異常なの……合図を出したら、時間の檻を使って浴場から出なさい)

ガイ(……わかった)

ザバァ……

湯気の向こうから歩いてくるトゥルーエンド「……いるわよ。私が」

テル「えっ」

サーシャ「……っ!?」

トゥルーエンド「声が大きいわ。誰もいないとはいえ、ここまで響かせる必要はないでしょう」

テル「す、すみません!まさか大魔女様が……!」

サーシャ「し、失礼しました……!」

トゥルーエンド「いいわ。咎めるために来たんじゃないもの」

テル「え……?」

トゥルーエンド「あなたたちも、眠れないのね。明日が近い……身体が冷えれば、判断も鈍る」

サーシャ「……はい」

トゥルーエンド「だったら、温めておきなさい。短い時間でいい。のぼせる前に上がって、きちんと水を飲んで、寝ること」
396 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:30:38.87 ID:DOHRByXiO
テル「は、はいっ!」

サーシャ「はい……ありがとうございます……!」

テル(なんか……思ってたより普通に優しい……)

サーシャ(というか、今……大魔女様、湯気の向こうから出てきたけど……ずっと入ってたのかな……?)

トゥルーエンド「それと、もう一つ」

テル「な、なんでしょう……」

トゥルーエンド「さっきの“誰かいるのかな”って話。……今夜ここに来たことも含めて、ガイには言わなくていいわ」

サーシャ「……え?」

テル「どうして……?」

トゥルーエンド「余計な心配を増やしたくない。彼はいま、抱えているものが多いから」

サーシャ「……そう、ですね」

テル「……分かりました。内緒にします」

トゥルーエンド「ええ。よろしくね」ニコ

サーシャ「大魔女様は……ここで一人で入ってたんですか?」

トゥルーエンド「ええ。考え事があって」

テル「考え事?」

トゥルーエンド「世界のこと。国のこと……それから、勝たせたい人のこと」

トゥルーエンド「あなたたちも同じでしょう。眠れないなら、話して整理しなさい。怖いなら、怖いと口にしなさい。……怖がるのは、弱さじゃない」

サーシャ「……はい」

トゥルーエンド「では、私は先に上がるわ。あなたたちも長居はしないこと。湯あたりして戦えない、なんて笑えないもの」

テル「了解です!」

サーシャ「ありがとうございます……!」

チャポ……

トゥルーエンド(今よ)

世界「」ゴオオオ──

◆

湯気「」
流れたまま止まる水「」

ガイ(三拍……その間にこの場所を抜けるッ)ダッ

ガイ(残り二拍……もう少しで出口だ!)

ガイ「間に合え──ッ」

◆

サーシャ「あれ?今何か……」

テル「どったのサーシャちゃん」

サーシャ「何か違和感が……やっぱり、気のせいかな……」

テル「まあ、大魔女様が入ってるとは思わなかったもんねぇ。ほら、肩まで浸かって……でさ。サーシャちゃんって、明日……もし終わったら、何したい?」

サーシャ「……え?」

テル「生き残ったらの話。生き残ったら、何したい?」

サーシャ「……そうですね……ちゃんと、ご飯を食べたい。みんなで」

テル「いいねぇ。それ最高」

サーシャ「テルさんは?」

テル「私はね、寝たい。丸一日」

サーシャ「ふふ……それも、いいですね」

カポーン
397 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:31:51.32 ID:DOHRByXiO
◆

トゥルーエンド「……どうにかなったようね」

ガイ「ああ……冷や汗をかいた」

トゥルーエンド「ふふ……まあ、私は見られてもよかったんだけど」

ガイ「冗談だろ」

トゥルーエンド「どうかしら?……さて、もう寝ましょ……魔王との戦いに備えて」

ガイ「……ああ。おやすみ、ルー」

トゥルーエンド「ええ、おやすみ、ガイ」

⭐︎入浴して疲れを癒しました。
398 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:32:54.61 ID:DOHRByXiO
ーーテラヌス・ウルス 砂に呑まれた書庫

サラザール「宝は全て回収したか?」

サラザールの部下A「はっ、確認できたものは全て回収済みです」

サラザール「よし……例のブツを」

サラザールの部下B「」スッ
魔導ロケットランチャー「」

サラザール「さあ、絶望の魔王よ、これで終わりです──」

魔導ロケットランチャー「」シュボオ──

ドガァァァァァァン!

サラザール「はっはっはっ!邪教の遺跡が沈むのはいつ見ても気持ちがいいですねぇ!魔王が攻めて来るのであれば、攻め入る前に倒してしまえばいいのですよ!」

魔導ロケットランチャー「」シュボオ──シュボオ──シュボオ──

ドガァァァァァァン!

◆

サラザール「ふぅ……!これだけの火力を受ければどんな生物も生きてはいないでしょう……撤収だ」

シーン……

サラザール「……なんだか、やけに静かですね?」

シュルシュルシュル……

サラザールの部下たち「」ザワザワ……

ゴゴゴゴゴゴ……

浮き上がる砂の山「」ザァァァァァァッ……

サラザール「なっ、なんですかこれは!?まさか──」

巨大な蛇の頭「」フシュウウウ……

サラザールの部下A「あ、あれは……」

サラザールの部下B「か、影を喰らうもの……!」

サラザールの部下C「そんな……頭だけで、建物の大きさだぞ!?想像より遥かにデカい!?」

サラザール「怯むな!攻撃をしろ!」

魔法弾「」ドガァン!
魔導ロケットランチャー「」シュボオ──シュボオ──
魔導銃「」バギュウン!バギュウン!

ドゴオオオオ──

巨大な蛇の頭「」モクモク……

サラザール「き、効いてないだと……」

口を開ける巨大な蛇の頭「」パカッ

サラザールの部下B「ま、まさか……」

砂ごと辺りを喰らう巨大な蛇の頭「」ズズズ……!

サラザールの部下A「う、うわぁぁぁっ!?足が……!」

サラザールの部下C「引っ張られる!砂が、砂が生きて──!」ガクンッ

サラザール「踏ん張れ!散開しろ!喰われるな、喰われるなよ!」ギリッ

ゴオオオオ……
399 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:33:20.98 ID:DOHRByXiO
サラザールの部下B「サラザール様ッ!誰か、助けて!」ズルズル

蛇を睨むサラザール「……邪教の獣め。私の祈りを、食卓にするつもりか……!」

ゴオオオオ……

サラザールの部下A「だ、だめだ!もう──!」ズル

サラザールの部下A「う、うわぁぁぁぁっ!!」

サラザール「……!」

サラザールの部下C「Aが……喰われた……!」ガタガタ

サラザールの部下B「サラザール様、撤収を!ここは──」

サラザール「撤収?ふっ、ははは……冗談じゃない。ここで引いたら、我らの“報告”が嘘になるじゃないか……!」

サラザール「“影を喰らうものは討った”。“邪教の遺跡は浄化した”。“我が神の御名は砂の底まで届いた”――そう言って、胸を張って帰るはずだったのにねぇ」クスッ

サラザールの部下C「さ、サラザール様……!もう無理です!撤退を――!」

サラザール「無理?……無理かどうかは、神が決めることだ。君たちが決めることじゃない」チラ

ゴオオオオ……

サラザール「それに……ここで逃げたら、私は一生、祈りの言葉が軽くなる。『神よ』と言うたびに、喉の奥で砂が鳴る」

サラザールの部下B「で、でも──!」

サラザール「でも、じゃない──君たちは行きなさい。逃げるなら私の命令で逃げろ」スッ

サラザールの部下B「サラザール様ッ!?」

サラザール「君たちが生きていれば、私の正しさは次の誰かに継げる。……いや、継がせる」

サラザール「私はここで、神に報告する。『不要な遺跡は一つ減りました』と……はは……はははは……」

両腕を広げるサラザール「……そうか。神よ。これは、私への試練なのですね……」スッ

バクン

巨大な蛇→絶望の魔王「」ズルズルズル

ウワアアア……ギャアアア……

◆
400 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:33:50.17 ID:DOHRByXiO
ーーテラヌス・ウルス 避難所

ソーラ「──来た」

猫人のおじさん「え?一体、何が来たんだい。ソーラちゃん」

ソーラ「……わたしの、おともだち!」タタッ

猫人のおじさん「あっ、ソーラちゃん!!そっちは危ない!!」

ザワ……ザワ……

避難民A「な、なんだ……外が急に暗く……」

避難民B「風……?いや、砂だ……砂が渦を──」

ゴオオオオ……

猫人のおじさん「ソーラちゃん!戻って来るんだ!ソーラちゃん!」

◆
401 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:34:26.12 ID:DOHRByXiO
ーーテラヌス・ウルス 

ヨードリー「……あれが、絶望の魔王か」

ベルフレア「ええっ……ちょっと師匠!、あれ、大き過ぎませんか!?」

ベスティア「……この砂漠を作った魔王、というのは伊達じゃないようですね」

リアンノン「あ、あんな大きいの、どうやって倒せば──」

ミラ「バカ。首長が弱気になってどうするのよ……」

ザワ……ザワ……

ヨードリー「全員、聞け」

ヨードリー「相手が巨大だろうが、恐怖の正体は同じだ。分からないから膨らむ。……だから、今ここで分からないことを減らす」

ヨードリー「第一。避難は計画通り続行。誘導路は三系統、詰まったら即座に切り替える。現場判断で止めるな、止めるなら私の命令だ」

ヨードリー「第二。結界の維持班は交代制を崩すな。力尽きるまで張り続けるのは美談じゃない。倒れた時点で穴が開く」

ヨードリー「第三。前線は“倒すこと”に拘るな。削って、止めて、押し返す。魔王の領域を広げさせないことが勝ち筋になる」

ヨードリー「そして──各首長。例の準備も進めている。起動については私の命令を待て」

リアンノン「ッ……」ギュッ

ヨードリー「……最後に、言っておく。皆、全力を尽くせ。その結果がどうなろうと……誰も咎めはしない。咎めるべきものがあるとすれば、それは恐れて動けなくなることだけだ」

ヨードリー「……行くぞ、武器をとれ!我々は絶望の魔王を倒し、この砂漠に真の平和を取り戻すのだ!」

テラヌス兵たち「オオオオオオオッ‼︎‼︎‼︎」

◆
402 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:35:14.02 ID:DOHRByXiO
ドルク「へへっ、聞こえたか?……あんだけでけぇ生き物は初めて見るな……」

リン「逃げても誰も責めないよ」

ドルク「へっ、誰がビビってるって?」

テル「私はさっきから足の震えが止まらないよ。ホントにあれ、どうにかできるものなの?」

アインズ「震えるのは正常だ。異常なのは、震えないことだ」

リーゼリット「テルさん……手、握ろうか。震えてても、動けるよ」

サーシャ「うん。怖いって言えるの、強いよ。隠すよりずっと」

テル「強いって……いやいや、私はただ情けないだけで――」

ガイ「情けなくない。恐怖は情報だ。身体が危険だと教えている。それを無視すれば死は近づく」

テル「……ガイくん……」

ガイ「どうにかできるか、って話なら──できる。止める手段はある、そうだろうリジェネ?」
リジェネ『……うむ。その通りだ』

リン「一度魔王を封印した聖剣が言ってるなら、安心だねー」

ドルク「ははっ、頼もしいな……」

ブロロ……
魔導車「」キキーッ

アルバ「ガイ、ここにいたのか」スタッ

ガイ「アルバ!無事だったのか!」

アルバ「この状況は予想していた。魔王の大きさは想定外だったが」

バールベルト「アルバさん!この人たち誰ですか!?」

アルバ「俺の組織の仲間だ。腕は信頼できる。バールベルト、ここまで送ってくれて助かった。あとは自由にしろ」

バールベルト「えぇ!?ここで解散って……私を殺す気ですか!?」

アルバ「殺す気なら最初から連れてこない。だが、ここから先は覚悟があるやつしか足を踏み入れさせない。それだけだ」

バールベルト「うっ……言い方ァ!!」

アルバ「慰めて誤魔化すよりはマシだ」

バールベルト「自覚はあるんですね!?」

アルバ「ある。ここから先は危険だ。それ以上でも以下でもない」

バールベルト「……危ないのは分かってますよ。分かった上で来てるんです!」

アルバ「そうか。来るなら命綱みたいな役割でもいい。戦えなくても、必要な場所はある」

バールベルト「……っ、言われなくても!」

テル「え、バールベルトさんって戦闘員じゃないの?」

バールベルト「見て分からない!?この細腕であんな化け物とやりあえるとでも!?」

リン「見てて面白いのにねえ」

バールベルト「面白がらんでください!」
403 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:35:43.27 ID:DOHRByXiO
アインズ「……兵たちが進んだようだ。我々はどうする?」

ガイ「俺たちも行くぞ……兵と合流して、そのまま前線へ出る」

リン「前線……いい響き……そう言ってる場合じゃないか」

アインズ「今はまったく笑えんな」

サーシャ「みんな……行く前に、いい?」

リーゼリット「どうしたの、サーシャ?」

サーシャ「私、みんなと会えて、本当によかった」

ドルク「おいおい……そういうのは今言うセリフじゃねぇぞ」

テル「……うん。そうだね。タイミングが違うよ、サーシャちゃん」

サーシャ「え?」

リーゼリット「そうそう!全部、解決したあとに言うセリフだよ、それは」

リン「お祝いの席で聞きたいねえ」

アインズ「そのときまでとっておけ。今のは聞かなかったことにする」

サーシャ「みんな……」

ガイ「行こう。今は時間が惜しい」

アルバ「バールベルト、魔導車をまわせ。俺たちも行くぞ」

バールベルト「……ああ、もう!わかりました、やりますよ!やればいいんでしょう!?」

魔導車「」ブォン!ブロロ……
魔導車・改「」ブォン!ブロロ……

◆
404 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/28(日) 23:37:55.62 ID:DOHRByXiO
本日はここまでです。次回は魔王戦に入ります。よければお付き合いください。
それでは、また。
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/28(日) 23:56:06.66 ID:nu7LkVSBo
サラザールさんあんまり出番なくて作中でも全然遺跡襲撃しなかったけどなんだか矜持のある人だった
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 00:00:01.15 ID:ogWJszq/O
なんでガイ女湯にいたんだ
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 00:16:58.95 ID:ya+KiBLXo
おつ
いよいよ章ボス戦!
だけど戦力比で見ると本家の雷霆よりキツそうだわ
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 01:32:35.63 ID:sx9SzUvZ0
乙です。
上手く言えないし解釈違いかもしれないけど、一見王道ラブコメ展開に見えてみんなどこかガイに依存気味で、心の闇を今一つ理解しきれていないように見える。
少なくともガイの苦悩を一番理解しているのがよりによってセーレフェリアな気がする。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 13:21:39.07 ID:yqtaBGoQO
ルーベタ惚れか
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 13:43:50.69 ID:2GRJlTq0O
乙
みんなちょっとチョロすぎない?というのが気になるといえば気になる
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 18:54:33.10 ID:4qWKtIS90
ガイは自分の苦悩を隠しているからこそ表に出せない感情のはけ口を求めていて、同じような境遇のトゥルーエンドに共感してあんな関係になったのかもしれないけど、だからこそどこか共依存ぽい危うさが人によっては感じられるかも。現状は今なおガイが本心を打ち明けていないことと、むしろ敵サイドの方がガイの本質を見抜いてしまっていることが今後の展開で大きな波乱を呼びそう。
412 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 20:11:37.54 ID:sKKfNDb/O
>>405
もし遺跡へ襲撃をしていたら一戦交えていたかもしれない人物ですが、

>>406
トゥルーエンド氏に誰も来ないだろうからと誘われて入っていたようです。その予想は外れたみたいですが。メタ的に言うと安価に内容を沿わせるために女湯にいることになったのです。

>>407
元の設定から盛り過ぎた感はあるのですが、二次創作なので好きにやってしまおうということもありこんなことになってしまいました。実はタイムリミット直前の遺跡で戦えば、閃光玉等が使える戦闘になり、もう少し難易度は下がっていたみたいです。

>>409
ガイもトゥルーエンドもお互いに意識しているようです。どこか通じるものが初めて会ったときからあったのでしょう。

>>410
これはひとえに>>1の人生経験が不足していることによる弊害です。もっと感情の変化等を上手に表現できればよかったのですが、中々難しいですね。ガイさんはよく見れば顔は整っているので、そこで少々ガードが下がっている……のかもしれません。そういうことにします。

>>408 >>411
考察ありがとうございます。>>1自身はその場のノリで書いている部分もあるので、うまく言えないのですが。
こういった感想は充分に>>1が続きを作る際に大変参考にしておりますので、今後も何卒よろしくお願いします。
413 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 20:13:13.30 ID:sKKfNDb/O
ーーテラヌス砂漠

絶望の魔王「シャアアアッ!!!」ズドドド──

テラヌス兵たち「うわぁぁぁ──」
テラヌス兵たち「攻撃の手を緩めるな!続けぇっ!」
突撃するテラヌス兵たち「「「おおおおおおおっ!!!」」」

大魔女帝国の魔法使いたち「我々も彼らを援護するぞ!」
呪文を放つ魔法使いたち「撃て!」ドギュウン!

有志の冒険者たち「ありったけだ!ありったけの火力をヤツにぶつけろ!!!ここで活躍して名を上げるんだ!」ドガァァァァァァン!

絶望の魔王「シュルルル……」

ゴオオオオ……

◆

◆

魔導車・改「」ブロロ……
魔導車「」ブロロ……

ガイ「……既に被害がそれなりに出ているようだ」

リーゼリット「でも、私たちがやることは変わらない……そうでしょ?」
魔導砲塔「」ギュイイイイン……

ドルク「矢も魔法も、砲弾すらデカすぎて効いてねぇ!人も近づく前に喰われるか、魔王の起こした砂に呑まれてる!……遠距離でチマチマ削ってても決定打にならねぇな。近づく手段が要るぞ!」

アインズ「奴に近づくことさえできれば勝機は生まれる。だが、近づくまでの障害は多い上に、近づき過ぎたら喰われる……」

リン「……いいことじゃ、ないけど。私が使役できる死体は現在進行形で増えていってる。ここまでで犠牲になった人、これから犠牲になっていく人……その人たちの屍の力を借りて、突破口を開けるかも」

サーシャ「っ……綺麗ごとだけじゃ守れないのは分かるけど……でも……」

テル「分かるよ、嫌だよね。でも嫌だって言っても、向こうは止まってくれない。これ以上、被害を増やさないために私たちがやらなきゃいけない」

ガイ「……全員、準備をしろ──アルバ!リンが道を作る!合図を出したらいつでも行けるぞ!」

アルバ「了解した。バールベルト、覚悟を決めろ」

バールベルト「いや、もう!なんで私、ここまで来ちゃったの!?」

ーーテラヌス・ウルス防衛戦 絶望の魔王ーー

コンマ下1

01-90 劣勢
91-95 優勢
96-00 会心

リジェネブレイド コンマ補正+15
魔導車・改 コンマ補正+10
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/29(月) 20:40:42.71 ID:wHcgo0tO0
あ
415 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:46:26.25 ID:OJBCV/jCO
◆

ーーテラヌス・ウルス 首都

ソーラ「待ってて……私も、そっちに行くから──」タタッ

立ちはだかるホレス「……ソーラ、とまる」スッ

ソーラ「ホレスさん?そこ、どいて」

ホレス「それは、だめ。そと、魔王、きてる」

ソーラ「……来てるから、行くの。あの子、わたしのことをさがしてる……ねえ、どいて」ズズズ……

ホレス(……魔王は役割ごとに分割することがある。彼女が何の役割で本体から別れたかはわからないが、本体の元へ戻れば厄介なことになるのは確かだ……)スッ

ホレス『動くな』

何かに足を固定されるソーラ「……?何をしたの?」グッ……グッ……

ホレス「あなたの、うごき、わたしのまほうで、とめました。いまは……ここに、いて」

ソーラ「……いてって、誰のため?」

ホレス「みんなのため……あなた、のため」

ソーラ「わたしは……あの子のために、行く」スッ

闇を全身に纏うソーラ「だっテ、ソウシナキャ、チジョウハ、シズカニナラナイ!」ゴゴゴゴ

ホレス(不味い、魔王の力に引っ張られている……!)

ホレス「ごめん、ソーラ。すこし、いたくする……」スッ
魔法陣「」ズズズ……
魔法陣から引き出される霊体の鎌「」ジャキ……

霊体の鎌を構えるホレス(ガイ、あまり時間は稼げない。そちらは頼んだぞ──)

◆
416 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:47:26.95 ID:OJBCV/jCO
ーー大魔女帝国大使館

行き交う人々「」ドタバタ……

大魔女帝国研究員「ユキ教授、第一陣は全滅、第二陣に関しても、もう間も無く全滅すると見積もられています……」

ユキ「……大四を第三に回して。少しでも足止めする時間を長くして」

大魔女帝国研究員「……ヨードリー殿に、封印の件について進言しますか?」

ユキ「……私が直接行くわ。エルマさん、私はしばらく席を外すから、ここの指揮を──」

エルマ「ああああああああっ!?」

ユキ「きゃっ!?な、何!?」

エルマ「ユキさん、この古文書、ここ、見てください!!!」ズイッ

ユキ「な、なによ……そこは汚れが酷くて解読ができなかったでしょう?」

エルマ「たしかに、そうなんですけど!!!でも、この謝罪は犠牲にした人たちへの謝罪も含まれているんですが、間に合わなかったことについての謝罪でもあったんですよ!」

ユキ「間に合わなかった……?どういうこと?」

エルマ「ええと、つまりは……機械文明は、魔法文明の封印方法の改良に成功していたんです!」

ユキ「それって……!」

◆
417 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:47:56.89 ID:OJBCV/jCO
ガイ「リジェネ、出番だ!力を貸してくれ!」
リジェネ『うむ、応えよう。ただし、我はしばらく言葉を失う──貴様らが上手くやることを祈っているぞ』パァァァァ──

晴れていく空「」サァァァ……

サーシャ「わっ……暗闇が、晴れてく!」

リーゼリット「晴れたところなら魔王の権能は届かない……それじゃあ、行こう!」

テル「運転は任せて!限界まで近づくから──サーシャちゃん、安全な道を教えて!」

サーシャ「はい!」

リン「それじゃあ、私も──『貴殿等の無念、無駄にはせず。その高潔なる心をもって、その身を使うことを許せ』」

倒れているテラヌス兵たち「」ピクッ……

起き上がるテラヌス兵たち「」ググ……

テラヌス兵ゾンビたち「ヴァァァ……」

ドルク「おおっ!?リン、お前こんなに使役できたのかよ!?」

リン「流石にこれだけの数になると、長くは持たないよ……さあ、突撃組は準備準備!」

ゴオオオオ……!!

絶望の魔王「シャアアアアアッ!!」ズズズズズ……

渦巻く砂「」ドドドド……

アインズ「来るぞ、砂の壁だ!」

サーシャ「右!右へ二つ分ズレて!」

魔導車・改「」ブォン!

リーゼリット「邪魔、するなぁぁぁっ!」
魔導砲塔「」ドドドドドドドドド‼︎‼︎‼︎

砂の壁「」バサァッ……!!

テル「やった……抜けた!」

ガイ「油断はするな!リン!」

血を吐くリン「はいはい……こふっ……みんな、足止め、お願い──」

絶望の魔王へ走るテラヌスゾンビたち「ヴァァァ」ダダッ

絶望の魔王「シュルルル……!」
絶望の魔王の尻尾「」……ブォン‼︎‼︎

蹴散らされるテラヌスゾンビたち「」ドォォォン……

リン「ごめんね……今がチャンスだよ、みんな!」

アルバ「バールベルト、飛ばせ」

バールベルト「む、無茶言わないで!こっちは装甲薄いんですけど!?」

アルバ「薄いなら当てるな。運転で避けろ」

バールベルト「言うのは簡単すぎる!」
418 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:48:31.76 ID:OJBCV/jCO
魔導車・改「」ブォン!!!
魔導車「」ブォン!!!

大剣を宙に投げるアインズ「ガイ、ドルク──飛ぶぞ」ボッ……

アインズを包む炎「」ボオオオオオッ!!!

大剣を咥えて飛ぶアインズ(竜)「」ガジッ ……バサァッ!
アインズの背に乗るガイ「頼むぞ、アインズ!」スタッ
アインズの足に捕まるドルク「ははっ!こんな経験、死んでも出来ねぇな!」ガシッ

リン「アインズさん、その棺桶も持っていって!」

大剣を咥えたアインズ(竜)「」コクン
空いている足に掴まれる棺桶「」ガシッ

大剣を咥えたアインズ(竜)バサァッ!

絶望の魔王「シャアアアッ!!!」ズズズ……

バールベルト「うわあ!!!アルバさん、来てる!!!来てる!!!」

魔導車から飛び降りるアルバ「──充分だ、そのまま引き返せ」バッ
赤熱化した大剣を振るアルバ「」ブンッ……!

ドォン!!!

絶望の魔王へ飛んでいくガラス片「」ビュンビュン……

サーシャ「砂が……ガラスになって、絶望の魔王に飛んでってる!」

魔導車に着地するアルバ「俺たちの役目はここまでだ!絶望の魔王に巻き込まれないように撤退するぞ!」スタッ

テル「ガイくん、アインズさん、ドルクさん……無事でいてね!」

リーゼリット「あの三人ならきっと大丈夫……!リンさん、平気?」

リン「ゴホッ、ゴホッ……えへへ、ちょっと無理しちゃったかも……少し休ませて……」

魔導車・改「」ブォン!ブロロ……
魔導車「」ブロロ……

◆
419 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:50:16.27 ID:OJBCV/jCO
ドルク「なあ、ガイ!その棺桶の中身は一体なんだ!?持っていくってことはさぞ重要なものなんだよな!?」

ガイ「……中身は賛否両論になるだろうからあえて言わなかった。だが、この戦いにおいて有効な手段になり得るもの……とだけ言っておく」

足から手を離すドルク「へへっ、こんなときまで勿体ぶりやがって……おっと、この辺りで俺は降りるぜ。当初の予定通り、目を狙うぞ!」バッ

ガイ「アインズ、棺桶を俺と一緒の方向に飛ばせ!絶望の魔王の頭だ!」

大剣を咥えたアインズ(竜)「」コクン……
飛び降りるガイ「」タッ

投げ出される棺桶「」ブォンッ……

旋回するアインズ(竜)「」グルン……ゴオオオ──

絶望の魔王「シャアアアッ!!!!」ズドドド……

落下するドルク「おおおおっ!?以外と落ちる速度って速ぇぇな!?」ヒューン
ドルク「言ってる場じゃねえな……デケェ奴にはうってつけの攻撃を喰らいな!」スッ
槍を包む巨大な岩「」ゴゴゴゴ……

落下するドルク「こんだけデカけりゃ、ちょっとは痛えだろ!!!」
巨大な岩の槍「」ゴゴゴゴ……

絶望の魔王の目に刺さる巨大な岩の槍「」ドスン!!!

絶望の魔王「シャアアアアアアアアアッ!?」

大剣を咥えたアインズ→大剣を構えるアインズ「この高さなら突き刺すだけで下に落ちていくな……!」シュウウウ……

絶望の魔王の目に大剣を刺しながら下へ落ちていくアインズ「はああああっ!!!」ズズズ……

絶望の魔王「シャアアアアアアアアアッ!?」ジタバタ

落下していくドルク「ははっ!うまくいったな!……てかやべえ!普通にこの高さから落ちたら死ぬ!アインズ、早めに回収頼むぞ!!!」ヒューン

大剣を咥えたアインズ(竜)「」バサァッ……!

◆
420 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:51:55.42 ID:OJBCV/jCO
落下するガイ「……こんなにうまく行くとは思っていなかったな」ヒューン

落下する棺桶「〜!、〜!」ガタガタ

落下するガイ「今開ける」ガチャン

棺桶→セーレフェリア「ぷはっ!もう、連れて行くにしても、もっと方法があるんじゃないの!?フローディアの方がよっぽど優しいよ!!!」

落下するガイ「無駄口はいい。ちゃんと魔力は貯めていたんだろうな?」ヒューン

落下するセーレフェリア「それはまあ……当てるタイミングはいつ?」ヒューン

落下するガイ「口が開いた瞬間だ。リジェネを持っている俺たちを絶望の魔王は必ず排除しようとする……その隙に、渾身の一撃を放て」

落下するセーレフェリア「……まあいっか。こんなに魔力を貯めてぶっ放せるなんて、貴重な経験だし──」スッ

上を向く絶望の魔王「──!」ジタバタ……ピクッ

口を開ける絶望の魔王「」グルン……パカッ

ガイ「今だ、セーレ!!!」

セーレフェリア「──爆ぜろ」パチン

カッ──ドゴォォォォォォォン!!!!!!
421 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/29(月) 23:53:12.85 ID:OJBCV/jCO
コンマ下1

01-65 劣勢
66-00 勝利

リジェネブレイド コンマ補正+15
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/30(火) 00:03:17.64 ID:Fvkj2RznO
大勝利
423 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/30(火) 00:20:54.06 ID:vFzZheSdO
バカな、こんな筈では。
かなり殺意マシマシでコンマ表を組んだのですが、容易く突破されてしまいました。とりあえず勝利は確定したので短いですが今回は終わります。
(どう着地させよう)
それでは、また。
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/30(火) 00:40:09.30 ID:wyDrLZZvo
おつ
さあどうなるかなぁ最悪代償さんかなぁと思ってたらまさかの勝ってしまったな…
これだからコンマは面白い!
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/30(火) 03:17:43.41 ID:jVJlldOrO
乙
コンマ神は逆神、みんな知ってるねぇ!
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/30(火) 08:02:39.63 ID:R0TAG1WT0
おつ
もったいぶった割にあっさり決着・・・大ボスあるある
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/30(火) 14:30:37.03 ID:Rl1l0td00
乙
コンマが神がかっていて魔王のために作った聖剣は全く意味がなかったな。
428 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/31(水) 23:31:27.20 ID:B0wITY5mO
>>424
もうボツになったので起こらないのですが、負けた場合は代償の刃でガイがテラヌス・ウルス編で関わった人とパーティから忘れられて絶望の魔王を倒すルートか、テラヌス・ウルスの人々を犠牲にして絶望の魔王を再封印するルートになっていました。倒せてよかったですね。

>>425
1スレ目のトコナツコカトリス戦でも>>1が予想していたコンマにはならなかったので、思い通りにはしてくれないのでしょう。

>>426
勝つにしてももっと苦戦してほしかったのですが、こんなあっさり終わるとは思っていませんでした(´・ω・`)

>>427
>>1の描写が弱いのもありますが、聖剣は大いに役立っています。コンマ的にも。直接ダメージを与える感じの聖剣ではなく、デバフアイテムのような感じをイメージしていただければなと思います。
429 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/31(水) 23:32:05.72 ID:B0wITY5mO
弾け飛ぶ絶望の魔王の頭「」パァン!!!……

降り注ぐ赤い雨「」ビヂャビヂャビヂャ……

倒れる絶望の魔王の身体「」ドシーン……

晴れ渡っていく空「」サァァァ──

セーレフェリア「あははははっ!!!簡単に弾け飛んじゃった!!!」

ガイ「……本当に、やったのか?」

セーレフェリア「こんなのにみんなして怯えてたなんて笑っちゃうね。最初から私が出てれば無駄死にする人も少なかったんじゃない?」

ガイ「……死者を愚弄するな」

セーレフェリア「事実でしょ?……まあ、兵隊さん達がある程度削ってくれたのと、そのガイが持ってる剣のお陰で私の魔法の通りがものすごくよくなったのもあると思うけど」

ガイ「それがわかっているなら尚更だ。仮にお前一人が挑んだとしても勝ち目は薄かった」

セーレフェリア「はいはい。でもそういう割には残念そうな顔してない?」

ガイ「そんなわけあるか」

セーレフェリア「だって、ガイは魔王を倒せるとは思ってなかったよね?」

ガイ「……」

セーレフェリア「あは、図星だった?最初から大勢の犠牲を前提に魔王と戦おうとしてたもんね。勝つためにどれぐらい死ぬか、最初から計算してた。違う?」

ガイ「違う」

セーレフェリア「じゃあ言ってみてよ。誰も死なせたくなかったって」

ガイ「……」

セーレフェリア「言えないんだ。正しいことしてる顔で、最初から選んでたんだんだね──」

セーレフェリアを殴るガイ「」ブンッ!バキッ!……グイッ

ガイ「……口を、閉じろ……!」

胸ぐらを掴まれるセーレフェリア「ッ……ちょっと。仮にも私、この国を救った立役者だよ?この扱いは酷いんじゃない?」

ガイ「わかったフリをするな……!俺はお前とは違う……!」ギリィッ……!

セーレフェリア「うーわ、怖……ごめんって……それより、ここで私とイチャイチャしててもいいけど、やることがあるんじゃないの?」

ガイ「……妙な動きはするな」パッ

枷を嵌められるセーレフェリア「用心深いね。今更何かする気もないけど」ガチャン……

絶望の魔王の身体へと近づくガイ「黙れ」スタスタ……
430 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/31(水) 23:32:31.97 ID:B0wITY5mO
ガイ「」スッ
翡翠の賽「」キラッ……

魔王の身体から浮き上がる星の力[光]「」キラキラ……

星の力[光]ポゥ……スィー……

翡翠の賽「」キランッ‼︎

ガイ「……あと、二つ」

セーレフェリア「ふーん……綺麗だけど、なんでフローディアはそんなの欲しがってるんだろ?」

ガイ「……知らないのか?」

セーレフェリア「知らないよ。『これがあれば私たちの計画が進む』って言ってたけど、詳しい中身は一回も聞かされてない。世界征服の都合のいい道具くらいにしか言ってなかったよ」

ガイ「フローディアはお前の王様ごっこには興味がないようだな」

セーレフェリア「じゃあガイは知ってるんだ?フローディアの本当の目的。それで?何を知ってるの?フローディア、ガイには色々喋ったんでしょ?」

ガイ「……わざわざ教える気はない」

セーレフェリア「ふーん……ま、フローディアの目的なんて興味ないからどうでもいいや。それより、お願い、覚えてるよね?」

ガイ「約束は守る……今はお前の姿を見られたら説明が面倒だ。棺桶に戻れ」

セーレフェリア「えぇ……あの中、息苦しくて嫌なんだけど──」

スィー……

箒に乗ったトゥルーエンド「──まさか、魔王を倒すなんて、思ってもいなかったわ」

ガイ「ルー……何しに来た?」

トゥルーエンド「エルマが誰も犠牲にしない封印方法を古文書から見つけてね……被害が増える前にその方法を実践しにきたのだけど……その必要も無くなったみたい」

霧散していく絶望の魔王の身体「」サラッ……

リジェネ『……ついに、悲願は達成された……我の役割はこれで終わったのだな……』

ガイ「……ああ、終わりだ」

トゥルーエンド「魔王の封印を補助する為に作られたリジェネブレイド……この結果はあなたの力も多分にあるわね。ありがとう」

リジェネ『うむ、我の力を役立ててもらえたようで何より……我の役割が終わっても、終わりが訪れたわけではない……絶望は消えぬ。名を変え、器を変え……世界に深い悲しみが存在する限り、再び現れる……』

トゥルーエンド「……魔王はそういうものよね。次はいつ、どこに現れるかはわからないけど……そのときの人々がまた、立ち向かうはずよ」

リジェネ『そうだな……貴様、期間は短かったが我を握った礼だ。忠告をしてやる』

ガイ「……なんだ」

リジェネ『切り捨てるものを数えるなとは言わない。時には、必要になることもあるだろうからな……だが、数え続けるな。それに慣れてしまったら最後、貴様も魔王のそれに近づいてしまう」

ガイ「……忠告、感謝する。魔王になどなるつもりは毛頭無いがな」

ひび割れるリジェネ『……そうだといいが』ピシッ……

リジェネ『絶望の魔王が滅びた今、我もまた役目を終える。悪用されぬための……終端だ』ピシ……ピシ……

トゥルーエンド「それが働くってことは、もう絶望の魔王はここには完全に残っていない。そういう保証ね」

霧散するリジェネ『そういうことだ……さらばだ、ガイ』サァァァ──

トゥルーエンド「……帰るわよ、ガイ。そこの囚人も一緒にね……」

ガイ「……ああ」

◆
431 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/31(水) 23:34:53.66 ID:B0wITY5mO
ーー少し前

ホレス(魔王との繋がりが強い今ならば……ソーラから魔王の力を取り除ける──)サッ
闇の塊「」ドォンッ!

闇に包まれたソーラ「アアアア!!!」
闇の塊「」ドドドドドド……

ホレス「くっ……!」
ホレス(だが、このままでは……何か、突破口は……!)

カッ──ドゴォォォォォォォン!!!!!!

闇に包まれたソーラ「!?」

ホレス「!」バッ

ホレス(隙ができた!……これなら!)スッ
霊体の鎌「」ブンッ!!!

ソーラの身体をすり抜けて闇だけを切る霊体の鎌「」シャキン……

ソーラ「あっ……うぅ……声、聞こえ、な……」バタ……

ホレス「ごめん……ソーラ……でも、これで……魔王とは……関係なく……なった」ガクッ

ホレス(空が晴れていく……魔王を打ち破ったのか……?しまった、ダメージを受け過ぎてしまったな……)バタッ……

◆

「おい!こっちで二人倒れてるぞ!診療所に運べ!」

「おいおい、嘘だろ……ソーラちゃん、無事か!?エルフのあんたも、おい!!!」

◆
432 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/31(水) 23:35:50.93 ID:B0wITY5mO
数日後
ーーテラヌス・ウルス首都

ガイ(あれから数日経ち、絶望の魔王による被害はある程度収束した。多数の死傷者が出たが、結果として魔王は死んだ。砂漠の地下に他の魔王がいない限り、テラヌス砂漠には平穏が訪れるだろう……)

並べられた死体「」
死体を運ぶ兵士「」ガラガラ……
死体を泣く人々「」グスッ……グスッ……

ガイ「……」クルッ

スタスタ……

◆

臨時掲示板の前の人だかり「」ザワザワ……

貼り紙「行方不明者名簿」「遺体確認のお願い」

ガイ「……」

ザッ……ザッ……

テル「……ここにいたんだ、ガイ君」

ガイ「テル……ソーラとホレスの具合はどうだ?」

テル「二人とも、生きてはいるよ。けど、ホレスさんは刻まれた魔法陣が干渉して回復魔法を使うことができないから……治療にはすごく時間がかかるね……」

ガイ「ソーラは?」

テル「……傷は完全に治ったんだけどね。まるで空っぽになっちゃったみたいに、ボーっとしてる……リアンノンさんの呼びかけにも反応しないし、目を開けてても、誰も見てないみたいで……泣きもしない。怒りもしない。ただ、そこにいるだけ……心が、壊れちゃったみたい」

ガイ「……そうか」

テル「絶望の魔王を倒しても……犠牲はこれだけでてる……勝ったって言っていいのかな」

ガイ「……魔王が倒されなければ、犠牲はこれだけではすまなかった。トゥルーエンドがやろうとしていた封印も時間がかかるようだった……俺たちは最善の結果を掴んだ。そう思うしかない」

テル「……思うしかない、か」

ガイ「他に言い方があるなら教えてくれ……勝ったと言えば、ここに並んでる人間を踏む、負けたと言えば、守れたものまで否定してしまうような……そんな気がする」

ガイ「だから、言葉は選ぶ……止めた。それだけでいい」

テル「……そうだね。私たちは止めた……止められたんだよね……」

ガイ「……」

現在はテラヌス・ウルスです。(自由安価終了後、ウォーターポートへ帰ります)

何かする?
安価下1〜3
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/31(水) 23:36:22.64 ID:vq7NTzB70
リンのお見舞いに行く
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/31(水) 23:43:14.10 ID:uAaXSIhto
自分達が守れた物を知る為に街の見回りに行く
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/31(水) 23:43:54.88 ID:iIUDMGinO
ユキから氷魔法を指導される
436 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:47:08.57 ID:Lj2wZJXUO
ーーテラヌス・ウルス 診療所

リン「おっ、ガイさんにテルさん。やっほー」

ガイ「……ずいぶん、軽そうだな」

リン「まあ、症状的には魔力欠乏の酷いやつだからね。沢山食べて寝たら、この通り!」

ドルク「元気なのはいいことだな。あのとき、リンがいなかったら魔王に近づくのはもっと難しかった」

リン「……私だけの、力じゃないよ」

テル「……」

ドルク「……悪い、失言だった」

ガイ「……他のみんなは?」

リン「あー……ソーラちゃんのところじゃないかな?」

ガイ「……様子は変わらずか」

リン「うん……早く元に戻ってほしいんだけどね……」

ドルク「気休めにしかならねぇ言葉だが……戻るさ。戻らせるしかねぇ」

リン「……ドルクさん。気休めでも、言ってくれるだけで違うよ」

テル「……そうだね。言葉が役に立たない時って、言わない方が楽だから……でも、言わないともっと遠くなっちゃう」

ガイ「……俺たちも行こう。お大事に」

リン「うん……返事がなくても、呼んであげて。きっと、声は届いてるから」

◆
437 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:48:09.30 ID:Lj2wZJXUO
サーシャ「ガイ、テルさん……」

リアンノン「……お二人も、来てくれたんですね」

ソーラ「……」

ガイ「……ソーラ、具合はどうだ?」

ソーラ「……」

リアンノン「ソーラ、ガイさんとテルさんも来てくれたわよ?……お願いだから、何か言って……」ジワッ

ソーラ「……」

リアンノン「……ソーラ……お願い……」グスッ……

ガイ(ソーラが見つかったとき、ホレスは近くでボロボロになって倒れていた。おそらく、これがホレスの行える最善の行為だったのだろう)

ガイ(だが……これでは……生きている“だけ”だ。助かったのに、戻ってこない。それは、助かったと言えるのか?)

ガイ(……そうだ、俺には世界樹の光の力があるじゃないか)スッ
翡翠の賽「」キラッ……

ガイ(この力を使えばきっと……戻せるはずだ)

サーシャ「ガイ?何を──」

ガイ(本能でわかる。俺は……翡翠の賽の正式な持ち主じゃない。代理で預かっているだけの運び手だ)

ガイ(これは俺の我儘だ。世界を救うこととはまるで関係がないが……戻せるかもしれないのに、見捨てる理由にはならない……クロシュとの約束に背くことになるとしても)

ガイ(翡翠の賽よ、力を貸してくれ……!)
光を放つ翡翠の賽「」パァァァ──

リアンノン「これは……十年前に、見た……」

サーシャ「世界樹の光……!」

テル「暖かい……これが……」

ソーラ「……?あれ、おかあ、さま?……サーシャさんに、ガイさんとテルさんも……どうして、泣いてるの?」

ソーラに抱きつくリアンノン「……ソーラ!!!」ギュッ

ソーラ「わっ……おかあさま、くるし……」

リアンノン「心配、したのよ……!」ギュッ

ソーラ「えーっと……ごめん、なさい……」ギュッ

リアンノン「あやまらなくて、いいの……!」グスッ……

口元を抑えるサーシャ「ソーラちゃん……!よかった!……本当によかった!」

ソーラ「……えっと……わたし、ずっと寝てた……?」

サーシャ「長い夢みたいな時間だったと思う……今は、起きてくれただけで十分だよ」

テル「ソーラちゃん、体の具合を確認させて……痛いところはある?息は苦しくない?頭は重い?」

ソーラ「はい……大丈夫です。でも、ちょっとフラフラするかも……?」

テル「ずっと食事も摂ってなかったからね……すぐに持ってくるよ。待ってて」タタッ

リアンノン「……ありがとうございます、ガイさん……なんとお礼を申し上げればいいか……」

ガイ「……礼はいい。サーシャ、しばらく二人きりにしてやろう」

サーシャ「うん……失礼しますね、リアンノンさん」

リアンノンさん「……本当にありがとうございました」ペコリ

ガイ(代償はない。反動もない……この力は俺の身に余り過ぎる……クロシュ、俺はこの賽をいつ手放すべきなんだ……?)

◆
438 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:49:55.55 ID:Lj2wZJXUO
ーーテラヌス・ウルス 首都

アインズ「ガイ、サーシャ……聞いたぞ、ソーラが元に戻ったとな」

リーゼリット「本当によかったよ……ずっとあのままだったら、リアンノンさんが先に壊れてた」

ガイ「翡翠の賽のお陰だ。俺の判断が正しかったかは、分からない」

アインズ「ふむ……つまり、世界樹の力を図らずとも私欲の為に使ったということだな」

リーゼリット「アインズ、その言い方はちょっと……」

アインズ「悪いことではない。だが、今後もこういったようなことがある際に翡翠の賽があるという前提で動くようになってはいけない」

サーシャ「それはまあ、たしかに……」

ガイ「ああ。だから今後は賽で何とかできると考えずに、まず人の手でできることをやる」

アインズ「隙あらば代償の刃をすぐに使おうとする奴の言葉は信用ならんな?」ニヤリ

ガイ「ぐっ……」

アインズ「フッ、冗談だ……お前が私欲の為にその力を使わないようにしているのは見て取れる。だからこそ、今回みたいに例外を作った時は自分で釘を刺しておけ」

ガイ「……肝に銘じる」

サーシャ「二人は、ここで何してるの?」

リーゼリット「街の見回りだよ……守れたものを、ちゃんと自分の目で確かめたくてさ」

サーシャ「そっか……」

アインズ「たしかに、失ったものも多いが……それ以上に守れたものがある。悲しんでばかりではいられない」

サーシャ「……そうだよね!最悪は回避したんだもん!それなら、悲しい顔ばっかりしててもいけないよね……守れたものをちゃんと見て、次に繋げるためにも」

◆

ーーテラヌス・ウルス 市場

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「ちゃんと、街が……生きてる」

リーゼリット「うん。被害がなかったって、ただの結果じゃない。守れたから、こうしていつも通りが続いてる」

アインズ「……見ておけ。私たちが守れたものは、こういう当たり前だ」

ガイ「……ああ」

ベルフレア「あーっ!!!ガイさん、探しましたよ!!!」ダダッ

ガイ「……ベルフレアか。どうかしたか」

ベルフレア「どうかしたか、じゃないですよ!!!大魔女様から伝言です!!!今すぐ来てください!!!」

ガイ「ルーが?」

サーシャ、リーゼリット、アインズ「「「ルー?」」」

ガイ「……気にするな。用件はわかるか?」

ベルフレア「あっ、はい!“戦いが終わった今のうちに”確認したいことがあるって!魔王の気配が消えた場所、あと……翡翠の賽の反応とか、ホレスさんのこととか……色々です!」

アインズ「戦後処理か。妥当だな」

リーゼリット「戦後処理……あっ!暗黒館の報告書のことすっかり忘れてた……私、書いてきていい?」

ガイ「……しまった、俺も忘れていた」

リーゼリット「ガイは大魔女様に名指しで呼ばれてるんだから、さすがにそっち行った方がいいんじゃない?」

ガイ「……リーゼ、書き終わったら俺の分も手伝──」

リーゼリット「ごめん。今回は厳しいかも……」

ガイ「……そうか」

サーシャ「……やっぱり幹部にならなくてよかったかも?」

アインズ「同感だ」コクコク

ベルフレア「なんだか大変そうですねぇ……」

◆
439 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:50:42.98 ID:Lj2wZJXUO
ーー大魔女帝国大使館

トゥルーエンド「──こんなところね。お疲れ様」

アインズ「ふむ……以外とあっさり終わるとは」

サーシャ「もっと詳細に聞かれると思ってました……」

トゥルーエンド「アルバがある程度は教えてくれていたから。ほぼ形式上の確認よ」

ガイ「トゥルーエンド、ホレスのことなんだが──」

トゥルーエンド「テルから聞いてるでしょう?治療は魔法を使わない方法で行っているわ……ただ、治そうと思えば治せるのよね」

ガイ「それなら、何故……」

トゥルーエンド「そうしたら、ホレスは幽世へ戻ることになる」

サーシャ「そしたら、またこっちに来てもらえばいいじゃないですか?」

トゥルーエンド「現世と幽世は本来、決して交じりあわない世界なの……ホレスは相当な力を持った魔導士だけど、世界の境界を越えるのはそんなに簡単なことじゃない。私ですら、幽世に行こうと思っても行ける可能性は限りなく低いのよ」

サーシャ「そんな……」

ガイ「……ホレスの目的は俺たちと一緒だ。力を貸してくれるのであれば強い戦力になる。このまま治療を継続してもらおう」

アインズ「……ガイ。それはホレスに苦痛を与えることになる……戦力になるという理由で、留まれと言う権利はあなたににはない」

ガイ「……ならば、賽を使って──」

アインズ「馬鹿者。さっき言っていた言葉をもう忘れたか?」

ガイ「……!」

アインズ「賽があるという前提で動くなと言ったばかりだ。今のは、その真逆だぞ」

トゥルーエンド「賽でどうにかできるかどうか以前に、本人の意思を尊重すべきだと思うわ」

ガイ「……そうだな。少し、焦っていた。ホレスのいる場所へ案内してくれ」

サーシャ「ガイ……」

◆
440 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:51:16.12 ID:Lj2wZJXUO
ーー大魔女帝国大使館 空室

ボロボロのホレス「ガイ……!」

ガイ「ホレス……」

ホレス「……ガイ、ソーラのこと、ごめん……」

ガイ「謝るな。あれがお前の最善の手だったんだろう?」

ホレス「はい……だけど、わたしがきったから、ソーラ、から、になった……」

ガイ「……安心しろ。ソーラは元に戻った」

ホレス「……!まさか、ひかり、つかった……?」

ガイ「そうだ」

ホレス「だめ……それは……だれのものでも……ない……」ググッ……

サーシャ「ホレスさん!寝てないとダメだよ!」

ガイ「……分かっている。俺が持つ資格はないことを……だが、放っておけなかった」

ホレス「つかいすぎると、のまれる。幽世でも、そういうひと、いたから……」

ホレス「でも、ソーラがもどって……よかった」

トゥルーエンド「……ホレス、あなたに選ばせるわ。治癒を進めれば、幽世へ引かれる可能性が高くなる。留まることを優先すれば、回復は遅くなる」

トゥルーエンド「あなたが決めて。残る? それとも──」

ホレス「のこる。世界めくれ、とめるまで、わたし、もどらない」

トゥルーエンド「……いいのね?」

ホレス「はい」

ガイ「ホレス……」

ホレス「わたし、じぶんで、きめた。だから……だいじょうぶ」

ガイ「……ありがとう」

ホレス「ガイ……やくそくして……ひかりに、たよらない……それは……たすけにも……なるけど、ゆうわくにも……なる……」

ガイ「ああ。約束する」

ホレス「……」ニコリ

ホレス「……」zzz

アインズ「……限界か」

トゥルーエンド「ええ…… よく持ったわ。休ませてあげましょう」

ガイ「……ホレスのことを頼む」

トゥルーエンド「任せなさい。ウチには優秀な人材が沢山いるの……必ず治すわ」

トゥルーエンド「……サーシャ」

サーシャ「はい……?」

トゥルーエンド「私も旅について行けたらいいんだけど……残念ながら、それはできない。国のことがあるからね……ガイは放っておくと、目の届かないところで勝手に限界を越える。しっかり見てあげてね」

ガイ「その言い草は酷いんじゃないか?」

トゥルーエンド「あら、事実でしょ?」

サーシャ「……言われなくても、そのつもりです。ガイが自分を削ろうとしたら、私が……私たちが止めます」

アインズ「うむ。記憶を失ってからは危ういところがあるからな……止め役は必須だ。サーシャ、お前が手綱を握れ。遠慮は要らん、必要なら殴れ」

ガイ「おい」

トゥルーエンド「ふふっ……頼もしいわね……ちょっとだけ、悔しいけど」

サーシャ「え?」

トゥルーエンド「私がそばにいられたら、って思っただけ……でも、あなたたちがいる。だから安心して送り出せる」

サーシャ「……任せてください」

トゥルーエンド「ふふっ、よろしくね……」
441 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:51:43.07 ID:Lj2wZJXUO
トゥルーエンド「──ああ、そうだ。ガイ、時間魔法に関連することを教えたいのだけど」

ガイ「訓練は終わったのでは?」

トゥルーエンド「ええ。私が直接見てあげられるものはね……それと、今回の先生は私じゃないわよ」

サーシャ「……時間魔法?」

アインズ「ガイ、どういうことだ」

トゥルーエンド「……何も伝えてなかったの?」

ガイ「ああ……どう説明すればいいか、わからなくてな」

トゥルーエンド「……まあ、魔法を専門に学んでないとちょっと難しいわよね。簡単に説明すると──」

◆

トゥルーエンド「──ってことよ」

サーシャ「そうだったんですね……てっきり、ガイは複数属性かと思ってたよ」

ガイ「……?俺は時間魔法しか使えないんじゃないのか?」

サーシャ「……まさか、最近は炎魔法とかを使ってなかったのって……忘れてたから?」

ガイ「……俺は何が使えたんだ?」

アインズ「……なるほど、こういった弊害もあるのだな」

トゥルーエンド「じゃあ思い出すのにもちょうどいいかもしれないわね。ユキ教授の所へ行きなさい」

◆
442 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:52:39.28 ID:Lj2wZJXUO
ーー大魔女帝国大使館 ユキ教授の臨時部屋

ユキ「大魔女様から聞いたわ……まさか、時間魔法の使い手に教えることになるなんて、夢にも思ってなかったけど」

ガイ「……何を教えてくれるんだ?」

ユキ「時間魔法の本質ではなく、副次的なものよ……時間魔法の適性を持つ者は限りなく少ない。そして、自分が時間魔法に適性を持っている知らずに一生を過ごす人が多い……その理由の一つが自分自身を複数属性だと思い込んでしまうことなの。星属性の魔法も似たような感じで勘違いされることがあるわね」

サーシャ「星属性……ダークヒーローイリスの属性ですね!」

ユキ「ええ。あの人も素晴らしい魔法の持ち主だったわ……本題に入るわよ。時間魔法を扱える者は副次的に他属性の魔法も扱うことができるの。その属性専門の人に比べたら劣ってしまうのだけどね」

アインズ「なるほど。それでガイは複数属性の使い手だと誤認しやすい……というわけか」

ガイ「サーシャ、俺が何属性を扱っていたか教えてくれるか?」

サーシャ「えっとね……炎と風、雷……それから氷魔法を使ってるのを見たことあるよ」

ユキ「氷魔法も……?それなら、少し試してみましょうか。私は見ての通り、氷魔法には自信があるの。コツを教えるからやってみせて」

◆

氷の塊を生成するガイ「」パキパキ……

ユキ「あら、いい手応えね。熱を奪う領域までは流石に行ってないみたいだけど」

ガイ「……ああ。形にするだけで精一杯だ」シュウン……

ユキ「それでも、充分戦力になるはずよ。専門家には及ばないと言ったけど、時間魔法の使い手は例外的に正と負、それぞれの属性に手が届く。ただし“扱える”と“得意”は別。専門の属性使いに張り合うものじゃない。足りない一手を補うための引き出しとして考えなさい」

ガイ「……分かった、ありがとうユキ教授」

ユキ「頼まれたことをしただけよ……その力、正しく扱いなさいね」

◆
443 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:53:43.46 ID:Lj2wZJXUO
ーー地下牢

テル「……来たよ、セーレ」

セーレフェリア「遅かったね、結構待ったんだよ?」

テル「……話したいことって?」

セーレフェリア「そう構えないでよ。私ね、ここで色々考えてたの。どうしてテルに負けたのか、この先どうしようかな、とか」

テル「……負けた理由なんて、簡単じゃない。油断して相手を見誤った。そしてあなたはもうここから出ることはない」

セーレフェリア「えー……そこまで言う?」

テル「現実でしょ」

セーレフェリア「うん、現実。だから考えたの。負けたのは油断だけじゃないって」

テル「……何が言いたいの」

セーレフェリア「私、ずっとテルは最後は折れるって決めつけてた。言い方を変えれば、私の都合のいいテルを見てた」

テル「……」

セーレフェリア「でも折れなかった。逃げないで、真正面から来た。あれ、意外と……いや、かなりムカついた」

テル「ムカついたで済むなら安いね」

セーレフェリア「ふふっ。負けた相手に軽口叩けるくらいには元気になったってこと」

テル「元気になったなら、なおさら黙って反省してなよ」

セーレフェリア「反省っていうより整理。負けたままって、気持ち悪いんだよ。私、そういうの嫌い」

テル「……で?整理した結果が話したいこと? 早く言って」

セーレフェリア「冷たいなあ。親戚に向かって」

テル「親戚だからって甘くしない。自分のやったこと分かってるでしょ?」

セーレフェリア「知ってる。だから安心して言える」

テル「……何を」

セーレフェリア「忠告……ねえテル、あなた、この先もガイについて行くつもり?」

テル「……ガイ君たちは世界を救うために頑張ってる。必要になったら私も力を貸すつもりだよ」

セーレフェリア「そっか。うん、テルらしい」

テル「何が言いたいの」

セーレフェリア「ガイは目的を優先できる。優先できるってことは、切り捨てもできるってこと」

テル「……」

セーレフェリア「必要になったら平気で人を切り捨てられる。まるで使えなくなった道具を捨てるかのように……テルは捨てられる側にならないよう、気をつけてね?」

テル「……ガイ君はそんなことしないよ」

セーレフェリア「根拠は?」

テル「根拠……」
444 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:56:41.93 ID:Lj2wZJXUO
セーレフェリア「信じたいは根拠じゃないよ。私みたいなのに言われたくないだろうけど」

テル「……」

セーレフェリア「ガイが悪いって言いたいんじゃない。ガイは多分、ちゃんと選ぶ。必要なら、痛い方を選ぶ。だからこそ怖いの」

テル「怖いのは、あなたでしょ」

セーレフェリア「そう。私は怖い。だから分かるの。人が人を手段にするときの目」

テル「……ガイ君は、そんな目をしない」

セーレフェリア「今は、ね」

テル「今も、これからも……少なくとも、皆が見てる限りは」

セーレフェリア「へえ。見張り役のつもり?」

テル「違う……ただ、必要とされれば応える。それだけ」

セーレフェリア「ほら、またそれ。必要とされれば。ねえテル、あなた自身は? あなたがそこに居たいから、じゃなくて?」

テル「……居たいとか、そういうのは」

セーレフェリア「言えない? 言わない?」

テル「……言わない。言葉にしたら、弱くなる」

セーレフェリア「逆だよ。言葉にしないと、誰も守れない。自分の線引き」

テル「線引き……」

セーレフェリア「そう。ここまでってやつ。そこ越えたらダメ、っていう境界。ガイのためじゃなくて、テルのための境界」

テル「……」

セーレフェリア「道具ってさ、便利だよね。黙って使われて、壊れたら取り替えればいい。……テルがそれにならないように、気をつけて」

テル「……私は道具じゃない」

セーレフェリア「なら、忘れないで。ガイのために言ってるんじゃない。テルが壊れるの、見たくないから言ってる」

テル「……セーレが、そんなこと言うなんて」

セーレフェリア「私だって、別に全部が全部、どうでもいいわけじゃないんだよ?……ふふ、変な顔……」

テル「……」

セーレフェリア「後悔しても知らないよ?」

テル「……あなたに言われなくても」

セーレフェリア「……じゃあ最後に質問。もしガイが必要だからって言って、あなたを使い捨てるような真似をしたら?」

テル「……その時は、止める」

セーレフェリア「ガイを?」

テル「……ガイ君を。必要なら、私が」

セーレフェリア「へえ。言うじゃん」

テル「でも、そんなことにはならない」

セーレフェリア「どうして?」

テル「切り捨てる人なら、あの時……私の約束なんて無視して、セーレを殺して終わらせてる。ガイ君は、そういう人じゃない」

セーレフェリア「ふーん……」

テル「……気が向いたらまた来るよ。その時、ちゃんと話ができるならね」

セーレフェリア「それなら次はお菓子持ってきてよ。甘いヤツお願いね!」

テル「……調子に乗らないで」

セーレフェリア「乗るよ。だって暇だもん」

テル「……」

スタスタ……

セーレフェリア「……忠告はしたからね、テル」

◆
445 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/01/01(木) 13:58:39.15 ID:Lj2wZJXUO
ーーテラヌス・ウルス 城門

ガイ「テル。もういいのか?」

テル「うん……セーレとの話は済んだよ」

ガイ「……ウォーターポートに戻るぞ」

サーシャ「ここに来たときは魔王と戦うことになるなんて思わなかったよ……」

リーゼリット「土産話にできる内容じゃないけど……胸を張って帰るだけの理由はある」

アインズ「そうだな……生きて帰った。それだけで、胸を張れる」

テル「そうそう。だから、誇りに思って帰ろう?」

ブロロ……

魔導車「」キキーッ……
アルバ「ガイ、ウォーターポートに戻るのか?」

ガイ「アルバ……今回は手伝ってくれて助かった。俺たちは戻るが、アルバはどうするんだ?」

アルバ「デロデロ教の一部が怪しい動きをしている。光の探索に支障を来たすだろう。俺はもうしばらく、この辺りに残ってそれらを調べる」

ガイ「そうか……また借りを作るな。今度は返す」

アルバ「気にするな。戦いはまだ続く」

バールベルト「アルバさーん!次はどこに行くんですか!?」

アルバ「一度、雨乞いスライムのところへ向かえ。デロデロ教のヤツらが最近出入りしているという情報がある」

バールベルト「ええ!?逆方向じゃないですか!?ていうか、いい加減休みません!?そろそろ私、限界なんですけど!」

アルバ「それだけ騒げればまだ元気だな。また会おう、ガイ。行くぞ、バールベルト」

バールベルト「うぅ……変な人に目をつけられちゃった……とほほ……」

魔導車「」ブォン!ブロロ……

サーシャ「アルバさん、仕事人って感じだね……」

リーゼリット「休む気、ゼロ……見習いたくはないけど、頼もしいよ」

アインズ「……私たちも帰ろう。久々に新鮮な魚を食いたい」

テル「あっ、いいね!帰ったらみんなでお寿司でも食べようよ!」

リーゼリット「賛成!それじゃあ帰ろっか!」

サーシャ「あはは!じゃあ帰ったら寿司パーティだね!」

ガイ「フッ……ウォーターポートまでは、まだ当分かかるぞ」

魔導車・改「」ブォン!ブロロ……

⭐︎ウォーターポートへ帰ります。

下1のコンマが50以上で帰り道で何か起きたみたいです。

何か起きた場合、何が起きた?
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