【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 III

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657 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 19:52:09.53 ID:TMay57P1O
>>653
今回のコンマはフローディアに対する方針と交流の結果を鑑みて優しめにしたのですが劣勢になるとは……

>>654
ガイは死にません。ですが、敗北はあまりよくないことになりそうです。

>>655
通常の手段では殺しきる前に再生しきってしまうのですが、時間の檻や怠惰の権能といったものを使えば、再生を終える前に殺すことができるようになるみたいです。

>>656
無傷で相手を止めるということは中々難しいことなのかもしれません。この戦いはどう決着がつくのでしょうか?
658 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 19:52:35.87 ID:TMay57P1O
◆17-20=-3【劣勢】

炎の柱「」ドゴォォォォン!!

ガイ「ッ!」シュンッ

フローディア「避けなくてもいいのに──」

周囲に浮かぶ複数の氷の刃「」キラキラ……

フローディア「!」

ガイ「──行け!」バッ
氷の刃「」ヒュンヒュンヒュンッ

フローディア「ぁ──」ザクザクザクッ……

フローディア「」ニタァ

フローディア「……ふふっ、あははははは!!!そうよ、それでいいの!!!もっと、もっと……私を死へと誘って!!!」



テル「……」スタスタ

ガシッ

テルの腕を掴むアインズ「行くな、テル」

テル「アインズさん……離してよ」

イーリン「テル様、お気持ちは分かりますが、今はガイ様に任せる他ありません」

テル「イーリンさんまで何言ってるのさ!?いくら再生してるっていっても、このままじゃガイ君が死んじゃうよ!」

アインズ「私たちが行けば、ガイがやろうとしていることを無駄にすることになる」

テル「……どういうこと?」

エリザベート「ガイ様は……この戦いで幾度もフローディア様を殺す機会があったのに、未だに手をかけておりません。逆に、フローディア様の方もガイ様を殺すタイミングは何回もありましたが、敢えて見逃しているように見えますわ」

テル「どうして、そんなことを……?」

アトニス「考えがあるんだろう……今、仮にボク達が行ったらフローディアにどういう影響があるかわからない。本当にまずくなったときまで堪えろ」



カッ──

再生するガイの身体「」メラメラ……

ガイ(フローディアが近くにいるからか、普段よりも傷が治るのが速い。だが……)

ベルトーネ『再生の速度が落ちてきてる。このまま行けば、治るのが追い付かないよ!』

ガイ「……わかっている……!」

フローディア「……あの悪魔と話してるの?」タンッ

フローディア「……今は、私とあなただけの時間でしょう?他のものに感情を向けないでちょうだい」
不滅の炎「」ゴオオオオオオッ──

ガイ「くっ……」

◆コンマ下1【現在は劣勢です】

【判定】
01-20敗北
21-30劣勢
31-00優勢

【補正・特殊行動】
・『時間の檻』使用時、奇数で+99/偶数で+0(残り1回)
・『怠惰の権能』使用時、現在の劣勢または痛恨を無効化し、+30次々回-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 19:57:17.74 ID:ONGD4eks0
怠惰の権能
660 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 20:28:11.10 ID:6/zk7R42O
◆74+30=104【優勢】

ベルトーネ『とりあえず、仕切り直そうか〜……いくよ、ガイくん』

ガイ(……頼む)

ベルトーネ『──怠惰の悪魔、ベルフェゴールの名において、権能を行使する』

ガイ「抗うな、全てを放棄せよ」
ベルトーネ『抗うな、全てを放棄せよ』

ガイの目に浮かぶ模様「」ギンッ……
ガイに吸い込まれていく周囲の魔力「」ギュゥゥゥン……

膝から崩れるフローディア「!?」ガクッ……

フローディア「これは……私の、力が……吸われている!?いつの間にこんな力を──」ググッ……

ガイの目に浮かぶ模様「」ギンッ……

フローディア「……悪魔の力ね……!」ギリィッ

ベルトーネ『さすが不死鳥。活力がとんでもないね〜……再生どころか、魔力強化の補助にまでなるとは』

魔力が漲るガイ「……」ゴゴゴゴ……

シュンッ

首元が斬られるフローディア「っ!」ズバッ

シュンッ シュンッ

心臓が貫かれるフローディア「」
腹を貫かれるフローディア「」

シュンッ シュンッ シュンッ シュンッ シュンッ

全身が切り刻まれるフローディア「──」ブシャッ!!!

ガイ「」スタッ……

フローディア「──ゴホッ、ゴホッ……!ぁ……身体が、再生しな、い……!私、これでようやく……!」

◆コンマ下1【現在は優勢です】

【判定】
01-02劣勢
03-00勝利

【補正・特殊行動】
・『時間の檻』使用時、奇数で+99/偶数で+0(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 20:29:29.23 ID:OaZLcSB/0
抑制行動
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 20:41:55.64 ID:oDgynN6Lo
辛勝が過ぎる
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 20:54:13.44 ID:kgQYM7ATO
あれ?怠惰の権能だから拮抗になって次−20になるのでは?
664 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 22:26:10.06 ID:dcXdbYfYO
>>663
劣勢を無効化して>>658のコンマ表で判定し、結果が優勢だったため、大丈夫です。
-20の補正に関してですが、実は、怠惰の権能には隠された効果がありまして、ガイが1人で戦っているときには-20の補正は発生しません。
仲間と一緒に戦えば連携技が使えますが、怠惰の権能の-20の補正が発生し、
1人で戦えば連携技は使えませんが、怠惰の権能の-20の補正は発生する。
という認識でいただければと思います。
665 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 22:27:44.14 ID:dcXdbYfYO
◆23-20=3【勝利】
◆仲間がいないため、怠惰の権能の-20の補正は無し

スタスタ……

フローディアの前に立つガイ「……」

フローディア「さあ……私を、殺して……」

ガイ「……」
短剣「」シャキンッ……

目を閉じるフローディア「……ありがとう」

短剣を納めるガイ「……殺さない」チャキッ……

フローディア「……え?」

ガイ「殺さないと、言ったんだ」

フローディア「そんな……」ググッ……

フローディア「──なんでよ!?あなただけなの!私はもう、あなたに殺される以外に救われないのに!」

ガイ「違う」

フローディア「違わないわ!私は、あなたに殺されたいの!あなたなら、私を終わらせてくれると思った!あなたなら……私を……!」

ガイ「それは終わりじゃない。逃げだ……お前は死にたいんじゃない。置いていかれるのが怖いだけだ」

フローディア「違うって……何度言えば……!」

ガイ「なら、なぜ俺とお前だけが死ななければいいと言った」

フローディア「……」

ガイ「お前は死を無くしたかったんじゃない。自分だけが残されることに耐えられなかったんだ」

フローディア「黙ってよ……!」

炎「」ゴオオオオッ!!!
焼けるガイの腕「」ジュウウウッ……

ガイ「っ……!……お前の望み通りに殺せば、それはお前を救ったことにならない。お前を逃がすことになる」

フローディア「……逃げることの、何が悪いの?」

ガイ「……逃げてもいい。だが、全部を捨てて終わる逃げ方を俺は認めない」

フローディア「……あくまで、私を苦しませるのね」

ガイ「お前が俺にしたことと同じだ。お前には生きてもらう」

フローディア「……嫌よ」

ガイ「死なせない」

フローディア「嫌だって言っているでしょう……!」

ガイ「死のない世界を作ろうとした奴が、自分だけは簡単に終わろうとするな」

フローディア「……私に、どうしろって言うのよ」

ガイ「それを今、考えている」

フローディア「……」
666 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/04(土) 22:28:12.19 ID:dcXdbYfYO
ベルトーネ『……ねえ、ガイくん。ひとつ、方法があるんだけど~』

ガイ(方法?)

ベルトーネ『うん。今、ちょっと出しゃばらせてもらうね~』
ガイの影から現れるベルトーネ「」ズズズ……

フローディア「悪魔……!」

ガイ「……何をするつもりだ」

ベルトーネ「ガイくんは封印魔法が使えるでしょ〜?それの応用っていったところかな〜」

フローディア「……また、封印するの?」

ベルトーネ「ガイくんの中に、ね〜」

ガイ「……俺の中に?」

ベルトーネ「そうそう。ただし、普通の封印じゃなくて、フローディアの命をガイくんの命と結び直すんだよ〜」

フローディア「命と……?」

ベルトーネ「簡単に言えば、命の共有かな〜。フローディアの永遠に燃え続ける力を、ガイくんの命の流れに縛る。そうすれば、彼女は不死ではなくなるってこと〜」

フローディア「……不死では、なくなる……?」

ベルトーネ「うん。ガイくんが生きている限り、あなたもガイくんの中で生きる。ガイくんが終わる時は、あなたも終わる」

フローディア「……本当に、そんなことが?」

ベルトーネ「できるかできないかで言えば、できるよ〜。でも安全かどうかで言えば、ぜんぜん安全じゃないけどね〜」

ガイ「……どういう危険がある」

ベルトーネ「まず、ガイくんの中にフローディアの炎を受け入れることになる。今までみたいな祝福の残り香じゃなくて、彼女そのものをね〜……それから、フローディアの不死性を取り除く代わりに、ガイくんの命に繋げるっていうことは、フローディアが傷つけばガイくんにも影響が出るかもしれないし、ガイくんが死ねばフローディアも死ぬ」

ガイ「……」

ベルトーネ「逆に、フローディアだけが勝手に死ぬこともできない。ガイくんの命から切り離されない限り、終わりたくても終われない」

フローディア「……」

ベルトーネ「死に逃げることも、永遠に逃げることもできない。ガイくんと同じ時間の中で、同じ命に縛られる」

フローディア「……ガイと、同じ命……」

ガイ「……それは封印というより、融合に近いんじゃないのか」

ベルトーネ「そうだね〜。封印魔法の応用だけど、結果だけ見れば融合に近いかな〜」

ガイ「……」

ベルトーネ「でも、これをするのはガイくんさえよければ、だけどね〜」

ガイ「俺が……?」

ベルトーネ「そう。これはフローディアだけの問題じゃないよ〜。器になるのはガイくん。命を共有するのもガイくん。中に彼女を受け入れるのもガイくん」

ベルトーネ「ガイくんが嫌なら、この案は無し。私も無理にはやらないよ〜」

フローディア「……」

◆先取2票

1受け入れる
2受け入れない
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 22:29:03.25 ID:ONGD4eks0
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 22:34:33.53 ID:oDgynN6Lo
1
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/04(土) 22:40:15.11 ID:EpbCNDsIO
1
670 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/05(日) 00:03:41.91 ID:TB+lXmxEO
ガイ「……それで、どうやればいい?」

フローディア「!……それって……」

ガイ「受け入れる」

フローディア「……ガイ……本当に……いいの?」

ガイ「ああ」

フローディア「だって……これは、あなたが私を背負うということでしょう?それに、あなたは私のことを……」

ガイ「そうだな……だが、お前と過ごしている内にお前のことはなんとなくわかった。お前もエンドゲームのように手段や方法は誤っていたが……本質はどこにでもいる寂しがり屋だった」

フローディア「ふふっ……本当に……残酷で優しい人ね」

フローディアの頬を伝う涙「」ツー……

フローディア「……嬉しい。すごく、嬉しいわ……」ポロポロ……

ベルトーネ「はいは〜い。じゃあ、ガイくん。封印魔法を展開して。外に向けるんじゃなくて、自分の内側に向ける形で」

ガイ「……分かった」

671 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/05(日) 00:04:18.16 ID:TB+lXmxEO
ーー???

炎の中に立つフローディア「……不思議な場所ね。熱くて、冷たくて……寂しいけど、怖くないわ」

ガイ「フローディア……」

フローディア「ガイ……私を、独りにしないでくれて……ありがとう」

ガイ「……礼を言われるようなことじゃない」

フローディア「言わせてちょうだい。今言わないと、きっと私はまた誤魔化すから」

ガイ「……」

フローディア「私はずっと、誰かに終わらせてほしかった。でも本当は……終わりたかったんじゃなくて……置いていかないでほしかった」

フローディア「あなたは、私を見抜いた。私が隠していた一番醜いところまで見て、それでも殺さないと言った」

ガイ「醜いとは思わない」

フローディア「……本当に?」

ガイ「ああ。ただ、面倒だとは思うがな」

フローディア「ふふっ……そこは否定してくれないのね」

差し出されるフローディアの手「」スッ……

フローディア「……手を、握ってくれる?」

ガイ「……ああ」

ギュッ

フローディア「……ガイ」

ガイ「何だ」

フローディア「好きよ」

ガイ「……今言うことか」

フローディア「今だから言うのよ」

ガイ「……そうか」

フローディア「あなたは答えなくていいわ。私が勝手に言いたかっただけだから」

ガイ「……フローディア」

フローディア「何?」

ガイ「独りにはしない」

フローディア「……!」

ガイ「だから、俺の中で生きろ」

フローディア「……ええ。喜んで」

カッ──

672 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/05(日) 00:04:59.49 ID:TB+lXmxEO
青い炎「」ボッ──

目を開くガイ「……」

ベルトーネ『……うまく行ったみたいでよかった〜。調子はどう?』

ガイ「……問題ない。お前たちも……大丈夫そうだな」

フローディア『ふふっ、ふふふっ……すごく近くにあなたを感じるわ……こんなに幸せなことがあっていいのかしら?』

ベルトーネ『同居人が増えた〜。退屈しなさそうで何よりだけど〜……よろしくね、不死鳥さん』

フローディア『あら、もう不死ではないんでしょう?それとも悪魔さんは、さっき自分でした説明も忘れてしまったのかしら?』

ベルトーネ『仲良くする気ある〜?』

フローディア『ふふっ、冗談よ。あなたにも感謝してるわ』

ガイ「お前ら……」

転移魔法陣「」フォンッ──

ドサドサドサッ……

テル「ガイくん!青い炎に包まれてたから助けに……ってあれ?」

エリザベート「フローディア様はどちらに……?」

アインズ「ガイ。無事か?」

イーリン「ガイ様!お怪我は……!?」

レイセオン「……ん?んんん???ガイ様、あなた……」

アトニス「お前……また厄介なことになったな?そこまで色々混ざってるヤツを見るのは初めてだ」

テル「……混ざる?」

ガイ「……詳しいことはあとで話す。とにかく、フローディアの脅威はなくなった……一度、みんなで集まろう」

遠くから聞こえるジェミニたちの声「ガイ殿〜!」

⭐︎フローディアと融合しました。
673 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/05(日) 00:12:56.54 ID:VfVtq1wkO
ーークロシュヴァリエ号

テル「……つまり、フローディアはガイくんの中にいるってこと?」

ガイ「そうだ」

エリザベート「フローディア様はご無事なのですか!?」

ガイ「無事だ。不死ではなくなったが、意識はある」

エリザベート「不死ではなくなった……」

レイセオン「観測結果から見ても、フローディア様の独立した不死性は消失しています!現在はガイ様の生命反応に接続され、内側に封印されている状態ですね!」

アトニス「封印というより、融合だろ。まったく……敵だった奴を自分の中に入れるなんて、無茶にも程がある」

アインズ「まったくだ……無茶をするのは今に始まったことじゃないがな」

イーリン「ガイ様らしい選択です。ですが、危険は本当にないのでしょうか?」

レイセオン「危険性は不明です!前例がないので!」

テル「一番困る答えだよ!」

アトニス「つまり、何かあっても対処が後手に回るってことだ」

ガイ「……分かっている」

フローディア『あら、随分と心配されているのね……そうそう、エリザベートには、ありがとうと伝えてちょうだい。止めてくれて、叱ってくれて……最後まで私の従者でいてくれて、嬉しかったと』

ガイ「エリザベート……フローディアがありがとう、と。最後まで従者でいてくれて嬉しかったそうだ」

エリザベート「……っ」

エリザベート「フローディア様……私は……」

フローディア『泣かないで。あなたには、これから自分のために生きてほしいわ』

ガイ「泣くな。これからは自分のために生きてほしい、と」

エリザベート「……そんな……そんなことを急に言われましても……!」

テル「エリザベートちゃん……」

エリザベート「フローディア様は、いつも勝手ですわ……!私を拾って、振り回して……今度は、私に自分のために生きろだなんて……!」

ガイ「……」

エリザベート「ですが……ですが、あなたがそう望むなら……私は、考えてみますわ。王族でも、従者でも、誰かの代わりでもない……エリザベート・ロード・セイントレアとして、どう生きるのかを」

フローディア『……ええ。それでいいわ』

◆現在はラティア・ヘイヴンです。(滞在最終日)

何をする?
安価下1~3

⭐︎協力者
・クロシュヴァリエ号
アインズ、イーリン、テル、アトニス、レイセオン、エリザベート

・ラティア・ヘイヴン
ジェミニ、ゼーレシルト、ポーラー、ゴライアス、ヒナ、テイル、ヴァリエール、ビビアン、リルル
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 00:14:57.97 ID:tLQRM+AsO
ホーリーが来て飛空艇に相乗りして地上に行きたいと頼んできた
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 00:16:18.28 ID:YjP1GMZdo
エリザベートから王国復活のために星の光欲しいなぁと冗談を言われる
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 00:20:47.24 ID:nRjsyYjYO
レイセオンからトゥルーエンド様がいてかなりすけこましですねと笑顔で煽られる
677 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/05(日) 00:23:51.35 ID:VfVtq1wkO
本日はここまでです。
次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 00:25:20.67 ID:nRjsyYjYO

ハッピーエンドですね
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 02:02:19.94 ID:gxIYbCEeo
おつ
ちなみに七つの大罪には悪魔の他にも幻獣が当てはめられたりもするけど、それにおいて怠惰はフェニックスらしいです
仲良く居候できそうね
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 15:13:39.72 ID:P4LpDT+RO

中の住人が増えて人間なのにスライムじみてきたなガイさん
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/05(日) 17:30:03.28 ID:eppp1JT8O
代償の刃が壊れて元に戻ったと思ったら今度は別の意味で人間じゃなくなっているガイさん
682 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 22:55:32.52 ID:kIsmqmsUO
日曜日は少々忙しく、更新ができませんでした。申し訳ありません。今日は少し進めて、自由行動の安価で終わりたいと思います。

>>678
この終わりはガイ達の視点から見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、別の視点から見ると新たな問題になっていたり、なっていなかったりするのでしょう。

>>679
七つの大罪に幻獣を当てはめる場合があることを>>1は知りませんでした。このような結果になり、なにがしかの運命を感じていますが、おそらく、何もない筈です。思いついたらこじつけます。

>>680
比較対象として、クロシュさんとの違いは夢の中だけじゃなく、平常時でも意思疎通ができるくらいでしょうか。
スライム種のように同化等はできないので、取り込んだ力を十分に引き出すのはスライム種の方々の方が得意です。

>>681
世界を救うためには、普通のままでいてはきっと難しいのでしょう。全てが終わったあとに、ガイさんは人のままでいられるのでしょうか。
683 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 22:56:06.74 ID:kIsmqmsUO
ー 数日後
ーー小さな丘

風「」サァァァ……

ミーティアの墓「」
セイラの墓「」

綿毛を供えるガイ「……二人がいなかったら、この結果も無かった。改めて、礼を言わせてくれ……ありがとう、セイラ、ミーティアさん」

フローディア『……生きている以上、いずれは訪れる終わり……やっぱり好きになれないわね』

ベルトーネ『それじゃあ、まだ誰も死なない世界を目指しちゃう〜?』

フローディア『……いえ、もういいの。嫌いでも見届けるわ。ありのままの、この世界をね……』

ガイ「……」

スタスタ……

アインズ「……ガイ、そろそろ行くぞ。テル達が待っている」

クルッ

ガイ「……ああ。今行く」スクッ

風「」ビュオオオ──

「ガイさん……ありがとうございました」
「まだ一仕事あるんですよね?応援してますよ、頑張ってください!」

ガイ「!」バッ

ミーティアの墓「」
セイラの墓「」

ガイ「……気のせいか」

684 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 22:57:35.02 ID:kIsmqmsUO
ーークロシュヴァリエ号 停泊地

クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴウン……

ポーラー「保存食、薬品類、全て積載完了デス。整備も手伝いまシタ」

レイセオン「ありがとうございます、ポーラー様!これで十分に持ちます!」

ポーラー「本来なら、完全整備まで行いたい所でしたガ……時間的制約を考慮シ、最低限以上最大限未満の整備となりマシタ」

テル「それ、結構やってくれてるよね?」

イーリン「本当に助かりました」

ポーラー「ミーティアサンの記録に基づく判断デス。ワタシは、引き継いだ役割を果たしただけデス」

ゴライアス「それが大事なのである。受け継ぐ者がいる限り、働きは途絶えぬ」

ジェミニ「うむ……ラティア・ヘイヴンも、しばらくは後始末じゃ。結界の補修、破損区画の整備、擬似星脈の管理……やることはいくらでもある」

ゼーレシルト「同意します。現在のラティア・ヘイヴンは、結界、擬似星脈、反重力機構、及び残存ゴーレム統括に再調整を要する状態です。ミーティアとセイラが守ったこの島を維持することが、当機の優先任務です」

テル「そっか……ビビアンさんとかリルルちゃんはまだ地上に降りないの?」

ビビアン「もうちょっとしたら降りるわよ。こっちだって、いつまでも空の上で閉じこもってるつもりはないし」

リルル「私もしばらくは他の浮島巡りをするつもりだよ!珍しい虫がいるらしいし!」
ニジ丸「」ブーン!

ヴァリエール「地上かぁ……ベルちゃんも居なくなっちゃうし、私も久々に降りようかな?」

テイル「私たちも、もう少し残るわ。連戦気味でゆっくりできなかったし」

ヒナ「えー?地上の混沌とした戦場が恋しくなってきた所なのですが……」

キキ「ふふっ、お姉ちゃんらしいですね〜。では、私もしばらく滞在します〜」

リルル「……みんな、行っちゃうんだね」

レイセオン「はい!大魔女帝国に来られれば、会えますよ!また必ずお会いしましょう!」

リルル「うん!その時は、もっと虫たちを紹介するね!」

レイセオン「ぜひ!」
685 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 22:58:46.32 ID:kIsmqmsUO
エリザベート「……」

アトニス「ん?何してるんだ、お前も降りるんだろ?」

エリザベート「え?ですが、私は──」

テル「ここに残りたいんなら無理には連れていかないけど……」

イーリン「……そうですね、エリザベート様がどうされたいかを、まずは決めるべきだと思います」

エリザベート「私が……どうしたいか……」

テル「うん。フローディアのためとか、誰かに言われたからとかじゃなくてさ」

スタスタ……

ガイ「……すまない、待たせたな」

アインズ「そろそろ出発しよう。みんな、乗ってくれ」

エリザベート「……も」ボソッ

ガイ「?」

エリザベート「……私も、皆様と一緒に地上へ降りますわ!構いませんね!?」

ガイ「あ、ああ……それはいいが、お前は……いいのか?」

エリザベート「ええ。ここに残る理由がない、というわけではありません。ですが……今の私は、ここに留まるよりも、自分の足で次の場所へ向かうべきだと思います」

イーリン「エリザベート様……」

エリザベート「フローディア様に、自分のために生きろと言われました。なら、まずは自分で行き先を選びますわ」

ガイ「……そうか」

フローディア『……さすがに元王族なだけあるわね。』

ガイ「……一先ず、ウォーターポートまで向かう。そこから先は自由にしろ」

エリザベート「……はい。ありがとうございます」

アトニス「早く乗れ。人数制限なんて最初から無視してるが、これ以上長話してたら本当に飛べなくなるぞ」

ジェミニ「そろそろ出発のようじゃな……皆の者、この島を守ってくれたこと、改めて礼を言う。お主らにはまだ重大な使命が残っておるのじゃろう?儂はこの地から応援しておる」

ポーラー「地上到着後の安全を祈願シマス」

ゴライアス「勇ある者たちよ。そなたらの旅路に、堅き守りがあらんことを」

ガイ「……世話になった」

ジェミニ「うむ。また会おう、ガイ殿」



クロシュヴァリエ号「」ゴウン……ゴゴゴ……

クロシュヴァリエ号「」ギュオオオオッ!

686 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:00:15.54 ID:kIsmqmsUO
ー夜
ーークロシュヴァリエ号 船室

書類の束「」ドン!
酒瓶「」コロッ……

ペンを走らせるガイ「」スラスラ……
ペンを走らせるイーリン「」サラサラ……
ペンを走らせるレイセオン「」サラサラサラサラッ!
机に突っ伏したテル「ぐおー……すぴー……」
荷物の上で寝るアトニス「zzz」

ベルトーネ『もうこのままテルちゃんとあの天使みたいに寝ちゃおうよ〜。イーリンちゃんと大声外交官さんなら終わらせてくれるって〜』

ガイ(悪魔の誘惑が事務仕事からの逃避なのはどうなんだ……)

ベルトーネ『怠惰の悪魔だからね〜。むしろ本領発揮だよ〜』

フローディア『私は手伝ってあげたいのだけれど……文字を書く身体がないのが残念ね』

ガイ(……意外だな。そういうのとは縁がないものだと)

フローディア『あら?私、事務処理はそれなりに得意よ。姉さんに封印される前は姉さんの研究を手伝ったこともあるんだから』

ベルトーネ『へ〜……じゃあフローディアちゃんが添削して、ガイくんがひたすら直せばいいんじゃないかな〜?』

ガイ(……余計に疲れそうだ)

イーリン「ガイ様、手が止まっています。おやすみになられますか?」

ガイ「いや、大丈夫だ……少し、考え事をしていた」

レイセオン「報告書は考えれば考えるほど増えますよ!特に今回は、ノーランドの擬似星脈改造、ブラック・エンドゲームの魔王化、フローディアとの融合事案……報告しなきゃいけない事項が山盛りですので!」

ガイ「……気が遠くなるな」

コンコン……

扉を開けるエリザベート「失礼いたしますわ」

湯気の立つ茶器「」ホカホカ……

エリザベート「夜分までお疲れ様です。アインズ様に渡してきたついでに、皆様にもお茶を淹れてきましたの。少しでも気が紛れればと思いまして」

イーリン「ありがとうございます、エリザベート様」

レイセオン「助かります!報告書作成中の水分補給は重要です!」

ガイ「……ありがたい」

エリザベート「テル様は……完全にお休みですわね」

テル「ぐおー……すぴー……」

イーリン「書類を少しだけ書いた後、力尽きました」

レイセオン「途中から文字が蛇行していましたね!」

エリザベート「まあ……お疲れだったのでしょう」

ガイ「酒のせいだと思うがな……いただくぞ」ズズ……

フローディア『……少し蒸らしが浅いけれど、悪くないわ』
ベルトーネ『よくわからないけど美味しいのはたしかだね〜』

エリザベート「お口に合いますか?」

ガイ「……ああ」

エリザベート「よかったですわ」

ガイ(……茶はこんなに美味かったのか。味覚が戻ってから新しい発見が多いな……俺が茶を飲めるようになったのを知ったらサーシャたちはどんな反応をするだろうか……)ズズ……

エリザベート「ところで、ガイ様。その翡翠の賽……今は五つの光が揃っているのですわよね?」

ガイ「ああ」

エリザベート「ふむ……」

ガイ「……何だ?」

エリザベート「いえ、もしそれほど凄いものなら、セイントレア復興にも使えたりしないかと思いまして」

ガイ「……」
イーリン「……」ピタッ
レイセオン「……」ピタッ
687 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:01:30.11 ID:kIsmqmsUO
エリザベート「例えば、王城を直したり、農地を復活させたり……あるいは、王国復興資金として売却を──」

ガイ「本気で言ってるのか?」

エリザベート「もちろん、冗談ですわ!」

レイセオン「世界樹の光を内包した翡翠の賽を売却……外交問題では済みませんね!」

ガイ「そもそも売却先があってたまるか……いや、むしろいくら積んでも欲しい国はあるのか……?」

エリザベート「滅びた国を復興するにはお金も力も必要ですもの。私は今こそ元王族として、現実的な視点を持たねばなりませんわ!」

ガイ「……翡翠の賽は渡さないぞ」

エリザベート「先ほども申し上げましたが、本当に欲しいなどとは思っておりませんわ。フローディア様が命を懸けてまで欲しがったもので、ガイ様がここまで集めてきたものですもの」

ガイ「……」

エリザベート「それに、今の私はまだ王国を復興するなどと大声で言えるほど、何かを持っているわけではありません。ただの元王族で、フローディア様に拾われた者で、今は……」

少し俯くエリザベート「……これからどう生きるか、考え始めたばかりなのですから」

イーリン「エリザベート様……」

エリザベート「……いずれは、セイントレアへ向かうのでしょう?」

ガイ「ああ」

エリザベート「なら、そのときは私も行きます」

ガイ「……危険だぞ」

エリザベート「承知していますわ。ですが、あそこは私の故郷です。たとえ魔都と呼ばれる場所になっていたとしても、見ないまま背を向けることはできません」

エリザベート「王族としてではなく……エリザベート・ロード・セイントレアとして、今の故郷を見ておきたいのです」

ガイ「……そうか」

エリザベート「それに、もし本当に復興を考えるのなら、まずは現実を知らなければなりませんもの。綺麗だった頃のセイントレアだけを思い出していても、何も始まりませんわ」

イーリン「立派なお考えです」

エリザベート「ふふっ、ありがとうございます。もっとも、いざ着いたら泣き叫ぶかもしれませんけれど」

ガイ「泣くのは悪いことじゃない」

エリザベート「……そうですわね」

ガイ「だが、無理はするな」

エリザベート「それはガイ様が一番言われるべき言葉ですわ」

イーリン「同感です」

レイセオン「完全同意です!」

ガイ「……」

エリザベート「ふふっ。では、ガイ様。改めてお願いしますわ」

ガイ「何をだ」

エリザベート「セイントレアへ向かう時は、私も連れて行ってくださいませ。王国のため……というより、私自身のために」

ガイ「……分かった」

エリザベート「ありがとうございます!」ダキッ

柔らかな感触「」ムニッ

ガイ「!」
ベルトーネ『お、役得役得〜』

フローディア『……!エリザベート、ガイから離れなさい!』

ベルトーネ『聞こえてないから無駄だよ〜……さあ、部屋に連れ込んじゃえ〜』

フローディア『そんなこと許さないわ!ていうかベル、変なことを吹き込まないでちょうだい!』

ガイ「はぁ……」

⭐︎エリザベートと話しました。
688 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:03:12.99 ID:kIsmqmsUO
ーークロシュヴァリエ号 甲板

アインズ「……む、まだ寝ていなかったのか、ガイ、レイセオン」

ガイ「ああ……作業がひと段落ついてな。休憩がてら様子を見に来た」

レイセオン「同じくです!操縦を任せっきりにしてしまって申し訳ないです!」

アインズ「なに、気にするな……今のところ問題はない」

風「」ビュオオッ──

レイセオン「ところで、ガイ様。報告書を整理していて、ひとつ大きな問題に気づきました!」

ガイ「問題?」

レイセオン「はい!」

レイセオン「大魔女様へ、今回の件をどうご報告すればよろしいのでしょうか!」

ガイ「……普通に報告すればいいだろう」

レイセオン「では、“ガイ様はラティア・ヘイヴンにて、美人の悪魔と契約し、その上、敵対していたフローディアと命を共有し、あまつさえその従者を連れ帰った”と」

ベルトーネ『美人の悪魔って私のこと〜?なんだか照れちゃうな〜』

ガイ「……」
689 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:03:42.10 ID:kIsmqmsUO
アインズ「……すべて事実なのが、厄介だな」

フローディア『いいじゃない。正確に伝えなさい』

レイセオン「……率直に申し上げますが……ガイ様は、かなり"すけこまし"ですね!」

ガイ「……は?」

アインズ「……」

レイセオン「大魔女様という者がありながら、各地で女性との縁を増やし続けています!」

ガイ「何を根拠に──」

レイセオン「イーリン様やテル様からお話は聞いております!パーティのメンバーに飽き足らず、行く先々で女性を助け、口説き、抱きしめ、数多の女性を泣かせてきたと!」

ガイ「……過剰に盛られている気がするんだが」

アインズ「大体は酔っているときのテルだ。私やイーリンは……いや、やっぱりなんでもない」メソラシ

ベルトーネ『おやぁ?何か隠してるね〜……アインズちゃんも何かされた側だったりするのかな〜?』

ガイ(……ベルトーネ。余計なことを言うな)

フローディア『ふふっ。本当に退屈しない人ね、あなた』

ガイ「……」

レイセオン「何か言われましたね?」

ガイ「気にするな」

レイセオン「気にします!現在のガイ様には、外部同行者だけでなく内側の存在からの意見も発生しているのです!この点はとても重要です!」

ガイ「どこがだ!?」

レイセオン「トゥルーエンド様の心労に関わります!」

ガイ「……それは」

レイセオン「自覚はあるのですね!?」

ガイ「……多少は」

レイセオン「ですが、ガイ様。これは冗談だけでは済まない話でもあります……大魔女様は、自分を大魔女としてではなく、一個人として見てくれたあなたのことを大切にしておられます」

ガイ「……」

レイセオン「だからこそ、提案させていただきたいのですが……今回の件は隠さず、正直に話すべきかと!」

ガイ「……ああ。隠すつもりはない。フローディアのことも、エリザベートのことも、ベルトーネのことも……話すべきことは話す」

アインズ「フッ……しかし、大魔女に報告するなら、覚悟はしておいた方がいいかもしれんぞ?」

ガイ「何の覚悟を?」

レイセオン「叱られる覚悟ですね!」

ガイ「……」

ベルトーネ『怒られるガイくん、ちょっと見たいかも〜』

フローディア『私も興味があるわ。あの子があなたをどう叱るのか』

顔に手を当てるガイ「……頭が痛い……」

⭐︎レイセオンと話しました。
690 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:04:36.76 ID:kIsmqmsUO
白い花弁「」フワッ……

ガイ「……!」

ベルトーネ『神気……あの人だね〜』

ホーリー「……こんばんは。代行者に、龍神の末裔よ」

アインズ「……?」

レイセオン「ホーリー様……!」

ガイ「……ホーリー・ハンドレッド」

アインズ「……また、随分と唐突に現れるのだな」

レイセオン「転移反応がありませんでした!前回もそうでしたが、その移動方法は一体どういう原理なのですか!?」

ホーリー「花が散るようなものです」

レイセオン「説明になっていません!」

ホーリー「再現性のない説明に価値はありません。ですから、雰囲気だけお伝えしました」

レイセオン「雰囲気だけで済ませないでください!」

ガイ「何の用だ」

ホーリー「用、というほどのものではありません。少しだけ、今のあなたを見に来ました」

ガイ「俺を?」

ホーリー「はい。複数の魂が入り混じり、変質を果たしても尚、自我を保っているのは珍しいので」

ベルトーネ『あ、私たちのことだね〜』

フローディア『……なんだか、すごく見られている気がするわ』

ガイ「俺を見に来たと言ったな。何を確認したかった」

ホーリー「あなたが、あなたのままでいるかどうか」

ガイ「……」

ホーリー「代償の刃を使った時点で、あなたはかなり変質していました。ですが、今は悪魔と繋がり、不死鳥と混ざり、あなたの輪郭は以前より曖昧になっています」

ホーリー「変わること自体は悪ではありません。人は生きているだけで変わっていきます。ですが、自分の核まで手放してしまえば、それは成長ではなく、別の存在への置換です」

ホーリー「なので、警告です。あなたがあなたでなくなれば、あなたにしか果たせない役目は果たせなくなります。変わることを恐れないでください」

ガイ「……」

ホーリー「ですが、変わりすぎることには気をつけてください。あなたがあなたであること。それは、あなた一人のためだけではありませんので──」
白い花弁「」フワッ……

風に吹かれる白い花弁「」ビュオオオ──

レイセオン「……消えました!相変わらず、現れては重要そうなことだけを残していきますね……」

アインズ「ふむ……全てを鵜呑みにはしないが、一部は共感できる部分もあった……念のため、今の言葉は覚えておこう」

ガイ「ああ……」

⭐︎ホーリーと話しました。
691 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:06:00.60 ID:kIsmqmsUO
ー 数日後
ーー暗黒館1F 酒場

ワイワイガヤガヤ

ガイ「……」

アインズ「サーシャたちは、まだ依頼から帰ってきていないようだな……会うのが怖いか?」

ガイ「……少しだけな」

アインズ「フッ……私の記憶も戻ったんだ。ならばきっと、サーシャたちも記憶を取り戻した筈だ……何も恐れる必要はない」

ガイ「ああ……」

フローディア『あら、怖いなら手を握っててあげましょうか?』

ベルトーネ『物理的に繋げないでしょ〜』

フローディア『もう……気分の問題よ!』

ガイ(……喧嘩しないでくれよ、二人とも……)

ドア「」バァンッ

息を切らしたサーシャ「ハァッ……ハァッ……!」

ガイ「──サーシャ」

タッタッタッ……

ガバッ!

サーシャに抱きつかれるガイ「うおおおおおっ!?」
サーシャ「ガイ……ガイ……!ごめんね……!私、私っ……!うわああああああん!!!ガイ〜〜〜!!!」ブワッ!!!

ガイ「……記憶が戻ったみたいだな」
サーシャ「うん……!」ズビ……

ザワザワ……
「おい、泣いてるぞ」
「英雄の帰還ってやつか?」
「いや、あれは修羅場だろ」

スタスタ……

リーゼリット「……ガイ……久しぶり、で会ってるかな?」

ガイ「リーゼ……」

ギュッ

リーゼリット「……ただいま。そして、お帰り」

ガイ「……ああ」

サーシャ「ふふっ……なんか、本当のパーティが帰ってきた気がするね……!」ズビビッ……

アインズ「フッ……サーシャ、みっともない顔になってるぞ?」

サーシャ「なっ……しょ、しょうがないでしょ!ガイ達がいなくなる前に、あんな別れ方をしちゃったんだし!」ゴシゴシ

ガイ「……」

サーシャ「……ガイ?」

ガイ「いや……本当に、戻ったんだなと思ってな」

サーシャ「……うん。戻ったよ。ガイのこと、ちゃんと思い出した」

リーゼリット「抜け落ちていた部分が、急に繋がった感じがしてね。旅のことも、戦いのことも……アンタがいた場面だけ、ずっと穴が空いていたみたいで」

サーシャ「思い出した瞬間、なんで忘れてたのか分からなくなって……怖くなって……ガイたちが帰ってきてるって知ってたら、もっと速くに帰ってこれたんだけど……」

リーゼリット「聞いてよ、ガイ、アインズ。サーシャったら、ウォーターポートについてガイが帰って来たってわかった途端──」ニヤニヤ

サーシャ「リーゼ!余計なことは言わないでよ!」

アインズ「ほう、気になる話だな?私達も土産話が沢山ある……泣き顔と逃げ足の話も含めて、奥でゆっくり聞かせてもらおうか」

ガイ「……そうだな」

692 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:06:44.35 ID:kIsmqmsUO
ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

ガイ(その後、ラティア・ヘイヴンで起きた出来事を共有し、サーシャ達の話を聞いた。俺たちがいなかった間はフォレスティナや魔族国を拠点にして依頼をこなしていたらしい)

ガイ(代償の刃と、フローディアとベルトーネの件に、エリザベートのことを話したら二人にすごく複雑な顔をされた。まあ、元々の目的が相反するような敵を仲間にしたと言えば、受け入れられないのが普通だろう……ルーはこのことをどう思っているんだろうか……)

ガイ(……ひとまず、仲間との再会と情報共有は済んだ。残滓の光を全て集めた今、次の目的は……暗黒館としては、世界めくれを止めることが目的になる。クロシュからの頼み事でもあるし、俺としても世界めくれは止めたい。だが、引っかかるのは……)

翡翠の賽「」キラッ……

ガイ(……俺が翡翠の賽の本来の持ち主ではないということだ。正規の持ち主ではない俺には、星の力の全てを扱うことはできない。本当に世界めくれを止めることができるのか……?)

ベルトーネ『正しい持ち主探し、だね〜』

ガイ(……ああ)

フローディア『その賽は、あなたに力を貸している。でも、あなたを主として認めきっているわけではない……そんな感じがするわね』

ガイ(分かるのか?)

フローディア『感覚の話よ。力が“馴染んでいない”ことくらいは分かるわ』

ベルトーネ『五つ揃っても沈黙してるなら、足りないのは光じゃなくて、使う人の方ってことかな〜』

ガイ(……聖女)

フローディア『本来の所有者ね』

ガイ(ああ。翡翠の賽を正しく扱える者がいるとすれば、おそらく聖女だ)

ベルトーネ『でも、その聖女がどこにいるか分からないんでしょ〜?』

ガイ(分からない。だが、クロシュなら何か知っているかもしれない。あいつは聖女とも、翡翠の賽とも関わりがあるはずだ)

ベルトーネ『つまり、次は聖女ちゃん探しか、クロシュちゃん探しか……どっちにしても面倒そうだね〜』

ガイ(面倒でもやるしかない)

フローディア『ふふっ。あなたらしい答えね』

ガイ(……)

翡翠の賽「」キラ……

ガイ(ホーリー・ハンドレッドは言っていた。俺は世界を救う者ではなく、この賽を正しき者のところへ導く者だと)

ガイ(なら、俺の役目は……光を集めて終わりじゃない)

ガイ(これを、正しい持ち主へ届けること……)

ベルトーネ『それが本当に正しいかどうかは、まだ分からないけどね〜』

フローディア『正しさなんて、見る場所が変われば簡単に変わるもの。大切なのは、あなたが何を選ぶかじゃない?』

ガイ(俺が、選ぶ……?)

フローディア『ええ。そして、その上で決めればいいわ。賽を渡すのか、自分で使うのか、それともまた別の道を探すのか』

ベルトーネ『まあ、どう転んでも面白そうなことになりそうだし、全てガイくんに委ねま〜す』

ガイ(……目が冴えてきたな。下で何か飲んでこよう……)

693 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:07:51.51 ID:kIsmqmsUO
ーー暗黒館1F 酒場

アトニス「お、珍しいな、ガイ。夜更かしは肌に悪いぞ?」モグモグ

ガイ「……お前こそ、夜の間食は美容によくない気がするんだが」

アトニス「ふふん、ボクの美貌はこの程度じゃ損なわれないんだ!それに見ろよ、このプリンを!こんな艶やかで幸福そうな物が身体に悪いわけないだろ!」
暗黒館名物プリンアラモード「」プルンッ

バーテンダー「」フキフキ

カードで遊ぶイーリン「その、お言葉ですがアトニス様。深夜に糖分を摂りすぎるのは、あまり推奨できないかと……」

カードで遊ぶテル「そうだそうだー!……って、また負け!?イーリンさん、強すぎるよ〜……」ゴクゴク

イーリン「ふふっ、まだ続けますか?」

テル「ぷはっ!まだまだ!もう一戦!」

ガイ「……」

ガイの耳に息を吹きかけるアモ「」フー

ガイ「!」ビクッ

アモ「ふふっ……元気だった、ガイ?」

ガイ「アモ……」

アモ「久しぶり、ちゃんと思い出したよ……あのときは、ごめんね?」

ガイ「いや、いいんだ……思い出してくれて、ありがとう」

アモ「ふふっ……それじゃあ、再会の記念に乾杯しよ?」スッ

ガイ「酒じゃないが……」

グラス「」キンッ

ガイ「ところで、イーリンとテルは何をしているんだ?」

アモ「アレはね、負けた方が強い酒を一気飲みするゲームだよ。ちなみに、テルさんが今のところ連敗中かな。ガイもやる?」

ガイ「……やめておく」

アトニス「懸命な判断だな」

テル「ガイくーん!アモちゃんばっかり構ってないで、こっちも構ってよー!」

イーリン「テル様、勝負中です。手元を見てください」

アモ「!」ニヤリ

アモ「ねぇ……ガイ♡」ススス……

ガイ「……ア、アモ……?」

イーリンに見せつけるように足を絡ませるアモ「せっかく久しぶりに会ったんだし、今日はこのまま一緒に過ごさない?」スリスリ……

ベルトーネ『なんだかやらしい雰囲気だね〜』
フローディア『ちょっと、何をする気なの……
?///』
ベルトーネ『はいはい、私達は邪魔しないでしばらく黙ってようね〜』

ガイの太ももを撫でるアモ「ふふっ……」スリスリ……

ガイ「……近いぞ」

アモ「嫌?」

ガイ「……そういうわけじゃないが……」

アモ「じゃあ、もう少しだけこのままでもいいよね?♡」チラッ

イーリン「……」

テル「イーリンさん、手、止まってるよ?」

イーリン「……失礼しました」
カード「」スッ……

テル「……ふふん、今回はいける気がする!」

イーリン「では、勝負です」

テル「勝負!」
694 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:08:24.67 ID:kIsmqmsUO
カードを出すテル「」パシッ
カードを出すイーリン「」パシッ

テル「やった!勝ち!」

イーリン「……負けましたか」

テル「はい、一気飲み!」

イーリン「……いただきます」ゴクッ……ゴクッ……ゴクゴク……

テル「よしよし!流れが来てる!」

アトニス「さっきまで連敗してたのにな」

テル「今から巻き返すの!アトニスちゃんはそこで応援しててー!ガイくんとアモちゃんもそのイチャイチャ姿勢のまま応援よろしくー!」

イーリン「……次、お願いします」

テル「お、イーリンさんもやる気だね!」

カードを配るテル「」サッサッ……

イーリン「……」

ガイの肩に頬を寄せるアモ「ん……ちゃんといるね」スリ……

ガイ「……」

イーリン「……」チラッ……

テル「イーリンさん?カード、選ばないの?」

イーリン「……選んでいます」

カード「」スッ……

テル「じゃあ、勝負!」

カードを出すテル「」パシッ
カードを出すイーリン「」パシッ

テル「あ、また勝った!はい、もう一杯!」

イーリン「……飲みます」

ガイ「イーリン、無理はするな」

イーリン「無理などしておりません」ゴク……ゴク……ゴク……

イーリン「……ふぅ」

アモ(もうそろそろかな……?)

イーリン「……アモ。少し、距離が近すぎるんじゃない?」

アモ「えー?何のー?」

イーリン「……それは……その……」

テル「あ、イーリンさん、また止まったー!」

イーリン「……止まっていません」

カード「」スッ……

テル「勝負!」

カードを出すテル「」パシッ
カードを出すイーリン「」パシッ

テル「三連勝!?さっきまでの連敗はこの伏線だったかー!!!」

イーリン「……また、負け……っ」ゴク……ゴク……
695 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:09:08.64 ID:kIsmqmsUO
イーリン「……ふぅ……」

アモ(あの顔……イーリンさん、出来上がったみたい)

アトニス「いい飲みっぷりだな……さて、そろそろボクは寝るとしよう!歯磨きもしなきゃな!」ソソクサ
バーテンダー「……追加の水を用意してきます」ソソクサ

イーリン「……ガイ。こっち来て」

アモ「ふふっ、ガイ。呼ばれてるよ?」

ガイ(あの状態のイーリンに近づけと?)チラッ

アモ「」ニコニコ

ガイ(助ける気はないらしい……)

ガイ「……イーリン、水を飲んだ方が──」

イーリン「こっち」ゴゴゴ

ガイ「はい」スタスタ

アモ「あーあ、イーリンさんにとられちゃった」

ガシッ グイッ

イーリンに膝枕されるガイ「???」

テル「特等席だー、羨ましいなぁガイくーん♪」ゴグゴク

ガイ(他人事だと思って……!)

イーリン「なんか……アモとあんなに密着してるのを見せつけられるの……嫌だったから」

ガイ「……イーリン?」

イーリン「今はしばらく……私から離れるな」

ガイ「しかしだな……」

イーリン「あ?」

ガイ「はい。離れません」

テル「愛の告白ってやつ〜?サーシャちゃん、リーゼちゃんにアインズさんにアモちゃん……ライバルが増えてきたなぁ、私も負けてられないかも……」ゴクゴク

アモ「ふふっ……まだまだ夜はこれからだよ?♡」

ガイ(……降りてきたのは失敗だったか?)

696 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/07(火) 23:10:45.79 ID:kIsmqmsUO
ー 翌朝

ドルク「ふぁぁ……よく寝たぜ……ってんん!?」

衣服が乱れたイーリン「」zzz
衣服が乱れたテル「ぐおー……すぴー……」
衣服が乱れたアモ「」スヤスヤ

床に横たわった上裸ガイ「……ドルクか。いい朝だな……」ボロッ……

ドルク「お、おお……おはよう。なんていうか……大変そうだな。とりあえず、水飲むか?」

ガイ「頼む……何があったかは聞かないでくれ……」

ドルク「おう……お嬢さん方を運ぶためにリンとか呼んでくるな……」スタスタ……

ガイ(……今日は何をしようか……)

◆現在はウォーターポートです。

何をする?
安価下1~3

⭐︎現在、暗黒館にいるキャラ
アモ、イーリン、サーシャ、リーゼリット、アインズ、テル、アトニス、ドルク、リン、エリザベート
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/07(火) 23:35:06.24 ID:XWKM2yiH0
ガイサーシャリーゼアインズ、またお忍びできたフラナ様にみっちりしごかれる
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/07(火) 23:35:10.48 ID:XQWObzifo
早速大魔女に叱られるを飛び越えて泣かれる浮気者
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/07(火) 23:39:29.25 ID:mEcejcGWO
飛空艇に興味津々なミチルを乗せてみる
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 09:35:07.95 ID:JovviDp1o
ガイとイチャイチャする人はもれなく中の2人に覗かれる悲運
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 12:00:31.28 ID:fu/6mslX0
しばらくウォーターポートで過ごす感じかな?
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 16:31:15.90 ID:kRtFNC8TO
これガイとイチャイチャ(意味深)したら中の2人結構気まずいと思う。
703 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:26:20.24 ID:PjjoA3qEO
>>700 >>702
二人はそういった空気も楽しんで見ているようですが、空気は読むのでそういった場面でも大丈夫かもしれません。ただ、覗かれるというのは避けようがないのですが。

>>701
しばらくウォーターポートで過ごすことになります。遠出はできませんが、しばらくしたら動きがあるはずです。
704 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:26:51.03 ID:PjjoA3qEO
ーーウォーターポート レストラン

ワイワイガヤガヤ

スキュラ店員「お待たせしましたー!お熱いので、お食べになるときはお気をつけてくださいねー!」ニュルニュル

タコ足の丸焼き「」ドン!
シーフードパスタ「」ドン!
エビ入りピザ「」ドン!

サーシャ「わぁぁ……!」キラキラ

アインズ「やはり、港町といえばこれだな……!」ジュルリ

リーゼリット「だいぶ奮発したね……ガイ、アンタ本当に味覚が戻ったんだよね?今日の朝なんか死んだ顔で船旅ビスケットを食べてたけど」

ガイ「あれは色々あったからだ……むしろ以前より味を感じられる。そういった意味では一度、味覚を無くしてよかったのかもしれない」

サーシャ「……そんな言い方、しないで。ガイがどれだけ苦しんでたか知ってるから」

ガイ「……すまない」

アインズ「フッ……サーシャには頭が上がらないか」

リーゼリット「ふふっ……そうそう、"アンタ"たちの声は聞こえないけど、ガイを危ない目に合わせたら容赦しないからね?とくにフローディア」ジト

ベルトーネ『フローディア、言われてるよ〜?』
フローディア『あら、そんなことする訳ないのに……ガイ、私はあなたを守っているのだと説明してあげて?』

ガイ「……本人にその気はないそうだ。それより、せっかくの料理が冷める前に食べるぞ」

アインズ「うむ、腹が減って仕方がない……いただくとしよう」

リーゼリット「はいはい、それじゃあピザ切り分けるね……」

シーフードパスタを食べるガイ「」モグ……

ガイ(……味付けはシンプルで特徴はない。だが、それが新鮮な具材の味を引き立てて、旨みを引き出している……!美味い、美味いぞ……!)モグモグ

ガイを見つめるサーシャ「」ニコニコ

ガイ「んぐ……どうした、サーシャ?」

サーシャ「ううん……その顔、もうしてくれないんじゃないかなって思ってたけど……また、見れたから」

ガイ「……照れるから、あまり見ないでくれ」モグ……

サーシャ「ふふっ……」

リーゼリット「お熱いねぇ……アインズ、はいこれ」スッ

アインズ「ありがとう、リーゼ……ん〜、久々の魚介って美味しいなぁ〜……ハッ!」

リーゼリット「」ニヤニヤ
サーシャ「」ニコニコ
ガイ「フッ……」

アインズ「なっ、み、みるな!!!///今のは忘れてくれ!!!///」

705 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:27:29.60 ID:PjjoA3qEO
リーゼリット「結構食べすぎちゃったかも……」

アインズ「たが……満足だ……」

ガイ「美味かったな」

サーシャ「んー……まだいけるけど、もうデザートにしちゃおうかな?」

ベルトーネ『えっ……あの子、結構食べてたよね……まだいけるの?』

ガイ(……俺はサーシャが本当に満腹になったところを見たことがない)

フローディア『あの身体のどこにそれだけ入るのかしら……』

フードを被ったフラナ「──気持ちのいい食べっぷりだったわね。あなたも、ずいぶん明るくなったみたいじゃない?」

ガイ「!」

口元に手を当てるサーシャ「あっ、フラナさ──!フードを被ってるってことは……」バッ

リーゼリット「……またお忍びで来たんですか?」

フラナ「ええ。といっても、今回はサボりに来た訳じゃなくて仕事で来たんだけど……しばらくぶりね。サーシャ、リーゼリット」

アインズ「……只者ではないな。何者だ?」

サーシャ「アインズ、この人は魔族国の──」ゴニョゴニョ

アインズ「……なるほど。先ほどの態度はすまなかった。非礼を詫びさせてくれ」ペコリ

フラナ「気にしてないわ……それより、クーから聞いた?近いうちに幹部を集めて重要な会議をするって言ってたわよ」

ガイ「いいえ……俺たちが帰ってきてからまだ会えてなくて」

フラナ「あら、そうなの……伝言でも残しておけばよかったのに。よほど慌ててたのかしらね?」

リーゼリット「フラナさん、もしかしてその会議絡みで……?」

フラナ「そういうこと。早めに来て観光してたんだけど……ちょうどいいところであなた達を見かけたから、声をかけさせてもらったの」

サーシャ「ええと……その言い方だと、何か理由があるんですよね……?」

フラナ「ええ……あなた達が次の場所へ行けるかどうか、見定めさせてもらうわ」

706 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:28:20.86 ID:PjjoA3qEO
ーーウォーターポート 港

フラナ「──準備ができたらいつでもいいわよ。手加減なしでかかってきなさい?」

アインズ「フッ……まさかいきなり手合わせとはな」

サーシャ「こんなことになるなんて……」

リーゼリット「四人での協力は久しぶりだね……!みんな、息を合わせていくよ!」

ガイ「ああ……!」

フローディア『相手は吸血鬼……ガイ、知っていると思うけど、由緒正しきヴァンパイアハンターの一族は時間魔法を使っていたらしいわ。あなたなら吸血鬼相手には相性がいいんじゃないかしら?』

ガイ(……初耳だが)

ベルトーネ『まあ、世界樹の光が全て揃った今、すごく強い人とか襲いかかってくるかもしれないし、腕試しには丁度いいんじゃないかな〜』

ガイ(……この万全の状態でどこまでやれるかは知っておく必要があるか。サーシャたちも配置につき始めている。俺も動こう)シュンッ

魔力矢「」ヒュンヒュンヒュン……

跳躍するアインズ「ハァッ!!!」ドッ!!!



フラナ「合図無しに同時攻撃をしかけられる程度には、連携がとれているみたいね?」スッ
生成される魔血の槍「」クルンッ

弾かれる

竜角の槍「」ギィンッ!
魔血の槍「」ギィンッ!

フラナ「っ……!やっぱり竜は馬鹿力ね……!」ギリギリ

アインズ「フッ、手加減してやってもいいぞ?」ギリギリ

フラナ「冗談、言わないでちょうだい!」バッ

アインズに向かうコウモリの幻影「」バササッ!

アインズ「!」サッ

魔力弾「」ジュッ!
魔力矢「」ヒュンッ

魔力弾を受けて消えるコウモリの幻影「」シュウン──

フラナ「すかさず援護……やるわね、二人と──」
ガイ「」シュンッ
短剣「」ブンッ

少し斬られたフラナ「!」ピッ

連続で斬りつけるガイ「はっ!」
二本の短剣「」ズババババ!

フラナ「全ては防ぎきれないわね……!」ピッ!
魔血の槍「」カンカンカンカン!

フラナ「……?」クラッ

フラナ「斬られた側から力が抜けてく……?何かしらの魔力は感じたけど……弱体化させる魔法のエンチャントかしら……?」フラフラ……

ベルトーネ『正確にはちょっと違うんだけどね〜。私の力で少し怠けてもらったよ〜』

フローディア『こういう使い方もできるのね……やるじゃない、ベルトーネ』

ベルトーネ『ふふ〜。見直した〜?』

ガイ「……これでもまだ、力は示せていないか?」スタッ
707 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:28:46.45 ID:PjjoA3qEO
フラナ「……ええ……十分よ。ここで終わりにしましょうか」

アインズ「……何?まだ、あなたなら戦えるはずだろう?」

フラナ「私相手にここまでやれるなら、あの場所でも通用する……これ以上やったら、どっちかが本当に死んじゃうわ」

地面に座るサーシャ「ふぅ……終わってよかった〜」ストンッ

リーゼリット「お疲れ様。ガイもアインズも、腕は鈍ってないみたいだね」

アインズ「フッ、リーゼとサーシャも腕を上げたな。安心して背中を任せられる」

ガイ「ああ、そうだな……」

スタスタ

ガイの肩を掴むフラナ「お疲れ様、みんな……ガイ、ちょっと失礼するわね」スッ

ガイ「?」

ガイの首筋に噛み付くフラナ「ん」カプッ

サーシャ「!!!」
リーゼリット「あー!?」
アインズ「む……」

ガイ「フ、フラナさん!?」

ガイの血を吸うフラナ「ん……あなた、ずいぶんいい味するのね……///」チュー……チュー……

サーシャ「フ、フラナさん!?な、何してるんですか!?」ガバッ

フラナにしがみつくサーシャ「は、離れてください!ガイから離れてくださーい!」ググッ

フラナ「んー……も、もう少しだけ……!」ググッ

リーゼリット「もう少しじゃないですよ!?アインズ、そっち持って!」ガシッ

アインズ「ああ……!」ガシッ

フラナ「ちょ、ちょっと!分かったわよ!離れるから引っ張らないでちょうだい!」ズルズル

サーシャ「今すぐですー!!」グイグイ

ガイ「……」

ベルトーネ『人気者だね〜、ガイくん』

ガイ(……そういう話なのか、これ)

フローディア『違うと思うわ』

⭐︎フラナと手合わせしました。
708 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:29:17.36 ID:PjjoA3qEO
ーークロシュヴァリエ号 停泊場

首をさするガイ「……なんだか疲れたな……」サスサス

フローディア『あら、血を吸われてたとき心なしか気持ちよさそうにしてなかった?』

ガイ(そんなわけないだろ)

フローディア(冗談よ……あら、飛空挺は港に他の船と同じように停めてあるのね……誰か乗っているみたいだけど、知り合い?)

ガイ「……何?」



ーークロシュヴァリエ号甲板

ニナ「ふむ……アインズから報告はもらったが、まだまだ改良の余地はあるな……」

ミチル「本当にこの大きさの物が空を飛ぶなんて考えられないよ……!海の上とは違った面白さがありそうだね……!」キラキラ

ガイ「……ニナに、ミチルさん?」

ミチル「やあ、ガイさん。お邪魔してるよ」

ニナ「おお!ガイじゃないか。オノゴロ以来だな!飛空挺はどうだった?」

ガイ「おかげで目的は果たせた……なぜウォーターポートに?オノゴロでの事業はどうした?」

ニナ「それはだな……これを見てくれ」ガサゴソ

文字が沢山書かれた紙「」バンッ!

ガイ「……飛空戦力整備計画?これは一体……」

ニナ「ククッ、お前たちがラティア・ヘイヴンに行っている間にな、オノゴロでは飛空挺で構成された部隊を作る話が一気に進んだんだ」

ガイ「飛空挺の部隊……」

ニナ「海軍が海を守るなら、今度は空を守る連中も必要だろう?……まあ、正式な呼び名はまだ少し揉めているみたいだがな」

ガイ「それで、ニナはその計画に?」

ニナ「ああ。クロシュヴァリエ号を基にした飛空挺の開発責任者の一人として正式に雇われた。今じゃオノゴロ正規の技術官様だよ」

ニナ「ククッ……もっとも、同じ物をそのまま量産する気はないぞ。クロシュヴァリエ号は探索と長距離航行を想定して作った船だ。軍用ならもっと小さく、速く、役割ごとに分けた方がいい」

ガイ「役割ごと?」

ニナ「ああ。偵察用、輸送用、迎撃用……全部一隻でやろうとすると無駄が多い。万能なんて存在しないからな」

ガイ「だが、軍に採用されるということは、人を傷つけて命を奪うために使われる可能性が高い……よく引き受けたな」

ニナ「ククッ……私だって少しは悩んださ。だが、今じゃ食わせなきゃいけない奴等ができた。そいつらのことを考えたら、仕事を選り好みしている場合でもなくてな」

ガイ「そうか……ミチル船長はどうしてここに?」

ミチル「私はニナさんに頼まれてね。飛空挺を“船”として見てほしいと言われたのさ」

ニナ「機械として空を飛ばすことはできる。だが、何隻もの飛空挺を長期間運用するとなれば話は別だ。乗員の交代、物資の積み方、航路の決め方、緊急時の指揮……その辺りは技術者よりも船乗りの方が詳しい」

ミチル「海と空じゃ違うところも多いだろうけど、船を動かす以上、共通する部分はあるからね」

ニナ「そういうことだ。せっかくウォーターポートに来たんだ。クロシュヴァリエ号の点検ついでに、空軍の運用についても意見を聞かせてもらっている」

ミチル「ふふ……まさか豪華客船の船長をしていて、空を飛ぶ船団の相談を受ける日が来るとは思わなかったよ」

ガイ「……楽しそうですね」

ミチル「分かるかい?」

ガイ「かなり」

ニナ「ククッ、さっきからずっとこの調子だ。飛空挺の話を始めると質問が止まらん」

ミチル「仕方ないだろう?海の上には何年もいるけど、空の航路は初めてなんだから!」

フローディア『……随分と気が合っているみたいね』

ベルトーネ『乗り物大好きお姉さん同盟だね〜』

⭐︎ミチル達と話しました。
709 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:30:33.29 ID:PjjoA3qEO
ー 夜
ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

ガイ「さて……今日はもう寝るとするか……」

窓「」コンコン

ガイ「……?」チラッ

箒に乗ったトゥルーエンド「」フワフワ……

ガイ「ルー!?」タタッ
フローディア『まあ……』

窓「」ガチャ

トゥルーエンド「──お邪魔するわね、ガイ」スタッ

ガイ「ああ、構わないが……どうしてここへ?」

トゥルーエンド「暗黒館のオーナーから聞いてないの?……まあ、いいわ。こっちに用があったから来たのよ」

ガイ「……」

トゥルーエンド「何よ」

ガイ「いや……会いに来てくれて嬉しいんだ」

トゥルーエンド「……馬鹿。あなたを叱りに来たのよ」

ガイ「うっ……」

スタスタ……ボフッ

ベッドに座るトゥルーエンド「……レイセオンから、報告を受けたわ」

ガイ「……そうか」

トゥルーエンド「悪魔と契約して、フローディアと行動を共にして、一対一で殺し合った」

ガイ「……ああ」

トゥルーエンド「それで」

トゥルーエンド「フローディアを自分の中に入れた。このことに相違はないわね?」

ガイ「……無い」

シーン……

トゥルーエンド「馬鹿なの?」

ガイ「返す言葉がない」

トゥルーエンド「馬鹿なのね?」

ガイ「否定はしない」

トゥルーエンド「どうして毎回毎回毎回!私が見ていないところで、想像の斜め上を行くのよ!!!」

ガイ「お、大きい声は──」

トゥルーエンド「悪魔と契約!?まだ分かるわよ!分かりたくないけど、戦闘中で仲間を助けるためだったんでしょう!?」

ガイ「あ、ああ……」

トゥルーエンド「でもフローディアは何!?」

フローディア『ふふっ、姉さんと違ってかなり可愛いわね』



ガイ「……以上だ」

壁時計「」カチ……カチ……

トゥルーエンド「……分かるわよ」ボソッ

ガイ「何?」

トゥルーエンド「分かるって言ったの!」

トゥルーエンド「フローディアがどうしてそうなったのかも!あなたがどうして殺せなかったのかも!どうして受け入れたのかも……全部、分かるわよ……!」

ガイ「……」
710 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:31:06.16 ID:PjjoA3qEO
トゥルーエンド「だって……私も、同じようなことをされたもの……」

ガイ「ルー……」

トゥルーエンド「私は大魔女様の代わりでいることしかできないと思ってた……それ以外を望んじゃいけないって……それなのに、あなたが勝手に入ってきて……!」

トゥルーエンド「大魔女でも代理でもなくて、私を見て……ルーなんて名前までつけて……!」

トゥルーエンド「……だから、分かるのよ……フローディアがあなたに縋った理由も……あなたが放っておけなかった理由も……」

トゥルーエンド「分かったら……怒れないじゃない……」

声を震わせるトゥルーエンド「……ちゃんと、怒りたかったのに……」ポロッ……

ガイ「……」

トゥルーエンド「レイセオンから聞いた時……すごく腹が立った……馬鹿じゃないのって……!」

トゥルーエンド「箒を飛ばしながら……会ったら絶対に殴ってやるって思ってた……!」

ガイ「……殴ってもいいぞ」

涙を拭うトゥルーエンド「嫌よ……!今、殴ったら……たぶん、私の方が泣くから……!」ゴシゴシ……

トゥルーエンド「……私ね、大魔女帝国があって……私を必要としている人達がいる。だから、あなたにはついて行けない……あなたが危ない場所へ行くたびに……私は報告を待つしかない」

トゥルーエンド「でも、フローディアは違うでしょう?」

フローディア『……』

トゥルーエンド「ずっと一緒にいるんでしょう……?ガイがどこへ行っても。何を見ても。怖がっても。傷ついても……」

トゥルーエンド「……ずるい」

トゥルーエンド「ずるいわよ……私だって、あなたの傍にいたいのにぃ……!」ポロポロ……

ガイ「……」

トゥルーエンド「私があなたを好きになった理由で……別の女まで救わないでよ……」

ガイ「……すまない」

トゥルーエンド「謝らないで……!謝られたら、私があなたに間違ったことをしたって言ってるみたいじゃない……!」

トゥルーエンド「あなたは……間違ってない……たぶん……」

トゥルーエンド「だから……苦しいのよ……!」

トゥルーエンドを抱きしめるガイ「」ギュッ……

トゥルーエンド「……っ」
711 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:31:35.66 ID:PjjoA3qEO
ガイ「……ルー。俺は、お前に会いたかった。ラティア・ヘイヴンでも、何度も思い出した」

トゥルーエンド「……本当に?」

ガイ「ああ」

ガイ「代償の刃を使おうとした時も、お前の言葉を思い出した……だから、使わなかった」

トゥルーエンド「……!」

ガイ「刃はもう砕けた。俺の痛みも、味覚も戻った」

トゥルーエンド「……そう」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「……痛いの?」

ガイ「何が?」

トゥルーエンド「怪我をしたら」

ガイ「ああ。かなり」

トゥルーエンド「ご飯は?」

ガイ「味がする」

トゥルーエンド「……美味しい?」

ガイ「ああ……そうだ、ドルクに美味しい店を教えてもらったんだ。明日、一緒に食べに行こう」

トゥルーエンド「……行く」ギュッ……

ガイ「……ルー?」

トゥルーエンド「……今日は、ここに泊まるから」

ガイ「……仕事は?」

トゥルーエンド「しばらく、何もないわ」

ガイ「そうか」

トゥルーエンド「……何よ。その顔」

ガイ「いや……」

トゥルーエンド「今さら遠慮するつもり?……なら、もう少し強く抱きしめなさい……今は、私だけ見てて……」

ガイ「……ああ」

唇を重ねるガイとトゥルーエンド「」

ベルトーネ『……私達はしばらく静かにしてるから、ごゆっくり〜』

フローディア『ふふっ……今夜は譲ってあげる。私だって、そこまで無粋じゃないもの……』

⭐︎トゥルーエンドがしばらく滞在します。
712 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:32:09.30 ID:PjjoA3qEO
――幕間
ーー魔都セイントレア

赤黒い空「」ゴゴゴゴ……

崩れ落ちた建物「」ガラッ
砕けた大理石の道「」ボロッ……

黒い粘液に覆われた城壁「」ズルル……



――旧商業区・第七避難所付近

荷車「」ガラガラ……

フードを被った子供「お母さん……いつ、新しいお家に着くの……?」

フードを被った女性「もう少しよ。避難所に着けば、きっと何かもらえるから……それまで、もう少し我慢して?」

フードを被った子供「……昨日も、そう言ってた……」

フードを被った女性「……ごめんね……」

バッ

獣人盗賊「止まれ!殺されたくなかったら、その荷車を置いていけ!」スタッ

フードを被った女性「……っ!」

フードを被った子供「お母さん!」

物陰から現れる盗賊たち「へっへっへっ……」ザッ

獣人盗賊「荷車を置け。水も食い物も全部だ」

フードを被った母親「これは避難所に運ぶもので……私たちの物じゃありません……」

獣人盗賊「だから何だ?」

フードを被った女性「これがないと、避難所の人たちが……」

獣人盗賊「知らねえよ。こっちも今日を越せるか分からねえんだ。それに、その荷の量……お前たちがいた場所は壊滅したんだろ?」

フードを被った子供「お母さん……怖い……」ギュッ
フードを被った女性「大丈夫。後ろにいて……」

獣人盗賊「女か……フードを取れ」

フードを被った女性「……」
713 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:32:38.81 ID:PjjoA3qEO
獣人盗賊「聞こえなかったか?」
短剣「」ギランッ

フードを取る女性「……この子だけは、見逃してください……」スッ……

獣人盗賊「……へえ」ニヤリ

盗賊たち「」ニヤニヤ
盗賊たち「」ヒューヒュー

女性「……何ですか」

獣人盗賊「……俺たちは荷車が欲しい。だが、全部奪う以外の話もできる……お前が"協力"してくれるならな?」

女性「っ……わかりました……せめて、この子の見えない所で……」

フードを被った子供「お母さん……何の話してるの?」

獣人盗賊「お嬢ちゃん?俺たち、これからお母さんと"仲良く"してくるからよォ……すこーしだけ待ってて貰えるかな?」

盗賊たち「」ニヤニヤ

女性「……道を通してもらえるように、お願いするだけよ」

フードを被った子供「……お願い?」

女性「そう。お願い……少し、長くお話しなきゃいけないから……ここで、待っててくれる?」

フードを被った子供「……うん」

女性「偉いねぇ……この前、教えたお歌の練習をして待っててね……」ナデナデ

フードを被った子供「歌ってたら、戻ってくる?」

女性「戻ってくるわ……待ってる間、フードは取らないで。誰かに話しかけられても、答えなくていいからね」ナデナデ

フードを被った子供「……うん」

盗賊「話は済んだか?オラ、行くぞ」グイッ

獣人盗賊「さぁ、来な。みんな待ち兼ねてるぜ」

建物の影へ消えていく女性と盗賊たち「」スタスタ……

荷車に座るフードを被った子供「……」ストン

フードを被った子供「……♪〜♪〜♪〜」

714 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:33:29.95 ID:PjjoA3qEO


――魔都セイントレア 旧居住区

逃げる人々「」ワーワー

逃げる男「はぁっ……はぁっ……!」ダダダッ

黒い粘性の生き物たち「」デロデロデロ……

男「来るな……!来るなぁっ!!」
黒い粘性の生き物「」ビチャッ!

転ぶ男「うわっ!?」ズザァッ……

黒い粘液「」デロ……

男「……っ!」

黒い粘液「」ズル……ズル……

男「や、やめろ……!」

黒い粘液「」ドロッ……
男の足「」ズブズブ……

男「ひっ……!?足が……俺の足が……!」

黒い粘液「」モニョ……モニョ……

男「溶け……っ!?嫌だ……!やめろ!俺はまだ死にたくない!!」

男に集まる黒い粘性の生き物たち「」ズルズル……

男「誰か……!誰か助けてくれ!置いていかないでくれ!!!誰か!!!」

黒い粘液「」ズブズブ……

男「やめろ……!」

黒い粘性の生き物たち「」バックン!!

男「──ッ!!」

デロデロ……

黒い粘液の塊「」モニョ……モニョ……ボコッ……

新たな黒い粘性の生き物「アアアアアア……」

魔族女性「いやああああああっ!!」

黒い粘性の生き物たち「」ピタッ

物陰に隠れる魔族女性「……っ!来ないで……お願い……」ガクガク

黒い粘性の生き物たち「」グルンッ

魔族女性「ひっ……!」

黒い粘性の生き物たち「……」

魔族女性「嫌……嫌……!」

黒い粘性の生き物たち「……アアアアアア……」

魔族女性「嫌ああああああああっ!!」
715 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:33:59.84 ID:PjjoA3qEO
星の斬撃「」ズバアアアアンッ!!!!

弾け飛ぶ黒い粘性の生き物たち「」バシャアアアッ!!

魔族女性「……え?」

白髪の青年「……無事か?」スタッ

魔族女性「ゆ、勇者様……!」

白髪の勇者→サイン?「走れるか?」

魔族女性「は、はい……!」

サイン?「大通りは使うな。三番街を抜けて西から回れ」

魔族女性「勇者様は……?」

黒い粘液「」モニョ……モニョ……

サイン?「……行け」

逃げる魔族女性「……っ!」ダッ

黒い粘液「」ボコボコボコッ……

黒い粘性の生き物たち「」ズルッ……ズルズル……

サイン?「……」
星霊の剣「」チャキッ……

716 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:34:34.71 ID:PjjoA3qEO
ーー暗黒館1F 酒場

ワイワイガヤガヤ

リン「やほやほ、ガイさん」

ガイ「リン……暗黒館には慣れたか?」

リン「うん。いい人たちばかりだし、私の魔法を見ても引く人も比較的少ないしね……ん?」スンスン

ガイ「……どうかしたか?」

リン「……ガイさん、香水とかするようになったの?テラヌス・ウルスで流行ってる香水の匂いがするけど」

ガイ「……あ、ああ。たまには、な……」
ガイ(ルーの匂いが移ったのか……?これで誤魔化せるといいんだが……)

リン「ふーん……オシャレとかそういうのには興味なさそうなタイプだと思ってたけど、意外だねー」

ガイ「そうか……?お前も、こういうのには詳しいんだな」

リン「ああ、私は扱ってるモノがモノだから、エチケットとしてねー……それに、いい匂いがするとテンション上がるし」

ガイ「……そういうものか」

◆現在はウォーターポートです。

何をする?
安価下1~3

⭐︎現在、暗黒館にいるキャラ
トゥルーエンド、アモ、イーリン、サーシャ、リーゼリット、アインズ、テル、アトニス、ドルク、リン、エリザベート、フラナ
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 21:36:17.53 ID:LLhLU08m0
パティと商業都市の人形遣い、フラナに棺の件を聞くためにウォーターポートに来たので接待する。
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 21:40:24.39 ID:vY9IaXpXO
イーリンの会議出席者の名簿整理と食事会の食材発注の手伝い
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 21:41:14.90 ID:y5UvRpYwO
もうほんとにルーとイチャイチャする
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 21:42:28.70 ID:kDquFS7v0
ホレスと再会
721 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:48:29.07 ID:PjjoA3qEO
早いですが本日の更新は終了します。
また、急になりますが明日の0時から23時59分までセイントレアに登場するキャラを募集したいと思います。

〈魔都セイントレア〉
■概要
かつて中央大陸の南側を支配し、列強と呼ばれたセイントレアの首都。世界めくれの影響によって地上から切り離され、空に浮かぶ閉鎖都市となった。外へ逃げる道はほぼなく、救援も届かない。
かつて白亜の都と呼ばれた街並みは、赤黒い空と瘴気に照らされ、崩落した都市区画と、黒い粘液に覆われた区画とが入り乱れる異界へと変貌した。中でも目を引くのは、かつてのセイントレア王城であり、人々には魔王城と呼ばれ恐れられている。
■産業
農業、漁業、商業、機械工業、芸能、魔法など、多岐に渡る分野が発達していたが、外界との交流が取れなくなり、その大半は崩壊している。かつて王都を支えた豊かな産業基盤は完全に破綻し、現在は備蓄の奪い合い、闇市、略奪、魔法による食料生成によって人々は辛うじて命を繋いでいる。
■情勢
治安は完全に崩壊している。現在のセイントレアには、統一された支配体制は存在しない。薄まりつつあった種族差別は、最悪の形で再燃した。王家に関連する者や原理派の一部は「世界めくれは異種族と異端が招いた災厄」と喧伝し、人間以外の種族に飽き足らず、穏健派信徒や人権派の市民たちをも弾圧対象とし、昼間でさえ殺人や略奪が起こる。それに加えて黒い影の魔物や形状が定まらない黒い粘液の魔物が蔓延り、現在のセイントレア内には確実に安全だと言える場所はない。
そのような状況の中でも、勇者連合という勢力が各地で抗い続けており、避難所の防衛や物資の輸送、負傷者の治療に魔物の討伐等を行い、生存者たちの命を繋いでいる。
722 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/11(土) 21:48:57.59 ID:PjjoA3qEO
テンプレは以下のものでよろしくお願いします。

【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/11(土) 21:53:54.47 ID:y5UvRpYwO

王都生きてる人まだいたのね
ネームドもまだ生きてるのかね
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 00:07:08.84 ID:Q1WFQN0W0
【名前】マロニー・ジュピターヴ
【種族】吸血鬼と人間のハーフ
【性別】女
【年齢】1915歳
【容姿】白髪ロングヘアの少女。ゴスロリ服着用。
【性格】冷静だが戦いになると興奮する。
【魔法】再生魔法(主に傷ついた自らの体を修復するのに使う)が使えるが魔法は好まず手にした巨大な斧で戦う。怪力で俊敏。
【備考】戦いの神を目指し各地を転々としており、現在は混迷を極めるセイントレアに滞在。とはいえ悪事に手を貸すことはなく主に避難所の護衛などをして暮らしている。勇者連合にも協力的。かつてバイオレット家にも喧嘩を売って引き分けたこともあるとかないとかのうわさもある。その肉体は神に近づきつつあるようで、食事をとる必要もほぼないせいか吸血好意を行うことは稀。
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 00:46:49.24 ID:Y2is04vr0
【名前】ベスト・マーモンス
【種族】悪魔
【性別】男
【年齢】700歳
【容姿】黒髪短髪で背が高い。黒いシルクハットと黒いマント、さらに銀のカラスマスクを付けている。大鎌を背負っている。
【性格】紳士的だがかなり狡猾。前に出るより一歩引く性格。
【魔法】・血液魔法(血液を操り攻撃や捕縛に使える。さらに武器やモンスターに変えて操ることも可能。)
・毒魔法(毒液、毒霧、硫酸など操ることができる。)
【備考】最上位たる七大罪の末席、強欲のマモンでベルトーネやベッサラビアとは知り合い(ガイの中に入っているベルトーネの事はすぐに気付けて話し掛けられる)。元々カリスが人手が欲しいと思い召喚した事がきっかけで2人は出会う。最初はカリスの一番の欲望を貰うつもりだったがカリスのお願いで食欲、睡眠欲、性欲をかわりに貰い契約した。ベストは手先が器用で頭が良い所がカリスに気に入り、気付けばカリスの助手兼相棒になった(カリスから銀のカラスマスク貰い今でも付けている)。カリスと一緒にいるうちにカリスの野望に興味を持つ。そしてカリスがいない現在カリスが残した置き土産達を使ってカリスの野望を実現しようと考えている。現在はカリスとの契約が無効になり別人物と契約をかわしている。戦闘技術も高く七大罪の中でも高い方で大鎌と魔法を駆使して戦う。
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 11:53:32.47 ID:3gNimmeoO
【名前】レム=イナリソウメン
【種族】人間とキツネの獣人のハーフ
【性別】女
【年齢】19
【容姿】紫髪ロングの少女、頭にキツネの耳が生えている。ブレザー服の上から白衣を着ている。
【魔法】治癒魔法·光属性魔法·狂暴化魔法(対象の精神を暴走させる)
【性格】真面目だが怒ると見境なく暴れる。
【備考】オノゴロ出身の医者見習い。カグヤの弟子。カグヤがトコナツに出張後は修行の旅に出て、セイントレアに辿り着き、そこの現状を目の当たりにして現地民の治療に当たることにした。カグヤに師事していた時に彼女の新薬の実験台にされており、時折暴走するのはそのせいだと思っている。それでもカグヤの事は医師として尊敬している。
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 13:48:06.74 ID:2gTj8BrBo
【名前】シュヴァイツェル・ロスチャイルド
【種族】人間
【性別】女
【年齢】1500
【容姿】金髪の長髪をたなびかせるスーツ姿の似合うクール美人。会社産の多彩な重武装で闘うスタイル。
【性格】とても好奇心と欲望が強い怪物
喋るととても人当たりの良い朗らかな人だが、そこに慈悲や情は存在しない。
【魔法】複製魔法
【備考】
ロスチャイルド・インダストリーの社長を勤めていたエリートロスチャイルドにして天才技術者。基本は本社のあるリテン・ヘイブンで研究や経営をしていたが、偶々王都にやって来ていた時に世界めくれに巻き込まれた。人間でありながら自分の命を複製することで永い時を生きており常にストックを抱えている。ロスチャイルドの思想である完璧な生命を造り上げることにあんまり興味はなく始祖の命令なので従っていたが、世界めくれを気に勝手気儘に活動を開始。自らの夢である異世界への扉を開くことを目的に世界めくれを利用しようとしている。時空間支配系理論を専門にしており、世界めくれ内部の脆弱になった時空間の壁をぶち破り更にその先の異世界に辿り着こうとしている。時魔法と空間魔法の素養が自らにはないので、その才を持った者を捕獲して異世界跳躍装置のコアにしようとしている。世界めくれを更にぶち破れば世界がどうなるか分かってて、異世界を知りたい見たい体験したいというシンプルな欲に突き動かされているだけの俗物。下界のロスチャイルドたちの指導者、母親的存在であったがもう興味をなくしている。他人も命や感情を持つ尊重すべき存在であることをすっかり忘れている。だって当の私がいくらでも複製できる替えが効く存在なんですもの。今の私がダメなら次の私が目的を達成してくれることでしょう。
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/07/12(日) 17:25:17.51 ID:BHgrvE+20
【名前】リディア
【種族】(一応?)人間
【性別】女性
【年齢】16歳
【容姿】 元々は白髮白肌の女の子だったが今は黒髪黒肌になっている。
【性格】 気弱で怖がりだが頑張り屋
【魔法】肉体変化、食料・水生成(見た目は黒い泥団子と黒い泥水。味は問題無い。)
【備考】元々は聖ヴァレリオ教会併設の孤児院で暮らしていたが、世界めくれの際に黒い粘液に覆われたが、外見が変わったものの何故か生還し上述の魔法の力を手に入れ、生き残った孤児院や教会の人達や避難民を守る為に戦っている。性格は変わっていないので本当はとても怖いが、皆が死んでしまうのはもっと怖いため頑張っている。
勇者連合とは基本協力関係だが、一部の勇者連合の人からは本物のリディアを殺して乗っとった魔物ではないかと疑われてしまっている。
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 17:35:51.11 ID:vhAKR1Meo
【名前】アルクス・ユスティネス
【種族】人間 【性別】女性 【年齢】26
【容姿】白色のストレートロングヘアと翠色の瞳を持つ、黒縁の四角眼鏡を掛けた女史。白色のブラウスと青色のロングスカートの上から、白地に金の刺繍で縁取られたマントローブを羽織っている。魔法行使中は髪色が変化する特殊な性質がある(火→赤、水→青、地→橙、風→緑、雷→紫、光→黄、闇→藍)。併用時はメッシュになるが、七属性全てを使う時は極彩色ではなく金色になる。身長164cm。
【性格】属性は秩序・善。純真で穏和、聡明で柔軟。誰に対しても礼儀正しく何事にも真摯に向き合う、明るく優しい優等生タイプ。少し天然で意外と負けず嫌い。滅多に怒らず、間違いを正す時も叱るより諭す言い方を好む。謙遜し過ぎる癖に加えて、身近に超越者達がいた事もあって自己評価が低いが、偉大な先生方から教わってきた事実に裏打ちされた魔法には強い自信を持っている。常に勉学を怠らず、最新の知識と技術を率先して学び、どんな時でも研鑽を忘れない努力家。
【魔法】火・水・地・風・雷・光・闇の七属性を扱う。七つ全てにおいて随一の才能と実力を持ち、基礎も応用も完璧に熟す魔導の天才。複数の属性を同時に使う事も出来るので、技のバリエーションは極めて豊富。他にも数多くの汎用魔法を習得しており、魔法の改良や独自開発も出来るなど、一般的な魔法使い・魔法研究者の極致にあたる。
【備考】異界と化した旧王都で多くの無力な人々と数少ない安全圏を守護するエデンの神童。七色の魔法を巧みに操る虹霓の魔導師。
出身はオリシン王国。七歳の時に類稀な魔法の適性を見出され、エデン魔法学園の招待を受けて転学。真面目な性格も相まってその才能を遺憾無く発揮し、極めて優秀な成績を収めた事で魔法学会からも注目されるなど大いに躍進した。しかし学園卒業を控えた十年前、セイントレア王国首都で開かれた学会の講演に参加していた時に世界めくれが発生。被害に遭った多くの人達を守る為と、大魔女から伝えられた「来たるべき時」の為に、七属性を駆使して編み上げた固有多重障壁"七層結界"で人々と避難所を守り抜いてきた。勇者連合にも参加しており、結界の維持・管理・範囲拡大や独自の伝達魔法を用いた外界連絡、魔法で一部インフラを代替するといった後方支援を主に行っている。
他人の恋愛事情には非常に興味があるが、自分の恋愛には全く関心が無い。立場上は大魔女の弟子の一人だが、実は毎年の長期休暇中に帰郷した時、星見の魔女に頼み込んで教えを受けていた。
好き:魔法の勉強、頼られる事、お昼寝、苺
苦手:自室の片付け、嘘を付く事、描画(絵心無し)
夢:魔導を究めて先生達に恩返しする
大嫌い:途中で諦める事
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 19:24:31.99 ID:9Ibw9qXoO
【名前】ステラ・マーヴェリック
【種族】人間
【性別】女
【年齢】20
【容姿】黒フードに全身包んだ露出の少ない見た目
【性格】好かれるためにはいくらでも道化を演じます、怖がり
【魔法】空間魔法
【備考】
10歳からこの地獄の環境を生き残ってきて、それに伴い学んだことは強い奴に付き従うこと。自分一人ではこの環境では生きていけないが強者の側にいれば生存は保障される。強者に好かれるために媚び売りばかりこの10年で上手くなった。勇者連合にも過激派にもその他の勢力にも付き従い、ダメそうになったら見捨てて逃げてきた。そうやってどんどん強い相手を志向してきた結果、付き従う相手がどんどんヤバい奴になっていき、流石に怯え始めている。空間魔法で何でも亜空間に収納できるし、ちょっとした距離なら空間移動してくれる便利な付き人。ただひたすら死にたくない。幸せになりたいだけだったのに。
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 20:00:14.59 ID:Qwozn971O
【名前】ガイン・レプリ
【種族】ホムンクルス
【性別】男性
【年齢】稼働してから10年以上経った
【容姿】金髪碧眼。襟足短め。顔はガイとまるで生き写しな程にそっくり。体型は勇者セインに近い。勇者セインが所持している剣に似た剣とガイと同じ魔導拳銃を持っている。
【性格】無骨で無愛想だが冷静沈着。目的の為なら手段を選ばない。
【魔法】(速度魔法/時間魔法/光魔法/心魔法/洗脳魔法/他にも色々使える)
【備考】カリスがガイと勇者セインの戦闘データとDNAを融合して生まれた存在でありカリスの置き土産(ガイに関してはカリスが作った怪物を使ってガイの戦闘データを取ったり、戦闘での血や日常で出た髪、唾液など少しずつ採取した)。戦闘ではガイとセインを合わせた戦闘術ができる。魔法ではガイと同じ魔法を使えて速度魔法や時間の檻なども使えて、もちろんセインの光魔法も扱える(他にも色々扱える)。初めは、カリスが作った勇者セインよりも強い新しい生命を作ろとした際にガイの噂を聞いて「ガイとセインを混ぜたらもっと強い生命が誕生するのでは!」と閃いた事がきっかけ。ちなみに名前の由来は「ガイ+セイン・レプリカ」という意味。やっと成功し当時のクロシュ達と戦わせようとしたが世界めくれが起きてしまい結果的に起動せず。世界めくれ後にガイン自身が目覚めたが自分は誰なのか、何のために産まれたのか分からなかった。その後、自分そっくりのガイの噂や新聞をみて「なぜ自分は何もないのにあいつには色々持っているのか?」その葛藤の故に自分こそ本当の「ガイ」だと答えに辿り着く。翡翠の賽、仲間、友、栄光など全部取り戻すと決意する。ガイの魔法を調べて自分も同じ魔法を扱えるようになった。さらに使えるようになった心魔法と洗脳魔法を使って全てを取り戻し本物の「ガイ」になってみせる。
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 20:57:43.51 ID:PQ9c+T8h0
>>179の投稿者ですが、差し支えなければこちらを若干修整して再投稿します。

【名前】ジョン・ホワイトフッド(本名:ヨハン・アウスバッハ)
【種族】自称人間(自身の肉体を改造し、ゴーレムに変化する能力を獲得したいわばハーフゴーレム)
【性別】男
【年齢】24
【容姿】人間時:身長190cmの引き締まった体に、白いロングコートを身にまとっている、白髪のショートカットの整った顔立ちの男。
    ゴーレム時:無機的な顔に全身黒いボディ。体格は比較的細身で人間に近いが3mを超える巨躯。
【性格】人間時:礼儀正しい紳士的な人柄。しかしその裏ではロスチャイルドの一族に激しい復讐心を抱いている。
    ゴーレム時:かろうじて敵味方の区別はつくが、冷酷無比に敵を抹[ピーーー]ることのみに行動する文字通りの殺戮マシン。
【魔法】人間時:磁力魔法
    ゴーレム時:電磁魔法(地磁気を利用した索敵や高速移動。レールガンの発射など。レールガンには膨大な魔翌力を消費するため1度しか使用できず、発射後は強制手に人間の姿に戻ってしまう)
【備考】この世界では名の知られた冒険者であり錬金術師。暗黒館とも関わりがあり、薬品の取引や情報効果のため度々訪問している。周囲にはセイントレア王国の辺境の没落貴族の生まれだと称しているが、実は幼いころにロスチャイルドの一族に家族を殺され、復讐のために素性を隠して生きてきた(優先度は低いが、テルやレーティア、フェルメールも復讐の対象)。数年前にとある遺跡で古代ドワーフ帝国にまつわるロストテクノロジーの数々を発見し、そこに残されたゴーレムの製法初め数々の優れた技術を解析し我が物とした末、己の肉体を作り変えてしまった。
人間時の武器は魔鉄製のチェーンウィップに各種薬品や爆発物など。
ゴーレム時は腕を銃や剣などに変形させて戦闘を行う。
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 22:00:27.07 ID:QX9w3q/to
【名前】ヴィクトリア・ロード・セイントレア
【種族】人間
【性別】女
【年齢】29
【容姿】最高位の聖職者服に身を包んだ切れ長金髪オッドアイ美人。
【性格】効率と合理性を追求した感情が見えない人間。一人で抱え込みやすい。
【魔法】時間魔法
特に未来視に長けている
【備考】
王族でありながら原理派枢機卿もしていた過激派の一人。効率厨なので原理派・過激派を統制するのが一番効率的と考え所属しているだけで教え的なものに何の興味もない。
最大多数の最大幸福を是としており、人間や魔族、穏健派や過激派などのべつまくなしに最大多数が助かればいいという思想。グランドマスターとの権力闘争をこなしつつ、未来視を使い自分の行動によって辿る末路を見定め最大幸福の未来に皆を導くために行動している。
そのはずだった。最初のうちは犠牲者は少なく秩序も維持できていたが、いつしかその場その場の最適解を選ぶだけでは不十分になってきた。いつのまにか犠牲者は増えていき、秩序は壊れていき、争いは激化していく。10年という歳月は、誰も救助に来てくれない10年は彼女の未来視ごときではもはや修正不可能なほどの地獄を作ってしまっていた。
自分の責任を痛感し、しかしもはやどうすればいいか分からない毎日。どんな未来も最悪の結末しか写さなくなった。それが周囲に悟られないよう一人で抱え込んで毎夜涙を流す日々。穏健派からの怨嗟の声はその通りと頷くしかない。もはや断罪されるほうが救われるかもしれない。誰か助けて。
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 23:34:26.36 ID:69pKDhq7O
【名前】シャドウリード・アルフェリアス
【種族】魔女
【性別】女
【年齢】1300
【容姿】つば広の黒帽子に帝国公式の魔女服を着る黒髪モノクル美人。
【性格】営業スマイル営業トークに長けたOL宣教師。大魔女を愛し世界を愛し年下を愛する。
【魔法】影魔法
影に潜り込んだり、影で突き刺したり、影分身したり、影縛りしたりと影のエキスパート。
【備考】
大魔女帝国特級魔女四天王の一人。大魔女教を広める宣教師の職務についている。挨拶で取り敢えず入信書を配ってくる、今なら特典も付けてくれる。世界中で活動していたが、当の王国での活動は10年できておらず、大魔女の威光を知らしめることができないと悲しんでいたところ、ガイ一行が遂に王国に乗り込むと聞き、無断でガイの影に潜り込み着いていくことにした。
追い詰められた人たちは改宗しやすいという打算と人助けしたいという親切心で王国での布教活動にきた。影空間に膨大な食糧と膨大な入信書を貯えてからやって来てたし、帝国産魔翌力電池でブーストした結果影空間を拡張しまくりシェルターと化している。
男女異種族人型不定形に関わらず年下は可愛がる。ルーのお気に入りでも構わず口説く。不屈のナンパ力と不落の妄想力を誇る。
入信書!特典!ナンパ!
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/12(日) 23:57:46.34 ID:Qwozn971O
>>731の安価した者ですがすいません一部少し訂正で
「勇者セインが所持している剣に似た剣とガイと同じ魔導拳銃を持っている。」→「ガイと同じ短剣と魔導拳銃を持っている。」
736 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/13(月) 00:20:41.94 ID:1nrykuFBO
皆様、応募ありがとうございました。

場所の特性や辻褄を合わせるために、一部のキャラは設定を改変する可能性が高いです。
可能なかぎり、元の良さを残せるようにしたいとは思っています。

>>723
このレスのコンマの数字が多かったら大半は生きていることにします。低かったら……

次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/13(月) 01:41:39.35 ID:Y52KH5HWo
おつ
高かった!良かった!

それと私の文章の書き方が悪くて語弊が生まれてしまっていると思ったのでお詫びします。異世界の悪魔達の内、序列最上位七体の総称は「七大罪」です。ベルちゃんはその末席(七大罪の中で最下位)という事なのです。
もし意図的なものならこの件は流してくだされ…
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/18(土) 00:01:48.38 ID:v7CWHG4jO
これで最終章なんかね
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/18(土) 12:24:44.57 ID:YourgJns0

今回コンマが大きかったから生きている人は多いけどラティア・ヘイブンの時にみたいにキャラが亡くなる可能性があるから気を付けた方がいいな。
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/18(土) 15:48:27.21 ID:uz4UFFRXo
ガイはもう一人を選ぶときではないか
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/18(土) 18:07:31.28 ID:asKF7eAoO
七大罪って序列があるのかしかもベルトーネは最下位なのね。ベッサラビアや多分出てくる強欲の悪魔は七大罪のなかでは上位の方だろうな。
742 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 00:56:58.34 ID:PiQSepLDO
>>737 >>741
>>1も当初、勘違いしておりましたが、七大罪の悪魔は"傲慢"以外の悪魔はそれぞれ自分が七大罪最弱の悪魔だと思い込んでいるということにします。(どの悪魔も強そうですが、ギャップがある方が可愛いと思うので)
また、それぞれ相性やらなんやらで一概に最強は決められないのですが、それでも順位をつけるのであれば怠惰=色欲=嫉妬<強欲<暴食<憤怒<傲慢ということにしたいと思います。おそらく、これらの設定がこのスレで使われることはないと思いますが。

>>738
当初>>1が想定していた終わりの予定です。場合によっては伸びるかもしれませんが、おそらく終わると思います。お付き合いくださると幸いです。

>>739
セイントレア編はいつも以上に死の気配が近くなる予定です。セイントレアでは自由安価の行動の際も注意した方がいいでしょう。

>>740
ズレた返信になっていたら申し訳ないのですが、ヒロインを一人に確定させるかは>>1の性癖等もあり、どうするかは決めておりません。
一体どうするつもりなのでしょうか。

本家様にあのように取り上げてもらうとは感無量です。そして本家様もこちらのスレを定期的に見ているという事実に>>1は震えております。
拙い二次創作に目を通していただき、本当にありがとうございます。解釈や設定の差異がありますが、その点はどうかご容赦ください。
これからも本家様の更新、楽しみにしております。
743 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 00:57:28.24 ID:PiQSepLDO
イーリン「」セカセカ
暗黒館バーテンダー「」セカセカ
女性暗黒館幹部「」ワタワタ

ガイ「……なんだかみんな忙しそうだ」

リン「あー、例の会議絡みじゃないかな?各国の偉い人がわんさか来るらしいし、その準備でしょ」

ガイ「なるほど……手伝ってくる」スタスタ

リン「いってらっしゃーい……私も依頼をこなしてくるかな」フリフリ



イーリン「ふぅ……おや、ガイ様。おはようございます」

ガイ「おはよう、イーリン……会議の準備か?俺も手伝うぞ」

イーリン「ありがたいですが、ガイ様の手を借りるほどでは──」

女性暗黒館幹部「わー!!!」
散らばる大量の書類「」バサッ!!!

バーテンダー「大丈夫ですか?」

女性暗黒館幹部「す、すいません〜!!!」

ガイ「……」

イーリン「……手伝ってもらっても、よろしいでしょうか?」

ガイ「ああ……」



女性暗黒館幹部「助かりましたぁ!!!ガイさん、本当にありがとうございます!!!」ブワワッ

ガイ「気にするな。それにしても……これだけ規模となると、議題はやはり──」

イーリン「十中八九、世界めくれのことについてですね。オーナーからの連絡が入り次第、お呼びいたしますので、しばらく待機をお願いします」

ガイ「わかった。何かあったら教えてくれ」

⭐︎会議準備を手伝いました。
744 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 01:40:39.65 ID:wJu6FQV4O
ーーウォーターポート 大通り

ワイワイガヤガヤ

冒険者風の服を着たトゥルーエンド「結構動きやすいわね、コレ」ヒラヒラ

ガイ「本当はもっといい服を用意したかったんだが……それしか用意できなくてな」ポリポリ

唇に指を当てるトゥルーエンド「ふふっ、あなたが選んでくれたものだもの。私はこれで十分よ」

ガイ「……そうか」

トゥルーエンド「そんなことより、ガイ! あれは何? 随分と人が集まっているけれど」グイッ

引っ張られるガイ「そんなに焦らなくても──」

フローディア『この子……随分はしゃいでるわね』

ベルトーネ『まあ、いいんじゃない〜?大魔女だってバレたら大変だし、しばらくこの甘酸っぱい感じを楽しませてもらおうかな〜』



露天商「お、兄さんと……今回はまた可愛らしい魔法使いを連れてますな!」

トゥルーエンド「また?」ジト

ガイ「……語弊がある。紛らわしい言い方はやめてくれ」

露天商「ガッハッハッハッ!!!兄さん、そんな困ったような顔もするんですね!」

トゥルーエンド「ねぇ、ガイ。またってどういうこと?」ズズイッ

ガイ「商人さん……誤解を解くのを手伝ってくれ」



ーーウォーターポート レストラン

トゥルーエンド「やっぱり港だけあって、シーフード系は美味しいわね。大魔女帝国でも食べれないことはないけど、鮮度がどうしても落ちてしまうのが痛いのよね」

ガイ「意外だな……そういえば、ここには転移扉を繋げていなかったのか?転移すれば鮮度の良い状態で魚を運べるんじゃないのか」

トゥルーエンド「よく思い出しなさい。私がわざわざ箒で来ているでしょう?……繋げてはあるわよ。でも使っていないだけ」

ガイ「……それはどうして?」

トゥルーエンド「悪用を防ぐため、緊急事態のときにしか使わない盟約を結んでるの。その気になれば国の中枢に戦力を大量に送り込むことができるような代物よ。たしかに、物流やら移動やらは便利になるけども、レイセオンのように利便性ばかりに目を輝かせて、気軽に扉を開いていいものではないのよ。外交官としては優秀だけど、空間魔法のことになると少し危機管理が甘くなるんだから──」クドクド

745 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 01:41:31.87 ID:wJu6FQV4O
ーーウォーターポート 港

夕日を眺めるトゥルーエンド「……」

夕日を眺めるガイ「……」

トゥルーエンド「……ねぇ、ガイ。十年前は、夕焼けってもっと綺麗だったんでしょう?」

ガイ「ああ。今の眺めから赤黒い雰囲気がなくなったような……すごく、綺麗な景色だった」

トゥルーエンド「……私、まだその空を見たことないの。世界めくれが起きて、大魔女様が繋ぎ止めてくれた今の空しか、知らないの」

ガイ「……そうか」

トゥルーエンド「大魔女様から受け継いだ記憶としては残っているわ。青い空も、白い雲も、今よりずっと澄んだ夕焼けも……でも、それは私が見たものではない」

ガイ「……」

トゥルーエンド「記憶を辿れば、どんな色だったのかは分かる。どんな風が吹いていて、どんな匂いがしていたのかも思い出せる。けれど、思い出せば思い出すほど……自分がそこにいなかったことが、分かってしまうのよ」

ガイ「ルー……」

トゥルーエンド「変な話でしょう? 見たことがない景色を懐かしいと思えるのに、その景色を失った悲しみまで、本当に私のものなのか分からない」

ガイ「変じゃない」

トゥルーエンド「……そう?」

ガイ「ああ。ルーが今感じていることは、ルーのものだ」

トゥルーエンド「簡単に言うのね」

ガイ「難しく考えても、答えは変わらないからな。大魔女の記憶がきっかけだったとしても、それを見てルーがどう思ったかまで、誰かのものになるわけじゃない」

トゥルーエンド「……」

ガイ「今、その空を見たいと思っているのは大魔女じゃない。ルーだろう?」

トゥルーエンド「……ええ」

ガイ「なら、その気持ちはルーのものだ」

トゥルーエンド「……そんなふうに言われたら、期待してしまうじゃない」

ガイ「何をだ?」

トゥルーエンド「いつか、私も本当の空を見られるんじゃないかって」

ガイ「見られるさ」
746 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 01:42:00.15 ID:wJu6FQV4O
トゥルーエンド「……随分と自信があるのね」

ガイ「そのために世界樹の光を集めたんだ」

トゥルーエンド「それでも、世界が完全に元通りになる保証はないわ。大魔女様が繋ぎ止めた世界は、あまりにも複雑に歪んでいるもの」

ガイ「元通りにならなくても、今より良くすることはできる筈だ。青い空が戻るなら、君にも見せたい」

トゥルーエンド「私に?」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「世界中の人が待ち望んでいる景色でしょう?私だけに見せるような言い方をするのね」

ガイ「みんなにも見てほしい。だが、ルーにも見てほしいと思っている」

トゥルーエンド「……それは、どういう立場で?」

ガイ「どういう立場?」

トゥルーエンド「大魔女様の模倣体だから?」

ガイ「違う」

ガイ「ルーだからだ」

トゥルーエンド「……」

ガイ「俺は大魔女本人は知らない。夢の中で、その最期を見ただけだ」

ガイ「今、俺の隣にいるのはルーだ。だから、ルーに見せたいと思った」

トゥルーエンド「……あなた、本当に……」

ガイ「?」

トゥルーエンド「……自覚がないのが一番たちが悪いわ」

ガイ「すまない」

トゥルーエンド「謝らないで。別に嫌ではないもの」

トゥルーエンド「むしろ……嬉しいわ」

ガイ「そうか」

トゥルーエンド「ええ。とても」

トゥルーエンド「……昔の夕焼けは、今より綺麗だったと言ったわね」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「この景色は嫌い?」

ガイ「……いや」

トゥルーエンド「赤黒く濁っているのに?」

ガイ「世界めくれの前の空と比べれば、綺麗とは言えないかもしれないが……今は、嫌いじゃない」

トゥルーエンド「どうして?」

ガイ「ルーと一緒に見ているからだろうな」

重なる二人の手「」スッ……

ガイ「……?」

トゥルーエンド「……約束して」

ガイ「何をだ?」

トゥルーエンド「青い空が戻ったら……その後も、ずっと私の傍にいて」

ガイ「……わかった。約束しよう」ギュッ

トゥルーエンド「……本当に?」

ガイ「ああ。前も言っただろう?俺が帰って来たい場所は……ルー、君の所だ」

トゥルーエンド「……ふふっ。もう、取り消させないわよ?」ニコリ

ガイ「フッ……」

⭐︎トゥルーエンドと過ごしました。
747 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 01:42:47.08 ID:wJu6FQV4O
ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

扉「」コンコン

イーリン「ガイ様、起きていらっしゃいますか? お客様がお見えです」

ベッドから起き上がるガイ「」ムクッ

ガイ「……準備を済ませたら、すぐ行く……ん?」

ガイの腕を抱き込むトゥルーエンド「すぅ……すぅ……」

トゥルーエンドの髪を撫でるガイ「……行ってくる」ナデ……

トゥルーエンド「ふふっ……すぅ……すぅ……」

掴まれた腕をそっと抜くガイ「」スルッ……



ーー暗黒館2F オーナールーム

パティ「……久しぶりね。見ない間に悪魔と契約するなんて思っていなかったけれど」

ベルトーネ『お〜……私に気がつくとは、なかなかやり手だ〜』

ガイ「パティさん……お久しぶりです。もしかして、例の会議の件で?」

パティ「ええ。皇帝と皇女の代理でね……まあ、今日あなたを呼び出したのは、会議とは別の理由なんだけど」

ガイ「……?」

パティ「魔族国で保管している黒曜の棺について、話しておきたいことがあるの」

ガイ「黒曜の棺……クロシュヴァル号で回収した、あの棺ですか?」

パティ「ええ。棺そのものの解析は、ある程度まで進んだわ。けれど……中身については、私の専門だけでは判断しきれない部分があったの」

ガイ「中身……?」

扉「」コンコン

パティ「入っていいわよ」

扉「」ガチャッ

小さなメイド人形たち「シツレイシマス! シツレイシマス!」パタパタ

金髪ショートの女性「……あなたがガイね?」

ガイ「……はい。そうですが」

金髪ショートの女性→マリッサ「初めまして。マリッサ・マガジンよ。イスファハーンで魔導技術と傀儡魔法の研究をしているわ」

ガイ(イスファハーン御三家の当主の一人か……まさか、こんなところで会うことになるとは)

ガイ「ガイです。よろしくお願いします、マリッサさん」

マリッサ「……噂で聞くより全然普通ね。数多の女性を侍らせて、下衆な笑みを浮かべながらも腕は確かな英雄だと聞いていたけれど」

フローディア『……そんな噂で有名なのね、あなた』

ガイ「……随分と事実からかけ離れた噂ですね」

パティ「ふふっ……マリッサには、黒曜の棺の術式と機構を調べてもらったの」

マリッサ「正確には、無理やり手伝わされたのよ。未知の古代アーティファクトだと聞いたから、引き受けたけれど」

パティ「楽しそうに徹夜していたのは、誰だったかしら?」

マリッサ「研究者として当然の姿勢よ」

扉「」ガチャッ
748 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 01:43:17.53 ID:wJu6FQV4O
フラナ「──そろったみたいね」

ガイ「……フラナさんまで。なぜ俺が呼ばれたんです?」

フラナ「それはね……あなたに残る魔力の痕跡が、棺の中身と酷似していたからよ」

ガイ「俺に残る魔力の痕跡が……棺の中身と?」

フラナ「ええ。吸血鬼の私だから気づけた程度の微かなものだけれど、何度確かめても、棺の中から感じるものと同じだったわ」

パティ「魔族国へ運び込まれた当初、棺から明確な生体反応は確認できなかった。けれど、何も入っていないわけではなかったの」

マリッサ「棺そのものが、内部の魔力と生命反応を完全に遮断していたのよ。外から探知しようとしても、空っぽの石棺にしか見えないようにね」

パティ「棺の表面に刻まれていた紋章を調べた結果……太古に滅びた吸血鬼王国、ヴァーミリオン王家の紋章だと分かったわ」

ガイ「ヴァーミリオン……」

パティ「さらに、現存する記録と照合した結果、中に封じられている人物は一人しか考えられないという結論に至ったの」

フラナ「かつて吸血鬼の王国を支配していた王──フレデリク・ヴァーミリオンよ」

ガイ「……!」

ベルトーネ『あ〜、あのときの感じ悪い吸血鬼か〜』

パティ「その反応……心当たりがあるのね?」

ガイ「……その名前を聞いたことがあります。代償の刃が砕けたときに」

マリッサ「代償の刃?」

パティ「以前、彼が所持していたアーティファクトよ。使用者の一部を対価にして、現実へ干渉する力を持っていたわ」

マリッサ「へえ……面白そうね。けど、もう壊れたのでしょう?」

ガイ「はい……刃が砕けたとき、頭の中に声が響きました。自分は代償の刃のかつての所有者だと……そして、フレデリク・ヴァーミリオンと名乗りました」

ガイ「俺が代償の刃を使うたびに、感情が流れ込んできていたとも言っていました」

パティ「アーティファクトを介して、所有者同士の精神が僅かに接続されていたのかしら……」

マリッサ「刃が壊れた後も、その繋がりは残っているの?」

ガイ「分かりません。あれから声を聞いたことはありませんが……それで、俺はどうすれば?」

フラナ「可能であれば、フレデリクと接触して……今も正気を保っているのか、何を考えているのか探ってほしいの」

ガイ「……棺を開けずに、ですか?」

パティ「まずは封印越しに、接触できるか試してほしいの。無理に繋がろうとする必要はないわ。棺の近くで何かを感じ取れるか確かめるだけでいい」

ガイ「黒曜の棺は、今も魔族国に?」

パティ「ええ。地下の保管庫で、幾重にも封印を施してあるわ。開封するかどうかは、今のところ保留にしているの」

ガイ「……当然だと思います」

フラナ「でも、永遠にそのままというわけにもいかない。棺がいつまでも正常に機能する保証はないし、封印が劣化すれば、いずれ中から出てくる可能性もある」

マリッサ「棺の中で彼が何を考えているのかも分からない。長い間閉じ込められて、穏やかな気分で目覚めるとは思えないわね」

ベルトーネ『元から穏やかな性格じゃなさそうだけどね〜』

パティ「まずは、あなたに封印越しの接触を試してもらうつもりよ。ただ、それで何も分からなかった場合に備えて……今後、棺を開けるべきかどうか、あなたの意見も聞いておきたいの」

フラナ「開ければ、彼の目的を直接確かめられるかもしれない。けれど、素直に話をしてくれる保証はないわ」

マリッサ「相手は全盛期より弱っているとはいえ、今でも大魔女に匹敵する吸血鬼よ。一度外へ出せば、もう一度封印できるとは限らない」

パティ「最終的な判断は皆で行うけれど……フレデリクと繋がりを持つあなたの意見を、判断の軸にしたいの」

ガイ「……黒曜の棺を──」

◆どうする?
先取2票

1 危険を承知で黒曜の棺を開けるべきだ
2 黒曜の棺は開けず、封印を維持するべきだ
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/19(日) 07:43:55.61 ID:Ad9C5St00
1
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/19(日) 09:56:24.13 ID:3TyVOdteo
1
751 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:18:15.74 ID:dql3n66cO
ガイ「黒曜の棺を開けるべきです」

パティ「……理由を聞いても?」

ガイ「封印がいつまでも保つ保証はありません。ましてや今は、世界めくれを止めようとするためにオーナーが準備を進めている段階です……可能な限り、不安事項は減らしたい」

マリッサ「……研究者としても、中身を確認できる機会を逃したくはないわ」

パティ「あなたは少し黙っていなさい」

マリッサ「何よ」

パティ「……分かったわ。ただし、開封は万全の準備を整えてからよ。あなたにも協力してもらいたいのだけれど」

ガイ「もちろん手伝います」

フラナ「……なら、私も同行する。魔族国で保管してる以上、吸血鬼として見届ける必要があるものね」

パティ「決まりね。早速だけど明日、魔族国へ向かいましょう」

⭐︎魔族国に向かいます。
752 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:19:01.97 ID:dql3n66cO
ーー暗黒館1F 酒場

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「──それで、魔族国に向かうんだね。話を聞いた感じ、すごく危なそうだけど……今の状況で離れても大丈夫なのかな?」

ガイ「ああ……イーリンに確認したが、まだオーナーが帰ってくる様子はない。依頼を受けても問題ないと言われた」

リーゼリット「じゃあ、暗黒館を通した正式な依頼ってわけだ」

ガイ「一応、前金をこれだけ貰っている」
大量の金貨が入った袋「」ドスンッ

リーゼリット「え”っ……う、嘘……並の依頼の十回分位はない……?」ワナワナ

アインズ「ふむ……それだけ危険視されてるということか。かつて世界を支配した吸血鬼の王……是非とも手を合わせてみたいものだ」

リーゼリット「まだ戦うって決まった訳じゃないのに、これだけの額を前金で渡されるって……なんだか嫌な予感がしてきた……」

サーシャ「ガイ、今回は私たちだけで行くの?」

ガイ「いや。フラナさんにパティさん……それから、マリッサという魔術師が現地で協力してくれる」

リーゼリット「フラナさんは依頼絡みで何回か顔を合わせたけど……ユーシリアの魔法大臣にイスファハーンの御三家まで?……それ、私たちがついていく必要ある?むしろ足手まといになるんじゃ……」

アインズ「何を弱気な。リーゼも魔王討伐に関わった一員として十分に実力を示しているだろう。それに、肩書きだけで強さが決まる訳でもない」

ガイ「ああ。俺達にはリーゼの銃の腕が必要だ」

リーゼリット「……そう言われたら、断わる気も無くなるよ。まあ、これだけの前金を貰ってるんだし、魔王とだって戦ったんだし今更か……」

サーシャ「リーゼ〜!」ダキッ

リーゼリット「わぁっ!?サーシャ!?」

アインズ「フッ……準備を済ませたらすぐに出発──」

ローブで身を隠した魔法使い「──待ちなさい!話は聞かせてもらったわ!」ザッ
753 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:20:11.65 ID:dql3n66cO
ガイ「……!?」ガタッ

サーシャ「わっ、びっくりした!……えーと、どちら様ですか……?」

ローブで身を隠した魔法使い「私はトゥ……ごほん!さすらいの魔法使いよ!その依頼、私も連れて──」

魔法使いを掴むガイ「」ガシッ
ローブで身を隠した魔法使い「きゃあっ!?」グイッ

物陰に連れていかれる魔法使い「」スタスタ……

サーシャ「?」
リーゼリット「?」
アインズ「……?」

ローブで身を隠した魔法使い(なによ、ちょっとしたサプライズじゃない)

ガイ(驚いたなんてもんじゃないぞ……!ルー、まさかついてくる気か!?)

ローブで身を隠した魔法使い→トゥルーエンド(当たり前じゃない。私を置いて遠くに行けるなんて思わないことね)フフン

ガイ(相手は大魔女と互角に戦えるかもしれない吸血鬼だぞ。危険すぎる)

トゥルーエンド(それなら、なおのこと戦力が多い方がいいでしょう?それに……)

ガイ(それに?)

トゥルーエンド(せっかく、大魔女としての仕事から一時的とはいえ離れられているのだもの。なら、楽しまなきゃ損じゃない)

ガイ(……だが、黒曜の棺を開ければ何が起きるか──)

トゥルーエンド(分かっているわ。遊びに行くつもりはないもの。危険だからこそ、着いていくのよ)

ガイ(……分かった。だが、無茶はしないと約束してくれ)

トゥルーエンド(それはあなたが言う台詞ではないんじゃない?)

ガイ(うぐ……)

トゥルーエンド(ふふっ……でも、約束するわ。あなたも私の目の届かないところで勝手に命を懸けないこと。いいわね?)

ガイ(……ああ)

トゥルーエンド(交渉成立ね……戻るわよ)ニコッ

スタスタ……

アインズ「……話はまとまったか?」

ガイ「……ああ。彼女も連れて行く」

アインズ「それで、大魔──」

トゥルーエンド「さすらいの魔法使いよ!」ズイッ

アインズ「……そうか。さすらいの魔法使いか……名前は、なんて呼べばいい?」

トゥルーエンド→ルー「……ルーよ。そう呼んでちょうだい」

アインズ「フッ……私はアインズだ。あなたの実力は申し分ない。同行するのであれば、戦力としては心強い」

サーシャ「へー……アインズがそこまで言うなら、すごく強い人なんだね!私はサーシャっていいます!ルーさん、よろしくお願いします!」ペコリ

ルー「ええ、よろしくね」

リーゼリット「……ガイ、いつこの怪しい人と知り合ったの?」ジトッ

ルー「あやっ……!?」ガーン

ガイ「……テラヌス・ウルスでだ。大魔女の元で働く特級魔女の一人で、姿を隠しているのは魔術的な側面で必要なことらしくてな……見た目は怪しいが、頼りになるぞ」

手を差し出すリーゼリット「ふーん……そういうことなら、よろしく。私はリーゼリット・ヴィルトっていいます」スッ

ルー「え、ええ……よろしく……」スッ

754 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:20:49.17 ID:dql3n66cO
ーーセイントレア平原

魔導車・改「」ブロロ……
箒に乗ったルー「」スイー

リーゼリット「箒に乗って移動してるだけで珍しいのに……魔導車と同じくらい速い!」

ルー「ふふっ……これくらいは朝飯前よ」

サーシャ「いいなー!飛空挺に乗ったときとかアインズに乗せてもらったことがあるけどやっぱり空を飛ぶのって気持ちいいよね」

ルー「あら、乗ってみる?二人乗りまでなら行けるわよ」

サーシャ「えっ!いいんですか!?」キラキラ

リーゼリット「私もちょっと乗ってみたいかも……」

アインズ「ふむ……速度も安定性も申し分ない。見事な飛行魔法だ」

ガイ(仲良くやれてるようでよかった……ルーの正体がバレたらどうなるんだろうか……)

755 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:21:26.16 ID:dql3n66cO
ーー魔族国バイオレット

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「ふぅ〜……着いたね!最近、よく来てたから懐かしいって感じはしないけど」

ガイ「そういえば、サーシャとリーゼはこの付近で依頼を受けていたんだったな。道案内は任せてもいいか?」

リーゼリット「もちろん!もう私たちにとっては庭みたいなものだからね」

アインズ「ほう、頼もしいじゃないか?」

リーゼリット「ふふん。今日は私についてくれば、迷う心配はないよ」

ルー「それじゃあ早速、黒曜の棺がある場所まで向かいましょう。重鎮達を待たせるのはなんだか申し訳ないし」



ーー魔族国バイオレット 城門前

城門前に立つフラナ「……随分と大所帯で来たのね」

ガイ「フラナさん。お待たせしました」

フラナ「時間通りよ……一人、新顔が増えたみたいね?」

ルー「……ルーと言います。今回は大魔女様の命で、彼らに助力をすることを仰せつかっています」ペコリ

フラナ「……ああ、そういうこと……気遣い、感謝するわ。地下で準備を進めているわ。マリッサも、朝から随分と張り切っているみたい」

小さなメイド人形たち「コチラデス!コチラデス!」パタパタ

サーシャ「わっ、可愛い〜!」

リーゼリット「この人形は?」

フラナ「マリッサが案内役として寄越したみたいね。この子たちについていって」

小さなメイド人形「ミナサマヲ、ゴアンナイシマス!」ペコリ

756 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:21:55.50 ID:dql3n66cO
ーー地下保管区画

幾重にも重なる封印扉「」ゴゴゴ……

サーシャ「うわぁ……急に空気が重くなった気がする……」

アインズ「ああ。あの奥から強い魔力を感じるな」

ルー「……相当な圧ね。封印されていてこれなのだから、目覚めたらどれほどのものになるのかしら」

ガイ「……」

ベルトーネ『前よりも、ずっと近くに感じるね〜』

フローディア『……棺の中から、こちらを見られているような……嫌な感覚だわ』

パティ「来たわね」

大量の計測器を並べるマリッサ「遅いわよ。こっちはとっくに準備を終えているんだから」

ガイ「パティさん、マリッサさん……お待たせしました」

パティ「ちょうどいい時間よ。封印の状態にも異常はないわ」

マリッサ「棺を開けた瞬間に何か起きても対応できるよう、周囲の結界と拘束術式も用意してある……扉を開けるわよ」

開く封印扉「」ガゴン!ガゴン!ガゴン!ゴゴゴ……

黒曜の棺「」ズズズ……

リーゼリット「あのときの棺だ……!なんか前より怖い感じが強くなってる……!」

サーシャ「今更ですけど……私たちだけなんですか?危ない存在が入っているなら、もっと戦力を増やした方が──」

フラナ「もちろん、外で精鋭が待機しているわよ。仮に、私たちにもしものことがあれば外の者たちが後を継ぐ……無論、そうならないようには立ち回るつもりだけど」

パティ「何事もなければいいわね」

マリッサ「それじゃあ、始めましょうか。ガイ、今の状態でフレデリクと意思疎通は図れる?」

黒曜の棺へ近づくガイ「」スタスタ

黒曜の棺と対面するガイ「……」

黒曜の棺「」シーン……

マリッサ「何か感じる?」

ガイ「……いや、何も……」

ドクン
757 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 22:22:44.54 ID:dql3n66cO
アインズ(……?魔力の流れが一瞬──)

封印術式「」パキンッ!

一同「!」

フラナ「封印術式を解いてないのに、勝手に!?」

外れていく鎖「」ジャラジャラジャラ……

ゆっくり開く黒曜の棺「」ズズズ……
噴き出す黒い霧「」ブワッ!!!

棺の縁を掴む手「」ガシッ

ゆっくりと起き上がる白髪の吸血鬼「」ヌッ……

サーシャ「あれが……」

リーゼリット「吸血鬼の王……!」

白髪の吸血鬼→フレデリク「……我の目覚めだと言うのに、些か寂しい歓迎だな」

ガイ「フレデリク・ヴァーミリオン……」

フレデリク「ほう……その声……貴様か。人間」

ガイ「俺を覚えているのか?」

フレデリク「忘れるはずもあるまい。対面で会うことになるとは思っていなかったがな」

パティ「……あなたの目的は一体何?」

フレデリク「──決まっている。我を起こした者を始末する。それを済ませた後は……世界を再び牛耳るのも悪くないな」

フラナ「時代遅れなことを言うのね。今の世界に、あなたの王国はもう存在しないわよ?」

棺から降りるフレデリク「ならば、再び築けばいいだけのこと」コツン……

周囲へ広がる威圧感「」ズン……

アインズ「!」

サーシャ「うっ……!」ゾクッ

リーゼリット「立っているだけで、身体が押さえつけられてるみたい……!」

ルー「気をしっかり持ちなさい。アレに呑まれたら、動けなくなるわよ」

マリッサ「全員、配置について!拘束術式を起動するわ!」

小さなメイド人形たち「キドウ!キドウ!」ババッ
床と壁に浮かぶ魔法陣「」バチバチバチッ!

光の鎖「」ジャラララッ!

光の鎖に拘束されるフレデリク「」ガシャンッ!
フレデリク「この程度では話にもならん」

黒い魔力の奔流「」ドッ!!!

砕ける光の鎖「」バキィンッ!

吹き飛ばされるメイド人形たち「」バラバラッ……

サーシャ「そんな……!」

フレデリク「我は今、酷く機嫌が悪い……目覚めの鬱憤を晴らす程度には、楽しませてくれるのだろうな?」ゴゴゴ……

ーー戦闘開始 フレデリク・ヴァーミリオンーー

◆コンマ下1【現在は拮抗しています】

【判定】
01-15痛恨
16-40劣勢
41-90優勢
91-00会心

【補正・特殊行動】
・『連携技』+15 連続で使用できない(残り2回)
・『時間の檻』使用時、奇数で+99/偶数で+0(残り1回)
・『怠惰の権能』使用時に劣勢の場合、拮抗している状況に戻して+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/19(日) 22:27:39.69 ID:7pCbke22o
時間の檻
759 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 23:47:20.96 ID:FS5LH/aOO
◆69+99=168【会心】

フレデリクの背後で開く巨大な黒い門「」ズズズズ……

リーゼリット「何あの不気味な門!?」

ルー「冥魔法……また珍しい魔法ね。構えなさい、サーシャ、リーゼ……あの門から出てくる物は全部、撃ち落として」
星属性の魔力の塊「」ギュイイイン──

サーシャ「撃ち落とすって──」

門の奥から響く無数の咆哮「」ォォォォォォ……

門から現れる無数の魔物たち「「「」」」ドドドド

リーゼリット「うわああああああ!!!沢山出てきた!!!」

パティ「冥魔法によって召喚される別世界の存在よ。臆せずに攻撃し続けて」スッ
放たれる複数の闇球「」ドドドドドドッ‼︎

マリッサ「口を動かす暇があるなら一匹でも多く数を減らしなさい!!!」
レーザーのように放たれる光魔法「」ビィィィィッ!!!

ルー「攻撃はなるべく受けないで!異界の魔物は法則が大きく異なる!」
星弾「」カッ──

ドゴォォォォォン!!!

サーシャ「す、すごい……って流石にあの3人みたいにはいかないけど、私も!」
魔導弓「」バシュバシュバシュッ!

倒れる異界の魔物「」ドサッ……

リーゼリット「弱点がこっちの魔物と似たようなところだといいけど……!」
狙撃型魔導銃「」ドギュウン!ドギュウン!

倒れる異界の魔物「」ドサッ……

リーゼリット「よしっ、行ける……!ガイとアインズは!?」



アインズ「ハァッ!!!」
連続で繰り出される竜角の槍「」シュビビビビビッ!!!

レイピアを構えたフレデリク「ほう、いい槍の腕だ」サッ

アインズ「光栄な言葉、だっ!」
竜角の槍「」ブンッ!

アインズを蹴るフレデリク「……まだ詰めが甘い」ゲシッ

吹き飛ばされるアインズ「──くっ!」ドゴォン!

ガイ「──」シュンッ
魔導拳銃「」ドギュウン!ドギュウン!

レイピアに打ち消される魔力弾「」バシュウン……
フレデリク「……速いだけのつまらん武器だな」
760 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/19(日) 23:47:48.44 ID:FS5LH/aOO
ベルトーネ『なんでさも当然みたいに弾を撃ち落としてるのさ、あの人〜!』

フローディア『トゥルーエンドたちをあの門から出てくる魔物たちに対応させて、私たちを分断させている……一度世界を支配したっていうのは嘘じゃないみたいね』

ガイ(言ってる場合か!このままじゃルーたちの魔力がいずれは尽きる……時間の檻ならば、奴に一撃は与えることができる……ここで流れを変える!)

フローディア『吸血鬼は不死鳥ほどではないけど再生力が高いわ。ベルトーネの力とあなたの時間魔法を使って再生する速さを弱めればかなり有利になる筈よ』

目を閉じるガイ(わかった……)スッ……

フレデリク「……何か仕掛ける気だな?面白い、やってみせろ」

ガイ「……後悔するなよ」

目を開くガイ『止まれ』

フレデリク「その魔法は──」



複数の氷の刃に刺されるフレデリク「っ、!?」ザクザクザクッ!!!

短剣の切先を向けるガイ「……」チャキ……

膝をつくフレデリク「ぐっ……時を操るこの魔力、忘れもせんぞ……人間、よもや貴様が……我が根絶やしにした筈の一族の血を引く者だったとはな」

ガイ「……何の話だ」

フレデリク「知らぬのか?己の血に何が流れているのかすら」

ガイ「……興味はない。まだ続けるか?」

フレデリク「くくっ……フハハハハハ!!!人間、誰にものを言っている!?その台詞を言うのは……我の方だ!!!」

◆コンマ下1【現在は優勢です】

【判定】
01-40劣勢
41-00勝利

【補正・特殊行動】
・『連携技』+15 連続で使用できない(残り2回)
・『怠惰の権能』使用時に劣勢の場合、拮抗している状況に戻して+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/19(日) 23:49:02.20 ID:9YIp60bEO
抑制行動
762 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/20(月) 00:39:14.04 ID:ztEDumowO
◆20-20=01【劣勢】

フレデリクの傷口から流れ落ちる血「」ポタッ……ポタッ……

フレデリク「我が、時を操る者どもに何の対策もとらずにいたと思っているのか?」

ガイ「何をする気だ」

フレデリク「……何、貴様もよく見慣れたものを使うだけだ」スッ
装飾が施された鞘に入ったナイフ「」チャキ……

ガイ「それは……!」

ベルトーネ『嘘でしょ……まさか、アレって──』

アインズ「……代償の刃!?」



血塗れになって倒れるガイ「がっ、あ……」ドシャッ……

ルー「……え?」ピタッ

フラナ「っ、手を止めないで! 今あいつに立て直す時間を与えたら、全員やられるわ!」

サーシャ「でも、ガイが……!」

サーシャへ飛びかかる異界の魔物「」グオオオッ!!!

サーシャ「っ!?」

魔物の頭部を貫く闇球「」ドシュッ!

倒れる異界の魔物「」ドサッ……

パティ「戦場で敵に背を向けないで。助けに向かう前に、あなたまで倒れるわよ」

サーシャ「だけど、あんなに血が……!」

リーゼリット「ガイ!返事してよ、ガイ!」

マリッサ「あなたも、前を見なさい!」
光の障壁「」バシュンッ!

障壁へ激突する魔物の爪「」ガキィンッ!

リーゼリット「っ……ご、ごめん……!」
763 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/20(月) 00:41:32.83 ID:ztEDumowO
血塗れで倒れているガイ「」

ルー「……」

星属性の障壁「」バチッ……
障壁に走る亀裂「」ピシッ……

ルー「っ……!」

マリッサ「あなたまで何をしているの!」

ルー「っ、分かっているわよ!」
修復される星属性の障壁「」シュウン……

ルー(落ち着きなさい……今、私まで乱れれば、この子たちを守れない……大丈夫、ガイは死なないわ……フローディア。癪だけれど、今はあなたを信じるわ。ガイを死なせないで)

マリッサ「動揺するのは後にしなさい!彼が作った好機を、あなたたち自身で潰すつもり!?」

サーシャ「……っ!」

リーゼリット「分かってる……分かってるけど……!」

フラナ「まだ生きているわ!あれだけの出血でも、魔力は消えていない!」

サーシャ「本当に……?」

フラナ「だから今は、戦いなさい!」

押し寄せる異界の魔物たち「「「」」」ドドドドドッ!!!

ルーの背後に浮かぶ巨大な魔法陣「」フォン……

ルー「……まだガイは死んでいない。ならば、私が崩れる理由はないわね」ボソッ

魔法陣から放たれる無数の星光「」ズドドドドドッ!!!

貫かれる異界の魔物たち「「「」」」ギャアアアアアッ!!!

ルー「……サーシャ、リーゼ!必ずあそこまで辿り着くわよ!」

サーシャ「ルーさん……はい!」

リーゼリット「絶対に、助けるんだ……!」



床へ広がるガイの血「」ジワァ……

ベルトーネ『まずいことになっちゃった……!フローディア、再生を速められないの?』

フローディア『無茶言わないでちょうだい!今の私にはどうすることもできないわ!起きて、ガイ!』
青い炎に包まれるガイ「」メラメラ……

アインズ「ガイ……!」

フレデリク「他人の心配をしている場合ではない」ヌッ

アインズ「!」
アインズ(槍が、間に合わない……!)

アインズの腹部を貫くレイピア「」ドシュッ!

アインズ「か、はっ……!」

引き抜かれるレイピア「」ズルッ

よろめくアインズ「」フラッ……

膝をつくアインズ「ぐっ、ぬううううううう……!!!」ガクッ……

◆コンマ下1【現在は劣勢です】

【判定】
01-50敗北
51-00優勢

【補正・特殊行動】
・『連携技』+15 連続で使用できない(残り2回)
・『怠惰の権能』使用時に劣勢の場合、拮抗している状況に戻して+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 00:42:51.58 ID:78XTO61h0
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 00:43:16.26 ID:yEc1XnUto
怠惰の権能
766 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/20(月) 00:46:25.86 ID:ztEDumowO
優勢の判定が確定したところで本日は終わります。
セイントレアに入る前のちょっとした寄り道ですが、相手はかなりの強敵のようです。どのように決着がつくのでしょうか?
次回もお付き合いくださると幸いです。

それでは、また。
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 01:19:36.27 ID:1ppfilWzo
おつ
次で終わってしまうのか…いつかの極北から旅立つ幕間に繋がる話もあるものかと
しかし気軽に棺を開ける選択を選んだらエライことになってしまった…
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 07:28:29.84 ID:yEc1XnUto
だいぶ不毛な戦いをしている気がする
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 09:05:27.68 ID:78XTO61h0
フレデリクも代償の刃を使ったという事はフレデリクもなんかの代償を払ったのかな?
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 14:51:22.36 ID:CkUDg7EbO
アインズ腹部しれたけどもしかして入院とかで次の国には連れて行けない展開になるのか。
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/20(月) 19:57:38.49 ID:CkUDg7EbO
>>770の安価した者ですがすみません、コメントで少し訂正
「アインズ腹部しれたけどもしかして入院とかで次の国には連れて行けない展開になるのか。」→「アインズ腹部を刺されたけどもしかして入院とかで次の国には連れて行けない展開になるのか。」
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/25(土) 13:19:34.18 ID:H8Cq8ChoO
今回フレデリクがガイに向けて代償の刃を使ったけどもし今後ガイ以外の一人一人に代償の刃を使ってたら結構ヤバそう。
773 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/25(土) 20:51:46.58 ID:aQbu0TFIO
>>767
セイントレア編が終わったらあの幕間に繋がっていくようになる予定です。
今回は棺を開ける選択をとったのでこうなりました。遅かれ早かれ、この世界でいずれ開くものなので今回はガイたちが貧乏くじを引いてしまった感じになったのかと思います。

>>768
こんなこと言ってしまうとアレですが、今回の戦いは完全に本筋とは関係ない寄り道のお話なので、不毛といえば不毛かもしれません。いいことと言えば、一緒に戦ってくれている面子が珍しいことでしょうか。

>>769
無論、代償は払っています。何を払ったかはこの後にわかるかと思います。

>>771
そんなことはなく、連れていけます。竜は強靭な種族かつアインズさんは竜の中でも上位種の血を引いているので、少し休んだら治るでしょう。

>>772
状況次第です。フレデリクさんはガイさんとはまた違う代償を払っているので気軽に代償の刃を扱えるようです。注意するのがいいでしょう。
774 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/25(土) 20:52:37.41 ID:aQbu0TFIO
◆58【優勢】

フレデリク「惜しいな、竜よ──」
アインズの首元へ向けられるレイピア「」スッ……

フレデリクの肩を貫く魔力弾「」ドシュッ!

フレデリク「……まだ足掻くか」

リーゼリット「アインズから、離れろ!」
立て続けに放たれる魔力弾「」ドギュウン!ドギュウン!ドギュウン!

レイピアで弾くフレデリク「……無駄だ」ギィン!ギィン!

サーシャ「無駄じゃない!」

フレデリクの足元に突き刺さる魔導矢「」ドスッ……

展開される拘束術式「」バチバチバチッ!

拘束されるフレデリク「これは……!」

ルー「──二人とも、よく狙ったわ」スタッ

フレデリク「……魔物どもはどうした」

ルー「あれを一々、相手になんかしてられないもの。だから──」

背後で膨張する星属性の魔力「」ギュオオオオッ……

ルー「門ごと消してしまったわ」

崩壊する黒い門「」バキバキバキッ!!!
異界へ吸い戻される魔物たち「「「」」」グオオオオッ……

フレデリク「……我の門を」

パティ「魔法の解析、完了したわ……二度目は同じようにはいかない」スッ
周囲に展開される魔法陣「」フォンッ……

マリッサ「あなた達は二人のところへ行きなさい!ここは私たちが押さえる!」

サーシャ「はい!お願いします!」

リーゼリット「ガイ、アインズ!今助けるから!」

二人のもとへ駆け出すサーシャとリーゼリット「」ダッ!

フラナ「随分と派手にやってくれたわね」

フレデリク「同族でありながら、人間どもの下につくか」

フラナ「勘違いしないで。私は誰の下にもついていない」スッ……
形作られる無数の槍「」ボゴボゴボゴッ……

フラナ「ただ、あなたが気に入らないだけよ」
放たれる血槍「」ドドドドドッ!!!

フレデリク「……くだらん」スッ
冥属性の魔力の奔流「」ドッ!!!

ドゴォォォン!!!

775 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/25(土) 20:53:13.35 ID:aQbu0TFIO
リーゼリット「二人とも、死んでないよね!?」

サーシャ「アインズ!しっかりして!」
淡い光「」ポワワ……

腹を抑えるアインズ「サーシャ、リーゼ……すまない、不覚をとった……ガイは、無事か?」

ガイ「……」
青い炎「」メラメラ……

リーゼリット「なんかすごく燃えてるけど……傷が塞がっていってる……?」

目を覚ますガイ「……うっ……ぁ……」

サーシャ「ガイ!?よかった、意識があって──」

起き上がろうとするガイ「」グッ……

サーシャ「駄目!まだ動いちゃ──」

ガイ「……フレデリクは……?」

リーゼリット「今はフラナさんが用意してくれた矢で動きを止めてる……アンタ、代償の刃を使われたのによく生きてたね……」

ガイ「ああ……フローディアの力が無ければ死んでたな……」
フローディア『ふふん!そうでしょう、そうでしょう!』

リーゼリット「……聞こえないけど、得意げな言い方をしてる気がする……!」

サーシャ「まあ、でもお陰で助かってるのは事実だし……」

アインズ「フッ、こんなときでも相変わらずだな……あの吸血鬼、代償の刃を使ったということは何かを捧げている筈だが、その傾向が見られない……一体どういうことだ……?」

ベルトーネ『簡単な話だよ〜、あれはフレデリク自身が代償を払っている訳じゃなくて〜、この世界のどこかにいる縁もゆかりもない人が、代わりに代償を払ってるんだよ〜』

ガイ「──と、ベルトーネは言っている」

リーゼリット「ずるくない!?そんなの反則じゃん!」

激突する魔力「」ドゴォォォン!!

サーシャ「っ……急がないと、フラナさんたちも長くは保たないよ!」

アインズ「だが、なぜ奴は続けて使わない我々全員へ連続で使えば、既に決着はついている筈だ」

サーシャ「……そうか。連続では使えないか、もう一度使うには何か条件が必要なんだ!」

傷口を押さえながら立ち上がるガイ「」ググッ……

ガイ「……それなら、次に使われるまでの猶予がある……それまでに決着をつけるぞ……!」フラッ……

◆コンマ下1【現在は優勢です】

【判定】
01-50敗北
51-00優勢

【補正・特殊行動】
・『連携技』+15 連続で使用できない(残り2回)
・『怠惰の権能』使用時に劣勢の場合、拮抗している状況に戻して+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
776 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/25(土) 20:56:53.15 ID:aQbu0TFIO
失礼、コンマ判定を直し忘れてました。

◆コンマ下1【現在は優勢です】

【判定】
01-15劣勢
16-90優勢
91-00勝利

【補正・特殊行動】
・『連携技』+15 連続で使用できない(残り2回)
・『怠惰の権能』使用時に劣勢の場合、拮抗している状況に戻して+30次の判定に-20(残り1回)
・『抑制行動』-20 優勢時にのみ使用可/殺さず無力化を狙う
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/25(土) 20:57:25.79 ID:zjCCCOtT0
連携技
778 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/26(日) 00:31:02.81 ID:7Zctmy6mO
◆79+15=94【勝利!】

フレデリク「……雑魚どもが、どれだけ集まろうと我には届かぬ」

フラナ「その余裕、いつまで続くかしら?」
放たれる無数の血槍「」ドドドドッ!!!

串刺しになるフレデリク「……」ドスドスドスッ!

マリッサ「逃がさないわよ!」
幾重にも展開される魔法陣「」フォンッ!

パティ「散々手を焼かせてくれたわね……けど、もう抜け出せるとは思わないことね。その拘束では、代償の刃を振るうこともできないでしょう?」

魔法陣から放たれる光の鎖「」ジャラララッ──

光の鎖に絡め取られるフレデリク「……!」

サーシャ「リーゼ!」

リーゼリット「いくよ、サーシャ!」

放たれる魔力矢に絡みつく光属性の魔力弾「」バシュウウウン──

貫かれるフレデリク「おのれェ……!」

アインズ「これは腹の穴の礼だ……存分に食らえ!」スッ
炎魔法「」ゴウッ!!!

赤い炎に紛れ、フレデリクの懐へ転移するガイ「」シュンッ

フレデリク「何!?代償の刃を受けてなお、そこまで動けるのか!?」

赤い炎と青い炎に包まれるガイ「──驚いたか?再生できるのはお前だけじゃない」メラメラ
青い炎に包まれた氷の刃「」ブンッ

ブシャアアアアッ!!!

青い炎に包まれるフレデリク「ぐっ……これは……!」ボオオオオッ──
塞がりかけた傷を焼く青い炎「」ゴオオオッ!!!

フレデリク「な、何だ……この炎は……傷が塞がらぬ……!?」

フローディア『私の炎とガイの時間魔法に、ベルトーネの怠惰の力が混ざった新しい力……再生に頼る相手にとっては、これ以上ない天敵でしょうね』

ベルトーネ『まさしく不死殺し、ってヤツだね〜』

フレデリク「ぐっ……だが、再生できずとも、貴様らを殺したあとで炎を消し去ればよい……!」

ルー「──それは無理ね。ここであなたの伝説は幕を閉じるのよ」

天井一面に展開される巨大な魔法陣「」フォンッ

フレデリク「……!」

煌めく無数の星光「」キラキラキラ……

パティ「──魔法式の構成完了を確認……意外とかかったわね」

フラナ「まったく……大魔女ならもう少し早く終わらせてたわよ?」

ルー「……私は大魔女様ほど、何でも簡単にできるわけじゃないのよ」

星属性の魔力「」ゴゴゴゴゴ……

亀裂の走る空間「」バキッ……バキバキッ……

リーゼリット「……いつの間にあんなのを……」

マリッサ「全員、そこから離れなさい!巻き込まれるわよ!」

サーシャ「ガイ!早く戻ってきて!」

ガイ「ああ!」シュンッ

星光に照らされるフレデリク「……」

フレデリク「……最悪の目覚めとなったな。傷を癒した筈が、目覚めからほどなく死を迎えるとは……」

降り注ぐ青白い星光「」カッ──

フレデリク「……結局、我が神へ届くことはなかったか。最期まで、思い通りにいかぬものよ──」

ドオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

779 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/26(日) 00:31:29.89 ID:7Zctmy6mO
パティ「……やれやれ、せっかくの研究対象が吹き飛んでしまったわ」

フラナ「仕方ないでしょう。交渉の余地すらなかったもの」

マリッサ「残念ね……私の研究も進むと思ったのに」

ルー「まあ、これだけの魔法使いが揃えば、三千年前の王だろうと倒せない相手ではないわね……弱体化していたとはいえ、想像以上に手こずらされたけれど」

リーゼリット「手こずったどころじゃないよ……アインズはお腹を貫かれてるし、ガイなんて一回死にかけてたじゃん!」

アインズ「なに、これくらいは寝ていれば治る。私は竜だからな……」

サーシャ「って言っても心配だよ……本当に大丈夫なの、二人とも?」

ガイ「ああ……俺も少し休めば大丈夫だ。サーシャとリーゼは……怪我をしてないようだな。よかった」

リーゼリット「私たちよりも自分の心配をしなって……」

ルー「そうよ!少し休めば大丈夫なんて、今にも倒れそうな顔で言う台詞じゃないわ!……それからフローディア!……礼を言っておくわ……あなたのお陰でガイは生きてる。今回は、本当に助かったわ」

フローディア『……なんか、姉さんに似た顔で素直に礼を言われると、調子が狂うわね……』

ベルトーネ『私にはないの〜?』

ガイ(ベルトーネ、もちろんお前の力にも助けられているさ。ありがとう)

ベルトーネ『えへへ〜、どういたしまして〜。もっと褒めてくれてもいいんだよ〜?』

パティ「さて……いつまでも勝利の余韻に浸っている場合ではないわね」

マリッサ「ええ。これで世界めくれへの対策に本腰を入れられるわね」

サーシャ「うん。もう誰かが巻き込まれるのを、ただ見ているだけなんて嫌だから」

リーゼリット「そのためにも、まずは負傷者を治さないとね」

ガイ「いや、アインズはまだしも俺は──」

サーシャ・リーゼリット「「ガイは黙ってて!」」

ガイ「……はい」

アインズ「フッ……思われてるな、ガイ?」
腹部から流れる血「」ポタッ……

ルー「……まずは二人とも治療が先よ」ヤレヤレ

⭐︎フレデリクを倒しました。
780 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/26(日) 00:31:55.83 ID:7Zctmy6mO
ー数日後
ーー暗黒館2F オーナールーム

ガイ「──お久しぶりです、クーさん」

クー「ええ、久しぶりね……怪我の具合はどう?なんでも、伝説を相手にしたそうじゃない?」

ガイ「完治しました……それより、会議の件なのですが……」

クー「ああ、アンタには言い忘れてたわね。急で申し訳ないけど、明日に行うわ。議題については──」

ガイ「──世界めくれについて?」

クー「……その通りよ。様々な国の代表を招いて、世界めくれへの対策についてね……詳細は明日、話すから」

ガイ「……わかりました。それまでは、自由にしていても?」

クー「ええ。明日に備えて休むなり、街を回るなり、好きにしなさい」

ガイ「承知しました」

◆現在はウォーターポートです。
⭐︎安価終了後、暗黒館で重要な会議が行われます。

何をする?
安価下1~3
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/26(日) 00:38:56.37 ID:epMeasfuo
ルーに指輪を買う
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/26(日) 00:43:03.37 ID:KlD6oKmjO
エリザベートやテルなどの王国出身者の王国の思い出話でもきく
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/26(日) 00:44:46.41 ID:sJbVRUdr0
休み中のアインズに会議に来たモーリィが会いに来た
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/26(日) 10:02:27.00 ID:hR+jVAie0

様々な国の代表がくるのか誰がくるのかな?
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/26(日) 16:08:54.99 ID:4138Z3R6O
フレデリク戦でガイは、フローディアの力で死亡は避けれたけどめちゃくちゃ重症ではあったな。
786 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:04:12.20 ID:L3eyyYY/O
>>784
大体はこれまでに登場したキャラです。また、そのお陰で現在難航しており、今日の更新も安価消費のみの少ないものになりそうです。申し訳ない。

>>785
代償の刃によるダメージは使用者に死を望まれた場合はほぼ確殺できるのですが、ガイはフローディアの祝福によって耐性ができていたようでした。
787 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:05:45.44 ID:L3eyyYY/O
ーー暗黒館1F 酒場

黒いコートを着たエリザベート「どうです、似合っているでしょうか?」クルリ

テル「さすが王族!よく似合ってるね」

エリザベート「"元"ですがね!……あら、ガイ様、フローディア様!」

フローディア『ふふっ、もう私の声は聞こえないというのに律儀ね……』

ガイ「エリザベート……久しぶりだな。その格好は一体?」

エリザベート「よくぞ聞いてくれましたわ!何を隠そう、わたくしも暗黒館の幹部として認められたのです!」スッ
スライムが描かれたメダル「」キランッ

テル「ここ数日は私とか、リンちゃんとドルク君と一緒に依頼を受けてたんだよ。暗黒館でちゃんとやっていけるか、実地で見てもらう意味もあってね」

エリザベート「皆様方の推薦もあって、クー様にもあっさり認めてもらいましたわ!」

ガイ「なるほど……改めてよろしくな、エリザベート」

エリザベート「ええ!ところでガイ様、どうです?この黒いコート。暗黒館の幹部らしく、威厳と知性に満ちあふれているでしょう?」

ガイ「……似合ってはいると思うが……正直、威厳と知性はあまり……」

エリザベート「なっ……!」ガーン

テル「あははは!」

エリザベート「笑わないでくださいまし!もう、イーリン様とアトニス様に、せっかく見繕ってもらったものですのに……」

フローディア『ふふっ。相変わらず元気そうね』

ガイ「ここには馴染めているようだな」

エリザベート「ええ。王族だった頃とは何もかも違いますけれど、これはこれで悪くありませんわ」

テル「王女様が黒いコートを着て、酒場で依頼を受けるようになるとは……世の中わからないものだねえ」

エリザベート「“元”王女です!それに、今のわたくしは一般庶民ですわ!」

テル「一般庶民を名乗るには、立ち方も喋り方も高貴すぎるけどね」

エリザベート「長年染みついた気品は、そう簡単には消えませんの!」

ガイ「王国にいた頃も、今と同じような性格だったのか?」

エリザベート「根本的な部分は変わっておりませんわ!」

テル「……それはどうかな?」

エリザベート「あら。テル様は、王国時代のわたくしをご存じなのですか?」

テル「話したことはなかったけど、何度か見かけたことはあるよ。建国祭とか、王家の式典とかでね」

エリザベート「まあ!あの頃のわたくしは、さぞ美しく、気品に満ちていたことでしょう!」

テル「ずっと笑顔で手を振ってたね。ヴィクトリア様とかメアリー様の横にくっついて、楽しそうだったな〜」

ガイ(セイントレアに住んでいたが、そういった行事は依頼の絡みで一度も見たことはなかったな……ロヴィアが毎回楽しそうに話していたっけ)

エリザベート「立って、笑って、手を振り、大人たちの長い話に相槌を打つ……幼い頃のわたくしには、あれほど過酷な任務はありませんでしたわ」

テル「常闇の樹海より?」

エリザベート「……今考えれば、樹海の方が遥かに過酷でしたわね!」

ガイ「比べるまでもないだろう」

テル「でも、懐かしいなあ。建国祭の日とか、王都中が朝から騒がしかった」

ガイ「王都の建国祭か。俺はまともに見たことがない。どんな祭りだった?」

テル「大通りに屋台が並んで、広場じゃ楽団が演奏して、夜になると魔法の光が空へ打ち上がるんだ。どこもかしこも満員だったよ」

エリザベート「王城の庭園も、あの日だけは一般に開放されていましたわ。色とりどりの花が飾られ、噴水には魔法で虹がかかって……とても華やかでした」

テル「エリザベートちゃんは、城の上から見てただけじゃないの?」

エリザベート「……一度だけ、城を抜け出そうとしたことがありますわ。侍女の服を借り、髪を帽子の中へ隠し、完璧な変装をして城下へ向かいましたの!……城門を出る前に見つかりましたが」

ガイ「完璧とは何だったんだ」
788 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:07:06.08 ID:L3eyyYY/O
エリザベート「ですが、二度目は成功しましたわ!」

テル「またやったんだ……」

エリザベート「その時は、きちんと大通りまで辿り着きました。串焼きを食べ、輪投げをして、露店の装飾品を眺めて……とても楽しかったですわ」

ガイ「城では食べられないものだったのか?」

エリザベート「串焼き自体はありましたが、王宮の料理人が作るものとは違いましたの。少々焦げていて、味付けも濃く、肉も硬かったのですが……不思議と、とても美味しく感じましたわ」

テル「祭りの日に、外で食べたからじゃないかな?私もあの頃は屋台のものとか食べさせてもらえなかったから、初めてそういったのを食べたときは感動したなぁ……」

エリザベート「ロスチャイルド家も厳しいお家だと伺っております……随分とご苦労なさったのですね、テル様」

テル「ん……けど、過去があっての今の私だから。あの家で過ごしたことも、全部が無駄だったとは思ってないよ」

エリザベート「……テル様は、お強いのですね」

テル「そんな立派なものじゃないよ。ただ、私もあの頃は見えてないものが多かった」

テル「王都は綺麗で、豊かな場所だった。けど、全員が豊かだったわけじゃない。人間以外の種族への差別も酷かったし、薬を買えない人も、食べるものに困ってる人もいたんだ」

エリザベート「……」

テル「私はそれを知っていても、深く考えようとはしなかった。自分が恵まれてる側にいることも、当たり前だと思ってたよ」

エリザベート「……王城にいたわたくしには、なおさら見えていなかったのでしょうね」

ガイ「……」

エリザベート「毎日、豪華な料理を食べていました。食べ切れず、残すことさえありましたわ」

エリザベート「その料理がどこから運ばれ、誰が作り、王都の豊かさを誰が支えていたのか……考えたこともありませんでした」

テル「全部を子供のエリザベートちゃんが背負う必要はないよ」

エリザベート「ええ。過去へ戻って、幼いわたくしを叱っても何も変わりませんもの」

エリザベート「ですが、知らなかったものを、これからも知らないままでいる理由にはなりませんわ」

テル「……そうだね」

エリザベート「常闇の樹海で草や泥を口にした時、初めて空腹の恐ろしさを知りました……おかげで多くを学びましたわ。食べ物は残してはならない。知らない草は、まず少量だけ口にする。妙に鮮やかなキノコには近づかない。泥水は布で濾せば、多少はましになる!」

ガイ「王族の教育にはなかった知識だろうな」

エリザベート「ええ。王宮では一度も教わりませんでしたわ!まったく、実用性に欠けた教育です!」

テル「王女に泥水の濾し方を教える国も嫌だけどね……」

エリザベート「今なら、王宮の庭に生えていた草のうち、どれが食べられるかも分かりますわ!」

ガイ「王国を復興しても、庭の草を食べるのはやめておけ」

エリザベート「非常時には役立ちますのよ?」

テル「エリザベートちゃんが復興した王宮、庭が食用野草だらけになりそうだねえ」

エリザベート「素晴らしいではありませんか! 美しく、観賞でき、いざという時には食べられる庭園ですわ!」

ガイ(発想自体は悪くないのでは……?)

テル「……エリザベートちゃんは、本当にセイントレアへ戻りたいんだね」

エリザベート「ええ」

テル「怖くない?」

エリザベート「怖いですわ。あの場所に、わたくしの知る王国はもうないのでしょう。王城も、庭園も、大通りも……かつてのままではない」

エリザベート「きっと、見たくないものを目にすることになりますわ」

ガイ「……それでも行くのか」

エリザベート「当然です。怖いからと目を閉じていては、いつまで経っても何も見えませんもの」

エリザベート「それに、わたくしは常闇の樹海でもう駄目だ、ここで終わりだ、と何度も思いました……ですが、そういう時に限って、進んだ先に食べられる草が生えているのですわ!」

テル「急に草の話になった」

エリザベート「重要な話です!立ち止まっていては、その草にも辿り着けません!」

ガイ「……つまり、進み続ければ何かが見つかると」

エリザベート「そういうことですわ!たとえ王国が壊れていても、そこに何かが残っているかもしれない。誰かが生きているかもしれない……何も残っていなければ、そこから何を作れるか考えればよいのです!」
789 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:07:46.33 ID:L3eyyYY/O
テル「昔と同じ国へ戻したいわけじゃないの?」

エリザベート「全く同じものに戻すことなどできませんわ。潰れた果実を、元通り枝へ戻すことはできませんもの」

ガイ「……」

エリザベート「ですが、潰れた果実も煮ればジャムになります!昔と同じ形には戻らなくても、別の形で続けていくことはできる。王国も、きっと同じですわ」

ガイ「王政も復活させるつもりか?」

エリザベート「それは、わたくし一人で決めることではありませんわ。王家の血を引いているというだけで、わたくし一人が決めてよいはずがありません」

エリザベート「王家の名が役に立つのであれば使います。責任を引き受けるためにも、助けを求めるためにも」

エリザベート「ですが、わたくしが王位へ戻ることと、故郷を立て直すことは同じではありませんわ」

ガイ「その先で何になるかは、まだ決めていないのか」

エリザベート「ええ……わたくしは、かつて王女でした。王国が滅びてからは、ただ生き延びることしかできませんでした」

エリザベート「フローディア様に拾われてからは、あの方のために生きていました。そして今は、暗黒館の一員です」

メダルを握るエリザベート「」ギュッ……

エリザベート「これから先、わたくしが何になるのかは分かりませんが、王族だったからでも、誰かに命じられたからでもなく……」

エリザベート「──エリザベート・ロード・セイントレアとして、自分の意思で故郷へ戻りたいのです」

ガイ「……そうか。なら、セイントレアへ向かう時は必ず声をかける。その時は、俺も力を貸す」

エリザベート「……!ええ、約束ですわよ!」

テル「私にも声をかけてよね。エリザベートちゃんとは違う王都を知ってるし、医術士も必要でしょ?」

ガイ「フッ……わかった。頼らせてもらうぞ」

⭐︎テルとエリザベートと話しました。
790 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:09:03.43 ID:L3eyyYY/O
ーーウォーターポート サーシャの家

サーシャ「わぁ……もう怪我が治ってる……回復魔法を使ってたとはいえ、やっぱり竜はすごいね」

服を捲り上げるアインズ「この程度の傷なら、竜にとっては大したものではない。内臓も骨も、既に元通りだ」スッ

傷跡の消えた腹部「」ツルッ……

サーシャ「本当に何も残ってない……フレデリクにお腹を貫かれてたのに……」

アインズ「竜の生命力を舐めるな。あの男の剣は私を殺すには至らなかった」

サーシャ「でも、あの時はすごく苦しそうだったよ?」

アインズ「……あれは少し、油断しただけだ」

サーシャ「少し?」

アインズ「……かなり油断した」

サーシャ「もう……次は気をつけてよ?」

アインズ「善処しよう」

サーシャ「善処じゃなくて、約束して」

アインズ「む……」

サーシャ「約束」

アインズ「……分かった。次は、腹を貫かれないようにする」

サーシャ「そういう具体的な約束なの!?」

アインズ「曖昧な約束よりは守りやすいだろう?」

サーシャ「他の場所を怪我しても駄目だからね!」

アインズ「……」

コンコン……

サーシャ「はーい!」

ガチャッ……

モーリィ「久しぶりだな、サーシャ」

サーシャ「モーリィさん!?どうしてウォーターポートに?」

モーリィ「会議に呼ばれてな。クーのところへ向かう前に、少し寄らせてもらった」

アインズ「……知り合いなのか?」

サーシャ「うん。トコナツ火山島でお世話になった島長さんだよ」

モーリィ「モーリィ・フースーヤだ。貴様がアインズだな?」

アインズ「ああ……ガイから話は聞いている。あいつが島で世話になったそうだな」

モーリィ「随分と前の話だ。それより、重傷を負った竜がこの家で療養していると聞いていたが……もう怪我は治ったらしいな」

サーシャ「もしかして、お見舞いに来てくれたんですか?」

モーリィ「世界めくれに関する会議へ出席するためウォーターポートを訪れた。そのついでだ」

アインズ「ついでにしては、わざわざ家まで来たのだな?」

モーリィ「同族に近い者が、腹を貫かれたと聞けば、少しは興味も湧く」

アインズ「同族に近い、か」
791 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:09:33.27 ID:L3eyyYY/O
モーリィ「私は半竜人、貴様は竜そのもの。厳密には違うが……大差はないだろう。それで、傷を見せてみろ」

アインズ「もう治っているが……」

モーリィ「それを確かめに来たんだ。竜が大丈夫と言う時ほど、大丈夫ではないことも多い」

サーシャ「そうなんです!」

アインズ「なんでサーシャが同意する」

サーシャ「だってアインズ、怪我してもいつも大丈夫って言うから……」

モーリィ「自覚はないようだな。ガイとよく似ている」

アインズ「……あいつと一緒にするな」

モーリィ「無茶をして、傷を隠し、心配されれば大丈夫だと言い張る。どこが違う?」

アインズ「……仕方ない。好きに見ろ」スッ

傷跡の消えた腹部「」

モーリィ「……ふむ」ジッ

サーシャ「どうですか?」

モーリィ「表面上は完治している。骨格の歪みもなく、魔力の流れにも大きな乱れはない」

アインズ「だから言っただろう」モーリィ「だが、再生したばかりの内臓は、まだ魔力に馴染みきっていない」

アインズ「……分かるのか?」

モーリィ「竜の身体は、傷が塞がった時点で完治に見える。だが、竜にとって重要なのは魔力と肉体の結びつきだ」

サーシャ「じゃあ、まだ安静にしていた方がいいんですか?」

モーリィ「激しい戦闘は避けるべきだな。普通に歩く程度なら問題ないが、竜化や大規模な魔法は控えろ」

アインズ「……どのくらいだ」
792 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:10:14.85 ID:L3eyyYY/O
モーリィ「二日だ」

アインズ「長い」

サーシャ「いや短いよ!」

モーリィ「完全な竜なら、自分の身体の状態くらい正確に把握しておけ」

アインズ「完全な竜だからこそ、これくらいなら動けると分かるのだ」

モーリィ「動けることと、動くべきかは別問題だ」

アインズ「……」

サーシャ「アインズ、言い返せなくなってる」

アインズ「言葉を選んでいるだけだ」

モーリィ「ふっ……そういうことにしておこう」

サーシャ「モーリィさん、ありがとうございます。私が言っても全然休んでくれなくて……」

モーリィ「竜は頑丈だからな。頑丈であることに慣れすぎて、自分が傷ついていることを軽く見る者も多い……私も昔は似たようなものだった」

アインズ「昔は?」

モーリィ「島長になってからは、私一人が倒れれば済む話ではなくなった。統治者が無闇に命を張れば、その下にいる者たちまで危険に晒す」

アインズ「……」

モーリィ「貴様にも、貴様が倒れれば困る者がいるのだろう?」

アインズ「……分かった。二日間は大人しくしておく」

モーリィ「フッ、素直な竜だな……私はこの後クーのところへ行かなければならない」

アインズ「世界めくれの会議か」

モーリィ「ああ。世界樹の光も全て集まったと聞いている。これから先の話を決める、重要な会議になるだろう」

サーシャ「ガイも出るんですよね?」

モーリィ「暗黒館の幹部であり、光を集めた当人だ。当然だろう……では、私は行く。これは土産だ、少しは腹の足しになるだろう」
籠いっぱいのトコナツ産のフルーツ「」ドサッ!

サーシャ「こ、こんなに……」

アインズ「……気遣い、感謝する。ありがたくいただこう」

モーリィ「フッ……邪魔をしたな」

⭐︎モーリィがアインズのお見舞いに来ました。
793 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:11:52.63 ID:L3eyyYY/O
ーーウォーターポート 大通り

ワイワイガヤガヤ

並べられたアクセサリー「」ズラッ
椅子に座って本を読むモノクルをかけた魔女「」

ガイ「」ジーッ

ベルトーネ『さっきからずっと何を探してるの〜?』

ガイ(……ルーにプレゼントを渡したくてな。好みに合いそうなものを探しているんだ)

フローディア『あら、いいものがあるじゃない。ほら、その端のやつとか』

並べられた指輪「」キランッ

ガイ「……」

モノクルをかけた魔女「おや、そこのかっこいいお客様。指輪にご興味がお有りですか?」

ガイ「……見ているだけだ」

モノクルをかけた魔女「もちろん、見るだけでも大歓迎ですよ。ですが、せっかく足を止めてくださったのですから、少しくらいご案内させてくださいな」
閉じられた本「」パタン

モノクルをかけた魔女「ご自分用ですか? それとも、大切な方への贈り物でしょうか?」ズイッ

ガイ「……贈り物だ」

モノクルをかけた魔女「あら♪それは素敵ですね♪これほど真剣なお顔で選ばれているのです。きっと、とても大切な方なのでしょう?」

ガイ「……余計な詮索はいい。これは、どういう指輪だ?」

端に置かれた黒紫色の宝石の指輪「」キラッ

モノクルをかけた魔女「そちらは夜影石を加工した指輪です。光の当たり方によって、黒にも深い紫にも見える少々気難しい宝石でして」

ガイ「……紫か」

フローディア『白銀の髪には、よく映えそうね。派手すぎないのもあの娘に合っているわ』

ベルトーネ『うんうん、ルーちゃんに似合いそう〜』

モノクルをかけた魔女「それに、こちらは微弱ながら魔力を安定させる効果もございます。日常的に魔法を扱う方への贈り物には最適ですよ」

ガイ「魔力の安定……」

モノクルをかけた魔女「はい。祈れば自動調整機能も働きます♪」

ガイ「……?」

モノクルをかけた魔女「おや、どうかなさいましたか?」

ガイ「……今、なんと言った」

モノクルをかけた魔女「祈れば自動調整機能が働く、と」

ガイ「……まさか、あの時の」

モノクルをかけた魔女「おや?」

ガイ「トゥルーエンド教団の狂信者!?」

モノクルをかけた魔女「まあ♪覚えていてくださったのですね!」

ガイ「忘れられるか!」

モノクルをかけた魔女「光栄です。あの時はご入信、誠にありがとうございました!」

ガイ「入信していない!」

モノクルをかけた魔女「ですが、大魔女様を偉大なお方だとお認めになりましたよね?」

ガイ「尊敬していると言っただけだ」

モノクルをかけた魔女「はい、入信条件達成です♪」

ガイ「その理屈をまだ押し通すつもりか……」
794 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:13:02.14 ID:L3eyyYY/O
モノクルをかけた魔女→シャドウリード「申し遅れました。私、大魔女帝国特級魔女の一人──シャドウリード・アルフェリアスと申します」

帽子を押さえて一礼するシャドウリード「大魔女様の威光を世界中へ広める、宣教師を務めております。以後、お見知りおきを♪」ペコリ

ガイ「……特級魔女が、何故こんな場所で露店を開いている」

シャドウリード「布教活動には資金が必要ですから。こうして魔道具を販売しつつ、将来有望な信徒の方々とのご縁を探しているのですよ」

ガイ「客を信徒候補として見るな」

シャドウリード「大魔女様を敬う心は、どなたの胸にも眠っております。私はそれを優しく起こして差し上げているだけです♪」

ガイ「無理やり叩き起こしているようにしか見えないが」

シャドウリード「まあ、手厳しい」

ガイ「……それで、この指輪は本当にただの魔道具なのか?」

シャドウリード「失礼ですね。今回は入信特典ではなく、正真正銘の商品ですよ。大魔女様への贈り物ですか?」

ガイ「……何故分かった」

シャドウリード「貴方がこれほど真剣に贈り物を選ぶ相手など、私には大魔女様しか思い当たりませんので」

ガイ「俺とルーのことを知っているのか」

シャドウリード「ええ。大魔女様のお気に入りであり、大魔女様とは海の底よりも深い関係の殿方。帝国の特級魔女たちの間では有名ですよ♪」

ガイ「……誰が広めた」

目を逸らすシャドウリード「さて、どなたでしょう?」

ガイ「目を逸らすな」

シャドウリード「情報源の秘匿は営業の基本ですので」

ガイ「お前も広めているだろう」

シャドウリード「皆様が喜ぶお話を共有しているだけですよ♪……それにしても、大魔女様へ指輪を贈るとは……随分と積極的になられましたね」

ガイ「……世話になっている礼だ。深い意味はない」

シャドウリード「まあ♪大魔女様と大通りを歩き、手を繋ぎ、同じ宿でお休みになった方が、今さらそのようなことを?」

ガイ「……何故そこまで知っている」

シャドウリード「大魔女様への信仰心があれば、自然と耳に入ってくるものです」

ガイ「……指輪の説明を続けろ」

シャドウリード「かしこまりました。夜影石は魔力を穏やかに受け流す性質があり、装着者の魔力波長に合わせて輝きが僅かに変化します」

ガイ「ルーほどの魔法使いにも意味はあるのか?」

シャドウリード「実用品として大きな効果は期待できません。大魔女様に一般的な魔力補助具を贈ったところで、補助にはなりませんからね」

ガイ「なら、他の物にするべきか」

シャドウリード「いいえ。贈り物としては適しております。大魔女様にとって価値があるのは、この指輪の性能ではなく、貴方が自ら選んだという事実でしょうから」

ガイ「……いくらだ」

シャドウリード「こちらになります」スッ
値札「」
795 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:13:30.02 ID:L3eyyYY/O
ガイ「……思ったより安いな」

シャドウリード「大切な方へ贈り物を探す、可愛い年下のお客様には少々おまけしておりますので」

ガイ「年下?」

シャドウリード「私、千三百歳ですから。貴方も大魔女様も、私から見ればとても可愛らしい年下です♪」

ガイ「ルーまで可愛がるつもりか」

シャドウリード「大魔女様への愛は信仰。貴方への愛は下心です。きちんと区別しておりますよ……ところで、ガイ様。今から私の宿へ参りませんか?」

ガイ「断る」

シャドウリード「まだお誘いの内容すら説明しておりませんよ?」

ガイ「嫌な予感がするからだ」

シャドウリード「美味しいお茶とお菓子をご用意いたします。二人きりでゆっくりお話ししながら、もっと仲良くなりましょう♪」

ガイ「目的はそれだけじゃないだろう」

シャドウリード「大魔女様のお気に入りである素敵な年下の殿方と、朝まで親睦を深めたいという純粋な下心です♪」

ガイ「純粋と下心を並べるな」

シャドウリード「もちろん、大魔女様とのご関係についても詳しくお聞きしたいですね。普段どのようなお話をされるのか、どちらから手を繋ぐのか、どのように仲を深めているのか──」

ガイ「話すつもりはない」

シャドウリード「では、私と宿で仲良くなりながら、実地で思い出していただくというのはいかがでしょう?」

ガイ「何を実地で試すつもりだ」

シャドウリード「それは宿に着いてからのお楽しみです♪」

ガイ「ルーとの関係を知っていて、よく俺を誘えるな」

シャドウリード「それとこれとは別のお話です。大魔女様のお気に入りを口説いてはいけないという戒律はございませんので。大魔女様が直々に制定なさるのであれば従いますが、それまでは自由恋愛です♪」

ガイ「俺にその意思はない」

シャドウリード「不落ですね。ますます口説き甲斐がございます……気が変わりましたらいつでもいらしてください。お茶とお菓子、それから入信書を用意してお待ちしておりますので♪」

ガイ(大魔女帝国の特級魔女は……濃いな、色々と……)

⭐︎指輪を買いました。
796 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/07/27(月) 00:14:16.65 ID:L3eyyYY/O
では、あまり進んではいませんが本日はここまでです。
次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/27(月) 00:53:53.80 ID:4IEdvlsso
まさかのあの時の狂信者モブがネームド昇格とは
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/07/27(月) 02:24:51.18 ID:BrADZf1+o
おつ
総決算の最終章だし仕方ないね
そういえば各地の暗黒館幹部も招集されたりするのかな
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 14:18:08.00 ID:MowvMeCi0

エリザベートも暗黒街のメンバーになるとは思わなかったな。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 15:03:52.03 ID:6DRBqM2RO
変人度特級
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 16:02:13.96 ID:sS8zhz7KO
やっぱり大魔女帝国特級魔女はクセが強い人達が結構いるな
802 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:45:03.58 ID:MKP9w+TEO
>>797
キャラ設定を読んでいるとき、ふと思い出したのであのような形にさせていただきました。個人的にはうまくハマった気がするのですがどうでしょうか。

>>798
ありがたいお言葉です。
全員ではありませんが、ある程度集めてみました。

>>799
彼女と暗黒館の相性は良さげな感じがしたので入れてしまいました。うまく活躍させてあげたいですね。

>>800 >>801
大魔女様を愛し、愛されていた人々の中でも関係が深い立場の人達だったので、その感情はすごく複雑な感じになっていたのかもしれません。
たまたま、そのような気風の人が集まってしまっただけかもしれませんが。
真実は闇の中です。
803 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:46:14.71 ID:MKP9w+TEO
ーー暗黒館1F 酒場

クー「──揃ったわね。今回は集まってくれてありがとう。暗黒館のオーナーとして、まずは感謝を述べさせてもらうわ」

フラナ「あら、ずいぶんと殊勝な挨拶じゃない?」

モーリィ「茶化すな、フラナ……続けろ」

クー「……五つの世界樹の光の残滓が、ついに揃った。これで、世界めくれを止めるための条件は整ったわ」

サリー「世界樹の精霊の声が聞こえなくなってから十年……ようやく、世界を元に戻すために動き出せるのですね」

手をかざすトゥルーエンド「早速だけど、世界めくれを止める方法を説明するわ」スッ

魔力で作られた地図「」フォンッ

トゥルーエンド「五つの世界樹の光の残滓は、現在、翡翠の賽に集められている。その力を一つに束ね、発生源へ直接流し込むことで、世界を歪め続けている力の流れを断ち切るの」

パティ「つまり、翡翠の賽そのものをセイントレアの発生源まで運ばなければならないのね」

ヨードリー「正気か?あの場所へ向かった者は、これまで誰一人として帰ってきていない。それを承知で向かうと言うのなら、相応の策があるのだろうな?」

トゥルーエンド「知っての通り、これまで各国は有志で構成した調査隊を、定期的にセイントレアへ送ってきた」

トゥルーエンド「それでも、魔力的にも物理的にも隔絶されたあの場所には、未だ謎が多い。判明しているのは、接近した気球や、空を飛んで向かった者たちが例外なく墜落していること。そして、回収された残骸や墜落地点から、強い星属性の魔力が検出されていることくらいよ」

パティ「自然に発生した魔力ではないわね」

トゥルーエンド「ええ。残留した魔力の状態から見ても、明確な意思をもって放たれた攻撃と考えるべきでしょう」

ヨードリー「つまり、セイントレアの上空には、接近する者を迎撃する何者かがいるということか」

トゥルーエンド「その可能性が極めて高いわ」

クー「それを踏まえて、ここからは現地で作戦指揮を執る者に説明してもらうわ」

一礼するリュウトウ「」ペコリ

リュウトウ「オノゴロ代表、将軍のリュウトウだ。此度の作戦では、現地で船団の指揮を執らせてもらう」

モーリィ「……現地での指揮だと?」ピクッ

リュウトウ「先ほどの報告にあった通り、セイントレアの上空には、接近する者を迎撃する何かが存在すると見て間違いない」

ヨードリー「それに対抗する策が、オノゴロにはあると?」

地図に触れるリュウトウ「ああ」スッ

浮き上がる赤い点々「」ポワ……

リュウトウ「これまで、異なる方角から無人の観測用気球をほぼ同時に接近させる調査が行われた。その際、二つの気球がわずかな時間差で撃墜されている」

リュウトウ「同様の調査は、方角と高度を変えて複数回行われている。いずれの場合も、攻撃は一つの目標を撃墜した後、別の目標へ向け直されていた」

リュウトウ「攻撃の間隔には多少の差があるが、複数の目標を完全に同時攻撃した記録は、現在まで確認されていない」

パティ「確実とは言えないけれど、少なくとも迎撃の処理能力には限界がある可能性が高いということね」

リュウトウ「そうだ。そこで今回の作戦では、飛空挺船団を複数の進入群へ分ける。それぞれが異なる方角から、ほぼ同時にセイントレアへ突入する」

ザワ……
804 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:46:42.45 ID:MKP9w+TEO
トゥルーエンド「静粛に……まだ説明は終わっていないわ」

リュウトウ「各進入群は複数の飛空挺で構成し、群内では互いに援護しながら前進する。敵の攻撃を船団全体へ分散させ、その隙に翡翠の賽を運ぶ主進入群をセイントレアへ到達させる」

フラナ「つまり、ほかの飛空挺が敵の注意を引きつけて、その隙に本命を送り込む……そういうことね?」

リュウトウ「大筋ではその通りだ。ただし、ほかの飛空挺を無抵抗な囮として飛ばすつもりはない」

リュウトウ「各艇は相互に援護し、敵の攻撃を回避しながら本隊の進路を確保する。船体には、回収された星属性の魔力を分析して開発した多層式の防護結界を施す予定だ」

パティ「星属性の攻撃そのものを防ぐことはできるの?」

リュウトウ「完全には不可能だ。だが、直撃を受けた際に魔力を船体全体へ分散させ、撃墜までの時間を稼ぐことはできる」

パティ「一撃を防ぐ盾ではなく、一撃で落とされないための備えというわけね」

リュウトウ「ああ。その数秒があれば、回避行動や僚艇からの援護が間に合う可能性がある」

マリッサ「けれど、世界樹の光を積んだ船が見抜かれれば、それで終わりではなくて?」

リュウトウ「そのため、主進入群を構成する飛空挺には、ガイと翡翠の賽を受け入れるための設備を共通して搭載する。一隻が航行不能となっても、別の飛空挺へ引き継げるようにする」

リュウトウ「また、搭載艇が航行不能となった場合には、隣接する飛空挺が魔力牽引によって回収できる構造にしてある」

レーティア「本命が一隻落ちれば、すべてが終わるという作戦ではないのですね」

リュウトウ「可能な限り、一度の失敗で作戦全体が潰れないよう備えている」

パティ「理屈はわかったわ。問題は、それを実行に移せるだけの準備が整っているかどうかね」

リュウトウ「突入に用いる飛空挺は、すでに必要な数を揃えてある。作戦に合わせた改修と整備も、ほぼ完了している」

リュウトウ「現在、オノゴロ空軍は船団飛行、緊急回避、相互援護、封印槽の回収を想定した訓練を繰り返している。作戦開始の命が下り次第、出撃できる状態まで仕上げるつもりだ」

クー「ずいぶんと早く準備が進んだのね」

リュウトウ「我が国だけの力では、ここまで早く整えることはできなかった」チラッ

リュウトウ「飛空挺の建造、改修、武装の調達にあたり、ミュージアから多大な資金援助を受けている。この場を借りて、改めて礼を申し上げる」

レーティア「礼には及びません。世界めくれを止めるために必要な投資ですから」

リュウトウ「そして、イスファハーンからも御三家すべての合意のもと、支援を受けている。資金のみならず、資材の調達にも尽力してもらった」

マリッサ「すでに私たちの意思は固まっているわ。必要なものがあるなら、遠慮なく要求なさい……この作戦に世界の未来が懸かっている以上、出し惜しみをするつもりはないわよ」

リュウトウ「……感謝する」

リュウトウ「もう一つ、先に伝えておかなければならないことがある」

リュウトウ「損傷艇の救助は可能な限り行う。だが、救助のために船団全体が停止し、作戦の継続が不可能になると判断した場合は、救助を打ち切って前進する」

リュウトウ「参加者には、その可能性を事前に説明する。それを承知した者にのみ、作戦への参加を求めるつもりだ」

リュウトウ「各国の支援により、作戦に必要な器は揃った。だが、その船を動かし、命を懸けて戦う者までは、我が国だけでは賄いきれん」

頭を深く下げるリュウトウ「頼む……!この作戦を成功させるため、各国から戦える者たちを派遣してもらいたい!一人でも多くの兵が加われば、それだけ船団を守り、生きて帰れる者を増やすことができる!」

頭を下げるクー「……私からもお願いするわ。世界の命運を懸けたこの作戦に、どうかあなたたちの力を貸して」

シーン……
805 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:47:10.98 ID:MKP9w+TEO
パティ「……ユーシリアからは、魔法騎士団と竜騎兵団の騎士を派遣するわ。船上での戦闘や魔力防御に適した者を、こちらで選抜しておく。船団に受け入れてもらえるわね?」

クー「!」

リュウトウ「無論だ。感謝する」

ヨードリー「テラヌス・ウルスには、幾度も死線を越えてきた者が揃っている。飛空挺の扱いは知らずとも、危険な場所で何をすべきかは心得ている。我々も必要な者を選抜し、派遣しよう」

サリー「……十年間、待ち続けた機会です。フォレスティナも、できる限りの人員を出します。世界樹の精霊たちのためにも、どうか私たちを船団へ加えてください」

リュウトウ「……感謝する。各国の兵が加われば、一人でも多く生きて帰れる可能性が高まる」

クー「今回、この場へ来られなかった国々からも、協力の申し出を受けているわ。必要な物資や人員については、これから各国と調整を進めて──」

モーリィ「待て」

レーティア「モーリィさん?」

モーリィ「……先ほどから黙って聞いていれば、リュウトウ。お前は当然のように、自分も現地へ赴くつもりでいるようだな」

リュウトウ「ああ。そのつもりだ」

モーリィ「一国を預かる者が、軽々しく危険な場所へ出ようとするものではない。お前に何かあれば、残された国と民はどうなる?兵と共に戦うことだけが、将の責務ではないぞ」

リュウトウ「……もっともな言葉だ」

リュウトウ「国を預かる者として、軽率な判断が許されぬことは承知している。私が倒れれば、オノゴロに少なからぬ混乱が生じることも否定はできない」

リュウトウ「だが、此度の作戦では、これまで誰一人として帰還していない死地へ、多くの者を送り込むことになる。全員が生きて帰れるなどと、楽観することはできん」

モーリィ「なら──」

リュウトウ「だからこそ、私は彼らと共に行く」

リュウトウ「この船団戦術を立案し、各艦長と訓練を重ねてきたのは私だ。飛空挺の性能も、兵の練度も、船団がどの程度まで無理を利かせられるかも把握している」

リュウトウ「未知の攻撃を受ける戦場では、後方からの指示を待つ時間などない。状況に応じ、即座に全艇へ命令を下せる者が現地に必要となる」

モーリィ「お前自身が攻撃を受け、指揮を執れなくなった場合はどうする」

リュウトウ「副指揮官と、各進入群の指揮官をすでに定めてある。私が指揮不能となった場合は、事前に決めた順位に従って権限を引き継ぐ……少なくとも今回ばかりは、安全な場所から命令を下すだけで、私の責任を果たせるとは思わん」

モーリィ「……お前に万一のことがあれば、オノゴロはどうする」

リュウトウ「私が不在となる間の政務は、キキョウをはじめとする重臣たちに任せる」

リュウトウ「私が帰還できなかった場合に備え、指揮権と統治権の継承についても、すでに必要な手筈を整えてある……国を放り出し、無謀に死地へ赴くわけではない。オノゴロと作戦、その双方を考えた末に、私が現地で指揮を執るべきだと判断したまでだ」

モーリィ「……なるほど。そこまで考えたうえでの決断なら、これ以上止めるのは野暮というものか」

リュウトウ「理解してもらえるか」

モーリィ「だが、理解したからといって、お前一人に格好をつけさせるつもりはない」

リュウトウ「何?」

モーリィ「世界めくれを止めるなどという、世界の命運を懸けた大仕事だ。オノゴロだけに一番槍を任せて、トコナツが指をくわえて見ているわけにはいかん」

モーリィ「トコナツからは、私自身が船団に加わる」
806 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:48:06.20 ID:MKP9w+TEO
フラナ「あら。さっきまで他人の無茶を咎めていた人が、今度は自分から乗り込むと言い出すなんてね」

モーリィ「リュウトウの話を聞いたうえで判断を改めただけだ。何か文句があるか?」

フラナ「いいえ。むしろ気に入ったわ……魔族国バイオレットも傍観しているわけにはいかないわね。私の国には、種族ごとに異なる能力を持つ者が多い。飛行能力に長けた者、魔力の扱いに長けた者……船上や空中での戦いに適した者を選抜して、船団に加えさせるわ」

フラナ「特に、船から放り出された者の救助と損傷した飛空挺からの乗員の退避は、魔族の得意分野を活かせるはずよ。墜ちた船を救うのは無理でも、墜ちる人間を救うことはできるわ」

リュウトウ「救助要員か……確かに、現在の空軍だけでは十分な数を確保できていない」

フラナ「それと、魔力を吸収したり、術式を妨害したりできる者も何人かいるわ。星属性の攻撃にどこまで通用するかは分からないけれど、試す価値はあるでしょうね」

トゥルーエンド「大魔女帝国の役割についても説明しておきましょう。作戦を決行するまでの間、大魔女帝国はセイントレア周辺の継続調査を担当するわ」

ヨードリー「また調査隊を送り込むのか?」

トゥルーエンド「いいえ。これ以上、同じ方法で犠牲者を増やすつもりはないわ。セイントレアへ直接近づくことはせず、遠距離観測を主体とする」

トゥルーエンド「有人の調査隊を近づけることはしないわ。遠隔操作式の観測魔導具や無人の気球を境界付近へ送り込み、複数の観測地点から魔力の変化を記録する……それによって、星属性の魔力が反応する範囲、攻撃が届く距離、迎撃が始まる条件を可能な限り割り出す」

リュウトウ「得られた情報は、船団の進路へ反映させたい」

トゥルーエンド「もちろんよ。観測結果は随時オノゴロへ送り、訓練で使用している想定航路も更新してもらうわ」

パティ「世界めくれの発生源についても調べるのでしょう?」

トゥルーエンド「ええ。現在の観測では、歪みの中心はセイントレアにあるとしか分かっていない。けれど、都のどこへ世界樹の光を運ぶべきかまでは特定できていないわ」
807 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:48:33.60 ID:MKP9w+TEO
魔力で作られた地図「」フォンッ

トゥルーエンド「作戦までに魔力の流れをさらに解析して発生源の位置を可能な限り絞り込む。船団がセイントレアへ到達しても、行き先が分からなければ意味がないもの」

クー「必要な協力は得られたようね。肝心の、集まった世界樹の光については、私たち暗黒館が管理し、セイントレアまで必ず届ける……これに異存がある人はいる?」

サリー「五つの光の残滓を集めた経緯は聞いています。暗黒館が管理することに対して、我々フォレスティナとして反対することはありません」

トゥルーエンド「大魔女帝国も同意見よ。ユーシリアの内戦を止め、テラヌス・ウルスとオノゴロでも結果を残した暗黒館が管理するのであれば、何も言うことはないわ。世界樹の光を託すだけの実績と、それを悪用しないと信じられるだけの信用があるもの」

パティ「ユーシリアも異存はないわ。そもそも、五つの光を集めたのは暗黒館の者たちでしょう。ここで管理を別の組織へ移すほうが、かえって混乱を招くもの」

ヨードリー「我々も同意する。世界樹の光を巡って国同士が主導権を争えば、作戦を始める前に足並みが崩れかねん」

レーティア「ミュージアとしても、暗黒館による管理を支持します。各国のいずれにも属さない組織が預かるほうが、公平性も保たれるでしょう」

マリッサ「イスファハーンも異論はないわ。もっとも、今になって横から手を伸ばして、私たちに渡せと言い出すような国があれば話は別だけれど」

フラナ「あら。そのときは、あなたが相手を黙らせてくれるのかしら?」

マリッサ「必要なら、穏便に話をつけてあげるわよ」

モーリィ「お前たちの言う穏便ほど信用できんものもないな」

クー「反対はないようね。世界樹の光は引き続き暗黒館が管理するわ。各国は人員と物資の選定を急いで。大魔女帝国は調査の継続、オノゴロは船団の最終調整を進めて」

クー「すべての準備が整い次第、セイントレアへの突入作戦を決行する。以上で、今回の会議は終了よ」

808 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:49:15.69 ID:MKP9w+TEO
ーー暗黒館2F オーナールーム

クー「私たち暗黒館は、各国の支援を受けたオノゴロ空軍の飛空挺船団と共にセイントレアへ突入し、翡翠の賽を持つガイを必ず世界めくれの発生源まで到達させる……それが、今回の私たちの任務よ」

ガイ「……」グッ

イーリン「セイントレア……やはり、あそこが世界めくれの始まりの場所だったのですね」

リーゼリット「ついにこの時が来た……って感じだね」

グレイグ「ハッハッハッ!いいじゃねぇか!世界中から戦力をかき集めて、誰も帰ってきたことのない場所への殴り込みだ!暗黒館の悲願を締めくくるには、派手で申し分ねぇ!」

フェルメール「オーッホッホッホッ!その歴史的な作戦に、新たな幹部であるこのフェルメールが加わるのですわね!」

リュアン「フェルメールさん……私たちは暗黒館に保護してもらった立場であって、幹部になったわけでは──」

フェルメール「リュアンさん!こういうのは雰囲気が大事なのですわ!それに、この場へ呼ばれたということは、幹部級の扱いと同義とみてもよいでしょう!?」

リーゼリット「あはは……二人とも、相変わらず元気そうですね」

ドルク「でもまあ、今は少しでも人手が多い方がいいだろ。手伝ってくれるってんなら、立場に関係なく仲間みたいなもんだ!」

リン「えー、いいの?そんな大雑把なくくりで……」

クー「いいのよ。肩書きが何であれ、力を貸してくれるなら仲間として扱う。それが暗黒館よ……リュアンとフェルメールをここへ呼んだのは、二人の力が今回の作戦に必要だから」
809 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:49:47.47 ID:MKP9w+TEO
クー「二人に伝えるのは、ある対策を検討するために必要な範囲だけよ。翡翠の賽の保管場所や、実際にガイを乗せる飛空挺については共有しない」

リーゼリット「そこまで徹底して情報を絞るんですね。少し意外かも……」

クー「当たり前でしょう。世界の命運がかかっているのよ」

リン「……でも、ちょっとやりすぎじゃないですか、オーナー?」

クー「こういうのは、やりすぎなくらいがちょうどいいのよ」

アルバ「……」

バールベルト「おかしいなぁ……この前まで遺跡漁りをしていたはずなのに、どうして世界の命運を懸けた作戦に巻き込まれているんだろう……って、アルバさん?どうかしましたか?」

アルバ「セイントレアへ戻る日が来るとは思っていなかった」

バールベルト「戻る?……そうか。アルバさん、あの国の騎士だったんですよね」

アルバ「ああ」

バールベルト「……大丈夫なんですか?」

アルバ「何がだ」

バールベルト「何がって……その、アルバさんにとっては、辛い場所なんじゃないですか?」

アルバ「十年前、俺は王国の騎士でありながら、何も守れなかった。生き残った俺を救ったのは、敵対視していた魔族国の救助隊だった」

アルバ「俺が信じていたものも、守ろうとしていたものも、あの日を境にすべてが分からなくなった」

アルバ「今のセイントレアがどうなっているのか……気にはなる。だが、それを確かめるために向かうわけではない。俺は与えられた任務を果たすために向かうだけだ」

810 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:50:40.96 ID:MKP9w+TEO
クー「隠しても仕方がないから、正直に話すわ」

クー「今回の作戦に参加する飛空挺は、どの一隻にも無事に帰還できる保証がない。飛空挺の多くを失う可能性も、人員に犠牲が出る可能性も高いわ」

バールベルト「……それって、どういう意味ですか?」

クー「言葉どおりよ。セイントレアへ近づけば、星属性の攻撃を受ける。過去に接近した飛行物は、例外なく撃ち落とされているわ」

クー「船団を組むのは、その攻撃を完全に防ぎ切れるからではない。敵の迎撃を複数の飛空挺へ分散させ、互いに援護しながら、ガイと翡翠の賽を少しでも先へ進ませるためよ」

リーゼリット「それじゃあ……ほかの飛空挺は、囮ってことになるんですか?」

クー「囮としての役割も負うわ」

リーゼリット「そんな……!」

クー「でも、最初から撃ち落とされるために飛ばす船は一隻もない。どの船も囮であり、同時にガイを引き継ぐ本命よ。ガイの乗る船が航行不能になれば、隣接する飛空挺へ移る。その船も駄目になれば、さらに次の船へ引き継ぐ」

クー「だから、最初にガイを乗せた一隻だけが本命なのではない。ガイと翡翠の賽を引き継げるかぎり、主進入群のすべての船が本命になる」

クー「船団は複数の進入群に分かれる。私たち暗黒館とガイは、翡翠の賽を運ぶ主進入群に加わるわ」

クー「主進入群では、一隻が攻撃を受ければ、後続の飛空挺が援護しながらその横を抜けて前へ出る。先頭を固定するのではなく、被害を受けた船を後方へ下げ、動ける船が前へ出るの」

クー「飛空挺が損傷した場合は、可能な限り乗員を救助する。救助に適した部隊も、魔族国が用意してくれているわ」

クー「けれど、救助のために船団全体が足を止めれば、敵に狙いを定める時間を与えることになる。ガイを乗せた飛空挺が危険にさらされている場合や、救助によって作戦全体が停止する場合には……救助を断念して先へ進む」

クー「目の前で飛空挺が墜ちても、残った船はセイントレアへ向かわなければならない。それが、この作戦よ」

バールベルト「……見捨てるってことじゃないですか……」

クー「そうよ」

イーリン「オーナー……」

クー「どれだけ言葉を飾っても、救える者を置いて進むなら、それは見捨てるということよ」

クー「それでも、全員を救おうとして世界めくれを止める機会を失えば、それまでに墜ちる者たちの犠牲も、すべて無駄になる」

クー「だから、選ばなければならない。目の前の一隻を救うか、世界めくれを止める可能性を残すかを」

ドルク「世界を救うためだってのは分かるけどよ……あんまりだろ、そんなの……!」

リュアン「飛空挺に乗る方々は、そのことを承知しているのですか?」

クー「当然よ。安全な作戦だと偽って乗せるつもりはないわ……セイントレアへ近づけば帰還できない可能性があることも、状況によっては救助を断念して先へ進むことも、事前にすべて伝える」

クー「そのうえで、それでも参加すると決めた者だけを船団へ乗せるわ。辞退する者を責めることも、処罰することもない。本人の意思で選ばせる」

クー「それでも参加する者には、恐怖に呑まれず、自分の役目を果たすための備えが必要になる……身体を守る装備だけでは足りない。目の前で仲間の船が墜ちても、次に何をすべきか判断できるだけの、心の備えが必要になる」チラッ

フェルメール「……なるほど。そこで、わたくしの魔法というわけですわね」

リン「?」

フェルメール「わたくしは、記憶を操る魔法が使えますの。一人の人生を丸ごと作り変えるような芸当はできませんけれど、一つか二つの記憶を、大勢の人間へ同時に植え付けることはできますわ」

ドルク「それで、何を覚えさせるつもりなんだ?」

フェルメール「自分はデロデロ教の信徒である、という記憶ですわ」
811 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:51:28.20 ID:MKP9w+TEO
リン「……え?」

バールベルト「いやいやいや!それ、完全に洗脳じゃないですか!?」

フェルメール「否定はいたしませんわ。正確には、リュアンさんの説法を聞き、自らデロデロ教へ入信することを選んだ日の記憶を植え付けますの」

ドルク「わざわざ信徒にする必要があるのか?恐怖を乗り越えた記憶でも入れればいいだろ」

フェルメール「わたくしが植え付けられるのは記憶であって、実際の経験や技術ではありませんの。訓練を受けた記憶を与えても、身体が技術を習得するわけではありませんわ」

フェルメール「それに、強固な信仰心を一から作り上げることもできませんわ……ですが、自分はかつてリュアンさんの言葉に救われ、自ら信じることを選んだ。その記憶があれば、少なくともリュアンさんの声を、信頼できる導きとして受け入れやすくなる」

フェルメール「恐怖で何も聞こえなくなったときにも、リュアンさんの言葉だけは心へ届く可能性が高まりますわ」

リュアン「……それは、その方の意思を奪うことになります」

フェルメール「承知しておりますわ」

リュアン「承知しているのなら、なぜそのような提案を?」

フェルメール「この作戦では、目の前で仲間の乗る飛空挺が墜ちるかもしれません。船から助けを求める声が聞こえても、救助できずに進まなければならないこともある」

フェルメール「その光景を前に、恐怖や罪悪感で心を壊してしまう方が出るでしょう……そのとき、ただ落ち着けと叫んだところで、聞こえるとは限りませんわ」

フェルメール「ですが、自分が心から信じている導師の言葉であれば……ほんの僅かでも、恐怖の中へ届く可能性がありますの」

ドルク「だから、全員をあらかじめデロデロ教徒にするってのか!?」

フェルメール「全員へ無断で使うとは申しておりませんわ」

ドルク「……何?」

クー「この魔法を、作戦参加の条件にはしないわ。魔法の内容、効果、危険性を本人へ説明し、記憶を植え付けることへ明確に同意した者だけを対象にする」

クー「魔法を拒んでも、船団への参加を断る必要はない。配置や待遇で不利益を与えることも認めないわ……それに、暗黒館だけで決定できる話でもない」

クー「各国の代表者と派遣部隊の責任者へ提案を伝え、許可を得た部隊に限って実施する。本人が同意しても、所属国が認めなければ、その者には使わないわ」

バールベルト「そこまでしても……人の記憶を書き換えることには変わりませんよ」

フェルメール「ええ。変わりませんわ……ですから、わたくしは、この方法が正しいなどとは申しません」

フェルメール「ただ、正しくないからという理由だけで、救える可能性のある手段を捨てることもできませんの」

ドルク「正しいかどうかだけの話じゃねぇだろ!」

フェルメール「分かっていますわ!」

フェルメール「ですが、船を操る方が恐怖で動けなくなれば、その飛空挺に乗る全員が墜ちるかもしれない!」

フェルメール「退避する方が足を止めれば、救助しようとした方まで巻き添えになるかもしれません!」

フェルメール「わたくしの魔法で救える可能性があるのなら、何もせず見ていることの方が正しいと仰いますの!?」

ドルク「っ、それは……」

リュアン「……私は反対です」

フェルメール「リュアンさん」

リュアン「信仰とは、誰かに植え付けられるものではありません」

リュアン「救いを求める方が自ら言葉を聞き、自ら信じるかどうかを選ぶものです」

リュアン「偽りの記憶によって私を信じさせ、その信頼を利用して心を動かすのであれば……それは救いではありません」
812 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:51:54.06 ID:MKP9w+TEO
フェルメール「では、恐怖で動けなくなった方を、そのままにするのですか?」

リュアン「そうは言っていません」

フェルメール「では、ほかに確実な方法があるのですか?」

リュアン「……」

フェルメール「私たちに失敗は許されませんの」

フェルメール「この方法で全員を救えるとは申しません。わたくしの魔法が通じない方もいるでしょう……それでも、恐怖に呑まれる寸前の一人へ声を届けられれば、その方が操る飛空挺と、そこに乗る者たちを救えるかもしれません」

フェルメール「わたくしは、その可能性を捨てたくありませんの」

リュアン「……だからといって、本人の心へ何を植え付けてもよいことにはなりません」

フェルメール「ええ。ですから、何を植え付けるのかを、あなたに決めていただきたいのですわ」

リュアン「私に……?」

クー「リュアン。フェルメールの提案を、そのまま受け入れろとは言わないわ」

クー「けれど、実際に魔法を使うのであれば、あなたの協力が必要になる。ただ自分は信徒だという認識だけを植え付けても、恐怖に呑まれた者を支えることはできない」

クー「その者が、どんな言葉を聞いて救われたと記憶するのか。恐怖の中で何を思い出し、次に何を選べるようにするのか」

クー「それを決められるのは、導師であるあなたよ」

リュアン「……植え付ける記憶は、私の言葉を絶対に正しいと信じるものにはしないでください」

フェルメール「ええ」

リュアン「私の命令へ逆らえない記憶も、教えのためなら死んでもよいと思わせる記憶も認めません。ほかの信仰や、大切にしてきた考えを否定させる内容も駄目です」

リュアン「すでに別の信仰を持つ方や、植え付けた記憶と本人の心が強く衝突する方には使用しないでください」

フェルメール「約束しますわ」

リーゼリット「……本人が受け入れたとしても、偽物の記憶でその人の心を支えるなんて……本当に、それでいいのかな……」

グレイグ「リーゼリット。コトがコトだ……綺麗事は言ってられねぇ。使えるものは全部使って、一人でも多く生きて帰らなきゃならねえんだ。この作戦に参加するヤツはみんな……覚悟している」

ガイ「……」
813 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:52:23.54 ID:MKP9w+TEO
ガイ「俺一人を進ませるために、何人死ぬことになるんです?」

クー「分からないわ」

ガイ「何隻、墜ちるんですか?」

クー「それも分からない」

ガイ「最悪の場合は?」

クー「本当の最悪は、あなたも翡翠の賽も発生源へ届かず、船団が全滅することよ」

クー「作戦が成功する可能性を残したうえでの最悪なら……あなたを乗せた最後の一隻を除いて、すべての飛空挺を失うことになる」

ガイ「……そうですか」

クー「ガイ。これは、あなた一人を救うための作戦ではないわ。あなたが翡翠の賽を持っているから、あなたを世界めくれの発生源まで運ぶ。あなたでなくてもできることなら、最初から一人にこれほどの責任を負わせてはいない」

ガイ「死ぬ者から見れば同じです。俺を乗せた船を進ませるために、自分たちの船が墜ちる……俺が生きている間に、何人も死ぬかもしれない」

クー「ええ。それでもあなたは、振り返らずに進まなきゃいけない」

ガイ「……」

クー「助けを求める声が聞こえても、あなたは進まなければならない。仲間の乗る飛空挺が墜ちても、翡翠の賽を持って先へ進まなければならない」

クー「自分だけが生き残ったとしても、世界めくれの発生源へ辿り着き、世界を救わなければならない」

クー「それが、あなたに任せる役目よ」

ガイ「俺が立ち止まれば、それまでに死んだ者たちの命が無駄になる。だから、何が起きても進む」

ガイ「誰かが俺のために死んだとしても、その死を理由に止まることはしない」

ガイ「すべて背負って、セイントレアまで辿り着きます」

クー「……ええ」

アルバ「オーナー」

クー「何?」

アルバ「俺は、主進入群の先鋒へ乗せろ」

クー「最も攻撃を受ける可能性が高いわよ」

アルバ「分かっている」

クー「かなりの確率でそのまま墜ちることになる」

アルバ「それでも構わない」

バールベルト「構いますよ!」

アルバ「前方で攻撃を抑える人間が必要だ」

バールベルト「だからって、どうして毎回アルバさんが一番危ない場所に行くんですか!?」

アルバ「俺が適任だからだ」

バールベルト「死んでも構わないと思っているからじゃないでしょうね!?」

アルバ「……」

バールベルト「黙らないでくださいよ!」

ズンズン……

グレイグ「なーにが、俺が適任だ、だよ。お前一人だけに任せられるかっての」

アルバ「グレイグ」

グレイグ「俺も前へ出る。先頭の船が攻撃を受けたとき、俺の風魔法なら、攻撃を受けた船体の姿勢を一時的に支えられる。完全に墜落を止められなくても、乗員が逃げる時間くらいは稼げるだろ」

アルバ「危険な場所だと聞いていなかったのか?」

グレイグ「お前こそ任務を理解してんのか?オーナーは、可能な限り全員を生きて帰すつもりだ。犠牲が必要だからって、最初から死ぬ気の奴を先頭に置くわけじゃねぇんだよ」
814 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 20:53:14.95 ID:MKP9w+TEO
アルバ「……好きにしろ。ただし、足は引っ張るな」

グレイグ「ハッハッハッ!そいつはこっちの台詞だ!」

バールベルト「笑い事じゃないんですけど……」

アルバ「バールベルト。お前は後方の飛空挺へ乗れ」

バールベルト「どうしてアルバさんが決めるんですか?」

アルバ「お前は危険に対する嗅覚が鋭い。周囲を確認し、異変に気づいたらすぐに伝えろ」

バールベルト「それって、誰より先に危険を見つけろってことですか?」

アルバ「ああ」

バールベルト「いやいやいや!そんな無茶な役目を、当然みたいに押しつけないでくださいよ!」

アルバ「これまでにも、危険になる前から何度も騒いでいただろう」

バールベルト「怖がっていただけですって!」

アルバ「それで構わない。怖いからこそ、他の者が見落とす危険にも気づける」

バールベルト「……褒めてるんですか、それ?」

アルバ「事実を言っている」

バールベルト「言い方ァ!!」

クー「……役割の詳細は、各国から派遣される人員が確定してから決めるわ」

クー「この作戦では、誰かが墜ちる可能性を前提に進まなければならない。自分の乗る飛空挺がその一隻になる可能性もある」

クー「それでも参加するかどうか、自分で決めなさい」

ドルク「へっ……今さら逃げる気はねぇよ」

リン「私も。怖くないって言ったら嘘になるけどね」

バールベルト「怖いですけど……ここまで知っちゃったら、なにもしないなんてできないし……!」

アルバ「無理をする必要はない。嫌なら残れ」

バールベルト「……行きますよ!でも、絶対死にたくないので、必ず私を生きて帰してくださいね!約束ですよ!?」

アルバ「……分かった」

イーリン「オーナー。私も覚悟はできています」

クー「イーリン……」

イーリン「ですが、犠牲を当然のものとして扱うつもりはありません。一人でも多く帰還させるため、考えられる限りの準備を整えます」

クー「……そうね。作戦を止めることはできない。けれど、だからといって、救える命まで最初から諦めるつもりもないわ」

クー「最後の一瞬まで、全員が生きて戻るために動きなさい」

クー「世界めくれを止めて……必ず帰ってきて」

815 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 21:25:20.02 ID:0scmd4DLO
ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

トゥルーエンド「……そろそろ大魔女帝国へ戻るわ。会議で決まった内容を、向こうにも伝えなければならないもの」

ガイ「そうか。なら、帰る前に渡しておきたいものがある」

ゴソゴソ……

トゥルーエンド「?」

指輪を差し出すガイ「」スッ……

トゥルーエンド「指輪……?」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「……私にくれるの?」

ガイ「そのつもりで買った。受け取ってくれ、ルー」

トゥルーエンド「……」

ガイ「気に入らなかったか?」

トゥルーエンド「逆よ。少し驚いただけ。あなたが自分から、こんなものを選んでくれるとは思っていなかったもの」

ガイ「俺だって贈り物くらいは選べる」

トゥルーエンド「ふふっ……そう。それなら──」

左手を差し出すトゥルーエンド「」スッ……

ガイ「自分で着けられるだろう?」

トゥルーエンド「ええ。でも、あなたから渡したのだから、最後まで責任を持ってちょうだい。さて、どの指にはめてくれるのかしら?」

ガイ「……分かった」

左手の薬指「」スッ……

指輪を見つめるトゥルーエンド「……」ジッ……

ガイ「……ここでいいか?」

トゥルーエンド「ふふっ……そう。大事にするわね」

ガイ「落とすなよ」

トゥルーエンド「あなたこそ、私が戻ってくるまでに死んだりしないでよね」

ガイ「約束しただろ?必ず青い空を見せると」

トゥルーエンド「ふふっ……それじゃあ、またね。ガイ」

ガイ「ああ……またな、ルー」

口づけを交わすガイとトゥルーエンド「」チュッ

タタッ

窓から箒で飛び立つトゥルーエンド「」ピョンッ

ビュオオオ──

ガイ「……」

ガイ(作戦決行は近い。覚悟は決まっている……だが、仮にセイントレアへ辿り着けたとして、本当の持ち主ではない俺に、世界めくれを止められるのか……?)

ベルトーネ『本当の持ち主じゃない代行者でも、世界樹の光の力自体を扱うことはできるけど……世界めくれを止めるってなると、ちょっと怪しいかもね〜』

フローディア『聖女と言ったわね?……見つけられるといいのだけど、今どこにいるのかも分からないのでしょう?』

ガイ(セイントレア突入までは、まだ少し時間がある。答えが出ないまま考え続けても仕方がない。それまでは、今の俺にできることをして過ごそう)

◆コンマ下1
セイントレア突入まで
01-40 2日
41-90 3日
91-00 4日

◆現在はウォーターポートです。
何をする?
安価下2〜4
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 21:28:46.90 ID:UhccsGce0
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 21:29:31.04 ID:UhccsGce0
モーリィ、変える前にアインズと手合わせ
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 21:29:56.86 ID:sS8zhz7KO
ガイ、アトニス、ドルク、グレイグの男4人で食事会をする
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 21:40:16.81 ID:qv1ifFVeO
なんかこうラストダンジョン向けの最新技術てんこもりのとんでもなく強い武器を新調してみる
820 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/01(土) 21:58:37.16 ID:0scmd4DLO
ーーウォーターポート 港

アインズ「はっ!」ダンッ
槍「」シュバババババッ

サーシャ「前より速くなってる!いつの間に練習したの?」

アインズ「いや……ここ数日はモーリィに言われた通り、休養していたから、槍を振ること自体久しぶりなのだが……自分でも、ここまで動けるようになった理由は分からない」

モーリィ「──これまで積み重ねた経験が、休養を経てお前の身体に定着したんだ。これまでも似たような経験はなかったか?」バサッバサッ スタッ

サーシャ「わっ!?モーリィさん!?」

アインズ「モーリィ。先日の件は感謝する……トコナツには帰らないのか?」

モーリィ「ああ。こちらでやることができたからな……それより、身体の調子は問題ないか?」

アインズ「お陰でな。あの果物はどれも美味かったぞ」

モーリィ「フッ……そうだろう、そうだろう。トコナツの農家の自信作の詰め合わせなのだからな。普通に買ったら良い値段がするんだぞ?」

サーシャ「えっと、モーリィさん、どこかに向かってたんじゃ……?」

モーリィ「ああ、向かっていたというよりは探していたんだ。アインズを」

アインズ「……私を?」

モーリィ「お前もセイントレアに向かうのだろう? ならば、その前に一度、お前の今の実力をこの目で確かめておきたい」

アインズ「……なるほど。病み上がりでどこまでできるか、試したいところだったんだ。それに、あなたを相手にすると血が滾る……!ここは模擬戦にもうってつけだ。私と手合わせをするつもりなのだろう?」ザッ

モーリィ「話が早いな……サーシャ、少し離れていろ。審判を頼んでもいいか?」ザッ

サーシャ「えっ!?わ、分かりました! アインズも、モーリィさんも、怪我はしないようにしてくださいね!」

アインズ「すまないが、サーシャ。その約束は──」ダンッ

モーリィ「」ニヤリ

槍を突き出すアインズ「完全には、守れないかもしれん!」ビュンッ

◆コンマ下1
01-50 モーリィ
51-00 アインズ
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/01(土) 22:07:55.83 ID:HANJDqBVo
さて
822 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:52:17.13 ID:HMN4VPdPO
モーリィ「上等だ!」バサッ

ギィンッ!

サーシャ「速い……!」

槍「」シュババババッ
モーリィ「フッ!」ガキンッ ガキンッ

アインズ「まだだ!」ブンッ

翼で飛び上がるモーリィ「甘い!」ヒュンッ

アインズ「くっ……!太陽を背に……!」

急降下するモーリィ「真正面ばかり見ていると──」ギュオオオッ

アインズの背後へ回り込むモーリィ「空から来る敵には対応できんぞ!」ブンッ

アインズ「!」クルッ

ガァンッ!

吹き飛ばされるアインズ「ぐっ!」ザザザッ

サーシャ「アインズ!」

モーリィ「受け止めたか……病み上がりとは思えん踏ん張りだ」スタッ

立ち上がるアインズ「……それは、褒め言葉として受け取っておこう」グッ

モーリィ「まだ立てるか?」

アインズ「当然だ。始まったばかりではないか」

モーリィ「フッ……そうでなくてはな!」ダンッ
風圧「」ブオオオッ!

アインズ「くっ……!」ググッ

モーリィ「足を止めたな!」
拳を振り下ろすモーリィ「」ブォンッ

アインズ「……その瞬間を待っていたぞ!」

モーリィ「何?」

地面へ突き刺さる槍「」ガッ
槍を支点に跳び上がるアインズ「はぁっ!」ブンッ

蹴り「」ドガッ!

モーリィ「ぐっ……!」ザザッ

サーシャ「当たった!」

アインズ「空を飛べる相手を追いかけても、こちらが不利になるだけだ」

アインズ「ならば、降りてくる瞬間を狙えばいい」

モーリィ「一度見ただけで、私の攻め方を利用したか……面白い!」ニヤリ

地面から槍を引き抜くアインズ「まだ終わってはいないぞ!」ガッ

モーリィ「来い!」

ギィンッ!ガキンッ!ギィンッ!

槍「」ビュンッ

モーリィ「遅い!」サッ

アインズ「そう見えたのなら、狙い通りだ」
823 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:52:47.46 ID:HMN4VPdPO
モーリィ「!」

槍の柄「」クルッ

アインズ「ふっ!」ドガッ!

腹部に槍の柄が当たるモーリィ「ぐぅっ!」グラッ

アインズ「はぁぁっ!」ブンッ

モーリィの喉元で止まる槍の穂先「」ピタッ……

アインズ「……」

モーリィ「……フッ」

両手を上げるモーリィ「参った。私の負けだ」

サーシャ「アインズの勝ち……アインズが、モーリィさんに勝った!?」

槍を下ろすアインズ「……自分でも信じられん」スッ

モーリィ「最後の一撃は見事だったぞ。最初から穂先で仕留めるつもりはなかったのだな」

アインズ「ああ。何度か突きを見せて、そちらの意識を穂先へ集中させた。柄で体勢を崩した後なら、喉元を取れると思ったんだ」

モーリィ「戦いながら、そこまで考えていたか」

アインズ「すべてを考えて動いたわけではない……相手の動きを見た瞬間、次に何をすべきかが自然に分かったんだ」

モーリィ「戦い続けている間は、傷を治して次へ進むだけで精一杯だったのだろう。だが、十分に休んだことで、これまで得た経験がようやく身体へ馴染んだんだ」

モーリィ「お前は今までより速くなっただけではない。相手を見て、考え、最も効率のいい動きを選べるようになっている」

サーシャ「じゃあ、休んだおかげで強くなったってことですか?」

モーリィ「簡単に言えばな」

アインズ「休むことも鍛錬の一つ、というわけか……」

サーシャ「ガイもそうだけど、たまには休むのも大事だよ?」

アインズ「ああ……どうやら、サーシャが正しかったようだ」

モーリィ「フッ……これだけ動けるのであれば問題はない。むしろ、船団にとって頼もしい戦力になるだろう」

アインズ「そうか……」

⭐︎モーリィとの模擬戦でアインズが勝利しました。
824 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:55:26.34 ID:HMN4VPdPO
ーーウォーターポート 大通り

ワイワイガヤガヤ

リーゼリット「……これから決死の作戦が行われるって言っても、普通の人たちは知らないから日常を過ごすよね、そりゃ……」スタスタ……

露天を開いているシルバークロース「さあ、いかがでしょう!魔力を必要とせず、簡単な訓練のみで扱える最新式の銃器でございます!」

通り過ぎるリーゼリット「」スタスタ……

クルッ

戻ってくるリーゼリット「」スタスタ……ピタッ

リーゼリット「や、やっぱり見間違いじゃなかった……!アンタ、こんなところで何してるの!?」

シルバークロース「おや、これはリーゼリット様。ご覧の通り、商いでございます」ニコッ

リーゼリット「それは見ればわかるよ!なんで露天なんか開いてるの!?」

シルバークロース「商会の名を出すと、どうにも警戒なさる方が多くてですね。初心に返り、まずは道行く方々へ直接商品の魅力をお伝えしようかと」

リーゼリット「それは完全に自業自得でしょ……」

シルバークロース「ふふふ……ですが、あなたがこちらを通られたのは好都合でした」

リーゼリット「……どういうこと?」

シルバークロース「いずれ暗黒館の方が通りかかるとは思っておりました。中でも、射撃に長けたあなたであれば最良だと」

リーゼリット「何を企んでるの?」

シルバークロース「企みとは心外ですね。皆様がこれから行う突入作戦に、必要となる商品をお持ちしただけでございます」

リーゼリット「どうして突入作戦のことを──」

シルバークロース「オノゴロが飛空挺を生産し、各国も大量の資材と兵器を買い付けている。商人の目から見れば、何か大規模な作戦が始まることくらいは容易に推測できます」

リーゼリット「それだけで、行き先までわかるわけ?」

シルバークロース「魔都セイントレア……世界めくれの始まりの地へ向かわれるのでしょう?」

リーゼリット「……本当に、どこから情報を仕入れてるの?」

シルバークロース「仕入れ先を明かさないのも商人の心得でございます」

リーゼリット「信用できないなぁ……」
825 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:55:55.12 ID:HMN4VPdPO
シルバークロース「信用するか否かは、私の話を最後まで聞いてからお決めください」

リーゼリット「……話って?」

シルバークロース「星詠みの魔女の攻撃を凌いだだけでは、セイントレアへ辿り着くことはできません」

リーゼリット「……星詠みの魔女?」

シルバークロース「おや、ご存じありませんでしたか」

リーゼリット「何それ?私たちが知ってるのは、セイントレアに近づいた飛空挺が全部撃ち落とされて、残骸から星属性の魔力が見つかったってことだけだよ」

シルバークロース「なるほど。では、その攻撃を行っている者を星詠みの魔女と呼ぶ──今はその程度の認識で構いません」

リーゼリット「構わないって……アンタはそいつが何者なのか知ってるの?」

シルバークロース「少なくとも、皆様よりは多少詳しく存じております。しかし今、重要なのは魔女の正体ではございません。星属性の攻撃を防ぎ、船団がセイントレアへ接近できたとしても……その先には、都市全体を覆う巨大な結界が存在します」

リーゼリット「結界……?」

シルバークロース「ええ。外部から侵入しようとする者を拒む、極めて強固な結界です。飛空挺がいかに頑丈であろうと、結界へ正面から突っ込めば突破できない。船体を砕かれ、魔都を目前にして墜落することになるでしょう」

リーゼリット「ちょっと待ってよ……そんな話、私たちは聞いてない」

シルバークロース「誰一人としてセイントレアへ到達できていない以上、知らなくとも無理はございません」

リーゼリット「どうしてアンタは知ってるの?」

シルバークロース「そちらについては、企業秘密ということで」

リーゼリット「こんなときまで商売人みたいに誤魔化すな!」

シルバークロース「私はいつでも商売人でございますよ」

リーゼリット「……攻撃を切り抜けても結界に阻まれるなら……どうやって中に入ればいいの?」

シルバークロース「そのために、こちらをご用意させていただきました」スッ
826 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:56:22.58 ID:HMN4VPdPO
黒布がかけられた何か「」

被せられた黒布を取り払うシルバークロース「」バサッ

銀黒色の長大な大型銃器「」キラッ……

リーゼリット「……何これ?」

シルバークロース「試製対結界穿孔砲『シルバーレイン』。我が商会が保有する最新技術を、採算も量産性も無視して詰め込んだ決戦用兵装でございます。類似品はマーベル社やロスチャイルド社、スチールシャフト社といった競合他社にも見られません」

リーゼリット「これ……持ち運ぶには大きすぎない?」

シルバークロース「飛空挺の甲板に固定し、使用することを想定しております。さすがに個人で持ち運ぶには、少々重すぎますので」

リーゼリット「少々どころじゃないでしょ……それで、この大砲なら結界を壊せるの?」

シルバークロース「いいえ。セイントレアを覆う結界そのものを破壊するほどの力はございません」

リーゼリット「じゃあ意味ないじゃん」

シルバークロース「最後までお聞きください。この砲に装填される専用弾頭は、着弾の瞬間に複数の対結界術式を同時展開します。結界を破壊するのではなく、その一部分だけを強引に貫き、短時間だけ穴を開いた状態で固定するのです」

リーゼリット「結界に……穴を開ける?」

シルバークロース「ええ。ただし、専用弾は結界のどこに命中しても機能するわけではございません。魔力の流れが交差する一点を撃ち抜かなければ、術式を固定できないのです」

リーゼリット「その一点って、動くの?」

シルバークロース「結界の表面を常に移動しております。加えて、射角が僅かにずれれば弾頭は弾かれるでしょう」

リーゼリット「……そんな場所を、動いてる飛空挺から一発で撃ち抜けって?」

シルバークロース「その通りです。命中すれば、その穴が閉じるまでの間、飛空挺をセイントレア内部へ突入させることができます」

リーゼリット「どのくらい保つの?」

シルバークロース「実際の結界を用いた試験などできませんので、正確な時間は保証できませんが、我が商会の計算を信じていただけるなら飛空挺一隻が通過するだけの時間は保つはずでございます」

リーゼリット「船団全部は?」

シルバークロース「結界が想定より弱ければ、複数隻が通過できるかもしれません。しかし、設計上、通過を見込めるのは一隻のみです」

リーゼリット「……本命の飛空挺を通すための兵器なんだ」

シルバークロース「ええ。星詠みの魔女による攻撃を船団が引き受け、本命艇を結界まで到達させる。そして、この砲で進路を開き、世界樹の光を持つ者たちを魔都へ送り込む」

シルバークロース「これがなければ、どれほど犠牲を払って空を突破しても、最後の壁を越えられません」

シルバークロース「そして飛空挺は動き続け、周囲からは星属性の攻撃が降り注ぐ。その状況で、結界上を移動する魔力の交点を正しい射角から撃ち抜くには、照準器だけに頼らない優れた射手が必要です」

リーゼリット「その優れた射手が、私だって?」

シルバークロース「以前、敵としてあなたの射撃を拝見しました。防御できたとはいえ、私の弱点を正確に狙い続けた腕であれば、任せるに値します」

リーゼリット「なんか素直に喜べないな……」
827 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:56:51.98 ID:HMN4VPdPO
シルバークロース「ですが、問題が一つございます。この砲を使用できるのは、一度きりです」

リーゼリット「……一度?」

シルバークロース「結界を貫くためには、砲身と内部機構の耐久限界を超えた出力が必要となります。発射と同時に魔導回路は焼き切れ、砲身も変形する。再装填は不可能です」

リーゼリット「つまり……外したら?」

シルバークロース「作戦は失敗するでしょう」

リーゼリット「簡単に言わないでよ!」

シルバークロース「二度目があると思えば、人は一射目に甘えます。一度しかないと理解しているからこそ、あなたであれば必ず当ててくださる」

リーゼリット「勝手に重い期待を乗せるな……!」

シルバークロース「お引き受けいただけませんか?」

リーゼリット「……代金は?」

シルバークロース「今回は必要ございません。世界が滅びれば、市場も顧客も失われます。これは未来の利益を守るための投資でございます」

リーゼリット「やっぱり商売のためなんだ……」

シルバークロース「加えて、世界を救った一射に我が商会の最新兵器が使用されたとなれば、宣伝効果は計り知れません」

リーゼリット「そういうところ、本当に変わらないよね……」

シルバークロース「商人が変わらず利益を求められる世界を守るため、皆様には是非とも成功していただかなければなりません」

リーゼリット「……わかった。使わせてもらうよ」

シルバークロース「よいご判断です」

リーゼリット「ただし、本当に使えるかは出発前に確認させてもらうから。飛空挺への取り付けも、そっちの技術者にやらせるよ」

シルバークロース「もちろんでございます。既に運搬と取り付けの準備は整えております」

リーゼリット「……最初から断らせる気なかったでしょ」

シルバークロース「選択肢は常に提示しておりましたとも。受け取るか、結界の前で墜落するか」

リーゼリット「それを選択肢って言わないから!」

シルバークロース「ふふふ……では、最後にもう一度申し上げておきましょう」

シルバークロース「星詠みの魔女の攻撃を凌いだだけでは、セイントレアへは辿り着けません」

シルバークロース「最後の壁を撃ち抜くのは、あなたの役目です。リーゼリット様」

リーゼリット「……責任重大だなぁ、もう」

シルバークロース「ご武運を。無事にお戻りになりましたら、次回の商品も是非、我が商会からお買い求めください」

リーゼリット「帰ってきた直後に営業されたら、アンタを試し撃ちの的にするからね」

シルバークロース「それは困りますねぇ」ニコニコ

⭐︎対結界穿孔砲シルバーレインの提供を受けました。
828 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:57:34.87 ID:HMN4VPdPO
ーー暗黒館1F 酒場

ワイワイガヤガヤ

アトニス「……ガイ、説明しろ。このむさ苦しい面子は何なんだよ?」

ガイ「成り行きで集まった面子だ。全員、知ってはいるだろ?」

ドルク「おいおい、アトニス。お前だって、そのむさ苦しい側の一員だろ?それに、世界の命運が懸かってる決戦の前なんだ。今くらい景気よく食事をしようぜ?」

アトニス「ボクは男だが、見ての通り可愛い側だ!あんなむさ苦しい連中と一緒にするな!」

グレイグ「ったく、なんでこんなヤツが暗黒館にいやがるんだ……?」

アトニス「その台詞はそのまま返してやる!なんで食事会だってのに、牛獣人と大男と無愛想しかいないんだよ!」

ガイ「無愛想……」

ドルク「誰が大男だ」

アトニス「お前だよ」

ドルク「そっちの獣人の方がデカいだろ」

グレイグ「俺は同じ種族の中じゃ普通の大きさだ」

ガイ(そうだったのか)

グレイグ「ところで、お前がドルクか?名前と顔くらいは知っていたが、こうして話すのは初めてだったな」

ドルク「俺もだ。そういうあんたは、狂飆のグレイグだよな?暗黒館の古参幹部で、やたら怖い牛獣人だって聞いてる」

グレイグ「誰から聞いた?」

ドルク「いろんなヤツから」

グレイグ「ハァ……随分と雑な紹介をされてやがるな……」

アトニス「間違ってないだろ?」

グレイグ「ぐっ……結構気にしてるんだぞ?」

ガイ「……帰っていいか?」

ドルク「お前が声をかけたんだろ!?」

ガイ「食事に誘っただけだ。騒げとは言っていない」

アトニス「この面子を集めて、静かな食事になると思ってたなら、お前は人を見る目がないぞ」

ガイ「……否定はできないな」

ドルク「いや認めるなよ!?」

アモ「お待たせしました〜♪」

テーブルへ運ばれた料理「」ドンッ

ドルク「おっ、来たな!ありがとう、アモちゃん!」

アモ「どういたしまして〜……珍しい面子だね。どういう集まりなの、ガイ?」

ガイ「成り行きだ。特に深い理由はない」

アモ「ふふっ、そっか。でも、ガイがこういう集まりにいるのって、ちょっと珍しいね。追加の注文とかあったら呼んでね〜」ヒラヒラ

グレイグ「おう!……さ、腹減ってるし早く食うぞ!」ガタッ
829 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:58:30.24 ID:HMN4VPdPO
アトニス「おい、座れ!料理は逃げないだろ!」

グレイグ「冷めるだろうが!」

ガイ「フッ……そうだな。とりあえず食べよう」スッ

ドルク「賛成だ。それじゃ、いただきますっと──」

骨付き肉を取るドルク「」ガシッ
同じ肉へ伸びるグレイグの手「」ガシッ

ドルク「……」
グレイグ「……」

二人に掴まれた骨付き肉「」ギシッ……

アトニス「ん~!やっぱりプリンが至高だが、他の料理も美味いな!流石だ、バーテンダー!」モグモグ

カウンター越しに笑うバーテンダー「」ニヤリ

ドルク「俺が先に取ったよな?」ググッ
グレイグ「いや、俺が先だったが?」ググッ

ドルク「初対面同然の相手から肉を奪うのか?」ググッ
グレイグ「お前こそ、先輩幹部へ譲る気はねぇのか?」ググッ

ドルク「同じ幹部だろうが!古参だからって、肉まで優先される決まりはねぇぞ!」ググッ
グレイグ「暗黒館じゃ年季の差ってのは大事なんだよ!」ググッ

ドルク「絶対、今作った理屈だろ!」グイッ
グレイグ「細けぇことは気にすんな!」グイッ

骨付き肉「」ミシミシ……

ガイ「……そのままだと、肉が千切れるぞ」

ドルク「だったら、そっちに離すよう言ってくれ!」グググッ

グレイグ「後から掴んだのはコイツだ!」グググッ

ドルク「俺の方が先だった!」グググッ

アトニス「普通に別の肉をとればいいだろ?」モグモグ

グレイグ「うるせぇ!これは意地の張り合いだ!負ける訳にはいかねえんだよ!」

ドルク「勝手なこと言うな!ただの肉の取り合いだろ!」

アトニス「自覚はあるのかよ……」

骨付き肉「」ブチッ!

半分ずつ肉を持つドルクとグレイグ「……」

ドルク「……」
グレイグ「……」

ガイ「綺麗に半分になったな」モグモグ

ドルク「……くっ、くくっ……」

グレイグ「フッ……フハッ……」

笑うドルクとグレイグ「はっはっはっはっはっ!!!」

互いの肉を掲げるドルクとグレイグ「」スッ

ドルク「……乾杯代わりだ」

グレイグ「ガッハッハッ!悪くねぇな、お前!」

ドルク「グレイグ、酒は飲めるのか?一杯どうだ?」ガブッ

グレイグ「お前もイケる口か!?アモ!一番良い酒をもってこい!」ガブッ

アトニス「うわ……むさ苦しい友情が生まれたぞ」

ガイ「食事会を開いて正解だったのかもしれないな」

アトニス「今のを見て、よくそう思えるな……お、そのパイ食べないのか?もらうぞ」ヒョイッ

ガイ「あっ」

ガイ(あとで食べようと思って残していたのに……追加で注文するか)

◆四人で食事会(?)をしました。
830 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 00:59:34.62 ID:HMN4VPdPO
本日はここまでです。
ウォーターポートであと2日過ごしたらセイントレアに突入します。

それでは、また。
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 08:31:51.89 ID:VJr/OF6Qo
おつ
聞いたことのない魔女…過去最も謎の多い物語になりそうだ
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 09:52:47.70 ID:C7a4cwqBO

「あと2日過ごしたらセイントレアに突入します。」と書いてあるけど>>816でコンマ90だからセイントレア突入まで3日のはず、今回を入れて3日ってこと?
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 18:16:07.38 ID:496uk+oo0
今回はみんなでセイントレアに行くのかな。
834 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 22:18:40.38 ID:xkiGy6wyO
>>831
謎といっても複雑なものではないので、すぐにわかるかと思います。(果たして、>>1に管理できるのでしょうか)

>>832
今回を入れて3日なので、>>830であと2日と記しました。分かりづらくて申し訳ありません。

>>833
みんなと言えばみんなと言えるかもしれません。それに付随して、今回連れて行くメンバーを選ぶ場面はありませんので安価等で仲間を誘わなくて大丈夫です。
835 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 22:19:08.68 ID:xkiGy6wyO
ーー暗黒館1F 酒場

サーシャ「セイントレア……魔王城に乗り込むの?」

ガイ「そうだ……途中で何が起こるか分からない。死ぬ可能性だって高い」

サーシャ「……そんなの、今更だよ。ガイと一緒に旅してきて、危ない目なんて今までにいくらでも遭ってきたし、それくらいで降りたりなんかしないよ」

ガイ「……また君を危険な目に遭わせることになる。それでも、本当にいいんだな?」

サーシャ「うん。それでもついて行く。ガイはすぐ無茶するから、止められる人が多い方がいいからね!」

ガイ「サーシャ……」

サーシャ「そ、れ、に!私、この前の答えまだ聞いてないし……」

ガイ「……忘れてはいない」

サーシャ「ふふっ。じゃあ、ちゃんと覚えてるんだ?」

ガイ「忘れられるようなことじゃない」

サーシャ「そっか……それなら少し安心したよ」

ガイ「安心?」

サーシャ「うん。ガイが答えを言わないまま勝手に死んだりしたら、私、絶対に許さないから」

ガイ「死ぬつもりはない」

サーシャ「私もだよ。必ず、みんなで生きて戻ってこようね」

ガイ「……ああ」

◆現在はウォーターポートです。(セイントレア突入まで残り2日)

何をする?
安価下1〜3
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 22:20:01.09 ID:Zj4syAnF0
メルル、ガイ達の激励に来る。
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 22:21:28.00 ID:496uk+oo0
ガイ ベルトーネから「七大罪」について教えてもらう(ベルトーネの詠唱等で「怠惰」だった事が分かったから)
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/02(日) 22:23:35.02 ID:C7a4cwqBO
リーゼリット ガイを誘って一緒に買い物する
839 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:42:25.48 ID:RSrkX0BbO
メルル「お二人とも湿っぽい雰囲気を出すのはちょっとばかし早いんじゃないかなァ?」ヒョコッ

ガイ「うおっ!?」ガタッ
サーシャ「きゃっ!?」ガタッ

二人を抱きしめるメルル「にゃはは!二人とも、元気してた?」ダキッ

抱きしめられるガイ「メルル!?どうしてここに!?」

頬擦りするメルル「そりゃあ、なんだか周りが騒がしくなって来てたからさァ……色々情報を集めてみたら、セイントレアに行くらしいじゃん?それを聞いたら居ても立っても居られなくってェ!」スリスリ

頬擦りされるサーシャ「わっ……ふふっ、それで来てくれたんですか?」

パッ

メルル「もちろん!大事な友達がとんでもなく危ない場所に行くっていうのに、何も言わず見送るなんて薄情な真似、このメルルお姉さんにはできないからねェ!」

ガイ「な、なるほど……待て、俺のことがわかるのか?」

メルル「そうそう!そのことについてだよ、ガイ君!私、なぜだか君のこと忘れちゃってたんだけど、最近、急に思い出してさ!オノゴロで一緒に過ごしたことも、みんなで戦ったことも……君が私を庇って、大怪我したことも全部ね」

ガイ「……いいんだ。お前が悪いわけじゃない。俺の使った代償の刃が原因だったんだから」

メルル「君がいいって言っても、私はよくないの。命を助けてもらった相手を忘れて、知らない人みたいに接してたんだよ?思い出した時は、申し訳なさすぎて穴があったら透明になって隠れたかったんだからァ……」

サーシャ「それだと、穴がなくても隠れられますよね?」

メルル「細かいところに気づいちゃったねェ、サーシャちゃん」

ガイ「気にする必要はない。忘れられることには慣れている」

ガイ「だが、思い出してくれた。それで十分だ」

メルル「本当にィ〜?」

ガイ「ああ」

メルル「じゃあ、今度は忘れないように、ガイ君が嫌がるくらい構ってあげようかなァ?」

ガイ「やめてくれ」

メルル「即答!?………まあ、そういう可愛げのないところも相変わらずだねェ」

ガイ「?」

メルル「ガイ君ってさァ、誰かを守るためなら自分の命を勘定から外しちゃう悪い癖があるじゃん?」

サーシャ「あります」

ガイ「……そうか?」

サーシャ「そうだよ」

メルル「オノゴロでグレイグさんにも散々言われたでしょ?全部自分で背負うのは、仲間を信じてないのと一緒だって」

ガイ「……覚えている」

メルル「その後、みんなでグレイグさんに勝った時、何て言ったかも?」

ガイ「俺は、もう一人で戦うつもりはない。皆で勝つ……そう言った」

メルル「うん。ちゃんと覚えてるじゃん」

メルル「だったら、今回も同じだよ。君一人が世界を救うんじゃない。サーシャちゃんも、リーゼちゃんも、アインズさんも、アモちゃんも……それ以外にも、たくさんの人が一緒に行くんでしょ?」

ガイ「ああ」

メルル「なら、格好つけて一人で全部終わらせようとしないこと。危なくなったら助けを求める。動けなくなったら誰かに背負ってもらう。自分より仲間の方が得意なことは、素直に任せる」
840 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:42:52.53 ID:RSrkX0BbO
ガイ「……分かっているさ」

メルル「本当にィ?」

ガイ「……努力する」

メルル「そこは『必ずそうする』って言うところだよォ!」

サーシャ「メルルさん、もっと言ってあげてください」

ガイ「サーシャまでそっちにつくのか……」

サーシャ「私は最初からこっち側だよ?」

メルル「にゃはは!ガイ君、完全に包囲されちゃったねェ!」

ガイ「……敵地に入る前から逃げ場がないな」

メルル「逃げる必要なんてないでしょ。みんな、君を困らせたいんじゃなくて、生きて帰ってきてほしいだけなんだから」

メルル「でも、君たちなら大丈夫。私はオノゴロで、みんなが何度も無茶苦茶な相手を乗り越えるところを見てきたから」

サーシャ「メルルさん……」

メルル「だから、今までと同じ。みんなで考えて、みんなで頑張って、最後はみんなで帰ってくる。それだけだよ」

ガイ「簡単に言ってくれる」

メルル「難しく言ったところで、やることは変わらないでしょ?」

ガイ「……違いない」

メルル「うん。そして、帰ってきたら全部聞かせて。どんな場所だったか、何があったか……ガイ君たちが、どうやって世界を救ったのか」

サーシャ「はい。必ずお話しします」

メルル「楽しみに待ってるよォ」

ガイ「……メルル。ありがとう」

メルル「お礼は帰ってきてから!今言われても受け取りませーん!」

ガイ「そうか」

メルル「だから、絶対に帰ってくること。これはお願いじゃなくて、お姉さん命令です!」

サーシャ「ふふっ……分かりました!」

ガイ「ああ。必ず帰ってくる」

メルル「よし!それじゃあ湿っぽい話はここまで!」

二人の背中を叩くメルル「ほらほら、出発に備えてしっかり食べて、しっかり休む!死地に向かう前だからって、今から死人みたいな顔してたら運まで逃げちゃうよォ!」バシバシ

ガイ「痛い、痛い!分かったから叩くな!」

サーシャ「ふふっ……はい!」

⭐︎メルルと話しました。
841 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:44:48.85 ID:RSrkX0BbO
ーーウォーターポート 大通り

ワイワイガヤガヤ……

ガイ「必要な消耗品は一通り揃ったな」

リーゼリット「うん。あとは……」

ガイ「まだ何かあるのか?」

リーゼリット「服を見たい」

ガイ「服?」

リーゼリット「何。その意外そうな顔」

ガイ「リーゼが自分から服を見たいと言うのは、少し意外だった」

リーゼリット「私だって服くらい買うよ。今着てるジャケットも、サイズが合ってないし」

ガイ「……確かに、少々大きいな」

リーゼリット「アンタ、今まで気づいてなかったの?」

ガイ「気づいていたが、そういう着方が好みなのかと思っていた」

リーゼリット「そんなわけないでしょ……」



ーー仕立屋

店員「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」

リーゼリット「動きやすくて、丈夫なジャケットを見せてもらえますか?できれば、銃を構える時に肩が突っ張らないものがいいです」

店員「でしたら、こちらはいかがでしょう」

黒いショートジャケット「」スッ

リーゼリット「……悪くないかも」

ガイ「着てみた方がいい」

リーゼリット「分かってるよ。ちょっと待ってて」



新しいジャケットを着たリーゼリット「……どう?」

ガイ「似合っている」

リーゼリット「早い」

ガイ「何がだ?」

リーゼリット「ちゃんと見た?」

ガイ「見ている。今までのものより身体に合っているな。肩周りも動かしやすそうだ」

リーゼリット「……ふーん」

ガイ「不満か?」

リーゼリット「別に。ちゃんと見てたならいい」

ガイ「後ろを向いてみてくれ」

リーゼリット「え?」

ガイ「銃を構える時に引っかからないか確かめるんだろう?」

リーゼリット「あ、ああ……そういうことね」クルッ

銃を構えるリーゼリット「……うん。動かしやすい」スッ

ガイ「銃を構えても、肩は突っ張っていないな」

リーゼリット「やっぱり、そう思う?」

ガイ「ああ」

リーゼリット「……じゃあ、これにしようかな」

842 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:45:45.83 ID:RSrkX0BbO
古いジャケットを抱えるリーゼリット「……」

ガイ「どうした?」

リーゼリット「ガイ。ちょっと、こっち向いて」

ガイ「ああ」

ジャケットを差し出すリーゼリット「……これ」スッ

ガイ「俺に持てということか?」

リーゼリット「着てみて」

ガイ「だが、これはリーゼの──」

リーゼリット「いいから」

ガイ「……分かった」スッ

ジャケットを羽織るガイ「……ちょうどいいな」

リーゼリット「父さんは、アンタと同じくらいの体型だったからね」

ガイ「父親のものだったのか?」

リーゼリット「うん。元々は父さんが狩りをするときに着てたものだよ」

ガイ「……なら、なおさら受け取れない。大切なものだろう」

リーゼリット「大切だよ」

ガイ「なら──」

リーゼリット「大切だから、アンタに渡すって言ってるの」

リーゼリット「父さんが着なくなってから、ずっと私が使ってた……これを着てれば、少しだけ一人じゃない気がしたから。だから、ずっと手放すつもりなんてなかった」

ガイ「それを……なぜ俺に?」

リーゼリット「……アンタに着ていてほしいと思ったから」

ガイ「理由になっていない」

リーゼリット「次の任務は、何が起きるか分からない。アンタはきっと、また一番危険な場所に行く」

ガイ「……否定はできないな」

リーゼリット「だったら、それを着て」
843 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:46:14.31 ID:RSrkX0BbO
ガイ「ジャケット一枚で、俺の行動が変わるとは思えないが」

リーゼリット「変わるよ」

ガイ「どうやって?」

リーゼリット「無茶しようとした時に、思い出すでしょ。それが私の大切なものだってこと」

ガイ「……」

リーゼリット「ボロボロになっても怒る。破ったら怒る。失くしたら、もっと怒るから」

ガイ「……難しい要求だな」

リーゼリット「だから、ちゃんと守って帰ってきて」

ガイ「ジャケットをか?」

リーゼリット「アンタも一緒に!」

ガイ「……分かった」スッ

ジャケットの襟を整えるガイ「大切にする」

リーゼリット「大切にするだけじゃ駄目。生きて、私に返しに来て。世界めくれを止めた後に……アンタに本当にあげるか決める」

ガイ「……似合ってるか?」



リーゼリットの父親『リーゼ、一人前になったら、このジャケットが様になるんだ!お前も早く立派になって、これが似合うようになれよ!』

幼リーゼリット『……やだ。ちょっとくさいし』

リーゼリットの父親『なっ……そ、そんなに臭うか!?ちゃんと洗って干してるんだぞ!?』

幼リーゼリット『あははは!ごめん、とうさん!じょーだんだよ、じょーだん!』



リーゼリット「──うん。すごく様になってる」ニッ

◆リーゼリットからジャケットを預かりました。
844 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/02(日) 23:47:41.32 ID:RSrkX0BbO
(セイントレア突入直前まで行きたかった)
本日はここまでです。明日も更新します。よければお付き合いください。

それでは、また。
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/03(月) 01:19:13.50 ID:GeSlveADo
おつ
結構重いけどわからず屋のその男にはそのくらい重い方がいいね
846 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 17:54:32.71 ID:7TLAYprhO
>>845
リーゼリットさんはガイに自分の一族の名を預けてもいいと考えているくらいにはガイを好いているようです。彼もここまで言われれば、嫌でもわかるのではないでしょうか。
847 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 17:55:09.08 ID:7TLAYprhO
ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

姿見の前に立つガイ「……」

ベルトーネ『うんうん。やっぱり似合ってるね~』

フローディア『ええ。驚くくらい馴染んでいるわね……ガイ、鏡の前に立ってからもう随分経っているけれど?』

ガイ(……うるさいな。別にいいだろ)

フローディア『ふふっ……あなたは、あの子がずっと大切にしてきたものを託されたのよ。その意味は、ちゃんと分かっているのでしょう?』

ジャケットの襟元に触れるガイ「……」スッ

ガイ(ああ……これは、リーゼがずっと手放さずに着てきたもの……それを俺に預けたのは、無茶をしようとした時に思い出させるためだ。これを守って、俺自身も生きて帰れと……世界めくれを止めた後、必ずリーゼの手に返しに行く)

フローディア『ちゃんと分かっているようね。今のあなたは多少死ににくくなっているとはいえ、無茶をしていい理由にはならないわ。自分も、そのジャケットも大事にしなさいよ』

ガイ(分かっている)

ベルトーネ『 それにしても、ずっと着てたならリーゼリットちゃんの匂いも残ってそうだね~?』

ガイ「……!」

ベルトーネ『ふふ~。ナニかするなら私たち、少しだけ静かにしててあげようか〜?』

ガイ(変なことを言うな……まったく、七大罪の悪魔は全員お前のような奴ばかりなのか?)

ベルトーネ『え〜、他と比べたら、私はかなりマシな方だよ〜?』

フローディア『そういえば、七大罪についてはたまに耳にしていたけれど……あなたとベッサラビア以外は、どんな悪魔たちなの?』

ガイ(……少し気になるな)

ベルトーネ『おっ、二人とも気になる~?じゃあ、この機会に話せる範囲で教えてあげよう~』

ベルトーネ『七大罪っていうのは〜……説明すると意外と長いんだよね~。やっぱりやめていい〜?』

ガイ(自分から教えると言っただろう)

ベルトーネ『はいはい……悪魔の中でも上位の七人のことを指してて〜、それぞれが傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰を司っているんだよね〜』

フローディア『あなたは、その中の怠惰を司る悪魔なのよね?』

ベルトーネ『そうそう。怠惰のベルフェゴール。それが私の悪魔としての名前だよ~』

ガイ(怠惰の権能を使うときに言っていたな。ベルトーネという名前とは別なのか?)

ベルトーネ『ベルトーネはこの世界での個体としての名前。ベルフェゴールは、七大罪としての名前って考えればいいかな~』

フローディア『ベッサラビアも名乗っていたわね。たしか……暴食のベルゼブブ、と』

ベルトーネ『うん。あいつは暴食を司るベルゼブブ。七大罪の末席って言ってたけど、本当の末席は私だからね~』

ガイ(……末席が二人いるのか?)

ベルトーネ『いるわけないでしょ~。ベッサラビアが勝手に勘違いしてるだけだよ〜。色々考慮しても、七人の中では私が一番下になると思うんだよね〜』

ガイ(つまり……序列は決まってないということか)

ベルトーネ『まあね〜。私としてはどうでもいいんだけど〜』

フローディア『司る大罪によって、権能の表れ方もそれぞれ違うの?』

ベルトーネ『さて、どうだろうね~?』

フローディア『あら、教えてくれないの?』

ベルトーネ『それぞれ違うし、同じ悪魔でも召喚体によって、権能の効果や発現の仕方が変わるんだよね~。だから、傲慢なら必ず他人を跪かせるとか、強欲なら何かを奪うとか、そう簡単には断定できないの~。現にベッサラビアも、何でも食べ続けるような分かりやすい暴食ではなかったでしょ〜?』

ガイ(……そういうものなのか)

ベルトーネ『そういうものなの〜……もう疲れたから寝てもいい〜?』

◆他に何か聞く?
安価下1

1 もう充分
2 七大罪について更に聞く(傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食の中から一つ選んでください)
3 自由安価
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/03(月) 18:23:12.50 ID:GfKpNFBkO
3幽界出身なのか更に別世界出身なのか
849 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 19:46:06.21 ID:Ij23YxDbO
フローディア『元々この世界の存在ではないのは分かっているけれど……もしかして、召喚される前は幽界に住んでいたりするのかしら?』

ベルトーネ『ううん、幽界……幽世?どっちでもいいか……そこともまた違う世界だよ。天界と対になる場所……って言ってもわかんないか。まあ、そんな感じのところ〜』

ガイ(ここに来てずいぶん雑になったな……俺は天界についてもよく知らないんだが)

ベルトーネ『知らない方がいいよ〜。私たちの世界を理解しちゃったら正気じゃいられなくなっちゃうだろうし〜』

ガイ(……それは比喩か?)

ベルトーネ『どっちだと思う~?』

ガイ(聞かなければよかった)

フローディア『私も長く生きてきたけれど、知っただけで正気を失う世界というのは興味深いわね』

ベルトーネ『フローディアちゃんは興味を持っちゃうんだ~』

フローディア『当然でしょう?』

ベルトーネ『でも、教えな~い。二人には狂ってほしくないからね〜……記憶の魔王とかなら知ってるかもよ?』

ベルトーネ『……とにかく、七大罪は人間の世界とは別の場所から召喚されてくる悪魔。今はそれだけ分かってれば充分だよ~……気が向いたらまた今度話してあげる~。じゃ、おやすみ〜』

ガイ(……また一段と謎が増えた気がするな)

フローディア(気になるけれど、知らない方がいい知識というのもあるものよ……あなたも、そろそろ寝たら?)

ガイ(そうしよう。明日は……何をして過ごすか……)

⭐︎ベルトーネと話しました。
850 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 19:48:25.76 ID:Ij23YxDbO
ーー???

穏やかな草原「」サワサワ……

青空「」
遠くに見える暗黒館「」

ガイ「……ん?」

アモ「あれぇ……?ガイの意識、もっと深く眠らせたはずなんだけどなぁ……」

ガイ「アモ?ここは一体……」

アモ「ガイの夢の中だよ。眠りが浅かったから、途中で気づいちゃったみたい」

ガイ「……お前が作った夢なのか?」

アモ「うん。正確には、ガイの心にある景色を少し借りて、落ち着ける形に整えたの」

ガイ「そんなこともできるのか」

アモ「私、心属性の使い手だからね」ニコッ

ガイ「それで……なぜ、こんなことを?」

アモ「ガイがいけないんだよ?」

ガイ「俺が?」

アモ「心の奥でずっと考え事してるんだもん。身体だけじゃなくて、心も休ませないとダメなんだよ?」

ガイ「……セイントレアへ向かうんだ。考えるなという方が無理だろう」

アモ「うん。考えること自体が悪いとは言ってないけど……でも、ガイには休んでほしかったから」

ガイ「……」

アモ「だから今日は、何も考えなくていい夢にしたかったの」

木陰に置かれた敷物「」
飲み物と果物が入った籠「」

ガイ「……随分と用意がいいな」

アモ「ふふっ。せっかくだから、夢の中くらいはのんびりしよ?ほら、こっち」ポンポン

ガイ「……」

スタスタ……

ガイ「仕方ないな」ストン

アモ「飲み物は何がいい?お茶とジュースがあるよ」

ガイ「ジュースで」

アモ「ふふっ。やっぱりそっちなんだ」

ガイ「悪いか?」

アモ「ううん。ガイらしくて安心しただけ。はい、これ」

グラス「」スッ

ガイ「……助かる」ゴクッ

アモ「どう?」

ガイ「……甘いな。ブドウの味がする」

アモ「よかった」

風に揺れる草原「」サワサワ……

ガイ「……静かだな」

アモ「嫌だった?」

ガイ「そうじゃない。最近、静かな場所にいると何か起きる気がして落ち着かなかった」

アモ「ここでは何も起きないよ。この夢の中では、私がそう決めたから」

ガイ「頼もしいな」

アモ「もっと頼ってくれてもいいんだよ?」
851 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 19:48:55.09 ID:Ij23YxDbO
ガイ「……」

アモ「ガイ?」

ガイ「明日の作戦で、全員が生きて帰れる保証はない。俺が失敗すれば、これまで積み重ねてきたものが全て無駄になるかもしれない」

アモ「うん」

ガイ「だから、休んでいる時間すら惜しいと思っていた。だが、今のお前の話を聞いて……少しだけ、考えを改めた」

アモ「本当?」

ガイ「ああ。疲れたまま向かって失敗したら、それこそ意味がない」

アモ「ふふっ。やっと分かってくれた」

ガイ「ただし、少しだけだ」

アモ「はいはい。今はそれでいいよ」

横になるガイ「……」ゴロッ……

アモ「眠れそう?」

ガイ「多分な」

アモ「じゃあ、起きるまでここにいるね」

ガイ「アモ」

アモ「なあに?」

ガイ「ありがとう」

アモ「どういたしまして」ニコッ

目を閉じるガイ「……」

アモ「おやすみ、ガイ」

風の音「」サワサワ……



ーー暗黒館2F 幹部宿泊部屋

目を覚ますガイ「……」パチッ

眠るアモ「すぅ……すぅ……」

ガイ(……本当に、ずっと傍にいたのか。一緒のベッドに入るのはどうかと思うが……)

ベルトーネ『いい夢だったね~』

ガイ(……お前たちも見ていたのか?)

ベルトーネ『少しだけね~。何も起きない夢って、見てる方は退屈だったけど~』

フローディア『私は良い時間だったと思うわ。あなたがあれほど素直に休む姿は珍しいもの』

ベルトーネ『夢じゃなくても、あれくらい素直になればいいのにね~』

ガイ(余計なお世話だ)

フローディア『……それにしても、あなたはいろんな人に心配されてるわね?』

ガイ(……ああ)

アモ「んん……」モゾッ……

窓の外を見つめるガイ「……」

朝日「」キラッ……

ガイ(セイントレアへの突入まで、残り一日……どう過ごすか)

◆現在はウォーターポートです。(セイントレア突入まで残り1日)
※安価終了後、セイントレアに向かいます。

何をする?
安価下1~3
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/03(月) 19:50:27.03 ID:+YkbR8YT0
飛空艇の整備をするニナとミチルを手伝う。
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/03(月) 19:58:13.30 ID:YEqQOaVRO
ガイ、酒場で1人ワインを飲むフラナの愚痴に付き合う
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/03(月) 20:18:09.34 ID:dK+sJ2AI0
テラヌス·ウルスのソーラから手紙が届く
855 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 22:46:04.75 ID:2jX+oEecO
コンコン

イーリン「ガイ様、よろしいでしょうか?」

ガイ「イーリン?どうかしたのか?」

ガチャ

イーリン「おはようございます、ガイ様。テラヌス・ウルスから手紙が届きましたので、お渡しに──」

ベッドで眠るアモ「すぅ……すぅ……」

イーリン「……アモ?」

ガイ「……待て、誤解だ」

イーリン「え、あ……ガイ様。これは、どういう……?」

ガイ「昨日、眠れずにいた俺を、アモが心属性の魔法で眠らせてくれた。それだけだ」

イーリン「同じベッドで、ですか?」

ガイ「夢の中へ干渉するために、近くにいる必要があったらしい」

イーリン「らしい……」ジト……

ガイ「俺も起きてから、この状況に気づいた」

イーリン「……そうでしたか」

眠るアモ「んん……ガイ……」モゾッ

イーリン「……」

ガイ「……」

ガイ「……それで、手紙というのは?」

イーリン「ああ、そうでした。差出人は、テラヌス・ウルスのホトルス族からです」
封筒「」スッ

ガイ「ホトルス族……リアンノンか?」

イーリン「差出人の欄には、ソーラと書かれています」

ガイ「ソーラから?」

イーリン「ご存知なのですか?」

ガイ「ああ。テラヌス・ウルスで知り合った少女だ」

封を開けるガイ「……」ビリッ
便箋「」ペラッ

856 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 22:46:34.59 ID:2jX+oEecO
ガイさんへ

おげんきですか。ソーラはげんきです。
おかあさまと、毎日ごはんをたべています。
おべんきょうもしています。むずかしいけど、まえより字が書けるようになりました。
ホトルス族のみんなも、やさしくしてくれます。
もう、かげの人の声はきこえません。
さいしょは、すこしさみしかったです。
でも、おかあさまや、みんなといると、だいじょうぶです。
おかあさまから、こんどはとてもあぶないところにいくかもしれないってききました。
あぶないことをすると、しんぱいします。
だから、ちゃんと帰ってきてください。
またテラヌス・ウルスにきたら、ソーラとおはなししてください。
サーシャさんと、リーゼおねえちゃんと、アインズさんと、テルさんにも、また会いたいです。
だから、みんなで帰ってきてください。
やくそくです。
ソーラより。



ガイ「……」

イーリン「随分と慕われているようですね」

ガイ「……俺は、そこまで大したことはしていない」

イーリン「影の人、というのは?」

ガイ「テラヌス・ウルスで起きた事件に関係する存在だ。ソーラはそいつと繋がっていた」

イーリン「手紙の内容を見る限りでは、平穏に暮らせているようですね」

ガイ「……そうだな」

便箋を丁寧に畳むガイ「」ペラッ……

イーリン「返事を書くのであれば、便箋と封筒をすぐに用意できます」

ガイ「……そうだな。短くても、返事は書いておこう」

イーリン「では、用意して参ります。その前に──」

スタスタ……

イーリン「アモ。起きなさい?」ゴゴゴ

アモ「ん……?あ、イーリンさん……おはよう……」メソラシー

イーリン「おはよう、アモ。起きたのならもう自分の部屋に戻りなさい。ガイ様も困っているでしょう」ガシッ

引きずられるアモ「わっ、待ってイーリンさん!引っ張らないでよ〜!」

ズルズル……

ガイ(……ソーラへの返事を書いたら、今日をどう過ごすか決めるか)

⭐︎ソーラから手紙が届きました。
857 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 22:47:37.26 ID:2jX+oEecO
ーークロシュヴァリエ号 停泊場

作業員たち「」セカセカ……

ニナ「そこの工具箱はこっちだ!」

ミチル「帆の固定もお願いねー!」

作業員たち「はい!」セカセカ

ガイ「……忙しそうだな」

ミチル「あっ、ガイさん!」

ニナ「丁度いいところに来た!少し人手が足りなくてな」

ガイ「手伝えばいいんだな」

ニナ「ああ。まずはその資材を甲板まで運んでくれ。細部は商会の技術者が指示する」

シルバーレイン「」ギランッ

ガイ「これは一体……?」

ミチル「なんでも、突入作戦を知った商人が寄贈してくれた兵器らしいんだけど……城壁に穴でも開けるつもりなのかな?」

ニナ「まだ世間に公表されていない技術が詰め込まれている代物だ……扱いは慎重にな」

ガイ「わかった……って、見た目どおり重いな、これ……!」ズシッ……



カチャカチャ……

ニナ「ふー……とりあえずこんなものだろう。あとは、明日に備えるだけだな」

ミチル「みんなお疲れ様!今日はゆっくり休んでね!」

作業員たち「お疲れ様でしたー!」

ガイ「クロシュヴァリエ号もセイントレアに向かうんだな」

ニナ「ああ。お前たちが浮島へ行ったときのデータを参考に改良した。私が初めて作った飛空艇だからな……思い入れも深い。今度この飛空艇に乗る奴等も、お前たちのように無事に帰ってこれるよう祈っている」

ガイ「フッ……創造主がそう言うなら、信じるしかないな」

ミチル「あはは!そうだね!船は、行って終わりじゃなくて帰ってきてこそ、だからね!」

ニナ「ククッ……さぁ、お前たちももう休め。明日は世界の命運がかかった日なんだ。寝不足なんて笑えない失敗はするなよ?」

⭐︎飛空艇整備を手伝いました。
858 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 22:48:39.09 ID:2jX+oEecO
ーー暗黒館1F 酒場

ワイワイガヤガヤ

ガイ(……普段見かけない顔が多いな。全員、明日の作戦の志願者なんだろう……何か飲んだら、部屋に戻ろう)

ガイ「バーテンダー、いつものを頼む」

バーテンダー「かしこまりました」スッ
レモンウォーター「」

ガイ「おお……早いな」

バーテンダー「ガイさんが来られる気がしたので、準備しておきました」ニヤリ

ガイ「フッ……ありがたくいただこう」

「……まったく、揃いも揃って……」ブツブツ

ガイ「その声……もしかして──」

ワインを飲むフラナ「あら、ガイじゃない。ちょうどいいわ、このまま少しつきあいなさいよ」ゴク……

ガイ「俺でよければ……それで、何に腹を立てているんです?」

フラナ「見れば分かるでしょう?あそこにいる連中よ」スッ

作戦の志願者たち「」ワイワイ……

フラナ「危険性を説明しても、我先にと名乗りを上げる者ばかり。命がいくつもあるとでも思っているのかしら」

ガイ「……彼等も覚悟を決めているはずです」

フラナ「その覚悟の後始末をするのは、救助を任された私たちなのよ?墜ちていく人間を拾って、負傷者を運んで、暴れる者は大人しくさせて……そのうえ、船団を止めるなと言われている」

ガイ「難しい役目です」

フラナ「他人事みたいに言うのね……あなたも救助する側を困らせそうな人間の一人よ。この前、代償の刃を受けて死にかけたことをもう忘れたの?」

ガイ「……忘れてはいません」

フラナ「明日は、世界樹の光を抱えて一番危険な場所へ向かうのでしょう?」

ガイ「それが俺の役目ですから」

フラナ「モーリィもクーも、みんな同じことを言うのよ。自分にしかできない、自分が行くべきだって……」

フラナ「まったく……責任感が強い人間ほど、どうして自分の命だけ勘定に入れないのかしら」ゴクッ

ガイ「フラナさんも、その一人では?」

フラナ「私は自分の命を大切にしているわ」

ガイ「危険な作戦へ人員を送り、自分も現場へ出るつもりなのに?」

フラナ「……口が回るのね」

ガイ「愚痴に付き合えと言われましたから」

フラナ「言い返せとは言ってないわよ……まあ、いいわ。明日は勝手に死なないこと。あなたが死んだら、世界を救うどころではなくなるかもしれないのよ」

ガイ「必ず帰ると、仲間たちに約束しています」

フラナ「なら、その約束を守りなさい。私たちに余計な仕事を増やさないためにもね」

ガイ「ええ。フラナさんも無事に帰ってきてください」

フラナ「当然でしょう?世界を救った後の仕事を、マリー一人に押しつけるわけにもいかないでしょう。フレメアは当てにならないし」

空になったワイングラス「」コトッ

フラナ「……もう一杯頼もうかしら」

ガイ「明日に響きますよ」

フラナ「なら、代わりにあなたの血で我慢してあげましょうか?」

ガイ「……遠慮します」

フラナ「あら、残念」ニヤリ

⭐︎フラナと話しました。
859 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/03(月) 22:50:08.13 ID:2jX+oEecO
本日はここまでです。
次回から、セイントレアに向かいます。
無事に辿り着けるといいですね。

それでは、また。
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/04(火) 00:25:15.52 ID:dkTcWXQHo
おつ
いよいよ突入作戦か
最近の戦闘コンマは必ず一度は下振れるから不安だわ…
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 15:41:23.94 ID:giQtQ68CO
他の国の時みたいにセイントレアまでの道中の安価やコンマはやってくれるよね?
862 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 21:02:45.26 ID:wQpG/Sx1O
>>860
ちょっとした味変で今回の判定はコンマを反転させること(例として、47が出た場合は74として判定します)にしました。良い結果に繋がるといいのですが。

>>861
今回、安価はありませんが、コンマ判定はあります。ランダムイベント的なやつでもないのですが
863 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 21:03:29.84 ID:wQpG/Sx1O
ーーセイントレア平原 上空

空中に浮かぶセイントレア王国「」ゴゴゴ……

セイントレア王国に向かって進む飛空艇の船団「「「」」」ゴウン……ゴウン……



ーークロシュヴァリエ号 甲板

風「」ビュオオオ──

他の飛空艇を見つめるサーシャ「船団って聞いてたから、たくさんの飛空艇で行くんだろうな、とは思ってたけど……こうしてみると壮観だね」

リーゼリット「サーシャ、さっきからずっと周り見てるもんね」

サーシャ「だって気になるでしょ?」

アインズ「そうだな……これだけの数が一堂に集まる機会なんて、そうあるものじゃない」

左右に広がりながら飛行する飛空艇「「「」」」ゴウン……ゴウン……

サーシャ「……これ全部ニナさんが作ってくれたんだよね?」

リーゼリット「ホント、よく間に合わせたよねぇ」

遠くに浮かぶセイントレア王国「」ゴゴゴ……

セイントレア王国を見つめるガイ「……」

サーシャ「……ガイ、大丈夫?」

ガイ「いや……なんでもない」

サーシャ「……そう?」

赤黒い雲に覆われたセイントレア上空「」ゴロゴロ……

魔導通信機「」ピピッ……

イーリン〈アインズ様、聞こえておりますか?〉

アインズ〈イーリンか。こちらは問題ない〉

イーリン〈それならばよかったです。私たちの飛方も、今のところ異常はございません〉

アインズ〈そっちは予定通りの位置についてるのか?〉

イーリン〈はい。クロシュヴァリエ号より右後方、二隻分ほど離れた位置を航行しております〉

甲板の端から右後方を見るアインズ「……あれか」クルリ

少し離れた場所を飛ぶ飛空艇「」ゴウン……
甲板から手を振るイーリン「」フリフリ

手を振るアインズ〈見えたぞ〉フリフリ

イーリン〈こちらからも確認できました。何かございましたら、すぐにお知らせください〉

アインズ〈了解した〉

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈各艇、聞こえるか?こちらはリュウトウ。目標はもうすぐそこだ。情報に上がっていた墜落範囲も近い。各艇は警戒を厳にせよ〉

各飛空艇〈〈〈了解〉〉〉

自分の頬を叩くサーシャ「そろそろだね。ここからは気を引き締めて行かないと!」ペチンッ

リーゼリット「私は“アレ”の準備をしてくるね。警戒お願い!」

タッタッタッ……

サーシャ「私も前のほう見てくる!」タタッ

ガイ「俺も行こう」

ガイ(……静かすぎる。何か……嫌な予感がするな)スタスタ……

864 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 21:04:29.36 ID:wQpG/Sx1O
ーー別の飛空挺

船員A「前方異常なし!」
船員B「上空も異常なし!」
船員C「まもなく墜落範囲に入ります!」

船長「速度を維持!隊列を乱すな!」

赤黒い雲「」ゴロゴロ……

雲の奥で一瞬だけ光る何か「」キラッ……

望遠鏡を覗く見張りA「……?」スッ

見張りA「気のせい……か?人が飛んでたような──」



ーークロシュヴァリエ号 甲板

船首から周囲を見渡すサーシャ「うーん……」

雲の奥で一瞬だけ光る何か「」キラッ……

サーシャ「……あれ?」

アインズ「どうした?」

サーシャ「いや……今、前のほうで何か光ったような……」

ガイ「光?」

サーシャ「うん。でも一瞬だったから……」

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈各艇──聞こえるか?〉

アインズ「……?」

魔導通信機「」ザザ……

サーシャ「通信、乱れてない?」

ガイ「……」

リュウトウ〈各艇、──答せよ〉

飛空艇〈こちら二番艇、聞──いる〉

飛空艇〈五番艇、──なし〉

飛空艇〈九──……少し雑音が入っている〉

リュウトウ〈了解。魔──干渉の──がある。通信は──を──〉

魔導通信機「」ピッ

ガイ「魔力干渉……アインズ、何か感じるか?」

アインズ「……妙だな。普段よりかなり掴みにくい。魔力があちこちで乱れてる」

ガイ「何かいるのか?」

アインズ「今のところは……いや、待て……何かが混じってる気がする」

ガイ「……警戒を続けよう」
865 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 21:05:04.30 ID:wQpG/Sx1O
サーシャ「……あれ?」

風「」ヒュウウウ──

サーシャ「……風が……」

アインズ「……!」

風「」ピタッ……

サーシャ「止まった……?」

アインズ「──ッ、回避行動をとる!伏せろ!」

ガイ「捕まれ、サーシャ!」ガシッ
サーシャ「きゃっ!」

急旋回するクロシュヴァリエ号「」ギュイイイイン──

遥か前方から走る一条の光「」シュンッ──

光に貫かれた他の飛空艇「」ズドォォォンッ!!

サーシャ「!?」

魔導通信機〈一番艇被弾!!一番艇被弾!!〉

リュウトウ〈全艇、散開!!作戦通り行動せよ!〉

離れていく飛空艇「「「」」」ゴォォォォッ!!!

墜落していく飛空艇「」ヒュウウウウン……

ガイ「始まったか……!」

ベルトーネ『……あの魔力の感じ……まさか……』

◆反転コンマ下1

01-20 3隻墜落 進行度+10%
21-40 2隻墜落 進行度+15%
41-60 2隻墜落 進行度+20%
61-80 1隻墜落 進行度+25%
81-00 墜落なし 進行度+30%

⭐︎現在進行度0%

⭐︎残存飛空艇15隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空挺に含みません。
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 21:07:45.55 ID:K91DXDR80
867 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 21:18:26.55 ID:wQpG/Sx1O
◆追加判定

反転コンマ下1

01-10 イーリン
11-20 アルバ
21-30 ドルク
31-40 モーリィ
41-00 その他
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 21:24:20.91 ID:wGbfK7VPO
869 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 22:24:14.33 ID:KbsN71E0O
バールベルト「うわぁぁぁっ!?今の!今の見ました!?」

リュウトウ「ああ……あれが墜落の原因か……!」

バールベルト「す、既に二隻落とされちゃってますよ!?このまま進んで大丈夫なんですか!?」

リュウトウ「大丈夫じゃなくても進むしかない。魔族国の救援も向かったようだ……予定通り、前進を続けさせろ」

バールベルト「りょ、了解!」

魔導通信機「」ピピッ……

バールベルト〈各艇へ!進路はそのまま!散開しながらセイントレアへの接近を続けてください!〉



グレイグ「ったく……いきなり派手にやってくれやがる!」

赤黒い雲を見つめるアルバ「……待て」

グレイグ「あ?」

アルバ「前方……雲の下だ」

望遠鏡を構えるグレイグの手下「」スッ……

グレイグの手下「……っ!?」

グレイグ「どうした!」

グレイグの手下「ひ、人が……!人が飛んでます!前方上空……単独です!」

グレイグ「はぁ?人?」

アルバ「……貸せ」バシッ

望遠鏡を覗くアルバ「……」スッ

赤黒い空に浮かぶ小さな人影「……」

その周囲に瞬く無数の光「」キラ……キラ……

アルバ「……間違いない」

グレイグ「何がだ?」

アルバ「あれが攻撃している」

グレイグ「……あの人影が?」

アルバ「通信を繋げ」

通信士「はい!」

魔導通信機「」ピピッ……

アルバ〈各艇へ。前方上空に人影を確認した〉

リュウトウ〈人影?〉

アルバ〈ああ。空中に浮いていて周囲に光のようなものが複数見える〉

リュウトウ〈位置は?〉

アルバ〈船団正面。やや上方。雲の手前だ〉

リュウトウ〈……了解した。全艇、その人影を警戒しろ!〉

魔導通信機「」ピッ
870 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 22:25:01.97 ID:KbsN71E0O
グレイグ「で、どうする?」

アルバ「決まっている。この船を前に出せ」

操舵手「えっ!?」

アルバ「速度を上げろ。あの人影の正面へ出るぞ」

グレイグの手下「ですが、それでは狙われます!」

アルバ「それが狙いだ」

グレイグの手下「……!」

グレイグ「ほう、攻撃を引きつけようってわけだな?」

アルバ「ああ」

グレイグ「ハッ……わかりやすくていいじゃねぇか」

アルバ〈リュウトウ。こちらでしばらく引きつける。その間に進め〉

リュウトウ〈待て!勝手に──〉

魔導通信機「」ピッ

グレイグ「切りやがった」

アルバ「話している時間が惜しい」

グレイグ「まったく……気が合うじゃねぇか」

光「」キラッ……

アルバ「来るぞ!右へ回避!」

急旋回する飛空艇「」ギュイイイイン──

船体の横を通過する光「」ズドォォンッ!!

グレイグ「ッ……まだ来やがる!」

空中の人影の周囲に浮かぶ光「」キラ……キラ……

操舵手「左へ!」

急旋回する飛空艇「」ギュイイイイン──

船体を掠める光「」ズドォォンッ!!
871 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 22:25:27.85 ID:KbsN71E0O
グレイグの手下「左舷損傷!」

グレイグ「まだ飛べるか!?」

グレイグの手下「はい!」

アルバ「前進を続けろ!」

背後を進む他の飛空艇「「「」」」ゴォォォォ……

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈アルバ!十分だ、後退しろ!〉

アルバ「……」

グレイグ「どうする?」

アルバ「もう少しだ」

グレイグ「だと思ったよ!」

飛空艇から放たれる魔導砲「」ドドドドドッ!!!

砲撃を遮る光の壁「」ヴゥンッ!!

グレイグ「チッ、防がれた!」

アルバ「構わず撃ち続けろ!」

砲手「魔導砲、連続射撃!!」

飛空艇から放たれる魔導砲「」ドドドドドッ!!!

空中の人影「……」

一斉に収束する光「」キラ……キラキラキラ……

アルバ「……っ!障壁展開!」

グレイグ「やべぇな、ありゃ──」

アルバ「全員、衝撃に備えろ!!」

カッ──

飛空艇を貫く光「」ズドォォォォンッ!!!

船員たち「「「うわぁぁぁぁっ!!」」」

グレイグの手下「主機関停止!!高度、維持できません!!」

墜落を始める飛空艇「」ヒュウウウウン──

アルバ「くっ……ここまでか……」

グレイグ「いや」

アルバ「?」

グレイグ「このまま叩きつけられんのは趣味じゃねぇ」
両腕を広げるグレイグ「」バッ
872 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 22:25:53.65 ID:KbsN71E0O
グレイグ「全員、船にしっかり掴まれ!!」

グレイグの手下「えっ!?」

グレイグ「早くしろ!!」

グレイグの周囲に渦巻く風「」ゴォォォォ……

アルバ「……風魔法か」

グレイグ「このデカブツ丸ごとは、さすがに骨が折れるがな……!」

飛空艇の下へ回り込む風「」ゴオオオオオッ──

グレイグ「ぬ……おおおおおおっ!!」

風「」ブワァァァァッ!!!

アルバ「……やるな」

墜落速度が徐々に落ちていく飛空艇「」ヒュウウウ……

グレイグ「褒めるのは……地面に着いてからにしろ!」

燃えながら降下していく飛空艇「」ヒュウウウ……



ーークロシュヴァリエ号 甲板

遠くで墜落していく二隻の飛空艇「」ヒュウウウ……

サーシャ「……あの片方の船……!」

ガイ「……アルバ……グレイグ……!」

アインズ「……大丈夫だ。落下速度が落ちている。あれなら、少なくともそのまま地面に叩きつけられることはない」

ガイ「……っ」

◆反転コンマ下1

01-20 3隻墜落 進行度+10%
21-40 2隻墜落 進行度+15%
41-60 2隻墜落 進行度+20%
61-80 1隻墜落 進行度+25%
81-00 墜落なし 進行度+30%

⭐︎現在進行度20%

⭐︎残存飛空艇13隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空挺に含みません。
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 22:33:57.40 ID:r/v/8+yL0
どうなる?
874 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 22:44:16.38 ID:KbsN71E0O
◆追加判定

反転コンマ下1〜2(重複した場合は片方がその他の判定になります)

01-10 イーリン
11-20 フラナ
21-30 ドルク
31-40 モーリィ
41-00 その他
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 22:45:05.64 ID:K91DXDR80
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 22:45:21.47 ID:+gfgFaMOo
877 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:03:28.60 ID:8l0QW2JQO
魔導通信機「」ピピッ……

通信士〈こちら六番艇!敵の攻撃を受けた!右舷大破!高度を維持できな──〉

遠方で爆発する飛空艇「」ズドォォォンッ!!!

サーシャ「また……!」

炎を噴きながら高速で墜落していく飛空艇「」ヒュウウウウン……

ドガァァァン……

魔導通信機「」ピピッ……

通信士〈十一番艇被弾!!機関部に直撃!墜落します!!〉

リュウトウ〈乗員は衝撃に備えろ!救援可能な者は──〉

別の通信士〈三番艇!こちらも被弾!!操舵が効きません!!〉

通信士〈落ちるぞ!!全員、何かに掴ま──〉

立て続けに高度を落としていく二隻の飛空艇「「」」ヒュウウウウン……

サーシャ「三隻も……一気に……」

遠方を睨むアインズ「……攻撃の間隔が短くなっている」

ガイ「俺たちが近づいてるからか?」

アインズ「わからない。ただ……さっきより明らかに手数が増えてる」

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈各艇、止まるな!墜落艇の救助は魔族国の部隊に任せろ!残存艇は前進を継続!"切り札"の飛空艇は準備を始めろ!〉

拳を握るサーシャ「……こんなの、あと何隻もつの……?」ギリ……

ガイ「……進むしかない」

サーシャ「ガイ……」

ガイ「アルバたちも、今落ちた連中も……俺たちを進ませるために時間を稼いでくれた……ここで止まったら、それこそ全部無駄になる」

アインズ「……」
878 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:03:59.52 ID:8l0QW2JQO
甲板へ駆け出してくるリーゼリット「みんな!」タタタッ

サーシャ「リーゼ!」

リーゼリット「準備できたよ!……って」

燃えながら落ちていく飛空艇「「「」」」ヒュウウウ……

リーゼリット「……また、落とされたの?」

アインズ「三隻だ。ついさっき立て続けにな」

リーゼリット「三隻も……?」

ガイ「ああ」

リーゼリット「……」

魔導通信機「」ザザッ……

リュウトウ〈全艇へ。先ほど報告のあった人影は依然として船団前方にいる。各艇、正面から来る光に注意しろ〉

リーゼリット「……人影?」

サーシャ「アルバたちが見つけたんだって。空を飛んでる人がいるみたい」

リーゼリット「空を……?」

サーシャ「うん。その人の周りに光がたくさん浮かんでて……どうも、その人が船を攻撃してるみたい」

リーゼリット「……!」

表情を変えるリーゼリット「待って……それって……」

ガイ「心当たりがあるのか?」

リーゼリット「……その人影、どんな姿だった?」

アインズ「ここからじゃ遠すぎてわからない。ただ、人の姿をしていて……周囲にいくつもの光が浮かんでる」

赤黒い雲の向こうを見つめるリーゼリット「……星詠みの魔女」ボソッ

サーシャ「え?」

ガイ「星詠みの……魔女?」

◆反転コンマ下1

01-20 3隻墜落 進行度+10%
21-40 2隻墜落 進行度+15%
41-60 2隻墜落 進行度+20%
61-80 1隻墜落 進行度+25%
81-00 墜落なし 進行度+30%

⭐︎現在進行度30%

⭐︎残存飛空艇10隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空挺に含みません。
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 23:06:58.49 ID:HzPZ5HzUO
880 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:53:32.80 ID:Y+p7dW3AO


ーー十三番飛空艇 甲板

前方を見つめるイーリン「……」

テル「随分近づいてきたね……」

アモ「うん……さっきより、セイントレアがずっと大きく見えるよ……」

空に浮かぶセイントレア王国「」ゴゴゴゴ……

アトニス「その分、あの攻撃の間隔も短くなってきている。ボクたちが落とされるのも時間の問題だな」

テル「アトニスちゃん、さらっと怖いこと言わないでよ……」

魔導通信機「」ピピッ……

リュウトウ〈各艇、現在の進路を維持!先ほどの三隻が落とされてから、攻撃が一時的に分散している!今のうちに距離を稼げ!〉

イーリン「聞こえましたね!このまま前進してください!」

女性暗黒館幹部「了解しました〜!」

加速する飛空艇「」ゴォォォォッ──

アモ「……みんな、来るよ!」

イーリン「!」

遠方に瞬く光「」キラッ──

イーリン「左へ!」

女性暗黒館幹部「はい〜〜〜!!!」

右舷を掠める光「」シュンッ──
弾ける結界「」バチィッ!

テル「あぶなっ!?ちょっと掠ったよ!?」

アトニス「くっ……なんて威力だ……!連発されたらボクの結界でも耐えきれないぞ!」

アモ「次が来るよ!」

光「」キラッ……キラッ……

イーリン「二つ……!高度を下げてください!」

女性暗黒館幹部「やってますぅ〜〜〜!!!」

急降下する飛空艇「」ギュオオオオッ──

頭上を通過する二条の光「「」」」ズオオオオッ!!

アトニス「ちょっ……髪!髪がぐちゃぐちゃになるって!」

テル「今それ気にしてる場合なの!?」
881 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:54:04.90 ID:Y+p7dW3AO
前方を見据えるイーリン「次が来ます!皆様、しっかり掴まっていてください!」

次々と飛来する光「「「」」」シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!

飛空艇「」ギュンッ!!ギュイインッ!!

すれ違う光「「「」」」ズオッ!!ズオオッ!!

テル「……っ!」

アモ「すごい……全部避けてる!」

アトニス「操舵手が泣きそうな顔してるがな!」

女性暗黒館幹部「無茶な指示を出されてるんですから当然です〜〜!」

イーリン「申し訳ありません!ですが、もう少しお願いします!」

女性暗黒館幹部「ふぇぇ……!帰ったら絶対お休みもらいますからねぇ〜〜〜!」

イーリン「ありがとうございます!」

アトニス「……イーリン!前を見ろ。さっきより見えるようになってきたぞ」

イーリン「……」ジッ……

赤黒い空の向こうに浮かぶ人影「……」フワ……

イーリン「……あれが……」

アモ「あの人が……みんなを攻撃してるの?」

テル「人……なのかな……」

アトニス「少なくとも、見た目はな」



風になびく赤橙色の長髪「」ファサ……

星の光を纏う空を飛ぶ魔女「……」

周囲に浮かぶ無数の星属性の光「」キラ……キラ……



アモ「……!」



十年前
ーー魔族国

即席ソリ「」スイー

魔族の子供「わああ!!」キャッキャ

幼女アモ「すべる〜」キャッキャ

赤橙ポニテ少女「飛ばすよ〜!」キャッキャ

黒髪ロング少女「も、もう少し速度を落として……!」



アモ「……嘘でしょ……あの髪の色って、まさか……」

◆反転コンマ下1

01-20 3隻墜落 進行度+10%
21-40 2隻墜落 進行度+15%
41-60 2隻墜落 進行度+20%
61-80 1隻墜落 進行度+25%
81-00 墜落なし 進行度+30%

⭐︎現在進行度60%

⭐︎残存飛空艇10隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空挺に含みません。
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 23:55:50.93 ID:K91DXDR80
883 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:57:25.90 ID:Y+p7dW3AO
◆追加判定

反転コンマ下1

01-10 イーリン
11-20 フラナ
21-30 ドルク
31-40 モーリィ
41-00 その他
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/08(土) 23:57:38.63 ID:+gfgFaMOo
885 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/08(土) 23:58:59.13 ID:Y+p7dW3AO
中途半端ですが、本日はここまでです。
明日は続きから始めたいと思います。

それでは、また。
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 01:32:37.12 ID:ySUXoHr6O

やっぱりイリスさんですよね
この人相手に蒼き星の杖をぶんどったブラッドさん陰の功労者すぎる
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/09(日) 02:16:05.56 ID:vcfakEITo
おつ
アルバさんとグレイグさんが良いコンビしてる
本来出会うはずのない二人が同じ人の下で組むのはロマンがある
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