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【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 III
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889 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/09(日) 18:33:23.14 ID:66kU8uFb0
謎の相手(たぶん星詠みの魔女)だけど今後戦闘になったりしそう。
890 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:35:24.98 ID:wC8qoGvbO
>>886
ぼかしてきましたが、大体あっています。
ブラッドさんは蒼き星の杖を取るために十年間かけて準備した分体を全て消耗してしまったようです。
>>887
世界めくれがある程度成功してしまったが故に、今回のような縁ができたのかもしれません。
二人は暗黒館初期からいるメンバーですので、何か通じ合うものがあったのでしょう。
>>888
>>882
のコンマが93をひっくり返して39となり、2隻が追加で撃墜されますので、残り8隻となります。
コンマ次第ですが、ここから減る可能性はあります。
>>889
この場ではまだ戦いませんが、いずれは相対することになるかと思います。
備えておきましょう。
891 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:37:35.02 ID:wC8qoGvbO
船員「くっ……モーリィさん!この船はもうもちません!脱出してください!」
モーリィ「だが、お前たちはどうする!?」
船員「魔族国の救援部隊が来ます!俺たちは大丈夫です、だから早く!」
崩れる船体「」メキメキメキッ……
モーリィ「……っ」
船員「行ってください!!」
飛び立つモーリィ「……すまない!」バサッ!!
船員「ここでお終いか……あとは頼んだぜ、暗黒館……!」
墜落していく飛空艇「」ヒュウウウ……
モーリィ「……」
遠ざかる飛空艇を振り返るモーリィ「……救援を待てる状態じゃないだろうが……!」
モーリィの背後で爆発する飛空艇「」ドガァァァンッ!!
モーリィ「っ……!」
翼を強く羽ばたかせるモーリィ「……嘘をつくなら、せめてもう少しマシな嘘をつけ……!」バサァッ!!
加速するモーリィ「」ギュオオオッ──
◆
892 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:38:30.64 ID:wC8qoGvbO
赤黒い空の向こうに浮かぶ人影「……」フワ……
モーリィ「……あいつか。何隻も落としたヤツは!」
周囲に瞬く無数の星属性の光「」キラ……キラ……
赤橙色の長髪の魔女「……」
モーリィ「……っ……イリス……?……いや……そんなはずは……」
魔女の周囲に浮かぶ光「」キラッ……
モーリィ「!」
放たれる星属性の光「」カッ──
回避するモーリィ「くっ!」ギュンッ!!
光「」ギュォォォォン──
空中で体勢を立て直すモーリィ「」バサッ!!
モーリィ「……明確に私を狙っている……!」
赤橙色の長髪の魔女「……」
モーリィ「おい、イリスなのか!?」
モーリィに手を向ける赤橙色の長髪の魔女「……」スッ
モーリィ「答えろ!」
赤橙色の長髪の魔女「……」
魔女の周囲に集まる星属性の光「」キラキラキラッ……
放たれる無数の光「「「」」」シュバババッ!!
空中を縫うように飛ぶモーリィ「チィッ!」ギュンッ!
モーリィを追跡する光「「「」」」ビュンビュンビュンビュン!!!
モーリィ「こんなもの……っ!」グルンッ!
ぶつかり合う光「」ドドドドド……ドガァァァン!
赤橙色の長髪の魔女「……」
拳を振り抜くモーリィ「はああっ!!」ブオンッ!!
星の障壁「」ヴゥンッ──
モーリィの拳「」ガギィンッ!!
モーリィ「ぐっ……!」
星の障壁の向こうに佇む魔女「……」
893 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:39:57.26 ID:wC8qoGvbO
◇
セイントレアへ急速に接近する飛空艇「「「」」」ゴォォォォッ──
船員「セイントレアまでの距離、急速に縮まっています!」
リュウトウ「モーリィ、無茶をする……!今の内に一気に進め!」
バールベルト「ぜ、全艇へ伝えます!」
◇
赤橙色の長髪の魔女「……」
息を荒らすモーリィ「はぁ……はぁ……」ボロッ……
モーリィの傷口から滴る血「」ボタ……ボタ……
赤橙色の長髪の魔女「……」
モーリィ「……フッ」
遠ざかっていく船団「「「」」」ゴォォォォ……
モーリィ「私に構っていたせいで……随分、行かれてしまったな……?」
赤橙色の長髪の魔女「……」
口元を僅かに上げるモーリィ「」ニィッ……
モーリィ「だったら……私が落とされるのも……無駄じゃないか……」
収束する巨大な星属性の光「」ギュオオオオオ……
モーリィ「……最後に一つだけ答えろ……イリス」
赤橙色の長髪の魔女「……」
モーリィ「お前は……」
モーリィ「……あの時のお前は、もういないのか……?」
赤橙色の長髪の魔女「……」
目を閉じるモーリィ「……そうか……」
カッ──
◆
894 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:40:34.79 ID:wC8qoGvbO
赤黒い雲に落ちていくモーリィ「」ヒュウウウ──
赤橙色の長髪の魔女→星詠みの魔女「……」クルッ
高速で船団に接近していく星詠みの魔女「」ビュンッ──
◆
ーークロシュヴァリエ号 甲板
サーシャ「ああっ……そんなっ……!」
リーゼリット「モーリィさん……!あんなに傷だらけになるまで、一人で……!」
アインズ「……モーリィ……!」
拳を握るガイ「……」ギリッ……
フローディア『とんでもない存在ね。竜相手に、全然消耗した様子がないなんて……』
ベルトーネ『……けど、お陰でかなり近づけた。セイントレアはもう目の前だよ〜』
魔導通信機「」ピピッ
リュウトウ〈……こちら、リュウトウ。クロシュヴァリエ号、聞こえるか?〉
アインズ〈聞こえるぞ……こっちは全員無事だ〉
リュウトウ〈了解した。セイントレアまで残り僅かだ。ここからクロシュヴァリエ号を最優先で前へ出す。残存艇には既に伝えてある……これより各艇は順次前へ出て、敵の攻撃を引き受ける〉
サーシャ「……!」
リュウトウ〈クロシュヴァリエ号は何があっても止まるな。左右も後ろも見る必要はない。ただセイントレアだけを目指せ〉
アインズ〈……わかった〉
リュウトウ〈それと、“切り札”の準備も整った。ここから先は今まで以上に荒れるぞ。用心しておけ〉
アインズ〈了解した〉
魔導通信機「」ピッ
サーシャ「……残ってる船が、全部前に出るって……」
リーゼリット「……私たちを通すためだよ。ここからが、本当の正念場なんだ……」
ガイ「……」
前方に迫るセイントレア王国「」ゴゴゴゴ……
ガイ「ここまで来たんだ……何があっても、必ず辿り着く……!」
◆反転コンマ下1
01-30 6隻墜落 進行度+10%
31-40 5隻墜落 進行度+15%
41-70 4隻墜落 進行度+20%
71-90 3隻墜落 進行度+20%
91-00 3隻墜落 進行度+25%
⭐︎現在進行度75%
⭐︎残存飛空艇8隻
※クロシュヴァリエ号は残存飛空艇に含みません。
895 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/09(日) 19:41:33.47 ID:b8oxj6qJ0
あ
896 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/09(日) 19:45:53.36 ID:wC8qoGvbO
◆追加判定
反転コンマ下1〜2(重複した場合は片方がその他の判定になります)
01-10 イーリン
11-20 フラナ
21-30 ドルク
31-00 その他
897 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/09(日) 19:47:03.51 ID:MQbZHxxyO
な
898 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/09(日) 19:48:25.30 ID:zpbTcCOL0
あ
899 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:13:21.57 ID:KhBm2lfOO
飛空艇の真横を飛ぶ星詠みの魔女「」ギュンッ──
杖を向けるテル「横につかれた!」スッ
迸る電流「」バチバチバチバチッ!!!
星の障壁「」ヴゥンッ──
弾かれる電流「」バヂィッ!
テル「嘘ォッ!?全力を防がれた!?」
アトニス「攻撃を緩めるな!ありったけをかましてやれ!」
船員たち「「はいっ!」」
ドガン!ドドドドドドッ!ドッガァン!
星の障壁「」ヴゥンッ──
アモ「……やっぱり、見間違いじゃない……!イーリンさん、あれ、イリスさんだよ!」
イーリン「……アモ、今なんて!?」
アモ「十年前、魔族国に来てた人……クロシュちゃんたちと一緒に、私たちとも遊んでくれた人だよ……!人間なのに、魔族国のために戦ってくれた……イリスさん!」
イーリン「それって……」
星詠みの魔女「……」
周囲に浮かぶ星属性の光「」キラ……キラ……
甲板の縁へ駆け寄るアモ「……っ、イリスさん!!!」ダッ
イーリン「アモ!!!近づいてはダメ!!!」
テル「アモちゃん!?」
アトニス「!?バカ、何してる!下がれ!」
手すりから身を乗り出すアモ「聞こえてる!?私だよ!アモだよ!!」
星詠みの魔女「……」
アモ「魔族国で……公園で、クロシュちゃんと一緒に遊んだでしょ!?ソリに乗って……みんなで……!私、あの時まだ子供だったけど……ちゃんと覚えてるよ!」
アモ「イリスさんなんだよね!?」
星詠みの魔女「……」
星詠みの魔女の周囲に集まり始める光「」キラキラ……
アトニス「!っ、アモ!!!下がれ!!!」
イーリン「回避!!」
女性暗黒館幹部「はいぃぃぃっ!!!」グイッ!!
飛空艇「」ギュオオオオッ──
星属性の光「」カッ──
船体脇を掠める光「」ズギュウウウウンッ!!!
結界「」バヂィッ!!!
血を吐くアトニス「うおおお……!ぐっ……!かっ、はっ……!」ビチャッ!
テル「アトニスちゃん!」
口元を拭うアトニス「ごほっ……ごほっ……まだ、持つ!だが、次をまともに受けたら保証できないぞ!」フキフキ……
手を向ける星詠みの魔女「……」スッ
周囲に集まる無数の光「」キラキラキラキラ……
900 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:14:16.69 ID:KhBm2lfOO
女性暗黒館幹部「ま、また来ますぅ!!」
イーリン「全員、掴まってください!!」
アモを掴むテル「アモちゃん!こっち!」ガシッ
アモ「ねえ、イリスさん……何があったのか……私には分からないよ……でも……」
拳を握るアモ「」ギュッ……
アモ「こんなこと、する人じゃなかったでしょ……!」ポロッ……
星属性の光「」カッ──
船員たち「「「うわぁぁぁっ!!」」」
女性暗黒館幹部「きゃああっ!!」
流血するアトニス「ぐっ!!!うああああっっ!!!」ビチャアッ!!!
消失していく結界「」シュウン──
イーリン「っ……アトニス様!!!」
船体側面「」メキメキメキッ……
傷ついた船員たち「「「うぅ……」」」
テル「……左舷後部が大破してる!負傷者もかなり……!イーリンさん、これ以上は……!」
女性暗黒館幹部「操舵が……重いですぅ……!」グググッ……
イーリン「まだ飛べますか!?」
女性暗黒館幹部「飛ばしますぅ!!飛ばせる限りはぁ!!」グググッ……
アモ「……」フラッ……
アモ「……やっぱり……覚えてないの……?」ポロポロ……
星詠みの魔女「……」
魔導通信機「」ピピッ
リュウトウ〈十三番艇!被害状況を報告しろ!〉
イーリン〈こちら十三番艇!左舷後部に直撃!航行は継続可能ですが、機動力が大幅に低下しています!〉
リュウトウ〈無理なら後退しろ!救助艇を向かわせる!〉
クロシュヴァリエ号を見つめるイーリン「……」
前進し続けるクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……
イーリン〈……いいえ。まだ進めます。私たちは、まだ飛べます。ここで後退する理由はありません〉
女性暗黒館幹部「……!」
イーリン〈このまま前進を続けます〉
リュウトウ〈……分かった。だが、本当に危険だと判断したら即座に離脱しろ!これは命令だ!〉
イーリン〈承知しました〉
魔導通信機「」ピッ
901 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:15:01.62 ID:KhBm2lfOO
女性暗黒館幹部「……イーリンさん」
イーリン「はい?」
女性暗黒館幹部「前に出るんですよね?……クロシュヴァリエ号を、ガイさんたちを少しでも先に行かせるために」
イーリン「……お願いできますか?」
女性暗黒館幹部「もうここまで来ちゃいましたからねぇ……!」
操舵桿を強く握る女性暗黒館幹部「帰ったら長期休暇、本当にお願いしますよぉ!!!」グイッ!!
大きく加速する飛空艇「」ゴォォォォォッ──
テル「ちょっ、待って!この状態で速度上げるの!?」
イーリン「アトニス様!」
膝をつくアトニス「……分かってる!」ググッ……
口元の血を拭うアトニス「次が来るまでに、最低限の結界を張り直す……!」フラッ……
アモ「アトニスさん……無理しないで……!」
アトニス「無理をしなきゃ落ちるんだよ……!」スッ
淡い光に包まれる飛空艇「」ヴゥン……
アトニス「……これで、直撃を一度だけなら……多分な」
テル「多分って……!」
アトニス「文句があるならもっと可愛い結界術師を連れてこい!」
テル「こんな時までそれ!?」
イーリン「……来ます!」
星詠みの魔女「……」フワ……
飛空艇へ向けられる手「」スッ
収束する光「」キラ……キラキラ……
俯くアモ「……イリスさん……」
星詠みの魔女「……」
アモ「……」
俯くアモ「……ごめんね」
テル「アモちゃん……?」
顔を上げるアモ「でも……今は、みんなを守るから」
心属性の魔力「」フワッ……
アモ「……イーリンさん!少しだけ、みんなの恐怖を抑えるよ!」
イーリン「……お願いします!」
船員たちを包む淡い光「」ポゥ……
震えていた船員「……っ」
別の船員「……まだ、やれる……!」
女性暗黒館幹部「おおっ……なんだか手の震えが止まりましたぁ!」
アモ「……少しは、役に立てたかな?」
イーリン「十分です!」
902 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:16:23.30 ID:KhBm2lfOO
無数の星属性の光「」カッ──
結界「」ヴゥンッ!!!
星属性の光「」ズドォォォォンッ!!!
アトニス「ぐ、ああああああっ!!!」ビチャッ!!
砕け散る結界「」バリィィィンッ!!!
テル「アトニスちゃん!!」
吹き飛ばされるアトニス「」ドサッ!
アモ「アトニスさん!」
テル「意識はある!でも、もう結界は無理!」
イーリン「……!」
遠ざかっていくクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……
イーリン「……よし」
テル「イーリンさん?」
イーリン「クロシュヴァリエ号が前に出ました」
アモ「……!」
イーリン「このまま、もう少しだけ引き付けます!」
女性暗黒館幹部「了解ですぅ!!!」
テル「待ってイーリンさん!アトニスちゃんはもう結界を張れないんだよ!?次を受けたら──」
イーリン「分かっています」
テル「だったら!」
イーリン「だからこそ、次を撃たれる前に可能な限り距離を稼がせます」
テル「……!」
星詠みの魔女「……」
イーリン達を追う星詠みの魔女「」ギュンッ──
イーリン「……狙いはこちらに向いているようですね」
星詠みの魔女の背後に広がる無数の星光「」キラキラキラキラキラ……
テル「……あれ、さっきまでと数が違うよ……」
女性暗黒館幹部「え……?」
アモ「……っ」
イーリン「……」
アトニス「……おい……イーリン……」ボロッ……
イーリン「アトニス様?」
アトニス「逃げろ……あれは……船ごと消し飛ばす気だ……」
テル「っ……!」
903 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:18:16.55 ID:KhBm2lfOO
魔導通信機「」ピピッ!!
リュウトウ〈十三番艇!!直ちに離脱しろ!!!敵の魔力反応が急上昇している!!〉
女性暗黒館幹部「イーリンさん!!」
イーリン「……回頭してください!全速で離脱!」
女性暗黒館幹部「はいっ!!!」グイッ!!!
旋回を始める十三番飛空艇「」ギュオオオ──
船体「」ギギ……メキッ……
女性暗黒館幹部「っ!?操舵が……!」
テル「損傷した左舷がついてきてない!」
十三番飛空艇「」グラッ……
イーリン「立て直してください!」
女性暗黒館幹部「やってますぅ!!!でも、これ以上は──!」
一斉に収束する星属性の光「」ギュオオオオオオ……
アモ「イーリンさん……!」
イーリン(避けられない。アトニス様はもう結界を張れない。この船の損傷では、回避も間に合わない)
目を閉じる船員たち「「「……!」」」
目を閉じる女性暗黒館幹部「……っ」
テル「……くっ」
アモ「……」
イーリン(このままでは──)
◇
ホーリー『人のままでは間に合わない時があります』
ホーリー『人のままでは守れない』
◇
イーリン「……違う」
テル「……イーリンさん?」
イーリン「……私は……」
◇
ホーリー『届かない時は?』
イーリン『……届かせます』
ホーリー『では、届かせるために何を捧げますか』
◇
イーリン「……」
テル「イーリンさん!」
イーリン「……テル様」
テル「何!?」
イーリン「アトニス様をお願いします」
テル「え……?」
イーリン「アモ。みんなの近くにいて」
アモ「待って……何する気なの?イーリンさん」
イーリン「……全員を助けます」
テル「どうやって!?」
◇
聖女「──お祈りのやり方ですか?もちろん、教えてあげますよ。まずは、両手を合わせて目を閉じて──」
◇
904 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:18:52.90 ID:KhBm2lfOO
目を閉じて手を合わせるイーリン「……」スッ……
アトニス「……おい……待て……」ググッ
イーリン『心は……此処に』
神気「」バチッ……
イーリン『意思は……私に』
神気「」バヂヂッ……
アトニス「やめろ!!!その力は──!」
イーリン『祈りを……理に──』
神気「」バヂヂッ、バヂヂヂヂッ!
アモ「なにこれ……あったかい……?」
テル「この光……ラティア・ヘイヴンのときの!?」
イーリンの周囲に集まる神気「」バチッ……バチチッ……
アトニス「馬鹿野郎……!一度戻ってこられたからって、次も戻れる保証はないんだぞ!!!」
墜落する飛空艇「」ヒュウウウウウン──
泣き出す船員「死にたくない……!」
負傷した船員「くっ……!」
女性暗黒館幹部「まだ……まだ何か……!」ググッ……
イーリン(ここには……救いたい人がいる)
神気「」ゴオオオオオッ──
イーリン(今は、それだけで……十分です)
一瞬だけイーリンの背後に浮かぶ光輪「」バヂッ──
カッ──
アトニス「イーリン!!!」
目を開くイーリン「……大丈夫です。私は──」
背後に浮かぶ光輪「」カッ──
化身イーリン「私のままで、皆様を救います」
905 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:19:56.91 ID:KhBm2lfOO
テル「イーリン、さん……?」
アモ「……綺麗……」
アトニス「……馬鹿野郎……」
星詠みの魔女の背後に展開する無数の星光「」キラキラキラキラキラ……
女性暗黒館幹部「き、来ますぅ!!!」
一斉に放たれる星属性の光「「「「「」」」」」カッ──!!!
船員たち「「「っ!!!」」」
飛空艇の前へ歩み出る化身イーリン「……」スタスタ……
星属性の光「「「「「」」」」」ズギュウウウウウンッ!!!
差し出されるイーリンの掌「」スッ……
星属性の光「「「「「」」」」」ピタッ──
テル「……え?」
アモ「止まっ……た……?」
化身イーリン「……」
握られるイーリンの拳「」ギュッ……
霧散する星属性の光「「「「「」」」」」シュウン──
光の粒子「」キラキラ……
女性暗黒館幹部「ぜ、全部……消えた……?」
アトニス「魔法を……打ち消したのか……それも、あの数を全部……」ハァ……ハァ……
飛空艇の甲板へ手を触れる化身イーリン「」スッ……
飛空艇を包み込む神気「」ポゥ……
落下速度が緩やかになる飛空艇「」フワッ……
船員「な……なんだ!?」
別の船員「船が……浮いてる……!」
女性暗黒館幹部「操舵が……戻って……!?い、いえ、船そのものが何かに支えられてますぅ!」
テル「イーリンさんが……この飛空艇を……?」
化身イーリン「……着陸できる場所を」
女性暗黒館幹部「は、はい!」
星詠みの魔女「……」
周囲に集まる星光「」キラキラキラ……
アモ「……イリスさん……」
背後を振り返る化身イーリン「」クルッ……
落下する飛空艇を見る星詠みの魔女「……」
◆
906 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:20:25.48 ID:KhBm2lfOO
ーー地上
荒れた平原「」ヒュオオオ……
ゆっくりと降下する飛空艇「」フワァァ……
船底「」ズンッ
飛空艇「」ズザザザザッ──!!!
土煙「」ブワァァァッ!!!
停止する飛空艇「」ピタッ……
シーン……
女性暗黒館幹部「……」
船員「……止まった……?」
別の船員「生きてる……俺たち……」
負傷した船員「……助かった……」
アモ「イーリンさん……!」
化身イーリン「……皆様……ご無事、ですか……?」
テル「うん……!怪我人はいるけど、全員生きてるよ!」
女性暗黒館幹部「着陸……成功ですぅ……!」
化身イーリン「……そう、ですか……」
消えていく光輪「」シュウン……
アトニス「イーリン!」
元の姿へ戻るイーリン「……よかっ、た……」ニコッ
イーリン「」フラッ……
アモ「イーリンさん!」バッ
テル「危ない!」ガシッ
二人に抱えられるイーリン「……」グッタリ……
脈を確認するテル「イーリンさん!聞こえる!?脈は──」
イーリン「……」
テル「……気を失ってるだけかぁ……脈もある。生きてるよ!」
アモ「……よかった……!」
アトニス「……ったく……本当に、とんでもない馬鹿だ……」
女性暗黒館幹部「……でも」
遠くの空を見上げる女性暗黒館幹部「クロシュヴァリエ号……もう、あんなところまで行ってますよぉ……」
セイントレアへ向かって進むクロシュヴァリエ号「」ゴォォォォ……
空を見上げるアモ「……」
空を見上げるアトニス「……なら、こいつが無茶した意味はあったってことだ。あとは……アイツ等なら辿り着くだろ」
テル「うん……ありがとう、イーリンさん」
◆
907 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:21:43.29 ID:KhBm2lfOO
ーー救援部隊 飛空艇 甲板
魔導通信機「」ピピッ
通信士〈十三番艇、墜落!繰り返す、十三番艇が墜落した!〉
フラナ「十三番……イーリンたちの船ね」
魔族兵「救難信号は!?」
通信士「途絶えています!ですが、墜落直前まで船体反応は残っていました!」
フラナ「なら、生存者はいる。十三番艇の墜落地点へ向かいなさい。高度を落として、生存者を回収するのよ」
操舵手「ですが、船団から離れれば我々も──」
フラナ「分かってるわ」
遠方で瞬く光「」キラッ──
フラナ「だから私が降りる」
魔族兵「……え?」
フラナ「この船は救助に回す。私は自分で飛んで、前方の飛空艇に拾ってもらうわ」
魔族兵「お一人でですか!?」
フラナ「飛べる私まで船に残ってどうするの。救助艇は一人でも多く乗せられるように空けておきなさい」
魔族兵「ですが……!」
フラナ「これは命令よ」
魔族兵「……っ、了解!」
救援艇から飛び立つフラナ「じゃ、よろしく」バッ
魔族兵「フラナ様も必ず戻ってきてください!」
フラナ「当たり前でしょう」
広がる翼「」バサァッ!!
◆
赤黒い雲「」ゴロゴロ……
飛行するフラナ「」バサッ!バサッ!
前方を進む飛空艇「」ゴォォォォ……
フラナ「……あれなら追いつけ──!?」バッ
横切る星属性の光「」ズギュウウウンッ!!!
フラナ「チッ!」クルッ!
空中で急旋回するフラナ「」ギュンッ──
背後を通過する光「」ズオオオオッ!!
フラナ「……今のは偶然じゃないわね……どこから──」キョロキョロ
赤黒い雲の向こうに浮かぶ人影「……」フワ……
フラナ「……!」
人影の周囲に瞬く星属性の光「」キラ……キラ……
フラナ「星属性……」
風になびく赤橙色の長髪「」ファサ……
フラナ「……その髪……」
◇
赤橙ポニテ少女「フラナさん!」
◇
赤橙色の長髪の魔女「……」
周囲に漂う光「」キラ……キラ……
目を細めるフラナ「……そう……あんたなのね」
908 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:22:12.58 ID:KhBm2lfOO
フラナ「随分と変わったじゃない、イリス?髪も伸びて、雰囲気も……昔とはまるで別人ね」
フラナ「でも、その星の力まで見間違えるほど耄碌した覚えはないわ」
星詠みの魔女「……」スッ
フラナ「……返事くらいしなさいよ」
魔女の周囲に集まる光「」キラキラキラッ……
フラナ「十年ぶりに会った知り合いに向けるものが、それ?」
放たれる星属性の光「」カッ──
急降下するフラナ「」ギュンッ──
頭上を通過する光「」ズギュウウウウンッ!!!
大きく旋回するフラナ「」グルッ──
フラナ「……本気で私を殺すつもりなのね」
星詠みの魔女「……」
フラナ「だったら……」
フラナの周囲に広がる血の魔力「」ドクンッ……
フラナ「こっちも、悠長に昔話をしている場合じゃなさそうね」
翼を大きく広げるフラナ「」バサァッ!!
星詠みの魔女「……」
周囲に浮かぶ無数の光「」キラキラキラキラ……
フラナ「魔族のために戦って……あの子たちと笑って……人間と魔族が憎み合うしかなかったあの国で、あんたは馬鹿みたいに真っ直ぐだった」
星詠みの魔女「……」
フラナ「そんなあんたが──どうしてこんなことをしてるの?」
星詠みの魔女「……」
目を鋭くするフラナ「……気に入らないわね」ギロッ
フラナ「誰に何をされたの?自分でこうなったの?」
星詠みの魔女「……」
フラナ「……今のあんたは、本当にイリス・プラネットなの?」
星詠みの魔女「……」
一斉にフラナへ向く星光「」ギュンッ!!
フラナ「……答える気はない、と」バサッ……
放たれる無数の星属性の光「「「」」」シュババババッ!!!
フラナ「上等よ!」
空を蹴るように加速するフラナ「」ドンッ!!!
星光の間を縫うフラナ「」ギュンッ!ギュンッ!
すれ違う星属性の光「「「」」」
フラナ「答えるまで──」
星詠みの魔女へ一直線に迫るフラナ「」ギュオオオオッ──
フラナ「ぶん殴ってでも聞き出してやるわ!!!」
◆
909 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:22:59.23 ID:KhBm2lfOO
星詠みの魔女「……」
迫るフラナ「はあっ!!」ブンッ!!
フラナの拳「」ギュオッ!!
星の障壁「」ヴゥンッ──
拳と障壁の激突「」ドゴォォォンッ!!!
空気「」ビリビリビリッ!!!
フラナ「っ……硬いわね……!」ギリッ
星詠みの魔女「……」
フラナ「でも──」
フラナの腕から溢れ出す血「」ブシャッ!!
血液から形成される無数の短剣「」ジャキジャキジャキンッ!!
フラナ「これはどう!?」ブンッ!!
高速射出される血刃「「「」」」ギュババババッ!!!
星の障壁「」ヴゥンッ!!
血刃「「「」」」ガガガガガッ!!!
血刃を弾き続ける星の障壁「」バチバチバチッ!!
大きく翼を打つフラナ「」バサァッ!!
星詠みの魔女の頭上へ回り込むフラナ「」ギュンッ
フラナ「──これはおまけよ!」ブンッ!!
巨大な血の槍「」ズズズッ──
フラナ「ブラッドランス!!」
落下する巨大な血槍「」ギュオオオオオッ!!!
星の障壁「」ヴゥンッ!!
ドッッッゴォォォォォンッ!!!
赤黒い雲「」ブワァァァッ!!!
910 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:23:33.65 ID:KhBm2lfOO
フラナ「……!」
亀裂の走った星の障壁「」ピキッ……
血槍をさらに押し込むフラナ「」グググッ!!
星の障壁「」ピキピキピキッ……
星の障壁「」パリィィンッ!!!
フラナ「!」
砕け散る星光「」キラキラキラッ……
星詠みの魔女「……」
フラナ「捕まえ──」
星詠みの魔女の瞳「」キラッ──
フラナ「!?」
至近距離に出現する星光「」ポゥ……
フラナ「な──」
炸裂する星光「」カッ──!!!
フラナ「ぐっ!!!」ドガァッ!!
吹き飛ばされるフラナ「」ギュウウウンッ!!!
フラナ「っ……く……!」バサッ!バサッ!
空中で体勢を立て直すフラナ「」ギュンッ──
焼け焦げたフラナの腕「」ジュウウ……
フラナ「……ふふっ、腕を上げたわね、イリス?……」
星詠みの魔女「……」
フラナ「……」
911 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:24:46.60 ID:KhBm2lfOO
フラナ(障壁は破れる。反応速度も……追えないほどじゃない。でも、この出力……とんでもないわね。それに、魔力の底がまるで見えない……あれだけの魔力を使って、消耗してる様子が一切見えないなんて……)
星詠みの魔女の周囲に浮かび上がる星光「」キラ……キラ……
フラナ「……ったく」
自身の腕に噛みつくフラナ「」ガブッ
流れ出る血液「」タラ……
フラナ「っ……昔からそうだったわね」
宙へ浮かぶ血液「」フワッ……
フラナ「教えたことをすぐ吸収して……気が付けば勝手に先へ行って」
無数に分裂する血液「」プツッ……プツプツ……
フラナ「師匠でもない私に、師匠だ先生だって勝手に懐いて」
形成されていく血の槍「「「「」」」」ジャキンッ!!
フラナ「……挙げ句の果てに」
フラナを取り囲む無数の血槍「」ゴゴゴゴ……
フラナ「十年ぶりに会ったら、こんな化け物になってるなんてね。本当に──」スッ
フラナ「可愛げのない教え子だわ!!」
振り下ろされる腕「」ブンッ!!
飛来する血槍「「「「」」」」ギュオオオオオオッ!!!
星詠みの魔女「……」
周囲に展開する星光「」キラキラキラキラッ!!
星光「「「「」」」」シュババババッ!!!
血槍「「「「」」」」ドドドドドドッ!!!
ドガンッ!!ドッガァァンッ!!!
フラナ「まだよ!!」
フラナの手に形成される血の大剣「」ズシャッ!!
フラナ「はあああっ!!!」ブオンッ!!
振り抜かれる血剣「」ギュオッ!!
星の障壁「」ヴゥンッ!!
ドガァァァンッ!!!
星の障壁「」ピキッ!!
フラナ「もう一発!!」
血剣「」ブオンッ!!
星詠みの魔女「……」スッ
血剣へ触れる星詠みの魔女の指先「」トンッ
フラナ「なっ……!?」
血液へ戻って飛び散る大剣「」バシャバシャッ!!
フラナ「術式を……崩した!?」
星詠みの魔女「……」
フラナ「……随分器用なことまで──」
腹部へ向けられる魔女の掌「」スッ
フラナ「っ!!」バサッ!!
星光「」カッ──!!!
912 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:25:30.73 ID:KhBm2lfOO
血を吐くフラナ「ぐはっ!!!」ビチャッ!!
吹き飛ばされるフラナ「」ギュウウウンッ!!!
フラナ「がっ……!」バサッ……バサッ……
フラナ「……っ、はぁ……はぁ……容赦……ないわね……」
遠方を進んでいく飛空艇群「」ゴォォォォ……
フラナ「……」
フラナ(でも……この子が私を狙ってる間は……船団への攻撃が、止まってる)
星詠みの魔女「……」
フラナ「……なるほどね」
口元の血を拭うフラナ「」グイッ
フラナ「だったら、もう少し付き合ってもらおうかしら」
星詠みの魔女「……」
フラナ「どうせあんた、私を殺すまで追いかけてくるんでしょう?」
血液を再び集めるフラナ「」ブワッ……
フラナ「だったら精々──」
形成される二本の血槍「」ジャキンッ!!
フラナ「私だけを見てなさい!!」星詠みの魔女へ突進するフラナ「」ギュンッ──!!!
星詠みの魔女「……」
放たれる星光「」シュバッ!!
フラナ「遅い!」クルッ!
回避するフラナ「」ギュンッ!!
血槍を投擲するフラナ「」ブンッ!!
血槍「」ギュオオオッ!!
星の障壁「」ヴゥンッ!!
血槍「」ドガッ!!
フラナ「こっちもよ!」
死角から迫るもう一本の血槍「」ギュバッ!!
星詠みの魔女「……」クルッ
星光「」カッ!!
血槍「」バシャッ!!
フラナ「……!」
フラナ(完全に捌かれた……)
913 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:25:58.98 ID:KhBm2lfOO
星詠みの魔女「……」
フラナ「……まだ──」
星詠みの魔女の背後に広がる魔法陣「」ヴゥン──
フラナ「……」
無数の光「」キラッ……キラキラキラキラキラ……
フラナ「……ちょっと」
さらに増えていく無数の光「」キラキラキラキラキラキラキラ……
フラナ「今まで本気じゃなかったっていうの?」
星詠みの魔女「……」
フラナ「……」
フラナ(避けきれない……)
フラナ(防ぎ切るのも無理。だけど──)
周囲へ広がるフラナの血液「」ブワッ!!
幾重にも重なる血の盾「」ズズズズッ……
フラナ「少しくらいは……意地を見せてやるわ!!」
星詠みの魔女「……」スッ
振り下ろされる手「」フッ
星光「「「「「「「「」」」」」」」」カッ──!!!
星属性の奔流「」ズギュウウウウウウウウウンッ!!!!
ドッッッッゴォォォォォォォンッ!!!!!!
煙「」モクモク……
煙の中から落下する影「」ヒュウウウウ……
星詠みの魔女「……」
墜ちていくフラナ「……イリ……ス……」ヒュウウウウウン──
◆
914 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:26:50.87 ID:KhBm2lfOO
ーー指揮艇 甲板
バールベルト「そ、そんな……フラナ・バイオレットまで……!」
リュウトウ「救助部隊へ落下位置を送れ」
通信士「は、はい!」
リュウトウ「船団は止めるな。前進を継続」
バールベルト「ですが……敵がこちらへ戻ってきてますよ!」
リュウトウ「見えている」
星詠みの魔女「……」
周囲に増えていく星光「」キラキラキラキラ……
船員「魔力反応増大!」
通信士「照準……こちらです!!」
バールベルト「回避を──!」
リュウトウ「間に合わん」
バールベルト「えっ」
リュウトウ「操舵を変えるな」
操舵手「し、しかし!」
リュウトウ「そのまま進め」スッ……
リュウトウ「……この距離ならば……届くな」
バールベルト「……?」
リュウトウ「明石流奥義──」
黒い打刀「」ヴォンッ
◇
星詠みの魔女「……」スッ
船団へ向けられる無数の星光「」ギュンッ!!
ズバッ!!!
星詠みの魔女「……!?」
崩れる魔法陣「」バラッ……
空中に散る粒子「」キラキラキラ……
◇
915 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:27:28.84 ID:KhBm2lfOO
リュウトウ「──無元斬り」スチャッ
バールベルト「……え?」
通信士「て、敵の魔力反応……消失!?」
操舵手「何を……したんですか……?」
リュウトウ「術を斬った」
バールベルト「いやいやいやいや、ここからあそこまでどれだけ距離があると思ってるんですか!?」
リュウトウ「距離は関係ない」
バールベルト「関係ありますよ普通は!!」
リュウトウ「私の剣には関係ない……それより、敵が注意をこちらに向けたようだ」
バールベルト「えっ」
◇
遠く離れた指揮艇を見つめる星詠みの魔女「」ジッ……
◇
星詠みの魔女を見据えるリュウトウ「」ジッ……
リュウトウ「全艇へ通信」!
通信士「は、はい!」
魔導通信機「」ピピッ……
リュウトウ〈敵の注意はこちらへ向いた。この隙に全艇、速度を上げろ。クロシュヴァリエ号は何があっても止まるな。そのままセイントレアへ進め〉
バールベルト「しょ、将軍……まさか……」
リュウトウ「何だ」
バールベルト「今度はこっちが狙われますよね……?」
リュウトウ「そうだな」
バールベルト「そうだな、じゃないですよ!!」
黒い打刀に手を置くリュウトウ「安心しろ」スッ
リュウトウ「落とされるつもりも、死ぬつもりもない」
遠方で一斉に瞬く光「」キラッ……キラキラキラッ……
916 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:28:12.35 ID:KhBm2lfOO
バールベルト「いっぱい来てるぅぅぅっ!!!」
リュウトウ「右十五度」
操舵手「はいっ!!」
急旋回する指揮艇「」ギュオオオオッ!!
飛来する星光「」ズギュウウウンッ!!!
船体脇を通過する光「」ズオオオオッ!!
リュウトウ「高度を落とせ!」
操舵手「急降下します!!」
指揮艇「」ギュウウウンッ!!
頭上を薙ぐ星光「「」」」ズドォォォンッ!!!
バールベルト「ひぃぃっ……!」
星詠みの魔女「……」
背後に広がる複数の魔法陣「」ヴゥン……
リュウトウ「……」
リュウトウ(もう対策されたか。あれでは無元斬りで斬ったところで攻撃は防げない……)
リュウトウ(それと、魔法陣だけではなくあの人影ごと斬ったはずだが……まるで手応えがない。斬撃が通じていない……?いや、確かに捉えた。ならば、あれは一体……)
星詠みの魔女「……」スッ
複数の魔法陣「「「」」」ヴゥン……
無数の星光「」キラキラキラキラッ……
通信士「ま、魔力反応……急増!!」
バールベルト「さっきより多いですよ!?」
リュウトウ「散らして撃ってくるぞ。総員、何かに掴まれ!」
一斉に放たれる星光「「「「「」」」」シュババババッ!!!
操舵手「来ます!!」
黒い打刀へ手を添えるリュウトウ「」スッ
黒い打刀「」ヴォンッ──
ズバッ!!!
バールベルト「ま、また斬った……!」
917 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:28:59.47 ID:KhBm2lfOO
リュウトウ「無元斬り!」
ズバッ!!
バシュウウウッ!!
通信士「二射目、消失!」
リュウトウ「っ……」
バールベルト「将軍?」
リュウトウ「……問題ない」
リュウトウ(連続使用の負荷が……昔よりは遥かに耐えられるが、無限には使えん)
リュウトウ(そして向こうは──)
星詠みの魔女「……」
さらに展開される魔法陣「「「「「」」」」ヴゥン……!!
リュウトウ(まったく底が見えない……!)
バールベルト「ま、また増えましたよ!?」
通信士「左右後方にも反応!完全に囲まれています!!」
リュウトウ「……船団は?」
通信士「クロシュヴァリエ号、順調に前進! 残存艇も続いています!」
リュウトウ「進行度は」
通信士「八割を越えました!」
リュウトウ「……各艇へ通信」
918 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:29:35.55 ID:KhBm2lfOO
通信士「は、はい!」
魔導通信機「」ピピッ……
リュウトウ〈こちらリュウトウ。敵の攻撃はこちらで引き受ける。全艇、こちらへの援護は不要。そのまま前進を続けろ〉
通信士〈十四番艇より!指揮艇を援護すると──〉
リュウトウ〈不要だ〉
通信士「……!」
リュウトウ〈これは命令だ。目的地だけを見ろ〉
◇
ーークロシュヴァリエ号
リュウトウ〈クロシュヴァリエ号。聞こえるか〉
アインズ〈聞こえている〉
リュウトウ〈この先、何が起きても止まるな〉
アインズ「……」
リュウトウ〈こちらが墜ちてもだ〉
サーシャ「そんな……!」
アインズ〈リュウトウ、それは──〉
リュウトウ〈私は落とされるつもりはない、と先ほど部下にも言った〉
リーゼリット「……」
リュウトウ〈だが、戦場に絶対はない〉
リュウトウ〈だから伝えておく。私との通信が途絶えた場合、事前の順位に従って指揮権を移行する。貴君らは一切気にせず、セイントレアへ進め〉
ガイ「……」
リュウトウ〈この作戦の目的は、私たちが生き残ることではない〉
リュウトウ〈貴君と翡翠の賽を、あの国へ届けることだ〉
ガイ「……わかりました」
リュウトウ〈フッ……それでいい。武運を祈るぞ、救国の影よ〉
魔導通信機「」ピッ……
◇
919 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:30:33.12 ID:KhBm2lfOO
ーー指揮艇
バールベルト「……将軍」
リュウトウ「何だ」
バールベルト「私……まだ死にたくないんですけど」
リュウトウ「奇遇だな。私もだ」
バールベルト「その割には全然そう見えませんよ!」
リュウトウ「騒ぐな。判断が鈍る」
バールベルト「む、無茶言うなぁ!」
リュウトウ「……来るぞ」
無数の星光「「「「「「」」」」」カッ──!!!
リュウトウ「右四十五!全速!」
操舵手「右四十五、全速!!」
指揮艇「」ギュオオオオオッ!!!
飛来する星光「」ズギュウウウンッ!!
船体を掠める光「」バチィッ!!!
リュウトウ「無元斬り!」
黒い打刀「」ヴォンッ!!
ズバッ!!!
リュウトウ「次!」
黒い打刀「」ヴォンッ!!
ズバッ!!
霧散する星光「」パァァッ!!
リュウトウ「もう一つ──」
リュウトウの視界「」グラッ……
リュウトウ「……っ!」
バールベルト「将軍!?」
正面に現れる巨大な星光「」ギュオオオオ……
通信士「正面!!巨大な魔力反応!!!」
操舵手「回避不能です!!」
バールベルト「将軍!!」
リュウトウ「……」
黒い打刀に手をかけるリュウトウ「まだだ……!」スッ……
リュウトウ「明石流奥義──」
黒い打刀「」ヴォンッ……
リュウトウ「無元、斬り!!」
◇
巨大な星属性の光「」ズギュウウウウウウンッ!!!
ズバァッ!!!
わずかに逸れる軌道「」グオオオッ!!
◇
920 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:31:00.70 ID:KhBm2lfOO
バールベルト「や、やった!?」
リュウトウ「……次は捌けん……!総員、伏せろ!!!」
船体を貫く星光「」ズドォォォォォォンッ!!!!!
船員「うわあああああっ!!!」
吹き飛ばされる甲板「」ガラガラガラッ!!
通信士「主翼損傷!!」
操舵手「操舵不能!!」
バールベルト「!?」
黒煙を噴き出す指揮艇「」モクモク……
船員「高度低下!!止まりません!!」
墜落を始める指揮艇「」ヒュウウウウン──
バールベルト「お、落ちてるぅぅぅぅっ!!!」
リュウトウ「全員、衝撃に備えろ!負傷者を中央へ!」
通信士「つ、通信は!?」
リュウトウ「最後まで繋げ!」
魔導通信機「」ザザザッ……
リュウトウ〈全艇へ……こちらリュウトウ……指揮艇は被弾した〉
リュウトウ〈指揮権を……次席へ移行する〉
船体「」ミシミシミシッ……
バールベルト「将軍、もう通信なんかいいですから掴まってください!!」
リュウトウ〈船団は止まるな〉
リュウトウ〈繰り返す──〉
赤黒い雲へ落ちていく指揮艇「」ヒュウウウウウン……
リュウトウ〈止まるな!!!前へ進め!!!〉
魔導通信機「」ブツッ──
ドガァァァァァン!!!
◆
921 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:32:11.21 ID:KhBm2lfOO
ーークロシュヴァリエ号 甲板
魔導通信機「」ピピッ
ドルク〈クロシュヴァリエ号!まだ飛んでるな!?〉
アインズ〈ドルクか……そっちは無事だったんだな〉
ドルク〈おうよ!セイントレアはもう目と鼻の先だ……“切り札”の準備ができた。そっちは突入する準備に入れ。あの化け物魔女相手にどこまでやれるかはわからねぇが……こっちで出来るだけ派手に暴れて、道をこじ開けてやる!〉
ガイ〈ドルク……死ぬなよ〉
ドルク〈当たり前だろ!こんなところでくたばってたまるかよ!帰ってきたら、みんなで宴会だ!〉
リン〈ちょっとー、そういう死にそうな人が言う台詞やめてよね?本当に死体になったら、笑えないんだから〉
魔導通信機「」ピッ……
◆
ーー飛空挺 甲板
ドルク「……にしても、切り札ってのがまさかコレだとはねぇ……」
拘束されたセーレフェリア「んー!んー!」ジタバタ
リン「なになに?おトイレ?」
拘束されたセーレフェリア「んー!!!」ジタバタ
ドルク「こんな状況でそんな呑気な理由なわけねぇだろ……口の部分の拘束を解除してやるよ」カチャンッ
セーレフェリア「ぷはっ……遅い!!!さっきからずーっと喋りたかったんだけど!!!」
ドルク「元気そうで何よりだ」
セーレフェリア「何よりじゃない!棺桶に詰められたと思ったら今度は縛られて空の上って、私の扱いどんどん雑になってない!?」
リン「でも今回は棺桶じゃないよ?」
セーレフェリア「そこじゃない!!!」
ドルク「はいはい……文句は全部終わってから聞いてやるよ。それより、ちゃんと魔力は溜まってんだろうな?」
セーレフェリア「……誰に言ってるの?」ニヤッ
拘束具の隙間から漏れ出す魔力「」バチ……バチバチ……
リン「おお……すご。縛られてるのにこの量?」
ドルク「こりゃ確かに切り札だな……味方じゃなかったら絶対近寄りたくねぇ」
セーレフェリア「味方じゃないよ?今だけ利害が一致してる囚人♪」
リン「正直でよろしい」
ドルク「そこ褒めるところか!?」
922 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:32:43.45 ID:KhBm2lfOO
通信士「ドルクさん!敵がこっちへ向いてます!」
ドルク「!」
高速で接近する星詠みの魔女「」ビュオオオオッ──
リン「来たね……」
ドルク「ああ。どうやら指揮艇が落ちて、狙う相手を探してるらしい」
セーレフェリア「ふーん、あれが?」
ドルク「ああ。お前、見覚えは?」
セーレフェリア「ない。けど──」
遠方の星詠みの魔女を見つめるセーレフェリア「強そう」ニヤッ……
ドルク「嬉しそうにすんな」
セーレフェリア「だって、あれだけ好き放題してるんでしょ?ちょっとくらい壊しても怒られないよね?」
通信士「魔力反応!来ます!!」
遠方で収束する光「」ギュオオオオッ!!!
ドルク「全員掴まれ!左へ急旋回!」
操舵手「左旋回!!」
飛空艇「」ギュオオオオッ!!
星光「」ズギュウウウンッ!!!
船尾を掠める光「」バチィッ!!!
船員「くっ、うっ……後部結界損傷!」
リン「……一発掠っただけでこれかぁ……笑えないね」
ドルク「次が来る前に仕掛けるぞ!まず俺とリンで注意を引く!お前は魔力を温存しろ!」
セーレフェリア「えー……はやくコレ解いてよー」ガチャガチャ
リン「了解……それじゃあ私も働きますか」スッ……
魔法陣「」ブォンッ!!!
飛空艇の甲板に散らばる骨「」カラカラカラ……
船員「うわっ!?」
組み上がっていく骨「」ガシャガシャ……
弓を持ったスケルトンたち「「「」」」ザッ!!
ドルク「……いつ見ても絵面が悪いな」
リン「いい加減慣れてよね?……みんなー!あの空飛んでる人を狙って!」
弓を構えるスケルトンたち「「「」」」ギリギリ……
魔力を纏う矢「」キラ……
リン「撃てー!」
放たれる無数の矢「」バシュバシュバシュッ!!!
星詠みの魔女「……」
展開される星の障壁「」ヴゥンッ!
矢「」バチバチバチッ!!
リン「やっぱ普通には通らないか」
ドルク「なら、こっちだ!」
鋼の槍を構えるドルク「」スッ
ドルク「操舵手!もっと近づけ!」
操舵手「えぇ!?」
ドルク「遠距離じゃ埒が明かねぇ!射程に入る!」
リン「いやいやいや、射程って何メートル想定!?」
ドルク「俺が届くと思ったところまでだ!」
リン「雑!」
923 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:33:16.27 ID:KhBm2lfOO
飛空艇「」ゴオオオオッ──
星詠みの魔女「……」クルッ
ドルク「こっち見たな……上等!」
槍に集まる地属性の魔力「」ゴゴゴゴ……
巨大化していく岩の穂先「」ズズズズ……
踏み込むドルク「」ダンッ!!!
ドルク「──喰らえぇぇぇっ!!!」
投擲される巨大な岩槍「」ブォオオオオオッ!!!
星詠みの魔女「……」スッ
岩槍を撃ち抜く光「」ズドォンッ!!!
砕け散る岩槍「」バラバラバラッ!!!
ドルク「チッ……!」スタッ
セーレフェリア「何やってんの!そんな見え見えの攻撃、通じる訳ないじゃん!」
ドルク「最初から当てるつもりなんざねぇよ!」
セーレフェリア「は?」
リン「ほら、ちゃんとこっち見てる」
◇
星詠みの魔女「……」ジッ……
周囲に浮かび始める星光「」キラ……キラキラ……
◇
ドルク「俺たちの役目は、あいつを倒すことじゃねぇ。クロシュヴァリエ号から目を逸らさせることだ!」
リン「派手に暴れて、こっちを無視できなくする。そうすれば、その分だけガイさんたちが先に進めるからね」
セーレフェリア「ふーん……地味だなぁ」
ドルク「作戦ってのはそういうもんだ!」
通信士「敵、完全にこちらへ照準を変更!複数の魔力反応が展開されています!」
ドルク「よし……食いついたな。食いつきすぎな気もするがな!」
リン「でも、このままだと今度は私たちが蜂の巣だねぇ」
セーレフェリア「だから早く私を出せって言ってるじゃん」
ドルク「……仕方ねぇ。ここらが頃合いか」スッ
セーレフェリア「やっとかぁ。早く早く!」
ドルク「拘束を一部解除する!ただし妙な真似したら──」
セーレフェリア「分かってるよ、うるさいなぁ。そのときはこの首輪が爆発するんでしょ?」
外される両腕の拘束具「」カラン……
手首を回すセーレフェリア「ふぅー……窮屈だった……!」
星詠みの魔女を見つめるセーレフェリア「」ニヤッ
セーレフェリア「じゃあ──まずは挨拶からだね♪」
924 :
◆sIVlz2/mNs
[saga]:2026/08/10(月) 00:33:49.05 ID:KhBm2lfOO
というわけで本日はここまでです。
次回もお付き合いくださると幸いです。
それでは、また。
925 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/10(月) 00:48:24.58 ID:RnQ4SOWdo
イリスこんな強かったのか
926 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/10(月) 01:42:48.43 ID:5GWMny2/o
おつ
どうにか辿り着けそう
ネームドに死人が出てないのは幸いだ…無闇矢鱈じゃなく魔都に辿り着こうとする者を狙って妨害してるように見えるな
927 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2026/08/10(月) 02:01:53.16 ID:g5NFbC0gO
総力戦みたいで好きな展開
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荒巻@中の人 ★
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