【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅳ

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92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/29(土) 21:30:09.77 ID:aNnt27esO
ガイ達 今度は夢の中でブラックと出会い会話する
93 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/29(土) 23:57:00.52 ID:0AdX934TO
ーー???

ザァーン……ザザーン……

「……昨日の今日で、またここに来られるとは思っていませんでした。あの方々は、いませんよ」

ベルトーネ「おっと〜……二日連続でここに来ることになるのは予想外だね〜」

フローディア「私も知ってる顔だわ……久しぶりね?」

ガイ「……エンドゲーム」

ブラック「どうも……あなた方はまだ終わりを迎えていないのに、なぜこの場所へ来れるのでしょうか?……もしかしたら、翡翠の賽の力か、セイントレアという彼女が作り出した場所が、影響を与えているのかもしれませんね」

ガイ「セイントレアをこうした原因がわかっているような口振りだな」

ブラック「彼女たちの事情を、私の口から全て語るつもりはありません。しかるべきときに、自ずと理解できるはずですよ?」

ガイ「……彼女?」

ブラック「ふむ……そうですね……『魔王』と聞けば、恐ろしい怪物を想像する」

ガイ「?」

ブラック「『支配している』と聞けば、人々を苦しめる暴君を想像し、『閉じ込めている』と聞けば、悪意によって自由を奪っていると考える」

ブラック「ですが──」

ブラック「誰も失いたくないから、外へ出さない。誰にも奪われたくないから、外から入れない。危険な世界から守りたいから、自分の手の届く場所へ留めておく……そのような支配もある」

ブラック「優しさと支配は、必ずしも相反するものではありません。守りたいという願いが行き過ぎれば……楽園と牢獄の境目など、簡単に消えてしまう」

フローディア「……随分と具体的ね」

ブラック「私は長い間、様々な者の『救い』を見てきましたから。私は、失ったことに耐えられず、全てを終わらせようとした」

ブラック「では──失うことそのものを恐れた者は、どうするのでしょうね?」

ガイ「回りくどいな……何が言いたい?」

ブラック「言ったでしょう、自ずとわかると……それより、一度目覚めた方がいいかもしれません。現実のあなた方の傍で神の気を感じます」

ガイ「神の気……まさか、化身か!?」

ブラック「呼び方はなんでも。あなた方に危害を加える気はないように見えますが、相対している者たちはわかりません」

ベルトーネ「それじゃあ、パパッと目覚めて化身が暴れるところを見てみようか〜。いい暇つぶしになるかも〜」

ブラック「悪魔の倫理観というのは、よくわかりませんね……次は、終わりを迎えたときに会いたいものですね──」

身体が消えていくガイ「待て、まだ聞きたいことが──」

ブラック「──しばらく、こちら側には来れないようにしておきます。ここは、生きている者が何度も訪れる場所ではありませんから」

ガイ「エンドゲーム……!」

ブラック「答えを急ぐ必要はありません。あなたが進み続ける限り、いずれ嫌でも知ることになる」

ザァーン……ザザーン……

ブラック「──それまでは、生者の世界で足掻いてください」

ガイ「……!」

ブラック「あなたの終わりを語るには、まだ早い」

94 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/29(土) 23:57:28.81 ID:0AdX934TO
ガイ「っ!」ガバッ

ステラ「!」ビクッ

ミラ「わっ……どうしたの、ガイさん?」

レム「んぅ……?」パチッ

ガイ「……近くで、誰かが戦っている」

ステラ「えっ……」

ミラ「なんだって?そんな気配、どこにも──」

ドォンッ!!!

ミラ「……!」

レム「な、なに……!?」ビクッ

ステラ「今の音……」

ガイ「……向こうか」スッ

ベルトーネ(聞こえた?あの音の方から、神の気を感じる……)

フローディア(行くの?)

ガイ「ああ……見てくる。火を消して、逃げる準備をしておいてくれ」

ミラ「一人で行く気かい?」

ガイ「様子を見るだけだ。原理派がこっちに来そうなら、すぐ戻る」

ステラ「あ、私は……」

ガイ「ステラは、ここから動くな。ミラとレムについていけ」

ステラ「……わ、わかりました」

ミラ「無茶しないでね。何かあったら、すぐ戻ってくるんだ」

ガイ「ああ」

ドォンッ!!!

レム「また……」

ベルトーネ(さっきより強くなったね〜。間違いないよ、あっちにいる)

フローディア(派手に暴れてるみたいね)

ガイ「……行ってくる」タッ

ミラ「……」

ステラ「……原理派と、誰が戦ってるんでしょうか……」

ミラ「さあね……」

レム「……ガイさん、大丈夫かな……」

ミラ「……あの人なら大丈夫だよ。それより、荷物をまとめよう。ガイさんが戻ってきたら、ここを離れるんだ」

土をかけられる焚き火「」バッ……

95 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/29(土) 23:58:46.80 ID:0AdX934TO
巨大斧「」ブォンッ

グチャアッ!

上半身と下半身が分かれた原理派の死体「」
首のない原理派の死体「」
縦に真っ二つに裂かれた原理派の死体「」

原理派A「ば、バケモノ……!」

マロニー「あは!あはははははは!!!」ピョンッ
巨大斧「」ブンッ……

グシャアッ……

原理派B「あ、ああ……」

血塗れの巨大斧を担ぐマロニー「ふぅ……っ、ふふ……♪」ペロッ

原理派C「ひ、怯むな!相手は一人だ!囲め!一斉に魔法を撃ち込め!!」

原理派たち「「「お、おおおおお!!!」」」

展開される魔法陣「」ブゥンッ
展開される魔法陣「」ブゥンッ
展開される魔法陣「」ブゥンッ

マロニー「……」

原理派C「撃てぇぇぇぇ!!!」

炎「」ゴォッ!!!
雷撃「」バチバチバチッ!!!
風「」ビュオオオッ!!!

ドォォォォンッ!!!

原理派A「……や、やったか……?」

煙「」モクモク……

原理派B「まともに食らったぞ……!」

原理派C「油断するな!死体を確認するまで──」

煙の中から飛び出すマロニー「──あはっ!」バッ!

原理派C「!?」

巨大斧「」ブォンッ!!!

原理派C「がっ──」

ドゴォッ!!!

吹き飛ばされる原理派C「」ヒュンッ

大木に叩きつけられる原理派C「」ドガッ!!!

原理派C「」ズル……

原理派A「な……」

原理派B「無傷……!?」

マロニー「ううん?」
焼け焦げたマロニーの左腕「」シュゥゥ……

マロニー「ちゃんと効いてるよ?」

原理派A「……!」

蠢く傷口「」グチュ……グチュグチュ……
再生していく左腕「」メキメキメキ……

マロニー「ほら」ニコッ

原理派B「ひっ……!」

原理派A「さ、再生魔法か……!?」

マロニー「そうだけど……」

巨大斧を構えるマロニー「そんなことより──」

マロニー「まだ、やるよね?」ニィッ
96 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/29(土) 23:59:31.00 ID:0AdX934TO
原理派A「……っ!」

原理派B「に、逃げ──」

地面を蹴るマロニー「──あははっ!」ドンッ!!!

原理派B「!?」

巨大斧「」ブォンッ!!!

ドォンッ!!!



血塗れの巨大斧「」ポタ……ポタ……

マロニー「ぁぁ……///最高ぉ……///」ペロリ

周囲に転がる原理派の死体「」
周囲に転がる原理派の死体「」
周囲に転がる原理派の死体「」

マロニー「はぁ……はぁ……ふふっ♪」

ザッ……

マロニー「……まだいたの?」ニタッ

ザッ……ザッ……

木々の間から現れるガイ「……」

マロニー「あ」

ガイ「……やっぱり、マロニーか」

マロニー「代行者さん」ニコッ

ガイ「……」チラッ

切断された原理派の死体「」
大木に叩きつけられた原理派の死体「」
地面にめり込んだ原理派の死体「」

ベルトーネ(すごいね〜。一人残らずやっちゃったみたい)

マロニー「代行者さんは、どうしてここに?」

ガイ「少し離れたところで野営してた。爆発音が聞こえたから、様子を見に来たんだ」

マロニー「ああ……さっきの。向こうから襲ってきたから、返り討ちにしただけだよ。これでまた、神に近づけた」ニコッ

ガイ「……人を殺せば、神に近づけるのか?」

マロニー「ううん?」

ガイ「違うのか」

マロニー「殺したからじゃないよ。戦ったから。命を懸けて戦って、勝って、生き残る。そのたびに、私は少しずつ強くなる」

血塗れの巨大斧を持ち上げるマロニー「だから、今日も一歩前進♪」
97 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:00:01.55 ID:yYIFLGPeO
ベルトーネ(戦うたびに神に近づく、か〜。随分物騒な求道者だね〜)

マロニー「それに、この人たち……私が何もしてないのに、いきなり襲ってきたんだよ?」

ガイ「……原理派なら、魔族を見つければそうするだろうな」

マロニー「うん。私、吸血鬼との混血だしね。だから遠慮しなくてよかった♪」

ガイ「楽しそうだな……」

マロニー「楽しかったよ?代行者さんも戦う?」

ガイ「誰とだ」

マロニー「私と」

ガイ「断る」

マロニー「即答……」

ガイ「今のお前を見た直後に、やると言うと思うか?」

マロニー「代行者さんなら、いい戦いになると思うんだけどなぁ……」

ガイ「それより、こんな所まで何をしに来たんだ?」

マロニー「んー……別に、特別な理由はないよ」

ガイ「ない?」

マロニー「ずっと同じところにいたって、神には近づけないから」

マロニー「避難所の周りが落ち着いてる時は、こうして外を歩いてるの。生きてる人がいたら助けるし、襲ってくる人がいたら戦う」

ガイ「……なるほど」

マロニー「今日は後者だったけどね」

ガイ「……見ればわかる」

マロニー「代行者さんは、第七避難所に向かってるの?」

ガイ「そうだが」

マロニー「氷刃の魔女は、この辺りから離れたみたい。でも、影の魔物とスライムもどきはまだいるから気をつけてね」

ガイ「……わかった」

マロニー「じゃあ、引き続き頑張ってね。代行者さん」

⭐︎マロニーと出会いました。
98 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:00:50.62 ID:yYIFLGPeO
ー 翌日

ーー旧王都 セイントレア 第七避難所

ワイワイガヤガヤ

ガイ「……ここが、第七避難所か」

ミラ「うん。王都の一画をアルクスさんが七層結界っていう特殊な方法で守ってくれててね……勇者連合の本拠地みたいな場所になってるんだ」

ガイ「七層結界……」

頭上を覆う巨大な結界「」ブゥゥン……

重なり合う七色の光「」キラ……キラ……

フローディア『……名前の通りね。性質の異なる結界が七重に張られているわ』

ベルトーネ『へぇ〜。ここまで来ると、ちょっとした要塞みたいだね〜』

ガイ「……他の避難所とは随分違うな」

行き交う避難民たち「」ザワザワ……
荷物を運ぶ勇者連合兵「」エッサホイサ……
炊き出しに並ぶ人々「」ゾロッ……
遊び回る子供たち「」タタタッ

ミラ「王都に残ってる人たちがたくさん集まってるからね。勇者連合の人たちも、基本的にはここを拠点にしてるよ」

ガイ「……なるほど」

レム「……前に来た時より、人が増えてますね」

ミラ「やっぱり?」

レム「はい。あっちにも、前はテントなんてなかったと思います」

新しく張られたテント「」
運び込まれる物資「」ガタガタ……

ミラ「……他の避難所から逃げてきた人たちかな」

周囲を見回すステラ「……」キョロ……

ガイ「どうした?」

ステラ「……何でもないわ」

ガイ「……?」

ステラ「勇者連合の本拠地って聞いてたから、もっと兵士ばかりの場所だと思ってただけ」

ミラ「普通に暮らしてる人もたくさんいるからね」

レム「教会もありますよ」

ステラ「……教会?」

ミラ「うん。僕も普段はそこにいるんだ」

ステラ「……そう」

「──むっ!その声は……!」

ミラ「……?」
99 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:02:23.62 ID:yYIFLGPeO
こちらへ走ってくる金髪ソフモヒの男「」ダダダダッ!!!

ガイ「……!?」

急停止する金髪ソフモヒの男「ミラ!」ザザァッ!!!

ミラ「あっ」

白い歯を輝かせる金髪ソフモヒの男「無事だったか!いやぁ、よかった!教会になかなか戻ってこないから、みんな心配していたんだぞ!」ニカッ

ミラ「ザックさん」

ガイ「……」

ベルトーネ『何あれ〜』

フローディア『……随分と賑やかな人ね』

金髪ソフモヒの男→ザック「そしてレムちゃんも!」クルッ!

レム「お久しぶりです、ザックさん」

ザック「おう!久しぶりだな!」ニカッ

親指を立てるザック「二人揃って無事!実に素晴らしい!」グッ!

レム「ふふ……相変わらずですね」

ザック「はっはっは!ヒーローたるもの、いつだって笑顔を忘れちゃいけないからな!」

ガイ「ヒーロー……?」

ミラ「ザックさん、昔からこんな感じなんだ」

ザック「む……そちらの二人は?」

ミラ「あ、紹介するね」

ガイ「ガイだ」
ステラ「……ステラよ」

ザック「ガイ君に、ステラさんだな!」

ガイ「君……」

ザック「ミラとレムちゃんをここまで送り届けてくれたのか?」

ガイ「いや。そういうわけじゃない。途中から一緒に来ただけだ」

ザック「そうか!」

笑顔を浮かべるザック「なら道中を共にした仲間というわけだな!」ニカッ

ステラ「……仲間……」
100 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:02:53.74 ID:yYIFLGPeO
ザック「俺はザック・スミル!この第七避難所にある聖ヴァレリオ教会で働いている!」

胸に手を当てるザック「困っている人々に救いの手を!悪しき脅威には正義の拳を!」バッ!

腰に手を当ててポーズを決めるザック「人呼んで──ヒーロー、ザックだ!」ビシッ!!!

ガイ「……」
ベルトーネ『……』
フローディア『……』

ステラ「……」

レム「……」パチパチ

ミラ「はいはい」

ザック「反応が薄いぞ!?」

ガイ「……いや、どう反応すればいいのかわからなくてな」

ザック「なるほど!ならばこれから覚えていけばいい!」ニカッ

ガイ「覚える必要があるのか……?」

ザック「ある!」

ガイ「……そうか」

ステラ「……変な人」

ザック「はっはっは!よく言われる!」

ステラ「褒めてないんだけど……」

ミラ「……で、ザックさん」

ザック「む?」

ミラ「聖女さん、いる?」

ザック「聖女さんか?」

ミラ「うん。ガイさんが、聖女さんに会いたいんだって」

ザック「君が?」

ガイ「ああ」

ポーズを解くザック「……そうか。なら、まずは教会へ行こう。話はそれからだ!」

ザック「さあ、ついてきてくれ!」

勢いよく振り返るザック「教会まで、このヒーロー・ザックが案内しよう!」ビシッ!

ミラ「ザックさん、教会なら僕も場所知ってるけど……」

ザック「細かいことは気にするな!」

ガイ「……」

ステラ「……本当に大丈夫なの、この人」

ガイ「……少なくとも、悪い奴ではなさそうだ」

ステラ「それは……まあ、そうね」

ザック「おーい!置いていくぞー!」

101 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:04:49.37 ID:yYIFLGPeO
ーー第七避難所 聖ヴァレリオ教会

ザック「……聖女さん。客人だ」

祈りを捧げる聖女「──客人、ですか?」クルッ

スタスタ……

ガイ「……あなたが、聖女なのか?」

聖女「……」

ガイ「?」

聖女「……はい。今は、そう名乗っています」

ガイ「今は……?」

聖女「……いえ。お気になさらず。初めまして。あなたは?」

ガイ「ガイだ」

聖女「ガイさん……ですね。それで、私にどのようなご用でしょうか?」

ガイ「力を貸してほしい」

聖女「私の?」

ガイ「ああ」

聖女「……」

ガイ「俺は、世界めくれを止めるためにここへ来た」

聖女「──え?」

ザック「……!」

ガイ「そのために、“聖女”の力が必要だと聞いている」

聖女「……世界めくれを、止める……?」

ガイ「信じられないか?」

聖女「……すみません。少し、驚いてしまって。十年間……そんなことを言う人は、一人もいませんでしたから」

ガイ「……」

聖女「それに……」

聖女「あなたは、“聖女”の力が必要だと言いましたね」

ガイ「ああ」

聖女「……誰から、そのことを?」

ガイ「ホーリー・ハンドレッド」

聖女「──!」

ガイ「知ってるのか?」

聖女「……まずは、あなたのお話を聞かせてもらえますか?」

ガイ「……何から話せば?」

聖女「あなたがどこから来て……どうして世界めくれを止めようとしているのか。そして……なぜ、“聖女”を探してここまで来たのかを」

102 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 00:07:49.94 ID:yYIFLGPeO
第七避難所に辿り着き、ついに聖女と対面したガイ。
世界めくれを止めるために力を貸してほしいと告げるが、十年間、この世界で生きてきた聖女にとって、その言葉はあまりにも突然のものだった。
なぜ世界めくれを止めようとしているのか。なぜ聖女の力を必要としているのか。ホーリー・ハンドレッドの名に反応を見せた聖女を前に、ガイはこれまでの旅と、自らに託された使命について語り始める。
果たして、“聖女”にしかできないこととは何なのか。
そして、世界めくれを止めるというガイの願いに、聖女はどのような答えを返すのだろうか……。

本日はここまでです。次回もよろしくお願いします。

それでは、また。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 00:23:31.65 ID:zIwz1X3jo

いやーガイはいっぱい殺してきたね
特に女の人を
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 01:13:25.41 ID:3QKjbfKgO

はぐれた3人とも再会しなきゃだけどどうやって生き延びてるんだろうねガイですら不死鳥の力で一週間かけたのに
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 01:21:58.00 ID:wokTxHwQo
おつ
皆から責められる悪夢かと思ったら結構穏やかだった…
でも生きたまま何度も彼岸に行くのは良くない兆候かもしれん
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 14:24:50.99 ID:MmAV2XoA0

第七避難所に着いたね。ここがガイ達の拠点になるのかな?
107 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:43:18.64 ID:UCIKDsZbO
>>103
負けてはならない戦い故に、その道には屍が積み重なってしまうみたいです。

メタ的には、女性キャラの比率が高いため、対峙する相手も女性が多くなった結果でしょう。ただ、それが女性だろうと子供だろうと大多数を救う為ならば、手をかけてしまえる非情さを持ち合わせてしまった、という描写に繋がったのかもしれません。

>>104
ガイさんは一人で落っこちましたが、サーシャさんたちは竜になったアインズさんが掴んでいたので落下による怪我が比較的浅かったのと、サーシャさんの治療魔法によって応急処置ができたので、ガイさんより早めに動くことができたのだと思われます。
その後の動向は、また後ほど。

>>105
以前見た夢はガイさん自身が見た悪夢でしたが、今回はどういう訳か、彼岸に繋がってしまったみたいです。順調に常人から外れていっています。

>>106
>>1としては、そのような想定でいますが、展開等によって変わることはあるかと思います。断定はできませんが、セイントレア編における基本的な活動拠点になる予定です。
108 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:43:47.90 ID:UCIKDsZbO
ガイ「……分かりました」

聖女「ありがとうございます」

ガイ「ただ……少し長くなるかもしれません」

聖女「構いません。聞かせてください」

近くの椅子に腰掛ける聖女「」スッ

聖女「ザックさんも、よろしければ」

ザック「……ああ」
椅子に腰掛けるザック「」ストッ

ガイ「……どこから来たのか、でしたね」

聖女「はい」

ガイ「俺は……セイントレアの外から来た」

聖女「外から……?」

ザック「……」

ガイ「仲間と飛空艇に乗って、この街に入った」

聖女「飛空艇?で……あの結界を?」

ガイ「かなり無茶はしましたが。俺一人じゃ、ここまで来ることはできなかった」

聖女「……そうでしたか」

ガイ「それに……俺が世界めくれを止めようとしてるのも、最初からそのために旅を始めたわけじゃない」

聖女「では……?」

ガイ「旅を続ける中で、色んなことを知った。世界樹の光のこと……翡翠の賽のことも」

ガイ「俺も全部を理解してるわけじゃない。ただ……ホーリーから聞いた。このまま放っておけばいいことじゃないってことは分かってる」

聖女「……ホーリー・ハンドレッドから……」

ガイ「ああ」

聖女「それで……あなたは、世界めくれを止めるために?」

ガイ「……はい。世界樹の光の残滓を集めながら、ここまで来た。その途中で……世界めくれを止めるには、“聖女”の力が必要だと聞いた」

聖女「……」

ガイ「だから、セイントレアに聖女がいると聞いて……ここまで探しに来たんです」

聖女「……そう、ですか」

ガイ「……?」

目を伏せる聖女「……」

ガイ「どうしました?」

聖女「いえ……少し……昔のことを、思い出してしまって」

ガイ「昔のこと?」

聖女「……はい。十年前……世界めくれが起きた日のことを」

109 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:44:34.38 ID:UCIKDsZbO


ー 十年前

ーー聖ヴァレリオ教会

扉「」バァンッ!!

「誰か……!誰かいませんか!?」

シーン……

幼女「……だれも、いない?」ギュッ

セイン「……おそらく、みんな避難したんだろう……」フラッ……

「っ、セインくん、そこに座ってください!今、治療道具を……!」

セイン「……待て。誰かいるみたいだ」ググッ……

「え?」

奥から聞こえる声「まだ避難してない人がいるんですか!?」

「……!」

タッタッタッ!!

奥から駆けてくる聖女「──って、お姉ちゃん!?」

僧侶「聖女!」

聖女「よかった……!無事だったんだ……!」

僧侶「それはこっちの台詞です!こんな状況で教会に残って……!何をしてるんですか!?」

聖女「え、えっと……怪我をした人たちがたくさん来てたから……でも、さっき皆さんを避難させて……だから──」

僧侶「もう……!」

聖女「ご、ごめんなさい……」

僧侶「……本当に……心配したんだからね……」

聖女「……ごめんね、お姉ちゃん」

僧侶「……無事で、よかった……」

聖女「……うん」

ギュッ……

幼女「シスターさん、勇者様をたすけて……」

セイン「……僕のことはいい。それより、この子供を避難所まで連れて行かなければ……」

聖女「そんなわけにはいきません!ほら、座ってください!」

セイン「……しかし」

聖女「子供を避難させるのも、セインさんを治すのも、どっちもやります!」

110 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:45:28.66 ID:UCIKDsZbO
ーー避難所

頭上を覆う巨大な結界「」ブゥゥン……
重なり合う七色の光「」キラ……キラ……

ザワザワ……

幼女「あっ!お母さん、お父さん!」

避難民の男女「……!」タタッ

駆け出す幼女「お母さーん!お父さーん!」タッタッタッ!!

抱きしめられる幼女「わっ!」ギュッ!!

母親「よかった……!よかった……!」ギュウッ
父親「無事だったのか……!」

幼女「うん!あのシスターのお姉ちゃんが助けてくれたの!」

僧侶「……」

母親「……ありがとうございます……!本当に……!」ペコリ

僧侶「いえ……無事に会えてよかったです」

幼女「シスターのお姉ちゃん、勇者様も……ありがとう!」

セイン「……ああ」

聖女「もう、お父さんとお母さんから離れちゃ駄目ですよ?」

幼女「うん!」

両親と共に離れていく幼女「」トテトテ……

僧侶「……よかった」

聖女「うん……」

僧侶「そういえば、お父様は……?ここへ避難したんですよね?」

俯く聖女「……」

僧侶「聖女……?」
111 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:45:55.76 ID:UCIKDsZbO
聖女「お父様は……私たちをかばって、影の魔物に……」

僧侶「っ……そんな……」

聖女「……ごめんね、お姉ちゃん」

僧侶「……どうして、あなたが謝るんですか……」

聖女「……」

僧侶「……お父様……」ギュッ……

聖女「……お姉ちゃん、クロシュさんたちを見ませんでしたか?クロシュさんたちは無事なのでしょうか……」

セイン「……伝えておかなければならないことがある」

聖女「何ですか?」

セイン「僕が最後に、王城で見た時……クロシュ以外は全員倒れていた」

聖女「嘘……」

セイン「本当だ」

聖女「……そんな……じゃあ……クロシュさんたちは……」

セイン「……わからない」

聖女「……!」

セイン「死んだところは見ていない。ただ……」

王城の方角を見るセイン「……もう、以前のクロシュではない」

聖女「……え……?それは……どういう……」

ザワッ……

「なんだ、あれ……」
「魔物……?」
「こっちに来るぞ……!」

セイン「……!」
星霊の剣に手をかけるセイン「」グッ

ザッ……ザッ……

人混みの向こうから歩いてくる傷だらけの黒い精霊「……」フラ……
身体から零れ落ちる黒い粒子「」パラ……パラ……

黒い精霊→使徒「……」

聖女「……使徒、様……?」

僧侶「……!」

セイン「使徒……!」
星霊の剣を抜くセイン「」シャキンッ

聖女「セインさん!?」

セイン「……下がるんだ」

聖女「でも……」

セイン「使徒は王城で戦った……敵だ」

聖女「えっ……!」

僧侶「使徒様が?……一体、どうして……?」

膝をつく使徒「」ガクッ……

聖女「……!」ダッ

グイッ

腕を掴むセイン「……待て」

聖女「セインさん……!」

セイン「……さっきまでと、様子が違う」
112 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:46:38.99 ID:UCIKDsZbO
石畳の隙間から滲み出す黒い粘液「」ドロ……

聖女「!?」

避難民「な、なんだこれ……?」
避難民「こっちからも出てきたぞ!」
避難民「なにこれ……スライム……?」

セイン「……!」

聖女「セインさん?」

黒い粘液を見るセイン「……」

セイン「……クロシュの魔力だ」

聖女「え……?」

僧侶「クロシュ様の……?どういう……」

避難所の各所から溢れ出す黒い粘液「」デロデロ……

避難民「う、うわっ!」
避難民「離れろ!!」
避難民「ひいいいいっ!」

黒い粘液「」グニャ……

デロデロデロ……

スライムもどき「」ヌッ
スライムもどき「」ヌッ
スライムもどき「」ヌッ

聖女「!」

僧侶「何、これ……」

星霊の剣を構えるセイン「」スッ

聖女「セインさん、その身体じゃ……!」

セイン「……来るぞ」

避難民「ひっ……!」

飛びかかるスライムもどき「」ブワッ!!
113 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:47:19.14 ID:UCIKDsZbO
聖なる光「」パァァァァッ!!

スライムもどき「」ジュゥゥゥゥッ!!!

僧侶「魔法が効く……!皆さん、下がってください!」

使徒「……っ……」

使徒へ近づく黒い粘液「」ズル……ズル……

僧侶「使徒様!」

聖なる光「」パァァァァッ!!
スライムもどき「」ジュゥゥゥゥッ!!!

使徒「……!」

聖女「大丈夫ですか!?」タタッ……

使徒「……にげ……」

聖女「え?」

使徒「……にげ……て……」

聖女「……!」

キラ……

セイン「……?」

キラ……キラ……

頭上に浮かぶ星光「」キラキラ……

避難民「なんだ、結界の光か?」
避難民「それにしてはなんか変じゃないか?」

ザワザワ……

僧侶「……?」

聖女「この光……」

増殖していく光「」キラキラキラキラ……

セイン「……!」
使徒「……!」

頭上を覆う七層結界「」ブゥゥン……

七層結界の一点へ集まっていく光「」キラキラキラ……

セイン「……まずい、みんな離れろ!」

巨大な光「」ギュオオオオオ──

避難民「な、なんだ!?」

七色の光「」バチッ……バチッ……

カッ──
114 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:47:46.14 ID:UCIKDsZbO
七層結界「」バキィィィィンッ!!!
穿たれる結界「」パリィィィン!!!

「結界が破られた!?」
「逃げろ!!」

ワーワーワー……

星霊の剣を握り直すセイン「……」グッ……

光の中から降りてくる人影「……」フワ……

星詠みの魔女「……」スタッ

聖女「……え……?」

星詠みの魔女「……」

聖女「……イリス……さん……?」

セイン「!」

星詠みの魔女「……」

聖女「……どうして……その姿は一体……」

星詠みの魔女の周囲に浮かぶ光「」キラ……キラ……

セイン「……下がれ!」パヒュンッ

聖女「きゃっ──」
地面「」ドゴォォォン!!!

聖女「っ!」ドサッ
セイン「っ……!」

使徒へ向き直る星詠みの魔女「……」クルリ

スタスタ……

聖女「……待って……!イリスさん!何をするつもりなんですか!?」

使徒の前で立ち止まる星詠みの魔女「……」

使徒「……」

使徒を掴む星詠みの魔女「……」グッ

使徒「っ、ぁ……!」ググッ……

聖女「イリスさん!使徒様を離してください!」

浮いていく星詠みの魔女「……」フワッ……
掴まれた使徒「」グッタリ……

結界を張っている眼鏡の少女「……っ、いけない……!今の一撃で、結界が……!」

消えていく七層結界「」シュウン──

大量に現れる黒い影の魔物「──」ヌオッ
大量に現れるスライムもどき「」デロデロ……
115 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:50:02.10 ID:UCIKDsZbO
セイン「!」
僧侶「そ、そんな──」

黒い影の魔物「──」ブワッ!!
スライムもどき「」グニャァッ!!

避難民「うわあああああ!!」
避難民「逃げろ!!」
避難民「助けてくれぇぇぇ!!」

ワーワーワー!!

聖女「……!」

逃げ惑う避難民「」ドドドド……
泣き叫ぶ子供「ママぁぁぁ!!」
倒れた老人「た、助け……」

大量の黒い影の魔物「──」ヌオッ

聖女「……こんなに……」

結界を張っている眼鏡の少女「駄目……!一度壊された術式が繋がらない……!」グググッ……

眼鏡の少女「このままじゃ……結界を張り直せない……!」

空を見上げる聖女「……」

崩れ落ちていく七層結界「」パラ……パラ……

その向こうへ飛んでいく星詠みの魔女「……」フワ……
掴まれた使徒「」グッタリ……

聖女「……イリスさん……」

逃げ惑う人々「」ワーワー!!
迫る影の魔物「──」ズオオオ……
溢れ続ける黒い粘液「」デロデロ……

両手を組む聖女「」スッ……

聖女「……どうか……皆さんを守れる力を……!」

ドクンッ──

聖女?「……!」
聖女の身体から溢れ出す光「」パァ……

眼鏡の少女「これは……?」

聖女?「……っ」ギュッ……

カッ──

避難所全体へ広がっていく光「」ブワッ──!!

消えていく黒い影の魔物「──」ジュゥゥゥゥッ!!
消えていくスライムもどき「」ジュゥゥゥゥッ!!

七色の光「」パァァァァッ!!
116 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:50:59.90 ID:UCIKDsZbO
頭上に再び広がっていく七層結界「」ブゥゥゥゥゥン!!!

避難所全体を覆う七色の光「」キラキラキラ……

避難民「け、結界が……!」
避難民「戻った……!」
避難民「助かったのか……!?」

溶け落ちる黒い粘液「」ベチャ……

聖女?「……ここまで、ですね……」

力なく倒れる聖女「」ガクッ……

僧侶「聖女!」ダッ

聖女「はぁ……はぁ……っ……」

僧侶「大丈夫ですか!?一体何を!?」

聖女「えへへ……正直、わからないんですけど……でも……」

周囲を見渡す聖女「」

泣きながら抱き合う親子「」ギュッ……
傷ついた者を助け起こす避難民「」グッ……
安堵する人々「」ザワザワ……

聖女「……よかった……みんな……無事で……」

僧侶「……もう……」

聖女「ふふ……ごめんね、お姉ちゃん……」

僧侶「本当に……あなたは……」

キラ……

七層結界の外へ上昇していく星詠みの魔女「……」フワ……
掴まれた使徒「」グッタリ……

空を見上げる聖女「……使徒様……」

セイン「──!」

僧侶の背後に現れる影の魔物「──」ヌッ

セイン「僧侶!!!」パヒュンッ

僧侶「え──」

影の魔物の腕「」スッ……

トンッ……

僧侶を押し出す聖女「──」

僧侶「……あ」

聖女「」ニコ

バシュウウウウウン──……

光「」カッ──

消滅する影の魔物「」シュウウウン──

117 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:51:26.90 ID:UCIKDsZbO
ーー第七避難所 聖ヴァレリオ教会

ガイ「……つまり、あなたは本当の聖女ではない、と?」

聖女「はい……私は彼女の姉です。十年前、聖女と呼ばれていたのは……私ではなく、妹でした」

聖女「妹はあの日、私を庇って……影の魔物に触れられ、消えました」

ガイ「……そうだったのか」

聖女「はい。それからです。私が……妹の代わりに、“聖女”と名乗るようになったのは」

ガイ「妹の代わりに……?」

聖女「……最初は、そんな大層な理由ではありませんでした。世界めくれが起きて……国も、教会も、それまで当たり前だったものが、何もかも変わってしまって……」

聖女「それでも、妹に助けられた人たちは生きていました。だから……せめて、あの子が守ろうとしたものを、私も守っていこうと思ったんです」

ガイ「それで、“聖女”の名前を……」

聖女「もちろん、私には妹のような力はありません」

自分の手を見る聖女「……十年前、あの子が見せたような奇跡は……私は、一度だって起こせませんでした」

聖女「ですから……あなたが探している“聖女”が、世界めくれを止めるために必要な力を持つ者だというのなら……残念ですが、それは私ではありません」

ガイ「……」

聖女「本当の聖女は……もう、ここにはいないんです」

ガイ「……それなら、どうしてホーリー・ハンドレッドの名前を知っていたんですか?」

聖女「……」

ガイ「俺がその名前を出した時……あなたは驚いていた。会ったことがあるのでは?」

聖女「はい、一度だけ。十年前……世界めくれが起きてから、何日か経ったあとです」

118 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:52:03.13 ID:UCIKDsZbO
ー 十年前
ーー第七避難所

呆然と座り込む僧侶「……」ブツブツ……

白い花弁「」フワッ……

僧侶「……?」

ホーリー「……」

僧侶「……誰、ですか……」

ホーリー「ホーリー・ハンドレッドと申します」

僧侶「……ホーリー……ハンドレッド……?」

ホーリー「はい。あなたが、聖女の姉ですね」

僧侶「……だったら、何ですか……」

ホーリー「確認しただけです。あなたは、多くを失いました」

僧侶「……っ」

ホーリー「父親を失い、妹を失い……それでも、あなたは生き残った」

僧侶「……そんなこと……言われなくても分かっています……何なんですか……あなた……」

ホーリー「一つ、伝えるために来ました」

僧侶「……?」

ホーリー「いずれ、あなたを探してここへ来る者が現れます」

僧侶「私を……?」

ホーリー「はい。その者が現れた時、まず話を聞いてください。そして、その後どうするかは……あなた自身で決めればいいでしょう」

僧侶「何を決めるんですか……?」

ホーリー「その時になれば分かります」

僧侶「……随分、勝手ですね……」

ホーリー「そう感じるのは自然です」

僧侶「……」

ホーリー「ですが、あなたに決定を強制するつもりはありません」

僧侶「……本当に、その人は来るんですか……?」

ホーリー「はい。必ず」

僧侶「いつ……?」

ホーリー「それを今知る必要はありません」

僧侶「要領を得ませんね……」

ホーリー「必要なことだけを伝えていますので」

白い花弁「」フワッ……

花のように散り始めるホーリー「忘れないでください」パラパラ……

僧侶「……!」

ホーリー「あなたを必要とする者が、いずれここへ辿り着きます。その時は……あなた自身の答えを選んでください」パラパラ……

僧侶「待って──」

散らばる白い花弁「」フワッ……

僧侶「……ホーリー……ハンドレッド……」

119 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:52:48.98 ID:UCIKDsZbO
聖女「彼女が何者なのかも、どうして私の前に現れたのかも……当時の私には、何も分かりませんでした」

聖女「ですが今日……あなたが現れました。“聖女”を探していると言って……ホーリー・ハンドレッドという名前を口にした」

ガイ「……それで、俺が十年前に言われた奴だと思ったんですか?」

聖女「はい。あの方は、いずれ私を必要とする者がここへ辿り着くと……そう言っていましたから。ですが……あなたが探していたのは、私ではないのでしょう?」

ガイ「……はい。俺が話に聞いていたのは……きっと、あなたじゃない。俺は本物の聖女のことを話でしか知らない。姉がいたことだって、今初めて知ったくらいです」

聖女「……やはり、そうですか」

ガイ「でも……ホーリーが十年前に言ったことが、間違いだったとは思えません。俺がここに来ることを知っていたのか……それとも、別の意味があるのか。それは分からない」

ガイ「ただ……俺は世界めくれを止めるためにここまで来た。そして、あなたに辿り着いた」

聖女「でも……先ほども言った通り、私には何の力もありません」

聖女「妹のような奇跡も起こせません。世界めくれを止める方法だって知らない……私はただ、この十年間……あの子の代わりに“聖女”と名乗ってきただけです」

ガイ「それでも……力を貸してもらいたいです。何ができるのかは、俺にもまだ分かりませんが……」

ガイ「俺と一緒に……世界めくれを止める方法を探してくれませんか?」

聖女「……少しだけ、時間をください。私自身で……ちゃんと考えて、答えを出したいんです」

ガイ「……分かりました」

120 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:53:39.33 ID:UCIKDsZbO
ーー第七避難所

ガイ(その後、第七避難所を回ってサーシャたちのことを探した。話を聞いてみたら、ここに来たのは間違いないらしい。何人かは三人を見たと言っていたし、少なくとも無事に辿り着いてはいるようだ……)



ザワザワ……

ガイ「……」スタスタ……

ベルトーネ『ガイくん、そろそろ休憩しようよ〜。朝からずっと歩きっぱなしだしさ〜』

ガイ(だが、手がかりは目撃情報だけだ。第七にいることは分かっても、今どこにいるのかまでは分からない……)

フローディア『闇雲に歩き回っても仕方ないわ。一度休んだら?向こうだって、ずっと同じ場所にいるとは限らないでしょうし』

ガイ(……それもそうか)

露店「」ワイワイ……

店主「焼きたてだよー!今日はまだ余裕があるから、一人二つまでだ!」

避難民「二つください!」
避難民「こっちも!」

ガイ「……食料の配給か」

ベルトーネ『お〜、ちょうどいいところに。何か貰ってきたら〜?』

ガイ(俺より避難民が先だろ)

店主「おい、そこの兄ちゃん!」

ガイ「……俺か?」

店主「ああ!さっきからそこで突っ立ってる兄ちゃんだよ!遠慮してないで持ってけ!」

ガイ「いや、俺は──」

店主「いいからいいから!余らせたって仕方ねえんだ!」

焼いたパン「」ポイッ
ガイ「っと」パシッ

店主「もう一個!」

焼いたパン「」ポイッ
ガイ「」パシッ

ベルトーネ『あはは〜、押しに負けちゃったね〜』

フローディア『せっかくだし、いただいたら?』

ガイ「……そうするか」

スタスタ……

空いている長椅子「」

ガイ「……ここでいいか」

焼いたパン「」ホカホカ……

ガイ「」パクッ

ガイ「……美味いな。こっちに着いてから初めてマトモな食事を摂った気がする」モグモグ

フローディア『ここの避難所は、かなり余裕があるみたいね……一体どこから調達しているのかしら?』

ベルトーネ『気になるところだけど〜……今は食べられることに感謝しとけばいいんじゃない〜?』

聞き覚えのある声「ちょっと──ゼ、アイン──」
121 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:54:12.04 ID:UCIKDsZbO
ガイ「……ん?」モグモグ

聞き覚えのある声「──だから──」
聞き覚えのある声「私は──」

ガイ「フッ……探し回ってたのが馬鹿らしくなるな……サーシャたちの声に聞こえる」

フローディア『……いや、聞こえるどころじゃなくて、これ……』

ベルトーネ『もしかしなくても、間違いないね〜』

ガイ「……まさかな」クルッ

亜麻色ポニテエルフ「も〜、リーゼもアインズも、こんなところで言い合わないでよ……」

黒ジャケットの少女「言い合ってないって。私は当然のことを言ってるだけ」

灼髪オッドアイ美女「私も当然のことを言っているだけだ」

亜麻色ポニテエルフ「それを言い合いって言うんだけど……」

ガイ「──っ」ダッ

122 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:55:02.66 ID:UCIKDsZbO
灼髪オッドアイ美女「……サーシャ、リーゼ、何者かが近づいてきている」バッ

黒ジャケットの少女「えっ!?どこから!?」キョロキョロ

亜麻色ポニテエルフ「……!」クルッ

タッ……タッ……

ガイ「──夢じゃ、ないよな?」

亜麻色ポニテエルフ「……っ!」ダッ

ピョンッ

抱きつかれるガイ「うおおおおおっ!?」

ドサッ……

亜麻色ポニテエルフ→サーシャ「ガイ……!ガイ、ガイ……!」ギュウウウッ!!

ガイ「い、痛い……サーシャ……!」ジタバタ

サーシャ「生きてた……!本当に、生きてた……!」ギュウッ……

ガイ「……ああ……!待て、ちょ……苦し……」ジタバタ

サーシャ「よかった……!もう……ずっと、ずっと心配して……探してたんだから……!」ギュウッ

ガイ「あぁ!……悪、かった……!サーシャ、一回離れ──」ジタバタ

黒ジャケットの少女「……ふふっ。そのままもう少し反省させてあげたら?」ニヤニヤ

灼髪オッドアイ美女「なんだ。存外、大丈夫そうじゃないか?」

ガイ「リーゼ、アインズ……!見てないで助けてくれ……!」

黒ジャケットの少女→リーゼリット「はいはい……ほら、サーシャ。気持ちはわかるけど、そろそろ離してあげな」

サーシャ「──はっ!ご、ごめん!ガイ!」パッ

ガイ「……」

灼髪オッドアイ美女→アインズ「フッ……久しいな、ガイ」

立ち上がるガイ「……ああ」スクッ……

ガイ「……みんな、無事でよかった」

アインズ「当然だ。誰に言っている?」

ガイ「……フッ、そうだったな」

サーシャ「アインズも、そんな余裕そうにしてるけど……ガイのこと、ずっと心配してたじゃん」

アインズ「なっ……!?サーシャ、余計なことを言うな!」

ガイ「そうなのか?」

リーゼリット「そうそう。何かあるたびに『ガイならこの程度では死なん』とか言って」ニヤニヤ

アインズ「……なっ、そういうリーゼだって、夜中にガイの名前を呼びながら泣いていただろう!」

リーゼリット「み、見てたの!?///」

サーシャ「あはは……」

ガイ「……」

言い合うリーゼリットとアインズ「」ギャーギャー

ガイ「……二人とも」

リーゼリット「何!」
アインズ「なんだ!」

ガイ「……心配をかけて、悪かった」

リーゼリット「……!」
アインズ「……」

ガイ「サーシャも。俺を探してくれて、ありがとう」

サーシャ「……うん!」

123 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/30(日) 23:56:35.96 ID:UCIKDsZbO
サーシャ「そうだ……ガイ、これ」スッ
翡翠の賽「」キランッ

ガイ「ありがとう。ちゃんと持っててくれたんだな」

サーシャ「もちろん。大事なものだって言われてたし、肌身離さず持ってたよ」

翡翠の賽を受け取るガイ「……助かった」スッ

リーゼリット「それで……これからどうするの?」

ガイ「聖女と会えた。あとは彼女の返答次第だ」

サーシャ「本当!?」

ガイ「ああ。ただ……少し事情が複雑でな」

リーゼリット「事情?」

ガイ「それは後でちゃんと話す。向こうにも、考える時間が必要みたいだからな」

サーシャ「……そっか」

ガイ「ところで、三人はどうやってここまで?」

アインズ「そうだな……クロシュヴァリエ号が墜落した後、私たちは運良く船の残骸と共に地上へ落ちた」

リーゼリット「アインズがしっかり捕まえてくれてたおかげで、私とサーシャはあんまり怪我しなかったんだ」

ガイ「なるほど……」

サーシャ「アインズはちょっとだけ怪我したんだけど、残骸がクッションになってくれたみたいで致命傷にはならなかったの」

アインズ「もとより、あの程度の高さから落ちたところでついた怪我など、私にとってかすり傷程度のものだ」

サーシャ「強がっちゃって……」

リーゼリット「それで、当てもなく歩いてたら、ちょうど近くを通りがかった勇者連合の人たちに救助してもらって、第七まで連れてきてもらったんだ」

サーシャ「そこからは、勇者連合の人たちを手伝いながら、ガイを探しにいったりしてたんだよ?」

ガイ「……そうだったのか」

リーゼリット「まったく。こっちは第七に着いてから何度も探し回ったのに、影も形もないんだもの」

ガイ「俺がこの辺りに着いたのは昨日だからな。そりゃ見つからない」

サーシャ「昨日!?」

アインズ「……では、墜落してから今日まで、一体どこで何をしていた?」

ガイ「……色々あった」

リーゼリット「色々って……」

ガイ「第四、第五、第六を通って、昨日ようやく第七に着いた。途中で何人かとも会ったし……何度か死にかけた」

サーシャ「何度か死にかけた!?」

ガイ「……まあ、そこも後で話す」

リーゼリット「ちょっと待って。さらっと流していいところじゃないでしょ、それ」

アインズ「まったくだ」

ガイ「全部話してたら長くなる。それに……俺も三人がここに来てから何をしてたのか、ちゃんと聞きたい」

サーシャ「じゃあ、あとで情報交換だね」

ガイ「ああ」

リーゼリット「それまではどうする?」

ガイ「聖女から返事をもらうまでは、少し時間がある。俺はもう少し第七を見て回ろうと思う」

アインズ「必要ならば、案内しよう。私たちもここに来てから日は浅いが、お前よりは詳しいからな」

ガイ「頼んだ」

◆現在はセイントレアです。(9日目)
⭐︎目標
・世界めくれを止める

何をする?
安価下1〜3
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 23:59:24.18 ID:sp5FN9J4O
前に手に入れた仕込み小手をどう使うか模索しながら練習する
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/30(日) 23:59:48.19 ID:Lr0zBVAH0
女性陣、原理派からの戦利品を避難所に渡しに来たマロニーと出会い腕試しされる。(斧使わないハンデあり)
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 00:03:24.76 ID:vEtVW4/zO
サーシャリーゼアインズ、レムを紹介されお礼を言う
127 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/08/31(月) 00:13:13.94 ID:Y6aGYOiaO
聖女との話を終え、サーシャたちと合流したガイ。
聖女からの返答を待つ間、第七避難所を見て回ることに。

以前手に入れた仕込み小手を使いこなすため、試行錯誤しながら練習するガイ。
一方、サーシャ、リーゼリット、アインズたちは、ガイと一緒に行動していたレムと顔を合わせる。

そんな中、原理派から回収した戦利品を避難所へ届けるため、マロニーが第七避難所へ向かっていた……

本日はここまでです。次回もよろしくお願いします。

それでは、また。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 01:27:59.55 ID:LbAxOLxwo
気軽に避難所はでない方がいいのかね
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 02:16:25.88 ID:p6HCX+odo
おつ
皆とも合流できたしここから本番だ
しかし何からやればいいのか…勇者連合に話を聞きに行くのがよいか
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 12:11:18.09 ID:GhwSLLGmO
ミラ、ザックなど生存者がいるけど他にもいるのかな?
131 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 22:05:55.40 ID:ZocqxjxfO
>>128
出ても構いませんが、外には他の避難所くらいしか目ぼしいものがない上に、現状では氷刃の魔女や原理派の勢力、盗賊や影の魔物、スライムもどきといった危険もありますので、オススメはしません。

>>129
進めながらこの先やることを示せればな、と思います。深く知りたい場合は安価等で示していただければ対応しようと思います。

>>130
全員登場させるというのは確約できませんが、前スレの>>736の通りです。大半は生きています。
132 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 22:06:25.66 ID:ZocqxjxfO
ガイ「」シュンッ
刃が飛び出す仕込み小手「」ジャキンッ!

ガイ「……間合いは変わるが、短剣のように扱えるな。飛び出す機構を利用して奇襲に使えそうだ」

フローディア『暗殺の用途で作られたものでしょうから、使い方はあっているんじゃないかしら?』

ベルトーネ『小手で敵の攻撃も捌けるし、接近するのが得意なガイくんとは相性がいいのかもね〜』

ガイ(腕に固定されているから、手から離れる心配もないしな)

フローディア『……これの持ち主は、まだ使えたのにどうして捨てたのかしら?』

ベルトーネ『う〜ん……暗殺を生業にしていた人が、使う必要がなくなったとかかな〜。ほら、セイントレアはこんな風になっちゃってるし』

ガイ(理由はどうあれ、問題が無いのならありがたく使わせてもらおう。身を守る術は多い方がいい)

フローディア『そうね。次は魔法と織り交ぜて使ってみましょう』

ベルトーネ『え〜?その前に休もうよ〜』

⭐︎仕込み小手の使い方を練習しました。
133 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 22:06:52.06 ID:ZocqxjxfO
ワイワイガヤガヤ……

サーシャ「ふぅ……それじゃあ、次は炊き出しの方を手伝いに行こっか」

リーゼリット「そうだね。今日は人手が足りないって言ってたし」

タッタッタッ……

レム「……あの!そこの、三人の方!」

サーシャ「……?」クルッ

リーゼリット「私たち?」

レム「はい。あの……もしかして、サーシャさんと、リーゼリットさんと……アインズさん、ですか?」

アインズ「何者だ?」

レム「あっ、突然すみません……私、レム・イナリソウメンといいます」

サーシャ「!」

リーゼリット「じゃあ、あなたが……」

アインズ「……なるほど」

レム「ガイさんから、皆さんのことを聞いていたので……もしかしたらと思って」

サーシャ「レムさん!」ズイッ

レム「は、はい!?」

頭を下げるサーシャ「ガイのこと、ありがとうございました!」ペコリ

レム「えっ!?」

サーシャ「ガイと一緒にここまで来てくれて、本当に……ありがとうございます!」

レム「ま、待ってください!頭を上げてください!」ワタワタ

リーゼリット「……私からも、お礼を言わせて」

レム「え……」

リーゼリット「私たち、ガイと離れてから……ずっとあいつがどうしてるのか分からなかったから……一人じゃなかったって分かっただけでも、少し安心したの」

アインズ「私も同じだ。ガイが世話になった」

レム「そ、そんな……!むしろ、助けてもらったのは私の方なんです!第四避難所で会ってから……何度も助けてもらって……私一人だったら、ここまで辿り着けたかどうか……」

アインズ「フッ……アイツらしいな」

レム「なので……皆さんからお礼を言われるようなことは、何も……」

サーシャ「それでも」

レム「……?」

サーシャ「レムさんが一緒にいてくれたんですよね?だったら……やっぱり、お礼を言いたいです」

リーゼリット「そうそう、素直に受け取ってほしいな?」

レム「……分かりました。じゃあ……その言葉、ありがたく受け取っておきます」ニコッ

⭐︎レムと話しました。
134 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 22:07:25.53 ID:ZocqxjxfO
ザワザワ……

大量の物資が入った袋「」ズル……ズル……

血塗れのマロニー「……」
血が滴る巨大斧「」ポタ……ポタ……

第七勇者連合兵A「ま、マロニーさん……その後ろの荷物は……?」

マロニー「これは原理派の人が持ってたやつから使えそうなのを見繕ったやつ。他の人にもわけてあげて」

第七勇者連合兵A「は、はい……」

大量の物資が入った袋「」ドサッ!!

マロニー「それじゃ、私はこれで──」

サーシャ「あれ……マロニーさん?」

リーゼリット「やっぱりマロニーさんだ!」

アインズ「ずいぶんな格好だな……」

マロニー「……ああ。代行者さんの仲間か。久しぶり」

サーシャ「はい。お久しぶりです!あのときは助けてくれて、ありがとうございました!」

マロニー「気にしないで。使命の為だから」

アインズ「……何をしにここへ?」

マロニー「原理派から使えそうなものを持ってきただけ。食料とか薬とか、武器とか」

三人を見るマロニー「でも……」ジーッ

サーシャ「……?」

リーゼリット「な、何?」

マロニー「そういえば……三人とも、代行者さんとは会えたんだよね?」

リーゼリット「え?まあ、お陰様で……?」

マロニー「じゃあ、神様らしく、試練を与えてあげる。場所を変えようか」

アインズ「試練……?」

135 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 22:07:55.17 ID:ZocqxjxfO
地面に突き立てられる巨大斧「」ズンッ!!!

マロニー「──ここなら誰の邪魔にもならない。かかってきて」

サーシャ「か、かかってきてって……」

リーゼリット「模擬戦ってことなの……?」

マロニー「ううん、あなたたちは本気で……私を殺す気できて」

アインズ「……どういうことだ。こんなことをしている状況じゃないだろう」

マロニー「龍神の血をひいているあなたなら、わかると思うけど」

アインズ「知らんものは知らん」

マロニー「そう……それなら、それでいいよ。私のことは、ちょっと強い魔物くらいに思ってくれればいい」

アインズ「……」

マロニー「あなたたちは本気でやって。魔法でも武器でも、使えるものは全部使っていいから」

サーシャ「で、でも……それじゃマロニーさんが……」

マロニー「大丈夫。そう簡単には死なないよ」

リーゼリット「そういう問題……?」

マロニー「それに、私も同じ条件じゃ手合わせにならないから。私は斧を使わない。魔法もなし」

サーシャ「……素手で、私たち三人と?」

マロニー「うん」

アインズ「……舐められたものだな」

マロニー「そういうつもりはないよ。ただのハンデ」

アインズ「同じことだ」

アインズ「……後悔するなよ」ザッ
竜角の槍「」ブンッ!

マロニー「しないよ……さあ──どこからでも、かかってきて」

◆反転コンマ下1

01-70 敗北
71-95 引き分け
96-00 勝利
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 22:10:32.92 ID:YG2PCye2O
137 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 23:27:38.57 ID:KxRpsNC5O
アインズ「」ダッ
竜角の槍「」シュバババババッ!!!

マロニー「!」サッ

マロニー「あはっ……♪いいね、あなた……!一つ一つに、私を殺そうとする意思を感じる……!」

アインズ「減らず口を──!」バッ
炎「」ゴウッ!!!

マロニー「」サッ

マロニーのいた場所に降り注ぐ魔力矢の雨「」ドドドドドド……!

マロニー「……びっくりした。面白い弓だね」チラッ

遠くで魔導弓を構えるサーシャ「……!」ギリ……

ドギュウン!
肩を撃ち抜かれるマロニー「!」

ドギュウン!
足を撃ち抜かれるマロニー「」グラッ

ドギュウン!
腹部を撃ち抜かれるマロニー「」

ドギュウン!
腕を撃ち抜かれるマロニー「」

マロニー「──」フラッ……

アインズ「よくやった、サーシャ、リーゼ……!」ダッ

マロニー「」グルンッ
アインズ「!」

振り抜かれるマロニーの脚「」ブオンッ!!!

アインズ「ぐっ──!」ガッ!!

吹き飛ばされるアインズ「」ドゴォッ!!!

サーシャ「アインズ!」

地面を転がるアインズ「ぐっ……!」ザザザッ……

リーゼリット「嘘……あれだけ撃ち込んだのに……!」

撃ち抜かれた傷口「」シュウウウウ……
塞がっていく傷「」グチュ……グチュ……
マロニー「……いい連携だったよ」ニコッ

リーゼリット「……!」

マロニー「ちゃんと三人で戦えてる──でも」
138 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 23:28:06.46 ID:KxRpsNC5O
ドンッ!!!

リーゼリット「──消え……!?」
背後に現れるマロニー「遅いよ」

リーゼリット「っ──!」

マロニーの手刀「」トンッ

リーゼリット「あっ……!?」

ドサッ……

サーシャ「リーゼ!」
背後に現れるマロニー「次」

サーシャ「!?」バッ

サーシャの魔導弓を掴むマロニー「」ガシッ!

サーシャ「っ……!」ググッ
マロニー「捕まえた」

サーシャ「は、離して──!」

魔導弓ごと引き寄せられるサーシャ「わっ!?」グイッ

サーシャの額に当てられる人差し指「」チョンッ

サーシャ「──ぁ……」

ドサッ……

アインズ「サーシャ!リーゼ!」
突き出される竜角の槍「」シュバッ!!

槍を躱すマロニー「」スッ

アインズ「!」

竜角の槍を掴むマロニー「」ガシッ!!

アインズ「なっ──!?」

マロニー「せーの」
槍ごと投げ飛ばされるアインズ「ぐあっ!?」ブオンッ!!

ドガァンッ!!!

地面に投げられるアインズ「がっ……!」ドサッ

マロニー「……」

立ち上がろうとするアインズ「まだだ……!」フラッ……

マロニー「……うん。やっぱりあなたは、とりわけ丈夫みたい。でも、立つのでやっとのはずだよ」

膝をつくアインズ「くっ……!」ガクッ

マロニー「あなた達の敗因は、命をかけなかったこと。心のどこかで、無意識に手加減をしていたから。命をかけていれば、斧を持った私にも勝てる見込みは十分ある」

満足そうに笑うマロニー「思ってたより、ずっと強かったよ。試練は合格にしてあげる」ニコッ

アインズ「……斧も……魔法も使わずに……よく言う……」



⭐︎マロニーに敗北しました。
139 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/05(土) 23:31:32.73 ID:KxRpsNC5O
ーー聖ヴァレリオ教会

祈るガイ「……」

ベルトーネ『まさか、ここを拠点として使わせてもらえるとはね〜』

フローディア『……ところで、ロイエ教って天使を善として悪魔を目の敵にする宗教なのに、こんなところにいて平気なの?』

ベルトーネ『実害があるわけじゃないし、ここに居るからって私が消滅したりとかはしないからね〜。神聖魔法を当てられたら消えちゃうかもだけど。そういえば、ガイくんってロイエ教を信じてるの?』

ガイ(いや……セイントレアに住んでいたが、信じてはいなかったな。うまく言えないんだが……教えが間違っている気がして)

フローディア『ふうん……それにしては、祈りに詳しいじゃない?』

ガイ(……信者として振る舞えば、色々と過ごしやすくてな)

ベルトーネ『ほうほう、悪魔的にはポイント高いよ、それ〜?』

コツ……コツ……

杖をついたクレア「どなたか……お祈りをしているのですか?」

ガイ「……あなたは?」

クレア「私はここの修道女、クレアと申します」

ガイ「……ガイといいます」

クレア「あなたが……サーシャさん達からお話は聞いています」

ガイ「俺のことを?」

クレア「世界めくれを止めるために、ここまで来られた方だと」

ガイ「……はい」

クレア「ですが……聖女さんからのお返事は、まだなのでしょう?」

ガイ「ええ。考える時間が欲しいと言われました」

クレア「そうですか……でしたら、それまではこちらでお過ごしになるんですよね?」

ガイ「そのつもりです。ただ……正直、次に何をすればいいのか、わからなくて。クレアさんは、ずっとここに?」

クレア「はい。長いこと、この教会で暮らしています」

ガイ「だったら……何か知りませんか?」

クレア「何か、とは?」

ガイ「世界めくれのことでも、なんでも……聖女のことでもいい。俺が次に調べるべきことを」

クレア「……そうですね……私から言えることがあるとすれば……」

クレア「この第七避難所には世界めくれが起きた当時から生きている方が何人もいます。十年前のことを知りたいのであれば、そういった方々からお話を聞いてみるといいかもしれません」

クレア「それから、勇者連合の方々は、この十年間ずっと魔物や原理派と戦ってきました。今のセイントレアについてなら、普段は教会にいる私たちより詳しいでしょう。この場所の代表になっているアルクスさんに話を聞くのもいいのではないでしょうか」

クレア「他にも、何か聞きたいことがあれば私でも、ミラくんやザックさんでも、お気軽にどうぞ」

ガイ「……聖女さんは?」

クレア「もちろん、聖女さんでも。昨日のお話についてはまだ考えているようですが……普通にお話をするくらいなら、気にしなくて大丈夫ですよ」

ガイ「そうですか」

クレア「はい。あの方も、ずっと考え込んでいるより……誰かとお話ししていた方が気が紛れるでしょうし」ニコッ

ガイ「……分かりました。色々と聞いてみます」

◆現在はセイントレアです。(10日目)
⭐︎目標
・世界めくれを止める

何をする?
安価下1〜3
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 23:32:51.66 ID:xWTFV3X50
ガイ ザックに頼まれて軽く模擬戦する
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 23:33:05.54 ID:nwbGjRMB0
女性陣(マロニーレムステラ含む)親交を深めるため一緒にお風呂に入る。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/05(土) 23:34:30.25 ID:C8XA7uLtO
ガイ
ここでの臨時墓地の墓参り兼お供え物として壊れた魔導拳銃を置いていく
143 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 00:49:36.86 ID:5R1lWEOCO
ーー臨時墓地

ガイ「……ここにも、あるのか」

フローディア『状況は比較的マシとはいえ、ここも他の避難所と同じような苦難を受けているのでしょうね。気づいてた?ここで出されてた食事は全部、魔法で生成されていたものよ』

ガイ(……まるで大魔女帝国みたいだな)

フローディア『あれと比べたら、レベルは些か落ちるけど……それでも、姉さんの魔法を再現できるだけで凄腕の魔術師がいるのはたしかよ。そのお陰で、この場所は他の所より余裕があるのかも』

ベルトーネ『まあ、その人がどれだけ頑張っても、被害を無くすことはできないってことだよね〜……それで、ここには何をしにきたの?』

ガイ(第四避難所で刀を借りただろ。その代わりに、魔導拳銃を置いていこうと思ってな)

壊れた魔導拳銃「」スッ……

フローディア『……いいの?ずいぶん長く使ってたみたいだけど』

ガイ(ああ。刀もあるし、仕込み小手も手に入れた。それに……借りたままっていうのが、なんとなく気になる)

ベルトーネ『律儀だね〜』

墓前に置かれる壊れた魔導拳銃「」コトッ……

ガイ(……)

「──その拳銃」

ガイ「……?」クルッ
144 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 00:50:02.36 ID:5R1lWEOCO
赤橙ロングの隻腕眼帯女性「置いていくつもりか?」

ガイ「ああ。別の場所で刀を借りたんだ。その代わりに」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「……そうか」ジッ……

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「……かなり使い込んでいたみたいだな。それほどの使い手は中々見ない」

ガイ「……」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「これからも戦うつもりなら、ちょうど替え時だろう」

ガイ「そう簡単に代わりが手に入れば苦労しないんだが」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「……なら」

取り出される魔導拳銃「」スッ

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「これを使え。私の予備だ」

ガイ「会ったばかりの相手から貰うわけにはいかない」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「使わずに持っているより、必要な人間が使った方がいい」

ガイ「……いいのか?」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「ああ」

魔導拳銃を受け取るガイ「……ありがとう」スッ

ガイ「……大事に使わせてもらう」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「そうしてくれ」

ガイ「俺はガイだ。あなたは?」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「……名は捨てた」

ガイ「捨てた?」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「ああ。今さら、名乗るような名前はない」

ガイ「じゃあ、なんて呼べばいい?」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性「……周りからは」

赤橙ロングの隻腕眼帯女性→イリス「“ダークヒーロー・イリス”……そう呼ばれている」

ガイ「……ダークヒーロー・イリス!?あなたが!?」

イリス「先に言っておくが、私は本物ではない。あの子ほど、強くもなければ立派でもないから……」

ガイ「……?」

イリス「……避難所の連中が、勝手にそう呼んでいるだけだ」

ガイ「どうして、イリスって名前を?」

イリス「……」

ガイ「……言いたくないなら、いいんだが」

イリス「……ここじゃ、明日も生きていられる保証なんてない。そんな場所で……“ダークヒーローが自分たちを守ってくれている”と思えるだけで、救われる者がいる」

イリス「それをわざわざ否定する必要はないだろう……それだけだ」

ガイ「……分かった。じゃあ、俺もイリスって呼べばいいのか?」

イリス「好きにしろ」

ガイ「……改めて、ありがとう。イリス」

イリス「お互い、生き残れるといいな……」

スタスタ……

墓に供えられた花「」

⭐︎新しい魔導拳銃を手に入れました。
145 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 00:51:10.90 ID:5R1lWEOCO
ーー聖ヴァレリオ教会

ベルトーネ『ただいま〜』

フローディア『私たちにしか聞こえてないわよ』

ベルトーネ『も〜、気分の問題だよ〜』

ザック「お、戻ったか」

ガイ「ザック、墓地でイリスって呼ばれてる人に会ったんだが……何か知ってるか?」

ザック「……面識はある」

ガイ「なら、あの人が何者なのか知ってるか?本人は名前を捨てたと言ってたが。それから……どうしてイリスと呼ばれてるのか聞いても、答えなかった」

ザック「……あの人が自分から話さなかったなら、俺から言うことは何もない」

ガイ「……」

ザック「気になるなら、いつか本人に聞け。話す気になったなら、その時は話してくれるだろう」

ガイ「……分かった」

ザック「それより──」

ガイ「?」

ザック「その腰の魔導拳銃は?」

ガイ「ああ。さっき、イリスから貰った。壊れた拳銃を置いていくところを見て、代わりに使えってな」

新しい魔導拳銃を見るザック「……なるほど」

ガイ「何だ?」

ザック「いや。あの人が渡したんなら、物は悪くないだろうと思ってな。もう使ってみたのか?」

ガイ「いや。まだだ」

ザック「なら、少し付き合え」

ガイ「……?」

ザック「教会の裏に、鍛錬に使ってる場所がある。新しい武器なら、実戦で使う前に慣らしておいた方がいい」

ガイ「的でも撃つのか?」

ザック「それでもいいが……せっかくだ。俺が相手してやる」

ガイ「……模擬戦か?」

ザック「ああ」

ガイ「いいのか?」

ザック「昨日、お前がここまで何をしてきたか聞いただろ。少し興味がある」



ーー聖ヴァレリオ教会・裏手

ザッ……

向かい合うガイ「……」
向かい合うザック「……」

腰の新しい魔導拳銃に手を添えるガイ「」スッ

ザック「拳銃だけじゃなくていい。使えるものは好きに使え」

ガイ「……いいのか?」

ザック「ああ。ただし、殺さないでくれよな……さて、準備はいいか?」

ガイ「……ああ」

◆コンマ反転下1
01-30 敗北
31-70 引き分け
71-00 勝利
146 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 01:01:50.90 ID:5R1lWEOCO
ザックと模擬戦をすることになったガイ。
模擬戦を通じて、自身の強さをさらに研鑽していく。
一方、サーシャたちは第七避難所に開設された入浴場で心身を癒し、レムやステラといった人々と交流を深めていた……

本日はここまでです。このレスがコンマをとっていたら、ずらしてください。

それでは、また。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 01:04:42.52 ID:KSqt+o1CO
ほんと模擬戦すきね
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 01:44:10.82 ID:fTGZhFkUo
おつ
うーむ依然としてコンマが奮わんな…
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 14:55:00.89 ID:eaam6MaYO

魔導拳銃を置いていくつもりが新しいもの拳銃を手に入れることになるとは。
後、星詠みの魔女がいるのにイリスと名乗る人物が登場してまだ謎があるな。
150 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:10:00.37 ID:2woc7p6dO
>>147
戦いたくなるような何かがあるのか、内心では闘争を求めていたりするのかもしれません。ただ、これまでの感覚で見てもらえばお分かりかと思いますが、具体的に何を得られるとかそういったものはありませんので、メタ的には安価で来たから消費している面が大きいですね。
強いて得られるものを挙げるなら、キャラの戦闘描写や、能力・戦い方を掘り下げる機会になるくらいでしょうか。

>>148
体感なのですが、このスレで>>1が重要だと思う場面や、意外な場面でのコンマは割といい出目が出ていると思うのですが、通常時のコンマはあまり振るってない気がしますね。
引き続きよろしくお願いします。

>>149
思いついたのでこんな描写にしてみました。
謎というほど難しい謎ではないと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
151 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:10:53.49 ID:2woc7p6dO
ガイ(早速だが、この魔導拳銃を試してみよう)スッ
魔導拳銃「」チャキッ

ザック「よし来た!」グッ

ガイ「行くぞ!」
魔導拳銃「」ドギュウン!

ガイ(……これは……!)

外れる魔力弾「」ジュッ……

ザック「ありゃ……?」

フローディア『……今の、狙って撃ったの?』

ガイ(ああ……この魔導拳銃、相当ピーキーだ……!)

ベルトーネ『使いこなせれば強そうだけど〜』

ガイ(反動が強い……それに、今までの拳銃より魔力の出力が桁違いだ──)

ザック「戦いの最中に考えすぎだ」

ガイ「!」

地面を蹴るザック「」ドンッ!!!

ガイ「速──!」

一気に距離を詰めるザック「おおおっ!」ブオッ!!

ガイ「っ!」サッ
振り抜かれるザックの拳「」ブオンッ!!

ガイ「……!」

ザック「よく避けた!」

ガイ(身体強化か……!)

メリケンサック「」ギラッ
ザック「まだまだ行くぞ!」ブンッ!!

ガイ「くっ……!」サッ

ガイ「!」サッ! サッ!

フローディア『見た目通りの力押し……ってわけでもなさそうね』

ガイ(ああ……速いだけじゃない。こっちの動きを見て、逃げ道を潰してる……!ただの速度強化じゃ追いつかれる!)

ザック「どうした!拳銃を試すんじゃなかったのか!」

ガイ「言われなくても……!」シュンッ

魔導拳銃「」チャキッ!

ザック「消えた!?転移したのか!?」

魔導拳銃「」ドギュウン! ドギュウン!

回避するザック「」サッ!

ガイ(やはり狙いがズレる……なら、足元を──!)

魔導拳銃「」ドギュウン!

土煙「」ブワッ!!
土煙に紛れるガイ「」ダッ!
152 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:11:21.47 ID:2woc7p6dO
ザック「……!」

ガイ「はっ!」
仕込み小手「」ジャキンッ!!

ザック「そこか!」ガッ!!

メリケンサックに受け止められる刃「」ギィンッ!!

ガイ「!」

ザック「面白い武器だな!」

ガイ「余裕だな……!」ググッ

ザック「そりゃあ──」
ザックの拳に集まる光「」パァァッ……

ガイ「!」

ザック「この距離が俺の得意分野だからな!」

光を纏った拳「」ブオンッ!!

ガイ「っ!」バッ!

腹を掠める光の拳「」バシュッ!!

ガイ「ぐっ……!」ザザッ

膝をつくガイ(掠っただけでこれか……!)ガクッ……

ベルトーネ『あの人、かなり強いね〜』

フローディア『身体強化に光魔法……それを格闘術に組み込んでる。十年も戦い続けてきたのなら、相当場数も踏んでるでしょうね』

ザック「まだやれるか?」

ガイ「……当然だ」スクッ

ザック「いいねえ!」ニッ

ガイ「……」
魔導拳銃「」スッ
153 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:12:08.24 ID:2woc7p6dO
ガイ(反動が強いなら……最初からそれを織り込んで狙う……リーゼならどう使う?)

魔導拳銃「」ドギュウン!!!

ザックの頬を掠める魔力弾「」ヒュンッ!

ザック「おっ……!」

ガイ(今度は狙い通り……!)

ザック「もう合わせてきたか!」

ガイ「もう一発──!」

ザック「だが──」

身体強化される全身「」バチバチッ!!

一瞬で懐に潜り込むザック「」シュンッ!!

ガイ「なっ──」

魔導拳銃を持つ手を弾くザック「」バシッ!!

ガイ「くっ!」バッ

宙を舞う魔導拳銃「」クルクル……

ベルトーネ『取られた!』

ガイ「まだだ!」ジャキンッ!!
突き出される仕込み刃「」シュバッ!!

仕込み小手を掴むザック「」ガシッ!!

ガイ「!?」

ザック「捕まえたぜ」
体勢を崩されるガイ「」グイッ!!

ガイ(まずい──)

光を纏うザックの拳「」パァァァッ──

ガイ「!」

腹部に叩き込まれるザックの拳「」ドゴッ!!!

ガイ「がっ──!!」

ドサッ!!

ガイ「ぐ……っ……!げほっ……」

起き上がろうとするガイ「まだだ……!」ググッ……

ガイの額に寸止めされる拳「」ピタッ
154 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:12:34.70 ID:2woc7p6dO
ザック「ここまでだ」

力を抜くガイ「くっ……負けだ……」

ザック「よし!」

拳を突き上げるザック「ヒーローの勝利!」ビシッ!

差し出されるザックの手「」スッ

ザック「立てるか?」

ガイ「……ああ」
ザックの手を掴むガイ「」ガシッ

引き起こされるガイ「」グイッ

ザック「……まあ、今回は俺の勝ちだが……殺し合いだったら、こうはいかなかっただろうな。お前、まだ奥の手を残してるだろ?」

ガイ「……まあな。でも、それはザックも同じだろ?」

ザック「さあ、どうだろうな」ニッ

ガイ「それに……何を使わなかったにしても、負けたことに変わりはない」

ザック「……そうか」

ガイ「ああ。次は勝つ」

ザック「ハハッ!いいねえ!その時は、また相手してやるよ!」

ガイ「望むところだ」

地面に落ちた魔導拳銃を拾い上げるガイ「」スッ

ガイ(……反動も、出力も、これまで使っていたものとはまるで違う。だが……少しずつ感覚は掴めてきた)

フローディア『初めて使ったにしては上出来じゃない?最後の方は狙えてたし』

ベルトーネ『うんうん。面倒だけど、練習あるのみだね〜』

ガイ(……あとでリーゼに色々教えてもらおう)

⭐︎ザックに敗北しました。
155 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:13:39.27 ID:2woc7p6dO
ーー第七避難所 浴場

ワイワイガヤガヤ……

サーシャ「遂に……このときが来たぁ!」

リーゼリット「急にどうしたの、サーシャ?」

サーシャ「リーゼ、最後にお風呂に入ったのって、いつ?」ズイッ

リーゼリット「え?セイントレアの突入前だけど……」

サーシャ「そうでしょ!?今日まで、水浴びで済ませたり、身体を拭いたりして過ごしてきたけど……ようやく、お風呂に入れるんだよ!リーゼは嬉しくないの!?」クワッ

リーゼリット「そ、そりゃ嬉しいけど……てか、そんなキャラだっけ……?」

アインズ「フッ……サーシャが浮かれるのも無理はない。この避難所では月に一度、こうして全体に浴場が解放される。そのタイミングが今日で、ついていたな」

ステラ「……」

サーシャ「ステラさん?どうかしました?」

ステラ「あ……ええと……もう二度と、入れないと思ってたから……私、本当に入っていいのかな……」

サーシャ「何言ってるんですか。一緒に入りましょうよ!」

ステラ「でも……」

リーゼリット「ここまで来て遠慮してどうするの。ほら、行きましょう」

ステラ「ちょっと……!引っ張らなくても一人でいけるから……!」

レム「──あっ、皆さんも来てたんですね!」

サーシャ「レムさん!レムさんも入浴しに?」

レム「はい!せっかくなので、クレアさんたちも誘ってきたんです!」

クレア「ふふっ……お誘いいただきました」

聖女「私もご一緒させてもらいます」

サーシャ「聖女さんも!」

聖女「はい。今日は少し時間もできましたから」

レム「人数が多い方が楽しいですし、みんなで入りましょう」

サーシャ「はい!」

聖女「それじゃあ、クレアさん。行きましょうか。足元、気をつけてくださいね」

クレア「ありがとうございます」

156 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:14:49.79 ID:2woc7p6dO
湯気「」モクモク……

サーシャ「はぁぁぁ……」ブクブク……

リーゼリット「沈んでる沈んでる」

アインズ「行儀が悪いぞ、サーシャ。他の避難民も多い。気持ちはわかるが、少しは周りを気にしろ」

サーシャ「はっ!……久々すぎて浮かれちゃってたよ。ごめんなさい……」

リーゼリット「ふふ……気持ちは分かるけどね」

ステラ「……あったかい……」

レム「気持ちいいですね」

ステラ「うん……本当に、こんなことしてていいのかな」

レム「……?」

ステラ「外じゃ、今も戦ってる人がいるのに。食べ物も、薬も……足りないところがいっぱいあって……私だけ、こんなところで……」

レム「いいと思います」

ステラ「え?」

レム「休める時に休むのも、大切なことですから」

ステラ「でも……」

レム「私も世界めくれが起きたばかりの頃は……こんな風に、ゆっくりお風呂に入れる日が来るなんて思ってませんでした」

サーシャ「……レムさん」

レム「だからこそ……こういう時間を大切にしたいんです。生きてるんですから。ご飯を食べたり、お風呂に入ったり……誰かとお話ししたり。そういうことまで我慢しなくてもいいと思います」

ステラ「……生きてるから……」

レム「はい。今日が終わったらまたしばらく入れませんし……今くらいは、ゆっくりしてもいいと思います」

ステラ「……そっか」

ワイワイ……

聖女「……」

クレア「……聖女さん?」

聖女「……え?」

クレア「どうかしましたか?」

聖女「いえ……」

楽しそうに話すサーシャたち「」ワイワイ……

聖女「……賑やかだなって」

クレア「そうですね」

聖女「……こんな声を聞くの、久しぶりな気がします」

クレア「毎日、子供たちが騒いでいるでしょう?」

聖女「ふふっ……それとは少し違います」

クレア「そうですか?」

聖女「はい……皆さん、違う場所から来て……それぞれ、色んなことがあったはずなのに」

聖女「こうして一緒に笑えるんですね」

クレア「……ええ」

聖女「……」

クレア「……混ざってきてはいかがですか?」

聖女「え?」

クレア「先ほどから、ずっと見ているだけでしょう?」

聖女「いえ……私は、いいんです」
157 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:15:20.84 ID:2woc7p6dO
クレア「……頼まれたことを考えているのですか?」

聖女「……分かりますか」

クレア「長い付き合いですから……まだ、迷っていますか?」

聖女「……怖いんです」

クレア「……」

聖女「ガイさんの話を信じていないわけではありません。ホーリーさんが十年前に言っていたことも……きっと、このことだったんだと思います」

聖女「でも……私なんかが行ったところで、本当に何かできるのか……」

自分の手を見る聖女「……」

聖女「あの子みたいな奇跡は起こせない。戦うことだってできない……それなのに、世界めくれを止めるために力を貸してほしいなんて言われても……」

クレア「聖女さん」

聖女「……?」

クレア「ガイさんは、妹さんの代わりになってほしいと言いましたか?」

聖女「……いいえ」

クレア「妹さんと同じ奇跡を起こしてほしいと?」

聖女「……それも、言われていません」

クレア「でしたら……妹さんならどうするかではなく、あなたがどうしたいのかで決めてもいいのではありませんか?」

聖女「私が……」

クレア「はい。ホーリーさんも、そう仰っていたのでしょう?」

聖女「……」

レム「聖女さん!クレアさーん!こっちに来ませんか?」

サーシャ「一緒に話しましょうよ!」

聖女「え……でも……」

クレア「……だそうですよ」

聖女「……」

クレア「聖女さん。連れていっていただけますか?」

聖女「……はい。もちろんです」

聖女の腕に手を添えるクレア「」スッ

クレアの歩幅に合わせて歩く聖女「足元、気をつけてくださいね」

クレア「ありがとうございます」ニコッ

158 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:15:46.21 ID:2woc7p6dO
楽しそうに話す一同「」ワイワイ……

湯気「」モクモク……

聖女(……十年前、あの子は私を守って消えた。それから私は……あの子が守ろうとしたものを忘れないために……“聖女”と名乗ってきた)

聖女(でも……)

サーシャ「それでね、ガイったら──」

レム「えっ、そんなことが?」

リーゼリット「本当に馬鹿だよね……まあ、それだけ無茶してでも誰かを助けようとする奴なんだけど」

ステラ「ふふっ……」

アインズ「笑い事ではないぞ」

聖女「……」

聖女(あの子が大事にしてたものって……)

聖女(きっと、こういうものだったんだ)

聖女「クレアさん……私、決めました」

クレア「……」

聖女「私に何ができるのかは、まだ分かりません。妹のような力もありません。それでも──」

サーシャたちを見る聖女「……この人たちが、こうして笑っていられる世界を……なくしたくありません」

聖女「だから……私も、できることをしてみようと思います」

クレア「……ええ。それが、あなたの答えなのですね」

聖女「……はい」ニコッ

⭐︎みんなでお風呂に入りました。
159 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 21:16:13.68 ID:2woc7p6dO
ーー聖ヴァレリオ教会

聖女「──ガイさん。以前の話の返事をしてもよろしいですか?」

ガイ「……ああ」

聖女「世界めくれを止めるために、私にできることがあるのなら、力を貸します」

ガイ「……ありがとうございます」

聖女「いえ……私自身が、そうしたいと思ったんです。それと……一つ、お話ししておきたいことが」

ガイ「?」

聖女「これは、本当にただの勘なんです。どうしてそう思うのか、自分でもうまく説明できないのですが……」

聖女「世界めくれを止めるためには……魔王城へ向かわなければならない。そんな気がするんです」

ガイ「魔王城……セイントレア王城か」

聖女「はい。それも……できるだけ、奥へ」

ガイ「根拠は?」

聖女「ありません。ですから、本当に私の勘でしかないんです。ガイさんから世界めくれの話を聞いてから、ずっと考えていて……どうしても、そう思えてならないんです」

ガイ「……」

聖女「信じてもらえますか?」

ガイ「ああ。今は他に手掛かりもない。それに、あなたの力が必要だっていう話とも無関係とは思えない。それに、俺だって似たようなものだしな」

聖女「……ありがとうございます」

ガイ「なら、魔王城へ向かおう。ただ、魔王城へ向かうのであれば……“白鋼の騎士”……魔王城の門を守っている奴をどうにかしなければならない」

聖女「白鋼の騎士……これまでにも、勇者連合の方々が魔王城へ近づこうとしたそうですが……あの騎士に阻まれています。セインくんも手が離せないでしょうし……今の戦力だけで挑むのは、危険だと思います」

ガイ「セイン……?……とにかく、いきなり向かうのは無謀だな。まずは戦力を集めよう」

聖女「ええ。それから……原理派にも気をつけてください」

ガイ「原理派……」

聖女「今は大きな動きこそありませんが……私たちが魔王城へ向かうと知られれば、どう動くか分かりません」

ガイ「……なぜだ?原理派がどうして俺たちを邪魔する?」

聖女「……彼らにとって、“聖女”という存在は特別なんです。今の私を聖女と認めているわけではありませんが……私がこの避難所を離れたと知れば、黙って見過ごすとは思えません」

ガイ「……」

聖女「それに……原理派以外にも、何が起こるか分かりません。魔王城へ向かうのであれば、できるだけ慎重に準備した方がいいと思います」

ガイ「……分かった。まずは戦力を集めながら、周囲の動きも調べる。準備ができたら……白鋼の騎士を倒して、魔王城へ向かおう」

聖女「……はい」

◆現在はセイントレアです。(11日目)
⭐︎目標
・世界めくれを止める
・魔王城の奥地を目指す
・白鋼の騎士を倒す

何をする?
安価下1〜3
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 21:17:10.93 ID:f+Bwgyo20
聖女に他に強敵(前作Pの敵版)がいないか聞いてみる
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 21:17:35.61 ID:fTGZhFkUo
勇者連合の定例会議に参加する
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 21:18:35.37 ID:Bcts7X/so
時間魔法を更に鍛え上げて時間の檻以上の技を習得する
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 21:18:46.04 ID:89QWWNDMO
アインズ、斧での戦い方を試してみる
164 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 23:05:08.88 ID:0dfhI4uBO
ガイ「ところで、星詠みの魔女と氷刃の魔女、それに白鋼の騎士……その三体だけは、スライムもどきや影の魔物とは雰囲気がだいぶ異なるようだが……理由を知っているか?」

聖女「詳しいことは私にも……ただ、元になったであろう人たちは知っています……ガイさんはスライムもどきに食べられた人がどうなるかは知っていますか?」

ガイ「?……影の魔物に触れられたように、消えるんじゃないのか」

聖女「……スライムもどきに食べられてしまった生き物は、新たなスライムもどきになってしまうのです」

ガイ「何……?」

聖女「おそらく、星詠みの魔女や氷刃の魔女といった存在は、それと似たような状況で産まれた存在なのでしょう」

ガイ「なぜ、そう思う?」

聖女「……十年前。世界めくれが起きた時に、私は星詠みの魔女を見ています。今とは状況が違いましたが……あの時にはもう、今と同じような姿になっていました」

聖女「そして……妹は、あの方を見てすぐに名前を呼んだんです……イリスさん、と」

ガイ「……!」

聖女「ダークヒーロー・イリス。クロシュ様と一緒に旅をしていた英雄です」

ガイ「……他の二体もか?」

聖女「はい。特徴から考えると、氷刃の魔女はミスティさん。白鋼の騎士は……おそらく、ローガンさんです。みんな、このようなことをする人ではなかったのですが……」

ガイ「知り合いだったのか?」

聖女「はい。短い間でしたけど……皆さんと一緒に過ごしたことがあります。お茶を飲んだり、ご飯を食べたり……買い物に行ったり。妹も皆さんにとてもお世話になっていました」

ガイ「意思の疎通は取れないのか」

聖女「最初の頃は、試す人もいたみたいですが……結果は……」

ガイ「……そうか。教えてくれてありがとう」

聖女「いえ。この程度しか、今のところ協力できませんが……他にも何かあれば申し付けてください」

⭐︎聖女と話しました。
165 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/06(日) 23:06:45.02 ID:0dfhI4uBO
聖女の協力を取りつけ、魔王城を目指すことになったガイ。
しかし、魔王城へ辿り着くためには、その門を守る強敵"白鋼の騎士"を倒さなければならない。
攻略に向けて準備を始めたガイは、その一環として、第七避難所の代表を務める勇者連合の一員、アルクス・ユスティネスと会合する。

本日はここまでです。次回もよろしくお願いします。
それでは、また。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/07(月) 01:31:40.98 ID:Zi/ctgTFo
おつ
まだ目撃されていない推定エバンスは城の中かな?
本格的に城を攻めると星詠みも戻ってきそうだし強敵揃いで相当厳しい攻略になりそうだ…
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/07(月) 20:21:02.19 ID:wI1HIx92o
取り敢えずすべての勢力でローガン囲んで倒せばいいんかい?
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/12(土) 09:20:22.20 ID:E/6sbneu0

マロニーさん返り血とか洗って帰らなかったのか
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/12(土) 13:23:39.73 ID:evFjr2VuO
確かローガンはメタル化になる事ができるから取り囲んでもダメージ一つもつけられないと思う。
170 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:04:41.14 ID:p9zb8HY4o
>>166
いるかどうかは内緒なのですが、戦闘が長引いた場合はとても大変なことになるかと思われます。

>>167
これまで出会った協力者を全員集めて囲んで叩く、というのは少々難しいかもしれません。ですが、当面はあの辺りの強敵を倒すのが目的になりそうです。

>>168
彼女はあまり気にしていないようです。
自分の入浴よりも避難民を優先すべきという考えのため、入浴はしなかったみたいです。
ちなみに、清浄魔法を使って綺麗にはしているため問題はないようです。

>>169
ノーダメージということはないですが、お察しの通り強敵です。その上、彼一人を相手にすればいいというわけでもないため、難敵になりそうです。
171 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:05:27.62 ID:p9zb8HY4o
ーー第七避難所 勇者連合本部

長机を囲む第七勇者連合の兵士たち「」ズラッ

白髪ロングの眼鏡女「──揃いましたね。それでは、定例会議を始めます。まずは、各避難所の現状について報告をお願いします」

第七勇者連合兵A「では、私から」スクッ

第七勇者連合兵A「以前より報告にあがっていた、第五避難所についてです。先日、現地へ調査隊を派遣し、情報の真偽を確認した結果……第五避難所が壊滅したという報告は、事実であることが確認されました」

第七勇者連合兵A「事前の報告通り、避難所としての機能は完全に失われています」

白髪ロングの眼鏡女「……やはり、生存者は?」

第七勇者連合兵A「……確認できていません。周辺も捜索しましたが、人が残っている形跡は見つかりませんでした」

白髪ロングの眼鏡女「……」

第七勇者連合兵A「ただ……第五避難所跡には、無数の墓と思われるものが立てられていました。その近くには、マロニーのものと思われる文字で書かれた看板も残されていて……」

第七勇者連合兵A「"もうここには誰もいない"……と」

第七勇者連合兵たち「……」

第七勇者連合兵A「墓の数を考えると……第五避難所にいた人々は、おそらく……」
172 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:05:59.73 ID:p9zb8HY4o
白髪ロングの眼鏡女「……分かりました。それ以上は結構です」

第七勇者連合兵A「……はい」スッ

白髪ロングの眼鏡女「他の避難所は?」

第七勇者連合兵B「第四避難所は現在も維持されています。第五避難所の壊滅を受けて、警戒態勢を強化しております」

第七勇者連合兵C「第一から第三も異常なしで〜す。ただ〜、ごはんが足りなくてみんなピリピリしてるかも〜」

第七勇者連合兵D「第六避難所も大きな被害はありません。ただ、周辺でスライムもどきの目撃数が増えているようです」

白髪ロングの眼鏡女「……こちらへ移動している可能性は?」

第七勇者連合兵C「まだ何とも〜。ただ、以前より活動範囲が広がっているのは間違いありませ〜ん」

白髪ロングの眼鏡女「分かりました。第七の巡回範囲も少し広げましょう」

第七勇者連合兵C「了解でぇ〜す」

第七勇者連合兵D「それと……第七避難所について、一件報告があります」

白髪ロングの眼鏡女「?」

第七勇者連合兵D「ここ数日で、外から来た者が何人か滞在しています」

白髪ロングの眼鏡女「外から……どこの避難所の者ですか?」

第七勇者連合兵D「それが……信じられないことに、セイントレアの外から来たと……」

白髪ロングの眼鏡女「……!」

第七勇者連合兵B「……ああ。噂になってる連中か」

白髪ロングの眼鏡女「……その方たちは、今どちらに?」

第七勇者連合兵D「第七避難所内にいます。聖ヴァレリオ教会の聖女様の元にいるようですが……」

白髪ロングの眼鏡女「……この場所へ呼んでください。それが本当なら、外の状況を知る貴重な機会です。直接、お話を聞いてみたいです」

第七勇者連合兵D「分かりました」

173 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:06:33.07 ID:p9zb8HY4o
ーー聖ヴァレリオ教会

第七勇者連合兵C「どうも〜。聖女様〜、いる〜?」ヒョコッ

聖女「あら、こんにちは……どうかしたんですか?」

第七勇者連合兵C「実は〜、アルクスさんが外から来た人と話したいから、連れてきて〜って……そこの怖い顔の人たちがそうなの〜?」

ガイ「……」

リーゼリット「ぷくくっ……怖い顔だって……」バシバシ

サーシャ「ちょっとリーゼ、笑っちゃ失礼でしょ……!」

アインズ「フッ……強面なのは、否定できんがな」

ガイ「……」
フローディア『安心なさい、私"だけ"はあなたの良さがわかってるから』
ベルトーネ『そこ、独占欲出すところかな〜……』

第七勇者連合兵C「しかも、美人のハーレムを組んでるとはね〜……外じゃそういうのが流行ってるの〜?」

リーゼリット「は、ハーレム!?」
サーシャ「あはは……」
アインズ「成り行きだ、成り行き」

第七勇者連合兵D「おい、失礼だぞ……」

第七勇者連合兵C「冗談だって〜」ケラケラ

第七勇者連合兵D「まったく……あなたがガイさんですね?」

ガイ「……ああ」

第七勇者連合兵D「勇者連合の定例会議で、あなた方について話が出まして……アルクスさんが呼んでいます。来ていただけますか?」



ーー第七避難所 勇者連合本部

ガチャッ……

第七勇者連合兵D「お連れしました」

白髪ロングの眼鏡女「ありがとうございます」

長机を囲む第七勇者連合の兵士たち「……」ジッ……

ガイ「……あなたが、代表か」

白髪ロングの眼鏡女「……初めまして」
椅子から立ち上がる白髪ロングの眼鏡女「」スッ

白髪ロングの眼鏡女→アルクス「アルクス・ユスティネスと申します。現在、この第七避難所の代表を務めています」

ガイ「……ガイだ」

アルクス「お話は伺っています。セイントレアの外から来られたそうですね……十年前にセイントレアが空へ浮かんでから、外から来た方とお会いするのは初めてです」

ガイ「……」

アルクス「突然お呼びして申し訳ありません。ただ……私たちは、この十年間、外の世界がどうなっているのかほとんど知ることができませんでした」

アルクス「よろしければ……あなた方がここへ来るまでに見てきたことを私たちにも教えていただけませんか?」

ガイ「……分かった。俺に話せることなら」

アルクス「ありがとうございます」ペコリ

174 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:07:21.88 ID:p9zb8HY4o
アルクス「──なるほど。セイントレアの外では、そのようなことが……」

第七勇者連合兵A「ユーシリア帝国に、オノゴロ……それに、他の国々も今まで通り存在しているのか……」

第七勇者連合兵B「てっきり、外も俺たちと同じようなことになってると思ってたが……」

第七勇者連合兵C「へぇ〜……世界って、ちゃんと残ってたんだね〜」

第七勇者連合兵D「お前、言い方……」

第七勇者連合兵C「だって〜、十年もこんなところに閉じ込められてたら、そう思わない〜?」

第七勇者連合兵D「……まあ、それはそうだが」

アルクス「……私たちには、外の状況を確かめる手段がほとんどありませんでしたから」

アルクス「それでも……セイントレアの外で、今も多くの人たちが生活している。それを知ることができただけでも、大きな収穫です」

ガイ「……そうか」

アルクス「はい。それに……あなた方がここまで辿り着いたということは、セイントレアと外を行き来することも、決して不可能ではないということですから」

ガイ「簡単じゃないけどな。俺たちも、かなり無茶をして入ってきた」

アルクス「……そうでしたね。失礼しました」

第七勇者連合兵B「しかし……飛空艇で突入、か」

第七勇者連合兵A「外から見ても、やはりセイントレアを覆う結界が問題になっているんですね」

ガイ「ああ。普通に入れるような場所じゃなかった」

アルクス「……貴重なお話をありがとうございます。勇者連合でも、今後の方針を考えるための情報として共有させていただきます」

ガイ「ああ」

アルクス「他にも、何か思い出されたことがあれば──」

ガイ「俺からも聞きたいことがある」

アルクス「?」

ガイ「白鋼の騎士についてだ。魔王城の門を守ってる奴について、勇者連合が知ってることを教えてほしい」

アルクス「どうして、白鋼の騎士のことを?」

ガイ「魔王城へ行くのが俺の目的のために必要なことだからだ。聖女さんを連れて、できるだけ奥まで行く」

アルクス「聖女さんを……!?何を考えているのですか!?」

第七勇者連合兵たち「」ザワッ……

ガイ「世界めくれを止めるために必要なんだ」

アルクス「!……詳しく、聞かせてください」

175 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:08:13.77 ID:p9zb8HY4o
ガイ「──聖女さん本人も、理由は分からないと言っていた。ただ……できるだけ奥まで行かく必要があるらしい」

アルクス「……」

第七勇者連合兵C「う〜ん……ずいぶん曖昧だぁ〜」

ガイ「俺もそう思う……だが、今は他に手掛かりがない」

アルクス「……つまり、世界めくれを止める手掛かりを求めて、聖女さんと共に魔王城の奥を目指す……ということですね」

ガイ「ああ」

アルクス「聖女さんご自身が、それを望んでいるのですか?」

ガイ「そうだ。無理に連れていくわけじゃない」

アルクス「……そうですか。でしたら、私が勝手に止めることはできませんね」

第七勇者連合兵A「アルクスさん……」

アルクス「ただし、白鋼の騎士を突破するというのであれば、話は別です。今のまま挑むのは……あまりにも危険です」

ガイ「白鋼の騎士は、そんなに強いのか?」

アルクス「はい。これまでに何度か交戦した記録がありますが……特に、あの鎧の防御力には手を焼いています」

ガイ「鎧……」

アルクス「生半可な攻撃では、物理も魔法も、ほとんど通りません。それに、白鋼の騎士だけではなく……魔王城の門周辺には、あの騎士に従う鎧の魔物も多数存在しています」

第七勇者連合兵B「一体一体なら、俺たちでも相手はできる。だが、あれだけの数を捌きながら白鋼の騎士まで倒すとなるとな……」

第七勇者連合兵A「攻略には、相応の人数を集める必要があります」

ガイ「……だったら、今まで一度も大人数で攻めなかったのか?」

アルクス「……できなかった、というより、そこまでする必要がなかったんです」

ガイ「必要がなかった?」

アルクス「はい。白鋼の騎士は、少なくとも私たちが把握している限りでは、自ら魔王城を離れて避難所を襲ったことはありません。配下の鎧たちも同様です」

ガイ「……近づかなければ、何もしてこないのか。マロニーに聞いた通りだ」

第七勇者連合兵D「こっちから魔王城に近づけば襲ってくる。だが、離れれば追ってこない」

第七勇者連合兵C「だからねぇ〜……わざわざ藪をつつく必要もないかな〜って」

アルクス「白鋼の騎士を攻略するために大勢を動かせば、その分だけ各避難所の防衛が手薄になります」

アルクス「第五避難所のようなことが、いつ他の避難所で起きるかも分かりません。スライムもどきや影の魔物、それに原理派への警戒も必要です」

アルクス「危険ではあっても、こちらから近づかなければ害のない相手を倒すために……避難所で暮らす人たちを危険に晒すことはできません」

ガイ「……」

アルクス「……攻略する人員を増やすために、まずはこのセイントレアを包む結界をどうにかする必要があります」

アルクス「それに……もし結界を消すことができれば、外から戦力を呼び込むだけではなく……ここで暮らしている人たちを、セイントレアの外へ逃がすこともできるかもしれません」

ガイ「避難民を……」

アルクス「はい。これまで私たちは、この場所で生き延びることしかできませんでした。ですが……あなた方から外の世界が今も残っていると聞いた以上、ここに留まり続ける必要はありません」

第七勇者連合兵たち「……」

アルクス「避難民を外へ逃がすことができれば、私たちも防衛に割いている戦力を、魔王城の攻略へ回せるようになります」

ガイ「……なるほど」

アルクス「そのためにも──」

アルクス「星詠みの魔女を倒して、結界を消滅させるんです」
176 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:08:56.26 ID:p9zb8HY4o
ガイ「……星詠みの魔女を倒せば、結界が消えるのか?」

アルクス「確実とは言い切れません。ですが、これまでの調査から……星詠みの魔女が結界の維持に深く関わっていることは、ほぼ間違いないと考えています」

アルクス「星詠みの魔女は、セイントレアの外縁を中心に行動しています。それに……結界を調査しようとした部隊が、何度もあの魔女から攻撃を受けているんです」

第七勇者連合兵A「結界を構成している魔力についても、調べてきましたが……星詠みの魔女が扱う魔力との関連性が確認されています」

ガイ「……だったら、どうして今まで倒さなかった?」

アルクス「これまでは、危険を冒してまで倒す理由がなかったからです。星詠みの魔女を倒せたとして、本当に結界が消える保証はない……それに、仮に消すことができても、その先に何があるのか……私たちには分かりませんでした」

ガイ「……外の世界がどうなってるか、知らなかったからか」

アルクス「はい。外に生存者がいるのか……助けを求められる相手がいるのか。それどころか、外の世界そのものが今も残っているのかさえ……私たちには確かめる術がありませんでした」

第七勇者連合兵C「それなのに避難所の戦力を削って、すっごく強い魔女を倒しに行く〜……なんて、できなかったんだよねぇ〜」

アルクス「でも……今は違います。あなた方が、外からここへ来た。外の世界には今も多くの人々が暮らしていて……あなた方には、外に仲間もいる」

アルクス「結界を消すことができれば、その方々にも協力を求められるのではありませんか?」

ガイ「……できると思う」

アルクス「でしたら、星詠みの魔女と戦う意味があります。外から戦力を呼ぶことができれば、各避難所の防衛を維持したまま……魔王城の攻略に必要な人員を確保できるかもしれません」

ガイ「なるほど。なら、まずは星詠みの魔女を──」

アルクス「その前に……もう一体、倒しておかなければならない魔物がいます」
177 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:09:23.33 ID:p9zb8HY4o
ガイ「……?」

アルクス「氷刃の魔女です」

ガイ「……どうして氷刃の魔女を?」

アルクス「……分かりました」

アルクス「氷刃の魔女は、白鋼の騎士とは違って一つの場所に留まっていません。セイントレアの各地を移動しながら、遭遇した者を無差別に襲っています」

第七勇者連合兵D「こっちも何度か被害を受けてる。あいつの行動範囲を完全に把握するのは難しい」

アルクス「星詠みの魔女を攻略するために大人数を動かせば……その途中で氷刃の魔女と遭遇する可能性があります」

ガイ「……星詠みと戦ってる最中に来られたら、最悪の場合……二体を同時に相手にすることになるな」

アルクス「それだけではありません。仮に先に星詠みの魔女を倒し、結界を消すことができたとしても……氷刃の魔女が残っている限り、外から来た方々を安全に各避難所まで迎え入れることができません」

第七勇者連合兵B「せっかく増援を呼んでも、道中であいつに襲われたら意味がないからな」

アルクス「物資を運び込む場合も同じです。外との行き来ができるようになったとしても、セイントレア内部の移動が危険なままでは……その利点を十分に活かすことができません」

ガイ「……」

アルクス「ですから、順番としては……氷刃の魔女を倒し、次に、星詠みの魔女を倒して結界を消す。そして外から戦力を呼び込み……白鋼の騎士を攻略する……少なくとも、私にはこの順番が一番現実的に思えます」

ガイ「……ずいぶん大掛かりになったな」

アルクス「はい。ですが……世界めくれを止めるために魔王城へ向かう必要があるのなら、私たち勇者連合にも協力させてください」

ガイ「……いいのか?」

アルクス「もちろんです。世界めくれを止めることができれば……この十年間、セイントレアで苦しんできた人たちを救うことにも繋がります」

アルクス「魔王城へ辿り着くために……私たちにできることがあれば、何でも言ってください」

ガイ「……助かる。なら、よろしく頼む」

アルクス「こちらこそ。よろしくお願いします」ペコリ

⭐︎アルクスと出会いました。
178 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:09:58.35 ID:p9zb8HY4o
ーー第七避難所 郊外

フローディア『教会へ戻らないの?』

ガイ(その前に、少し試したいことがある)

ベルトーネ『試したいこと〜?』

ガイ「……氷刃の魔女、星詠みの魔女、白鋼の騎士……どいつも簡単に倒せる相手じゃない」

フローディア『でしょうね。あなたもその力は、十分に味わったでしょう?』

ガイ(ああ……魔王城を目指す以上、戦いは避けられない)

ベルトーネ『それで〜……もっと強くなっておこうってこと〜?』

ガイ(……少し違う)

ベルトーネ『ん〜?』

ガイ(今から鍛錬をしたところで、急にあいつらより強くなれるわけじゃない。だから……今使えるものの使い方を変える)

フローディア『……時間魔法ね』

ガイ(前に試した時は……時間をどこまで戻せるか、どれだけ止められるか。そればかり考えていた)

フローディア『それで?今度は何をするつもり?』

ガイ(時間を止める。巻き戻す。自分の時間を速める……今まで色々やってきたが……どれも結局は、俺自身が有利に動くための使い方だった)

ガイ(白鋼の騎士は……物理も魔法も、ほとんど通さないらしい)

ベルトーネ『いくら速く動けたり、時間を止められるっていっても……倒せなかったら意味ないもんね〜』

ガイ(ああ。そこで考えたんだ……時間魔法を移動や回避に使うんじゃなくて、攻撃そのものに使えないかって……)

構えるガイ「」スッ……
179 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:10:27.00 ID:p9zb8HY4o
ガイ「──はぁっ!」
魔力が流れた無銘刀「」ビュンッ!!

大岩「」シーン……

フローディア『時間魔法の……エンチャント?』

ガイ(……もう一度)
魔力が流れた無銘刀「」ビュンッ!!

大岩「」シーン……

ベルトーネ『何回斬っても、何も起きないね〜』

フローディア『……いいえ。何も起きていないんじゃないわ。まだ、起きていないのよ』

刀を納めるガイ「」チャキンッ

突如砕ける大岩「」パァンッ!!!

ベルトーネ『わぁっ!?』

フローディア『……攻撃の結果が起きる時間を先送りしたのね』

ガイ(……ああ)

砕けた大岩「」パラ……パラ……

ガイ(一発で足りないなら……同じ一点に、通るまで同時に叩き込む……攻撃の先送り、ってところだな……!)

吐血するガイ「──っ、げほっ!」ビチャッ

フローディア『ガイ!』

ガイ「ハァ……ハァ……」

ベルトーネ『やっぱり負担は大きいんだね〜。大丈夫〜?』

口元の血を拭うガイ「……問題ない」グイッ

フローディア『そうなるのも当然よ。一瞬とはいえ、本来なら既に起きているはずの現象を、いくつも世界の時間から切り離して維持していたのだから……』

ベルトーネ『ああ、そっか〜……世界は辻褄を合わせるために相応の代償を求めるから……ガイくん一人で出せる火力としては、相当なものだけれど、これも常用はできないね〜』

ベルトーネ『……ところで、攻撃を後回しにして〜……あとから遅れて来るんだよね〜?』

ガイ(まあ、そうなるな)

ベルトーネ『じゃあ〜……"遅刻斬"って名前で決定〜!怠惰の悪魔らしい命名でしょ〜?』

ガイ(……ダサい)
フローディア『……ダサい』

ベルトーネ『え〜!?分かりやすいのに〜』

⭐︎ガイが遅刻斬を使えるようになりました。
180 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/12(土) 23:11:12.07 ID:p9zb8HY4o
ーー聖ヴァレリオ教会

リーゼリット「ええと……つまり、星詠みの魔女みたいなのを少なくとも三回は相手にするってことに聞こえたんだけど?私の勘違い?」

ステラ「……多分、その考えであってるわよ」

サーシャ「そんな……星詠みの魔女相手に、あれだけの人達が撃ち落とされたのに……!?」

アインズ「だが、三体を同時に相手にするわけではないのだろう?」

ガイ「ああ。それに……アルクスが言ってた順番も、絶対じゃない。氷刃を倒して、星詠みを倒して、最後に白鋼……それが今のところ一番安全そうだってだけだ」

ガイ「氷刃の魔女がどこにいるのかも分からない。先に星詠みの魔女と戦うことになるかもしれないし……状況が変われば、作戦も変わる」

ステラ「なるほどね。攻略順を決めたというより……今ある情報から、優先順位をつけただけってことかしら」

ガイ「ああ」

ミラ「それなら……必ず三人を順番に探して、倒していかなければならないわけじゃないんだね」

ザック「ま、相手がこっちの都合通りに動いてくれるとも限らねぇしな!氷刃の魔女を探してる途中で星詠みの魔女が出てくるかもしれねぇ。逆だってあるだろ?」

アインズ「フッ……当然だ。戦場で予定通りに事が運ぶ方が珍しい」

リーゼリット「……それでも結局、あの星詠みの魔女クラスと何度も戦う可能性があることには変わりないんだよねぇ……」

聖女「……少々、複雑な気持ちです……」ボソッ

ガイ「……」

◆現在はセイントレアです。(12日目)
⭐︎目標
・世界めくれを止める
・魔王城の奥地を目指す
・星詠みの魔女を倒す
・氷刃の魔女を倒す
・白鋼の騎士を倒す

何をする?
安価下1〜3
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/12(土) 23:11:42.85 ID:E/6sbneu0
ガイ、夢で銀色の妖精と出会う
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/12(土) 23:14:00.62 ID:GIIvTkQ2O
マロニーが強敵どもと戦い始めた時に攻め込む作戦を立案
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/12(土) 23:15:22.18 ID:U26wWkdJo
敵を遠くから観察してなんか弱点ないかみてみる
184 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:06:48.87 ID:7Gv0LY79o
ーー魔王城近辺の廃墟

サーシャ「──というわけで、まずは偵察だね。星詠みの魔女は空を飛んでてどこにいるかわからないし、氷刃の魔女は遠くから見てても、見つかって近づかれたら危ないから、近づき過ぎなければ問題ない白鋼の騎士を見に来たけど……」

王城を守る大量の鎧「」ガシャンガシャン……
回転ノコギリを持った鎧「」ガシャンガシャン……

狙撃型魔導銃のスコープを覗くリーゼリット「人……にしては動きが機械的な気がするね。まるでゴーレムみたいな……」

門の前で仁王立ちする白鋼の騎士「……」シン……

サーシャ「リーゼ……あの門の前に立ってるのが……白鋼の騎士、だよね?」

リーゼリット「……うん……灼鋼の盾に、鎧の隙間から見えるあのオリハル鎖帷子……聞いてた特徴と一致するね」

門の前で仁王立ちする白鋼の騎士「……」シン……

サーシャ「……本当に、門の前から動かないんだ」

リーゼリット「みたいだね。周りの鎧も、決まった範囲を巡回してるだけ……っ!」ゾクッ
サーシャ「!」ゾクッ

門の前で仁王立ちする白鋼の騎士「……」ゴゴゴ……

サーシャ「……なんとなくだけど、見られてる気がする」

リーゼリット「……奇遇だね。私も」

サーシャ「アルクスさんの話通りなら、こっちから近づかない限り襲ってはこないはずだけど……」

リーゼリット「だからって、試しに近づいてみる気にはならないかな……それにしても……」

白鋼の騎士「……」シン……

リーゼリット「……あれは、アインズでも正面からやり合ったら苦戦しそうだね。今は大剣もウォーターポートに置いて来ちゃってるし……」

サーシャ「そんなに……?」

リーゼリット「でも……無敵ってわけでもなさそう」

サーシャ「え?」
狙撃型魔導銃の倍率を上げるリーゼリット「」カチッ

リーゼリット「……鎧そのものは分厚いけど、肩、脇、膝……関節部分までは、鎧にも鎖帷子にも覆われてない」

サーシャ「そこなら攻撃が通るかもしれないね」

リーゼリット「そうだといいけど……」

白鋼の騎士「……」シン……
灼鋼の盾「」ズシッ……

リーゼリット「あの盾も厄介そうだけど、大きい分だけ死角もできる。盾をどう動かすか分かれば……狙える場所はありそうかな」

サーシャ「……ちゃんと弱点はあるんだね」

リーゼリット「まだ弱点候補だけどね。実際に戦ってみないと分からないよ」

大量の鎧「」ガシャンガシャン……

サーシャ「……白鋼の騎士と戦いながら、あれも全部相手にしないといけないんだよね」

リーゼリット「……大人数が必要って言ってた理由も納得だね」

サーシャ「うん……」

リーゼリット「……さて。特徴も数もある程度確認できたし、今日はこのくらいに──」

僅かに動く白鋼の騎士の兜「」ギ……

サーシャ「……!」
リーゼリット「……」

サーシャとリーゼリットの隠れている方向を見る白鋼の騎士「……」ジッ……

サーシャ「……やっぱり、気づいてるみたい」

スコープから目を離すリーゼリット「……帰ろっか」スッ

サーシャ「うん……」

廃墟から駆け出す二人「」タッタッタッ……

⭐︎白鋼の騎士を偵察しました。
185 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:07:24.24 ID:7Gv0LY79o
ーー聖ヴァレリオ教会

サーシャ「みんな、ただいま!」

クレア「サーシャさん、リーゼリットさん。ご無事で何よりです」

リーゼリット「ふぅ……最後のアレはちょっと肝が冷えたぁ……」

ガイ「何かあったのか?」

サーシャ「ううん、何も。ただ……最初から私たちが隠れてることには気づかれてたみたいで」

アインズ「ほう……」

リーゼリット「こっちが近づかなかったから見逃してくれた、って感じかな。アルクスさんの話通り、門を守ること以外には興味がないみたい」

ガイ「……それで、白鋼の騎士は?」

リーゼリット「かなり厄介そう……まともに正面からぶつかるのは避けたいかな。一応、関節部分までは鎧や鎖帷子に覆われてなかったよ。あの大盾にも死角はありそうだし……狙うならその辺かな」

ガイ「……弱点候補は見つかったのか」

リーゼリット「候補だけね。それより問題なのは……白鋼の騎士の周りに、鎧みたいな奴がうじゃうじゃいたことかな」

サーシャ「中には回転ノコギリを持ってるのまでいたよ……あれを相手にしながら白鋼の騎士とも戦うなら、やっぱり私たちだけじゃ厳しいと思う」

ステラ「……それなら、あのマロニーっていう奴に助力を求めればいいんじゃない?」

ガイ「あの力を借りたいのは山々だが……マロニーは俺に直接手を貸せないらしい」

ステラ「なら、漁夫の利を狙えば?」

ガイ「漁夫の利?」

ステラ「あいつ、強い奴と戦いたくてセイントレア中をうろついてるでしょ?だったら、そのうち、三体のどれかと戦うかもしれないじゃない」

サーシャ「その間に、私たちが動くってこと?」

ステラ「そうそう。強い奴と強い奴が勝手に戦ってくれるなら、私たちは安全なところで『がんばれ〜♡』って応援してればいいのよ」ニコッ

リーゼリット「いい笑顔で結構ひどいこと言うね」

ステラ「え〜?だってぇ、私みたいなか弱〜い女の子が戦ったって、何の役にも立たないしぃ〜。強い人たちにお任せするのが一番でしょ〜?」キャピッ

サーシャ「……」

リーゼリット「……」

ステラ「……な、何よ」

リーゼリット「いやぁ……急に別人みたいになったなぁって」

ステラ「……っ!」

リーゼリット「てか、そんなキャラだったの?」

ステラ「ち、違うわよ!今のは……その……前にいたところで、こういう感じにしてた方が色々と都合がよかったから……つい……///」

リーゼリット「へぇ〜……?」

ステラ「……何よ」

リーゼリット「いやぁ?ずいぶん手慣れてるなぁって」

ステラ「うるさいわね……!///」

ガイ「……マロニーがいつ誰と戦うかは分からない。それを前提に作戦は組めないぞ」

ステラ「……当てになんてしないわよ」

ガイ「……?」

ステラ「使えそうなら使う。ダメそうならさっさと諦める。それだけ」

ガイ「……なるほどな」

ステラ「ま、上手くいったら儲けものってことで」ニコッ

⭐︎漁夫の利作戦(?)を考案しました。
186 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:08:27.44 ID:7Gv0LY79o
ーー???

風に揺れる木々「」サワサワサワ……

ガイ「……また、妙な夢だな。今回はフローディアとベルトーネはいないようだが……」キョロキョロ

天を衝いて聳える世界樹「」キラキラ

ガイ「……ここは……フォレスティナ、か?」

「──正確には、フォレスティナを元にしただけで、本物のフォレスティナじゃないんだけどね」

ガイ「!」バッ

妖精「ええと……初めましてになるのかな?私のことは、妖精って呼んで」

ガイ「……妖精?」

妖精「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。少なくとも、今すぐあなたに何かしようってつもりはないから」

ガイ「……今すぐ、か」

妖精「あ、そういう意味じゃないって!もう……細かいところ拾うなあ……」

ガイ「俺はガイだ……それで、ここはどこなんだ?」

妖精「夢の中だよ」

ガイ「それは分かってる」

妖精「あはは……だよね」

ガイ「……」

妖精「……それにしても、話には聞いてたけど……こうして直接会うのは初めてだから、ちょっと気になってたんだ」

ガイ「……誰から俺のことを聞いた?」

妖精「あっ」

ガイ「……」

妖精「いきなりそこ聞く?」

ガイ「他に何を聞けっていうんだ」

妖精「……それは言えないかな」

ガイ「……」

妖精「待って待って!そんな『じゃあ話すことはない』みたいな顔しないでよ!」

ガイ「実際、何も教える気がないなら話すことはないだろ」

妖精「あるよ!だからこうして会いに来たんじゃん!」プンスコ

ガイ「……会いに来た?」

妖精「……あ」

ガイ「やっぱり、この夢はお前が?」

妖精「あ〜……もう!今のなし!」

ガイ「無理だ」

妖精「即答!?」

ガイ「……」

妖精「はぁ……なんか調子狂うなあ……まあ、いいや。あなたに聞きたいことがあって来たのは、本当だから」

ガイ「聞きたいこと?」

妖精「うん。あなた……今、セイントレアにいるんでしょ?」

ガイ「……!」

妖精「それで、魔王城を目指してる」

ガイ「……」

妖精「……世界めくれを止めるため?」

ガイ「そうだ」
187 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:08:58.38 ID:7Gv0LY79o
妖精「……そっか。じゃあ……魔王城に何がいるのかは、どこまで知ってる?」

ガイ「……?」

妖精「星詠みの魔女とか、氷刃の魔女とか……」

ガイ「……星詠みの魔女はイリス。氷刃の魔女はミスティ。白鋼の騎士はローガン……聖女さんから聞いた話だと、十年前のダークヒーロー一行らしいが……お前も、あいつらを知ってるのか?」

妖精「……うん。知ってるよ」

ガイ「そうか」

妖精「驚かないんだ?」

ガイ「色々なことに巻き込まれるから慣れたんだ……それで、お前はあいつらとどういう関係なんだ?」

妖精「……一緒に旅をしてたんだ。イリスも、ミスティも、ローガンも……それから、エバンスに、クロシュとも」

妖精「色んなところに行ったよ。楽しいこともあったし、大変なこともいっぱいあったけど……みんな、大切な仲間だった」

ガイ「……だった?今は違うのか?」

妖精「……どうなんだろうね。私にも、今のみんながどうなってるのか……全部分かってるわけじゃない。だから、あなたに聞きたかったんだ」

ガイ「何を?」

妖精「あなたは……あの子たちと戦うつもり?」

ガイ「必要なら」

妖精「即答なんだ」

ガイ「魔王城へ行くには、避けられない可能性が高い……だが、戦うこと自体が目的じゃない。退いてくれるなら、それでいい。俺の目的は、世界めくれを止めることだ」

妖精「……うん」

ガイ「そのために聖女さんを魔王城の奥まで連れていく。それを邪魔するなら戦う。それだけだ」

妖精「……なるほどね」

ガイ「何だ?」

妖精「ううん……あなたがどういう人なのか、ちょっと知りたかっただけ」

ガイ「……それだけのために、こんな夢を?」

妖精「まさか。聞きたいことはまだあるよ」

ガイ「……?」

妖精「例えば──魔王城の一番奥にいる“魔王”について、とかね」

ガイ「……魔王?魔王城には、本当に魔王がいるのか?」

妖精「……やっぱり、知らないんだ」

ガイ「何をだ?」

妖精「……」

風に揺れる木々「」サワサワサワ……
188 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:09:41.21 ID:7Gv0LY79o
妖精「──魔王は、クロシュだよ」

ガイ「……クロシュが……魔王……?」

妖精「そう……十年前、私たちは世界めくれを止めるための戦いで負けて、この世界の滅びを待つだけだった。けど、クロシュヴィアとクローディアが、自分たちの命と引き換えにこの世界を延命させてくれた」

ガイ「ああ。そこまでは知っている」

妖精「……そこで、クロシュは絶望してしまったの。世界めくれを止められなかったこともそうだけど……それ以上に、みんなを失ったことが大きかったんだと思う」

妖精「二人は、自分たちが消えることでこの世界に時間を残した。私たちに、まだ何かできるかもしれないっていう時間を」

妖精「でも……クロシュには、それが希望には見えなかった」

ガイ「……どう見えたんだ?」

妖精「先延ばし、かな。どうせいつか滅びる。だったら、苦しむ時間が伸びただけじゃないかって……そんなふうに思ったんじゃないかな」

ガイ「……だから、魔王になった」

風に揺れる木々「」サワサワサワ……

妖精「クロシュはね……優しい子だったんだよ」

ガイ「……」

妖精「誰かが苦しんでるのを見るのが嫌で、誰かが傷つくのを見るのが嫌で……だからこそ、全部終わらせようとしたのかも」

ガイ「……夢の中でだが、俺もクロシュとは会ったことがある。とても魔王には見えなかったが……」

妖精「夢は本来の心を映すものだからね。魔王になったからって、クロシュの全部が変わっちゃったわけじゃないよ」

妖精「あなたが夢の中で会ったクロシュも、ちゃんとあの子なんだと思う」

ガイ「……」

妖精「……だからって、今のクロシュが何を考えてるのか、私にも分からないけどね」

ガイ「妖精にも?」

妖精「うん。十年も経ってるんだよ?その間に何があったのか、全部知ってるわけじゃないし」

妖精「だから……お願いがあるの」

ガイ「クロシュを助けろ、か?」

妖精「……ううん。そんな無責任なこと、あなたには頼めないよ」

風に揺れる木々「」サワサワサワ……

妖精「あなたにはあなたの目的があって、クロシュにはクロシュの考えがある。会ったら戦うことになるかもしれないし……どっちかが傷つくことだってあると思う」

妖精「だから……助けてとも、戦わないでとも言わない」

ガイ「なら、何を?」

妖精「……ちゃんと、あの子を見てあげて」

ガイ「……」

妖精「あなた自身の目で今のクロシュを見て……その上で、どうするか決めてほしい」

ガイ「……俺が決めていいのか?」

妖精「もちろん。だって、実際に今のクロシュと会うのはあなただもん。私の思い出だけで、あなたの答えまで決めちゃうわけにはいかないよ」
189 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:10:21.87 ID:7Gv0LY79o
ガイ「……そういえば」

妖精「ん?」

ガイ「最初に言ってたな。俺のことを『話には聞いてた』って……クロシュか?」

妖精「……」

ガイ「クロシュから、俺のことを聞いたのか?」

妖精「……うん。ガイさんっていう人と、新しく友達になったって……」

ガイ「……あいつがそんなことを……」

妖精「ふふっ。嬉しそうに話してたよ」

ガイ「フッ……」

ガイ「……待て」

妖精「?」

ガイ「お前は十年前……クロシュやイリスたちと一緒にいたんだよな?」

妖精「……うん」

ガイ「それで今も、クロシュと話している……」

妖精「……」

ガイ「なのに、お前はこうして夢の中にしか現れない……」

ガイ「……まさか」

妖精「……」

ガイ「お前もなのか?」

妖精「……」

ガイ「イリスやミスティ、ローガンのように……お前も今、何か別のものに変わってるんじゃないのか?」

ガイ「だから……今の姿じゃなく、こうして夢の中で俺に会いに来た。違うか?」

妖精「……うん、正解」

ガイ「……!」

妖精「現実の私は、ガイを見ても……たぶん、あなたが誰なのか分からないと思う」

ガイ「……」

妖精「イリスたちと同じ。今の私は、昔の私のままじゃないから……だから、もし現実で会っても……今みたいに話せるとは思わないでね」

ガイ「そんな……」

妖精「……そろそろ、お別れだね。夢から覚める時間みたい」

ガイ「待ってくれ……まだ、お前のことを何も聞いてない。今のお前がどこにいるのかも、何になってるのかも……」

妖精「それは、会ってからのお楽しみってことで」

ガイ「……お前な」

光の粒子に包まれていく妖精「」キラ……キラ……

妖精「あははっ。そんな顔しないでよ。もし現実の私が、あなたのことを分からなくても……」

妖精「あなたとこうして話した私がいたことだけは、覚えててね」

ガイ「……ああ」

妖精「……ふふっ」スッ

妖精「あなたに、精霊の加護がありますよう──」

190 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2026/09/13(日) 02:11:51.34 ID:7Gv0LY79o
魔王城には魔王がいる。夢の中で妖精と出会い、魔王の正体がクロシュであることを知った。そして、イリスたちと同じように、妖精もまた十年前とは異なる姿になっているらしい。
魔王城の奥で待つクロシュ。そして、かつての英雄達。
重い真実を知りながらも、ガイは夢から目覚める──

本日はここまでです。次回もよろしくお願いします。

それでは、また。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/09/13(日) 10:18:55.70 ID:JA5+x3Y40

さすがに氷刃の魔女達とは連戦ではなく一人一人倒していく感じなのね。
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