【アイマス】安価とコンマで短編SSを書く

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17 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:50:52.65 ID:zwiyIK8LO
>>16 採用

「寒い」

スケートリンクの入口に着くなり、杏は肩をすくめた

「冬ですからね」

千夜が隣から返す

「それは分かってるんだけどさ
 こういう時って、中に入ったら急に暖かくなったりしない?」
「スケートリンクに何を期待しているんですか」
「休憩スペースだけでも暖かいとか」

ガラス越しにリンクを眺めていたアナスタシアが振り返る

「休む場所は暖かいと思いますよ」

杏の表情が少し明るくなる

「それ先に聞きたかった」
「滑る前から休憩の話ですか」
「休憩できるって分かってる方が安心して頑張れるでしょ」
「まだ何もしていませんが」
「だから今のうちに確認してるんだよ」

アナスタシアは楽しそうに笑った

「杏、まず滑ってから休みましょう」
「滑るのは確定なのか」
「当然でしょう
 何しに来たんですか」

千夜はそのまま受付へ向かう
杏も今度は抵抗せず、そのあとを追った
18 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:51:22.73 ID:zwiyIK8LO
貸靴に履き替え、3人はリンク脇のベンチに並んだ
杏は足元を見下ろしたまま動かない

「重い」
「まだ履いただけでしょう」
「履いただけで重いんだから、滑ったらもっと疲れるってことだよ」

千夜は杏の理屈には付き合わず、先に立ち上がった
一瞬ふらついたものの、すぐに姿勢を戻す
その隣でアナスタシアは何事もないように立っていた
杏がようやく顔を上げる

「アーニャちゃん、全然平気そうだね」
「ダー、スケートは何度かしたことあります」
「経験者?」
「はい」

杏は少しだけ考え、再びベンチへ深く座った

「じゃあアーニャちゃんが滑ればいいんじゃない?」
「杏も滑ります」
「経験者がいるなら見学にも価値が出ると思うんだけど」
「出ませんね」

千夜が淡々と切る

「千夜ちゃんまで厳しいなあ」
「せっかく来たのに、座って帰る方が意味が分かりません」
「杏としては理想的なんだけどね」

アナスタシアは笑いながら先にリンクへ降りた
軽く氷を蹴ると、そのまま滑らかに進んでいく
少し先で大きく弧を描き、2人の前へ戻ってきた
危なげのない動きだった
千夜はその足元を見ている

「随分慣れていますね」
「久しぶりですけど、体は覚えてます」
「千夜ちゃん、もう研究始めてるじゃん」
「見れば分かることを見ているだけです」
「それを研究って言うんじゃない?」

千夜は返事をせず、そのままリンクへ降りた
19 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:51:49.62 ID:zwiyIK8LO
最初の数歩は慎重だったが、千夜は思ったより安定していた
アナスタシアが少し前を滑りながら声をかける

「千夜、膝を少し曲げてください」
「こうですか」
「はい
 それと、足元ばかり見ない方がいいです」

千夜は素直に言われた通りにする
すぐに先ほどより動きが滑らかになった
その様子をベンチから見ていた杏が、少しだけ眉を上げた

「千夜ちゃん、普通にいけそうじゃん」
「まだ始めたばかりです」
「杏はまだ始めてもないけどね」
「自慢するところではありません」

アナスタシアが杏のところまで戻ってきた

「杏も行きましょう」
「ここから応援してるよ」
「近いです」
「声は届くよ」
「そういう問題ではありません」

千夜まで戻ってきたので、杏は2人を見比べた
このまま粘っても逃げ切れないらしい

「……分かったよ」

ようやく立ち上がる
その瞬間、足元が滑った
杏はすぐにベンチへしがみつく

「ほら」
「何がですか」
「杏の判断は正しかった」
「まだ1歩も滑っていませんよ」

アナスタシアが手を差し出した

「膝、少し曲げると楽です」

杏は半信半疑のまま姿勢を変える
確かにさっきより立ちやすい

「……なるほど」
「力を入れすぎると疲れますから、少し力を抜いて」

杏の表情が変わった

「それ大事な情報じゃん」
「ん?」
「疲れにくいって先に言ってくれれば、杏ももう少し前向きだったのに」

千夜が杏を見る

「結局そこなんですね」
「当たり前だよ」
20 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:52:21.15 ID:zwiyIK8LO
杏もどうにかリンクへ降りた
最初は両手で手すりを掴み、ほとんど歩くように進んでいた
千夜はすでに手すりから離れ、アナスタシアの動きを真似しながら少しずつ滑っている

「千夜ちゃん、早いなあ」
「杏さんが遅いだけでは」
「それは否定しない」

杏は競う気もなく、手すり沿いを進む
ただ、何も考えていないわけではなかった
アナスタシアがどうやって動いているのか
千夜がどこでバランスを崩しているのか
周囲の人がどの程度の力で氷を蹴っているのか
自分から熱心に練習する気はないが、楽に済む方法なら探す
しばらく観察したあと、杏は手すりから片手を離した
軽く氷を蹴る
少し進む
そのまま何もしなくても、しばらく滑っていく
杏は目を細めた

「……これだ」

近くにいたアナスタシアが振り返る

「何ですか?」
「1回動けば、あとは勝手に進む」
「それがスケートです」
「杏向きだよ」
「そうですか?」
「何回も歩くより効率いい」

もう1度軽く蹴る
今度はさっきより長く進んだ
手すりには触れていない

「杏、上手です」
「力使わなくていいならね」

千夜が横を通る

「結局、楽をするためなら覚えるんですね」
「長く続けるには大事な才能だよ」
「聞いたことのない才能ですね」

杏は気にせず、そのまま惰性で進んでいった
21 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:52:53.15 ID:zwiyIK8LO
一方の千夜は、上達するほど少しずつ欲が出てきていた
アナスタシアが少し速度を上げると、その足元を見て同じように蹴ってみる
最初は足が流れたが、すぐ姿勢を戻す
そして、もう1度滑ると今度は少しだけうまくいった

「千夜、今のよかったです」
「ありがとうございます」

アナスタシアに褒められ、千夜はまた同じ動きを試す
少し離れたところを滑っていた杏が、その様子を見ていた

「千夜ちゃん、かなり真面目にやってるね」
「できないままよりは、できた方がいいでしょう」
「楽しんでる?」

千夜は一瞬だけ杏を見る

「さあ」
「素直じゃないんだから」

杏は少し笑った

「じゃあ楽しんでるってことにしとこう」
「好きにしてください」

そう言いながらも、千夜はまた前を向いて滑り始めた
22 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:53:24.85 ID:zwiyIK8LO
人が少なくなったところで、アナスタシアが速度を上げた
今まで2人に合わせていた時とは明らかに違う
氷を強く蹴り、そのまま大きく弧を描いていく
髪が後ろへ流れ、動きにもほとんど迷いがない
千夜も杏も自然と目で追った

「やっぱりアーニャちゃん、かなり上手いね」
「そうですね」

数周して戻ってきたアナスタシアは、頬を少し赤くしていた

「気持ちいいです」
「速い方が?」
「ダー、風も気持ちいいですよ」
「杏は今くらいで十分かな」

即答だった
千夜はアナスタシアが滑っていた方を見る

「もう少しくらいなら速くしてみたいですね」
「千夜ちゃんはそっち行くんだ」
「できそうなので」

アナスタシアが嬉しそうに笑う

「一緒に行きましょう」

2人は並んで滑り始めた
アナスタシアは千夜に合わせて速度を落としている
千夜も最初は慎重だったが、何度か繰り返すうちに少しずつ速度が上がっていった
杏はその様子を眺めながら、自分のペースで進む

「元気だなあ」

口ではそう言うが、杏自身ももう手すりには触れていなかった
23 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:53:55.64 ID:zwiyIK8LO
しばらくして3人は休憩に入った
売店で温かい飲み物を買い、ベンチへ並んで座る
杏は紙コップを両手で包み、大きく息を吐いた

「杏はこれくらいがちょうどいい」
「滑るより休んでいる方が長くならないようにしてください」
「休憩まで含めてスケートでしょ」
「随分広く捉えますね」

隣で千夜も飲み物を口にしている
滑っている時より少し息が上がっているが、疲れた様子より満足そうな方が強かった
杏はそれを横目で見る

「千夜ちゃん、結構ハマってるじゃん」
「杏さんよりは楽しんでいるかもしれませんね」
「お、急に素直じゃん」
「認めて困ることでもありませんから」

杏は少し意外そうにしたあと、笑った
向かいではアナスタシアがホットミルクを飲んでいる
リンクを眺める表情は、最初から変わらず楽しそうだった

「アーニャちゃんは本当に好きなんだね」
「はい、久しぶりでしたから」
「昔も滑ってたの?」
「ロシアにいた時も、冬に滑りました」

杏が顔を上げる
千夜も自然にアナスタシアを見る

「外で?」
「ダー、外です」
「寒そう」
「寒いですよ」

即答だった
杏は少し笑う

「冬のロシアの外って凍り付きそう」
「でも、とてもきれいです」

アナスタシアは少しだけ遠くを見るような表情になる

「息が白くなって、周りも静かで、氷に空が映ります」

千夜はその言葉を聞きながら、リンクの氷へ視線を向けた

「ここでは見られませんね」
「はい」
「でも、少し想像できます」
「杏は寒さの方が先に想像できるなあ」

アナスタシアが笑う
千夜も少しだけ口元を緩めた
アナスタシアにとってスケートが昔から馴染みのあるものだということだけは、2人にも伝わっていた
24 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:54:23.22 ID:zwiyIK8LO
休憩を終えてリンクへ戻ると、3人とも最初より動きに余裕があった
アナスタシアは前を滑り、時々2人を振り返る
千夜は自分のペースを保ちながら、その後ろについていく
杏も少し遅れて続いている
何度も氷を蹴らず、1度進んだらできるだけ惰性で滑る
速くはないが、大きく遅れもしない
千夜が振り返った

「意外とついてきますね」
「杏は速く滑るんじゃなくて、なるべく止まらないことにした」
「随分杏さんらしいですね」
「楽だしね」
「それでついてこられるのが少し腹立たしいですが」
「褒め言葉として受け取っておくよ」

千夜はそれ以上何も言わず、また前を向いた
25 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:54:50.62 ID:zwiyIK8LO
しばらくすると、アナスタシアが千夜に声をかける

「千夜、もう少し速く行きますか?」
「やってみます」
「杏も?」

杏は少し考え、スマートフォンを取り出した

「杏は撮る側で」
「休む側ではなく?」
「ちゃんと撮るよ」
「ならいいでしょう」

千夜の許可が出た

「なんで千夜ちゃんの許可が必要なの」

そう言いつつ、杏はリンク脇へ移動した
アナスタシアと千夜が並んで滑り始める
最初はアナスタシアが速度を合わせていた
千夜が慣れてくると、少しだけ前へ出る
千夜もあとを追う
2人が並ぶ
また少し離れる
何か話しながら、何度か同じ場所を回っていく
途中でアナスタシアが振り返って笑い、千夜もつられるように表情を緩めた
杏はすぐにシャッターを切った

「今のいいね」

何枚か撮るつもりだった
だが、画面越しに2人を追っていると意外と面白い
人が被らない瞬間を待ち、並んだところで撮る
千夜が珍しく笑った瞬間も逃さなかった
気づけばそれなりの枚数になっていた
26 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:55:19.23 ID:zwiyIK8LO
戻ってきたアナスタシアが、すぐに杏のスマートフォンを覗き込む

「写真、見たいです」
「結構撮ったよ」

3人で画面を見る
アナスタシアはどの写真でも楽しそうだった
千夜も、自分で思っていたより表情が柔らかい
杏が1枚を拡大する

「千夜ちゃん、これいいじゃん」
「そうですか」
「笑ってる」

千夜は少しだけ画面を見る
いつものように否定するかと思ったが、しばらくして、

「送ってください」

とだけ言った
杏が少し目を丸くする

「写真が欲しいだけです」
「はいはい、まだ何も言ってないけどね」
「うるさいですよ」

アナスタシアも別の写真を指す

「アーニャはこれが好きです」
「じゃあまとめて送るよ」

杏は2人へ写真を送った
送信を終えても、自分のスマートフォンから消すことはなかった
27 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:55:49.12 ID:zwiyIK8LO
「さて」

杏はベンチへ座ろうとした
その前にアナスタシアが近づく

「杏も行きましょう」
「撮影係の仕事終わったんだけど」
「だから次は滑ります」
「順番制だったんだ」
「ダー」
「今決めたでしょ」

アナスタシアは笑うだけだった
千夜もすでにリンクへ戻ろうとしている
杏は2人を見比べた

「あと1周だけね」

3人で再びリンクへ出た


アナスタシアが少し前
その横に千夜
杏は少し遅れてついていく

「杏、少し速くできますか?」

アナスタシアが聞く

「できるとは思うけど、今くらいで困ってないんだよね」
「少しだけやってみます?」

杏は少し考えた

「じゃあ1回だけ」

氷を少し強く蹴る
思ったより速度が出た
一瞬ふらついたが、倒れるほどではない
そのまましばらく進む

「おお」
「できましたね」
「できるんだね」

杏はそれだけ確認すると、すぐ元の速度へ戻した
千夜が横に並ぶ

「もうやめるんですか」
「できるって分かったから十分だよ」
「向上心がありませんね」
「必要になったらまた上げればいいでしょ」

千夜は杏を見る
少し間を置いて、

「杏さんらしいですね」

とだけ言った

「でしょ」

杏は満足そうだった
28 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:56:19.87 ID:zwiyIK8LO
リンクを出たあと、杏はベンチへ深く座り込んだ

「疲れた」
「でも最後まで滑りましたね」

アナスタシアが言う
杏は少し考える

「思ったよりは悪くなかったかな」
「楽しかった、とは言わないんですね」

千夜が横から言う

「そこまで言うと、次も確定しそうだから」
「もう十分楽しんでいたでしょう」
「証拠ある?」

千夜が杏のスマートフォンを見る
さっき撮った写真が大量に残っている
杏も視線を落とす

「……これは撮影係としての仕事だから」
「随分熱心ですね」
「やる時はやるんだよ」

アナスタシアが楽しそうに笑う

「また3人で行きたいです」

杏は少しだけ考えた

「次は違うところがいいかな」
「スケートは?」
「しばらく今日の分で足りてるよ」
「私はまたでも構いません」

千夜が靴紐をほどきながら言う
杏は千夜を見る

「千夜ちゃん完全に気に入ってるじゃん」
「そうですね」

その返事に、今度は杏が少し笑った
アナスタシアも嬉しそうだった
29 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:56:50.94 ID:zwiyIK8LO
リンクを出たあと、杏はベンチへ深く座り込んだ

「疲れた」
「でも最後まで滑りましたね」

アナスタシアが言う
杏は少し考える

「思ったよりは悪くなかったかな」
「楽しかった、とは言わないんですね」

千夜が横から言う

「そこまで言うと、次も確定しそうだから」
「もう十分楽しんでいたでしょう」
「証拠ある?」

千夜が杏のスマートフォンを見る
さっき撮った写真が大量に残っている
杏も視線を落とす

「……これは撮影係としての仕事だから」
「随分熱心ですね」
「やる時はやるんだよ」

アナスタシアが楽しそうに笑う

「また3人で行きたいです」

杏は少しだけ考えた

「次は違うところがいいかな」
「スケートは?」
「しばらく今日の分で足りてるよ」
「私はまたでも構いません」

千夜が靴紐をほどきながら言う
杏は千夜を見る

「千夜ちゃん完全に気に入ってるじゃん」
「そうですね」

その返事に、今度は杏が少し笑った
アナスタシアも嬉しそうだった
30 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:57:17.72 ID:zwiyIK8LO
3人で外へ出る
冷たい空気が頬に当たり、杏はすぐポケットへ手を入れた

「やっぱり寒い」
「最初と同じですね」
「滑っても寒いものは寒いよ」

アナスタシアが空を見上げる

「でも、今日は楽しかったです」

千夜も小さく頷く

「ええ」

2人の視線が自然と杏へ向いた

「何で杏を見るの」
「杏は?」

アナスタシアが尋ねる
杏は少し考える

「まあ、たまになら」
「十分ですね」

千夜が言う

「勝手に合格にしないでよ」

そう言いながらも、杏の声に嫌そうな響きはなかった
アナスタシアが笑い、千夜も少しだけ笑う
3人はそのまま駅へ向かって歩いていった
31 : ◆0pl4OwC0Yo [saga]:2026/10/05(月) 18:58:36.70 ID:zwiyIK8LO
書いてほしいキャラとあれば書いてほしいシチュエーションまで込みで
↓5まで
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/05(月) 18:59:47.68 ID:JpJ4kSd30
雪歩・美希・あずさ・貴音で銭湯に行く
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2026/10/15(木) 15:22:55.70 ID:hT7Oy4u7O
池袋晶葉、松尾千鶴、ライラさんが具材持ち寄って鍋
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