穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その4、なの!?」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

32 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 05:45:35.79 ID:QW+iqEt/0
ことり『うん、応援するよ!』


穂乃果『ありがとう!』


 なんでだろう、悲しいのに……なんだか嬉しい。



ことり『どうして海未ちゃんを選んだの?』


穂乃果『え……い、言いたくないよぉ//』

ことり『お願い教えてー?』


穂乃果『うぅ……なんていうか、一緒に居ると時間過ぎるのが早いなあって。どうしてかわからなかったんだけど……考えてみたら、好きだからって気づいて……』


ことり『へぇ……』


穂乃果『……///』



 ああんもう、なんか可愛いなぁ。電話の向こうでどんな表情してるのかな。


ことり『もう海未ちゃんには言ったの?』

穂乃果『こ、これから言おうかなって……』

ことり『明日かな?』

穂乃果『えっと、その……花火大会の日に、言いたいかなあって』

ことり『うわぁ……なんかロマンチック?』

穂乃果『そんなこと言われると恥ずかしいよ……』



ことり(海未ちゃんのこと話してる時の穂乃果ちゃんの声、すっごく楽しそう。海未ちゃん、羨ましいなぁ……)


 ああ……負けちゃったんだね、ことり。

 やっぱり海未ちゃんには勝てないよ、ことりは。

 でもなんだか、悔しいな……。




ことり『あ、そうだ』


穂乃果『?』



 ――いいこと思いついちゃった。



ことり『ねえねえ……でもさ、花火までちょっと時間空くよね? それまでどうするの?』


 ことりは海未ちゃんの困った顔が大好き。負けちゃったけれど……ちょっとだけ困らせちゃお。

 いつの日にか作ったマケミちゃん人形が、少しだけ輝いているように見えた。


33 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 05:49:12.80 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇



ことり「調子はどうかな」

穂乃果「うぅ、難しいよぉ」



穂乃果「――いいのかなあ、返事してないのに恋人みたいに接するって」



ことり「実質的な返事だよ!」

ことり「花火まで時間あるんだから」


真姫「……あなたも悪趣味ね」

ことり「そうかな」


真姫「よりにもよって海未を標的にするだなんて」


真姫「ことりの言う気持ちを伝えて気持ちを受け取る思春期恋愛すらしたことないような人にすることなの」


ことり「だからこそだよ?」

ことり「さっきもすっごくかわいかったんだよ海未ちゃんっ」

ことり「友達以上恋人未満って、すっごくキュンキュンすると思わない?」


真姫「はいはい」

真姫「……ま、結構面白いと思うけど」

ことり「ね!」


穂乃果「真姫ちゃんまで……」


ことり「だってあんな海未ちゃん見るの、今しかないよ?」
34 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 05:52:07.53 ID:QW+iqEt/0
穂乃果「確かに……いつもよりなんか、かわいい……けど///」


真姫「ふふ、幸福税みたいなものね」


ことり「大丈夫だよ穂乃果ちゃん! みんなには言ってあるから安心して海未ちゃんの気持ち揺さぶってみてっ」ワクワク

穂乃果「……やって、みます」




◇――――◇



穂乃果「海未ちゃんはやくかえろー!」

海未「はい、ちょっと待ってください」


ことり「じゃあねーふたりともっ」ヒラヒラ


海未「お疲れさまでした」


穂乃果「ばいばいまた明日ー!」



穂乃果「この時間なのに全然明るいなー」スタスタ

海未「真夏ですからね」




穂乃果「――ねえ、この後暇?」




海未「え?」

穂乃果「家でなにかの練習したりとかないならさ、ちょっと遊んでいかない?」


海未「え! あ、えっと」アタフタ

穂乃果「ダメならいいんだけど……」

海未「いえ大丈夫です、母に連絡いれますね」

穂乃果「やった!」




海未(なにを動揺してるんですか……穂乃果に付き合わされることなんていつものことです。穂乃果にとっても私にとってもいつも通り! そこにいつもと違う感情なんてあるはずはないです!)

海未(そうです、平常心です、平常心)


海未「大丈夫ですよ、ではどこへ――」


ギュッ


海未「!?!?」


穂乃果「駅の方いこ!」グイッ

35 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 05:54:32.37 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇


――雑貨屋――



穂乃果「うーん……」

海未「どうしたんですか?」

穂乃果「なんか喉が変ていうか」

海未「痛いんですか?」

穂乃果「痛いまで行かないんだけどさ、なんか違和感がね」



海未「風邪のひきはじめの可能性もありますから、家に帰ったら早く寝た方がいいですよ」


海未「それと眠る前に暖かいスポーツドリ――」


穂乃果「――大丈夫大丈夫! 風邪なんてひかないよ夏だし!」


海未「いけません! なにかあったらどうするんですか!」

穂乃果「もー、本当に大丈夫だから!」

海未「はぁ……」



穂乃果「それにしてもー相変わらずごちゃごちゃしてるなー」



海未「そうですね。でも、少しだけワクワクしますね?」


穂乃果「ねー!」
36 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 05:55:46.09 ID:QW+iqEt/0
海未「目的とかはあるんですか?」

穂乃果「んー、ないよ」

海未「……?」

穂乃果「ただ、海未ちゃんと一緒に色々見れたら楽しいかなーって」


海未「それって」



穂乃果「――えーとつまり……海未ちゃんと二人で居たいだけって、言うのかな……」




海未「え、ぁ……///」


穂乃果(うわー……だ、大丈夫かなこんなこと言って///)



海未「わ、私も……楽しい、です///」ウツムキ



穂乃果(耳真っ赤……どうしよ、ことりちゃんがこういう表情みたいっていうの……すっごくわかった気がする)ドキドキ


海未(一体穂乃果はなにを考えているのでしょう……確かに前からこのような発言はしていたと思いますが、私が告白してからはこのような発言はほとんどされていなかったのに……)



海未(どうしましょう、自分が自分じゃないみたい、です)カァァアアアアア


穂乃果「ん……」






穂乃果「――携帯カバーかあ。色んなのあるねー」



海未「え、あ……そうですね」
37 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:00:47.58 ID:QW+iqEt/0
穂乃果「そういえば新しいの欲しかったんだよね。今裸で使ってるから」

海未「そのままだと傷ついてしまいますよ」

穂乃果「そうなんだよねー」

海未「そういう私も少し気になっていました」

穂乃果「へー、じゃあ買っちゃおうよ!」

海未「今、ですか?」

穂乃果「うんっ!」


海未「……確かにこういう機会がないと新しいものを買う機会はないですからね」

穂乃果「そうだよそうだよ!」




穂乃果「うーん、携帯ショップとかにないのが多いね?」


海未「そうですね、少しはじけてるといいますか……」

海未「私なんかがこのようなものをして大丈夫でしょうか、変な風に思われないでしょうか」

穂乃果「誰も思わないよ! 何を気にしてるのさー」

海未「しかし……」




海未(あ……あれ、これ……)




穂乃果「ん?」



ジッ
38 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:02:06.23 ID:QW+iqEt/0
穂乃果「このウサギのやつ、気になるの?」スッ

海未「そ、そんなことありません!」//

穂乃果「気になるんだ!」

穂乃果「海未ちゃんがこういう可愛いの好きなの知ってるよ!」


海未「私はそんな……」//

穂乃果「ことりちゃんから色々聞いてるよ」


海未「ぅ……ことりったら一体なにを……」



穂乃果「ふふっ」



スッ


穂乃果「よーし、行こっか」

海未「買う、んですか? それ」

穂乃果「ううん穂乃果"は"こっち」スッ


海未「?」


海未(色違いのモノ……どういうことでしょう?)



穂乃果「レジいこレジ!」

海未「は、はい?」
39 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:03:28.87 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇


「ありがとうございましたー」






海未「どうしてカバーを二つも買ったんですか?」

穂乃果「手出して」

海未「はい」


穂乃果「――これ、海未ちゃんのだよ?」

穂乃果「はい、あげる!」ポン




海未「へ……」


穂乃果「こっちが穂乃果の!」


海未「あ、あの……これは」


穂乃果「プレゼントだよ! 海未ちゃん気に入ったのかなって」

海未「穂乃果……」

海未「でも悪いですよ、お金を」

穂乃果「いいのいいの!」

穂乃果「その代わり穂乃果はこれ付けるね?」

海未「色違い……」


穂乃果「うん! ――ペアルックみたいに見える……かな?」

海未「ど、どどどうでしょう」


穂乃果「色違いだからペアルックとは違うのかな? よくわかんないや」


穂乃果「でも海未ちゃんと色違いのつけられるって、嬉しいな?」



海未「そう、ですか」////
40 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:09:44.83 ID:QW+iqEt/0
穂乃果「海未ちゃんは……嫌じゃ、ない?」

海未「嫌じゃないです! む、むしろ……嬉しい、といいますか……なんと言えばいいのか」





穂乃果「ふふっそっか嬉しい……じゃあ帰ろっか!」ギュッ



海未「……っ」//


スタスタ


穂乃果「……」


海未「……」


穂乃果(ぅう、海未ちゃん可愛いなぁ……)

穂乃果(海未ちゃんのこと、どんどん好きになってる……。今すぐにでも返事返して海未ちゃんのこと、彼女にしたい……)


穂乃果(そっちの方がいいかな、恋人同士で花火行った方が楽しい、かな)




海未(……お揃いのスマホケース、本当に私でいいんでしょうか)

海未(こうして手まで繋いで遊びに言って……私は、穂乃果にとってのなんなのでしょうか……)

海未(穂乃果も希の件で女の人で遊ぶのはやめてくれたと思うのですが)

海未(もしかして私は遊ばれているだけ……?)

海未(そんなこと、ないはずです。穂乃果に限ってそんなこと)



海未(私は穂乃果を信じるだけです)





ピタッ


穂乃果「ねえ、海未ちゃん」

海未「はい?」







穂乃果「ちょっと、話があるんだけど……いいかな」
41 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:10:25.21 ID:QW+iqEt/0
海未「……はい」


穂乃果「…………」



穂乃果「穂乃果ね……えっと……海未ちゃんのこと……」ジッ


海未「……ごくっ」




穂乃果「――や、やっぱりなんでもないっ!!」


海未「え」




穂乃果(ダメダメ! 花火の日に言うって決めたもん!!)


穂乃果「海未ちゃん今日も楽しかったよ、また今度ね!!」ヒラヒラ


タッタッタツ


海未「……」ドキドキ


海未「私……期待してたんですね」

海未「穂乃果は何を言うつもりだったんでしょう……」


雪穂「――海未ちゃん?」


海未「え?」





海未「雪穂ですか、びっくりしました」
42 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 06:12:12.68 ID:QW+iqEt/0
海未「こんな時間にどうしてここへ?」


雪穂「"友達"と遊んできただけだよ」



海未「そうですか」


雪穂「海未ちゃんこそなんで家の前でぼーっとしてるの?」


海未「穂乃果に連れられて、少し……」


雪穂「あーそっか。あいつか」

雪穂「ごめんね穂乃果が迷惑かけちゃって」

海未「いえいつものことですから」


雪穂「ん、それなに?」

海未「あ、これは携帯電話の」



雪穂「へー……可愛いね!」

雪穂「海未ちゃんこういうの好きなんだー、ちょっと意外かも」

海未「やめてください……おそらくみんなからも言われるので//」


雪穂「でもそっちの方が女の子っぽくて可愛いと思うけど」






雪穂「――なんかさ海未ちゃんってさ、穂乃果の前だと普段より可愛いよね」


海未「え……?」


雪穂「よく喧嘩とかしてるけど、それでもすっごく仲がよくて、いつも一緒にいて」



海未「そ、それは……長い間一緒に居ましたから……」

雪穂「そっかあ」

海未「あの」


雪穂「そうだよね」


海未「……?」







雪穂「じゃあ私帰るね! じゃあねー」

海未「あ……はい。さようなら。また今度」ペコリ




海未「最後の雪穂……なにが言いたかったんでしょうか」

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/30(土) 08:09:28.54 ID:KEPy2fIfO
つまらんから書くな
44 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:40:30.31 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇



居間




穂乃果「えへへ……」ニヤニヤ




雪穂(携帯弄ってなにニヤニヤしてるんだろ)



雪穂「穂乃果、お風呂いいよ」モシャモシャ




穂乃果「はーい」ゴロゴロ



穂乃果「……へへ」


穂乃果「けほっけほっっ」


穂乃果「うーん……なんか変かも」


雪穂「風邪?」

穂乃果「わかんない」

雪穂「早く寝た方がいいんじゃない?」

穂乃果「うーん」


ピコピコ♪♪


穂乃果(海未ちゃんからだっ!)




雪穂「……?」ソーッ




雪穂「!!」



チラッ



雪穂(……海未ちゃんと、連絡取ってたからこんなニヤニヤしてたんだ)






穂乃果「――もおー、いい加減になったらタオルでウロウロするのやめなよー」


雪穂「穂乃果だってしてるじゃん」
45 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:48:19.31 ID:QW+iqEt/0
穂乃果「雪穂一応女の子なんだからそういうとこくらいなんとかした方がいいよ」

雪穂「女みたいなあんたに……言われたくないし……なにそれ、一応って」

穂乃果「そろそろ彼氏でも見つけたら?」

雪穂「穂乃果になにがわかるの……」スッ

穂乃果「え……」ドタドタドタ

穂乃果「……謝った方がいい、かな」






◇――――◇






穂乃果「――あ、おはよー雪穂……あはは」


雪穂「…………」

穂乃果「あの、昨日は――」


雪穂「――じゃあお母さん、私出かけてくるね」



穂乃果「……」


穂乃果「はぁぁ……」



穂乃果「昨日部屋に行っても入れて貰えないし、無視されるし……」

穂乃果「穂乃果そんなひどいこと言ったかな……」


穂乃果「いいや、なんとかなるよね」


穂乃果(それにしても……喉痛いなぁ……なんかだるいし……)


穂乃果(これもなんとかなる、よね)



穂乃果「行ってきまーす」



ガチャ
46 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:49:17.35 ID:QW+iqEt/0
海未「――おはようございます」


穂乃果「あ、海未ちゃんおはよ、げほっけほっ」


穂乃果「ぅぅ」


海未「……大丈夫ですか?」


穂乃果「へ、へーきへーき」

穂乃果(喉いたい……)


穂乃果「いこ?」

海未「待ってください、本当に大丈夫なんですか?」

穂乃果「大丈夫だって!」


海未「しかし」

穂乃果「ケホッ……けほっ」


海未「完全に風邪じゃないですか」



穂乃果「うぅ……みんなにうつすと悪いしま、マスクしてくるね!」



タッタッタッ


海未「……もう」



穂乃果「お待たせ! 早く学校いこ!」


海未「そんなに焦らなくても時間は――」スッ

穂乃果「あ、そのカバー!」


海未「……///」



海未「せ、せっかく買って貰ったもの……ですし」カァァアアアア


穂乃果「気に入ってくれたなら嬉しいな」

海未「あの、本当にありがとうございます」

穂乃果「こっちこそつけてくれてありがと」


穂乃果「よーしいこー」スッ


ピタッ

穂乃果(手繋いだら風邪、うつしちゃうかも……)

海未「?」
47 :お前らはマシだ真の悲壮と絶望的状態冗談抜きで継続PLAY神様 :2016/01/30(土) 10:51:54.50 ID:oB6jLJn/0
ドウセ運営の元鬼

現在

ようこそ画面黒い【全アイテムカンスト】要求ンゴ

ダンジョン×プリンセス終了〜他衰退

ひつじ×クロニクル【腐外道】穢されたシスターンゴ

其の他衰退分

復刻弱体化成しで超討伐300体のバグ反省ドロップ&消えたシリアルコードカードイベント永久PLAYカードドロップ要求ンゴ

萌え系統衰退ロード永遠ダークネスンゴ終了ンゴ

ダンジョン×プリンセス終了〜他衰退 ハーレムカンパニー【何】空気【知名度死】例のSS死空気死

ペロペロ催眠一位【運営他課金厨自爆余裕のDMM萌え公式一位でした】

例のコブラネタは婦女子の荒しユルサンンゴ

何が家族だ増えだ赤の他人だろシネ眼に砂入ってゴミうっ死んで

課金厨【運営】終了の御金手に入れました

結果俺達の女神元イベント永久PLAYカードドロップ要求ンゴで鬼課金は消えました得え今は無課金継続PLAY神様←此処です白いチヒロさん

それに引き換えモバマスのチッヒと来たら余力海外ドラフト5位【数億一位ちゃんの御金無駄使い】

鬼・悪魔・守銭奴〜兄コラネタ【鬼も最後まで終了刺せねぇよ児のホモチッヒ】・あっ熊単打【絵師で死公式誰デスカKILL三―冪ビー以外私亦野誠子のプリズム水面ちゃんきゃるーん美少女娘以外偽のちゃんダヨー此奴処摺るはやりんネキ】インペイ【QB僕でも最後まで死ぬまで契約通り守るよ】個別でね[ピザ]はシネ沙耶化っす無駄な戦争魂増やして空に
48 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:57:24.09 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇

穂乃果「おっはよーみんな」

ことり「おはよう」

海未「おはようございます。早いですね、二人とも」

真姫「いつもこんな感じだと思うけど」

真姫「あれ……穂乃果風邪引いたの?」

穂乃果「ん、あー……ちょっとだけ」

ことり「大丈夫?」

穂乃果「熱とかあるわけでもないし平気だよ」

海未「普段から夜更かししているからです」

穂乃果「いや、だってー」

穂乃果「海未ちゃんだって昨日結構遅くまで起きてたじゃん」

穂乃果(ずっとメールしてたし)

海未「そ、それは……//」

真姫(こんな朝からイチャついて……)

ことり(二人ともかわいい)

海未「いいですか穂乃果、それ以上体調が悪くなったら――」

凛「おはよーー」

花陽「おはよう」

花陽「あれ……?」

穂乃果「うーん、風邪引いちゃったー」

花陽「そうなんだ……大丈夫なの?」

穂乃果「みんなにうつさないようにがんばる」

ことり「ん……?」

ことり(海未ちゃんと穂乃果ちゃんの携帯のケース……)

ことり「ねえねえ真姫ちゃん」

真姫「なあに?」

コショコショ

真姫「……本当だ」

真姫「穂乃果、まだ告白してないんでしょ?」

ことり「そうらしいよ」

真姫「海未はどう思ってるのかしら」

ことり「流石に慣れてきてる、かな?」

真姫「流石にね」

ことり「でもとってもいいもの見れたからことりは満足だよ」

真姫「はいはい」

ことり「うーん、でもなあ」

ことり「……最後にちょっとだけ……いじわるしてみたい、かな」

真姫「まだ何かするの?」

ことり「大丈夫だよ、穂乃果ちゃんはもう海未ちゃんのこと好きなんだから」

真姫「ふーん」

真姫「そんなに楽しそうに言われても、あなたどうせまた――」
49 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:59:06.13 ID:QW+iqEt/0


◇――――◇


海未「暑いですね……」ダラダラ


絵里「そうね……流石に暑いわ」

希「しんじゃう……」

真姫「はぁ、もっと北へ行きたいわ」





海未(穂乃果は大丈夫でしょうか……少しだけ、辛そうでしたけど)チラッ








ことり「無理しちゃダメだよ穂乃果ちゃん」スッ


穂乃果「うんー」

穂乃果「ごめんね、こんなことなら家で寝てた方が良かったかな……あはは」

ことり「うーん、そっちの方が体調的には良かったかもしれないね」

ことり「本当にダメなら保健室連れていくからね?」

穂乃果「うん、ありがと!」

ことり「あ、これどーぞ」

穂乃果「ん、いいの?」

ことり「だって穂乃果ちゃんもう全部飲んじゃってるみたいだし」

穂乃果「あ……あはは、本当暑くて」

ことり「本当だよね。ことりはもう一本あるから大丈夫」



ことり「――それ、安心して。口、つけてないから♡」ボソッ


穂乃果「っ」ゾクッ…ドキッ

穂乃果「わ、わかってるよ!」

ことり「ふふふ♡」

穂乃果「もうっ……」
50 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 10:59:52.78 ID:QW+iqEt/0



真姫(また何かやってる……。ちょっと遊ぶだけとはいえ、よくもまあ思いつくものね)


真姫()チラッ





海未(流石ことり、気配りが早いですね……こんなに暑いのに)

海未(なんだかいつもより二人の距離が近いような)


海未(……)モヤモヤ

海未(そういえば最近の休憩時間は私と穂乃果の二人でいたような気がします)

海未(穂乃果とずっと一緒にいられること自体不自然だったんです。他のみんなも穂乃果のことを好きなはずで……)


海未(そう考えれば穂乃果がことりと仲良くするのは今まで通り、当然ですしもしかしたら、そのままことりを選ぶ可能性だって)


キャピキャピ



海未「……」



海未(私……何を舞い上がっていたんでしょう……)



海未(勝手に選んで貰えたかもしれない、なんて傲慢な考えでことりに嫉妬して……最低です)


海未(そういえば今朝は手、繋いでない、ですね……)

海未(き、嫌われてしまったんでしょうか。あんなにもお節介なことばかり言ったせいでしょうか)




真姫(大丈夫なのかしら……なんか海未のことだからかなり重く捉えてそうね……)
51 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 11:04:32.42 ID:QW+iqEt/0


◇――――◇


ことり「ごめんなさい」

ことり「い、いやだってぇ……いくらなんでもそんなに重く捉えられるなんて思わなかったの」

真姫「相手は海未なのよ、あんなことしたら日々の生活に支障が出ちゃうわ」

ことり「うん……海未ちゃんの表情があんなに暗くなっててびっくりした……謝らないと」

真姫「はぁ……もう海未で遊ぶのはやめた方がいいと思うわ」

ことり「うん……」チラッ






海未「はぁ」ズゥウン

穂乃果「どうしたのー?」

海未「いえ……」

穂乃果「おーい」

海未「はぁ」







ことり「ぅ……」

真姫「ま、まああれは多分すぐに治るとして」


真姫「――ことり、週末空いてる?」


ことり「え?」

ことり「週末は……」


ことり(花火大会の日、かあ……今年は何もなさそうだし)

52 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 11:54:43.15 ID:QW+iqEt/0
ことり「うん、空いてるよ」

真姫「そう。あ、あのね……その……良かったらなんだけど――」




希「真姫ちゃんが家に来ないかって!」

真姫「わ、私が言おうと!」

希「このことウチに相談してきた時みたいにしどろもどろになるつもりだったん?」クス

真姫「な……//」

ことり「えっと、真姫ちゃんの家に?」

真姫「ええ。その日花火があるでしょう?」

真姫「みんなで行って、その帰りにでもって……」


ことり「うわあ……うんっ!」


ことり「みんなで花火大会だね!」

希「ことりちゃんは見慣れてるんやないの?」

ことり「うーん、去年は行ってないし」

希「そうなんや、ウチと真姫ちゃんは見たことなくて……」

真姫「前はあんまり興味なかったし」

ことり「絶対楽しいよ!」

ことり「真姫ちゃんのおうちなんてどんななんだろう……」

希「すごいんやろうね!」

真姫「そ、そうでもないわよ」

ことり「他のみんなには話したの?」

真姫「にこちゃんと絵里にはまだ話してないわ」

希「まあ多分大丈夫やと思うよ。あ、でもにこっちはどうかなー?」

希「まあ話してみよ!」

真姫「穂乃果達は……」





ことり「ふふっ」

真姫「……そうよね」クス



希「邪魔せんようにしないとね」
53 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 11:56:24.49 ID:QW+iqEt/0

◇――――◇


穂乃果「……ぅう」フラフラ


海未「大丈夫ですか?」


穂乃果「へーき、へーき」


ことり「本当に大丈夫? 顔赤いよ」


ことり「ダメなら保健室で……」


にこ「無理はよくないけれど、家に帰れるなら帰ってゆっくり休んだ方がいいわね」

穂乃果「帰れる……!」

ことり「……海未ちゃん」

海未「はい、大丈夫です。私が責任を持って送りますから」

穂乃果「もお、大げさだなあ」


絵里「良かったわね、海未と家が近くて」

絵里「流石に今の穂乃果には一人で帰らせられないわ」

凛「あっついもんね……」


ミーンミーン



海未「穂乃果、歩けますか?」

穂乃果「当たり前だよっ! 帰ろ!」



穂乃果「げほっげほっ……」フラフラ





ことり「…………」


海未「……」コクッ
54 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 11:58:56.98 ID:QW+iqEt/0


◇――――◇

通学路




穂乃果「はぁ……はあ」

穂乃果「んと……なに話してたっけ」

穂乃果(熱い……暑い……クラクラする、あたま、いたい……)


海未「大丈夫、じゃないですよね。これ飲んでください」

穂乃果「ん……ありがと」

海未「頑張ってください、もう少しで穂乃果の家ですからね」

穂乃果「う、ん」

スタスタ



穂乃果「もうここまで来たんだから大丈夫だよ、海未ちゃんは帰ってもいいよ?」


海未「そういうわけにはいきません」

海未(すごい汗ですね……確かに暑いですけれど、それにしても……)


海未(まあもう穂乃果の家も見えて来てますし――)



穂乃果「ぁ……」グラッ……


海未「え」


穂乃果「……ぅ」ペタン


海未「!?」

海未「穂乃果!!」

海未「大丈夫ですか!? 立てますか……!?」

穂乃果「ぅ……クラクラ、する」

海未(顔色もさっきまで赤かったのに、なんだか青白くなっているような……)

海未(穂乃果の家までもう少し。……この距離なら)

海未「穂乃果、背中に……」



穂乃果「う、うぇぇ……だ、大丈夫だよ、おんぶなんて……」グッ


フラッ


穂乃果「……」

55 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/01/30(土) 12:00:21.77 ID:QW+iqEt/0


◇――――◇


穂乃果「ごめん」

海未「大丈夫ですよ」



穂乃果「本当に、ごめんね。」

海未「そんなこと気にしないでください。私は、そんなに頼りないでしょうか?」

穂乃果「そんなことない、けど……」

穂乃果「自分のこともわからないで、いっつも突っ走ってばっかりで」

穂乃果「迷惑ばっかり」

海未「……私は穂乃果にたくさん助けられているんですから、今度は私の番です」

海未「穂乃果がそういう人だなんて分かっていますから。私はそんな穂乃果が好きですよ」

穂乃果「……」///


穂乃果「あ……あり、がと」//

穂乃果(なんか安心する……海未ちゃんも汗かいてるはずなのに……いい匂い)





海未「流石に長い距離おぶるのは辛いですけどね」

穂乃果「あはは……」


穂乃果「――はぁ、はあ」


海未(話すのも辛そうですね……。きっと熱もかなりあるはずです。早く、早く……)



ガラガラ


雪穂「海未ちゃん?」



海未「はぁ、はあ……雪穂、穂乃果が……!」



雪穂「え、どうしたの!?」


海未「風邪と、おそらく軽い熱中症で……っ」

雪穂「…………」



雪穂「あ、えっと……わかった! 薬箱と……冷やすの持っていくから!」

雪穂「部屋に行ってて?」

海未「分かりました」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/31(日) 10:09:52.23 ID:9V8T6mg10
書かなくていいよ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/01/31(日) 19:06:06.47 ID:YubyYFxbO
粘着荒しがいるみたいだけど、頑張って下さい
続き待ってますよ
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 00:40:23.44 ID:TMBUI2kMO
粘着荒らしのやつは、ソイツ余所の板で自分の男子児童買春を自慢気に話してたキモい奴だから無視した方がいいよ。
頭に障害抱えてるから無罪になったとか得意気に語ってた奴だし。
とりあえず粘着荒しくんの糞親は今年中に癌で死ぬことになってるよ。
59 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:22:50.71 ID:86+zaO/s0


◇――――◇

穂乃果の部屋




海未「もう、クーラーつけっぱなしじゃないですか」


海未「今日は助かりましたけど……」


ガラッ

雪穂「持ってきたよ!!」


海未「ありがとうございます!」


雪穂「大丈夫!? おに――穂乃果!」


穂乃果「あ、はは……なんとか」


雪穂「もう、なにしてんのさ……っ」



海未「えっと、これは?」

雪穂「この前テレビで濡れタオルに風当てるといいって……」

海未「なるほど、だから氷水とタオルなんですね。熱も計らないと」


穂乃果「自分で出来るよお!!」

海未「ダメです」


穂乃果「うう……」


スッ
60 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:24:19.28 ID:86+zaO/s0
雪穂「穂乃果さ、なんでそんなになるまで無理してたの?」

穂乃果「いやだって……」


海未「穂乃果はそういう人ですよ」

雪穂「まあ……」


海未「だから周りが止めなきゃいけないんですが、今回は私が強く止めなかったからです」

海未「どう考えても体調が悪いのを分かっていたのに」


雪穂「海未ちゃんはなにも」

穂乃果「――ごめんね……」


海未「これに懲りたなら次からは自分の体調くらいは自分で把握してくださいね」

穂乃果「うん」


海未「夜更かしもしない」


海未「野菜も食べる」


海未「いいですか!?」

穂乃果「うぇ……うー」

海未「い、い、で、す、か?」

穂乃果「はい……」


穂乃果「前も言ったけど夜更かしは海未ちゃんがLINEとか返すから――」

海未「だから人のせいにするのはいけませんよ!!///」
61 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:25:27.78 ID:86+zaO/s0
雪穂「…………」


雪穂(お邪魔、かな……)キリリ

雪穂「あの、海未ちゃん……私店番しなくちゃだから……」

海未「分かりました。穂乃果は私に任せてください、流石に救急車を呼ぶ程度ではないと思うので」

雪穂「うんありがとう」

穂乃果「……」


バタン

穂乃果(雪穂……)


ピピピピピ


海未「……38度、ですか」

穂乃果「そんなにあるんだ……」

海未「さっきと比べて呂律も回っていますし、熱が下がればきっと大丈夫ですよ」




ピタッ
62 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:26:36.16 ID:86+zaO/s0
穂乃果「冷たくてきもちいい……」

海未「このまま眠ってください。――では私はそろそろ帰りますね。絶対に安静にするんですよ?」


穂乃果「え……もう帰っちゃうの?」


海未「眠るのに私がいたら眠れないでしょう?」

穂乃果「……う、海未ちゃんがいてくれると安心、するんだけど」

穂乃果「だ、ダメ……かな?」

海未「……」

海未「本当に私がここに居ても大丈夫なんですか?」

穂乃果「うんっ」

海未「分かりました……穂乃果が眠れるまで、側にいますね」



◇――――◇


海未「馬鹿……!」


海未「本当に、心配したんですよ……?」ギュッ



穂乃果「……すぅすぅ」



海未「大事になってもおかしくなかったのに……本当に良かった……」





海未「やっぱり私は穂乃果のことが好きです……一緒に、いたいです」





海未「誰にも渡したく、ないです……っ」ギュッ
63 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:28:11.11 ID:86+zaO/s0


◇――――◇


雪穂(声が聞こえない……海未ちゃんまだ帰ってないよね?)

雪穂(……)ソーーッ


雪穂(……!!)



海未「すぅ……すぅ……」


雪穂(海未ちゃんまで眠っちゃってる……穂乃果の手まで握って……)




雪穂「……」


◇――――◇

穂乃果「ん……」ムクッ



穂乃果「あれ?」



海未「すぅ……すぅ……穂乃果……」ギュッ


穂乃果「寝ちゃってる」


穂乃果「かわいい」


穂乃果「また迷惑かけちゃったな……はぁ」


穂乃果「二時間くらい寝てた、か」


穂乃果「流石にまだまだ怠いなぁ……ぅう」




ナデナデ
64 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:29:22.59 ID:86+zaO/s0
穂乃果「ありがとう海未ちゃん」


穂乃果「ん、迷惑……あっ!!」

穂乃果「ど、どうしよっ! 風邪うつしちゃったかも……」サァァーー…

海未「ん……穂乃果?」

海未「私、眠ってしまったんですね。穂乃果のこと、看てなればいけなかったのに」

海未「体調はどうですか? 少しは楽になりましたか?」

海未「……まだ少し顔が青いような」

穂乃果「あ、いや。その……ちょっとは楽になったよ、海未ちゃんが居てくれたからかな?」

海未「そんな//」

穂乃果「あの、海未ちゃんごめんね!!」

海未「え?」

穂乃果「穂乃果が一緒にいて欲しいなんて言ったから……風邪、うつしちゃったかも」


海未「もう、私の心配なんてしなくていいんですよ。とにかく今は自分のことだけ考えてください」

穂乃果「……でも」


海未「それに私は一応規則正しい生活を心掛けていますから」


海未「――お水、もらってきますね」


穂乃果「うんありがと、多分下にお母さんいるから」


海未「はい、わかりました」ガラッ



雪穂「――うわっ!!」
65 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:30:15.83 ID:86+zaO/s0
海未「……雪穂、どうしたんですか?」


雪穂「や、よ、様子を見に来ただけだよー!」

海未「そうですか。穂乃果、さっきよりは楽になったみたいですよ」

雪穂「そっか……」


海未「飲み物を貰ってきますね」

雪穂「それくらい私が」

海未「大丈夫ですよ」ニコッ



スタスタ




雪穂「……」


穂乃果「……」


雪穂「大丈夫なの」

穂乃果「うん……」

雪穂「そっか」

穂乃果「あの、雪穂!」



雪穂「――安静にしてなよ?」スタスタ バタン



穂乃果「っ……」




ガララ





海未「持ってきましたよ」
66 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:31:11.96 ID:86+zaO/s0
穂乃果「ありがとう海未ちゃん……」

海未「また辛くなってきましたか?」

穂乃果「……そう、かも」

海未「それならまた眠らないと、ですね」

穂乃果「うん……」

穂乃果「あ、あのね海未ちゃん……」

海未「なんですか?」




穂乃果「その、急にで悪いかなあって思うんだけど。し、週末にある花火……二人で、行かない……?」


海未「……ぇ」ドキッ

穂乃果「みんなで行くのもいいかなーって思ったんだけどさ、穂乃果は……二人がいいなって……//」

海未「……////」


海未「わ、私も! 穂乃果と行きたい、です……」カァアアアアア

穂乃果「そ、そっか!」キュンッ//



「…………」




穂乃果「じゃあ……それまでに絶対治すね」


海未「はい、私も風邪を貰わないように気をつけます」

穂乃果「えへへ……うんっ」
67 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:32:50.57 ID:86+zaO/s0

◇――――◇



雪穂「…………」パチパチパチ


海未「……雪穂?」


雪穂「まだ看病、してくれてたんだ」

海未「はい、穂乃果はもう寝てしまいましたけれど」

雪穂「そっか」

ポトン

雪穂「あ」


海未「線香花火ですか。好きなんですか?」

雪穂「うん、毎年やってるの」






雪穂「……やってたの」





スッ


パチパチ

雪穂「わたし、線香花火得意なんだ」

雪穂「だからいつも勝負になるんだけど、負けたことなかった」


海未「……?」



雪穂「――今年は……忘れてる」



雪穂「もう、どうでもいいんだろうね。私なんて」




海未「ゆ、雪穂?」


ポトン


スッ



雪穂「――今日は看病してくれてありがとう。海未ちゃんがいなかったら、あいつどうなってたかわからなかったよ」
68 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:34:22.98 ID:86+zaO/s0


◇――――◇

花火 前日 公園




穂乃果「じゃあさ、明日は18時頃にウチに来てね!」


海未「はい」


穂乃果「楽しみだなー」

海未「中学生の時以来ですね」

穂乃果「新鮮な気分になれるよきっと」

穂乃果「みんなはどうするか聞いた?」

海未「ええ、みんなも行くみたいですよ」

穂乃果「そっか、なら現地でみんなに会っちゃうかもね……」


海未「……い、嫌、なんですか?」

穂乃果「そんなわけないよ!」


海未「……//」

穂乃果「本当だよ?」

海未「分かりました! 分かりました、から……///」プイッ




亜里沙「――あ、あのっ」



穂乃果「……亜里沙ちゃん?」

園田「どうしたのですか、こんなところで」

亜里沙「あの、たまたま見かけて……それで穂乃果さんに相談したいことがあって……」
69 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:35:42.96 ID:86+zaO/s0
亜里沙「でもなんだか二人がいい雰囲気で、邪魔しちゃ悪いのかなって考えたりもして」


海未「そんなこと気にしなくても……」


穂乃果「なにかあったの?」

亜里沙「いい、ですか?」


海未「では私は」

亜里沙「海未さんにもできれば……」


海未「……わかりました」

亜里沙「――最近雪穂に変わったことがあったりしませんか?」

穂乃果「変わった、こと?」



亜里沙「はい。何かありませんか?」

穂乃果「そう言われてもなあ……海未ちゃんは?」

海未「そうですね……ではどうして亜里沙はそんなことを聞くのですか? 何かあったということですよね?」


亜里沙「……」

亜里沙「そんなに深刻なことじゃないんです。本当にちょっとしたこと、なんです」

穂乃果「話してみて?」



亜里沙「はい。あの……最近雪穂、私とあんまり話してくれないんです」


穂乃果「え? 雪穂と仲良かった、よね? 喧嘩?」



亜里沙「いえ……原因がよくわからないんです。それも、無視されるとかでもないんです。話しかければいつも通りに接してくれるし……でもなんだかいつもと違って……」


海未「原因がわからない、ですか」


亜里沙「心当たりはあるんです」


亜里沙「雪穂、最近男の子達と話すことが増えてて……」

70 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:36:30.23 ID:86+zaO/s0
亜里沙「だから私と話すのも楽しくないのかなって……」

海未「なるほど……好きな人でも出来たのかもしれませんね」

穂乃果「雪穂が男の子と、ねえ」

穂乃果「……あ」


亜里沙「何かありましたか?」


穂乃果「それ、もしかして穂乃果のせい、かも」

穂乃果「少し前にね、雪穂に彼氏作りなよってからからったことがあったんだ。それで雪穂は怒っちゃって。もしかしたら、それで……」

穂乃果「あと、最近帰りが遅い日が増えてる、かも……」



亜里沙「……」

穂乃果「雪穂になにか言っておこうか?」

亜里沙「いえ……大丈夫です」

亜里沙「こんなこと聞いてもらってありがとうございました」

穂乃果「本当にいいの? 亜里沙ちゃんが言ってたことが本当なら穂乃果にも責任が」

亜里沙「はい、本当に大丈夫です。そういうことに口を出すのは、多分いけないことですから……」



亜里沙「じゃあまた今度!!」ペコリ

スタスタ
71 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:37:12.56 ID:86+zaO/s0
穂乃果「雪穂、どうしたのかな」

穂乃果「好きな人でも出来たのかな……」

海未「穂乃果……もしかして、雪穂と仲直りしていないのではないですか?」

穂乃果「ぅ……」

海未「先ほどの話が本当ならば、それを言った穂乃果が悪いと思います」

穂乃果「そんなこと分かってるけど……でもそんなに怒ること、ないのに」

海未「そういうことを気にする年頃だということです」

穂乃果「でも雪穂、無視するんだもん」

海未「私も手伝いますから、ね?」

穂乃果「うん……」

72 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:38:01.28 ID:86+zaO/s0

◇――――◇

居間




雪穂「ただいまー」




穂乃果「……おかえり」



雪穂「……起きてたんだ」






穂乃果「お、遅かったね! なに……してたの?」

雪穂「……なんで穂乃果に話さなくちゃいけないの?」

穂乃果「ぅ……」



穂乃果「こ、こっちは心配してあげたのになにそれ!?」キッ


雪穂「……」


雪穂「いいよ、心配なんて。別に私に興味ないでしょ」スタスタ



穂乃果「ちょっと雪穂!!!」


穂乃果「……どういう意味だろ」

73 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:39:28.55 ID:86+zaO/s0

◇――――◇


練習終わり 帰り道


海未「そういえば穂乃果、雪穂とはどうでしたか?」

穂乃果「う」ピタッ



穂乃果「あのね海未ちゃん……雪穂と仲直り……できなかった、あはは……」

海未「……」

穂乃果「あの、ごめんね急に! 海未ちゃんは心配しなくていいから!」

海未「でも」

穂乃果「本当に平気!」

海未「穂乃果、私は――」

穂乃果「――家族の問題だからさ!」



 それ以上は何も言えませんでした。言葉を続けようとしたところをあからさまに切られてしまったことが、もう踏み込むなと言われているようにしか思えなかったのです。

 家族の問題。一番デリケートな部分で、確かに私が踏み込むべきではないのでしょう。でも……。


穂乃果「――今日、楽しみだね?」


海未「ええ……」

穂乃果「あれ……みんなと行きたかった?」

海未「い、いえ! そんなことありませんよ」

 
海未「もう……いじわるしないでください」

穂乃果「ごめんごめん」

 私が否定することを分かっていて何度も……。


海未「じゃあまた、夜に」

穂乃果「うんっ、ばいばい!」


 立ち止まって手を振ると、穂乃果も手を振りながら駆けていきました。

 携帯電話を手にとって時刻を確認すると、二時を超えていました。ここからシャワーを浴びて……夜の準備をして。それに、ちゃんと身体を休ませておかないとですね。せっかくの楽しみを疲れていて楽しめなかっただなんて勿体無いですからね。


 穂乃果と二人……だなんて、初めてですから心の準備も……。
74 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:40:44.46 ID:86+zaO/s0

◇――――◇

17時



絵里「さすがに誰も浴衣は着てこないわよねー」

真姫「……まあ、大体予想出来てたけれど」

ことり「女の子しかいないし」

希「でも普通は女の子同士でも浴衣とか着ていくもんなんやない?」

にこ「じゃあなんで希は浴衣じゃないの?」

希「うーん……まあいいかなって」

絵里「気楽に行くのもいいと思うわ」


凛「海未ちゃんは浴衣着ていくかな?」

絵里「それは、ね」



真姫「だめよことり、二人を探しちゃ」

ことり「さ、探さないよー!!」


ことり「それに、多分二人は見つからないよ」


花陽「どういうこと?」

ことり「あのね、小学校の頃に三人で花火大会に行ったことがあるの」


ことり「そこでことりは迷子になっちゃったんだけど……」


ことり「二人はことりのことを探すために色々探検したんだって。ことりが二人に見つけて貰った時にね、ちょっと離れてるけどいいところが見つかったって言ってたの」


ことり「結局少し離れてるから屋台とか見るなら行かない方がいいってことで、中学生の時はそこに行くことはなかったんだ」
75 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:41:28.93 ID:86+zaO/s0
にこ「じゃあ二人しか知らない場所があるっえこと?」

ことり「多分……」

ことり「きっと山のなかとかそういう特殊な場所ってわけじゃあないんだろうけど、メイン通りじゃないと思うから……」



真姫「ムードを意識するなら、人があんまりいない、そして昔の思い出を思い出せる……そこに行くのが普通ね」

ことり「でしょ? だからきっとことり達は見つけられないと思うな」

にこ「いいじゃない、私たちは私たちで楽しめば」

真姫「そうよ。ねえ、そろそろ5時半だから向かわない?」

凛「よーし、いっくにゃー!!」

ことり「うんっ!」

76 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:42:36.05 ID:86+zaO/s0

◇――――◇


穂乃果「ひゃー……すごい人だなー」

海未「そう、ですね」

穂乃果「離れちゃダメだよ」

穂乃果「ほら」グイッ

海未「ん……//」

穂乃果「浴衣、歩きにくくない?」

海未「はい、大丈夫です」

穂乃果「良かった。ありがとね、穂乃果のためにそれ着てきてくれたんでしょ?」

海未「……///」コクッ

穂乃果「本当に可愛い。……綺麗、かな?」

穂乃果「どっちでもいっか!」



穂乃果(……海未ちゃんのセクシーさって、絵里ちゃんとか希ちゃんのとかとは全然違うよね)

穂乃果(海未ちゃんにしかこの感じは出せないね)



穂乃果「あ!! たこやき!! ねえねえ一緒にたべよ!」

海未「はいっ」

穂乃果「ひとつくださーい!」


穂乃果「む、穂乃果もそういうのきてくれば良かったな……なんて言うんだっけ」


海未「浴衣ではなくて……甚平ですか?」


穂乃果「それっ! 確か家にあったし、着てくれば良かったかなー……」

海未「穂乃果はいつも通りでも大丈夫ですよ」
77 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:43:36.95 ID:86+zaO/s0
穂乃果「でも海未ちゃんがそんな可愛い格好してるのに穂乃果だけ……」

海未「でも、穂乃果が気合いを入れてどこかへ出かける時の雰囲気はいつもと違うじゃないですか。……今日みたいに」

海未「にこも言っていましたよ。花陽と初めて三人で遊んだ時、なんだか穂乃果っぽくない見た目だった、と」



海未「私はそれを見るのが、好きなんです」


海未「――出来たみたいですよ」

穂乃果「う、うん!」



穂乃果「ちょっとここじゃ食べられないし、あっちいこっか」


海未「そうですね」


スタスタ


穂乃果「ここなら座れそう」

穂乃果「汚くないかな……」パッパッ

穂乃果「どーぞ!」

海未「ありがとうございます」スッ


穂乃果「これ、熱いかな……」


海未「おそらく……」

海未「あ、これ」

穂乃果「え、いいよお金なんて! もー真面目なんだから」

海未「でも私……穂乃果に買って貰ってばっかりで」

穂乃果「いいっていいって」

海未「……」
78 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:44:28.83 ID:86+zaO/s0
穂乃果「そうだなあ、そんなに満足出来ないなら……いつか違うことでお返ししてね!」

穂乃果「楽しみにしてる!」

海未「!!! わかりました! 何か違うことで、必ず!!」

穂乃果(海未ちゃん見てると、真面目すぎても生きにくそうだね…… )


プスッ


穂乃果「はいあーん」


海未「!!!?」


穂乃果「あーん」

海未「……」

穂乃果「……」

海未「……//」

穂乃果「もうっ……」


海未「あ、あむっ」

穂乃果「あ」

海未「あっ……つっっ……んんっ!!」バタバタ

穂乃果「やっぱり熱い……?」



海未「も、もうっ! 実験台にしましたね!?」
79 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:45:16.59 ID:86+zaO/s0
穂乃果「そ、そんなことないよー!」

海未「うぅ、熱かったです……美味しいですけど」

穂乃果「良かった!」

海未「つ、次はこっちの番ですよ!」

穂乃果「?」

ヒョイ

海未「さ、さあ口を開けてください!!」///


穂乃果(うわー……下手で可愛い……)

海未「……///」

穂乃果(どうしてあーんしてあげる方が顔真っ赤なんだろう……)

穂乃果「あーん、んぐっ」

穂乃果「あっっつぅ……っ!!」ハフハツ

海未「ふふっ」

穂乃果「美味しいけど熱いなあ、これ」

海未「ですよね、少し切りながら食べた方がいいですね」

穂乃果「というか、そろそろ花火打ち上がるかな」

海未「そうですね、時間的にも――」





 携帯電話で時刻を確認して、空を見上げます。するとちょうど、夜空に大輪が咲いていました。
80 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:47:32.76 ID:86+zaO/s0

◇――――◇


希「すっごーい!」


希「ねええりち! すごいっ!!」

絵里「そうね……。ってはしゃぎすぎっ!」

希「だってだって! 花火!」

絵里「私も久しぶり……たまにはいいわね」



真姫「…………綺麗」

にこ「真姫が綺麗………だなんて、なんか変な感じ」

真姫「……なによそれ悪い?」

にこ「誰も悪いなんて言ってないでしょー?」

真姫「そう言ってるように聞こえるの」

にこ「――花火、久しぶりなの?」

真姫「小さい頃は行ってたけれど……もう覚えてない」

真姫「だから初めてみたいなものね」

にこ「そっか」

真姫「……なに、文句あるの?」

にこ「いやただ聞いただけじゃない。なにツンケンしてんの?」

真姫「してない」



真姫「何か言いたそうな顔、してたから」

にこ「……そうね、強いて言うなら。またみんなで見に来たいかな」

真姫「……」

真姫「……私も」

にこ「あとー、真姫ちゃんがにこにーに見惚れてたからぁ……にこ、花火より綺麗だもんね?」

真姫「…………」

にこ「ちょっと!」
81 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:48:41.79 ID:86+zaO/s0



ことり「二人は去年も来てたの?」

凛「うんっ」

凛「毎年来てるよ!!」

ことり「毎年かあ……」

花陽「この花火をみないと夏が来たーって感じがしなくて」

花陽「でももう夏休みも中盤だし、これが終わるとなんかちょっと寂しい気分になったり……」

凛「ちょっとそういうこと言わないでよー!」

ことり「ふふっ」

希「ねえねえことりちゃんあっちの屋台いこ!!!」

ことり「え、あ、うんっ!」


真姫「希のテンションの上がり方、すごいわね」

絵里「去年も花火行きたいって言ってたから……」

絵里「去年は断っちゃったんだけどね」

真姫「なるほどね」


絵里「希は寂しがり屋だから」

真姫「人のこと、言えるの?」

絵里「真姫だって」

真姫「意味わかんない……」







希「花火すごーいっ!」キャッキャッ

ことり「楽しそうだね!」
82 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:50:02.63 ID:86+zaO/s0
希「実はずっとここの花火見てみたくて!」


希「――ことりちゃんは、楽しくないん?」

ことり「え……た、楽しいよ?」

ことり「そんなふうに、見えた?」

希「なんかちょっとだけ考えごとしてるみたいやなーって」

希「――二人のこと?」

ことり「……うーん。確かにこの花火を観に来るときは絶対二人が居たし、ちょっと変な感じだけど……」

ことり「でも二人のことはもう気にしてないよ? 二人とも両想いだし、穂乃果ちゃんは今日告白するはずだから、何も心配いらない」

ことり「希ちゃんが心配してるみたいにいつまでもクヨクヨなんかしてられないもん。それは選んで貰えなかったのは、悲しいけれど……みんなだって同じ気持ちのはずだし、ことりだけーなんてダメに決まってる」

ことり「――それにみんなといるの楽しいんだ。本当に」

ことり「みんなに言うのはちょっと恥ずかしいけど……希ちゃんには言っておくね?」


希「う、ウチ?」//

ことり「なにかあったらフォローしてね?」ササヤキ


希「う、うん」ゾクリ


ことり「さ、あっち観に行こ!」ギュッ



希(男の人がこんな風にされたらきっとすぐ好きになっちゃいそう……。ことりちゃん恐るべし……)


希(これに耐え切った穂乃果ちゃんも恐るべし……)


ことり「どうしたの?」ウワメ


希「はっ……」//



希(ゆ、百合はあかんっ!!!)



83 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:52:07.07 ID:86+zaO/s0

◇――――◇

 昔二人で行った公園、覚えてる?

 穂乃果はどこか緊張した面持ちでそう言いました。はぐれないようにと私の手を握る手には少し力が入っているのがわかります。ここ何日か、手を繋ぐ機会が多かったのもあり変化にすぐに気がつきました。


 古いはずの記憶なのに、その記憶は今に至るまでとても大きなものとして色褪せていませんでした。


 ことりと穂乃果と私、初めて親の同伴抜きで行った小学生の時の花火大会でした。私は小学生なのにあんな人混みに行くだなんて、と最後まで反対したのを覚えています。まあ……案の定穂乃果に押し切られてしまったのですが。


 確かに楽しかったんです。今まで親の保護下をほとんど離れなかった私達は、その一瞬の出来事だけでなんだか大人になったような気がしました。前を歩く穂乃果に懸命に追いつこうとことりの手を引いて人混みの間をぬって、今まで見たこともないところを探検する。私も、心配や不安という感情以上に浮かれてしまっていたのでしょう。




 ――気がついた時には、ことりの手を掴んでいませんでした。




 どうしたら良いかわからず、なにがどうなったのかもわからず、穂乃果に泣きついたのは忘れることが出来ません。私がしっかりしていればことりを迷子にすることなんて無かった。穂乃果はそんな時泣き出しそうになった私の手を握って、大丈夫だってなんとかしてみせるって笑ってくれました。とても……心強いものでした。




 花火の鑑賞エリアをあちこち探し回ってたどり着いたのは、近くにあった公園でした。

 少し離れたところにあることもあってか人はまばらでこんなところにはいないと私が声を出そうとした時、頭のうえで大きな花びらが咲きました。
84 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:54:35.48 ID:86+zaO/s0


 高いビルの間からちょうど見える花火に少しの間酔いしれます。穂乃果も立ち止まって、しばらくの間花火を眺めていました。

 こんなことをしている場合ではありません。穂乃果の裾を引っ張って伝えようとした時のその表情、なにか思いつめたような決心したようなそんな表情。


 直後に唇をきゅっと噛み締め、向き直ります。青い瞳に見つめられて、少しだけドキドキしました。穂乃果と二人でいることになんの違和感も抱いたことがなかったのに、あの時は少し、おかしかったんです。胸の高鳴りが止まらず、今ならわかる、いえ……"それ"の直後から分かった感情は当時の私には理解出来ていなかったんです。


 少しずつ穂乃果の顔が近づいて来ました。私は動けず、唇と唇が触れる寸前で何をするのか理解出来ました。"これ"はキス。理解した途端、私は穂乃果の肩に手を当てて押し返していたのです。


 押し返した後で穂乃果の表情を見て気がつきました。酷く落胆して、穂乃果も自分自身が何をしたのかよくわかっていないようでした。あたふたと訳のわからない言葉を紡ぐ穂乃果の唇を見て、私は受け入れればよかったと後悔するのでした。――だって、私は穂乃果のことが好きだったんですから。


 今更戻れない私は、少しでも気まずい雰囲気をなくそうとことりを探す話題にすり替えました。それなら自然ですし、それが当時の目的でしたから。


 一瞬でもことりのことを忘れて、違うことを考えてしまった自分に腹が立ちました。ことりは今もどこかで……。



 





穂乃果「――良かったよね、本当に見つかって」



海未「ええ、どうなるかと思いました」
85 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:56:41.78 ID:86+zaO/s0


 あの時の公園についた私達は、空いていたベンチに座り昔の思い出話に花が咲きました。周りにはちらほらとカップルがいて、あの日から数年経った今、ここはそういう場所になっているようです。そして一通りの思い出話をし終わった後に走った沈黙は、心地の良いものでした。あの時のように、心が高鳴ります、合間合間に鳴り続ける花火の音と共鳴しているようです。



 この場所、この花火大会で残した最後の思い出話は――。



穂乃果「ねえ」


  ひゅるひゅると花火が打ち上げられる音とともに穂乃果の手が私の左肩をつかみました。前のように押し返されないため、なのでしょうか。……今日は、逃げませんよ。


 目を閉じて、思い浮かべるのはこれまでではなくて、これからのこと。µ’sのみんなで最高の思い出をつくること――穂乃果と最高の思い出を、つくること。



 穂乃果の吐息がほんの近くまで来たのを感じます。今までで一番大きな音が耳を叩いて、私の吐息と穂乃果の吐息が、混じり合いました。
86 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:57:58.01 ID:86+zaO/s0


◇――――◇



ことり「おっとまり、おっとまり!」

ことり「真姫ちゃんの家、探検していい?」

真姫「ちょっとやめてよ」

希「別荘よりも広いなんてー」

絵里「すごいわね……」

にこ「ふんっ」




希「窓から花火見えるかな?」

真姫「この位置からじゃ見えないわよ、ビルが邪魔してるの」

希「そうなんや」

真姫「あれ、花火飽きたんじゃなかったの?」

希「いやー最後のおっきいの見ておけば良かったかなーって」

花陽「花火見るのも楽しいけれど、なんだかんだ途中でちょっと飽きちゃうもんね」

凛「結局屋台巡りしちゃうんだよね!」

花陽「ふふっ」

真姫「まあもっとすごい花火大会ならきっと違うんじゃない?」


希「でもみんなと見れて本当に良かったよ」

希「ね、ことりちゃん!」

ことり「うんっ」

ことり「またみんなで色んなことしようねっ」
87 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 04:59:29.22 ID:86+zaO/s0

◇――――◇

穂乃果「よーしっ、帰ろっか!」

海未「そうですね」

穂乃果「最高だったなー」

海未「はい」

穂乃果「海未ちゃんと付き合えたし」

海未「……//」

穂乃果「ふふっ」

海未「……私、穂乃果以外の男の人とこんなに風に歩くこと、出来ません」

海未「穂乃果とこんな関係になっていなければ……大学を出たらすぐに見合い話が来るでしょう」

海未「きっと緊張しすぎて話だって続かず……すぐに見限られてしまいます」

海未「でも穂乃果となら……穂乃果とだけ、私は私らしくいられる気がするんです」

海未「……すみません、ちょっと重い話でしたね」

穂乃果「お見合いさせられちゃうんだ……。そんなの嫌だよね? なら穂乃果とずっと一緒にいよう?」

穂乃果「それなら海未ちゃんがお見合いしなくてもいいもんね!」

海未「……穂乃果」

海未「はい……」

海未(ずっと、一緒……//)

穂乃果「流石にちょっと気が早かったかな……あはは」



海未「そうですね」クス



穂乃果「あれ……」
88 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 05:00:47.70 ID:86+zaO/s0
海未「どうしたのですか?」

穂乃果「いや、あれ……」


穂乃果「――雪穂……?」


穂乃果(男の人と一緒に、いる)

穂乃果(同級生っぽい、けど)


海未「本当ですね……」



雪穂「?」

雪穂「ごめん、ちょっと」

雪穂「うん、ごめんね」


スタスタ



雪穂「……海未ちゃん達も来てたんだね」

海未「ええ……」

穂乃果「あの、雪穂……あの男子は?」

雪穂「ん? 彼氏だよ」

チラッ

穂乃果「え!?」


穂乃果(うわー……かっこいいなあ……)


雪穂「花火、楽しかったね。ばいばい海未ちゃん」

海未「は、はい。また今度」


穂乃果「……」

海未「雪穂に彼氏、ですか」



穂乃果「相手の人、かっこよかったね……」


穂乃果(そっかあ。雪穂も彼氏とか出来るんだよね……)

穂乃果(言ったのは穂乃果だけど、なんか変な気分、だな)


海未「穂乃果……?」



穂乃果「……ううん、なんでもないよ」

穂乃果「帰ろっ!!」


海未「……はいっ」
89 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 05:01:39.31 ID:86+zaO/s0

◇――――◇


海未「そうですか……怪しいとは思っていたんです」

海未「私が穂乃果と携帯のカバーをお揃いにしたり、二人で話し込んだりしていても……誰も割り込んで来ないのですから」

ことり「花火も、二人で行くのが当然って風にみんなでしてたからね」

海未「もうっ……知ってたのなら言ってください」

ことり「えへへ」


海未「むぅ……」


ことり「――やっぱり、勝てないなぁ」

海未「?」

ことり「勝負って、言ってたでしょ?」

海未「……そう、でしたね」

ことり「おめでとう」


海未「……ありがとうございます」


ことり「あーあ。結局、なんにも勝てなかったね……」


ことり「海未ちゃんの変なぬいぐるみなんか作っちゃってたからかな?」

海未「なんですかそれ?」
90 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 05:02:28.54 ID:86+zaO/s0
海未「……?」

ことり「……」


ことり「――海未ちゃん、ずっと前から穂乃果ちゃんのこと好きだったもんね。それが伝わったんだね」

海未「そうだといいんですが」

ことり「そうだよ」

海未「――で、呼び出した理由はなんですか?」

ことり「うん……話したいこと、あったんだ」




ことり「あの、ね、ことりね……多分まだ穂乃果ちゃんのこと、好きなんだと思う」


 フラれただけでは実感出来なかった、ことりの心。花火大会の後二人から報告を受けて、幸せそうな表情を見たら、好きな人と結ばれることはないんだってわかってしまった。知っていたけれど、いまいち実感出来ていなかったんだよね。


 だからことりは今日海未ちゃんを呼び出して、最後のお話をするところ。



海未「……」


ことり「でもことりね、穂乃果ちゃんのこと諦めないー……なんて言わないよ」
91 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 05:03:41.07 ID:86+zaO/s0
海未「え?」


ことり「こんなこと、本当は言わない方がいいことだっていうのもわかってるよ。でも、言っちゃえばきっと揺るがないから。海未ちゃんには嘘……もう、吐きたくないから」



 今日はおうちに帰ってお風呂にはいってわんわん泣いて……そして明日には忘れよう。それが頑張ってきた自分への慰みになって、それは海未ちゃんと穂乃果ちゃんに対する思いやりにもなると思うから。


 諦めないで恋を追い続けるのは素敵だし、羨ましいとも思うけれど……穂乃果ちゃんには海未ちゃんがいる。それにも関わらず追いかけるってことは、海未ちゃんに早く別れろって言ってるようなもの、だよね?


 それは嫌なんだ。海未ちゃんと穂乃果ちゃんには幸せに付き合っていて欲しいし、海未ちゃんはとっても大切な友達だから裏切ることは、もう、したくない。中学校の時に海未ちゃんが穂乃果ちゃんのことを好きだと知っていながら、穂乃果ちゃんとの関係を持っていた、償いのつもりもあったりする。


ことり「――ことりは穂乃果ちゃんのこと、きっぱり諦めます。だから海未ちゃんは、幸せに過ごしてくれると嬉しいな」


ことり「だから、何かあったら今まで通り相談して欲しいなーって。お願いしに来たんだよ」


海未「ことり――」



ウルッ……
92 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/01(月) 05:04:40.20 ID:86+zaO/s0
ことり「話は終わりっ」


ことり「じ、じゃあね海未ちゃん! また明日!!」クルッ タッ


 泣くのは一人でって決めたの。ことりが泣くと、海未ちゃん笑ってくれないから。穂乃果ちゃんも、ことりが笑ってた方が変な気使わないで済むもんね。
 

海未「ことり!!」



海未「……また明日」


ことり「うん、ばいばい」



ことり(明日からはきっと、泣きそうになったりしないから)



タッタッタッ





海未「……ことり、ありがとうございます」




海未「あなたが友達で、良かったです」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 11:33:26.91 ID:3NJBS5vqO
つまらん
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 14:41:03.41 ID:yy8ZQS9uO
ほのうみ以外は皆マイナーカプ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 17:30:39.89 ID:XRvz64izO
もう続きこないと思ってたぜ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 19:13:21.74 ID:FzeZxIPAO
>>68
唐突に出てくる園田で草
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 19:15:26.12 ID:oOMjUnhKo
※94
いや一番人気ないやろ、穂乃カプの中ですら
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 19:40:44.84 ID:UUxr/tGaO
ことりがいたたまれねえ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 04:37:59.63 ID:aMAb0bVGo
ことりちゃんのは最後に特大のエピソードが来るはずだから…
100 :なんだかんだこのルートが一番長くなった可能性があります [saga]:2016/02/02(火) 04:47:59.64 ID:owlfbFgk0


◇――――◇





一ヶ月半後




ことり「え、穂乃果ちゃんに求められたらどうすればいいか……?」


ことり「……」

ことり「い、いやちょっと驚いただけだよ」

ことり「急にどうしたの?」


ことり「もー……顔真っ赤にするくらいなら相談しないでよぉ……。こっちまで恥ずかしくなっちゃうよ//」


ことり「でも確か海未ちゃんて、前に自分から穂乃果ちゃんのこと誘って……」


ことり「そんなこと絶対しないと思ってたのに、海未ちゃんて実はちょっと……えっちだったりするの?」



ことり「な、泣かないで海未ちゃん! ごめんね、ことりが悪かったよ……」


ことり「じゃあさ、穂乃果ちゃんがどういう行動取るかわからないけれど、拒否しないことかな?」


ことり「そういうことしようとしてる時の男の人ってとっても傷つきやすいんだって。拒否するにしても、理由は言ってあげた方がいいよ」

ことり「それだけで大丈夫だよきっと」


ことり「穂乃果ちゃんの場合は脳と下半身が繋がってる……っていうのは言い過ぎかもしれないけれど――とっても性欲強いから、気をつけてね」


ことり「うふふ、すぐ顔真っ赤になっちゃってかわいいなぁ」


ことり「夜が上手くいかないと、恋人同士も上手くいかないって言うしね?」


ことり「ふふ、穂乃果ちゃんから色々教えて貰うといいと思うな♡」
101 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:49:02.65 ID:owlfbFgk0

◇――――◇

次の日



ことり「そ、それことりに相談、する……?///」




ことり「知らないよぉ……海未ちゃんとえっちがしたいならすればいいんじゃないかな……」


ことり「昨日海未ちゃんから相談受けたばかりなのに」ボソッ

ことり「え、ううんなんでもないっ」



ことり「というか……ぅぅ……そういうのは男の子同士で相談を……//」



ことり「こ、ことりならどうするか?」

ことり「うーん考えたこともない、けど……海未ちゃんの場合ムードとか意識して言葉にしないでしようとすると、なんとなく理解して貰えない気がするの」

ことり「不器用だからね」

ことり「だからぁ……えっちしたいって、ストレートに言う、かな?」

ことり「きゃー! そう言われた時の海未ちゃん絶対かわいい!! お顔真っ赤にしてえ、俯いて……」



ことり「うん、それがいいと思う……優しくしてあげないとダメだよ?」

ことり「ことりにするみたいに乱暴にしちゃダメ」

ことり「うん、わかってるよね。あはは、ごめんね今更こんなこと」

ことり「…………」


ことり「そんなに溜まってる、の?」



ことり(顔真っ赤、かわいい……♡)



ことり「ふふっ、じゃあお楽しみに♡」
102 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:49:52.02 ID:owlfbFgk0


◇――――◇

穂乃果の部屋


穂乃果「……」


穂乃果「んっ……」

海未「ちゅ……ふぁ……」

穂乃果「……」

穂乃果「海未ちゃん、あのね……今雪穂、いないんだ」

穂乃果「泊まりいってて」

海未「そ、そう、なんですか」



ギュッ


穂乃果(今日の海未ちゃん、なんだかいつもと匂いが違う、ような……)


海未「……?」//



穂乃果「えっち、したい」

海未「……/////」




穂乃果「っ……//」


穂乃果(いいってこと、かな……?)

穂乃果(そもそもこんなこと聞く自体がやっぱりおかしかったよね//)


ドサッ



海未「あ、あのっ……」

穂乃果「……」



海未「すみません、今日、は……」


穂乃果「え……?」
103 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:50:28.31 ID:owlfbFgk0
穂乃果「ごめん、嫌だったよね。ごめん………」スッ

海未「違うんです、嫌なわけじゃないんです、本当です!」

穂乃果「?」


海未「…………」




海未「今……生理中……なんです」


穂乃果「あ……」


穂乃果(だからなんかちょっと違う匂いしたのかな……?)


穂乃果「ごめんね気がつけなくて」


穂乃果(うぅ、どうしよう……もうその気になっちゃってたよ)ムクムク



海未「……あの」




海未「――今の私に出来ることは、ありますか?」



穂乃果「え……」



海未「…………教えて、ください」



穂乃果「でも」

海未「私はそのようなことが、良くわかりません……。何も出来ないままは……嫌なんです」



穂乃果「じゃ、じゃあ……さ」

104 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:51:10.70 ID:owlfbFgk0


◇――――◇


海未「………////」

海未「恥ずかしくて気絶、しそうです……」

海未「これが穂乃果の……」ジーッ



海未「はっ//」プイッ



海未「破廉恥です!!!!」


穂乃果「……」

穂乃果「こっちまで恥ずかしくなるんだけど」//

海未「すみません……。えっと、触ればいいんですか?」

穂乃果「うん」

海未(前見たものと少し形が違うような……)スッ


フニャフニャ


海未(あれ、少し柔らかい?)


海未(な、なるほど……ここから大きくなるということ、なのでしょうか)


穂乃果「んっ……♡」ムクムク

海未「うわ……」

海未(さっきより硬く……)



穂乃果「皮剥いて?」

海未「は、はい」

海未「こう、ですか?」ムニュ



穂乃果「それで、上下に」

海未「……」シュコ…シュコ

穂乃果「はぁぁ……♡」
105 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:51:48.44 ID:owlfbFgk0
海未「これで気持ちいいんですか……?」

穂乃果「うん、最初よりおっきくなってるでしょ?」

海未(前みたのと、同じです……)

穂乃果「続けて?」

海未「はい」

穂乃果「はっ……♡んっ♡」ビクッ

海未「痛かったですか!?」

穂乃果「え? 大丈夫だよ、気持ちよかったから」

海未「そうでしたか……」


海未(硬い……)

海未(このさきっぽを触ったら……)ピトッ

穂乃果「ひゃぁ♡」

海未(きっと、気持ちいいってことですよね……?)

穂乃果「うん、その調子」


シコシコ

穂乃果(人にされるの久しぶりだなあ……)


穂乃果(気持ちいいけど、ちょっと刺激が弱い、かなぁ……)


穂乃果(イケるかな……)



穂乃果「海未ちゃん、もう一ついいかな……?」

海未「なんですか?」


穂乃果「口でしてもらいたい、なんて……」

海未「く、くちですか……?」

海未「えっと……わかりました」

海未「くち……くち。えっと」



ペロッ

穂乃果「んんっ♡」
106 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:52:30.18 ID:owlfbFgk0
海未「ちゅ、んっ……ぺろ」

穂乃果「うん、気持ちいい……♡」

穂乃果(舌でされるのってこんな感じなんだぁ♡)

穂乃果(必死でかわいいなぁ……)

穂乃果「さきっぽがいい」

海未「ふぁい//」

海未「ちゅる……んちゅ……れろ……♡」

穂乃果「はぁ、あんっ♡」

海未(さきっぽ、こんなに赤く……ぱんぱんに……///)

海未(こんなに反って、血管も浮き出てとっても苦しそうです……なんとかしてあげなければ……)

穂乃果「ハァハァ……❤︎」


穂乃果(気持ちいいけど、舌じゃイケなそう……どうしよう)


穂乃果「咥えて?」

海未「え……」

海未「あ、む」

穂乃果「ふぁ……♡」

穂乃果「ありがとう」ナデナデ

海未「……んー///」

穂乃果「頭動かして?」

海未「……」


ググッ


穂乃果「――いたっっ!!!」

海未「え……あっ」ビクッ


穂乃果「……歯たてないでよぉ……」

海未「ご、ごめんなさいっ、大丈夫でしたか?」

穂乃果「うん……」

穂乃果「ごめん、教えなきゃだったね」

海未「いえ……教えられなくても分かるはずでした……」

穂乃果「……」

穂乃果「口でシテもらうのはまた今度にしようかな?」

穂乃果「手でお願い」


海未「すみません……」

穂乃果「ううん、大丈夫だよ」ナデナデ


穂乃果(痛くてちょっと萎えちゃった……)
107 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:53:14.46 ID:owlfbFgk0

◇――――◇


15分後

穂乃果「……そうだ、これ使お」

海未「?」

穂乃果「ローションだよ」





穂乃果(……ことりちゃんて、上手かったんだなぁ……すぐイッちゃってたもん……)

穂乃果(穂乃果早いと思ってたけど、そうでもないのかな……)

穂乃果(ことりちゃんが上手すぎただけ?それとも海未ちゃんが――)


穂乃果(ううん、教えていけば問題ないよっ)

穂乃果「これ垂らすと、ぬるぬるになるの」ベチャァ

海未「……うわ」

穂乃果「これでして?」

海未「はい、がんばり、ます……」

穂乃果「そんな改まらなくても」

穂乃果(これでいけなかったらどうしようかな……)
108 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:53:48.49 ID:owlfbFgk0


◇――――◇

20分後

穂乃果「はぁ、はぁ♡」

穂乃果(だめだ、なんかもうちょっと足りない……ちょっと刺激が弱すぎるな……)

穂乃果(どうしよう、もう少しな気がするんだけど、さっきからずっとこんな感じ……)

海未「……」グチュグチュ


穂乃果「……」スッ




ピタッ


穂乃果「――あの、海未ちゃん。今日はもういいや」


海未「え……ま、間違っていましたか?」アタフタ

穂乃果「ううん、なんだか今日は調子よくないみたい……ごめんね?」


海未「そうなんですか」


海未「……」

穂乃果「悪いのは穂乃果だから、大丈夫だよ?」

海未「はい……」

穂乃果「ティッシュで拭いて」

海未「……」ゴシゴシ




穂乃果「――トイレ、行ってくるね?」

海未「あ……」


海未「……」
109 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:54:18.99 ID:owlfbFgk0



◇――――◇

トイレ



穂乃果「こんな、かんじかな……んぁぁ♡」グチュグチュ

穂乃果「んっぁ♡」

穂乃果「……ぃ♡」ガクガク


穂乃果「ふぁっぁ♡♡」ビュクッビュクッ


穂乃果「はぁっ♡はぁっ♡♡」

穂乃果「……」

穂乃果「……なんでひとりでしちゃったんだろ」


穂乃果(……海未ちゃんに色々教えよう。海未ちゃんのこと、好きだし)





海未「…………」キキミミ


海未「やっぱり、私じゃ……」

海未「満足させてあげることもできないなんて……」

海未「ことりならきっと……」


海未「っ…………」

ガチャ

穂乃果「……あれ海未ちゃん?」

海未「なんでもないですっ!」

穂乃果「部屋戻ろ?」

海未「はい……」
110 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:55:09.34 ID:owlfbFgk0

◇――――◇

穂乃果「……ぎゅー」

海未「ん……痛いですよ//」

穂乃果「二人きりなんだからいいでしょ?」

海未「はい……」


穂乃果「……さっきから暗い顔してる」

海未「だって」

穂乃果「うん」

海未「……私はこれから先、穂乃果のこと、満足させてあげられないのかもしれないと思うと」

穂乃果「……海未ちゃんは穂乃果とそういうことするの、嫌じゃない?」


海未「は、恥ずかしいですけど……嫌では、ないです」///ボソボ



穂乃果「じゃあまた今度しよ? 今度は色々勉強、してから!」

海未「勉強?」

穂乃果「そういうことの!」


海未「……///」

海未「……教えてくれるんですか?」


穂乃果「うん、だって……海未ちゃんと、そういうこと……したいから//」


穂乃果「あ! そ、そういう目でしか見てないってことじゃないんだよ!? ほ、本当に好きだから……」


海未「わかっていますよ」


穂乃果「じゃあもう遅いし、寝よっか!」

111 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:56:18.95 ID:owlfbFgk0

◇――――◇

雪穂「……」

穂乃果「おはよう雪穂」

雪穂「うん」

雪穂「行ってきまーす」

穂乃果「……」


穂乃果(雪穂……冷たいな)

穂乃果「はぁ、行ってきまーす」




海未「おはようございます穂乃果」

雪穂「……じゃあ海未ちゃん、またね」

穂乃果「……行ってらっしゃーい」

雪穂「……」タッタッ



海未「まだ仲直りしていないのですね」

穂乃果「だって……」


穂乃果「仲直りしたい、けど。雪穂また違う彼氏作ったみたいで忙しいみたいだし」

海未「でも」




穂乃果「――仲直りしたいに決まってるじゃん!! でも、謝っても許してくれないし!」



海未「……」



海未(……ずっと悩んでいたんでしょうか)


穂乃果「……ごめん」

穂乃果「……海未ちゃん、海未ちゃんを、こんなことに巻き込みたくないけど……力、貸して欲しい」


海未「……」

海未「穂乃果がそう言ってくれるのを、待っていましたよ」

穂乃果「え……」

海未「私は、何度も協力すると言いました」

海未「でも穂乃果は大切なことになるといつも一人で抱え込んで、私たちのことを頼ってくれません」

海未「私はいつも助けられているというのに」

海未「頼ってくれて、ありがとうございます。二人でがんばりましょうね」

穂乃果「海未ちゃん……ありがとう」
112 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:56:54.89 ID:owlfbFgk0


☆――――☆


 高坂穂乃果のことが、好きだった。

だらしなくて、喧嘩もたくさんして、でもいつも一緒にいた。誰よりも長い時間を過ごしていたはずだった。兄のことを、心から好きだった。自慢の兄だった。

 ――家族として、好きだった。



 高坂穂乃果のことを、好きになった。

穂乃果が絢瀬絵里さんと付き合い始めた時から、変化を感じていた。二人でどこかへ行くことはほとんど無くなった。私と話していてもすぐに携帯を開いたり、違うことを考えだしたりした。わかりにくいかもしれないけれど、私ははっきりとわかってしまった。強烈な違和感に、なぜか強い不安を当時小学生だった私は感じていた。


 穂乃果が絢瀬絵里さんと別れたら、穂乃果はまた前みたいに戻ってくれた。一緒に買い物をしたり、でもそれも短い間だった。絢瀬絵里さんと別れた後も穂乃果は、少しの感覚を開けて付き合っては別れるを繰り返していた。誰かと付き合う度、最初に感じた違和感が戻ってくる。不安になって、別れてくれたら安心する。そんな生活が続いて、それがなんなのかわからないまま私は穂乃果と同じ中学校に入学することになった。


 そこには私の知らない穂乃果がいた。


 当時付き合っていた……名前はわからないけれど、可愛かった彼女さんと穂乃果は学校でいつもイチャイチャしていた。幸せそうに笑う笑顔は私に向けたことがないもので、それを見てしまった瞬間……私は穂乃果のことを好きだったんだと気がついてしまった。絶対に踏み入れてはいけない領域だとも、その心と一緒にわかった。
113 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:58:09.39 ID:owlfbFgk0

 ――それでも私は穂乃果のことを、異性として好きになった。


 お兄ちゃんと呼ぶのをやめたのも、その頃からだったと思う。今まで通りお兄ちゃんて呼んでいたら、私は私の心を否定することになってしまう。気がついた時には心の大部分を占めていた想いを、否定することなんて出来なかった。叶わないって分かっていたのに、認め切れなかった。


 それが悔しくて、今の立場にいたらただの妹でしかないのが辛くて。私は次第に穂乃果に対する当たりが強くなっていった。余計離れるだけって、わかってるのに。





雪穂「えー、なんでそんなことしなくちゃいけないのさ」

雪穂「……つまんない、帰る」



 同じ学校に通っている一つ上の先輩と付き合って二回目のデート。ちょっとかっこいいかなーって思って愛想よくしゃべったら……うまい具合に告白してくれた。うまくいきすぎたかなあって気もするけれど、穂乃果もこんな感じで彼女作ってたのかな。私もやれば出来るじゃん。


 でも、なんかこの人は違うかな。私に見る目はないのかな。

 背を向けて家に帰ろうとすると、彼氏が腕を掴んできた。



雪穂「離してっ」



雪穂「……もういいよ、別れよ」


 穂乃果なら、もっと楽しいとこ連れてってくれる。穂乃果ならもっと楽しい話、してくれる。穂乃果なら、穂乃果なら――。

 今のところ、どんな男の人と居ても頭に浮かんでくるのはそればかり。今は海未ちゃんっていう彼女がいて、私の想いなんて叶うはずもないのに、その呪いから逃れられない。




 ――ただ、逃れよう、と思ってないだけなのかもしれないけれど。
114 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:58:50.73 ID:owlfbFgk0


◇――――◇



海未「穂乃果」

穂乃果「んん……」

海未「もう夕方ですよ」

穂乃果「もうちょっとぉ」

海未「そんなにお昼寝をしてたら、夜眠れなくなってしまいます」

穂乃果「うーん……」

海未「ほら」

穂乃果「はーい……」ムクッ

穂乃果「雪穂帰ってきてるかな?」

海未「いえまだ」

穂乃果「そっか」

穂乃果「今日も遊び行ってるのかな」

穂乃果「下降りてよっか」

海未「そうですね」
115 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 04:59:33.91 ID:owlfbFgk0

◇――――◇

雪穂「ただいまー」


ガラッ

穂乃果「お、おかえりー」

海未「お邪魔してます」

雪穂「こんにちは海未ちゃん」

穂乃果「……」

雪穂「」スッ

穂乃果「ちょ、ちょっと待って!」

雪穂「なに?」



穂乃果「……どこ行ってたのかなーって」

穂乃果「ほら最近よく遊びに行ってるでしょ? なにしてるか気になって」

雪穂「別に、関係ないでしょ」

穂乃果「……」ブチ

雪穂「じゃ」



穂乃果「……関係なくないじゃん」



海未「穂乃果……?」


穂乃果「最近の雪穂おかしいよ!! ううん、思い返したら最近じゃないもっと前からだったのかもしれない。一体どうしたのさ!? 穂乃果のことそんなに嫌いなの!?」


雪穂「……なに急に熱くなってんのさ」



雪穂「私がどこで、なにしてたって穂乃果に関係ある!?」

海未「ちょっと二人とも……」


穂乃果「あるよ! 雪穂がもし危ないことしてるんだったら、心配するでしょ!? もし連絡無しで帰ってこないなんてことがあったら大変なんだよ!?」


雪穂「……心配、なんて」




雪穂「――私のことなんて、どうでもいいくせに!!!」
116 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:00:16.04 ID:owlfbFgk0



穂乃果「え……?」

雪穂「っ……」

ダッ


穂乃果「雪穂!!」

穂乃果「……わけ、わかんないよ」


海未「……」

海未「私が話を聞いて来ます。穂乃果は待っていてください」


◇――――◇


雪穂「……心配、してくれてたのに」

雪穂「なにしてるんだろ……私」

コンコン

雪穂「……っ」

海未「――雪穂」

雪穂「海未、ちゃん? どうしたの?」

海未「雪穂、入ってもいいですか? 私一人です」


雪穂「……いいよ」


ガチャ


雪穂「ちょっと散らかってるけど」

海未「私でもこのくらいになるときもありますよ」

雪穂「そうなの?」

雪穂「あ、そこ座って」

海未「失礼します」
117 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:01:01.56 ID:owlfbFgk0
雪穂「ごめんね、変なとこ見せて」

雪穂「――最近仲悪くて、さ。穂乃果から聞いてるかな」

海未「ええ」

海未「いつからなんですか?」

雪穂「二ヶ月くらい前だったかな、正確には覚えてないけれど」

雪穂「まあ私が変な維持張ってるだけだよ」

雪穂「で、どうしたの?」

海未「はい、実はそのことなんです。――穂乃果と、仲直りしてもらえませんか?」

雪穂「っ」


雪穂「……なんだ、そのことなんだ」

海未「少し前に穂乃果に喧嘩しているという話を聞いてから、しばらく見ていました。……やはり二人には仲の良い兄妹でいて貰いたいのです」

海未「私が口を出していいことではないのかもしれません。でも……辛そうに見えるんです。二人とも」

雪穂「……私は別に」

海未「少なくとも……穂乃果は、辛そうです」

雪穂「そんなわけないよ……だってあいつ楽しそうにしてるじゃん。海未ちゃんと付き合って、嬉しそうだよ」

海未「こんなこと言っていいのかはわかりませんが……私と二人でいるときも雪穂の話をするんですよ」

海未「話しかけたけれど、無視されちゃったって落ち込んでいることもしょっちゅうでした」

雪穂「……」
118 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:02:16.33 ID:owlfbFgk0
雪穂「海未ちゃんがそういう話、聞いてくれてたんだ。ありがとう。……やっぱり海未ちゃんは優しいね」

雪穂(自分のことしか考えてない私とは全然違う……)

雪穂「二人が羨ましいな」

海未「?」

雪穂「穂乃果には海未ちゃんみたいな優しい彼女がいて、海未ちゃんは――穂乃果と付き合ってて」

雪穂「本当に羨ましい」

海未「……?」

海未(……? 私が穂乃果と付き合ってることが、羨ましい……?)


海未「穂乃果と付き合ってて、羨ましい……? 」

雪穂「へ」


海未「雪穂もしかして、穂乃果のことが――」

雪穂「ち、違うの! えと、あのっ」

海未「……」

雪穂「はあ」

雪穂「……気持ち悪いでしょ? 海未ちゃんが思ってる通りだよ。――私は穂乃果のことが好きなの」


海未「……それは、異性として、ですよね」

雪穂「うん」

海未「……そうだったんですか」

雪穂「いつからだったかな。穂乃果に彼女が出来始めた時からかな、急に構って貰えなくなってさ、しばらくしてから好きなんだって気付いたの」

雪穂「でもさー私たち兄妹だから、無理なんだもん。それを認めたくなくってさ、お兄ちゃんって呼ぶのもやめた」

海未(なるほど……だから雪穂は、穂乃果に彼氏のことでからかわれたりすると、激怒したんですね)


海未(好きな人から……そんなことを聞かれたら、辛かったでしょうね)

海未「言わないんですか」
119 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:03:18.26 ID:owlfbFgk0
雪穂「言えるわけないよ、こんなこと」


雪穂「気持ち悪いじゃん……」

海未「そんなことありません、誰かが誰かを想う気持ちに、気持ち悪いだなんて!」

雪穂「お世辞でも、ちょっと嬉しい」

海未「お世辞じゃありません、信じてください!」

雪穂「……ありがと」

雪穂「でも、さ。今は海未ちゃんの彼氏だよ、海未ちゃんのことだけ考えてくれた方がいいでしょ?」

海未「確かに私のことを見てくれないと、少し辛い時もあります。でも誰に対しても明るく振舞って、笑顔にするのが穂乃果ですから」

雪穂「――じゃあ、穂乃果と別れてよ」

海未「……え」

雪穂「私が伝えるってことは、そういうことでしょ?」

海未「……」

雪穂「ふふっ、冗談だよ。海未ちゃんと穂乃果お似合いだもん」


海未(……嫌味を言ったのと、同じでした)

海未「すみません……」

雪穂「ううん、ありがとね」



雪穂「――私、やっぱり穂乃果と兄妹なんだよ。恋人にはなれない。海未ちゃんにこの話して、やっと自覚出来た」



雪穂「――お兄ちゃんに、謝るよ」

雪穂「……海未ちゃんにも心配かけてごめんね」
120 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:03:44.18 ID:owlfbFgk0
海未「雪穂」

雪穂「あー……なんかスッキリしたかも」

雪穂「穂乃果のこと、呼んで来てくれるかな?」

海未「はい」



スッ

ガチャ

雪穂「はぁ」

雪穂「話しちゃった……」

雪穂「でもなんだか楽になったかも。私は誰かに話したいだけだったのかも、ね」

雪穂「お兄ちゃんって呼ぶのちょっと恥ずかしい、な」


〜〜〜〜♪


雪穂「……!?」


雪穂「家の前、来てるって……嘘!?」
121 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:04:29.67 ID:owlfbFgk0

◇――――◇


穂乃果「雪穂の部屋に行けばいいの?」

海未「はい、話があるって」

穂乃果「……なに話してたの?」

海未「女性限定のお話です」

穂乃果「なにそれぇ」

海未「とにかく、行きましょう」

穂乃果「うん」


スタスタ

海未「頑張ってください」

穂乃果「うん」

コンコン


海未(私は結局なにもしてあげられませんでした。雪穂が一人で答えを出してくれたから良かったものの……)


海未(穂乃果なら……)


穂乃果「あれ?」



穂乃果「……雪穂ー入るよ?」

ガチャ


穂乃果「――雪穂?」

穂乃果「あれ、いないよ!?」


海未「え!?」


海未「さっきまでここに……」

穂乃果「トイレかな?」

穂乃果「ちょっと待ってみようか」
122 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:05:29.98 ID:owlfbFgk0


――――

穂乃果「家の中探してみるね」

海未「私も行きます」


――――

海未「いませんね……電話も繋がりません」

穂乃果「外かな? 玄関から出たならすれ違ってるはずだし……」

穂乃果「――裏口から……?」

海未「なるほど入れ違いで裏口からでていった可能性もありますね」

穂乃果「雪穂あっちにも靴置いてるから見に行こ!!」



ダッタッ


穂乃果「やっぱり無いよ出ていったんだ」

海未「でもどうしてこのタイミングで」

穂乃果「……なんか、嫌な予感する。探しにいこ!!」

海未「はい!」

穂乃果「海未ちゃんその靴頑張ってはいて!」

海未「わかりました」


ガチャ



穂乃果「どっちだろう……」

海未「――穂乃果、これ!!」

穂乃果「雪穂の、携帯……? なんでこんなところに!?」

海未「やっぱり何かあったんじゃ……」

穂乃果「探さないと!」

海未「でもどこへ――」



雪穂「きゃーっ!!! ――んっ」


穂乃果「……雪穂!?」

穂乃果「雪穂の声だ……多分あっちの角から、だよね?」

海未「はい……」


穂乃果「行こう!」
123 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:06:32.91 ID:owlfbFgk0
海未「っ……」キュッ

穂乃果「大丈夫、穂乃果がついてるから。何かあったら逃げて?」

海未「いえ……大丈夫、です」


タッタッタッ


 角を曲がって袋小路にたどり着くと、制服を着た三人の学生の後ろ姿が見えました。直後、私より前にいた穂乃果が雪穂の名前を叫びます。私には見えませんが、きっとあの中心には雪穂がいるのでしょう。

 私は一歩を踏み出すのでも、怖いのに……穂乃果は恐れなど感じさせず振り向いた男子学生に迫っていきます。……音ノ木中の制服が一つと西高の制服が二つ。音ノ木の制服を着た背の高い人が、雪穂の手をがっしりと掴んでいました。


穂乃果「雪穂になにしてるの、嫌がってるじゃん」

雪穂「穂乃果!?」


 三つの鋭い眼光が穂乃果に向けられ、そのうちの一人が口を開きました。誰? お前には関係ないだろう、と。

雪穂「そ、そうだよその人は関係ない! だから……なにもしないで」

 雪穂の声は、震えていました。掴まれている手を振り回し抵抗するも、音ノ木の生徒が怒鳴りつけ、動きを止めます。



穂乃果「……雪穂の兄だよ」

 聞いたこともないような低い声。

 西校の一人が穂乃果に迫ります。雪穂がわけのわからない理由をつけてその生徒の後輩であろう、音ノ木の生徒を振ったというのです。

穂乃果「……その人に魅力がなかったんじゃない?」
124 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:07:17.58 ID:owlfbFgk0
穂乃果「どうでもいいけど、雪穂にひどいことしようとした時点でそっちが悪いよね」

海未「穂乃果……」

 その後も相手の言葉に挑発するような言動で返し続ける穂乃果は、私が知っている穂乃果とは別人のようでした。

 気がつけば西校のもう一人が私の目の前にいました。


海未「な、なんですか……」

 怖い……怖い。



 ――こっちの子もかわいいじゃん、奢るからどっか遊びに行こうよ、と。私に手を伸ばして来た瞬間でした。



穂乃果「やめろっ!!!」


 袋小路に怒号が、響きます。一人が穂乃果の胸ぐらを掴んでぐいっと持ち上げると穂乃果の口から鈍い声が漏れ出します。


穂乃果「うぐ……二人に手……出したら許さない、から」


雪穂「やめてっ!! お兄ちゃんを離して!!」


海未「や、やめてくださいっ……!」


 
 ここで喧嘩なんかしたら、穂乃果が一方的に……。穂乃果の苦しそうな顔を見て笑うと、そのまま穂乃果を地面に放り投げてしまいました。
125 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:08:34.79 ID:owlfbFgk0
穂乃果「うっ……」

海未「穂乃果!!」

穂乃果「いった……」


海未「大丈夫ですか!?」


 
 私が駆け寄ると腕を抑えていました。穂乃果は腕をコンクリートに擦ったせいか、皮が剥け少し血も出ています。それでも歯を食いしばって相手のことを貫くような視線で立ち上がろうとします。


 もうやめてください。私が叫ぼうとした時でした。

 急に三人の学生達は、雪穂から離れ私から離れ穂乃果から離れていきました。捨てセリフのように、叫ばれると面倒だからもう行こう、と。確かに今私や雪穂が思いっきり叫び続けたら誰かが来て、この人たちにとっては面倒なことになっていたかもしれません。私たちはその行動によって救われることになったのですが。



穂乃果「待ってよ! 雪穂に手、出したら絶対許さないよ」


 穂乃果は立ち上がり、音ノ木の生徒の背中にそう投げかけます。すると隣にいた西高の生徒は、あんなのよりもいいの紹介してやるから、と音ノ木の生徒の肩を叩きます。それがその人たちの最後の言葉でした。袋小路を右に曲がってしばらくすると途端に私は足に力が入らなくなってその場に座り込んでしまいました。


雪穂「お兄ちゃん、大丈夫!?」


穂乃果「……雪穂こそ、大丈夫だった? 怪我ない?」

雪穂「うん……ごめんねっ、私のせいでっ!」

雪穂「海未ちゃんも、ごめんっ……」
126 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:09:47.45 ID:owlfbFgk0


穂乃果「はぁ……怖かった……本当に」

穂乃果「雪穂も、怖かったよね」

雪穂「……うん」

ギュッ

ナデナデ

雪穂「///」

穂乃果「全く、手のかかる妹を持っちゃうと大変だね」

雪穂「い、いつもはお兄ちゃんのほうが……手、かかってるし」


穂乃果「確かにそうかも。じゃあ今までのお返しってことで」

雪穂「……ありがと」

雪穂「あの、お兄ちゃ――」

穂乃果「お兄ちゃんって呼ばれるの、いつぶりかな」

雪穂「///い、いいじゃん別に!!」

穂乃果「うん、嬉しいけど」

雪穂「……あの、ごめんね。最近変な態度取ってて」

穂乃果「穂乃果が変なこと色々言ったから、だよね? 雪穂のことなんにも考えてなかった、ごめん」

雪穂「ううん、お兄ちゃんは謝ろうとしてくれてた……私も、悪いよ」
127 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:10:14.37 ID:owlfbFgk0
穂乃果「じゃあどっちも悪いね」

雪穂「そう、だね」


スッ

穂乃果「海未ちゃんも大丈夫?」

海未「はい……なにもできなくてすみません」


穂乃果「ごめんねーもっと穂乃果が頼りになれば怖い想いさせなかったのに」


海未「そんなことありません! かっこよかったですよ」

穂乃果「……じゃ、帰ろっか」

雪穂「うん……」

128 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:10:42.08 ID:owlfbFgk0


◇――――◇


穂乃果「いやー……いったいなぁ」

海未「擦りむいただけで終わってよかったですよ」

穂乃果「そうだよね、殴られそうだったし」



海未「――絆創膏貼っておきますね」ピタッ

穂乃果「んっ、ありがとー」

穂乃果「なんだかんだ、雪穂と仲直りできたのかな」

海未「もう大丈夫だと思いますよ」

海未「格好良かったですよ」

穂乃果「そう、かな///」

海未「はい」


海未「……あの、穂乃果。そういえば雪穂のことで話があるのですが」

穂乃果「?」
129 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:11:35.34 ID:owlfbFgk0


◇――――◇



穂乃果「雪穂ー!!」

雪穂「なにー?」
 
穂乃果「降りてきてー!!!」

雪穂「……なんだろ一体」


 穂乃果の声のする方に進んでいく。リビングを抜けて、え、どっち?

 縁側?



雪穂「あれ海未ちゃんは?」

穂乃果「もう帰ったよー」

雪穂「泊まっていかなかったんだ」

雪穂(話したいことあったのに)

雪穂「で、どうしたの?」

穂乃果「ふふふ、じゃーん!!」


雪穂「え……」

穂乃果「雪穂、したがってるって聞いたから」


雪穂「線香……花火」


雪穂「海未ちゃんから聞いたの?」


穂乃果「うん、ごめんね毎年買ってくるって言ったのに忘れちゃってて」


穂乃果「夏はもう終わっちゃったけど、やっぱり雪穂とこれ、したいなって」


雪穂「お兄ちゃん……」
130 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:12:17.15 ID:owlfbFgk0
穂乃果「ふふっ今年の穂乃果は一味違うんだから!」


 穂乃果はそう言ってロウソクに火をつけて、ばりってちょっと乱暴に袋を開けた。その調子じゃ、またいつもみたいにすぐに落としちゃいそう、なんて考えたら去年のことを思い出して楽しくなってきた。


雪穂「いつの間に?」

穂乃果「さっき走って買ってきた!」

雪穂「無理しないでよ?」

穂乃果「へーきへーき」


 私も線香花火を一本取って、火をつける。ゆらゆら揺れる火花が、まるでさっきまでの私の心を映し出しているみたい。

雪穂「心配かけてごめんね」

穂乃果「大丈夫、何かあったら絶対言うんだよ」

雪穂「うん」


穂乃果「――あっ!」


雪穂「……早いよ落とすの」

穂乃果「ちょっと油断してただけだもん」

雪穂「あっ……」

穂乃果「ほら雪穂だって」

雪穂「感覚、忘れてただけ!」



 もう一本、もう一本。お兄ちゃんと私は次々線香花火に火をつけていく。私の中では毎年の行事で、今年も結局することになった。時期はちょっと違うけれど、必死になって線香花火を見つめるお兄ちゃんの顔が好きだったりする。
131 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/02(火) 05:13:02.87 ID:owlfbFgk0


 海未ちゃんに聞きたかったな。どうやって告白したんだろうって。私も告白、していいのかなって。


 もちろん海未ちゃんからお兄ちゃんを取る気なんてないし、取れるとも思ってない。でもどこかで愛は一方的に贈るものだって見たんだ。私の気持ちは愛なんて言う大それたものじゃないのかもしれないけれど、お兄ちゃんを想う気持ちだけはきっと本物だから。


 お兄ちゃんって呼ぶのに抵抗が少しずつなくなってきてる。でもお兄ちゃんのこと好きって気持ちはまだあって、でもその好きは……どんな好きなのかは私の中で少しずつ濁り始めている。海未ちゃんにこのこと告白したせいかな、なんだかすっきりしちゃったから。

雪穂「ねえねえ」

穂乃果「ん?」

雪穂「――好き」


 ポトン、と線香花火が落ちる。一瞬の静けさにお兄ちゃんは目を見開いた。


穂乃果「ほ、穂乃果も好きだよ?」


 きっとお兄ちゃんはこのことを言っても軽蔑するような人じゃない。軽蔑されてしまったとしても、私はやっぱり言うことに価値があると思うんだ。付き合うとか付き合わないとか、そんなのはどうでもいいの。


雪穂「私の好きはきっとお兄ちゃんが思ってる好きとは違うよ。お兄ちゃんが、海未ちゃんに向けて思ってる気持ちと、おんなじ」


穂乃果「え……?」


雪穂「兄妹、なのにね。好きになっちゃった」
712.86 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)