小林オペラ「この裁判の逆転の逆転の逆転」

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267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:13:45.73 ID:glmQMlbHO


→証拠ファイルD御子柴さんの写真を突きつける



小林「この写真に、二人の女性が写っています。御子柴さんとその母親です」

小林「そして、その母親の顔には大きく赤い×で顔が潰されています」

篠田「…………」

小林「御子柴さんは、誰かに脅されていたんじゃないですか?」

小林「そして母親を人質に脅迫され、このようなテープを撮った」

篠田「…………」

小林「更に、このテープは誰かの手によってへし折られていました」

小林「あのテープを撮り終えたのが御子柴さんが意識を失った後でしたら、へし折る事が出来たのは第三者です」

小林「このように悪意を持ってへし折る事が出来た人物……それは」



268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:14:14.28 ID:glmQMlbHO


→篠田久留美(16)を突きつける



小林「真田さんは、御子柴さんの部屋の鍵を持っていなかった。故にこのテープをへし折るどころか発見する事さえ難しい事でしょう」

小林「事件当日、このテープをへし折る事が出来たのは、それ以前も部屋に入る事が出来た篠田さん…貴方しか居ないんですよ」

篠田「…………」

小林「…篠田さん」

小林「検察側の言う通り、この事件で最も怪しいのは貴方しかいません」

小林「顔の分からない御子柴さんとずっと一緒に居た貴方。僕からみても明らかにおかしい」

小林「それでも、まだ議論すべき箇所があるので認めたくはありませんが…」

篠田「…………」

小林「篠田さん、どうか本当の事を喋って下さい」

篠田「……………」

篠田「……そうですね」

篠田「もう、そろそろですし良い頃合ですか」

小林「?」

篠田「うん。まぁその通りだよ。私が一番怪しいかもしれませんね」

篠田「だって、御子柴ちゃんを殺す計画を立てたのは私ですから」

小林「!!」

姫百合「なっ……!」

コーデリア「なんですって…!?」

269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:15:40.99 ID:glmQMlbHO



→【真犯人】



篠田「でも、直接殺したのは私じゃないんですよ。もう一人居たんです」

篠田「私のもう一人のお友達というのでしょうか。いえお仲間さんと言うべきでしょうか」

小林「その仲間は今どこに居るんですか!?」

篠田「やだなぁーまだお仕事中ですよ。わざわざ言う筈無いじゃないですかーあはは」

姫百合「仕事…!?」

コーデリア「そっ…そもそも!どうして御子柴さんを殺したんですか!?」

コーデリア「大切なお友達だったんでしょう!?」

篠田「んー、ちょっと違いますね。計画に使う道具みたいなものでした」

小林「……!!」

篠田「御子柴ちゃんの家庭知ってます?私から見ても結構エグイんですよ」

篠田「お父さんがギャンブル漬けで借金まみれになりまして。お母さんを日常的にDVしていたらしくて」

篠田「お母さんが一人で働いていたみたいですけど、とうとう身体にガタが来ちゃいまして働けなくなったんですね」

篠田「借金も返せない。もう借りれないもので御子柴ちゃん。実の父親にストレスのはけ口にされて純潔を実の父親に奪われまして――」

コーデリア「もっ…もう止めて!止めてぇ!」バッ

篠田「まぁ、そんなこんなで父親はヤーさんい捕まってバラバラにされて。借金だけ残されたお母さんと御子柴ちゃんは変態に売られてね」

篠田「一時期、変態倶楽部に身を置いて働いてたんですよ。人間扱いされてなかったみたいですけど」

篠田「それで私たちが彼女たちを計画の為に買いまして。借金もチャラにしてあげるからって言う事を聞かせる事にしたんです」

ネロ「…………」ギリッ

篠田「まぁそこからですね!私がプロデューサーに紹介して夢だったアイドルにしてあげたんですよ!数か月後には殺される事を約束してね」

篠田「そのためにも友達を作らない事に念を押しましたし警告もしたんですけど…御子柴ちゃん。プロデューサーさんに惚れちゃって」

篠田「最後の最後で悩んじゃって、寝れないからって睡眠薬まで差し入れしたのに最後にやっぱり死にたくないって言って……」

篠田「仕方無いから、最終手段取らせて頂きました」

小林「それで…あのテープを!!」

篠田「あれは御子柴ちゃんが勝手にやったことですよ。まさか隠して録音していたなんて」

篠田「私も部屋に入った時ビックリしちゃって…思わず折っちゃいました♪」


270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:16:21.81 ID:glmQMlbHO

ダンッ

姫百合「どうして…どうしてそこまでして殺人事件を起こす必要があったんですか!!?」

篠田「それは私にも分かりませんよー。だって、上からの命令でもあったんですから」

小林「…!サイコパス……!!」

篠田「うん?あー知ってたんですね!いやぁ、前回前々回も失敗に終わってたんで。忘れてるかと思いましたけど」

篠田「おかげで、急いで殺人事件起こす必要があったんですよー。まぁ、私としても悲しかったんですよ?」

篠田「御子柴ちゃん。私けっこう好きだったんですから」

ネロ「何が……”好き”だ!!」ダンッ

ネロ「その無感情でそんな言葉口にするな!」

篠田「うーん。でもさすが名探偵さんですよね」

篠田「私たちの計画に、ここまでメスを入れて真実を透明にしてしまうんですもの」

小林「ああ、今まで違和感しかなかったからね…この事件」

小林「そして、君がこの事件の殺人に関わっている以上、無罪判決は絶望的な物になった」

小林「さすがの僕も、犯人の弁護は出来ても無罪判決は絶対にできない!」

小林「君は、受けるべき判決を受けるんだ!」バンッ

篠田「………それは、ちょっと困りましたね」

コーデリア「何が困りましたね…よ!人を殺したくせに!!」

篠田「一応、私たちの目的は最後まで小林オペラを裁判で勝たせること…なので」

篠田「それが達成しなくなるのは、ちょっと厳しいです」

小林「……何を、考えている?」

篠田「でも、大丈夫ですよ!ちゃんと手はありますから!」

姫百合「…どういう事ですか?」

271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:16:56.18 ID:glmQMlbHO

篠田「それを話す前に、二つ程質問良いですか?」

篠田「今日、茉莉音ちゃんと美樹ちゃんに会いました?」

ネロ「……?」

小林「いや、これから会いに行くつもりだよ」

篠田「そうなんですかー。それじゃぁもう一つ」

篠田「今日、エルキュールさんが居ませんけど、何かあったんですか?」

コーデリア「何かあったって…昨日の裁判で伸びちゃったから…」

小林「……まさかっ!!」

プルルルルルルルルルルルル   プルルルルルルルルルルルル


ネロ「! 小林のPDAから…」

小林「非通知……!」


ピッ
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:17:25.74 ID:glmQMlbHO

小林「もしもし……」


???≪小林オペラさんですね?≫

小林「そうですが。貴方は?」

???≪申訳ございませんが、その質問には答えられません≫

小林「……それじゃぁ」

小林「天城茉莉音と法条美樹…エルキュール・バートンはどこだ?」

ネロ「!?」

コーデリア「!?」

姫百合「!?」

???≪…さすがは名探偵。もう私達の取引を知っておられる≫

小林「くっ…!それじゃぁ…やはり…!!」

???≪はい。お三方の命と、篠田久留美の無罪判決。それらと交換条件で取引しましょう≫

???≪もし、仮にも無罪判決を勝ち取れませんでしたら……≫


バンッバンッバンッ!!


小林「!!やっ…やめろぉ!人質には手を出すな!!」

???≪はい。存じ上げております≫

???≪それと…警察などに報告せず、ご内密にお願いいたします≫

???≪それでは、明日の裁判…よろしくお願いいたしますね≫


ガチャンッ   プー…   プー……



273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:18:10.98 ID:glmQMlbHO

小林「…………」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

姫百合「…………」

篠田「私の弁護、引き受けて貰えますよね?小林さん!」

小林「…………」

篠田「まぁ、受けない選択肢は無いかもしれません!」

篠田「でも、だとすると真犯人は誰なんでしょう……プロデューサーの犯行が不可能だとしたら…」

篠田「……やっぱり私は、シャーロックさんが犯人だと思います」








コーデリア「この野郎ぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」








ダンッ   ダンッ     ダンッッッッ


≪面会室で規則違反が発生しました。被告人を収容します≫


ガラッ

ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ

コーデリア「このっ…!待ちなさい!!私が!!私がアンタを殺してやるわ!!私がぁあああ!!!」ダンッダンッダン

小林「コーデリア!止めるんだ!!」ガシッ

篠田「それじゃぁ名探偵さん!私の弁護!引き続きお願いいたしますね!!」ガララララララララララララ

篠田「私!信じてますからぁーーー!!」ガラララララララララララ



ララララ………



ガタァァァーン………



274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:18:38.98 ID:glmQMlbHO

コーデリア「…うっ……うっ…うぅ……」ポロポロポロ


コーデリア「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」ポロポロポロポロポロポロポロ……


小林「……………」

ネロ「…どうするの?小林」

ネロ「まさか今回の依頼人が…こんな奴だったなんて」

小林「…………」

小林(そうだ。この状況は…一体どうすれば良いんだ…?)

小林(当然、篠田久留美を無罪判決にしてはいけない…しかし、そうなってはエルキュールと天城茉莉音さんと美樹さんが……死ぬ)

小林(でも、篠田さんを無罪判決にするとしたら…共犯者扱いされているシャーロックが…今度は…!)

小林「………とにかく、G4の所に行こう」

ネロ「!」

姫百合「でっ…でも、警察に話したら……何をされるか…」

小林「向こうの目的は、篠田久留美の無罪判決だ。それが目的だとしたら、そう安易に三人を殺すことができない筈だ」

小林「勿論、隠密に行動してもらう必要もあるが。この手が最善手だ…」

姫百合「………」

小林(…いや、何を弱気になってるんだ僕は!)

小林(まだ希望が潰えたわけじゃない。まだ可能性がある筈だ!)

小林(シャーロックかエルキュールか、二人のうち一人を選ばなくてはならない。そんな選択肢を避ける手が!)


275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:19:10.42 ID:glmQMlbHO

【川澄芸能事務所 某時刻】



小林「神津!!」

神津「…小林か」

小衣「何?証拠品でも貰いに来たの?」

咲「悪いけど、あんまり有効な証拠は見つからなかったよぉ〜…。さすがに謎だらけな殺人は伊達じゃないね〜」

ネロ「今はそんな事気にしてる暇は無いんだよ!」

次子「おっおいなんだよ、そんなに慌てて…」

小林「…皆、聞いてくれ。僕は君たちに助けを求めたい」

小衣「はぁ!?何で小衣達があんたらの助けにならなきゃいけないのよ!」

姫百合「明智警部!これは深刻な話なのです!」

神津「…良いだろう。言ってみろ小林」

小衣「ええ!?ちょっとぉ!警視ぃ!」

小林「ありがとう。神津…」

276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:19:49.78 ID:glmQMlbHO



小林(僕たちは、留置所で篠田久留美に聞いた事を全て話した)




G4「「「「………っ!?」」」」

平乃「それは…本当の事なんですか?」

咲「……マジ?」

神津「…小林、それは本当の事か?」

小林「ああ。おそらくは間違いない」

姫百合「先ほど、エルキュールさんの居る医務室に電話をかけさせて頂いたのですが…姿が確認されなかったそうです」

小衣「うっ…嘘……」

次子「…だったら、こんな所でチンタラやってらんねぇだろ!今すぐ横浜全警察に指令をかけて…」

小林「それはダメだ!奴らに警察が関与している事がバレたら…三人の身が危ない!」

咲「……否定できないよね。今までの事件からして、ヒョッとした拍子で殺されそうだし」

平乃「……………っ」

神津「……分かった。俺達だけで何とかしてみせる」

小林「…すまない神津。恩に着る…!」

神津「G4!今すぐ人質三人と誘拐犯の居場所を捜索だ!」

神津「小衣は指揮!次子は周辺の捜査、平乃も次子の後に続け。咲にはAからDまでの探索装置の使用の許可を与える」

G4「「「「了解!!」」」」

神津「…悪いが小林。情報の提供は明日の裁判に持ち越しだ」

小林「…ああ」

神津「G4!捜査開始!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダ……


小林「…………」

ネロ「…僕たちはどうするの?」

コーデリア「私たちも…エリーの捜索を!!」

小林「…その前に一つ…やらなきゃいけない事がある」


277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:20:29.30 ID:glmQMlbHO



【横浜サイコパス専用留置施設 某時刻】



ガタンッ!

ガタンガタンガタンガタンガタンッ!


ウィーン……パラパラパラ



真田P「……………」

小林「…こんにちは真田さん。先日はどうもすみませんでした」

真田P「…!その声は…小林オペラさんですか?」

真田P「いえ、その…私も警察に補導されるのは初めてではありませんから…この身なりですし」

小林「………今回は、貴方への告訴を取り下げに来たのです」

真田P「…!?一体…どういう事ですか?」

小林「はい。全てをお話し致します」



278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:21:10.74 ID:glmQMlbHO


→【理由】



小林(僕は、真田さんに篠田久留美に聞いた事を全て話した)



真田P「…まっ…まさか…!そんな……ことが…!!」

小林「申し訳ありませんが、事実です」

ネロ「そうだよ!あの女は全部だましてたんだ僕たちの事も!アンタの事も」

コーデリア「これは!見逃すことが出来ません!」

小林「篠田久留美は、サイコパスの仲間だった。そして御子柴さんは、彼女に脅されていた」

小林「それが、まごう事無き真実なのです」

真田P「……………」

真田P「……」

真田P「…小林オペラさん」

小林「はい、なんでしょうか?」

真田P「もしそれが本当の事だとしたら、私の告訴は取り下げないで貰えますか?」

小林「!?」

コーデリア「……えっ?」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:22:21.13 ID:glmQMlbHO

小林「それは…どういうつもりですか?」

真田P「今、BRの人気の盛況の中にあります。その中で、メンバーの一人が殺人を犯したとなると」

真田P「事務所だけじゃない。そのメンバーにも大きな枷を背負う事となります」

真田P「彼女たちはここまで来るのに本当に努力したのです。私もプロデューサーとしてその努力は絶対に報われてほしい」

真田P「篠田さんの事は、先輩にもよく言っておきます。ですが、この時だけは…」

真田P「私に、全ての罪を押し付けてください」

小林「!?」

ダンッ

小林「そんな事…できる筈が無いじゃないですか!!」

真田P「…私は、彼女たちが一番のアイドルになる為なら。命を張る覚悟だってあります」

真田P「幸い、私のトイズは二つの事が可能です。車を動かすことも、人間を一人気絶させることも…触れずに行う事が出来ます」

真田P「私一人だけの犯行なら、事件の立証は難しくない上にシャーロックさんも潔白になる筈です」

小林「しかし…!篠田久留美はサイコパスで、御子柴華子さんも最後の証拠を…!」

真田P「良いんです。私は、彼女たちの努力を無碍にしたくありません」

真田P「私一人捕まれば全て丸く収まるのなら、喜んでこの身を牢獄に捧げます」

小林「…………(何で…)」

小林(何で僕は…この人を告訴してしまったんだ!!!)ダンッ‼‼‼

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:23:51.32 ID:glmQMlbHO

真田P「ですから…お願いです。私への告訴は取り下げないでください」

真田P「きっと、私が告訴されているこの時が裁判の役に立つ筈です。それに…」

真田P「私の告訴を取り下げれば、シャーロックさんやエルキュールさんの身が危ないのでしょう?」

小林「………………っ!!!」

小林(くそっ……くそっ!!!!!)ガンッ

真田P「私なら大丈夫です。刑務所の中でも彼女たちの姿はテレビで見られます。それだけでも十分幸せです」

真田P「ですから、あまり気を落とさないでください。どうか自分のやるべき事を…」

小林「……………分かりました」

小林「僕は、貴方の告訴は取り下げません」

ネロ「!?」

姫百合「こっ小林さん!?」

小林「しかし、”今は”……です」

真田P「………ありがとうございます。小林オペラさん」



カンッカンッカンッカンッ


≪面会時間の終了です。被告人は、この後取調室2へと移動します≫

ガコンッ

ガコン  ガコン  ガコン   ガコン


真田P「貴方の選択が、最高の結果をもたらすことを……」



ララララ………



ガタァァァーン………

281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:24:49.40 ID:glmQMlbHO

ネロ「………小林、本当に大丈夫なの?」

姫百合「大丈夫…なんですか?」

コーデリア「………教官」

小林「……ああ」

小林(……もし)

小林(もし…彼が犯人として告訴されても…無罪判決を取れるだろうか…)

小林(そんな事を…考えてしまった……)

小林(……)

小林(もし…明日の裁判が最悪な方向へと転んでしまったら…僕は選択しなければならない)

小林(無罪判決を捏造し、シャーロックを冤罪にするか。有罪判決を勝ち取りエルキュールを見殺しにするか)

小林(更にエルキュールの方には茉莉音さんと美樹さんも居る)

小林(……そんな状況になった時、僕は…)

小林(選んでしまうのだろうか?悪魔に魂を売って…彼を…真田さんを…?)



282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:25:30.08 ID:glmQMlbHO



小林(僕は、G4からの続報を待った)

小林(とにかく待って、待ち続けた)

小林(だけど、何一つ連絡が無いまま。いたずらに時間だけが過ぎていき……)

小林(とうとう、最後の裁判の時がやってきた……)

小林(12月23日…本来なら、アイドル達のクリスマスライブの有った日だ)

小林(その代わりに待っていたのは……膨大な”責任”と)

小林(”絶望” だった………)




【続く】
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/06/27(月) 20:25:59.41 ID:glmQMlbHO
今回はこれでおしまいです。
次回までもうしばらくお待ちください
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/06/27(月) 20:28:06.48 ID:glmQMlbHO
【証拠品の整理】



証拠ファイル@真田Pの名刺

【名前と連絡先と会社名が書かれている。何故か名前欄が小さい】


証拠ファイルAレッスンの先生の名刺

【名前と連絡先とスリーサイズと電話番号が書かれている。キスマークが大きく覆われている】


証拠ファイルB凶器?の壷

【中に被害者の血が溜まっていて、底に小さな穴が開けられていた】



証拠ファイルC割れたグラスとジュース

【篠田さんが飲んでいたと思われるジュース。中に睡眠薬が入っていた可能性が有り】



証拠ファイルD御子柴さんの写真

【写真には二人の人物が写っている。被害者と被害者の母親。母親の顔が赤い×印で潰されている】



証拠ファイルE壊れたカセットテープ

【誰かが真っ二つにした。中身の音声は、被害者の最後の音声が記録されている】



証拠ファイルF御子柴華子の解剖記録

【死亡推定時刻は12月20日午前2時前後。頭部を重量車のタイヤのような物で轢き潰されている以外に外傷は無い】



証拠ファイルG凶器のトラック

【事務所近くの空き地の上に放置されていた。血液は付着していたが、エンジンが動いた跡も指紋も無く、誰かが乗った痕跡が無い】



証拠ファイルH篠田杏子のトイズ

【”スローモー”視界に映った物の動きを遅く感じさせるトイズ】



証拠ファイルI睡眠薬

【被害者が常用していた。ジュースに溶かして飲んでいる】


証拠ファイルJ空き地と事務所の間の木

【空き地からも事務所からも、この木が邪魔して見る事が出来ない】


証拠ファイルK等身大アイドルポスター

【クリスマスライブに出演するアイドル全員分の等身大ポスター。物販で販売する予定だった】


証拠ファイルL隠しカメラの映像

【事件当日、殺人の瞬間が記録されている。】


証拠ファイルM天城茉莉音からのメール

【シャーロックを事件現場に呼び出したメール。待ち合わせ時間は午前2時】


証拠ファイルN冷蔵庫の血痕

【冷蔵庫にも血痕が付着していた。拭き取られた跡がある】
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 21:42:56.27 ID:GWmQqRfbo
おつ。
うーん、逆裁2を思い出す展開だなww
あれは歴代でも傑作に入るシナリオだった。
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 22:15:30.27 ID:8/OP/ymcO

先が気になる
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/27(月) 23:18:34.97 ID:/ZAxr8Cvo
いやぁ逆裁2は名作でしたねぇ、ラストの誰に何を見せるかがさっぱり分からなくてゲームオーバーになりまくったっけ

この展開だと遂に検事と協力する感じかな、どうなることやら楽しみ
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/28(火) 01:06:11.91 ID:CEq8nO950
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/28(火) 19:24:32.96 ID:9MYEyoPpo

ぞくぞくするシナリオですね
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/02(土) 20:57:03.69 ID:txMvtR7TO
今日の深夜、もしくは明日のいつかに投下予定です。しばらくお待ちください
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 00:16:07.35 ID:JVdHKdL4O
明日に投下いたします。申し訳ございません
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/03(日) 00:24:02.78 ID:gM7Bz7a9o
おう
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/03(日) 02:26:43.88 ID:3xhGqh7oo
待ってます!
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 17:30:19.77 ID:okmjwADoO
7時くらいに投下します。しばらくお待ちください
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 18:59:14.19 ID:okmjwADoO
投下します
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 18:59:46.56 ID:okmjwADoO
【横浜裁判所 第二控え室 12月23日 午前10時22分】


小林「……」

小林(…結局、昨日別れたきりG4達との連絡は無い)

小林(いや、進展が無いと思った方が良いか。何かあれば連絡がある筈だからな…)

小林(彼女たち、そして神津の腕は確かだ。絶対にエルキュール達を連れ戻してくれる……)


ザザザザザザザザザザザザザザザザザ

ビュォオオオオオッ    ゴオオオオオオオオオオ      バリバリバリバリバリバリバリバリ



小林(………そう、思っていた)



297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:00:59.60 ID:okmjwADoO

小林(何で…なんでこんな時に台風が横浜に直撃するんだ!!)ダンッ

小林(警察の少数捜査では、多くの警察犬も派遣すると神津は言っていた。だが…この雨の中では当然犬は使えない)

小林(咲くんが使っているCPUの電波もこの状況だとかなり悪くなっている筈だ)

小林(雨で視界が悪くなっているだろうし移動も困難……こんな状況では…)

ガタッ

小林(彼女たちを見つける事さえ困難だ……)

白い髪の少女「それじゃぁ、どっちかを選ぶ決断はついたの?」

小林「…………」

白い髪の少女「選ばなくちゃいけないんでしょ?ピンクの子か、緑の子か」

白い髪の少女「私、昨日後悔する事になるかもって言ったよ。彼女を弁護する事」

小林「……君は…」

小林「全部…知ってたのか…?」

白い髪の少女「ううん。でも、変な人だって事は知ってたよ。だって」

白い髪の少女「明らかに普通の人とは違うもの」

小林「……………」

白い髪の少女「でも、彼女は私の姿が見えるようにはならないと思うよ」

298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:01:30.48 ID:okmjwADoO

白い髪の少女「死んだ女の子の方は最後に見えたらしいけど」

小林「……なぁ、ちょっと聞いていいかな?」

白い髪の少女「ん?」

小林「君は……誰なんだ?」

白い髪の少女「……んー、少なくともサイコパスでは無いと思うよ」

白い髪の少女「逆にサイコパスの人たちは私の所に来たがってるみたいだけど」

小林「……君の名前は?」

白い髪の少女「私?私の名前はね。ゾーイ・ヘ―――」

ネロ「小林!」

小林「!」

姫百合「…さっきから、誰と喋っていたんですか?」

小林「…………」

小林(…やっぱり、もう居ない……)

ネロ「それより、もう始まるよ。裁判」

姫百合「…被告人が間違いなく犯人の、ね」

コーデリア「勝てばシャーロックは殺人犯に――エルキュールは死―――」

小林「コッコーデリア!?だっ…大丈夫なのかい?凄い隈と目が真っ赤……」

コーデリア「大丈夫です……」

299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:01:59.38 ID:okmjwADoO

ダンッ

コーデリア「私が大丈夫じゃなかったら…!また誰かが悪い目に…!!」

小林「落ち着いて。とにかく落ち着くんだ」

小林「今回の裁判は、確かに僕たちは特殊な状況にある。しかし、やる事は至ってシンプルだ」

ネロ「?シンプルって…何をするのさ」

小林「とにかく僕たちはここでシャーロックを助ける。エルキュールは今はG4達に任せるしか無いしね」

コーデリア「…………」

小林「僕たちが今するべき事は、この裁判で一秒でも多くの時間を稼ぐことだ。G4が誘拐犯を取り押さえるまで」

小林「…今日僕たちは、証拠品とハッタリしか武器が無い。推理と真実は武器にならないと思った方が良い」

ネロ「……」

小林「…まぁ、弁護席に立つのは僕だけどね」

姫百合「あの……小林さん」

小林「うん、なんだい?」

姫百合「その事なんですが…」

姫百合「私を、弁護士助手として隣に置いてもらえませんか?」

小林「…え?」

300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:03:06.86 ID:okmjwADoO

コーデリア「!だっ…だったら!私も教官の隣で共に戦わせてください!!」

ネロ「僕だって小林と一緒に弁護させて貰うよ。自慢じゃないけど僕、嘘なら得意なんだ」

小林「いっいや…しかし、君たちは弁護士免許を持っていない筈だから…その…」

姫百合「弁護士の助手なら、免許が無くてもできない事は無い筈です」

姫百合「現に、場所は不明ですが霊媒師の方が弁護士の助手をしていたという記録もありますから」

小林(なっなんで霊媒師が…?弁護士と全く関係無い気が……)

ネロ「あー、そういえばマジシャンが助手してた時もあったらしいね」

コーデリア「検事とかダンボールで弁護士バッチを偽装した弁護士が弁護席に立った記録もあるのよね?」

小林(この国の司法制度が不安に思えてきた…)

ネロ「そういう事だから小林。僕たちも弁護席に立つから、いいね?」

コーデリア「嫌と言われても!一緒に戦いますから!」

姫百合「私も、シャーロックさんとエルキュールさんの為に!」

小林「……………」

小林「……」

小林(今回、僕たちがするのは時間稼ぎだ)

小林(真実を遠回しに意味のない尋問や嘘とハッタリで勝負する…それがどれほど危険な事かを分かってはなさそうだ…)

小林(……)

小林「…分かった。それじゃぁ、僕と一緒に戦ってくれるか?」

姫百合「!」

コーデリア「えっ…ええ!シャーロックとエルキュールの為ですもの!命に代えても戦ってみせます!」

ネロ「相手の検事もろとも…ギッタンギッタンにしてやろうよ!」

小林「いや…今回は検察側の告訴が正しいからギッタンギッタンにするのは…」

姫百合「しかし、検察側はシャーロックを告訴してますよ」

小林「……その誤解を解く事も、頭に入れておこうね」


プルルルルルルルルルルルル   プルルルルルルルルルルルル



ネロ「わっなっなに?」

小林「…!!G4からだ!」

三人「「「!!」」」


301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:03:39.22 ID:okmjwADoO


ピッ

小林「もっ…もしもし!!」

次子≪おう!電話の向こうに居るのは探偵の旦那か!?≫ザザザザザザザザザザザザザザザザザ

小林「ああ、そうだ小林だ!何か分かったのか!?手がかりが!」

次子≪…ああ、一応横浜市内のどこかに居る事は分かっているんだが、今はまだ小衣が分析中だ≫ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

次子≪私が言いたいのはそうじゃなくて……≫ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

≪だぁぁかぁぁらぁあああ!!ガキは家に帰ってなさいって言ってのよぉおおお!!≫゙ザザザザザザザザザ

≪やかましぃでぇええ!!ウチはなぁあああ!!師匠の為に証拠品んをぉおおおおっ!!あああああああ!!!≫ビュグォォオオオオオオオッ゙ザザザザザザザザザ

≪あああああ!!関西の名探偵さんが風に乗ってどこか飛んでいきましたよ!?≫゙ザザザザザザザザザ

≪……ちょっ…とうる……さ…いよ…ぉ〜…電波悪く…て……全然…つなが……ない…しさ……ぁ…も……最…悪……≫  ブブブ  ブツッ  ブッ

小林「………」

姫百合「…………」

ネロ「………」

コーデリア「………」

次子≪…というわけで、たった今関西の名探偵が風に乗って空飛んでる≫゙ザザザザザザザザザ

ギャァァァァア……タスケテー……シショー………

次子≪あれ、あんた達と一緒に居る所見た事あるような気がするんだけど。何か心当たりとかある?≫゙ザザザザザザザザザ

姫百合「ありません。調査の方を続けてください」

次子≪おっしゃ!それは分かってるって!安心しなよ。絶対に三人共無事に連れて帰ってやるからな!!≫゙ザザザ  ブツンッ

ネロ「…何をやってるんだあの露出魔は…!」

小林「まだ…証拠品を集めてたんだね。なんでG4と一緒に居たのかは分からないけど」


302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:04:12.17 ID:okmjwADoO


「弁護人、間もなく裁判が始まります。入廷してください」

ネロ「!…とうとう始まったよ。小林」

コーデリア「……これで、全部が決まるんですよね…?」

姫百合「とにかく、私たちも小林さんと一緒に法廷で戦います。良いですね?」

小林「ああ…」

小林(…そうだ、これで全部が決まる)

小林(これが最後の裁判。…どんな最後を迎えるのか正直予想もつかないけど…)

小林(…………篠田久留美)

小林(僕が感じた違和感…それは本当にあの無感情からだったのか?いや違う。無感情とはもっと違う何か…)

小林(間違いない。彼女はもっと”別の何かを隠している”)

小林(あの時、僕たちに全ての真相を告げる必要は無かった筈だ。彼女には何のメリットも無い。あの状況ならどうとでも言い訳だってできたはずだ)

小林(だけど…篠田久留美はそんな事せずに平然とした顔でペラペラと喋った)

小林(……一体彼女は、篠田久留美は―――何を隠している?)



303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:04:48.31 ID:okmjwADoO




【横浜裁判所  第一法廷室】



ザワザワ…ザワ……

カッ!!


裁判長「これより!篠田久留美のサイコパス殺人の審議を再開します」

裁判長「弁護側、検察側、準備はよろしいですかな?」

北芝「検察側、準備完了しているわ」

小林「弁護側、準備完了しています」

姫百合「弁護士助手側。同じく」

ネロ「弁護士助手側、同じく完了しているよ」

コーデリア「弁護士助手!コーデリア・グラウカです!!」ビシッ

裁判長「…………」

北芝「………」

裁判長「……何やら」

裁判長「今日の弁護席は、いつもより賑やかですな」

小林「…今回は、予想以上の難事件だという事で。助手をつけさせて頂きました」

裁判長「え?…ちょっと多すぎでは?」

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:05:21.13 ID:okmjwADoO

ネロ「異議あり!!」

ネロ「人数と事件の真実は関係ないでしょ」

裁判長「しかし…見る側にも弁護席が少し窮屈に見えますが」

北芝「……好きにさせなさい」

北芝「今回の事件、例え何人来ようが私に勝てる訳ないのだから」

ダンッ

北芝「せいぜい良い吠え面の練習でもしておくことね」

ネロ「なっなんだとぉ!小林に一回でも勝った事ないくせに!ボッコボコにしてやる!」

コーデリア「今日こそ割れ物の入っているダンボールで貴方をコテンパンにしてやるんだから!」

姫百合「ちょっとネロさん!コーデリアさん!安い挑発に乗りすぎです!」

北芝「……」ハンッ

姫百合「ほら!予想通りの吠え面したから、北芝検事が嬉しそうに喜んでるじゃないですか!」

小林(もう北芝検事は彼女たちを敵として見て無さそうだな…)

305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:06:07.21 ID:okmjwADoO

カンッ

裁判長「…それでは、北芝検事。再び事件のあらましを」

北芝「了解しました」

北芝「事件は事務所の隣の空き地で発生。被告人は被害者の顔を車で轢き潰し壺に押し込んで移動させた」

北芝「その時、この殺人事件の協力者が居ました。それはシャーロック・シェリンホード」

北芝「彼女がトラックを動かし、被害者である御子柴華子を殺害。その後逃亡しています」

北芝「これらは、神津く…玲警視正が提出した証拠品に全て記録されていますので、議論の余地は無いでしょう」

裁判長「ふむぅ…確かに議論の余地は無さそうですな」

裁判長「映像にも記録されていましたし。これはもう決定的です」

裁判長「もうここで、判決を下しても―――」

小林「異議!」

姫百合「異議あり!!」

ネロ「異議あり!!」

コーデリア「異議あり!!」

姫百合「まだ!明らかになっていない箇所があります!」

ネロ「そうだよ!シャロは昨日黙秘権を使っただろ!?」

北芝「…彼女は黙秘権を使った。つまりはそういう事よ」

ダンッ

コーデリア「いえ!もう彼女は黙秘権を使いません!全て赤裸々に答える筈です!」

コーデリア「私たちは!シャーロック・シェリンホードに尋問を求めます!!」

小林「………」

北芝「………」

裁判長「…助手なのに、弁護人よりも大きく主張しましたね」

小林「ハハハ……。とにかく…」

小林「確かに、シャーロックの黙秘権についても議論するべき所はあるかと思います。……しかし」

ネロ「しかし?」

小林「もう一つ、議論すべき重要な場所がある事をお忘れですか?」

北芝「…………」

小林「そうです。この証拠品の議論が、まだ終わっていないのです」


306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:06:58.11 ID:okmjwADoO


→証拠ファイルL隠しカメラの映像


裁判長「それは…決定的な映像に見えますが」

小林「議論すべき問題は、これが本当に”事件の起こった時の映像なのか”という事です」

コーデリア「…どっどういう事なのですか?教官」

小林「見ての通り、この映像の中には被告人とシャーロックの姿が映し出されています」

小林「しかし、この映像にはもう一人が映っていませんよね?」

北芝「………被害者ね」

ダンッ

小林「そうです。この映像には被害者が映っていない!つまり!」

小林「この証拠品に移された映像が事件当時の物であるかは、まだ確定されていないのです!」

北芝「異議あり!!」

北芝「じゃぁ、それをどうやって説明するって言うの?」

小林「………」

北芝「仮にその映像に映ってるのが事件当時じゃないとして…どうやって証明するの?」

北芝「それに、死亡推定時刻と合ってるのよ?映像の中の時刻は。そこはどう説明するの?」

小林「……一度」

小林「以前に提出された映像を、もう少し長い時間に切り取ってくれませんか?」

北芝「…!」

姫百合「…小林さん?」

小林「…大丈夫だ。僕を信じて」

北芝「………まぁいいわ」

北芝「係官!この映像、もっと巻き戻しなさい!」

北芝「そして、この弁護人に時間の無駄に対して説教してやるわ!」


307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:07:24.82 ID:okmjwADoO



【映像開始】




@何も無し


A何も無し


B場所は不明。だが窓からは空き地の光景が映し出されている


C窓の端には誰か分からない人影が立っている


D凶器と思われる車のような物が浮いてるかのように動き、途中で止まる


E人影は走って去ってゆく。


F部屋の中に誰か人影が。窓の光でその姿が被告人篠田久留美だと判明する


G急に被告人の姿が消え、怪盗ファンの姿が一瞬だけ映し出される


H何も無し


I何も無し


J車のような物が再び動き出す。が、すぐに止まる


K何も無し


L何かが一瞬横切る


M何も無し


308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:07:52.89 ID:okmjwADoO


裁判長「…………」

北芝「…………」

ネロ「……」ダラダラダラ

コーデリア「……」ダラダラ

姫百合「…………」

小林「………」

裁判長「…それで、弁護人」

裁判長「何か、おかしなところは見つけられましたかな?」

小林「………」

小林「君たちは、どうだったかな?」

ネロ「……ええと…車とか、途中動かなかった?」

コーデリア「……あっ!虫みたいなものが一瞬通り過ぎたじゃない?」

姫百合「……私も、二人の言う箇所には気づきました」

小林「…そうか」

小林「そう、これは重要なファクターだ」

北芝「…で?弁護人。大事なものは見つかったかしら?」

裁判長「見た所、変なところはほとんどありませんでしたが」

ネロ&コーデリア「「…………」」ダラダラダラダラ

小林「…………」

小林「…それでは、お答えしましょう」

小林「この映像に映っていた、不可解な部分とは――!」



309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:09:55.58 ID:okmjwADoO



→L何かが一瞬横切るを突きつける





小林「…一瞬、窓に何か通り過ぎましたよね?」

北芝「…通り過ぎたわね。で?」

小林「この、通り過ぎた物を加工して見えるようにはなりませんか?」

小林「もし、通り過ぎたコレが第三者の人物であった場合もしくは」

小林「被害者もしくは被告人だったら…この映像は検察側の推察とは異なる事となります!」

北芝「………」

小林「さぁ!北芝検事。この映像の明度を上げた物を提出してください!」

北芝「………貴方」

北芝「今、とんでもなく追い詰められてるわよね?」

小林「…………(うぅ…さすがに見抜かれるか…)」

北芝「…まぁ、車が二回動いたことに突っ込まなかったのは褒めてあげるわ」

ネロ「!そうだよ小林、どうしてそっちの方を指摘しなかったのさ!」

小林「…ネロ、車が上に乗っている遺体を移動させるにはどうすれば良いと思う?」

ネロ「そりゃぁ一度車を動かして……あっ」

北芝「それは幼稚園児でも分かる事。もし指摘したら速攻叩き潰して閉廷を要求していたわ」

小林(あっ…危なかった…!)ダラダラ

ダンッ

北芝「良いわ。要求を呑んであげる」

北芝「そこのあなた!今すぐ映像の明度を上げなさい!」

係官「了解!」


310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:10:36.19 ID:okmjwADoO



小林「…………」

コーデリア「…………」

北芝「…弁護人。満足かしら?」

北芝「これが、貴方の求めていた答えよ」

ネロ「………」

姫百合「………」

裁判長「こっ…これは…!」

裁判長「……ただの、犬ですな。やけに大きい種類のようですが」

北芝「事件当日、現場である事務所に居た貴方ならこの犬が何なのか分かるわよね?」

小林「…は…はい……」

北芝「この犬は、事務所でプロデューサーとアイドルが合意の上で飼っている大型犬。名前は”ジャッキー”というそうです」

北芝「見ての通り、事務所の犬が散歩しているだけの映像に見えますよね?」

裁判長「ええ。影でこそ人間が四つん這いで移動しているようにも見えない事は無いですが」

裁判長「ハッキリ見えるとなると。どう見てもお犬さんですね」

北芝「そういう事です」

ダンッ

北芝「つまり、先ほどの弁護人の異議は……」

北芝「全部時間の無駄だったのよ!!」ドンッ

小林「うっ……」

小林「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ガガーン


311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:11:10.83 ID:okmjwADoO



ザワザワザワ…ザワ……

カンッ


裁判長「…弁護人。何か弁明もしくは異議は?」

裁判長「もし無ければ、もう判決に行かせて頂きますが」

ネロ「どっどうすんの小林!このままじゃ負けちゃうよ!」

姫百合「このままですと…シャーロックさんはおろか…エルキュールさんも…!」

コーデリア「……っ!」

小林「…うっ…うぅ……」

小林(考えろ…考えるんだ…!今は真相の事は気にしなくていい!)

小林(この裁判を長引かせる為の…!なんでも…何かでまかせでも!!)

裁判長「…どうやら、もう無さそうですな」

裁判長「それでは、被告人と共犯者の判決を――」

小林「異議あり!!」

ダンッ

小林「まだです!まだ、議論すべき事があります!!」

北芝「…あなたはさっきまでのやりとりを覚えていないというの?」

北芝「議論すべき事?そんなものは……無いっ!!!」ダンッ

北芝「さっさと諦めて帰って寝ろ!!」

小林「いや、まだあります!!」

小林「先ほど判明した事で、もう一つハッキリするべき事実を!!」

カンッ

裁判長「…そこまで言うのなら提示してもらいましょう」

裁判長「先ほどの映像で、もう一つハッキリさせるべき事実とは?」



→車の機種

 ジャッキー君の散歩時間

 篠田久留美の影


312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:15:54.21 ID:okmjwADoO


小林「…そもそも、どうして事務所の犬ジャッキー君はこの時間に空き地近くに居たのでしょうか?」

北芝「散歩でしょ」

裁判長「散歩でしょうなぁ」

姫百合「散歩以外に何かあるんですか…?」

ダンッ

小林「そう、確かに散歩していた…それだけかもしれません」

小林「しかし!問題なのは”時間”です!」

小林「犬は、基本散歩する時間を朝と夜と覚えているものです。一匹で散歩する者ならなおさら」

小林「もし、この散歩時間と犯行時刻にズレがあったら…」

小林「検察側の立証にもズレがあった事になります!!」

北芝「…………」

裁判長「…………」


「……………………」


小林「……………(あれ?)」

北芝「…貴方」

北芝「犬の散歩時間にケチつけて、検察側の立証が覆されると…?」

313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:16:31.80 ID:okmjwADoO

ドダンッ

北芝「どれだけ警察を馬鹿にしてるんだお前はっ!!!!!!!!!!!」

小林「しっしかし!これもハッキリさせる必要が……」

北芝「必要ない!!全っっ然必要無いわこの三流探偵!!裁判長!!今すぐ判決下してやりなさい!!」

裁判長「……………」

裁判長「……弁護人」

小林「…はっ、はい……」

裁判長「それは、本当にハッキリさせた方が良いのですか?」

小林「………………」

小林「…少しでも、疑問が少ないまま裁判が終えたらと…」

裁判長「失礼。質問を間違えたようですな」

裁判長「それは、本当に”必要な事”なのですか?」

小林「…………………はい」

裁判長「…分かりました。弁護側の異議を認めます」

北芝「!?」

小林「あっ…ありがとうございます!」

北芝「このっ…!どれだけ無駄な時間を…!」

コーデリア「黙りなさい!今の私たちにはその無駄な時間が必要なのよ!!」

ネロ「そーだそーだ!」

姫百合「やめてください!無意味な煽りは!」

小林(うぅ…ごめん。北芝検事…)

小林(これも神津と……彼女たちを救うためなんだ……)

カンッ

裁判長「それでは、一体誰を召喚するのですか?」

314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:17:01.25 ID:okmjwADoO

小林「…………」

小林「一番ジャッキー君の世話をしていたのは誰でしょうか?」

北芝「はぁん!?知らないわよそんなの!プロデューサー業してた奴らじゃないのっ!?」プンスカッ

ネロ「確かに事務所で飼うなら四六時中居るのはプロデューサー業の人たちだよねぇ?」

コーデリア「真田さん。犬の世話も一生懸命しそうですものね」

小林「ああ、確かにそうなんだけど…」

小林(あんなにアイドルを抱えて、犬の世話も両立できるのか?)

裁判長「弁護人。早く答えてください」

小林「…………」

小林「…川澄プロデューサーに尋問させて頂きます」

コーデリア「川澄プロデューサーって……茉莉音ちゃんの担当の…」

カンッ

裁判長「…分かりました」

裁判長「係官!川澄綾子を証言台まで!」


315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:17:28.78 ID:okmjwADoO



プロデューサー「…………」

北芝「証人、名前と職業を」

プロデューサー「…ええと、名前は川澄綾子。プロデュース業のリーダーさせて貰ってるわ」

プロデューサー「それで…どうして私がここに…?まさか、私も疑われてるの?」

小林「いっいえ。貴方にはアリバイがありますから」

プロデューサー「そっかぁ、良かったぁ」ホッ

プロデューサー「…あれ?それじゃぁ、どうして私はここに呼ばれたんだ?」

小林「はい。貴方が今回証言して貰うのは」

小林「”ジャッキー君の世話”についてです」

プロデューサー「……………」

小林「…………」

プロデューサー「……はい?」

316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:18:37.35 ID:okmjwADoO

プロデューサー「え?ちょっ…何?一体何の議論してるの?今。え?え?殺人だよね?ウチのアイドルの」

北芝「…まぁ、そう考えるでしょうね」

小林(…まぁ、そう考えるだろうなぁ…)

裁判長「…あまり深い事は考えなくても大丈夫です」

裁判長「それでは証言してください。愛犬ジャッキー君の世話の記録を」

プロデューサー「良いけど……いいの…?」


317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:19:04.97 ID:okmjwADoO



【証言開始】



@最初に子犬だったのを真田君が拾って来たんだよ。あの時は両手で抱えられるくらいの大きさだったのに…


Aまさか数ヶ月であんなに成長するなんて…


B昼間はアイドル達が遊んであげてるよ。おやつをあげたり散歩させたり上に乗ったり


Cごはんはドッグフードと缶詰と混ぜて出してるわね。


D散歩は最近は勝手に一人で行くようになったわ。朝の7時と夕方の8時の二回だったかしら


E他は寝てるとかだから…基本的に吠えないし大人しくて良い子だよ


318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:19:43.04 ID:okmjwADoO


小林「……………」

裁判長「…なるほど。散歩は朝の7時と夕方の8時ですか」

北芝「まぁ、犬として妥当の散歩回数よね」

プロデューサー「と言っても、基本繋げてないから勝手に行くんだけどね。時間きっちり帰ってくるのよこれが」

姫百合「確かに、利口そうな犬でしたものね」

小林(無感情のようにも見えたけど…)

裁判長「…それでは弁護人、尋問をお願いします」


319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:20:42.56 ID:okmjwADoO


【尋問開始】




@最初に子犬だったのを真田君が拾って来たんだよ。あの時は両手で抱えられるくらいの大きさだったのに…




小林「待ってください!」

小林「…つまり、ジャッキー君は子犬の時から事務所に居るのですか?」

プロデューサー「そうそう、最初は美樹も茉莉音もマネージャーも可愛い可愛い言いながら世話してたんだけど」

プロデューサー「二週間くらいだったかな…?その時から机から顔を出せるくらいに大きくなって」

プロデューサー「その成長速度に茉莉音が少し引いてたな。真田君は最後まで気づかなかったようだけど」

小林「そっ…そうなのですか」

プロデューサー「いや本当あれ何の種類なんだ?子犬の可愛い時期が一瞬で通り過ぎたような感覚だよ」

北芝「ふっふん。あんな大きい犬なんてまだまだよ。所詮は犬よ!犬なのだわ!」

小林「あの、北芝検事。一体何を…」

北芝「はぁ!?アンタ私が犬に身長で負けた女とか思ってるんでしょ!?それも二週間の成長に負けたとか思ってるんでしょ!!」

ネロ「だって実際小さいじゃん!シャロや小衣よりも小さいよアンタ!」

コーデリア「椅子に座るのも一苦労じゃなくて!?」

北芝「ムッギィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」

小林(北芝検事…背伸びしても机の上、覗けそうにないもんな)

小林「それで…ジャッキー君は今何歳なんですか?」

プロデューサー「うーん…まぁ強いて言うと思っている以上に年は取ってないよ?でも…」


320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:21:15.57 ID:okmjwADoO


Aまさか数ヶ月であんなに成長するなんて…



小林「待ってください!」

小林「数ヶ月で成長?という事は…まさか……?」

プロデューサー「うん。多分一歳半くらいじゃないかな?いや、まだそこまで行ってないか」

小林「……………」

小林「ぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!」

姫百合「ぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!」

ネロ「ぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!」

コーデリア「ぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!」

裁判長「という事は……人間の年で数えてもまだ7歳にもなっていないのですか」

プロデューサー「そういう事だね。なんだか真田君みたいだな!はっはっは!」

北芝「7歳…7歳に負けたの…?私は……7歳に…」ブツブツブツブツ

小林(おっと、北芝検事が病み始めたぞ。話題を変えた方がよさそうだな…)

小林「…ジャッキー君との慣れ始めは分かりました。そろそろ世話の方に移ってもらえませんか?」

プロデューサー「おっと、ちょっと脱線しちゃったかな?ごめんごめん」

北芝「7歳…犬とはいえ7歳…いや犬に負け……ううん、犬の年齢は一歳半…人間の年では……7歳……」ブツブツブツ

小林(まだ言ってる……)


321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:22:17.44 ID:okmjwADoO


B昼間はアイドル達が遊んであげてるよ。おやつをあげたり散歩させたり上に乗ったり


小林「待ってください!」

小林「アイドル達が遊んであげてたのですか?もう少し詳細を証言できますでしょうか?」

プロデューサー「証言って言われても…そんな大した事じゃないよ?」

プロデューサー「ボールで遊んだりとにかく撫でられたりモフられたり枕の代わりに……って、よく考えたら遊んでたのほぼアイドル達だな…」

小林「紐で繋げていないと言いましたよね?それなら、どうやってアイドル達は散歩させていたのですか?」

プロデューサー「今考えると、あれはジャッキーの散歩じゃなくてアイドルの日向ぼっこだな」

小林「日向ぼっこ…?」

プロデューサー「ジャッキーの上にのって寝転がり、そのまま外に出て馬に寝そべって乗って散歩。スタイルとしてはそんな感じだったかな」

ネロ「どうしよう小林…それやってみたいよ!」

姫百合「確かに…気持ちよさそうですね」

小林(…ちょっと良いなと思ってしまった)

プロデューサー「後お菓子は、基本何でも食べてたからなぁー。骨とかは5分で噛み砕いて無くなっちゃうんだけど」

北芝「…アリゲーターか何か?」

小林「あの、おやつの事に関しては言わなくても大丈夫です」

プロデューサー「ああ、そうなの?それじゃぁ…」


322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:22:46.75 ID:okmjwADoO


Cごはんはドッグフードと缶詰と混ぜて出してるわね。


小林「待ってください!」

小林「あの…食事の事に関しても大丈夫ですから!」

プロデューサー「ええー…でも、世話と言ったらエサは大切でしょう」

小林「それは…そうですけど……」

小林「……それじゃぁ、ごはんの時間は大体何時程でしょうか?」

プロデューサー「ん?ええと、確か……散歩の後だから…」

プロデューサー「散歩が終わった時間と、ほとんど同じだな」

小林「………(来た、散歩の証言だ…)」

小林(この証言だけは、とことん揺さぶらなければ…!)

小林「…散歩の事について、詳しく証言をお願いします」

プロデューサー「ん、分かった」


323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:23:51.47 ID:okmjwADoO


D散歩は最近は勝手に一人で行くようになったわ。朝の7時と夕方の8時の二回だったかしら



小林「待ってください!」

小林「…本当に、その二回だけですか?」

プロデューサー「? まぁ、その時間帯以外の散歩は難しいからね。勝手に一匹で出歩くと言っても限度があるよ」

小林「その…例えば、深夜に勝手に出歩いた。という事は?」

プロデューサー「え?いやそんな事は無いと思うけど…深夜なんて、普通に寝てる時間じゃないの?」

小林「しかし、事件当日の犯行時刻。ジャッキー君は殺人のあった空き地に居ます」

小林「毎日、二回散歩している犬が寝ている時間を割いてまで勝手に歩き回るのは、おかしいと思いませんか?」

プロデューサー「え?」

プロデューサー「…あの、こういう時はどう答えれば良いのかな?」

北芝「今弁護人が質問している内容は、悪魔の証明のようなものよ」

北芝「まじめに答える必要は無いわ」

プロデューサー「…うっ…ううん…確か…事件当日事務所に居たプロデューサーは真田くんだけだから…」

プロデューサー「ちょっと聞いてみるわね。ねぇ、真田君?」

真田P「………はい」

ネロ「…どうするの小林?もしこれで有力な情報が手に入らなかったら」

小林「………(うぅ…またお腹が痛くなってきた…)」

プロデューサー「ジャッキーさぁ、深夜に外歩いてた?」

真田P「…あっ、はい。私は帰って来た時間しか知りませんが」

プロデューサー「ふぅん、それは何時くらい?」

真田P「……………」

真田P「帰って来たのは、深夜の2時半くらいです」

真田P「そういえば、ジャッキーさんは何か咥えていたような気がします」

小林「……え?」

プロデューサー「咥えていた?それって一体…」

ダンッ

姫百合「そっそれは一体!何なのですか!?」

コーデリア「真田さん!答えてください!」

真田P「…落ち着いてください。言われなくても喋ります」

324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:25:02.44 ID:okmjwADoO

真田P「確かあれは…ピンク色のPDAだった気がします」

小林「!」

姫百合「ピンク色の……」

コーデリア「PDA………」

ネロ「………シャロのだ」

ダンッ

小林「シャーロックのPDAは野菜農園の中で見つかっています!」

小林「もし!ジャッキー君が加えて持ってきたというのなら!誰があそこに――」

真田P「多分それも、ジャッキーさんでしょうね」

小林「えっ」

真田P「そのまま、私に渡すこと無くジャッキーさんはPDAを咥えたまま外へと行きました」

真田P「しかし、再び戻ってきた時にはPDAは既に咥えていませんでした」

小林「…………つまり…それは…」

プロデューサー「ジャッキーが宝物だと思って埋めちゃったんだ」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

姫百合「おっ…思わぬ所からの伏線でしたね……まさか犬の仕業…だったとは…」

北芝「………そう」

北芝「それじゃぁ、検察側の主張は一切揺るがなかったってことね」

コーデリア「どっどういう事なの?」

北芝「犬がシャーロックのPDAを咥えて事務所に戻って来たという事」

北芝「そして、戻って来たのは2時半。これが何を意味するか」

小林「…………ぅぅ…」

ダンダンッ

北芝「シャーロックは事件当日、そして犯行時刻に間違いなく事件現場に居た」

北芝「被害者を殺せたのはシャーロック・シェリンホードしか居ない!!」

小林「異議!!」

小林「しかし!ジャッキー君が帰って来たのは午後の二時半…!」

小林「犯行時刻にズレがあった可能性は、十分にあります!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「その可能性を示す証拠を出しなさいよ証拠!!」ダンダンッ

北芝「そんな口先だけの水掛け論じゃ!裁判が一向に進まないのよっ!!!」ダンダンダンダンダン

ネロ「どうするの小林!結局シャロのPDAが埋められてた理由が分かっただけじゃん!」

小林「ウッ!そっ…それはそうなんだけど……」

325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:25:47.89 ID:okmjwADoO

裁判長「…どうやら」

裁判長「シャーロック・シェリンホードを実行犯として認めても、特に問題無いようですね」

小林「異議!!」

小林「まっまだそのような事を認めては!軽率だと思います!」

裁判長「…どこがでしょうか?」

裁判長「ここまで証拠が揃っていれば、最早一目瞭然と思いますが」

小林「しっしかし…!」

北芝「…裁判長」

北芝「この男は、よっぽど自分の教え子の罪を認めたくないと思われるわ」

小林「………!」

ダンッ

コーデリア「そんな!シャロが殺したなんて絶対に…!」

北芝「黙りなさい!!」ドンッ

北芝「気づいてないの?審議が進めば進むほど、シャーロックの心証は悪くなっている事に」

ネロ「……………ぐ…ぅぅ…」

北芝「…それか、こうとも考えられるわね」

北芝「”シャーロックは、篠田に脅されて御子柴を殺した”」

小林「!」

北芝「……まぁ、だから何だという話だけど」

北芝「そんなものが証明されたからと言って、二人の罪が変わる訳でも無いし」

姫百合「…………」

プロデューサー「……んー、やっぱり警察はウチの篠田を疑ってるわけよね?」

北芝「まぁね」

小林「………」

プロデューサー「…やっぱりさ、そういうのは私も納得は行かないんだけど。一昨日の裁判見たら特に」

真田P「………」

ネロ「…………」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:26:43.32 ID:okmjwADoO

プロデューサー「本当に、ウチのアイドルが人を殺したって言うのならさ」

ドンッ

プロデューサー「もうちょっと決定的な証拠品を出して貰えない!?」

北芝「………分かったわ」

北芝「まず、犯行時刻に記録された映像に被告人と共犯者シャーロックの姿が映っていたわ」

小林「…………」

プロデューサー「ほら、何やってるのよ名探偵小林オペラ!」

プロデューサー「依頼人と教え子が疑われてるなら、異議を唱えるのが今の仕事でしょう!」

小林(…それは……そうなんだけど……)

北芝「その時、共犯者の様子が少しおかしい様子が記録されていたのよ」

北芝「検察側は、その時トイズを用いた可能性を提示するわ」

小林「異議!!」

小林「弁護側は!検察側の可能性に異議を唱えます!」

北芝「…ほう?一体、何をほざくつもりかしら?」

北芝「この影は、車が動いて轢き殺した後に逃げるように去っているわ。ここで殺害したのは明らかよ」

小林「…いえ、それは有り得ないんですよ」

北芝「なんですって?」

小林「北芝検事。映像の続きは見ましたよね?」

小林「お忘れですか?あの時車は”二回”動いていました」

北芝「………」

小林「車が移動する二回目の時、シャーロックは空き地から去った後でした。つまり!」ダンッ

小林「これはシャーロックが殺人をしていない事を示す決定的な証拠なのです!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「貴方こそ、この映像を見て分かったと思うけど」

北芝「安物の盗撮用カメラだからか、視野がとても狭いのよ」

小林「………あっ」

北芝「さすがに、気づいたみたいね。でも、遅すぎよこの阿呆が!」ダンッ

ネロ「どっどういう事なのさ」

コーデリア「教官に阿呆なんて!」

北芝「…気づいてない馬鹿も居るみたいだから、教えてあげるわ」

北芝「あれは、逃げているのではなくて、遺体から車を引き抜くために移動した際に死角に入ったって事をね!!」

小林「うっ……!ぐっ………!!」

姫百合「…小林さん」

姫百合「この推測は…崩せそうにありませんね……」

327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:27:14.85 ID:okmjwADoO

北芝「そして、被告人篠田久留美は事件の全てを見ていた」

北芝「もし無関係なら、その場で通報すれば良い筈なのにねぇ!!」ドンッ

プロデューサー「ちょっちょっと小林オペラ君!なんとか反論して!」

小林「………えっ!?僕ですか!?」

プロデューサー「アンタ以外に誰が居るの!」

コーデリア「きょ…教官…どうします?」

北芝「現場を見ていたのに通報しなかった。そして部屋で睡眠薬を飲んでの犯行工作」

北芝「これで篠田以外に怪しい奴が、どこに居ると」

小林「異議!!」

小林「それは…事件に動揺して通報しなかっただけだと弁護側は主張します!」

北芝「異議あり!!」

北芝「被害者の死亡時刻と第一発見者の通報は11時間半以上のラグがあるのよ!?」

北芝「犯行時刻に篠田が現場に居て、目撃していたのは確実なのに11時間通報せずに放っておいて挙句の果てには睡眠薬を飲んで真昼間に眠ったぁ!?」

北芝「そんな奴のどこが怪しくないと言うのよ!!」

小林「異議!!」

小林「お忘れですか?篠田さんのトイズは”スローモー”」

小林「そう、篠田さんは頭の中がスローモーなのです!!クジラのように!」

小林「北芝検事!貴方は」

小林「クジラが怪しいとでも言うつもりですか!!!」

北芝「…………」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

姫百合「…………」

裁判長「……………」

プロデューサー「……………」

小林「…………」

328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:28:25.42 ID:okmjwADoO

小林「………あの」

北芝「喋るな」

小林「はい」

ネロ「小林……焦るのは分かるよ。分かるけどさぁ…」

北芝「…とにかく」

北芝「弁護人がスローモーの意味をはき違えている事は分かったわ」

北芝「可愛そうな弁護人の為に、私が慈悲をかけて優しく簡単に説明してあげるわ」

北芝「スローモーとはね。”自分以外の周りの時間が遅く感じる能力”なの。分かった?」

小林「…はい」

カンッ

裁判長「それでは、もう異議は無いという事で…」

小林(ううぅ…真犯人が依頼人…被告人だと分かっている裁判……)

小林(こんなの……どう審議すれば良いんだ…)

姫百合「こっ小林さん!どっどうするんですか!?」

ネロ「…今の見たでしょヒメ。さっきの反論…小林は追い詰められてるんだよ…」

小林(…せめて、もう一人…誰かもう一人が犯行現場を目撃していたら…)

小林(………犯行現場を目撃……?)

小林(…………)

北芝「どうやら、弁護側も異議は無いそうね」

北芝「だって、下着泥棒の怪盗は事件現場を目撃どころか気づいてもいない。真田のプロデューサーは貴方が告訴した」

北芝「もう、事件の関係者からの証言は取れたでしょう?もう、十分だわ」

小林「……いえ」

小林「まだ、一人だけ残っています。現場に居て、かつ証言を取っていない………証人を」

裁判長「…えっ!?それは…誰ですかな?」

北芝「…また、適当な事を言うつもりじゃないでしょうね?」

小林「違います、先ほどの証言で明らかになった。もう一人の目撃者が居るじゃないですか」

北芝「……一体誰よ」

北芝「この証言で明らかになった、もう一人の目撃者って!」


329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:28:52.13 ID:okmjwADoO


→ジャッキー君(1)を突きつける


ダンッ



小林「目撃者”ジャッキー君”に尋問させて頂きます!!」




ネロ「!!??」

コーデリア「!!!??」

姫百合「!!????」

プロデューサー「!!!!???」

真田P「…………」

裁判長「………あの、弁護人…正気ですか?」

小林「ええ正気です!正気ですとも!」

小林「さぁ!早く証人を連れてきてください!!」

北芝「……最早、やけくそになってるわね」

北芝「良いわ。係官!あのでかい犬を証言台まで連れてきなさい!!」



330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:29:28.91 ID:okmjwADoO



ジャッキー「………………」

北芝「………証人、名前と職業……」

北芝「…………」

北芝「自分で言ってておかしい事に気づけるのって、哀しい事なのね」

姫百合「どっどうするんですか?小林さん!」

ネロ「どうするのさ小林!」

コーデリア「どうするのですか!?教官!」

小林「どっ…どうしよう……皆……」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

姫百合「………とにかく、私たちのやるべき事は時間稼ぎです」

姫百合「この無意味な尋問でも、神津警視正の役に立てれば…!」

裁判長「……ちなみに」

裁判長「この尋問で何の情報。そして無意味だと分かったその瞬間……」

裁判長「速やかに判決に移動し、即閉廷させて頂きます!」

姫百合「!!」

小林「どっ…どうして……?」

北芝「どうして?……当たり前でしょうがこの阿呆がぁあああ!!」ダンダンダンッ

裁判長「よろしいですね?弁護人」

小林「………(くっくそう…時間稼ぎになるかと思ったら……余計にピンチに……!)」

カンッ

裁判長「…それでは証人、証言をお願いいたします」

ジャッキー「……………」

裁判長「……しかし、本当に大人しいですなこのワンちゃんは」

裁判長「このまま、何も喋らないのではないでしょうか」

北芝「…少なくとも人語を喋る事は無いでしょうね」


331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:29:55.83 ID:okmjwADoO


【証言開始】



@ ……………………


A …………バウ………


332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:30:54.29 ID:okmjwADoO


北芝「………………」

裁判長「………………」

小林「………………」

裁判長「……弁護人」

裁判長「尋問、するのですよね?」

北芝「…弁護人、今なら許してあげるわ」

北芝「今すぐ謝ってこの茶番を終わらせて、この裁判を終わらせるというのなら。この無茶ぶりを許してあげる」

北芝「でも、もしこのまま続行するというのなら……」

北芝「貴方に法廷侮辱罪を施行させる!!!」ダンッ

姫百合「…どっ…どうしましょう……小林さん……」ダラダラダラ

小林「……………分かりました」

北芝「ふん、どうやらそこまで阿呆じゃなかっ…」

ダンッ

小林「尋問を…やらせてください」

北芝「なっ………!?」

裁判長「……分かりました」

裁判長「それでは、尋問をお願いします」

北芝「………検事局に入ってから結構長いけど……」プルプルプル

北芝「こんな裁判……初めてだわ……!」プルプルプル ピクピク

裁判長「…奇遇ですね。私もです」

小林(僕もです……)


333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:31:26.37 ID:okmjwADoO


【尋問開始】


@ ……………………


小林「待ってください!」

小林「証人…証言して貰えませんか?」

小林「貴方が現場で見た、殺人現場を」

北芝「異議あり!!」

北芝「犬が喋ると思ってるんだぁ!?アンタの頭はファンタジーか!!」

北芝「どうしても証言させたいのなら…バウリンガルでも持ってきなさい!それでもこの犬、私たちの言葉は理解できないでしょうけどね!!!!」

小林「ウッ………!!」

裁判長「……弁護人。分かってますね?」

裁判長「有力な情報が出てこなった時点で、この裁判は閉廷させて頂きます」

小林「…は……はい………」

ネロ「…………」

小林「…そっそうだネロは動物の言葉が分かるんだったよね?」

小林「何か、分からないかな?」

ネロ「…何かって言われても…まだ吠えてすらないよねジャッキー」

小林「そ…そうだね………」



334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:31:58.94 ID:okmjwADoO


A …………バウ………


小林「待ってください!」

小林「吠えた…吠えたぞネロ!何か…言ってないか?」

ネロ「………………」ダラダラダラ…

小林「…ネロ?」

ネロ「だっ…駄目だぁ…駄目だよ小林ぃ………」

ネロ「ジャッキー…あの事件の事何一つ理解してない……」

小林「えっ」

ネロ「そもそも…分かってないよ。あの事件の事…全く」

ネロ「さっきの鳴き声で分かった。ジャッキー…拾われてから嫌という程みんなに撫でられたり遊ばれたりされていたからか」

ネロ「無我の境地に達している……」

小林「…そっそれって……」

ネロ「………うん」

ネロ「僕のトイズでも……有力な情報は得られないよ…」

小林「……そっ」

小林「そんなぁああああああ!!!」ガガーン

裁判長「……弁護人」

裁判長「…分かってますよね?」

小林「まっ…待ってください!まだ!尋問は終わっていません!」

裁判長「それでは、早く済ませてください」

裁判長「証人もほとんど動かず置物みたいになっています」

小林「うっ……ううううう……」

335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:32:33.42 ID:okmjwADoO



姫百合「…もう…駄目……なんでしょうか?」

コーデリア「ヒメ!諦めちゃ駄目よ!教官なら…教官ならなんとかしてくれる筈!」

ネロ「最早小林一人頼みってのも…結構絶望的なんだけどね……」

小林「……………」

小林(これは……もう賭けるしかない…!)

小林(あらゆる証拠品を突きつけて…賭けるしか……)

小林(もう……当たって砕けろだ!!)


336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:32:59.06 ID:okmjwADoO
19時40分に再開します
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:40:54.18 ID:okmjwADoO


→Aに証拠ファイルE壊れたカセットテープを突きつける


小林「異議!!」

小林「…北芝検事。このカセットテープが何か分かりますか?」

北芝「……被害者の最後の音声よね。それが今回の尋問に何か関係あるの?」

裁判長「正直…全く関係性が見られませんが」

小林「……そうでしょう」

小林「ですが、これは再生してみると分かります」

北芝「……は?」

裁判長「弁護人、それは一体どういう事でしょう?」

小林「この音声を聞いた時のジャッキー君の反応」

小林「それが!事件当日の状況の手がかりになる筈です!」

北芝「……何を、言ってるの?」

カンッ

裁判長「…正直、弁護人の伝えたいことが全く分かりませんが…」

裁判長「良いでしょう。この証拠品を再生してください!」

小林(頼む…頼むぞ…!何か…反応してくれ!)

ジャッキー「………………」

小林(反応してくれなかったら……この裁判は……!!)

ジャッキー「……………………………」



カチッ

キュルルルルルルルルル………



338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:41:27.78 ID:okmjwADoO


【テープの音声】


御子柴≪…………≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪……あはっ≫

御子柴≪あは…あはははははは…あは……≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪お母さん……お母さん…私ね?ねぇ、お母さん?≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪お母さん?私を産んでくれてありがとう?ね?≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪そして……ごめん…ごめんねぇぇぇぇぇ……!!≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪私…駄目だよぉおぉお!!もう……駄目だぁぁあー……!!≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪だってこの写真…!もう……もうこの写真…!!………うわぁぁぁぁああああ!!!いやだぁああああああ!!!!!≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪ごめんなさいごめんなさいごめんなさい助けて助けて助けて助けて!!≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪ねぇお母さん!聞こえてる!?聞こえてるの!?ねぇ!!この音声!本当にお母さんに聞こえてるの?!届くの!?≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪やだぁあああ!やだ…私……まだ……やりたい事が…………≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪……プロデュ……真…田……さん……≫

ジャッキー「………………」

御子柴≪…………………………………………≫



ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ






ジャッキー「ワン!!ワン!ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!!!!!!!!!!!」




339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:42:08.91 ID:okmjwADoO


北芝「うっうわぁああ!?」

裁判長「なっなんですか!?」

ネロ「!」

小林「こっこれは…!」

ネロ「……小林…」

ネロ「なんだか…凄く興奮してるよ。ジャッキー」

小林「そっそれは、見て分かるけど」

ネロ「違う…そうじゃないよ」

ネロ「犬は、人間よりもずっと聴覚が発達してるんだよ?」

小林「!」

ダンッ

小林「裁判長!!先ほどジャッキー君が反応した箇所!!」

小林「その音量を上げてください!!」

裁判長「わっ分かりまし……」

ジャッキー「ワン!!ワンワンワンワンワンワンワンワン!!!!!!」

裁判長「かっ係員!証人を退廷させてください!!」




340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:42:35.65 ID:okmjwADoO





【テープの音声】


御子柴≪……プロデューサー……真…田……さん……スキ……デシタ…≫

御子柴≪…………………………………………≫



ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ  タスケテ  ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ




341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:43:02.87 ID:okmjwADoO



裁判長「こっ…これは…!」

北芝「聞こえた…今何か聞こえたわよ!?」


ザワザワ…ザワザワザワ……ザワ

カンッ


裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「弁護人!これは一体!?」

小林「はい。被害者が飲み物を飲みほそうとしている音の中に紛れて、誰かの声が聞こえましたね」

小林「それもハッキリ、「タスケテ」と」

裁判長「しっしかし…これも被害者の声では?」

小林「被害者は飲み物を口に含んで飲んでいました。そんな時にこんなハッキリと声が出ますかね?」

姫百合「そっ…それじゃぁ…これは……一体…誰が?」

コーデリア「なっ…なんなの…?これ……」

カンッ

裁判長「これより!20分間の休憩を挟みます」

裁判長「それまでに、検察側は声の鑑定を」

北芝「……了解したわ」

裁判長「それでは、一時休廷!」


カンッ!!


342 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 19:43:30.87 ID:okmjwADoO
次は19時50分からです。しばらくお待ちください
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 19:51:40.73 ID:okmjwADoO

【横浜裁判所 第二控え室 12月23日 午前11時11分】



姫百合「…………」

小林「…………」

ネロ「…僕も小林が弁護するのを見て長いわけじゃないけど…」

ネロ「今回の事件程、ギリギリなものは無いよ…多分、今までの事件でもダントツで」

コーデリア「でっでも!仕方ないじゃない!依頼人が犯人だって分かってる裁判なのに…」

姫百合「そうです。むしろよく持ちこたえましたよここまで」

小林「ほとんど奇跡が起きたようなものだけどね…」

小林(この奇跡が…どこまで持つのか……)



プルルルルルルルルルルルル   プルルルルルルルルルルルル


小林「!G…G4からだ!」

ネロ「!」

コーデリア「!」

姫百合「!」


344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:52:32.24 ID:okmjwADoO

ピッ


小林「もっ…もしもし!」

神津≪俺だ。そっちの状況はどうだ?≫   ザザザザザザザザザザザザザザ

コーデリア「こっこっちの事よりも!今はそっちの事です!」

ネロ「エリーと茉莉音と美樹は見つかったの!?」

神津≪…いや、まだだ≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

次子≪つっても、この土砂降りの中じゃぁ…車の中でもよく見えねぇぞ≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

ネロ「なんだよ!思わせぶりな通信しといて!!」

姫百合「…あの!何か手がかりが見つかったのですか!?」

小衣≪………………≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

咲≪……正直、小衣はお手上げ状態≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

小衣≪…うるさい!お手上げじゃない!考えてるだけよ!!≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

小林「………その、すまない。神津」

神津≪…その様子だと、そっちの方も散々らしいな≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

神津≪誘拐された三人のGPSはおそらく犯人の手によって破壊されている≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

神津≪だが、壊されるまでの形跡は情報として残っていた≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

小林「!」

神津≪今、咲がその形跡を発見した。途中から三人全員が一つに集まり移動し、途中で途切れている事から運ばれている途中で壊されたと思われる≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

神津≪PDAが壊されるまでの時間。付近の監視カメラの映像の情報収集も行っている。このまま行けば時間の問題だ≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

小林「そっ…それなら!」

咲≪でも…それが参ってんだよねぇ〜≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

咲≪向こうも結構ヤリ手らしくて、カメラに映らない程度に移動しているみたいだし。ダウンロードもこの土砂降りの中、亀並に遅いし…もうイライラだよぉ≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

ネロ「それって……PDAが破壊された後がまだ分からないって事…?」

小衣≪だから!それを小衣が考えてるのよ!この後の手を!!≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

咲≪このままだと、感づかれて逃げられる可能性も無いわけじゃないんだよねぇ〜。…最悪、殺されてるかも≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

小林「!」

姫百合「そっそんな…事…。なんとかならないんですか!?」

小衣≪だぁーかぁーらぁー!それを小衣が考えてるのよー!!≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

平乃≪…今のところは、まだ絶望的です≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

ネロ「…………」ダンッ

神津≪だが、こっちの事はあまり気にするな≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

コーデリア「なっ!?」

神津≪こっちは俺達が何とかする。お前たちは裁判に集中しろ≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

神津≪今、篠田が有罪になって人質が殺されれば、俺達もどうにもできない≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

次子≪だから…頼む!もう少しだけ時間稼ぎしてくれ!≫     ザザザザザザザザザザザザザザ

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

小林「……ああ、分かったよ神津」

神津≪…また、連絡する≫


ピッ



345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:53:15.44 ID:okmjwADoO


ネロ「……また、あの裁判に戻るの?時間を稼ぐことしかできない。あの裁判に…」

小林「…………」

コーデリア「でっでも…もうそれしか……」

「ちょっと、小林オペラ」

小林「………あっ」

小林「北芝検事…」

北芝「…アンタ」

北芝「さっきの裁判の低落はなんだったのよ?」

小林「…………」

ネロ「…アンタには分からないだろうさ」

コーデリア「こっちには…こっちには時間が必要なん……」

北芝「人質の事考えてたの?」

ネロ「!」

コーデリア「!」

姫百合「………!」

小林「…知ってたんですか?」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:54:01.18 ID:okmjwADoO

北芝「スピーカーで通話してたら嫌でも聞こえるわよ。さっきの声、神津くんよね?」

小林「はい。…神津とG4が…」

北芝「……あっそ」

北芝「なら、私はいつも通りで行かせてもらうわね」

コーデリア「!」

北芝「被告人が有罪と決まっている裁判なら、容赦しなければ決して負ける事も無いでしょうし」

コーデリア「あっ…貴方…!こっこんな…状況で…!!」

北芝「それに」

北芝「神津くんが捜索してるなら大丈夫でしょ」

小林「…!」

北芝「いい?私は今回の事件、一切容赦しないわ」

北芝「絶対に篠田久留美を有罪にしてみせる。貴方の大好きな真実も、それを求めてるでしょうからね」

ネロ「…シャロはどうするつもり?」

北芝「……どうでもいいわね」

北芝「もし事件に関係しているのなら、そいつも有罪にしてやるだけよ」

小林「…………」

北芝「それじゃぁそろそろ鑑定も終わってる頃でしょうし、私は行くわ」

北芝「せいぜい、負けた時の遠吠えの言葉でも考えておきなさい」スタスタスタ

小林「…………」

ネロ「なんだよアイツ!本っ当に感じ悪いなぁ!」

コーデリア「今回の事件…例え検察側が正しかったとしても、あの検事に負けるのは悔しいです!」

小林「……でも」

小林「彼女も彼女なりに、気を使ってくれたんだと思うよ。僕たちに」

コーデリア「……え?」

姫百合「…………」

「弁護人。そろそろ再開廷します」

小林「はい」

小林(大丈夫だ…向こうも事情が分かってくれている筈だ)

小林(なら僕は、検察側の主張に異議を唱えて時間を稼ごう)

小林(そして、隠されたもう一つの真実を突き止めるんだ!)



347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:54:38.71 ID:okmjwADoO



【横浜裁判所 第二控え室 12月23日 午前11時17分】






ザワザワ…ザワ……

カッ!!


裁判長「これより!篠田久留美のサイコパス殺人の審議を再開します」

裁判長「北芝検事。声の鑑定の結果は出ましたか?」

北芝「………………」

小林「……………」

北芝「…………ウソヨ…イヤ…ウソジャナイ…?」

北芝「イヤ…タシカニイテモ…オカシクナイ……ジャァ…イッタイドウイウイミ…」

小林(?北芝検事がおかしいぞ?)

姫百合「……一体、どうしたんでしょうか」

裁判長「…あの、北芝検事?」

北芝「モウ…モウ…ワケガワカラナ…」

カンッ

裁判長「北芝検事!」

北芝「ピィッ!」ビクッ

裁判長「先ほどの、声の鑑定は済みましたか?」

北芝「…………ええ。出たわ…」

小林「!」

ネロ「!」

コーデリア「!」

裁判長「…それでは、その声の主は一体誰だったのでしょう?」

北芝「………この……声の主は……」

北芝「………被告人”篠田久留美”……」

小林「………えっ」

小林「ぇぇぇええええええええええええ!!!?」

348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:55:23.51 ID:okmjwADoO


ザワザワ…ザワザワザワ……ザワ

カンッ


裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「北芝検事、それは本当の事なのですか?」

北芝「ええ。確かにそれは間違いないわ」

北芝「しかし!この声が記録されたという事は!被告人が被害者と一緒に居た事は明白!」ダンッ

北芝「間違いなく!被告人は被害者が死ぬ直前に一緒に居たのよ!」

小林「異議!!」

小林「それじゃぁ!あの”タスケテ”という言葉は何だったのですか!?」

小林「どうして今から死ぬ被害者の近くで被告人が助けを求めていたのですか!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「それは大した問題ではない!!」

北芝「被告人が被害者の死の直前まで一緒に居た。それが一番の大問題よ!!」

小林「ぐぅっ…!!うっぐっ!!」

北芝「更に言えば被害者が睡眠薬入りのジュースらしき物を飲む前に命乞いのような事を叫んでいる」

北芝「もし被告人が無関係なら、その叫びに異常性を感じないわけが無い!!」

小林「……………」

小林(たっ……確かにそうだ……)

小林(僕は…彼女の本性を知っている。……だから、判断が少し鈍っているのかもしれない)

小林(それに、御子柴さんのトイズが僕の顔で轢き潰される所をシャーロックが見ている以上…被害者は…ん?)

小林(顔を…変えるトイズ…?)

小林(……………)

小林(……あ?)

小林(あ……ああああああああっ!!!?)

小林(まっまさか……でも、これが真実なら……!!)

小林(例え違っていたとしても…この状況から異議を唱え時間を稼げる筈!)

小林(だけどそれは…おそらく誰一人として信じてくれないかもしれない)

小林(でも、この異議を唱えなければ最悪のまま審議は終わってしまう…!)

小林(……どうする…!?)



→異議を唱える

 異議を唱えない


349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 19:58:11.26 ID:okmjwADoO


小林「異議あり!!」ダンッ

北芝「!」

小林「…ここで、一つ別の可能性が生まれている事に気づきませんか?」

北芝「……どういう意味?」

小林「あの音声に録音された被告人の助けを求める声。そして被害者の絶叫」

北芝「何が言いたいのよ」

小林「……あの時、本当に死んだのは…被告人じゃないのですか?」

北芝「…はぁ?何を言ってるのよ。死んだのは被害者よ?被害者の御子柴華子」

小林「いいえ、本当は違ったのです」

裁判長「…どういう事ですかな?」

小林「…実はあの時、あの場で殺されたのは……」


→御子柴華子

 篠田久留美

 シャーロック・シェリンホード



350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:00:29.04 ID:okmjwADoO




ダンッ


小林「篠田久留美なのです!!」

北芝「………はぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!???」

小林「そう!この事件…被害者と被告人が逆だったのです!!」

裁判長「どっどういう事なのですか!?弁護人!」

北芝「そうよ!そんな飛躍した論理出さないで証拠出しなさいよ証拠!!」

小林「……検察側は被害者のトイズが何かお分かりですか?」

北芝「んなの当然でしょ!被害者のトイズは顔だけを別人……に………!!」

小林「はい、その通りです。この事件、被告人は被害者の顔に装っている可能性があります」

北芝「………本当に馬鹿馬鹿しい仮設立てるわね貴方」

北芝「だったら…あの死体は何だったのよ!!被害者のあの死体は!!」

小林「……検察側は、あの死体を御子柴さんの部屋で見つけた。または事務所の人数を参考にして特定したそうですね?」

小林「しかし、御子柴さんのトイズが判明している以上、それは証拠不十分となります!!何故なら―――」


351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:01:01.85 ID:okmjwADoO


→証拠ファイルF御子柴華子の解剖記録を突きつける



小林「被害者は顔を潰されて、一目見ただけでは誰なのか分からないからです!!」

北芝「うぐぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」ガガーンッ

小林「それも、大型の車に潰されたそうですよね。原型も残らない筈です」

北芝「…そんなの…関係無いわ…」

北芝「篠田久留美の身元調査は完了していた!あれは間違いなく篠田久留美!事件の真犯人である被告人だったわ!!」

小林「……それじゃぁ、勿論」

小林「この調査も、確認済みなんでしょうね?」


352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:01:38.19 ID:okmjwADoO


→証拠ファイルH篠田杏子のトイズを突きつける


北芝「そっ…それは…!」

小林「…彼女のトイズは”スローモー”です。自分の回りが遅く感じるのだとか」

小林「そのトイズの確認方法は、そのトイズを持ち合わせていなくても可能だったのでは?」

小林「何か早業を見せつけてやれば、大方納得もするでしょうしね。他に確認方法も少ないでしょうし」

北芝「くく…ぐっ!!」


ダンッ


小林「裁判長!ここで一つの大きな疑問点が現れました!」

小林「この疑問を解決のために…被告人、篠田久留美の召喚を要求します!!」

裁判長「…………」

裁判長「北芝検事、異議は無いですか?」

北芝「……………」

北芝「…冷静に考えれば、別に検察側に不都合な事が無いわね」

北芝「異議なし。連れてきなさい」

裁判長「分かりました」

裁判長「係官!今すぐ被告人を証言台まで!」



353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:02:15.15 ID:okmjwADoO



篠田「……………」

北芝「…証人、名前と職業を」

篠田「ええと、私の名前は篠田久留美!今はアイドルと被告人を兼業でしています!」

小林「それは兼業とは呼びません…」

北芝「…証人、まずは単刀直入に聞くわ」

北芝「貴方は、被害者が死ぬ最後の音声を録音している時に傍に居たわね?」

篠田「………?」

ダンッ

北芝「とぼけても無駄よ!このテープの中には記録されてるんだから!」

北芝「か細くても、小さく呟く貴方の声がね!!」

篠田「………ええと、最後の音声?何ですかそれ?」

小林「…被告人。申し訳ありませんが…これは聞き逃すことが出来ません」

小林「このカセットテープを一度お聞きください」


354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:02:41.95 ID:okmjwADoO




≪カセットテープ再生中≫





篠田「………………」

裁判長「…ふむ、やはりいつ聞いてもハッキリ聞こえますな」

北芝「小さな声ではあるけどね」

篠田「…ああ〜。なるほどなるほど」

ネロ「!」

姫百合「認めるのですか…?貴方がその場に居た事を」

篠田「うん。これなら説明できると思うしね!」

小林「…篠田さん。証言してください」

小林「貴方はこの時、何故御子柴さんと一緒に居たのかを」



355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:03:07.21 ID:okmjwADoO



【証言開始】


@これ、御子柴ちゃんが演技の練習の為に撮ってた音声だよー


A私も、横で練習してたんだー。御子柴ちゃんと同じ題材で


B邪魔にならないように、私は小さな声で撮ってたんだけどね




356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:03:37.61 ID:okmjwADoO



北芝「異議あり!!」

北芝「貴方…ふざけてるの?そんな言い訳が通用すると思ってるのかしら!?」

篠田「えー?でも、これが真実ですよーそれとも」

篠田「私が嘘を言っている証拠があるんですか?」

北芝「現に被害者は殺されているじゃない!!」ダンッ

篠田「それじゃぁ、このテープがいつ録音されていたのかは?」

北芝「うっ…!」

篠田「私は覚えてますよ!確か……一か月程前だったかな!」

裁判長「……なるほど、演技の練習ですか…」

裁判長「最近は、アイドルの方も女優業をされる方も多いので、納得はできますね」

裁判長「弁護人、どうですか?」

小林「…………」

小林「とりあえず、尋問をさせてください」

裁判長「分かりました。」



357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:04:06.49 ID:okmjwADoO


【尋問開始】


@これ、御子柴ちゃんが演技の練習の為に撮ってた音声だよー


小林「待ってください!」

小林「…一体、何の練習だったのでしょうか」

篠田「ん?あー…確か悲劇の物語を私たちで作って、それで練習したみたいな!」

篠田「いつかドラマのオファーが来た時に、私たちの演技力を見せつけてビックリさせてやろうねって!」

裁判長「…まぁ、確かに演技にしては凄く迫真的でしたな」

コーデリア「ええそうね。まるで本当にあったかのように………」ジロ

篠田「?」

小林「……という事は、本件の事件には関係の無い事なんですね?」

篠田「うん!そりゃぁ勿論!」

小林(………ん?)



【このテープは事件とは関係無いを疑問点として覚えますか?】


→はい

 いいえ


358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:04:33.23 ID:okmjwADoO



→はいを選ぶ

小林「……………」

小林「分かりました。証言を続けてください」

篠田「オッケー!任せてよ!」



359 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:05:12.13 ID:okmjwADoO




A私も、横で練習してたんだー。御子柴ちゃんと同じ題材で

小林「待ってください!」

小林「同じ題材…つまり、殺される役をやっていたという事ですか?」

篠田「そう!どうだった?殺されるーって感じだったでしょ?」

篠田「それでも御子柴ちゃんは演技凄すぎだけどねー」

小林「…ここまで大声を出して、近隣からの苦情は来なかったのですか?」

篠田「来ない来ない!だって、これ撮ったのは音響室だよ?全然だって全然!」

小林(一か月前にどんな状況だったのか分からないけど……)

小林(………ん?)




【絶叫して苦情も何も無かったという事を疑問点として覚えますか?】



→はい

 いいえ



360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:05:38.36 ID:okmjwADoO


→いいえを選ぶ


小林「……………」

小林「分かりました。証言を続けてください」

篠田「了解!でも、こんな事件と関係ない事証言しても大丈夫なのかなー?」




361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:06:05.50 ID:okmjwADoO




B邪魔にならないように、私は小さな声で撮ってたんだけどね



小林「待ってください!」

小林「…性格と比べて、結構控えめですね」

篠田「演技と本性とは関係ないよ!それは女優業の人を観察すれば一発で分かる事だよ!」

小林「まっまぁ…それはそうですが」

篠田「でも、私も磨けば演技力はつくけどねー」

篠田「御子柴ちゃんも、あんなに大声出せるならいつも出せば良いのに」

小林(一体、どこまでが本当の事なのだろうか…)

小林(………ん?)



【被害者の声が大きかったという疑問点を覚えますか?】

→はい

 いいえ


362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:06:31.74 ID:okmjwADoO


→いいえを選ぶ


小林「……………」

小林「…はい。ありがとうございました」

篠田「まぁ、こんなものかなー。でも、憧れるなー女優業!」

北芝「…………ふん」



363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:06:57.11 ID:okmjwADoO



姫百合「一体、どこまでが嘘でどこまでが本当なのでしょうか」

小林「…いや、恐らく全部信用できないだろう」

姫百合「!」

ネロ「だったら、突きつけ放題じゃないか!小林!」

小林「いや、こういう証言だからこそ慎重に突きつけなくちゃいけない」

小林(まずは揺さぶって、疑問点を覚えるか覚えないかを選んでから)

小林(最も疑問の強い証言を突きつけよう)




364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 20:07:24.69 ID:okmjwADoO
次は20時15分再開です
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/03(日) 20:15:50.20 ID:okmjwADoO



→@に証拠ファイルE壊れたカセットテープを突きつける


小林「異議!!!」


小林「……篠田さん、貴方言いましたね?このテープは事件とは関係ないと」

篠田「うん!それは当然の事じゃないですか。だって、演技の練習を録音しただけですもん!」

小林「…だとすれば、一つおかしな点があります」

小林「どうして犯人は、このテープをへし折ったのでしょうか?」

北芝「!」

小林「事件と直接関係ないのなら、テープをへし折る意味が分かりません」

小林「もし本当に、これが演技の練習だったのなら!」ビシッ

篠田「………」

篠田「…んー、多分恥ずかしくなっちゃったんじゃないかな?」

小林「はっ…恥ずかしい…?」

篠田「うん。御子柴ちゃんは恥ずかしがりだから、自分の声を聴いたときに耐え切れなくてへし折ったかもしれないよ」

篠田「いやむしろ、そっちの方が有り得るかも!」

小林「うっ……!」

北芝「……確かにへし折られたテープには指紋はついていなかったわね。指の跡は出たけど」

北芝「でも、例え強くへし折ったとして一か月も前の指跡が粉で検出されるかしら?」

篠田「いやいや、録音したのが一か月前なだけで、へし折ったのはいつかまでは分かんないじゃないですか」

北芝「………くっ」

篠田「もしかしたら、つい最近なのかもしれないでしょ?」

裁判長「なるほど、確かに筋が通っています」

小林(うっ…裁判長の篠田久留美に対する心証が良くなっていく…)


366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/07/03(日) 20:16:21.45 ID:okmjwADoO


カンッ


裁判長「……どうやら」

裁判長「弁護側の主張は、もうここで崩れたみたいですね」

小林「!」

裁判長「もし、このテープが事件当日の物と関係無いのだとしたら。被害者と被告人が入れ替わっていた事など」

裁判長「とても考えられません」

篠田「?それってどういう事なんですか?」

小林「………………」

北芝「……そこの弁護士は、貴方を御子柴が変装していると考えているのよ」

篠田「……!」

小林「…?」

篠田「………」

篠田「あっ!ごめんなさい。あまりにも突拍子すぎて…ちょっとビックリしちゃいました!」

篠田「でも、凄い発想力ですよね!推理作家になったら本も売れそうですよ!」

小林(今…篠田久留美の様子がおかしかったような…)

北芝「…まぁ、例え被告人が被害者と入れ替わっていたとしても何も変わらないけどね」

小林「…………」

北芝「この事件の真犯人は、今そこに立っている」

ダンッ

北芝「被告人、篠田久留美!検察側の主張は決して崩れない!!」

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