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【FEif】セツナ「ヒノカ様…?」
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2016/09/01(木) 02:35:51.63 ID:IhSZuIwI0
◇◆◇◆◇
「セツナ、水浴びに行かないか?」
弦から離れた指を絡めながらヒノカ様が私を誘ってくる。
先ほどまで続いていた弓の訓練が終わって、赤が差し込んで来る時刻だった。
夜の水浴びは危険ですよと、アサマが笑いながら言ってくる。
それにヒノカ様はやんわりとした顔で、アサマも一緒に来ないか?と零してくる。
それを聞いたアサマの顔はいつも通りだったけど、私にはその手が強張ったのがわかった。
前までのヒノカ様なら冗談でも言ってこない、そんな言葉にアサマは動揺していた。
「ヒノカ様…アサマは用事があるって…」
思いついた言い訳を私が告げると、アサマもそれに合わせてそうなんですよと零した。
アサマの調子がおかしくなりそうな会話は、いつもヒノカ様の言葉で終わりを迎える。
「アサマ。明日もちゃんと……ここにいてくれるよな?」
「……もちろんです。主君の命令に従うのも臣下の務めですので」
「なら…ヒノカ様のお誘いを断るの…駄目だと思う…」
「はっはっは、命令だというのなら、ご一緒しますが?」
私とアサマのやり取りは、たぶん使い古された手だと思う。こうやって私達は何も変わってないとヒノカ様に言い聞かせる。
そして、ヒノカ様は私に絡めた指をさらに強く結んでくる。
アサマの返答で得られなかった安心を私から得るように、私が傍にいることでアサマも傍にいるんだと認識するために。
少しの間、力強く手を握られて、やがてそれが弱まれば、調子を取り戻したヒノカ様になる。
そんなことを、幾度も幾度も繰り返さないといけなかった。
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