【fgo】ランサー「ローマがローマだ」ケイネス「え?」【zero】

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1 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/18(日) 14:42:10.13 ID:bjYlrOEF0
ここはドイツにあるアインツベルン城、
そこで一人の男とその妻がある魔術儀式を行っていた

切嗣「抑止の輪より来たれ天秤の守りてよ!」

男の詠唱の終わりとともに魔法陣が光る
そしてそこから現れたのは

セイバー「セイバー、ベディヴィエール。
     此よりは貴方のサーヴァントとなりましょう。
     それが、我が王の御為になるものと信じて」

銀色の腕をした美しい男だった

―――――――――

そして各地でサーヴァントが召喚される

ランサー「私(ローマ)がローマだ」

アーチャー「サーヴァント、アーチャー。アルジュナと申します。
      マスター、私を存分にお使い下さい」

ライダー「おやおや、これはこれは奇遇ですな。
     デュフフフフフ。黒髭、参上ですぞ。緑は敵ですぞ」

キャスター「あああぁぁ!どうやら大当たりのようですよマスター?
      悪魔メフィストフェレス、まかり越してございます!」

バーサーカー「私が来たからには、どうか安心なさい。
       すべての命を救いましょう。すべての命を奪ってでも、
       私は、必ずそうします。」

アサシン「我が顔を見る者は恐怖を知る事になるだろう……お前も」

聖杯戦争が始まる…
2 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/18(日) 14:44:03.70 ID:bjYlrOEF0
fgo初出キャラで聖杯戦争

書くのは遅く、でもあっさりと進めます
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/18(日) 16:43:18.67 ID:RcaVnpLZo
雁夜おじさんにナイチンゲールとか割とどうなるか気になるぞ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 22:11:30.64 ID:Xxw5LQt5o
下手したら本来の4次サーバントよりも強いな
5 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:01:37.52 ID:rrB21qFP0

切嗣「ベディヴィエール…?アーサー王ではない…だと?」

切嗣は目に見えて落胆している様だった。

アイリ「ええっと、切嗣?い、良いじゃない!ヴェティヴィエールだって悪くはないわ。ほら、彼はほかの騎士たちよりも早く敵を倒したというじゃない」

切嗣「正確には一般的な騎士より早くだ。ランスロットやガヴェインには劣るよ。これならアサシンを召喚した方がはるかにマシだった」

切嗣の心ない言葉にセイバーは落ち込んでいる。

セイバー「ええ、それは間違いではありません…私は円卓において最弱でしたから…」

切嗣「はぁ…」

うつむくセイバーを置いて切嗣は部屋を後にした。
6 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:02:16.64 ID:rrB21qFP0
・

切嗣(サー・ヴェティヴィエール、アーサー王の忠臣…。その槍の一突きは一般的な騎士の九突きに匹敵すると言われる)

切嗣は一人廊下を歩きながら先ほど召喚したサーヴァントの情報を思い返す。

切嗣(ランサーならともかくセイバーだなんてな。奴の剣の逸話など…)

足が止まった

切嗣(ないぞ…)

頭が働く

切嗣(剣にまつわる逸話といえばアーサー王の死についてぐらいのはずだ。そんな奴がなぜセイバーに?いや、そもそも何故アヴァロンを触媒として召喚された?)

疑問は尽きない。

切嗣(僕の推測が正しいとすれば...!)
7 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:02:46.60 ID:rrB21qFP0
・

セイバー「アヴァロンですか…」

セイバーは自らの王がかつて持っていた鞘をなでる

セイバー「申し訳ありません王よ。私はあなたを…」

ガタン、扉の開く音がする。

切嗣「セイバー」

セイバー「あなたですか、マスター。どのようなご用件で?」

切嗣はセイバーを睨みながら

切嗣「お前の宝具は何だ?」

と聞く。

セイバー「…」

セイバーは答えない、答えたくないのだ。

切嗣「答えないのなら勝手に話そう。お前の宝具はエクスカリバーだな。違うか?」

セイバー「…はい。なぜ分かったのですか?」

切嗣「ベディヴィエールには剣の逸話がない、有名な逸話といえばエクスカリバーの返還についてぐらいだ」

カムランの丘にて傷ついた王を助けるため兵を呼びに向かおうとしたその時、
目を覚ました王に自分に代わってエクスカリバーを湖の妖精に返還せよ、と彼は命じられた。
ベディヴィエールは王の命を破るという騎士にとっての大罪である事を知りながら、王を惜しむ余りに二度に渡って剣の返還を躊躇い、
繰り返し「剣を捨てた」と嘘をつく。
だが、その度にアーサー王から命令の実行を命じられ、もはや王の意志を変えることは出来ぬと悟り、
王の終わりを受け入れて、三度目にして遂に剣を湖に投げ入れた。
それが彼の逸話だ。
8 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:03:16.56 ID:rrB21qFP0
切嗣「それにいくらアヴァロンが円卓の騎士にゆかりのあるものとはいえ、アーサー王本人との縁には負ける」

セイバー「…」

セイバーは黙って聞いている

切嗣「要するに、アヴァロンを触媒として呼び出されたのはお前ではなくエクスカリバーだ。」

セイバー「その通りです、私のこの腕がエクスカリバーなのですよ」

セイバーが自嘲気味に笑う

切嗣「答えろ、エクスカリバーが呼ばれたにしろ何故アーサー王ではなくお前が呼ばれた」

セイバー「私は王を裏切った」
9 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:03:45.68 ID:rrB21qFP0
彼の懺悔のような言葉

セイバー「三度目に返還を命じられた際、私はまた返還することができずに王の元へ戻りました…」

切嗣「…」

彼の告白に今度は切嗣が黙って聞く番だった。

セイバー「そして見てみるとそこに王は居ませんでした。エクスカリバーを返さなかったために王は死ぬことも出来ずにさまよい続けることとなったのです。」

セイバーはつらそうな顔をする

切嗣「エクスカリバーの加護か…」

セイバー「この義腕はマーリンがエクスカリバーを加工して作ったアガートラムのレプリカです」

切嗣「アガートラム…ヌアザの銀の腕だな?」

セイバー「はい。だから私は召喚へと応じたのです。今度こそ王を殺すために…」

セイバーの告白は終わった
10 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/25(日) 20:04:42.43 ID:rrB21qFP0
もっとあっさりと行きたい…

次はたぶん水曜日
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 20:54:21.91 ID:z7vfbfSA0
期待
12 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/28(水) 20:47:37.73 ID:2K8+eduC0
切嗣「…」

セイバー「…」

沈黙が場を支配する。

先に口を開いたのは切嗣だった。

切嗣「それで?」

セイバー「はい」

切嗣「お前がエクスカリバーを所有しているせいでアーサー王が召喚できなかったことは分かった
   だが今聞きたいことは一つだ。お前は戦えるのか?」

セイバー「はい、サーヴァントとしてであれば生前よりは強いと思います」

切嗣「そうか、それならいい。」

その言葉を聞くと切嗣は部屋を後にした
13 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/28(水) 20:48:13.96 ID:2K8+eduC0
少年は苦悩していた

それは…

ライダー「んほぉぉぉっぉぉぉぉ!うーん、やはり深夜アニメは最高ですぞ!」

自らの召喚したサーヴァントがどうしようもないオタクだったからである。

ウェイバー(海賊エドワード・ティーチ、通称黒ひげ。召喚用の触媒がこいつのマントとはな)

黒ひげといえば有名な海賊の一人であり知名度により強さの変わる聖杯戦争においては当たりと言ってもいいだろう。

しかし…

ライダー『マスター、同人誌買ってきてくだちい』

ライダー『マスターはおにゃのこみたいでカワイイでござるなwwwwww』

ライダー『え?外に出る?聖杯戦争?拙者今アニメ見るのに忙しいでござる』

ウェイバー(はずれじゃないか!なんなんだよこいつは)

召喚されるなりサブカルチャーにのめりこみだした自らのサーヴァントを心の中で罵倒する。
実際にも罵倒はしたが

ライダー『アーッ!その暴言がキ゛モ゛チ゛イ゛イ゛!』

寒気がした。

ウェイバー(こんなのと聖杯戦争を勝ち抜いても評価は変わらない気がする…)

もう一度ライダーを視界に入れると、不快感が込みあがってきたのでそのまま寝ることにした。
14 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/28(水) 20:51:15.81 ID:2K8+eduC0
雁夜は驚愕していた。

雁夜「…?」

ジジイの用意した触媒を無視して自分が海外で手に入れたお守りを使ったことまではいい。
だが、話に聞いたバーサーカーとは大分違っている。
言葉も話せるし理性もありそうだ、とりあえずは…

雁夜「あんたが俺のサーヴァントか?俺は間桐雁夜、よろしく」

辛い体を引きずって挨拶を行う。
理性があるというなら友好を深めておくのもよい、と手を差し出す。

バーサーカー「…」

雁夜を見つめていた彼女は

バーサーカー「重症ですね」

雁夜「ん?」

診断を下した

バーサーカー「白髪、濁った眼、ミミズ腫れ、引きずられた体。早急に治療が必要です」

雁夜「は?」

バーサーカー「特にミミズ腫れ、そのうごめき方から何かに寄生されていると思われます。切断しましょう」

雁夜「はああああああああああ!?」

突然の言葉に驚愕は継続する。
15 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/28(水) 20:51:45.33 ID:2K8+eduC0
バーサーカー「大丈夫、貴方は必ず助けます」

バーサーカー「こ ろ し て で も !!」

雁夜「ちょっ!」

メスを構えて向かってくるバーサーカーにさらに驚きは継続。

と思うと…

バーサーカー「何ですか?ここは…」

臓硯「どうかな?我が家自慢の虫蔵は」

ずっと黙っていた臓硯が口を開く。

臓硯「ふふっ、すばらsバーサーカー「不潔ですね、消毒します」

そこにあった古めかしいランプとオイルで火をつける。

臓硯「」

雁夜「」

驚愕継続4回目

バーサーカー「殺菌!」

その日、間桐家でボヤ騒ぎがあったという
16 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/09/28(水) 20:53:37.76 ID:2K8+eduC0
ここまで
継続4回熱いですね(パチンコ感)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 23:43:37.61 ID:2KOyqJcmO
乙
やっぱりナイチンゲールとの相性良さげ
18 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/10/22(土) 17:07:31.41 ID:es2E0B8t0
男は上機嫌だった

時臣「サーヴァントとしてアルジュナを召喚できたことは非常に幸運だった」

ワイングラスを揺らしながら優雅に話す

綺礼「アルジュナですか…」

時臣「まあこの国では有名ではないな。だが彼は『マハーバーラタ』に登場する最強クラスの英雄だ」

アーチャー「…」

アーチャーは黙っていた

アーチャー(最強…ですか…)

時臣「とはいえ綺礼のサーヴァントがオペラ座の怪人とはね…」

綺礼「申し訳ございません師よ、このアサシンではまともな偵察も行えないとおもわれます」

綺礼は謝罪をするが、時臣はあまり気にしていないようで

時臣「構わないよ、サーヴァントの一騎でも倒せれば上等な方だ。それに、私のサーヴァントであればきっと勝ち抜けるさ」

時臣は自らのサーヴァントを信頼している様だった

時臣「君には各陣営の情報収集をお願いしたい。アサシンはその時の護身にでも使えばいいよ」

綺礼「分かりました」

時臣「この戦い我々の勝利だ」
19 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/10/22(土) 17:08:09.55 ID:es2E0B8t0
綺礼は思案していた

綺礼(衛宮切嗣…お前はなにを求めている。お前の中に私が求める答はあるのか?)

何があるわけでもなく彼は路地裏をさまよっていた

綺礼(私はそれが知りたい…ん?)

そんな綺礼の前に衛宮切嗣が現れたのは本当に偶然だった

綺礼「衛宮切嗣…」

切嗣「!?」

いきなり自分の名前を呼ばれた切嗣は驚愕する

綺礼「ちょうどいい、私はお前に聞きたいことがあったのだ」

切嗣(言峰綺礼…最悪だ。こんなところでコイツに見つかるなんて)

切嗣は自らの運のなさを呪った

綺礼「貴様は何のために戦う?戦ってきた」

切嗣「何?」

切嗣(僕の経歴を見て何か疑問でも持ったか?とはいえ逃げ道を探すのに少し時間がほしいな)

綺礼「どうした?早く答えろ」

綺礼はアサシンを横に従えながら答えを催促する

切嗣(意図が分からないがここは素直に答えておこう)

切嗣「恒久的世界平和だ」

綺礼「そうか…真面目に答えるつもりはないのだな。ならば」

アサシン「…」

綺礼「やれアサシン、生かしておけばいずれ邪魔になる」
20 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/10/22(土) 17:08:38.52 ID:es2E0B8t0
綺礼は切嗣の言葉に満足できなかったらしくアサシンをけしかけた

アサシン「地獄にこそ響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)」

切嗣(しょっぱなから宝具だと!?イカれているのかこいつは)

綺礼「ちょうど宝具を見てみたかったところだ。厄介な魔術師殺しも消せる」

切嗣(まずいこんなところで)

青年「Coooooooooooooooooooooooool!」

切嗣、綺礼「!」

青年の声に驚いたすきを切嗣は見逃さなかった。
閃光弾を投げ、その間に逃げた

綺礼「…」

切嗣には逃げられ、青年もいつのまにかいなくなっていた
綺礼らしくない失敗だった
21 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/10/22(土) 17:09:07.52 ID:es2E0B8t0
青年は興奮していた

路地裏で見た最高の芸術
自分もそれを作ってみたいと思った
とりあえず先にかねてから興味のあった悪魔の召喚を行ってみたのだが

メフィストフェレス

成功した、有名な悪魔を呼ぶことができたのだ

龍之介「とりあえずコイツいっときます?」

キャスター「ふむ…?」

龍之介から子供を勧められたキャスターはしばらく眺めた後あろうことか子供を逃がしたのだ

龍之介「え?ちょっと」

キャスター「さあ、付いてきてくださいマスター?」

・

少年は交番に走っていた
突如として両親を殺されピエロに助けられた
滑稽な話であるが事実であり非常に恐ろしかった
交番が見えてきたとき少年は安堵感から涙が止まらなかった

少年「お巡りさん!」

警察官「ん?どうし…」

爆発した
突如として目の前の警察官が爆ぜたのだ

少年「え?」

血しぶきが少年に降りかかる
そして気づけば体には虫のような時計がついていた

キャスター「それでは最後の置き土産ぇ! 3、2、1、パアァッッッツ!世界は終わりィッ! イヤァァッホオォォウウゥゥ!!!」

少年「あ」

少年は絶望の表情を張り付けながらゆっくりと死んでいった

キャスター「いやぁ、マスター。ヒヒヒwww最高の贈り物をありがとうございます!」

龍之介「…」

その日2回目の"Cool"が龍之介の口から放たれた
22 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2016/10/22(土) 17:10:21.78 ID:es2E0B8t0
どうしよう恐ろしい位に駄文だ…
今回はここまでで
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 18:35:41.93 ID:5Ifa2IGoO
とりあえず時臣陣営以外は関係良好そう
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 21:16:57.66 ID:Ok4FpIHHO
乙
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/25(金) 00:23:27.85 ID:af5xfAoU0
スレタイのランサーが出てきてないとはたまげたなあ
26 : ◆vn2AztKwUw :2016/11/29(火) 23:34:58.36 ID:hLuHdYUm0
港の中、コンテナに囲まれながら火花を散らす2つの影があった

セイバー「はぁ!」

片方は銀の腕に剣を携えた美しい剣士であった

ランサー「ローマ!」

そしてもう片方は身の丈ほどの棍棒を振り回す長身の槍兵だ

2人の力は拮抗しているように見えるが少しずつランサーの方が押している様だった
セイバーは素早い動きで攻撃を仕掛けていくが、見た目からは想像のつかない程の
速度でランサーはそれに反応する
幾度かうちあった後、正面から戦っても勝ち目はないと判断したのかセイバーは距離を離した

ランサー「良い動きだ。貴様のようなものがローマ兵であれば良かったのだが」

セイバー「冗談を、私はローマの兵士になどならん」

ランサー「だろうな、お前からはローマへの敵意を感じる」

アイリ「!」

ランサーの発言に傍らで見ていたアイリが驚いた
当然であるこの戦いの中でセイバーは自らの経歴がばれるような行動などとっていないのだから

ランサー「私(ローマ)には分かるのだ、なぜなら」

セイバー「なぜなら?」

ランサー「ローマがローマだからだ」
27 : ◆vn2AztKwUw :2016/11/29(火) 23:35:40.83 ID:hLuHdYUm0

訳のわからない言葉である
だが、それと相対しているセイバーには

セイバー「なるほど」

あふれ出るローマ感を感じることができた

セイバー「とりあえず、正面からは辞めにします」

そういったセイバーはランサーの目の前から消えた
その直後ランサーの正面から無数のコンテナが飛んで来る

ランサー「む」

すぐに後ろからも追加のコンテナが来た。

ランサー「後ろもだな、むぅん!」

いくつかのコンテナを避け、避けきれないコンテナは薙ぎ払う

セイバー「はぁぁぁ」

ランサーの避けたコンテナを突き破りセイバーが強襲する
その速度と位置からランサーは完全には避けきれず一太刀浴びてしまう

ランサー「ぐうっ!」

セイバー「浅いか…」

二人とコンテナが着地する

アイリ「きゃあ!」

その衝撃で辺りには風が舞った
28 : ◆vn2AztKwUw :2016/11/29(火) 23:36:24.75 ID:hLuHdYUm0
ランサー「…」

セイバー「…」

少しの沈黙

ランサー「クハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

それを破ったのはランサーの笑い声だった

ランサー「なるほど!そうくるか!霊体化してコンテナ間を移動するとはしてやられたな!」

セイバー「首を落とすつもりだったが、かわされたか」

ランサーには先ほどまでの落ち着きはない
完全に本気になったようだった

ランサー「よい!私を!ローマを!落としに来るがいい!尽くせるすべての手を持ってだ!」

セイバー「まだ初戦なのですが…」

ランサー「構わん、私も全力だ。もし貴様がそうでないなら」

先ほどより威圧感が増す

ランサー「私に、ローマに、世界に!勝つことはできん」

セイバー(さて、どうしたものか…)

強大なローマを前にセイバーは覚悟を決める
29 : ◆vn2AztKwUw :2016/11/29(火) 23:36:54.42 ID:hLuHdYUm0
綺礼「なぜあの時私はあんなにもムキになったのだろうか」

衛宮切嗣と遭遇し自らの自らのサーヴァントもバレ、宝具もさらしていた綺礼は
教会の中、自らの失態に困惑していた

アサシン「ラー♪」

その傍らでアサシンは歌う

綺礼(暢気なものだなこの英霊は)

聖杯戦争中であるというのに役にも立たずただ歌い続けるアサシンに綺礼は内心呆れていた

アサシン「我がマスターよ、歌え」

いきなりのアサシンの言葉に戸惑う綺礼

綺礼「何?」

アサシン「歌え!歌え!歌え!」

綺礼「私に歌は…」

アサシン「構わぬ、その声で奏でさえすればいい」

歌うように言葉を紡ぐアサシン

綺礼「↓♪」

だが、綺礼の唄はアサシンの気には召さなかったようで
そのまま数分間指導を受けるハメとなった

時臣「君にも苦手なことがあるのだな」

いつの間にか協会の入口に時臣が立っていた
思うより時間が経っていたらしい

綺礼「お見苦しいところをお見せしました、それで何かご用事でも?」

時臣「ああそうだった、港で戦闘が起きているようだ魔翌力の揺らぎが観測された」

綺礼「港ですか」

時臣「アサシンは偵察に出せそうかい?先にアーチャーを向かわせては居るが」

綺礼「分かりました、やらせます」

時臣「良かった、頼むよ」

そういって、協会を出ようとしたが

時臣「ああそうだ」

出入り口のあたりで止まり

時臣「歌について一つアドバイスをあげよう。音楽とは”音”を”楽しむ”と書く」

綺礼「はぁ」

時臣「うまく歌えないのなら何か楽しかったことでも思い浮かべるといい。声はいいんだきっとうまくなるよ」

そうアドバイスを残して去っていった

綺礼「…アサシン!」

アサシン「いかがした?我が主よ?」

綺礼「歌は歌ってやったのだ働いてもらうぞ」

アサシン「よかろう、その代金を払おう」

そういってアサシンは消えた

綺礼「楽しかったこと…?」
30 : ◆vn2AztKwUw :2016/11/29(火) 23:37:43.98 ID:hLuHdYUm0
ここまで!
ローマとファントムのキャラが…
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 00:59:12.35 ID:urntTrdNo
おつ
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/12/01(木) 03:09:51.86 ID:TelybLxp0
アカン、トッキー自分でアゾられる運命を選んじまったぞ
33 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:22:26.97 ID:/oB/75u10
ライダーとウェイバーは橋の上にいた

ライダー「うーん、今のところ拙者好みの女の子がいないでござるなぁ」

ライダーがレトロな望遠鏡をのぞきながらほざく

ウェイバー「な・に・を!見てるんだよ!女とかいいからサーヴァントを見ろよ」

たいするウェイバーは新しい双眼鏡をのぞきながら怒鳴った

ライダー「えぇ…これは拙者のメンタルに関係する大事なことでござるよ?」

ウェイバー「お前は焦らないのかよ!あの2騎のサーヴァントの実力をみて」

ライダー「じぇーんじぇん!相手が誰であろうと拙者は拙者でござる」

ウェイバー(ちょっとかっこいいと思ってしまった…)

ウェイバーは自らの思考に自己嫌悪をしてしまった

ライダー「!!マスターマスター」

ウェイバー「なんだよ」

ライダー「ちょっと港の方を見てみるでござる」

ウェイバー「はぁ?いきなりなにを…」

ウェイバーが双眼鏡をのぞいてみると飛来する光の矢を必死にさばいているセイバーとランサーの姿が見えた

ライダー「次はあっちを見るでござる」

次にライダーが指をさした方向を見てみるとそこには白い服を着た弓兵がいた
セイバーたちのいる港から遠く離れた建物の上から狙撃を行っていた

ウェイバー「なんだよあれ…あんな距離から狙えるとかおかしいだろ」

体は震える
とりあえず見つからないうちに逃げるか思案していると

ライダー「主砲装填完了!撃てぇ!」

ウェイバー「何してやがるんですかこの馬鹿はー!」

ライダーが宝具を一部だけ展開し放っていたが、
すぐに気づかれ防がれてしまう

ウェイバー「やばい気づかれ…」
34 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:22:57.12 ID:/oB/75u10
いきなりライダーはウェイバーの体を抱え川へと飛び込んでいった
それ以降うまく死角に隠れたのか矢が飛んでくることはなかった

ウェイバー「どうするんだよ!もし近づかれたらやばいって」

ライダー「首だけは残してほしいでござるなぁ…」

ウェイバー「もう負けた気でいる!?」

ウェイバーは焦るマジで焦る

ウェイバー「考えろ…考えろ…ん?」

老人「おーい!あんたら大丈夫か?」

モーターボートに乗った老人が近付いてくる

ウェイバー「!ライダー、あれの運転はできそうか?」

ライダー「誰に言ってるんでござるか?俺は大海賊黒ひげ様だぜ?」

ウェイバー「真名をばらすな!僕がどうにかあれを手に入れるから港まで運転しろ、奴はセイバーとランサーになすりつける」

数分後、暗示によってボートを借り受け
走らせる二人の姿があった

ウェイバー「速い!速いって!」

ライダー「え〜?本当にござるか〜?」

軽口をたたきながらもアーチャーの矢を華麗に避けるボート
彼の持つスキル海賊の誉れを最大限に発揮していた

ウェイバー「アイツ追ってきてる…」

ボートとほぼ並走しながらアーチャーは矢を放つ
高速のボートに対しかなり正確に矢が飛ぶ

ライダー「これ拙者と船がなかったら死んでない?」

ウェイバー「認めたくないけど幸運だったよ!チクショウ!」

港は近い
35 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:23:39.69 ID:/oB/75u10
アーチャーは駆ける
遠距離への狙撃を行っていたのだが、突然の砲撃によって中断させられた

時臣『向こうも遠距離攻撃の手段を持っているようだ、先に攻撃してきたサーヴァントを狙え』

マスターの意向により追って来たのだが

アーチャー「なるほど、素晴らしい運転技術だ」

アーチャーの弓を避け続けるのは容易ではない
それを宝具ではなくただの船でやってのける男の技量にアーチャーは素直に関心していた

時臣『あの操縦技術はライダーのクラスだな』

アーチャー「ええ、当然そうですね」

彼らが港に差し掛かったところで

ランサー「ぬおぅ!」

セイバー「てやぁ!」

攻撃を受ける

アーチャー「!?」

露骨な誘導に気付けなかった
アーチャーは自身でも気づかないうちに熱くなっていたらしい

セイバー「あなたですね、先ほどの光の矢を撃っていたのは」

ランサー「2人がかりの奇襲を弓兵の身で捌くとはな」

ランサーの言葉は弓兵を軽んじた言葉ではない、
アーチャーは遠距離クラスのサーヴァントとは思えないほどに見事に対処して見せたのだ

時臣『まだここで本気を出すときではない、適度に交戦したのち離脱しろ』

アーチャー「…いいでしょう」

3騎士は構える

アーチャー「マスターからの命令です。適度にやらせてもらう!」

戦いが始まる
明らかに開幕したてだとは思えないほどの激戦だった
その戦いにまたしても水を差される
36 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:24:08.69 ID:/oB/75u10
ライダー「女王アンの復讐号(クイーンアンズリベンジ)!」

圧倒的な質量の暴力、大量の砲台から繰り出される攻撃は
彼らを飲み込む

ライダー「んんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww圧倒的ですぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

海上には彼の宝具が展開されていた

ライダー「いやぁwwwwww」

 ここに海があって本当によかった
 僕の大きな宝具を
 低コストで展開する為の
 この上ない程の、理由になるから

ライダー「汚物の微笑(クロヒー スマイル)」

ウェイバー「その分の魔翌力を全部攻撃に回すなよ!」

ウェイバーは疲労困憊だ

モブ海賊「まあまあ落ち着きなってマスターさん」
 
海賊M「そうだよ(便乗)」

海賊H「か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛ウ゛ェ゛イ゛バーく゛ん゛」

海賊A「やらないか」

ライダー「なんだこいつら気持ち悪っ」

ウェイバー「こいつらいらないだろ!その分の魔翌力を節約しろよ!」

ライダー「いや、船呼んだら付いてくるおまけでござる」

ウェイバー「……まぁいいや!三騎士をしょっぱなで撃破できたのは運がいい」

ライダー「いやぁそれはどうだか」

煙が晴れる

ランサー「まったく…私を盾にするとは」

アーチャー「体が大きいので」

セイバー「厄介な相手なので」

三騎士とも無事だった

ウェイバー「」

ライダー「ちょっとムカついた」
37 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:24:38.09 ID:/oB/75u10
さらに新たな声が響く

???「われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わんーーー

わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。

われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。

われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。

わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。

われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん。」

上を見ると大きな看護師が刃物を構えていた

雁夜「やれ!バーサーカー!」

バーサーカー「我はすべての毒あるもの、害あるものを断つ(ナイチンゲール・プレッジ)」

そして、それを振り下ろす

全員「!?」

しかし何も起こらない

雁夜「?なぁバーサーカー、この宝具…」

バーサーカー「この場のあらゆる毒性、攻撃性を無効化しました」

雁夜「戦場のど真ん中に無菌室をたててどうする!?」

バーサーカー「無菌室、私の時代にもこれがあれば」

バーサーカーは話を聞かない
意を決してセイバーが聞く

セイバー「レディ、どういうつもりで戦闘の邪魔をするのですか?」

バーサーカー「黙りなさい!なんなのですか貴方たちは!」

いつの間にか陸に上がっていたライダーが答える

ライダー「知らざぁ言って聞かせやしょう拙者h」

バーサーカー「病人ばかりではないですか!」

一切の話を聞かないバーサーカーに一同は困惑していた
38 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:25:06.01 ID:/oB/75u10
バーサーカー「肉体に異物の混ざった男!」

セイバー「なっ!」

セイバーを指さす

バーサーカー「精神を病んだ男」

アーチャー「何?」

アーチャーを指さす

バーサーカー「汚物」

ウェイバー「うん…」

ライダーを蔑む

バーサーカー「貴方は…素晴らしい!健康ですね」

ランサー「当然(ローマ)だ」

バーサーカー「英雄と呼ばれる存在たちがこの体たらくとは」

バーサーカーは呆れている
他のサーヴァントたちも彼女の宝具の効果で攻撃ができずただ言われるがままだった

切嗣『セイバー、僕が合図したらアイリを連れて撤退しろ。ちょうどいいタイミングだ』

セイバー「御意、アイリスフィール失礼します」

アイリスフィール「セイバー?」

セイバー「目を閉じて」

セイバーがアイリを抱え上げる

切嗣『いまだ!』

切嗣の合図と同時にセイバーが撤退する
そこからその場にはお開きの空気が流れている

ランサー「私も帰ろう、少々熱くなりすぎた」

バーサーカー「ええ、体が健康だろうと手洗いうがい殺菌を忘れずに」

ケイネス『何を勝手なことを!』

ライダー「神経質なマスターでござるなぁwwwwwwwwはげますゾwwwwww」

ランサー「安心しろマスターはまだ大丈夫だ、多分」

ランサーも撤退する

バーサーカー「アーチャー、貴方はこの場で治療を受けて帰りなさい」

アーチャー「聞き捨てなりませんね、私の精神のどこが病気なのですか」

アーチャーが食って掛かる

時臣『熱くなりすぎだアーチャー、君もこの場は撤退したまえ』

アーチャー「…分かりました」

アーチャーは不本意そうに従う
39 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:25:40.07 ID:/oB/75u10
バーサーカー「待ちなさい!」

だがアーチャーはさっさと消えてしまった

バーサーカー「はぁ…私たちも帰りましょう雁夜」

雁夜「ああ、言いたいこともあるが帰ってからにする」

ウェイバー「あんたも帰るのか」

雁夜「ライダーのマスターか。ああ、時臣の顔に泥でも塗ってやろうかと思ったんだがな」

バーサーカー「不潔です。泥など絶対に触らないようにしなさい」

ウェイバー「時臣?」

雁夜「アーチャーのマスターだよ」

バーサーカー「さっさと帰りましょうか、桜が心配です」

ライダー「お、あっちに拙者好みのロリが!」

ウェイバー「その…よく分からないけどお互いに頑張ろう」

雁夜「君も大変なんだな」

そして長い夜は終わりを告げる
40 : ◆vn2AztKwUw :2016/12/22(木) 17:27:31.99 ID:/oB/75u10
ここまで!
進まないなぁ
あと分かりづらいですがアルジュナの時臣への好感度は結構下がっています
41 : ◆vn2AztKwUw :2017/01/02(月) 22:55:39.38 ID:3kROp7hE0
遠坂邸にて時臣とアーチャーが会話をしていた

時臣「アーチャー、さすがに今回のことは看過できない」

アーチャー「…」

時臣は先ほどのアーチャーの行動をたしなめている様だった
確かに彼はバーサーカーに病気だといわれたとき感情をむき出しにしていた

時臣「君は大英雄だろう?たかだかバーサーカーの言葉で我を忘れそうになるなど」

「らしくない」
そう言おうとした時臣の言葉を遮るように
アーチャーが発言する

アーチャー「分かっています、次はこのような醜態をさらしたりしません」

少しアーチャーは機嫌を悪くした様だった
今後の関係を悪くしたくないのか
その雰囲気を感じた時臣はあっさりと引き下がる

時臣「分かった、君を信じよう」

そういって時臣は部屋を出ていった
きっと信じてなどいない
アーチャーは一人立ち尽くしていた

アーチャー「…」

どれ程そうしていただろう
きっとそれはそんなに長くはない
彼の胸にはバーサーカーの言葉が引っかかっていた
生前に感じたことのない感覚だった

アーチャー「私は…アルジュナだぞ?」

気づけばそんな言葉をつぶやいていた
だからどうしたというのか
生前にはなかった苦悩…
少し歩いてみるか
もしかすれば気が晴れるかもしれない

それなりに歩いた、別にどこまでなど決めていたわけではない
気づけば教会の前にいた
思いのほか遠くまで来ていたらしい
異教徒ではあるが迷える者たちが集う場所
聖杯からの知識で知ってはいる
-入ってしまおうか
そんな誘惑が彼を襲う
結局少し入ってみることにした
42 : ◆vn2AztKwUw :2017/01/02(月) 22:56:17.18 ID:3kROp7hE0
アーチャー「…」

窓から月明りが差し込んでいる
またアーチャーは立ち尽くす
太陽の対局である月を眺めながら

ドアの開く音がする
霊体化をしようとする

綺礼「アーチャー、なぜこんなところに?」

入ってきたのは言峰綺礼だった

アーチャー「綺礼ですか…」

アーチャーは視線だけを動かし綺礼を一瞥する
疲れなどないはずの体だが気怠い

綺礼「ちょうどいい、聞きたいことがあってな」

綺礼が言う

アーチャー「どうぞ」

その質問を許可する

綺礼「お前は何故召喚に応じたのだ」

漠然とした質問だ
その意図が分からず聞いてしまう

アーチャー「何故とは?」

ただの同盟者が何を気にする?
自分を道具として使うものが、気にするならまだしも
彼はただ近くにいるに過ぎない

綺礼「お前程の英雄が聖杯に望むことなどあるのか?」

"英雄"
その言葉が授かりの英雄を意味するのだと
アーチャー(アルジュナ)は気づく
神に愛され、人に愛される
いままでいくつもの望むものを得てきた
そんな授かりの英雄がさらに望むものが
何なのか、何を望むのか彼には気になるらしい
43 : ◆vn2AztKwUw :2017/01/02(月) 22:56:51.87 ID:3kROp7hE0
アーチャー「ありますよ、私は永遠の孤独を望みます」

平常に平常に
彼は真に望むものを絞り出す

綺礼「ふむ、授かりの英雄と呼ばれ様々なものに恵まれたお前がそのようなものを望むとはな」

分かっている
自らは身分にも友にも恵まれた
そんな自分が英霊になってからも望むなど傲慢にもほどがある
きっと"あの男"なら望みなどないのだろう
自分とは反対に様々なものに恵まれなかった英雄は機会があろうとも
「それもまたよし」と何も望まないに違いない

アーチャー「もういいでしょう、私はこれで」

鋼鉄の白衣が治療のために自覚させようとした傷は
"傷を開く者"によって膿んでいく
耐えられない
アーチャーは霊体化し部屋を出て行ってしまった

綺礼「分からぬものだな」

一人残された綺礼はつぶやく
順風満帆に生きたはずの英雄の願いに
意外性を感じていた
彼の声にアサシンは答えた

アサシン「願いは胸に秘めた歌だ。歌詞が分からぬ者には分からぬし、分る者には分かる
     その曲調もな」

彼は願いを歌にたとえる
言葉に含まれる気持ちを読めるかは人次第だ
その曲調がどのようなものと感じるかも人次第だ
ただ綺礼の胸中には

綺礼「…そうか、少し歌って行こう」

愉悦が渦巻いていた
アーチャーの苦悩する姿に彼は生まれて初めて
神父として感じてはならない感情を抱いてしまった
だが、その愉悦を綺礼は受け入れる

アサシン「月がスポットライトにでも見えたか?」

なるほど確かに月はきれいだ
月には人を惑わせる不思議な魔翌力がある
ならば惑わされるのもいいかもしれない
さあ、歌おうこの楽しい思いが消えないうちに

綺礼「いや、そんな気分なだけだ。ハ長調の曲だ」

明るい曲を、今の気持ちが抱けるうちに

アサシン「♪〜」

綺礼「♪〜」

綺礼の歌は確かに上達していた
44 : ◆vn2AztKwUw :2017/01/02(月) 22:58:20.42 ID:3kROp7hE0
ここまで!
地の文を頑張ると
予定の半分も進まないな
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 21:36:32.17 ID:6B7IfI13O
英雄王居なくても愉悦は覚醒するな。オペラと優雅のせいで。
46 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/01/16(月) 00:09:13.98 ID:Ea/j6n7g0
雁夜「バーサーカー」

バーサーカー「はい」

雁夜「なぜあの時アーチャーを攻撃しなかった」

雁夜はバーサーカーに抗議する

バーサーカー「何か勘違いしていませんか?私は戦士ではなく看護師です」

その問いに対してバーサーカーは淡々と答える

雁夜「くそっ!時臣の顔に泥を塗ってやれるチャンスだったのに」

雁夜は本気で悔しがっている様だった
まるで最初からそれが目的だったといわんばかりに

バーサーカー「…カリヤ。あなたは病気です」

雁夜「知ってるよ、開口一番はそれだったじゃないか」

召喚時の話だが、
バーサーカーは口を開くと同時に雁夜に重症だと言い放っている

バーサーカー「いえ、カリヤ。あれは肉体のこと。
       それとは別に精神を病んでいるというのです」

雁夜「何だと?」

バーサーカーの言葉に雁夜は怪訝な顔をする

バーサーカー「あなたは言いましたよね?サクラを救いたいから手を貸せと」

雁夜「聞いていたのか…」

一応(聞かないと分かっていても)この聖杯戦争の目的を話していたのだが
聞いていたことに雁夜は驚いたらしい

バーサーカー「アーチャーを倒し、トキオミ?の顔に泥を塗ることと何の関係があるというのですか」

雁夜「それはあいつg

雁夜の答を途中で遮りバーサーカーは続ける

バーサーカー「ありませんよね」

さっぱりとした一言だった

バーサーカー「目的とやろうとしていることが伴っていない。
       あなたは肉体だけでなく精神まで汚染されている」

さらに続ける
47 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/01/16(月) 00:09:59.68 ID:Ea/j6n7g0
雁夜「でも、あいつが…」

バーサーカー「まだ言うのですか、あなたの態度を見ていれば分かります。
       貴方は何かを妥協してその原因をトキオミという人物に擦り付けている」

それでもなお言い訳をしようとする雁夜にバーサーカーは
厳しい言葉をかける

雁夜「黙れよ」

力のこもった声で雁夜はバーサーカーを制止する

バーサーカー「カリヤ、私は生前に妥協を許しませんでした。
       だからこそやっていけた」

雁夜「やって行けた?冗談だろ、お前の生涯を俺は知っている」

バーサーカーの言葉を雁夜は鼻で笑う

雁夜「クリミア戦争後、お前は体を壊した。
   看護師として働けたのは2年程だったっていうじゃないか」

バーサーカー「…」

雁夜は忘れている、確かに彼女は生前体を壊した。
だが、それからは看護師への指導など精力的に活動している。
言い返せるはずなのだが、彼女自身も少し後ろめたいのかこぶしを握りながら黙って聞いていた。

雁夜「妥協はいる、あきらめなくちゃ進めないことだってあるんだよ。
   何でも妥協せずに進めれば体なり、心なり、人生なりがお前みたいに壊れちまう。
   だからこそ俺は身を引いた、葵さんの幸せを願ったからこそ妥協したんだよ」

彼は妥協を正当化する
自らに責任などないのだというように
全て悪いのは時臣だというように、自らの行動の落ち度を見ない。

バーサーカー「それは違います。
       確かに私は体を壊し、終生看護に勤しむことはできなくなりました。
       ですがそれでもできることはあるのだと思って働きました。
       妥協することと何かのためにあきらめることは違う。
       カリヤ、貴方の場合は妥協して身を引いた結果があのサクラですね」

彼女は彼が妥協し、逃げた結果起きたことを示し糾弾する

雁夜「それは…
   そうだよ、だからその責任を果たそうと」

バーサーカー「それで?そのどこにトキオミへの執着が関係するのですか?
       貴方はトキオミコンプレックスですね」
48 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/01/16(月) 00:10:29.02 ID:Ea/j6n7g0
鋼鉄の白衣は診断を下す。

雁夜「なんだよそれ
   違う、そんなんじゃない」

自分の中にある気持ちを認められず否定する

バーサーカー「いいえ、そうです
       カリヤ!」

突然バーサーカーは大声で雁夜を呼ぶ

雁夜「なんだよ」

面食らう雁夜にバーサーカーは告げる

バーサーカー「治療が必要です
       貴方はトキオミに勝利しなくてはならない」

それが雁夜に対して出された処方箋だった

雁夜「だからそうだっていってるだろ」

自分が言ったことを改めて言われたことに対し雁夜は呆れている
だが違う、目的が違うのだ

バーサーカー「違います
       貴方はサクラのためでなくあなたのために勝つ必要がある」

雁夜「…」

それを自覚しなければ彼はきっと治らない
見えない患部など治しようがないのだから

バーサーカー「今の貴方はサクラのためと言いながら自分のために戦おうとしている。
       認めなさい、貴方はトキオミに対して劣等感を感じています。
       いいえ、事実きっと劣っています。
       それを認め、克服しないと貴方は治りません
       飲み込みなさいカリヤ、貴方は貴方自身のためにトキオミに勝ちなさい」

彼がそのコンプレックスを断ち切るためにはそれしかない。
劣等感を自覚し、己の手で己のために立ち上がるしかないのだ。

雁夜「俺…自身のため?」

雁夜には理解できない

バーサーカー「ええ、妥協したあなたを、
       逃げた貴方を、
       他人に責任を擦り付けたあなたを、
       それを克服し打ち勝たなければきっとあなたはサクラを救えたとしてもそのままだ」

彼がサクラのために戦おうとしていることを非難する気はない。
だが、それを隠れ蓑にして自らの鬱憤を晴らそうとすることは間違っている。

雁夜「打ち勝つ?俺自身に?」

まだ雁夜には理解できていないようだった
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