【fgo】ランサー「ローマがローマだ」ケイネス「え?」【zero】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/14(金) 11:12:36.31 ID:jHtZmycyO
メフィーと龍之介は教会に行っているんだっけ?
だとしたら原作とほぼ同じか。
セイバーの場合は、執拗にストーキングされる理由なんて無いしな。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/04/14(金) 12:38:06.48 ID:+U0A9Am3O
ウェイバーは見てて安心する。
151 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/04/18(火) 00:18:51.34 ID:PQl3qfeF0
-キャスターの拠点近く-
ウェイバー達は排水溝の近くまで来ていた

ウェイバー「ここらへん…だよな?」

ライダー「そうでござるよぉ」

ウェイバー「おかしい、魔術の気配も何もしない」

結界の存在すら感じられないのはキャスター相手に妙な話であった

ライダー「うまく隠してしているのでは?」

ウェイバー「うーん…」

ライダー「ああ!まどろっこしい!入るでござるよ、マスター」

ライダーがウェイバーの手を引っ張る

ウェイバー「ちょっ!お前…いや、行こう」

ライダー「ほう」

ウェイバー「でも、警戒はしておいてくれ。もし何かあったときのために」
152 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/04/18(火) 00:19:22.29 ID:PQl3qfeF0
-拠点内-
ライダー「うーん、お宝のにおいはしないでござるな」

ウェイバー「分かるのかよ、そんなこと」

ライダー「当然!拙者は世界一有名な大海賊黒ひげでござる!」

ウェイバー「大声出すなバカ!」

ウェイバーは少し焦るが周りからは何の反応もない
はっきり言って拍子抜けだった

ウェイバー「…これだけ大声を出して何の反応もないなんて」

ライダー「これは留守でござるな」

ウェイバー「結界の一つも張っていないなんてな」

ライダー「本当にここが工房なのかも怪しいでござる」

ウェイバー「じゃあ、あの魔力は一体?」

彼が顎に手を当てて考える中、
ライダーが何かに気づいたようだ

ライダー「!」

ウェイバー「どうした、ライダー?」

ライダー「マスターは引き返した方がいいでござる」

ウェイバー「何を言ってるんだ、僕はマスターなんだ行くに決まっているだろう」

ライダー「後悔しても知らないでござるよ」

二人の進んだ先にあったのは

ウェイバー「うっ!」

ライダー「…これは」

元が人間であったことが信じられない位に弄ばれた死体だった

ウェイバー「なんだよこれ…」

ライダー「工房でござるな」

ウェイバー「こんなときに皮肉はいらないよ!なんで平然としてるんだよお前は!」

ライダー「拙者は海賊でござるよ?むごたらしい惨状なんて腐るほど見てきた」

ウェイバー「…」

ライダー「まぁそれでも、胸糞悪い光景なのは変わりはないでござるな」

ウェイバー「命をおもちゃみたいに…」

ライダー「拙者も命を奪うことに抵抗はないでござるが死体を弄ぶのはちょっと…」

ウェイバー「普通に肉体を加工しただけでこんなにはならない、おそらく魔術の類だ」

ライダー「それがあの結果でござるか」

川に流れた魔力の正体が発覚する

ライダー「まるでお宝みたいに飾っていやがる」

ウェイバー「焼き払え…」

ライダー「いいでござるか?」

ウェイバー「ああ、どうせ少し暴れさせる予定だった、だからやれ」

ライダー「任された」

ウェイバー(せめて安らかに…)

ライダー「捧げ銃!『女王アンの復讐号』!」

醜悪な芸術品を炎が飲み込んでいった
153 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/04/18(火) 00:19:50.73 ID:PQl3qfeF0
-言峰教会-
龍之介「ちわーす!誰かいませんかー?」

璃正「おや、どちら様かな?」

龍之介「あのさ神父様、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

璃正「ふむ」

龍之介「ここってシスターさんとかいる?」

目の前の男の言葉に璃正は顔をしかめる

璃正「…そう言う用件でしたらお引き取りください、ここは神の家であってそういう店ではない」

龍之介「えー、マジかよ」

キャスター「まぁまぁリュウノスケ、ここで創作活動に挑めばいい作品が作れるかもしれませんよ?」

璃正「!キャスター…」

龍之介は素早く璃正神父の喉元を掻き切る

璃正(綺礼…)

龍之介「うーん、果たしてこんなおじいさんで良いものが作れるのか」

キャスター「芸術は爆発と言いますし男は度胸!何でもやってみるものですよ。あ!使います?」

龍之介「それ綺麗な肉体が残らないから遠慮しておく」

キャスター「ですよねー」
154 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/04/18(火) 00:21:32.98 ID:PQl3qfeF0
雑ですねェ、実に雑ゥ!
いや、本当ごめんなさい
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/04/18(火) 01:35:51.62 ID:LTizV48mO
黒ひげが大人しく従っているのはゲームのルールと言うよりウェイバーの運気を買った点が大きそう。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/18(火) 09:31:07.61 ID:nbP6c4xxO
八極拳使いの元代行者をあっさりと倒せる龍ちゃん
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/18(火) 13:32:34.88 ID:TfWth4X4o
神父の背後からメッフィーが声をかける→神父振り向く→龍ちゃん喉スパッと
キャスターといえども鯖なんだし一瞬でも気を取られたと考えるなら掻き切ることも可能でしょ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/18(火) 21:01:32.74 ID:9oL3llsSO
令呪大量に保有した芸術品とか贅沢だな龍之介
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/19(水) 16:27:03.54 ID:Wv6VB+hY0
果たして綺礼は愉悦を感じるのか?
それとも楽しみを台無しにされて激怒するか?
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/04/21(金) 23:42:41.89 ID:4R+RsEn7O
現場に立ち会えなかった事を残念がるだろうね。メフィー、龍ちゃんと知り合ったら多趣味になりそう。
161 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/05/08(月) 00:36:09.00 ID:OcUBTLag0
-商店街-
ウェイバー「教会に使い魔を出してキャスターの居場所と所業は伝えておいた、これで討伐令が出ればいいけど…」

ライダー「場所が分かっただけで討伐令とか出るもんでござるかぁ?」

ウェイバー「どうかな…神秘を秘匿する気があるかどうかによるよ」

ライダー「もしも出なかったら?」

ウェイバー「どうしようか…?」

ライダー「マスター、元気ないでござるな」

ウェイバー「当たり前だろ?あんなもの見せられて元気でいられないよ」

ライダー「…マスター」

ウェイバー「何だよ」

ライダー「ゲーセン行くでござる」

ウェイバー「悪いけどそんな気分じゃない」

ライダー「いいから!」

ウェイバー「は?ちょっと!」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 13:28:01.47 ID:cFWkrPftO
来ないんだよなぁ、討伐令。
キャスター陣営のせいで。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 16:14:27.37 ID:Z6UA2zaVO
待ってる
164 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/06/24(土) 06:23:58.41 ID:woMukzom0
皆様お久しぶりです
生存報告だけをさせて頂きます
最近何かと忙しく執筆を行うことができていません
来週からは少しは緩和されるため書くことができると思いますので今しばらくお待ちください
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/24(土) 08:31:18.02 ID:rZuAIiDCo
自分のペースでいいのよ
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/06/24(土) 17:53:11.37 ID:zY8dnUog0
了解
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 20:39:45.36 ID:nLm/WNvK0
頑張れ頑張れ
168 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/07/15(土) 02:07:28.37 ID:sA9xb7xm0
ウェイバー「気分じゃないって言ってるだろ…」

無理矢理にゲームセンターへと連れてこられたウェイバーは文句を垂れる(もっとも元気がないため周りの音でかき消されているが)

ライダー「くっそー!なんだよこれムリゲーじゃねーか!」

聞こえてない
―聞いていない?
ライダーは格闘ゲームに夢中になっている

ウェイバー「下手くそなだけじゃないか」

ライダー「あぁん?」

ウェイバー「悪口は聞こえるのかよ!」

悪口は聞こえるようだ

ウェイバー「ほら、変われよ。僕がやる」

ライダー「ええー!」

ウェイバー「ヘタクソすぎて見てられないんだよ」

その後、天才的な洞察力でCP相手に無双
さらに店内対戦においても無双を行い伝説となった
いわく、

ウェイバー「小足見てから昇竜余裕だよ」

ライダー「拙者より楽しんでない?」

ウェイバー「う、うるさいな!」

ふたりで心行くまで楽しんだ
169 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/07/15(土) 02:11:07.48 ID:sA9xb7xm0
すみませんすごく遅れました
本当はしっかりと書きたいのですが
ここから急展開が続きます
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/07/16(日) 16:39:36.89 ID:rbulnf+60
了解
171 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/15(火) 23:56:29.06 ID:C7L+lpvD0
-言峰教会-
綺礼(久しぶりに本場のオペラを見たな。あの時は特には何も感じなかったが今なら楽しみ方が分かる気がする)

綺礼の顔は少しではあるが嬉しそうな色が浮かんでいた。

綺礼「父上!ただいま戻りました!」

しかし返事はない
―嫌な予感がする。
浮かれすぎて気付いていなかったが教会の中には臭いが立ち込めていた。
かつて自らが代行者をしていた時に嫌というほど嗅いだ臭い。

綺礼「…」

無言で懐から黒鍵を取り出す。
できるだけ気配を殺し、暗闇の中に潜む。
人の気配はないようだ。

綺礼「…」

綺礼が周りを見渡してみると隅の方に金色に輝く物体があることに気づく。

綺礼「父…上…?」

それは仏像のように飾り立てられ芸術品へと仕立て上げられた璃正神父の姿だった。
172 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/15(火) 23:56:57.13 ID:C7L+lpvD0
綺礼「父上!」

綺礼は驚き、彼の元へと駆け寄った。

璃正「綺礼か…?」

綺礼「父上よなぜこのようなことに!」

璃正「キャ、キャスターが…」

綺礼(ふざけるな!この人を殺すのは私だ)

胸中で綺礼はゆがんだ怒りを抱く。

璃正「JN424…」

璃正が何かを囁く。
―綺礼が黒鍵で彼の胸を貫く。

璃正(楽にしてくれるのか…)

璃正「ありがとう…」

微笑みながら璃正は逝った、最後まで息子のゆがみに気づくことなく。それはきっと彼にとってとても幸せなことだっただろう。綺礼にとっては最悪ではあるが。

綺礼「父よ、何故だ?」

彼は父に問う

綺礼「何故笑いながら死んだ!違うだろう?自らの息子に殺されて、その醜悪さに気づきながら死んでほしかった!顔に張り付けるべきは苦痛と後悔のはずだ!」

どこまでもゆがんだ怒りだった。それはまるでおもちゃを取り上げられた子供のようにも見える

綺礼「…JN424」

父が最後に言った言葉を思い返す。

綺礼「マタイの福音書…」

その日、彼は大量の令呪を手に入れることとなる。
173 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/15(火) 23:57:23.36 ID:C7L+lpvD0
-路地裏-
龍之介「なぁ、旦那?俺ってあの爺さん殺さなかった?製作中も生きてたみたいだけど」

キャスター「ええ!ほとんど死んでいましたよ!私の呪術でも延命措置しかできないほどに死が確定していました!」

龍之介「生きてる必要あった?」

キャスター「たまにはいいでしょう?」

龍之介「そうだな!」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/08/17(木) 21:59:32.83 ID:SatMcqzS0
お楽しみを台無しにされた言峰とその元凶がどうなるか。
乙です
175 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:11:44.55 ID:AJSmlGeV0
-遠坂邸-
時臣「キャスターの討伐令?」

綺礼から投げられた提案を聞き返す。

綺礼「はい」

時臣「…お父上の敵討ちかね?」

綺礼「それもあります。ですが、キャスター達による被害者の増大並びに監督役である教会への敵対行為。これらが討伐令を出す理由です。」

綺礼はそれを当然のことのように話す。
―大義名分ができたともいえる。

時臣「ということは君が監督役に就任すると?」

綺礼「聖堂教会の方にも伝えてあります。教会としても新しく人員を増やす気はないようですぐに許可が出ました」

時臣「なるほどな、もう1つ聞いてもいいかい?」

綺礼「どうぞ」

時臣「なぜ討伐令を出す前に私に話す?もう璃正神父は…」

璃正が殺された今、綺礼が自らに協力するメリットがないことを心配しているようだ。

綺礼「父上からこれを託されました」

時臣「!?」

綺礼は自らの袖をまくって見せた。
176 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:12:30.23 ID:AJSmlGeV0
そこには大量の令呪が輝いていた。

綺礼「預託令呪です。私はこれを父上の遺言ととらえました」

時臣「君も璃正神父と同じで私を支持してくれるのか」

綺礼「はい。ただし、やるならば他のマスターに怪しまれないようにこの令呪を貴方に譲渡する必要があります」

時臣「そのための討伐令か」

綺礼「まず時臣師にはキャスター陣営の潜伏先をお伝えします。師が到着したところで討伐令を発令させていただきます。」

時臣「私が『偶然』、キャスターの討伐を行う。その報酬として令呪の譲渡を行うわけか」

時臣は綺礼の作戦に納得したようだった。

綺礼「理解していただけましたか。ではそのように」
177 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:12:57.44 ID:AJSmlGeV0
-セイバー陣営-
切嗣「キャスターの討伐令か」

アイリ「報酬は令呪ですって」

セイバー「どうしますか?」

切嗣「監督役が言峰綺礼になった。罠の可能性も否定できないからな今回は無視する」
178 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:13:25.60 ID:AJSmlGeV0
-ランサー陣営-
ケイネス「報酬が令呪だと!?いくぞランサー」

ランサー「おすすめしない」

ケイネス「なに?臆病風にでもふかれたか!」

ランサー「拠点の作成が先だ、留守の間にまた戦力を削られるのは痛手になる」

ソラウ「ローマ!」

ケイネス「仕方あるまい…」
179 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:14:01.51 ID:AJSmlGeV0
-ライダー陣営-
ウェイバー「…出たな」

グレン「おーい!ウェイバーちょっといいか!」

ウェイバー「?」
180 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/17(木) 23:14:34.94 ID:AJSmlGeV0
-バーサーカー陣営-
雁夜「令呪か…」

バーサーカー「また汚れてる」

臓硯「参加するか?」

バーサーカー「殺菌!」

雁夜「いや、バーサーカーに令呪は効かない。それよりは偵察に労力を回したい」

桜「ピカピカ…」

臓硯(…ほう)

バーサーカー「やはり一度焼き払った方がいいかもしれませんね」

雁夜「あとゾウケン、これにサインしろ」

バーサーカー「カリヤ、やるのですね?」

雁夜「ああ、明日俺は時臣に挑む」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/08/19(土) 21:35:32.20 ID:U/aCcD1V0

言峰の雰囲気から落ち着いて痛み止めで止めを刺す事も有る事を思い出し、殺す事に拘り過ぎたと反省している感じ、令呪の譲渡は反省を活かした策略に見える。
182 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/20(日) 18:09:57.19 ID:K4dZvjwm0
-遠坂邸-
アーチャー「!?」

空き部屋にいたアーチャーがいきなり目を開く。

アーチャー「またあの時の夢か…」

アーチャーが見ていたのはかの宿敵カルナとの戦いの夢だった。

アーチャー「私は…間違ってなどいない」

アーチャーは自分自身に言い聞かせるようにつぶやいた。

時臣「アーチャー」

アーチャー「マスターですか」

時臣「具合が悪そうだが?」

アーチャーの様子を見た時臣が彼を心配する。

アーチャー「…いえ、少し悪い夢を見ただけです」

時臣「そうか、今夜にでもキャスターを討つ予定だが大丈夫そうか」

アーチャー「ええ、問題ありません。このアルジュナにお任せください」

そういってアーチャーは霊体化を行った。

時臣(サーヴァントが夢?アーチャーの冗談であるならいいが、もしかすると)
183 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/08/20(日) 18:44:32.73 ID:K4dZvjwm0
-言峰教会-
綺礼「さてと、これでお前の枷は増えるはずだ」

綺礼は教会で一人笑っている。

綺礼「アーチャー、お前の苦悩はどんな曲を奏でるのだろうな」

その時、通信礼装に反応があった。

綺礼「到着されましたか、時臣師。はい。はい。では、討伐令を発令いたします」

綺礼は全陣営へとキャスターの所業と討伐の報酬、居場所についての情報を伝える。

綺礼「ただいま討伐令を出しました。すこししてから討伐を開始してください。はい?アーチャーが夢を?キャスターの宝具かもしれないと。なるほど、そうかもしれませんね。ではお気をつけて」

時臣との通信が終了した。
あのアーチャーと彼であればキャスターが討たれるのも時間の問題であろう。

綺礼「それにしても…アーチャーが夢を見たとは」

夢とは本来、睡眠時に見るものである。しかしサーヴァントには睡眠などは必要なく、したとしてもそれは休息ではなく機能停止に過ぎない。

綺礼「時臣師は冗談か、宝具かもしれないとおっしゃっていたが…」

夢ないし幻覚を見せる宝具かもしれない。アーチャーの冗談かもしれない。
もしくは―

綺礼「聖杯のせいかもしれない」

対魔力を持ち、サーヴァントとしての格も高いアーチャーに通用するキャスタークラスの宝具。
そんな強い力を持つ英霊があんな悪趣味でできの悪いものを作るはずがない。
また、姿や真名が分かっているサーヴァント達にもそんなものを見せられるような逸話などはない。
ならば
―それらより高位の存在ならば?

綺礼「もしそうであるならば、悪趣味なことだ」

サーヴァントとして召喚された英霊にわざわざ悪夢を見せる。
そんなことをする理由は聖杯にはない。

綺礼「妄想も大概にしておくか。だが…」

綺礼「本当に聖杯がそのようなものであるのなら、求めるのも悪くはない」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/08/27(日) 12:19:06.65 ID:V6D8NhV00
覚醒が早いから色々思考する余裕が有る。とあるマスターの本番が聖杯戦争をリタイアしてからなんて他のチームには考えられない。
185 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/09/29(金) 23:28:00.26 ID:XvOHE8RN0
―キャスター陣地―
龍之介「何だよこれェ!」

自らの拠点へと帰ってきた青年、龍之介は叫ぶ。

龍之介「これが人のやることかよぉ…」

キャスター「ええ!人のやることですねぇ!」

キャスターは嬉しそうに答える。

龍之介「うう…」

キャスター「壊れる瞬間も芸術ですし、気に病むことはありませんよ」

???「そうか、ではお前も芸術になるがいい」

声とともに光の矢が飛来する。

キャスター「おやおやおや、敵対ですか?ワタクシ平和主義なのですがねぇ?」

時臣「キャスターおよびそのマスターよ。神秘を秘匿するもの、そして冬木のセカンドオーナーとして君たちを討伐する」

キャスター「これはこれは、敵対ですか?生憎、ワタクシ好戦主義者でして…ヒヒッ」

優雅な雰囲気でアーチャーとそのマスターが現れる。

龍之介「おじさん何者?町長?」

ただならぬものを感じたのか龍之介は後ずさりをしながら問う。

時臣「…そうか。君は魔術師ではないようだな」

龍之介(やべぇ、うまく逃げないとやられる!)

龍之介「旦那ァ!にげ…え?」

撤退のためにキャスターの呪術をアテにしていた龍之介は驚愕する。

キャスター「ヒ…ヒ…死は終わりではない」

キャスターの体にはいくつかの穴が開いていた。

アーチャー「いや」

アーチャーは近付いていく。

キャスター「死は…」

彼は足を振り上げ…

アーチャー「お前の死は終わりだ」

無慈悲にも頭を踏み砕いた。

龍之介「マジかよ…」

時臣「君もだよ」

声に反応して時臣の方を向く。
――体はとっさに地面を蹴った。
彼を襲ったのは激しい炎の魔術だった。

龍之介「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!目が!目が!」

運よく水たまりの中に倒れ、服についた火は消える。
だが、強い炎により顔を焼かれた。

龍之介「ダメだ!嫌だ!これじゃあ綺麗なものが見れねぇよぉぉ!」

時臣「…」

時臣は何の感情も抱いていない顔で龍之介にとどめを刺した。
186 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/09/29(金) 23:28:42.91 ID:XvOHE8RN0
―下水道出口―
時臣とアーチャーが出てくる。

時臣「身構える必要もなかったな」

アーチャー「あの程度であれば大したことありません」

二人に疲弊もケガもないようだった。

???「遠坂時臣」

時臣「ん?」

突然かけられた声に振り向く。

雁夜「よぉ、ここで待っていれば会えると思っていた」

バーサーカー「…」

アーチャー「…チッ」

時臣「これはこれは間桐雁夜君、キャスター陣営との戦いを終えた我々を狙いに来たのかね?」

時臣が少し挑発気味に聞く。

時臣(とはいえアーチャーとバーサーカーをあまり会わせたくはなかったが…)

雁夜「今日は違う。あんたに決闘を申し込みに来た」

時臣「私がそれを受けるとでも?」

雁夜「受けるさ、お前に誇りがあるのなら」

雁夜は何かの紙を時臣に投げる。

時臣「…正気か?」

それはセルフギアススクロールだった。
ご丁寧に間桐家当主である間桐臓硯からのサインまで添えてある。

時臣「…確かに、家の誇りをかけた戦いであれば受けざるを得ない。しかし、自分のサーヴァントや協力者の介在を禁じても不利になるのは君だ」

雁夜「見下すな。そのくらいわかっている」

時臣「…いいだろう。遠坂家当主・遠坂時臣は、間桐家当主代理・間桐雁夜の挑戦を受けよう」

時臣は、書類にサインを行う。

雁夜「勝負は、明日の夜だ。場所は、また指定する。行くぞバーサーカー」

それだけ言って雁夜は去っていった。

時臣「…アーチャー」

アーチャー「何でしょうか?」

時臣「明日の夜、バーサーカーのマスターと決闘を行う。私と君に令呪のつながりがある限り、君は彼に手を出せない。そういう契約だ」

アーチャー「大丈夫なのですか?」

時臣「私があんな魔術師もどきに負けたりはしないよ」

時臣(それに、アーチャーの調子を乱さずにバーサーカーを葬れるのは大きいからな)
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2017/10/01(日) 11:28:42.65 ID:grfyzNY50
不正の確認の為(名目)に使い魔ぐらいは付けているだろうし、今回は愉悦神父が滾るな。
188 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/12/08(金) 22:15:09.16 ID:1ZyQlzR10
皆様お久しぶりです。>>1です。
まだ期待してくださる方がいるかは分かりませんが明日からまた更新していきたいと思います。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 22:17:53.35 ID:0TLlNVvS0
待ってるに決まってるじゃあないか!!


ありがとう
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/12/09(土) 12:39:01.58 ID:KgD2h11VO
そういえば刻印虫はどうなったんだろう

身体中ほじくりかえして皆殺しだとおじさんも死ぬけど

191 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/12/09(土) 23:51:17.01 ID:kirE7CSE0
-間桐邸-
雁夜「…」

バーサーカー「どうかしましたか?今のあなたの健康上、夜更かしは推奨できません」

緊張した面持ちの雁夜にバーサーカーは問う。

雁夜「…いや何でもない。少し体のことが気になっただけだ」

バーサーカー「そのことでしたら問題ありません。ここ最近の投薬治療と食事療法、適度な睡眠によりコンディションは最高と言ってもいいでしょう」

雁夜「そっか、なら安心だな」

もう少し聞きたいことがあったりするが、それは胸の内に秘めておく。
ここ数日彼女と過ごしてどんな性格なのかは分かっているつもりだ。
このサーヴァントは自分の言葉に責任を持っている。
ならばそれに口など出さず信じようじゃないか。

雁夜「おやすみ、主治医様」

そういって雁夜は、寝床へと向かった。

バーサーカー「ふぅ」

雁夜が眠ったのを確認してバーサーカーは一冊のノートを開く。
日付が書かれ丁寧にまとめられたそれはカルテだった。
その日の患者の状態、使用した薬、今後の方針などが事細かにまとめられている。
そして、虫たちに効果のありそうな成分などについてもまとめられている。

臓硯「うちのかわいい虫達で実験をするとはのう」

いきなり背後に現れた臓硯に驚きもせず返事をする。

バーサーカー「患者の体内にいるものの特性についてはしっかりと把握しておくべきですから」

臓硯「ふん、それで何か対策でも?」

バーサーカー「秘密です」

臓硯「何?」

バーサーカー「医療に携わるものには守秘義務があります」

臓硯「そうかい。まったく虫たちも殺され損じゃのう」

またバーサーカーは一人になる。
192 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/12/09(土) 23:53:11.56 ID:kirE7CSE0
fate/雁夜の決戦前夜

あふれ出る誰だこいつら感
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/11(月) 11:39:54.69 ID:jj9Kczy3O

次は早くたのむ
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 15:03:54.74 ID:c5bjbVbHo
195 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/12/15(金) 23:48:27.76 ID:Xgz6XFEX0
-決闘日 間桐邸-
雁夜「バーサーカー!バーサーカー!」

夜になった雁夜は戦いに出かけようとバーサーカーを探す。
決闘場所の告知は昼間に済ませたし、遠坂時臣を倒すための秘策も用意してある。

バーサーカー「大声を出さなくても聞こえています」

雁夜「こっちの用意はできた。お前は?」

バーサーカー「構いません」

バーサーカーの返事を聞いた雁屋は玄関へと向かう。

桜「…おじさん」

靴を履く雁夜に桜が駆け寄る。

雁夜「桜ちゃん」

『今夜、俺は君のお父さんを倒す』
彼はたった一言だけ彼女に告げていた

桜「本当におと…遠坂さんを…」

途中までお父様という言葉が出かかる。
だが、幼い少女は自らの境遇を考え他人としての呼び方へと変える。

雁夜「そうだ」

決意

雁夜「俺は逃げていたんだ」

バーサーカー「…」

バーサーカーは静かに耳を傾ける。
正直に言って彼の精神状態は想像をはるかに超え快方に向かっている。
自らに目を向け醜い部分を認めた男の言葉にバーサーカーはそのゆがんだ心が完治したことを感じていた。

バーサーカー(あとは、体だけ。問題ありません。あの害虫たちの場所は分かっている)

雁夜「あの時は身を引いたつもりでただ逃げただけだった。そのせいで君たちを不幸にしてしまった」

桜「君"たち"?」

桜の疑問に雁夜は答えない。
彼女は彼の気持ちを知らないのだからその言葉が指す3人が分からない。

雁夜「だからけじめは俺がつけに行く。待ってて桜ちゃん。きっとまた君を笑わせてあげるから」

桜「…」

雁夜「大丈夫だよ。殺すわけじゃない、ただ俺は俺の責任を果たすだけだ」

雁夜は頭をなで、立ち上がる。

雁夜「バーサーカー」

バーサーカー「私も、少しだけ」

雁夜「分かった」

バーサーカー「桜」

桜「何?」

バーサーカー「お待たせしました。次はあなたです」

桜「つ…ぎ?」

バーサーカー「ええ、今度はあなたを治す番です」

バーサーカーの顔はとてもやさしいものだった。
196 : ◆vn2AztKwUw [saga]:2017/12/15(金) 23:49:43.32 ID:Xgz6XFEX0
桜「私、どこも悪くないよ?」

抱きしめて答える。

バーサーカー「心をです。大丈夫、必ず直して見せます。きっと貴女を笑顔にしてみせます」

桜「うん…」

久しぶりに感じるやさしさに少しだけ口元がほころぶ。

バーサーカー「そのまえに少しだけ強くなりましょう。自分を押し通せるくらい」

雁夜「自分を押し通せるくらいは言い過ぎじゃないか?バーサーカーみたいになりそうだな」

バーサーカー「戦場では一刻を争う事態が多い。少しくらいは強くいかなくては」

雁夜「彼女がこれから過ごすのは当たり前の家庭だ、戦場なんかじゃない。まあでも…」

桜「?」

雁夜「少しくらいはわがままになってもいいかな」

バーサーカー「残念ですがカリヤに同感です」

桜「…じゃあ、またバーサーカーと遊びに行きたい」

自分を押し殺してきた少女の小さなわがままだ。

バーサーカー「わかりました、また行きましょう」

そんな言葉に微笑みながらバーサーカーが桜の頭をなでる。

雁夜「それじゃあ…行ってきます」

桜「行ってらっしゃい…」

少女は「ただいま」の言葉を待っている。

臓硯「やっと鍛錬が再開できそうじゃな」

桜「…」

その言葉に桜は無言を押し通した。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 17:03:18.03 ID:f42uHdXI0
忙しいんだろうけど続いてくれるといいな
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 19:08:53.05 ID:9DR9YC810
気になるから終わりまで書いてくれ
136.48 KB Speed:0   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)