提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」

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385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:12:25.09 ID:JUQFTxnn0


プリンツ【いえ、大丈夫です。ビスマルクお姉さまから定時連絡がないと本国から連絡が来たのですが……】

提督【っ!!……そうか。君には話さなくてはならなっ、おえぇぇ……!!】ゲボッ

プリンツ【アトミラール!?大丈夫ですか!?】

提督【ぐっ……すまない、大丈夫だ……プリンツ、これからいうことには緘口令を敷く。いいな?】

プリンツ【J,Ja……】



プリンツ【……つまり、ビスマルクお姉さまは、あの整備兵と浮気……„ Seitensprung“したんですか……?お腹の子も、その人の……?】

提督【……そうだ】

プリンツ【……!!】

提督【すまないが、この件に関してはドイツ側に黙っていてほしい。こんなことを報告したら……まずいことになるだろう?】

プリンツ【……っ!!わ、分かりました】

提督【すまない、ありがとう】

プリンツ【アトミラール……】
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:16:37.39 ID:JUQFTxnn0


プリンツ【アトミラール、失礼しますね】

提督【ああ、……ビスマルク?ビスマルクか。どうした、そんなにかしこまって】

プリンツ【!?】

提督【すまないな、心配をかけた。すぐに退院できるよ】

プリンツ【アトミラール……?】

提督【ん?何だ、ビスマルク】

プリンツ【……いえ、何でもないわ、アトミラール】



友『気にするものか。罪だというか? それもそうだろうな。俺も普通に暮らしていくうえで法律は守るべきだと思う。だがな』

友『その法律が、俺の大切なものを傷つけて守らないっていうんならそんなもの守る義理はない!!』

友『そんなもののために、大切なものを土足で踏みにじった奴がのうのうとしているのを黙って見てるだけなんて耐えられないだろう!!』

提督《俺は……なんて馬鹿なことを……いくらあんなことがあったと言え、こんな状態になってしまったなんて》

提督《プリンツをビスマルクと認識するなんてひどい扱いをして、苦労を掛けたうえに泣かせ、大親友にあんなことを言わせてしまった……》

提督《自分が情けない……だが、それでも耐えがたい苦痛、絶望が俺を蝕む。ビスマルクは……クソッ、どうして……どこで俺は間違えたんだ……》
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:20:23.09 ID:JUQFTxnn0


友【調教だとか反吐が出る。しかし、ストックホルム症候群ってのがあるようにまあ実在するんだろうな】



提督《っ!!ストックホルム症候群……!!……確か、被害者が極限状態で犯人と過ごすうちに、過度の好意を抱くことだ》

提督《……うぷっ!!》



ビスマルク【提督ぅ。愛してるわ…本当よ?でも、あなたとのセックス少しも気持ちよくなかった】

ビスマルク【ううん、苦痛だったの。ほら…私のここ提督の時と全然違うでしょ?】



提督《っ……!!……堪えろっ!!よく思い出してみろ、あの時のビスマルクの顔を!!》

提督《俺など眼中になかったか?違う!!俺を嘲笑していた?違う!!快楽に蕩けていた?それも違う!!》

提督《……とても、とても悲しそうな、何かをやらかしてしまって、どうすればわからないって顔だったろうが!!涙を、流していただろうがっ!!》

提督《俺は……あの時、ショックで動けなかった……だが、俺は……今なら……!!》

提督《時間が経っている?だが、行動しなくては後悔してもしきれない!!遅すぎるなど言っていては、何もできん!!》

提督《それに、あんなことは普通じゃない。これはビスマルクにとっても悪い夢だ……だから俺は!!》

提督『……』チラッ

提督《……二人には本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。今すぐに正気に戻ったことを伝えたい》

提督《だが、そうなればあの二人に隠れて行動することは難しくなる》

提督《まだ何とも言えないが、場合によっては俺は……自分のすべてを犠牲にしても……》

提督《そうなれば、巻き込むわけにはいかない。これ以上、迷惑をかけるわけにはいかない》

提督《心は痛むが、ここはまだ隠しておく。打ち明けるのはいつでもできる。……すまない、二人とも》

提督『……ただいま、何を騒いでいるんだ?警備員がやってくるぞ?』
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:22:22.49 ID:JUQFTxnn0


提督《……耐えられると思ったが、無理だった》

提督『さて、そろそろ行かなくてはと言いたいところなのだが、もう一度トイレに行ってくる。少し緊張しているみたいでな、ははっ』ダラダラ

プリンツ『大丈夫?』



提督『おえぇぇ……げぇぇ……っ!!はぁ〜……はぁ〜……』

提督《何とか治まったか。とりあえず、匂いでバレたらまずい。口を濯いで、ブレスケアを買って噛んでおこう》

提督『……』

提督『絶対に負けるものか、やってやる……!!』ボソリ
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:25:53.68 ID:JUQFTxnn0


提督『……』ペラ ペラ

武蔵『提督、失礼するぞ』

提督『武蔵か、入れ。どうしたんだ?』パタン

武蔵『次回の作戦、東部方面の戦力はあれでいいのか?』

提督『まわせる最大限の戦力をまわした。何か意見があるか?』

武蔵『航空母艦が二航戦のみということに疑問がある。……制空権の確保は出来るのか?』

提督『基地航空隊も頑張ってくれるはずだ。船団護衛や西部戦線、北部戦線のことも考えるとな……残念だが、これ以上は無理だ』

武蔵『そうか……分かった』

提督『安心しろ。十分制空権を確保できるはずだ。それに、君たちの対空戦闘能力も強化されている』

武蔵『提督……そうだな、この武蔵の力を見せてやろう。決して蚊トンボごときに負けはしない!』

提督『期待しているぞ。俺は貴様と大和ならやってくれると信じている』

武蔵『ああ、任せてもらおうか!ところで、本を読むのだな、貴様は。』

提督『ああ、最近の趣味だ』

武蔵『そうか。何を読んでいるんだ?』

提督『……アガサ・クリスティだよ。好きなんだ。そして誰もいなくなったとかな』

武蔵『そうか。よければ今度貸してくれ。私も読んでみたい』

提督『ああ』

武蔵『ありがたい。では、失礼するぞ』

提督『うむ……』スッ ペラ ペラ

提督《……上官がストックホルム症候群やらなんやらの本を読んでいたら心配させてしまうからな。すまん、武蔵。嘘を吐いた》

提督《アガサ・クリスティか。子供の頃はあの不気味な感じが好きだったんだ。落ち着いたらまた読んでみるか》
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2016/12/10(土) 01:27:27.33 ID:JUQFTxnn0


提督《調べた結果、ストックホルム症候群のようなものの根本的治療には、本人が自分でおかしいことに気がつかなくてはならないようだ》

提督《ビスマルクは、整備と称して調教されていたらしいが……自分が何をされてああなったのかを思い出させるのがよさそうだな》

提督《それに、帰る場所があると思えることが救いになると。心当たりは、ある。泣いていたのはもう帰れないと思ったからじゃないか?》

提督《だからアレに依存するしかないと考えたのだろう。あの時、ビスマルクが頼れたのはアレだけだったのだ》

提督《また、治療にあたっては環境を変えるのが一番いいらしい。だが、これは難しいな……》

提督《おそらく、ビスマルクのことだから意志は強いはずだ。説得に成功させないと、アレから離れようとしないだろう》

提督《状況を考えるに、チャンスは一度だけだ。そこで決めなくては……いや、決めるんだ。やってやるさ》

提督《……ビスマルクの、惚れた女のためだからな》
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 03:04:56.59 ID:OTx2CUACo
いい展開や
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 10:40:42.90 ID:vfywtAksO
えぇ…
中古ビスマルク取り返すより大天使プリンちゃんと結ばれて幸せになるんでええやんけ
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 10:50:56.53 ID:enL0jsyQo
しかも妊婦だしなぁ
別に連れ戻してもいいけど、こいつじゃなくてプリンちゃん幸せにして欲しい
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 11:05:01.44 ID:VsxpBaIA0
プリンちゃん寝取られENDとかだったら胸糞すぎるんでビス子はいいからプリンちゃん構ってあげて
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 11:09:30.29 ID:mO2lO6Yi0
追い詰められてたからって、ビスマルクを擁護はできないわな
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 11:53:34.20 ID:cgtJImilo
提督がこんなになっても自分をビスコと偽ってまで尽くしてくれるプリケツがメインヒロインなんだよなあ
ビスコが悔い改めてどうぞ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 14:20:00.60 ID:yd0EeJtpo
まあ多分プリケツは友に寝取られてるぜ
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 00:13:00.22 ID:gdRaOqTZo
NTRれをNTRり返すシチュ好きです
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/11(日) 00:42:49.25 ID:XRgIGGLg0


提督(そうだ、やってやる!!俺にならできる!!自分と、そしてビスマルクを信じろ!!)

提督(つい失望したとか言ってしまったが、気にするな!!諦めたらそこで試合終了だ!!)

ビスマルク「私の悪夢を終わらせに来た?意味が分からないわね」

提督「言葉の通りだ。お前は今、悪夢を見ている」

ビスマルク「まあ、そうね。ストーカー化した元夫が家に乗り込んできて、何をされるか分からないなんて悪夢ね」

提督「……安心しろ。暴力を振るいはしない」

ビスマルク「どうかしら?」

提督「俺の名誉にかけて誓おう。……そして、悪夢ってのはもちろんそれじゃない。君自身、本当は気がついているんじゃないか?」

ビスマルク「本当に意味がわからないわよ。貴方こそ、悪夢を見てるのじゃないのかしら?いい加減目を覚ましなさい」

ビスマルク「私は、貴方とはもう離婚するの。そしてこの人と一緒になるんだから。いつまでも昔のことを引きずっていないで!!」

ビスマルク「!そうよ、丁度いい機会だわ。そこに離婚届がしまってあるの。それにサインして、早く帰ってもらえるかしら」

提督「断る」

ビスマルク「なら、裁判かしら?日本では」

提督「それも断る。どうして愛し合っている二人が離婚などしなくてはならない?」

ビスマルク「愛し合ってないから離婚するのよ!!私が愛しているのは」

提督「そいつだというのか!?」
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/11(日) 00:45:43.73 ID:XRgIGGLg0
ビスマルク「っ!?そうよ!!この人を愛しているの!!もうすぐ私たちは親になるわ。だかr」

提督「本当に愛しているのか!?心から!?心からそう言えるのか!?」

ビスマルク「っ!!言えるわよ!!」

提督「どうかな!?思い出してみろ、ビスマルク!!初めて俺の艦隊に配属された時を!!あの時、お前が好きだったのは誰だ!?」

ビスマルク「っ!!それは……」

提督「……お前が手料理を披露したのは誰だった?一緒に祭りへ行ったのは誰だった?」

ビスマルク「……」

提督「……俺だったろう?ビスマルク。そいつじゃない。この俺だ」

ビスマルク「……」

提督「……違うか?」

ビスマルク「違わないけど、でも……」

提督「難しい事を考えるな。俺は今、自分のすべてを取り繕わずさらけ出している。だから、……惨めにもここでこうしている」

提督「だからお前も自分に素直になってくれ。お前の気持ちが何なのか、自分自身でもう一度考えてみろ」

ビスマルク「……」

提督「……今のことは聞いていない。あの時だ。あの時、お前が好きだったのは俺だった。……そうだな?」

ビスマルク「……あの時はね」

提督「そうか……!!では次にいこうか。俺たちはその後、結婚したな?」

ビスマルク「……」コクッ

提督「なぜだ?ビスマルク。どうして結婚した?」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/11(日) 00:47:26.37 ID:XRgIGGLg0
ビスマルク「そ、それ……は……」フルフルフル

提督「俺は君が好きで、愛していたからだ。だから結婚を申し込んだ」

ビスマルク「!!」

提督「君は何故、俺のプロポーズを受けた?それは、君が俺を愛していたからじゃないのか?君が俺を好きだったから、だから受けたんじゃないのか?」

ビスマルク「ぁ……」

提督「俺はよく覚えている。君のウエディングドレス姿、美しかった。君は、笑っていたよな?」

ビスマルク「っ!!」

提督「なぜなんだ……どうして笑った……?」

ビスマルク「わ、分からないわ……あっ!?いや、そんなの、愛想……笑い……」

提督「……本当にそうなのか?」

ビスマルク「……」ギュッ

提督(ビスマルクは、自分を抱きしめるように己の肩を掻き抱く。先ほどまで俺を敵意のこもった瞳で睨み付けていた視線は、床に落ちている)

提督「俺は、嬉しかった。幸せな気分だった。だから俺は笑ったんだ。君は違ったのか?」

ビスマルク「私は……」

提督「……教えてくれ、ビスマルク」

ビスマルク「……」ブルブルブル

提督「……そうか、なら、いい」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:48:58.58 ID:XRgIGGLg0
ビスマルク「!」ハッ

提督「その後、君は俺の元から去ったな」

ビスマルク「っ!!」ビクッ

提督「君は、あの日医務室でそいつとセックスしていた」

ビスマルク「あ……ぅ……」

提督「そして俺じゃ満足できないと、お腹の子供も俺との子じゃないと言っていた」

ビスマルク「……!!」

提督「そう言ったんだ、君は。よもや、忘れたわけじゃあるまいな?」

ビスマルク「わ、私は……ええ……そ、そう言ったわ……私は……」

提督「もしそうであれば、君はいつから不貞を働いていたんだ?」

ビスマルク「ふ、不貞……」

提督「そうだ、不貞だ。俺たちが結婚する以前から、君はそいつのほうが良いと言って、そいつと愛し合っていたのか?」

ビスマルク「違っ!!っ!?……わ、私は?今、何を……?」

提督「……思い出せ、ビスマルク。そいつに何をされた?」

ビスマルク「……」サッ

提督(両手を口元に添えて、真っ青な顔で目を見開き、瞳を揺らしている。呼吸は荒く、明らかに動揺していた)
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:50:55.63 ID:XRgIGGLg0
提督「思い返せ、君の気持ちを。思い出せ、あった出来事を。それを知っているのは君しかいない」

ビスマルク「……ずっとこの人を、……愛していたわ」カスレゴエ

提督「本当に?じゃあなぜ一度俺と結婚した」

ビスマルク「……」ガクガクガク

提督「あの日、お前は言ったな?私のセックスでは満足できず、苦痛だったと」

ビスマルク「っ!!」

提督「言ったな?」

ビスマルク「……ええ」

提督「だが、俺はよく覚えている。あの時の君の表情を。……なぜあんなに悲しそうな顔をしていた?」

ビスマルク「っ……!!」

提督「俺はよく覚えてる。あの時の君の言葉を。……俺を愛しているのは本当だと言ったな?」ニコッ

ビスマルク「!!!!」ハッ

提督「そいつは自分専用に調教したと言っていたが、何をされた?俺が知っている誇り高い戦艦ビスマルクから、いつ、何があって、どうしてそうなってしまった?」

ビスマルク「それ、……は……」

提督「あの時は腰を振ることに夢中でそれどころじゃなかったろうからな。だから、もう一度その冷静な頭で考えてみろ、思い返してみろ」

ビスマルク「あ……私……は……」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:52:24.65 ID:XRgIGGLg0
男「黙れぇ!!ビスマルク、そいつの言うことを聞くな!!」

ビスマルク「あなた……!!」

提督「!!ほう……女の後ろに隠れているばかりかと思っていたが。どうした、整備士?私は中将だぞ?敬語で話せ」

男「うるさい!!僕はもう整備士じゃない!!あんたの部下じゃないぞ!!不法侵入した挙句、人の妻を惑わすな!!」

提督「惑わしたのはどっちかな!?ビスマルクを騙して、嵌めるような真似をした奴に言われたくないわ!!」

男「うるさい!!お前みたいなやつは所詮、頭や顔だけだ!女を悦ばすことをできやしない!!」

提督「お前みたいに変態なわけじゃなかったんでな!!普通に愛し合うだけでいいよかったんだ!!」

男「っ!!ふん、その結果がこれだろ!!」グイッ

ビスマルク「きゃっ!」

男「ビスマルクが孕んだのは僕の子だ!!そしてビスマルクは僕の妻だ!!」ブチュッ

ビスマルク「んっふぅ……」チュゥゥゥゥ

提督「くっ……! そうして宣言していないと不安か?だろうな。俺からビスマルクを奪うときだって、まともにやったら勝ち目がなかったろうからな!!」

男「!!」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:54:27.42 ID:XRgIGGLg0
提督「だから卑劣な手段を取ったんだろ?お前が俺に勝てるのは性技くらいしかないから!!」

男「っ!!黙れぇぇぇぇ!!」ブン バキッ

提督「ぐっ!!」

ビスマルク「ちょ、止めて!!」

男「黙れ!!黙れ!!黙れ!!僕に嫁を!!寝取られた!!欠陥男のくせに!!」ドカ バキッ ドゴッ

提督「ぐっ!!がっ!!っ!!うっ!!はっ!!くぅっ!!」ドンッ

ビスマルク「止めてぇ!!あなた!!」

男「はぁ……はぁ……」

提督(クソッ……体がデカいだけあって、パワーが強いな……予想外だった)

提督「びす……まるく……すべて、まやかしだったんだ。お前はまだ、悪い夢に囚われている……!!もう自分でもわかっているだろう……?」

男「くそ!!くそ!!まだ言うのか!?黙れ!!」ゴスッ ドスッ

提督「っ!!……効かんな、雑魚め!!」ギロッ

ビスマルク「ワルイ……ユメ……」

男「っ!!くそっ!!」タッタッタッ

ビスマルク「私は……私、はぁ……!!」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:56:50.09 ID:XRgIGGLg0


男「提督……!!僕はお前みたいな野郎が大っ嫌いなんだ!!少し顔と頭がいいからって!!僕みたいな人間を見下している!!」

男「ビスマルクを取るつもりなら、もう容赦はしない!!殺してやる!!」カチリ ガラッ

男「ははっ!!こんなこともあろうかと用意しておいたんだ!!これさえあれば、あんな奴に負けはしない!!」チャキッ



提督「っ……ごほっ!!ごほっ!!がはっ!!」ゴボッ

ビスマルク「あ、アトミラール!!」サッ

提督「口が切れたかな……」

ビスマルク「そんな血の量じゃないわよ……!!窒息するから全部吐き出しなさい!!」スッ

提督(アレはどこかへ消え、残ったビスマルクが俺に駆け寄ってきた。倒れ伏す俺の上体を抱き起す)

提督(視界が若干おかしいが、久しぶりに近くからビスマルクと見つめあう)

提督(今にも泣きだしそうな表情、その一級品のサファイアのような瞳と目が会う。俺も泣きそうだった)

提督「そんな顔するな、大丈夫だ……ありがとう」

ビスマルク「アトミラール……私……私……」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 00:58:33.04 ID:XRgIGGLg0
提督「……もし俺が、見当違いなことを言っているのなら、申し訳がない」

提督「あいつとの結婚式の写真で、君は確かにこの上ない笑顔だった。たぶん俺とのときよりも」

提督「同封されていた手紙も、読んだ。君は、あるいは本当に幸せなのかもしれないと思った」

ビスマルク「……」

提督「もしそうなら、許されないことをした。だから、そうであるなら俺は消えるよ。君のことも、上へは俺からとりなす」

ビスマルク「!!」

提督「そして俺は二度と君の前に現れない。離婚届も書こう。そう誓う。だが……」

提督「だが、俺は君が見せたあの悲しそうな笑顔が忘れられなかった……!!もし君の魂が助けを欲しているのなら、俺はその助けになりたい」

ビスマルク「……私は、……貴方に、ほ、本当にっ……酷いことを……」ウルッ

提督「いいんだ。……俺の方こそ、気付いてやれなくてすまなかった。サインを送ってくれていたのに……」

ビスマルク「アトミラール……!!」ポロポロポロ

提督「今日、君と話して確信した。やはり君は助けを欲している。あの時のあれは、あいつにそうさせられていただけなんだ」

提督「俺は、今でも待っているんだ。だから、戻ってきてくれ。俺には君が必要だ。そして、きっと君にも俺が必要だろ?」

ビスマルク「アトミラール……ぐすっ……本当に、いいの……?わ、私は……貴方に、ひ、酷いことをして……穢されちゃったのよ……?」

提督「当たり前のことを聞くな。良いに決まってる」

ビスマルク「アトミラール……アトミラール……!!」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 01:01:14.40 ID:g5CwtXPsO
うーんこの
プリンちゃん可哀想
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 01:03:00.90 ID:XRgIGGLg0
男「お前!!妻から離れろ!!」

ビスマルク「っ!? あなた!!何を持っているの!?本当にやめて!!」バッ

男「どけ、ビスマルク!!こいつは殺さないとダメだ!!」グイッ

ビスマルク「きゃぁ!」

提督「やめろ!!」グッ ガクガクガクガク

男「うるさぁい!!」チャキッ

提督「!!……トカレフ、いや、黒星か?銃刀法違反だぞ」

男「知るか、そんな事!!ここでお前を殺してやる!!」ギロリ

ビスマルク「止めてぇ!!」

バンッ

提督「ぐっ!?つぁああ……!!」ドンッ ズルズルズル

提督(肩を撃たれた……!!くっ……だが、致命的な所に当たらなかったことを嬉しく思わなくてはな……!!)

提督(わざとなのか、それとも単純にこいつが素人なのか……まあ、どっちでもいい……)

ビスマルク「いやああああ!!アトミラール!!」

男「……は……はははっ!!どうだ、提督!?やってやったぞ!?はははははは!!」

提督(……本来の目標は達成した、はずだ。だがこれは完全に想定外だ。迂闊だったな……こいつ、予想上の力どころか銃まで持っているとは)

提督「はぁ……はぁ……」

ビスマルク「もう止めて!!お願いだから!!」ポロポロポロ

男「黙ってろビスマルク!!お前は誰の味方なんだ!?」ハァー ハァー

提督(しかも極度の緊張状態にある。人を撃ったことのない新兵にありがちな、危険な状態だ)

提督(何かのはずみで、誰を撃っても……ビスマルクを撃ってもおかしくないぞ……クソッ!!)
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 01:04:29.21 ID:XRgIGGLg0
ビスマルク「私は!!」

提督「っ!!おいどうした!?俺はまだ生きているぞ?臆病者」

ビスマルク「!!??」

男「な……なんて言ったお前!!」

提督「お前が撃ったのは肩だ。俺を殺すんじゃなかったのか?だったらもっと撃つべき場所があるだろう」

男「くっ……お前!!」チャキ ブルブルブル

ビスマルク「アトミラール!?何を言っているの!?止めて!!この人を刺激しないで!!」

提督「どうした、震えているぞ?この腰抜けめ。撃てよ!!」

提督(俺を撃てば落ち着くはずだ。どちらにせよ、ダメージで動けない俺にできるのは、これぐらいしかない)

ビスマルク「止めてって言ってるでしょ!!」

提督「黙ってろ!!」キッ

ビスマルク「っ!!」ビクッ

提督「……」ニコッ

提督[あ い し て る] パクパク

ビスマルク「!!!!」ハッ

男「う、うわああああ!!死ねぇええええ!!」

ビスマルク「っ!!止めてええええ!!」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/11(日) 01:06:04.96 ID:XRgIGGLg0
ガシャーン

提督「!?」

ビスマルク「!!」

男「ええええっ!?」

ガッ カチッ カラン バンッ バキィ

男「」グシャァ

ビスマルク「……っ!!あ、貴女……?」

提督「……!!」

提督(そこに立っていたのは、全身がびっしょり濡れた、黒ずくめの、まるで死神のような少女だった)

提督(黒いロングブーツ、黒いソックス、黒いレインコート、黒いグローブ、……そして、黒いシュタールヘルム)

提督(左腕の紅い腕章を除けば、顔だけが黒に覆われていない箇所だった)

提督(月のように白い肌。日のように輝く金髪。そして、あのオーロラのように煌めく瞳)

提督(ヘルメットの縁から、髪の先から、ぽたりぽたりと滴が垂れている。こちらへ向き直り、じっと見つめてくる)

プリンツ「アトミラール……!!」

提督(背にした窓から覗く、地平線へ沈みゆく紅い月を背負ったプリンツが、俺を呼ぶ。それは、とても幻想的だった)
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 01:16:44.99 ID:Vx7va+uRo
プリンツは一番辛いときに一番近くに居てくれてたってのに
その反面ビスマルクは洗脳だか何だか知らんが勝手に股開いて快楽に身を任せ他人の子を孕んだビッチ

はぁ…
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 01:17:39.66 ID:xHDbyFpSO
やっぱビスマルクって糞だわ
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 01:33:51.12 ID:O39LCBCv0
ビスマルクを救った?上でアトミラールさんがプリンツに寝取られてビスマルク絶望ENDてことやろ
ワルイユメから目覚めたけど現実はもっと悪かったという
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 01:58:09.12 ID:Vx7va+uRo
お腹蹴るほど大きくなった中絶も出来ない望まれない子供を一体どうするつもりなんだか
フィクションとはいえその子供が一番可哀想だわ
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 02:10:52.80 ID:aDVAbTTpO
フィクションの中のきったねえ寝取りおっさんの子供なんかどうでもいいだろ
さっさと堕ろして、どうぞ
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 02:17:40.96 ID:TU8+KCu3O
ビスコごと解体しちゃえよ
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 03:30:44.88 ID:gcDLGYpj0
ビスマルクは提督が撃たれてるのに最後まで見てるだけだったしな
結局は流されることしかできない精神的に自立していない女なんだろう
現実でも浮気する女はこの手の女だから確かにリアルだが
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 03:40:44.96 ID:7MoNJrVK0
いや、ビッチとかそういう話じゃなくない?まあ、人の好みはあるだろうけどさ。
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 06:10:27.87 ID:DVy/zdIF0
この流れでビス子disは流石に…
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 08:38:39.03 ID:51DtNZtE0
賛否両論あるだろうがとりあえず完結を待とう
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 08:44:39.24 ID:LabxSZO9O
>>420
えぇ…
お前の中の許容範囲広すぎない?
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 09:07:20.93 ID:Se/M+m7m0
>>420
流石にこの話内でのビスマルクはどうにも擁護できないと思うんだが
こういった輩はまた同じ事繰り返すだけ
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 09:25:37.01 ID:U/kQ0sH2o
これはそこまで言うことやないやろ
ストックホルム症候群やって言っとるやん
最初にやってた妄想浮気は[ピーーー]婬売って思うけどこっちはなんとかしてやりたいって思えるわ

でもプリンツが可哀想
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 09:45:04.49 ID:gcDLGYpj0
無理矢理関係を持たされて、その後も逃げ場が無かったって言うなら、自分の心を守る為に洗脳さるんのは分かるけど、この場合は全然違うし
まさしくプリンツが絶対にあり得ないって否定してた状況にハマってる売女じゃん
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 10:11:58.32 ID:fv7cUQxqO
君たち経験でもあるのかね
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 10:26:37.11 ID:Oh16d7KvO
すげービス子disってる人は普段から2次元の女が非処女なのは許せない!とか言ってそう
あまりにもどうでもいいことに何故そこまで本気になれるんだ羨ましいわ
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/12/11(日) 10:36:53.05 ID:ZTO0hAlL0
>>217
妊娠は非処女とかそういうレベルではないと思うのですが…
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 10:44:15.64 ID:Oh16d7KvO
ええ…
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 10:50:57.36 ID:nRhY1Sf0O
クソワロタwww
論調がまんこ臭いからまんこかな?
他人のガキを妊娠してる女なんか願い下げなんだよなぁ
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 10:52:27.44 ID:Vx7va+uRo
自分の遺伝子を残したいと思うのが男というか人間というもの
他人の子を妊娠してるなんて知ったら、嫌悪感を抱くのが普通の人間
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 11:03:46.94 ID:gcDLGYpj0
妊娠と非処女を同列に置いてるのはさすがに草
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 11:33:56.13 ID:ap5hBQUqo
ビスマルクが非処女だろうが処女だろうがどうでもいいけど浮気した挙句に他人の子供孕むのはちょっと……
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 11:47:22.84 ID:kO2RaJYRO
2次元の女なんか非処女だろうが妊娠した過去があろうがどうでも良いじゃん可愛くて抜ければ
お前らが求めてる物なんてそんなもんだろ?意地張るなよ
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 11:49:33.98 ID:gcDLGYpj0
あ、駄目だこれ。アレな奴だったわ
つついてすまんな
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 11:53:41.28 ID:/kfzk85MO
どう考えてもID真っ赤に仕掛けてるID:gcDLGYpj0がアレな奴だよなあ
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/12/11(日) 11:53:49.57 ID:pP0GzrdDO
このどうにもならない感じを楽しむのがいいんじゃないか…
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/12/11(日) 11:55:42.97 ID:nRhY1Sf0O
話が通じてなくて草
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 12:09:09.88 ID:kO2RaJYRO
ここの提督と違ってどうしようもない人間の話聞いてやる気も説き伏せてやる気も毛頭無いので…
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 13:58:26.07 ID:5F8/VvLA0
他人の子供を身ごもってたら普通は結婚とかしたくないと思うけど
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 14:00:12.59 ID:5b6zLZnIO
かまうな
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 15:01:55.09 ID:iuBt4Dzzo
なんだここ
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 17:57:06.10 ID:mijTJ1fqO
ビスマルク嫌い
プリンちゃん好き
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/11(日) 19:26:15.38 ID:pwejIzTt0
一応>>402のを見る限り提督とやった後に、無理矢理調教とかされてるみたいだから他人の子じゃなくて普通に提督の子の可能性もあるのは分かるわな
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 01:03:41.39 ID:UU1HwV+/0
お前らの会話はどうでも良いから早く続きが見たい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 02:48:47.92 ID:rGhT5DYe0
どうも、作者です

皆さん既にご察しかと思われますが、このSSは例の某ウ=ス異本でSAN値直葬されたことで書き始めました
なので、その物語が下地にあります
オススメなので、本当にオススメなので是非読んで欲しいのですが、
ちょっと特殊なジャンル故に某ウ=ス異本を読むのに抵抗のある方もいらっしゃると思います
また、完璧にそれから派生したわけではありません。例えば某PEちゃんですね
なので分かりずらいところがいくつかあります
よって、分かりやすくするためにこのSSの前日譚を簡単に解説させていただこうと思います

・某戦艦B(処女)は配属日?に某海軍軍人Tに一目ぼれする

・某戦艦BはキモデブSに整備と称してクン○やらなんやらを受ける

・某戦艦Bは嫌がるも、日本式整備(笑)と言われ不承不承、受け入れる

・が、やはり嫌なので某キモデブSを殴りとばして、整備を受けることを拒否

・で、某海軍軍人Tに手料理を振舞ったり一緒に浴衣で祭りに行ったりする

・しかし、やはり整備を受けないとちゃんと戦えないらしく、戦績が悪化

・某キモデブSの進言もあり、事情を知らない某海軍軍人Tは某戦艦Bに整備を受けることを命令する

・命令には従わなくてはならないので、泣く泣く某キモデブSの整備を受ける某戦艦B

・某戦艦Bは、「あんなのにイかされても、私は汚れてなんかいない(意訳)」と健気?に堪える

・が、某海軍軍人Tの前妻と子供(若い女性と赤子。ともに戦火?で死亡)の写真を見てしまい、絶望、自暴自棄に

・そして整備を受ける際に不貞寝しようとする

・そこで、某キモデブSに、「寝ているなら何をするか分からない。入れるぞ(意訳)」と言われる

・某戦艦Bは、それを聞いていたにもかかわらず抵抗しない(意味不明)

・入れる瞬間に某キモデブSに「今までの整備は全部嘘だった」と言われる

・某戦艦Bはそれを聞いて「なっ」っと驚き、飛び起きようとしたところで入れられる(処女喪失)

・何やかんやあって「ホントは某男性Tとしたかったけど、もう某キモデブSのモノになっちゃった(意訳)」と騎乗位で腰を振る某戦艦B

・中田氏され、妊娠する

・「この想いを終わらせなくちゃ」と某海軍軍人Tを覗き見ていたところ普通に見つかる

・まさかそんなことになっていると知らない某海軍軍人Tに「妻子が死亡しており、彼女たちのことを思うとなかなか踏み切れなかったがやっと決心した」とのことで告白される

・某戦艦Bは泣きながら「ワルイユメ」と零す
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 03:02:01.97 ID:ZHSy2bpHO
なんか続きなかったっけ
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 03:09:24.43 ID:rGhT5DYe0
・その後、おそらく某キモデブSの子供を妊娠していることを確信しているのに、「悪いとは思うが、きっと忘れて幸せになれるから」(!?)とそれを黙って何も知らない某海軍軍人Tと結婚する某戦艦B(!!??)。曰く「お腹の子がどちらの子か考えないようにした」( Die blöde Sau)

・そんなことを知らない周りは祝福する。もちろんPEちゃんも

・その後も某海軍軍人Tとセックスするが、気持ちよくなれなず、某戦艦Bは某キモデブSが忘れられない様子

・仕方ないので一人で慰めるも、性欲はたまる一方

・ある日、妊婦検診を受けている最中、医者が席を外している間に某キモデブSが現れる

・たいした抵抗もせずに(心理と声だけ)犯される某戦艦B。曰く「嫌なはずなのに」「体が思い出しちゃった」

・異変を察した医者に呼ばれた某海軍軍人Tは、某キモデブSが某戦艦Bを犯している所を目撃する

・某キモデブSを殴り飛ばし、切り捨てようとしたところで某戦艦Bが止めに入る。曰く「このチン○なしじゃもう生きられない」

・ショックを受ける某海軍軍人Tに対して、某キモデブSに言うように言われた某戦艦Bは「貴方よりこの人の方がいい」と言う

・何やかんやでどうやら二人で無事逃げ果せた某キモデブSと某戦艦Bは某海軍軍人Tにタキシードとウェディングドレス姿のツーショット写真とやたら長そうな手紙を送る

・提督の精神に大ダメージ。曰く「ワルイユメ」

以上が前日譚です。その後、某海軍軍人Tは「あ号作戦」やらもあってストレス過多で精神崩壊してしまうって感じでこのSSにつながると考えてください。お願いします

私をSAN値直葬した全ての元凶たる某ウ=ス異本では、某PEちゃんの立ち位置が違うので気になる方はどうぞ読んでみてください
本当にオススメします。そしてみんなでCrazy9様にイチャラブ本を出して下さいとお願いしましょう

Crazy9様と読んで下さっている皆様に感謝を。よろしければ、どうぞ今しばらくお付き合いくださいませ
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 03:11:42.90 ID:rGhT5DYe0
>>447 コメントありがとうございます

>>446が一冊目で>>448が二冊目です
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 04:57:18.04 ID:XFgBKMvKo

初めて見たときはめっちゃ興奮したなぁ
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 06:06:48.28 ID:8GiGqkxa0
前日譚のせいで胸糞だわいらなかったろこれ
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 06:48:11.81 ID:UXKnoV/K0
ベースがこれならやっぱビスコ解体もんだろ
そしてあまりにもプリンツ報われなさ過ぎ
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 07:18:05.04 ID:cmupSnnA0
あの臼異本は救いないからある意味しょうがない。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 08:41:15.69 ID:z5r6n6VOo
前日譚っつーか元ネタとして散々取り上げられてたし
むしろ知らなかったのかって感じ
だからビスマルクを救うとか言い出したら非難轟々だったんだろ
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 09:00:42.11 ID:GXcla/500
元ネタと違って、このSSではプリンツが健気だからプリンツの方が魅力的に感じるのは仕方ない
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 09:57:47.66 ID:4K8NweovO
同じビスコ陵辱ものだったら俺はビスコが深海棲艦由来の媚薬使われる同人誌の方が好きで抜ける
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 16:25:43.76 ID:BWP7X88jO
ああ、あのウ=ス異本ですか
なかなか良かった(KONAMI感)
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/12(月) 21:55:48.06 ID:rGhT5DYe0


友『くっ!!遅かったか……!!』

プリンツ「待って!!切らないで!!私にも貴方の知っていることを教えて!!」

友『悪いがそんなことしている時間h』

プリンツ「少将!!……お願いです!!どうか教えてください……!!」

友『……七時までにこれからいう場所に来られれば教えてやる。いいな?』

プリンツ「っ!!Ja!!」



プリンツ(友さんが言っていた集合場所は、今から急いで行っても間に合うか間に合わないかぎりぎりな遠く離れた場所だった)

プリンツ(私は急いで部屋に戻り、支度をする。外は強い雨が降っていて、雷もなっている)

プリンツ(通常勤務用の短靴を脱いで、黒革のブーツに履き替える。クローゼットの中を探って、官給の黒いレインコートを引っ張り出す)

プリンツ(オートバイ兵用の奴で、脛まである裾を足に巻き付けられるタイプだ。財布やスマホを入れたポーチを方から掛け、レインコートを着た)

プリンツ(すぐにバイクに乗れるようあらかじめ足に裾を巻き付けておく。そしてゴーグルをつけて、黒く塗装されたシュタールヘルムを被った)

プリンツ(最後に、少し迷ったが、左腕に軍属であることを示す赤い腕章をつける。目立つが、これで扱いは緊急車両だ)

プリンツ(今の私は、見る人が見たら卒倒するだろう。が、幸いなことにここは日本だ。気にしないようにしよう)

プリンツ(バイクのキーを握りしめ、部屋を飛び出して駐車場へ走る。運よく誰にも見つからなかった)
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 21:58:02.62 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(そして相棒のBMW R1200 RTに飛び乗り、エンジンをかける。すぐに体に響くエンジンの音と振動が伝わってきた)

プリンツ(よし、出発!!時間ぎりぎりなんだ。もう一刻たりとも時間を無駄にするわけにはいかない)

プリンツ(しかし、相棒に乗ったことで焦る気持ちがだいぶ楽になった。大丈夫、間に合う)

プリンツ(私の相棒、R1200 RTは最高のバイクだ。まるで車のように快適で、安定感がある)

プリンツ(もっと詳しく言うと、サイズから考えられないほど軽く感じられ、コーナリング特性が良い。この時点で素晴らしい)

プリンツ(そして、その1170ccの……正確には1169ccらしいが、ともかくそのエンジンパワーによる加速力と最高速度は圧倒的なのだ)

プリンツ(特に、空水冷ボクサー故にごく低回転域でエンジンに高負荷をかけても全くギクシャクすることは無い)

プリンツ(つまり、停止と発進を繰り返す日本のような狭く入り組んだ道の多いところに最適な子だということだ)

プリンツ(さらに高速巡行も得意で、アウトバーンでも平気で使える。もっとも、今みたいに路面が濡れているとスピード出せないけど……)

プリンツ(ライディングプロはレインに。雨の中、風と水を切り裂きながら進んでいく)

プリンツ「……寒い」

プリンツ(この季節とは思えない寒さ。そして冷たい雨、悪い視界。北海の荒れた海を思い出した)

プリンツ「アトミラール……アトミラール……!!」ギリッ

プリンツ(友さんは何を知っているのだろうか……アトミラールが心配でたまらなかった。ずっと一緒に居れば良かった)
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 21:59:13.13 ID:rGhT5DYe0


飛龍『ええっ!?ちょっ、本当にどうしたの!?私に指揮任せるなんて……何処に行くの!?』

友『親友を助けに行ってくるんだ!!すまない飛龍!!今日だけだ!!頼んだぞ!!』

飛龍『頼んだぞって……もう!!帰ってきたらちゃんと話してもらいますからね!!』



友(訝しむ飛龍にひとまずの指揮を任せ、車を飛ばしてきた。合流地点に到着し、時計を見るともう数分で7時だった)

友(危うく俺が遅刻する所だった……満月が辺りを照らしている。日中の嵐が嘘のように快晴だ)

友(俺は集合地点に来ていた。本当は今すぐにあいつの元へむかいたいところだが、プリンツの熱意に負けてああいってしまったのだから仕方がない)

友(近くの自販機でコーラを買う。ゴクッと飲むと爽快な炭酸と甘さに脳がリフレッシュされる。少し気分が落ち着いた)

友(残りを一気に飲み干して缶を捨てた。時計を確認するともう七時だ。プリンツは来ていない)

友(まあ、どんなに飛ばしても時間的に厳しかったからな。残念だが、約束は約束だ。大事な親友が俺を待っている)スタスタスタ

ヴゥゥゥゥン キュルルルル

友「っ!?」

友(車に戻ろうと歩き出したら、一台の大型バイクが猛スピードでやってきた。そして、すぐそこにドリフトしつつ止まった)
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:01:01.84 ID:rGhT5DYe0
友(乗っていたのは……ドイツ兵だ。黒ずくめの軍服に黒いロングブーツ。そして特徴的な黒いシュタールヘルム)

友(暗い上にゴーグルをしているので顔はよく見えない。腕に巻いた赤い腕章が、式典で見たドイツ軍の士官を思い出させる)

友(ドイツ兵が何でこんなところに……!?まさかビスマルクを逮捕しに来たのか!?だとしたら、あいつも巻き込まれるかもしれん!!)

プリンツ「友さん!!」

友「!?お前……プリンツ・オイゲンか!?」

プリンツ「Ja!! 来ましたよ友さん!!教えてください!!何を知っているんですか!?」

友「時間がない!!とりあえずそれをそこらに停めて俺の車に乗れ!!走りながら話そう!!」

プリンツ「っ、了解!!」

友(一瞬バイクを見て躊躇ったようだったが、すぐに降りて路肩に停める。助手席に飛び乗ってきたところで車を出す)

プリンツ「友さん!!教えてください!!」

友(プリンツはゴーグルを外し、脚に巻いたコートの裾を解きつつ、怒鳴るように声をかけてくる)

友(相当追い詰められているようで表情には余裕がない。精神的に酷く打ちのめされているようだった)

友「落ち着け!!今あいつが居るであろう所に向かっている!!」

プリンツ「っ!!すいません……そこは何処なんですか?」

友「あいつの敵の所だ……クソ整備士とビッチ戦艦の所だよ」

プリンツ「っ!?どうして……」

友「俺が知っていることを話してやる。舌を噛むなよ?」ブゥゥン
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:03:26.82 ID:rGhT5DYe0


友「もうそろそろその家のはずだ」

プリンツ「……」

プリンツ(いつのまにか雨が降っていた。周りは晴れているのに、このあたりだけ雲に覆われている)

プリンツ(オレンジ色に染まった沈みかけの満月が空に浮かんでいる。不気味な夜だった)



友『あの作戦会議の後、俺はあるつてを頼って密かにあの二人の行方を捜していた。時間が経っていたうえ、工作もされていたそうだが無事に見つかった』

友『だが、それと同時に同じくその二人を追っている同業者も発見したそうだ。そいつの方が先に探していたことが幸いした』

友『俺はもちろん誰が探しているのかも突き止めるように頼んだ。予想では、お前らドイツ軍の連中だと思っていた』

友『だが違った。今朝、そのつてから連絡が来て報告を電話越しに聞いたんだ』

プリンツ『探していたのはアトミラールだったんですね……?』

友『ああ。今日の午後一時にある場所で直接会って報告しているのを確認したらしい』

友『たった一日違い、おそらくあいつは作戦会議の日までには正気に戻っていたんだろうな』

プリンツ『……』

友『運が良かった。あいつが報告を直接会って伝えるよう依頼していたこと、俺のつてが優秀だったこと』

友『いろんな幸運が俺たちを助けてくれた。一歩間違えれば、俺たちがこの事実を知るのはすべてが終わった後になっていただろうからな』

プリンツ『そうですね……』

友『あいつは恐らく一人で決着をつけるつもりだろう。だがどう考えてもまずいことになる可能性が大きい』

友『それこそ、あいつの経歴に致命傷をつけるぐらいのことをしでかすかもしれん。だから、止めなくちゃならない』

プリンツ『ぶっ殺してやるとか言っていた人の発言とは思えませんね』

友『俺ならいい。だが、これ以上クソ野郎どもにあいつをどんな方法であれ傷つけさせはしない』

友『あいつは本当にいい奴なんだ。それがどうしてこうもひどい目にあう……あんまりじゃないか……』

プリンツ『……同感です』
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:05:24.17 ID:rGhT5DYe0


プリンツ「……」

プリンツ(アトミラールは、たぶんあの作戦会議の日に正気に戻ったんだ。だって、思い返せばあの日以来、私をビスマルクと呼んでいない)

プリンツ(……おそらく、アトミラールは私と友さんの話を聞いていたんだ。それしか考えられない)

プリンツ(正気に戻ってくれて本当に嬉しい。だけど、ならどうして言ってくれなかったの?そんなに私は、アトミラールにとって他人だったの?)ズキン

プリンツ(……ビスマルクお姉さまは、どうしてこんなに思ってくれているアトミラールを裏切ったの?)

プリンツ(私がいくらアトミラールを思って望んでも、いくらアトミラールに尽くしても、アトミラールは私をそれほど思ってくれることは無いのに)ズキン

プリンツ(っ!!いけない、そんな事考えちゃダメだ。そうだよ。私はただの部下で、お姉さまは提督の……好きな人なんだから)ギュッ

友「あれだ!!あそこのはずだ!!」

プリンツ「っ!!」

プリンツ(友さんの声にハッとする。慌てて顔をあげると確かにそこにはなかなか大きな家があった)

プリンツ(ひとつだけ灯りのともった窓には薄いレースのカーテンが閉まっているが、中が見える)

プリンツ「!!?? Scheiße!! 」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:08:45.48 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(それを見た時、全身に衝撃が走る。引きちぎるようにシートベルトを外し、警告音に構わず扉の鍵を開ける)

友「あっ!?おい!!」

プリンツ(まだ走ってる車から飛び降りる。水たまりの中に落ちるが、仕方ない。受け身をとってそのままの勢いで飛び起き、駆けだす)

プリンツ「嘘だ、嘘だ、嘘だ!!信じられない!!信じられない!!」

プリンツ(窓を通して見る部屋の中には、アトミラールに向けて銃を構えたあの男が見えたのだった……)

プリンツ(私が馬鹿だった!!ずっとアトミラールについていればよかった!!間に合って!!)

プリンツ(あの男が指先に力を少し入れるだけで、最悪の結末を迎えてしまう。そんなことは絶対に嫌だ!!)

プリンツ(主よ、どうかお願いですから私を光よりも早く走らせてください!!お願いですからどうか間に合わせてください!!)

プリンツ(アトミラールまでの数十メートルの距離が、遥か彼方に感じる。アトミラールの苦悶に満ちた表情まではっきり見えるというのに……!!)

バンッ

プリンツ「……ぇ?」

プリンツ(それは唐突だった。銃口が光り、あの男の手が跳ね上がる。轟く爆音に、壁に叩きつけられるアトミラール。紅い液体が飛び散る)

プリンツ「あぁ……あぁ……」

プリンツ(そのワインのような滴の1つ1つまで見える気がした。何が起きたのか、嫌でも理解してしまう)

プリンツ「いやぁ……!!」

プリンツ(アトミラールが、撃たれた)
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:12:26.42 ID:rGhT5DYe0


友『簡単に洗脳されるような、頭のねじが数本とんでるクソビッチの方も問題だ。だが、どちらにせよあのクソ野郎はたとえ法律が裁けなくても俺が裁く』

友『乗り込んでやるさ、あいつらの所に。痛めつけられるだけ痛めつけたうえで、あのクソ野郎をぶっ殺してやる』

友『その法律が、俺の大切なものを傷つけて守らないっていうんならそんなもの守る義理はない!!』

友『そんなもののために、大切なものを土足で踏みにじった奴がのうのうと生きているのを黙って見てるだけなんて耐えられないだろう!!』



プリンツ「……」

プリンツ(いつか聞いたその言葉は、今、私の心を打った。私は現代の律法に囚われ、仇を討つことをしなかった。できなかった)

プリンツ(傷ついた大切な人を癒すことも、……その命を守ることも、できなかった)

プリンツ(落雷のような衝撃に、地獄の業火のような怒りと海よりも深い悲しみ)

プリンツ(そして、たまりにたまった不満がないまぜになった、言葉にできない感情が一気に爆発する)

プリンツ(ニーベルンゲンの歌。私の好きな叙事詩に謳われる、英雄である夫を殺された美しい乙女の復讐の物語を思い出した)

プリンツ(血を啜って復讐を誓ったクリームヒルトのように、私もまたここに誓おう)

プリンツ(失われてしまった愛する者の為、何か譲れない大切なものの為、仇を討つことを何故に躊躇う必要があろうか?)

プリンツ(そうだ、愚かな私は忘れていた、私の中に流れるものを。ドクンと心臓が痛いほどに鼓動を打った。自分が変わっていくのを感じる)

プリンツ(私の中でくだらない常識が壊れ、崩れ去っていく。長い時の流れの中で眠りについていたゲルマン民族の、その苛烈で誇り高い血統が目覚めた)

プリンツ(もう躊躇わない。もう迷わない。私はあの人のために私のすべてをささげる)

プリンツ(アトミラールを傷つけたモノを、私は決して許さない。自分が何をしてしまったのか、そして誰を敵にしたのかを知らしめてやる)
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:14:50.17 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(力が抜けかけた脚に、逆に力を込めて今まで以上に強く地面を蹴る。落としかけた視線をあげた)

プリンツ「っ!!!!」ハッ

プリンツ(そして、気がついた。アトミラールはまだ生きている!!撃たれたのは肩だ!!動脈が傷ついた様子もない!!)

プリンツ(なんという幸運だろうか!!クリームヒルトは夫を失ったが、私はまだアトミラールを失っていない!!)

プリンツ(アトミラールを守れるかどうかは私にかかっている。するべきことは、分かり切っていた)

プリンツ(窓へ突進し、腕を顔の前でクロスさせる。破片対策だ。そのまま窓へ体当たり。ガラスが砕け散り、カーテンを突き破る)

ガシャーン

提督「!?」

ビスマルク「!!」

男「ええええっ!?」

プリンツ「……!!」

プリンツ(両手を広げ、構える。そのまま止まることなく、あの忌々しい男の元へ突っ込む)

プリンツ(再び銃を構えて何事か叫んでいたそいつは、驚いて振り向きかけている。弾みで撃たれなくてよかった。それだけが賭けで、私はそれに勝った!!)
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/12(月) 22:26:29.93 ID:rGhT5DYe0
プリンツ(左手でそいつの髪の毛を掴み、右手をそいつが握る銃へ伸ばす)ガッ

プリンツ(急ブレーキするも止まり切れるわけもなく、そのまま後ろから抱き付くような形となってしまった。気持ち悪い……)

プリンツ(が、ともかく無事止まって銃を下から支えるように掴むことに成功した)

プリンツ(人差し指で強引にマガジンキャッチのボタンを押し、力を入れて銃口を上へ逸らせることでマガジンを脱落させた)カチッ

プリンツ(そしてそれが落下する音を聞きつつ親指で強引に引き金を引かせ、発砲させる。弾丸は天井を貫通しどこかへ消えた)カラン バンッ

プリンツ(そして、右手を離しながら、髪を掴んだ左手を後ろへ引き、右足を前へ出して床を踏みしめる)

プリンツ「ぁああっ!!」バキィ

男「」グシャァ

プリンツ(後ろへ倒れかけるそいつの顔面に向かって、握りしめた右手をぶち込んだ。確かな感触。左手で掴んでいた髪がごっそりと抜け、そいつは吹き飛んで床に沈んだ)

プリンツ「はぁ……はぁ……!!」

プリンツ(やった……!!やった!!アトミラールを守れた!!握りしめていた手を開き、気持ち悪い髪の毛を手放す)

ビスマルク「……っ!!あ、貴女……?」

提督「……!!」

プリンツ(振り向き、改めてアトミラールを確認する。アトミラールは驚きに目を見開いていた。顔に残る殴られた跡と血痕に怒りが燃え盛る。)

プリンツ(しかし、肩の傷を含めて命に別状はなさそうだ。アトミラールと目が合う。もう何年も会っていなかったような錯覚を覚えた)

プリンツ「アトミラール……!!」

プリンツ(思わず、目が潤む。涙があふれそうだった。今すぐに抱きしめたい。アトミラールを全身で感じたい)

プリンツ(だけど、それにはまだやらなくてはならないことがある。私は頭を切り替えてもう一人の仇の方へ向き直る)

プリンツ(その醜く腹を膨らませて、驚きの表情でこちらを見上げる売女を睨みつける。私の心がまた激しい怒りの業火をともした)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 22:58:46.40 ID:cmupSnnA0
優しいプリンちゃんが…gkbr
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/12(月) 23:00:35.72 ID:5vi6fjlHO
売女ビスマルク
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 22:40:22.19 ID:34eO+mnO0
>>1がBMWバイク好きなのは良く分かった
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:44:18.19 ID:DQAjaddu0


プリンツ「……」ギロッ

提督(プリンツ……!?馬鹿な、なぜ彼女がここにいるんだ?どうしてこの場所が分かったんだ?)

提督「プリンツ……?」

ビスマルク「プリンツ……」

プリンツ「Du Scheißfotze(この卑しい売女め). 民族、血統の汚辱!呪われるべき裏切り者!!そんなお前にお似合いの、醜い豚。その腹の中も、醜い豚の子!!」ギリッ

ビスマルク「っ」ビクッ

プリンツ「よくも……よくもアトミラールを……!!お前を切り刻んで地獄へ落としてやる!!」ツゥー

提督(プリンツは怒りと嫌悪感をみなぎらせた眼差しでビスマルクを睨みつけていた。そして、早口のドイツ語で何かを捲し立てている)

提督(信じがたい。あのプリンツが……?俺もドイツ語は話せるが、あくまで日常会話と軍事関係のみだ。何を言っているかまでは理解できない……)

ビスマルク「アトミラール……!! そうよ!!アトミラールが撃たれて……!!救急車!!」

プリンツ「っ!!そうだ……!!救急車……私が呼ぶ!!……っ!?」クルッ

ビスマルク「……?何してるのよ!?早くして!!」

プリンツ「見られている……?っ!!」ジッ ハッ

ガチャリ カツカツカツ

提督(プリンツが窓の外を警戒し始めたところで、ドアが開く音が響く。そして足音も。誰が入ってきたんだ!?全く状況がつかめない)
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:45:58.68 ID:DQAjaddu0
プリンツ「……友さん?」

提督「友……!?あいつまで来ているのか……!?」

ビスマルク「……誰!?」

メンゲレ「……さて、諸君。積もる話もあるだろうが、そこまでだ」

友「……」リョウテアゲ

提督「!?友……!!」

プリンツ「ドクトル……!!」

ビスマルク「……!!」

提督(入ってきたのはドイツ軍の制服に白衣を纏った、プリンツと同じぐらいの年頃の少女だった)

提督(そしてその後ろには何人もの戦闘服を着た兵士が控えている。ドイツ軍の部隊だ)

提督(そしてそんなやつらが何をしに来たのか。言われなくても分かる。ビスマルクを捕まえに来たのだろう)

提督「ビスマルク……!!」ズリ ズリ

ビスマルク「アトミラール!!」ペタ ペタ

提督(俺は、残念ながら立てない。這いずりながら近づいていく。そしてビスマルクもまた顔を蒼白にしながら四つん這いで這いよってくる)

プリンツ「アトミラール!?……っ!!」ギリッ

メンゲレ「おっと、動かないで貰おうか?」チャキッ

プリンツ「っ!!ドクトル、アトミラールに銃を向けるな……!!」

メンゲレ「誰にものを言っている?と言いたいところだが、親友の頼みとあれば仕方ない。が、限度はあることを理解しておくように」スッ

提督「くっ……何者だ?」

メンゲレ「おっと、これは失礼しました。初めまして中将。私はヨゼフィーネ・メンゲレ大佐です。今月からの連絡将校を務めさせていただいております」

ビスマルク「貴女が……」

メンゲレ「さて、まずは貴方です。中将」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:47:10.93 ID:DQAjaddu0
提督「何の用だ……?」

メンゲレ「治療ですよ。それとも、救急車でも呼びましょうか?Sanitäter(衛生兵)」

衛生兵「Jawohl. 見せてください、中将。Danke…… 深刻ではありません。応急処置をすれば移動に堪えられます」

メンゲレ「よろしい、では応急処置を」

衛生兵「了解です」

提督「待て。移動と言ったか?どこへ連れていくつもりだ?」

メンゲレ「我々の拠点、遣日ドイツ軍司令部です。そこらの病院よりよほど設備が良いですよ。それに、このことを公にするのはまずいでしょう?」

提督「っ」

メンゲレ「悪いようにはしません。ここは我々に預からせてください」

提督「……悪いようにしないとは?」

メンゲレ「このような騒ぎに巻き込まれたと知られれば、あなた方のキャリアに傷がつくでしょう?」

メンゲレ「ですから、今日のことは無かったことにします。中将と少将、そしてプリンツ・オイゲンは今日ここに居ませんでした」

メンゲレ「そして我々は、逃亡兵とその協力者を秘密裏に逮捕しました。ただ、それだけです。悪くない取引ではありませんか?」

ビスマルク「……」

提督「断る!!」

友「!?」

プリンツ「っ」

ビスマルク「!!」

メンゲレ「……何故でしょうか?」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:51:43.95 ID:DQAjaddu0
提督「ビスマルクをどうするつもりだ?」

メンゲレ「……許可なく部隊から逃亡した士官は銃殺です。お前もその覚悟があったのではないか?」

ビスマルク「っ。……ええ」

提督「止めろ!!それは赦さないぞ!!」

メンゲレ「……なら、どうするというのですか?」

提督「この件を告発する!!そのうえで減刑を求める!!そうなれば、ビスマルクの功績からして死刑だけは避けられるはずだ」

メンゲレ「貴方のキャリアを犠牲にしてですか?痴情のもつれからこんな問題を起こしたと知られれば、未来が消えますよ」

提督「それでもいいに決まっているだろう。……」



ザワザワ

テレビ【ご覧くださいこの廃墟を!!信じられませんが、ここはお台場です!!もはや無事な建物は一つもないかと思われます!!】

「嘘だろう……?」「信じられん……」「みんな、無事でいてくれよ……!!」

提督『こんな手紙なんて……嘘だ……そんなの嘘だ……妻と子が空襲で死んだなんて……!!』グシャリ ボロボロボロ

友『提督……』

テレビ【この一連の大規模な空襲で被害を受けた都市は12都市にのぼります。死亡者数は現時点で10万人を超え、さらに増加する見込みです。この件について海軍省は〜】



提督「愛する女一人守れないで、何が帝国軍人か……!!今、俺が行動すれば何とかできるかもしれないのなら、躊躇うことは無い!!」ギリッ ツゥ

友「提督……」

プリンツ「……」ギュッ

ビスマルク「アトミラール……もういいの。貴方がそう言ってくれただけで、もう救われたわ……だから、」

提督「そんなことを言わないでくれ!!君は生きたくないのか……?俺は君とこんな形で別れるなんて嫌だ!!」

ビスマルク「わ、私だって……!!けど、それであなたが犠牲になるのなら……死ぬ方がマシよ……!!」ボロボロボロ
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:52:29.82 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「……では、貴方はどうしたいのですか?中将」

提督「ビスマルクを保護したい!!」

ビスマルク「アトミラール……!!」

プリンツ「っ、アトミラール……」

メンゲレ「なるほど……ふむ……」

メンゲレ(素晴らしいぞ……!!うまくいけば、2体も確保できる……!!)

男「……」ピクッ

プリンツ「!」

メンゲレ「つまり、この一連の出来事はなかったことにするという認識でいいですね?」

「「「「!?」」」」

メンゲレ「ビスマルクは逃亡などしていない……あなたの元から去っていない。この男はただ軍を一人で去っただけ」

メンゲレ「そして行方不明になった。そういうことでいいですね?」

提督「あ、ああ。だが、なぜいきなりそんな提案をする?」

メンゲレ「コレが不祥事を起こしたとなれば私の責任問題にもなります。それは御免ですから」

メンゲレ「ですが、誓ってもらえますね?このことは決して他言しないと。もちろん、ここにいる全員です」

提督「分かった、誓う」

メンゲレ「いいでしょう。貴方はどうですか、少将?」

友「貴様を裏切ったそいつを保護する。……本当にそれでいいのか、提督?俺は反対するぞ」

提督「いいんだ、それがいい。……迷惑をかけた。ありがとう、友」

友「……なら、もう言うことは無い。誓おう」

メンゲレ「分かりました。プリンツ?」

プリンツ「……誓いますよ」

メンゲレ「Gut. で、お前は?Versager(愚か者) 」

ビスマルク「私は」

男「ぅぅ……ビスマルク……助けてくれ……!!」

ビスマルク「っ!?」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:53:43.11 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「意識が戻っていたか。どうする?」

男「いいのか……?あんな奴にお前を幸せにすることなんか……悦ばせることなんかできるものか……!!」

男「お前は僕専用なんだ……!!異物を入れたって前のようになるだけだぞ……!?」

提督「っ」

男「それにお腹の子は僕の子だ!!僕はその子の父親で、お前の夫だろ!?」

ビスマルク「っ!!」

男「ドイツ人!!僕を殺すな!!僕の命を保証するなら、僕が知ることを全て話してやる!!機密まで全部だ!!」

男「僕は整備士として優秀だった!!それこそ、ビスマルクの整備を任されるぐらいに!!だから様々な機密に詳しいぞ!!」

メンゲレ「ほぅ……興味深い……」

男「僕を助けるなら知っている情報をドイツ軍に全て提供する!!だから僕を助けろ!!」

メンゲレ「ふむ……」

男「提督、言ったな!?ビスマルクが望むようにすると!!ビスマルクが僕と逃げることを選べば、お前はそれを支援すると言った!!」

提督「ああ、そうだ」

男「ならビスマルクが望めば僕たちがドイツへ逃げることを支援しろ!!」

提督「……分かった」

友「っ」

メンゲレ「なら、望むようにしようじゃないか。すべては我らが祖国、ドイツの為にだ。どうする、ビスマルク?」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:55:41.36 ID:DQAjaddu0
ビスマルク「ぁ……わ、たし……」マッサオ

男「お腹の子だってそうしたいはずだ。ビスマルク……!!」

提督「……君が望むようにしてくれ。帝国軍人として、約束は必ず守る。例え、君が俺の元を去ってそいつと行くと言ってもだ」

ビスマルク「私、は……私はっ……」ドクン ドクン ドクン

ビスマルク「……っ!!はぁっ……!!……あ、貴方と……アトミラールといたい……!!アトミラールがいいなら……」ギュッ

ビスマルク「アトミラールが赦してくれるなら……アトミラールが受け入れてくれるなら……アトミラールといたい……ぐすっ……!!」ツゥー

男「あぁ……!!ビスマルク!!お腹の子はどうするんだ!!」

ビスマルク「っ!!そんなの!!分からないわよ!!けどアトミラールがいいの!!」

男「僕を殺すのか!?見殺しにするのか!?お前の夫だろう!!」

ビスマルク「違う……違う!!元はと言えばあなたが私を騙してっ……!!」

男「受け入れたのはお前だ!!ビスマルク!!」

ビスマルク「うるさいうるさい!!今は何も考えたくない!!けど私はアトミラールといたい!!」

ビスマルク「あなたなんか……お前なんか大っ嫌い!!」

メンゲレ「決まったな。ヴォルフガング、そいつを黙らせろ」

兵士「 Einverstanden(了解しました). 」

男「ビスマルク!!な、止めろ!!放っんん!!」

メンゲレ「……さて、睡眠薬もすぐに効くだろう。いいのだな、Versager?」

ビスマルク「勿論よ……!!」フルフルフル

メンゲレ「ふん、そいつを運び出せ。予定通りにな」

兵士「分かりました」

提督「ビスマルク!!」ダキッ

ビスマルク「アトミラール、私……!!」ギュッ

提督「もう二度と話さないからな。だから、もう二度といなくならないでくれ……!!」

ビスマルク「うん……うん……!!ごめんなさい……!!ありがとう……!!」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 01:58:19.47 ID:DQAjaddu0
メンゲレ「……では、ヘリが待っていますので移動をお願いします。少将とプリンツはどうされますか?」

提督「っ!!待っててくれビスマルク」バッ

ビスマルク「ええ、分かったわ」コクリ

提督「待ってくれ!!プリンツと話がしたい」

プリンツ「!!」

メンゲレ「そうですか。では簡単にお願いしますね。貴方は負傷者ですから」

提督「ああ。……プリンツ」

プリンツ「アトミラール……」

提督「迷惑をかけた。すまない……」

プリンツ「言いたいことはたくさんあります。けど、生きていてよかった。今はそれだけ伝えられれば十分です」

提督「ありがとう、プリンツ……本当にありがとう……!!」

プリンツ「ドクトル、アトミラールはいつ戻れるのですか?」

メンゲレ「傷が癒えるのに時間はかかるだろうが、入院が必須なわけではないだろう。明日にでもな」

プリンツ「なら私が迎えに行きます」

メンゲレ「構わんよ。後で連絡する」

プリンツ「いえ、この後に話しましょう」

メンゲレ「……手短にな」

プリンツ「ええ。では、アトミラール。名残惜しいですが、傷に障ってはいけませんから今日の所はこれで」

提督「そうか……分かった」

プリンツ「ただし、明日からは覚悟してもらいますからね?」

提督「ああ、首を洗って待っているよ」

メンゲレ「終わったようですね。では、少将は?」

友「俺はもう帰るよ。車もあるしな」

メンゲレ「分かりました。では、各員行動開始。集合地点のヘリにて待機。私は少し話がある。問題発生の場合は合図して離脱しろ。私は自分で戻る」

「「「「 Jawohl. 」」」」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:02:22.05 ID:DQAjaddu0


プリンツ(アトミラールと少将、強襲班、そして仇2人が去り、私はメンゲレと二人でいる)

プリンツ(他にこの家にいるのは証拠隠滅班だけだ。私達は別室にいて、話を聞かれる心配もない)

メンゲレ「それで、何の用かな?」

プリンツ「このことを本国に知られても貴方に不利益なんかないでしょ?」

メンゲレ「だがドイツ本国には不利益がある」

プリンツ「だとしても、こんなやり方はおかしい。やるなら有無を言わさず事故死とかにするはずなのにどうしてこんな方法を?何を企んでいるの?」

メンゲレ「……私は医者だ。常に医学の発展に力を尽くしている。なぜなら、それが今の私の目標だからだ」

メンゲレ「だが、やはり卓上で計算やら理論やらで予測したり、合法的な実験だけでは話にならない」

メンゲレ「使える検体が必要なんだ。……何をしても問題にならない、人間がな」

プリンツ「……!!」

メンゲレ「どうせ奴は処刑される。なら、是非人類の役に立って貰おうじゃないか。そう思うだろう?」

プリンツ「……」

メンゲレ「……そうだな、道徳的に考えれば難しい問題だろう。よくない事だと感じないわけではない」

メンゲレ「だが、私は割り切る。なぜならそれが一番だからだ。最善だからだ」

メンゲレ「くよくよ悩んでいても、時間の無駄だ。なら早く割り切って行動すべきだろう?」

メンゲレ「過剰な倫理観で下らん言い訳を並べて……限りある時間を無為にするのが人格者ならば、私は人格破綻者であるほうが良い」

プリンツ「……メンゲレ。私で実験しようとしたことは赦さない。けど、私は貴女のことが少し好きになったかも」

メンゲレ「!?そ、そうか……?それは嬉しい……!!それと、一つ言わせておらいたいのだが、あの時私は君を殺そうとしていたわけじゃないぞ?ただ」

プリンツ「分かってる。じゃあ私も先に戻るね。艦隊の皆が混乱しているだろうから。何時にアトミラールを迎えに行けばいい?」

メンゲレ「そ、そうか……正午に来てくれ。分かってると思うが、どういう事にするかは決まっていない。迂闊な発言には気を付けろよ」

プリンツ「当然。じゃあね、メンゲレ」

メンゲレ「!!ああ。また今度、プリンツ。……Gut!!」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:03:15.36 ID:DQAjaddu0


プリンツ「……あ」

友「来たか」

プリンツ「友さん……どうしたんですか?何か用ですか?」

友「用があるのはお前の方じゃないか?」

プリンツ「はい……?あっ」

プリンツ(私のバイク……あの自販機のとこだ……危うく帰れなくなるところだった)

友「乗れよ」

プリンツ「待っていてくれたんですか?ありがとうございます……」

友「気にするな」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/12/14(水) 02:04:37.71 ID:DQAjaddu0


メンゲレ「待たせた。では出発してくれ」

パイロット「了解しました、大佐殿」

提督(ヘリがゆっくりと離陸していく。俺の隣の席にはビスマルクが座っていた。手を繋ぎ、互いに頭を相手にもたれている)

提督「ビスマルク……」

ビスマルク「何かしら……」

提督「いや、呼んでみただけだ」

ビスマルク「そう」

提督「……ここにいるんだな」

ビスマルク「ええ。……もう二度と離れないわ」

提督「ああ……」ギュッ

ビスマルク「ん」

提督(本当に辛い出来事だった。俺にとっても、そしてきっとビスマルクにとっても、だ)

提督(だが、終わった。決着をつけた。このことはもう忘れよう。これからはきっとビスマルクとの幸せな生活が待っているはずだ)

提督「ビスマルク……俺はもう眠い……」

ビスマルク「大丈夫?」

提督「少し、仮眠させてもらう……」

ビスマルク「分かったわ。お休み、アトミラール」

提督「ああ……」

提督(一気に疲れが溢れ、眠気に瞼が重くなる)

提督「……」

提督(ワルイユメは、もう醒めた。俺はすがすがしい気持ちで、本当に久しぶりの安らかな眠りに落ちていった)
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/14(水) 02:05:51.73 ID:DQAjaddu0


友「そろそろ都市部に戻ってきたな」

プリンツ「……友さん」

友「どうした」

プリンツ「どう思いますか?アトミラールとアレとの……ビスマルクとのこと」

友「気に食わない。だが、あいつがそれを望んだのなら仕方ない」

プリンツ「仕方ないって……あんなひどい女に親友が引っかかっていいんですか?」

友「ひどい女か……まあそうだ。赦しがたい裏切りをしたからな。だが……あいつの態度を見て考えを少し改めた」

プリンツ「態度って……」

友「ひどく後悔しているようだったし、どうやら本当にストックホルム症候群のようなものだったみたいじゃないか」

友「あいつのクソ整備士に対する言葉を聞いて、許せはしないがまあ一回ぐらいチャンスをやってもいいかと思った」

プリンツ「……そうですか」

友「まあ、一発ガツンと殴ってやりたい気分は収まらないがな」

プリンツ「……」

友「納得できないか?」

プリンツ「ええ……あんなのより私の方がアトミラールを……」ボソリ

友「ん?何て言った?」

プリンツ「何でもないです。それにしても、今からまた六時間近くかけて戻るのはさすがに億劫ですね」

友「だろうな。バイクだと余計辛いだろう」

プリンツ「はい……」

プリンツ(……あ、ホテルだ。こんなに煌びやかで、なんかクラブとかカジノとかみたい。へぇ、休憩ねぇ。……)

プリンツ「……今日は疲れました。あのホテルで少し休憩していきたいです」

友「お前……まさかとは思うが、分かって言ってるわけじゃないよな?」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 02:08:02.41 ID:F6gb6jvIO
あのさあ…
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 02:31:00.28 ID:/fsoCVdDo
ここまでして報われないプリンツ……
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