【FEif】リリス(……これは、だめそう……ですね……)

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133 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 22:01:01.12 ID:fwjZZE6F0
リョウマ「はぁっ! しゃあ! はああっ! ふぅ、こうしてちゃんとした剣で素振りをするのは久しぶりだが、まだ衰えていないようだな」

リョウマ(しかし、あまり用がなければ白夜に戻ることもないと思っていたが、よもやこんな形で戻ることになるとは、何が起きるかわからないものだ)

 ガチャ ギィィイイ

リョウマ「む?」

ベルカ「リョウマ王子…」

リョウマ「ベルカか、おはよう」

ベルカ「おはよう…」

リョウマ「ああ、おはよう。ベルカは思ったよりも朝が早いようだな」

ベルカ「何時もの時間に起きただけ…。そういうリョウマ王子も早いわ…」

リョウマ「まぁな。しかし、久しぶりにちゃんとした剣を握っているからかもしれないな。少しばかり剣の重さに引っ張られているようにも感じる」

ベルカ「そう…」

リョウマ「そういうベルカはなぜいつもこの時間に起きるんだ?」

ベルカ「私はいつも起きたら武器の手入れをしているから…」

リョウマ「それは暗殺者故の習慣というものか?」

ベルカ「そうなるわね…。武器の手入れができていれば相手を確実に殺せるわ…。たった一つの毒針でも目を通さないことで失敗する同業者もいる…」

リョウマ「仕事の内容はあまりいいものとは言えないが、お前は誇りを持ってことに従事しているということだろう。すごいことじゃないか」

ベルカ「普通のことよ…」
134 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 22:14:55.85 ID:fwjZZE6F0
リョウマ「普通のことでもできないものにはできないことだ。俺は準備を怠ってマークスに負けたのだからな」

ベルカ「たしかにそう…。ちゃんとマークス様とサクラ様、二人がいることを想定してことを進める必要があった…」

リョウマ「ああ、俺は感情に左右されてそれを怠っていた。その結果がこの様なら自業自得というものだ」

ベルカ「暗殺者は一度の失敗で全てを失うことになる。そうならないために幾重にも考えるのは普通のことよ…」

リョウマ「ううむ、容赦なく言ってくれるな。正直、こうして直接話をするまでは、もっと口数が少ないと思っていたんだが」

ベルカ「……ごめんなさい」

リョウマ「あやまらなくてもいい。お前の言っていることにほとんど間違いはないのだからな。常にあらゆる可能性に目を通しておくことは必要なことだというのに、それを怠った俺にとって耳に痛い話だがその通りだからな」

ベルカ「……」

リョウマ「だが、一回の失敗で全てを失うということだけは間違っていると俺は思う」

ベルカ「それはリョウマ王子の生きている場所と私が生きている場所が違うから、そう感じるだけ…」

リョウマ「生きている場所が違う……か」

ベルカ「ええ」

リョウマ「なら、試してみるとしよう」
135 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 22:22:16.18 ID:fwjZZE6F0
ベルカ「え?」

リョウマ「ベルカ、受け取れ」ポイッ

ベルカ「……これは、模擬剣?」

リョウマ「ああ、ベルカにも持てるくらいのものだ」

ベルカ「なんのつもり?」

リョウマ「実はまだ俺の日課は終わっていない。そこでベルカ、お前にも参加してもらうことにした」

ベルカ「何を言って…」

リョウマ「とりあえず、俺の横に立て。早くしろ」

ベルカ「これでいい?」

リョウマ「ああ、いいか腋を閉めて剣を上にあげ振り下ろす。ただ振り下ろすだけではだめだ、ちゃんと自分の中に標的を作りそれを倒すように行え」

ベルカ「自分の中に標的を作る?」

リョウマ「ああ、そこをずっと叩き続けるんだ。まずは千本行う。ちゃんと数えて行うんだ」

ベルカ「せ、千本!?」

リョウマ「行くぞ、一、二、三、四――」ブン ブン ブン ブンッ

ベルカ「! 一、二、三―――」ブン ブン ブンッ
136 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 22:39:47.64 ID:fwjZZE6F0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベルカ「はぁ…はぁ……」

リョウマ「よし、ここまでだな」

ベルカ「まだ、私は終わってない…」

リョウマ「終わっていないがその腕ではもう動かせないだろう? 剣も震えているし途中から狙いもばらつき始めていた。今のベルカの限界はそのあたりということになるだろう、もう剣を下ろせこれ以上は意味がないことだ」

ベルカ「……」ガシャンッ

 ドサッ

ベルカ「はぁ……はぁ……」

リョウマ「ははっ、汗だくじゃないか」

ベルカ「そういうリョウマ王子も汗だくね…」

リョウマ「ああ、どんなに訓練してもこれは変わらないことだ。それに俺も久しぶりにやって後半は九百台までといったところだ。だが次は頑張って達成して見せる。一度の失敗で投げ出すというのはその可能性を潰すことだ」

ベルカ「え?」

リョウマ「ベルカ、お前が生きてきた世界は確かに俺の生きてきた世界とは比べることのできない厳しいものだったのかもしれない。だが、いつまでもそこに縛られている必要はない。カミラ王女の臣下として今ここにいるお前も失敗のまま終わらせないという選択をしてもいいと俺思う」

ベルカ「……まさか、それを言うためにわざわざ素振りに?」

リョウマ「まあな。言葉だけでは伝わらないこともあるなら、体を動かすことで得られる物にした方がいい。まぁ、俺自身もこの記録に挑戦するのは初めてのことだったからな。見事に叩きのめされてしまった。だが失敗が成功になるその日まで立ち向かい続けるだけのことだ」

ベルカ「ふふ…」
137 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 23:02:50.16 ID:fwjZZE6F0
リョウマ「……ようやく笑ってくれたな」

ベルカ「あ……」

リョウマ「ふっ、ベルカも笑うとそのような表情になるんだな。年相応の女性の穏やかな表情だ」

ベルカ「これは違う…。笑ってなんてない…」

リョウマ「照れることはないと思うが」

ベルカ「笑ってない…」

リョウマ「ふっ、今度は不貞腐れているのか?」

ベルカ「機嫌が悪いわけじゃない…。ただ、朝からおかしなのに付き合わされたって思っていただけ…」

リョウマ「む、確かにそうだな。だが朝から体を動かすのも悪くはないだろう?」

ベルカ「…それには同意するわ」

リョウマ「ベルカさえよければ今後も付き合ってくれると助かる。一人でやるのもいいが、こういったことは隣で張り合うものがいてくれる方がやる気も出るからな」

ベルカ「考えておくわ…」

リョウマ「ああ、そうしておいてくれ。そろそろ、みんなが起きた頃のはずだ。戻るとしよう」

ベルカ「ええ…」

 スッ

リョウマ「掴まれ」

ベルカ「……ありがとう」

リョウマ「気にするな。よし、早いところ支度をして白夜を目指さなければいけないな」

ベルカ「……」ニギニギ

リョウマ「む、どうした? 手をそんなに閉じたり開いたり」

ベルカ「なんでもない…。行きましょう…」
138 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 23:19:13.68 ID:fwjZZE6F0
ベルカ(リョウマ王子の手、思ったよりも大きかった…)

ベルカ(私の手は一回り小さい、あれくらい鍛えないと千本は辛そうだけど、別に参加するなんていってない…。参加したところで結局、失敗したままで死ぬことはないこと…)

ベルカ(でも――)

ベルカ「失敗のままだと、私は負けたままということ?」

リョウマ「ああ、今のままだとそうなる。それを悔しいと感じるなら乗り越える努力を惜しまず戦い続けて成功を勝ち取るしかない」

ベルカ「そう…」

リョウマ「まぁ、俺は負けるつもりはないさ。もしも、これを越えたいと考えているなら何でも聞いてくれればいい、力になろう」

ベルカ「……ええ、気が向いたらそうさせてもらうわ…」

 ガチャン バタンッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベルカ「戻ったわ…」

ピエリ「あ、ベルカなの。起きたらいなくてびっくりしたのよ。どこに行ってたの?」

ベルカ「ちょっとね…」

ピエリ「なんだか汗臭いの。シャワーが出来てるから入ってくるといいの」

ベルカ「ありがとう…。ところで、ピエリ…」

ピエリ「なんなの?」

ベルカ「リリスが起き上がってこないけど、どうしたの?」

ピエリ「良くわからないの。たぶんお寝坊さんなのよ」

ベルカ(……人為的に締め付けられたような跡があるけど…。別に気にすることではないわね)

ピエリ「リリス、起きるのよ」ユサユサ

リリス「ううっ、やめて、ピエリさん。体痛いから、揺らさないでぇええ……」
139 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/01(月) 23:19:52.58 ID:fwjZZE6F0
今日はここまで
 
 今日はリョウマの誕生日
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 22:41:48.76 ID:3957hb3vo
おつ
141 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/04(木) 23:13:42.89 ID:aMc3BUQt0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・王都ウィンダム『中央街道』―

カミラ「お土産?」

リョウマ「ああ、久しぶりに帰郷することもあるからな。何か手土産をと思ってな……」

カミラ「そう、それで買い出しにいくことにしたということね。ふふっ、顔に似合わず妹思いなのね」

リョウマ「顔に似合わずとは失礼だな」

カミラ「ふふっ、ごめんなさい。でも、なんでその相手に私を選んだの? 今、王ではないとしても臣下のカゲロウもいるんだから」

リョウマ「カゲロウはピエリとどこかへ行ってしまったようでな。それにカゲロウも贈り物となると勝手がわからないらしい」

カミラ「そうなの?」

リョウマ「ああ、前に旅先の風景を描いたと絵を貰ったが、鬼が人を喰らっているような絵だった」

カミラ「彼女は地獄にでも行ってきたのかしらね?」
142 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/04(木) 23:32:34.43 ID:aMc3BUQt0
リョウマ「それにカミラ王女とヒノカは交流があるだろう? そこでカミラ王女ならヒノカの好む物がわかるのではないかと思ってな」

カミラ「ふふっ、私のことをそんなに評価してくれてるのね」

リョウマ「ヒノカと打ち解けてくれたことや、進んで俺に話をしに来てくれたことも含めても色々と気を利かせてくれているからな。残念だが、俺から話しかけに行くということはあまりなかった」

カミラ「仕方無いわ。あの時は合流して間もない頃だったもの。でも、私はカムイにそう言われたからそうしただけよ。自分から進んでそうしたわけじゃないわ」

リョウマ「だとしても、あの時暗夜との関係を模索していた俺にとって、カミラ王女との会話はいい起点になった」

カミラ「なにも話題が出なかったけどね?」

リョウマ「それは言わない方がいいことだ」

カミラ「でも改めて言わせてもらうけど、初めての女性にする話題が刀は問題よ」

リョウマ「そ、そうだろうか?」

カミラ「ええ、この様子だとヒノカ王女へのお土産に武器を買っていきそうね」

リョウマ「武器ではだめなのか?」

カミラ「……言葉が見つからないわ」
143 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/04(木) 23:48:45.99 ID:aMc3BUQt0
リョウマ「やはり武器は駄目か?」

カミラ「苦笑いを浮かべて受け取ってるヒノカ王女の姿が簡単に浮かべられるわね。妹だとしても女の子なんだから、少しは考えてちょうだい」

リョウマ「女の子か。そう言えば、前に香水を付けていた時があったな」

カミラ「あら、そうなの?」

リョウマ「ああ、飾り立てるのは難しいがこれくらいならと練り香水を付けてくれたことがあってな。俺がめかしこんだヒノカの姿を見てみたいと言ったからなのだろうが、いつもとは違う姿が新鮮だった」

カミラ「なのに武器をお土産に持っていこうとしてるなんて……。本当に戦闘以外はからっきしなのね」

リョウマ「面目ない……」

カミラ「ふふっ、なら一緒に選んであげる。リョウマ王子はカムイの素敵なところを教えてくれたから、そのお返しをしてあげたかったの」

リョウマ「なら、俺もお返しをしないといけないな……ううむ、何がいいんだろうか」

カミラ「ふふっ、今はヒノカ王女へのお土産を見つけましょう? 早く選んで白夜王国に行かなくちゃね?」

リョウマ「そうだな」

カミラ「それじゃこのお店なんてどうかしら? 女性向けの商品が多いし、お土産ようの包装もしてくれるの」

リョウマ「そうか、ではここで選ぶとしよう。カミラ王女、助言を頼む」

カミラ「ええ、でもリョウマ王子が自分で決めるのよ」

リョウマ「わかっているさ。それじゃ入ろう」
144 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/05(金) 00:01:46.26 ID:I9qwZVtA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜^

ピエリ「うーん、やっぱり白夜に着くまで時々料理しないといけないから、いろいろと買わないといけないの」

カゲロウ「買いものというから何かと思ったが、ピエリは料理を嗜むのか?」

ピエリ「ピエリ、料理の腕は一流なの。みんなからいっぱい褒めてもらえてるのよ。カゲロウもきっと食べてる筈なの」

カゲロウ「そうか、お前とは戦いの最中ではあまり顔を合わせてはいなかった。すまない、本来なら知っているべきことだというのに」

ピエリ「大丈夫なの、ピエリもカゲロウのことよく知らないの。これから仲良くしてほしいのよ」

カゲロウ「別に構わない。だが、こんなに多くの食材、どこに置いておくつもりなんだ?」

ピエリ「それはリリスの星界なの。マイキャッスルのことなの」

カゲロウ「ほう、あの不思議な空間をリリスは使えるというのか」

ピエリ「そうなの。リリスはすごいの竜にも変身できて、抱きしめるとひんやり気持ちいいのよ。ポンポンもスベスベなの!」

カゲロウ「……カムイ様もそうだが、竜になった時は実際全裸と考えてもいいのだろうか?」

ピエリ「裸なの? 外で裸になってるなら、カムイ様もリリスもとっても可笑しいの。でも、たぶん竜の時は裸なのよ」

カゲロウ「どうしてそう言えるんだ?」

ピエリ「リリスのお○んちんが見えてたから裸なの」

カゲロウ「……え?」
145 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/05(金) 00:14:13.66 ID:I9qwZVtA0
カゲロウ「ピエリ、リリスに……なんだって?」

ピエリ「えっとね、リリスはお○んちんが生えてるのよ。これくらいのなの」

カゲロウ「……結構な大きさ。いや、ちがう、リリスは男なのか?」

ピエリ「違うのよ。変な話だけど、竜の時だけだって言ってたの。前とっても辛そうだったから毒を出してあげたのよ」

カゲロウ「毒?」

ピエリ「そうなの、お○んちんから白い変なのが出てきたの。あれは毒に決まってるの。だってお○んちんからはおしっこしか出ないはずなのよ。だからピエリ頑張って毒抜きしたの!」

カゲロウ「……ピエリ、その一つ聞いてもいいだろうか」

ピエリ「はーい、答えられることにしてほしいの」

カゲロウ「あ、ああ。そのだ、このニンジンを、その男性器だと思ってだな」

ピエリ「だんせいきってなんなの? ピエリわからないの」

カゲロウ「……男性器とはお、お○んちんのことだ///」

ピエリ「そうだったの? ピエリ難しい言葉わからないから、お○んちんって言ってほしいのよ」

カゲロウ「わ、わかった。お、お○んちん……」

ピエリ「うん、それでお○んちんがどうしたの?」

カゲロウ「そ、そのだな。ピエリはお○んちんをどう弄ったのか聞かせてほしいんだ」
146 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/05(金) 00:28:54.28 ID:I9qwZVtA0
ピエリ「もしかしてカゲロウも誰かから毒を出してあげようとしてるの?」

カゲロウ「そ、そういうことになる。どうやら私はお、お○んちんの扱いがあまりうまくないらしくてな。このままでは毒を抜いてやることが出来ないんだ」

ピエリ「それは大変なの。ピエリが今からこのにんじんで実演するのよ」

カゲロウ「いいのか?」

ピエリ「いいの。ピエリもリリスから毒を出すので必死だったから、カゲロウの気持ちわかるのよ。いっぱい出して楽にしてあげないといけないの。ピエリ、初めてだったけどいっぱいビュービュー出せたから、カゲロウも問題なくできるはずなの」

カゲロウ「すまない」

ピエリ「気にしないの。まずは先端を隠してる皮を剥いて、それから――」

ベルカ「あなたたち、市場のど真ん中で変な話を始めないで…」

カゲロウ「ベルカ」

ベルカ「それ以上続けたら確実に憲兵が寄ってくるわ…」

ピエリ「今、カゲロウに大事なことを教えてるの。邪魔しないでほしいのよ」

ベルカ「そういうことは部屋でやって、こんな場所ですることじゃない…」

ピエリ「……そうなの」

ベルカ「わかってくれればいい…」

ピエリ「カゲロウ、今すぐお買い物を終わらせて宿に戻るの。ピエリがリリスのを調べて、毒が溜まってたら目の前でやってみるの」

カゲロウ「実演ということか、確かに実際にやってもらえた方が得られる物は多いだろう」

ベルカ「二人とも何を言っているの…」
147 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/05(金) 00:32:19.30 ID:I9qwZVtA0
今日はここまで
 
 ピエリは無邪気でうまい、カゲロウは積極的だがあまりうまくない…そんな感じ
148 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/11(木) 01:11:32.37 ID:vrAlxF470
ピエリ「ふふふーん、いっぱい材料買ったの!」

カゲロウ「そうだな。しかし、量が多くないか?」

ピエリ「そんなことないの。それにリョウマ様がいるの、これくらいぺろりって食べられちゃうはずなのよ」

カゲロウ「なるほど、それならリョウマ様も喜んでくれるだろう」

ピエリ「そうなの。でもでも、リリスもいっぱいピエリのご飯食べてくれるのよ。この前、おいしいって言ってくれたの」

カゲロウ「……ふと思ったのだが、ピエリとリリスはどんな間柄なのだ?」

ピエリ「間柄?」

カゲロウ「ああ、もしかして互いに支え合うような関係なのかと思ってな、ちがうのか?」

ピエリ「ピエリとリリスはお友達なのよ。それだけで、難しい関係じゃないのよ」

カゲロウ「そうか…」

カゲロウ(あっさりと性行為を受け入れる友人関係か、私には理解できないが。やはり文化が違えばということもある。暗夜ではそういう繋がりが多いということかもしれない。つまり、交友の一環ということか…)

カゲロウ「ピエリとリリスは仲が良いということだな」

ピエリ「もちろんカゲロウもベルカも友達なの! ピエリ、友達がたくさんできてうれしいのよ、このままの勢いで友達百人作っちゃうの」

カゲロウ「百人か具体的にピエリにとっての友達とはどういう基準になる?」

ピエリ「人殺しをしてそうな人のことなの!」

ベルカ「思った以上に否定出来ない基準ね…」

カゲロウ「役割上避けては通れないことだからな」
149 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/11(木) 01:29:28.04 ID:vrAlxF470
ピエリ「えへへ、カゲロウもベルカも血の臭いがすっごくするの」スンスン

ベルカ「ピエリ、何嗅いで…」

カゲロウ「ピエリ?」

ピエリ「ここなの、ベルカは右の手からいっぱい血の臭いがして、カゲロウは胸元からいっぱい血の臭いがするの…。その場所にいっぱい血が掛ってる筈なのよ」

ベルカ「私は右手から…」

ピエリ「そうなの。いっぱい血が染み込んでるの、ピエリはごまかせないのよ」

ベルカ「……」

ベルカ(……暗殺道具を使って攻撃する時は右手で行っているからそれが原因ね)

カゲロウ「私は胸元か」

ベルカ「どうして胸元に、血が大量に掛るの?」

ピエリ「……真正面からえいってすればいっぱいかかるはずなの。でもそ血の臭い、なんだか不思議な匂いなの」

カゲロウ(多分、頼まれてお胸でパフパフというのを実践した時のものだな。大量に鼻血を出していたから血であることに変わりはないし、なによりその鼻血の香りが残っていると思うと、まるで何時も傍で見守られているようで安心できる…)

カゲロウ「この感覚悪くはないな」

ピエリ「なにがなの?」

ベルカ「気にしないでいいと思う…」
150 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/11(木) 01:44:40.13 ID:vrAlxF470
ピエリ「でも、戦争の最中はあんまりみんなとお話できなかったから、こうやってお話してお買い物するの楽しいの」

ベルカ「楽しい?」

ピエリ「うん、ピエリ。みんなとお買い物に行ったことあまりなかったの。だからカゲロウにベルカと一緒にお買いものに行けてとってもうれしいの」

カゲロウ「行軍の合間に交流する時間はなかったのか?」

ピエリ「時間はあったの、でも誰もピエリに話しかけてなんてくれなかったの。だから早く戦いが始まってほしいってずっと思ってたの」

ベルカ「敵を殺せるから?」

ピエリ「そうなの。敵をいっぱい倒すとみんな褒めてくれるの。マークス様もいっぱい活躍したら頭を撫で撫でしてくれるのよ」

ベルカ「……」

ピエリ「この頃、撫で撫でしてもらってないの。早く誰か殺して撫で撫でされたいのよ……」

カゲロウ「撫で撫でするか?」

ピエリ「ピエリ何もしてないから撫で撫でされてもよくわからないの」

カゲロウ「そうか……」

ベルカ「宿に戻ろう…。リョウマ様とカミラ様が戻ってきたらすぐに発てるように準備しないといけないから…」

ピエリ「うん」

カゲロウ「ああ、戻って――」

ピエリ「リリスに毒抜きさせてってお願いするの」

ベルカ「そんな時間はない」
151 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/11(木) 01:46:02.35 ID:vrAlxF470
 今日はこれだけ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 04:21:04.61 ID:zfI1m53Po
おつんぽ舐めたい
153 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 00:06:08.83 ID:o5H+v+SD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リリス「んん……どうにか体を動かせるくらいにはなりましたね」

リリス(はぁ、体が動かないとはいえ、旅路に必要な準備をすべて任せてしまうなんて。これは何か別の形でお返ししないといけませんよね……)

 コンコン ガチャ

ピエリ「リリス、ただいまなの!」

カゲロウ「今戻った」

ベルカ「体の調子はどう?」

リリス「みなさん、お帰りなさい。体のほうはどうにか動かせるようになりましたから大丈――って、なんですかその両手いっぱいの袋……」

ベルカ「ピエリが買った食料よ…。こんなに必要ないとは思うのだけど…」

リリス「多いですよね、どうしてこんなに買ったんですか?」

カゲロウ「ああ、リョウマ様もご一緒される以上、食物は多くあったほうがいいとピエリが進言してくれたのでな」

リリス「そういうことですか、確かにリョウマ様はたくさん食べないといけないかもしれませんね。はぁ、何もできずにここで寝ていただけの私とは大違いです」

ピエリ「ピエリいいことしたの?」

リリス「はい、そうですよ」

ピエリ「えへへー」

リリス・カゲロウ(可愛い)
154 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 00:20:47.42 ID:o5H+v+SD0
ピエリ「そうだったの。ピエリリリスにお願いしたいことがあるの」

リリス「私にですか?」

ピエリ「そうなの、実はカゲロウに協力してほしいの。これはリリスにしか頼めないことなのよ…三tん」

リリス「……え、カゲロウさんにですか?」

カゲロウ「ああ、ピエリから色々と話を聞いた結果、その出来たら頼みたいことがある。こう出会ったばかりだというのに図々しい行いだとは思っているんだが…」

リリス「そ、そんなことありませんよ。私にできることでしたらお手伝いします、そのお役にたてるのは嬉しいことですから」

カゲロウ「リリス、ありがとう」

リリス「いえいえ、それで私は何をすればいいんですか? できることだといいんですけど」

ピエリ「簡単なの、リリスは今すぐ竜になればいいのよ」

リリス「……え?」

ピエリ「カゲロウの目の前でお○んちんの毒抜きをみせてあげることになってるの。だから早く竜になるの!」

リリス「返して、私の感動を返して、今すぐ返して!」
155 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 00:27:46.67 ID:o5H+v+SD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・無限渓谷『暗夜側入口』―

カゲロウ「リリス、すまなかった」

リリス「まったく、カゲロウさんはそれほど変な人じゃないって思ってたのに、私がそのされてるのを見たいなんて……」

カゲロウ「すまない。そういった技術は持っておくべきなのだが」

リリス「え、やっぱり、そうなんですか?」

カゲロウ「ああ、戦闘だけがすべてでは無い。そう言った行為が結果的に情報収集に繋がることもあるのだ。影として生きるということはそういうことも含めてのことだ」

リリス「なんか生々しい話ですね。でも、だったらそのピエリさんの誘いに乗る必要なんて無いと思うんですけど、その恰好とかもそういう要素なんですよね?」

カゲロウ「実はそれが原因で前に付き合っていた者とも折り合いが悪くなってしまってな。私の未熟さゆえのことで申し開きもないことだが」

リリス(前、ああ元彼ですよね。たしかサイゾウさんでしたか……。まぁ、口にしたらしたでなんで知っているのかって問い詰められそうなので言いませんけど。しかし、サイゾウさん、こんな大きい人で満足できない人なんですね……)
156 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 00:43:15.04 ID:o5H+v+SD0
カゲロウ「昔から新しいことをするときは無駄に力が入ってしまう。体術も今では褒められたものだが、最初のころは本当に無様で言葉にできないものだった」

リリス「初めてのことに対して、緊張して力んでしまうのは仕方の無いことだと思いますけど」

カゲロウ「そして初奉仕の訓練の際、木製の練習具をへし折ってしまったことがあってな。師匠は顔を青くしていた」

リリス「へ、へし折る!?」

カゲロウ「ああ、力加減がわからないんだ。技のカゲロウなどと呼ばれているが実際のところは力技ばかり、情けない話だ」

リリス「そ、そうですか」ソワソワ

カゲロウ「リリス、なぜ急所を抑えている? 近いのか?」

リリス「い、いえ、そのさっきの話を想像して、今は無いのにひゅんってなってしまって……」

ピエリ「やっぱり毒が溜まってるのよ。今すぐ抜き抜きするの!」

リリス「ちがいます。もう、そんなことばっかり言ってるピエリさんなんて知りません!」

ピエリ「ふえ、ふええええん! カゲロウ、リリスがピエリを知らんぷりするのぉ」

カゲロウ「ピエリ、今回ばかりは私たちに非がある。リリスの心境も理解してやるべきだろう」

ピエリ「うう、カゲロウの役に立てなかったの。何もできないピエリのこと嫌いになっちゃうの?」

カゲロウ「いいや、嫌いになどならない。むしろ、私のために色々考えてくれたピエリには感謝している」

ピエリ「カゲロウ。そう言ってもらえてピエリ、うれしいの!」

 ワイワイ ワイワイ

リリス(そこはかとなく、私が悪いみたいな空気になってて納得できない……)
157 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 00:52:49.54 ID:o5H+v+SD0
リリス「はぁ……」

リョウマ「大丈夫かリリス?」

リリス「はい、体力的に問題はありません。精神的にはありますけど」

リョウマ「精神か、マークス王子と会うことを避けている俺が言えた義理では無いが、やはり立ち向かうしかないのだろうな」

リリス「あの問題に立ち向かうくらいなら、今すぐここから飛び降りたくなりますね」

リョウマ「それほど深刻なことなのか? カゲロウが関わっているなら俺も力になるが」

リリス「いいえ、その男性には少し荷が重いことですから……」

リョウマ「そうか、あまり俺では力になれそうにないな。だが、それ以外のことで困ったことがあればいつでも頼ってくれて構わない」

リリス「ふふっ、ありがとうございます」

リョウマ「そう言えばリリス、お前の家族について聞いたことはなかったな」

リリス「……その、お父様とお母様はすでにいません」

リョウマ「そうか、悪いことを聞いてしまったな」

リリス「もう昔のことですから、それにまだお姉様がいるから大丈夫なんです」

リョウマ「……ほう、リリスには姉がいるのか」

リリス「はい、でもあまりお話ができるわけじゃありませんので」

リョウマ「遠方に住んでいるということか?」

リリス「まぁ、そんな感じです」

リョウマ「そうか、寂しくなったりしないのか?」

リリス「今でも元気な姿をよく見せてくれるので、そんなに寂しくはありませんよ」

リリス(変わりに姿を見るたびに頭がジンジンしますけど)
158 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 01:03:09.87 ID:o5H+v+SD0
リョウマ「そうか、だが悩みを話せる相手がいないというのは問題だろう。困ったことがあれば俺に話してくれ」

リリス「え、いいんですか?」

リョウマ「ふっ、さっき言っただろう。些細なことで構わない、頼りにされるのは悪いものでは無いからな」

リリス「ありがとうございます。最初全裸で現れた時はどうかと思いましたけど、やっぱりリョウマ様はリョウマ様でしたね」

リョウマ「ふっ、男たるもの動じないよう心身を鍛えなければいけないからな」

リリス(マークス様のことは全力で回避してますけどね)

リリス「でも、そんなことを言われると、まるでお兄様ができたみたいで不思議な気持ちになります」

リョウマ「……え」

リリス「なにか困ったことがあったら相談させてください、リョウマお兄様、なーんて冗談ですよ」

リョウマ「あ、ああ。任せてくれ。そんな俺から最初の助言だ、ピエリのことをそろそろ許してやるといい」

リリス「ふふっ、そうですね。さすがにこれ以上引き延ばすことでもありませんから。ありがとうございます」タタタタッ

リョウマ「……」

リョウマ「まるで兄のようか……」

リリス(リョウマお兄様、なーんて冗談ですよ)

 グッ

リョウマ(やはり、架空の妹は最高だな……)
159 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 01:07:32.94 ID:o5H+v+SD0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カミラ「ようやく、渓谷ね」

リリス「はい、ここから白夜に向かうんですよね。出来ればリョウマ様が見つからないで、すべてご破算になればよかったんですけど、うまくいきませんね……」

カミラ「それってどういう――」

 トントン

カミラ「ベルカ、どうしたの?」

ベルカ「カミラ様、あそこに誰かいる…」

カミラ「あら、本当ね。また山賊かしら?」

リリス「まだここって山賊いるんですか? てっきり、もう狩りつくされたと思ったんですけど」

カミラ「そうね、御金を出さないと山賊も出てこない状態にしたものね」

リリス(……今考えるとお金を払って現れる山賊って何なんでしょうね)
160 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 01:15:15.95 ID:o5H+v+SD0
リリス「どちらにせよ、こんなところにいるっていうことは何かあるはずです。とりあえず話しかけましょう」

ベルカ「……こちらに気づいたみたいね」

カミラ「向かってきてるけど、あれはどこかで見た姿ね」

リリス「……私体が痛くなってきたので、向こうで休んでてもいいですか?」

アクア「その必要はないわ」

リリス「なんで、一気に加速して私に詰め寄ってくるんですか!?」

アクア「あなたを待っていたからよ。白夜に来るにはここを通らないといけないから来ると思ってた。でもできればあと半日早くしてほしかったわね」

リリス「できれば、もう会いたくなかったんですけど」

アクア「そんなことを言いながらちゃんとリョウマを連れて来てくれてる、どうやら私に奉仕する喜びを知ったみたいね」

リリス「そんなの知らないしいらないです」

アクア「ふふっ、上の口は嘘付きね」

リリス「それよりも、どうしてこんなところで待ってたんですか? 特に用がある場所には思えませんけど」

アクア「まぁ、そのことも含めてちょっとここで待っててちょうだい。今からレオンとニュクスを連れてくるから」

リリス「え、ニュクスさんとレオンさんを二人きりにしてるんですか!?」

リリス(え、それって大丈夫なんでしょうか。すでにレオンさん、ニュクスさんに食べられてるんじゃ……)

アクア「そんなに気になるなら、リリスも付いてくる? 面白いものが見れるから」

リリス「お、面白いものですか?」

アクア「ええ、いろいろと面白いものよ……」
161 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/17(水) 01:16:15.73 ID:o5H+v+SD0
今日はここまで

 リョウマは兄のように慕われてから結婚の流れが多い、つまり……
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/17(水) 09:21:21.16 ID:t4+aSWtVO
そういうことだ
163 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 22:11:02.70 ID:oenT+lt40
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

レオン「……はぁ」

レオン(なんでこんなことになったんだろう。僕は白夜で精神修行に励んで、カムイ姉さんのことをきっぱり諦めようって思っていただけなのに……)

レオン「よりにもよって、なんでアクアがやってくるんだ……」

レオン(できれば、落ち着くまで一番会いたくなかった。アクアがカムイ姉さんから愛されてるって事実が憎くてたまらない……)

(もしも、姉さんを奪えたら……)

レオン「……!」

レオン(だめだだめだ。アクアはカムイ姉さんに選ばれたんだから、こんなこと思っちゃいけないはずなのに……)

レオン「くそっ、頭を冷やさないとだめだ」

ニュクス「そうね。そうじゃないと、すごい顔でカムイに会うことになるからね?」

レオン「ニュクス……」

ニュクス「レオン王子、コーヒーでも飲む? 少しは落ち着くと思うのだけど…」

レオン「……ああ、淹れてくれるかな?」

ニュクス「ええ、すぐに準備するわね」

レオン「……」

ニュクス(……)
164 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 22:23:30.15 ID:oenT+lt40
ニュクス「できたわ。熱いから気を付けて」

レオン「ありがとう、ニュクス」ズズッ

ニュクス「……」

レオン「うん、ニュクスの淹れてくれるコーヒーはおいしいよ」

ニュクス「そう?」

レオン「ああ。ニュクスと生涯を共にする人は幸せ者だって思えるくらいかな」

ニュクス「大人の女性をからかうものじゃないわ////」

レオン「ははっごめんごめん。でも、最初に見たニュクスはただ背伸びをしたがるだけの子供だったけど、今思えば間違ってなかったのかもしれないね」

ニュクス「酷いわね。これで立派な大人なのよ?」

レオン「そういう風に大人っていうところとか、特に子供っぽい感じがするよ」

ニュクス「はぁ、話をするときは成長した私を想像してくれるんじゃなかったかしら?」

レオン「そうだったね、ごめんよ」

ニュクス「ふふっ、冗談よ。そんなことで、あなたを疲れさせるわけにはいかないから。今はゆっくりして」

レオン「ありがとう。ニュクスも立ってないでこっちに座ったらどうかな?」

ニュクス「そ、そう…。それじゃ失礼するわね…」チョコンッ
165 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 22:35:42.94 ID:oenT+lt40
 ズズッ
  ズズッ

レオン「……ふぅ」

ニュクス「……」チラッ

レオン「ん? 僕の顔に何か付いてる?」

ニュクス「な、なんでもないの、気にしないで/////」バッ

レオン「そうかい?」

ニュクス(あーーー、隣にいるだけで口元がにやけるし、見つめられたら体中がポカポカする。こんなの想定してなかった……)ドキドキドキ

ニュクス(こ、これが本当の恋というものなのね////)



リリス「」

アクア「見なさい、あの初な子供の姿を」

リリス「……すみません、あれは誰ですか?」

アクア「ニュクスよ、レオンを性的な意味で食べたいと豪語していた」

リリス「なんであんな事になってるんですか? これただの恋する乙女ですよ? あんなにレオン様と色々したいって言ってたのに、毒素が抜けてます」

アクア「……知ってしまったのよ。本当の恋というものをね。恋は欲望を美しくするのよ」

リリス「アクアさん、恋を語れるほどの経験ありましたっけ?」

アクア「肉体経験ならそれなりにあるわね」

リリス「それは恋じゃないです。それと案の定というかアクアさん、レオン様に相当恨まれてますね」

アクア「……みたいね。おかしいわ、あまり痛まないように気絶させて連れてきたのだけど」

リリス「……。とりあえず、ちゃんと和解してくださいね。何か起きてからじゃ遅いんですから、たとえば――」

アクア「カムイを寝取られるとか?」

リリス「私が特殊性癖みたいに思われるので即答やめてくれません!?」
166 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 22:47:36.48 ID:oenT+lt40
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アクア「ごめんなさい、今戻ったわ」

レオン「アクア……、もう用事は済んだのかい?」

アクア「ええ、丁度ばったり出会えたからね」

ニュクス「ばったり出会えた?」

リリス「ニュクスさん、お久しぶりですね」

ニュクス「リリス? どうしてここに」

リリス「はい。その、運悪くリョウマ様を見つけてしまって、これまた運悪くアクアさんに見つかった次第で」

ニュクス「そうだったのね」

アクア「私達はレオンをすぐに見つけられたというのにね?」

レオン「いきなり殴り込んで来て、無理やりここまで連れてこられたんだけど?」

アクア「細かいことを気にしても意味がないわ。レオンがここにいる事実は変わらないことだもの。過程じゃないの結果がすべてよ」

レオン「すごく腹立つなぁ」

リリス「レオン様、いちいち腹を立ててたら身も心も持ちませんよ」

レオン「わかってる……。それにしてもリリス、君がどうして外の世界に? 星界にいるんじゃ…」

リリス「アクアさん絡みでちょっとありまして……」

レオン「そう、リリスも苦労してるんだね」

リリス「レオン様ほどじゃありませんよ。多分……」
167 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 22:59:58.30 ID:oenT+lt40
リリス「ところでニュクスさん、ちょっとこちらへ」

ニュクス「なに?」

リリス「あの、レオン様と二人きりなのになんで手を出さなかったんですか?」

ニュクス「な、何を言っているのかしら? 私がレオン王子と二人きりになったチャンスを見逃す女だと思って――」

リリス「あ、さっきのを一部始終見てましたから、そういう取り繕いはいらないです」

ニュクス「そ、そう……。あなたには色々と知られているから、話すべきことね」

リリス「いろいろはいいです。要点だけで――」

ニュクス「そ、そのね。一度薬は使ったの、ちゃんと眠る奴」

リリス「話を聞いてない。っていうか、本当に使ったんですか……。アクアさんにばれなかったんですか?」

アクア「それが、その時は私も盛られていたのよ。レオンを確保できたことによる安心故にね。目覚めた時、流石に焦ったわ」

ニュクス「……アクアも眠っていることを確認した私は、眠っているレオン王子の服に手を掛けて脱がしていったわ。そして、隠されていた逞しいブリュンヒルデを目の前に見た。とても神々しかったわ////」

リリス「でも、レオン様はまだ童貞なんですよね」

アクア「ええ、童貞よ」

リリス「なんでですか?」

ニュクス「……」
168 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 23:11:16.21 ID:oenT+lt40
ニュクス「その……私の体ってあれでしょう?」

リリス「あれって、なんですか?」

アクア「マニアックということよ」

ニュクス「小柄って言ってほしいわ。それで、少しだけ指を使って、その太さであそこに手を添えたの。そしたら、とても入らないって思って……」

リリス「……」

ニュクス「私はレオン王子のそれを服に収めた……以上よ」

リリス「え!? そこまでしてあきらめたんですか!?」

ニュクス「だってこんなのよ、こんなのが入るなんて死んじゃうかもしれないじゃない!?」

リリス「ジェスチャーを交えて伝えないで、レオン様のそんな情報欲しくありませんから」

リリス(パッと見、竜の時の私の方が大きいかな……って何を考えているんですか私は……)
169 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 23:16:28.10 ID:oenT+lt40
リリス「でも、流石にそれくらい想定していたんじゃないんですか?」

ニュクス「私の中のショタレオン王子のあれは、これくらいのキュートサイズだったのよ」

アクア「これくらい、大きさ的に八歳児くらいかしらね?」

リリス「ニュクスさんも相当やばい人種ですよね。そんなサイズを求めるなんて、捕まっても文句言えませんよ」

ニュクス「だ、だって、あんなのが入ったらきっと私壊れちゃう…」

リリス「だけど、どうしてあんな風にお話するだけになったんですか?」

ニュクス「その、近くにいて話しているだけで今は良いって思えたの。確かに前までは肉体的に結ばれたい、そう思っていたけど、今はこうやって過ごせるだけでも尊い、そう思えるようになった。レオン王子と話して心が温かくなるのを感じてるだけで幸せなのよ」

リリス「ニュクスさん……そんな清らかなことを考えられるようになったんですね…」

アクア「ふふっ、恋というのは素晴らしいものね」

リリス「はい、今回ばかりはそう思います」

アクア「ところでニュクス……」

ニュクス「なに、アクア?」

 スッ

アクア「下着、凄い染みだけど、着替えたら?」

ニュクス「レオン王子と話をした所為ね。ちょっと着替えるわね」

リリス「えー、結局こんなオチですか!?」
170 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/05/23(火) 23:20:54.23 ID:oenT+lt40
今日はここまで

 アクアが恋を語れる日は来るのか……
171 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/14(水) 22:52:26.16 ID:W2m4XnuQ0
ニュクス「ふぅ、着替えたわ。ごめんなさい、待たせてしまったみたいね」

リリス「いや、着替えてもらって助かりましたよ。あんな格好で歩かれても困りますから」

ニュクス「そうね、レオン王子にはしたない女だと思われたくないから、余裕のある大人の女性として見てもらいたいもの」

リリス「余裕があるようには見えなかったんですけど…」

ニュクス「これから見えるようになるわ。もう、普通に振る舞っているでしょ?」

アクア「そうそう、レオンだけど……」

ニュクス「れ、レオン王子!?」キョロキョロ

アクア「だけど、もうカミラと合流しているけど……。ニュクス、何を慌てているのかしら?」

ニュクス「……こほん、なんでも無いわ」

リリス「アクアさん、今のわざとですよね?」

アクア「さぁ、どうかしら? それよりも早く来なさい」

リリス「はいはい」
172 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/14(水) 23:05:43.58 ID:W2m4XnuQ0
カミラ「そう、修行をしてる最中にアクアに無理矢理連れてこられたのね……。ふふっ、困った子ね」

レオン「笑い事じゃないよ、ヒノカ王女やサイゾウに色々と迷惑を掛けたっていうのに、その礼もしてない。僕は王族失格だ」

リョウマ「いや、それほど気に病むことはない。ヒノカも何か事情があったと理解してくれるはずだ。兄である俺が保証する」

レオン「リョウマ王子……」

リョウマ「ふっ、それにレオン王子の悩みを俺はわかっているつもりだ……。敗れることは幾度重ねても慣れるものでは無い、いや慣れていいものでは無いのだからな」

レオン「え、まさかリョウマ王子も……」

リョウマ「……」

レオン「……知っていたんですか?」

リョウマ「いや、つい先日知ったばかりだ……」

レオン「あ……」

リョウマ「……」

レオン「……」

リョウマ「カムイは……幸せそうだったか?」

レオン「……うん」

リョウマ「そうか……」

レオン「……」

リョウマ「……」

 タタタタタッ

リリス「すみません、おまたせしま――」

リリス(え、一体何があったんですか……)
173 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/14(水) 23:21:48.98 ID:W2m4XnuQ0
カミラ「あら、遅かったわね。こっちは落ち着いたところよ」

リリス「いや、確かに落ち着いているみたいですけど、すっごいお葬式な感じがしますけど」

アクア「お葬式なら他でやってほしいのだけど」

リリス「ちなみに何の話をお二人はしていたんです?」

カミラ「カムイのことね」

リリス(おぅ……、どちらがきっかけかはわかりませんけど、双方タイムリーにダメージが入る話題……)

アクア「カムイのことで落ち込むなんて、私も落ち込みたいというのに……」

リリス「それ二人の前で言ったら自慢にしか聞こえませんからね?」

アクア「だとしても、私がカムイを攻められないのは間違っていると思わない?」

リリス「私にその質問をするのが間違ってますねぇ」

カミラ「そう、アクアはカムイを攻められないのが納得できないのね?」

アクア「ええ、私も突破口を探っているのだけれど……」

カミラ「そう、ねぇアクア……」

アクア「なに、カミラ?」

カミラ「だから、お○んちんを求めているのかしら?」ボソッ

アクア「な、なんでそれを」

カミラ「ふふっ、ピエリが少し漏らしていたのを聞いたのよ」ボソッ
174 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/14(水) 23:40:12.06 ID:W2m4XnuQ0
アクア「そう、だとしたら?」

カミラ「そんなに怪しまないで、大丈夫別にアクアの邪魔をするつもりはないわ。むしろ、協力してあげたいの」

アクア「……カミラ?」

カミラ「ふふっ、今回レオンを連れてきたのもそのためでしょう? あとリョウマ王子をリリス達が探してたのも、たぶんアクアが原因なんでしょう?」

アクア「……」

カミラ「アクアだって、そんな傍若無人に振る舞い続けるのもよくないわ。アクアだって私にとっては可愛い妹、オーバーに動き過ぎてるならそれを支えてあげないとね?」

アクア「カミラ……」

カミラ「おねえちゃんを頼って頂戴、あなたの力になってあげる。だから、少しだけ抑えるようにね?」

アクア「……わかったわ」

カミラ「ふふっ、いい子ね」ナデナデ

ピエリ「リリス、アクア様とカミラ様はなにしてるの?」

リリス「さぁ……。でも……」

リリス(悪いことでは無いようですから、まぁ気にしないで大丈夫そうですね)
175 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/14(水) 23:51:20.60 ID:W2m4XnuQ0
リリス「え、カミラ様はアクアさんと一緒に行動されるんですか?」

カミラ「ええ、だからここで一度お別れね。そういうわけだからベルカ、リョウマ王子をちゃんと白夜に届けてね?」

ベルカ「わかったわ…」

リョウマ「そうか、カミラ王女。ヒノカへの土産を一緒に決めてくれたこと感謝している、ありがとう」

カミラ「ふふっ。喜んでくれるといいのだけど」

リョウマ「喜んでくれるさ。カミラ王女からの贈り物となればなおさらだろう。それに俺ではヒノカの、いや女性が喜ぶものなど選べたとは思えないのでな」

カミラ「そう言ってもらえると嬉しいわ」

リリス「ところでアクアさん、私達は白夜に着いたらリョウマ様を玉座に座らせればいいんですよね?」

アクア「ええ、タイミングは合わせた方がいいはずだから、3日後の正午でお願い」

リリス「三日後ですね」

ニュクス「こっちもその日時にレオン王子を玉座に座らせればいいわけね?」

アクア「そういうことよ」

リリス「ところでアクアさんは別行動を取ると言ってましたけど、一体どこに行くつもりなんですか?」

アクア「ええ、それだけど、ここよ」

リリス「……ここってどこですか」

アクア「わからないかしら、ここよ」

リリス(地面を指さしてますけど、ここに何があるって言うんでしょうか?)
176 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/15(木) 00:04:41.68 ID:a57uP6u50
アクア「モローからの言葉、覚えていないの?」

リリス「え、モローからの言葉って、あれですか?」

アクア「ええ、その中にあったでしょう?『浮遊する島の顔に願いを込めよ』って」

リリス「……確かにありましたけど。あれがここにあるって言うんですか?」

アクア「ここにあるわけないでしょう? ここにはそんな不思議な力はないもの」

リリス「それじゃ、ここでなにを……あ」

アクア「……」

リリス「も、もしかしてその浮遊する島の顔がある場所って」

アクア「ふふっ、ようやくわかったみたいね。私の指が差しているのは地面じゃなくて、その先の大地のことよ」

リリス「ちょ、ちょっと待ってください。まさか、透魔王国に向かう気なんですか!?」

アクア「ええ、そのつもりよ」

リリス「本気ですか、まだ危険かもしれないのに」

アクア「だとしても行かなくちゃいけないの。私の野望のためにもね?」

リリス「向こうとこっちの時間の流れは結構違いますけど」

アクア「だからあえて三日後にしたのよ。あ、それとあなたはリョウマを座らせたら、すぐに無限渓谷に戻って私を探しに来て頂戴、それが事を行った証拠になるから」

リリス「人使い粗すぎません?」

アクア「竜だから対象外に決まっているでしょ?」

リリス「ひどい」
177 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/15(木) 00:17:49.51 ID:a57uP6u50
アクア「そういうわけだから、よろしくね?」

レオン「よろしくって、僕は何も話を聞いてないんだけど」

ニュクス「まぁ、久しぶりに顔を出しに行くみたいなものと考えればいいと思うわ。大丈夫、帰るまでは私も一緒よ」

レオン「はぁ、腑には落ちないけど久しぶりにマークス兄さんやエリーゼと顔を合わせるのも悪くないからね」

レオン(それに決着はつけた方がいいだろうから、この……姉さんへの想いとも)

ニュクス(……レオン王子)

リョウマ「何か色々とあるみたいだが、アクアも気を付けるんだぞ」

アクア「ええ、そのつもりよ。ヒノカによろしく伝えておいて」

リョウマ「わかっている。それとカミラ王女」

カミラ「なにかしら?」

リョウマ「ベルカのことは俺に任せてくれ。必ず無事に白夜へ連れて行く」

ベルカ「……何を言っているの、あなたを守るように言われているのは私、その言い方だと立場が逆よ…」

カミラ「ふふっ、だそうよリョウマ王子」

リョウマ「これは手厳しいな。女性を守るのは男の務めと思っていたのだがな……」

ベルカ「よくわからないわ……」

アクア「そうね、結果的に入れたりするのにね?」

リリス「そういうのいらないんですけど……」
178 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/15(木) 00:27:32.07 ID:a57uP6u50
リリス「それじゃ、向かいましょうか。今日中に無限渓谷を抜けておきたいですし」

ピエリ「わかったの。ピエリが先頭を進むからリョウマ様はその後ろにいるの! リリスはピエリと一緒に進むのよ」ガシッ

リリス「わ、ちょっとピエリさん引っ張らないで。うわ、うわわわわわ」タタタタタッ

リョウマ「ふっ、仲睦まじいな」タタタタッ

ニュクス「とりあえず、私達も無限渓谷を抜けてウィンダムに急ぎましょう?」

レオン「ああ、何かあったら言ってほしい、できる限りは力になる」

ニュクス「そ、そう。必要になったら声を掛けるわ」タタタタッ

 ……

アクア「……全員行ったみたいね。それじゃ私たちも行くことにしましょう」

カミラ「ふふっ、わかったわ。それにしても、またこうして落ちることになるなんて思ってもいなかったけど……」

アクア「やっぱり怖いわね」

カミラ「それじゃ手を繋いで落ちるのはどうかしら、安心できるかもしれないわよ?」

アクア「大丈夫、心配してくれてありがとう」

カミラ「それじゃ、行きましょう?」

アクア「ええ、はっ!」バッ

カミラ「はいっ」バッ

 ヒューーーーーッ

―タイムリミット残り4日―
179 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/15(木) 00:28:33.56 ID:a57uP6u50
今日はここまで
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 06:43:40.42 ID:9IZ9s1n90
カミラ女神かよ
181 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 22:38:08.36 ID:m9+wvZ2u0
―タイムリミット残り1日―

◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・王都入口―

リリス「ふぅ、どうにかこうにか白夜王都に辿りつきましたね」

カゲロウ「ああ、アクア様の期日は明日と言ったところ。間に合ってなによりだ」

リリス「ええ、本当ですよ。これで私の首は繋がりましたから……」

ピエリ「リリス、アクア様の約束守れなかったら首取れちゃうの?」

リリス「社会的にですけどね……」

ピエリ「そうなの……。残念なのよ、首が取れちゃうなら、ピエリが奇麗にとってあげるの」

カゲロウ「それでいいのか?」

ピエリ「仕方ないの。そうなるしかないならピエリがえいってしてあげるの。だいじょうぶなの、痛くないはずなのよ。だから、駄目だった時はピエリに頼んで欲しいの」

リリス「ははは……」

リリス(そもそもピエリさんがレイプの意味を知ったら、私の首と胴体が離れてしまう気がします。この仕事が終わったらすぐに星界に引き籠りましょう、流石にこれ以上は――)

ピエリ「それよりも、ベルカとリョウマ様はどこなの?」

リリス「え、さっきまで後ろにいたはずですけど……」

リリス(へんな問題は止めてくださいよ、本当に……)
182 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 22:53:38.57 ID:m9+wvZ2u0
カゲロウ「ああ、リョウマ様は少し身なりを整えに行っている。ベルカはその手伝いだそうだ」

リリス「身なりですか? そんな変な格好ではなかったと思いますけど」

カゲロウ「いや、変な格好では無かったが。リョウマ様の顔は多くの民が覚えている、いきなり戻っても混乱させてしまう。それはまずいと言っておられた」

リリス「ああ、変装して向かうということですか」

カゲロウ「シラサギ城の門前までの間は、姿を隠していくということだ」

ピエリ「そうなのね。かくれんぼみたいで楽しそうなの! ピエリも変装するのよ」

リリス「はいはい、その手に持ってるノスフェラトゥのお面はボッシュ―トです」

ピエリ「ああっ、リリスひどいのぉ」

リリス「私達が目立ったりしたら、それこそリョウマ様に色々と迷惑を掛けてしまいます。それくらいはわかってください」

ピエリ「ううっ、うえええええん!!!! カゲロウ、リリスがリリスがいじめるのぉ」ガシッ グリグリグリ

カゲロウ「ピ、ピエリ……」

ピエリ「びえええええん!!!」

カゲロウ「こら、泣くんじゃない。よし、よし、大丈夫だ」ナデナデ

ピエリ「んー……なんだか落ち着くの」

リリス「あ、泣きやみました。すごいですね、カゲロウさん」

カゲロウ「ああ、こういうことには慣れているからな」

リリス「そうなんですか……。あやすのに慣れているんですね」

カゲロウ「そうだな。よく、あいつをあやしているからかもしれん」

リリス「あいつって……子供じゃないんですか?」

カゲロウ「子供も、こんな風にあやせるのか?」

リリス「え?」

カゲロウ「え?」
183 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 23:03:54.52 ID:m9+wvZ2u0
 ガサガサ

リリス「!?」

ベルカ「ごめんなさい、少し時間が掛ってしまって…。何かあったの?」

カゲロウ「む、ベルカか。気にしないでいい、それよりもリョウマ様は?」

ベルカ「もうすぐ来る…」

リリス「そ、そうですか。ところで一体どんな格好を?」

ベルカ「私は周囲を監視してただけ、覗き見てないからわからないわ」

リリス「いや、覗いているかどうかなんて聞いてないんですけど……」

カゲロウ「リョウマ様のことだ。無難な格好を選んでいることだろう」

リリス「いや、あの兜を見る限り無難というのはちょっと……」

 …ン …シャン……

ベルカ「どうやら来たみたいね」

リリス「……なんか変な音してますけど……」

 ガシャンガシャン……

カゲロウ「なんだこの重量な音は……」

ピエリ「なんだかとっても重そうな音なの……」

 ガシャンガシャンガシャンッ

リリス「え、こんな音のする変装ってなんですか?」

 ガササッ!!!

ジェネラル『……』

リリス「……誰!?」
184 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 23:16:01.60 ID:m9+wvZ2u0
ピエリ「なんでこんなところにジェネラルがいるの?」

カゲロウ「もしや野盗!? まさか、王都付近まで縄張りを広げているというのか!?」

ジェネラル『………ふっ』

ピエリ「あ、ピエリたちのことみて笑ったの! ちゃんとアーマーキラーも持ってきたからすぐに八つ裂きにしてあげるの!」チャキッ

カゲロウ「仕方無い、ベルカはリョウマ様の安全を確保してほしい。このジェネラルは私とピエリで倒す」

ジェネラル『おい、ちょっとまて!』

ピエリ「命乞いなんて見苦しいのよ。ピエリの前にひれ伏せばいいの!」

ジャネラル『まさか、これほどまでに分からなくなるとはな……。俺の変装技術も捨てたものではないようだ』

カゲロウ「変装……まさか、リョウマ様なのですか!?」

ジェネラルリョウマ『ああ、生憎今はヘルムを外すことはできないが、俺だ。リョウマだ』

リリス「そんなものどこに……」

ジェネラルリョウマ『カミラ王女からこれで変装も確実にできるはずと渡された。ここまで上手くいくとは思わなかったがな』

リリス「あの、髪の毛とはどうやって収納してるんですか?」

ジェネルラルリョウマ『なに、被れば自然と収まる。兜もこの中に収まるからな』

リリス「えぇ……」
185 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 23:29:37.89 ID:m9+wvZ2u0
 ガシャンガシャン

白夜市民「おい、あれ見ろよ……」

白夜市民「なにか問題でも起こす気かしら?」

リリス「……リョウマ様」

ジェネラルリョウマ『なんだ、リリス』

リリス「逆にすごく注目の的になってません。視線が刺さるように降り注いでるんですけど……」

ジェネラルリョウマ『……気のせいだ。大方、近くに酔っ払いがいるだけかもしれないぞ』

白夜市民「みてみて、あのでっかいの!」

白夜市民「あれって、暗夜の鎧だよな? すっげー固そう!!!」

ジェネラルリョウマ『……』

リリス「……」

ジェネラルリョウマ『なぜ、目を引いてしまうんだ!?』

リリス「もう一度吾人の格好を確認してから言ってくださいよ。こんなの注目の的じゃないですか!?」

ジェネラルリョウマ『シュヴァリエ公国で諜報活動をしていた時は、上手くいっていたというのに……。白夜王国の民は危機予知能力が高いということか……。嬉しく思う』

リリス「目に見えて危ないものと認識されてるのがなんでわからないかなー」

ベルカ「あえて目立つことによって相手をかく乱する方法もある、これも一つの手よ」

ジェネラルリョウマ『ベルカの言う通りだ。隠れず堂々といれば何も問題はない。俺はそう考えていた』

リリス「……もういいです、さっさと市街地を抜けましょう。ここにいるだけで頭痛が……」

ピエリ「リリス、良く頭痛くなってるの。とっても弱いの……」

リリス(否定できないのが悲しい……)
186 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/06/27(火) 23:34:04.58 ID:m9+wvZ2u0
今日はここまで
 
 FEifも2周年。無双にピエリかリリスをお願いします。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 01:13:27.37 ID:3POwJWeIo
ピエリはワンチャン
188 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/12(水) 23:46:25.96 ID:d80wq7PI0
◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『政の間』―

ヒノカ「………ふぅ、これでようやく一段落だな。はぁ、筆がもう乾いてしまっているな」

サイゾウ「お疲れ様です、ヒノカ様」

ヒノカ「サイゾウか。まさかこんなに次から次へとひっきりなしに案件が入ってくるとはな。はぁ、愛馬の面倒をこの頃見られていない。愛想を尽かされていないか心配になる」

サイゾウ「大丈夫でしょう。時折、ヒノカ様がやってくるととても喜んでいるように見えますから」

ヒノカ「はは、そうだといいのだがな。そうだ、これから一度愛馬を見に行こうと思うんだが、サイゾウも付き添ってくれるか?」

サイゾウ「お、俺がですか?」

ヒノカ「ああ、このところは城に籠りっきりだったこともある。それにサイゾウとスズカゼには色々と迷惑を掛けているからな。できれば、お前からスズカゼにも声を掛けておいてほしい」

サイゾウ「スズカゼも…ですか?」

ヒノカ「ああ、いろいろと情報集めをしてもらっているし、このところは仕事の話ばかりだ。少し軽い世間話をするのも悪くないと思ってな」

サイゾウ「……その俺達が行っても愛馬がおびえるだけかもしれません」
189 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:17:58.79 ID:+7oEB8Zs0
ヒノカ「ははっ、心配することはない。お前達のことを私は信用しているんだ、愛馬にもそれはちゃんと伝わるはずだ。お前たちのおかげでここまでやってこれた、私はそう思っているんだからな」

サイゾウ「わ、わかりました。しばし、お待ちください」

ヒノカ「ああ、急がなくてもいい、ちゃんとここで待っている」

サイゾウ「では……」サッ

ヒノカ「……。そう言えばカゲロウはまだ戻っていないようだな……。リョウマ兄様に何かあったということはないだろうか……」

 チャキッ

ヒノカ「……いや、それはないか。この雷神刀は何も変わらずここにあるのだからな」

ヒノカ(しかし、なんだか色に少し変化があるような……。なんだろうか、少しだけ禍々しいというか……)

ヒノカ「暗所に置きすぎたからか。やはり太陽の下に出して素振りでもするべきなのだろうか……」

 カチャッ

ヒノカ「いや、今の私は確かに女王ではあるが。これはやはりリョウマ兄様のものだ。私が握るべきものじゃない」

ヒノカ(そう、私ではとても国をまとめることなんて……)

 シュタッ

サイゾウ「ヒノカ様」

ヒノカ「ん、サイゾウか。早かったな、では早速……なにかあったのか?」

サイゾウ「はい、実はヒノカ様に来客が……」

ヒノカ「来客、私にか?」

サイゾウ「はい、先ほどスズカゼから知らせが入りました」

ヒノカ「そうか、愛馬の世話はもう少し後になるな。よし、行くとしよう。ところで来客の素性はわかっているのか?」

サイゾウ「はい、それが……」
190 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:38:45.33 ID:+7oEB8Zs0
◇◇◇◇◇◇
―シラサギ城『城門前』―

ジェネラル(リョウマ)「ぐっ、一生の不覚だ」

ベルカ「リョウマ様、変に動かないで。どんどん泥に嵌ってるから」

ジェネラル(リョウマ)「す、すまない。ベルカ、このようなことになるとは思っていなかった……」

衛兵「……リョウマ様なのか?」

衛兵「そうカゲロウ様はおっしゃっていたが……見た目があれではな」

ジェネラル(リョウマ)「やはり、ここはゴーレムの面をかぶるだけでよかったかもしれん」

ベルカ「さらに問題になるからやめて、ピエリたちが話を付けてくれるまでここで待ちましょう…」

ジェネラル(リョウマ)「ああ……」



リリス「まさかリョウマ様、ぬかるみに嵌って出られなくなってしまうなんて」

カゲロウ「ああ、予想外だった。シラサギ城周辺に作られた堀が雨で抜かるんでいたとは……」

リリス「これ、実際の戦闘だとタコ殴りにあってますよ」

ピエリ「でもすごいの。この仕掛けを作って敵が掛ったらいっぱい殺せちゃうのよ。ピエリ、いっぱいいっぱいの血の海が見たいの」

リリス「それはもう戦闘の時だけにしてくださいね。はぁ、危なかったですよ、ぬかるみに嵌ったリョウマ様を不審者と見なして、衛兵が来た時はどうなるかと思いました。カゲロウさんがいてくれたので大惨事にはなりませんでしたけど……。事前に連絡とかしてなかったんですか?」

カゲロウ「ああ、それにリョウマ様からも止められていたからな」

リリス「どこまでサプライズしたいんですか、リョウマ様は……」
191 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:42:17.02 ID:+7oEB8Zs0
ピエリ「それで、ピエリたちはここで何時まで待ってればいいの? こうやって槍を向けられてると攻撃したくなってきちゃうの」

リリス「安全だと思われるまでです。あと私より後ろにいてくださいね」

ピエリ「リリス、ピエリのこと守ってくれるの? とっても弱いのに?」

リリス「ううっ、確かにそれほど強くないですけど、そこまでいうことないじゃないですかぁ……」

ピエリ「リリス、お腹痛いの? すぐにポンポンをサワサワしてあげるから、ポンポン出すのよ」ガシッ

リリス「ちょ、なんで服を捲ろうとしてるんですか!? やめ、やめてくださいぃ」

ピエリ「我慢しなくていいの。えへへ、リリスの可愛いおへそが見えてるの、この上から優しく撫でてあげるのよ」サワサワ

リリス「やっ、ふああっ、だめ、ピエリさっ、ふぁああん」

 ギィイイイイイ

 タタタタタタッ

スズカゼ「すみません、少しお待たせしてしまったようで――」

ピエリ「はーい、リリスのポンポンな〜でなでなの〜」

リリス「おへそ、いや、淵にそんな指、這わせないでぇ……はっ!?」

スズカゼ「……おやおや、ちょっと来るのが早すぎたかもしれませんが。これはいいものを見せていただいました」
192 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:44:07.09 ID:+7oEB8Zs0
リリス「ちょ、スズカゼさん。少しは助けてくださいよ」

ピエリ「あ、スズカゼなの!」

スズカゼ「お久しぶりですピエリさん。リリスさんととても仲良くなれたんですね」

ピエリ「うん、これもレイプのおかげなの!」

カゲロウ「ピエリ、何を言って――」

スズカゼ「そうですか。それは良かったです。リリスさんとピエリさんの友情がきちんと育まれたようで、安心しました」

カゲロウ「!?」

リリス「も、もう、ピエリさん御臍をクニクニするの禁止、禁止です////」

ピエリ「ええ、つまらないの。もっとポンポンさわさわしたいの……」

スズカゼ「リリスさん、ピエリさんの御好意を無碍にするのはよくないかと」

リリス「スズカゼさん、あなたいつか痛い目にあいますよ。絶対に……」

スズカゼ「なるほど、肝に銘じておきます。それよりカゲロウさん、あなたが戻られたということは……」

カゲロウ「ああ、リョウマ様をお連れした。すまない、思ったよりも時間が駆ってしまった」

スズカゼ「いいえ、お疲れ様です。ところでリョウマ様は?」

カゲロウ「あちらだ」

スズカゼ「あちら……?」チラッ
193 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:45:37.09 ID:+7oEB8Zs0
ジェネラル(リョウマ)「ぐっ、だんだんと態勢を維持するのが辛くなってきたか……」

ベルカ「リョウマ様、もうその鎧を脱いで脱出した方が……」

ジェネラル(リョウマ)「流石に褌では、いろいろと問題が起きるかもしれん。それはできない」

ベルカ「これ以上、支えられないわ…」ググググッ

スズカゼ「あの方ですか? しかし、顔が見えないとなると証拠になりませんが」

カゲロウ「確かにそうかもしれないが、あれはリョウマ様だ」

スズカゼ「そうですか。ちょっと待っていてください、確かめますので」

 タタタタッ

スズカゼ「ちょっとよろしいですか?」

ジェネラル(リョウマ)「む、スズカゼか」

スズカゼ「その声、確かにリョウマ様に似ていますね。しかし、あなたがリョウマ様であるという確証が得られない限り、やはり中へお通しするわけにはいきません」

ジェネラル(リョウマ)「そうか。怪しいものは通さない、いい心がけだ」

ベルカ「感心してる場合じゃないわ。このままじゃ、城に入れないままよ?」

スズカゼ「ご心配なく、今からあなたがリョウマ様であるかを確認したいと思います」

ジェネラル(リョウマ)「確認か……いいだろう。俺がリョウマであること、証明してみせる」

スズカゼ「では、お聞きします。あなたにとって妹とはどういう方ですか?」

ベルカ「……え、何その質問……」
194 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:47:48.54 ID:+7oEB8Zs0
ルカ(質問の答えならサクラ様、ヒノカ様、それにカムイ様と言えばいいだけのこと。こんなのほとんどの者が知っている情報なのに、これでリョウマ様本人だと確認できるの……?)

ジェネラル(リョウマ)「ふっ、簡単なものだな」

ベルカ「ええ、本当に」

ジェネラル(リョウマ)「ずばり、答えは血のつながりの無い架空の妹……それが俺にとっての妹だ」

ベルカ「………え?」

ベルカ(いきなり何を言いだして……)

スズカゼ「ふっ、流石です。やはり、あなたはリョウマ様なのですね」

ベルカ「は?」

リョウマ「ふ、当然だ。俺にとって、架空の妹とは最高の存在。サクラやヒノカは妹だがそうではない。血が繋がっていなくとも俺を兄のように慕ってくれることが俺にとっての妹だ……」

スズカゼ「感服しました。正真正銘、あなたはリョウマ様なのですね。ではどうぞ、城の中へお入りください、ヒノカ様がお待ちです」

リョウマ「ああ、ベルカ。もうこのぬかるみから出ていいそうだ、手伝ってくれるか?」

ベルカ「……え、ええ」

リョウマ「ベルカどうした?」

ベルカ「……なんでもないわ……なんでもない」

リョウマ「そうか、何やら元気がないようにも感じるが……」

ベルカ「気にしないで……」

リョウマ「そうか……、なぜそんなに距離を取る?」

ベルカ「キニシナイデ……」
195 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:50:00.46 ID:+7oEB8Zs0
リョウマ「しかし―――」

 ヒヤアアアアアアアアアア!!!!!!

リョウマ「こ、この声は!?」

スズカゼ「どうやら城門からのようです」ダッ

ベルカ「ピエリ達に何かあったのかもしれない…」ダッ

リョウマ「ベルカ、まだぬかるみから出られて……ま、待ってくれ」ジタバタジタバタ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒノカ「ひいいいいっ」ガクガクガク

サイゾウ「ヒノカ様!? お前たち、ヒノカ様に一体何をした!」チャキッ

リリス「な、何もしてませんよ。ただあいさつしただけですよね、ピエリさん」

ピエリ「そうなの。ただあいさつしただけなの、そうしたら、ヒノカ様固まったと思った飛んであんな風に隅っこで震えるだけになっちゃったのよ」

カゲロウ「私が傍にいたが、二人が何かをしかけているようには見えたなかった……」

サイゾウ「ひ、ヒノカ様どうされましたか?」

ヒノカ「さ、サイゾウか。す、すまないが私の前に立ってくれ、頼む、この通りだ」

サイゾウ「ほ、本当に何が会ったというんですか、ヒノカ様――」

ヒノカ「お願いだぁ」ガシィ

サイゾウ「はうあっ!!!」

ヒノカ「今はサイゾウだけが頼りなんだ、たのむ……」

サイゾウ(ひ、ヒノカ様がおれ、俺の腰に抱きつい――いかん、冷静になれ、ヒノカ様の窮地、ここをどうにかするのが俺の役目だ!)

サイゾウ「わかりました。私の後ろへ」

ヒノカ「ううっ……ありがとう、サイゾウ」ガクガクブルブル
196 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:52:38.65 ID:+7oEB8Zs0
リリス「ほ、本当にどうしたんですか? こんなに怯えるなんて、ヒノカさんらしくないですし……」

ピエリ「本当におかしいの。お腹痛いの? なら、ピエリが撫で撫でしてあげるのよ」スッ

ヒノカ「ひいいいいいっ。そ、そうやって私のことをレイプするつもりなんだろう!?」

サイゾウ「」

カゲロウ「」

リリス「え……」

ピエリ「あ、そうだったの。レイプでとっても仲良しになる約束してたの! ピエリ、ヒノカ様といっぱいいーっぱい仲良くなりたいのよ」

サイゾウ「貴様!!!!」

リリス「ちょ、ちょっと待ってください! ピエリさん、それ以上は口チャックですよ!」

ピエリ「だってピエリ、リリスとレイプして仲良しさんになったのよ? それにヒノカ様とレイプする約束したの。約束は守らないと駄目なの」

ヒノカ「ううっ、聞こえない聞こえない、きこえないきこえない……」ガクガクブルブル

リリス(ま、まさか。前のアミュージアでの件をヒノカ様がこんなに引きずってるなんて……)

サイゾウ「貴様、ヒノカ様に指一本でも触れてみろ。その体を木っ端みじんに吹き飛ばす」

リリス(最高の険悪ムードに。これって本当に暗夜と白夜の国際問題に発展しそうな勢いですよ)

リリス「ふ、二人とも落ち着いてください。まずは冷静に話し合いましょう。ね、ピエリさん?」

ピエリ「ピエリ、ヒノカ様とレイプするの。リリスと仲良くなれたのもレイプのおかげだから効果は抜群なはずなの!」

リリス「笑顔でレイプレイプいうのやめて……」

サイゾウ「そうか、そんなに死にたいのだな。リリス、貴様がピエリにそのようなことを吹き込んだとするなら、お前もここで死んでもらうしかない」

リリス「えぇ……」
197 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:54:03.40 ID:+7oEB8Zs0
リリス(た、確かにレイプの事についてお茶を濁すくらいで済ませてしまった私にも問題はあります。でも、こんなに問題が大きくなるなんて思うわけないじゃないですか! ああ、ここをどうにか穏便に済ませないと、ピエリさんがレイプの真実を知って私は殺されるかもしれないのに、どっちを選んでも私死ぬしかないじゃないですか……)

ピエリ「ピエリ、ヒノカ様と仲良くなりたいだけなの。仲良くなるにはレイプが一番って教えてもらったから、ピエリそうしたいだけなのよ」

リリス「ピエリさん、それ以上はいけません!」

サイゾウ「リリス、貴様は黙っておけ、ピエリそれを教えた不届き者は誰だ。今すぐ、そいつを殺して――」

ピエリ「えっとね、スズカゼが教えてくれたの」

リリス「あ……」

カゲロウ「な……」

サイゾウ「……なん……だと」

ヒノカ「」

 タタタタタタッ

スズカゼ「ふぅ、どうしましたか。大きな悲鳴が聞こえましたが……。どうかしました皆さん?」

サイゾウ「」

カゲロウ「」

ヒノカ「」

リリス「……スズカゼさん」

スズカゼ「リリスさん、これは一体何事ですか?」

リリス「そうですね。わかりやすく言うなら……」

「ごまかしていたツケが一気に回ってきた、そんな感じですね」
198 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/13(木) 00:56:46.01 ID:+7oEB8Zs0
今日はここまで
 
 レイプはだめ、絶対。
199 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 22:33:57.16 ID:yX8kiygQ0
 ドスドススッ

 ズビシャアアッ

スズカゼ「ぬかりました……」ドサッドササッ

ヒノカ「二人ともすまなかった。まさか、スズカゼが原因だったとは思っていなかったんだ……」

サイゾウ「兄として謝らせてくれ、本当にすまなかった」ペコリッ

リリス「いや、お二人が謝ることじゃないですよ。それに、いろいろと復讐みたいなのはもう終わったようなものですし……」

スズカゼ「」

リリス(思った以上にボロボロにされましたね)

ピエリ「なんでスズカゼがボロボロにされてるの? スズカゼ、困ってたピエリに色々教えてくれただけなのよ?」

ヒノカ「ピエリ、スズカゼの言っていたその、レ……レイポぉというのはな……。仲良くなるための手段じゃなくてだな……。その無理矢理、だな……////」

ピエリ「無理矢理なんなの? もったいぶらずに言ってほしいの」

ヒノカ「うう……」

リリス(ヒノカ様、すごい言いにくそうにしてますけど、何とか丸く収めてくれるはずです。祈りましょう)
200 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 22:47:56.92 ID:yX8kiygQ0
リリス(しかし、思ったよりスッキリしてしまうんですね。色々な問題の元凶がボコボコにされる光景っていうのは…)チラッ

スズカゼ「」

リリス「あー、清々しい。まるで朝はお米、昼はお肉、夜に野菜とバランス良く御食事をもらえた時くらいに清々しい気持ちです」

リリス(これで何もなければ大団円なんですけど……)

 チョンチョン

リリス「はい?」

ピエリ「……」

リリス「ピエリさんどうかしましたか?」

ピエリ「リリス、あのね……」チラッ

リリス「ああ、スズカゼさんのことですか? あれは放っておいていいんですよ、痛い目を見て反省する時間は必要ですから」

ピエリ「ちがうの……スズカゼのことじゃないの……」

リリス「?」

ピエリ「……ヒノカ様が、レイプって仲良くなることじゃないって言ってたの……」

リリス(……せやな)

ピエリ「誰かと仲良しになりたかったら絶対しちゃいけないことって言われちゃったの……」

リリス「ピエリさん……」
201 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:00:19.48 ID:yX8kiygQ0
リリス(まあ、予想していた通りですか。スズカゼさんの悪事が公になった以上、ピエリさんがそういうことで悩むかもしれないと……。でも今なら大丈夫、ヒノカ様が色々と話をしてくれた後ですから、少しのことでどうにか出来るはず!)

リリス「えっとですね、ピエリさん。そのことなんですけど……」

ピエリ「だけど思ったの。ピエリとリリスは今も仲良しさんで、あれでいっぱい仲良くなれたから、あれはレイプじゃなかったの!」

リリス「……え?」

ピエリ「ヒノカ様言ってたの。レイプしたら仲良しになんてなれない、いろいろな物が壊れちゃうって。ヒノカ様の言う通り、ピエリがリリスをレイプしてたらこんなに仲良しさんになってないのよ」

リリス「……そ、それはそうかもしれませんけど。ヒノカ様も、そういうのはしちゃいけな――」

ピエリ「ヒノカ様、したけど仲良しになれたなら、それはレイプじゃないのかもしれないって言ってたの。さすがはヒノカ様なの」

リリス「え!? ちょっとどういうことですか?」

リリス(なんでまた変なことに、ヒノカ様はどちらに……)チラチラッ

ヒノカ「……」

リリス「ヒノカさん……」

ヒノカ「……」

リリス「ヒノカさん、なんで見てるんですか!!」
202 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:08:27.11 ID:yX8kiygQ0
ヒノカ「……」ニコッ

リリス「なにその後は任せた的な微笑み、ここに来て丸投げとか止めて!」

ピエリ「あの時、リリス気持ちが良かったって言ってくれたの。だからピエリとリリスがしたのはレイプじゃないのよ」

リリス「あ、あの時はそう言わないと、ピエリさんが納得したいと思って仕方なく……」

ピエリ「じゃあ、本当は違うの……?」

リリス「あ……」

ピエリ「ひぐっ……ううっ……。リリス、ピエリと仲良しさんじゃないの? ピエリ、酷いことしちゃったの?」

リリス「え、えっとその……」

リリス(な、なんなんですかこれ、私のやること全部裏目になってばっかり。アクアさんと関わってからずっとこんなのばっかりじゃないですか……)

ピエリ「ふぇえええ、ふええええ……」

リリス(ど、どうすれば……)

スズカゼ「ピエリさん……まだ酷いことをしたとは限りません……」

ピエリ「ふぇ、スズカゼ……」

リリス「スズカゼさん!? 死んだはずじゃ……」
203 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:17:06.25 ID:yX8kiygQ0
スズカゼ「ふっ。ピエリさん、良く聞いてください。確かにピエリさんがしたことはレイプかもしれません」

ピエリ「やっぱり、ピエリはレイプしちゃったの?」

スズカゼ「普通に考えればそうです。ですが、もしリリスさんがあなたに弄られることを喜んでいたのなら……それはレイプではなく、ただの絆を深める行為。つまりレイプには含まれないはず」

リリス(何を言っているんですか、この人は……)

ピエリ「ひぐっ、それも嘘なんでしょ? そういうのやめてほしいの……」

スズカゼ「いいえ、嘘ではありません」

リリス「嘘だ!!!」

スズカゼ「ピエリさん、リリスさんに聞いてください。あの時、嫌だったのか嬉しかったのかを……それが唯一の答えになるはずですから…」

ピエリ「スズカゼ……わかったの、ピエリ聞いてみるの!」

リリス「なんで信じちゃうの!? 本当にあなたはどこまで私を苦しめたら気が済むんですか!?」

スズカゼ「私はただ、公衆の面前で純真無垢な相手に色々とされて気持ち良かったと告白する女性を見たいだけですよ」

リリス「ここのカムイ様はどうして白夜を選んでくれなかったんでしょうか……」
204 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:30:40.94 ID:yX8kiygQ0
ピエリ「そういうわけだから、リリス……聞かせてほしいの」

リリス「いやいや、そんなこと聞かなくても大丈夫ですから。な、何か違う話をしましょう、ね? ね?」

ピエリ「……」

リリス(やばい、ピエリさんの視線がこれまでにないほど真剣で逃れられる気がしない。スズカゼさん、なんてことをしてくれたんですか)

ピエリ「リリス…」

リリス(ぐっ……道は二つに一つ、ピエリさんをレイプ犯にするか。私が襲われたのに興奮していた変態になるか……)

リリス(どっちを選んでも、いいことなんてない……)

ピエリ「リリス……。何も言わないのは、ピエリのこと嫌いだからなの?」

リリス(ないけど、でも、でも選ぶとしたら……)

ピエリ「やっぱり、ピエリがしたのって酷いことなの……」

リリス(選ぶとしたら……)

ピエリ「…………」

リリス(……)

ピエリ「ひっぐ、リリス。ごめんなさ――」

リリス「……ったです」
205 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:35:43.12 ID:yX8kiygQ0
ピエリ「ふぇ?」

リリス「…しかったです……」

ピエリ「……リリス」

リリス「う、嬉しかったです……。だから、ピエリさんは悪くありません……」

ピエリ「それ本当なの?」

リリス「……はい」

ピエリ「気持ち良かったの?」

リリス「……ハイ」

ピエリ「リリスとピエリは仲良しさんなの?」

リリス「……YES」

ピエリ「えへへ、やっぱりピエリはレイプなんてしてないの。だって、リリスが気持ちよくて嬉かったって言ってくれたから、ピエリとリリスがしたのは仲良しになれるおまじないなのよ」ニコニコ

リリス「ハハ……アハハハ……」

リリス(ああ……ピエリさんの笑顔がまぶしい……)

リリス(そして周りの私を見る目が、憐れんでいるのにどこか好奇を含んでて、もう乾いた笑いしか出ない……)

リリス(お父様が人間に絶望した理由、なんだかわかってきた気がします)

リリス(心が黒い何かに沈みそう、これがお父様の体験していたものの端くれなんですね……)
206 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:48:34.20 ID:yX8kiygQ0
リョウマ「ううっ、ようやく追い付いたが。どうしたんだお前たち?」

ベルカ「あ、リョウマ様……。すごい泥だらけよ」

リョウマ「転んでしまったからな。だが体勢が変わったことで出ることが出来たというわけだ。不幸中の幸いだな」

ベルカ「そう……」

ヒノカ「え、今の声もしかしてリョウマ兄様!?」

リョウマ「ああ、そうだ。ヒノカすまなかったな、こうしてくるのが遅れてしまって。手紙のことなんだが不慮の事故で紛失してしまってな……」

ヒノカ「そうだったのか……。でも、その問題は解決したようなものだから。もう大丈夫だ」

リョウマ「そうか、俺が出る幕はなかったということは、自分ひとりで解決したということだろう。さすが俺の妹だ」

ヒノカ「いや、なんていうか。私は解決したんだが……」チラッ

リョウマ「ん?」

ピエリ「ふふ〜ん、ピエリとリリスは仲良しさんなの〜」ブンブン

リリス「」ブラブラ

リョウマ「……何があったか知らないが、とりあえず城に入ろう。話はそれからでもいいだろう」

ヒノカ「あ、ああ。そうしよう、それじゃ行くとしようか」

ピエリ「わかったの。リリス一緒に行くの! ふふ〜ん」ブンブン

リリス「」ブラブラ ズルズル

リリス(……なんででしょうか、前まで退屈だと思っていたのに――)

(もらえる餌を考えるのが、とっても楽しく感じちゃいます……)
207 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/07/20(木) 23:49:45.89 ID:yX8kiygQ0
今日はここまで
 
 リリスにはバランスの取れた食事をあげるように心がけましょう。
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 06:04:17.88 ID:Ufk5gQi60
乙乙
気持ちよかったからレイプじゃない理論はひどい…
209 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 22:30:16.89 ID:aZK2fB2C0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リリス「……」

ヒノカ「リリス……」

リリス「どうして、性欲なんてものがこの世に存在するんでしょうか……」

ヒノカ「……わからない」

リリス「……」

ヒノカ「そ、そのピエリと一緒じゃなくても良かったのか?」

リリス「晩御飯はなんでしょうか、根野菜とかいいですよね。いっぱい食べると心が豊かになるんです。精神的に強くなれるんですよ……」

ヒノカ「……そ、そうだ! 今日の夜は根野菜をふんだんに使った鍋にしよう。いろいろな食材が入っておいしいし、元気も出るさ」

リリス「……」

ヒノカ「……夕食ができたら呼びに来る。それまではゆっくり休んでくれ」

リリス「……」

ヒノカ「……リリス」

リリス「……」

ヒノカ「私はお前が変態だとは思っていない」

リリス「……」

ヒノカ「……だから」

リリス「今は、何も言わないでいいです…」

ヒノカ「……わかった……。失礼する」

 ピシャ

ヒノカ「……」

ヒノカ(リリス、すごくやつれていたな……)

サイゾウ「ヒノカ様……」

ヒノカ「サイゾウか。リリスはしばらく一人にしておこう。その、精神的に傷ついているようだ」

サイゾウ「わかりました」

スズカゼ「かわいそうですね、リリスさん。一体誰がこんな惨たらしい惨劇を呼びこんでしまったのでしょうか……」

サイゾウ・ヒノカ「おまえだ!!!」
210 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 22:38:05.01 ID:aZK2fB2C0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒノカ「スズカゼめ。あの顔の下ではあんなことお考えていたとは…」

リョウマ「戦時中ではなくなったからかもしれん。あの真面目なスズカゼにも、ああいった意地悪な一面があったということだろう」

ヒノカ「リョウマ兄様、他人事だと思って……。スズカゼには戦争が始まる前からサクラのとの書簡のやり取りなどをしてもらっていたんだ。今後、頼んでいいものか……。はぁ…サクラの書簡を見て色々と変なことを考えているんではないかと心配になる」

リョウマ「ははっ、いろいろとヒノカも頑張っているんだな。しかし……、ふむ」

ヒノカ「な、なんだ? そんなにジロジロと見て……。家族であってもそう見られては照れてしまうじゃないか」

リョウマ「いや、前とあまり変わっていないと思ってな。少しは煌びやかな服などに興味はないのか?」

ヒノカ「煌びやかな服といわれても、私のがそういうものを着るのは……」

リョウマ「もう戦いは終わった。そういった服に袖を通しても文句を言ったりするものはいないさ」

ヒノカ「しかし、リョウマ兄様から白夜王国を一時的とはいえ頼まれている身、そんな恰好をしては示しがつかない」

リョウマ「そんなことはない。どんな服を身にまとっていようとも、ヒノカの姿勢は理解されるはずだ」

ヒノカ「……だが、仕えてくれているサイゾウたちに申し訳ない。それに私のそう言った晴れ姿など見ても面白くもないだろう。到底喜ばれるとは思えない」

リョウマ「いや、サイゾウなら喜ぶと思うが……」
211 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 22:43:56.55 ID:aZK2fB2C0
ヒノカ「そ、そうだろうか? 政をおろそかにして遊んでいるように見られて、民に不安や不信感を与えてしまう気がして……」

リョウマ「思ったよりもヒノカは心配性だな。安心して聞いてほしい、ヒノカは俺よりもずっと真面目に白夜を導けていると思っている」

ヒノカ「そんなことはない、リョウマ兄様が築いてきてくれた基礎があってこそだ。現に私が納めるということに反対的な人々がいるのも事実、私はまだまだ未熟で、とてもリョウマ兄様に太鼓判を押してもらえる器じゃないさ」

リョウマ「ヒノカ……。すまない、俺があの勝負であんな醜態を晒さなければ、こんなことにならなかったはずだ」

ヒノカ「いいんだ。リョウマ兄様はサクラの身を按じて起こしたこと、家族が心配で仕方無かったリョウマ兄様の行いを責められるわけがない」

リョウマ「ヒノカ、ありがとう」

ヒノカ「ただ、あんな大々的にやる必要はなかったと思う。そこだけはしっかりと反省してほしい」

リョウマ「………はい」
212 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 22:53:33.76 ID:aZK2fB2C0
ヒノカ「それより、話しは戻るが、サイゾウが喜ぶというのはどういう意味なんだ?」

リョウマ「ん?」

ヒノカ「ほら、さっきの煌びやかな服がどうとかで……サイゾウの名前をリョウマ兄様は口にしていたじゃないか」

リョウマ「あ、ああ、そのことか。いや、わかるだろう?」

ヒノカ「いや、わからない……。私がそんな恰好をして喜ぶ理由、そんなものがあるのか?」

リョウマ(……まさか、そういうことか?)

リョウマ「……なぁ、ヒノカ一つ聞きたいことがある。例の書簡の事、覚えているか?」

ヒノカ「書簡?」

リョウマ「国家転覆を目論む者がいる。その件でサイゾウに疑いが掛ったことがあっただろう?」

ヒノカ「ああ、その書簡か。ふふっ」

リョウマ「?」

ヒノカ「いや、サイゾウに中身が気にならないかと何度も聞いてしまったことを思い出してな。今にして思うと余計なことだった、サイゾウは最後まで忠義を貫いていたんだから、それを私が崩してしまうところだったのだから……」

リョウマ「ふっ、ヒノカらしい。そういったお前の優しいところを俺は誇りに思っている」

ヒノカ「リョウマ兄様、こう言われると少し恥ずかしくなってしまうな。あはは///」

リョウマ「ところで、その後、サイゾウとは何かあったか?」
213 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:01:14.74 ID:aZK2fB2C0
ヒノカ「その件の後、サイゾウはすぐにリョウマ兄様の任に戻ったよ。なんとも不思議な書簡のやり取りだったが、サイゾウとの距離が縮まったのを感じた。こうやって仕事を任せられるくらいに頼りにしているからな」

リョウマ「そうか」

リョウマ(……話を聞く限り、二人の関係はAで止まっているということか……。なら、ここはひとつ元主君である俺が一肌脱ぐとしよう。ふっ、最後に俺ができることはこれくらいだ、サイゾウ)

リョウマ「……ヒノカ、実はサイゾウは――」

 ヒュンッ ドスュ

リョウマ「ふぁっふ!!!!」ビクンッ

ヒノカ「な、どうしたんだリョウマ兄様。いきなり奇妙な声をあげて……」

リョウマ「い、いやなんでもない、なんでもないんだ。強いて言うなら、久しぶりの正座で足が痺れただけだ……」

ヒノカ「そ、そうか。リョウマ兄様が正座で足を痺れさせるなんてな」

リョウマ「ははっ、やはり離れ過ぎていた弊害だろう……」

ヒノカ「もう一度修行のやり直しだな。ところで、サイゾウがどうかしたのか?」

リョウマ「……そ、そのだな……」

リョウマ(真上に感じる気配、足に走った明らかな人為的な手裏剣の痛み……まさか)チラッ

サイゾウ「……」スッ シャキンッ

リョウマ(サイゾウ!!!!!)
214 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:13:39.36 ID:aZK2fB2C0
サイゾウ「……」チャキッ

リョウマ(この気配、言葉によっては俺の命を奪うと言っている!)

リョウマ(ぐっ、しかし、サイゾウに関して何か話しがあると始めてしまった手前、誤魔化すことはできない。なにせ……)チラッ

ヒノカ「……それでサイゾウがどうしたというのだ?」

リョウマ(ヒノカの顔は、とてつもなく期待している顔。これはなんでも無いと言える状態では無い……)

リョウマ「じ、実はな……」

リョウマ(考えろ、考えろ。ヒノカに話しておくべき、サイゾウの秘密……秘密、ヒノカが知らない秘密……秘密……)

リョウマ「あ、甘いもの……」

ヒノカ「?」

リョウマ「サイゾウは甘いものが苦手なんだ」

ヒノカ「そうなのか? でも確かに、サイゾウが甘いものを食べているところを見たことはないな。そうか、今後は注意しなければ。リョウマ兄様が私に託してくれた大切な臣下に辛い思いはさせたくないからな」

リョウマ「ああ、気にかけてやってくれ」

ヒノカ「ふふっ、そうさせてもらうよ。それじゃ、カゲロウに会ってくる。今回の任の礼をしていなかったからな」」

リョウマ「わかった。俺はすこしのんびりさせてもらうことにする」

ヒノカ「ふふっ、ここは元からリョウマ兄様の部屋だ。夕食までは時間があるから、ゆっくりしていてくれ」

リョウマ「あ、ああ、そうさせてもらう」
215 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:18:17.31 ID:aZK2fB2C0
ヒノカ「それじゃ、夕食になったら呼びにくるよ。兄様」

リョウマ「よろしく頼む」

 タッ タッ タッ ガサーッ パタンッ

リョウマ「………」

リョウマ「ぐっ、ぐぐぐっ……」ズサーッ

リョウマ「サイゾウ、どういうことだ?」

 シュタッ

サイゾウ「……」

リョウマ「サイゾウ、これはどういうことかと聞いている!」

サイゾウ「どういうことかというと?」

リョウマ「……ヒノカに告白していないのか?」

サイゾウ「……」

リョウマ「あの日、書簡の確認で俺の元を訪れた時、お前は言っていたはずだ。戦争が終わった暁には、ヒノカに思いを告げたいと」

サイゾウ「そ、それは……」
216 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:29:40.54 ID:aZK2fB2C0
リョウマ「……サイゾウ」

サイゾウ「はい」

リョウマ「正々堂々勝負と切り出しておきながら、俺を先手滅殺で倒したお前の決意はそんなものだったのか?」

サイゾウ「……」

リョウマ「カゲロウとはちがい、ヒノカの胸は小さいがそれでもいいのかと聞いたとき、お前は胸ではなく心に惹かれたと言っていた。それも嘘だったというのか?」

サイゾウ「……」

リョウマ「たしかに、あの頃は復興などで色々と忙しかったとは思う。だが、もうそんな時期は過ぎた。なら、もうヒノカに伝えるべき時期だろう!?」

サイゾウ「ヒノカ様が女王になった時点で、言えることではなくなったのです」

リョウマ「……。ああ〜、それもそうだな」

サイゾウ「ああ〜、ではありません」

リョウマ「ヒノカも今は女王、そう簡単に結婚できる立場では無いか」

サイゾウ「俺の言葉でヒノカ様を惑わせるわけにはいきません。ヒノカ様は白夜王国のために最善を尽くしてくれています」

リョウマ「ああ、そのようだ。久しぶりに来た白夜の都は前以上に活気に満ち溢れていたからな……」

サイゾウ「私はヒノカ様のお役に立てるだけでもいいのです。ヒノカ様が成長しそれを見ていく、影である私にはそれだけでも身に余る光栄ですので……」

リョウマ「……そうか。お前がそういうのなら、俺からこれ以上言えることはない。だが……サイゾウ、一つだけ言っておくことがある」

サイゾウ「はい」

リョウマ「どんなに待とうともヒノカの胸は成長しない。それはわかってやってくれ」

サイゾウ「聞かなかったことにしておきます」
217 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:33:27.91 ID:aZK2fB2C0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒノカ「くしゅん……。んんっ、誰かが噂をしているのか……。嫌な噂でなければいいが、確かここだったはず……」

 スーッ

ピエリ「ふふ〜ん、なんだか変わった服なの…」

ヒノカ「む、ピエリだけか?」

ピエリ「あ、ヒノカ様なの。ピエリに何か用事なの?」

ヒノカ「あ、ああ」

ヒノカ(しかし、前のことより先のことがあって、あまりピエリとは仲良くなれる気がしない。いや、あれはスズカゼの間違った情報の所為、実際のピエリはもっと違うかもしれないじゃないか……)

ヒノカ「じつは……ん、その恰好は?」

ピエリ「あ、ピエリ、カゲロウと仲良しさんになったの。だから忍びの服を貸してもらってるのよ」

ヒノカ「へぇ、そうなのか。思ったよりも似合って――!!!!」

ピエリ「ヒノカ様? どうかしたの?」プルルンッ

ヒノカ「……」ジーッ

ピエリ「もしかして、ピエリのお胸についてるの? 触っても何か付いてるように見えないのよ?」モミモミッ プルンプルン

ヒノカ(あ、改めてみると。ピエリもかなりの物を持っている。なぜだ、何が違うというんだ。くそ、すごく柔らかそうだ、カミラ王女もそうだが、暗夜の女性はどうしてこう魅力的、暗夜的に言えばダイナマイツなんだ!?)

ピエリ「ヒノカ様?」

ヒノカ「はっ…な、なんでもない」
218 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:36:23.82 ID:aZK2fB2C0
ピエリ「変なヒノカ様なの。でも、ピエリに会いに来てくれてうれしいの」

ヒノカ「あはは。そ、そう言えば、カゲロウは一緒じゃないのか?」

ピエリ「えっとね。カゲロウ、用事があるからって少し前に出ていったのよ。ピエリが教えたこと役に立ててくれるといいの」

ヒノカ「そうか、気付かないところで二人は仲良くなっていたんだな。ちなみにピエリはなにを教えたんだ。やはり料理の作り方などか?」

ピエリ「うん、えっとね、お○んちんから毒を出す方法なの!」

ヒノカ「………なぬ?」

ピエリ「えっとね、おち○ちんからはおしっこしか出ないはずなの」

ヒノカ「ピエリ?」

ピエリ「それでね、カゲロウ毒出しがうまく出来ないって言ってたの。だから、ピエリが毒の出し方を教えてあげたのよ。こうやってね、おっきくなったお○んちんをね……」

ヒノカ「へー」

ピエリ「むーっ、ヒノカ様、聞いてるの?」

ヒノカ(できれば聞きたくない)
219 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:41:12.75 ID:aZK2fB2C0
ヒノカ「……なぁ、ピエリ。子供はどこから来るのか、知っているか?」

ピエリ「馬鹿にしないでほしいの。ピエリ、それくらい知ってるのよ」

ヒノカ「そ、そうだよな。それくらいは知っていて当然だよな」

ピエリ「当たり前なの! えっとね。とっても大好きな人とね」

ヒノカ「うんうん」

ピエリ「幸せなキスをするとダークファルコンが連れて来てくれるって、お父さんが言ってたの」

ヒノカ「うん?」

ピエリ「……?」

ヒノカ「それだけか?」

ピエリ「そうなの。えへへ、ピエリちゃんと知ってたの」

ヒノカ「……だな!」グッ

ピエリ「わーいなの。ピエリ、とっても物知りさんなのよ」

ヒノカ「ふふっ……」

ヒノカ(私は、助言することをやめた……)
220 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/08/15(火) 23:43:36.87 ID:aZK2fB2C0
今日はここまで
 
 ピエリはお父さんの言葉を鵜呑みにして、真実をベットの上で教えられるタイプだと思うのです。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 00:34:01.34 ID:odumxLR9o
ベッドに運ぶまでが大変そうww
222 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:31:22.68 ID:rky3XUuW0
◇◆◇◆◇

ツクヨミ「……ふぅ、このくらいでいいだろう。フウガ様への便りと呪いの札も作り終えた。まだ、カゲロウは暗夜から戻っていないのか……」

ツクヨミ(思ったよりも寂しいものだな……)

ツクヨミ「って、何を弱気になっているのだ。カゲロウにもやらなければならに責務がある以上、こうやって離れ離れになることくらいあって当然ではないか」

 ソワソワ

ツクヨミ「……む、またか……」

ツクヨミ(今までこんなことなどなかったというのに……)

ツクヨミ「……襖よし、外の廊下に人影なし……今なら大丈夫か。ううっ、このような昼間からこのような格好をすることになるとは……」

 ビクンビクンッ

ツクヨミ(ううっ、数日前におねしょをしてしまってから、おち○ちんが大きくなるようになってしまった。カゲロウにこんなものを見られたら心配されてしまうではないか……)
223 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:36:52.79 ID:rky3XUuW0
 ビクン ビクン

ツクヨミ「……はぁ、どうすればいいのだ」

ツクヨミ(自分のものだというのに、全く収まる気配がない……。カゲロウが何時戻るかはわからないが、早急に手段を講じなければ……)

ツクヨミ「し、しかし、カゲロウがこれを握りながら、いつも大きくならないと言っていた。もしかして、こうなることを望んでいたということなのでは……。いや、こんな気色悪いものをカゲロウが欲しがるわけがない。今の状況から逃げるのはやめなければ……」

ツクヨミ(ううっ、ずっとふるふる震えている。まずは手で押さえてみよう)

 ギュッ
  ピクンッ

ツクヨミ「な、なんだ今の感覚は……」

ツクヨミ(触れたことにとても敏感に反応したような……)

ツクヨミ「いや、触れてびっくりしただけ、そうに決まってる。そうだ、さすれば元に戻るかもしれない。下に引っ張りすぎると、皮が少し痛いから、手をこの位置にして……これで上下に動かせる……」

 シュコシュコ

ツクヨミ(一向に小さくなる気配がない、この方法は意味がないということか。なら、次の手段を……)

 シュコシュコ

ツクヨミ「んっ、はぁ……くぅ、なぜだ。もう、もう止めたいというのに……」シコシコ 

ツクヨミ(手が止まってくれない……)
224 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:42:54.20 ID:rky3XUuW0
ツクヨミ「ううっ、はああっ、気持ちいい、こんな感覚、今までなかったというのに」

 ビクビクンッ

ツクヨミ(な、何かが込み上げてくる。い、いま止めなければ、何かが出てきてしまう。止めないと、止めなければ……)

 シコシコシコ

ツクヨミ「ううっ、止められない、止められないよ。カゲロウ、カゲロウぅ……」

ツクヨミ(扱くたびに寂しさが、カゲロウがいてくれないことをずっと我慢していたというのに溢れてしまう。カゲロウと一緒にいたいという欲が……)

ツクヨミ「カゲロウ、カゲロウぅ……。はぁはぁ、カゲロウ!!!」

ツクヨミ(だ、だめだ。なにかが出る、出るぅぅっ!)

 ビュルルルビュルルルルルッ
 
ツクヨミ(あああっ、おち○ちんから何か、熱いものが……いっぱい出て。き、気持ちい、気持ちいいよぉ)

 ビュルンッ……

ツクヨミ「納まった……うああっ……」ビクンビクンッ
225 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:46:09.66 ID:rky3XUuW0
ツクヨミ「はぁはぁ、んくっ、はぁはぁ……」

ツクヨミ「…………」

ツクヨミ「……」

ツクヨミ「…はっ!」バッ

 ベッタリッー

ツクヨミ「こ、こんな昼間から私はお、お漏らしをしてしまったのか!? し、しかもなんだこの白いのは粘り気もあるこれは!?」

ツクヨミ(もしかしたら病気か何かなのか? ど、どうすれば、こ、こんなところを誰かに見られてしまったら、大きな問題に――)

 バタン!

ツクヨミ「え?」

カゲロウ「ツクヨミ大丈夫か! 先ほど、私を呼ぶ声が聞こえたのだ……が……」

ツクヨミ「」ベットリビクビクン

カゲロウ「ツクヨミ、それは……」

ツクヨミ(あうあう、あうあうあー。ど、どうすれば、どう説明すれば――)

カゲロウ「ツクヨミ、少し失礼するぞ」パタンッ

ツクヨミ「え? カゲロウ、何を……」

カゲロウ「……」

 ビクンビクン

ツクヨミ「か、カゲロウ。あまり、あまり見ないでく――」

カゲロウ「……こんなに大きくなるのだな。私に任せてくれ、大丈夫だ」

ツクヨミ「え、何をす――」

 ニギッ

ツクヨミ「ふあっ///」
226 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:52:41.07 ID:rky3XUuW0
 シコシコ ヌチヌチ

ツクヨミ「んやっ、だめだカゲロウ、そんなに手で弄らないでくれぇ」

カゲロウ「ん、手ではだめだったか。すまない、気持ち良くしてあげたいと思っていたのだが…。私では、お前を満足させてやることは……」

ツクヨミ「い、いや、ち、違うんだ。また、白いおしっこが出て、しまうから……。私はもしかしたら病気かもしれない、だから……」

カゲロウ「大丈夫だ。これは病気というわけではない、むしろ自然なことなのだからな」

ツクヨミ「そ、そうなのか?」

カゲロウ「ああ、しかし、私が奉仕しても大きくならなかったのは、まだツクヨミのが成長し切っていなかったからだったのだな」

ツクヨミ「ば、馬鹿にする出ない。私はもう大人だ!」

カゲロウ「そうだな。こんなに大きくして精子をたくさん出しているんだ。大人ではないわけがない」シュコシュコ

ツクヨミ「ひぃ、カゲロウ。ああっ、扱かないでくれぇ。ま、また出てしまう」

カゲロウ「いいんだ、出してくれ。出して私にいっぱい吐き出してほしい」

ツクヨミ「え?」

カゲロウ「ツクヨミ、私はお前の子種が欲しい。私にお前だけの女になったという証を吐き出してほしい。私が、お前を気持ち良くできたという証拠を見せてくれ……」

ツクヨミ「か、ゲロウ……」

カゲロウ「それとも、私ではお前を気持ちよくできないということだろうか……」

カゲロウ(だとするなら、私といてもツクヨミは……)
227 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 22:57:39.12 ID:rky3XUuW0
ツクヨミ「そ、そんなことはない!」

カゲロウ「ツクヨミ……」

ツクヨミ「カゲロウの手はとても気持ちいい……。その、今にも溢れそうなくらいで、我慢できているのが不思議なくらいで。その、えっと////」

カゲロウ「……そうか、とてもうれしいよ。私でもお前を気持ち良くさせることができるんだな」

カゲロウ(ピエリはリリスが苦しんでいたからそれをどうにかしたいと言っていた。それが相手を思う気持ちだというなら、私が今ツクヨミに感じてほしいものは一つだけだ)

カゲロウ「ツクヨミ、どうだ、気持ちいいか?」シコシコ

ツクヨミ「ああ、また、せり上がってくる…。カゲロウの手で気持ち良くなってっ、るぅ……」

カゲロウ「はぁんーっ、ツクヨミの魔羅から漂ってくる臭い、とても濃厚でくらくらする。私に構わず、出したくなったらいつでも出してくれ……」シコシコ

ツクヨミ「カ、カゲロウ……」

カゲロウ「この口でいっぱい受け止めよう。だから、お前の子種を私の口に……」

ツクヨミ(はぁはぁ、カゲロウの口に私のおち○ちんから出たものを入れる。カゲロウに、カゲロウに……)

カゲロウ「ツクヨミ……んあーっ」

ツクヨミ「ううっ、出るっ、出るぅぅ。カゲロウの口に白いのが、うあああっ!!!」ビクンビクンッ

 ビュルルル ビュルルルルルルルッ!!!!
228 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 23:10:02.69 ID:rky3XUuW0
ツクヨミ「ふああああっ」

ツクヨミ(ああ、カゲロウの口に、白いおしっこを注ぎ込んでしまった。いけないことなのに、なんでこんなにゾクゾクしてしまうなんて。ああ、今の快感が――)

カゲロウ「あっ、んくっ、んくっ、ごくりっ。はぁ……」ベタリッ

カゲロウ(んっ、口の中にツクヨミのが入ってきた……。とても濃い、私の伴侶の味……。私が気持ち良くしてあげられた証……。でもだめだ、これでは足りない。ツクヨミの精子が――)

ツクヨミ&カゲロウ(もっと欲しい……)

ツクヨミ「はぁはぁ、カゲロウ……。もっと……してもいいか?」

カゲロウ「ああ、今まで気持ち良くしてあげれらなかった分、お前を気持ち良くしてあげたい。お前の望むならできる限りこたえよう」

ツクヨミ「ん、で、ではそのむ、胸で同じようにしてもらえぬか……」

カゲロウ「ああ、わかった……。服を脱ぐ、少し待ってくれるか」

ツクヨミ「いいや、その必要はないぞ。こうすればいいだけだ」グッ バッ

 プルンプルンッ

カゲロウ「ん、以外に大胆なのだな、ツクヨミ。それとも服を来たままが良いのか?」

ツクヨミ「う、その……」

カゲロウ「ふふっ、そんな男らしい部分もあるのだなと思ってな。さぁ、私に向けてくれ、いっぱいしよう」

ツクヨミ「あ、ああ……」ビクンビクン
229 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 23:20:10.48 ID:rky3XUuW0
 ンッ、ツクヨミノガムネノナカデ――
  ハァハァ、カゲロウ、ヌルヌルシテ――

オロチ「ふむ///」

オロチ「……カゲロウに新しい絵を頼もうかと、ツクヨミの部屋に向かったと聞いて来てみたら、まさかこのようなことになっていようとは。これは昼間から刺激が強いのう」

オロチ(昼間からお盛んのようじゃし後日とするか。しばらく人が近寄られないように人避けの札でもあっておくかのう、事故とは言え見てしまったこともあるし親友の好ということで、このお札はわらわのおごりじゃ)ペタペタ

 テトテト

オロチ「……ふむ、生涯の伴侶。あまり、気にしても仕方の無いことか」スタスタ

(しかしわらわも考える時期かもしれん……。しかし、相手が浮かばぬのが何とも言えんところじゃのう……)
230 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/04(月) 23:22:55.71 ID:rky3XUuW0
今日はここまで

 無双にエリーゼまで参戦か(ピエリとリリス参戦情報はまだですか)
231 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/09(土) 20:52:12.56 ID:ADGRf2DG0
◇◆◇◆◇

リリス「……ん、んんっ…」

リリス(あれ、ここは? えっと、確か白夜王国に辿りついて、それでピエリさんの……)


リリス(はぁ〜〜〜〜、ピエリさんの泣き顔に負けて、気持ち良かったとか言っちゃったんでしたね……)

リリス(ううっ、これから、淫獣とか性竜とか言われるんでしょうね。アクアさんの耳にもいずれは入るでしょうから、一生弄られるんでしょう)

リリス「はぁ……。辛い……」

ピエリ「リリス、辛いの?」

リリス「はい、辛いですよ。それもこれも……って、ピエリさん!?」

ピエリ「あ、やっと気づいたの。リリス、さっきから考えてばっかりでピエリのことに気づいてくれなかったの。ちょっと寂しかったの……」

リリス「はぁ、まったく、私の気苦労も知らないで。良くそんなことが言えますね。でも、すみません。寂しい思いをさせてしまったんですね」ナデナデ

ピエリ「んっ、えへへ、髪を撫で撫できもちいぃの〜」

リリス「ふふふっ」
232 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2017/09/09(土) 21:05:21.26 ID:ADGRf2DG0
リリス「それよりも何かあったんですか?」

ピエリ「? 何かってなんのことなの?」

リリス「え、何か私に用事があったから、こうして来たんじゃないんですか?」

ピエリ「んー、ピエリに用事なんてないのよ」

リリス「……じゃあ、なんでここに来たんですか? それにカゲロウさんとお話は?」

ピエリ「そのお話は終わったの。見て見て、ピエリの新しい衣裳なの!」E:忍装束

リリス「え、衣裳って……忍装束!? っということはまさか――」

リリス(い、いつの間にか、ピエリさんとカゲロウさんの支援がAになっている。お茶菓子でのほのぼの会話より下世話な話のほうが強いなんて、この世界の絆って一体何なんですか?)

ピエリ「これってとっても動きやすいの! あとね、変な乗り物ももらったの。ピエリが乗るといっぱい動くからお胸が揺れて困っちゃったの」

リリス「そのからくり、今すぐ破壊して捨てましょうね〜」

ピエリ「リリスも乗るの。きっと楽しいのよ!」

リリス「私にも揺れるものがあったら楽しめそうなんですけどね〜。あははははははは」
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