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都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13
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741 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[!桜_res]:2024/12/24(火) 18:08:10.10 ID:gZVaECBUo
この話はほんのりピンク方面に偏っています
お許しください
742 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:09:04.89 ID:gZVaECBUo
昔々――ではなく! 現代と変わらない時分か、現代よりも少しばかり未来の時分
ある所に――ではなく! 具体的には東北地方か、もしくは甲斐多摩秩父地方の山奥に、鬼気迫る雰囲気を発した一人の男が彷徨っていました
「巫女様……! 巫女様はいずこ……!?」
亡者のような面持ちでうわごとのように独り言を口走るこの男は、鬱蒼とした山林のなかを奥へ奥へと進んでいるのですが
しかし登山目的でやって来たにしては、薄手のパーカーにカーゴパンツそして形ばかりのサファリハットと、いささか軽装すぎる格好です
もしやこの男は下調べや下準備もせずにピクニック気分で山へ入った挙句、遭難しかけているのではないかという様相を呈しています
それもそのはず、この男は半ば意図的に遭難しかけの山中探索を決行していました
「いやしかし、まさか遂に実地で『山中で遭難したら、美少女巫女に助けられた』というあの伝承の真相を確かめることになろうとはな……!!」
半ばずり下がったビン底眼鏡を指で持ち上げ、両手に開いたノートから顔を上げて、男は怪しい表情に薄気味悪い微笑を浮かべながら、そう口にしました
山や田舎を舞台にした与太話で時折、実しやかに語られるシチュエーション
「道に迷い、もしくは遭難した際に、美少女に助けられて、なんかいい感じのもてなしやら、気持ちのいい不思議な体験やらをする」
……この「美少女」の部分が「この世のモノとは思えない妖艶な雰囲気をまとった美女」だとか、もしくは「美しい巫女」だったりと複数バリエーションがありますが
とにかくそういう感じのネタは古今東西の日本昔話だとか怪談だとかほんのり不思議な話だとかで語られてたりするわけです、多分
そう、この男はこうした胡散臭いネタが果たして本当に存在するのかを確かめるべく、無謀にも軽装での登山探索を決行したのです
整備済み登山道から大きく外れ、どこへ続くかも分からない獣道を進むこと数時間
既にお天道様も大きく西へ傾き、もう一時間もせずとも周囲は夕闇に呑まれてしまう時間帯になっていました
おまけに山は天気が変わりやすいと云われるように、何やら先ほどから辺り一面に霧が立ち込めてくる、いかにもな雰囲気へと変貌しています
「ネットの目撃情報を吟味するに、恐らくこの山が最も遭遇確率が高い! しかもさっきからイイ感じの激ヤバ雰囲気!
これはアレかもしれんぞ、巫女様に勢いで求婚すればワンチャンあるかもしれんぞ!!
つまりこれは山中のお屋敷に招待され、そのまま [NSFW] [NSFW]……! さらには [R-18] [R-18] [R-18]!!!! うおおおおおおおっ!!!!」
この、控えめに言っても最悪な状況の只中にあって、しかし男はテンション爆上がりの奇声を発していました
とは言え、霧だけではなく何処か不吉な気配も漂い始めたこの山中をさらに進めば、この男は間違いなく遭難コース突入でしょう
というか現時点でもはや遭難しているといっても過言ではない状況なのですが……、果たしてこの男はどうなってしまうのでしょうか?
と、その時でした!
「あのぉー……、すいませーん……! お独りでお山のなかを迷ってらっしゃるように見えたんですけどー……、大丈夫ですかぁー……!?」
なんと木々の影に隠れるかのように、恐る恐るといった体で男の様子をうかがう人影が、男に声を掛けてきたのです!
声を聞く限り女性! それも声質的にきっと美少女!!
男は咄嗟に声の方向へ振り向くと、下心に塗れた心眼を発揮して影の正体を見定めました
なんとそこに居たのは、男が求めに求めていた巫女様ではありませんか!!
743 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:10:01.31 ID:gZVaECBUo
「おお!! おお!!!! 神よ!! 神様よ!! 感謝します!!!!」
男はその場で崩れ落ち、拝むように巫女様に向かって手を合わせながら号泣し始めました
一方、巫女様の方は男の唐突すぎる奇行に 「ヒッ!!」 と悲鳴を上げ、木々の影に身を引っ込めました
実は巫女様は男が「巫女様に勢いで求婚すればワンチャンあるかもしれんぞ!!」などと口走る少し前から男を発見しており
(ひょっとしてあの人、遭難しちゃったのかな……?)などと疑念を抱きながら様子をうかがっていたのですが
いきなり絶叫し始めた挙句、亡者のような面持ちで獣道を進もうとするこの男のことを(もしかして、アブない人なのかな……!?)と不安視、ではなく見守っていたのです
しかし声を掛けてしまったために、男には自分の存在が知られてしまいました
巫女様は「あー……うー……」という困ったような声を発しながらも、ようやく木々の影から姿を現しました
「うっ……! う、美しい……!!」
おずおずとした様子で男に近寄る巫女様の容姿に、男は歓喜の嘆息を漏らしました
それもそのはず、巫女様は身長もデカい! 胸囲もデカい! ケツもデカい! ついでに腹回りもデ……まあまあな感じの!
それはそれは、男の性癖にずばりクリティカルヒットな体型のお若い女性なのでした
年の頃は20代前半、いえもしかするとフレッシュ10代なのかもしれません
ところで巫女様の腰元には一差しの刀のようなものが垣間見えるのですが、男は気づいていない様子です
「あのぉー……、お山登り中だったのでしょうか……?」
「ええそれはもう! この山には霊験あらたかな神社があると聞き!
そして、その神社には見目麗しい巫女様がいらっしゃると聞き! はるばるやって参りましたァ!!」
「あう……、だいぶ登山道から外れているようなのですが……」
やたら勢いのある男の言葉に圧され、巫女様の声は心なしか口ごもり気味でしたが
さすがの彼女も男の軽装に気づいたようです
「ところで、こんな薄着でこのお山を登っていらしたんですか?」
「えっ、はい。まあ最悪野宿することになるかもと思ってたんですが、別にこのままで問題なしかなって」
「問題大ありですよ! 何を言ってるんですかぁ! お山の天候は急変しやすいんです!
特にここは霧が出やすくて……! そんな薄着でお山登りなんかしたら体調を崩すだけじゃなくて命にも関わるんですよぉ!?
『お山登りには入念な事前準備が大事!』 なんです!!」
「なるほど……! ところで、巫女様はもしかして、こんな俺のために、わざわざ助けにやって来たのですか……!?」
「えっ……? あっ、いやっ、そういうわけではなくてですね。あっ、私はちょっとした所用の帰りでして」
「しかし巫女様、こうしてお逢いできたのは何かの縁です! きっとそうですよええ!! なので巫女様!!」
男はいきなり興奮し、大声と共に巫女様の無防備な両手を握りしめました
そして キリッ! とした顔つきで
「巫女様、俺と結婚してくだちい」
とんでもないことを言い出しやがったのです
「ええっ!? えええええっっ!?!? どっ、どっ、どうしてそうなるんですかぁ!?」
「はい、実はですねここの神社には美女巫女様がいらっしゃるというのは既に知っていたのですが
ネット情報だと山中に巫女様が出歩いているところをごく稀に見ることができるという報告があったものですから
俺は長年確かめたかった『山中で遭難したら、美少女巫女に助けられた』という真偽不明のネタの出所はここじゃないかと調査に来たんですよ
それはそれとして、こんな遭難待ったなしの状況下で実際にあなたのような美しい巫女様と逢ったりなんかすれば、男女のなんかこういい感じで顔の近いやり取りというのを否が応でも期待しちゃうではないですか
すいませんねさっきからオタク特有の長文早口になってる自覚はあるんですがもう止められないんですよ、仕方ないですよねこんな夢にまで見たシチュでまさか性癖ドストライクの巫女様にお会いするなんてもうこれは運命ですよゲヘヘ」
「なっ、なっ!! 何言ってるんですかぁ!? そ、そんな、2000年代に大量生産されたエロゲじゃあるまいし!
巫女さんとかメイドさんとかが登場するエロゲじゃあるまいし! 私もそういうの嫌いじゃないですけど!!」
744 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:10:28.18 ID:gZVaECBUo
「ほう巫女様もその手のエロゲを嗜んでおられましたか、こんなお若いのに
もしや巫女様もビジュノベやサンノベや泣きゲーなどに手を出しておられたり?」
「えっ?えっ?? ハッッ!! あっ、なっ、何を言ってるんですかぁさっきからぁ!?
そんなっ、私は、エロゲ、あっ、おっ、そそそっ、そんな、知らないっ! イカがわしい、ゲームなんか、知らないですよぉ!??」
「うん? 嘘は良くないですぞ巫女様! さっきの話しぶりからして嗜んでおいででしょう! R-18のアダルトなゲームを!!」
「あっあっあっ! 知りません! 私なにも知りませんよぉ!??」
「巫女様!? 巫女様なぜ逃げようとするんです!? とにかくここでこうしてお逢いできたのは運命ですよ!! ちょっと待て逃げないで!!」
「うええええええええええっっっ!! キョウコ先輩助けてぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」
「なっ!? 巫女様!!」
男との会話で何やら追い詰められた面持ちの巫女様は、男の手を振り切るとパニックを起こしたようにその場から逃げ出しました!
ここで巫女様を見失ってしまえば男は完全に遭難! なのですが、男は別の意味で巫女様を追い掛ける気満々でした
そう、未来のお嫁さんをみすみす逃してしまうなんて、今の男の精神状態的には無理な相談なのでね
そして、十数分後!
「はぁっ! はぁっ! こんな、山のなかでっ、私を追いかけてくるなんてっ、見た目の割にっ、タフなんですねぇっ! はぁっ」
「ゼェっゼェっ、巫女様を見失うわけには、いかないという、一心でした……! ゼェッ」
山中を仲良く追いかけっこしていた二人は、見事に息切れしてその場に座り込んでいました
追いかけている間、男は全力ダッシュで揺れに揺れる巫女様のケツに妄執の籠った視線を向けており
その視線を察知した巫女様が謎の悪寒に襲われて更に逃げ足を速める、という一幕もあったのは、ここだけの話です
「巫女様、そのですね、こうしてる内にも霧がだんだん濃くなって、完全に陽も落ちてしまったようなのですが……」
「うー……、そうですね。今から下山というのも却って危険なので……。ひとまずあなたを『刃守神社』へ案内します。付いてきてくださいますか?」
「や、それがですね、巫女様。さっきから妙に力が抜けて、足に力が、入らない……」
「えっ!?」
先ほどは男の迫力と気色悪さから思わず逃げ出してしまった巫女様でしたが
男の顔色が一段と蒼白になった様子に気づいたのか、彼のもとへ近寄りました
「巫女様、俺はもう駄目です。多分『山の怪』に取り憑かれてしまったかもしれません。まったく体に力が入らないんです」
「あっ、いえ、これは『山の怪』の仕業ではありません。恐らくハンガーノックです」
「なん、だと……?」
745 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:10:57.28 ID:gZVaECBUo
「あのぉ、日中はきちんと食事を摂りましたか?」
「いや、この山を探索することばかり考えてて、主に文献を読み込んでいました。強いて言えばコーヒーを飲んだくらいですね」
「ええ……?? あの、リュックに携行食や登山食などはありませんか?」
「いや、リュックの中身は全て文献とノートですね。食糧などは特に」
「お馬鹿! お馬鹿さん!! 登山道があるからって甘く見てましたね!? 駄目ですよ駄目ですよ!!
このお山一帯は限界集落化してますしお山登りしようなんて人は滅多にいませんしほぼ管理されていませんし遭難リスクが意外と高いんですよ!?
それに別の危険もあるのに、こんな軽装で! 食べ物も持たずに! こんな時間帯にお山登りなんて無謀そのものです!!
どうか肝に銘じてください!! 『山の探索には入念な事前準備を!!』 ですよ!? いいですかぁ!?!?」
「あっ、はい。すいません」
「どうしましょう、私もすぐに食べられるようなものは……、あっ! 緊急用のタブレットが確か……、ありましたぁ! 今はこれを食べて辛抱してください!」
巫女様は装束のあちこちをまさぐっていましたが、やがて懐から非常食のブドウ糖タブレットを取り出しました
お口のなかで優しく広がる、夢のくちどけな感じのアレです
「はいっ、あーんしてください」
「あっ、はい。すいません。あーん……、はむっ、んむんむ」
「ひっっ!! ちょっ、あっ、なっ、ゆっ、指は食べちゃ、はひゃっ」
「むご! むごご!! (巫女様のおみ指ごと頂ける機会なんて今後一生無いでしょうから今のうちに味わっておかないと! これは運命ですよ!)」
「指は食べちゃダメですっ! ちょっ、あっ、くすぐった!!」
お優しい巫女様は男をあーん♥させてタブレットを食べさせてあげたのですが、なんと罰当たりなことに男は巫女様の指ごと頂いてしまいました
おかげで巫女様は男が指に吸いつき、あますところなく舐め付くたびに、身悶えしながらへんな声を上げることになってしまいました
「も、もうっ、指ごと食べるのは禁止です! 禁止っ!」
「あっ、はい。つい下心、じゃなくて出来心で」
「すいません、そのまま動かないで休んでいてくださいね。私たちの気配に惹かれたのか、姿を現したようです」
「うん? 巫女様、何の話でしょうか?」
「あれです。見えますか? あれこそが『山の怪』です」
「なん、だと……!?」
巫女様が静かに示す方向を凝視した男は絶句しました
それは、深く立ち込める霧の中にあって自身の存在を誇示するように突っ立っていたのです
一本足に、白くのっぺりとした体、何より特徴的なのは頭部がない代わりに胸辺りに顔のようなものが存在する胴体
そう、それはネット怪談は洒落怖発の人気怪異、「ヤマノケ」そのものだったのです!
「テン♥ ソウ♥ メツ♥♥ テン♥ ソウ♥ メツ♥♥」
……なにやら「ヤマノケ」は巫女様を見て興奮しているような雰囲気ですが、考えない方がいいでしょう
けんけん、と一本足で飛ぶようにしながら、「ヤマノケ」はゆっくりと、しかし着実に男と巫女様の方へ接近していました
「私の影に隠れるようにしていてくださいね。私はアレを処します」
「えっ? えっ?」
746 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:11:37.24 ID:gZVaECBUo
巫女様は一息に鞘を払いと、刀を正眼で構えました!
その瞬間、「ヤマノケ」と巫女様との空間を隔てるように一筋の“線”が張られた気配を、男も確かに感じました!
まるでその“線”を越えてこちらへ侵入するならば容赦しない、そのような緊張が走ります
そして、――それにもかかわらず、「ヤマノケ」がさらにこちらへ接近しようとした、次の瞬間です!
「 、 『 』 」
「あギャっ♥♥」
巫女様がなにかこう、意味ありげな台詞を口にした途端、「ヤマノケ」は縦に真っ二つになってしまいました!
ただし血が噴き出すこともなく、直前まで「ヤマノケ」だったものは砂のように崩れ落ちてしまったのです!
そして、いつのまにか巫女様は刀を鞘へと納めていました
「ふう、今日はいかにもな雰囲気だったのに一切怪異の類を見なかったので不安だったのですが、やっぱり隠れてただけで居たようです。油断大敵ですね、ふう」
「……巫女様、今のは一体!? いやっ、貴女は一体!!??」
「あっ、ふふん。これでも『刃守神社』の巫女ですので! ふふん」
驚く男に対し、どこか得意気な巫女様は自分が神社付きの巫女などと言っておりますが
まあ平たく説明すると、彼女は怪異の類と戦うために都市伝説――というよりとある伝承と契約した能力者なのでした
国土の実に75%が山地であるという本邦ですが、霊的に決して無防備というわけではなくそれぞれの山を守る神様がいらっしゃいました
なのですが……! 巫女様と男が今いるお山は守りの神様が存在しない、「神の空位」と呼ぶべき事態が発生していたのです!
とはいえそれはこの現代にあって珍しいことではありません
元々守り神様と人間は持ちつ持たれつ、祀りが途絶えて拠り所を失ってしまえば、神様といえどその力を維持できません
神様がいなくなり、霊力……、人間が「パワースポット」などと呼んだりする空間……、そうした霊力だけが残った山地を狙い、土着もしくは他所から流入した怪妖が居着くケースも増え始めました
なかには力をつけた怪妖が罰当たりなことに自らを「神」と称するケースすら発生し始めたのです!
このお山もまさにそうした状況下にありました
麓の村ははるか以前より高齢化と過疎化による限界集落化が進行しているものの、まだまだお山の神様への信仰は篤く、神事は継承されていました
村民の尽力もあってか、お山の神様は人の姿で顕現することが可能で、神事の度に神様もまた村の繁栄を願っていました
しかし、何時の頃からかお山の神様が姿を消し、魑魅魍魎が徘徊する魔の山と化してしまったのです
挙句の果てには化け物の如き魔性が「山の神」を名乗り、村に対して生贄を要求する不穏な事態にまで発展しました
「刃守神社」――、このお山にある小さな神社は元々お山の神様への奉仕を行っていましたが
魑魅魍魎が跋扈するようになって以降は、お山を含めた区画全域に「結界」を張り、魑魅魍魎を「結界」外に出させず、その活動を抑制するとともに
そのなかにあってなお襲撃しようとする怪異の魔手から、村民やごく稀に訪れる登山者を守るべく、必要な対処を施してきました
「刃物は魔除けになる」――、それはいわゆる都市伝説と契約者の界隈では稀少度(レアリティ)が「ありふれている」(コモン)程度の能力なのですが
「刃守神社」の巫女たちは、この伝承と契約し、代々継承することにより能力を向上させています
そして、男を助けた巫女様もその一人として、山中で行き迷った人を助け、襲い来る魔性を祓う活動を続けてきた……そういうわけです
「緊急用のタブレット程度じゃ、お腹空いたままですよね……。私が頑張って負ぶりますから、神社までの間は辛抱してくださいね」
「みっ、巫女様が負ぶってくださるのですか!? ヒャッホウっ!! ありがとうございます!! ありがとうございます!!」
「あのっ……、叫ぶのは無しですからね!? (あなたのことが)怖いので……」
一部の台詞を飲み込んでおずおずと背中を見せた巫女様に、男はまるで抱き着くようにへばりつきました
747 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:12:03.23 ID:gZVaECBUo
「巫女様からほんのりいい香りがしますね……! たまらんっっ!!」
「ヒッ……! に、においを嗅ぐのも禁止ですっ!! 汗かいちゃってるので臭いですよぉ!!」
「背中越しに伝わる体温、肌触り、この張り具合とぷに具合……、まさしく本物っっ……!!」
「へんなこと言わないでくださいぃー……!!」
背中の男が再び妄執と劣情に満ち満ちた激ヤバな目つきになっていることにどうにか知らないふりをして
巫女様は男の吐息が耳に当たるのをどうにか我慢しながら、闇に沈んだ山中を「刃守神社」に向けて歩き出しました
(ううっ、こんなときキョウコ先輩がいてくれたら……!!)
と、巫女様は心のなかで頼れる先輩巫女に思いを馳せますが
すぐさま首をブンブンと横に振りました
(キョウコ先輩はもういない! 私が、私がしっかりしなくちゃ……!!)
そう、キョウコ先輩はもう「刃守神社」にはいません
といっても死去したり行方不明になったりしたわけではなく、円満退“社”でした
キョウコ先輩は巫女様に、刀剣の扱いから神事作法まで、神社での奉職に必要となる知識と技術を手取り足取り教えてくれた先輩巫女で
優しく、明るく、まるで太陽のような人だったので、巫女様は先輩のことを実の姉のように慕っていました
ですが、数年ほど前にお山の信仰を調査に来た大学院生の男性が怪異に襲われていたところをキョウコ先輩が助けたことがきっかけで
院生さんと先輩は清い交際を続け、ある青い満月の夜に情熱的なまぐわいを経て、丁度今から一年ほど前にめでたく寿退“社”したのでした
それからというもの、巫女様は時折心の中のイマジナリー先輩と会話しながら、どうにか現在までやって来たのですが
さすがの巫女様もとうとうキョウコ先輩が去った後の現状を受け入れなければならないときが来たようです
(この男の人を神社に連れ帰って、一泊していただくとして……)
巫女様は現在神社に詰めている仲間たちについて考え始めました
まず大婆様、厳密には巫女ではなく神社唯一の神職者です
長く神社の管理運営を行いながら、麓の村を脅かす怪異やその他脅威と戦い続けてきた女性でもあります
ですが、十数年前に旦那様に先立たれ、そのうえ何かと張り合っていた先代村長が数年前に逝去して以後は、日がな一日ぼんやりするようになり
つい数か月ほど前からは頬を赤くしてニコニコしながら 「昭蔵さんや、行ってきますのチュウはまだですかの♥」 と壁に向かって独り言を話す頻度が増えました
ちなみに昭蔵さんとは亡き旦那様のお名前です
本当は当時の夫婦生活を彷彿とさせるかなり生々しい独り言が他にも色々あるのですが、大婆様の名誉のためにここでは割愛します
続いてお局先輩、これは俗称です
巫女のなかでは最も長く神社に勤めているベテランの先輩巫女さんで、キョウコ先輩不在の際は彼女が複雑な神事の手順を後輩巫女に教えてくれたりしていました
物腰柔らかでお淑やかな女性で決して悪い人ではないのですが、巫女のなかでは年齢が最も高いことを気にしており
より具体的には、とうに婚期が過ぎていることを非常に気にして、常に行き場のない母性を持て余し気味のようで
自分のヒモになってくれる成人男性もしくは未成年男子を猛禽のような目つきで探し回っているのです
この男性に対する妄執の所為で、先代の村長からは村在住男性への接近禁止の言霊が発せられていました
そして先代村長は臨終の床にあってもこの言霊を撤回しなかったため、お局先輩はこれから先ずっと村の男性に手を出すことができなくなってしまったのです
キョウコ先輩から聞いた話では、不幸にも彼女に男性が捕まってしまった場合、ものの半日で廃人に近しい状態になってしまうとのことでした
そしてヒオリ先輩、キョウコ先輩が太陽ならヒオリ先輩は月とでも呼ぶべき先輩で
クールで冷静沈着、眼鏡が似合う理知的でデータ主義な巫女
性格的にキョウコ先輩と時折衝突しながらも共に奉職する良きライバル的なポジションだったのですが
キョウコ先輩退“社”後の心の虚を突かれたのか、かなり邪悪で変態で女の敵な怪異に心身を弄ばれてしまい、その後遺症によりここでは口に出来ないような大変かわいそうな精神状態になってしまいました
大婆様とお局先輩による継続的な癒しの神事により、現在では一週間に二日程度なら正気に戻るレベルにまで回復しています……が、まだまだ予断を許しません
少なくともこの三人にはこの男の人の世話を任せるわけにはいきません
最悪でもお局先輩とヒオリ先輩を男の人に接触させてはなりません
さもなくば廃人まっしぐら、もしくは搾り取られてしまうので
残る巫女は、キョウコ先輩と入れ替わる形で入“社”した後輩ギャル二名です
学校を卒業したてで、SNSとWi-Fiが無いと生きていけなさそうな現代っ子ですが、しっかり奉職してくれる頑張り屋さんの後輩巫女でもあります
聞けば 「ウチら田舎でスローライフの方が合ってるぽいんすよね」 ということで、自ら望んでこの田舎なお山へやって来たようです
ちなみに巫女様とは年齢が近いのですが、世代が違うせいか趣味の話があんまり噛み合いません
あと、うち一名は刃物のチョイスが非常に変わっており、刀や薙刀ではなく何故か鎖鎌にこだわっている、ちょっと変な子です
(男性のお世話は、私と後輩ちゃんで頑張るしかなさそうですね……!!)
748 :
健康シリーズ: 山の探索には入念な事前準備を!
[saga]:2024/12/24(火) 18:12:47.08 ID:gZVaECBUo
背負っている男がエラい表情で巫女様のうなじの香りを吸い尽くしていることも露知らず
巫女様は今晩を乗り切るための決意を固めていました
「この男の人となら趣味の話が合ったりするかな」だとか、「昔のエロゲの話とか、後輩ちゃんには出来ないような濃い目の話もできるのかな」だとか
「今の私ってこの人と伝奇系エロゲみたいな出会い方してるんだよね……、この人ちょっと言動が怖いけど悪い人じゃないのかも。この後ひょっとしてひょっとしちゃったりするのかな、へへ、ヘヘヘ」だとか
そんなやましいことを一切考えてなどは、いないはずです。多分、多分ですけど
そして二人は闇夜のなかを「刃守神社」に向けて進んでいきましたとさ
めでたし、めでたし
えっ? この後どうなったか、ですって?
そりゃあおめえさん、山に入った動機も不純なうえに、巫女様と運命的な出逢いを果たした後も下心丸出しなこの男に
ムッツリなようでムッツリじゃない、でもちょっとムッツリな気のある巫女様が、一晩同じ屋根の下で過ごすとして何も起きないはずがないでしょうよ、ええ
そのうえ、向かう先の神社には旦那様に先立たれて男とはすっかりご無沙汰な大婆様に
村の男性とは接触不可能なので山を訪れた男を押し倒すしかすべがない飢えた未婚巫女に
明らかに婉曲表現でぼかされているとはいえ、間違いなく [R-18] 方面な精神状態になっちまってる眼鏡巫女に
いくらスローライフ志向とはいえ、潜在的には男を求めたい盛りの10代女子が二名もいるとなっちゃ、最終的なことを防ぐなんて無理でしょうよ、ええ
まあ巫女様も同様に、男性との接触が極端に少ない中で!
話が合いそうな年齢の近そうな男が目の前に現れたとなっちゃ!
恐らく入浴前後か、就寝前の暇を持て余したタイミングで、なにかが爆発する可能性しか残されていないわけで! ええ
……あとは、わかるな?
【とっぱらりんの、ぷぅ♥】
749 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2024/12/24(火) 18:15:06.75 ID:gZVaECBUo
【とっぱらりんの、ぷぅ
♥
】は隠語ではない
テスト中にいくつか問題が生じたので、そっちを何とかします
しかしまさかクリスマスにやって来ることになるとは……
750 :
ブラックサンタに人権はない、何故なら人ではないから
[sage]:2024/12/26(木) 13:38:18.56 ID:sWVnnYwRo
12月24日、クリスマス・イヴ
俺は屋外掲示板にポスターを貼り付けるバイトに従事していた
本来は別でバイトしているのだが、シフトが年末年始に集中した都合か、この時期は絶妙に暇になってしまった
講義もなく、他の連中も彼女その他とよろしくやってるのか飲み会に誘われるなどもなく
今年もクリぼっちで過ごすことになるのかと思っていた矢先、学校町内で超短期のバイトが募集中だったので暇つぶしもかねて応募したのだ
「しっかし……すごい表情だな」
ポスターにでかでかとプリントされているのは、「ブラックサンタ」を名乗るおっさんの顔面だ
血走った両目で見る者をエラい形相で睨みつけ、ガッツポーズを取っているという、なんとも味わい深い絵面だった
おまけにでかでかと映った顔の両脇には「クリスマスをぶっ壊す!!」だの「クリスマスから学校町を守ります!」だのと、これまた香ばしいワードが並んでいる
ポスターのデザイン的に政治活動か何かを彷彿とさせるが、実際のところは何らかのイベントらしい
あと、このポスター掲示は事前に行政の許可を取ってある、という点をバイト前に何度も強調された
よくOK出したな、学校町
「よし……と、まあこんなもんかね」
そもそもポスターを貼り付け可能な場所は限られてるので、持たされたポスターもそれほど多くない
いま貼ったのが最後のポスターなのでこの仕事はこれで終わりだ
と言ってもバイト自体はまだまだ続く。イベントの撤収までが仕事の内だからな
さっさと戻るか
「あ、あー。バイトの諸君、各々の作業、誠にご苦労であった」
急造と思しき仮設プレハブのイベント設営本部
眼前のテーブルには各種料理の数々が並び、バイト数十名を挟んで前方には自称「ブラックサンタ」のおっさんが立っていた
ここがイベント会場ってわけでもないのに、この旨そうな料理はなんだ?
「これより一時間半ほど後に、南区の会場でイベント本番が開催されるのだが
あ、あー。バイト諸君には、このブラックサンタの衣装に着替えてもらった後に、ブラックサンタ・タンフールーを配布してもらうことになる」
目が若干泳ぎながらも「ブラックサンタ」のおっさんは俺達バイトに今後の段取りについて説明している
若干声が上ずっているが……もしやこのおっさん、緊張してんのか?
「ちなみにブラックサンタ・タンフールーはこんな感じだ。自信作だから今のうちに見といてくれ」
別のスタッフが一番前のテーブルにガラスケースに入ったタンフールーとやらを置いた
バイトの中から変な声が上がったのも無理はない。タンフールーが何だか知らないが
目の前に置かれたそれは、「ブラックサンタ」のおっさんの生首を縦に6段ほど並べてそのまま串刺しにしたおぞましい代物だったからだ
目を凝らしてよく見れば、件のポスターに負けず劣らずの表情をしたおっさんの生首だ
絶妙におっさんの特徴を捉えているところが気持ち悪さに拍車を掛ける
こうして見るとなかなかイカれたデザインだな
「うっわ、キモカワ系じゃん」
そんな感想を漏らしたのは俺のすぐ横の女子だ
密かに視線を向けると、ピアスをバチクソに装備した女子だった。多分俺と近い年齢だ
「事前のテストモニターでは10代女子に好評だった
何がウケたのかはよく分かっていないが、トロピカルな味わいでまとめたのが決め手だったかもしれん」
「あー、確かにウケそうかも」
751 :
ブラックサンタに人権はない
[sage]:2024/12/26(木) 13:38:47.05 ID:sWVnnYwRo
おっさんの話し振りから推測するに、これ食い物なのかよ
しかも隣のピアスバチクソ女子もおっさんの話に理解を示したような様子だった
てか、この女子はちょっと俺の好みかもしれん……。とか見惚れてたら女子と目が合ったので咄嗟に視線を外した
ガン見してたのがバレたかもしれん。仕方ないだろ、童貞はこういう女子をついつい見ちゃうんだから
「とにかくだ! それまでの時間は自由なので、くつろいでもらって構わない
簡易ながらケータリングを手配した。ソフトドリンクもある。費用は全額こちら持ちなので諸君は気にせず食事を取って英気を養ってくれ
全イベント終了後に打ち上げも実施予定だ。当然代金はこちらで持つ。南区のダイニングバーを貸し切ったので希望者は是非参加してほしい」
おお、このおっさんは胡散臭いがやけに太っ腹だな
てか、たかがバイト如きにここまでする旨味ってなんだ……?
「あのー、ブラックサンタさん。質問いいですか?
超短期バイトとして応募したつもりだったんですけど、ここまで待遇が良いって聞いてなくて。正直困惑してるんですが
バイトの私達にここまでしてくれるのは嬉しいんですけど、そちらのメリットって、一体……?」
とか思ってたら、ほぼ思ってたことを代弁してくれる人がいた
眼鏡を掛けた女子のバイト参加者だ
「メリットか……。そう聞かれると答え辛いな
敢えて言えば、このイベントはかつての同胞達に向けた鎮魂……と言えば大袈裟に聞こえるかもしれないが、少なくとも私は本気だ」
お、なんかおっさんが語り始めたぞ
「もう十何年も前の話になるか。『ブラックサンタ』に『ルベルグンジ』、その他有象無象の連中と一緒にこの学校町に襲撃を掛けたんだ
丁度この時期だった。だが、仲間のほとんどがこの町の契約者共と、後ろで糸を引いていた『組織』の悪辣な罠によって――」
「全員動くな!!!!! 『組織』DA!!!!!」
「――バカなっっ!? 『組織』だと!? 何故っ!?」
とかやってる内に、なんか黒スーツの連中がプレハブ内部に乱入し始めた。何だこれは?
いきなりの出来事に俺達バイト連中が固まっていると、黒スーツの一人がおっさんを組み伏せて締め上げだした
「お前が『ブラックサンタ』だな!? 無駄な抵抗はYAMERO!! 死にたいのか!?」
「抵抗してないだろ!!!! お前が締め上げるからあだだだだだだだっっ!!!!! やめろっ!!! 離せっっ!!!!!
俺は今回は能力使って事件起こそうなどとしているわけじゃねえぞっっ!?!? これはれっきとした正当な、おいやめ、あだだだだだだだだっっ!!!!!」
「はーいみなさーん、こっちに注ー目!!」
おっさんが締め上げられて叫んでいる中、ひときわ大きな声が響いた
俺達は思わず声の方向に目をやると、黒スーツの奴がなんかを頭上高くに掲げていた
「いかん!! バイト諸君そいつの光を見るんじゃあなぁぁぁいっ!!!!! 逃げろっ!!!!! 逃げるんだっ!!!!! 逃げ」
急に頭の中が真っ白になった
俺は何故か屋外に突っ立っていた
周囲を見渡すと似たような感じの奴が何人かいた
おかしい、俺はバイトのシフトが年末年始に集中した都合か、この時期は暇で
他の連中も彼女その他とよろしくやってるのか飲み会に誘われるってこともなく、今年もクリぼっちで過ごす予定だったのだが
一体、俺はここで何をしていたんだ? 直前の出来事は何も思い出せん
などと、ちょっとした記憶の空白に混乱していると、黒スーツの人が俺達の注目を集めた
話によるとこの人は警察らしい
752 :
ブラックサンタ人権無
[sage]:2024/12/26(木) 13:39:12.74 ID:sWVnnYwRo
「君達は騙されて闇バイトで集められたようです」「主犯格の男は強力なフラッシュを焚いて逃走しました」
「君達はフラッシュの影響で記憶が混濁しているようです」「が、なんの問題もありません」「最近は闇バイトが横行しているからくれぐれも注意するように」
「本来であれば君達から事情聴取が必要なのですが」「主犯格のグループを押さえたので今のところ事情聴取は不要です」「今夜はもう解散していい」
「必要があればこちらから連絡して追加の事情聴取を行うのでその際は指示に従ってください」「というわけでなんの問題もありません」
「不明点があれば警察署の生活安全課に問い合わせるように」「なお気分が優れない者は病院へ搬送するので名乗り出なさい」「すぐに楽にしてやろう」
矢継ぎ早にそんな説明を受け、そういえばそんなことがあったんだったな……という気分になってきた
頭はさっきより大分すっきりしたが、しかしどうも釈然としない
前方を見ると、眼鏡を掛けた女子がふらつく足取りで黒スーツの男達に連行されていた
俺、闇バイトなんかに応募したのか?
いやもういい。こんな日は早く帰ろう
「あの、ちょっといい?」
とか考えてたら、同世代っぽい女子に声を掛けられた
ピアスをバチクソしている女だ
普段はこんなヤバそうな女と関わることはないのだが、よく見ると好みのタイプかもしれん
「闇バイトで騙された同士で呑みません? 自分この後どうせ一人で暇なんで」
いい断り文句も思いつかないので、ついていくことにした
そうだ、酒でも飲んで全部忘れちまおう
そして、12月26日の昼過ぎ
俺はがくがくになった足取りで自分のアパートへ帰る途中だ
あの後、ピアス女子と居酒屋で夕食も兼ねて飲みつつ、いい時間になったので解散しようとしたら
女子に誘われるまま彼女のアパートへ連れ込まれ、そのまま濃厚な「性の6時間」を過ごすことになったのだ
まさか20年近く持て余した童貞を卒業することになるとは思わなかった
なんつうか、めっちゃすごかった
しかもあの女子、見た目は涼しい感じだからそういう系かと思ってたら、意外と全力で甘えてくる系だったらしい
3回やった後のことはもう覚えていない。我に返ったのは日付が変わってクリスマスの明け方だった
その時点でもう帰ろうとしたのだが、女子に押し倒されて「いいじゃん帰んなくても
♥
一緒にだらだらしろ
♥
」と耳元で囁かれた後のことはもう曖昧だ
今度はこっちから女子を押し倒して、男の凄さを分からせてやる! とめっちゃ頭に血が上ったことだけは辛うじて覚えている
どうやらその後、性の延長24時間に及んだらしい
そして意識を取り戻したのは今日の昼前だったというわけだ
しかも凄いことに女子と連絡先を交換してしまった
しかし凄かったな。思い出すだけでまた盛り上がってきた
とにかくだ。今年の年末年始もこの女子と会う約束をしたので、今までと違って今年と来年は楽しくなるかもしれない
しかし、めっちゃすごかったな……。思い出すだけでまたもりあがって
753 :
ブラ人無
[sage]:2024/12/26(木) 13:39:55.64 ID:sWVnnYwRo
「ふざけるな!! なんだこれは!! 俺はただクリスマス粉砕の決起演説をやるだけのつもりだった!! これのどこが問題なんだっ!!」
「いやもう、『ブラックサンタ』は存在自体が罪、的な?」
「到底納得できんぞ!! お前ら『組織』はウン十年前に『ブラックサンタ』や『ルベルグンジ』を無差別殺戮して、同胞をほとんど全部討伐しただろ!!」
「あー? あー、あったね確かそういえばそんなことも。あった気がするわー」
「今回のイベント開催はその弔いだ!! お前ら『組織』に一矢報いるためのな!! それも能力を使ってテロを狙ったわけでもない!! 今回は一般的な方法で開催された正当な遵法行為だろうが!!」
「それ、『クリスマス中止のお知らせ』みたいなノリですか? リアルインターネット老人会かよ」
「貴様らに俺のイベントを愚弄する資格はないだろう!!!! そもそも!!
学校町のその辺を徘徊している人面犬がなぜセーフで!! なぜ俺がアウトなんだ!! 大っぴらに能力を使ったわけでもないだろ!!
なぜ俺を襲撃した!! 理解できるように説明責任を果たせ!!」
「いや、それ決めるのはお前みたいな都市伝説じゃなくて俺達『組織』でーす。都市伝説相手に説明責任なんか果たすわけないだろ」
「不当行為だ!! コンプライアンス違反だろうが!!」
「あ、それはだいぶ認識違いです。都市伝説相手にコンプライアンスなんて守んなくていいんだよ。だって都市伝説には人権ないから」
「なんだと!? ふざけるな!! 横暴にもほどがあるだろ!!」
「あー、さっきから大声で暴言吐くのやめてもらっていいです?
俺達『組織』は都市伝説相手にコンプライアンスを守んなくてもいいんだけど、お前ら都市伝説が『組織』に暴言や暴力を振るえば立派なコンプライアンス違反なんで。お分かり?」
「[
ピーーー
]!! [
んでんでんでwww
] そんなバカな話があるか!! もういい、お前達過激派では話にならん!! Dナンバーを呼べ!! 最低でも穏健派の黒服を連れてこい!!」
「いや穏健派なんか呼んだらこっちの都合が悪んで、お前の処分は俺達で決めまーす
それに話聞いてた? 都市伝説には人権がないから黙秘権もないわけよ
拷問でもなんでもし放題だから、お前が『テロ起こすつもりでした』って認めるまでなんでもし放題なんだけど? 口の利き方気をつけたら?」
「チ、チクショー!!!! 踏んだり蹴ったりじゃねえか!!!! こんな理不尽が許されていいのか!!!! おのれ『組織』!!!! 絶対許さんからな!!!! クソが!!!!」
そして私はこの後、なんとか『組織』から逃走することに成功した
私は致命的な思い違いをしていたようだ
こちらが超常的な手段によらず正当な方法で世に訴えれば『組織』も表立った妨害をしてくることはないと
今回の一件でそれが間違いだったということが明らかになった
私が間違っていた
今後は手段を選ばず、クリスマスと「組織」の二頭巨悪をぶっ壊す所存だ
私の主張に賛同してくれる方は、是非とも高評価とチャンネル登録をお願いしたい
クリスマスと「組織」を、ぶっ壊す!!!!!!
――「ブラックサンタ」
754 :
良い年越しを! 1/2
[sage]:2024/12/31(火) 22:27:13.89 ID:tAB6uyYko
「組織」の黒服がいきなり俺ん宅に「福の神」を連れて来た
しかも暫く預かってほしいと言い出した
現在、大晦日のだいぶいい時間を回った頃合いだ
かくして俺と黒服と「福の神」様はダイニングを囲っているというわけだ
「ほんとはねぇ〰、他の神様たちと落ち合うために、お忍びでとコッショリ学校町にやって来たんだぁ〰
そしたら道に迷っちゃうし、この町なんだかあっちこっちで不穏な感じだし、お腹空いたしでぇ泣きそうだったんだよぉ〰
しかも『すまっほ』に土地神ちゃんからお電話あってぇ、なんかおっきなトラブルがあってぇ、その対処で他の神様たちが総動員しててぇ
それが片付くまで、わたしは待ってて、って言われたんだよぉ〰」
神様は上座に収まって俺の私物である清酒を舐めながら涙目だった
ちなみに神様の御姿はあからさまに未成年女子のそれである
眼前の状況が完全に飲酒法に抵触してるかなりアレな感じだ
……なんで高校生の独り住まいな俺が清酒なんか持ってるのか? だと?
別にいいだろ、そこは気にしなくても。今は神様の話に集中してくれよ
ここで話を強引に逸らすために一つトリビアだが、神様は「すまっほ」ことスマホの使い方に詳しくないようで
俺たちがその使い方を簡単にレクチャーするまで、掛かってきた電話に出ることしか出来ない状態だったらしい
「というわけでぇ、なんだけどぉ、神様たちがお迎えに来るまで、此処に居させてぇ〰! おねが〰い!」
「そりゃ勿論、構いませんよ」
俺は即答で言い切った後、ややあって黒服へと顔面を向けた
呆けた顔でこちらを見返していたが、俺の突き刺す眼差しを更に眼力強めにするとようやく察したようだ
「いや、他の神様から連絡が来たんだよ! 俺に! お福様を保護してほしいって!!
慌ててお福様を探し出して、その後は『組織』で保護する……ってワケにもいかねーだろ!?
つーわけで、申し訳ないがお前ん家にだな……」
「ごめんねぇ〰……迷惑だよねぇ〰〰……」
「あっいや!! 決してお福様のせいでは!!」
黒服の言葉に神様がションボリすると、黒服は慌てて追加説明を繰り出した。俺に向かって、早口で
「今だからこそ穏健派が優勢だからともかく、昔は過激派とか強硬派とかがやりたい放題やってたんだよ!
当然、世の神様たちにも全方位にケンカ売る感じで! 俺も又聞きだからよく知らんけど!
幸運系の神格を監禁してやりたい放題やってた連中だろ!? 今は穏健派と中立派が優位に立ってヤバい連中を抑え込めてるかもしんねーけど!
『組織』はそんな安全な場所じゃねーし! 最悪、穏健派だか中立派だかの偉い連中が神様を前にして欲に目が眩むってリスクもありうるだろ!?
信頼できんのお前しか居ねーんだし!!」
「たしかにそうだよねぇ〰、大体びっぐねぇむな神様たちは、お金持ちとか大企業とか大神社とかが囲い込んでたりするからねぇ〰」
何やら「組織」に批判的というか警戒心を隠そうとしないこの黒服だが
事実、コイツは自分が繋がれている「組織」という組織についてあんまり信用も信頼もしてないらしい
ついでに言うと、俺も色々と紆余曲折あったが「組織」という組織を信用していない
さらについでに言うとだな、俺は「組織」所属じゃないぞ
ちなみにこの黒服は当然、俺の担当黒服でもなんでもない
じゃあ何なのかと言うと、この黒服は俺の大事な彼女さんの担当である
そもそもの話、俺の彼女さんは色々あって「組織」に繋がれてしまっている状況でな
……なんで単発のクセに色々と無駄に背景が複雑なのか? だと?
別にいいだろ!! そこは!! 気にしなくても!! 今は神様の話に集中してくれよ!!
「二人とも知ってるぅ〰? ほんとはねぇ、神様が大っぴらに人間の福徳を願っちゃダメになっちゃったんだぁ〰
完全にダメってわけじゃないんだけどぉ、『福の神』として力を使うなら、ちゃんとした神社に籠って、御利益を与えたら
御利益でげっとした収入の大半をボス神様に上納しないといけなくなっちゃったんだぁ〰
あと、いろいろ制約もあってぇ、あんまり御利益を振りまき過ぎても怒られちゃうんだよぉ〰
世知辛いのは人間社会も、神様界隈も変わんないだなぁ〰〰 って、くたびれちゃったよぉ……」
755 :
良い年越しを! 2/2
[sage]:2024/12/31(火) 22:29:53.16 ID:tAB6uyYko
「あっはい! 上納制度ですよね? 存じ上げております!」
神様の言葉に、黒服が神妙な面持ちで合いの手を打った
俺もこれまでに見聞きしてぼんやり理解したことだが
世の都市伝説やら契約者やらが大っぴらに能力を振るうと色々と面倒くさいことになるのと同じく
この世に姿を現した神様方も大っぴらに神通力を用いると色々と面倒くさいことになるらしい
……世界のなんかの均衡を保つためにも、必要なことらしい。知らんけど
「ごめんねぇ、でもグチグチしてたら、なんだかスッキリしちゃったぁ〰
話を聞いてくれて、ありがとねぇ〰〰」
「あっいえ! 自分らで良ければいくらでもお相手しますんで! なあ!?」
調子よく黒服が応じると、俺の方に同意を求めてきた
なんか田舎の調子いいヤンキーの下っ端的なムーブしてくるんだよな、コイツ
「……そろそろ蕎麦を茹でますね。もう少しでおせちも来るんで」
俺はそれだけ答えて席を立った
お節は彼女さんたちが持ってきてくれる
わざわざ俺んとこで年を越すって言うんだから、何だか気恥ずかしい
「ねぇねぇ!! かのじょとはもう『お💖っくす』、したのぉ〰〰?」
「へっ? えっ? はっ?」
「したのぉ〰〰? まだなのぉ〰〰?? きみもお年頃だし、したいよねぇ〰〰 『おせっ💖す』〰〰」
「いやあのですね!! 俺と彼女さんは!! その!! プラトニックな関係で!!」
「お前まさか嘘だろ!? もう……したのか!? おい、どうなんだ!! 答えろ!! 事と次第によっちゃお前!! マジでお前!!」
「まだだって!! なんでいきなり興奮するんだよ!! やめろよ!!!! 俺のことより蕎麦とかおせちとかに集中してくれよ!!!!」
……なんか話題が急にへんな方向に歪んだ気がする!!
しかも神様だけじゃなく、黒服まで興奮しやがった!! なんだこれ!!
しかも神様はそのロリっとした御姿で、お酒舐めながら卑猥なこと言い出すこの状況が! 色々とアレがなんかヤバい!! ヤバいぞこれは!!
「決めた!! わたし、きみのために御利益をいっぱい振りまいちゃう!!
もうボス神様なんか、怖くないもんねぇ〰〰!! 行くぞぉ〰〰!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!! あそれ!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!!」
うわっマズい!! 神様の御体がなんか金色に発光し始めた!!
神様!! マズいですって!! まだ年明けてませんよ!? おっっ落ち着いて!!!! なんとかしてくれ黒服ゥゥゥゥっっ!!!!
「あ゙あ゙ーーーっっ!! お福様っ!! ヤベーっす!! それ以上神通力を振るうと!!
もれなく『組織』に検知されちまう!! 急激な神通力の高まりを検知されちまいますっっ!!
ヤベーっす!! お福様っっ!! とっっ止まってくだせぇっ!! ヤベーんすよ!!
最良の場合でも俺の上司の上司の……!! とにかくおっかねえ人が来ちまいますっっ!!
最悪の場合ももっとヤベーことになっちまう!! おっっお控えくだせぇ!! どうかっ!! 平にっっ!! 平にっっ!!」
「はっぴぃにゅーいやー〰〰!! 『おせっく💖』できるように!! あそれ!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!!」
なんか俺の股間まで金色の発光を始めやがった!!
なんで?? これはアレか!? 俺、爆発しちまうのか!?
「むふんっ💖 はっぴぃにゅーいやーだよぉ〰〰!! ここにいる全員で はっぴぃにゅーいやー💖 しようねっ!!」
神様!! それはマズい!! というかヤバい!!!!
てか俺の股間が!! 発光が!! ヤバいって!! これはアレが激ヤバな感じでめちゃヤ
【良い年末年始をお過ごしください】
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