都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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750 :ブラックサンタに人権はない、何故なら人ではないから [sage]:2024/12/26(木) 13:38:18.56 ID:sWVnnYwRo
12月24日、クリスマス・イヴ

俺は屋外掲示板にポスターを貼り付けるバイトに従事していた
本来は別でバイトしているのだが、シフトが年末年始に集中した都合か、この時期は絶妙に暇になってしまった
講義もなく、他の連中も彼女その他とよろしくやってるのか飲み会に誘われるなどもなく
今年もクリぼっちで過ごすことになるのかと思っていた矢先、学校町内で超短期のバイトが募集中だったので暇つぶしもかねて応募したのだ


「しっかし……すごい表情だな」


ポスターにでかでかとプリントされているのは、「ブラックサンタ」を名乗るおっさんの顔面だ
血走った両目で見る者をエラい形相で睨みつけ、ガッツポーズを取っているという、なんとも味わい深い絵面だった
おまけにでかでかと映った顔の両脇には「クリスマスをぶっ壊す!!」だの「クリスマスから学校町を守ります!」だのと、これまた香ばしいワードが並んでいる

ポスターのデザイン的に政治活動か何かを彷彿とさせるが、実際のところは何らかのイベントらしい
あと、このポスター掲示は事前に行政の許可を取ってある、という点をバイト前に何度も強調された
よくOK出したな、学校町


「よし……と、まあこんなもんかね」


そもそもポスターを貼り付け可能な場所は限られてるので、持たされたポスターもそれほど多くない
いま貼ったのが最後のポスターなのでこの仕事はこれで終わりだ
と言ってもバイト自体はまだまだ続く。イベントの撤収までが仕事の内だからな
さっさと戻るか










「あ、あー。バイトの諸君、各々の作業、誠にご苦労であった」


急造と思しき仮設プレハブのイベント設営本部
眼前のテーブルには各種料理の数々が並び、バイト数十名を挟んで前方には自称「ブラックサンタ」のおっさんが立っていた
ここがイベント会場ってわけでもないのに、この旨そうな料理はなんだ?


「これより一時間半ほど後に、南区の会場でイベント本番が開催されるのだが
 あ、あー。バイト諸君には、このブラックサンタの衣装に着替えてもらった後に、ブラックサンタ・タンフールーを配布してもらうことになる」


目が若干泳ぎながらも「ブラックサンタ」のおっさんは俺達バイトに今後の段取りについて説明している
若干声が上ずっているが……もしやこのおっさん、緊張してんのか?


「ちなみにブラックサンタ・タンフールーはこんな感じだ。自信作だから今のうちに見といてくれ」


別のスタッフが一番前のテーブルにガラスケースに入ったタンフールーとやらを置いた
バイトの中から変な声が上がったのも無理はない。タンフールーが何だか知らないが
目の前に置かれたそれは、「ブラックサンタ」のおっさんの生首を縦に6段ほど並べてそのまま串刺しにしたおぞましい代物だったからだ

目を凝らしてよく見れば、件のポスターに負けず劣らずの表情をしたおっさんの生首だ
絶妙におっさんの特徴を捉えているところが気持ち悪さに拍車を掛ける
こうして見るとなかなかイカれたデザインだな


「うっわ、キモカワ系じゃん」


そんな感想を漏らしたのは俺のすぐ横の女子だ
密かに視線を向けると、ピアスをバチクソに装備した女子だった。多分俺と近い年齢だ


「事前のテストモニターでは10代女子に好評だった
 何がウケたのかはよく分かっていないが、トロピカルな味わいでまとめたのが決め手だったかもしれん」

「あー、確かにウケそうかも」
751 :ブラックサンタに人権はない [sage]:2024/12/26(木) 13:38:47.05 ID:sWVnnYwRo
おっさんの話し振りから推測するに、これ食い物なのかよ
しかも隣のピアスバチクソ女子もおっさんの話に理解を示したような様子だった
てか、この女子はちょっと俺の好みかもしれん……。とか見惚れてたら女子と目が合ったので咄嗟に視線を外した

ガン見してたのがバレたかもしれん。仕方ないだろ、童貞はこういう女子をついつい見ちゃうんだから


「とにかくだ! それまでの時間は自由なので、くつろいでもらって構わない
 簡易ながらケータリングを手配した。ソフトドリンクもある。費用は全額こちら持ちなので諸君は気にせず食事を取って英気を養ってくれ
 全イベント終了後に打ち上げも実施予定だ。当然代金はこちらで持つ。南区のダイニングバーを貸し切ったので希望者は是非参加してほしい」


おお、このおっさんは胡散臭いがやけに太っ腹だな
てか、たかがバイト如きにここまでする旨味ってなんだ……?


「あのー、ブラックサンタさん。質問いいですか?
 超短期バイトとして応募したつもりだったんですけど、ここまで待遇が良いって聞いてなくて。正直困惑してるんですが
 バイトの私達にここまでしてくれるのは嬉しいんですけど、そちらのメリットって、一体……?」


とか思ってたら、ほぼ思ってたことを代弁してくれる人がいた
眼鏡を掛けた女子のバイト参加者だ


「メリットか……。そう聞かれると答え辛いな
 敢えて言えば、このイベントはかつての同胞達に向けた鎮魂……と言えば大袈裟に聞こえるかもしれないが、少なくとも私は本気だ」


お、なんかおっさんが語り始めたぞ


「もう十何年も前の話になるか。『ブラックサンタ』に『ルベルグンジ』、その他有象無象の連中と一緒にこの学校町に襲撃を掛けたんだ
 丁度この時期だった。だが、仲間のほとんどがこの町の契約者共と、後ろで糸を引いていた『組織』の悪辣な罠によって――」

「全員動くな!!!!! 『組織』DA!!!!!」

「――バカなっっ!? 『組織』だと!? 何故っ!?」


とかやってる内に、なんか黒スーツの連中がプレハブ内部に乱入し始めた。何だこれは?
いきなりの出来事に俺達バイト連中が固まっていると、黒スーツの一人がおっさんを組み伏せて締め上げだした


「お前が『ブラックサンタ』だな!? 無駄な抵抗はYAMERO!! 死にたいのか!?」

「抵抗してないだろ!!!! お前が締め上げるからあだだだだだだだっっ!!!!! やめろっ!!! 離せっっ!!!!!
 俺は今回は能力使って事件起こそうなどとしているわけじゃねえぞっっ!?!? これはれっきとした正当な、おいやめ、あだだだだだだだだっっ!!!!!」

「はーいみなさーん、こっちに注ー目!!」


おっさんが締め上げられて叫んでいる中、ひときわ大きな声が響いた
俺達は思わず声の方向に目をやると、黒スーツの奴がなんかを頭上高くに掲げていた


「いかん!! バイト諸君そいつの光を見るんじゃあなぁぁぁいっ!!!!! 逃げろっ!!!!! 逃げるんだっ!!!!! 逃げ」


急に頭の中が真っ白になった










俺は何故か屋外に突っ立っていた
周囲を見渡すと似たような感じの奴が何人かいた

おかしい、俺はバイトのシフトが年末年始に集中した都合か、この時期は暇で
他の連中も彼女その他とよろしくやってるのか飲み会に誘われるってこともなく、今年もクリぼっちで過ごす予定だったのだが
一体、俺はここで何をしていたんだ? 直前の出来事は何も思い出せん

などと、ちょっとした記憶の空白に混乱していると、黒スーツの人が俺達の注目を集めた
話によるとこの人は警察らしい
752 :ブラックサンタ人権無 [sage]:2024/12/26(木) 13:39:12.74 ID:sWVnnYwRo
「君達は騙されて闇バイトで集められたようです」「主犯格の男は強力なフラッシュを焚いて逃走しました」
「君達はフラッシュの影響で記憶が混濁しているようです」「が、なんの問題もありません」「最近は闇バイトが横行しているからくれぐれも注意するように」
「本来であれば君達から事情聴取が必要なのですが」「主犯格のグループを押さえたので今のところ事情聴取は不要です」「今夜はもう解散していい」
「必要があればこちらから連絡して追加の事情聴取を行うのでその際は指示に従ってください」「というわけでなんの問題もありません」
「不明点があれば警察署の生活安全課に問い合わせるように」「なお気分が優れない者は病院へ搬送するので名乗り出なさい」「すぐに楽にしてやろう」


矢継ぎ早にそんな説明を受け、そういえばそんなことがあったんだったな……という気分になってきた
頭はさっきより大分すっきりしたが、しかしどうも釈然としない
前方を見ると、眼鏡を掛けた女子がふらつく足取りで黒スーツの男達に連行されていた

俺、闇バイトなんかに応募したのか?
いやもういい。こんな日は早く帰ろう


「あの、ちょっといい?」


とか考えてたら、同世代っぽい女子に声を掛けられた
ピアスをバチクソしている女だ
普段はこんなヤバそうな女と関わることはないのだが、よく見ると好みのタイプかもしれん


「闇バイトで騙された同士で呑みません? 自分この後どうせ一人で暇なんで」


いい断り文句も思いつかないので、ついていくことにした
そうだ、酒でも飲んで全部忘れちまおう










そして、12月26日の昼過ぎ

俺はがくがくになった足取りで自分のアパートへ帰る途中だ
あの後、ピアス女子と居酒屋で夕食も兼ねて飲みつつ、いい時間になったので解散しようとしたら
女子に誘われるまま彼女のアパートへ連れ込まれ、そのまま濃厚な「性の6時間」を過ごすことになったのだ

まさか20年近く持て余した童貞を卒業することになるとは思わなかった
なんつうか、めっちゃすごかった
しかもあの女子、見た目は涼しい感じだからそういう系かと思ってたら、意外と全力で甘えてくる系だったらしい
3回やった後のことはもう覚えていない。我に返ったのは日付が変わってクリスマスの明け方だった

その時点でもう帰ろうとしたのだが、女子に押し倒されて「いいじゃん帰んなくても 一緒にだらだらしろ」と耳元で囁かれた後のことはもう曖昧だ
今度はこっちから女子を押し倒して、男の凄さを分からせてやる! とめっちゃ頭に血が上ったことだけは辛うじて覚えている
どうやらその後、性の延長24時間に及んだらしい
そして意識を取り戻したのは今日の昼前だったというわけだ

しかも凄いことに女子と連絡先を交換してしまった
しかし凄かったな。思い出すだけでまた盛り上がってきた
とにかくだ。今年の年末年始もこの女子と会う約束をしたので、今までと違って今年と来年は楽しくなるかもしれない

しかし、めっちゃすごかったな……。思い出すだけでまたもりあがって
753 :ブラ人無 [sage]:2024/12/26(木) 13:39:55.64 ID:sWVnnYwRo
「ふざけるな!! なんだこれは!! 俺はただクリスマス粉砕の決起演説をやるだけのつもりだった!! これのどこが問題なんだっ!!」

「いやもう、『ブラックサンタ』は存在自体が罪、的な?」

「到底納得できんぞ!! お前ら『組織』はウン十年前に『ブラックサンタ』や『ルベルグンジ』を無差別殺戮して、同胞をほとんど全部討伐しただろ!!」

「あー? あー、あったね確かそういえばそんなことも。あった気がするわー」

「今回のイベント開催はその弔いだ!! お前ら『組織』に一矢報いるためのな!! それも能力を使ってテロを狙ったわけでもない!! 今回は一般的な方法で開催された正当な遵法行為だろうが!!」

「それ、『クリスマス中止のお知らせ』みたいなノリですか? リアルインターネット老人会かよ」

「貴様らに俺のイベントを愚弄する資格はないだろう!!!! そもそも!!
 学校町のその辺を徘徊している人面犬がなぜセーフで!! なぜ俺がアウトなんだ!! 大っぴらに能力を使ったわけでもないだろ!!
 なぜ俺を襲撃した!! 理解できるように説明責任を果たせ!!」

「いや、それ決めるのはお前みたいな都市伝説じゃなくて俺達『組織』でーす。都市伝説相手に説明責任なんか果たすわけないだろ」

「不当行為だ!! コンプライアンス違反だろうが!!」

「あ、それはだいぶ認識違いです。都市伝説相手にコンプライアンスなんて守んなくていいんだよ。だって都市伝説には人権ないから」

「なんだと!? ふざけるな!! 横暴にもほどがあるだろ!!」

「あー、さっきから大声で暴言吐くのやめてもらっていいです?
 俺達『組織』は都市伝説相手にコンプライアンスを守んなくてもいいんだけど、お前ら都市伝説が『組織』に暴言や暴力を振るえば立派なコンプライアンス違反なんで。お分かり?」

「[ピーーー]!! [んでんでんでwww] そんなバカな話があるか!! もういい、お前達過激派では話にならん!! Dナンバーを呼べ!! 最低でも穏健派の黒服を連れてこい!!」

「いや穏健派なんか呼んだらこっちの都合が悪んで、お前の処分は俺達で決めまーす
 それに話聞いてた? 都市伝説には人権がないから黙秘権もないわけよ
 拷問でもなんでもし放題だから、お前が『テロ起こすつもりでした』って認めるまでなんでもし放題なんだけど? 口の利き方気をつけたら?」

「チ、チクショー!!!! 踏んだり蹴ったりじゃねえか!!!! こんな理不尽が許されていいのか!!!! おのれ『組織』!!!! 絶対許さんからな!!!! クソが!!!!」










そして私はこの後、なんとか『組織』から逃走することに成功した

私は致命的な思い違いをしていたようだ
こちらが超常的な手段によらず正当な方法で世に訴えれば『組織』も表立った妨害をしてくることはないと

今回の一件でそれが間違いだったということが明らかになった
私が間違っていた
今後は手段を選ばず、クリスマスと「組織」の二頭巨悪をぶっ壊す所存だ

私の主張に賛同してくれる方は、是非とも高評価とチャンネル登録をお願いしたい


クリスマスと「組織」を、ぶっ壊す!!!!!!
                                                  ――「ブラックサンタ」
754 :良い年越しを! 1/2 [sage]:2024/12/31(火) 22:27:13.89 ID:tAB6uyYko




 「組織」の黒服がいきなり俺ん宅に「福の神」を連れて来た
 しかも暫く預かってほしいと言い出した
 現在、大晦日のだいぶいい時間を回った頃合いだ

 かくして俺と黒服と「福の神」様はダイニングを囲っているというわけだ


「ほんとはねぇ〰、他の神様たちと落ち合うために、お忍びでとコッショリ学校町にやって来たんだぁ〰
 そしたら道に迷っちゃうし、この町なんだかあっちこっちで不穏な感じだし、お腹空いたしでぇ泣きそうだったんだよぉ〰
 しかも『すまっほ』に土地神ちゃんからお電話あってぇ、なんかおっきなトラブルがあってぇ、その対処で他の神様たちが総動員しててぇ
 それが片付くまで、わたしは待ってて、って言われたんだよぉ〰」


 神様は上座に収まって俺の私物である清酒を舐めながら涙目だった
 ちなみに神様の御姿はあからさまに未成年女子のそれである
 眼前の状況が完全に飲酒法に抵触してるかなりアレな感じだ

 ……なんで高校生の独り住まいな俺が清酒なんか持ってるのか? だと?
 別にいいだろ、そこは気にしなくても。今は神様の話に集中してくれよ

 ここで話を強引に逸らすために一つトリビアだが、神様は「すまっほ」ことスマホの使い方に詳しくないようで
 俺たちがその使い方を簡単にレクチャーするまで、掛かってきた電話に出ることしか出来ない状態だったらしい


「というわけでぇ、なんだけどぉ、神様たちがお迎えに来るまで、此処に居させてぇ〰! おねが〰い!」

「そりゃ勿論、構いませんよ」


 俺は即答で言い切った後、ややあって黒服へと顔面を向けた
 呆けた顔でこちらを見返していたが、俺の突き刺す眼差しを更に眼力強めにするとようやく察したようだ


「いや、他の神様から連絡が来たんだよ! 俺に! お福様を保護してほしいって!!
 慌ててお福様を探し出して、その後は『組織』で保護する……ってワケにもいかねーだろ!?
 つーわけで、申し訳ないがお前ん家にだな……」

「ごめんねぇ〰……迷惑だよねぇ〰〰……」

「あっいや!! 決してお福様のせいでは!!」


 黒服の言葉に神様がションボリすると、黒服は慌てて追加説明を繰り出した。俺に向かって、早口で


「今だからこそ穏健派が優勢だからともかく、昔は過激派とか強硬派とかがやりたい放題やってたんだよ!
 当然、世の神様たちにも全方位にケンカ売る感じで! 俺も又聞きだからよく知らんけど!
 幸運系の神格を監禁してやりたい放題やってた連中だろ!? 今は穏健派と中立派が優位に立ってヤバい連中を抑え込めてるかもしんねーけど!
 『組織』はそんな安全な場所じゃねーし! 最悪、穏健派だか中立派だかの偉い連中が神様を前にして欲に目が眩むってリスクもありうるだろ!?
 信頼できんのお前しか居ねーんだし!!」

「たしかにそうだよねぇ〰、大体びっぐねぇむな神様たちは、お金持ちとか大企業とか大神社とかが囲い込んでたりするからねぇ〰」


 何やら「組織」に批判的というか警戒心を隠そうとしないこの黒服だが
 事実、コイツは自分が繋がれている「組織」という組織についてあんまり信用も信頼もしてないらしい

 ついでに言うと、俺も色々と紆余曲折あったが「組織」という組織を信用していない

 さらについでに言うとだな、俺は「組織」所属じゃないぞ
 ちなみにこの黒服は当然、俺の担当黒服でもなんでもない
 じゃあ何なのかと言うと、この黒服は俺の大事な彼女さんの担当である
 そもそもの話、俺の彼女さんは色々あって「組織」に繋がれてしまっている状況でな


 ……なんで単発のクセに色々と無駄に背景が複雑なのか? だと?

 別にいいだろ!! そこは!! 気にしなくても!! 今は神様の話に集中してくれよ!!


「二人とも知ってるぅ〰? ほんとはねぇ、神様が大っぴらに人間の福徳を願っちゃダメになっちゃったんだぁ〰
 完全にダメってわけじゃないんだけどぉ、『福の神』として力を使うなら、ちゃんとした神社に籠って、御利益を与えたら
 御利益でげっとした収入の大半をボス神様に上納しないといけなくなっちゃったんだぁ〰
 あと、いろいろ制約もあってぇ、あんまり御利益を振りまき過ぎても怒られちゃうんだよぉ〰
 世知辛いのは人間社会も、神様界隈も変わんないだなぁ〰〰 って、くたびれちゃったよぉ……」




 
755 :良い年越しを! 2/2 [sage]:2024/12/31(火) 22:29:53.16 ID:tAB6uyYko
 



「あっはい! 上納制度ですよね? 存じ上げております!」


 神様の言葉に、黒服が神妙な面持ちで合いの手を打った


 俺もこれまでに見聞きしてぼんやり理解したことだが
 世の都市伝説やら契約者やらが大っぴらに能力を振るうと色々と面倒くさいことになるのと同じく
 この世に姿を現した神様方も大っぴらに神通力を用いると色々と面倒くさいことになるらしい
 ……世界のなんかの均衡を保つためにも、必要なことらしい。知らんけど


「ごめんねぇ、でもグチグチしてたら、なんだかスッキリしちゃったぁ〰
 話を聞いてくれて、ありがとねぇ〰〰」

「あっいえ! 自分らで良ければいくらでもお相手しますんで! なあ!?」


 調子よく黒服が応じると、俺の方に同意を求めてきた
 なんか田舎の調子いいヤンキーの下っ端的なムーブしてくるんだよな、コイツ


「……そろそろ蕎麦を茹でますね。もう少しでおせちも来るんで」


 俺はそれだけ答えて席を立った
 お節は彼女さんたちが持ってきてくれる
 わざわざ俺んとこで年を越すって言うんだから、何だか気恥ずかしい


「ねぇねぇ!! かのじょとはもう『お💖っくす』、したのぉ〰〰?」

「へっ? えっ? はっ?」

「したのぉ〰〰? まだなのぉ〰〰?? きみもお年頃だし、したいよねぇ〰〰 『おせっ💖す』〰〰」

「いやあのですね!! 俺と彼女さんは!! その!! プラトニックな関係で!!」

「お前まさか嘘だろ!? もう……したのか!? おい、どうなんだ!! 答えろ!! 事と次第によっちゃお前!! マジでお前!!」

「まだだって!! なんでいきなり興奮するんだよ!! やめろよ!!!! 俺のことより蕎麦とかおせちとかに集中してくれよ!!!!」


 ……なんか話題が急にへんな方向に歪んだ気がする!!
 しかも神様だけじゃなく、黒服まで興奮しやがった!! なんだこれ!!
 しかも神様はそのロリっとした御姿で、お酒舐めながら卑猥なこと言い出すこの状況が! 色々とアレがなんかヤバい!! ヤバいぞこれは!!


「決めた!! わたし、きみのために御利益をいっぱい振りまいちゃう!!
 もうボス神様なんか、怖くないもんねぇ〰〰!! 行くぞぉ〰〰!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!! あそれ!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!!」


 うわっマズい!! 神様の御体がなんか金色に発光し始めた!!
 神様!! マズいですって!! まだ年明けてませんよ!? おっっ落ち着いて!!!! なんとかしてくれ黒服ゥゥゥゥっっ!!!!


「あ゙あ゙ーーーっっ!! お福様っ!! ヤベーっす!! それ以上神通力を振るうと!!
 もれなく『組織』に検知されちまう!! 急激な神通力の高まりを検知されちまいますっっ!!
 ヤベーっす!! お福様っっ!! とっっ止まってくだせぇっ!! ヤベーんすよ!!
 最良の場合でも俺の上司の上司の……!! とにかくおっかねえ人が来ちまいますっっ!!
 最悪の場合ももっとヤベーことになっちまう!! おっっお控えくだせぇ!! どうかっ!! 平にっっ!! 平にっっ!!」


「はっぴぃにゅーいやー〰〰!! 『おせっく💖』できるように!! あそれ!! はっぴぃにゅーいやー〰〰!!」


 なんか俺の股間まで金色の発光を始めやがった!!
 なんで?? これはアレか!? 俺、爆発しちまうのか!?


「むふんっ💖 はっぴぃにゅーいやーだよぉ〰〰!! ここにいる全員で はっぴぃにゅーいやー💖 しようねっ!!」


 神様!! それはマズい!! というかヤバい!!!!
 てか俺の股間が!! 発光が!! ヤバいって!! これはアレが激ヤバな感じでめちゃヤ





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