速水奏「ピカレスクロマン」

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1 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/04(土) 22:49:51.96 ID:W1ZQLmn/0
初投稿です

速水奏「不意に会心の一撃」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509287732/

こちらの続きになります、性的描写あり

あらすじ:Pが奏に告白した
2 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/04(土) 22:51:12.98 ID:W1ZQLmn/0

どれだけ夜が深くなっても、私は眠れなかった。いくらベッドに潜り込み、いくら強くまぶたを閉じようと、あのときの彼の顔が浮かび上がる。

『奏、俺は』

耳を塞いでも、あの言葉が私から消えることは無く、ずっと残り続けている。

『俺は、奏の事が』

外は雪が降っていたと思う。この部屋も、暖房を入れていないし、それなりに寒いはずだ。でも、私の身体はそれと無関係に火照っていて、じんわりと汗をかいている。

心臓がうるさい。血液の流れがうるさい。自分の荒い呼吸がうるさい。

『ずっと…初めて会ったときからずっと』

「…」

私は、何も言えなかった。彼のあの言葉から、あの一言から、逃げ出した。

3 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/04(土) 22:52:46.65 ID:W1ZQLmn/0

私はずっと、気づいてないと思っていた。気づかれないままだと思い込んでいた。「気づかれて欲しかった。

知って欲しかったから挑発して、見られたかったから距離を詰めた。恥ずかしさを隠すために強がって、大人な振りをして、背伸びをした。そんなことを、3年も繰り返した。

でも、気づけていなかったのは私の方。

彼が、ずっと抱えていた私へのそれを、私は一番近くにいたのに知らなかった。

そうして、さっき知ったばかりのその気持ちから、私は何も言わず逃げ出してしまった。

「…」

ベッドのそばに脱ぎ捨てたコートのポケットからスマートホンを取り出し、彼に一言だけメッセージを送る。

〈今どこにいるの?〉

2分ほどして、スマートホンが震えた。

〈事務所だ〉

〈分かった〉

彼に返信して、コートを着直して内ポケットにスマートホンを入れる。化粧台に置いていた赤いマフラーを巻いて、玄関で乱暴に脱ぎ捨てた靴を履いて、私は雪空の下に出た。その間、数回内ポケットが振動したけれど無視をした。

彼に会いたかった。逃げ出してしまった彼の思いに、ちゃんと応えるために。気づいて欲しかった私の思いを、伝えるために。

雪が舞う中、私は走り出す。積もりかけていた雪の絨毯には、私の足跡だけが残っていった。

4 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/04(土) 22:54:51.22 ID:W1ZQLmn/0
今回はここまでです、明日から性的描写が入ります

皆様に砂糖を吐かせられるように頑張ります
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 00:42:51.72 ID:2Lh2M8W/o
砂糖吐いた
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 09:39:38.14 ID:RP/1S8BUo
精子でた
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 12:07:51.12 ID:oednitzcO
限定まゆでた
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 16:47:36.31 ID:K/cOVPN1O
>>7
吊るしたぞどうする
9 : ◆U.8lOt6xMsuG :2017/11/06(月) 01:38:00.63 ID:+KOxMEhE0
遅くなりました、再開します(今更本来のスレタイと間違えていて内容書き直してたとか言えないよなぁ…)
10 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:39:10.12 ID:+KOxMEhE0
言い忘れておりました、奏さんとPは二人で組んでから3年ほど経っています
申し遅れていましたね、すいません
11 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:41:09.25 ID:+KOxMEhE0

◆◇◆

「奏…来た、のか…」

彼は、仕事部屋にやってきた私に困惑していたようだ。部屋の扉を開けて立ち尽くしている私の頭や肩に積もっていた雪をその手で払うと、ばつが悪そうに、重苦しい顔をする。

「ここまで…歩いて来たのか?」

「…いいえ、走ってきたわ」

「…そうか」

彼の表情には陰りがあって、何かを後悔しているみたいだった。数秒の長い静寂の後、彼はまた重苦しく口を開く。

「奏…さっきの俺の言葉だが」

「もう一度」

「え?」

『忘れてくれ』と彼は言うつもりだったのだろう。私はそう言われる前に遮って、彼に一つお願いをする。

「もう一度…私にさっきの言葉を言って」

12 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:42:44.12 ID:+KOxMEhE0

「…言えるわけ、ないだろうが」

「お願い」

「俺は…俺は、奏の、お前のプロデューサーなんだぞ。あんな事…」

分かってる、そんなこと。私と貴方は、プロデューサーとアイドルの関係。彼の私への思いはきっと、許されないもの。そして、私から彼への思いも同じだろう。

私はそれを、これまでに何度も忘れようとした。無かったことにしようとした。あこがれと恋慕をはき違えたものだと、自分を説得しようと何度も言い聞かせた。

「だけど」

だけど。出来なかった。消えなかった。私の思いは、変わらず消えることは無かった。

だから。

「応えたいから」

彼へのあの言葉に、ちゃんと応えたい。彼へのこの気持ちを、ちゃんと伝えたい。

「私も同じだから」

「……は?」

「Pさん、私も…私もずっと、Pさんの事が」

そこまで言いかけて、急に視界が暗くなった。冷えていた私の顔が、体温で暖められる。雪で濡れた背中まで、腕を回される。

今度は私の言葉が、彼に遮られたようだ。

急な彼の抱擁に戸惑いつつも、私は息苦しくならないように顔の位置を変える。

「…Pさん?」

「…奏、ごめん」

震えた声で、彼は私に謝った。そして、絞り出すように私にお願いをしてきた。

「そこから先は…俺に言わせてくれないか?」

13 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:43:11.40 ID:+KOxMEhE0

「…わかった」

「…奏」

「うん」

「好きだ」

「うん」

「初めて会ったときからずっと…今までずっと…奏の事が、好きだ」

「うん」

「…こんな、情けなくてごめん」

「ううん」

私はお返しにと、彼の背に腕を回し、ぎゅっと、抱きつき返す。そして近くなった彼の顔へ、足りない分は背伸びをして、

「んっ…」

唇を重ねる。私と彼との、初めてのキスは、今までで一番近くて暖かかった。

14 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:43:52.52 ID:+KOxMEhE0

背伸びをやめて、唇を離す。押しつけた唇には、少しだけコーヒーの香りが残っている。

彼の顔をのぞき込む。瞳には、満足そうな、照れているような、私の顔が映り込んでいる。

「私も…好きよ」

瞳の中の私は、彼への言葉を紡いでいる。今まで言えなかった事を、嘘のように簡単に伝えている。

それからまた、彼の身体に顔を埋めた。彼は強く抱き締めてくれた。とても暖かかった。

「ねぇ…Pさん」

「…なんだ」

抱き締め合ったまま、互いの顔が見えないままに言葉を交わし合う。

「外…雪が降ってるの」

「…ああ」

彼の身体が少しだけ強ばる。私は全身でそれを感じながら、また新たに彼にお願いをした。

「家まで…送ってほしいの」

15 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:44:45.60 ID:+KOxMEhE0


◆◇◆

俺はあのとき、どんなことをしていたのか自分でもよく分かっていない。

気がついたら奏の身体を抱き締めていて、奏への思いを再び伝えいて、奏と唇を重ねていて、奏に愛を囁かれた。

それから奏のお願いを聞いて、隣に奏を乗せ、彼女のマンションへ向かっている。

俺たちの間には会話は無く、時折フロントガラスの雪をどかすために動いているウィンカーが音を出しているだけだった。

俺も奏も、何を言えばいいのか分からなかったのだと思う。奏は、どんなことを考えて居たのだろう。

その間、『俺はプロデューサーとしてどうなんだ』と自問自答し続けた。どれだけ考えても、『俺は悪人だ』という答え以外出なかった。世間にバレたとき、俺一人の首だけで済めばいいと願った。

マンションの駐車場に着いてからも、互いに何も言わなかった。

ただ、エレベーターに並んで乗り込んだとき、首下の赤いマフラーにも負けないくらいに奏の顔が朱に帯びているのが分かった。

『家まで送って欲しい』という奏の言葉に込められた言外の意味を理解出来ないわけもなく。

「あっ…」

「…」

俺は、少し震えている奏の手を握った。その震えは寒さから来るものか、それとも…。

くだらないことを考えている内に、エレベーターは奏の部屋がある階に到着した。手を握ったままエレベーターから降りて、部屋を目指す。

「待ってて」

奏がそう言い、コートのポケットから鍵を取り出す。開けられたドアをくぐり、奏の部屋に踏み入れる。

部屋の前まで来たことは幾度かあるものの、中に入ったことは一度も無く、奏のプライベートな空間に立ち入った気がして、どうしてか罪悪感を覚える。
16 : ◆U.8lOt6xMsuG [sage saga]:2017/11/06(月) 01:46:18.27 ID:+KOxMEhE0
今回はここまでです、続きはまた

『性的描写が入る』と言いましたね、アレは成し遂げられませんでした
そうなったのは私の責任だ、だが私は謝らない
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