ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」

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784 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2026/10/29(木) 01:31:10.74 ID:w/7n+dTA0
…二日後…

アンジェ「それで、具合は?」

ドロシー「微熱は収まったよ……今じゃあ結構な熱さ」

アンジェ「まったく、そんな軽口を叩く暇があるなら早く治しなさい。うつるといけないからプリンセスとベアトリス、それとちせには数日ほど部室に来ないよう伝えておいたわ……まったく、おかげでベアトリスにプリンセスを独り占めされていい迷惑だわ……」

ドロシー「えほっ、ごほっ! ……すまん、聞き損ねた。何か言ったか?」

アンジェ「いいえ。それでなくても手が足りないのに迷惑だって話よ……食欲は?」

ドロシー「それがあるから困るんだ。今なら一ポンドもあるステーキだって平らげられそうだ」

アンジェ「結構なことね……ベアトリスは節制しろなんて言っていたけれど、栄養は取った方がいいわ。ゆで卵を多めに作っておいたからあとで食べるといいわ」

ドロシー「卵ってのは分かりやすく栄養があるからな。助かる」

アンジェ「ここで戦力が減ると活動に悪影響が出るからよ……それはそうと、今日も監視対象に目星をつけるため歩き回ることになる。くれぐれも途中でひっくり返ったりしないでちょうだい」

ドロシー「なんとも慈悲深いお言葉で……まったく感激だ」

アンジェ「茶化すのはよして。ともかく三角推測法で推定したのは市街のこの辺り……あとは候補となる建物を監視、いずれやってくるであろう中継役や管理官と思われる人物を突き止める」

ドロシー「仕出し屋から商店の御用聞き、通いのメイドや何かまですべて調べなきゃならないとなったら大変だが、こちとらだってトーシロじゃあない。ある程度同業者かどうかのあたりは……へっくし!……つけられるはずだからな」

アンジェ「そういうことね」

ドロシー「それじゃあ行くか」

アンジェ「ええ」

…ロンドン市内・ティールーム…

アンジェ「……」

ドロシー「……いま角を曲がって来たやつ……シルクハット、片眼鏡、銀の鷲飾りがついた黒檀のステッキ」

アンジェ「いいえ……それより建物に入ろうとしている茶色の山高帽、白い口髭の男」

ドロシー「いや、あいつは住人だ……近所のパブで飲んでいるのを見た」

アンジェ「車から降りたクリーム色のドレスに薄緑のショール、日傘の女」

ドロシー「いま日傘をたたんだ金髪の女か……いや、動きがバタバタしていてそうは見えない」

…ティールームでお茶のセットを前に監視を続ける二人……味わい深いダージリンのポットに、しっとりしたきゅうりのサンドウィッチ、さくっと焼けているスコーンに塗る甘酸っぱいイチゴジャムとクリーミーなクロテッドクリーム、小ぶりで上品なケーキたち……えらそうなご婦人方ほどではないが、かといってティールームに不相応というほどでもない程度にきちんとした格好で、ただ穏やかに過ごしているような印象を与える…

アンジェ「あの御用聞きは?」

ドロシー「うーん、それらしい気もするが……いや、違うな」

アンジェ「あまり長居をしていると人目をひく。そろそろ出ましょう」

ドロシー「ああ……次はあの緑地のベンチで」

アンジェ「ええ」

…数時間後…

アンジェ「ドロシー、定時連絡もあるし私は先に引き上げるわ」

ドロシー「あいよ……結局「当たり」はなしか」

アンジェ「そんなものよ。この世界は地道な活動が基本よ。それじゃあ後で」

ドロシー「ああ」

アンジェ「……そういえば向こうの通りに薬局があったわ。帰りに咳止めシロップと鼻の薬でも買ってきたら?」

ドロシー「そうだな、そうするよ」

アンジェ「ええ、それじゃあ」

ドロシー「……咳止めシロップね。今は確かに必要かもな」

ドロシー「ふぇっ……くし!」

………

…
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