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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】
- 802 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 22:39:32.91 ID:0b5Kxw0qO
- 5
- 803 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 22:39:45.37 ID:L5Bihe55O
- 4
- 804 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/17(土) 23:03:01.76 ID:sfxwHY28o
-
では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
月曜日は諸事情でお休みとなります
東郷「…………」
東郷(そういえば、久遠先輩を妊娠させたのは悪五郎さんという男性型妖怪ではあるけれど)
東郷(普通のような妊娠ではなく、霊力の融合による疑似的に近い妊娠だったはず)
東郷(つまり、力を放出することさえできれば、妊娠させられるしできるのでは!?)
友奈(あの東郷さんの顔は、真剣だけどダメな方に真剣なんだろうなぁ)
- 805 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 23:14:32.46 ID:a/so74TDO
- 乙
久遠さんがバラまくならまだしも久遠さんが受ける方なら野球チーム組めるくらい出産しなきゃ行けなくなっちゃう
……別にいいか
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 23:18:17.08 ID:L5Bihe55O
- 乙
そんなダメな方向にまで諦めの悪さを出さんでも…w
にしても久遠さんは万全なら神ともやり合える力を持ってるのに代償が重すぎてチートに見えない不思議
- 807 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 14:42:09.00 ID:o/f6Y+iIo
-
では、少しずつ
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 14:44:10.47 ID:Z76ahZMIO
- あいよー
- 809 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 15:33:13.19 ID:o/f6Y+iIo
-
東郷「久遠先輩から指名されるとは思いませんでした」
天乃「そう? 東郷のこと、結構呼んでると思うわ」
東郷「いえ、お昼の件があったからです」
誰か別の人を誘うかと思った
そうつぶやく東郷に、天乃は「だから呼んだの」と、返す
天乃「聞いたわよ。悩んでたって」
東郷「友奈ちゃんからですよね……やっぱり」
分かり切った表情で言いながら、
東郷はそういう方向での呼び出しですよねと少しばかり残念そうな態度を見せる
夜ということもあって、
少しだけ、期待させてしまったのだろうか
けれど、場合によってはそういうことも必要かもしれないと天乃は思う
今でこそ、だいぶ落ち着いてきているため、
天乃から必要になってくるような状況にはなっていないが、
自分が必要だった時にさんざん相手をしてもらって、
不要になったから一切受け付けない。なんていうのは
性的関係にかかわらず最低なことだろうから
- 810 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 16:30:09.49 ID:o/f6Y+iIo
-
東郷「確かに、悩んでいることは事実です」
予定通りに奉火祭を行うという宣言をされてしまった上に
自分たちでは力不足だと明言されて
ただでさえ何もできない状況で、絶望的な現実がより明確になった
いや、明確になったなどというものではない
もはや逃れられない現実となった
奉火祭だけでも阻止することは可能だが、
それだけでは何の解決にもなりはしない
東郷「ですが、どれもこれも思い浮かぶのは無謀なことばかり……確かに、言われたことは事実だと痛感してしまって」
考えつくことをやるだけ無駄
自分たちでは力不足で役者不足
どれもこれも、勇者部の中の誰かが犠牲にならなければならない
だから、考えるのももはや無意味なのではないかとまで、思えてしまう
ぼーっとしていていいとは思わないが
考えれば考えるほど、
考えの浅はかさと、無謀さに笑いさえこみあげてきてしまう
- 811 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 16:54:56.71 ID:o/f6Y+iIo
-
東郷「でも、だからと言って無理なことはしないので安心してください」
天乃「その言葉、信じてと言われると信じるのは少し難しくなりそうだけどね」
東郷「……ふふっ、確かに」
阻むべき奉火祭の実行宣言に加えて、時間のない状況で、
無謀な考えしか浮かばないと言った後のこれだ
信じたくても信じられない
だが、本当に無理なことをすることはできないと東郷は言う
東郷「でも、どちらの命が失われても、久遠先輩の心は酷く傷つきますから」
だが、自分たちが無理をする事
ましてや命を失うようなことになる方が最もひどい傷になることは良く分かっている
天乃が値踏みしているわけではなく、
銀の犠牲があっての今だからこそ
戦友の犠牲で得られる未来など喜ぶことは難しいのだ
東郷「ですから、こうやってお呼び戴かなくても、私は大丈夫です」
1、そう。じゃぁ、エッチなことも必要ないわね
2、ねぇ……東郷はお祖母ちゃんの考えてる代案が何なのかわかる?
3、ごめんね。信じてはいるの。でも、どうしても不安になっちゃって
4、奉火祭を止める力はなくても、6人の代わりになる力はある。それも使わないって約束できる?
5、最悪……奉火祭は諦めるかもしれないわね
↓2
- 812 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 16:57:41.70 ID:WH07ACan0
- 3
- 813 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 16:58:16.64 ID:Z76ahZMIO
- 2
- 814 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 17:28:39.36 ID:o/f6Y+iIo
-
天乃「なら……大丈夫かしら」
東郷「大丈夫。とは?」
天乃「答えがわかってても無理をしないわよねっていう意味」
東郷「それはできれば……いえ、なんでも」
天乃を困ったように見ながら、
何かを言いかけ、東郷は結局言わなかった
鏡を見ていってください。
一番無理をする可能性は久遠先輩です
きっと、似たようなことは友奈がもう言っているはずだと思ったからだ
念押しするのも悪くはないが
余り連続して言うと、今は余計な気持ちにさせてしまいそうだったのだ
天乃「……気になるのだけど」
東郷「きっと、友奈ちゃんが伝えているので」
天乃「……しないわよ。貴女達と一緒」
話の流れから
どうせそういうことだろうと判断した天乃は
どこか呆れ混じりに言いながら互いの不安の駆け引きを流す
天乃「ねぇ、東郷はお祖母ちゃんの考えてる代案が何なのかわかる?」
- 815 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 17:55:48.16 ID:o/f6Y+iIo
-
東郷「久遠先輩……」
眉を寄せ、少し下りた瞼と隠れた瞳
流し目に近い視線となったそれは、俗にいうジト目と呼ばれるものの類で、
東郷の考えていることが手に取るように分かった
この人は何を言ってるんだろうか。とか
無理はしないって言いましたよね? とか
疑い半分、呆れ半分、おまけに不安もあるだろう
天乃「するつもりはないし出来ないし、出来てもやらないから。ね?」
東郷「信用できませんっ、さっきの今でこんな話をするなんて」
無理をすると言ってるようなものじゃないですか。と
東郷は唇を尖らせて、そっぽを向く
天乃「少なくとも子供を産むまでは何もできないでしょう。でも、子供が産まれてからじゃ奉火祭を止めるのは間に合わない。それで、納得してくれない?」
東郷「無理で道理を吹っ飛ばしそうなので納得はできません
天乃「さすがに、そこまでは……」
東郷「でも、子供を危険に晒すようなことはしないって信じます」
自分たちもまだ子供であることは置いておいて、
今、天乃のお腹の中にいる子供だけは絶対に危険に晒さない
それは絶対に信頼できるはずだと、東郷は言う
天乃は「なら初めから無理しないこと信じてくれてても……」とつぶやくのが聞こえたが、
あえて、聞こえなかったことにする
- 816 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 18:17:18.91 ID:o/f6Y+iIo
-
焦らしたつもりはないが、期待させるような雰囲気にはなってしまっただろう
天乃の伺う視線を感じた東郷は、ぐっと唇をかんで、頭を下げる
その期待には応えたい。だが、答えられるものがなかった
東郷「正直に言いますが、おばあ様の考えている代案は全く分かりません」
西暦時代や、神世紀初頭に行われていたかもしれない儀式など
そういった部分を含めた神聖的な面における知識が全く足りていないからだ
どのような策が、神樹様や天の神に対してどのような影響を与えることになるのか
それが分かっていないから、
どうしたら、奉火祭が必要なくなるのかが考えられない
考えられるとしたら……と、東郷は切り出す
東郷「勇者の力を使って、天の神……バーテックスの親玉を倒すことくらいです」
天乃「神様が相手なのだとしたら、みんなが力不足だと断言されるのもおかしくはないわね」
東郷「それはそうですが……さすがに、そんな稚拙な考えではないかと」
今の結界の外の状況が、
祖母が語っていたように、勇者でさえ、その命が削られてしまうような状態なのであれば、
親玉が出てくる前に憔悴しきって潰れるのがおちだ
東郷「もっと別の、そうですね……神樹様の寿命に関しても併せて解決できるような手段だと思います」
- 817 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 18:29:31.16 ID:o/f6Y+iIo
-
天乃「神樹様の寿命ね。例えば、倒した敵の力を吸収するとか?」
東郷「久遠先輩、出来るんですか?」
天乃「どうかしら。試したことはないのだけど……」
神樹様の力に、穢れの力
特に、バーテックスの力に近いかもしれない穢れの力を蓄えることができているのだ
万全の状態から、無理をするならば可能かもしれない
もちろん、それはやっぱり命懸けだ
天乃「出来ないとは、言えないわね」
東郷「いえ、出来ないと言ってください。さすがに、三種類目の力なんて体に入れたら久遠先輩が壊れてしまう」
体も、心も
きっと、耐えきれなくなって崩壊してしまうだろう
これは、精神力や、努力、根性などといったものでどうにかできる範疇を超えてしまっている
東郷「抜け殻のようになってしまった久遠先輩なんて……見たくない」
天乃「……そうね」
そうっと、東郷の手に触れて、囁く
天乃「出来る出来ないの話だけでそんな顔されてしまうのだもの。出来るはずがないわね」
東郷「冗談じゃ、ありませんから」
天乃「ええ、わかってる」
- 818 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 19:02:15.26 ID:o/f6Y+iIo
-
東郷たちは、天乃と一緒にいることで
瀕死の恐怖を何度もまじかで見せられた
その時の心の痛みを繰り返し感じてきた
けれど、慣れるわけがない、慣れられるわけがない
そんなの嫌だ
必ず戻ってきてくれる?
強いから信頼して見送ることができる?
バカバカしい、ありえない
そんなのただ諦めているだけだ
今度は戻ってこないかもしれない
ベッドの上で、目をつむるその顔には白い布がかぶせられてしまうかもしれない
その恐怖から、目を逸らしているだけだ
東郷「……少なくとも、私にはできない」
天乃「なにが?」
東郷「死地へ、見送ることが。です」
戦艦などが好きだから、日本にそう言った歴史があったことは知っている
けれど、戦いに散った英霊たちの妻や彼女、女の気持ちまでは分からない
もしも、お国のためだと見送ることができたのならその心が知りたい。と、東郷は思った
東郷「久遠先輩、私は……私はもしも久遠先輩を犠牲にしなければいけない世界なら……その時は」
天乃「……そうならないように、みんなで。頑張っているのでしょう?」
言わせない
世界なんて滅ぼしてしまうかもしれない
そんな言葉は、東郷の口から言わせないように、天乃は【みんなで】という言葉を強調して、諭した
- 819 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 19:26:25.98 ID:o/f6Y+iIo
-
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流有(銀の墓参り)
・ 犬吠埼風:交流無()
・ 犬吠埼樹:交流無()
・ 結城友奈:交流有(無理はしないで)
・ 東郷美森:交流有(銀の墓参り、祖母の代案)
・ 三好夏凜:交流有(男の子に告白)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 白鳥歌野:交流無()
・ 藤森水都:交流無()
・ 郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・ 九尾:交流無()
・ 神樹:交流無()
11月14日目 終了時点
乃木園子との絆 84(高い)
犬吠埼風との絆 107(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 94(とても高い)
結城友奈との絆 114(かなり高い)
東郷美森との絆 126(かなり高い)
三好夏凜との絆 147(最高値)
乃木若葉との絆 99(かなり高い)
土居球子との絆 44(中々良い)
白鳥歌野との絆 44(中々良い)
藤森水都との絆 36(中々良い)
郡千景との絆 45(中々良い)
沙織との絆 127(かなり高い)
九尾との絆 68(高い)
神樹との絆 ??(低い)
- 820 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 19:36:01.86 ID:o/f6Y+iIo
-
√ 12月1日目 朝(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 友奈
21〜30
31〜40 風
41〜50
51〜60 夏凜
61〜70
71〜80
81〜90 樹
91〜00
↓1のコンマ
- 821 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 19:37:19.95 ID:/If15CNEO
- あ
- 822 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 20:13:47.68 ID:o/f6Y+iIo
-
√ 12月1日目 朝(病院) ※月曜日
月が明け、12月になった
日が落ちるのもだいぶ早まり、寒々しさも増した病室の中は、
特別の特別。と
本来病室にはおかれないような高そうな暖房器具が置かれることとなり、
ほとんど一日中、温かい部屋になった
園子「ふぅ〜……ぬくぬくだよぉ〜」
東郷「もうっ、そのっち! そろそろ行かないと遅刻になっちゃうわ」
園子「あと2分〜」
東郷「その2分でエレベーターが来るかもしれないし、信号がちょうど青になるかもしれないの」
夏凜「あとはそうね、コンビニから出てくる車一台分とか」
樹「シビアな世界だねぇ」
風「シビアというか余裕がないというか……まぁ実際、5分も待ってたら瞳さんが困るわけだけど」
苦笑いを浮かべながら、
部屋全体を温めるために置かれたヒーターの前で膝を抱える園子の襟首をつまむ
風「車の中をあったかくしてくれてるから、行くわよ園子」
園子「うわぁ〜天さ〜んーっ!」
天乃「行ってらっしゃい」
沙織「寒くなって賑やかになったね」
天乃「園子がね」
廊下に連れ出された瞬間、上がった園子の悲鳴と
驚き戸惑う風の声
飛びつかれたのだと廊下に顔を覗かせた友奈の慌てて出ていく姿を目で追って、
天乃は小さく息をつく
天乃「元気出しすぎて、教室で寝ないようにしてね、東郷」
東郷「見張っておきます」
びしっと決めて、出ていく東郷と、「放課後ね〜」と、出ていく沙織
学校に通うみんながいなくなった病室は途端に静まり返って
別の意味で、寒さを感じさせる
- 823 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 20:21:18.99 ID:o/f6Y+iIo
-
夏凜「何かあったら、ちゃんと連絡よこしなさいよ?」
天乃「!? あれっ、え? 夏凜?」
夏凜「なに驚いてんのよ、まだいたわよ。隣に」
何も知らない他人から見ても、
そのちょっと怒ったような口ぶりは仲がいいからこその軽口だとわかる表情を浮かべた夏凜は、
足元に置いておいた鞄を背負うように肩にかける
夏凜「看護師には厳重に言ってあるから、ま、大丈夫だとは思うけど」
天乃「うん、だから――」
夏凜「でも、あんた最近寂しそうにすること多いでしょ」
天乃「それは」
夏凜「別に学校休むくらいどうってことないでしょ。特に、園子なんて頼まれなくても休むんじゃない?」
天乃「どうかしらね。あんなことやってるけど、学校自体は行きたいと思うわよ。あの子」
夏凜「確かに……なら、風とか」
天乃「留年しちゃうかも」
夏凜「そうなったら、一緒に留年でもしちゃえば?」
天乃「簡単に言ってくれちゃうんだから、もう」
- 824 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 20:37:55.69 ID:o/f6Y+iIo
-
天乃は一応、特別措置として留年にはならずに卒業となる
というより、子供が産まれた後も復学することができるかどうかわからないため、
卒業させる方向で話が進んでおり、
風が留年となった場合、沙織が留年しないのならば風だけが取り残される
勇者部としての活動で顔が知られているのに、
留年したとあっては、風のメンタルが非常に心配になってしまう
天乃「大体、みんなが学校行ってる間くらい平気だから心配しないで」
天乃には精霊だっている
呼べば出てきてくれて、そばにいてくれる
無理を言って残ってもらうような必要はない
天乃「もちろん、夏凜がどうしてもっていうなら特別に残らせてあげてもいいわよ?」
夏凜「へぇ? じゃぁみんなで部活やるから遅くなるとか、旅館の厚意で一泊してくるとかも平気なわけ?」
天乃「……なんでそこで、そんな意地悪言うのよ」
ぷいっと
絡まっていた視線がほどけて、目が合わなくなる
天乃は正反対の窓の外を見ていて
そこに映る瞳は、同じく映りこんでいる夏凜を見ている……なんてことはない
天乃「ばか」
夏凜「ぐっ……」
- 825 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 20:50:03.28 ID:o/f6Y+iIo
-
あんたが挑発してきたんでしょうが。と
一言言ってやりたい気持ちではあったが、そこはぐっと飲み込んで息を吐く
夏凜「ったく……あんたってやつは」
天乃「なに?」
夏凜「ちょっと面倒くさい」
天乃「ごめん」
夏凜「そこで素直に謝られると反応に困るんだけどっ」
ちょっと茶化すつもりだったとか
その程度の他愛もない考えだからだろう
最後までその姿勢を貫いてくれれば、
もっと反発のしようもあるのにと、夏凜は髪を掻く
夏凜「でもまぁ……そういう部分もひっくるめて可愛いって思う」
天乃「えっ」
夏凜「ほらこっちみた」
天乃「あっ………」
夏凜「そういう反応が、面白くて好き」
満面の笑みを、夏凜は浮かべる
1、ばかっ、知らない
2、良く、恥ずかし気もなくそんなことが言えるわね
3、どうしたの? 熱でもあるの?
4、瞳を待たせてるんでしょ? 早く行きなさい
↓2
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 20:53:30.57 ID:WH07ACan0
- 1
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 20:54:30.11 ID:/If15CNEO
- 3
- 828 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/18(日) 21:09:25.33 ID:o/f6Y+iIo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は予定通りお休みをいただき、明後日の通常時間からの再開となります
園子「夏凜の笑顔に、どくん、どくん……と、天乃は心臓の痛みを感じ、頬の紅潮を感じた」
園子「でも、その痛みから逃れられると分かっていても、夏凜の目から視線を逸らすことはできない」
園子「そして、静かに唇が重なる。窓から差し込む柔らかな陽の光、部屋を包むまどろみに誘う温もり」
園子「そんなものよりもずっと心地よい感触に……天乃はゆっくりと、目を閉じるのだった」
東郷「という展開に!?」
園子「あれっ? 私が言ったみたいなことになってる!?」
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 21:17:04.10 ID:/If15CNEO
- 乙
そのっちも久遠さんとそういう事したいのだろうか
そして何だかんだで色々鬼門の12月突入…出産イベントも近いな
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 23:02:30.07 ID:/IdOKp5jO
- 乙
おあずけ食らってるからな
- 831 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 01:09:27.02 ID:xjTKnc010
- 乙
そういう欲求発散できてそうなのが友奈と東郷さんっていう別個で関係持ってる二人くらいだよね。
みんな割と悶々としてそう。
- 832 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 06:55:05.16 ID:/D/noJxxO
- 乙
樹と風も姉妹で百合ってなかったっけ?
それはそうとこの二人可愛い久遠さんめんどくさ可愛い
- 833 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 20:11:31.15 ID:iVsob4kwo
-
では少しだけ
- 834 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 20:14:41.45 ID:wSjTugYnO
- よっしゃ
- 835 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 20:31:28.25 ID:iVsob4kwo
-
天乃「どうしたの? 熱でもあるの?」
夏凜「……なんでそうなんのよ」
天乃「夏凜にしては、珍しいから」
これが東郷ならば、またいつものが始まったかなと、
苦笑いしながら受け入れるものだけれど、
普段、こういった面で大人しい夏凜がしてくるとなると
体調でも悪いのかと、心配になってしまう
悪気はない
ただほんとうに、何かあったのかと心配になってしまうだけ
何もないならそれでもいい
けれど、何かあったら――
夏凜「ストップ」
天乃「っ」
ぺちっっと
ただ気を向けさせるためだけの攻撃を受けて、天乃は夏凜へと目を向ける
夏凜「考えすぎだっての」
天乃「…………」
夏凜「ちょっとふざけただけだから」
- 836 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 21:24:25.59 ID:iVsob4kwo
-
天乃「ふざけてただけ?」
夏凜「そう」
天乃「…………」
微妙な沈黙
黙り込んだ天乃は少しだけ、考える
考えて、夏凜から目を逸らす
天乃「……全部?」
夏凜「そりゃ――」
天乃「可愛いって……言ってくれたのも?」
夏凜「そんな冗談はさすがに言わない」
はっきりと、夏凜は否定した
天乃から言われると分かっていて
あらかじめ頭の中で考えていたということもあるが、
考えるまでもなく、真実だからだ
夏凜は少なくとも、天乃とは違う
もちろん、天乃も特別そんなものではないのだが
夏凜は無差別に可愛いと言えるような性格ではない
その対象は限られる
そして、その対象はもちろん、天乃だ
- 837 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 22:17:05.48 ID:iVsob4kwo
-
夏凜「あんたが可愛いのは事実だし、可愛いと思ったのも事実よ」
天乃「そ、そう……」
夏凜「そうやって、攻め込んだくせに相手が折れなきゃ押し負けるところとか」
天乃「っ」
少しだけきつく結ばれていた唇が、きゅっと固く結ばれる
病院での生活が長引き、
また一段と、白さが増してしまったかのように見える頬が一層赤らむ
夏凜「……そういうところよ」
今でこそ自覚して攻め込む―結局負けるが―ようになっているが、
少し前までは、自分が好かれるだなんて考えないような人で
本当に、無自覚で攻め入るタイプで
でも、根本的な部分はまだまだ変わっていないらしい
だからこそ、愛らしく思う
いや、そこで根負けしなくなったとしてもきっと、また別の愛らしさを感じることだろう
夏凜「天乃」
天乃「なに?」
夏凜「……あんたはやっぱり。可愛いわ」
ずっと一緒にいたいと思う。
守っていきたいと思う
だからこそやっぱり、何も失われてはいけないのだと、夏凜は感じた
- 838 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 22:21:05.16 ID:iVsob4kwo
-
√ 12月1日目 昼(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 千景
21〜30
31〜40 水都
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 若葉
81〜90
91〜00 亜耶
↓1のコンマ
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 22:25:13.66 ID:V3b9Fq/c0
- あ
- 840 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/20(火) 22:35:02.93 ID:iVsob4kwo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夏凜「………」スッ
夏凜「待たせたわ」
風「……じゃ、行きますか」
東郷「ですね」
園子「必ず……帰ってくるんよ」
友奈「あれ? 普通に学校行くだけだよね?」
樹「友奈さんだけが久遠先輩がいない間の癒しです」
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 22:36:05.85 ID:aTBo2HO3O
- 乙
流してたけどもう12月か
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 22:48:00.55 ID:wSjTugYnO
- 乙
子供が産まれたら夏凜ちゃんと正式にイチャイチャデートしたいな
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/21(水) 22:11:59.58 ID:lTt0n9XAO
- 今日は休載?
- 844 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/21(水) 22:22:30.62 ID:wic1N3LMO
- この感じだと休みじゃないか?
本来水曜定休って話だった気がするししゃーない
- 845 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 20:25:52.48 ID:hOZ9AAW0o
-
昨日は失礼しました
では、本日も少しだけ
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 20:35:16.37 ID:SfzFVVhRO
- おk
- 847 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 20:40:43.61 ID:hOZ9AAW0o
-
√ 12月1日目 昼(病院) ※月曜日
天乃「……はぁ」
何も代案を出せないまま、結局12月に入り
今日もまた、何も考えられないまま時間だけが過ぎていく
ずっと病室にいるせいか、
普通よりも時間の流れが遅く感じられるせいかもしれない
精神的な疲労感は一際重くてどうしても、ため息が零れてしまう
園子たちは元気そうに見せているが、
それはやっぱり、まやかしだ
心の内では不安でいっぱい
でも、それをさらけ出したところで何も変えられはしないから
精一杯、明るく振舞っているだけ
勇者としての力があり、
その犠牲を持って強さを増した乃木家というものであり、
天乃と違って自由に動くことができるようになっている
園子なんかは、特に顕著だ
- 848 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 21:07:14.83 ID:hOZ9AAW0o
-
天乃「園子のことだから、あまりおかしなことをするとは思えないけれど……」
もちろん、みんなもだ
悩みすぎて、少し危うい行動をとりかねない天乃と似たようなタイプの東郷でさえ、
今はもう、そんな心配はほとんどない
もっとも、追い詰められてきている今の状況でもだ
そんな甘いことを言っていられるのかは疑問ではあるのだが。
天乃「勝負は今週中、かしらね」
実際にそうなのかは定かではない
しかし、天乃はその可能性が高いと思っていた
日に日にバーテックスからの干渉は強まっていくうえに、
神樹様の力は弱っていく一方
であれば、年明けまで耐え忍ぶという考えに改めるはずはない
かといって、性急すぎても失敗につながる
だからこそ、念入りに確認をしての今週中に行われる可能性があると、天乃は考える
それに関しては、夏凜達も同意していた
だからこそ、焦る
だからこそ、空元気が目立つ
- 849 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 21:24:00.84 ID:hOZ9AAW0o
-
巫女としての力を備えている沙織や、水都
時折大赦側に接近している二人にも、
いつ、どのようにして奉火祭を実行する予定なのか
その情報が一切漏れてこない辺り、祖母は本気なのだろう
天乃「お祖母ちゃん……」
もう一度会えたら
会えたら……何か、変えることができるだろうか
命がかかっているわけではない沙織との付き合い
それに関して、沙織の父親ですら説得する言葉を持てなかったのに
多くの命を犠牲に保たれてきたこの世界
それを守るために新たな犠牲を出そうという覚悟を持つ祖母のことを説得できるのだろうか
天乃「っ」
思わず噛んだ唇に痛みが走る
けれど、握りしめた手の力は限りなく弱い
1、精霊
2、イベント判定
↓2
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 21:29:52.47 ID:SfzFVVhRO
- 2
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 21:30:58.54 ID:rckDeaAN0
- 2
- 852 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 21:46:23.81 ID:hOZ9AAW0o
-
√ 12月1日目 昼(病院) ※月曜日
01〜10 若葉
11〜20 九尾
21〜30 千景
31〜40 水都
41〜50 歌野
51〜60 亜耶
61〜70 球子
71〜80 大赦
81〜90 春信
91〜00 瞳
↓1のコンマ
- 853 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 21:47:27.31 ID:SfzFVVhRO
- あ
- 854 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/22(木) 21:54:40.71 ID:hOZ9AAW0o
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
水都「実をいうと、やれることは0じゃないんです」
天乃「……言わなくていい」
天乃「それは、出来ることであってもやっていいことではないわ」
水都「でも、このままでいるわけにはいかないと思います」
水都(私とうたのん……私たちは豊穣の力を持っている)
水都(その力を使うことで、神樹様の力を少しだけ強化することができる)
- 855 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 21:59:00.51 ID:SfzFVVhRO
- 乙
かつてなく弱々しい久遠さん
でもオマケが本当ならなんとかなるのだろうか…とんでもなくリスク高そうだが
- 856 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 02:19:46.60 ID:22e5ukWxO
- 乙
本当にどうなるかドキドキするな
- 857 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 20:30:05.26 ID:TtPgCoMwo
-
では、少しずつ
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 20:34:24.45 ID:DoCq5LQ6O
- あいあいさ
- 859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 21:16:16.63 ID:TtPgCoMwo
-
√ 12月1日目 昼(病院) ※月曜日
水都や歌野がいたのは四国ではなく、
神樹様の存在というものは覚えがない
もちろん、神樹様ではなく、加護を与えてくださる存在という点でならば、
多少、恩恵を与えてくださった存在はいるけれど。
だが、その大切さは良く分かる
神樹様の寿命が尽きようとしていることで
大気に満ちていた神樹様の力は弱り、
天候のような自然的な部分に対する加護も薄れてきている
作物の実りは今後、悪くなっていくかもしれない
それを防ぐため……というよりは、
神樹様をより疲弊させる原因となっているバーテックスを率いる天の神の怒りを鎮めるために、
奉火祭が行われる
正直、水都達にも天の神を鎮めるような手立てはない
だが、神樹様の寿命という部分においては、
豊穣の神たる稲荷神を媒体として顕現した水都達にもできることはある
水都「……久遠さん、少し、話をしませんか?」
だから、珍しく
水都は天乃の前に姿を現した
- 860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 21:47:45.23 ID:TtPgCoMwo
-
天乃「どうかしたの?」
水都「折り入ってご相談があるんです」
天乃「貴女にしては珍しいんじゃない?」
急にきて、急に相談がある。なんて
だが、天乃は困惑したような笑みではなく、
水都の考えを見通していて
だからこそ、答えに困ってしまっているというような
そんな表情を見せる
姿を見せること自体珍しい水都が姿を見せ
そこにある表情は、力強い意志を秘めたもので
だから、推測できてしまう
何度も見た顔だから
何度もしたであろう顔だから
天乃「……ご相談。ね」
水都「はい」
天乃「…………」
水都の視界
その端に見える天乃の手が少しだけ布を巻き込んで握られる
困ったものね。と、言いたげな表情が揺れる
- 861 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 21:56:57.41 ID:TtPgCoMwo
-
水都「私たちの力、使いませんか?」
天乃「だめよ」
即答
だが、水都は一度噛みしめた唇を再び閉じようとはしない
普段、引け目の感じさせる雰囲気も
今は一層の強さを持っている
穢れの苦しみ、西暦時代の絶望
それらもあるかもしれないが
水都自身の強さ……そして優しさがあるからだろう
水都「……豊穣の神の力を宿している私たちの力を使えば、神樹様の力を少しは取り戻させることができます」
力を取り戻させることができるということは、
当然、その生命力であり、寿命を延ばすこともできる
場合によっては、豊穣の力でより強い力を持たせることだってできることだろう
そうすれば、外の世界からの影響を受けにくくなる
燃え盛る地獄の業火を受けての影響を抑えられ、
奉火祭の必要性を多少なりとも減らすことができて
考える時間を作ることができるかもしれない
水都「使わせてください、久遠さん」
- 862 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 22:48:25.65 ID:TtPgCoMwo
-
ただ力を使うだけならば、許可は必要ない
だが、最大限の力を使うためには、
精霊としての水都を従えている天乃の許可が必要になってくる
だが、最大限の力を行使するということはつまり、
友奈たちに満開を使う許可を与えるのと同じようなことであり、
水都達の力のすべてを使い果たすのと同義
いや、神樹様に力を取り戻させるためなのだ
全身全霊でかからなければ、大した意味もなく終わってしまうだけだろう
天乃「本気で言ってるの……なんて、無駄そうな顔ね」
水都「奉火祭を止める手立てがないのなら、せめて、先延ばしにするくらいはするべきです」
それに、神樹様の力が戻れば、
勇者である友奈たちの力も増すかもしれない
攻勢に出るならば、それは重要な分岐点となるはずだ
1、でも、消えるわよね。貴女達
2、それは許可できないわ
3、どうしてこう、自分を大切にできないのよ。みんな
4、歌野は何か言ってないの?
↓2
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 22:50:39.52 ID:DoCq5LQ6O
- 2
- 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 22:51:22.51 ID:BUQZ/+vS0
- 3
- 865 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/23(金) 23:27:04.62 ID:TtPgCoMwo
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から
夏凜「ブーメランでしょ、あれ」
東郷「ブーメランって、どうしてあんなに卑猥な形をしているんでしょうか」
友奈「え?」
東郷「え?」
園子「わっしーの頭の中がどうなってるのか私にも読めないんよ」
樹(あれっ? 双頭の道具のことだろうなって分かった私も危ない……?)
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 23:28:47.83 ID:TedabQYzO
- 乙
久遠さんはもう反省したからセーフ
- 867 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 23:32:48.17 ID:DoCq5LQ6O
- 乙
止める術がないとはいえこれは…諏訪組はこの世界でも救われないのだろうか
そしてこのオマケとの激しい温度差よ
- 868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 20:21:00.65 ID:FGJfHzmxo
-
では、少しだけ
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 20:22:05.62 ID:le2nC0YKO
- かもーん
- 870 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 20:31:44.15 ID:SRkfbzSf0
- 俺のミット目掛けて全力投球でこい!
- 871 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 20:57:38.58 ID:FGJfHzmxo
-
天乃「どうしてこう、自分を大切にできないのよ。みんな」
水都「自分よりも、大切なものがたくさんあるから。じゃないでしょうか」
天乃「…………」
水都「うたのんは言ったんです。怖いものは怖い。でも、だからってなにもできないのは嫌なんだって」
それで、人の命が失われていくのは嫌なんだって
そこで、自分が頑張ることで救われるものがあるのなら
命を賭さねばならないのだとしても。
死の恐怖に負けてしまっては、救えるものも救えなくなってしまうから
水都「久遠さんも、そういう考え方。でしたよね」
天乃「……そうね」
水都「どうして、こう……勇者のみなさんは命を懸けちゃうのかな」
きっと。
水都「そういう、心を持っているからこそ、勇者に選ばれるんですよね」
天乃「もしもそうなら、勇者適正なんて言うバカげた考え方はやめて貰いたいわね」
水都「どれだけ、自己犠牲出来るかどうか……」
天乃「それはそうと、歌野がそう言ったのはその話をする前? それとも後?」
水都「前であり、後でもあります。その両方です」
天乃「そっか」
- 872 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 21:15:54.55 ID:FGJfHzmxo
-
それが真実だとするならば……というのは意地悪な言い方になるが
今回の件は歌野も賛成しているということだろう
水都「久遠先輩も、同じ考え方をしていたならわかるはずです」
天乃「私はもう、やめたわ」
水都「本当に、やめることができていますか?」
天乃「……ええ」
水都「奉火祭、力があるなら無理をしてでも止める。そうですよね?」
こんなぎりぎりになってもまだ、
代案が出せていない最悪と言ってもいい状況
打開できるのであれば、
多少の無理くらい、自分がするのならば目をつむるだろうし笑ってごまかそうとするだろう
水都「私達を解放せずに体を何とかすると決めた想いを裏切るようなことだとも分かっています」
天乃「それなら」
水都「でも、失われる結果が確定しているのなら、せめて、精霊で賄うべきだと思いませんか?」
天乃「私は、みんなは……ただの精霊だなんて考えてない」
水都「でも、本来は精霊です。もう、この世界にはないはずの魂です」
- 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 22:40:26.01 ID:294pf9tcO
- …?
- 874 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 22:42:23.73 ID:FGJfHzmxo
-
水都「使うべきです」
天乃「また繰り返すの?」
天乃を救うために精霊たちの力を使うかどうかの話をしたように、
神樹様の寿命を少しでも伸ばし、
奉火祭の延期と勇者の力の強化を狙うべきだという話
どちらも、精霊を犠牲にするかしないかの話だ
それを、また繰り返すつもりなのかと、天乃は言う
まだ、声色は優しいが
確実に許可を出したくないとわかるものだ
天乃「貴女達は犠牲にしないと決めたのよ」
水都「これは、犠牲ではないと思います」
天乃「力を使ったら貴女達が消える。それの、どこが犠牲ではないの?」
大赦のように、
英雄であると奉れとでもいうのだろうか
勇敢な死であると、羨望のまなざしで見届けていればいいのだろうか
天乃「……ふざけないで」
水都「久遠さん、西暦時代の勇者であるうたのん達の魂が精霊という形でここにある理由を考えて見てください」
- 875 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 23:00:52.53 ID:FGJfHzmxo
-
天乃「過去の魂だから何? 精霊だから何? だから犠牲にしてもいいっていうの?」
水都「っ」
天乃「悩んだのよ、さんざん……それで、みんなと話して、やっと決めたことなのよ」
自分の我儘を通すか
みんなの願いを酌むか想いを酌むか
悩んで、考えて、話し合って
そうして決めたのが今の在り方だ
この世界を、平和になった日常を感じてほしいという願いを聞いてもらったが故の今だ
それを、どうしようもないからという理由で
やっぱり力を使って犠牲になってくれと
天乃「そんなこと……できるわけないじゃないっ」
水都「…………」
ぽたぽたと、布団に雫が落ちる
うなだれた頭を抱える様につかむ手に力が込められて
髪が、歪に歪む
天乃「分かってる……このままじゃダメなんだって……でも……でも……」
それで精霊を犠牲にしてしまったら
すべてが無意味になってしまう
そう思えて、仕方がなかった
1、いやよ、絶対に嫌
2、……ごめんなさい、考えさせて
3、貴女は分かるの? なぜ、この時代に呼ばれたのか
4、犠牲にするために、精霊としてきてもらったわけじゃない
↓2
- 876 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 23:08:57.50 ID:hAQPjg/RO
- 4
- 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 23:24:07.58 ID:vjRu/UxuO
- 1
- 878 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/24(土) 23:33:17.38 ID:FGJfHzmxo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
若葉「さすがに、今の天乃には難しいか」
千景「今する話ではなかったと思うわ」
千景「もっとも、今すべき話でもあるけれど」
九尾「ふむ……誰か、止めに入らぬのかや?」
歌野「みーちゃんが自分からトークしたいって言ったから。だから、もう少し……ステイするわ」
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 23:51:17.95 ID:hAQPjg/RO
- 乙
断固拒否久遠さん
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 03:33:32.45 ID:aqzocIP1O
- 乙
しかし時間も残されてないからなぁ…
久遠さんはどうあがいても何かを失うのは定めなのだろうか
- 881 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 12:57:41.81 ID:FOXPtOSfo
-
では、少しずつ
すぐに離席することになるとは思いますが、
それまでは
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 12:59:28.29 ID:kUD9a8H9O
- あいよ
- 883 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 13:08:18.99 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「いやよ、絶対に嫌」
水都「久遠さん……」
天乃「言い分は分かるの、私の方が間違ってることだって分かってるの……」
活きている人間と、精霊
どちらも犠牲にする対象として選択することができるのなら、
精霊を犠牲にするべきだというのは当然の考えだ
精霊を犠牲にすることを嫌がって、
人の命を犠牲にしようとしている今の自分が間違いであることくらい、
天乃自身が分かっている
けれど、それでも嫌なのだ
それでも、認めたくはないのだ
誰かを犠牲にしなければならないなんて言うことは
天乃「貴女達は稲荷を犠牲にした。千景は死神さん、若葉は素戔嗚……そして、私は五郎くんと、銀」
銀に限っては人間だ
自分よりも若い命だ
そんなにも犠牲にしてきた今なのに、また、犠牲にするなんて
そんなの、奉火祭を行うのと何も変わらない
天乃「ここで貴女達を使ったら、奉火祭を阻止するために奉火祭を行うようなものだわ。どうしてそれを、貴女達はやれというのよ」
- 884 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 13:19:04.29 ID:FOXPtOSfo
-
水都「久遠さんは優しいから、私たちのことを犠牲だと。そう、考えてしまっているだけです」
他の命を守るための犠牲
供物になる巫女の魂の代わりの供物
精霊は精霊であると認めることのできないその心はきっと、
とても優しいのだろう
その優しさは、誰もを守る最強の力となって
すべてを守る抜くための盾となるのだろう
だが、その盾は、誰が守るのだろうか
盾は守るだけであり、守られるものではない
常に傷つき、削れ、罅割れ、砕け散っていく
使い手のケアがあってもその運命には逆らえない
だからこそ、盾を用意する必要があったのだ
水都「私達は盾です。久遠さんや、その周りの人たちを守るための盾」
それは守ることを本分とし、
たとえ砕かれたとしても、使い手の命を守れたのならば、冥利に尽きる
これ以上に、喜ばしいことなどない
水都「みなさんを守ることができるのであれば、ここでお別れすることも決して悲しいことじゃありません」
- 885 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 14:15:20.75 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「貴女達にとってはそうかもしれないわね……でも、私はそうじゃない」
水都「自己満足、ですか?」
天乃「私はそうだったわ。少なくともそうだと教えられた」
どれだけ尽くして頑張っても
それで不安にさせたり心配させていたらダメなんだと
ましてや、それで死んでしまうなんてことがあるのは
絶対に、タブーなのだと
天乃「だから、ダメ。許さない」
水都「それで、人が奉火祭の犠牲になるとしても。ですか?」
天乃「それは阻止するわ。何が何でも」
水都「それを阻止する手立てが――」
歌野「みーちゃん」
水都「っ」
歌野「リミットよ」
ただ姿を見せていなかっただけで、
見ていたし、聞いていたのだろう
歌野は水都のすぐそばに姿を現すと、
天乃に言い返そうとする水都の肩を掴んで引き、首を振る
- 886 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 14:26:32.22 ID:FOXPtOSfo
-
歌野「久遠さん、こんな話になったのはソーリー。本当に申し訳なく思ってるわ」
天乃「そう思うのなら――」
歌野「でも、きっと。私たちのソウルをこうして蘇るようにしてくれた陽乃さんは、きっと、初めからこういう考えだったと思う」
天乃「陽乃さんが? どうして? 話を聞いたことがあるの?」
歌野「……それはノーよ。出来なかった」
出来たら話してみたかったけど。と
歌野はひりつきそうな空気に明るい笑みを持ち出す。
引き下げられた水都は「うたのん……」と声をかけたが、
歌野は軽くうなずいただけだ
歌野「でもきっと、乃木さんも郡さんも、土居さんも、ミーもみーちゃんも。救うためにここに呼ばれたんだと思うわ」
守れなかった後悔を、
成し遂げられなかった後悔を、
過ちを犯してしまった後悔を、
尽くしきれなかった後悔を、
そのすべてを、この世界で補うために
歌野「今度こそ、成し遂げるために。ミーたちはこのワールドに来た。私はそう、思った」
それが、この奉火祭を止めるために使う力かどうかかはわからない
だが、そうであっても悪くはないと歌野は思う
歌野「だから、ミー達だけでなく、乃木さん達の力を使うことも併せて考えてみてほしい」
歌野はそれだけを言うと、
水都の手を引いて、一緒に姿を消してしまった
- 887 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 14:30:05.53 ID:FOXPtOSfo
-
√ 12月1日目 夕(病院) ※月曜日
01〜10 風
11〜20
21〜30
31〜40 友奈
41〜50
51〜60 夏凜
61〜70
71〜80 樹
81〜90
91〜00 東郷
↓1のコンマ
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 14:31:16.03 ID:kUD9a8H9O
- あ
- 889 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 14:39:50.25 ID:FOXPtOSfo
-
では、少し中断します。
17時頃には、再開できる予定です
部長副部長対談
議題:久遠さんが面倒くさいのか、世界が理不尽なのか
- 890 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 14:44:21.68 ID:kUD9a8H9O
- 一旦乙
久遠さんのメンタルに致命傷が…
- 891 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 17:11:54.22 ID:FOXPtOSfo
-
では、少しずつ
- 892 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 18:04:31.06 ID:FOXPtOSfo
-
√ 12月1日目 夕(病院) ※月曜日
風「何かあった?」
天乃「……そんなに分かりやすい?」
風「雰囲気が暗いっていうか、悩んでるんだろうなってのは分かるわね」
天乃「そっか……ごめんね」
風「別に謝らなくてもいいのに。子供がいると神経質になるっていうか、不安になりやすいっていうし」
風は少し不安そうながら、
もうすぐ子供が産まれる可能性があるからか、嬉しそうな微笑みを見せる
だが、天乃が小さく笑みを浮かべるのみに留まったのが気になって
もう一度、「何かあった?」と、問う
風「子供のことで何か言われた?」
天乃「ううん、検査は良好よ。出産予定日は月末頃になるかもしれない」
無理に不安要素を言うなら、
月末だった場合、確実に奉火祭を止める力が自分にはないというところだろうか
それくらいしか、
妊娠していることの不安や、それによる問題は感じていない
- 893 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 18:38:22.43 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「最悪、年明けになる可能性もあるから……そうね。今回の件、全部風達に押し付けることになっちゃう」
風「まさか、それが申し訳ないとか悩んでた?」
天乃「申し訳ないとは思うけど、それだけじゃないの」
ぎゅっと、自分の手を握る
言ってしまおうか、吐露してしまおうか
けれど、それでどうなるのか
我儘を通して精霊のみんなも残していくことを決めたのに
今、まさに悩まなければならないことがあるというのに
精霊の力を使うかどうかで悩ませていいのかどうか。
いや、精霊の力を使えば奉火祭も先延ばしにできる可能性があるし
これだけ考えてまだ打開策を考えられていない以上、
可能性があることを切り出すのは必要なことだ
けれど、積んでいるこの状態で、
精霊の力のことを話せば、
みんなは喜んで……とまではいかないにしても、
奉火祭を止める手段としてそれを選択する可能性は低くない
天乃「っ」
- 894 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 18:52:14.62 ID:FOXPtOSfo
-
きっと悩む
深く悩んで考えて、
そのうえで答えを出してくれることだろう
だが、考える時間はそんなに長く残されていない
であれば、奉火祭を精霊で止める方に傾いてもおかしくない
天乃「違う……」
風「天乃?」
それではまるで、信じていないみたいだ
ちゃんと考えてくれると分かっているのに
それでもなお、そうなるかもしれないという話でしかないのに
どうせ、精霊を犠牲にする方向でしか考えない
そう、嫌な考えをしてしまう
天乃「…………」
1、奉火祭の件、精霊の力を使えばなんとかできるかもしれない
2、ねぇ、風は若葉たちの魂を呼べるようにした陽乃さんの考えって分かる?
3、ごめんなさい、何でもないの
4、ねぇ、奉火祭はなんとかできそう?
↓2
- 895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 19:03:11.19 ID:82KILJC6O
- 1
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 19:04:28.11 ID:wd0oFqN00
- 1
- 897 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 19:25:28.08 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「あの……ね。藤森さん達から提案があったのよ」
風「提案? 提案って……」
まさか。
驚く風に頷く
天乃の雰囲気と表情から察したのだろう
その察しの良さに、
天乃は複雑な笑みを浮かべる
天乃「奉火祭の件、精霊の力を使えばなんとかできるかもしれないって」
風「でも、力を使った精霊は残ることができない。そういうことなのね?」
天乃「話が早くて助かるわ」
風「そんなの……いや、でも」
天乃「正直、奉火祭に関しては私たちは打つ手がないわ」
風「それは分かってるけど」
けど。という言葉に続くのは
天乃と同じく、精霊を犠牲にするなんて……というものだろう
風達にとっても、
水都達はただの精霊ではない
大切な戦友であり、仲間であり、家族に等しい存在
共に戦っている犬神に対しても家族としての愛着のようなものがあるのだ
人型であり、実在した英霊である水都達がただの精霊で割り切ることができるはずがなかった
- 898 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 20:00:23.25 ID:FOXPtOSfo
-
風「これ、天乃の時にも話したことと一緒よね」
天乃「ええ。それで考えれば、考えるまでもない」
風「そりゃぁねぇ……若葉達を生かしていくって決めて、だから神樹様の種だって強奪したわけで」
天乃「そうだったわね」
風は強奪という部分をやや強調するように言ったが、
祖母……大赦が、神樹様の種の件で接触してこない理由はすでに風達にも共有してあるため
別に強奪する必要はなかったことも伝わっている
強奪が必要不必要にかかわらず、
神樹様の種での代用という点においての変化はなかっただろう
風「けど、これは難しいわ」
天乃「私の時はまだ、代替案があった」
風「こっちもあるっちゃあるけど、その場合は巫女が犠牲になる」
天乃「それ、代替案だなんていわないで」
風「……夏凜呼んだほうが良いかもね」
天乃「なに?」
風「別に、ちょっと考えを整理しようかなって」
ぼそっと呟いて
聞こえなかったことに安堵するでもなく息を吐く
天乃は耳が良いはずだが、小さな呟きを聞き逃すくらいには
余裕がないということだ
- 899 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 20:31:35.81 ID:FOXPtOSfo
-
風「実は、東郷が試しに大赦に話をしに行ってみたのよ」
天乃「?」
風「自分を巫女の代わりにすることはできないかって」
天乃「え……?」
風「あ、あーっ、もちろん実際にそうするつもりはなかったわよ? あくまで、取れる手段の確認として」
風としては、自分たちの側で得た情報を共有しようとしただけだった
天乃がそれをすごく嫌がることは分かっていたが、
実際にそうするつもりはなかったことを話せば大丈夫だろう。という考えで。
だが、話した瞬間の殺気だった空気感は危うげだった
頭で考えていた訂正の言葉も、
焦ってついた嘘のようなものに成り代わってしまう
風「だけど、勇者様は今回のことに参加させるわけにはいきません。って断られたみたい」
天乃「お祖母ちゃん、かしら」
風「そうだと思う。天乃の関係者は何が何でも参加させないって考え見たい」
天乃「なら、国土さんも私の知り合いだって話せば逃がすことができるんじゃないかしら」
風「国土さんだけなら。ね」
- 900 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 20:52:30.83 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「分かってるわよ……」
風「…………」
天乃「それだけじゃ無意味。みんなを救えなくちゃダメ」
亜耶一人であれば、
友人だといえば通せるかもしれないが、
他の五人はもちろん、亜耶の代わりに選ばれる子たちは、
友人だという言葉を通すのは難しいだろう
風「あたしも解ってるから安心して」
意地悪を言ったつもりはない
だが、
今の天乃にとっては、冗談や確認程度では済まないことだったのだと、
風は息を飲む
風「とにかく、あたしたちもこんな状況。で、そこで精霊の力を使えば止めるまでいかなくても延期できるんじゃないかって話が出てきた」
天乃「そうなるわね」
風「それ、天乃はどう答えた? やっぱり、拒否した?」
- 901 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 21:07:00.16 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「ええ、当然」
歌野には、それでも考えてくれないか。とは言われたものの
考えてもやはり、
自分だけではそんなこと認めたくはない
出来るのなら、叶うのなら
みんなで一緒に生きていきたいから
風「そこで、あたしたちも別途考えてた手が一つだけある」
本当の本当に最終手段
それゆえにすでにみんなの同意は得られている
天乃に話すのはこれが初めてだが……
風「奉火祭が行われたら、勇者部でそれをぶち壊しに行く」
天乃「阻止するんじゃなく、破壊する。ということね……なるほど」
代替案が浮かばない
阻止することができない
ならばいっそ、ぶち壊してしまう
神樹様の種を奪った時と同じやり方だ
風「大赦的にも世界的にもタブーってレベルのことじゃない。だから最終手段なんだけど……」
- 902 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 21:22:43.95 ID:FOXPtOSfo
-
天乃「それをここで言うっていうことは」
風「そ。もうこれ以上に代案は出せないかもしれない」
今すぐ行うわけじゃない
でも、
実行当日にいきなり告げるなんて最低だ
それでは、天乃を不安にさせるし心配させるし傷つけることになる
だから、事前に話しておく
精霊の力を使うという話が出てきたなら、なおさら
精霊を犠牲にするなんて言う選択肢だけでは
余りにも、幅が狭すぎる
天乃「奉火祭を壊すことによる勇者部への被害は?」
風「壁の外に出ることになるだろうから、多少は。でも、誰も死なせたりはしない」
1、歌野達は、世界を救うための礎になるために、ここに呼ばれてきたのかもしれないって言っていたわ
2、でも、それだと今後が大変になりそうね
3、みんなで話し合いましょう
4、また物騒な手を考えたものね……ほんと、勝手なんだから
↓2
- 903 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 21:27:00.26 ID:wd0oFqN00
- 1
- 904 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 21:28:48.39 ID:82KILJC6O
- 3
- 905 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/25(日) 21:43:35.16 ID:FOXPtOSfo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
風(天乃が精神的にやばいわね、こりゃ)
風「夏凜、ちょっと、夏凜」
夏凜「なによ」
風「夜這いしろ。部長命令」
夏凜「あんた何言ってんの……今の天乃にそんな余裕あるわけないでしょうが」
夏凜(今はそういう気分じゃないってつき返されるだけ。ま、行くだけは行くけど)
- 906 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 21:54:15.22 ID:EXOhJX9yO
- 乙
薄々そんな気はしてたけど全員生存させるのは思った以上に甘くはなかったか…
どの選択肢も後々久遠さんに響いてきそうでシビアだなぁ
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 02:27:23.01 ID:ChpyIGpBO
- 乙
勇者の章にあたる部分までもつれそうな気もするなあ
- 908 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 13:19:06.39 ID:zW0K3VM4O
- 乙
すでに勇者の章に入ってきてないか?
まさかの東郷さんお断りで話が違ってはいるけど
- 909 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 20:22:14.16 ID:C8Ql+F49o
-
では少しだけ
- 910 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 20:32:27.79 ID:YS3Ys/rCO
- よしきた
- 911 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 20:43:51.31 ID:C8Ql+F49o
-
天乃「……はぁ」
風「そんな呆れたため息つく必要ないんじゃない?」
天乃「別に、呆れてるわけじゃないわ。ただ……ううん、呆れてるのかな」
呆れているようなため息をついて
否定して、撤回して、やっぱりそうなのかもしれないと認める
誤魔化しているように聞こえるのに
嘘だと否定しきれない何かを感じる風は、眉をひそめて様子をうかがう
精神的な疲弊は、
妊娠と出産による不安だけではないだろう
特に、天乃は自分が何もできないというだけで非常に精神的なマイナス要素となる
天乃「とにかく、みんなで話あいましょうか」
風「そう来ると思った。というか、来てくれなかったらどうしようかと」
天乃「そういったって、結果は見えてるんでしょ?」
チクリと刺されて、口を閉ざす
自分の言葉にとげがあることに気付いているのかいないのか
答えを返さない風へとむける視線は不思議そうだった
天乃「なによ、図星?」
風「まぁ……」
考えつつ、目を逸らす
嘘をつくつもりはないが、目を合わせてはいられなかった
風「若葉達を犠牲にするか、自分たちが頑張るか。選ぶとしたらそりゃ後者になるわよねぇ」
- 912 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 20:59:45.46 ID:C8Ql+F49o
-
特に、すでに自分たちが頑張るという手段に対する覚悟が決まっているのならば、なおさらだ。
若葉達精霊の力を使う場合、
精霊の力の消費によって消滅してしまうことは確実
その一方で、自分たちが頑張るという手段は
頑張れば頑張るほど、その被害を少なくできる……可能性がある
もちろん、頑張る方向性によっては被害も出るが、
満開のシステムが変化した今、
身体的な部分の散華というような犠牲はない
だが逆に、
精霊による加護は使用回数が限られ、満開を使うと使えなくなる
それによって生傷は絶えなくなることだろう
風「無理をさせないためには精霊の力を使うしかないっていうのはもう、分かってるんでしょ?」
天乃「ええ。そうでしょうね……」
こればかりはもう手遅れだ
時間があればまだ、もう少し考えましょう。だなんて悠長なことも言えたけれど
タイムリミットの近い今言えるのは、
そんな先延ばしにしたところで結果は変わらないだろう。ということだ
- 913 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 21:23:12.56 ID:C8Ql+F49o
-
天乃「理不尽ね、ほんと」
笑うしかない。
なんて、そんな冗談も言う気にはならない
本当に、理不尽だ
もしかしたら、若葉達を呼んでしまったから理不尽になってしまっただけで、
呼んでいなければ、ただ精霊の力を使う。という考えだけに留まったかもしれない
……そんなわけがない
素戔嗚も、死神さんも、稲荷も、穿山甲たちも
みんな、大切な仲間だったのだ
西暦の勇者達を呼べるからと喜んで手放したわけじゃない
天乃「ねぇ、風」
風「なせば大抵なんとかなるでしょ」
自分では答えられないようなことを言われてしまいそうで
風は思わず、勇者部五か条の一つを口にする
気持ちとしては、半々だ
天乃「……そうね」
天乃は反論することなく
ただ、少し、疲れた大人の空返事のように答えただけだった
天乃「そうだと、良いわね」
- 914 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 21:28:40.53 ID:C8Ql+F49o
-
√ 12月1日目 夜(病院) ※月曜日
01〜10
11〜20 若葉
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 千景
81〜90
91〜00
↓1のコンマ
- 915 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 21:30:44.37 ID:YS3Ys/rCO
- あ
- 916 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/26(月) 21:39:00.42 ID:C8Ql+F49o
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夜は結果の見えてる話し合い
天乃「で、どうする?」
樹「頑張ります」
東郷「当然、戦います」
友奈「私たちが頑張るだけで、救える人たちがいるなら……頑張らないなんて選択肢はないと思います」
夏凜(精霊が犠牲になるっていうなら……そうだけど。でも、結局精霊の力が必要になりそうな感じがするわね。これ)
- 917 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 21:48:43.27 ID:YS3Ys/rCO
- 乙
勇者部が既に結論出してるなか冷静沈着な夏凜ちゃん
でもうたのん達の退場は避けられないのだろうか…
- 918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 03:35:02.77 ID:KujH6VDsO
- 乙
為せばだいたいなんとかなるを信じるしかないな
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 12:33:10.82 ID:KKYm5j8mO
- 乙
何気に久遠さん今までで一番大きい我が儘を言えるようになったんじゃなかろうか
ただ現状はどうにもならなさそうなのがな…
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 18:20:27.95 ID:dTECDTfVO
- 花結いの物語が久遠さんとタイムリー過ぎて草
友奈ちゃんズの拳設定まで似なくて良いでしょ…笑うわこんなの
- 921 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 19:57:03.87 ID:hgouSbz3o
-
では、少しだけ
- 922 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 20:35:09.10 ID:hgouSbz3o
-
√ 12月1日目 夜(病院) ※月曜日
東郷「白鳥さん達の力を使う……?」
夏凜「なるほど、確かに豊穣の神の力を使えば神樹様も回復させられるわ」
沙織「同じ神格級の力なら、そうだね」
樹「でも、その代わりに力を使い果たして消滅しちゃうんですね」
天乃「ええ」
消滅してしまうことに関しては、
歌野達の反応からも確定している
勇者部がなぜ、精霊の力を使うのを考えられなかったのかは、
きっと、この件において力を使わせれば、
消滅してしまう可能性があることに薄々気づいていたからかもしれない
精霊の力使う案、それによる代償
一通りの話を聞いた勇者部の面々は、
噛みしめるような面持ちで黙り込む
そして、友奈がそっと口を開いた
友奈「それなら、私たちが頑張る方がいいと思います」
天乃「……やっぱり、そう来るのね」
夏凜「まぁ、歌野達が消滅した時点で天乃の願いは果たされなくなるわけだし、頑張る方が可能性はあるでしょ」
- 923 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 20:36:57.72 ID:k45cP322O
- まぁ、そうなるか…
- 924 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 20:44:45.12 ID:hgouSbz3o
-
天乃「それは分かってる」
夏凜「こっちだって、その不満げな顔の理由は分かってるわよ」
天乃「別に不満だなんて――」
樹「無理。することになりますから」
だから、不満なのだとわかる
たとえ顔に出ていなくてもわかる
取り繕って、笑顔で対応してくれていてもわかる
無理されることで喜べるほど、天乃は割り切りれないからだ
一見、困った顔つきには見えるのだが
唇がきゅっと結ばれているときは噛みしめるがごとく、不満を堪えている時だ
言いたいが、言っても自体が好転しない
だから不満ながら困り果てた表情になる
友奈「結界の外はすごく危険で、勇者の力も前みたいに使えないのは……やっぱり、不安です」
全部を前向きに言うのではなく、
友奈はあえて、なり切らずに不安を吐露する
取り繕ったって仕方がない
本心で当たらなければ、無用な気持ちにさせるだけだから
友奈「でも、それでも頑張ればなんとかできる可能性があるなら、あきらめたくないです」
- 925 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 20:58:10.93 ID:hgouSbz3o
-
東郷「奉火祭を妨害することで、大赦と天の神。その両方から嫌われることになると思います」
風「そこに関しては、はなっから嫌われてるようなもんだけどねぇ」
東郷「その通りです。ですから、顔に泥を塗るだとか、風当たりが強くなるだとか、それこそ心配しる必要はないことかと」
夏凜「でも犬吠埼家への援助とか、これから生まれてくる天乃の子供とか。完全無視ってわけにはいかないでしょ」
完全に打って出る方で話を進めていく勇者部の中、
天乃のそばで腕を組んで落下防止の柵に軽く腰掛ける夏凜が口をはさむ
賛成であり、反対でもある
そんな、中立の路線にいるのは天乃の代弁をするためだろう
夏凜「それに、努力と根性だけで押し切れるほど、甘い話でもない」
園子「いつだって、甘くはないんよ。にぼっしー」
夏凜「…………」
園子「頑張って、頑張って。それでもダメなことがあるって、よく知ってる」
天さんやわっしーも
きっとみんなも解ってることなんよ。と
園子は柔らかい声で続ける
園子「でも、頑張ることさえしなくなったら、何もかもがダメになる。だから、頑張る。一人では無理でも二人なら、三人なら、四人ならって希望を持つ」
そしてそれこそが。と
園子は強く握った言葉を伝える
園子「何よりも強い力になるんよ」
- 926 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 21:32:43.89 ID:hgouSbz3o
-
夏凜「……水掛け論になるか」
それで無理されたら元も子もない
けれどそれは為せば成ると考えず、不安と恐れを前面に出してしまっているからだ
希望を持つべきだと言われる
それで……と
半永久的に繰り返すのは時間の無駄でしかない
夏凜は軽く息を吐く
夏凜「と、こんな調子なのよ。特に、精霊を消滅させるかどうかって話なしによ?」
天乃「最終手段として話してたんでしょう? 本当、勝手に話を進めるんだから」
東郷「事前に全員の意見をまとめておいただけです」
天乃「なら、さっきの夏凜は茶番――」
夏凜「意思確認っ」
意思確認して見せただけだから。と、
少し強い口調で言い返した夏凜は浮いた腰を戻す
夏凜「とにかく、私達は奉火祭に武力介入する」
天乃「本当に、それ以外に道はないの?」
- 927 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 21:51:09.15 ID:hgouSbz3o
-
東郷「残念ながら、ありません」
友奈「ま、まだわからないよ」
風「さすがにこればかりはどうしようもないわよ、友奈」
友奈「うぅ……」
無理を押し通す覚悟をしているとはいえ
天乃が嫌がることは極力避けたいという考えは変わらない
だからだろう
まだ策がないと完全には諦めていない友奈はしょんぼりと俯く
樹「久遠先輩は、やっぱり反対ですか?」
天乃「それはね……無理してほしくないわよ」
けれど、そうするしかないのかもしれない
精霊である歌野達を失いたくないのならば
その分の厳しさを、勇者として戦うみんなに背負って貰わなければいけないのかもしれない
1、絶対、絶対に無理はしないで
2、戦うことになったら満開は使ってもいい。でも、使ったら撤退して
3、巫女のみんなを助けたらそれで終わりにして。深追いは無し。約束できる?
4、少し、考えさせて
5、やっぱり……私は我儘なんて言うべきじゃなかったんだわ
↓2
- 928 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 21:53:43.78 ID:k45cP322O
- 3
- 929 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 21:54:06.03 ID:IrQRpDLN0
- 4
- 930 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/27(火) 22:11:48.20 ID:hgouSbz3o
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃「少し考えさせて」
東郷「そのために、事前にまとめておいたんです。時間はありませんが、ありますから。検討ください」
風(東郷がまじめすぎて違和感があるんだけど)
友奈(これが本来の東郷さん……だったような)
樹「東郷先輩の評価って一体……」
- 931 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 22:22:37.22 ID:k45cP322O
- 乙
突撃したらしたで天の神の呪いが怖い、かといって歌野達の犠牲は久遠さんのトラウマ再発必至だし…どうしたものか
- 932 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 00:40:52.90 ID:4l2nJV/5O
- 乙
プランBで行こう!
プランBは……なんだ?
- 933 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 20:18:14.01 ID:kRpoWs83o
-
では、少しだけ
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 20:32:32.06 ID:YGt1rRf4O
- 来てたか
- 935 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 20:40:58.15 ID:kRpoWs83o
-
天乃「少し考えさせて」
精霊のことも、勇者部に委ねるかどうかも、
今日一日で、一気に聞かされたのだ
時間がないことは分かっているけれど、少しだけでも考える時間が欲しかった
いや、考える。というよりは整理する時間だ
夏凜「どのくらい時間がありそう?」
沙織「長くて3日……くらいで考えておいたほうが良いかな」
東郷「ということは、週末前にはもう、実行されると?」
沙織「ううん、そうじゃなくてね」
今週中に行われる可能性は非常に高いが、
だからこそ、週末まで時間を取るわけにはいかない
本当なら、3日でも言葉通り長いのだ
沙織「実行されるのはきっと週末。だから、半ばの3日間位取れると思うって話」
風「金曜日、土曜日もあるし、最悪そこに行われるのだとしてもあたしたちは覚悟できてるし」
天乃「その覚悟できてるって言うの止めて、嫌」
夏凜「……重症ね」
天乃「なにが?」
夏凜「別に」
- 936 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 21:14:19.47 ID:kRpoWs83o
-
ふいっと顔を逸らした夏凜は、
はいはい。と、手をたたきながら腰を上げる
夏凜「天乃が考えたいって言っている以上、いったん終了しましょ」
樹「私たちも、万が一の時のために歌野さん達のことを考えましょう」
東郷「そうね。そうするしかなくなった時、何かできることがないか慌てなくて済むように」
そのために満開を残しておくとか
もっと力をつけるための鍛錬を厳しく行うとか
今みたいに積んでしまうことがないように
そして、最悪の可能性に陥ったとしても
ただ悲しいだけでは終わらないために。
友奈「久遠先輩、私達頑張ります。頑張りますから」
天乃「……それは、分かってる」
だから嫌なのよ。と
天乃は言わずに飲み込んで
すぐ横にある夏凜の背中へと目を向けた
- 937 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 21:22:38.17 ID:kRpoWs83o
- 1日のまとめ
・ 乃木園子:交流有(今後の方針)
・ 犬吠埼風:交流無(歌野達の力、今後の方針)
・ 犬吠埼樹:交流無(今後の方針)
・ 結城友奈:交流有(今後の方針)
・ 東郷美森:交流有(今後の方針)
・ 三好夏凜:交流有(熱でもあるの?、今後の方針)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 白鳥歌野:交流有(精霊の力)
・ 藤森水都:交流有(精霊の力)
・ 郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(今後の方針)
・ 九尾:交流無()
・ 神樹:交流無()
12月01日目 終了時点
乃木園子との絆 85(高い)
犬吠埼風との絆 108(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 95(とても高い)
結城友奈との絆 115(かなり高い)
東郷美森との絆 127(かなり高い)
三好夏凜との絆 149(最高値)
乃木若葉との絆 99(かなり高い)
土居球子との絆 44(中々良い)
白鳥歌野との絆 44(中々良い)
藤森水都との絆 36(中々良い)
郡千景との絆 45(中々良い)
沙織との絆 127(かなり高い)
九尾との絆 68(高い)
神樹との絆 ??(低い)
- 938 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 21:30:42.00 ID:kRpoWs83o
-
√ 12月1日目 夕(病院) ※月曜日
01〜10 千景
11〜20
21〜30
31〜40 若葉
41〜50
51〜60 九尾
61〜70
71〜80 球子
81〜90
91〜00 樹
↓1のコンマ
- 939 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 21:35:29.94 ID:YGt1rRf4O
- あ
- 940 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 21:43:34.88 ID:kRpoWs83o
-
失礼しました
12月2日目の朝です
- 941 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 22:11:03.66 ID:kRpoWs83o
-
√ 12月2日目 朝(病院) ※火曜日
与えられた猶予は三日
けれどそれはあくまで沙織が定めた期日
実際にはそれよりも時間がないかもしれない
天乃「……はぁ」
大きくため息を吐いて、
不安に飲まれていく考えを振り払う
不安になってばかりだ
ただでさえ嫌なことを
余計に悪く考えてしまいすぎている
頭ではそう、わかっているのに
天乃「…………」
ベッドの上半分、上半身の方を起こして体を預けると
丁度、カーテンが捲られて樹が姿を見せた
樹「良かった、起きててくれた」
天乃「ふて寝してるとでも思った?」
樹「いえ、体調を崩していたりしないか、ちょっと心配だったので」
- 942 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 22:25:40.00 ID:kRpoWs83o
-
病は気からというように、
不安になってしまったことで
精神的な面から体調を崩してしまうのではないか。と
樹「勝手に決めちゃってごめんなさい……とは、言いません」
天乃「樹……?」
樹「お姉ちゃん達は最終手段だって言ってましたけど、それしかないんじゃないかって、私は思ってたんです」
奉火祭は、
天乃たちにとっては理不尽であり、はばかられるべきものではあるが、
世界からしたら、そんなことはない
たった六人の巫女で世界が救えるのだから
尊い犠牲だと言えるだろう、仕方がないことだと割り切れるだろう
そして何より、善悪を問うことのできるものではないだろう
どちらも間違っていない
全員が無事であることを願うのも
世界のために、犠牲を受け入れることも
だからこそ、解決できるような方法はない
だからこそ、最終手段こそが取れるべき手段だと思ったのだ
樹「出来れば話し合いで解決したかった気持ちもありますが、でも、出来ないのなら仕方がないです」
- 943 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/28(水) 22:32:52.26 ID:kRpoWs83o
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「ということで……」ギシッ
天乃「?」
東郷「久遠先輩の体に正直になってもらうことも仕方がないことで――」グイッ
風「はーい、樹が大切な話してるから退場ね〜」
東郷「痛いっ、痛いです風先輩っ、首がっ、締まっ……」ズルズル
樹(……その手は、最終手段かなぁ?)
- 944 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 22:38:15.02 ID:NQfxiVpUO
- 乙
腹黒樹もかわいい
- 945 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 22:49:42.73 ID:YGt1rRf4O
- 乙
焦りで久遠さんの精神がどんどんすり減っていく…
樹ちゃんも西暦組に恩を感じてるしかなり無茶しそうだなぁ
- 946 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 20:22:13.08 ID:nH4VljEMo
-
では、少しだけ
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:39:28.02 ID:yNU8kBejO
- よっしゃ
- 948 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 21:00:24.93 ID:nH4VljEMo
-
天乃「最終手段しかないって、初めから諦めてたの?」
樹「あ、あきらめていたわけじゃないですっ」
強まった視線に一瞬ひるんだ樹の声は少し上ずって
慌てた否定についさっきまでのしっかりとした雰囲気は崩されてしまっている
こほんっ。と取り繕っても
もはや普段の樹の愛らしい雰囲気はもうしばらくは隠せない
樹「……むしろ、そう思っていたからこそ頑張っていたんです」
最終手段しかないということは、
勇者部が無茶をしなければならないということだ
そんなこと、天乃が喜ぶわけがないと分かっているから、
どうにか、この方法をとらない手はないだろうかと考えようとした
考えて、考えて
それでも、この結果になってしまったのだ
樹の仕方がない。という言葉はそう、軽くはない
樹「久遠先輩の理想はみんなを救うこと。だから、大赦もできるのならそれがしたいんだろうなって思います」
けれど、それはあまりにも理想的で、夢見がちで
多くを犠牲にしてきた大赦には、大人である彼らには
選びたくても選ぶことのできないものなのだ
- 949 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 21:26:22.04 ID:nH4VljEMo
-
樹「だからこそ、確実な方法を求めてくるんです」
根性論や感情論といった、
不確定要素の多い作戦は論外で
この力をこう使えば確実にこういった結果を得られる
それが証明できなければ受け入れてはくれない
奉火祭だって、過去の結果あってこそのものだ
樹「だから……」
だから。
東郷先輩から聞いた、祖母の言った「貴女が万全であったなら対策の練りようもあった」という言葉は
それなりに確証があってのことだったはずだ
天乃「なに?」
考えるために生まれた空白
その隙間をつつく天乃の視線を感じて、樹はいえ。と、呟く
樹「だから、おそらくですけど久遠先輩のお祖母ちゃんが言った対策は言い方からして、その力を使って天の神を直接討つことだと思います」
天乃「……樹が考えたの?」
樹「みんなで。です。むしろ、それが最終手段の切っ掛けになったと言ってもいいかもしれません」
- 950 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 21:52:50.55 ID:nH4VljEMo
-
樹「大赦は久遠先輩の力があれば天の神を討てると考えた。なら、勇者部全員の力で撃って出れば久遠先輩の代わりになれるかもしれない」
それは、守るために死ぬような戦いではない
守るため、そして、生き残るための戦いだ
それが、久遠家の力ならば可能だと考えたと勇者部は考えたのだ
もちろん、相殺―相討ち―の可能性もあるが
天乃「無茶だわ」
樹「……私を鍛えてくれたのは歌野さんなんです。ウェポンの使い方がベリーマッチしてるからって」
想いだし笑いを浮かべながら言う樹は、寂しそうな表情へと収束していく
いなくなってしまうことを考えてしまったのかもしれない
樹「そのおかげで私はいろんなことができるようになりました。何より、自分に自信が持てるようになった」
農業に関しての知識も気づけば集まってきていて、
スーパーでの野菜選びなんかでは主婦にさえ勝るかもしれない
樹「だから、今更、いなくなっちゃうことなんて考えられません」
だから。
そう続け、握りしめた拳を天乃へとむける
樹「歌野さん達が自分たちの生存を諦めてしまうのなら、その必要はないって、鍛えて貰ったこの力で示したいと思います」
それこそが。と、樹は笑う
樹「私が、私たちが歌野さん達に今、返せる恩。そして、この世界に来て良かったと思って貰える理由になると思うんです」
- 951 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 22:11:55.68 ID:nH4VljEMo
-
最終手段
されど、諦めた結果ではない
それしかないならと、決めた覚悟ではない
天乃を心配にさせるし不安にさせる
だから避けるべきであると考えはするけれど、
前向きに考えれば、
歌野達に恩を返す場として、
ここにきて良かったと思わせるための場として
利用することも考えられる
樹「ポジティブすぎる……とは、思うんですけど」
本当は友奈が言うようなものだが、
考えが天乃寄りのためか、戦いに出ることに関してはあまり、前向きではない
もちろん、
友奈には友奈で、なし崩し的ではない戦う理由はあるのだが。
樹「久遠先輩からしたら、不安だと思います。怖いと思います。でも、信じてはもらえませんか?」
1、だったら、私の最終手段は私の力を使うこと。無事じゃなかったら覚悟しなさい
2、まさか、樹からそんなことを言われるなんて思わなかったわ
3、本当に、諦めたわけではないのね? みんなにはみんなの、ちゃんとした理由があるのね?
4、私と貴女達の力は違う。危険よ。やめなさい
↓2
- 952 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:15:16.18 ID:VWKh5ygkO
- 1
- 953 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:17:03.55 ID:ItOLDAZR0
- 1
- 954 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 22:25:31.01 ID:nH4VljEMo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
千景「あっ」
若葉「どうした千景、何かあったのか?」
千景「いえ、ただの杞憂よ……」
千景(あれは俗にいうフラグ……)
千景「まさか、ね」フルフル
- 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:27:35.33 ID:iLAj48WkO
- 乙
勇者だから大丈夫
- 956 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:33:32.20 ID:VWKh5ygkO
- 乙
果たしてどちらにフラグが立ったのか…
あと樹ちゃんの話をうたのん達が聞いてたらどう反応してたかな
- 957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 08:10:31.96 ID:yR6goa0tO
- 乙
これは次期部長ですわ
- 958 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 20:32:53.89 ID:0waaPofXo
-
では、少しだけ
- 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 20:52:10.69 ID:ilmQ9AhKO
- かもん
- 960 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 21:29:54.33 ID:0waaPofXo
-
天乃「だったら……そうね。貴女達がそういうのなら」
天乃は少し考える素振りを見せると半ば睨むような眼を樹へと向ける
勇者から退いていて、
ベッドから自力では動けないような体の状態
にも拘わらず、怯んでしまうような凄味があった
天乃「私の最終手段は私の力を使うこと。無事じゃなかったら覚悟しなさい」
樹「また、久遠先輩は無茶なことを言うんですね」
天乃「無茶でも、無理でも。私はやると言ったらやるわ」
樹「……知ってます。よく、わかってます」
天のなら、たとえ這いずってでも力を行使しかねないことくらい
それくらい、大切に思ってくれていることくらい
樹は良く分かっている
いや、みんなも良く分かっていることだろう
でも、わかってほしい。と、樹は思う
私たちも、同じくらい久遠先輩が大切なんだって。
樹「だから、持てる力のすべてをぶつけてきます。巫女の皆さんを、絶対に助け出します」
- 961 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 22:17:34.66 ID:0waaPofXo
-
樹「それに、目的としては巫女さんを助けることなので、とりあえず戦うのは後回しにする予定です」
多少の自衛能力を持っている防人ならばともかく、
巫女はそんな力は持っていない
ましてや、救出が結界の外になるのであれば、
燃え尽きてしまいそうな熱気にあてられて気を失ってしまうかもしれない
そんな巫女を引き連れての戦闘など
やむを得ない場合を除いて避けたいのが本音だ
そこで無理して戦えば未来の勝利につながると言われても
まずは安全を優先する
樹「大丈夫ですよ、久遠先輩」
天乃「なせば大抵なんとかなる?」
樹「そうですね……成してこそ、何とかなるものだと思ってます」
天乃「簡単に言っていると、足元をすくわれるわ」
樹「そうならないために、今まで頑張ってきたつもりです」
だから、信じてください
だから、待っていてください
樹「久遠先輩に無理されたら、全部台無しになっちゃいますから」
そうならないよう、全力で頑張るから
樹「任せてください。久遠先輩の理想は私達が叶えます」
- 962 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 22:43:32.52 ID:0waaPofXo
-
√ 12月2日目 昼(病院) ※火曜日
01〜10 九尾
11〜20
21〜30
31〜40 千景
41〜50
51〜60
61〜70 若葉
71〜80
81〜90 歌野
91〜00
↓1のコンマ
- 963 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 22:44:35.32 ID:ilmQ9AhKO
- あ
- 964 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:17:35.62 ID:0waaPofXo
-
√ 12月2日目 昼(病院) ※火曜日
精霊として存在している千景たちは、
その繋がりによって互いが知りえた情報を共有することができる
だから、精霊でありながら通常の生徒として学校に通っている沙織によって
勇者部が無茶をしようとしていることは千景たちの耳にも届いていたのだ
だから。と、千景は呟く
千景「……白鳥さん達は、それを止めようとしたのだけど」
残念ながら、逆に背中を押すような形となってしまった
もっとも、千景としては想像に容易い流れだったのだが。
天乃が伊達や酔狂で精霊である自分たちも生かしたいといったわけがないのは
今までの生き方から見ても察することができる
そして、その背中を見てきた勇者部
その思いに寄り添うと決めた勇者部
その彼女たちが、天乃が守りたいといった精霊たちの犠牲をよしとするだろうか
いや、するわけがない
久遠陽乃
彼女が何を考えて自分たちの魂を呼び出せるような細工を施したのかは
千景にもわかってはいない
けれど、今ここにいるのは事実だ
西暦時代に置いてきてしまったものは多く、
記憶だって失ってしまっていた
もしかしたら、その記憶がないということ自体が、陽乃の配慮だった可能性もなくはない
- 965 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:29:47.25 ID:0waaPofXo
-
千景「……考えても、わかりそうもない」
目の前にいてくれれば考えようもあるものだが、
故人が何を考え、何を思い、なぜこのようなことをしたのか
終わりのない推測を続ける気にはなれないと
千景はふと息を吐いて、病室の中に姿を見せる
勇者部専用となっている広い特別な病室の中
一人ベッドに横になっている天乃へと、声をかけた
千景「……少しは、目をつむってみるのも悪くはないと思うわ」
天乃「千景……」
千景「大丈夫。勇者部は学校に行っているだけ。少なくとも、昨日の今日で動いたりはしないわ」
三日間の猶予があるといったのは沙織だ
沙織が天乃に対して偽りの情報を与えるはずがないし、
その程度の猶予が作れるだろうことは千景たちにも共有された情報
だから、千景ははっきりと言う
千景「樹との話で少しは考えはまとまったのでしょう? 少しくらい休んでも、平気よ」
天乃「貴女達も、樹たちと協力して戦うのよね?」
千景「ええ。戦うことになるのなら、戦うわ」
そもそも、千景たちは天乃の力を分散したようなものなのだから
全員で天乃の力と同等のものを引き出せるかと言われれば
使い果たす許可を貰えれば。というものにはなってしまうが
千景「結局、どちらにせよ精霊が犠牲になる。と、考えているの?」
- 966 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:34:59.26 ID:0waaPofXo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
陽乃「……えっ? 私が何か裏があってやったんじゃないかって?」
陽乃「そんな邪推されても困るのだけれど」
陽乃「300年後のこととか、自分が死んだ後の世界なんてどうでもいいわよ」
九尾「じゃがお主、未来のためにと子供を――」
陽乃「あ、あれは若葉とひなたのためよ!別に私はどうでもよかったけど、二人が何もないと可哀そうだと思っただけ」
陽乃「それだけなんだからね!」
- 967 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 23:37:30.87 ID:FylE8/9IO
- 乙
シリアスな展開が続いてハラハラするぜ
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 23:43:27.46 ID:ilmQ9AhKO
- 乙
久遠さんよりもツンデレしてる陽乃さんかわいい
いずれ彼女のエピソードももっと見てみたいな
- 969 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:06:15.13 ID:W025M/y9o
-
では、少しだけ
- 970 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 20:10:26.52 ID:5AcZ58DOO
- やったぜ
- 971 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:33:48.23 ID:W025M/y9o
-
天乃「そうは思っていないわ」
そもそも、穢れを肩代わりすることによる消耗によって、
力を使い果たしてしまう可能性のある水都や沙織を除いて、
天乃の許可なく力を使い果たすようなことはできない
消耗が激しい場合、存在を維持できなくなって一時的な消滅こそするが
それも、時間の経過と天乃の力を借りることでまた姿を見せることができるようになる
だから、その点の心配はしていない
天乃「ただ、神様の反抗するということは簡単ではないと思うのよ」
千景「それには同意ね。樹達の言い分も悪いわけではないけれど……神罰。というものが考慮に入っていないわ」
天乃「神罰?」
千景「あぁ……えっと」
なんて説明をしようか。
思わず口にしてしまったゲーム的な用語をかみ砕こうとしたところで
天乃が「仏罰とは違うものよね」と、呟く
仏罰こそ、千景は知らない
千景「仏罰ってなに?」
天乃「色々あるのだけど、簡単に言えば仏教ってあるでしょう? その仏様の悟った真理に背いた人が見舞われる罰。みたいな」
それは決して仏が与える罰などではなく、自然的に被る罰である
ゆえに、人によってはそれを運命だという人もいたとされる
もっとも、神樹様信仰となった現代においては、神社や寺で運よく書物が残っていれば見ることができる。程度のものだが。
天乃「神罰という言葉も、軽くは知っているのよ。仏罰とは違って、神様が直接お与えになられる罰のことだって」
千景「そう、その通りよ」
- 972 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:46:43.99 ID:W025M/y9o
-
説明せずに済んだという安堵の息を漏らすのもつかの間
天乃は悩ましげな表情で千景へと目を向ける
天乃「ただ、問題はどのような神罰が下されるのか。というところなの。千景はその辺り――」
千景「……具体的に浮かぶものはないわ」
適当なことを言っても仕方がない
そう、観念して正直に答えた千景は、
天乃の期待には沿えなかっただろうと目を逸らす
千景「ただ、神に逆らう以上、それは考慮していなければいけないことだと思っただけ」
天乃「樹たちだってその辺りは考えていないわけじゃないと思うわよ」
特に、沙織や園子がいるのだ
その部分の考えもなしに神様に対抗するなんて考えを受け入れたわけではないはずだ
それがあってなお、そうするべきだと考えただけのこと
あるいは、
そうであってもそうするしかなかったと――
千景「久遠さん」
天乃「っ」
千景「あまり、考えすぎないほうが良いわ」
千景の優しい声に沈みかけていた思慮の沼から引きずり出されて、はっとする
窓ガラスに薄く映る顔は、とても、酷いものだった
- 973 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:05:20.40 ID:W025M/y9o
-
樹たちがなし崩し的に
そう、それ以外にはないから仕方がないのだと。
諦めた気持ちでその覚悟を決めたわけではないことは聞いた
それぞれに考えがあって、思いがあって
だからこそ戦う覚悟を決めて
けれども、危険なことだからと最終手段にしたのだと。
だから、
自分の願いが樹たちの行動を制限して、
危険な道を選ぶことを強制しているのではないかなんて考えは、
それこそ、失礼な話だろうに。
千景「表面上は平気だと取り繕っていても、闇は積み重なっていく」
天乃「………」
千景「普段は良いけれど、誰もいなくなってしまう広い病室も、今の久遠さんにはあまり良くない」
そう感じるわ。と、千景は天乃の体に触れる
戦いに出ていた時はとても頼もしく感じた天乃も、
やはり、女の子なのだと嫌でもわかる
決して、最強と謳われ崇められ称えられ、孤高で良いわけではないのだとわかる
千景「久遠さん、勇者部の中で一番無理をしているのはきっと、貴女だわ」
1、そんなことないわ
2、知ったようなこと言わないで、私は平気
3、私はただここで待っていればいいだけ。私なんかの願いを叶えようとしているみんなの方が無理しているわ
4、そうかしら……そう見える? ううん、そう見えるんでしょうね
5、そう思うのなら、しばらく一緒にいて
↓2
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 21:08:56.50 ID:nrx6M6zj0
- 3
- 975 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 21:09:49.09 ID:5AcZ58DOO
- 1
- 976 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:32:17.33 ID:W025M/y9o
-
天乃「そんなことないわ」
千景「本気で言っているのなら、それは久遠さんの感覚がおかしくなっているだけよ」
さんざん無理をしてきたから
いや、誰かを頼って任せるということを怠ってきたからか
それをしているというだけで
自分よりも周りの方が頑張っているという認識になる
天乃「そんなことない」
千景「さっき、自分の顔を見た後でよく言えるわね」
周りの人が傷ついていくこと、無茶をする事
それが何よりも嫌なのに、任せっきりになってしまっている現状
まだ15歳と若いのにも拘らず、母親になっていく体
体だけでなく、心もだ
むしろ、心の方が無理をしていることだろう
千景「今は犬吠埼さん達勇者部がいないからあれだけれど、普段は悟られないように無理しているように見えるわ」
それでも、夏凜相手にはやや甘え気味だが。
他のみんなにはあまり、自分のことで手を紛らわせないようにしているように感じる
千景「久遠さんが甘えても、みんなを喜ばせるだけ。手を紛らわせるなんてことは一切ないはずよ」
- 977 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:50:57.03 ID:W025M/y9o
-
天乃「どうしてそんなこと言えるのよ」
千景「見ていて、そう感じるからよ」
傍観者の立場にいる千景だからこそ、わかることもある
寄り添いあう樹たちはとても満たされている
確かに、天乃の理想たる全員が無事な世界を求めるあまり、無理をしている部分はあるが、
その疲れをしっかりと癒してあげられていることだろうと千景は思う
むしろ、
それが堪能できないのは天の神のせいだとして
やや八つ当たり気味になりかけているようにさえ思うほどだ
千景「私は……そう、私も自分に正直になることができていたら、過ちは犯さなかっただろうと今は思う」
天乃「…………」
千景「久遠さんはそんな私と同じようにはなるべきではないわ。せっかく、深く頼ることのできる相手がいるのだから」
天乃「でも」
千景「最終決戦前のイチャイチャは王道よ。どんなゲームにだってある。その時の尊さを胸に、戦うことで力が増す展開だってある」
天乃「……良く分からない」
千景「久遠さんはゲームをやるべきね。暇つぶしにもなるし、いちゃつき方も勉強になるはず」
天乃「今はそれ、関係ないでしょ」
天乃の興味なさげな反応に、
千景は「やっぱり駄目ね」と、呆れたように答えてため息をつく
普段の天乃なら、もう少し話に乗ってくれるはずなのだ
少なくとも、多少の興味は持ってくれることだろう
千景「とにかく、少しくらい甘えたほうが良いわ。久遠さんのためだけじゃなく、みんなのためにも」
- 978 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:56:08.99 ID:W025M/y9o
-
√ 12月2日目 夕(病院) ※火曜日
01〜10 東郷
11〜20
21〜30
31〜40 夏凜
41〜50
51〜60 園子
61〜70 沙織
71〜80
81〜90
91〜00 九尾
↓1のコンマ
- 979 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:00:06.97 ID:5AcZ58DOO
- あ
- 980 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 22:13:30.23 ID:W025M/y9o
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
千景「後は頼んだわ」
九尾「余計なことを話しおって」
千景「理想のendにたどり着くための手回しってものが、ゲームにはよくあるのよ」
九尾「勝手なことを抜かしおる……変わったのう」
千景「あんな、放っておけない人に呼ばれたからかもしれないわ」
- 981 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:25:22.92 ID:5AcZ58DOO
- 乙
過去の失敗もあってか千景もまた成長してるなぁ
あと久遠さんは子供を産んだら神罰も何とかしにいきそう
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:56:49.42 ID:zVYchDjLO
- 乙
久遠さん!ファイト!
- 983 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 13:08:14.87 ID:8ClIDT+Io
-
では、少しずつ
- 984 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 13:40:12.02 ID:rNmH8MryO
- きてたー
- 985 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 13:44:44.98 ID:8ClIDT+Io
-
√ 12月2日目 夕(病院) ※火曜日
時間の流れを感じやすくなる冬の夕暮れ時
時間を浪費してしまったかのような後悔を感じてしまいそうな胸の痛みに手を宛がうと、
丁度、覆うような影がどこからともなく姿を見せた
前触れもなく姿を見せることができるのは普通の人間ではなく、精霊しかいない
黄昏に溶け込みかける意識を引き上げて顔を上げると、
困り顔の九尾の姿が目に入った
天乃「九尾……」
九尾「お主、犬妹との話でどうするかを決めたのではないのかや?」
天乃「……そう、なのかしら」
九尾「妾に問い返すことではなかろう」
天乃「……駄目ね、なんだか、凄く疲れてるように感じる」
九尾「感じるのならば、まだ良くなったのじゃろう。神樹と外の奴らの干渉があるのじゃ。多少の気疲れがあって当然というものじゃ」
以前までのように目を覚ますことさえ困難で
起きたかと思えば血反吐を吐いたりするようなほどの影響こそないが
多少、疲れてしまう程度には影響がある
それを、知ってか知らずか完全に無視していたのは
焦りがあったからかもしれない
もしくは、それが体調よりも精神面に出ていたのかもしれない
- 986 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 14:03:03.55 ID:8ClIDT+Io
-
天乃「……それを言うために、出てきたの? 休めって?」
九尾「それもあるが、小娘の余計な言葉で心労が増えたじゃろう」
丸投げしおって。と
不快感しか感じない呟きを漏らした九尾は、
呆れた表情のまま、天乃を見下ろす
閉じかけた瞼は開閉の判別のつかない有耶無耶なままで
瞳は少し、虚ろにも見える
ここまであからさまになったのは
先ほど言った外因的な部分もあるが、
出産が近づいてきているからというのもあるだろう
子供が産まれる際、天乃の体の中に廻っていた力が一気に引き抜かれる
その虚脱感の片鱗を受けているからだ
そんな中で、【神罰】などといった不安要素を残しておくわけにはいかない
千景もし、九尾のそういった心情を理解して話したのであれば、
作戦の立案を任せてもいいだろう
九尾「神罰について、妾から話してやれることがある」
天乃「千景が言っていたこと、よね?」
九尾「うむ。じゃがその前に、主様に確認しておこうと思うてな」
- 987 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 14:36:24.34 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「主様はどうするつもりなのか、じゃ」
天乃「どうするつもりかって……みんなにその手段を取らせるか、よね」
九尾「……うむ」
反応が少し、鈍い
眠気も合わさっていて、
少し目を離した隙に気を失ってしまっていそうだ
天乃「………」
九尾「………」
天乃「そうね……みんなやる気、だから」
止めても無駄かもしれない
言葉通り最終手段
それしかない場合に取る手段として残されているのだから
天乃の許可があろうとなかろうと、みんなはそれをやることだろう
もちろん、許可が出なかった場合には
それ以外の道がないだろうか今以上に頑張って探そうとするだろうけれど。
天乃「そう、ね」
1、その神罰について教えてくれたら決めるわ
2、どうせ言っても聞かないだろうし、せめて、私から後押しすることにするわ
3、その神罰が怖いから、出来ればやらせたくはないわね
↓2
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 14:40:52.69 ID:rNmH8MryO
- 1
- 989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 14:43:07.75 ID:ySeXPoZUO
- 1
- 990 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 15:31:58.76 ID:8ClIDT+Io
-
天乃「その神罰について教えてくれたら、決めるわ」
九尾「主様の決定を確認してから……と、妾は言ったはずじゃが?」
天乃「そう、だったかしら……あぁ、そう、ね」
九尾「……はぁ」
少し横になれ。と
上半身を起こしたままのベッドのリモコンを操作し、
天乃の体を横にしていく
天乃「寝ちゃうから……」
九尾「その方が良い。神罰については、小娘どもが戻ってきてから話そう」
天乃「そしたら貴女、起こし――」
九尾「ちゃんと聞かせるから安心するがよい。これは、主様が必要なことじゃからな」
むしろ、天乃がいなければいけない
なのに、聞かせない理由などない
もっとも、聞かせなくていいならば、聞かせたくない話でもあるのだが
九尾「とにかく、主様は少し休んでいたほうが良い」
もう夕方なのだから
勇者部の面々もすぐに帰ってくることだろう
ほんの十数分程度にはなるだろうが
それでも、ちゃんとした受け答えができるくらいにはなるだろう
九尾「今は眼を閉じ眠れ。闇が恐ろしいのならば妾が居よう」
九尾はまだ開く瞼を下ろすようにそっと手を動かした
- 991 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 15:58:39.83 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「天乃……起きれる?」
天乃「……っ」
九尾に誘われて眠りに落ちてからどれくらいの時間が経過したのか、
いつの間にか帰ってきた夏凜の声、揺すられる体の感覚を頼りに
ゆっくりと目を開こうと努力する
だが、まだ起きるなと叩き伏せるようなずきりとした頭の痛みを感じる
まだ眠っていたいと精神的な疲れの訴えを感じる
しかし、いつまでも寝ていられない
大事な話を聞くために寝たのだから
聞くために寝たのに、眠り続けていたら意味がなくなってしまう
天乃「夏り……痛っ」
夏凜「やっぱ無理なんじゃない? 明日にした方が――」
九尾「日を跨げば出産が近づく。まだ話せる今のほうが良かろう」
夏凜「そうは言ったってこんな」
天乃「……大丈夫よ。ありがとう」
頭に触れてくれている夏凜の手に手を重ねながら、
何とか微笑んで見せる
それすら痛々しいものだっただろう
夏凜はあまり納得していないという表情を浮かべる
- 992 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 16:16:31.73 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「話を聞く程度にしなさいよ? 聞いたら寝る。いいわね」
天乃「ん……ごめんね。大事な話だから」
夏凜「それは九尾から聞いたわよ」
東郷「出来る限り手短に。お願いできますね?」
まだぼやけて感じる視界
自分のベッドの周りにいる東郷たちの姿を何とか感じ取る
夏凜が最も寄り添ってくれているが、
友奈たちも、出来る限り近くにいてくれている
まるで、九死に一生を得て目を覚ましたかのような感覚だ
九尾「ふむ……そう長くなる話ではないぞ」
無論、おぬしたちが余計なことを聞かなければじゃが。と
九尾は怪しげな言葉を含んで口を開く
女性の姿をした九尾は看護師の衣服を身に着けているが
その分、得体のしれない部分が増しているようにも感じる
九尾「おぬしらは神罰。というものを考慮しておるかや?」
沙織「当然。神様に戦いを挑む以上は避けては通れないものだと思ってる」
バーテックスに歯向かうというレベルの話ではない
捧げものを横から強奪しようというのだ
神罰が下っても仕方がないと言えるだろう
だから、考慮していないわけがなかった
- 993 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 16:41:25.38 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「じゃが、それがどう降りかかるものなのか、何が起こるのかまでは考えておらぬじゃろう?」
風「考えたには考えたけど、考えつかなかったっていうのが正しいけど」
考えつかなかったのだ
考えていないと言われても否定はできない
困り顔の風の横、
余計な口を挟むと話が長くなると言われて引きがちだった樹は
ちらっと天乃の方を見て、九尾へと目を向ける
樹「伊集院先輩を経由して状況は知っていたんじゃないんですか?」
九尾「すべてではないから確認しただけじゃ。さて、その神罰についてじゃが、実際にはこういわれるじゃろう」
【祟り】
話を一旦収めてから口にした短い言葉
強調されたそれを勇者部の面々はぐっと飲み込む
曖昧さのある神罰も、やはり、自分たちに良くない影響があるということは分かるが、
祟りという言葉はそれをより鮮明にして、恐ろしさが増す
九尾「巫女は確か6人じゃろう? 全員を救うつもりなら、全員がその祟りの影響を受けることになるはずじゃ」
一人につき一人
巫女と勇者で考えれば、非常に割に合わない計算になるものだが、
天の神としては、神世紀に入るころの誓いを破り、
あまつさえ、奉火祭による供物を強奪されるのだ
見逃せるものではないだろう
- 994 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:00:33.49 ID:8ClIDT+Io
-
友奈「6人って、勇者部みんなのこと、ですよね?」
九尾「それ以外になかろう。精霊には干渉しがたい力が働いておるからのう」
天乃「……わたし?」
目を向けられ、
何の話かと疑問符を含んだ呟きを漏らす天乃に、九尾は頷く
干渉されることはあっても、完全に食切ることはできない
むしろ、天乃の持つ神殺しの力を受ければ
天の神が無事では済まないかもしれない
九尾「その祟りの対策じゃが、そこで主様の血を使う」
天乃「私の血?」
東郷「もう処女ではありませんが――」
風「東郷、今はそういう話はしてないから」
東郷「えっ、まじめな話……」
園子「処女はそれだけで神聖化されているというか、清浄だと思われているからね。巫女としてもそういう部分を重視するところはあるから」
わっしーは悪くないよーよしよし。と
落ち込む東郷を慰めながら、園子は優しく続ける
園子「それで、天さんの血を使うってどういうこと? 儀式を行うの?」
- 995 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:23:31.12 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「うむ。それぞれに主様の……いや、久遠家の血族となってもらわなければならぬ」
そうしなければ、
祟りによる影響を酷く受けることになってしまう
もちろん、久遠家の血族としたところで
祟りの影響を完全に消滅させることは不可能だが
それによって蝕まれることや、
それによって遭うはずだった災難を多少なりとも軽減できる
天乃が持つ穢れの力と干渉し対消滅してくれるからこそできる芸当だ
天乃から血を摂取するため、少し天乃もつらい思いをしてもらうことにはなるが
その方が、精神的には優しいだろう
九尾「血の誓約を行う。どうせ結ぶのじゃろう? 構うまい」
天乃「それは……」
夏凜「お好みのタイミングがどうとか、言ってられるやつじゃないんでしょ?」
九尾「うむ」
樹「では、それを事前に行うことはできませんか?」
九尾「出来るが、力を上塗りされれば強い拒絶反応が起こるじゃろうな。内側から噴出するであろう祟りの影響を丸め込む方が良い」
- 996 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:34:04.47 ID:8ClIDT+Io
-
東郷「……そうですか」
友奈「で、でもあれだよね。婚約……して、別で結婚。みたいな」
樹「確かにそう考えればいいよ言うな……あれ?」
そういう話ではない気がします。と
一人我に返った樹の後を追うように
そうだよね。そうじゃないよねと慌てる友奈をなだめる園子
いつもの雰囲気が戻ってきてしまう勇者部を横目に、沙織は小さく苦笑する
沙織「九尾さんは、祟りが確実に降りかかる前提なんだね」
九尾「そうならぬわけがないからのう」
しかし、本当の問題はそれからだ
天乃が求めた通り、全員無事―祟りは受けるが―で戻ってきたとしても、
供物を奪った代償として新たな供物に選ばれるであろう六人の受けた祟り
それを抑え込んでしまうのだ、天の神もさすがに本気になってくることだろう
九尾「じゃが……」
天乃「?」
九尾「くふふっ、あの小娘の企みを阻害するという考えならば妾も楽しめるというものじゃ」
くふふふっ
そう、怪しげな笑みを浮かべる九尾は
本当に、心の底から笑っているように感じた
- 997 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:58:12.99 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「祟り……ね。ま、あんたの穢れを負うようなもんだと正直思ってたわ」
祟りという名前で聞いたわけではないが、
天罰があるという話を聞いた時に、夏凜はそう思ったという。
天とは、天乃のことで
罰は、そのまま罰
だから、その理不尽に与えられるであろう天罰は
天乃が受けている穢れの苦痛そのものだと
簡単に考えたわけではないけれど
天乃と同じ状態になるのならばそれもありだろうと考えたのだ
現実は、それよりも厳しいことになるようだが。
そうでなければ、九尾がわざわざ口を挟んでくることはないだろう
夏凜「……聞いたでしょ? あんたにもできることがある。あんただけが頑張るわけじゃない」
天乃「ん」
夏凜「だから、あんたは気負わず体力温存しときなさい。子供、産むんだから」
出産するだけでも、酷く体力を消耗するという話を聞いたことがある
穢れや神樹様、天の神の影響を受けてただでさえ消耗しているのだから
出来る限り休み、疲れないようにする
夏凜「それが今のあんたがやるべきこと。わかったら休む。大丈夫、あんたが眠ってる間に出て行ったりなんてしないから」
- 998 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 18:17:50.70 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜はそういうと、笑みを浮かべて天乃の頭を枕に戻す
ずれた布団を胸の上にまで引き上げて
目元にかかる前髪をさっと払う
夏凜「ほら、おやすみ」
天乃「ん……」
東郷「あっ」
友奈「東郷さん、しーっ」
ゆっくりと、夏凜の顔が近づいてきたのが最後に見えた光景
影がかぶって真っ暗になって、
かすかな吐息を額に受けて、瞼を閉じる
その直後に感じた、何度も味わった柔らかさ
東郷の挙げた驚きの声と、止めに入る友奈の声
その感触と、空気感は心地よくて
何より、安心できて
天乃はゆっくりと、意識がまどろみの中に溶け込んでいくのを受け入れた
- 999 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 18:18:36.87 ID:8ClIDT+Io
-
では、こちらのスレはここまでとさせていただきます
続きは次スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1543739820/
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 18:40:17.23 ID:nWK+Ps1IO
- 乙
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- /. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
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