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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】
- 953 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:17:03.55 ID:ItOLDAZR0
- 1
- 954 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/29(木) 22:25:31.01 ID:nH4VljEMo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
千景「あっ」
若葉「どうした千景、何かあったのか?」
千景「いえ、ただの杞憂よ……」
千景(あれは俗にいうフラグ……)
千景「まさか、ね」フルフル
- 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:27:35.33 ID:iLAj48WkO
- 乙
勇者だから大丈夫
- 956 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:33:32.20 ID:VWKh5ygkO
- 乙
果たしてどちらにフラグが立ったのか…
あと樹ちゃんの話をうたのん達が聞いてたらどう反応してたかな
- 957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 08:10:31.96 ID:yR6goa0tO
- 乙
これは次期部長ですわ
- 958 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 20:32:53.89 ID:0waaPofXo
-
では、少しだけ
- 959 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 20:52:10.69 ID:ilmQ9AhKO
- かもん
- 960 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 21:29:54.33 ID:0waaPofXo
-
天乃「だったら……そうね。貴女達がそういうのなら」
天乃は少し考える素振りを見せると半ば睨むような眼を樹へと向ける
勇者から退いていて、
ベッドから自力では動けないような体の状態
にも拘わらず、怯んでしまうような凄味があった
天乃「私の最終手段は私の力を使うこと。無事じゃなかったら覚悟しなさい」
樹「また、久遠先輩は無茶なことを言うんですね」
天乃「無茶でも、無理でも。私はやると言ったらやるわ」
樹「……知ってます。よく、わかってます」
天のなら、たとえ這いずってでも力を行使しかねないことくらい
それくらい、大切に思ってくれていることくらい
樹は良く分かっている
いや、みんなも良く分かっていることだろう
でも、わかってほしい。と、樹は思う
私たちも、同じくらい久遠先輩が大切なんだって。
樹「だから、持てる力のすべてをぶつけてきます。巫女の皆さんを、絶対に助け出します」
- 961 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 22:17:34.66 ID:0waaPofXo
-
樹「それに、目的としては巫女さんを助けることなので、とりあえず戦うのは後回しにする予定です」
多少の自衛能力を持っている防人ならばともかく、
巫女はそんな力は持っていない
ましてや、救出が結界の外になるのであれば、
燃え尽きてしまいそうな熱気にあてられて気を失ってしまうかもしれない
そんな巫女を引き連れての戦闘など
やむを得ない場合を除いて避けたいのが本音だ
そこで無理して戦えば未来の勝利につながると言われても
まずは安全を優先する
樹「大丈夫ですよ、久遠先輩」
天乃「なせば大抵なんとかなる?」
樹「そうですね……成してこそ、何とかなるものだと思ってます」
天乃「簡単に言っていると、足元をすくわれるわ」
樹「そうならないために、今まで頑張ってきたつもりです」
だから、信じてください
だから、待っていてください
樹「久遠先輩に無理されたら、全部台無しになっちゃいますから」
そうならないよう、全力で頑張るから
樹「任せてください。久遠先輩の理想は私達が叶えます」
- 962 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 22:43:32.52 ID:0waaPofXo
-
√ 12月2日目 昼(病院) ※火曜日
01〜10 九尾
11〜20
21〜30
31〜40 千景
41〜50
51〜60
61〜70 若葉
71〜80
81〜90 歌野
91〜00
↓1のコンマ
- 963 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 22:44:35.32 ID:ilmQ9AhKO
- あ
- 964 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:17:35.62 ID:0waaPofXo
-
√ 12月2日目 昼(病院) ※火曜日
精霊として存在している千景たちは、
その繋がりによって互いが知りえた情報を共有することができる
だから、精霊でありながら通常の生徒として学校に通っている沙織によって
勇者部が無茶をしようとしていることは千景たちの耳にも届いていたのだ
だから。と、千景は呟く
千景「……白鳥さん達は、それを止めようとしたのだけど」
残念ながら、逆に背中を押すような形となってしまった
もっとも、千景としては想像に容易い流れだったのだが。
天乃が伊達や酔狂で精霊である自分たちも生かしたいといったわけがないのは
今までの生き方から見ても察することができる
そして、その背中を見てきた勇者部
その思いに寄り添うと決めた勇者部
その彼女たちが、天乃が守りたいといった精霊たちの犠牲をよしとするだろうか
いや、するわけがない
久遠陽乃
彼女が何を考えて自分たちの魂を呼び出せるような細工を施したのかは
千景にもわかってはいない
けれど、今ここにいるのは事実だ
西暦時代に置いてきてしまったものは多く、
記憶だって失ってしまっていた
もしかしたら、その記憶がないということ自体が、陽乃の配慮だった可能性もなくはない
- 965 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:29:47.25 ID:0waaPofXo
-
千景「……考えても、わかりそうもない」
目の前にいてくれれば考えようもあるものだが、
故人が何を考え、何を思い、なぜこのようなことをしたのか
終わりのない推測を続ける気にはなれないと
千景はふと息を吐いて、病室の中に姿を見せる
勇者部専用となっている広い特別な病室の中
一人ベッドに横になっている天乃へと、声をかけた
千景「……少しは、目をつむってみるのも悪くはないと思うわ」
天乃「千景……」
千景「大丈夫。勇者部は学校に行っているだけ。少なくとも、昨日の今日で動いたりはしないわ」
三日間の猶予があるといったのは沙織だ
沙織が天乃に対して偽りの情報を与えるはずがないし、
その程度の猶予が作れるだろうことは千景たちにも共有された情報
だから、千景ははっきりと言う
千景「樹との話で少しは考えはまとまったのでしょう? 少しくらい休んでも、平気よ」
天乃「貴女達も、樹たちと協力して戦うのよね?」
千景「ええ。戦うことになるのなら、戦うわ」
そもそも、千景たちは天乃の力を分散したようなものなのだから
全員で天乃の力と同等のものを引き出せるかと言われれば
使い果たす許可を貰えれば。というものにはなってしまうが
千景「結局、どちらにせよ精霊が犠牲になる。と、考えているの?」
- 966 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/11/30(金) 23:34:59.26 ID:0waaPofXo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
陽乃「……えっ? 私が何か裏があってやったんじゃないかって?」
陽乃「そんな邪推されても困るのだけれど」
陽乃「300年後のこととか、自分が死んだ後の世界なんてどうでもいいわよ」
九尾「じゃがお主、未来のためにと子供を――」
陽乃「あ、あれは若葉とひなたのためよ!別に私はどうでもよかったけど、二人が何もないと可哀そうだと思っただけ」
陽乃「それだけなんだからね!」
- 967 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 23:37:30.87 ID:FylE8/9IO
- 乙
シリアスな展開が続いてハラハラするぜ
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 23:43:27.46 ID:ilmQ9AhKO
- 乙
久遠さんよりもツンデレしてる陽乃さんかわいい
いずれ彼女のエピソードももっと見てみたいな
- 969 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:06:15.13 ID:W025M/y9o
-
では、少しだけ
- 970 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 20:10:26.52 ID:5AcZ58DOO
- やったぜ
- 971 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:33:48.23 ID:W025M/y9o
-
天乃「そうは思っていないわ」
そもそも、穢れを肩代わりすることによる消耗によって、
力を使い果たしてしまう可能性のある水都や沙織を除いて、
天乃の許可なく力を使い果たすようなことはできない
消耗が激しい場合、存在を維持できなくなって一時的な消滅こそするが
それも、時間の経過と天乃の力を借りることでまた姿を見せることができるようになる
だから、その点の心配はしていない
天乃「ただ、神様の反抗するということは簡単ではないと思うのよ」
千景「それには同意ね。樹達の言い分も悪いわけではないけれど……神罰。というものが考慮に入っていないわ」
天乃「神罰?」
千景「あぁ……えっと」
なんて説明をしようか。
思わず口にしてしまったゲーム的な用語をかみ砕こうとしたところで
天乃が「仏罰とは違うものよね」と、呟く
仏罰こそ、千景は知らない
千景「仏罰ってなに?」
天乃「色々あるのだけど、簡単に言えば仏教ってあるでしょう? その仏様の悟った真理に背いた人が見舞われる罰。みたいな」
それは決して仏が与える罰などではなく、自然的に被る罰である
ゆえに、人によってはそれを運命だという人もいたとされる
もっとも、神樹様信仰となった現代においては、神社や寺で運よく書物が残っていれば見ることができる。程度のものだが。
天乃「神罰という言葉も、軽くは知っているのよ。仏罰とは違って、神様が直接お与えになられる罰のことだって」
千景「そう、その通りよ」
- 972 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 20:46:43.99 ID:W025M/y9o
-
説明せずに済んだという安堵の息を漏らすのもつかの間
天乃は悩ましげな表情で千景へと目を向ける
天乃「ただ、問題はどのような神罰が下されるのか。というところなの。千景はその辺り――」
千景「……具体的に浮かぶものはないわ」
適当なことを言っても仕方がない
そう、観念して正直に答えた千景は、
天乃の期待には沿えなかっただろうと目を逸らす
千景「ただ、神に逆らう以上、それは考慮していなければいけないことだと思っただけ」
天乃「樹たちだってその辺りは考えていないわけじゃないと思うわよ」
特に、沙織や園子がいるのだ
その部分の考えもなしに神様に対抗するなんて考えを受け入れたわけではないはずだ
それがあってなお、そうするべきだと考えただけのこと
あるいは、
そうであってもそうするしかなかったと――
千景「久遠さん」
天乃「っ」
千景「あまり、考えすぎないほうが良いわ」
千景の優しい声に沈みかけていた思慮の沼から引きずり出されて、はっとする
窓ガラスに薄く映る顔は、とても、酷いものだった
- 973 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:05:20.40 ID:W025M/y9o
-
樹たちがなし崩し的に
そう、それ以外にはないから仕方がないのだと。
諦めた気持ちでその覚悟を決めたわけではないことは聞いた
それぞれに考えがあって、思いがあって
だからこそ戦う覚悟を決めて
けれども、危険なことだからと最終手段にしたのだと。
だから、
自分の願いが樹たちの行動を制限して、
危険な道を選ぶことを強制しているのではないかなんて考えは、
それこそ、失礼な話だろうに。
千景「表面上は平気だと取り繕っていても、闇は積み重なっていく」
天乃「………」
千景「普段は良いけれど、誰もいなくなってしまう広い病室も、今の久遠さんにはあまり良くない」
そう感じるわ。と、千景は天乃の体に触れる
戦いに出ていた時はとても頼もしく感じた天乃も、
やはり、女の子なのだと嫌でもわかる
決して、最強と謳われ崇められ称えられ、孤高で良いわけではないのだとわかる
千景「久遠さん、勇者部の中で一番無理をしているのはきっと、貴女だわ」
1、そんなことないわ
2、知ったようなこと言わないで、私は平気
3、私はただここで待っていればいいだけ。私なんかの願いを叶えようとしているみんなの方が無理しているわ
4、そうかしら……そう見える? ううん、そう見えるんでしょうね
5、そう思うのなら、しばらく一緒にいて
↓2
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 21:08:56.50 ID:nrx6M6zj0
- 3
- 975 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 21:09:49.09 ID:5AcZ58DOO
- 1
- 976 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:32:17.33 ID:W025M/y9o
-
天乃「そんなことないわ」
千景「本気で言っているのなら、それは久遠さんの感覚がおかしくなっているだけよ」
さんざん無理をしてきたから
いや、誰かを頼って任せるということを怠ってきたからか
それをしているというだけで
自分よりも周りの方が頑張っているという認識になる
天乃「そんなことない」
千景「さっき、自分の顔を見た後でよく言えるわね」
周りの人が傷ついていくこと、無茶をする事
それが何よりも嫌なのに、任せっきりになってしまっている現状
まだ15歳と若いのにも拘らず、母親になっていく体
体だけでなく、心もだ
むしろ、心の方が無理をしていることだろう
千景「今は犬吠埼さん達勇者部がいないからあれだけれど、普段は悟られないように無理しているように見えるわ」
それでも、夏凜相手にはやや甘え気味だが。
他のみんなにはあまり、自分のことで手を紛らわせないようにしているように感じる
千景「久遠さんが甘えても、みんなを喜ばせるだけ。手を紛らわせるなんてことは一切ないはずよ」
- 977 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:50:57.03 ID:W025M/y9o
-
天乃「どうしてそんなこと言えるのよ」
千景「見ていて、そう感じるからよ」
傍観者の立場にいる千景だからこそ、わかることもある
寄り添いあう樹たちはとても満たされている
確かに、天乃の理想たる全員が無事な世界を求めるあまり、無理をしている部分はあるが、
その疲れをしっかりと癒してあげられていることだろうと千景は思う
むしろ、
それが堪能できないのは天の神のせいだとして
やや八つ当たり気味になりかけているようにさえ思うほどだ
千景「私は……そう、私も自分に正直になることができていたら、過ちは犯さなかっただろうと今は思う」
天乃「…………」
千景「久遠さんはそんな私と同じようにはなるべきではないわ。せっかく、深く頼ることのできる相手がいるのだから」
天乃「でも」
千景「最終決戦前のイチャイチャは王道よ。どんなゲームにだってある。その時の尊さを胸に、戦うことで力が増す展開だってある」
天乃「……良く分からない」
千景「久遠さんはゲームをやるべきね。暇つぶしにもなるし、いちゃつき方も勉強になるはず」
天乃「今はそれ、関係ないでしょ」
天乃の興味なさげな反応に、
千景は「やっぱり駄目ね」と、呆れたように答えてため息をつく
普段の天乃なら、もう少し話に乗ってくれるはずなのだ
少なくとも、多少の興味は持ってくれることだろう
千景「とにかく、少しくらい甘えたほうが良いわ。久遠さんのためだけじゃなく、みんなのためにも」
- 978 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 21:56:08.99 ID:W025M/y9o
-
√ 12月2日目 夕(病院) ※火曜日
01〜10 東郷
11〜20
21〜30
31〜40 夏凜
41〜50
51〜60 園子
61〜70 沙織
71〜80
81〜90
91〜00 九尾
↓1のコンマ
- 979 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:00:06.97 ID:5AcZ58DOO
- あ
- 980 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/01(土) 22:13:30.23 ID:W025M/y9o
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
千景「後は頼んだわ」
九尾「余計なことを話しおって」
千景「理想のendにたどり着くための手回しってものが、ゲームにはよくあるのよ」
九尾「勝手なことを抜かしおる……変わったのう」
千景「あんな、放っておけない人に呼ばれたからかもしれないわ」
- 981 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:25:22.92 ID:5AcZ58DOO
- 乙
過去の失敗もあってか千景もまた成長してるなぁ
あと久遠さんは子供を産んだら神罰も何とかしにいきそう
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 22:56:49.42 ID:zVYchDjLO
- 乙
久遠さん!ファイト!
- 983 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 13:08:14.87 ID:8ClIDT+Io
-
では、少しずつ
- 984 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 13:40:12.02 ID:rNmH8MryO
- きてたー
- 985 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 13:44:44.98 ID:8ClIDT+Io
-
√ 12月2日目 夕(病院) ※火曜日
時間の流れを感じやすくなる冬の夕暮れ時
時間を浪費してしまったかのような後悔を感じてしまいそうな胸の痛みに手を宛がうと、
丁度、覆うような影がどこからともなく姿を見せた
前触れもなく姿を見せることができるのは普通の人間ではなく、精霊しかいない
黄昏に溶け込みかける意識を引き上げて顔を上げると、
困り顔の九尾の姿が目に入った
天乃「九尾……」
九尾「お主、犬妹との話でどうするかを決めたのではないのかや?」
天乃「……そう、なのかしら」
九尾「妾に問い返すことではなかろう」
天乃「……駄目ね、なんだか、凄く疲れてるように感じる」
九尾「感じるのならば、まだ良くなったのじゃろう。神樹と外の奴らの干渉があるのじゃ。多少の気疲れがあって当然というものじゃ」
以前までのように目を覚ますことさえ困難で
起きたかと思えば血反吐を吐いたりするようなほどの影響こそないが
多少、疲れてしまう程度には影響がある
それを、知ってか知らずか完全に無視していたのは
焦りがあったからかもしれない
もしくは、それが体調よりも精神面に出ていたのかもしれない
- 986 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 14:03:03.55 ID:8ClIDT+Io
-
天乃「……それを言うために、出てきたの? 休めって?」
九尾「それもあるが、小娘の余計な言葉で心労が増えたじゃろう」
丸投げしおって。と
不快感しか感じない呟きを漏らした九尾は、
呆れた表情のまま、天乃を見下ろす
閉じかけた瞼は開閉の判別のつかない有耶無耶なままで
瞳は少し、虚ろにも見える
ここまであからさまになったのは
先ほど言った外因的な部分もあるが、
出産が近づいてきているからというのもあるだろう
子供が産まれる際、天乃の体の中に廻っていた力が一気に引き抜かれる
その虚脱感の片鱗を受けているからだ
そんな中で、【神罰】などといった不安要素を残しておくわけにはいかない
千景もし、九尾のそういった心情を理解して話したのであれば、
作戦の立案を任せてもいいだろう
九尾「神罰について、妾から話してやれることがある」
天乃「千景が言っていたこと、よね?」
九尾「うむ。じゃがその前に、主様に確認しておこうと思うてな」
- 987 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 14:36:24.34 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「主様はどうするつもりなのか、じゃ」
天乃「どうするつもりかって……みんなにその手段を取らせるか、よね」
九尾「……うむ」
反応が少し、鈍い
眠気も合わさっていて、
少し目を離した隙に気を失ってしまっていそうだ
天乃「………」
九尾「………」
天乃「そうね……みんなやる気、だから」
止めても無駄かもしれない
言葉通り最終手段
それしかない場合に取る手段として残されているのだから
天乃の許可があろうとなかろうと、みんなはそれをやることだろう
もちろん、許可が出なかった場合には
それ以外の道がないだろうか今以上に頑張って探そうとするだろうけれど。
天乃「そう、ね」
1、その神罰について教えてくれたら決めるわ
2、どうせ言っても聞かないだろうし、せめて、私から後押しすることにするわ
3、その神罰が怖いから、出来ればやらせたくはないわね
↓2
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 14:40:52.69 ID:rNmH8MryO
- 1
- 989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 14:43:07.75 ID:ySeXPoZUO
- 1
- 990 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 15:31:58.76 ID:8ClIDT+Io
-
天乃「その神罰について教えてくれたら、決めるわ」
九尾「主様の決定を確認してから……と、妾は言ったはずじゃが?」
天乃「そう、だったかしら……あぁ、そう、ね」
九尾「……はぁ」
少し横になれ。と
上半身を起こしたままのベッドのリモコンを操作し、
天乃の体を横にしていく
天乃「寝ちゃうから……」
九尾「その方が良い。神罰については、小娘どもが戻ってきてから話そう」
天乃「そしたら貴女、起こし――」
九尾「ちゃんと聞かせるから安心するがよい。これは、主様が必要なことじゃからな」
むしろ、天乃がいなければいけない
なのに、聞かせない理由などない
もっとも、聞かせなくていいならば、聞かせたくない話でもあるのだが
九尾「とにかく、主様は少し休んでいたほうが良い」
もう夕方なのだから
勇者部の面々もすぐに帰ってくることだろう
ほんの十数分程度にはなるだろうが
それでも、ちゃんとした受け答えができるくらいにはなるだろう
九尾「今は眼を閉じ眠れ。闇が恐ろしいのならば妾が居よう」
九尾はまだ開く瞼を下ろすようにそっと手を動かした
- 991 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 15:58:39.83 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「天乃……起きれる?」
天乃「……っ」
九尾に誘われて眠りに落ちてからどれくらいの時間が経過したのか、
いつの間にか帰ってきた夏凜の声、揺すられる体の感覚を頼りに
ゆっくりと目を開こうと努力する
だが、まだ起きるなと叩き伏せるようなずきりとした頭の痛みを感じる
まだ眠っていたいと精神的な疲れの訴えを感じる
しかし、いつまでも寝ていられない
大事な話を聞くために寝たのだから
聞くために寝たのに、眠り続けていたら意味がなくなってしまう
天乃「夏り……痛っ」
夏凜「やっぱ無理なんじゃない? 明日にした方が――」
九尾「日を跨げば出産が近づく。まだ話せる今のほうが良かろう」
夏凜「そうは言ったってこんな」
天乃「……大丈夫よ。ありがとう」
頭に触れてくれている夏凜の手に手を重ねながら、
何とか微笑んで見せる
それすら痛々しいものだっただろう
夏凜はあまり納得していないという表情を浮かべる
- 992 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 16:16:31.73 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「話を聞く程度にしなさいよ? 聞いたら寝る。いいわね」
天乃「ん……ごめんね。大事な話だから」
夏凜「それは九尾から聞いたわよ」
東郷「出来る限り手短に。お願いできますね?」
まだぼやけて感じる視界
自分のベッドの周りにいる東郷たちの姿を何とか感じ取る
夏凜が最も寄り添ってくれているが、
友奈たちも、出来る限り近くにいてくれている
まるで、九死に一生を得て目を覚ましたかのような感覚だ
九尾「ふむ……そう長くなる話ではないぞ」
無論、おぬしたちが余計なことを聞かなければじゃが。と
九尾は怪しげな言葉を含んで口を開く
女性の姿をした九尾は看護師の衣服を身に着けているが
その分、得体のしれない部分が増しているようにも感じる
九尾「おぬしらは神罰。というものを考慮しておるかや?」
沙織「当然。神様に戦いを挑む以上は避けては通れないものだと思ってる」
バーテックスに歯向かうというレベルの話ではない
捧げものを横から強奪しようというのだ
神罰が下っても仕方がないと言えるだろう
だから、考慮していないわけがなかった
- 993 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 16:41:25.38 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「じゃが、それがどう降りかかるものなのか、何が起こるのかまでは考えておらぬじゃろう?」
風「考えたには考えたけど、考えつかなかったっていうのが正しいけど」
考えつかなかったのだ
考えていないと言われても否定はできない
困り顔の風の横、
余計な口を挟むと話が長くなると言われて引きがちだった樹は
ちらっと天乃の方を見て、九尾へと目を向ける
樹「伊集院先輩を経由して状況は知っていたんじゃないんですか?」
九尾「すべてではないから確認しただけじゃ。さて、その神罰についてじゃが、実際にはこういわれるじゃろう」
【祟り】
話を一旦収めてから口にした短い言葉
強調されたそれを勇者部の面々はぐっと飲み込む
曖昧さのある神罰も、やはり、自分たちに良くない影響があるということは分かるが、
祟りという言葉はそれをより鮮明にして、恐ろしさが増す
九尾「巫女は確か6人じゃろう? 全員を救うつもりなら、全員がその祟りの影響を受けることになるはずじゃ」
一人につき一人
巫女と勇者で考えれば、非常に割に合わない計算になるものだが、
天の神としては、神世紀に入るころの誓いを破り、
あまつさえ、奉火祭による供物を強奪されるのだ
見逃せるものではないだろう
- 994 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:00:33.49 ID:8ClIDT+Io
-
友奈「6人って、勇者部みんなのこと、ですよね?」
九尾「それ以外になかろう。精霊には干渉しがたい力が働いておるからのう」
天乃「……わたし?」
目を向けられ、
何の話かと疑問符を含んだ呟きを漏らす天乃に、九尾は頷く
干渉されることはあっても、完全に食切ることはできない
むしろ、天乃の持つ神殺しの力を受ければ
天の神が無事では済まないかもしれない
九尾「その祟りの対策じゃが、そこで主様の血を使う」
天乃「私の血?」
東郷「もう処女ではありませんが――」
風「東郷、今はそういう話はしてないから」
東郷「えっ、まじめな話……」
園子「処女はそれだけで神聖化されているというか、清浄だと思われているからね。巫女としてもそういう部分を重視するところはあるから」
わっしーは悪くないよーよしよし。と
落ち込む東郷を慰めながら、園子は優しく続ける
園子「それで、天さんの血を使うってどういうこと? 儀式を行うの?」
- 995 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:23:31.12 ID:8ClIDT+Io
-
九尾「うむ。それぞれに主様の……いや、久遠家の血族となってもらわなければならぬ」
そうしなければ、
祟りによる影響を酷く受けることになってしまう
もちろん、久遠家の血族としたところで
祟りの影響を完全に消滅させることは不可能だが
それによって蝕まれることや、
それによって遭うはずだった災難を多少なりとも軽減できる
天乃が持つ穢れの力と干渉し対消滅してくれるからこそできる芸当だ
天乃から血を摂取するため、少し天乃もつらい思いをしてもらうことにはなるが
その方が、精神的には優しいだろう
九尾「血の誓約を行う。どうせ結ぶのじゃろう? 構うまい」
天乃「それは……」
夏凜「お好みのタイミングがどうとか、言ってられるやつじゃないんでしょ?」
九尾「うむ」
樹「では、それを事前に行うことはできませんか?」
九尾「出来るが、力を上塗りされれば強い拒絶反応が起こるじゃろうな。内側から噴出するであろう祟りの影響を丸め込む方が良い」
- 996 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:34:04.47 ID:8ClIDT+Io
-
東郷「……そうですか」
友奈「で、でもあれだよね。婚約……して、別で結婚。みたいな」
樹「確かにそう考えればいいよ言うな……あれ?」
そういう話ではない気がします。と
一人我に返った樹の後を追うように
そうだよね。そうじゃないよねと慌てる友奈をなだめる園子
いつもの雰囲気が戻ってきてしまう勇者部を横目に、沙織は小さく苦笑する
沙織「九尾さんは、祟りが確実に降りかかる前提なんだね」
九尾「そうならぬわけがないからのう」
しかし、本当の問題はそれからだ
天乃が求めた通り、全員無事―祟りは受けるが―で戻ってきたとしても、
供物を奪った代償として新たな供物に選ばれるであろう六人の受けた祟り
それを抑え込んでしまうのだ、天の神もさすがに本気になってくることだろう
九尾「じゃが……」
天乃「?」
九尾「くふふっ、あの小娘の企みを阻害するという考えならば妾も楽しめるというものじゃ」
くふふふっ
そう、怪しげな笑みを浮かべる九尾は
本当に、心の底から笑っているように感じた
- 997 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 17:58:12.99 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜「祟り……ね。ま、あんたの穢れを負うようなもんだと正直思ってたわ」
祟りという名前で聞いたわけではないが、
天罰があるという話を聞いた時に、夏凜はそう思ったという。
天とは、天乃のことで
罰は、そのまま罰
だから、その理不尽に与えられるであろう天罰は
天乃が受けている穢れの苦痛そのものだと
簡単に考えたわけではないけれど
天乃と同じ状態になるのならばそれもありだろうと考えたのだ
現実は、それよりも厳しいことになるようだが。
そうでなければ、九尾がわざわざ口を挟んでくることはないだろう
夏凜「……聞いたでしょ? あんたにもできることがある。あんただけが頑張るわけじゃない」
天乃「ん」
夏凜「だから、あんたは気負わず体力温存しときなさい。子供、産むんだから」
出産するだけでも、酷く体力を消耗するという話を聞いたことがある
穢れや神樹様、天の神の影響を受けてただでさえ消耗しているのだから
出来る限り休み、疲れないようにする
夏凜「それが今のあんたがやるべきこと。わかったら休む。大丈夫、あんたが眠ってる間に出て行ったりなんてしないから」
- 998 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 18:17:50.70 ID:8ClIDT+Io
-
夏凜はそういうと、笑みを浮かべて天乃の頭を枕に戻す
ずれた布団を胸の上にまで引き上げて
目元にかかる前髪をさっと払う
夏凜「ほら、おやすみ」
天乃「ん……」
東郷「あっ」
友奈「東郷さん、しーっ」
ゆっくりと、夏凜の顔が近づいてきたのが最後に見えた光景
影がかぶって真っ暗になって、
かすかな吐息を額に受けて、瞼を閉じる
その直後に感じた、何度も味わった柔らかさ
東郷の挙げた驚きの声と、止めに入る友奈の声
その感触と、空気感は心地よくて
何より、安心できて
天乃はゆっくりと、意識がまどろみの中に溶け込んでいくのを受け入れた
- 999 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2018/12/02(日) 18:18:36.87 ID:8ClIDT+Io
-
では、こちらのスレはここまでとさせていただきます
続きは次スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】
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- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/02(日) 18:40:17.23 ID:nWK+Ps1IO
- 乙
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