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魔王「おまえは女だ」ふたなり勇者「認めねえ」
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339 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:17:49.70 ID:iYmlbJZA0
宿
勇者(だるい……何もする気になれねえ……)ボフッ
勇者「ガリィ〜……」モフリ
狼「……」
勇者(あいつに会いたい。会って、もう一度ちゃんと謝りたい)
勇者(謝ったところで許されるようなことじゃねえけど)
勇者(いいや、今更どんなツラ下げても会えねえよ)
勇者(……自分がやらかしたことをこんなに後悔するなんて、人生で初めてかもしれねえな)
勇者(良い奴だったな、あいつ)
勇者(優しくて、真面目で、そのくせノリも良くて)
勇者(あいつと一緒にいるといつも楽しかった)
勇者(あの日々がずっと昔のことのように思える)
勇者(時間戻してえ……)
340 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:18:30.30 ID:iYmlbJZA0
翌日
村の女「勇者様!」
勇者「あんだよー……何か用かぁ?」
村の女「レジスタンスの方々が……昨日からまだ村に帰ってこられないんです」
勇者「オレに様子見に行けってかあ?」
村の女「……ごめんなさい。でも……」
村長「他に頼れる人もおりませんで……」
勇者「仕方ねえな……はあ……」
341 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:18:56.97 ID:iYmlbJZA0
洞窟
レジスタンスの男「――――」
勇者「死んでらこいつら」
勇者「本来の目的を果たす前に余計なことをしてあの世に逝っちまうなんてバッカじゃねえの」
勇者(他にも人間の骨やら残骸やらが転がってるな)
勇者(棲みついた魔物ってのは……)
地竜「ガルルルル……」
勇者(小型のドラゴンか)
子地竜「ピィ、ピィ」
勇者(子育てしてて気が立ってんだな)
勇者「おい、言葉はわかるか」
地竜「ガアアアア!!」
勇者「……駄目か。小型のドラゴンなんてでっかいトカゲと同じようなもんだしな」
勇者「つうか言葉がわかるほどの知能があるなら人間襲ったりしねえか。襲わねえよう魔王に命令されてんだから」
勇者(魔王がいれば……あいつなら魔物と意思の疎通が取れたのにな)
勇者(とはいえ、こいつは既に人間を何人も食ってるんだ。情けをかける必要もねえか)
勇者(害獣は駆除しなくっちゃな)
342 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:21:00.61 ID:iYmlbJZA0
地竜「――――」
子地竜「ピィ! ピィ!」
勇者「悪いな」グシャ
勇者「……嫌だな、もう」
勇者「もう誰かを殺すのも犯すのもこりごりだ」
勇者(血だらけの手……)
勇者(オレはどれだけの罪で汚れてるんだろうな)
勇者(死んだらきっと地獄行きだ)
勇者(……生きてたってどうせ地獄にいるようなもんなんだ)
勇者(いっそ死んで詫びようか)
狼「――バウワウ!!」
勇者「ん、ごめんな。バカなことはしねえよ」
勇者(死んだところでオレの自己満足でしかねえもんな……)
勇者(あれ……あいつがいないのに、オレってこれから何を目的に旅してりゃいいんだろ……?)
343 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:22:34.62 ID:iYmlbJZA0
勇者(……空虚だ)
344 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:23:10.46 ID:iYmlbJZA0
――
――――――
――――――――――――
勇者(惰性で旅を続けて、もう1週間か)
勇者(嫌味かってくらい良い天気だ)
勇者(ピクニック日和だよなあ。弁当なんてねえんだけどさ)
勇者(あいつが弁当持ってきてくれたのは、いつも大体このくらいの時間だったな)
魔王「ふはははは勇者よ! お弁当を持ってきてやったぞ!」
勇者(そうそうこんな感じで……)
勇者「……って、ん?」
魔王「ほら、食え」
勇者「……そうか、オレいつの間にか昼寝してたんだな。嫌な夢だな……」ゴロン
魔王「夢などではないぞ。頬をつねってやろうか」
勇者「…………」
魔王「ローゼ!」
勇者「……ああああああ! なんでいるんだよ!」
魔王「折角何事もなかったように振る舞ってやっているのになんだその態度は!!」
345 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:24:11.99 ID:iYmlbJZA0
勇者「どんな神経してんだよ! 頭でも打ったんじゃねえのか!?」
魔王「ああ何度も打った! お前に殴られたからな!」
勇者「っ……」
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「…………」
魔王「……俺にはお前が必要なのだ」
勇者「うるせえ帰れ!」
魔王「昼飯は要らぬのか!?」
勇者「あー、うー……」
勇者「はあ…………」
勇者「…………帰れ……帰れよお……」ポロポロ
魔王「……お前が最も嫌がることを言ってしまって、すまなかった」
勇者(それじゃまるでオレが被害者みてえじゃねえか、馬鹿)
346 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:24:39.80 ID:iYmlbJZA0
つづく
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/24(土) 07:12:10.91 ID:8a4VgBfco
待っでた
おつおつ
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/24(土) 14:06:38.68 ID:PT+caE8IO
乙乙
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/27(火) 06:49:44.56 ID:aW4rXjokO
勇者「…………帰れ……帰れよお……」ポロポロ
ポロポロでウサギのウンコが毎回脳裏をよぎる
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/11/27(火) 12:01:04.55 ID:9LQdK8SJo
漫画とかで同じ擬音が出てきてもうんこ想像しちゃうの?
かわいそう
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/12/22(土) 19:34:34.38 ID:24QyFUb6o
一応待ってる
352 :
◆O3m5I24fJo
[sage]:2018/12/22(土) 23:58:01.53 ID:KkedEoDm0
すみません、近い内に更新します
353 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:44:16.27 ID:xbxZRQGS0
Episode 14
勇者(鼻詰まって味わかんねえ)ガツガツ
魔王「俺は、お前と一緒にお弁当を食べるのが好きだ」
魔王「城で一人で食事をしても味気なくてな」
勇者「…………」ガツガツ
魔王「お前は心底美味そうに食べてくれるから、持ってきた甲斐がある」
勇者「…………」ガツ
勇者「…………」
勇者「……なあ」
魔王「食べ終わって早速悪いのだが、話がある」
勇者「っ」
魔王「レジスタンスのパトロンが、魔族から支援を受けていることがわかった」
魔王「潰すぞ」
勇者「!」
勇者「地獄を見せてやる」
354 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:46:03.55 ID:xbxZRQGS0
魔王「少しでも早く解決したいからな。魔術で飛ぶぞ」
大きな屋敷
シュン
魔王「ここだ」
パトロンの男「な、なんだお前達は!」
勇者「覚悟しろよな」バキボキ
パトロンの男「け、警備員! すぐに来い!」
勇者「静かにしとけ、な?」シャキン
パトロンの男「くっ」
355 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:46:29.53 ID:xbxZRQGS0
魔王「お前が魔族と取引をしていることは知っている」
魔王「ありのままを話してもらおうか」
パトロンの男「なんの話だ!」
魔王「これを見ても白を切られるか?」
パトロンの男「なんだその胡散臭い水晶玉は――!?」
――
蜥蜴男『これが約束の金だ』
パトロンの男『ふふ、ありがとうございます』
蜥蜴男『貴様の働きには感謝しているぞ。これからも勇者の行く手を阻め』
パトロンの男『はい!』
蜥蜴男『魔炎帝カルブンクルス様が支配する世となっても、貴様の命と地位の保証だけはしてやるからな』
――
勇者「映像映せるとか便利だな」
魔王「こっそり忍び込ませた部下に撮影させたのだ」
パトロンの男「ぬうううう!!」
356 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:52:55.94 ID:xbxZRQGS0
パトロンの男「仕方がないだろう! 魔王より更に強い者が人間を滅ぼそうとしているのだ!」
パトロンの男「気に入られて生き残る道を選んで何が悪い!?」
魔王「利用されるだけ利用されて捨てられるだけだぞ」
魔王「あの男は他者など道具としか思っておらぬ」
パトロンの男「うぐう……」
魔王「魔族との取引をやめ、レジスタンスに正しい情報を与えるのならば、お前の身の安全は保障してやろう」
パトロンの男「信用できるものか! カルブンクルス様より強い者などこの世にはおらぬのだぞ!?」
パトロンの男「魔王でさえもカルブンクルス様には遠く及ばないというではないか!」
魔王「うっ」
勇者「そこでダメージ受けるなよ」
357 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:53:40.68 ID:xbxZRQGS0
魔王「だが部下の強さに関してはこちらが上回っている」
パトロンの男「…………」
魔王「いざとなればこの勇者がお前を助けに現れよう」
勇者「おいオレそんな話聞いてねえぞ」
シュンッ
蜥蜴男「ほう……魔王様自らこんな所に出向かれるとは」
パトロンの男「ま、魔王だったのか!? 魔族のコスプレをしている人間かと思ったぞ」
魔王「……」
蜥蜴男「あの者達の言葉には耳を貸すな。お前を良いように利用することしか考えていないのだからな」
魔王「お前の方こそそうだろう」
358 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:54:15.34 ID:xbxZRQGS0
パトロンの男「お前のような貧弱そうな魔王の言うことなど聞くものか!」
魔王「そうか。残念だ」
勇者「なあ、いい加減あいつらぶった切っていいか?」
魔王「まあ待て。ここで彼奴等を殺めたところで、こちらの立場が悪くなるだけだ」
勇者「えーーーーーー」
魔王「…………」ボソリ
勇者(ん? 今術名唱えたか?)
蜥蜴男「退け、弱き魔王よ。……ふん、大人しくカルブンクルス様に王位を譲ればいいものを」
魔王「そちらが有利だと思っているのならば、それは間違いだぞ」
蜥蜴男「戯言を」
パトロンの男「寝言は寝て言え!」
蜥蜴男「この場で討ち滅ぼしてくれる!」
魔王「舐められたものだな」
勇者「正当防衛はしていいよな? な?」
魔王「いいぞ」
359 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:54:43.00 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「我が鞭からは逃れられんぞ!」ビュンッ
勇者「当たるかよ!」
ビュインッ
勇者「っ――!?」
魔王「気をつけろ! その鞭はただの鞭ではない!」
勇者「物理的にありえねえ動きをしてやがる!」
魔王「おそらく、魔力によって自在に操ることができるのであろう」
蜥蜴男「その通りだ」
蜥蜴男「ついでによく貼りつくぞ!」ビュン グルグル
勇者「うおっ!」
勇者「うっわなんかやらしく吸い付いてきやがる!」グニグニ
魔王「な、なんてことを」
勇者「お前には刺激が強すぎたな! うっかり勃起すんなよ! はは!」
魔王「せぬわ!!」
蜥蜴男「よく笑っていられるものだな! このまま絞め殺してくれる!」
勇者「いや風魔法ですぐ切れるしこんなの」スパスパ
蜥蜴男「なっ……!」
360 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:55:46.19 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「こうなったら――我が真の力を」
バン!
召使い「大変ですご主人! 町の住民や武装した変な連中からの問い合わせが殺到しています!」
パトロンの男「ど、どうしたというのだ」
召使い「ご主人が魔族と繋がっているとかなんとか……ひっ! 魔族!」
パトロンの男「なんだとぉ!?!?」
魔王「俺は確かに歴代の魔王に比べれば貧弱だがな」
魔王「小手先の技術に関してだけは引きを取らぬ」
蜥蜴男「何をした!?」
魔王「今までのやり取りを町中のあちらこちらに投影しているのだ」
パトロンの男「な、なんということを!!」
魔王「レジスタンスの者達は思い込みが激しく行動が過激だが、それだけ正義感も強い」
魔王「自分達が魔族に利用されていたと知れば……結果は見えているな」
ドンドンドンドンドン!
レジスタンス1「おいどういうことだ! 魔王より強い奴が人間を滅ぼそうとしてるなんて!」
レジスタンス2「俺達を騙していたのか!」
魔王「お前はもう終わりだ」
パトロンの男「よくも……よくも……!」
361 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:57:41.74 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「……最早貴様に利用価値はないな」
蜥蜴男「契約は解消させてもらう」
パトロンの男「そんな……! 見捨てないでください!」
蜥蜴男「ふん」
シュンッ
勇者「あっ逃げやがった」
魔王「聞け、レジスンタンスよ!」
魔王「お前達は利用されていたのだ!」
魔王「この男に直接確かめてみるがいい!」
パトロンの男「うわあああああ!!!!」
362 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:58:23.28 ID:xbxZRQGS0
魔王「これでもう妨害に遭うこともないだろう」
勇者「暴れ足りねえー」
勇者「直接ボコってやりたかったってのに」
シュン
蜥蜴男「計画を邪魔された報復をさせてもらおう」
勇者「おっ丁度良かった。戦い足りなかったんだ」バキボキ
蜥蜴男「我が真の力を見せてやろう――!」
メキメキメキ
魔王「油断するでないぞローゼ。奴は火の五虎大将ゼストスの直属の部下」
魔王「一筋縄では倒せぬ」
蜥蜴男→恐竜男「ギャォォオオオオ!!」
勇者「なんだこれ、恐竜ってやつか?」
魔王「口からは火を噴き、爪はあらゆる物を切り裂き、鱗はどんな攻撃でも貫けぬ」
魔王「……というのが自慢の種族だ」
勇者「じゃあ自分の爪で自分の鱗攻撃したらどうなるんだよ」
魔王「矛盾しているな」
恐竜男「黙れ! 焼き尽くしてくれる!」
363 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:59:09.89 ID:xbxZRQGS0
勇者「体がでけえってことはつまり的がでけえってことだ!」
勇者「水射出砲《アクアジェット》!」
恐竜男「効かぬわ!」
勇者「うっわマジかよ」
魔王「奴はリザードマン随一の戦士。水、地、風の五虎大将以上の実力者だ」
勇者「なら剣でたたっきってやる!」
ガキイィィン
勇者「嘘だろ加護の力込めてんだぞ」
魔王「鱗の表面を魔力で強化しているようだな……この者だけの力ではない」
魔王「その首の石、カルブンクルスの力が籠められているな」
恐竜男「その通りだ! ふはははは!」
勇者(鱗はかてえし、だからといって目や口を狙えば炎を食らっちまう)
勇者(何処か脆そうなところ……ああ、あるじゃねえか)
364 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:59:54.76 ID:xbxZRQGS0
勇者「わかったぜ! てめえの倒し方!」
恐竜男「ほう?」
シュンッ
恐竜男「っ消えただと!?」
魔王(ほう。風の加護の力を使い、一瞬で奴の後方に回ったのか)
勇者「流石にここは脆いはずだよなあ!」グリグリグリ
恐竜男「うぐおおおおお!!」
魔王「し、尻の穴を攻撃しただと……しかもそこらへんに転がっていた枯れ木で……」
勇者「ほおーらぐーりぐーり!」
恐竜男「や゛め゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
魔王「ひどい」
魔王「……ひどい」
365 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:00:46.40 ID:xbxZRQGS0
勇者「今晩は久々にトカゲ料理だな」ジュー
魔王(……敵ながらあまりにも哀れだ)
勇者「お前も食うか?」
魔王「いや、遠慮しておこう……」
勇者「スラムじゃ肉は貴重だったからよ、よくトカゲやカエルを捕まえて食ってたんだ」
魔王「……大変だったな」
魔王「本当に魔族の肉を食らうのなら、くれぐれも生の血は口に含まぬようにな」
勇者「そういやお前の兄ちゃんの名前なんだっけ」
魔王「カルブンクルスだ」
勇者「覚えらんねえ」
魔王「カーバンクル、の方が人間には馴染みのある発音かもしれぬな」
勇者「オレの中でお前の兄ちゃんのイメージが間抜け面のウサギになっちまったんだが」
魔王「カーくんと呼べば面白いほど怒るぞ」
勇者「ははっそりゃ楽しみだな」
魔王「今日はよく戦ってくれた。俺はそろそろ城に戻る」
勇者「そうか」
シュン
勇者(あ……謝り損ねた)
勇者(……いつの間にか、すっかり元通りに喋れるようになっちまったな)
勇者「…………」
366 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:02:26.42 ID:xbxZRQGS0
数時間後
魔王「……なあ」
勇者「また来たのか。……どうしたんだよ」
魔王「その……」
勇者(……様子がおかしい)
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「……抱いてくれ」
勇者「はあ!?」
367 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:02:55.29 ID:xbxZRQGS0
魔王「この一週間、ずっと耐えていたのだが……今日お前と会って我慢できなくなった」
勇者「いやでもお前……」
魔王「もう、もう……俺は……」
勇者「……オレに犯されるの、嫌じゃなかったのかよ」
魔王「ショックだったし……すごく驚いたが……」
魔王「……体の方は満更でもなかった」
勇者「は……この変態!」
魔王「お前が俺をこんな体にしたのだろう!?」
勇者「そりゃそうだけど……」
勇者「……すごく、悪いことをしたと思ってる」
魔王「ならば、どうか願いを聞いてくれ」
魔王「毎晩、体が火照って眠れないのだ」
勇者「……わかったよ」
勇者(オレはもう、こいつの情けない顔なんて、見たくないのに)
368 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:03:22.47 ID:xbxZRQGS0
――
――――――――
勇者(あれ以来、昼間は以前と同じように馬鹿をやって、)
勇者(夜には体を重ねる、歪な関係が続くことになった)
勇者(……あんなことをした手前、あいつのことが好きだなんて虫の良いことは言えねえし)
勇者(あいつも、オレに気持ち悪がられるのを恐れてか、態度には出すものの言葉にはしてこない)
勇者(いつまでこんな日々が続くんだろうか)
369 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:04:27.68 ID:xbxZRQGS0
続く
次回は温泉回です
370 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:01.86 ID:GxLDwBO80
Episode 15
勇者(炎の神殿くっそ遠いな……)
勇者(山は見えてんのに進んでも進んでも近づいてる気がしねえ)
勇者(風の加護の力で移動速度を上げようにも、流石に森の中じゃ危なっかしくてできねえし)
勇者「なあ魔王ー瞬間転移……」
魔王「駄目だ」
勇者「チッ」
勇者「今日はあそこの村で休むか、ガリィ」
狼「わん!」
勇者「……小さい村だってのに、えらい和気藹々としてんな」
元気な村人「おお、旅のお方! 是非この村の温泉に浸かっていきなされ!」
勇者「温泉? そりゃいいや」
勇者「この頃夜にちゃんと休めなくて疲れてんだ」
魔王「悪かったな……」
371 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:28.71 ID:GxLDwBO80
カポーン
勇者「良い湯だなー……」
魔王「ここは秘湯の村として密かに人気があるそうだな」
勇者「そりゃこんだけ良い湯が沸くんだからな」
魔王「……ここは男湯のはずなのだが」
勇者「ちんこあんのに女湯入れってのかよ」
魔王「そ、それもそうだが」
魔王「……視線は気にならぬのか?」
勇者「じろじろ見てくる奴にはガン飛ばしときゃもう見てこなくなるぞ」
魔王「そ、そうか……」
勇者「にしてもちんこと金玉がチクチクすんな」
魔王「湯に含まれる炭酸によるものだろう」
勇者「あ、そこの看板に説明書いてあんな」
勇者「この刺激に慣れりゃあ射精のコントロールも自由自在だとよ」
魔王「…………」
372 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:55.29 ID:GxLDwBO80
ガラ悪男「おいおいそこのねーちゃん達」
勇者「あ?」
魔王「……俺達のことか?」
ガラ悪男「なんだ、黒髪の方は男かよ。髪の毛長いから女かと思っちまった」
勇者「間違えられてやんのー」ケラケラケラ
魔王「…………」
ガラ悪男「そっちは女だろ? いけないな〜男湯に入ってきちゃ」
ガラ悪男「欲求不満なのかな? ん?」
勇者「よく見ろ! ちゃんと生えてんだぜ!」
魔王「他人に見せつけるな!」ササッ
ガラ悪男「た、確かに……でもおっぱいあんじゃねえか」
勇者「うるせえほっとけ!」
ガラ悪男「うーんやっぱり男にしては顔が可愛すぎるかな〜」
勇者「あ゛!? もっかいちんこ見せてやろうか!?」
魔王「だから見せるな!」ザバッ
ガラ悪男「うわっ……でかっ……」
勇者「こいつここだけは立派なんだよ」
魔王「見るな!!」
373 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:26:24.62 ID:GxLDwBO80
魔王「折角ぽかぽかしていたというのに……ヒヤヒヤさせられてしまった」
勇者「お前いちいち大袈裟なんだよ」
魔王「あのな……俺がどれだけお前のことを心配していると思って……」
勇者「うわっ、見ろよこのアメジストの原石。でっけえな」
魔王「鉱物の多くは熱水から析出するからな。この土地では鉱物資源が豊富なのだろう」
魔王「温泉もある意味では鉱物資源だ。湯に含まれる鉱物が治癒の力を生み出している」
勇者「詳しいなーお前」
魔王「どうやら、この近辺には他にも様々な温泉があるようだな」
勇者「オレにもそのパンフレット見せろ」
魔王「この山奥の湯に入れば魔力容量の増幅が期待できる」
勇者「明日行こうぜ」
魔王「ただし、瞬間転移や飛行生物の利用によって辿り着いても、温泉の精霊によって湯に入ることを阻まれるそうだ」
勇者「えー自分の足で行かなきゃなんねえのかよ」
魔王「強さを得るには、相応しい強さが必要というわけだな」
374 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:26:53.52 ID:GxLDwBO80
夜
勇者「あー食った食った。寝るか」
魔王「……なあ」
勇者「ヤる気満々かよ仕方ねえな」ギシ
魔王「っローゼ……ふ、くっ……」
勇者「あーなんか今日いつもより頑張れそう」
魔王「湯に浸かったことにより血行が良くなり、男性機能が向上したのだろう。ん……」
勇者「なんかお前のも普段より膨張してね?」
勇者「ムカつくからシゴいてやんねー」
魔王「そんな……うう……」ゾクゾク
勇者(やっぱこいつマゾっ気あるよな)
375 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:27:20.41 ID:GxLDwBO80
勇者「……ふう」
魔王「はあっ、はあっ……」
勇者「満足したかよ」
魔王「……ああ」
勇者「…………」
魔王「ローゼ、俺は……お前の隣にいられるのなら、女役で構わない」
勇者「……そうか」
魔王「……」ギュ
勇者(繋げられた手が熱い)
勇者(でも、心を言葉で繋げることはできない)
勇者(こいつに八つ当たりなんてしなければ……)
魔王「ローゼ……」ウトウト
勇者「…………」
376 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:27:49.33 ID:GxLDwBO80
翌朝
魔王「ううっ腰が……」
魔王(ローゼのもつ加護の力の影響だろう。節々の痛みがなかなか治らぬ……)
薬売り「ああっ、そのふらつき方は正に……」
薬売り「ちょっとそこのおにーさん!」
魔王「なんだ」ビクッ
薬売り「おにーさん、昨晩ネコちゃんやってたでしょ」ボソリ
魔王「なっ……何の話だ」
薬売り「俺わかっちゃうんだよ〜ネコちゃん特有のふらつき方」
薬売り「かくいう俺もね、お嫁さんの趣味で毎晩ネコちゃんさせられまくりでさ」
薬売り「これあげる! 俺特製の薬!」
薬売り「穴の中も含めて痛い部位にうすーく塗ったらよく効くから!」
魔王「し、しかし」
薬売り「いいのいいのお代なんて! 初回限定サービス! じゃ!」
魔王(なんだったんだ……)
377 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:28:16.25 ID:GxLDwBO80
勇者「おい、誰と喋ってたんだ」
魔王「頭から枝を生やした奇妙な男と……」
勇者「頭から枝?」
魔王「側頭部からこう、頭に巻き付くような形状で……」
勇者「人間じゃねえだろそれ」
魔王「魔族でもなかったな……」
勇者「意味わかんねえ」
魔王「……なあ、この薬を塗ってくれないか」
勇者「いいけどよ……」
378 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:28:46.45 ID:GxLDwBO80
勇者「登山つれえよ」
魔王「ふんばれ」
勇者「おんぶ」
魔王「お前の方が体力あるのを忘れてないか」
勇者「なんかお前昨晩散々ヒーヒー言ってたわりに元気じゃねえか」
魔王(薬のおかげか体が軽い)
勇者「ちくしょー」
魔王「ガリィだって自力で頑張ってるんだぞ」
勇者「うっせ」
狼「へっへっ」
ウワアアアアアアアアアアアアアアア
勇者「なんだ今の声」
魔王「行ってみるか」
379 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:29:13.18 ID:GxLDwBO80
薬売り「あああああ旅行用の体が壊れちゃうううううううう!!」
薬売り嫁「きゃああああエリウスさん!!」
勇者「イソギンチャクみてえなのが男を襲ってるぞ」
魔王「あれは水辺に住まう触手型の魔物だな」
魔王「哺乳類のオスを捕らえ、精を搾り取って自身の卵と受精させた後、捕らえたオスの腸内に卵を産みつけることで繁殖する」
勇者「だから女の方は襲われてねえのか」
魔王「あの男は今朝の……早く助けなけrうおっ」シュルッ ズルズルズルズル
魔王「ははははは放せ!!!!」
魔王「服の中に入ってくるな!!!!」
勇者「…………」
勇者「……なんでオレは襲われねえんだよ」
魔王「それは……」
勇者「どうせ種無しだよちくしょうブッ殺してやる!!!!!」
380 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:29:56.59 ID:GxLDwBO80
薬売り「いやー助かったよ」
薬売り嫁「このご恩は忘れません」
魔王「ぜー……ぜー……」
勇者「なんで頭から枝生やしてんだ」
薬売り「これ? 本体」
勇者「は?」
魔王「深く気にするな。……恐らく異界の神仏の類だ」ボソボソ
勇者「はぁ?」
薬売り「ねねねお兄さん、さっきの薬よく効いてるでしょ」
魔王「…………」
勇者「じゃあオレ達行くから」
薬売り「あああちょっと待って! 行く方向同じなら同行させて! お礼はするから!」
勇者「別にいいけどよ」
薬売り「昼飯作るよ」
薬売り嫁「彼が作る料理はとてもおいしいんですよ」
勇者「メシ……」ジュルリ
381 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:30:22.46 ID:GxLDwBO80
昼
薬売り「ほらどうだ」
勇者「うわっやべえ」ガツガツ
魔王「……うちの城で雇いたいくらいの腕前だな」
狼「♪」ガツガツ
薬売り「デザートはフキノトウアイスな」
勇者「前食ったフキノトウのソフトクリームと同じような味だな」
魔王「情熱の町だったな」
薬売り「ああ、それ俺が店主にレシピ教えたんだよ」
薬売り嫁「それにしても……」
スライム「…………」ウニョウニョ
触手「…………」クネクネ
薬売り嫁「いやらしい魔物が多くて困りますね」
魔王「この辺りは温泉に浸かって無防備になる人間や動物が多いため、生息数が多いのだろう」
薬売り嫁「気をつけてくださいね、あなたは犯され体質なんですから」
薬売り「うん……」
382 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:31:11.04 ID:GxLDwBO80
勇者「お前らはどんな温泉目当てで来たんだ」
薬売り「それはそのぉ……」
薬売り嫁「一晩中元気でいられるようになる湯があると聞いたものですから♪」
薬売り「やだもー恥ずかしいー!」
勇者「…………」
魔王「……俺達が目指している温泉のすぐ隣のようだな」
ズゴゴゴゴゴゴゴ
勇者「なんだこの音」
魔王「!」
魔王「まずいな。まさかこんな所に生息しているとは……」
勇者「うっわ、でっけースライム」
魔王「男女構わず犯し尽くし繁殖のための道具とする魔物だ」
魔王「薄い本ではよく登場するのだが、実際に見るのは初めてだな」
魔王「無数の触手を伸ばして得物を捕らえる他、体の一部を球状に飛ばすことでも得物を追いかける」
383 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:32:01.63 ID:GxLDwBO80
魔王(この俺がいても近寄ってくるとは、余程餓えているのかそれとも生殖本能しか残っておらぬのか)
勇者「来るぞ!」
魔王「あの球に呑まれるでないぞ!」
勇者「くそっ、攻撃全然効かねえ」
魔王「何処かに核があるはずだ!」
シュルルッ
薬売り「いやーん!!」
薬売り嫁「六花の守護風《アドバーススノーストーム》!」
カチコチ
勇者「あ、凍らせればいいのか」
シュルッ
狼「――!」
勇者「ガリィ!!」バッ
勇者(やべっ捕まった)
魔王「ローゼ!」
巨大スライム「……」触手ウネウネ
勇者「うおああああ! やめろ! やめっんぐううう!」
勇者(動けねえ! 魔術を使おうにも集中が)
狼「バウワウ!! バウ!!」
384 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:32:46.33 ID:GxLDwBO80
勇者「変なとこっ触んなっ! あっ」ビクウッ
勇者「動きがやらしいんだよちくしょおおおおお!」ジタバタ
勇者「えっちょっ、そこ駄目だろ! 這入ってくんな!」
魔王「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
魔王「――絶対零度《アブソリュート・ゼロ》!」
巨大スライム「キシャアアアアアアアアアア!!」
カチコチバキゴキ
薬売り「すげー、9割方凍った」
魔王「大丈夫か!?」
勇者「……なんとか」
勇者(危うくモンスター相手に非処女にされるところだった……)
魔王「核は逃げたか……まあ当分人を襲うことはできまい」
385 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:33:12.43 ID:GxLDwBO80
狼「くぅーん……」
勇者「落ち込まなくていいからな」
狼「…………」トボトボ
魔王「己の力不足を嘆いているようだな」
勇者「おー、温泉が見えてきたぞ」
魔王「精霊の力で魔物は寄ってこないようだが……一応結界を張っておくか」
勇者「おっしゃー」ヌギヌギ
魔王「ちょっと待て人の目を気にしろそしてこれを着ろ!」
勇者「水着なんていつの間に用意してたんだよ」
勇者「女物……まあいいか……どうせオレは女だしよ……」
魔王「そう拗ねるな……」
386 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:33:40.83 ID:GxLDwBO80
薬売り「湯に浸かりながら飲むフキノトウ酒は格別だな」
薬売り嫁「おかわり、注ぎますよ」
勇者「なあ、そっちの温泉効果ありそうかー?」
薬売り「なんかめっちゃ頑張れそうー!」
勇者「後であっちにも入りに行くか。この頃体力の消費量が増えて参ってたしよ」
魔王「……悪かったな」
勇者「ガリィにもかけ湯してやるからな」ジャバア
狼「♪」
狼「……!!」
狼「ワオオオォォォォォン!!」
ボォォォォォ!!
勇者「……なあ、今ガリィが口から突風を噴いたんだが」
魔王「湯がどう作用したのか、魔術を扱えるようになったようだな」
魔王「今のは魔狼がよく使う技だ」
勇者「よかったなガリィ!」
狼「♪」
387 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:34:12.24 ID:GxLDwBO80
薬売り「ねねね、お二人さんは付き合ってるの?」
勇者「ちげえよ」
魔王「即答されると傷つくんだが」
薬売り「ふうん?」
薬売り嫁「あんまり若者をからかっちゃ駄目ですよ」
勇者(そっちもどう見ても若者じゃねえか)
薬売り「そういや、まだちゃんと名乗ってなかったな」
薬売り「俺はエル=イウス。旅の薬売りだ。こっちはお嫁さんのスファエラ」
薬売り嫁「ふふ」ニコニコ
勇者「そういやお前名前何だっけ」
魔王「……グランだ」
勇者「オレは……男だったら、ローゼライト。女だったら、ローゼマリア」
勇者「結局オレの性別は女らしいから、ローゼマリアだ」
薬売り「ローズマリーっぽい響きだな」
勇者「親がもじったらしい」
388 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:34:52.60 ID:GxLDwBO80
薬売り「ローズマリー――Rosmarinus(ロス・マリヌス)。海の滴」
薬売り「花言葉は『変わらぬ愛』そして『あなたは私を蘇らせる』。ロマンチックな名前だ」
薬売り「ちなみにバラや聖母マリアとは何も関係がない」
勇者「ふーん」
薬売り「結局……ってことは、性別に関して色々あったの?」
薬売り「つっても普通の女の子よりも水着がもっこりしてるのさっき見えちゃったんだけどね」
勇者「わかってんなら訊くなよ」
勇者「……どうせお前も好奇の目でオレを見てんだろ」
薬売り「そんなことないけど」
勇者「じゃあなんだ? 同情でもするつもりか? 冗談じゃねえ」
勇者「憐れまれるのも迫害されるのももう二度とごめんだ」
勇者「……こんな体じゃ、まともな人生送れねえことくらいわかってるけどよ」
薬売り「え、俺の妹両性具有だったけど普通に結婚して普通に幸せになってたよ」
勇者「は?」
389 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:35:41.55 ID:GxLDwBO80
薬売り「しかもきょうだいの中で一番長生きした。毎日楽しそうだったな」
薬売り「もう五千年も前になるのか。懐かしいな……」
薬売り「この世界のことじゃないからあんまり参考にならないかもしれないけどさ」
勇者「……?」
薬売り嫁「エリウスさん、話についていけていらっしゃらないようですよ」
薬売り「あ、いっけね」
薬売り「まあとにかく、そんなに自分の体のことコンプレックスに思わなくていいんだよ」
勇者「…………」
薬売り「理解があって、傍にいてくれる相手がいるなら猶更だ」
390 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:36:11.98 ID:GxLDwBO80
勇者「今夜はここで野宿か」
魔王「テントを張るぞ」
勇者「えらく準備が良いなお前」
薬売り嫁「エリウスさん、私達はあちらへ」
薬売り(何時間青姦することになるだろう)
魔王「なあ、ローゼ」
魔王「俺は、お前の体の性別がどうであれ、心の性別がどうであれ……」
勇者「……」zzz
魔王「あのな」
勇者(……そんな言葉、まともに聞けるかっつの)
勇者(こいつがオレのことを許してても、オレはまだ自分ことを許せてねえんだ)
勇者(そもそもこいつ攫われたお姫様のことを愛してるっつってたじゃねえか!)
勇者(どうせ、どうせオレなんて……)
魔王「寝るふりをするな。ほら、星が綺麗だぞ」
勇者「ん……」
391 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:36:58.09 ID:GxLDwBO80
勇者「……ムラムラしてきた」
魔王「……俺もだ」
勇者「ヤるかあ、一晩中」
勇者(いつもより、少しだけ心が軽い)
魔王(それにしても、この地は淫の気に満ちているな)
魔王(淫魔が好む土地が各地に存在すると聞いたことがあるが、ここはその1つかもしれぬ)
――魔王様――
魔王(この声は……)
――聞こえる? 魔王様……――
魔王(何処かで聞いた声だ)
――ふふ。ふふふふふ!――
392 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:37:52.88 ID:GxLDwBO80
つづく
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/01/05(土) 05:12:47.00 ID:+T0tRnwbO
おつ
世界線繋がっていたのか
あれ?でも魔王に関しては確かさくらんぼ騎士だったか勇者(5000年前)だったかが完全に封印したんじゃなかった?
別の魔族が魔王を名乗ってるとかそういうやつ?
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/01/05(土) 09:54:18.32 ID:T9/VeSFyo
この世界のことじゃないってエリウスが言ってるから繋がってないよ
395 :
◆O3m5I24fJo
[sage]:2019/03/04(月) 00:33:52.90 ID:KtP/2SVP0
更新滞っててすみません、更新の意思はあります
もう少々お待ちください
世界は前作とは別です(エリウス君夫婦は暇を持て余して異世界旅行してるだけ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 01:13:06.42 ID:fBG12OWzO
報告乙です
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 06:07:26.34 ID:D9VX7CDVO
異世界旅行って半端なくパワーアップしてるやんか
398 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:53:22.21 ID:apGiw0Rt0
Episode 16
魔王「……調べねばならないことができた」
勇者「なんだよそれ」
魔王「確証を得たら話そう。俺は城に戻る」
勇者「……そうか」
炎の神殿
勇者(あいつは神妙な顔をして家に帰った。それ以来姿を見せねえ)
勇者(よってオレは1人で炎の神殿を攻略しなければならない)
勇者(……心許ないって正直思っちまうけど、本当は魔王の力なんて借りずにこなさきゃいけねえんだもんな)
勇者(こんなことなら仲間を……いや、ガリィとあいつ以外の仲間がいたって煩わしいだけか)
399 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:53:50.05 ID:apGiw0Rt0
勇者(モンスターはいるが、上級魔族の気配が全くねえ。不気味なくれえだ)
勇者(水の加護のおかげですいすい進むな。暑さも術で軽減できる)
勇者(……と思ったら謎解きだ)
勇者(ああーちくしょーこんなもん力でぶっ飛ばしてえー!!)
勇者(灯台が8つ並んでいる)
勇者(火を付けたら、たくさんあるブロックの内特定のものが連動して動く仕組みみてえだ)
勇者(んで、最終的にあそこにあるスイッチをブロックで押せと)
勇者(こういうのあいつ得意なのにな……なんとか自力でやるか)
一時間後
勇者(やっと解けた。疲れた……)
400 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:55:28.11 ID:apGiw0Rt0
炎の大精霊「この我を打ち倒してみよ!」
勇者(めっちゃメラメラ燃えてやがる)
勇者(水の加護があるからって油断したら負けちまうな)
勇者「渦巻く波《ファーリング・ウェイブス》!」
炎の大精霊「この手程度の水では我を倒すことなど不可能!」
勇者「くそっ」
炎の大精霊「こちらからもいくぞ!」
勇者(でかいのが来る!)
勇者「大地の壁《アース・ウォール》!」
ピシピシ
勇者(嘘だろ……気を抜けば壁が破られる!)
401 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:58:33.10 ID:apGiw0Rt0
勇者(火力が強すぎて水が大して効かねえ)
勇者(地属性の攻撃をしても強力すぎる炎に焼かれて威力が大幅に落ちるだろう。風は余計炎を大きくしかねない)
勇者(ちくしょう、どうすれば……)
勇者(炎の大精霊はパッと見た感じパワー型だからこっちもパワーで押せたらと思ったが、こっちの火力が足りなすぎる)
炎の大精霊「どうした。どうやら今度の勇者は知恵が足りぬようだな」
勇者(知恵……)
勇者(そういや、この部屋、妙に風通しがいいな。たくさんの穴から風が吹き込んでいる)
勇者(多分、精霊自身の力だけじゃなく、空気を使って炎を燃やしてるのかもしれねえな)
勇者(……よし)
勇者「四散する風《ディスパース》!」
ビュオオオオオオオオ!
402 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:59:06.60 ID:apGiw0Rt0
炎の大精霊「ほう?」
勇者「てめえの周囲から可燃性ガスを取り除いた! 思った通り火力が弱まったな!」
勇者「いくぜ! 激流の滝《カタラクト》!」
ドオオオオオオオオオン!!
炎の大精霊「うぐあああああ!!」
勇者「うおう、小さくなったな」
炎の大精霊「げほっげほっ、まあ及第点といったところか」
炎の大精霊「もう少しじわじわ責めてほしかったのだが」
勇者「さてはお前マゾだろ」
炎の大精霊「汝に炎の加護を授けよう」
勇者(これで加護は4つ。残すは光の加護のみ……)
炎の大精霊「この力で敵をじわじわ嬲り殺しにするのだぞ」
勇者「神聖な大精霊様とは思えねえセリフだな」
403 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:59:35.78 ID:apGiw0Rt0
炎の神殿前
勇者「……マジで魔族の妨害入らなかったな」
勇者(こんなにあっさり終わっていいのか……?)
狼「ワンワン!」
勇者「よしよしガリィ、しっかり獲物捕まえてくれていたんだな」
勇者「元々炎の魔術は使えっけど、せっかくだし炎の加護の力で調理してみるか」
ジュウゥゥゥゥゥ
勇者「おー、いつもより火の色が綺麗だ」
狼「へっへっへっへっ」
勇者「そろそろいいな。ほら、食え」
狼「♪」ガツガツガツ
勇者「うめー」
404 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:00:19.86 ID:NEe1c2aZ0
魔王「おい、ローゼ!」
勇者「久しぶり……つっても数日ぶりか。お前も肉食うか?」
魔王「それよりこの新聞を見ろ!」
勇者「あ? ……!」
魔王「お前のいたスラムが国王によって焼かれることになった」
勇者「…………」
勇者(犯罪者の巣窟となり、城下町の住民の不安を煽っているため……か)
勇者(そうか、オレが旅立ったからあくどい連中を止められる奴がいなくなっちまったんだ)
勇者(しかも、城下町への抜け穴が多数作られ、実際に城下町に被害も出ている……と書かれてやがる)
405 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:01:48.95 ID:NEe1c2aZ0
魔王「嫌なことが多かっただろうが、大切な者との思い出もあるだろう。止めたくはないか」
勇者(メリッサ……)
勇者「……国王の奴、自分勝手な理由で罪のない人間を大勢スラムに放り込んでおいて」
勇者「今度はそのスラムを潰すだと……?」
勇者「しかも、決行の日今日じゃねえか!」
魔王「すぐに向かうぞ」
勇者「ああ」
ヒュン
406 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:02:16.65 ID:NEe1c2aZ0
城下町付近
魔王「城下町とスラムを直接繋ぐ道は細く、軍を率いて進むには適さない」
魔王「そのため、長らく閉ざされている平原側の門を使うらしい」
勇者「攻め入られる前に軍をぶっ潰してえところだが、ただ潰すだけじゃスラムの治安は悪いままだ」
勇者「どうにか交渉を持ちかけて約束取り決めさせねえと」
魔王「軍隊が見えてきたな。……先頭にいるのは国王か」
勇者「詳しくは知らねえけど、昔から自ら先陣を切ることで有名だったらしいな」
勇者「つっても、ここ数十年は城に引きこもってたはずだ。何考えてやがる……」
407 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:03:04.53 ID:NEe1c2aZ0
勇者「王様自ら出向くなんていい度胸してるじゃねえか!」ザッ
国王「勇者ローゼ、何故ここにおるのだ。怖気づいて逃げ帰ってきたのか?」
勇者「てめえがスラムの人間を殲滅するって聞いて飛んできてやったんだよ!」
国王「ほう? ……そちらのローブの男は、もしや魔王ではあるまいな」
勇者「あ? だったらなんだよ」
国王「討伐対象と徒党を組んでいるという噂は真だったようだな」
国王「お前を勇者として送り出したのは間違いであった。愚か者め」
勇者「うるせえ! 大体なんで老いぼれたお前がわざわざ先頭に立ってんだよ!」
国王「国の平和を脅かす愚民共をこの手で征伐してやりたくなってな」
勇者「人間ぶった切って憂さ晴らししてえだけじゃねえのかよ」
勇者「スラムを焼いたら世界救ってやんねーからな!」
国王「ふん、お前のような堕ちた勇者に頼ろうとした我等が間違っていたようだ」
勇者「チッ……」
魔王「そう喧嘩腰になるな」
408 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:03:35.65 ID:NEe1c2aZ0
魔王「…………」
大将「そこの男、フードを外せ」
魔王「……失礼をしたな」
大将「やはり魔ぞ…………っ!?」
国王「なっ……」
中将「あれではまるで……」
勇者「ん?」
勇者(老人共が魔王を見てざわついてやがる)
409 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:06:25.01 ID:NEe1c2aZ0
国王「お前は……お前は、真に魔王か?」
魔王「ああ」
国王「……いつから魔王になった」
魔王「1年前だ」
国王「……齢はいくつだ」
魔王「……17だ」
国王「…………」
国王「おのれ……おのれ……!!」
勇者「お、おい、顔真っ青にしてブルブル震え出したぞ」
魔王「…………」
410 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:08:35.41 ID:NEe1c2aZ0
大将「陛下……」
国王「…………」
国王「……シルヴィアはどうなった」
魔王「……7年前に亡くなった」
国王「…………」
魔王「彼女は病にかかり、命が尽きるのなら王家の墓に入りたいと呟いていた」
シュン
魔王「これは彼女の棺だ」
国王「お……お……」
大将「陛下、騙されてはなりませぬ! 魔族などを信じては」
ギィ……
魔王「……術で、生前の姿を保ってある」
国王「……これは、確かに我が娘だ」
勇者(こっからじゃ見えねえな)
411 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:09:38.35 ID:NEe1c2aZ0
国王「躯となって帰ってくるなど……このようなことがあってたまるものか……」
国王「先代の魔王はどこにいる」
魔王「昨年、崩御した」
国王「…………」
国王「もう……あれほど憎んだ相手は……この世にはおらぬと……」
魔王「もう1つ、返さねばならないものがある」
勇者「お、おい、それ聖銀の鏡じゃねえか」
勇者「今返しちまっていいのかよ。スラムなんかのためじゃなくて、他に使いどころあんだろ」
魔王「……これでいい」
国王「…………」
国王「お前の目的はなんだ」
魔王「あなたに、元のような名君に戻ってほしい」
412 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:10:05.86 ID:NEe1c2aZ0
魔王「彼女はずっと、良き王であるあなたのことを慕っていた」
魔王「今のあなたを見て、きっとあの世で涙を流しているだろう」
国王「…………」
魔王「罪もなくスラムに追いやられた民の解放と、スラムの治安の改善を頼みたい」
国王「……そうか、そうだな……」
大将「国王陛下」
国王「シルヴィア……私は……」
国王「…………」
413 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:11:13.29 ID:NEe1c2aZ0
国王「……若き魔王よ。もう1つ、問いに答えよ」
国王「我が娘は……お前を愛していたか?」
魔王「……深く、愛してくれた」
国王「……そうか」
勇者(やべえ、話の流れが全然読めねえ)
勇者(なんでそんなこと聞いたんだ)
勇者(つか、両想いだったのかよ)
国王「……城に戻るぞ」
大将「……よろしいのですね」
国王「…………うむ」
414 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:12:36.14 ID:NEe1c2aZ0
魔王「……ふう。なんとかなったな」
勇者「なあ……」
魔王「なんだ」
勇者「オレ要らなかったんじゃないか?」
魔王「俺一人では流石に心細いだろうが」
勇者「魔王様の台詞かよそれ」
魔王「それに俺は歴代最弱クラスの魔王だからな」
魔王「お前無しでは人間に攻撃され、最悪の場合封印の術をかけられていた可能性もある」
魔王「俺にはお前が必要だったのだ」
勇者「そ、そうかよ……」
勇者「…………」
勇者「……スラムのこと、ありがとな」
魔王「俺は俺のやりたいことをやっただけだ」
415 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:13:08.36 ID:NEe1c2aZ0
勇者(そういや、なんで老人共はこいつの顔を見てざわざわしてたんだ?)
勇者(人間みてえな見た目だから……ってだけじゃなさそうだったが)
勇者「……あー!!」
魔王「なんだ」ビクッ
勇者「思い出した。お前に似てる昔新聞で見た絵、あれ若い頃の王様の版画だ」
勇者「だから若い頃の王様を知ってる老人達はお前を見てびっくりしてたんだな」
魔王「……そういうことになるな」
魔王「ところでローゼ、唐突ですまないのだが」
勇者「なんだよ」
416 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:13:46.48 ID:NEe1c2aZ0
魔王「戦いが厳しくなる前に、はっきり気持ちを伝えておこうと思う」
魔王「俺は、お前が好きだ。だから……」
勇者「あ、うー……」
勇者「だ、大体お前、お姫様のこと好きだっただろ!」
勇者「さっきだってあんなに切なそうに喋ってたしよ!」
魔王「ちょ、ちょっと待て」
魔王「若かりし日の国王と俺が瓜二つであることには気づいておいてお前はまだ」
勇者「オレのことが好きだなんて絶対なんかの錯覚だっての!!」
魔王「いいか、シルヴィア姫は、俺の母だ!」
勇者「……は?」
魔王「俺が国王と似ているのは血が繋がっているためだ」
勇者「いやでもお前純魔族じゃん」
魔王「半魔や人間であっても、純魔族の生き血を啜ることで純魔族と同等の力を得ることができるのだ」
魔王「成功したらの話だがな。……俺は父の血を飲んだ」
勇者「…………」
417 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:14:14.10 ID:NEe1c2aZ0
勇者「……お前が貧弱なのって」
魔王「半分が人間だったからだ」
勇者「…………」
魔王「幼い頃は、母から受け継いだ聖なる血と、父から受け継いだ闇の血が反発し合い、とても体が弱かった」
魔王「純魔族に近い体となった今でも、年齢的は魔族としては幼児同然だ」
魔王「もう100年もすれば違ってくるだろうが……まだ力が足りぬ。部下にも子供扱いされる始末だ」
勇者「…………」
魔王「話が反れたな。とにかく、俺はお前のことを愛している」
勇者「……お前の母ちゃんとオレって横顔が似てるんだろ!」
勇者「お前はオレに母ちゃんの面影重ねてるだけだって!」
魔王「似ても似つかぬわ!!」
勇者「似てるっつったのお前じゃねえか!」
魔王「ええい! 愛されることから逃げるな!!」
勇者「逃げてえよ!!」
418 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:16:34.21 ID:NEe1c2aZ0
魔王「ローゼマリア!」ガシッ
勇者「っ……!」
魔王「……返事はすぐでなくていい」
魔王「ただ、俺はまだ未熟だ。どうか、俺の剣として共に戦うことは、今改めて誓ってくれぬか」
勇者「お前が欲しい剣って主にオレの股間の剣じゃねえの」
魔王「このタイミングでそのようなことを言うな」
勇者「……もらったメシの分と、オレの罪の分は、戦ってやるよ」
魔王「罪の分はいい。……抱いてくれるのなら」
勇者「……オレなんかの何処が良いんだよ」
魔王「お前は、俺にはない強さをもっている。単純な力の強さだけではない」
魔王「どのような環境でも生き抜く、生命としての強さだ」
魔王「激しく煌めく、光を受けた飛沫のような輝きを秘めたお前に、俺の心は惹かれてやまない」
勇者「…………」
勇者(…………ばかやろ)
勇者(いいや、バカはオレか……)
419 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/08(金) 00:17:08.81 ID:NEe1c2aZ0
tsuduku
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/08(金) 09:39:18.17 ID:58rFywFAo
otu
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2019/03/08(金) 14:35:07.64 ID:QwQDTne5O
kitai and hosyu
422 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:26:42.53 ID:kx/kzcQp0
Episode 17
浜辺
薬売り「青い空。白い雲。美しい――――俺っ!」
薬売り嫁「こんな日は青姦が捗りますね♪」
薬売り「ちょっと待ってっユキっあっあっあっあっあっあーーーーーーーーー!!!!」
勇者「海ってこんなにでっけえんだなー」
魔王「見るのは初めてか?」
勇者「そうだな。絵では見たことあったけどよ」
魔王「……今日の水着、自分で選んだのか?」
勇者「いいや、店のねーちゃんだ」
魔王「似合ってるぞ」
勇者「そういうお前はパーカー羽織ってんだな」
魔王「……他人に晒せる胸じゃなくなってきたからな」
勇者「ビーチで晒せねえビーチクにしちまったな、なんつて」
魔王「…………」
423 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:28:00.69 ID:kx/kzcQp0
勇者「お、あそこに店あんぞ」
魔王「いわゆる海の家とかいうものか。何か食うか?」
勇者「そうだな」
勇者「焼きそばうめー」
魔王「このお好み焼きというものもなかなか」
店員「お待たせしました焼き鳥30本です!」
勇者「うんめえええ!」
店長「いい食べっぷりだねー! 6本サービスするよ。串は36本じゃないとねえ」
勇者「さんきゅーな」
魔王「では焼いた豚の肉を18枚頼む」
店員「はーい」
店長「お客さん勇者様でしょ? これから光の神殿行くの?」
勇者「ああ」
店長「あそこはねえ……」
勇者「なんかやばいことでもあんのか?」
424 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:29:03.53 ID:kx/kzcQp0
店長「わたしの若い頃にねえ、先代の勇者様が光の神殿に向かったんだけどねえ」
店長「戻っては来られたものの、目から光が消えていたんだよ」
店長「まるで、生気を失ったようにね」
勇者「へえ。そういや先代勇者の話、興味なかったから全然知らねえな」
勇者「どんな奴だったんだ?」
店長「いやあ、素晴らしいお方だったよ。正義の化身と呼ぶに相応しい勇者だった」
店長「人格者とはあのような人のことを言うのだろうね。優しさに溢れていて、出会った者すべてに勇気を与えてくださった」
勇者「オレとは正反対だな」
魔王「……」
425 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:29:40.67 ID:kx/kzcQp0
勇者「光の神殿から帰ってきてからは何で目から光が消えてたんだよ」
店長「さあねえ……」
魔王「光の神殿の試練は、精神を試すものだと聞いている」
魔王「余程精神の負担のかかる試練だったのかもしれぬな」
店長「先代の勇者様の唯一の欠点は、優しすぎることだと言われていたが……」
店長「その優しさもすっかり失われていたそうだよ」
勇者「優しさかあ、失ったところでオレは大して変わんねえだろうな」
魔王「いや、俺は困る……」
勇者「んで、先代の勇者は結局どうなったんだ?」
店長「当時の魔王と戦って破れたものの、深手を負わせることはでき、一時的にだけれど平和が訪れたよ」
勇者「そっか」
426 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:30:07.53 ID:kx/kzcQp0
店長「そうだ、これを持っていくといい」
勇者「宝石かこれ」
勇者(ふんわりした白さだ。丸く磨かれている)
店長「先代の勇者様が置いていったものだよ。内なる光の目覚めさせる効果があるとされる」
店長「『自分ではこの石を使いこなすことができなかった』……そう言い残していかれたよ」
勇者「へえ」
店長「無事に戻ってこられたら、またここに来ておくれよ。たっぷりサービスするからねえ」
勇者「ああ。じゃあまたなじーさん」
427 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:31:02.79 ID:kx/kzcQp0
勇者「きれいだなーこの石」
魔王「水晶の一種のアゼツライトだな。お前の故郷近くの鉱山で多く産出される」
魔王「己の内なる光を目覚めさせる効果があるとされており、」
魔王「王家の人間の好んで身に着けるそうだ。俺の母も持っていた」
勇者「へえ」
勇者「……お前の家族の話、聞きてえな」
魔王「家族の話……か」
勇者「嫌だったらいいけど」
魔王「いや、構わぬ。語ろう」
428 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:31:36.36 ID:kx/kzcQp0
魔王「父は元々人間への嫌がらせのつもりで、人間から王家の神器と母を奪った」
魔王「しかし父は母の美しさに心をすっかり奪われてしまい、」
魔王「それ以来、積極的に人間の国に攻め込むことはしなくなった」
魔王「腑抜けてしまったと家臣や国民に罵られても、全く意に介さないほどだった」
勇者「よっぽどだな」
魔王「やがて俺が生まれたが、母は心を弱らせたことで病に罹った」
魔王「父は、母を生き長らえさせるために母を魔族にしようとした」
魔王「だが、母は決して父の血を飲もうとはせず、人間のまま逝った」
魔王「彼女は俺のことは愛してくれたが、最期まで父のことは愛さなかった。まあ、当然だろうな」
魔王「母を失ったことで父も心を弱らせた。だが、死を望んでも、不死の力がある限り死ぬことは叶わない」
魔王「だから、俺に魔王としての力を受け継がせ、自ら死を選んだ」
429 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:32:54.78 ID:kx/kzcQp0
勇者「な、なんかいい思い出ねえの……?」
魔王「そうだな……幼い頃、父からはよく頭を撫でられた」
魔王「その手の大きさに俺はいつも憧れていた」
魔王「いつか父のように偉大な魔族になることが夢だったな」
勇者「過去形なのかよ」
魔王「人間の血が混じった俺ではな……だが、父から教わった魔族の、魔王の誇りは今でも忘れてはいない」
勇者「ふうん」
魔王「母からは人間の民謡や物語を教わった」
魔王「魔族のものとは性質の異なる話から、よく似たものまで、様々だった」
魔王「俺は母の話を聞いて、いつか人間と友達になりたいと思った」
魔王「よく似た物語があるのなら、きっと心の在り方も似ていて、わかり合える日が来ると信じた」
魔王「それに、母も魔族と人間の争いがなくなることを望んでいた」
430 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:33:25.20 ID:kx/kzcQp0
勇者「実際問題難しいだろうけどな」
魔王「……そうだな」
魔王「家族といえば……カルブンクルスも家族ではあるが、良い思い出はないな」
魔王「俺が後継者に選ばれたため、それまで次期魔王として育てられていたカルブンクルスは当然反発した」
魔王「そうでなくとも、人間との混血の異母弟の存在など目障りでしかなかっただろう。時折顔を合わせる度に俺は奴からいじめられていた」
勇者「んで部下も真っ二つに割れちまったんだな」
魔王「ああ」
勇者「でもお前、親からはしっかり愛されてたんだな」
魔王「だからこそ、俺は魔族と人間の両方を守りたい」
431 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:33:54.94 ID:kx/kzcQp0
勇者「光の神殿ってのはあそこの島にたってる建物だろ?」
魔王「ああ」
魔王「勇者の覚醒を防ぐべく、魔族の多くの幹部があの神殿に侵入したが、」
魔王「誰一人として戻ってはこなかったと言われている」
勇者「は? こっわ」
魔王「しきたりで勇者本人しか入れぬことになっているため、今回ばかりは俺が同行することもできない」
魔王「……健闘を祈る」
勇者「マジかよ、まあ仕方ねえか」
魔王「…………」
勇者(めっちゃ心配そうな顔してやがんな)
勇者「……」バシャッ
魔王「つめたっ……いきなり何をする」
勇者「せっかく海に来たんだから海水浴しなきゃな!」
魔王「この! やり返してやる!」バシャバシャ
勇者「はははっ!」
432 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:34:46.86 ID:kx/kzcQp0
勇者(夜まで遊んで、装備を整えて、宿に入った)
勇者(明日、オレはちゃんと試練をこなせるんだろうか)
勇者(……こなしてみせる)
勇者(ロディア達のためにも、贖罪のためにも……)
魔王「……なあ、ローゼ」
勇者「抱いてくれとか言うなよ。オレ疲れてんだ」
魔王「…………」
勇者「……上で腰振ってる分には構わねえけど」
魔王「……悪い」
魔王「俺は、お前という存在を、熱を、感じたい。確かめたい」
魔王「お前を失うのが、恐ろしくて……」
勇者「…………」
433 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:35:22.36 ID:kx/kzcQp0
翌日
勇者「今までで一番厳かな神殿だな」
魔王「……本当に、気をつけろよ」
勇者「大丈夫だっての。そういやお前、調べ物はどうなったんだよ」
魔王「部下に調査を進めさせている。まだ不確定要素が多いため、下手なことは言えないが……」
魔王「もしかすると、朗報を持ってこられるかもしれぬ」
勇者「そうか。じゃあ期待しすぎねえ程度に期待しとく」
狼「くぅーん……」
勇者「良い子で待っててくれな、ガリィ」
434 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:35:51.85 ID:kx/kzcQp0
光の神殿内部
勇者「何が光の神殿だよ、真っ暗じゃねえか」
勇者(不自然なほどに暗い。外から見た時は窓があったのに、全く光なんて差し込んでねえし、)
勇者(炎をつけても一寸先も見えやしねえ。静かで音もしない)
勇者「おい光の大精霊、いるんなら返事しろ」
勇者「……反応なしかよ、くそ」
魔物「ガルルルル……」
勇者「ま、魔物!?」
勇者(不気味だ。相変わらず真っ暗なのに、魔物の姿がぼんやりと見える)
勇者(目を閉じた時に瞼の裏に見えるような、不気味な色と模様だ)
魔物「ガウッ!」ダッ
勇者「失せろよ」ザシュ
魔物「ガフッ……」
魔物「…………」
魔物の子「クーン、クゥーン!」
勇者(子供……何処からわいてきやがった)
435 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:36:19.68 ID:kx/kzcQp0
勇者「一緒に天国に送ってやるよ」ザンッ
魔物の子「キャイイッ――」
勇者「……はあ」
魔族の男「勇者だ! 勇者が来たぞ! ついに我等を滅ぼしに来たのだ!」
魔族の女「私達はただここに住んでひっそりと暮らしているだけなのに!」
勇者「はあ!? つうか何で神聖な神殿の中に魔族なんて……」
魔族の男「ここは俺が食い止める! お前は子供たちと一緒に逃げろ!」
勇者「意味わかんねー! お前等が何もしなけりゃオレは別に」
魔族の男「はああああー!!」
勇者「ちょっと待てっての」
魔族の男「うっ」バタリ
勇者「お、おい、軽く攻撃しただけだぞ。死ぬわけなんて……」
魔族の女「いやあああああ!」
魔族の女「よくも……よくも!」
勇者「なんなんだよ!」
436 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:37:10.39 ID:kx/kzcQp0
魔族の女「……」
勇者(こいつも剣の柄頭で軽く打っただけで死にやがった)
勇者(……もしかして……加護の力の影響か……?)
魔族の子供1「うわあああああん! お父さん! お母さーん!!」
魔族の子供2「うええええええええええん!!」
勇者「うるせえな!!」
勇者(人間に家族を殺された魔族の子供は、成長すると人間を攻撃するようになる)
勇者(可哀想だが、こいつらもあの世送りだ)
437 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:37:45.99 ID:kx/kzcQp0
勇者(後味わりいなクソ……)
ロー……ローゼ……ロー……ゼ……
勇者「っ!? この声……」
女「ローゼ!」
勇者「メリッ、サ……?」
勇者「嘘だろ、お前……死んだはずじゃ……埋葬だってオレが……」
勇者(ぼやけていた姿が、段々はっきりと見えてきた)
勇者(綺麗な、死ぬ前の、メリッサだ)
勇者「幻か……?」
女「あたしは確かに死んだよ。でも、ここが特別な場所だっていうのは知ってるだろう?」
女「幽霊ではあるかもしれないけど、幻じゃないよ」
勇者「本当に……」
女「大きくなったねえ、ローゼ。こんなに立派になるなんて」
勇者「メリッサ! メリッサ!!」
438 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/04/14(日) 21:38:20.95 ID:kx/kzcQp0
女「大変だっただろう? 一人で生きるのは」
勇者「全然平気だったぜ! それに、ガリィが傍にいてくれるからな」
女「強がらなくていいんだよ」ギュウ
勇者「っ……」
勇者「触れる……温かくはねえけど……」
女「ねえ、お願いがあるんだよ」
勇者「なんだ?」
女「あんたが持ってる勇者の加護の力、あたしにくれないかい?」
勇者「は?」
女「その力さえあれば、あたしは体を手に入れ、再び現世で生きることができるんだよ」
女「あんたとずっと一緒にいられるんだ」
勇者「そんなことできるわけねえだろ。これは、敵をぶっ倒すのに必要な力なんだ」
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