【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 20:08:53.66 ID:u/WujjWcO

提督「その意志を否定などしないが……なぁ」

雲龍「だから、何? 初めてだし怖くなってきたら、逃げてしまうかも」

そんなことは知ったことか。俺としてはまだ許容を決めたわけではないし、大和の心とその先を捨てたわけではないのだ。

せめて、せめて彼女の意志に、何か楔を打ち込んでおかなくてはならない。
切り捨てることのできる材料を、離反しないという確証を。

提督「その意志の源泉は、何だ。有能な指揮官としての評価か、それとも戦場に出してくれる者への焦燥か。
まさか人間として俺を好いたなどど世迷言はほざくまい」

雲龍「傷付くわね……でもそのストレートに鋭利な言葉も意志も、私は」

提督「答えろ。お前の意志を否定はしないが、その根幹を答えねば、俺はお前を認めない」

雲龍「…………」


無言になった雲龍がその荒い息遣いはそのままに腕へ力を込める。
力を励起すればこのまま俺の胸板を内蔵や椅子の背もたれごと挟み潰すことも可能な位置。

首に触れる果実は既にただ触れるわけではなくぶつかり合って撓んでいる。
その肉に興奮と渇望を覚える一方でしかし、ただ溺れるだけでは本末転倒だと脳が警鐘を鳴らしている。

彼女の最後の答え、それが大事だ。



認めようじゃないか。
この場において大和の未来など棚上げせざるを得ない。

俺は今このとき、雲龍型航空母艦の憑座たる女に、一歩遅れて懐まで進ませてしまったのだと、認めねばなるまい。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 20:15:00.56 ID:u/WujjWcO

雲龍「戦わせてくれること、一番効率的に使ってくれること、それから人間的な好意」

ーーそのどれもがあって、私は初めて人間になれた気がするの。

壊れている、歪んでいる、それともこれが彼女たちの普通なのだろうか。

分からない、分かってはならない、分かることなど最早罪でしかない。

雲龍「でも、そうね……あなたに私の気持ちを伝えるのならば」

提督「……あぁ」



さぁ、受けて立とうじゃないか、雲龍。
たかが気持ちなどというもののために俺のこれからを歪ませられるなどあってはならない。

お前の答えに価値が無いと判断すれば、そのときは。



雲龍「私はーーーー



0.あなたを愛しているの、ただ、それだけ
1.ビジネスパートナーとして見ているの
2.ビジネスパートナーとして見ているの
3.あなたの覇道を見てみたい
4.媚を売るべき男だと思ったの
5.あなたの覇道を見てみたい
6.あなたを愛しているの、ただ、それだけ
7.ビジネスパートナーとして見ているの
8.あなたの覇道を見てみたい
9.あなたを愛しているの、ただ、それだけ



ゾロ目……あなたの狂気に、染まってみたい
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 20:15:52.29 ID:u/WujjWcO

なるほど……なるほど
暫く来なくて申し訳ありませんでした

今日はたぶんこの辺で
また、お願いします

ありがとうございました
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 20:19:34.91 ID:6mgk2JvAo
おつー
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:22:27.52 ID:zE1oKwZK0

雲龍「あなたを愛しているの、ただ、それだけ」

提督「ーーーーーーーー」



ストレートに心臓へ届く刃。
それは言うならば心臓に届き鼓動を支配するのと同時に脳を灼く麻薬だった。

胸板を這う手指の艶かしさも。
首筋に当たる凶悪な果実の熱も。
耳元に吹きかけられる吐息と声音も。

この部屋に存在するただ二人だけが感じることのできる空間全てが。

一瞬にして、止まった。

彼女にとってはきっと一世一代の吐露。




そして俺にとっては、単なる落胆と冷静に決めた、許容。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:28:49.12 ID:3ICceEiM0

ただ単に好かれているのならば、構うまい。
なんだかんだと理由を付けていても、他者の好意を跳ね除けるのは難しい。

その肉への乾きも、誰かと共にあることの安定も、周囲からの社会的評価も。

嫌われているよりは余程動かしやすい駒じゃないか、それでいいじゃないか。
それに極々僅かな可能性だとしてもいつしか愛なんてものに溺れることができるかもしれない。

分からないもの、理解できないものを馬鹿にするなどそれこそ馬鹿の行いである。
分からないからこそ、その足元に真理がある可能性を捨て切るのは悲しいことだ。

提督「……………………最初に言っておく。俺は今のところお前に興味なんぞ、無い」

雲龍「ッ…………か、構わないわ。この一瞬でもあなたを私に呉れるなら。その目を向けさせてみせる」

提督「そうか。…………離せ」

雲龍「…………イヤ」

提督「聞き分けの悪いガキは嫌いだ。離せ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」



その、傷付けられた自分に酔った様な顔が一等不愉快だということを、いつか彼女は理解するだろうか。

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:35:59.74 ID:3ICceEiM0

時刻は夕暮れ、処は執務室。
あるのは冷めた玉露と、食べかけの茶菓子と。

後ろを見なくても、分かる。
きっと彼女は、雲龍は傷付けられた顔で潤んだ瞳を伏せているだろう。

俺の胸板から離れていった両腕は自分を抱いているか、所在無さげに垂らされているか。
ただ、差し込む夕陽がおしえてくれている。

彼女は、身動きせずにまだ俺の後ろにいるのだと。



提督「…………俺はこういうやつだし、お前を見ることなんて永遠に無いかもしれん」

雲龍「構わないわ」

提督「構わない、ではない。そうであってほしい、そうであってくれなくてはならない。
それくらい無いと付き合いきれない男だと思うがな」

雲龍「知らない。知らないわよそんなのッ……そんなに言うなら返してよッ! 私の気持ちを返してよッ! 」

提督「返せるものなら熨斗付けて返してやる」

雲龍「ッ……」



背中に当たる声は次第に湿り気を帯びていき。
これ以上続ければ、或いは更に取り返しの付かないことになるかもしれない。

手酷い扱いをしているとはいえ言質の様な形で受け入れると言ってしまったのだ。
ただ単に断ってしまえばよかったものを、何かを得ることができると錯覚したか、見誤ったか。

けれど、もうここから真っ当に逃げることなどできはしないのだ。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:40:51.03 ID:vk0yfZpL0

提督「はぁ…………」

雲龍「…………」



泣く女は、嫌いだ。
今までのつまらない人生で何度か通過したそれは経験則。

ヒステリックに叫ぶ女とほぼ毎日顔を合わせた幼少時代。
周囲との軋轢と差異に気付かず失敗と誤魔化しを続けた学生時代。
集団での生活に順応したものの時に現れる個人的好意を持った相手への対処。

母親、同級生、そしてその他。

そのどれもが、結局はただそれだけの存在でしかなかった。
それ以上になってくれると期待して、勝手に裏切られて。

いつしか期待することを止め社交的で少々無口な殻を被った。
内面でも元々の異質さが肥大し研磨されていっているというのに、そのままに。

110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:49:32.66 ID:Ic9plHMx0

だから、今の状況は非常によろしくない。

泣く女は、嫌いだ。

けれど、泣かせる男はもっと嫌いだ。

そんな面倒を背負い込む自分も。
その程度の立ち回りもできない自分も。
そして、何か重要な切掛を見落とした自分も。



提督「…………知っていると思うがもう一度言うぞ」

雲龍「…………」

提督「俺はクドクドと何かを説明するのが苦手だし、嫌いだ」

雲龍「…………」

提督「来週末は完全にオフだ。マルハチマルマルに正門前に来い。服装は自由だ」

雲龍「ん、んんっ? 」

提督「以上。俺は仕事の続きをしなくてはならん。さっさと出て行け」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………何だ? 」

雲龍「ふふ…………あなた、モテないのに変なのにばかり好かれてきたでしょう? 」

提督「ーーーーーーーー」



泣く女は、嫌いだ。

泣かせる男は、もっと嫌いだ。

だが、泣き真似をする女なんて、大ッ嫌いだ。



執務室を軽い足取りで退出した雲龍の背を反芻しつつ、
その思考と行動が俺に与えてくれるかもしれない変化と希望について考えた。

けれど、そんなあやふやなものに答えなど、終ぞ、出ることなどなかったのだった。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 22:56:20.49 ID:Ic9plHMx0

雲龍「…………ふふ」

提督「…………」

大和「…………? 」

比叡「…………Zzz」

最上「このお菓子、ふわふわで美味しいねぇ〜 」

Prinz「Schnittenは伯爵の得意料理なんだ、ね? 」

Graf「まぁ、な。…………だがなんなんだ、この状況は」

提督「そんなもの俺が知りたい。執務中だぞ、俺は」



【三度幸せな日常、或いは転機】



0.艦娘
1.急襲
2.父親
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.軍人
9.艦娘



ゾロ目……陸軍(はぁと)
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:00:08.76 ID:Ic9plHMx0

提督「っ、はぁ……デスクワークばかりでは鈍るな、さすがに」



ベンチプレスはいい、実にいい。
何も考えず、身体が勝手に動いてくれる。
集中していなければ身体を壊すトレーニングが最もいい。

考えることといったらくだらない瑣末ごとやうんざりする些事ばかりなのだ。
だから、重いものでも持ち上げて物理的に負荷が掛かっているだけの方が、余程いい。



【お次は】



0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.雲龍


ゾロ目……執務室襲来
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:05:00.50 ID:Ic9plHMx0

Graf「Admiral、ちょっとだけ、いいか」

提督「うん? 」



トレーニングを一通り終えシャワーを浴びた後のこと。
明日のトレーニングメニューを脳内で修正していたときのことだった。

廊下でいきなり声をかけられた所為でほんの少しだけ間抜けな返事をしてしまった。
目の前の女はそんなこと気に留めていなかったようだが隙をつくらないに越したことは無い。



Graf「話、というか、なんというか……Admiral」

提督「だからなんだ」

Graf「あー……いや、私もあなたと同じで長々説明するのは苦手なんだ、簡単に言うぞ」

提督「構わない。俺としてもその方がいいからな」

早く終わるに越したことは無い。
さっさと執務室に籠ってやり残してきた仕事を終わらせなければならないのだ。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:12:35.03 ID:00M2cwpi0

Graf「その、雲龍のことなん

提督「よし分かった。甘い菓子でもどうだ? 俺もコーヒーにはそれなりに一家言あってな」

Graf「は? いや、先程既にその話は聞いたしコーヒーも頂い



こいつは、危険だ。
そういえばあまりにも唐突に降って湧いた出来事だったので忘れていた。
いや、未だに続く横須賀から硫黄島までの海域に関する処理や、
南方での戦果と被害の報告に関わる残務に追われて考える余裕も無かったか。
それとも週末に約束してしまった逢瀬で口止めできたと安易に考えてしまっていたか。

取り敢えず、雲龍と伯爵閣下は今のところ二人部屋の同室だった。

殊更仲が良いようには見えなかったが、しかし。
女というものの話好きを侮っていたかもしれない。

これがただ単に、妙な浮かれ具合への質問程度だったらば、どんなにかいいだろう。

間抜け顔で執務室まで引き摺られていくことを諦めた彼女を見遣る。
返ってきた目線は、どうもまた面倒なことを言いそうで。



提督「勘弁してくれ……」



まるで空虚な自分に誰かが面倒ごとを投げ込んできてくれているのかと錯覚する程だった。
そんなお世話は、できれば金輪際止めてほしいと切に願っているのだが。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:18:56.26 ID:ElyE9lBc0

…

………

……………



Graf「昨日今日と妙に浮ついているだろう、彼女は」

提督「気の所為だろう、とは言えないな」

Graf「そうだろうとも。Admiralは無口で口下手とはいえ鈍感な男ではない筈だからな」

提督「……それで? 」

鈍感であったのならばどんなによかったか。口には出さないが心からそう思う。
いっそ無感動に接するのではなく単に何にも気付かない方が楽だろう、恐らく。

Graf「雲龍が何故ああなっているのかなどどうでもいいのだがな」

提督「あぁ」

Graf「Admiralまで浮つくのはどうかと思うぞ、さすがに」

提督「は? 」

Graf「は? 」

提督「……ん? 」

Graf「……なんだ」

提督「え、いや……は? 」

Graf「? なんだ……気付いていなかったのか? 」

提督「……………………は? 」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:24:52.13 ID:xk6G83Ez0

Graf「元々大して感情を表に出さないんだ、
それが少しでも溢れていれば多少付き合いのある者には分かるぞ、恐らく」

提督「…………」

Graf「私としては大和が本命なのだろうと勝手に思っ……Admiral? 」

提督「…………」

Graf「Admiral? …………おい! 」

提督「ッ……あ? 」

Graf「はぁ。…………なんだ、雲龍との関係が暴露るのはそんなにショックだったのか? 」

提督「いや、それは無い。面倒だとは思うがどうということもないからな」

Graf「ほう? 否定すらしないと? 」

提督「別に意味が無いからな。単に、この前の戦闘での功績に対して報いてやろうとしているだけだ」

Graf「? 」

提督「鳥籠の鳥を一瞬でも外へ。俺という監視は着くが」

Graf「なるほどつまりデートというや……はぁ? 」

提督「あ? 」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:32:33.49 ID:VyV27JAf0

Graf「いや失礼……あぁ、そうか、なんだもうそこまでなのか……」

提督「いや、何を勝手に勘違いしているのかは知らないというか知りたくもないがな、Graf Zeppelinくん」

Graf「その怖気を振るう呼び方は止めてくれないか、Admiral」

提督「急に真顔になるな馬鹿。……なぁ、Graf」

Graf「? 」

雲龍と出掛けること自体は然して問題ではない。
本来軍施設から艦娘を出すことは殆ど御法度の様なものだが、しかし。
俺の権限と彼女の功績を盾に取ればその程度は造作も無いことだ。

それに、彼女と関係を深くしそれが周囲に漏れることも想定済み、許容済みだ。
あの夕陽の執務室で、その辺の損得と動き方は既に決めているのだから。

問題なのは、そんなことではなかった。

提督「俺が、浮ついているように見えたと宣ったな、お前」

Graf「宣うなどと……いや、確かに上官に投げ掛ける雑談としては不適切だったかもしれないが」

ーー謝ろうか?

なんて、薄い笑みを返してくる彼女を見て、思った。
Graf Zeppelinという女はそれなりにユーモアを持っている女だ。
そして、俺にとって面倒ごとを持ち込む女その三だかその四だ、きっと。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 23:35:56.90 ID:TAh5+lSDo
提督が特異的なので普通に甘い展開がいいゾ〜これ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 23:41:20.20 ID:cq1n4wf90

Graf「ん、んん……ま、まぁ、そうだな。浮ついている、というのは少し語弊があったかもしれない」

提督「ほう? 」

Graf「なんというかだな……Admiralは普段から無口で時々無感動にも見える御仁だが」

提督「あぁ」

Graf「決してコミュ症とかいうやつではないし喜怒哀楽もある普通の人間だ」

提督「そうだと嬉しいね」

Graf「茶化すな。これでも真面目に……あぁ、Admiral」

提督「あ? 」

Graf「浮ついているなどと言ったが、あなたは今ーーーー



中々喋りやすい女なのだな、なんていう稚児染みた感想などどうでもいい。
その答えが問題なのだ。それだけさえ知れればどうでもいいとさえ言える。

まさか、俺が感情を無意識に表へ出していたなんて。
そしてなにより、その感情に喜びが含まれている可能性があるなんて。

もし、それが本当なのなら或いは雲龍という女を、俺はーーーー



【伯爵閣下のお見立て】



0.期待している、のかな
1.恐怖、しているのではないか
2.恐怖、しているのではないか
3.期待している、のかな
4.期待している、のかな
5.恐怖、しているのではないか
6.恐怖、しているのではないか
7.期待している、のかな
8.期待している、のかな
9.心底、楽しみにしているように見えるよ



ゾロ目……目で追う程あれがいいのか?
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/08(木) 23:42:53.88 ID:cq1n4wf90

何だか最近安定していますね……
IDは全然安定しないのに

取り敢えず未だにというかまたもや行き先は不明ですが、
またよろしくお願いします

ありがとうございました
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 23:51:58.56 ID:TAh5+lSDo
おつおつ
コンマ神はエンターテイナーだからね、今は溜めのターンかな?
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/09(金) 21:19:51.28 ID:r7YQ2VHfO
追いついたぞ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:22:53.27 ID:XW5zYSaV0

Graf「期待している、のかな。私はそう感じたよ」

提督「ほう……? 」

Graf「この先に起こり得る何かに期待しているというか……いや、本来なら彼女とのデートに期待しているのだろうが、うぅん」

提督「うん? 」

Graf「…………私はAdmiralと会ってまだ日が浅い。間違っているのなら申し訳無い。忘れてほしい、が」

提督「なんだ」

彼女が言い澱むなんて、珍しいことだ。それこそ俺と彼女はまだ会って日が浅いので的外れな感想であるかもしれないのではあるが。

左右に目を走らせこちらに気持ち身を乗り出した彼女は何と言うだろうか。
ここは俺の執務室であって他人はいないし覗きや盗聴器なんてものへの心配は無いのだけれど。

そんなことをしてしまう程、憚られることなのだろうか。




Graf「あなたは、私たちの戦果に期待することはあっても、私たちそのものには期待していないと思っていたんだ」



ーーだから、雲龍に期待しているなんて、あなたも普通の人間だったのだな。私は、嬉しいよ。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:26:00.61 ID:rZ05rSHF0

…

………

……………




提督「それにしても……大和といい雲龍といい、Grafといい」



中々面白い面子であることは、素直に喜ばしいことだ。



比叡「?! っは? ね、寝てませんっ、寝てませんったら! 」

提督「そうか寝てたか。一人で静かに寝やすい様に金剛とオフが被らないようにしてやろう」

比叡「」



【あと数日で約束の日】



0.艦娘
1.急襲
2.父親
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.軍人
9.艦娘



ゾロ目……陸軍(はぁと)
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:37:54.93 ID:ehYn2rJK0

提督「ドレスコードのある店に行こうなどとは言わん、言わんが」

雲龍「背中は出しておくべき? それとも肩だけでいい? 」

提督「…………いっそ全裸で引き摺っていってやろうか? 」

雲龍「あら、ベッドに連れていってくれるなら嬉しいけれど男って裸より着衣の方が好



意味不明な程の露出思考である。センスの無い女と街を歩く趣味は無いが露出狂と出歩く趣味はもっと無い。

なんなら無難な私服で出てこさせて幾つか見繕ってやろうかと考えていた、そのときである。



「女川要港部より入電! 女川沖に突如敵性体出現! 援軍求むとのこと! 」



提督「ヘリを出せ! 大和たち他動ける奴だけでいい! 時間のかかるやつは海から回り込ませろ! 」

大和「はい! 」

Prinz「はいはーい」

最上「仕方無いなぁ……三隈たちと映画観る約束してたのに」

雲龍「…………殺す」



何か無表情で恐ろしい呟きを残していったやつのことなんぞ、知らん。知らんといったら、知らん。

取り敢えず、今後の作戦展開の為に要員を集めておいたことは僥倖だった。
精々女川の警戒網をすり抜けてきた奴らだ。あまり大規模な戦力ではないと思うが、どうだろうか。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:41:50.02 ID:ehYn2rJK0

大和『準備、完了致しました! いつでも発てます! 』

提督「ん、そのまま行ってくれ。俺が行くまでもない」

大和『はい。……一つ、よろしいでしょうか』

提督「あ? 」



大和からの無線はヘリの出す爆音で聞き取り難い。改良が必要だな、なんて。
大和にはこの落ち着きを慢心と取られただろうか。



大和『もう少し、横須賀に戦力を残していくべきでは? 』

提督「尤もな話だ。だが、要らん」

大和『何故? 』

提督「何故? 何故といってそれは決まっているだろう」





ここを、餌にするからだ。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:47:54.13 ID:xvSbbhSO0


大和『ーーーーーーーー』

提督「さっさと行け。……最上、合図を」

最上『まったく……面倒になったらボクに押し付けるのはやめてほしいね。……すみませーん! 出してくださーい! 』



横須賀と硫黄島から出している哨戒にだって限界はあるだろう。
女川が近海まで敵を近付けてしまったことからも警戒が万全ではないことが分かる。

けれど、それならばどうすればいいというのか。
横須賀を後生大事に守って隷下の要港部や哨戒部隊が消耗するのを待つのか。
それとも前回の様に敵が攻勢を掛けてきたときに順次撃破していくのか。

そんな悠長で緩慢なことをやっていればどの道人類に未来は無い。
ならば、こちらから隙をつくってやればいい。

敵襲に対しては全力の対応を。敵襲の次には背水の陣を。

それでいい、それがいい、これがいいのだ。



提督「お前もそう思うだろう? 豪運王子」

Prinz「少なくとも理には敵ってないと思うけど……私じゃなくて大和さんか雲龍さん残せばいいのに」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 22:52:35.96 ID:5/kBNo6L0

提督「それでは意味が無い。吶喊の鋭鋒たる大和や緒戦で敵を減らせる雲龍はあちらにやらなければ意味が無い」

Prinz「ふーん……でもGrafも残したじゃない? 」

Graf「これがAdmiralの判断ならば私は従うが」

Prinz「私も文句なんて無いけど、さ。ちょっとよく分からないかなって」

提督「…………」



俺の子飼で女川へ遣ったのは大和を筆頭に比叡、雲龍、最上だけだ。
後は全て今すぐ出せる戦力のみ。

対してこちらに残したのはドイツ組二人。他にも太平洋を北上する後発組と残留部隊がそこそこ。

合わせてしまえばまだまだ守備には十二分である。
寧ろ女川の警戒網が予想以上に阿呆だった場合は大和たちの方が余程悲惨な目に合うだろう。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:02:42.40 ID:5/kBNo6L0

提督「急襲というのは本来なら別の意味も持つべきなんだよ、王子」

Prinz「はいはい、決定には従いますって」

Graf「あとは彼女たちに期待するだけだな。……今回は他の箇所からは通報が無いようだし」

Prinz「今のところは、ね」

提督「お前がそれを言うと洒落にならん。もっと言え」

Prinz「ばーか。……別の意味って? 」

提督「自分で考えろ間抜け」

Prinz「はぁ? 」

提督「あん? 」

Graf「やめておけ。それこそ間抜けだろうが」




遠巻きにこちらを見る参謀や下士官たちの呆れ顔がいっそ心地いい。
それでいいんだ、お前たちは。お前たちには今までもこれからも、そして永劫に期待などしていない。

喪って初めて価値を実感するものを探そうとする戦いに、お前たちなどまるで不必要なのだから。


【横須賀近海】



0.大艦隊
1.特に何も
2.大艦隊
3.何か疎らに
4.特に何も
5.何か疎らに
6.大艦隊
7.何か疎らに
8.特に何も
9.特に何も



ゾロ目……ごーとぅーへーる(はぁと
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:07:18.04 ID:VRzuqXiv0

「閣下! 」

提督「あん? 」

「こ、こちらに向かってくる大規模な敵影を確認致しましたァッ! 」

提督「そうかい。……ほらな? 王子」

Prinz「まッッッッたく意味分かんないんですけどぉ? あと無視してたけど王子って言わないで! 」

Graf「ほら行くぞ王子。敵が待ってる」

Prinz「あ、ちょ! 王子って言わないでよGra……伯爵! 」

Graf「はいはい」



隙を見せれば、というか何というか。
忽ち姿を見せてくれるのは運なのか敵の慧眼なのかそれとも隙など関係無くそういう宿命なのか。

或いは、そう。



提督「化け物と通じる反逆者がこちらにいるのか。まったく……愉快なことだな」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:14:16.90 ID:fUvCXdkb0

「女川へ遣る予定だった戦力は途中で転回させてこちらと挟撃の態勢を取らせますッ」

提督「あぁ、そうしろ」



急ピッチで用意させた第二陣は海上から反転し横須賀から出撃する部隊と共に敵の大艦隊を殲滅。
速戦で決めることはできないだろうが好き勝手無尽蔵に沸きやがる化け物どもにはもう一度地獄を見せてやる。

女川に現れた急襲部隊、否、陽動部隊は大和たちで十分だろう。
寧ろ、こちらが本丸と分かった時点で引き返させてもいい、いいが。



提督「大和たちにはそのまま行かせろ。今更戻ってこさせるのも面倒だ」

「は、はぁ」



困惑顔の下士官は内心馬鹿な上官だとでも思っているだろう。
今やこの国随一の重要性と戦略性を持つ横須賀と、地方にある隷下の要港部。
その優先順位も分からないのかと。そこまでしてあちらを守るべきだと考えているのかと。

当然、その様なことは有り得ない。戦略的にも個人的にも東北の一要港部など知ったことではないのだ。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:21:04.52 ID:lGsJFf0Z0

それでも、大和たちをあちらに遣り主力を欠いた状態で防衛に当たるのには意味がある。

一つはそもそも現戦力での防衛が可能であると判断したこと。
俺とて確認された敵戦力とその未知数な部分を勘案して指示を出している。問題無い。

一つは大和に多くの戦果を与えるということ。
大和とてこちらの大艦隊を相手取りたいだろうがそれでは十分な戦果を得られる保証が無い。
大和が少ない僚友と共に死地を切り抜け己の未来を見通すことが重要なのだ。

一つはドイツ勢二隻の反応を知りたかったこと。
別に彼女たちが深海の化け物どもと通じているなどとは考えていない。
けれど、結局は彼女たちもドイツ軍からの客分に過ぎない。
こちらも同じ様に戦力をあちらに派遣しているとはいえ他人は他人なのだ。

着実に、且つ急激に名を挙げた横須賀とこの俺に対して何を思うのか。
単純にそれが知りたかった。



それから最後。



ーーーー十面ダイスの存在である。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:28:59.99 ID:s/S6K+fX0

Prinz『沈めても沈めても湧いてくるんだけど! ねぇ? 本当に大和さんたちは来ないわけ?! 」

提督「無線なんてできるうちは余裕だろう。適当にやっとけ」

Prinz『あぁもう! Dumm! Dumm! Ich bin dumm! 私って本当馬鹿! 』

提督「そうだな」

Prinz「ッ! こんな阿呆な上官がいるんならこんな国に来なければよかッーーーー…………



突然Prinzからの通信が途絶えた。ただそれはPrinzが沈んだだとか機器が破壊されたとかいう意味では無い。

敵を挟撃する為に転回させた味方が背後を突き始めたのだろう。
Grafたちならば艦載機によってその到来を予期していたかもしれない。

けれど、海を駆け敵の放つ砲弾を躱しながら無線中の王子様には分からなかったようだ。
いや、そもそもそれを期待していたわけではあるのだが。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/09(金) 23:31:50.54 ID:cqTEqngko
(コイツ……コンマ神を認識しに来ている……っ!)
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:36:54.49 ID:NoyaYqK/0

味方を奮起させる方法は幾つかある。

今回の横須賀防衛の場合は大きく分けて、二つ。

女川へ出した援軍第二陣が反転して敵の背後を突くことをおしえておく方法。
そして逆にそれを伝えず全力での正面突破を目指させる方法。

前者であれば一定の安堵感と余裕、敵への優越感と耐えることへの安定を生む。
後者であれば強制的吶喊の必要性と焦燥感、敵への恐怖と耐えることへの無駄さを生む。

精神的な正負、そのどちらが必要かを判断するのは指揮官にとってとても重要な資質だ。
現代の戦闘においては当然前者が優先されるし、後者など間抜けの取る選択である。

けれど、今回俺はそちらを採った。
何故ならばそれは十面ダイスが選んだからに他ならない。

前回の作戦時に運と未来を託した十面ダイス。
今回は幾つかの思惑と並行して最初からこれを使っているのだ。

有能な指揮官にあるまじき愚行。
否、愚行を通り越して敗退行為と言えるだろう。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:45:41.84 ID:Zo9jiXiv0

それでも、俺はこの賽子を手放さない、手放せない。
こいつの魅力に取り憑かれた、とかいうことでは決して無い。

これが一種の賭けであることは揺るがない、が。それだけではない。
迎撃部隊の配置には細心の注意を払っているし、
複数の小隊長たる“ 旗艦 ”からの通信には片っ端から微調整を指示している。

ただ、Prinzたち“ 子飼 ”には曖昧で不十分な情報しか与えなかった、それだけである。



提督「大和や雲龍、Grafもいいが……期待できる駒は多いに越したことは無いしな」



前回の作戦では艦隊どころか国家最高峰の戦果を叩き出した雲龍を筆頭に俺の子飼たちが一躍その名を上げた。
それはそれで重要なことではあったが、しかし。

俺とその部下たちばかりが名を上げるのでは意味が無い。
俺たちがセットだと認識されてしまっては、
度を越した英雄視によって自由な動きを制限されてしまう恐れがある。

酷ければ体のいい最終兵器として横須賀に留め置かれてしまうかもしれない。
それでは今回の作戦で大和が己の望みを見出すことができなかったときに次戦を望めない。
或いは戦闘の中で掴めるかもしれない俺自身の生きる意味、存在意義を探す何かへの道が閉ざされてしまうかもしれない。

それでは、意味が無いのだ。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/09(金) 23:54:33.15 ID:aR4wd5Vw0

あくまで有能な指揮官、有用な護国の兵器でなくてはならないのだ、俺たちは。
負けてはならず、優秀過ぎてはいけない。
一定の戦果を上げることが前提条件であり、最終成功目標なのである。

他の僚友たちに戦果を上げてもらえばどうせ俺の評価はまた上がるわけであるし、
彼ら彼女らの自信や戦意に繋がるであろうし、
横須賀としても国家としても面目は保たれる。



提督「そろそろ新しい直属を増やす上申もしたかったしな」



ーーこれでは今まで以上の戦果を望めないやもしれません。



したり顔で肥え太った軍令部や無能な政治家に談判する自分を想像して自然と笑みが零れた。
よもや護国の英雄となりつつある俺の、それも自分たちに媚びる素直な男の要求を断りなどすまい。



ーー直属の部下が増えれば、更に皆様の力となれるのです。



嗚呼、愉快極まりない。参謀たちがおらず戦場からの指示を仰ぐ通信が無ければ思い切り高笑いでもしてやるところだ。

こんなにも虚無で、何を望めばいいのかも分からないというのに、何故だろう。
何の希望も見出せない出来損ないだというのに、何かが途轍も無く面白い。


138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/10(土) 00:00:07.83 ID:hZ+LMLFC0

提督「“ 艦娘 ”とは面白い者たちばかりだ。もっと、もっと欲しい。全ッ然足りん!
彼女たちがきっと、俺に俺の明日を呉れる筈だから」



通信は大分頻度と緊急性を減らしている。
もう時期敵は殲滅され、勝鬨と喜びが爆発し、そして賛辞と謝辞が溢れるだろう。



提督「あとは大和と雲龍たちだが……参謀? 」

「はい? 」

提督「大和たちからの通信が来たらすぐに伝えろ。というか俺に代われ」



【皆さんの戦果】



0.大和
1.比叡
2.雲龍
3.Graf
4.最上
5.Prinz
6.該当者無し
7.ドイツ組
8.該当者無し
9.該当者無し



ゾロ目……全員(はぁと)
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/10(土) 00:11:05.19 ID:oWPSukGK0

…

………

……………




提督「マジかよお前」

Graf「は? 」

提督「何でもない。……あの配置と情報でMVPとかマジ? 」

Graf「……は? 」



終わってみれば当然の如き大勝利であった。
横須賀近海に現れた敵大艦隊は殆ど戦果を上げることさえ出来ずに挟撃され撃滅。
女川に現れた陽動部隊は駐留部隊の堅実な迎撃と大和たちの危なげない攻撃で殲滅。

至ってシンプルであり完璧なまでに予想通りのそれは、至ってシンプルで完璧なまでの勝利となった。

どうやら警戒網を潜り抜け急に現れた敵はオホーツク海やベーリング海から割かれた部隊であったらしい。
急激な波状攻撃によって戦力を削られ防衛に必死であったため気付くのが遅れた、とロシア側は主張しているようである。

その真偽は好意的に見積もっても十分以上に怪しいがしかし、その先は政治屋の仕事である。
ロシア政府が急速に勢力を盛り返したこの国に随分と消極的な攻撃を仕掛けた可能性は高いが、
彼らが大打撃を被ったのは事実なのだ。

対してこちらは彼らの怠慢を自力をもって斥けている。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/10(土) 00:21:24.91 ID:gCcbhI0P0

俺たちにとっては然程の問題も無い。

問題なのは寧ろ個人的な思惑が一部大外れしたこと。
大した情報を与えずまずまずの戦果であることを期待した飛行船伯爵が、
何故か戦果第一の功績を上げたことである。



提督「…………はぁ? 」

Graf「褒められこそすれ呆れられる筋合いは無いと思うが」

提督「何機落として何隻沈めたって? 」

Graf「そんなもの数える余裕が無かったと言っているだろう。それよりいいのか? それは」



ヒラヒラと大雑把な報告書を弄びながらGrafが差したのは書類の山であった。
報告書には目を通したし大体の上申や今後の展望を纏めたもの、
作戦立案や会議に関する資料は既に粗方捌ききっている。

今この執務机に鎮座しやがってくれているのは、


Graf「取材申し込みに代議士からは会食への誘い、
海軍省への入省を勧めるものから各種実業家からの援助申し込み、
他には見合いの……クク、ラヴレターだらけだな。随分と人気者じゃないか」

提督「…………」



既に勝利からはほぼ二日経っている。

最初のうちは執務の為だといって放置し誤魔化していたが時間が経ってしまうとそうもいかない。
この下らない些事の山など本音を言えば今すぐ焼却処分してしまいたいくらいである。

何度か燃やさなければならない程積まれているのは見ているだけでも不愉快な気分が湧き上がってくるが。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/10(土) 00:32:17.21 ID:fL5L67rh0

提督「何枚かやろうか? 今なら俺も推薦状くらい書いてやるが」

Graf「戯言を。私はこの国の人間ではないから役人になどなれないし代議士や実業家にとっても旨味が少ない。
ましてや良家の子女とお友達ごっこをする趣味など無いよ」

提督「ふん。…………こいつらは取り上げて明日処理する」

Graf「ま、Admiralも疲れてはいるだろう。休むのも重要な仕事というやつだな」

提督「あぁ」

Graf「…………」

提督「…………」

Graf「…………」

提督「…………コーヒーのお代わり、要るか? 」

Graf「貰おう。Admiralのコーヒーは私でも見習いたいところがある稀有なものだからな」



時刻は既に夜半。真っ暗な外からは二日前の喧騒が嘘の様な静かな潮騒しか聞こえない。
建物内も静まり返って皆が戦闘とその後の祝勝会による疲れから回復していないと伝えてくるかの様。

執務室には今回のMVPであり、本人は決して認めないが所謂“ お姉様 ”目当ての僚友から逃げてきた伯爵閣下ことGraf Zeppelinと俺だけ。



提督「あいつにも十分ラヴレターなんてきてると思うけどな」

Graf「何か言ったか? 」

提督「何にも」



【リザルトボーナスのお時間】



0.女はデートで何処へ行きたがるものなんだ
1.ドイツへ帰りたくはないか
2.お前そのものを欲しい言われたら、どうする
3.欲しいものは無いか
4.欲しいものは無いか
5.ドイツへ帰りたくはないか
6.女はデートで何処へ行きたがるものなんだ
7.ドイツへ帰りたくはないか
8.欲しいものは無いか
9.女はデートで何処へ行きたがるものなんだ



ゾロ目……全部
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/10(土) 00:32:58.89 ID:fL5L67rh0

なるほど……なるほど
相変わらず安定してますね……

またよろしくお願いします

ありがとうございました
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/10(土) 00:46:20.49 ID:cPy5uJzPO
ニアゾロ目はちょくちょく出てるけどね
乙
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/10(土) 01:15:47.20 ID:os0FZOk4o
おつおつ
信じていいのかな、
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 22:31:26.63 ID:P6hblrVS0

【ドイツへ帰りたくはないか】




Graf「帰りたいと思うのか? 」

提督「大抵の人間は故郷にいつでも帰りたいと思うだろうな」

Graf「そうだな」

提督「…………」

Graf「…………」



どちらからともなく冷めかけたコーヒーカップを口元へ。
味と香りに拘ってはみたものの結局はただのコーヒーである。

淹れ方にまで拘り何度も試行錯誤を加えてこれならば何ということも無い。
コーヒーが好きな人間には絶賛されるがそんなものより本当に欲しいものや好きなものを見つけたい。



Graf「ふぅ……Admiral」

提督「あん? 」

Graf「あなたが帰れと言うのなら、帰るよ。私は正直この国にいたいとも思っていない」

提督「そうか」

Graf「Admiralは中々に面白い人間だ。あなたに恋なんてしているわけではないが何か、惹かれるんだ」

提督「…………」

Graf「ま、Admiralの立場では帰れと言うことなどできないだろう。……ふふ、そう渋面などつくるな。私はーー



【応え】


0.次の作戦が終われば、帰ろうか
1.帰る場所など無いんだよ
2.戦場で生を終えたい
3.次の作戦が終われば、帰ろうか
4.“ Bismarck ”を見つけたいんだ
5.戦場で生を終えたい
6.帰る場所など無いんだよ
7.戦場で生を終えたい
8.次の作戦が終われば、帰ろうか
9.帰る場所など無いんだよ



ゾロ目……恋をしてみたい
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 22:39:28.70 ID:ZIxBbYox0

【次の作戦が終われば帰ろうか】



Graf「それで、いいだろう? 」

提督「別にここにいてくれても構わないが」

Graf「あなたにとってはね。あなたは何をも望んでおらず何をも望んでいる。そんな人に私は不要だ」

提督「……ほう? 」



真っ暗な外と暖色系の僅かな執務室に二人。
足を組みコーヒーの香りを楽しむ女が嘯いた。

大和や雲龍ですら気付かない、否、興味を向けない俺の内面に目を向ける女。
ある意味では危険で、また別の意味では期待せざるを得ない。



Graf「私はこれでも激情家で愛国主義者で人類主義だ。
誰の幸せも願わないクズと仲良しごっこをするのにも限界があるよ」

提督「だが俺はある種の無垢な人間とも言える。
お前が俺を正義や奉仕に目覚めさせることができたなら、それは

Graf「不可能だ。あなたの様に虚無を抱えそれでいてなお自らの幸福を探求する化け物に私は勝てない」

提督「…………」



コーヒーを一気に飲み干した女は再度嘯いて立ち上がった。
その立ち姿ですら今となっては神々しい。俺が求めていたもの、それは共感者だったのかそれとも理解者だったのか。



Graf「断言してやろう。まともなやつはあなたを幸せになどしてやれない。
そしてあなた程振り切れた存在に私は今まで出会ったことなど、無い」



ーー帰って退役できるよう、精々頑張るさ。



好き勝手喋り散らかして去った女の残り香は、いつに無く、甘く感じられた。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 22:46:59.82 ID:0c+eoo2R0

…

………

……………



提督「あれでこの国の艦娘なら根回しも楽なんだが」

最上「何か言った? 」

提督「いいや。……留守は任せたぞ。参謀もいるが俺の権限は一部お前に預ける」

最上「大層なことしてくれちゃって……怒られるよ? 」

提督「大切な女との逢瀬より大事なものなどあるまいよ」

最上「ばーか。……提督でも、冗談って言えたんだね」

提督「あん? 」



【約束の日です】



0.冬服
1.ペアマッサージ
2.カフェ
3.ペアマッサージ
4.遅刻女
5.カフェ
6.冬服
7.カフェ
8.冬服
9.ペアマッサージ



ゾロ目……ランジェ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 22:53:04.56 ID:0c+eoo2R0

雲龍『おはよう』

提督『おう。……閉めるぞ』

雲龍『ん』



正門前、時刻はマルナナヨンゴー。八時集合だがまぁ妥当なところだ。
これで時間にルーズな女だと分かれば一生誘わないと決めていたのでこれでよかったのだが。



雲龍『ありがと。ドア開けてくれるなんて紳士なのね』

提督『馬鹿言え。これくらいで女の評価が上がるくらいなら誰だってする』

雲龍『そうね、別に上がりはしないわ。しなければ下がるけれど』

提督『ハンッ』




あれから大体一時間と一時間と少し。
適当に流した車を街中目に付いたのカフェで止めこのあとの予定を訊いてみる。

予定は男が組むもの、なんて考えられていたとき用にプランは用意してあるが実際どうでもいい。
俺にとって興味があるのは雲龍の内面と行動そのものだし、彼女にとって俺といられればどこでも構わないらしい。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:04:19.03 ID:iKTYJYWO0

雲龍「あなたの淹れたコーヒーの方が美味しいわ」

提督「そりゃどうも」



そこそこに落ち着いた雰囲気で薄暗い店内には客があまりいない。
街中の雰囲気がいいカフェなど常時人がいるものだがこれは穴場の様なものだったか。

髭をたっぷりと蓄えたマスターのおすすめはブレンドだったが確かにあまり美味くはない。
然程興味の無い俺でさえそう思うのだから雲龍にとっては歴然としたものだったのだろう。



雲龍「それにしても……凄い車ね、あれ」

提督「大したものじゃない。お前でも買えるさ」



普段は鎮守府の敷地に放置されている俺の愛車はシボレーのコルベット。
前世代までのリトラクタブルは廃止されており511馬力のパワーは乗っていて心地がいい。

エッジの効いたフォルムが気に入って購入したが他人を乗せたのは初めてである。



雲龍「それでも、ね。ツーシータなんて初めてだったし」

提督「そ。……初めてついでに訊くがどこか行ってみたいところはあるか? 」



考えてみれば、そうだ。プランはあるものの彼女の希望に沿った方がいいだろう。
何せ艦娘ときたら面倒な行程を幾度も経て得る監視の中での外出許可か男をつくるしか外には出られない。

彼女にとっては外で見るもの全てが新鮮なものと言っても過言ではないだろう。

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:11:04.01 ID:pXQaRpNJ0

雲龍「あら、こういう場合は殿方が決めてくださるものじゃなくて? 」

提督「お前に希望が無いなら幾つか考えているが……明日の朝まで時間をもたせられるかは正直自信が無い」



暗に夜も二人だと牽制球を投げてみる。
美味くないといったコーヒーを啜る、顔を顰める、カップを置く、瞑目する、口の端をやや上げる。
それだけの動きが、どこか性格を感じさせて少しだけ楽しい。



雲龍「そう……うぅん、それなら、私行ってみたいところがあるわ」

提督「何処だ。よっぽどのことが無ければそこでいいぞ」



どうやら夜のことに関してはまだ話はしないらしい。
確かに誘ったのは俺だし彼女はその先も許すと先日言っている。
それを断ったのがそもそも俺なわけだから無反応というのも頷ける。

好きだと言ったのは自分だけれど女のプライドくらいはある、といったところだろうか。



雲龍「私はーーーー



【何処へなりともあなたとならば】



0.水族館
1.教会
2.水族館
3.ホテル
4.映画館
5.教会
6.映画館
7.教会
8.映画館
9.水族館




ゾロ目……敵襲(はぁと)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:21:07.92 ID:fSZk51VE0

【教会】



提督「こんなところに来て何がしたかったんだ、お前は」

雲龍「何がしたいとかじゃなくて、来てみたかっただけ。意味なんて無いわ」



髭面のマスターが精一杯の愛想を振り撒いてサンドウィッチを勧めてくるのを退け、暫く。
鎮守府からカフェ、カフェから教会なんて中々経験できることではない。



雲龍「私たちは教会にとって忌み子同然。そもそもセックス以外でできる生命に混乱をきたしている」



ヒラヒラ、ヒラヒラと。
白いマキシ丈のワンピースはこの場においては新婦と見えなくもない。
ジャケットを羽織った俺からすれば寒いだけだと思うのだが別にどうともないらしい。
そういうところが籠の中の鳥だと言ってしまえばそれまでではあるのだが。



雲龍「適合した人間を破壊しての“ 憑依 ”、鉄や油を組み合わせての“ 建造 ”、敵を屠った海上の“ 顕現 ”。
宗教家にとってどれが一番マシなのかしら」

提督「そりゃあ人間の艦娘化だろうよ。それだけなら人権を無視した人体改造だと雑に批判できる」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:28:06.57 ID:GRZb55OS0

中立的無宗教、或いは消極的多信教と言えるこの国では問題無いが、
クリスチャンの多い地域では未だに艦娘とそのあり方に批判や疑問が多く投げかけられているらしい。

一般人に対して情報統制を敷き不要な情報を与えない様にしているとはいえ、
インターネットの発達したこの時代においてそれには限界がある。

生命と地位の惜しいまともな人間が暴露することなどあり得ないが、
ドロップアウトした無能者や偽善によって奮起した馬鹿が時々人々を沸かせるのだ。

教会とて表向きは特に情報を得ているわけでは無い。
それ故に非人道的な行いを各国が行なっているのではという注意喚起と警告が関の山である。

だが実際は各国と背後で繋がっているのであって持っている情報は下手な国よりも余程優位だ。
だから、彼らにとっても結局艦娘とは使役する対象であって保護する対象では、ない。

神は、化け物を助けない。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:32:35.90 ID:GRZb55OS0

雲龍「私たちは望んじゃいないのに。戦うことしか知らないのに。それしか許されないのに」



ヒラヒラ、ヒラヒラ。
無人の教会を舞う美しい蝶。

ヒラヒラ、ヒラヒラ。
舞う蝶はいつしか神父の立つべき壇上まで上がっている。
俺は、そこから少し離れた長椅子に座っている。



雲龍「いっそ無関心の方が余程嬉しいわ。目につく人間といえば好色な目か嫌悪の目ばかり」

提督「……」

雲龍「嬉しいことなど滅多にありはしない。自由が無いことを嘆くより、何も無い中での禍福を楽しみたいの」

提督「……」



壇上の雲龍がこちらを睥睨する。
射抜こうとするかの様な目は俺を見ている様で、その実人類全てを憎んでいるかの様で。



雲龍「ここまで来てよ、お願い」

提督「はいはい」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:36:51.67 ID:GRZb55OS0

壇上に上がり、彼女の目の前に立つ。
女性としては高身長な部類の彼女もさすがに俺の前では小柄に見える。

暇と鬱屈に耐えかね鍛えに鍛えた結果の筋肉。
鎧に覆われた身体は彼女にとってどんなものなのだろう。



提督「だから、媚びてみたのか」

雲龍「それもまた、一つ。有能でお金持ちで名家出身のあなたの女になれば道が拓けると思った」

提督「正しい。それは悲しい程に正しいが、間違っている」



瓏々と、それも演劇の様に大袈裟に、誇張甚だしく。
自分でも場所と雲龍の雰囲気に飲まれているのが分かる。

実際には鬱々しい女のまどろっこしい愚痴を聞いているだけではあるのだけれど。
それでも、何かこの空気からは逃れられない。逃れようと思わないのが不思議だった。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:42:09.83 ID:GRZb55OS0

雲龍「キス、してよ」

提督「何故? 」

雲龍「言ったでしょう? あなたの女になりたいからって」



抱き着き、身体を押し付け、擦り合わせ、湿った息を吐く。
まるで俺の身体に自分の意識を浸透させる様なそれは、途轍も無く男の庇護欲と欲情を誘う。



雲龍「でも、それだけが理由じゃない。あなたが欲しい、私を受け入れてほしい。
大和さんには渡さない、Grafにだって渡さないし他の女なんて存在も認めません」

言って。胸板から上目遣いでこちらを射抜く。
射抜かれた、射抜かれてしまった。

心を見透かす様な澄んだ瞳は、逆にその心の奥を見せてしまっていて。
彼女が、嘘を吐いていないことが、分かってしまう。

それは一人の女の、真愛しと言えた。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/12(月) 23:56:34.55 ID:+9drlGda0

提督「…………足りない」

雲龍「え? 」

提督「足りないよ、雲龍。ただ俺を欲しいって言う女なんて自慢じゃないがそれなりにいたし、いる」

雲龍「……」

提督「それが金や、容姿や、地位や、家柄、もしかすると政略結婚染みた媚びだとしても、同じだ。
俺にとってお前が大切であるのは未だに有能な部下であることだけ」



女として一つの完成形とさえ言える容姿や身体も。
ぼんやりとして抜けている様で気配りのできる優しさも。
内に秘めたる闘志や向上心も。

それは俺にとって終局ただの情報でしかない。



提督「お前と寝てみればきっと楽しいだろう。お前を愉しませてみるのもそれすら愉悦の極みだ。
それでも、それでも俺には“ ただの愛情 ”に呉れてやる真心など無い」

雲龍「…………それなら」



ここまで言われてなお、その意志は挫けない。
なんと尊いことだろう。なんといじらしいことだろう。そしてなんと気高く美しいことだろう。

仮に俺がまともな人間だったのなら、今頃はお互い幸せな家庭でも築いていたのだろうか。

俺を射抜く艶やかで潤んだ瞳は、一層力と輝きを増していく。


雲龍「それならーーーー



【教会、二人】



0.私に溺れさせてみせるわ
1.あなたを真人間にしてみせる
2.便利な道具を極めてみせるわ
3.あなたが飽きるまで愛し続けるわ
4.便利な道具を極めてみせるわ
5.あなたを真人間にしてみせる
6.あなたを真人間にしてみせる
7.便利な道具を極めてみせるわ
8.あなたが飽きるまで愛し続けるわ
9.あなたが飽きるまで愛し続けるわ



ゾロ目……あなたと死ぬしか、無いわ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/12(月) 23:57:33.73 ID:n1wxSEBS0

わーお……わお?
楽しくなってきたなぁ……

少ないですが今日はこの辺で
またよろしくお願いします

ありがとうございました
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/12(月) 23:58:42.47 ID:agLMzE2G0
やっぱりな(レ)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/12(月) 23:58:49.49 ID:6CPox58nO
やっぱコンマ神ってエンターテイナーだわ
乙
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 00:19:50.94 ID:NmfSI8vPo
溜めに溜めてこのタイミングでかよ……コンマ神、アンタぁやっぱりわかってるねえ
おつおつ
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 02:22:59.84 ID:odicXr8C0
これはこれはw
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 03:22:17.63 ID:vYvHxd0eo
やっぱこええよぉ〜
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:33:29.58 ID:B3dSjf/W0

雲龍「それなら、あなたと死ぬしかないわ」

提督「…………」



無人の教会、ただ二人壇上に立つ役者に言葉など無く。
女の一言で空間は全ての歪みを正し切り、澄んだ。



雲龍「私たち化け物に後なんてあると思って?
あなたに受け入れてもらえないなら、私は死ぬ。
振られた後はあなたの憐憫も周囲の嘲笑も私には耐えられないから」

提督「…………」

雲龍「シアン化カリウムの経口致死量は150mgから300mgと言われているわ」



言って、彼女が取り出したのは何の変哲も無い小瓶。
鎮守府のどこかで見た覚えも監督した覚えも無い。
この先生き残れたのならばその出所を調べないとならないな、なんてどうでもいいことを漠然と思った。



雲龍「あなたを羽交い締めにして口移しで飲ませてあげる。あなたが死んだ後、私も死ぬわ」

提督「…………」



ここで死んでしまうのもまぁ、悪くない。
特に楽しいものも無く、趣味と言える趣味も無く、好いた女もおらず。
人生の夢や目標を探し続けた人生だと思えば然程酷いものでもない。









けれど
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:38:54.99 ID:B3dSjf/W0

提督「お前に選択肢を遣ろう」

雲龍「選、択肢? 」



怪訝な顔で俺の顔を見つめる雲龍は未だ気付いてはいまい。

お前に俺は殺せない。半端な化け物に殺されてやる程俺の価値は安くない。
そこには何らの保証も根拠も無いけれど、それでも真理と言える正当である。



提督「一つ。このままホテルなり鎮守府なりで俺を溺れさせてみる」

雲龍「却下。正直一晩じゃ自信が無いわ。処女だし」

提督「一つ。死してなお俺の為に生きる程の道具であれるよう自分を圧殺することを覚えてみる」

雲龍「却下。あなたの側にいないと仮令生き延びてもそこに意味なんて無いわ」

提督「一つ。俺を真人間にしてみる」

雲龍「却下、いえ、不可能よそんなことは。私が惹かれた男は、そんなことでは変わらない。
そんなことで変わるただの人間を好きになんて、ならない。
クズであることを越えてでも欲しい男なのよ、あなたは」



ここで自分に負けてくれればどんなにか幸せだろう。
俺にとっても、そして彼女にとっては特に。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:45:23.61 ID:paZVN9V20

提督「それからば問う。今ここで俺が生命惜しさにお前を受け入れると言えば、お前はここで自死と殺害を諦めるのか」

雲龍「…………」



未だ胸板に抱き着き上目遣いを続ける雲龍が視線を逸らした。
たじろいだその弱さがお前の命取りだったと、いつか後悔するがいい。

結局はお前も、化け物以前にただの女に過ぎないのだ。
まともな“ 人間 ”に使えるジョーカーの一つは、愛という瑣末事に他ならない。



提督「悪い、少し意地悪し過ぎたか? 」

雲龍「え? 」

提督「俺は確かにお前の言う通りクズだが……それでも好きでもない女と遊びに出掛ける程飢えてはいないよ」



真っ赤な嘘だ。ここまできていると既に赤軍よりも赤い。
風俗に行くかどうか悩んでいた人間の精神が禁欲に耐えられる筈が無い。



提督「それはまだ持っていろ。この後、やっぱり耐えられなくなれば、使ってくれて構わない」

雲龍「…………」



雲龍が取り出した小瓶を懐に、仕舞う。
所詮その程度、幾ら化け物と誹りを受け常人には考えられない凄惨な戦場に立とうとも、女は女である。

愛した男を殺すことなど、それも自らの身体を蝕みつつも消し去ることなどできはしない。
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:55:32.13 ID:H+ayg5sx0

提督「お前が俺を感じられないなら……感じさせてやるよ。
肉の喜びが欲しいなら、素直にそう言えばいい」



ーー“ 人間 ”は、“ 女 ”は、愛を実感できない不安から道を踏み外すんだ



囁き流し込んだ声は、的確に雲龍の耳を脳天まで貫いたらしい。
目に見えて、彼女の震えは収まり、逆に体温が上がり心音が激しく脈打つ。

お前は人間で、女で、そしてただの雲龍に過ぎない。だから惑いも仕方の無いことだ。
混ぜ返し意味を反転させ意義を破壊した言葉は最早彼女にとっては俺そのもの、彼女の心そのものに他ならない。

そしてそれが同一であるという錯覚は彼女の思考を鈍らせていく。
相互理解という枷の締め付けは支配と隷属の道具に他ならない。



提督「…………忘れられない夜に、してやるよ」

雲龍「ッ…………」



逡巡し惑い思考を再トレースする機会など与えない。
分からぬ内に唇を奪い舌を潜り込ませその意志を蕩かせる。

冷めた思考とは裏腹に彼女の安堵と従順からくる肢体の熱さが俺の獣欲をも昂らせていく。
このまま、このまま、このままでいい。

その行動と理由の浅薄を知らず後悔していろ間抜け。
善がらせ気を遣り失神したとして構うものか。

お前はもう、これから俺の道具に成り果てるしか道が無い。
それを幸せと感じているうちは、お前にも全力で応えてやろう。



駐車場の車に戻るのももどかしく、そこからホテルに行くのも煩わしい。
乱れた姿と冷静な心象風景と。
殺そうとした女と殺されなかった男と。二人、その立場は、きっと今まで通りである。

何も、変わったことなど、無い。


まだ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:55:41.51 ID:jPDTsN7c0

提督「お前が俺を感じられないなら……感じさせてやるよ。
肉の喜びが欲しいなら、素直にそう言えばいい」



ーー“ 人間 ”は、“ 女 ”は、愛を実感できない不安から道を踏み外すんだ



囁き流し込んだ声は、的確に雲龍の耳を脳天まで貫いたらしい。
目に見えて、彼女の震えは収まり、逆に体温が上がり心音が激しく脈打つ。

お前は人間で、女で、そしてただの雲龍に過ぎない。だから惑いも仕方の無いことだ。
混ぜ返し意味を反転させ意義を破壊した言葉は最早彼女にとっては俺そのもの、彼女の心そのものに他ならない。

そしてそれが同一であるという錯覚は彼女の思考を鈍らせていく。
相互理解という枷の締め付けは支配と隷属の道具に他ならない。



提督「…………忘れられない夜に、してやるよ」

雲龍「ッ…………」



逡巡し惑い思考を再トレースする機会など与えない。
分からぬ内に唇を奪い舌を潜り込ませその意志を蕩かせる。

冷めた思考とは裏腹に彼女の安堵と従順からくる肢体の熱さが俺の獣欲をも昂らせていく。
このまま、このまま、このままでいい。

その行動と理由の浅薄を知らず後悔していろ間抜け。
善がらせ気を遣り失神したとして構うものか。

お前はもう、これから俺の道具に成り果てるしか道が無い。
それを幸せと感じているうちは、お前にも全力で応えてやろう。



駐車場の車に戻るのももどかしく、そこからホテルに行くのも煩わしい。
乱れた姿と冷静な心象風景と。
殺そうとした女と殺されなかった男と。二人、その立場は、きっと今まで通りである。

何も、変わったことなど、無い。


まだ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 22:59:49.38 ID:0MILeXXQ0

雲龍「…………♪ 」





最上「ゆうべはおたのしみでしたね」

提督「おう悪いな」

最上「」

提督「あん? 」

Prinz「私は別にいいけど……ねぇ? 」

比叡「? 」

Prinz「……マジ? 」

Graf「やれやれ……一体何がいいやら、理解に苦しむよ」




【いつか遠く臨んだ理想まであとどれだけ】




0.艦娘
1.急襲
2.父親
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.軍人
9.雲龍



ゾロ目……陸軍(はぁと)
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 23:04:19.01 ID:0MILeXXQ0

…

………

……………


「分かっておろうな。さすがにお前も功績を上げすぎた」

提督「いえ、まだ足りません、全く足りない。それどころか不十分なまであり得る」



下らない、吐き気がする、今すぐその臭い息を吐く口を縫い合わせてやりたい。

軍令部からやってきたそれはそれは偉い無能な豚のお言葉曰く。
俺はどうやら一司令官に収まっていていい人材ではないらしい。

ゆくゆくはこの国の政治と軍事を束ねる人間になるべきだとかなんとか。
実に、下らない。子飼いの軍人が功績を上げるのに邪魔な俺をさっさと取り込むか飼い殺しにしたいだけだろうに、回りくどいことだ。

いっそ暗殺でも計画してくれればいいのだが。
それならば一思いにぶち殺して差し上げるというのに。



「それはそれは。まだ、お前にはここでやることがあると? 」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 23:09:56.56 ID:vVTzrjNa0

提督「ええ。まだ我々は横須賀から硫黄島までの細いラインを得たに過ぎません。
我らが為すべきは臣民の為、この国の全てを平穏にすること、違いますか? 」

「それは……そうだが、うぅむ」



唸る芝居すら大仰に。
物理的に肥え太りこれ以上ないだろうその身体は醜さを通り越して毒であると言えよう。

お前程度が俺の未来への希望を捨て去ることなど許さない。
貴様程度に潰されるのなら、いっそ踏み躙りこの世から消してやる。

雲龍との一件以来、どうも精神的な昂りが抑えきれない。
多いときには二晩も三晩も連続して一晩中雲龍を啼かせてやっている。

俺としては行き場の無い鬱屈を極上の身体で発散でき、
彼女としても“ 愛されている ”実感を肌で、内臓で感じることができる。

それでいてなおこの鬱屈と苛立ちというのは、そろそろ潮時ということなのか。
たかが肥えた無能の言葉に一々腹を立てるなど、あってはならない無様だ。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 23:17:00.18 ID:aipTkZw+0

提督「寧ろこちらからお願いしたい。物資でも、命令でも、でき得るなら俺の直属の部下を増やしてください。
その判断が間違いではないと、必ずあなたの為にもなると僭越ながら自負しております、閣下」

「…………」



ただ、純粋にこの国の為に働きたいのだと。
野心など無く下心を想像されるなんて耐えられないと。
真っ直ぐに見つめたその細い豚の様な目を邪気無く見つめる。

今、ここから離れてしまうのは、得策ではないのだ。



「…………そう、か」



やけに勿体をつけたが何のことは無い。
与し易い相手であればそのまま引き抜くなりなんなりした筈。

けれどできないのならば、精々恩を与えて貸しの枷で奴隷にしてやる。
そんな浅知恵が透けて見える下手な芝居が漸く終わりを告げたのだ。



「…………ならば、これからも精進するが良い。陛下の為に、国の為に、人々の為に、身を粉にして、働け」


提督「はっ」



【乖離する意志と女とその他と】



0.指輪
1.ブルネイ
2.物資
3.指輪
4.物資
5.艦娘
6.指輪
7.艦娘
8.物資
9.艦娘



ゾロ目……お・み・あ・い(はぁと)
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 23:19:11.35 ID:KQB2zCsv0

大和「な、何ですこれ」

提督「貰った。以上」



山と積まれた物資は様々だった。
流されたのか正規の品なのかはたまたあの豚野郎個人の思惑か。

取り敢えず目に見える事実は、山積みの物資のみである。



【あと数日で約束の日】



0.艦娘
1.急襲
2.父親
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.雲龍
9.艦娘



ゾロ目……陸軍(はぁと)

173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 23:22:11.93 ID:rvG7SJTe0

提督「あいつで遊んでやるのもいいか……む」



雲龍ばかりに構っていても結局は鬱屈を多少紛らわせるだけに過ぎない。

まだまだ大和やGraf、もしかすると比叡や最上、その他の奴らだって俺に希望を見せてくれるかもしれない。

虚無が無くなるよう、明日を眩しく思える様に、今日も生きていこう。



【落ち着いた、かな? 】



0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.全員



ゾロ目……うんりう
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/13(火) 23:23:19.26 ID:t2HHOrBE0

諸事情によりここまで
申し訳無い
明日はちょっと昼頃にも来られるかもしれなくもないです

またよろしくお願いします

ありがとうございました
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 23:34:44.14 ID:NmfSI8vPo
おつおつー
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 00:32:05.39 ID:c4z7BpMGO
おつ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 22:56:16.84 ID:BUJzAKE/O

Prinz「“ 建造 ”、しないの? 」

提督「あん? 」



最近あまり重巡組と話していなかったな、なんて。
瑣末事ではあるもののどんな道具であれ整備と確認は大切なものである。

万が一不満なんて溜め込まれていては目も当てられないし、
何か興味の湧くことを口走ってくれるかもしれない。
どうせ喫緊の任務なんてものは無いのだし。

そんなことを思いつつ、Prinzと最上を執務室の応接スペースに呼んでみたところである。



最上「そうだね。異常なスピードで鍛えられた所為でボクももう“ 改 ”だよ」

Prinz「Admiralがそれ以上を望むんなら別だけど……どうなの? 」



それ以上とはつまり、“ 指輪 ”のことであろう。
一定以上の能力を得た艦娘と人間が契りを結ぶことによって成るステップアップの呪法。

何のことは無い、それはただの精神感応装置だ。
畏怖であろうと恋慕であろうとそれが閾値を超えていればそれで良い。
何がしかの精神的繋がりが深まっていれば作動するのだ、あれは。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:01:46.30 ID:BUJzAKE/O

俺はそれを使って、いない。
そうであれば“ 建造 ”によって手駒を増やすのが定石である。

軍全体としては軍令部や海軍省、国会の議論と承認を経て一定の数を保たれている。
けれど俺が異常な速度で海域を平定したとはいえシーレーン方面は未だ魔鏡だ。

一日でも数十隻単位で沈み、“ ドロップ ”し、その数との調整が図られている。

そして俺には艦娘を生み出す権限が付与されている。
鎮守府や警備府、その隷下の要港部責任者だけに与えられた特権。
事後承諾すら許される最高の栄誉。

これを与えられるというのはつまり、叛乱など企図しないと信頼された者だけなのだ。

それをせず、しかも指輪さえ使ってはいない。
彼女たちならずともその理由は是非訊いておきたいところなのだろう。

自分ではなくとも友軍が強化されればそれだけ生き残るチャンスが増えるということなのだから。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:07:38.24 ID:BUJzAKE/O

提督「そうだな……あぁ、考えておく」



別に然程の理由なんてものは、無かった。
ただ単に子飼の彼女たちには戦力として満足しているのもあるし、
自由に動かせないとは言ってもそれは無茶をできないだけということ。

横須賀に配備された艦娘やほぼ全ての将兵は事実上俺のものだった。
だから、わざわざ子飼を増やして面倒な書類を相手にしたくなかっただけなのだけれど。

それを彼女たちに言う必要性など、無い。



Prinz「ふぅん……ま、いいけど。ちなみに私は指輪待ってるからね? 」

最上「あ、ボクもボクも。提督が相手ならまぁ、構わないよ」

提督「…………」



俺としては今すぐここで投げつけてやっても一向に構わない。
許可などとうの昔に出ているし彼女たちなら変に舞い上がって増長などしまい。

そして彼女たちにとってもそれはその程度のこと。
形としては指輪だがそこには男女の機微など存在しない。

それを嘆いていた同期がいたがあれは無駄にロマンティストなだけなのだ。
艦娘とは本当の意味で夫婦になどなれないし、隠れて契りを結んでいたとして指輪は別のものを用意しているだろう。

俺なら、そうする。
たかが精神感応装置に愛など込めていられるか。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:14:47.05 ID:BUJzAKE/O

提督「だがまぁ……一応聞いておいてやる。お前たちは誰が欲しい」

Prinz「Bismarck姉さま! 」

最上「三隈か鈴谷か熊野」

提督「…………」



つまらない、実につまらない。他に何か無いのか。



提督「はぁ……」



彼女たちは同じ存在が複数いてもその自我に異常をきたさない。
人間ならば自我に何らかの異常が見られると思われているのだが、
そういうことが報告されたことはなく、それも彼女たちの化け物らしさだと認識されている。

だから例えばPrinzにとってはその “ 姉さま ”は彼女の認めた“ 姉さま ”しか存在しえない。
この鎮守府やドイツ本国にだって“ Bismarck ”は何隻も生きて動いている。

それでも彼女が認めるのはその生涯でただ一人だけなのだ。



提督「まぁ、そのあたりの化け物らしさには興味が無いわけでも……む」



【やる? やっちゃう? 】


0.やらない
1.やる
2.やる
3.やらない
4.やらない
5.やる
6.やる
7.やる
8.やらない
9.やらない



ゾロ目……いっそ指輪にするか
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 23:16:16.02 ID:mYnkRdh/o
ヤッたぜ。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:20:18.61 ID:BUJzAKE/O

【建造しましょうか】



Graf「なんだ、工廠の存在など忘れているのかと思っていたよ」

提督「馬鹿言え。必要性を感じていなかっただけだ」

Prinz「私たちで満足していたとか腑抜けたこと宣うんですよこの人ー」

Graf「それはそれは。……全員要るな。あなたの子飼は」

雲龍「…………要らないのに」

比叡「……Zzz」

大和「ちょっと比叡さん……えぇ」

最上「このよく分からない面子と初対面かぁ……ボクは嫌だね」

提督「…………それは俺が一番言いたいんだが」



【スペシャルなセレクトですよ! 】



0.武蔵
1.金剛型
2.雲龍型
3.武蔵
4.最上型
5.雲龍型
6.Bismarck
7.Bismarck
8.金剛型
9.最上型



ゾロ目……“ 二人目 ”
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:23:46.75 ID:BUJzAKE/O

提督「やはり選ぶなら火力だな」

Prinz「そりゃそうでしょ。Bismarck姉さまを引けるよう祈っててね? 」

Graf「残念だが……」

Prinz「はい? 」

比叡「Zzz……っはっ?! あれ? なんかこれはいい予感? 」

最上「なんだこの野生児」



【なるほど】



0.金剛
1.金剛
2.比叡(はぁと
3.霧島
4.榛名
5.金剛
6.榛名
7.榛名
8.霧島
9.霧島



ゾロ目……しゃーないあと一隻ガチャやるか

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:30:19.50 ID:BUJzAKE/O

【野生児の勘】



金剛「紅茶が飲みたいネー! 」

提督「あ? 」

比叡「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

金剛「oh? oh! 比えぐぅえっ

比叡「何か知らないけどお姉さまがいるぅぅぅぅ! 」

Prinz「…………えーっと」

雲龍「何かたぶん敵になりそう」

Graf「お前にとってはそうかもしれんな。私にとってはどうでもいいことだが」

最上「取り敢えず頭使ってくれるか微妙なのは分かった」

大和「全く流れについていけないのですけれど……」

提督「…………離してやれ、比叡」

比叡「はい? 」

金剛「死ぬデース……生まれて早々に妹の腕の中で沈むぅ」



【ユカイナナカマガ! ミンナマッテルゼ! 】


0.サド
1.普通
2.マゾ
3.サド
4.普通
5.サド
6.マゾ
7.普通
8.マゾ
9.普通



ゾロ目……病ンデレ
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 23:31:34.12 ID:mYnkRdh/o
エスDEATH!
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:33:48.28 ID:BUJzAKE/O

金剛「ふぅ…………紅茶かけてやりたい」

比叡「? 」

金剛「んー、なんでもナッシーング! さ、部屋に案内するネー」

提督「…………何か少しだけ親近感みたいなの湧いたんだが」

Graf「勘弁してほしいものだな。あなたと似たようなやつなど要らん」

最上「うーん……うん? 」

大和「一瞬寒気がしたんですけど」

Prinz「最後の感想言う人みたいになっちゃってるよね大和さん」

大和「はい? 」





提督「取り敢えず俺は当分建造などせんぞ。そう決めた」

Prinz「えぇ〜……」

提督「なんだあの鬱陶しいやつは、まったく」

187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:37:37.79 ID:BUJzAKE/O

…

………

……………



金剛「Hey! 提督ぅー。スコーンつくってきたネー」

提督「そりゃどうも。……なんだそれは」

金剛「? 」

比叡「お姉さまぁ」

提督「アホの極みとはいえそんな蕩けたアホ面で執務室に来るやつではなか……いやいい。
面倒を起こさないならある程度は感知しないからな、俺は」

金剛「ふふ……たぶん懸命な判断デース」



【今日も今日とて】



0.艦娘
1.急襲
2.建造
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.雲龍
9.艦娘



ゾロ目……陸軍(はぁと)
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:40:55.03 ID:BUJzAKE/O

提督「こんなことなら最初からシーレーンでの出世を目指すべきだったか」



別にいつまでも戦場に身を置きたいバトルジャンキーなんかではないのだが。
それでも、結局艦娘たちが輝くのはそこをおいて他に無い。

俺が未来へ希望を抱くのはこの鬱屈を消してくれる何かを見つける為だ。
その何かは、こんなにも平穏で暇な鎮守府の奥に、無いと思う。



【誰を探すんです】



0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.金剛姉妹



ゾロ目……うんりう
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:46:35.45 ID:BUJzAKE/O

提督「なんだ」

Prinz「だーかーらー! やっぱあと一回、一回で諦めるから! 」

最上「はは……比叡さんの変わりよう見てたら何かスイッチ入っちゃったみたいでさ」



勘弁してくれ。ただでさえ面倒な上申書類を書かされた上に金剛の相手までしていたのだ。
そう何度も何度も部下を増やしていられるものか。



提督「却下だ。俺にメリットが無い」

Prinz「むぅ、お姉さまはそれはそれは物凄い美人ですよ? 」

提督「知ってる。横須賀にももういるからな」

Prinz「あとあと、すっごい強い! 」

提督「知ってる。横須賀にももういるからな」

Prinz「あとあとあと、私の戦意が高まる! 」

提督「おい最上。この前の演習についてだが報告書が遅れている」

最上「え? え、あぁ……ごめんちょっと纏めにくくてさ。そろそろ終わるよ」

提督「早めにしてくれ。それをまた纏めて上にあげなきゃなら……なんだ」

Prinz「むぅー……むぅー……むぅー! 」



男の腰にしがみ付き唸る女。
腰にくっついた女を見る男。
その横で困った顔をする女。



提督「…………なんだこの面子。廊下だぞここ」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 23:53:39.51 ID:mYnkRdh/o
平和ー
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/14(水) 23:53:59.50 ID:BUJzAKE/O

Prinz「おーねーがーいー! Bismarck姉さまー! 」

最上「もうその辺にしておいた方が……えぇっと」

提督「…………」



Prinzの口車に乗せられて試してみた初建造。
出てきたのはどこかおかしい金剛。

彼女たち艦娘の性格は生まれた瞬間でも多少は違うらしい。
それが建造であれドロップであれ人間からの“ 転生 ”であれ。

だとしてもあれはさすがに何か薄ら寒いものを感じる。
正直面倒を増やすのはもううんざりなわけだが。



提督「…………お前が決めろ最上。コーヒーを飲みたいというなら用意してやるし茶菓子が欲しいなら好きなものを用意しよう」

最上「は? え? ここでボクに振るぅ? 」

Prinz「最上様ぁー! 」


最上なら面倒なことなど選ぶまい。
最上とPrinzの関係が変化するかもしれなかったが知ったことか。
それで連携が崩れる様ならそのときこそどちらかをシーレーンにでも飛ばして建造してやろう。



最上「はぁ。提督も辺なところでヘタれるというかなんというか……うん、そうだねーーーー


【はい】



0.これ以上はやめなよ
1.やってあげなよ
2.やってあげなよ
3.次の戦果次第で考えてあげてよ
4.やってあげなよ
5.やってあげなよ
6.次の戦果次第で考えてあげてよ
7.次の戦果次第で考えてあげてよ
8.これ以上はやめなよ
9.これ以上はやめなよ



ゾロ目……身体で媚びれば?
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/15(木) 00:00:47.71 ID:HQf0+N0NO

【賢明ですね】



最上「これ以上はやめなよPrinz」

Prinz「えぇー? 最上までそういうこと言うの? 」

最上「ボクや提督はまぁ面倒になったら逃げるからいいけどさ……自然に後ろ確認できるかい? 」

Prinz「? …………ッ」

最上「分かった? ああいうのがいるんだからさ、君ももう少し考えて行動した方がいいよ」

Prinz「」



ブンブン、ブンブンとかなりの勢いで首を縦に振るPrinz。
然もありなん、廊下の反対側には隠れてこちらを見る雲龍が。
正直腰に抱き着かれていた辺りから辺な視線を感じていたわけだが、やはり彼女か。



提督「宥め賺して腰を振るのも面倒なんだからな……本当に考えて生きろよ、Prinz」

Prinz「分かった、分かったから……でも、いつかちゃんとやってね? 」

提督「はいはい」



今夜あたり執務室は早めに出て私室に行っていた方が良さそうだ。
あれは、中々長くなるだろう、きっと。
何があそこまで彼女を病ませたのかなど知りたくもないが、しかし。
それもまた、鬱屈を少しでも紛らわせる糧となるならば喜んで相手をしよう。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/15(木) 00:04:09.33 ID:Jl1vzNOx0

雲龍「ふふ……」

提督「離れろ暑い……いい加減起きる時間だぞ」

雲龍「いいじゃないまだ……あと少し」

提督「…………はぁ」



昨夜は何ラウンドだったか。
思い出そうと思えば思い出せるがそんな無価値なことなどしていられない。

取り敢えず、今日の予定を思い出して未だに身体を擦り付けてくる雲龍を引き剝がさなければ。



【本日のご予定は】



0.艦娘
1.急襲
2.建造
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.雲龍
9.艦娘



ゾロ目……陸軍(はぁと)
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/15(木) 00:04:49.08 ID:Jl1vzNOx0

いやー平和平和
平和って素晴らしい

今日も短いですがこの辺で

ありがとうございました
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/15(木) 00:05:10.17 ID:9NkwJcMto
あああああ
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/15(木) 00:05:41.01 ID:9NkwJcMto
平和だなー(メソラシ
おつー
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/15(木) 00:23:39.22 ID:691qsw/ZO
おつおつ。さあ暴走はっじまるよー。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/16(金) 19:37:36.26 ID:v9IpBcNaO
陸軍がきたらなにが何が起きるんです?(すっとぼけ)
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/19(月) 22:35:00.72 ID:IlQSc4Pb0

提督「外してはならない素晴らしい用事があるんだよ……離れろ」

雲龍「ん……仕方、無いわね」


ある種偏執的で狂的な執着を見せてはいるものの雲龍は基本的に聞き分けがいい女だ。
明確な殺意ではなく他の選択肢を自ら狭めた状況での短絡的殺人衝動だったのも僥倖だっただろうか。

時折どうにもならない様な目で見つめられることはあれど、それは溶かせない程では無い。
今だって名残惜しさを存分に醸し出しつつも引き下がる様は女として寧ろ惹かれる部分である。

こちらとて彼女の身体から離れるのは割に後ろ髪を引かれるものだ。
陸軍軍人の非公式な訪問など予定していなければそのまま貪ったとて他の男には責められまい。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/19(月) 22:35:27.62 ID:IlQSc4Pb0

提督「朝食は? 」

雲龍「要らない。……コーヒーだけ、淹れていって? 」

提督「……ん」



この場面だけ切り取れば幸せな恋人同士にも見ようが、なんて。
愚にもつかない、何の意味も為さない幻想を見た。
ただその幻想を心から楽しめるリアルにすることができるのなら、俺は。



提督「……他の何だって捧げて見せるものを」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/11/19(月) 22:36:45.49 ID:IlQSc4Pb0

…

………

……………





提督「つまり何か。俺の権限を使って横須賀にそちらの手駒を配置しろと? 」

「忌憚無く誤解無く不躾に端的に言えば、そうです。
能力は十分以上ですし今までのキャリアは実に海軍らしいものでもあります」



下らぬ決裁事項を処理し、下らぬ応対へ。
神経質そうな見るからに陸軍将校らしい男は公式には軍に籍を置いていない男の筈だ。
銀縁の眼鏡に手を遣る姿にはその辺りにある一流企業の顧問弁護士といった風情しか見受けられないのではあったけれど。
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