【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:41:40.93 ID:i2LB7MvhO

人間が大海原を駆け支配していたのはもう一昔前のこと。
そこは今ではもう悪鬼の如き化け物どもの巣窟である。

航空機による輸送すら滞るそんな時代。
あらゆる戦力は細く心許ないシーレーンに集中している。

人間は消耗品である。
“ 艦娘 ”は道具である。
それ以上の価値など有りはしない。

けれど、人間たちは諦めない。諦めることなどできない。
数多の犠牲を払ってでも勝負に出ていかなければ人間たり得ない。

世界の支配者たる我々が、霊長の長たる我々が屈するなどあってはならない。
敵を粉砕し、矜持を破壊し、尊厳さえ踏み躙らなければこの地に立つことさえできない。

生み出した化け物どもさえいつかは捨てる。
その覚悟と傲慢を胸に、いつ果てるとも分からない世界へーーーー
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:42:17.22 ID:i2LB7MvhO

提督「…………」



【性格】

コンマ一桁

0.1……真面目
2.6……クズ
4.5……熱血漢
3.7……冷静
8.9……好戦的


【出自】

コンマ二桁

0.1……一般中流家庭
2.3……軍人家系
4.5……華族のボンボン
6.7……貧乏家庭
8.9……財閥系の次男


ゾロ目偶数……サイコパス
ゾロ目奇数……聖人
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:44:35.57 ID:i2LB7MvhO

提督「家の為、国の為、人々の為、ねぇ……ふぅん? 」



【経歴】

コンマ一桁

0.普通
1.普通
2.ルーキー
3.普通
4.ルーキー
5.ベテラン
6.アホ
7.切れ者
8.畜生
9.普通

ゾロ目……ハイリスクハイリターン野郎
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 21:45:11.53 ID:qGoThamtO
開幕絶好調ですね
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 21:45:35.94 ID:q/yMZRAXo
サイコパス提督か
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:46:42.99 ID:i2LB7MvhO

提督「どうでもいいことを延々と……」



【ルックス】

0.普通
1.普通
2.超絶イケメン
3.普通
4.普通
5.ただののっぽ
6.普通
7.普通
8.ドドドド不細工
9.ただのチビ

ゾロ目……筋肉ダルマ
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 21:48:54.98 ID:Va69O2fVo
ワロタ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 21:48:58.92 ID:KlhknmbBo
キャラ濃すぎィ!
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:49:13.06 ID:i2LB7MvhO

提督「自分を痛め付けるのも……いや、鍛えるのもさすがに飽きてきたな」



【目的】

0.安泰に
1.殺せればそれだけでいい
2.はつこひ
3.殺せればそれでいい
4.今は家の命令に
5.殺せればそれでいい
6.今は家の命令に
7.内乱
8.艦娘
9.今は家の命令に

ゾロ目……全部
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 21:50:01.96 ID:i2LB7MvhO

提督「さて……そろそろ、来るか」



【最後に大事なこと】

01〜33……速度
34〜66……バランス
67〜99……火力
00……そんなものは無い
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/28(日) 21:55:45.83 ID:i2LB7MvhO

人類が急速に衰退しつつある中で希望は、生まれた
“ 艦娘 ”と呼称されるそれらは、生きる兵器だ

海原を疾走し、砲弾の雨を抜け、化け物の腹に穴を開ける
吹き飛ばされた身体すら修復し、砲弾を放ち、海を赤く染める

女でありながら、兵器
兵器でありながら、兵士
兵士でありながら、女

円環に惑う彼女らは果たして俺の楽しめるものを見せてくれるのだろうか



【提督】



性格:クズ(サイコパス)
出自:軍人を多く輩出してきた家系
経歴:切れ者としてハイスピードな出世を続けている
ルックス:筋肉ダルマ
軍人となった目的:当面はお家の意向に従いたい
大事だと思うもの:火力
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 21:57:04.45 ID:0SReTK+Lo
マッチョな切れ者サイコパス…濃すぎる!
金田一にいそう
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:02:39.51 ID:i2LB7MvhO

提督「どうせ戦うのなら主力は火力を重視するべきだろう」



隠れながらコソコソと相手の裏を掻く、否
スピードを生かし慌てた敵を翻弄する、否

戦場とは計算と経験によって支配するゲーム盤だ
味方の損害を限り無く少なく留め
敵方のクズどもを最大限痛め付ける

破壊に必要なもの、それは真に火力をもって他には無い

焼き尽くせ、燃やし尽くせと目が吼える
絶望の喘ぎを聞かせろと耳が聳つ
肉の炭化した匂いを嗅がせろと鼻が泣く
味方すら恐懼する命令を出せと喉が渇く

己の痛覚に快感を齎せと魂が期待している



提督「重巡が二隻、空母が二隻、戦艦が二隻か」



他にも手駒はいるけれど
当面自由に使える道具は、その六隻らしい
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 22:06:18.70 ID:zLCB6wACO
脳筋じゃない筋肉ダルマとか勝てる気がしない
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:07:48.57 ID:i2LB7MvhO

【重巡】



一桁目と二桁目
ゾロ目は狂……強化して再度

0.青葉
1.足柄
2.羽黒
3.高雄
4.愛宕
5.Prinz Eugen
6.Zara
7.最上
8.鈴谷
9.筑摩



事情により独断的面子なのはお許しください
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:17:58.54 ID:i2LB7MvhO

提督「豪運王子と最上川くんか……なるほど」



【空母】


一桁目と二桁目
ゾロ目は狂……強化して再度

0.赤城
1.蒼龍
2.加賀
3.飛龍
4.雲龍
5.Graf Zeppelin
6. Intrepid
7.Aquila
8. Ark Royal
9.大鳳

事情により独断的面子なのはお許しください
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 22:19:04.53 ID:0SReTK+Lo
ドイツ二人か
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:22:57.37 ID:i2LB7MvhO

提督「またしてもドイツの未熟児と桜花輸送船ね……は? 」



【戦艦】


一桁目と二桁目
ゾロ目は狂……強化して再度

0.Bismarck
1.伊勢
2.陸奥
3.比叡
4.Гангут
5.山城
6.Littorio
7.大和
8.Richelieu
9.Nelson

事情により独断的面子なのはお許しください
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:26:46.72 ID:i2LB7MvhO

提督「御召艦と旧時代最高峰の女、か。…………いいな、いいぞこれは。最高だ! 」



現在ほぼ自由に動かせる艦娘

【重巡】
Prinz Eugen
最上

【空母】
Graf Zeppelin
雲龍

【戦艦】
比叡
大和
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:44:18.91 ID:i2LB7MvhO

Prinz「私は重巡、Prinz Eugen。よろしくね! 」

最上「ボクが最上さ。大丈夫、今度は衝突しないって」

Graf「私が航空母艦、Graf Zeppelinだ」

雲龍「雲龍型航空母艦、雲龍、推参しました」

比叡「金剛お姉さまの妹分、比叡です」

大和「大和型戦艦、一番艦大和。推して参ります! 」

提督「…………楽にしていいぞ」



ここ、横須賀からの反攻に際して最大限自由に動かせるのは今のところこの六隻のみ
「はい! 」なんて元気な返事を返してきた六隻の目はやる気に満ちている
かつての艦艇には無い肉の身体
かつての艦艇にしか無い鋼の無骨さ

そのどちらがいいかというと、決まっている
鋼の船体を轟音と共に進ませる船の方が万倍いい
兵器には兵器であるという実感が必要なのだ

殺される者、殺す者
それは双方にとって意識を変える鋭利な刃物だ

けれど、まぁいいだろう
これから先、俺の手腕でどこまでできるか試すのも面白い

取り敢えずは、火力重視の配置という願いを叶えてくれた愛しの我が家に感謝しておこうではないか
そして、何かを殺すことにしか進めない彼女たちに祝福を与えようではないか



提督「歓迎しよう諸君。我々は、今日この日よりこの国を、世界を救う鬼となる。
私に直接戦うことなどできはしないが、しかし。
諸君と戦い、笑い、怒り、泣き、時に傷付くことを誓おう。
私たちは家族だ。家族であり、戦友であり、そしてーーーー


ーーーー我々は一つだ。



心にも無いことを満面の笑みで言い放った
その俺を見た彼女たちの顔はきっといつまでも忘れないだろう
傑作中の傑作、それは最高の道化だった

そのうち、その顔が絶望に染まるのか
それとも希望通りに歓喜を炸裂させるのか

それさえ、今は俺の采配次第なのだから
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:54:56.08 ID:i2LB7MvhO

提督「さて、早速出撃しなければ横須賀どころかこの国が終わるわけだが」



この国は今シーレーン防衛に重点を置いている
置き過ぎる程に置いた結果は太平洋側での圧倒的な蹂躙だった

護衛艦は焼き討ちの様に燃やされた挙句乗員ごと捕食され
タンカーは遊び半分に燃料を奪われ餓死を待たれ
迷える漁船はつまらないものの様に真っ二つにされ

人は、怯えながら近海をコソコソと漁場にするしかないグズに成り下がったのだ

だがつまらないことに海を跋扈する化け物どもはほぼ陸には上がれないらしい
陸に上がれないどころか陸地の近くにさえ殆ど寄っても来ない
そのため封鎖されたに等しい海も一見眺めただけでは静かだ



最上「呉にも行けたはずなのに横須賀なんて来てボクたちの指揮を執ろうとしたのはなんで? 」

提督「さて、ね……ま、そのうちな」



0.力試し
1.Extreme
2.力試し
3.Extreme
4.力試し
5.Extreme
6.力試し
7.Extreme
8.撃滅
9.撃滅

ゾロ目……覇道へ
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:03:58.28 ID:i2LB7MvhO

中型の艦艇に座乗し指揮を執っていたわけだが、しかし
正直、驚きを隠せないどころか隠すことすら忘れていた

俺の子飼とも言うべき大和たちはある種分隊長とも言えるのだが
彼女たちから入る無線は冗談かと思う程に勝利と歓喜で溢れていたのだった

仕舞いには横須賀近海どころか周辺の海域にまで進出する始末
度重なる戦闘によって興奮した彼女たちは脳内麻薬が命じるままに敵を蹂躙し続けた

平時は人間並の力しか持たない彼女たちも一度海上に出れば悪鬼と化す
屠り、屠り、屠り、そして消し炭になってさえ屠殺の様な軽さで敵を引き裂いていく

万全には万全をと装備弾薬もバックアップ要員さえ用意したのが裏目に出たのだろうか
あまりにもゲーム感覚を強く持ち過ぎた所為で却って冷静に分析できてしまったのだろうか

俺の予測と采配が悉く当たってしまったのも不味かったのは確かだろう

指揮官を信頼できれば兵士は倍の力でも軽く出してしまう
そんなことを、思い出した

そのときには黒血を全身に纏い硝煙の臭いを纏わりつかせた彼女たちが
満面の笑みと高揚を携えて、帰投してきた後のことだったのではあるけれど
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:08:35.95 ID:Nmj0M9MSo
開幕からコンマ神の手洗い祝福受けてて草
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:12:11.22 ID:i2LB7MvhO

大和「あなたは最高です! 提督」

最上「ははっ、まさか一戦目からこんな、こんなっ」

Prinz「最初はこんな国の人間なんてって思ってたけど

Graf「中々にやるではないか、Admiral」

雲龍「私が、こんなに戦えることを教えてくれて、ありがとうございます」

比叡「ヒエー! 」

提督「……せめてお前も何か言え」



俺は負けたかったのか、否
それでは不満か分かるのか、否

戦果を見てもそれは明らかだった
思う様采配を振るい道具を最大限に生かして完全なる勝利を得た

軍部や政府の覚えは大変目出度く、実家からは滅多に無いお褒めの言葉さえ送られてきた
多種多様なメディアの取材申し込みも既に多く寄せられ
今回の大勝利は意気消沈していた人々の活気を与えたと号外さえ出たという

では俺は喜んでいるのか、否、否、否、否!


つまらない実家の名誉なんて気にしたわけじゃない
下らない理想の為に指揮を執ったわけじゃない
俺は、俺の為に軍人になり、俺の為に出世を繰り返した
俺は、俺の為だけに今回も勝利した、筈だ

けれど、何かが、引っかかっている。何か、物足りないのだ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:18:31.51 ID:VWNirs4r0
敗北を知りたいとかそのうち言い出しそう
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:18:34.90 ID:i2LB7MvhO

別にグロい死体を見たいわけではない
凄惨な死体なんてものは軍人でなくたってこのご時世どこでだって見ることができる

乏しい資源、荒廃した海辺、荒んだ人心
暴騰した犯罪率は世界的に見ればまだマシだったのだったか

何が、何が俺に必要なんだ
ただ、つまらないままに生きてきたことは認めよう
お家の意向のままに出世を重ねてきたことも同じだ

いつか己の目標なんてものが見つかればいいとは思っていた
その為に周囲を認めさせる為だと己を偽り自分を殺してきたことも認めよう
それが国の為人々の為になったことは瑣末事なのだ

人々を救ったことには何も感じない
お家の為になったことなど寧ろ腹立たしい
国なんぞ無能なグズどもの集まりであってどうでもよろしい
艦娘どもは道具の分際で俺を誉めそやしやがる

どうした、いや、どうすればいい
ここまで簡単に事が運んだのはどうしたことだ
簡単に進んだ未来に俺はいないではないか

何故、何故ここにおいても何をすればいいのか分からない



俺は、結局はまだ、迷子のままなのだ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:24:03.06 ID:i2LB7MvhO

提督「…………ふぅ」



劇的な、あまりにも劇的な勝利から十日
漸く身辺が落ち着いてきたある日の午後

纏わりつく艦娘どもを笑顔と忍耐で追い払い
鳴り響く取材斡旋の電話は軍令部や海軍省に押し付けて

美しい夕陽を眺めながら黒々としたコーヒーを飲んでいる

相も変わらず人生の迷子になったことは一先ず棚上げだ

これから何度でも出撃の機会はあるだろう
まさか国家的英雄の反攻作戦に反対などしまい

装備の開発は前にも増して快調らしい
技術屋どもは一々五十歩百歩の進捗など送ってこないでほしいが

気分転換に女を抱きに出るのもいい
最近は激務であまり触れてこなかった感触だ
或いはこの鬱屈が加虐に目覚めてくれるかもしれない

そうなれば、目の前でそれを創り出してしまうことにも意味があると思えるのだが
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:26:31.69 ID:i2LB7MvhO

提督「さて……どうしたものか」



【日常パートこそ危険だと思うの】



0.艦娘
1.急襲
2.父親
3.風俗
4.父親
5.艦娘
6.役人
7.艦娘
8.軍人
9.艦娘

ゾロ目……陸軍(はぁと)
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:33:37.00 ID:i2LB7MvhO

提督「いや待てよ? あいつらだって今はただの女なわけだが……」



性産業の世話にでもなろうかと考えていたときのこと
ふとした思い付きに少しだけ鬱屈が晴れた様な気がした

“ 艦娘 ”

彼女たちは本当に不可思議な存在だった
鉄やボーキサイトの錬成によって生まれることもある
人間を憑座に生み出すこともできる
海上で発現することさえある
しかも人外の超常的な力を行使して化け物に打ち勝つ能力を秘めている

そして、その全てが、女だった



提督「男にもなれるのなら喜んでなったものを、な」



この世に本気で楽しめるものを見つけたことが無い様な俺にだって
興味を惹かれているものは幾つか有る

その最たるものに、近付いてみるのもいいだろう
或いは彼女らがつまらないものであったとしたらそれもいい

放置してしまうもよし、諦めて雑談で時間を潰すのもいい
幸い俺の元にいる彼女らは全員が見目麗しい女たちだ
或いは心を堕とすか、それとも無理矢理身体を壊すか

何にせよ救国の英雄が誹られることなど無いだろう
悪辣なことをするなど想像もされないに違いない
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:35:56.53 ID:i2LB7MvhO

提督「暇潰しとしては、もってこいではあるな」



【はい】



0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.全員


ゾロ目……執務室襲来
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/28(日) 23:37:05.62 ID:i2LB7MvhO

なるほど重巡
でもよく分からない組み合わせ
そしてぶっ飛んで行方不明な展開

そのうちまた来ますのでよろしくお願いします


ありがとうございました
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:39:26.28 ID:YlXXhpIhO
おつ!
果たして今回はどうなることやら…バッドエンドだけは勘弁な!
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:50:22.83 ID:Nmj0M9MSo
おつおつ
復活おめ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/29(月) 19:58:19.21 ID:C3yZMjjVo
おつおつ
とりま提督はミスターアンチェインをイメージすることにしました
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/10/30(火) 18:44:16.21 ID:qIkCapxqO

少しだけ投げていきます
また来ますので……
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/10/30(火) 18:44:44.73 ID:qIkCapxqO


Prinz 「だからね? Admiralは絶対Bismarck姉さまを気に入ると思うの」

最上「どうかな? あれで中々何考えてるのか分からない人だし」

Prinz 「そんなわけ。男の人なんて考えてることは皆一緒なの! 」

最上「うーん……金髪美女に夢中になる提督かぁ」

Prinz 「……」

最上「……」

Prinz 「……」

最上「……」

Prinz 「……不気味だね」

最上「あの筋肉ダルマで必死に笑顔つくろうとしてる姿はちょっとね」

提督「…………何か問題でも? 」

Prinz 「?! 」

最上「?! 」



別に彼女たちにどの様な評価を下されてもどうということは無い
寧ろ、俺がそんな姿を見せるに値する相手なのならば、素晴らしい

紹介してくれ、と頼んだときは何とも言えない顔をされてしまったが
人様を化け物か何かの様に見るんじゃない
化け物は自分たちじゃないか


【楽しい楽しい日常】

0.二人について
1.この前の戦果について
2.最上について
3.二人について
4.提督について
5.Prinz について
6.提督について
7.次の出撃について
8.提督について
9.二人について



ゾロ目……所謂“ 秘書艦 ”について
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/10/30(火) 18:55:57.65 ID:qIkCapxqO

【二人について】



提督「どうかな。これでも甘いものには目が無くてね」

Prinz 「美味しい! すっごい美味しいよこれ! ね、最上? 」

最上「ははは……ま、美味しいけど……意外だね、提督」

提督「よく言われる。だが時々息抜きが無いと鍛錬に励みつつ執務など取れん」



実際は甘い食べ物など値段の割に大した楽しみではないので好きでも嫌いでもなかったが
けれど女というものは得てしてこういった話題に飛び付くものだ

時折いる甘味の嫌いな女もまさか上官との談笑を拒否などしまい
正直に苦手だと言えるのならその次があるかもしれないくらいの違いである



提督「ま、摂ればその分汗として流さなければならないのが辛いところだが……二人とも」

Prinz「うん? 」

最上「何? 」

提督「俺はあまりクドクドと言葉を並べるのが好きじゃない。結論だけ言えと言ってしまうタイプだ」

最上「知ってる」

Prinz「まぁ、分かりやすい人なだけ助かるけど。それで? 」

提督「二人は、“ どのタイプの ”艦娘なんだ? 」

Prinz「……」

最上「……」

提督「言いたくないのならば構わない。今後の査定や作戦に関わる訳ではないからな」



【楽しい楽しい雑談】

一桁目:Prinz
二桁目:最上


0.元人間
1.工廠建造
2.海上ドロ
3.元人間
4.工廠建造
5.海上
6元人間
7.工廠建造
8.海上ドロ
9.分からない



ゾロ目……ふふ、覚えてないの?
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 19:00:55.74 ID:qIkCapxqO

Prinz「んー……別に隠すことでもないし。私は海上で発見された迷子ちゃんだよ」

最上「ボクは……ボクも別に言ったっていいけどさ、そんな情報ボクらの経歴が載った書類で確認できるよね? 」

Prinz「最上? 」

提督「そうだ。俺はそもそもお前たちの生まれなんかに興味は無い。だから見てもいない」

最上「それなら、何で今、訊いたの? 」

提督「なに、意味なんて無いさ。強いていえば雑談レベルでも出されたくない話題だと俺が理解するだけだ」

最上「…………」

Prinz「あー……あ、えーっと」



その顔を出さない様に注意した方がいいぞ、幸運王子
それでは気を遣っていると言ってしまっているのと同じだ

最上だって、そんな殊更辛そうな顔をするんじゃない
また、見たくなってしまうじゃないか
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 19:08:23.86 ID:qIkCapxqO

最上「ううん……いや、本当問題は無いんだけど……そっか」

提督「……あぁ」

気を遣っていると主張する様な声音ではなく
さりとて無関心の冷たい声ではなく

俺の低い声はどうやら相手を安心させることができるらしい
本心ではなくても相手を油断させられるのは、いい道具だと常日頃思っている

そもそも彼女たちの履歴書なんていうものは配属が決まった日から分かっている
なんなら既に暗記しているまである

最上は、元人間の艦娘だ

最上「ボクは元々提督と同じ……うん、人間だった艦娘さ」

Prinz「最上……」

知っている

最上「事情はちょっと言いたくないけど……まぁ、止むに止まれぬ、ってやつかな」

提督「なるほどな……」

最上「……」

Prinz「……」

提督「……紅茶のお代わりでも淹れてこよう」

最上「あ、あぁ……うん」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/10/30(火) 19:15:50.18 ID:qIkCapxqO

茶葉を蒸らしカップを温めながら考える
やはり、艦娘というのはどこも同じなのだ、と

基本的に艦娘とは人外の化け物ではあるものの思考は人間だ
悲しければ泣き、痛ければ叫び、嬉しければ笑い合う

故に彼女らへの給金は破格だ
サラリーマンの生涯賃金など数年働けば稼いでしまう
だから、犯罪率が高騰し貧富の差が蔓延した世界では最上の様な者も多い

過去を捨て生命を繋ぐために戦場に出る
そしてそれは文字通りの転生であった

過去の、艦娘になる前の自分を覚えていられるかはフィフティフィフティ
適合者の中でも数百人に一人の割合でしかないという

だから、本来であれば“ どんなタイプの ”などというのは瑣末なことだ
海上での発見だろうが工廠産の人造だろうが化け物であることに変わりは無い
親なんてものはいないし、帰る家なんてものは存在しない
国家と世界がそれだ、と冗談の様に教えこまされる

けれど、やはり当人や周りにとっては違うらしい



“ あれは、金と美貌の為に自分を売った悪魔の成れの果てだ ” と
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 19:23:54.12 ID:qIkCapxqO

最上が過去を覚えているのかは分からない
彼女の履歴書は無味乾燥なもので、彼女の感情に関わる部分には一切触れていなかった

本来であれば俺としてもどうでもいい切り捨てるべき些事であった
寧ろ抉り出さない方が最上もまともに戦えるだろう

けれど、何か気になったのだ
Prinzならば自らが海上産であると言うのは分かっていた

数日見た彼女の感情からも
それに暗記している経歴から特に隠すことでもないということからも

Prinzが言った後、最上がどう反応するかが気になった
よもや怒りに燃えるなどということは無いと思っていたが

提督「…………つまらんな」

本当に、つまらなかった
まるで予想通りの一度観た演劇の様な流れ

ショックを受けた様な顔をして
俺とPrinzの表情を確認して
目を伏せて吃って
それから諦念を滲ませて真実を告げる

提督「俺の予想に反してみることさえできないのか、あいつは」




紅茶のお代わりを持って行ったときには、元通り
既にPrinzとメイクや冬物について話していた
もうあの話は、終わり

そんな無言のメッセージさえ、俺が紅茶を代えるなんていう分かりやすいそれへの返答だった

本当に、本当に、あいつらは

提督「つまらないやつらだな」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 19:25:55.75 ID:qIkCapxqO

提督「分かりやすいフラグは立った気がするが……最上だけに入れ込むのも面倒だろうな」




【暫くまだ日常。勝ってよかったね】

0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.全員



ゾロ目……執務室襲来
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/10/30(火) 19:38:02.18 ID:qIkCapxqO

大和「提督? しっかり休んでいますか? 」

提督「ん? まぁ、しっかりかどうかは知らないが……そこそこにはな」

大和「……」

お前には関係無いだろう、とは言わない
俺自身の性格なんかではなく、それは彼女たちにとっても重要なことだからだ

自分たちが生命を預ける上官が体調不良で万全ではないなんて酷い悪夢だろう

比叡「司令は余裕でしょー。三日くらいなら寝なくても平然としてそうだし」

大和「ちょ、比叡さんっ」

提督「当たらずと雖も遠からず、だが……ま、睡眠は取っているさ。いつ敵が来るかも分からないからな」

本当は面白いことがいつできてもいい様に、だが
まぁ、嘘を言っているわけではない。睡眠はしっかり取っている

大和「そうやって適当なことを言っているとそのうちーーーー

比叡「ヒエー……」



大和がつまらないことを長々と話し始めた
折角上官が時間を取って雑談に興じてやろうというのに……まったく
半分寝た様な顔で聞いている比叡もそれはそれでどうなんだ。一応は敬すべき相手だろうに



提督「…………はぁ」



時刻は夕方十五時を僅かに過ぎたところ
気分としてはもう今日は終わった様なものだ
だからこそ、大和からの茶の誘いに乗ってみたのだが



【紅茶ぱーりー】



0.二人について
1.この前の戦果について
2.最上について
3.二人について
4.提督について
5.Prinz について
6.提督について
7.次の出撃について
8.提督について
9.二人について



ゾロ目……所謂“ 秘書艦 ”について
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 19:38:40.93 ID:qIkCapxqO

ちょっと用事入りました
また、そのうち……
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 19:39:19.32 ID:Zw7ZQrG1o
おつー
47 :用事とはなんだったのか [sage saga]:2018/10/30(火) 20:08:03.41 ID:qIkCapxqO

大和「そういえば……提督」

提督「うん? 」

大和の説教染みた話が脱線に脱線を重ねて武蔵への愚痴に変わった頃
既に比叡は睡魔に負け、大和ですら俺かカップに話しかけているのか分からなくなっている様な頃

漸く思い出した様に話が俺に回ってきた様だ、遅い
これならば先程から今までの時間に明日の出撃編成くらい組めたと思う

大和「提督のことを、聞かせていただいても? 」

提督「大和たちが面白がる様なことは無いと思うが」

比叡「お説教以外ならなんでもいいですよー……ふぁ」

大和「いえいえ、私たちは籠の鳥で外の話なら何でもいいんです。
況してやそれが“ 私たちの提督 ”のお話ならーーーー



【果たして核心に迫れるか】



0.筋肉について
1.今後について
2.実家について
3.実家について
4.筋肉について
5.子供の頃について
6.今後について
7.実家について
8.筋肉について
9.今後について



ゾロ目……大和について
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:14:04.02 ID:qIkCapxqO

【今後について】



大和「それなら……今後はどの様な作戦をお考えですか? 」

提督「今後、か」

知らず知らず渋面をつくっていたのかもしれない
大和は俺が話したくないと思っていると勝手に察してくれたらしい
話したくないというよりは実家や幼少時の話など特に語る記憶を持たないだけなのだが
まぁ、確かに嘘っぱちの即興トークを聞かされるよりは彼女たちも今後について話された方が有意義だろう
それを彼女たちが認識することなど無いだろうが

提督「そうだな……知っての通りお前たちの活躍で横須賀近海どころかこの国の太平洋側は随分と安全になった」

大和「とは言ってもそれはこの国沿岸の極局地的な話でしょう? 」

提督「まぁな。精々が多少安心して漁師たちが海に出られるくらいか」

比叡「私たちはどうせ軍の徴発でご飯くらい食べられますけどね」

提督「そう言うな。あれはあれで徴発しなくなれば俺たちの評判もずっとよくなるというものだ」

比叡「ふぅん……そんなものですかねぇ」

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:20:24.35 ID:qIkCapxqO

大和「ん、んん……まぁ、食糧の話はいいでしょう。私たちにできることはあまり無い分野です」

提督「そうだな」

大和「ですけれど……大和たちが敵を蹴散らした所為であちらも反撃の用意をしているでしょう」

比叡「寧ろその方がいいんじゃない? 各個撃破するなんて面倒ですし」

大和「比叡さんっ」

提督「まぁ、待て大和。比叡の言っているとことは雑に過ぎて頭の悪さを露呈しているが正しいといえば正しい」

大和「はぁ」

比叡「ヒエー! さすが司令話が分かる」

お前の耳は特注なのか、と言いたいところである
あまりにも都合良く聞いたり聞かなかったりし過ぎではないか

提督「横須賀近海は彼ら深海の化け物どもの勢力圏における空白地帯になってしまっている。
今までのデータを分析すればその後の動きは猿でも分かる単純さだ」

そう、彼らは陸には近寄らないくせに海は網羅したがるのだ
大敗を喫して空いた穴は是非とも埋めたい筈だ

大和「それでは、こちらから攻めるのではなく万全の態勢で彼らを迎え撃つと? 」

提督「その方が損害は少ないだろうな。こちらも無駄なコストを払う必要が無い」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:27:11.04 ID:qIkCapxqO

大和「…………そう、ですか」

提督「? 何か、不満か? 」

大和「いえ、提督の判断に否やを唱えるつもりは

比叡「大和さんはですねー、まだまだ暴れ足りなくて身体が疼くとかなんとかさっきも熱べぅえらっ?! 」

大和「…………黙って」

提督「やり過ぎだろおま……いや、まぁそれでも構わないよ、俺は。寧ろこちらから攻めるべきだ」

大和「提督? 」

提督「大攻勢とはいっても敵の本丸などどうせ出ては来まい。
精々が太平洋側の勢力をある程度集めてこちらに来るだけだ」

大和「それとて私たちが経験したことの無い規模になることは間違い無いでしょう? 」

提督「そうだ。だからこそ、俺は出来る限り敵の戦力を削っておくべきだと思う。
お前たちには、いや、俺たちにはそれができる。だろう? 」

大和「……」

比叡「……」

「…………」

いつしか、不満顔で心の裡を燻らせていた大和も
眠気との戦いに負けて雑な反応をしていた比叡も

それから談話室中に散らばっていた艦娘や将兵たちも

皆が、俺の話の観客となっていた

まるでそう、これから出征を迎える兵士たちに最期の言葉を与える様に
こういうとき、俺の低く通る声はとても便利な道具となる
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:34:02.38 ID:qIkCapxqO

ーー人間は、負け続けてきた

その耐え難い汚辱に、しかし反駁など有ろう筈も無い

ーー人々は、鬱屈し犯罪に手を染める者までいる

何人かの聴衆が目を伏せ目を瞑ったり呻きの様なものを吐く
彼ら彼女らの中にもいるのだろう。被害者であるのか加害者であるのかなど知らないが

ーーだがお前たちには、できるじゃないか

ーー我々人類の叡智、不屈の闘志、積み重ねてきた悲劇への反骨が、それをさせるのだ



そうだ! そうだ! 俺たちには! 私たちには!



冷めていく俺の心とは裏腹に、談話室の熱は加速度的に上がっていく
聴衆はいつしか、ただの群衆に成り下がっている
ただ俺の誇大妄想染みた煽動に乗るだけの馬鹿な木偶にまで



ーー大人しく敵を待つなど国が許しても俺が認めない!

ーー俺たちが、お前たちだけがこの先の未来を勝ち取る力と意志を持っているのだ!

ーーこちらから会いに行ってやろうではないか。敵の驚く顔を粉砕してやろうではないか!
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:43:31.98 ID:qIkCapxqO

ーー我々に負けなどあり得ない!

そうだ! 負けるなんてあり得ない!

ーーだが、お前たちの何人かは二度とこの地を踏めないだろう、それでもいいのか!

構いません! 人々の為に! 国の為に! 妻の為に! 息子の為に! 大切な人々の為に!

瓏々と響くバリトンと、熱に浮かされた烏合の集と
意志と闘志の乖離がキチガイ染みたユニゾンを練り上げていく

ーーお前たちは皆救国の鬼子とならなければならない

彼らを死に駒にできないのは、確かだ

ーーお前たちは敵に慈悲など掛けてはならない

化け物へ与えるのは惨めな死であらねばならない

ーーお前たちは! 皆次の一戦で死ぬのだ!

それでいい、そうであっても変わらない
俺が楽しいのならば、どうとでもなるがいい
精々遺族年金くらいは多めに出るのかもしれないが

ーー約束しよう! 今週末には、お前たちが海の先で敵を屠っているであろうその未来を! 栄光ある未来を!



栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を!
栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を!
栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を!
栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を!
栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を! 栄光ある未来を!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:47:53.72 ID:qIkCapxqO

提督「…………これで、答えになったかな? 」

大和「へ? ぁ、え……ぇ? 」

比叡「ヒエー! さっすが司令ですねぇ! 」

提督「…………」

何も考えていなかったのか素直にテンションを上げている比叡と
熱気に当てられ場の空気に没入していた大和と
吐き気のする空間を自分で創り出した俺と

兎も角、これで後には引けなくなった、けれど
上官や軍令部への根回しは簡単だろう
この先の戦闘だって俺にならばどうにかなる

結局、そこに俺の求めるものがあるのならば、他は瑣末事だ

提督「…………幸せなやつらだな、まったく」

この熱気が鎮守府中に広がれば戦意は高揚するだろう
その効果と意味を考えれば、これがただの無駄な演説だったとは言えない
それだけが、今は重要なことだった
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:50:30.15 ID:qIkCapxqO

提督「あと三日、か」



こちらから打って出るという上申はすんなり通った
加えて新しいバックアップや資材までくれるらしい

まったく、くだらないものだ



【日常がここで終わらないといいね】



0.Prinz
1.雲龍
2.最上
3.重巡組
4.大和
5.戦艦組
6.Graf
7.空母組
8.比叡
9.全員



ゾロ目……執務室襲来
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 20:51:45.01 ID:qIkCapxqO

なるほどまた戦艦組……なるほど
空母組が今のところ空気未満

取り敢えずまた休憩いただきます
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 20:53:22.58 ID:Zw7ZQrG1o
おむおつ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:06:07.25 ID:qIkCapxqO

大和「提督! 」

提督「うん? 」



執務室に缶詰になっているのも飽きてきた頃
誰かを暇潰しの相手にしようと談話室という名の演説場へ

どこに座ろうか、それとも茶菓子でもいただこうかと考えていたとき
入室した途端に声を掛けてきたのは、大和
ついでにまたもや眠たげな顔の比叡もいる
お前はもう少し寝た方がいいんじゃないのか



大和「いよいよですね! 大和、今から腕が鳴ります! 」

比叡「私もまぁ、そこそこ? 」

提督「そこそこでは困るんだがな……っと、ここ座るぞ」



さすがに今回は無駄に疲れることをしたくない
目を輝かせた大和を見ればまたぞろ熱の籠った抱負でも熱弁されそうではあったが



提督「…………」



【第二回紅茶ぱーりー】



0.二人について
1.比叡について
2.大和について
3.二人について
4.提督について
5.大和について
6.提督について
7.比叡について
8.提督について
9.二人について



ゾロ目……所謂“ 秘書艦 ”について
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:14:36.17 ID:qIkCapxqO

大和型一番艦、大和
旧い時代、今際のこの国が生み落した稀代の鬼子
本来であれば敵を紙屑の様に薙ぎ払う筈だった最終兵器

けれど、時代は彼女を選ばなかった
勝てる筈の無い無謀な作戦に浪費され
終局たかがプラモや映画でしかその栄華を見せなかった時代錯誤

大和「提督? 」

提督「ん? あ、いや……そうだ大和、聞きたいことがあったんだ」

大和「私に? 提督が? 」

嘘でしょう? そんな表情がありありと
それがどんな意味なのかは敢えて訊かない、興味が無い

提督「あぁ……お前のーーーー



【鬼が出るか蛇が出るか】



0.戦意について
1.経歴について
2.戦後について
3.戦意について
4.経歴について
5.戦後について
6.戦後について
7.戦意について
8.経歴について
9.戦意について



ゾロ目……身体について
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:22:42.78 ID:qIkCapxqO

提督「お前のその、戦意についてだ」

大和「戦意、ですか」

比叡「ヒエー……お姉さまぁ…………Zzz」

話の中心が大和になったことで面倒な流れだとでも思ったのだろう
比叡は上官の前だというのに余裕の表情でどこかへ飛び立った
だからお前はしっかり寝ろ。お姉さまが寝させてくれないとでもいうのか

提督「あぁ。確かに艦娘の中には狂気染みたバトルジャンキーもいるにはいる。
“ 大和 ”はその中でも前身を含めて戦いを望む者が多い様だが」

大和「えーっと……」

提督「お前の戦意が高いことは、喜ばしいことだ。今現在俺が使える駒の中ではお前が文句無しに最大戦力だからだ」

大和「……戦、力」

提督「だがそれは戦場に限った話だ。俺はあくまで戦場での指揮を揮うだけの存在。
お前の戦意が高いのを喜ぶのは指揮官としての俺だけだ」

大和「あの、お話が見えません」

提督「悪いな、どうも口が上手くないんだ、俺は」

大和「そ、そんなことは」

提督「構わない。そうだな……面倒なことは、無しだ」



ーーお前は何故、そこまで戦いたいんだ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:28:28.74 ID:qIkCapxqO

大和「…………」

提督「いや、答えにくいのなら構わ

どうせ俺には理解できない答えしか返ってはこないだろう
それならば、敢えて彼女の戦意に傷を付けてまで訊ねようとは思わない
そう伝えようとしたときのことだった

大和「待って、ください。私が、戦いたい理由は」

提督「あぁ」

それは、とても簡潔で、そして、共感できるものであった
立場も何もかもが、異なった存在だというのに、それは

とても、何か甘美な感情の共有だった



ーー私は、それしか与えられていませんから

ーー私は、戦うことこそが意義だと、周囲も、私の意識すらそう言うのです

ーー戦え、戦って殺せ、そして死ね、と



ーーだから、私は戦うのです



大和「私が、本当に欲しい未来を見つける為に」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:34:35.71 ID:qIkCapxqO

提督「大和型一番艦大和、ね……なるほど、多少は面白い、かもしれん」



何の為に戦うかは与えられた影だけれど
その先を得る為に敢えて従ってやっている
少なくとも、俺はそう判断したのだ、彼女の意志を

それならば、従ってやろうではないか

一方通行の共感と仲間意識を気取られること無く
彼女が何かを見つけることが、自分にも意味のあることだと願って



【作戦開始のお時間です】



0.敵艦隊本体
1.遊撃隊
2.雑魚
3.雑魚
4.敵艦隊本体
5.遊撃隊
6.遊撃隊
7.敵艦隊本体
8.雑魚
9.雑魚


ゾロ目……陽動作戦(はぁと)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/10/30(火) 21:35:28.19 ID:qIkCapxqO

なるほど……なるほど
今日のところはここで中断します
何度も変に中断して申し訳ありませんでした

ありがとうございました
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 21:37:19.31 ID:Zw7ZQrG1o
おつおつー
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 22:20:28.59 ID:dU5H5X6wo
おつおつ
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:16:34.29 ID:vplqmatK0

今日は本当に少しだけです申し訳無い
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:17:01.41 ID:vplqmatK0

【主力が会敵したのは、どうやら遊撃隊のようです】





提督『……やられた』

大和からの通信は極簡潔なものだった。
敵艦見ゆ、攻撃に入る、交戦中、敵艦隊殲滅せり。

大和『そもそも大した戦力を用意していなかった可能性もありますが』

提督『有り得ない。敵が大艦隊を編成する前にこちらから打って出たんだ。
あちこちに点在していることはあっても中途半端に集まっているとは考えられない』

大和『ですから、戦力を集中する途中だったのでは、と』

提督『…………』

大和『提督が座乗している艦の周辺にも、こちらの遊撃艦隊の周辺にも敵影は無いのでしょう? 』

提督『あぁ……それならば横須賀鎮守府に奇襲をかけるべきだ、が』

大和『そちらにも現れてはいない』
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:17:52.58 ID:vplqmatK0

提督『…………』

横須賀のやつらなどどうでもいいが俺の地位を保全するためには無傷でいてもらわねば困る。
どうせならばあのクズどもだけ焼かれてしまえばいいのだが、そうもいかない。

大和『…………周囲を警戒してみますか? 雲龍さん? 』

雲龍『いけるわ。いつでも言って』

提督『いや、要らんだろう。通常の警戒態勢で構わない』

雲龍『そう……』

大和『…………各要港部等の拠点からも? 』

提督『あぁ。横須賀隷下の各拠点は何も言ってこない。気付く間も無く焦土にされていれば分からないが』

大和『ご冗談を。だとして緊急回線を繋ぐ間も無く消滅させられたと?
まさか大規模な妨害電波なんて彼らに発生させられるはずが……』

提督『…………』

大和『…………』
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:19:48.57 ID:vplqmatK0

提督『…………』

大和『…………? 』

提督『…………ふん』

大和『はい? あの、提督ー? 』

提督『…………よし』

大和『? 』

提督『…………面白いことしてきやがるな』

大和『は? 』

提督『残敵があれば掃討しつつ最大速度で帰ってこい。すぐ、仕事になる、かもしれん』

大和『はい? あの、ちょ提督! 』

提督『通信終わり』

大和『えっ、ちょっ私にも説明しっ

提督「……………………」

今回の作戦は敵が大反攻に入る前にこちらから打って出て出鼻を挫くというものだった。
敵が大艦隊を集結させるであろうことはこれまでの蓄積データからも十分な蓋然性で予想されている。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:20:43.01 ID:vplqmatK0

しかし、敵は見えない、攻めてはこない。
中途半端に集まった統制もままならない集団が数個。

敵はどこに行ったのか。
決まっている。伊豆諸島よりも外回りに九州方面へ向かっていったのだ。
硫黄島に詰めた馬鹿馬鹿しい程の防衛戦力も挟撃を狙った大和たちも無視して佐世保へ一路。

それからその後五島列島や対馬を抜けて呉を攻める、なんていうことはさすがに考えられない。
それではさしもの大艦隊も我が国の最強戦力に敗北乃至大損害を被るだろう。

化け物どもの損得など知ったことではないので損害を無視して吶喊した可能性も無いではないが、しかし。
恐らく彼らはそのままシーレーン方面の手薄な防御を破砕するつもりだ。

俺ならそうするし、誰だってそうする。
そちらを取られてはこの国は首元に刃を突き付けられたに等しい。
漸く解放した太平洋方面の防備も削らざるを得ないだろう。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/11/01(木) 00:21:22.25 ID:vplqmatK0

台湾付近か、それともフィリピン付近か。まさかブルネイやベトナムまで入り込む程の勢力があるとは……

提督「…………さて、どうするか」

このまま横須賀で黙りを決め込んでも俺の評価は下がらない。
こちらとて再度横須賀から硫黄島までの海域はほぼ平定したのだ。

それならば佐世保や呉、ブルネイに通報して敵への注意を促せばいい。
さすがに敵の接近よりはこちらの連絡の方が、早い。

それとも大和たち主力のみを輸送機に載せて運んでみるか。
本土の上を飛べば撃ち落とされる心配もまず無い。
敵に滅茶苦茶にされたシーレーンのどこかを奪還、乃至攻撃させてみるのは面白いだろう。

彼女たちの働き如何によってはさらに俺の評価は上がる。
それに、或いは大和が見つけるべき何かも見つかるかもしれない。寧ろ、今となってはそれだけが好材料。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/11/01(木) 00:22:04.60 ID:vplqmatK0

提督「…………五分、ですらないな。ブルネイとてまず落ちまい」

艦娘が全身をフル励起したのなら一時間も掛からずに合流できるだろう。
況してや無駄に疲れる演説で士気が振り切れた彼女たちだ。
そのまま輸送機に載せたとしてより高揚する可能性が高い。

提督「…………」

しかし、予測が外れている場合はどうにもならない。
どこかの海域に潜んでいるのか、東北方面へと抜けていったのか、はたまた影の様に一瞬で硫黄島を制圧したのか。

そのどれかであるのなら横須賀で待機していなければならない。そうでなくてはこの国が太平洋を臨むことは二度と無いかもしれない。

……それはそれで、面白いかもしれないが。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2018/11/01(木) 00:25:56.80 ID:vplqmatK0

提督「考えがまとまらんというのも愉快な……む? 」

目の前には、誰が置いたか十面ダイス。
海図や大和たちとの通信設備、それから参謀たちの私物。
その中にあって、それは一際輝いて見えた。

提督「ふ……これで失敗したら、大和がキれるな」

そもそもこの国の人々や政府は半狂乱になるだろうが、知ったことか。
どうせこんなもので作戦を決めたなど誰も信じまい。

提督「俺に運がまだあるのかどうか、試してやろうじゃないか。……ほぅら」

コロンコロン、コロコロ、コロン……

賽は、投げられる。今から、何処かへ。
才は、決められる。今から、未来へと。
祭は、始まる筈だ。悪夢か、祭典かが。

提督「ふ、ふふふふふ……はははははっ」

久々に、心からの笑みが滲み出る。
凍った表情筋が笑みの振動で崩れ去る様だった。



【祈れ】



0.横須賀待機
1.横須賀待機
2.南方へ
3.南方へ
4.南方へ
5.横須賀待機
6.横須賀待機
7.南方へ
8.横須賀待機
9.南方へ



ゾロ目……出せる限りを南方へ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 00:26:42.95 ID:vplqmatK0

これだけです申し訳無い
明日、というか今日はたぶんもうちょっと早く多目になんとか

ありがとうございました
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 01:15:58.53 ID:zSLSPrKMo
おつおつ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:16:38.81 ID:YcyGmHGK0

残念ながら今日も少ししか……なのでsageのまま
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:19:19.58 ID:YcyGmHGK0

大和「正直に言えば、意外でした」

提督「俺が動かせる戦力を横須賀に全て残したことがか? 」

一部、俺の管轄からも佐世保にやられてしまったが問題無い。
彼ら彼女らは軍令部や陸軍、複雑に絡み合った権力の渦に飲み込まれたと思えばいい。
元より、そんな不安定な戦力など当てにしてなどいないし、計算になど入れている筈が無いのだから。

大和「ええ。提督は、倒せる敵を全て倒し尽くしたいと渇望する様な人だと思っていましたから」

提督「少し、違うな。倒すべき敵を認識することができる、くらいなのが俺だ」

大和「はぁ……」

提督「そろそろ分かるさ。俺とお前は、似ているんだから」

大和「? 」

提督「望むものが何なのかすら分からないままでは、死ぬに死ねないだろう? 」

大和「まぁ…………似ている? 私と、提督が? 」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:20:21.49 ID:YcyGmHGK0

横須賀への帰路で大和たちと合流してから暫く。
佐世保やラバウルを始めとして内地から外地まで全てに通報は終えている。
敵は、きっと南方かその途上に現れる。

俺が何かを見つけるのなら、それは追い込まれ仮面を剥がれたとき。
大和が何かを見つけるのなら、それは同胞を傷付けられ憤怒したとき。

それに、戦うのなら敵の動きと位置を把握していた方がやりやすい。
佐世保かはたまた外地のどこかを餌にできるのならばそれを選ぶべきだ。
躊躇いなど、あってはならない。


雲龍「提督! 軍令部からの通信回しますッ! 」

提督「おう。……さてさて、俺の運はどこまで導いてくれるのかーーーー



【転進】



0.佐世保
1.南シナ海
2.呉
3.南シナ海
4.佐世保
5.呉
6.南シナ海
7.呉
8.佐世保
9.三箇所全て



ゾロ目……硫黄島近海
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:23:52.30 ID:YcyGmHGK0

提督「ふっ、ふふふふふふ……あっははははっ! 」

Prinz「」

最上「」

比叡「……Zzz」

GZ「気色悪い……このAdmiralが高笑いなど明日は槍でも降るのか? 」

雲龍「私潜水艦じゃないから海に逃げられないのだけれど」

大和「そういうこと言ってる場合じゃないでしょう比叡さんはこんなとき寝ないでくださいGrafさんも変に達観しないで提督はいい加減笑うのやめて! 」

提督「ふふふ……いやいや、悪いな……しっかし、やってくれるな化け物どもは」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:34:11.83 ID:g9Q19REa0

軍令部から急報が入るとほぼ同時に各地から凶報も入電してきた。

佐世保、呉からはこちらの予想通りに大規模な敵群を確認しただちに迎撃に入るとの旨。
南方、南シナ海方面からはルソン海峡を越えて突如敵艦載機が侵攻してきた旨。

こちらとしても太平洋の敵を確認できなくなった時点でかなりの大軍だと予想はしていた。
けれど、まさか三方面に無謀ともいえる特攻染みた攻撃を仕掛けてくるなんて分かる筈が無い。

彼らの目的は何だ? 横須賀周辺にできた空白地帯を捨ててまで得たいものとは?
太平洋に残存する戦力を糾合してまで南方へ進撃する戦略的意義とは?

シーレーンを確保すればこちらの喉元を突けるからか?
それとも、佐世保と呉の二大戦力を削ぎ落とすことに決めた?
いや、そもそも考えなどは無く、自分たちの損耗を度外視して弱そうな相手を狙った?

分からない。分からない、全くもって意味不明、荒唐無稽な二正面作戦だ。
しかもそれは、二正面どころではない上に自らの吶喊である。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:42:12.28 ID:UrbSBy2M0

だが、俺としてはこれでいい、望むべくもない至上の選択肢だ。

提督「どうする大和。どこに行きたい? 」

大和「はぁ? この大事なときに冗談なんて言ってる余裕が大和たちにあるわけ

提督「待て待て、待てよ。……参謀! 」

「はっ」

提督「輸送機の用意は? 」

「命令通りに! 今すぐにでも発てます! 」

提督「ご苦労。……いくぞお前ら。弔い合戦だ」

大和「ちょっ、提督! 」

Prinz「大和さんさっきからそればっかだよねー」

比叡「『ちょっ、提督! 』」

最上「っふっ……や、やめてよね、無駄に似てるし」

雲龍「ふっ、ふふ、うふっ」

GZ「貴様は何故変なところでツボに……」

呉はどうにかなるだろう。戦力から見ても、それからこの国の生命線といえる観点から見ても。
それは佐世保とて、同じ。そして、南方とて失えばこの国の全てが干上がると言っても過言ではない。

どこを助けたとて結果はきっと変わらない。どこだって助けを求めているだろう。
ならば助けてやろうじゃないか。

怠惰に政争に明け暮れる呉の盆暗どもも。
日和見主義を越えて烏合の衆と化した佐世保も。
努力し続けることに酔った掃き溜めの南方も。

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/01(木) 23:49:52.21 ID:FJyJK3FW0

提督「主力は俺と来い。艦? んなもん要るか間抜け。指揮など無線さえあればどうとでもなるだろうがッ」

まともに指揮を執れるであろう将校に戦力を割り振ってやる。
彼らならばそこそこに力を発揮して戦局を有利にしてくれるだろう。

それから横須賀の守りは最低限に。これ以上敵も戦力を回せまい。
なるほど、確かに敵は俺の裏をかき横須賀や硫黄島を無視する奇策に出た。

しかし、それはそれ以上を望むことのできない下策中の下策だ。
余程の無能か内通者がいない限り、こちらの勝利は揺るがない。

であれば、あとは如何にして被害を最小限に食い止めることができるか否か。
つまり、如何にして俺の名を上げこの世に現出した地獄で大和たちを躍らせるか。

連戦に次ぐ連戦の果て、業火の先に何を見ようとするかの意志がものを言うだろう。

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/02(金) 00:05:10.92 ID:wWzWgiWq0

提督「ふっ、あははっ……いいぞ、これはいい。まるで世界が俺の為にあるみたいなものじゃないか、これは」


一路、南方へ。
戦術輸送機を飛ばし、途中から身体と艤装を異常励起した艦娘に向かわせればルソン周辺まで六時間もかからない。

あちらはそれまで好きにルソンだろうがパラワンだろうがブルネイだろうが攻撃してくれればいい。
こちらはその分出会いのときまで好きに作戦と祝杯についてでも練ってやろう。

横須賀の、俺の手駒は今のところほぼ無傷。
そして、俺にはこの国の戦力がどれだけ消耗しようと何らの呵責も自責も無い、存在し得ない。
精々今後の生活や指揮に影響が出さえしなければ構わない。

勝利、いや、成功しか有り得ない。
なんて、なんてこれは、

提督「心踊る、素晴らしい戦果なんだろうな、なぁ大和? 」

大和「はぁ……? いいから早くッ、早く乗ってください! さもないと担いででも乗せますよ! 」

提督「はいはい」

望みを得る為の戦闘へさらなる望みを掛けよう。
何をも得られないのならば、結局は今と、何も変わらないのだから。



【ローリスクハイリターン】



0.ハード
1.ハード
2.ノーマル
3.ノーマル
4.ノーマル
5.ハード
6.ナイトメア
7.ベリーイージー
8.ハード
9.イージー


ゾロ目……はぁと
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/02(金) 00:06:25.69 ID:1hLbewM20

中途半端な上に全くと言っていい程進まない……
でもまだ変なコンマは出てないですね!
たぶん今日も来ます

ありがとうございました
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/02(金) 00:18:59.17 ID:OVxSYiixo
おつー
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 14:01:15.44 ID:aEmhofnd0
気になる
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 18:44:43.12 ID:u/WujjWcO

大和『これはッ……! 』

焼き爛れ四肢に乱れしか無い黒ずんだ死体でも見つけたか。
それとも海に撒き散らされた重油と硝煙の臭いに狂気したか。
ブルネイまで到達した大和からの無線は絶句と無言から始まった。

提督「自分を失うな、大和。お前の目の前にあるものが悲しみを帯びている分だけお前は鬼にならなければならん」

大和『て、提督……』

吐きたくも無い戯言を、事実だけは本音に乗せて囁いてやる。
俺とて彼女の働きとその先の未来に期待しているのだ。
ここで壊れられてしまうのは本意では、ない。

雲龍『北西から敵艦載機ッ! 間も無く戦闘に入りますッ』

大和『ッ……よくも、よくもぉっ! 』

提督「精々鹵獲が一体くらい残ることを祈ってるよ、通信終わり」



存外冷静な最上から詳しい敵の艦隊についての情報が入る。
分析する将校の手元を見てみれば、これは中々。



提督「いいとこここに来るまでに減らされたか。
南方部隊もまぁ雑魚ではないということなのか……この程度ということなのか」



【ノーマルモードMVP】



0.大和
1.比叡
2.雲龍
3.Graf
4.最上
5.Prinz
6.戦艦組
7.空母組
8.重巡組
9.轟沈判定へ



ゾロ目……全員(はぁと)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 18:50:32.60 ID:u/WujjWcO

雲龍「この私が殊勲艦だというの……? 」

提督「なんだ不満か? 」

雲龍「うぅん、嬉しいわ……いい気持ち」

提督「あぁ。敵の空母機動部隊に仕事をさせなかったこと、一生の誉れにするがいい」

終わってみればなんていうことも無い。

呉、佐世保、南方のシーレーン防衛を担う部隊はその全てに於いて敵を退け、撃滅に成功した。
横須賀から臨む太平洋周辺を含め、各地から掻き集められた敵性体は全て海の藻屑と成り果てたのだ。

この国からすれば、否、人類という視点から見てもこれは重大な歴史的勝利である。
この国の玄関口を突破し、それに慌てた敵に無謀な策を取らせ殲滅。
そこには何らの落ち度も無い完全勝利がある。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 18:58:20.73 ID:u/WujjWcO

そして、南方で援軍として急行した大和たちには手放しの賞賛が与えられる。
敵の動きをよく分析し、勝利を揺るがないものに確定させた彼女たちの働き。

中でも緒戦から疲労を堪えつつも終始優位な戦闘となったのは、
偏に空母機動部隊を抑えた雲龍たちの仕事であることを特筆すべきである。

かつての艦艇時代には特攻兵器の輸送途中に沈むという不名誉。
この時代においても一航戦や五航戦には一歩劣ると見做されている彼女たち。

それでいてなお奮起し、この国の為、人類の為の勝利に甚だ貢献したのである。

これを褒めずして何を褒めるのか。





、とは横須賀に残留させた無能共や帝都で踏ん反り返っていた年経共の談である。吐き気がする。虫酸が走る。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:02:34.54 ID:u/WujjWcO

提督「今回の勝利においてお前は紛れも無く、最高の誉れに相応しい」

雲龍「そう……そうなの、この、私が」

普段から何を考えているのか分からない彼女だけれど、今なら誰にでも分かるだろう。
その感情が喜びに溢れ、名誉と戦績に身を震わせるその狂喜を。

この国が誇る海の鬼子たる大和ではなく。
ドイツより派遣された豪運王子や同輩となる伯爵ではなく。
誰よりも冷静な最上でもなく。
かつては御召艦であった比叡でもなく。

過去現在に於いて何らの名誉も持たず。
寧ろ不名誉な負の遺産を受け継ぐしかなかった彼女。

その彼女が艦隊最大の名誉を得る。
これ以上、一体何を望むというのだろうか。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:06:27.75 ID:u/WujjWcO

雲龍「提督の……あなたの、お陰です。あなたが私に道を示してくれた」

提督「違うな。俺は全員に対して発奮を求め皆に指示を与えたに過ぎない。
お前の戦果は、お前のみによって成し遂げられ、お前だけが得るべき誉れよ」

雲龍の崇拝にも似た歓喜など下らない。寧ろ唾棄すべきものだ。

俺にとって一等重要なのは大和の顔だ。
下馬評からもそのスペックからも戦場に於いて最大戦果を挙げるべきと宿命付けられた女。

その顔がそれでもなお同輩への祝福と勝利の歓喜に沸いているのか。
それとも我が名を頂きに到達させられなかった悔恨に沈んでいるのか。

はたまた未来への光を見つけられなかった絶望に唖然としているのか。



俺にとって重要なのは、今のところそれだけだった。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 19:09:32.83 ID:lkuGikJPO
つくづくサイコやなぁ
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:11:00.08 ID:u/WujjWcO

雲龍「あの、玉露と羊羹を用意してみたのですけれど」

提督「ん? あぁ……先に食べておけ。俺もじきに貰う」

雲龍「はい。……………………それでは、意味が無いのに」




最近鬱陶しい程に纏わりつく雲龍もこれはこれで悩みなどあるのだろう。
或いは、大和の様に俺と同じ存在意義と望みへの渇望かもしれない。

それならば、最近あまり話せていない大和を切り捨て入れ込んでもみるのだが。



【MVPボーナスですの】



0.提督から
1.雲龍から
2.雲龍から
3.提督から
4.雲龍から
5.提督から
6.雲龍から
7.提督から
8.提督から
9.雲龍から

ゾロ目……あなたは、誰ですか?
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:21:03.05 ID:u/WujjWcO

求めよ、さらば与えられん。

聖書などという伝統と蓄積だけが取り柄の紙束に用など無いが、しかし。
自ら進んで求めねば欲しいものを得られないのもまた事実。

自ら望むことは、時に他者の欲求を癒すこともあると誰かが言っていたのだったか。



提督「……雲龍」

雲龍「何? 」

提督「俺はクドクドと説明するのは苦手、というかなんなら嫌いだが

雲龍「知っていますよ。大和さんたちも言っていましたし、見たままです、あなたは」

提督「……」

雲龍「……何? 飛行甲板に興味があるの? 」

提督「あ? 」

雲龍「冗談よ。……ま、それはそれで、いいけれど」



玉露に、茶菓子の羊羹に、戯言に。
夕暮れの執務室は、またと無いトークタイムだ。

今なら、そう彼女の心を奪り掛けている今ならば、いける。
多少の無茶も、或いは反対に切って捨てる無慈悲や無感情も。

それが全て、流れて行くような、そんな、雰囲気だった。



【楽しい井戸端】


0.悩みは無いのか
1.呉へ、行かないか
2.お前そのものを欲しい言われたら、どうする
3.欲しいものは無いか
4.欲しいものは無いか
5.呉へ、行かないか
6.悩みは無いのか
7.呉へ、行かないか
8.欲しいものは無いか
9.悩みは無いのか

ゾロ目……全部
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:28:34.65 ID:u/WujjWcO

提督「それならばいい、単刀直入に言おう。呉へ、行かないか」

雲龍「は、はい? 」

余程予想していなかった言葉だったのだろう。
目を見開き素っ頓狂な声を出す雲龍など滅多に見られない情景である。興味が有るわけではないが。

提督「呉の大将から話が来ていてな。あちらにいる加賀と交換、いや配置転換をしないか、と」

事実である。呉の大将は今回挙げた戦果からいたく彼女を気に入ったらしい。

余談だが艦娘はこの世に複数存在する。それも全く同じやつらが、だ。
横須賀だけでも“ 雲龍 ”など何隻も在籍しているし、
“ 大和 ”ですらこの国どころかアメリカやドイツ、フランスにだって派遣されている。

彼女たちはその生育過程と環境以外を全て同じにしている同一体だ。
人間からの変化か、人工的な工廠生まれか、海でのドロップか。
その程度の差しか彼女たちには、無い。

特に軍の高官ともなれば彼女たちの個人差になど興味を持ちよう筈も無い。
性格や思考がほぼ同一であってスペックと限界も同じならば、仕方が無い。

寧ろ子飼の化け物をどうにか自分好みの兵器にすることにこそ意味があるのだ。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:37:21.25 ID:u/WujjWcO

だから、今回のオファーは凄まじい栄転と誉れである。
それも実際は兎も角、長年呉を守り抜いてきた歴戦の大将が自分を欲している。
それは言うなれば、ただの量産型兵器が人格を認められたということだ。

呉にだって“ 雲龍 ”はいる筈である。
それでいてなお、自らを渇望される。


仮令それが狭い箱庭でしか通用しない欺瞞だとしても。
雲龍にとっては、この上無い、幸せである。

提督「俺としては、まぁ……受けるべきだと思う。
言ってはなんだが俺はこのまま安穏とさせている気は無いしな」

暗に、お前をこれまで通り使うつもりだと。
いつか使い潰して捨てるかもしれないのだと。
衝撃から立ち直れない彼女に、畳み掛ける。

自信があった。
彼女は呉への栄転ではなく、俺の下にあることを望むだろう、と。

少々筋肉質に過ぎるものの我ながら美丈夫と言えるルックス。
極限まで損得と切り捨てを徹底した指揮。
戦うことに於いて部下を鼓舞することに長けたアジテート能力。

そして、利益と仮面の果てに生まれた分厚い仮初の意志。

重要なのはその選択じゃない、理由である。



彼女が、どんな言葉を吐くのか、それが、問題であった。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:41:26.58 ID:u/WujjWcO

雲龍「お断り、してください」

果たして。

提督「ほう……安定した生活と、いつかの解放を捨てるのか? 」

その決意と苦悶に満ちた顔は、何を見せてくれる。

雲龍「そんなもの、要りませんから。私は、私はーーーー




傲慢な男と、決然とした女と。
いつしか陽は更に傾き、そろそろ電灯を点けねばならない時間に差し掛かっている。



0.あなたの下で戦いたい
1.あなたをこそ、望んでいるのです
2.あなたの下にいたい
3.最も私を使える人の下にいたい
4.あなたの下で戦いたい
5.最も私を使える人の下にいたい
6.あなたの下で戦いたい
7.最も私を使える人の下にいたい
8.あなたの下にいたい
9.あなたの下にいたい

ゾロ目……あなたを野放しには、できない
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 19:46:22.06 ID:6mgk2JvAo
(最近コンマ大人しいな)
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:46:39.97 ID:u/WujjWcO

雲龍「あなたの下に、いたいのです」

提督「…………」

下らない恋愛ドラマならばここで主題歌でも入るのだろう。
戦争映画ならば盛大に死亡フラグでも立つか。
それかある種の媒体ならば身体の線や表情でもアップになるだろうか。

事実、雲龍の瞳を見れば何か秘めていたものを吐露しようという意志が見える。
安易な恋など糞食らえ、と言いたいところである。

けれどふと思い、舌打ちを全力で隠す。
存在意義を薄く否定され続けてきた彼女の戦意を高めたのは誰だ。
戦果を誇示する目的とはいえ過剰なまでに彼女の功績を称えたのは誰だ。
外面の為と言いつつ四方八方にいい顔をし続けたのは誰だ。

全て、自分である。

ただでさえ異常な時代、狂気に渦巻く環境である。
そこに於いて人や化け物の意志を捻じ曲げることなど簡単だと言ったのも、自分である。

これも全て、自分の蒔いた種なのか。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:52:01.15 ID:u/WujjWcO

確かに、一面なら見れば彼女を受け入れてしまうことに問題は無い。

彼女をパートナーとすれば今後無駄なアピールには煩わされにくくなるだろう。
彼女への口撃を暗黙の理由として誰か気に入らない者を左遷するのも、可能だ。

それに彼女はその事務能力にしても十分であり、何よりその戦果とポテンシャルは誰もが認めるところである。
なんならば、彼女のその肢体は男の獣欲を煽る魅力に溢れている。

先月だかそれくらいに風俗に行こうかなどと考えていた自分にとっては、ありがたいかもしれない。



けれど、メリットもあれば当然デメリットも存在する。

無駄なアピールが減少したとしてもそれが確実に無くなるわけではない。
寧ろ戦場に於いて歪んだ倫理を拵えた女が略奪愛などに凝ったという話さえある軍内である。

それに、彼女の戦意と安定感は増すかもしれないがその他については定かではない。

大和たちならば表向きは何も言わないだろうが、その内心など分かったものではない。
雲龍を受け入れるということは、反対に雲龍以外の感情を遠くする、ということでもあるのだ。

博打として、面白くないわけではないが、しかし。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 19:57:38.04 ID:u/WujjWcO

雲龍「使い潰されても構いません。なんなら飽きたら捨ててください。それで、いいの」

提督「…………」



自らの感情を独白めいて零し続ける雲龍の意志など最早関係無い。
これは、俺の、俺だけの問題である。

軍内の立場、部下の統御、煩い実家を黙らせる方法、そして煩わしく思ったときの切り捨て方。
あまり多くない様に思えるメリットと比べてそれはいつかの鬼札となるのか否か。



雲龍「私、これでもそれなりに自信はあるのだけれど……」



雲龍はいつの間にか上着を脱ぎ執務椅子に座る俺の背中から抱き着いてきている。
首元に触れる大きな肉塊の暖かさや耳元に当たる吐息が艶かしい。

どうする、どうすればいい。
彼女を確実に捨て切れる確たる根拠があれば、簡単に許容することが、できるのだが。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/11/07(水) 20:01:45.99 ID:u/WujjWcO

提督「ま、待て待て……雲龍? 」

雲龍「何? 拒むなら……今しか許さないけれど」

果たして拒むことを許してもらえるのか、彼女の瞳はそこまできている気がする。
あすなろ抱きの様に椅子の背もたれまで含めて女としては背の高い彼女に抱き竦められているこの状況。

胸板を這う手指は既にただ抱き締めているというには度を越した動きに変わっていて。
何も触れ返していない筈の雲龍はけれど、その息を少しずつ上気させている。

提督「お前の意志と決意を否定しようとは思わない。それは、お前だけの尊い尺度だ」

雲龍「そう……そうね、この想いを否定する様な男になんて、興味、無いわ」

牽制はしかし、何の牽制にもならず単にこちらを肯定されただけで終わる。
拒絶ではないが許容でもない。その意志が、どうにも伝わらない。
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