【安価】戦士「今日の依頼は……げっ……! 討伐アンカークエスト、だ……!」

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29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 03:50:30.48 ID:GoKFexg10
送信ミスった
啓示とかじゃなく普通にコンマで良いの?ならコンマ
30 : ◆C7xQLPfhHTAe [saga]:2018/11/29(木) 01:22:24.97 ID:UHCznm0y0
コンマですね
>>28を採用させていただきます

22・00〜30 何も見つからなかったので、休むことにした(AP1で指定可能)

戦士「…………ダメそうだな……」

女僧侶「……そうですね」

戦士(3時間ほど歩いたが、動物も魔物も出てこなかったな。ちょっと消極的すぎたか?)

戦士(動物ならいざという時の食料になるし、魔物なら金や道具の素材になる。冒険者としては余裕がある今のうちに遭遇しておきたいところだったが……)

戦士「……休もうか」

女僧侶「そうですね……」

戦士「……まあ、食べられる野草と薬草はいくらか集まったし、食事にしよう。僧侶さん、野外の料理は得意かい?」

女僧侶「一応の心得はあります」

戦士「よし。俺は寝床の準備をする。ついでに見張りをしていよう。俺なら作業と同時に周囲を警戒できる。火と料理を頼む」

女僧侶「わかりました」

 それからしばらくの時が経ち……。赤く燃える焚き火の側に、二人は座っていた。
 乾いた枝のはぜる音と、火にかけられた鍋の蓋が鳴る音だけが響いている……。

戦士「ふう……お疲れさん」

女僧侶「いえ、私はただ座って作業をしていただけですから……。戦士さんこそ、すごいですね。こんなものを作ってしまうなんて……」

 女僧侶の視線の先にあるのは、草と枝を組み合わせて作られた小屋だった。
 二人が入ればいっぱいになるごく小さな物だ。
 一見粗末だがその実は見た目以上に頑強で、雨風を通さず衝撃にも耐える。
 小屋の壁のあちこちには草枝で象られた魔術陣がある。これらが小屋に頑丈さを与えている。

戦士「ああ……俺は魔法は使えないが、この程度の術は知ってるんだ。色々な冒険をしてきたからな」

女僧侶「そう……ですよね。戦士さんはAランクですし」

戦士「おいおい、やめてくれって。僧侶さんだってBランクだろ? そんなに変わらないよ」

女僧侶「……ランクが変われば次元が変わる、と言いますよね」

戦士「ジゲンて」

女僧侶「Aランクこそ人の極み。人武の練達の果てと言います。そして、Sランクはその先……神域に至るものたちだと」

戦士「シンイキねえ」

戦士(『あいつら』がなあ……。実力じゃなくて、性格の方が善神に至ってくれたらなあー)

戦士「まあ、生きて修行を続けてれば、僧侶さんもAランクにもなれるよ、うん」

女僧侶「そうでしょうか……?」

戦士「そうそう。『生きて修行を続ける』、それが一番難しいってのはわかるだろ」

女僧侶「それは……その通りですね」

31 : ◆C7xQLPfhHTAe [saga]:2018/11/29(木) 01:23:22.23 ID:UHCznm0y0
戦士(……せっかくだし、色々と聞いてみるか?)


次の話題は……?
↓1

1 女僧侶に出身と生まれ育ちを聞く(コンマの十桁と一桁で決まります。両方をAP1で指定可)
2 戦士が出身と生まれ育ちを聞かれる(コンマの十桁と一桁で決まります。両方をAP1で指定可)

出身表・コンマ十桁(AP1で指定可)
0 冒険者の街
1 出身国の王都
2 北の雪国
3 芸術都市
4 商業都市
5 貧民街
6 宗教都
7 海沿いの都市
8 山奥の村
9 森深くの秘密の村

生まれ育ち表・コンマ一桁(AP1で指定可)
0 貴族
1 孤児
2 農民
3 船乗り
4 犯罪者
5 兵士
6 冒険者
7 都市市民
8 僧侶
9 商人


3 啓示「何かを指定して二人にさせる」(AP1)
4 奇跡「何かを指定して起こす」(AP2)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 01:31:02.65 ID:goH69qTG0
1
33 : ◆C7xQLPfhHTAe [saga]:2018/12/04(火) 19:11:58.84 ID:ph2txtKb0
1 女僧侶に出身と生まれ育ちを聞く
65 宗教都市の兵士

戦士「……そういや、僧侶さんが俺のアンカークエストに同行したのは、生命の神であるゾイナス神の布教のためだったよな」

女僧侶「はい」

戦士「冒険者になったのもそういう理由?」

女僧侶「そうですね。おおむねは」

戦士「ふうん?」

女僧侶「おかしなことのように思いますか?」

戦士「いや、そういうわけじゃない。名を上げたいヤツはいくらでもいるしな。それが神様のためだって別におかしかない。ただな」

女僧侶「ただ……?」

戦士「ま、大したことじゃないが……僧侶さんの身のこなしが少し気になったんだ。武器を持って歩く姿が、僧侶としてはスキがない」

女僧侶「……わかりますか」

戦士「まあ、これでもAランクだから色々なヤツを見てきたよ。……で、戦ならともかく、生命の神様に信仰深い僧侶さんが、武器の扱いに慣れてるってのが少し不思議でね」

女僧侶「さすがですね」

戦士「はははは。ま、ちょっと気になったってだけの話だよ」

女僧侶「……仰るとおり、私は武器の扱いを専門として学んでいます。……実は、私は元は聖兵だったんです」

戦士「聖兵? 生命の神様の?」

女僧侶「いえ。戦の神オードルの、です」

戦士「へえ、オードル? ……オードル!? オードルゥ!!?? オードルってまさか、あのオードルかよ!?」

女僧侶「はい。そのオードル神です」


――聖兵
 神に仕える信徒たちによって運営される教会。その一部は武装した戦士をその構成員とすることがある。
 それが聖兵である。
 多くの聖兵は治安の悪い地区での自衛、都市から離れた村の守護、滞在する重要人物や教会自体に隠された何らかの秘密を守るための警護……といった防衛を目的として置かれる。

 しかし、教会が崇拝する神によってはそういった目的に留まらない、より「積極的」な運用を行われる聖兵も存在する。


 たとえば、そう。


――戦の神 オードル
 オードルは『人間と人間』による、『命を懸けた戦い』を司る神である。
 その権能は国家同士の戦争に留まらず、犯罪者同士の抗争、個人同士の決闘、果ては酒場のケンカのエスカレートまで、あらゆる殺し合いに及ぶ。
 ゆえに、オードルの信徒は殺人を尊ぶ。それもただの殺人ではなく、相手も自分を殺しうる戦いの末の殺人である。
 一方的な殺人は神に捧げるにはふさわしくない。自分の血と相手の血の両方が流れ出て、それが混ざり合う戦いこそを求めるのだ。

 そうした教義を持つオードルの聖兵は、ほとんどが殺人の機会を求めて戦う教会戦士だ。
 表に姿を現しているオードルの教会は、多くが重犯罪者や犯罪組織との戦いによって、治安維持を行っている。
 影に隠れたオードル教会ならば、傭兵組織や闇闘技場を運営していることが多い。

 いずれにせよオードルの聖兵といえば、己と他者の血で世界を朱に染めようとする、凶悪な戦士という認識が一般的である。


戦士(……と、いう女には見えないな)
34 : ◆C7xQLPfhHTAe [saga]:2018/12/04(火) 19:15:36.39 ID:ph2txtKb0
女僧侶「私も実のところ、敬虔なオードルの信徒であったわけではありません。ただ、両親がオードルの聖兵だったのです」

戦士「へ、へえ……?」

戦士(オードル信徒同士が結婚をするってのは珍しいな……。信徒同士の殺し合いも珍しくない神だ)

戦士(オードル信徒同士が治安側と犯罪者側に分かれて、一つの街で激しく合い争ったってこともあったと聞いたことがある)

女僧侶「両親も最初は互いをライバルのように思っていたそうですが……幾度もぶつかりあえど互いを死に至らしめることはできず。やがて、愛が芽生えた……と」

戦士「……らしい話だ」

女僧侶「私の故郷は元々、多くの神の教会が集まる都市だったのです。ですから、オードル神の敵にも事欠かなかった。二人も共に敵対する神の信徒と戦っていたと」

戦士「宗教都市か。なるほどな……」


――宗教都市
 己の司る権能に基づく力を持つ 様々な神がいる。人は神を讃え敬うことで、神の与える恵みを得た。恵みを得た人々は自分たちの信仰に基づき様々な宗教を作り上げ、それを実践する神の信徒となる。
 そうした人々を集め、信仰と生活を提供し恵みを得るために作られた都市。それが宗教都市だ。

 一般的な都市と比較して、神の信徒を税や建築において優遇する政策が取られ、それによって多くの宗教者を集め、多くの神を讃える教会が建てられる。
 集められた宗教者たちはその信仰によって神の与える恵みを都市に還元し、それを求めた人々が都市へと移住する。
 このサイクルによって発展するのが宗教都市の在り方である。
 宗教都市は、神の恵みこそを産業とする都市なのだ。


女僧侶「オードル神教会は街の治安維持と防衛に携わる教会の一つでした。私は幼い頃から教会で武器の手ほどきを受けていたのです」

戦士「そりゃ怖い街だ……。しかし、オードル神の戦士がなんでゾイナス神の僧侶になったんだい」

女僧侶「それは……」


女僧侶が生命の神・ゾイナス神の僧侶になったきっかけとは 残AP・5
↓1

1・ゾイナス神の信徒に命を救われた
2・死にかけた際にゾイナス神の声を聞いた
3・ゾイナス神の信徒に恋をした
4・オードル神の教義にうんざりした
5・なんとなく

6・眠くなってきたので、そろそろ寝る

7・襲撃だ! コンマで>>25のエンカウント表(AP1消費)(内容指定でAP追加消費)

8・啓示
9・奇跡

・システムメッセージ
女僧侶に「宗教知識」「武器習熟」「対人(型)熟練」の設定が付与されました
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 19:18:22.15 ID:G0vC1XJyO
2
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/12/05(水) 00:45:57.67 ID:4YS0ygLt0
中黒があったりなかったりするのは普通に表記ゆれです
もうしわけない
37 : ◆C7xQLPfhHTAe [sage saga]:2018/12/05(水) 00:49:05.46 ID:4YS0ygLt0
2・死にかけた際にゾイナス神の声を聞いた

女僧侶「……街には、私たち以外にもオードル信徒がいました。彼らは闇に潜み、他の組織に傭兵として手を貸して生計を立てていたんです」

戦士「えっ、あれ? ひょっとして、俺が昔聞いたオードル信徒同士が戦っていた街っていうのは……」

女僧侶「私たちのことかもしれません」

戦士「そうだったのか。世間は狭いな」

女僧侶「私たちはお互いを街から消し去ろうと、何度もぶつかりました。そうしてぶつかること、それ自体がお互いの目的でもあったのですが……」

戦士「ははあ。凄まじい話だ……」

女僧侶「……一進一退の状態が続いていました。彼らは状況を打破するため、ソリイン信徒と手を組んだんです」

戦士「ソリイン……! 苦痛と悲嘆の収集者と言われる邪神!」

戦士(宗教都市は邪神犯罪の最前線でもある……。神の力が大量に降り注ぐことで、神界とこの世界の「壁」が薄くなっているからだ)

戦士(その結果、宗教都市では神の恩恵を他の場所よりもずっと受けとりやすくなる。それは善に限らず、悪しき神の力もまた同じ)

戦士(光強まれば影もまた濃くなる。宗教都市はその構造的に、あらゆる神の信徒にとって、魅力的な街になっちまう)

女僧侶「昼の往来でソリイン信徒が突如、武器を取り出し人々を殺し始めました。私たちも対抗しようとしたのですが……」

戦士「ソリインどもは周囲の被害を気にするどころか、むしろ拡大しようとする。影のオードルもそれを気にすることはない、か……」

女僧侶「はい。そして、人々に紛れた殺人鬼の刃に、私も胸を貫かれました」

戦士「胸!? まさか、『死んだ』のか!?」

女僧侶「いえ、かろうじて……私はまだ『死に戻った』ことはありません」

戦士「そ、そうか……。なら、すぐに誰かに助けられたのか?」

女僧侶「……そうですね。私は確かにその時、助けられたのです。我が神に」
38 : ◆C7xQLPfhHTAe [sage saga]:2018/12/05(水) 00:49:35.32 ID:4YS0ygLt0


『なすべきことを与えよう』



『正しく生きる必要はない』



『生とは想いの追求である』

39 : ◆C7xQLPfhHTAe [ saga]:2018/12/05(水) 00:55:28.13 ID:4YS0ygLt0
女僧侶「そんな声が聞こえて……。気がつけば、私は地の上に倒れていた。胸の傷はなくなっていました」

戦士「…………」

女僧侶「周囲ではまだ戦いが続いていました。私はすぐに立ち上がり、神の力を借りて加勢に入った」

戦士「ふんふん」

女僧侶「犠牲はありましたが、私たちはその場にいた敵を全員倒すことができました。そして……属する教会と異なる神の声を聞いた私は、その場で別れを告げたのです」

戦士「え、その場で?」

女僧侶「はい。私はすでにゾイナス神の僧侶でしたから」

戦士「しかし、オードル教会には僧侶さんの両親だっていたんだろ?」

女僧侶「……黙って行くのは少し辛かったですけどね」

戦士「なんでそこまで……」

女僧侶「ゾイナス神がなぜ私に声をかけたのかはわかりません。ただ、確かなのは、私が命を助けられたことです。だからこそ、私は神のために何かをしようと思いました。だから、こうして冒険者になったのです」

戦士「そうか…それは、立派だな」

女僧侶「え」

戦士「神に与えてもらおうとする人間は多いが、借りを返そうとするやつはなかなかいない。僧侶さんは義を知っているな」

女僧侶「そう、でしょうか……?」

戦士「いい話を聞かせてもらった」

女僧侶「いえ、そんな……」

 戦士は笑って立ち上がり、座っていて固まった身体をほぐすように伸ばした。

戦士「……さてと。だいぶ夜もふけてきた。一方的に聞いただけで悪いが、今日は寝るとしようか」

女僧侶「は、はい」

戦士「明日はまた探索だ。ゆっくり休むとしよう」

女僧侶「わかりました」

 女僧侶が戦士の作った寝床小屋に入り、身を横たえる。
 戦士はそれを確認して、寝床小屋の壁に背をあずけて座った。

女僧侶「え? あの」

戦士「俺はここでいい。……気にしないでくれ。明日の昼には中で眠らせてもらうさ」

女僧侶「私がゾイナス神の加護をお借りして、警戒の結界を張ることも……」

戦士「大丈夫だって。僧侶さんは温存しておいてくれ。俺はそう使い減りしないが、僧侶さんは違うからな」

女僧侶「でも……」

戦士「まあなんだ、いばるわけじゃないが俺もAランクの端くれだ。このくらいはなんでもないんだ」

女僧侶「そこまで仰るなら。わかりました。……明日も、よろしくお願いします」

戦士「おう」

 女僧侶は目を閉じ、そしてすぐに眠りに入った。それを呼吸音で確認した戦士は、軽く目を閉じる。
 人里離れたこの森の夜闇に目は役立たない。周囲の環境に集中しつつ、自分の身体を休める技を身につけていた。

戦士(ま、今晩は何もないと思うが)

 戦士の勘の通り、それ以上に何事もなく夜が明ける。
 朝の挨拶と軽い食事を済ませた二人は、再び探索を開始する。

戦士「じゃ、行くか」

女僧侶「はい」

・システムメッセージ
女僧侶に「蘇生経験」の設定が付与されました
40 : ◆C7xQLPfhHTAe [ saga]:2018/12/05(水) 00:56:04.45 ID:4YS0ygLt0
二人は森の探索(午前)を開始した……。
コンマでランダムエンカウント。APを指定することで安価として指定可能。
↓1

00〜10 何も見つからなかったので、昼休みになる(AP1で指定可能)
11〜50 アルラウネが見つかった(AP1で指定可能)
51〜70 動物が【コンマ一桁】匹出てきた。出てきた動物は【コンマ十桁】だ。(AP1で指定可能。数・種類共に決めてOK)
 動物表 5・兎 6・鹿 7・熊(コンマ三分の一匹)
76〜85 ゴブリンが【コンマ一桁】匹見つかった(AP1で指定可能。数も決めてOK)
86〜90 オーガが見つかった(AP1で指定可能)
91〜95 ヤバい相手が見つかった。コンマ一桁が偶数・奇数で分岐(AP2で指定可能)
96〜99 晴れ渡っていた青空が不自然な速度で曇り、大雨が降りだす。近くの小屋に避難しよう。(AP2で指定可能)

1 啓示「何かを指定して二人にさせる」(AP1)
2 奇跡「何かを指定して起こす」(AP2)
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/12/05(水) 01:03:56.91 ID:Tc/9LUkU0
ほい
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2018/12/05(水) 01:17:25.94 ID:4YS0ygLt0
えーっ、5%なら出ないと思ってたのに……
次回に続きます
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/04/15(月) 00:51:24.64 ID:l/MYj2yk0
あけましておめでとうございます かろうじて平成のうちに間に合った…
安価指定までいきませんでしたが(間に合ってない)、投稿をさせていただきます
44 : ◆C7xQLPfhHTAe [sage saga]:2019/04/15(月) 00:53:01.64 ID:l/MYj2yk0
 二人は森の中を歩いている。木の密度はさほどでもなく歩きやすい。木漏れ日も充分にさしこみ明るく、ごく普通の森という印象だった。

戦士「この辺は魔物もそこまで出ないし、それほどの危険はないよ」

女僧侶「そうなのですね」

戦士「ああ。まあ出ても一番ヤバいのはせいぜいがオーガが一体くらいかな。AランクとBランクなら問題はないはずだ」

女僧侶「ご期待にそえるよう、頑張ります」

戦士「ハハハ、期待してるぜ。……まあ、とはいってもごく稀にとんでもない相手がいることもある、って報告を数回知ってる。10年に1度あるかないかだが、一応話しておこう」

女僧侶「はい。わかりました」

戦士「それはな……」

 その時だった。巨大な影が、空中から飛来したのは。
 二人はすばやくその場から飛びのく。巨大な影は二人がいた場所にすさまじい勢いで落下し、あたりの木々をへし折り、ゆらして倒した。

戦士「……こいつだ! マシンゴーレムだ!」

女僧侶「これが!?」

 女僧侶は落下したものへと武器をかまえるが、落下の衝撃で土煙がもうもうと舞い上がり、その姿は見えない。状況を把握し攻撃にそなえるため、必死で目をこらす。
 ふと、その土煙の奥で何かが光ったような気がした。

戦士「危ない!」

女僧侶「えっ!?」

 戦士は女僧侶にとびかかり、その身体を抱きしめてさらにもう一度跳んだ。
 その瞬間、赤い光線が女僧侶のいた空間を貫いた。光はまっすぐに走り、その周辺の木を焼き払い、蒸発させて消し去った。光線は長く維持されることなく、すぐに自らも消える。後には丸く貫通され、燃える木々だけが残る。
 戦士はすでに女僧侶を抱きかかえたまま走り出し、その場を離れている。

戦士「連発はできないはずだが、いちど離れるぞ!」

女僧侶「は、はい……!」

 戦士の本音としては、一方的に光線で撃たれかねない距離に行きたくはなかった。が、女僧侶は光線の威力に身をすくませている。このままでは自分はともかく彼女が危険だ。
 戦士は女僧侶を抱いたまま、風のごとく走り去る。

『…………』

 残された土煙の中から、重い足音を立てながら影が姿を現した。
 四角い鋼鉄のかたまりに、小さくずんぐりした太い足と、巨大な両腕を持った人型の物体。頭にあたる場所には角の生え、まるいガラス窓のついた円筒がある。そして、胸には赤く大きな宝石がはめこまれ、帯びた熱で陽炎をまとっていた。ここから光線を発射したのだ。

『…………』

 鋼鉄の怪物は、二人が逃げ去った方に頭のガラス窓を向ける。それが彼の『眼』なのだった。

『…………』

 巨大な怪物は、しかし、その見た目とは裏腹の俊敏な動作で走り始めた……。
45 : ◆C7xQLPfhHTAe [sage saga]:2019/04/15(月) 00:58:54.40 ID:l/MYj2yk0
戦士「ふう……よし、ここまで来れば少しくらいは時間が稼げるだろう」

女僧侶「……あ、あの。もう大丈夫です。下ろしてください」

戦士「おっと、悪い」

 戦士はいちど森の外へと向かって走り、その途中で森の奥側へと外縁に対して弧を描くように移動していた。
 できるだけ見通しが悪く、みつかりにくい場所へと向かっていたのだ。

戦士「やつは感覚が異様に鋭いからな……。俺達を追ってくるだろう」

女僧侶「あの……あれは、一体」

戦士「ああ。あれは、マシンゴーレムだ。A中級の魔物、ってところだな」


――マシンゴーレム
 遺跡の森に点在する遺跡の奥底で、貴重な宝物などを守る機械人形。古代文明の技術で作られており、非常に頑丈かつ強力。近づけば巨大な腕による打撃、離れれば胸からの光線、逃げれば高速で追跡と、スキがない。その能力のどこかを正面突破できるか、相手を無力化できる搦め手に長けていなければ生き延びることはむずかしい。
 本来は侵入者を攻撃するための道具であり、地上に出てくることはない。


戦士「……しかし、時たまにああして地上に出てくるヤツがいる。悪いことに、出てきたやつは人間を殺すのが大好きになってやがる」

女僧侶「命じられたとおりに動く機械が、どうして……」

戦士「多分、この森の魔力のせいだな。魔力対策はされているはずだが、長い年月のうちにそれも緩んでくる。で、頭を魔力に侵されちまうことがあるのさ。そうなりゃ、魔力から生まれる他の魔物と変わらないわけだ」

女僧侶「……では、放って逃げる、というわけにもいかないのですね」

戦士「いいね、覚悟は決まってるわけだ。ま、逃がしてはくれないだろうしな」


戦士(ざっと見積もって、相手が一匹ならAランク以上が二人、もしくはA1、B2ならかなり高い確率でやれる相手だが……)

戦士(AとBの二人だけだと、少し荷が重いな。負けはしなくとも、どっちかがやられたり大怪我をする可能性がある)

戦士(逆に俺一人なら色々やりようもある。が、あいつは先に僧侶さんを狙った。実力が低い方を見抜いて攻撃してくるわけだ。これが厄介だな)

戦士(仮に僧侶さん一人を逃がしても、その後を追われたり、あの光線で撃たれる可能性が高い)

戦士(二人でやるしかないな)

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