イケメン「……君が好きだ」美少女「……え?」男「やべぇ変な玩具の音がとまんねぇ」

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272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 08:45:11.44 ID:pvKyG92hO
よく逃げ出せたな
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 19:36:12.34 ID:W5tYrCVco
>>271
白髪少女√なら問題ない
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/03/06(水) 19:38:07.41 ID:qIUfcjnC0
あれを見てた女友達が生きてるんだからな
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 19:46:52.00 ID:gu11y0EGO
1は生きてて2が死ぬのほんと胸糞
276 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/06(水) 21:08:16.79 ID:+bz38tKd0
すみません遅れました
今から続き書いて出来た都度ごと投下します
277 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/06(水) 21:16:31.92 ID:+bz38tKd0
その前にちょっと違和感あった部分を訂正です。

>>270
↓この部分、

男は思わず渇いた笑みを浮かべる。
予想が当たっていたのである。
この男は疑いようもない、ヤバイやつだった。

そして……話を聞いてしまった以上、
何も知らぬ分からぬ他人同士では無くなってしまう。


これを↓で。

男は思わず渇いた笑みを浮かべる。
どうやたら予想は当たってしまったようだ。
この男は疑いようもない、
ヤバイやつだった。

しかし……話を聞いてしまった以上、
何も知らぬ分からぬ他人同士では無くなってしまう。
278 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/06(水) 21:21:14.22 ID:+bz38tKd0
ちょくちょく文章の訂正入ってすみません。

正直なところ他にも直したい所はいっぱいありますが、
なるべく話を進めるほうを優先したいと思うので、
ぱっと見てすぐに違和感あると気づいた文章とかだけ訂正してます。

では続き書いていきます。
279 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/06(水) 22:09:41.75 ID:+bz38tKd0
ゴリマッチョ
「そうなんだよ。
 俺はそんな真似はしねぇってのに……。
 絶対そんな真似だけはやらねぇんだよ。

 ……ああいや、すまねぇ。いきなりこんな話して。

 見ず知らずのあんたにこんな事言っても、
 どうにかなるこっちゃねぇのは分かってんだけどな……」

男「……まあその、それはその通りだけど。
  でも、口から出てしまった言葉はもう引っ込められない。
  言ってしまった事を後悔してもしょうがないだろ」

ゴリマッチョ
「あんた優しいな」

男「そうでも無いけどね」

ゴリマッチョ
「そんなことはねぇさ。

 ……まあでも、本当にすまねぇ。
 結構俺も参っててな」

男「……大変そうなのはなんとなく分かる。

  まあその、
  手伝うとか協力する云々は置いておいて、
  ひとまず詳細ぐらいなら話を聞いても良いが……?」


男としては正直、
このゴリマッチョを追い払いたい、
そんな気持ちでいっぱいではある。

だがしかし……、
中途半端にでも事情を耳にしてしまった以上、
中身を聞かないというわけにも行かない。

面倒くさい厄介事である気配を如実には感じるが、
多少でも事情を知ってしまえば、
どこかから飛び火が来る可能性が、
低いながらに考えられた。

知ってしまった――と言う事実そのものが、
飛び火の矛先になる可能性を孕んでいるのだ。

そして……だからこそ、
関係を持つかどうかはひとまず横に置いて、
詳細は知っておく必要があると言えた。

どこまでを知っているか否かで、
いざという時の対処の幅に違いが出てくるのである。

何も知らなければ、
もしも万が一があったとしても、
本当に知らないのだから、
まったく分からないで押し通せるのに……と、
男は舌打ちの一つでもしたい所だった。


ゴリマッチョ
「……良いのかよ」

男「話聞くだけなら。……念押しするけど、話聞くだけなら」
280 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 00:50:17.64 ID:mfkrLMXq0
ゴリマッチョ
「……でも今さっきも言ったが、
 あんたにゃあ関係ねぇ話ではある」

男「知ってしまったってだけ、
  で火の粉が飛んでくる可能性もあるだろ?
  詳細聞いておけば、
  そういう時にも良い手が浮かぶかも知れない」

ゴリマッチョ
「そう言えばそうか……。
 つい愚痴っちまっただけな気がしてたが、
 確かに何かあるってのが無いとも言い切れん。

 ……巻き込んじまったか」

男「何もない可能性のが普通に高いし、
  あくまで最悪の場合だろ巻き込まれるって」

ゴリマッチョ
「……本当にあんた優しいねぇ。
 初対面だけど、
 そいつだけは分かる」

男「分かったから、上がっていきなよ」

ゴリマッチョ
「……分かった。そいじゃあ、ちょいとお邪魔するぜ」ドカドカッ


男はため息混じりに、
ゴリマッチョを三階の居住スペースに招き入れる。
すると、部屋の中に入った途端に、
洋菓子の甘い匂いが漂ってきた。


ゴリマッチョ
「……何だ良い匂いがするな」

男「確かに」

白髪少女
「おっ、戻ってきたか。
 ちょうど良い時間に帰ってきたな。
 食べて貰おうと思ってお菓子を作っていたぞ」トテトテ

男「……それ、アマレッティか?
  小さい頃に良く食ってたな」

白髪少女
「口に合えば良いんだが――ん?
 ところで……その手に持ってるミモザと、
 後ろの見知らぬ男は誰だ?」

男「花はお前にだ。
  ミモザの日も近いしな」

白髪少女
「……良いのか?」目パチクリ

男「日ごろの感謝って言うのを、
  形にしておこうと思っただけだよ。
  その為のミモザの日だろ」

白髪少女
「嬉しい事をしてくれるな。……ありがとう」

男「で……後ろの男はちょっと話を聞く為に上がって貰ったんだ」

白髪少女
「……なるほど、お客さんって事だな。
 では紅茶の一つでも入れるとしようか。
 待っていて貰えるか?」

ゴリマッチョ
「あ、あぁ俺は別に構わねぇが……」
281 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 03:06:45.73 ID:mfkrLMXq0
白髪少女
「大した手間ではない。
 気にする必要はない」

ゴリマッチョ
「……」

男「……どうかしたの?」

ゴリマッチョ
「いや……綺麗な人だなと思ってよ」

男「そうか」

ゴリマッチョ
「いい女を手に入れたんだな」

男「……手に入れたってわけでもないけど」

ゴリマッチョ
「そうなのか? 
 でも見た感じ、
 一緒に住んでるんだろ?
 なら手に入れたも同然じゃねぇか。

 ……それとも何だ、
 顔は似てねぇけど兄妹とか?」

男「そういうわけでも無い」

ゴリマッチョ
「……って事は何か訳ありか。
 まあ野暮な詮索はしねぇさ」

男「そうしてくれると助かる。
  ……さて、じゃあ座ってくれ。
  話を聞こう」


男が座るように促すと、
ゴリマッチョはまるで我が家の椅子に座るかのように、
勢いよく腰掛けた。

見た目通りに豪快というか無遠慮と言うか……。

まあ気にしてもしょうがない事であるんだけれどと、
男は息を軽く吐くと対面に座った。


男「……で、ハメられたって言う話だけど」

ゴリマッチョ
「ああ、そうだった。
 その話をするんだった。

 ……ただ、それについて話す前に、
 これは先に言って置きたいんだが……。

 俺は正直言ってあんまり頭が良くねぇ。

 だから、もしかしてあまり要領を得ない、
 そんな説明になっちまうかも知れねぇんだが、
 そこは許してくれ……」

男「別に気にしないよ」
282 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 03:24:45.78 ID:mfkrLMXq0
すみません。
一旦ここまでです。
今日は特に用事等が無いので……、
早めに続き書きに戻って来れると思います。
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 11:01:53.55 ID:boNyk6WAo
見てるよー
284 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 16:40:37.10 ID:mfkrLMXq0
戻ってきました。
今から続き書きます。
285 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 18:11:49.60 ID:mfkrLMXq0
ゴリマッチョ
「……助かる。それじゃあ、ぼちぼち話すとするか」


そう言うとゴリマッチョは鼻から大きく息を吐き、
どこか遠くを見つめて、経緯を話し始めた。


ゴリマッチョ
「俺はな……とある二次団体の組の構成員だったんだ。
 そこは昔堅気の義理と人情に厚い良い組で、
 特に親父がそうだったよ。
 まあ組の雰囲気を決めるのは頭だ。
 当然っちゃ当然だがな。

 ……まあともかく、でも、だからこそな、
 皆がそういう親父を慕ってた。
 義理人情を忘れねぇ人で、
 俺もそいつに救われて組員になったもんで、
 同じように慕ってた。

 だけどよ……親父も年寄りだった。
 少し前にあの世に逝っちまってな。
 まあ皆で悲しんで、
 ド派手に葬儀もしてやったんだ」


……薄々勘付いてはいたものの、
この発言で男は確信を得た。

間違いなくこいつはヤ○ザなのだと。

ゴリマッチョがたった今捲った袖の下に、
綺麗なお絵描きがしてあったのも、
それの裏づけと言えるだろう。
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 19:02:28.60 ID:CdZb2/QsO
どんどんヤバいの出てるな
287 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 20:17:57.23 ID:mfkrLMXq0

男(ヤバイやつだとは思ってたけど、
  まさかその筋の人って言う方向性のヤバイだったか……)


自分の額に冷や汗が滲み出るのを感じつつも、
男は黙ってゴリマッチョの話の続きを聞いた。


男「……」

ゴリマッチョ
「……で、そんな風に親父とのお別れを済ませた後の事だ。
 次に誰が頭をやるか、と言う跡目の話になるんだが、

 順当に行けば……そいつは俺だった。

 俺が親父に拾われたのが十五の時で、
 こう見えてかなりの古株だからな。
 それに――若頭っていう立場だったから、
 誰もがそれに異なんか唱えやしねぇ。

 上の方の組織のお偉方も、
 それが伝統だ、と。

 だが……俺は考えに考え抜いた結果、
 降りる事にした。
 
 何せ今は時代が時代だからよ、
 昔のやり方じゃあ、
 まかり通らねぇ事も多くなったんだ。

 俺は昔のやり方しか出来なくて、
 言わばそいつは化石みてぇなもんで、
 だが、それじゃあもう駄目なんだ。
 
 昔のやり方に拘ってたら、
 必ずいつか組は無くなる。
 でも俺はそれしか出来ねぇ。
 だからこのまま行けば、
 俺が跡目を継げば、
 おそらく大切な場所が、
 ……俺のせいで無くなっちまうと思ってよ。

 そいつだけは……耐えられなかった。

 だから、頭が良くて時代を取り込んでいけるような、
 そんなヤツに譲る事にした。

 けどよ、そいつが間違いだった。
 その選択が全ての間違いの始まりだったんだ……」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 21:48:15.84 ID:GcXV9MoAo
なかなか話が進まないな
289 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 22:21:39.00 ID:mfkrLMXq0

ゴリマッチョの眉間に皺が寄った。
どうやら、ここから話が急展開するらしい。

と、その時だった。
剣呑とした雰囲気を和らげるような匂いが漂う。
先ほど作ったと言っていたアマレッティと、
淹れたての紅茶を白髪少女が持ってきたのだ。


白髪少女
「……待たせた」


「……美味いしいな。
 折角持ってきてくれたんだし、
 あんたも食べると良い」パクッ

ゴリマッチョ
「……頂こう」


一口含むと、
ゴリマッチョの頬が幾らか緩む。


ゴリマッチョ
「ははっ……この菓子、美味ぇな。
 ただ紅茶の方はな……こんなお上品な飲み物、
 飲んだ事ねぇや」

男「あまり馴染みは無いだろうから、
  飲めないなら無理はしなくて良い」

ゴリマッチョ
「出されたもんだ、きちんと飲むさ――お、おおう。
 抹茶とか麦茶と全然違うな……香りが強い」

白髪少女
「……そういう飲み物だ。
 その香りが気持ちを落ち着けたりする」

男「先ず香り、とも言うしな」

ゴリマッチョ
「そういうもんなのか……。
 お洒落だな」

男「お洒落ってわけでもないけどね。
  まあ、そういうイメージが付いちゃってるのは否定しないけど」

白髪少女
「……ところで」

男「ん?」

白髪少女
「真剣な話のようだが……私は居ない方が良いか?」

男「……俺はどっちもで良いけど、
  あちらさんが嫌かどうかだな」チラッ

ゴリマッチョ
「俺か……? 俺は別に居て貰っても構わねぇが」

男「だそうだ」

白髪少女
「……それでは、同席させて貰おうか」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 22:35:01.87 ID:52/h+SdA0
>>288-289
ワロタ

語りを通してのキャラ描写が1の得手なのか拘りなのかわからんが
男が典型的なやれやれ系(本来関わらないままでいられる事に首をつっこんでいく)でないことを祈る
291 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/07(木) 22:57:00.03 ID:mfkrLMXq0

そう言ってから、
白髪少女は男の隣に座り、
それを確認した男が、
ゴリマッチョに話の続きを促した。


男「……それじゃあ続きを」

ゴリマッチョ
「分かった。
 で……確か、代目を別のやつに譲った、
 って所まで話したよな?」

男「ああ、そこまで聞いた」

ゴリマッチョ
「じゃあその続きからだな。

 ……まあその、それで、
 俺は代目を譲った当初なんだが、
 ある意味安心しきっててな。

 さっきも言った通り、
 みんな親父の事慕ってたから、
 やり方が変わったって、
 時代が過ぎたって、
 親父の説いた心のありようだけは、
 絶対に変わらねぇんだってさ。

 ……あいつに任せれば、
 親父の心意気を残したまま、
 組を維持出来ると思ってた。

 俺は適度に見守りつつ、
 何か事が起きたら、
 力づくで助けてやるくらいの気持ちだったな。
 俺は馬鹿だが喧嘩だけは自信がある。
 それぐらいなら、
 組の為ならお安い御用だったからな。

 ……まあその、このやり方で、
 これからは上手くやってけるんだって、
 俺は思ってたんだ。

 ……だが、あいつはそれを裏切ってくれた。

 あいつは実際に組長を襲名して、
 それからすぐに薬の売買に手を出し始めた。
 これは資金源として重要だって言ってな。

 けどよ、そいつは……親父がもっとも嫌ってたもんでもあった。

 ……親父は昭和初期産まれでよ。
 若い頃に戦前戦後を経験してる。
 その時にヒロポン――当時の麻薬を使って、
 おかしくなっちまったヤツを何人も見てきたらしい。

 だからアレに手を出したら終わりだ、と。
 俺たちがアレを扱う事も何があっても許さない、と。
 そう常々言ってたものでもあった」

男「……」

白髪少女
「……」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:21:58.90 ID:ro4Dl6L3O
あいつだよなあたぶん
組長とかマジかよ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:22:06.01 ID:thUVpFkGO
深刻な話なのにゴリマッチョでなんか感じが変になる
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:25:29.20 ID:JCMnY1cF0
キン肉マンとかの方がいいのか
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/03/08(金) 00:25:24.00 ID:mCN/Hz/E0
禿頭で上半身風船みたいに膨れてる奴だろ
龍が如くの嶋野みたいな
296 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 01:24:47.89 ID:PoLGidKm0
すみませんちょっと一旦中断です、
午前中には戻ってきます。
297 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 11:26:36.21 ID:PoLGidKm0
戻ってきました。
今からぽつぽつ続き書いてきます。
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 12:39:43.92 ID:80El/9O8o
舞ってた
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 12:46:28.71 ID:3u8a/zHA0
現時点では男と関係ないこの長話、今日で終わるんだろうな…
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 13:32:07.34 ID:GfPOYx++o
ゴリマッチョは話をダラダラ勿体ぶるからウザすぎる
301 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 14:42:13.72 ID:PoLGidKm0

ゴリマッチョ
「だから……当然に俺は咎めた。
 そいつだけはやっちゃいけねぇんだろ、と。

 お前だって親父の葬儀で泣くぐらいに、
 慕ってたじゃねぇかよってよ。
 なら、不義理するような真似するんじゃねぇよってな。

 ……だがそしたら。

――親父の事は慕ってたが、
――それでもそのやり方まで良しとするわけじゃねぇ、
――こいつは利益になるんだよ、
――組の未来の為なんだよ。

 なんて……言い返されちまって、
 はっ、俺も短気だからよ、
 すぐに喧嘩になっちまった。

 その結果は当然……腕っ節が強い俺が勝ったが、
 それから組はぎくしゃくしちまった。

 ……で、そのうちに、
 あいつは変な中国マフィアのガキとつるむようになってな。
 薬を良く買ってくれるお得意さんらしいが、
 どうにもそいつは色々と怪しすぎた。

 ただ金が欲しくて薬が欲しい――って感じじゃあなかった。

 ……俺はすぐに進言しようと思ったよ。
 これは面倒な事になるって直感したからだ。
 だが、それはすぐに思い止まった。
 今更俺の言う事なんて聞きゃあしねぇだろうし、
 無理に言えばまた喧嘩になるからな。

 だから……俺は中国マフィアのガキの尻尾を掴む為に動く事にしたんだ。
 化けの皮さえ剥いじまえば、
 俺がそれを暴けば、
 少しは俺の話に耳を傾けてくれると信じて。

 そして――その最中に起きたのが連続通り魔の事件だった。

 最初は物騒な事件が起きただけだと思ったが、
 内容を見りゃあ薬の可能性があると来たもんだ。

 何か嫌な予感がした。

 そこで俺は馴染みの情報屋に連絡を取って、
 色々と話を聞いてみる事にしたんだが……。

 そしたら出てきた」


男「……出てきた? 何が」


ゴリマッチョ
「連続通り魔に関わる一連の流れが、だ。
 うちの組が関わってた。
 通常の薬の五倍の値で買うってそのガキに言われて、
 開発中止になった危険な薬をどっかから仕入れて、
 大量にそのガキに売ったらしい、と」
302 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 17:46:02.48 ID:PoLGidKm0
ゴリマッチョ
「……それが、今回の事件で使われた麻薬だ」


男「……」


ゴリマッチョ
「そんで――それを聞いた瞬間、
 俺は気づいたら激怒して組に乗り込んでた。

 何のつもりだ!
 金の為に変な薬を世の中にバラまいて、
 連続殺人鬼を作るのが、
 俺らの在り方なのか!

 って、暴れまくってやった。
 壁なんか穴だらけになっちまったし、
 窓ガラスも全部割れちまったし、
 辺り一面血みどろにしてやって……で、その内に警察が来たよ。

 まあ俺としても、
 やっちまったって感はあった。
 すげぇ音はしたから、
 近所の誰かが通報したのかってよ。

 ただ、あくまでこれは組内での揉め事だ。
 だからお宅には関係ねぇよって、
 警察に丁重にお引取り願おうと話をしようと思ったら、
 俺にワッパかけようとしてきやがった。

 連続通り魔事件の容疑者として拘束します、って言葉と共にな。

 俺は一体何の事か分からなかったね。
 ただ、その光景を見て、
 あいつが笑った。
 そして俺にだけ聞こえるように、
 耳元で言った。


――もうあんたは必要ねぇんだ。
――大人しく豚箱にでも入っててくれ。
――最近……イタリアマフィアも入国してるって話もあった。
――目的は分からねぇが、俺らの領分を侵す可能性がある。
――その場合は抗争に必要な武器を買う金が要る。
――あんたのやり方じゃあ、
――この先やってけねぇんだ。


 ……この時ハメられたんだって、
 前々からそのつもりだったのかってよ、
 薬で利益を得るついでに、
 俺の事も消し去るつもりしてやがったのかって、
 いくら馬鹿な俺でも理解して、
 全身の力が抜けるような気分だった。
 いくら喧嘩したって、
 家族みてぇなもんじゃねぇか。
 ハメるなんて……」


うっうっ、とゴリマッチョは涙ながらに語る。
余程裏切られたのが堪えたのだろう。
303 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 19:36:54.03 ID:PoLGidKm0

男「……なるほど。
  で、どうにかしてそこから逃げ出して、
  勝手に隠れ家認定していた家に来た、と」

ゴリマッチョ
「……おうよ。
 何せやってねぇんだ。
 誰かの身代わりで捕まるならともかく、
 こんな捕まり方は納得行かねぇって、
 すぐに気取り直して、
 そのまま警官殴り倒して逃げ出したんだ。

 でよぉ、隠れながら薬中の真犯人を探すつもりしてたんだ。
 そいつ見つけて冤罪を晴らすつもりしてた……」



鼻水をすすり、
大粒の涙を流すゴリマッチョを見て、
男はこの人物が段々とかわいそうに見えてきた。
とは言え……話は聞くだけと言ったし、
そのつもりをしていたので、
どうこうは出来ないが……。

と、思っていると、
おもむろに白髪少女が口を挟んできた。



白髪少女
「……すまん。今の話で少し気になる部分があった」

ゴリマッチョ
「お、おう? なんだよ」ズビィ

白髪少女
「お前はいわゆるジャパニーズ・ヤク○で間違いないな?」


ゴリマッチョ
「そうだが……。し、しかし何だその言い方。
 お前さん外国人か何かか……?
 そういや顔もどことなく日本人ぽくねぇ感じの、
 ハーフみてぇな美人だが……」


白髪少女
「日本語は喋れるが、確かに生まれは日本ではない。

 ……まあそれはともかくとして、
 先ほどの話にあった入国したと言うイタリアマフィアについてだ。

 それがジャパニーズ・ヤ○ザの領分を侵すと、
 そう考えられている、と言ったな?」


ゴリマッチョ
「……目的が分からねぇから、
 そうかも知れねぇって思ってるのは、
 確かに居るかも知れねぇってだけだがな。

 俺は組では……言った通りに、
 ぎくしゃくしちまってたから、
 情報入って来なくて、
 俺も情報屋から聞いて始めて知った話だ。

 ただありえなくはねぇ話だろうな。
 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ……」


白髪少女
「……動きを読む必要などない。恐らくその心配はいらない」

ゴリマッチョ
「あ……?」キョトン

白髪少女
「大方そのイタリアマフィアは、
 日本に居る息子の顔でも見に来ただけだ」フッ
304 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 19:46:15.28 ID:PoLGidKm0
ごめんなさい。
またまた訂正です。


この発言↓を

ゴリマッチョ
「……目的が分からねぇから、
 そうかも知れねぇって思ってるのは、
 確かに居るかも知れねぇってだけだがな。

 俺は組では……言った通りに、
 ぎくしゃくしちまってたから、
 情報入って来なくて、
 俺も情報屋から聞いて始めて知った話だ。

 ただありえなくはねぇ話だろうな。
 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ……」



↓に訂正です。ゴリマッチョの発言がおかしすぎました。ごめんなさい。


ゴリマッチョ
「……まあ俺もワッパかけられそうな時に、
 新しい組長のそいつにちらっと言われただけで、
 良くはわからねぇが……。

 ただありえなくはねぇ話かも知れねぇがな。

 一時期ロシアのマフィアが進出して来ようとした時もあったし、
 中国マフィアだって……今は住み分け出来てるが、
 いつどうなるか分からねぇ。
 海外勢は動きが読み辛ぇ」
305 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/08(金) 19:56:01.66 ID:PoLGidKm0
>>304での訂正の発言は>>303のゴリマッチョの発言の訂正です。
すみません。
情報屋のくだりでイタリアマフィア云々は入れるか迷ったのですが、
結局入れずに代わりに新組長の発言にして、
ついさっきの事なのにそれを忘れて続き書いてしまったせいです。
許して下さい。

それでは続き書いていきます。
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 20:03:46.82 ID:3u8a/zHA0
このあと美少女からのラインを見る場面になるんだろうが
その場の状況がどうであれ、落ち着かせて警察に戻るよう促す以外の選択肢なくね
なんなら一緒にいくとか、そこからなにがしか展開はあるにせよ
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 20:37:43.65 ID:LnCadfIlo
ぬぽーん
308 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 00:30:47.19 ID:hbDcko0o0

ゴリマッチョ
「何でそう言い切れるんだ……?
 知り合いか何かなのか?」

白髪少女
「……いや、そんな感じがすると思っただけだ。
 だが、ただの予想だと思ってくれるな。
 私のこの言葉は信じて良い言葉だと約束しよう」

ゴリマッチョ
「……詳しくは言えねぇ訳でもあるって感じだな。
 まあウソ言ってるように見えねぇし、
 信じても良いっちゃ良いけどよ」

白髪少女
「そうしてくれると助かる」

男「……」

男(……結構ハッキリ事柄を言うハズの白髪少女が、
  妙に変な言い方をするな……。

  何かあるのか?
  イタリアマフィアと。

  そう言えば元々は親父に助けられたんだったよな。
  親父も確か基本的な活動拠点がイタリアだったハズだ……。
  その繋がりから考えれる事とすれば――
  
  ――イタリア、オヤジ、マフィア。

  ……んん? んんん!?
  ……いや、まさかな?

  でも妙に親父は羽振りが良さそうだよな。
  白髪少女に大金持たせてたようだし。
  普通の仕事してたら、
  こんな金持ってるか……?)


男の脳裏にはふと、
自らの父親の素性についての考察が巡った。
まさか……と思う気持ちが強くなり始め――

――るるっ、とスマホがラインの着信を告げる音を発した。

……何だこんな時に、
と男が思いながらにラインを開くと、
それは美少女からの助けを求める連絡だった。


――男さん。
――突然の連絡ごめんない……。
――でも今、凄く大変で。
――助けて欲しいんです……。


男「……え? 助けて欲しい?」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 01:43:14.25 ID:Qmn0+V2Ao
vipのやつ落ちてから見てなかったけどここに移動してたのか
310 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 01:53:55.43 ID:hbDcko0o0

漠然とした「助けて」に、
一体どういう事なんだと、
男は事情が飲み込めなかった。

だから、ひとまず何が助けてなのか、
それを尋ねて見る事に決める。


――どうしたの。


と、男がラインを送ると、
すぐさまに返事が返ってきた。


――何て説明したら良いのか……。
――でもこのままだときっと、
――私ひどい目に合っちゃうんです。
――男さんに会いたい、会いたいです……。


どうやら美少女は、
冷静さを欠いているようだった。
助けてという強い思いが前面に出て、
詳しい事情は語ってはくれない。
恐らく焦りや不安が先に出て、
こちらの意図がきちんと通じていないのだ。

これは……直接会って聞くしかないかも知れない。
男はそう思った。
しかし同時に、これに自分が首を突っ込むべきなのか、
と言う思いも抱かずには居られなかった。

男からすれば美少女はただの元お隣さんだ。
それなのに、どうして自分に助けての連絡をするのか。
そんな自分よりもまず先に、
しかるべき相談すべき人や場所があるように思えるのだが……。

それを考えると、
男としても何も考えずに今すぐ行くとは言い辛い。



男「……」

白髪少女
「……急にどうした?」

ゴリマッチョ
「そうだな。何だスマホをじっと見てよ」

男「……いや実はたった今こんなラインが来てな」



自分では少し判断がし辛い。
そう思った男は、この二人に意見を貰おうと思い、
ラインの連絡を見せた上で、
美少女との関係性やこの連絡に対する自らの考えを述べた。



ゴリマッチョ
「なるほど……まあお前の考えは分からんでもない。
 だがこの文章見る限り――」

白髪少女
「――助けてを言おうと思って、
 最初に頭の中に思い浮かんだのが、
 男だと言う事では無いか?」

ゴリマッチョ
「だろうな……」

白髪少女
「これは……頼るべき者が他に居るのにという話ではなくて、
 誰を頼りたいか、と言う話だ。
 お前はただのお隣さんだと思っているかも知れないが、
 相手は違うかも知れない」

男「は……?」
311 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 02:15:39.19 ID:hbDcko0o0
すみません一休みします。
午前中には戻ってきます。
ようやく長々としたゴリマッチョのこれまでの経緯話が終わりました・・・。
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 02:33:34.84 ID:gGLMFOCkO

これだけ時間割いたからには役に立って欲しいなゴリマッチョ
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 07:19:59.62 ID:eYEGFDZA0
>男「は……?」

ブレねえなwww
こういうとこ好感触

ゴリマッチョは既に指名手配されてる筈なんで、
家ならともかく屋外で行動を共にするのはない
一度別れるのか、それとも美少女からの連絡を機に家に置いていくか
314 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 11:45:43.25 ID:hbDcko0o0
戻ってきました
ぼちぼち続き書きつつ出来た都度投下します
315 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 15:35:04.72 ID:hbDcko0o0
すみません
ただでさえ遅いのに
今日はさらにちょっと時間かかってます

PCの電源が途中で勝手に落ちるようになってしまいまして・・・
夜までにはなんとかしますので・・・

本当に申し訳ないです・・・
316 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 19:37:49.94 ID:hbDcko0o0
よし、ひとまずなんとかなったので、
続き書きます
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 20:38:20.97 ID:/47kVDNPo
舞ってたぬぽーん
318 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 21:44:57.49 ID:hbDcko0o0

ゴリマッチョ
「は? 、って事もねぇだろうに。
 ……朴念仁なのかい?」

男「誰が朴念仁だよ……」

白髪少女
「お前だお前。
 と言うかこの様子だと、
 私が前に言ったことを覚えていないな?」

男「前……? 何か今回に関係ある事、喋ってたっけ?」

白髪少女
「……覚えてないなら良い。

 しかし……想いが明らかに分かる女からの連絡を、
 こうも鈍感に無碍にするか。 
 ふふっ……私も前にああは言ったものの、
 考え直して見ればこれは逆に、
 案外と安心出来るかも知れないな。

 絶対に間違いは起きないだろうから、
 安心して送り出せる」

ゴリマッチョ
「……据え膳食わぬを恥と思って無さそうだ」

男「……何か良く分からないが、
  馬鹿にされてる気はする」

白髪少女
「馬鹿になどしていない。
 むしろ好ましいと思い始めている」

ゴリマッチ
「隣に居る女から見ればそら好ましいだろうなぁ……」


呆れたような二人の声に、
どうしてそうなるのかと、
男はどうにもそれが理解が出来なかった。

ただこのままだと、
自らの胸内に苛立ちが募りそうなのだけは分かったので――、


男「……何でも良いんだけど、
  結局これどうしようかね」


――無理やり話を戻す事にした。

すると、男の雰囲気を機敏に感じ取ったのか、
白髪少女がその表情を真剣なものに戻して、
それを見たゴリマッチョも続いた。


白髪少女
「ふむ、どうしたら良いか、か……。

 そうだな……男の好きにしたら良いさ。

 私はお前が助けに行くと言うなら協力するし、
 行かないと言うのであれば、
 何もしないだけだ。

 助けての状況が良く分からないから、
 それに対しての意見や助言も出来ない。

 なら、助けを請われたお前の判断に倣うだけだ」
319 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/09(土) 22:37:18.18 ID:hbDcko0o0

男「……なるほど」チラッ


ゴリマッチョ
「んお? 俺か?
 俺も……何とも言ねぇな。
 そもそもその女の事も良くわからねぇ。

 まあただ……女から助けてって言われたんなら、
 助けに行けば良いんじゃねぇかなとは思うが。

 ……話も聞いてもらったし、
 お返しと言ったら何だが、
 もしも行くなら用心棒ぐらいの事はするぜ?
 何があるか分からねぇからな。

 ……恐らく遅かれ早かれ、
 俺は指名手配されちまうから、
 それまでの間になっちまうけどよ」


男「指名手配……そう言えばあんたは、
  今かなり危険な状況なんだよな。

  ……別に俺は話を聞いただけだし、
  変に恩に着る必要はないぞ?
  話を聞いておいた方が良いって言う、
  こっちの都合もあったしな。

  ……あんたは何も気にせず、
  後は自分の身を案じて、
  逃げるなり何なりすれば良い。

  ……変に意見貰おうなんてして、
  引き止める見たいになって悪かった」


ゴリマッチョ
「……別に悪いなんて思う必要はねぇさ。

 ……にしても、
 後は逃げて良いだなんて、
 そいつはありがたい提案だ。

 ただ……それをそのまま受け取っちまったら、
 俺も男が廃るってもんだ。

 恩と言うかこいつは義理って言う方が正しいな。

 でよ……その義理ってヤツを気にしなくなったら、
 俺は極道として胸張れねぇんだ。

 だから、話聞いて貰った分は何かする。
 もしも行かねぇんだとしたら……、
 欲しい情報のひとつでも情報屋から買って来てやるさ」


男「……いやでも、そんな事言われてもなぁ」ウーム

白髪少女
「……まあ何にしろ、
 行くにしろ行かないにしろ、
 早めに決断した方が良いとは思うぞ」

男「そいつはそうだ。
  さすがに無視は不誠実だしな……。

  どうでも良い連絡ならそれもありだが、
  今回みたいな連絡の場合は、
  無視は無しだろうとは思ってる」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 23:35:43.24 ID:a9BUg9Kbo
LINE見て助けに行こうと決断するだけで時間かけすぎだろ…
321 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/10(日) 02:42:32.59 ID:j9rzdMZK0

白髪少女
「であれば、早めに決めるんだな」

男「分かってる……」


男が決断を下したのはおよそ五分後だった。
そこまで時間が掛かったわけではないが、
多少は悩んだせいもあるのか、
体感時間としてはその倍くらいあるように男には感じられた。


白髪少女
「……決めたようだな」

ゴリマッチョ
「さ、どっちにするんだ?」


男「――助けに行こうと思う」

白髪少女
「……そうか。分かった」

ゴリマッチョ
「よーし……そうと決まれば俺も用心棒でついてくよぉ」

男「……何か嫌って言ってもついてきそうな雰囲気。
  はぁ……取り合えず断るのは諦めるけど、本当に良いの?」

ゴリマッチョ
「自分なりのルールで決めた事だ。
 よっぽどの事がねぇ限り撤回はしねぇさ」

男「……分かった。頼りにしてるよ」

ゴリマッチョ
「任せろ」パシッ

白髪少女
「それでは私も準備をしてこよう。
 と言っても、動きやすい服装に着替えるだけだがな」

男「了解。……じゃあ俺はその間にラインの返事でも送っとく」




……


322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 13:33:40.14 ID:LefFJazA0
そこそこ楽しみに追ってはいるが
ゴリマッチョはもう指名手配されてるだろ
本人が認識してないだけで

美少女もそうだが
冷静な判断ができなくて自滅的により窮地に陥っていく展開は続くと白ける

323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 14:23:37.74 ID:7xi7JWh1O
         ,r"´⌒`゙`ヽ
       / ,   -‐- !、
      / {,}f  -‐- ,,,__、)
    /   /  .r'~"''‐--、) <どうか許してやってくれ、
  ,r''"´⌒ヽ{   ヽ (・)ハ(・)}、 彼はゴリラなんだ
 /      \  (⊂`-'つ)i-、
          `}. (__,,ノヽ_ノ,ノ  \
           l   `-" ,ノ    ヽ
           } 、、___,j''      l
324 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/10(日) 14:41:20.99 ID:j9rzdMZK0
寝落ちしてました・・・
夜に戻ってきます
それから続き書きます
325 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/10(日) 22:41:05.63 ID:j9rzdMZK0
戻ってきました
今からぼちぼち続き書きつつ出来た都度に投下です
326 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/11(月) 05:15:09.13 ID:Uo+OaKUi0
すみません、ぼちぼちとは言いましたが、、
ちょっと今回は書き始めた後に色々あって続きが書けず結局投下出来ませんでした……。
起きたら続き書きます。
本当に申し訳ない……。
327 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/11(月) 05:32:46.64 ID:Uo+OaKUi0

……



まだ日の光はあるものの、
空に浮かぶ太陽が、
確かに西へと傾いているのが分かる。


美少女「……男さん、男さん」


路地裏で座り込んでいた美少女は、
男の名前を呟きながら、
ぎゅっとスマホを握って座り込んでいた。


美少女「……早く返事してよぉ」


実は美少女が「助けて」のラインを送ってから、
男からの返事がまだ来てはいない。

まだ見てはいないのか、
それとも無視されているのか……。

美少女の胸内に不安や恐怖が渦巻き始める。

そして……いよいよと空が夕焼け色に染まり始めた頃、
不意にるるっとスマホが鳴った。
それはラインの返事を告げる音だった。
返事の送り主は男。


――分かった。
――今どこに居るの?
――これから向かう。


短い文章であったが、
美少女は思わず目の端に涙を溜めた。
328 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/11(月) 05:35:26.41 ID:Uo+OaKUi0
すみませんやっぱり寝る前に一応、
少ないですが書いた所まで投下しておきました……。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 18:37:56.60 ID:81eFVGTrO
指名手配が二人に増えた
330 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/11(月) 22:10:05.30 ID:Uo+OaKUi0
――私のお願いが届いた。
――男さんは私の事を助けてくれる。


そう思うと、
溜まった涙が溢れて流れ出し始めた。


美少女「……男さん」


安心と安堵に呑まれて、
美少女は震える手で自らの居場所を伝える。


美少女(――もう怖いものなんて無い。男さんに会えたなら)


連絡がついたからだろうか?
美少女は気持ちは高揚し、
徐々に大きくなっていく。


美少女
(男さんが来たら……どうしようかな。
 ……思い切って抱きつこうかな?

 不安で寂しい自分と、
 それを救いに来た男さんていう絵面は、
 随分と雰囲気が良いと思う)


こんな事を考えてしまうくらいに、
美少女の頭の中は、
ふわふわとし初めていて――

――しかし、世の中はどうにも上手くは行かないらしい。

男が到着したのは、
夜の帳が落ちた頃だ。

近づいてくる人影に気づいて美少女が顔を上げると、
そこには男が立っていた。

男は眉根を寄せて、
少し困ったような表情だったけれど
それも不思議と愛おしく感じる。


男「……で、何があったの?」


美少女の脳奥に、
男の色気のある低い声が響いて、
思わず瞼がとろんと緩んでしまった。

どうやら美少女は自分自身が思っている以上に、
彼にイカれてしまっているらしい。


美少女「……」


もしかしたら警察がまだ自分を捜してて、
そのうちに指名手配とかも、
されてしまうかもしれない。

けれど美少女にとっては、
そんなのは今はどうでも良くなっていた。

ここはもう二人のセカイ。
誰の邪魔も入らないセカイ。

331 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/11(月) 22:57:18.97 ID:Uo+OaKUi0

美少女「……」

男「……ん? どうしたの?」

美少女「来て、くれたんですね……」

男「そりゃあ行くって伝えたし……。
  もしも行けないなら、行けないってちゃんと伝えてる」

美少女「……嬉しい」


美少女はおもむろに立ち上がると、
潤んだ瞳で、
少し戸惑い気味の男に抱きつこうとして――

――その足をピタリと止めた。


男の後方から、
こちらに向かって歩いてくる二人の人物が見えて、
その内の一人の方に見覚えがあったがゆえに、
立ち止まったのだ。

筋肉質なゴリラのような男と、
白髪の女性の二人。

美少女の記憶にあって見覚えがあるのは、
後者の白髪の女だ。


美少女
(確かこの女は……。

……男さんがまだお隣さんだった頃に、
部屋に転がり込んで泊まり始めた、
男さんの優しさにつけこんだクソみたいな女……)


白髪少女「……おい! 探し人は居たのか!?」

男「ん? ああ居た!」


親しげに男に声を欠けた白髪の女は、
さも当然と言うように、男の隣に並び立つ。

まるで……そこが自分の居場所だとでも言わんばかりに。


白髪少女
「なら良かったな。……ところで、大丈夫そうなのか?」

男「……何か泣きそうな顔してるけど、
  取りあえずは大丈夫そうだ」

白髪少女
「そうか……。それで……合流したは良いが、
 これからどうする? 場所を移すか?」

男「……そうだな。ここで話も何だしな」

332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 23:04:10.23 ID:XrVsaPUA0
どう見てもメンヘラですありがとうございました
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 23:06:00.49 ID:jYURpyKU0
薬残ってるの疑うレベル
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 20:31:56.86 ID:NnslJh460
>>1どこ行った?もうほぼ丸一日音沙汰ないぞ?
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 20:42:14.24 ID:kjOsAF02O
全員薬中
336 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/12(火) 20:55:52.85 ID:0vGts82l0
ごめんなさい色々ありました
続き書きます
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 21:25:36.77 ID:qxsvdBvA0
美少女の発狂待機
338 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/12(火) 22:36:34.48 ID:0vGts82l0
白髪少女
「よし……ではそうと決まれば移動するか。
 ……そう言えば、だいぶ冷えてきたな」

男「まだ夜は冷えるからな」ズビッ

白髪少女
「……ふふっ、私のマフラーを使うと良い」スッ

男「悪いな……」


白髪少女がそう言って男の首にマフラーを巻くと、
当然に二人の顔が近づいた。
それは、あとほんの少し動けば、
お互いの唇が触れてしまうくらいの接近で。
それは一見すると、
二人の心の距離の近さを表しているかのようにも見える。


――コイツ、邪魔ダヨネ。


一部始終を見せつけられた美少女の胸内に、
ふと、どす黒い感情が沸き起こった。


美少女「……」


先ほどまでは緩んでいたその目元が、
今はきつく締め付けるように細められていて、
その内にあった瑞々しい潤んだ輝きが……一瞬の内に渇いて淀んでいった。

スマホを握る美少女の手に力が入り、
ぱきり、とケースの角が幾らか欠けた。



ゴリマッチョ
「……おいおい、今の黙って見てたが、
 助けに来たお嬢ちゃん放って二人仲良くは良くねぇだろ」ハァ


美少女
(……誰か分かんないけど、良いこと言うじゃんクソゴリ)


ゴリマッチョ
「まったく……」

男「え……? いや別にそんなんじゃ……」

白髪少女
「……男の言う通りだ。そんなつもりでは」

ゴリマッチョ
「やれやれ……。
 ほれお嬢ちゃん、何があったのかは知らねぇが、
 もしも疲れてて歩くのも辛いとかって状態なら、
 良かったら俺が肩貸すぞ?」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/03/12(火) 23:18:49.30 ID:sUI7RuiT0
ゴリマッチョが元ヤッさんとはいえ、穏健派だったし、この中では一番の常識人だな
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:56:31.79 ID:XvjMXoCEO
ゴリラいいやつだなあ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 00:27:24.74 ID:GapukGdFo
ゴリマッチョ一番まともじゃん
男本当に見損なったわ
342 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/13(水) 02:52:21.28 ID:xOs5jK1A0

そう言って、
ゴリマッチョが美少女に手を差し出してくる。

苦虫を噛み潰したような笑顔を見る限り、
彼は初対面にも関わらず、
美少女の事を案じてくれているのが分かる。

だが……、


美少女「いえ、大丈夫ですので」


美少女はそう言って、
差し出された手を取る事は無かった。


――私ガ欲シイノハ、アナタジャ無イ。


先ほどから、
人間としてはあまり褒められた事ではない、
そんな言葉ばかりが美少女の心の中で蠢く。


ゴリマッチョ
「……そうかい。そうだな。
 助けに来た王子様は俺じゃねぇもんな」


やれやれと後頭部を引っ掻きながら、
ゴリマッチョがそんな事を呟いたのが、
美少女の耳に入った。


美少女(その通りだよ、私の王子様は……)

343 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/13(水) 02:52:53.14 ID:xOs5jK1A0
切なげにきゅっと唇を結ぶと、
美少女はゴリマッチョの横を素通りして男に近づき、
白髪少女との間に割り込む形で、
強引にその腕を絡めた。


男「な、何……?」

美少女
「怖かったので、本当に怖くて不安で……こうしてると落ち着けそうで……」


安堵を恐怖の入り混じった表情を作りつつ、
美少女はそこまで言ってから、
ちらり、と白髪少女に怜悧な視線を向けた。


――この男は自分のモノなのだから、
――変に仲良くなったり誘惑しないで。
――もしも邪魔立てするなら――
――タダジャ済マサナイヨ……。


と、言外にそう訴えかける。

しかし……睨まれた白髪少女は、
特に表情を変えるでもなく、
片眉を上げるだけに留めて来た。


白髪少女
「……そんなに怒らなくても良いでは無いか」


その余裕そうな表情が、
美少女の奥底に燻る夜色の火種を、
激しく煽る。


――本当ムカツク。
――コイツ、消シテモイイヨネ?


実の所……警察から逃げた段階で、
美少女の心は行動と同じく既にパニックになっていた。
そして、そんな風に乱れた心の安定を求めた先が男であり、
もはやそれは今の美少女にとっての全てになりつつある。

だから気づけなかった。
美少女は気づけなかった。

自分が狂い始めているのだ、と言う事に。
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 10:50:26.31 ID:4wtY4bEkO
>>1は登場人物不幸にしないと気が済まない病気でも抱えてるの
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 12:41:07.86 ID:2AYBaB15O
>>344
虚淵にも言ってやってくれ
346 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/13(水) 14:53:22.49 ID:xOs5jK1A0
寝落ちしてました
今から続き書きます
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 20:49:01.80 ID:yiNGYaD6O
舞ってたぬぽーん
348 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/13(水) 22:02:06.92 ID:xOs5jK1A0

春の訪れに、
季節外れに咲いたのは、
セイヨウキヅタのツルの花……。


毒を宿したその実が花を
開く時とは秋の中。


伸びたツタは絡んで離れず、
あなたに誓うよ――永遠の愛。




……



……





今はもう夜だからか、
署内の人間もだいぶ少なくなったようだった。
先ほどまで壁越しにも聞こえていた話し声が、
あまり聞こえなくなって来ている。

……ただ、そのせいか、
時たまばちっと音を立てて点滅する蛍光灯が、
酷く脳裏に焼きつく。


イケメン
「……」


留置所の中で、
イケメンはじっと……己の手のひらを見つめていた。

自分の犯したとされる罪について、
イケメンはどうにも実感が湧かずに居たのだ。

気分が凄く高揚していた事は覚えている。
けれど、何をしたかまでは記憶が曖昧で……。


イケメン
(全然思い出せない……。
 もしかして、あの薬の影響かな……?

 確かにあの時は自分が自分じゃないみたいな感じだった……。

 そうだよ――薬だ。
 俺が色々やらかしたとしても、
 悪いのは薬であって俺じゃない。

 だって、薬がなければ俺は普通の人だ。
 だから俺は悪くなんてないんだ。

 つまり……実質上は薬が犯罪を犯したようなものだろう。

 全て何もかも薬のせいで、
 何度でも言うけど俺は何ひとつ悪くなんてない)

イケメン
「……ははっ、警察も馬鹿だなあ。
 俺じゃなくて薬を捕まえないと駄目なのになあ」


焦点の合わない瞳で、
イケメンは呪詛のように言葉をぶつぶつ呟き続ける。
すると、一人の刑事が部屋の中に入ってきた。


刑事「……」


無言の刑事はどうにも険しい表情でこちらを見据えてくる。

だが……イケメンにはその理由が分からず、
何でそんな顔をするんだろうと不思議に思い、
頭の上に疑問符を乗せた。
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 22:12:52.89 ID:SVNi9DEA0
もう、ぬぽーんもぬぷーんもねえ…
350 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/13(水) 22:48:40.54 ID:xOs5jK1A0
>>349
一応出番は考えてはいます・・・
中々出せないだけで忘れてはないです・・・
351 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/14(木) 04:42:34.21 ID:UP6Hsbri0
そして、当然にその理由を尋ねようとして、

イケメン
「どうしたんですか?
 そんなに怖い顔し――」

刑事「――クソガキ、黙れ」


ぐい、と胸倉を掴まれた。


イケメン
「なっ、何するんですか?
 暴力は駄目ですよ」

刑事「暴力は駄目だぁ? ……お前そんなこと言える立場かよ」


刑事は寄せた眉根を緩める事なく、
イケメンを睨み付ける。

イケメンは「ハァ」とため息をひとつ付いた。


イケメン
「刑事さん……あなた勘違いしてますよ。
 俺じゃない、悪いのは薬ですよ。
 こんな事件を起こしたのも、
 真犯人もすべて薬なんです。
 捕まえるべきは俺じゃなくて薬なんですよ」

刑事「……頭おかしくなったフリか何かか? 
   そうすれば許されるとでも思ったか?」

イケメン
「だから、許されるも何も俺はそもそも悪くない」

刑事「……まあ良いさ。どれだけ狂ったフリしようが、お前は間違いなく死刑だよ」

イケメン
「死刑だなんて……俺は最高学府の学生ですよ?」

刑事「……それがどうした?」

イケメン
「……法曹界には俺の大学のOBが沢山居ます。
 だから、俺が悪くないという言葉を信じてくれるハズ。
 死刑になんてならないですよ。
 それ所か有罪にもならない」


イケメンは酷く落ち着いた様子で、
ぺらぺらと言葉を吐き出した。

喋りながら思い出していた事は、
最初に薬を渡された時のフツメンとのやり取りだった。


――なあ、法曹界には俺らのOBが多いんだぜ?
――自分の後輩、守りたくなるのが人間だろ?
352 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/14(木) 15:28:57.00 ID:UP6Hsbri0
スローペースで毎日申し訳ないです
夕方には戻って続き書きます
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 18:58:44.50 ID:9nwajTKD0

>>1のペースで大丈夫だよ
354 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/15(金) 01:22:30.80 ID:9DF+sDw30

だがこれは……、
決して今回のような事件の、
その揉み消し方を指した言葉では無い。
普通に考えれば分かる事ではある。

しかし、今のイケメンの思考はどうにも正常では無かった。


刑事「……ふざけるのもさぁ、大概にしようよ」


イケメンは自らが喋り終えた後に、
これで刑事も理解するだろうと思っていたのだが、
表情を見るとさらに怒りを溜めたように見える。

あと一押しが足りなかったのだろうか?

そう考えたイケメンは、
今度は親の存在について言及した。


イケメン
「それに俺の親をご存知ですか? 官僚ですよ官僚」

刑事「ああ、そいつはもう知ってるよ」

イケメン
「俺は官僚の子ども。その俺が信じて貰えないのはおかしいでしょ」

刑事「……」

イケメン
「日本の中枢に居る人間の子ですよ?
 つまり俺を疑うということはこの国そのものを疑うって言うのと同じです。

 そんな馬鹿馬鹿しい事出来るわけがない。

 ……刑事さん、もうこんな所に俺を閉じ込めるのは止めましょう。
 何の得にもならない」

刑事「……それ、親の前でも言ってみろよ。ちょうど来ている」


刑事は鬼の形相で笑うと、
扉を開けてイケメンの両親を招き入れた。

スーツ姿の初老の男性と、
歳相応の服装をした妙齢の女性。

刑事の言葉に嘘偽りはなく、
その二人はイケメンの両親だった。

イケメンは一瞬きょとんとしたものの、
すぐに父親に向かって乾いた笑みを向けた。


イケメン
「父さん……官僚なんだから早くなんとかしてよ。
 まあ別に俺は裁判になっても負けるわけないけど、
 でもそんな労力も勿体ないし――」


と、そこまで言った所で、
すぱん、とイケメンの頬がぶたれた。
ぶったのは他の誰でもない……イケメンの父。


イケメンの父
「お前っ――何だその言い方は! 自分が何をしたのか分かっていないのか!?」

イケメン
「と、父さん……?」

イケメンの父
「いいか……? お前のした事は、お前のした事は……っ」


……イケメンの父は、
頬をぶった瞬間に怒号を見せたかと思えばすぐに一転して、
今度は大粒の涙を止め処なく流し、がくりと膝を落とすと、
イケメンの脚に縋り付いた。


イケメンの父
「どうして、どうしてこんな事をぉぉ……」
355 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/15(金) 03:58:14.48 ID:9DF+sDw30


イケメンの父が泣きじゃくり始めると、
傍で見ていた母親も、
ハンカチで顔を覆い咽び泣いた。


イケメン「えっと……」


イケメンは言葉に詰まった。
両親が来た事については、
一瞬戸惑ったものの、
いずれは来るだろうとは思っていたので、
特に不思議はない。

だからそれではなくて、
イケメンにとっての予想外は、
自らの足に縋り付いて泣く父親と、
鼻を啜るように泣く母親の行動だった。


刑事「……これを見ても、まだ言えるか?」


イケメンは刑事に言葉を返せなかった。

言えますよ、と言いたかったけれど、
口が動かなかった。

良くは分からないけれど、
ずしりと重い何かが、
そんな何かが自らを蝕んでいく感覚に陥り始めていたのだ。

正常では無かった思考が、
少しずつ戻り始める。

振り続けるメトロノームにもいつか終わりがくるように、
緩やかに、徐々に……。

そしてやがて、


イケメン「ア゛……ア……アアアッ・・・…アアア゛ア゛ア゛ア゛ー!!」


全てを正常な思考で理解してしまった瞬間に、
一気に許容量を超える罪悪感が流れ込み、
それにあわせて自らの犯した罪の詳細を鮮明に思い出した。


親子三人の慟哭が響く……。


刑事「……やっと受け入れるか。

   これで……薬の出所を素直に吐いてくれると良いが。

   ……あの逃げた女子大生についても、
   いったいどう関係なのか、
   吐いて貰わねぇとな。

   まったく……最近は嫌んなる事件ばかりだよ」ボソッ



………
……


……
………
356 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/15(金) 14:17:58.76 ID:9DF+sDw30
>>353
ありがとう
357 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/16(土) 00:37:33.27 ID:0+kT16PQ0


小洒落たカフェの一角で、
男達は美少女の話の一通りを聞いた。

大学生による飲み会から、
警察署から逃げだすまでの一通りを。



男「なるほど……」

白髪少女「ふむ……」

ゴリマッチョ「そいつぁ……」



経緯を聞いて、
納得したかのように男達は頷いた。
特にゴリマッチョは、
自分と重なる部分があるのか、
しきりに顎をさすっては深く息を吐く。


男「……あんたと似たような感じだな」チラッ

ゴリマッチョ「そうだな」

美少女「え? 似たような……とは?」

男「いや実は……このガチムチも犯人じゃないのに疑いを掛けられてるそうなんだよ」

美少女「……そう、なんですか」

男「うん……あと、それでその……ちなみになんだけど」

美少女「はい?」

男「……いつまで腕を組んでるつもりなの?」

美少女「えっと……駄目ですか?」

男「駄目って言うか何て言うか……」



男はゴリマッチョとの類似点がある事を指摘しつつ、
美少女がしきりに絡めてくる腕についても言及した。

何せ移動した時に絡めてきて以来、
ずっと解こうとしないのだ。


白髪少女
「ははっ、役得か何かだと思えば良いのでは無いか? ん?」フフッ


からかうような白髪少女の言葉に、
男が所在無さげに眉根を寄せると、
何を思ったのか美少女がその言葉に噛み付いた。


美少女「……からかうの止めて貰って良いですか?」キッ

白髪少女
「すまない。悪気があったわけでは」フフッ

美少女「何ですか? その表情イラッと来ますね」

男「あの……今そんな事で争ってる場合じゃないと思うんだけど。なんでそんな事で争うの」

白髪少女
「ああいや、私はそんなつもりはないんだ」

美少女「はぁ? 何ですかその自分は悪くない突っかかる私が悪い見たいな言い方」

男「あのだから……」


……どうにもこの二人は相性が悪いらしい。
移動の途中でも、
どことなくそういった節は見え隠れしていたものの……、
まさかここまでとは男も思い至らなかった。
358 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/16(土) 02:40:30.41 ID:0+kT16PQ0

美少女の一連の流れは聞いた。
だから、今からはこれからどうするか、
と言う事について、
話をしなければならないと言うのに……。

緊張感がどうにも足りない気がする、
と男が口元を歪ませるていると、
ゴリマッチョが救いの手を差し伸べてくれた。


ゴリマッチョ
「まあまあ落ち着こうや。
 ひとまずこれからどうするかについて、
 話をしよう。

 あんちゃんも早くその話をしてぇよな?」

男「あ、ああ。結構急を要する話だしな」

美少女「わ、私は別に話を逸らしたかったワケじゃ……」

白髪少女
「ふむ……そうだな。大事な話だな」

美少女「は? だから何その自分は悪くな――」

白髪少女
「――このままでは男も困ってしまう。
 それは私の本意ではない」

美少女「――っ」



男「……すまない。助かる」

白髪少女
「……いや、良いんだ。
 そこのお嬢さんも、色々と気が立っているのだろう。
 配慮出来なかった私が悪いんだ」チラッ フフッ

美少女「……」青筋ピクピクッ



ゴリマッチョ
「――さ、さっ、それじゃあどうするかだな。
 あんちゃんはどうすれば良いと思う?」

男「え……? 俺?」

ゴリマッチョ
「……なんでい、駄目か?」

男「俺より……あんたの方が詳しいんじゃないのか?
  まがりなりにもヤク○なんだろ。
  この手の事の治め方とか知ってそうだけど」

ゴリマッチョ
「そりゃそうだが、そうは言ってもなあ……。
 俺も今じゃ追われてるかもな身の上だ。
 間違われて追われる事を何とか出来る方法知ってるなら、
 自分の方なんとかしてるって」

男「それもそうか……」
359 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/16(土) 21:12:58.95 ID:0+kT16PQ0
よし、今日はなるべく進められるように頑張るぞ(`・ω・´)
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 22:24:48.68 ID:yOIM38C70
追いついた、支援
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 22:36:15.19 ID:Zm0UPI8A0
見とるで…

この先の展開にあまり心引かれないが
物語に動きがあるのを松
362 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/16(土) 22:38:53.88 ID:0+kT16PQ0

ゴリマッチョ
「って事で、何か良い方法考えつかねぇか?」

男「うーん。良い方法ねぇ」


ううむ、と男はしばし悩む。
しかし、良い考えなどそう簡単には思いつくワケもなく、
無情にも時間だけが過ぎて行った。

そして、ようやくの思いで出てきた結論は、


男「……警察に行って、事情やその時の気持ちをきちんと伝えるしかないんじゃないかな」


今一度、改めての説明を警察にした方が良い、
と言う物だった。

今回の美少女の件に関しては、
真犯人が別に居るとかそういう類の事では無いのだから、
警察に恐らく与えたであろう誤解を解かない限り、
終わりが無い。

だから、早めにきちんと誤解は解いた方が良いと言う、
非常にシンプルな解決方法を思い至ったのである。



ゴリマッチョ
「……それでなんとかなるかね」

男「大丈夫だと思うけどね。

  あんた見たいな背景があるならまだしも、
  そうじゃないなら話くらいきちんと聞いてくれるだろ」

ゴリマッチョ
「それもそうか」フゥ

男「……とまあ、これが最善だと思うんだけど、どうかな?」チラッ

美少女
「……男さんが、そうしろって言うなら」

男「そうしろって言うならって……別に強要するわけじゃない。
  君が誤解を解くのを嫌がるなら無理にとは言わないし」

美少女
「ご、誤解を解くのはそうしたいって思います。
 なので別に、い、嫌ってわけじゃないです、けど……」

男「けど?」

美少女
「……ひ、一人で行くのは嫌です。……勇気出ないです」

男「……なるほど、わかった。俺で良ければ付いていくよ」

美少女
「良いんですか……?」

男「別に構わないよ」

美少女
「あっ、じゃ、じゃあ行きます!」
363 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/17(日) 05:02:47.18 ID:AUCUDwpG0

男が小さく頷くと、
ゴリマッチョと白髪少女も倣うように頷く。
どうやら、どちらも異存は無いようだ。


男(……まあ仮に反対されたところで、
  これ以上に良い方法は今の所思いつかないけどな)


――と、その時だった。


男(……ん?)


男はふと、目線の先にある、
奥の方の席に座っている男性客の様子、
それがおかしい事に気づいた。

呼吸を荒げながら、
何か粉状の薬のようなものを口に含み、
コーヒーで喉の奥へと流し込んでいる。

一見して……不審者と言って良いかも知れない。


白髪少女
「……どうかしたのか?」

男「ああいや、あそこに座ってる男性客なんだが……」

白髪少女
「ん……? あれか」

ゴリマッチョ
「なんだ? 何か変な客でも――うおっ、ありゃあ……」

美少女
「……やだぁ、何か怖いです」男の腕ギュ




不審者―――フシュウ、フシュウ、フシュウウウ……―――ハァハァ




白髪少女
「……かなり強い薬でキメてしまっているように見えるが」

ゴリマッチョ
「ように見える、じゃなくて正にそうだろ。つか、こんな店中で堂々とかよ……」

美少女
「……」ギュウウ

男「早めに出るか……。巻き込まれると――」

白髪少女「――伏せろ!」グイッ


ゆっくりと男が席から立とうとした瞬間、
男は白髪少女に頭を掴まれ、
強引にテーブルの下に引きづり込まれた。


そして幾秒も経たない間に、
タタタタタッ、と言う発砲音が聞こえた。
364 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/17(日) 08:14:39.25 ID:AUCUDwpG0

――キャアアアア!
――ウワアアッ……アッアッ……。
――何ガッ、何ガオキ――ウゲッ………。


人々の悲鳴が聞こえる。
一体何事だと男は目を瞬かせていると、
遅れてゴリマッチョと美少女がテーブルの下に潜り込んで来た。


ゴリマッチョ
「な、なんだァ……?」

美少女
「……き、急に、何これ」ガクブル

男「何が起きてるんだ……」

白髪少女
「どうやらあの薬をキメてた男がテロを起こしているようだ」

ゴリマッチョ
「……冗談じゃねぇや」

白髪少女
「いかんな。
 だいぶ血走った目をしていた。
 見境が無い様子だ。

 このままでは……こちら側に来るのも時間の問題だろう。
 ただ現状こちらに銃火器は無し、分が悪い」

ゴリマッチョ
「……何だか随分と慣れてる感じだな」

白髪少女
「郷国ではこのような事は日常茶飯事であったからな」

ゴリマッチョ
「随分とおっかねぇ所の産まれだこと」

男「……そんな話は今は置いておいて、今はここから逃げないと」

白髪少女
「……そうだな。
 それが一番だ。

 だが、逃げるにしても気づかれたら終わりだ。
 完全な隙が必要になる」

ゴリマッチョ
「隙ねぇ……武器持ってる相手にそれを求めるのはちとキツいんじゃねぇかな」

男「……なら俺が囮になろう。
  その間に白髪少女は美少女を連れて逃げてくれ」

ゴリマッチョ
「わーお、男前ェ」

男「こんな時にからかうな。
  それで……やってくれるか?」チラッ

白髪少女
「……突然何を言う? ……本気か?」

男「本気だ。
  何しろ現状それが適任だろう。
  白髪少女の郷里での詳しい話は前に聞いた。

  正直……嫌なこと思い出させるようで悪いんだが、
  こういった場面に慣れてるだろう?」

白髪少女
「それは……」
365 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/17(日) 10:46:32.81 ID:AUCUDwpG0
男「あのラリパッパが自暴自棄の単独犯なら良いが、
  もしもそうではなくて仲間が居た場合、
  守りながらの逃走は素人の俺には厳しい。

  ……適任は場慣れしてる白髪少女しかいないんだ」

白髪少女「……」

ゴリマッチョ
「……何だかあんちゃんも落ち着いてるなァ。
 まあ得たいの知れねぇ俺の話を聞いてくれたぐらいだし、
 肝は据わってると思ってたがよ……。

 ……というか、話の腰折るようで悪いんだが、
 俺の事忘れてねぇか?」

男「……忘れてないよ。
  で、あんたにも悪いけど、
  ここで俺と一緒に残ってくれると助かる。
  荒事得意そうだし」

ゴリマッチョ
「……用心棒するって言っただろ。
 まだ期限内だよ」

男「……そっか。……ありがとう。
  ……よし、それじゃあ白髪少女にもう一回聞くが、頼めるか?」チラッ

白髪少女
「……もしも嫌だと言ったら?」

男「……困ってしまうな」

白髪少女
「……私の見立てでは、あれは単独犯の可能性が高い。
 であればこそ、男と私の役割を変える、
 と言う提案をするとしたらどうする?
 場慣れしている私が、
 より危険な方を担うと言う提案だ」

男「……単独犯ならそれはそれで良いさ。
  と言うかむしろ好ましいな。
  危険な役割をお前に頼まなくて済む」

白髪少女
「……」

男「悩んでる時間はもうあまり無くてだな……」

白髪少女
「……はぁ。わかった……。
 ただし、一つ約束してくれ」

男「何だよ」

白髪少女
「必ず生きてまた会う、と」

男「……善処しよう」
366 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/17(日) 10:46:58.97 ID:AUCUDwpG0
いったん寝ます
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/17(日) 14:07:09.22 ID:a1KvFshQ0
なんだかきな臭くなってきたな しかも国内で
まぁ最初からか
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/17(日) 14:35:02.41 ID:m5wOqCE6O
ピエールおはよー
369 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/17(日) 22:05:05.36 ID:AUCUDwpG0
よし
370 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/18(月) 03:22:55.16 ID:Fj6oTsSt0

白髪少女
よし「……では逃げるタイミングは私の判断で決めさせて貰う」

男「……頼んだ。

  あと……そうだな、手伝い料じゃないが、
  あとで何か一つくらいなら言う事を聞くから、
  考えておくと良い」

白髪少女
「……ふふっ、そうか。それでは何か考えておく事にしよう」

男「俺に出来る範囲の事でな。
  さて……それじゃあそろそろ動くとするか」

ゴリマッチョ
「話は終わったか。……よし、で、どういう風に囮になる?」

男「いきなり飛び出しても蜂の巣だろうし、
  こういうのを使う」



男はそう言うと、
テーブルの上に置いてあった灰皿を手に取った。



男「これ以外にも、他のテーブルにも色々あるだろ?
  そいつらをぶん投げながら抑えに行く」

ゴリマッチョ
「シンプルだねぇ。分かりやすくて助かるぜ」

男「それ以外に方法も無い」

ゴリマッチョ
「……ちげぇねぇ」

男「んじゃ、俺がこいつ投げたらスタートって事で」

ゴリマッチョ
「あいよ」


男は一呼吸置いて、
灰皿を投げる体勢に入る事に決める。
……が、その前に、
目を瞑って小刻みに震える美少女が視界に入ったので、
軽く声を掛けた。


男「……白髪少女の言う事をちゃんと聞くんだよ?
  仲が良くは無さそうだけど、
  それは今は抑えてね。

  ……お願いね」

美少女「……おね、がい、ですか?」

男「そう、お願い。……守れる?」

美少女「……まも、れます」コク

男「良い子だ」ワシワシッ


美少女が頷いたのを見て、
男は美少女の頭をわしゃわしゃと撫でる。

すると美少女の頬は真っ赤になり、
いくらかは安心も出来たのか、
震えが止まったようだったのだが……。

しかし、男はそれに気づく事無く、
1、2、3と小さく数えてから、
身を乗り出して灰皿を投げつけ走った。


不審者――ウ、ウガァアアッ!?――
371 :1 ◆mUjz4FCa2c [sage saga]:2019/03/18(月) 16:52:27.50 ID:Fj6oTsSt0
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