このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十八輪目】
- 153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 20:08:17.66 ID:LV+Xz/TUO
- あいよー
- 154 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/03/31(日) 20:29:12.49 ID:87vSXNV8o
-
√ 12月31日目 夜(病院) ※水曜日
東郷「くっ……私としたことが」
園子「ドンマイだよ、わっしー」
夏凜「なんにせよ、大した怪我じゃなくてよかったんじゃない?」
東郷「それは、そうだけど」
友奈「東郷さん。東郷さんがそんなに落ち込んでたら、久遠先輩も風先輩も心配するんじゃないかな」
東郷「友奈ちゃん……」
まもなく、年が明ける
そのためにしていた準備は、今まさに東郷の目の前で無残に砕け散ってしまった
正確に言えば、破れ去ったと言うべきだろうか
天乃が風の病室に常駐するようになってから地道に作り上げた、赤ちゃんのためのお洋服
それが台無しになってしまったのだ
落としかけた糸を拾おうとした瞬間に布団がズレ、ベッドから落ちたときに
引っかかり、引っ張って、ダメになった
幸いにも東郷自身は体を打つ程度で済んだけれど。
樹「運が悪ければ串が刺さっていたんですよ、東郷先輩」
東郷「ええ……そうね」
夏凜「予定通りお年玉で良いんじゃない?」
樹「久遠先輩が絶対に喜ばないって言ったの夏凜さんじゃないですか」
- 155 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/03/31(日) 20:49:08.76 ID:87vSXNV8o
-
友奈「久遠先輩、味覚がないから美味しい食べ物っていうのだけじゃだめだもんね」
園子「ゆーゆ?」
夏凜「……ま、でしょうね」
ふぅ。と息を吐いた夏凜は、
暗い表情を浮かべる友奈から視線を外す
年越しうどんだとか、おせちだとか、お雑煮だとか
天乃は味覚がなくてそれで喜べるような状態ではない
風だって、今年は食べられないという話だった
自分での咀嚼が難しい状態だから仕方ないけれど。
東郷「やはり、ここは自由にしていい券を渡しましょう」
園子「諦めてなかったんだねぇ〜」
東郷「私たちのことを好きにしていい券! これなら、久遠先輩が普段させられないようなことだってさせられるのよ!」
友奈「久遠先輩は券があってもさせないと思うなぁ」
樹「東郷先輩は欲望に忠実すぎるんです」
夏凜「樹にまで言われるなんて、東郷……やばいわよ」
東郷「授乳された人が何言ってるの?」
友奈「それは私もなんだけどなぁ」
園子「早く天さんのところ行こうよ〜」
- 156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/03/31(日) 21:22:20.94 ID:87vSXNV8o
-
天乃「あら……勢ぞろいね」
夏凜「あと数時間で年明けだし」
天乃「そっか……」
友奈「久遠先輩、体の調子はどうですか?」
天乃「うん、大丈夫そう」
幸いにも、体調が崩れることはなかった
今まで体調がすぐれなかったりしたのは妊娠が原因だったわけだし
当然と言えば当然かもしれないけれど。
樹「じゃぁ、ようやくですね!」
樹は嬉しそうに声を上げて慌てて口を押える
年末ということもあって、
特別にまだ起きているところもあるけれど
寝ている人もいる
離れている治療用の病室とはいえ、あまり騒ぐのは迷惑だ
風「あたしにも、癒しの光を」
園子「アルファ派〜」
東郷「私もやるわ」
みょんみょんみょんみょん……と
手を動かす二人の一方で
すっっと、沙織が病室へと入ってきた
- 157 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/03/31(日) 21:52:36.51 ID:87vSXNV8o
-
沙織「どうする? 久遠さん」
天乃「そうねぇ……」
今すぐ行うか、せめて年明けまでは待つか
天乃の体に神樹様の種を使った場合、
当然ながら拒絶反応が出るし、多少は寝込むことになる
でも、それを乗り切れば無事、完治したと言える
逆に言えば、これを行わなければ完治とは言えない
どれだけ元気になれていたとしても、
最終的には体内のパワーバランスの崩壊によって、死に至る
それは九尾も言っていた確定事項だ
夏凜「どうするかは天乃に任せるわ」
東郷「っ……」
年越しくらいは……と
言いたげに動いた東郷は口を閉ざして目を背ける
このわずかな我儘が、
最終決戦があった際に天乃のたった一言の声援の有無にかかわるかもしれない
聞きたいときに声を聞くとができるかどうかに、関わってくる
天乃「明日調子がいいとも限らないのよね」
1、今日やってしまう
2、せめて年明けに行う
3、みんなはどう?
↓2
- 158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 21:54:01.85 ID:wclVubOo0
- 3
- 159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 21:56:29.70 ID:LV+Xz/TUO
- 1
- 160 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/03/31(日) 22:06:59.90 ID:87vSXNV8o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
久遠さんは年明け、現実は改元
久遠さんはもうちょっとだけ続きます
- 161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 22:43:13.35 ID:LV+Xz/TUO
- 乙
最初のシリーズが始まったころはまさか時代を跨ぐまで続くとは思ってなかったなぁ
久遠さんの物語は奥が深くてまだまだ色々な話を見たくなるんだよな
- 162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 08:03:13.64 ID:NtJ+eyihO
- 乙
断片的だった陽乃さんルートもそのうちやるのだろうか
- 163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 09:44:05.62 ID:y5OfTFYAO
- 乙
久遠さんは我慢効かない
- 164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 18:59:42.93 ID:ZegSHwMS0
- このスレもエイプリルフールネタやるのか気になる(ゆゆゆいのあのダークネス園子様を見て)
- 165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 19:13:27.07 ID:+gnXcL71O
- 多分その余裕はないな(最近の休載率を見て)
でもオマケに期待してる!
- 166 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 20:50:56.36 ID:XIm6xlxoo
-
では少しだけ
- 167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 20:57:47.05 ID:Rw82AfsgO
- よしきた
- 168 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 21:02:20.95 ID:XIm6xlxoo
-
天乃「ごめんねみんな……今日やっちゃおうと思う」
友奈「っ」
園子「そっかぁ……仕方がないね」
東郷「せめて、せめて年が明けるまで待ちませんか?」
樹「年明けまで待てない理由があるんですよね?」
勇者部の面々の割れる呟きに
天乃は困った表情を浮かべながら、耳を傾ける
年明けまで数時間
それくらい待ってもいいのではという意見も分かる
けれど、その数時間が命取りになりかねないのが天乃なのだ
天乃「神樹様の力を借りる以上、向こうも万全であるべきだから」
沙織「そう……だね。久遠さんの力に打ち負けたりなんてしたら最悪だからね」
神樹様への信仰心が最高潮に達し、
天の神からの影響をほぼ完全にシャットダウン出来る時間
勇者の力と違い際限なく湧き出てくる穢れの力もそれならば容易く包み込んで抑え込んでくれることだろう
こんな機会は、もうない
中学3年生としての年明けも最期だけれど、年末年始は生きていれば来年以降も訪れる
だから、今なのだ
- 169 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 21:16:57.16 ID:XIm6xlxoo
-
夏凜「みんな、楽しみにしてたのよ」
天乃「……うん」
残念そうにする友奈たち
せめてあと数時間くらいはと、求める東郷たち
その姿を見ていなくても
せっかくの年末……辛く苦しく、けれど生き抜くことのできた今年を
そして、来年こそは。という思いを込めての何かがあることくらいは分かっていた
夏凜「約束できるんでしょうね。あんた」
樹「夏凜さん……?」
夏凜「確実に回復するって、その足もその舌も、目も……全部ちゃんと治るって」
天乃「難しいことを言うわね、夏凜は」
天乃の気力次第だというのなら、それは当然完治するだろう
しかし、そんな優しくはない
神の嫌われ者である天乃には、そのような幸福は断じてあり得ない
それが現実である
天乃「でも、ちゃんと見えるようになったら。ちゃんと聞こえるようになったら、ちゃんと感じられるようになったら……良いな」
風「……隣であたしも、頑張るわよ」
- 170 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 21:39:31.83 ID:XIm6xlxoo
-
風「だから、頑張りなさい」
天乃「風……」
今は風も満身創痍
だからこそ、その言葉には茶化せない思いがあって
天乃は苦笑いを浮かべて、頷く
天乃「もちろんよ」
むしろ、頑張るために逃げないのだから
後回しにできることをせずに
僅かな希望に縋って、突き進むのだ
友奈「久遠先輩、絶対、絶対に……ちゃんと」
東郷「せっかくの年末年始をつぶすんです。ちゃんと埋め合わせはしていただきます」
天乃「体に負担がかからなければなんだってしてあげるわよ」
東郷「……分かってて、そういうこと言うんですから」
園子「天さんがそう決めたなら、私から言えるのは一つだけ……負けないで」
天乃「ええ」
園子「天さんの力は強い。強いからきっと、飲み込まれちゃうこともあると思う。でも負けたらだめだよ」
天乃「分かってるから、大丈夫」
- 171 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 22:16:55.74 ID:XIm6xlxoo
-
沙織「本当に良いんだね?」
天乃「ええ」
沙織「……そっか」
ちょっと残念だな。と、沙織は呟く
沙織も楽しみにしていたのだろう
用意をした身でありながら
それが無駄であることを願っていたらしい
でも、「仕方がないね」と笑みを浮かべる
沙織「今日やることで少しでも久遠さんの負担が軽くなるなら、やらない手はないからね」
天乃「確証はないけどね……でも、迷わないわ」
樹「……大丈夫です。きっと、その強さがあれば」
樹は秘かに引いていたタロットカードを戻し、口を開く
引いたカードは月、そして、逆位置
それは決して良いとは言えないが悪いとも言えない
己の道が正しいと信じ、強い心をもって望めば打破できる
天乃「なんだかみんな、お別れみたいな雰囲気だけれど……そんなことないからね?」
夏凜「分かってるわよ。だから……頑張ってきなさい」
天乃「うん」
- 172 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 22:46:21.47 ID:XIm6xlxoo
-
神樹様の種の反動
1〜0
↓1コンマ
※小〜大
※ぞろ目ならなし
- 173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 22:48:20.39 ID:Eh5HtpAhO
- たのむ
- 174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 22:49:58.57 ID:Eh5HtpAhO
- 世の中そんな甘くなかった…
- 175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 22:50:59.94 ID:2KQVbAVT0
- 逆境こそ久遠さん
- 176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 23:08:08.08 ID:XIm6xlxoo
-
01:全快 02:右足× 03:聴記× 04:味視× 05:右足× 06:味覚× 07:聴覚× 08:全快 09:右足× 10:視覚×
11:視覚× 12:全快 13:全快 14:視覚× 15:全快 16:聴視× 17:味覚× 18:味覚× 19:視覚× 20:味視×
21:聴覚× 22:視覚× 23:両足× 24:両足× 25:味覚× 26:視覚× 27:記憶× 28:視覚× 29:記味× 30:聴覚×
31:記憶× 32:聴覚× 33:記憶× 34:右足× 35:味視× 36:視覚× 37:記憶× 38:右足× 39:右足× 40:聴記×
41:両足× 42:視覚× 43:聴視× 44:視覚× 45:両足× 46:両足× 47:視覚× 48:記味× 49:視覚× 50:記憶×
51:記味× 52:左足× 53:味覚× 54:記味× 55:聴覚× 56:両足× 57:全快 58:両足× 59:全快 60:全快
61:記憶× 62:味覚× 63:全快 64:両足× 65:聴覚× 66:記憶× 67:味視× 68:左足× 69:全快 70:全快
71:聴覚× 72:記憶× 73:両足× 74:足 75:記憶× 76:聴覚 77:全快 78:聴記× 79:全快 80:聴覚×
81:左足× 82:聴覚× 83:全快 84:全快 85:聴覚× 86:味覚× 87:全快 88:全快 89:左足× 90:全快
91:全快 92:全快 93:記憶× 94:全快 95:聴覚× 96:全快 97:聴視 98:左足× 99:左足× 00:全快
↓コンマ
※×はそれ以外が回復
- 177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 23:10:27.99 ID:A3JSiXJ20
- あ
- 178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 23:11:15.27 ID:ZegSHwMS0
- 神は何処まで僕らを試す
- 179 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/01(月) 23:18:41.72 ID:XIm6xlxoo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
「ぞろ目なら…」という文言を入れ忘れましたが、祟りのせいにしておきます
- 180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 23:25:47.72 ID:Eh5HtpAhO
- 乙
今回ばかりはゾロ目判定欲しかった…
久遠さん散々苦労してきたのにこれでも治りきらないとか可哀想すぎる
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 23:48:00.41 ID:2KQVbAVT0
- 乙
まあ片足だけならまだいいじゃん
- 182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 01:15:58.91 ID:mArhvK9Q0
- 乙です
記憶とかにならなかっただけマシだとポジティブに考えよう
- 183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 09:00:38.96 ID:ZUGyQNXBO
- まぁ反動?拒絶反応かな?がほぼ最大値だからしゃーない
それで左足だけなら十分だろ…九尾に力を借りよう
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 15:36:25.11 ID:TKTlQiJY0
- 祟りのせいになったってことは天の神倒せば左足も治るってことかな?
なら希望はある!
- 185 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 21:11:24.72 ID:uxOmRZuZo
-
では少しだけ
- 186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 21:13:02.78 ID:milfAYOLO
- かもーん
- 187 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 21:43:05.15 ID:uxOmRZuZo
-
沙織「行くよ……久遠さん」
天乃の意志をもう一度確認すると、
沙織は神樹様の種が納められた器を左手に持ったまま天乃の腹部を撫でる
軽く押し込んで、天乃の顔が困惑のままなのを見て、苦笑する
沙織「お腹だけ出してもいい?」
天乃「いいけど……必要なの?」
沙織「禊する時だって羽織ってるのは衣だけでしょ? まぁ、これは禊じゃないからいいと言えばいいけど」
天乃「必要ならいいわ。裸でも」
沙織「そこまでしなくてもいいよ」
体に障ったら悪いからね。と
沙織は自分の欲求を押し殺して裾をめくる
沙織「……神漏岐かむろぎ神漏美のかむろみの……皇親神伊邪那岐の大神、伊邪那美の――」
殺気の接触とは違い、
煩悩のかけら一つなく、沙織は触れる
小さく、大きく
祝詞と呼ばれる言葉を紡いでいく
天乃の中に宿る穢れ、その元凶たる神々
扱う神樹様の種、その源流たる神々
そのすべてに聞いていただくための、祝詞
- 188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 21:59:19.54 ID:uxOmRZuZo
-
沙織「禊祓ひ給ふ時に……」
器――羅摩から神聖な輝きを放つ種を取り出し、
天乃の腹部……へそのあたりに宛がう
祝詞を唱える前からではなく、唱えてから宛がうのは馴染ませるためだ
東郷「凄い……」
本物の、巫女だった
普段のお茶らけた言動、淫らな欲望に塗れた思考
それらとは全く違う、巫女としての姿
沙織「諸々禍事罪穢を……」
天乃「ひぐっ……!」
沙織「っ……申す事の由を」
ずずっと……天乃の腹部に種が沈み込んでいく
その拒絶反応によってか、大きく跳ね、呻いた天乃を沙織は押さえつけて、祝詞を続ける
苦しかろうが、辛かろうが
途中で止めるわけにはいかなかった
中途半端に入って拒絶反応の収拾がつかなくなったら大変なことになってしまうからだ
沙織「っ、三好さん!抑えて!」
夏凜「わ、わかった……」
- 189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 22:10:48.63 ID:uxOmRZuZo
-
鬼気迫る沙織の声に、さすがの夏凜も一歩押されて反応し、言われた通りに天乃を抑える
足こそ動かないが、
両手が、頭が、腰が、自傷しかねないほどに動く
その激しさが、意識してでの動きではないことを明確する
抑える腕に伝わってくる抵抗
その強さに夏凜は眉を顰めた
天乃「ぅぁっあぁああああああっ!!」
夏凜「っ」
沙織「聞食せと――」
神樹様の種は、
沙織の祝詞が終わりに近づいたのを見届けたかのように、
天乃の体の中へと溶けて消えていく
一際大きく上がった悲鳴
ごぷっ……と、零れだしてきた血をすぐに拭う
失明していた左目からは血が、右目からは涙が……流れ落ちて
天乃「ぅ……」
強かった抵抗は急激に弱くなって
そして――完全に途絶えた
- 190 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 22:24:17.93 ID:uxOmRZuZo
-
樹「久遠、先輩……?」
沙織「……畏み、畏み……も白す」
願い、祈る
息絶えてしまったかのような天乃の静けさを前にして
沙織はくっと口を噛んで目を瞑る
叫んでも、何しても意味がないと沙織が一番分かっているからだ
賽は投げられた
もう後戻りすることはできない
出来る手は打った
あとはもう、天乃が頑張るしかないのだから
友奈「久遠先輩っ、久遠先輩っ!」
沙織「大丈夫だよ……死んじゃったわけじゃない」
心臓は動いている
ただ、目を覚ますことはないだけで。
頭に浮かんだ続きの言葉をかみ砕き、飲み込む
沙織「神樹様の力と、久遠さんの穢れの力。それが互いに潰しあって……久遠さんを壊そうとしてる」
園子「でも、大丈夫なんだよね?」
沙織「うん……大丈夫。久遠さんは、きっと、大丈夫」
五体満足で戻ってきてくれるかどうかの保証はできない
もしかしたら、失ったものは失ったままかもしれない
でも、それでも
それでもいいから帰ってきてくれるはず。と。
沙織は頷いた
- 191 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 22:29:49.94 ID:uxOmRZuZo
-
↓1コンマ一桁
※1〜0
※判定結果+反動値9日間の昏睡
※ぞろ目なら11日
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 22:31:56.65 ID:vL2rerShO
- はい
- 193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/02(火) 22:55:09.23 ID:uxOmRZuZo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
14日間=約一ヶ月分
陽乃「神様ってしぶといわよね……でも、そろそろ限界。ようやくくたばるのね」
陽乃「停滞した世界は守る価値があった? 命を削る意味があった? ふふっ、無様ねって罵ってあげようかしら」
天乃「でも、貴女もそうしたんでしょう? 陽乃さん」
陽乃「馬鹿なこと言わないで。私は神も仏も人間も守る気なんてこれっぽっちもなかったわ」
陽乃「私は私が生き残るために力を尽くしただけ。その恩恵に集った乞食が生き残っただけよ……本当、狡賢いわよね」
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 23:04:26.36 ID:milfAYOLO
- 乙
約二週間も寝込むことになるとは…過去最長のブランクじゃなかろうか
あと寝ている間夢の中で陽乃さんとそういう会話してそう
- 195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 23:55:09.47 ID:9whjv8ZtO
- 乙
仕方ないとはいえ結構なダメージだな
- 196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 15:03:28.30 ID:8ESb2xirO
- 1月の日数ほとんど消費しちゃったけどどうなるんだろう?
- 197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 18:38:37.45 ID:UxNYdo+RO
- 陽乃さんはツンデレなのかガチなのか
>>196
1月は勇者部編か夢編ではなかろうか
- 198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 20:41:16.37 ID:1tEAmFoY0
- まあいっそひと月ポンと飛んでるのもありな気がする
判定次第ではひと月の間にとんでもないこと起きそうだけど
- 199 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 22:05:58.78 ID:0GL0ts6ho
-
では少しだけ
- 200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 22:09:28.47 ID:x1txOQulO
- やったぜ
- 201 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 22:25:39.79 ID:0GL0ts6ho
-
沙織「………」
年が、明けた
どこからか、鐘の音がする
少し前から始まっていたであろうそれは、
百八つ目なのか、ちょうどいいタイミングだと思ったのか
一際大きく鳴り響いて沙織達のもとへと届く
沙織は目を瞑り、耳を傾ける
他の病棟、病室からは
年明けを祝う声、病気が治りますようにと願う声
様々な声が聞こえてくる
友奈「……はっ、はっぴーにゅーいやーっ!」
東郷「友奈ちゃん!?」
友奈「落ち込んでちゃだめだよ!」
きっと、それじゃダメなんだよ。と、
友奈は天乃のことを見つめながら言い聞かせるように声を張る
友奈「力のこともあったと思う。でも、大晦日だからこそ儀式をやったんだって、思うんだ」
樹「大晦日だからこそ?」
友奈「うんっ」
夏凜「持ち越してもいいことないでしょ。今回の問題は」
- 202 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 22:41:09.79 ID:0GL0ts6ho
-
夏凜「新年になってからやるよりも、年が明ける前にやっちゃった方が区切りが良いし」
園子「除夜の鐘みたいなものかな〜?」
年が明ける前に叩き始め、
年明けとともに最後の一回を打ち終えるという除夜の鐘の鳴らし方
始まりは大晦日に
そして、終わりは年が明けるのと同時に
そうすることで、新年に持ち越さないというやり方をまねたのではないか。と、園子は言う
残念ながら、年明けと同時に目を覚ませるほど生易しいことではなかったが。
友奈「久遠先輩は希望を持って決断した。だから、目が覚めた時に私たちがダメになってるわけにはいかないんだっ」
風「その通り……って、あたしが言ったってしょうがないかもしれないけど」
あはは。と、笑って痛みに顔をしかめた風に樹は心配そうな目を向けつつも頷く
東郷「お呪い。ですね」
樹「頑張るから、みんなも頑張って……でしょうか」
切り出したのは風からではあったけれど、天乃にも初めからその思いはあったのだろう
どちらかがダメでも意味がない
一蓮托生、願うは大きく広くけれども――一つ
沙織「みんなで一緒に居られること……」
夏凜「そのために必要なことなんだから仕方がないでしょ。とか、天乃なら言うんじゃない?」
樹「久遠先輩、意外に我儘ですから」
- 203 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 22:56:19.42 ID:0GL0ts6ho
-
風「そうなれって言ったのはあたし達だけどねぇ」
すぐ横の眠り姫
目を向けきれないもどかしさに頬を膨らませながら
風は限りなく明るい声色で呟く
天乃の苦しむ姿を見ることにはなってしまったけれど、
儀式は行われてしまった
あとは、祟りに負けず天の神に屈せず
目が覚めるまで生き延びるだけだ
いや、【まで】ではない
それからもずっとだ
そのために、ここで悲しみに暮れているわけにはいかない
沙織「そうだね。久遠さんは生きるために頑張ってるんだから。それであたしたちが挫けるわけにはいかない」
友奈「はいっ」
夏凜「それじゃ、風は体を治して」
風「任せろっ」
樹「受験も頑張らないとだね」
風「まかっ……」
東郷「目を逸らさないでください。風先輩」
だってぇーと、
意気込んだ屋下記に、弱弱しい声が病室に流れていく
- 204 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 23:14:49.56 ID:0GL0ts6ho
-
1月中の勇者部、コンマ判定
0〜9
↓1
※悪〜良
※ぞろ目ならびっくりすることが起きる
- 205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 23:15:40.57 ID:x1txOQulO
- あ
- 206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 23:16:06.70 ID:AphOXUb3O
- 何が出るかな
- 207 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/03(水) 23:28:08.12 ID:0GL0ts6ho
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
判定は7、中吉
沙織「でも、分かってる? 久遠さんが眠っちゃったってことはエッチなことが出来ないんだよ?」
友奈「!」
東郷「いいえ待ってください、世の中には眠姦なる性行為というものが――」
夏凜「あんたが待てっ!」
樹「除夜の鐘では祓いきれない煩悩があるみたいです」
千景「あれこそが人間の穢れよ」
- 208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 23:37:36.94 ID:x1txOQulO
- 乙
とりあえず1月中はなんとか大丈夫そうだな
あとは天の神がいつ動きだすのか気になるところだが…
- 209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/04(木) 00:00:45.23 ID:WIzBNuJw0
- 乙
今は耐えるとき……
- 210 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/04(木) 22:25:14.28 ID:kDojPmd5o
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から
再開は1月14日目、勇者部視点
- 211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/04(木) 22:33:32.89 ID:a1XxeLoZO
- 乙ですー
はたして二週間でどんな変化が起こるのだろうか…
- 212 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/05(金) 21:26:48.09 ID:Caigi3TUo
-
では少しだけ
- 213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/05(金) 21:29:22.11 ID:xuCh6lY0O
- あいあいさ
- 214 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/05(金) 22:36:22.51 ID:Caigi3TUo
-
√ 1月14日目 朝 (病院) ※水曜日
年が明けてから、二週間
風の体は外傷こそまだ残ってしまっているものの
軽く動かすことや、運動することはできるくらいには回復した
順調な回復を見せる風には
身体的な後遺症などの心配もないだろう。とのことだ
天の神による祟りは、
風や樹を襲ったような怪我などが伴うものは殆どなく
転んだり、ぶつかったりぶつけられたり
ちょっとした不注意での事故のようなものばかりになっていた
しかし……
友奈「……東郷さん、大丈夫?」
東郷「うん、友奈ちゃんは?」
友奈「大丈夫」
そう言って笑みを浮かべる友奈だったが、
その表情はとても辛そうで
東郷は「無理しないでね」と、声をかける
- 215 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/05(金) 23:37:42.28 ID:Caigi3TUo
-
天乃や歌野達の力による祟りへの対抗
それがあってか、外因的な被害を与えることはなく、
直接的に生命力を奪っていく方向へとシフトしたのだと沙織は言うが
それが祟りの本来の在り方なのだろう
胸元にあった痣のような印は大きく広がりを見せ
人前には晒すことが出来ないほどにまで大きくなりつつある
夏凜「冬で良かったわよね、コレ」
襟首を伸ばして自分の体を覗いた夏凜は、
苦笑いを浮かべながら、呟く
冗談にはならないけれど
冗談にでもしていなければ、辛い
園子「プールに入れないからね〜」
東郷「エッチなこともできないわ……」
樹「祟りのことより絶望してませんか?」
- 216 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/06(土) 00:00:09.05 ID:yXzlxzxEo
-
軽口を、叩く
祟りによって蝕まれていても心まで蝕まれているわけじゃない
痛みはあるし、熱っぽい時もあるし
当然のことながら、苦しくもある
けれど、一人ではなく、みんながそうであるからこそ
それぞれが頑張っているのだから。という力強さがあって。
たった一つ、天乃の為にと言う強い想いがあって
だから、平気ではないけれど平気なのだ
東郷「当然よ樹ちゃん……分かる? 二週間も、久遠先輩の体に触れる事すらできていないのよ?」
樹「それは……その気持ちは分かりますけど」
今までは、話すことが出来た
見ることが出来たし、触れることだってできた
でも、今は祟りの進行もあってろくにできていない
東郷は胸元を握る
忌々しそうに、いらだたしさを感じさせる
東郷「こんなものを見せたら、久遠先輩が泣いてしまうわ」
夏凜「その前に怒るかもね」
東郷「怒られるなら、まだ良いだわ」
- 217 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/06(土) 00:28:14.27 ID:yXzlxzxEo
-
怒られるのも嫌と言えば嫌だが、
泣かせてしまうことだけは絶対に嫌なの。と、東郷は拒絶する
友奈も、樹もだ
今の天乃は非常に涙もろいけれど
今の姿を見て天乃が泣くのは罪悪感からだ
自分の代わりに無理をさせた、自分のせいでこんなことになった。と
目の前では泣かないかもしれない
でも、きっと泣かせてしまうことになる
東郷「そんなことになったら、私は私が許せないわ」
沙織「かといって、無理をしてもいいわけではないことを忘れないでね?」
樹「今は眠っているのであれですけど、ずっと会わないわけにはいきませんから」
友奈「特に、東郷さんは目が覚めた瞬間にでも全速力で飛んでいかないとおかしいからね」
東郷「友奈ちゃん……」
夏凜「理解して貰えてるみたいな顔してるけど、悪い意味よ?」
樹「でも、久遠先輩の元気な姿を見ることが出来たら……そのためなら、大丈夫な気はします」
樹は東郷の反応に困った反応を見せながら、
一理はあります。と、つぶやいた
- 218 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/06(土) 00:30:45.01 ID:yXzlxzxEo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 01:05:29.44 ID:itmqRh1x0
- 乙
きっちり症状は出てきたな
- 220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/06(土) 05:03:43.54 ID:PXb20dppO
- 乙
久遠さんが復活したらもう少し祟りもなんとかなるかな…?
- 221 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 20:47:48.71 ID:G5oBse3qo
-
では少しだけ
- 222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 20:52:42.82 ID:yGmd9XSwO
- よしきた
- 223 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 21:30:45.27 ID:G5oBse3qo
-
√ 1月14日目 昼 (病院) ※水曜日
01〜10
11〜20 大赦
21〜30
31〜40 久遠さん
41〜50
51〜60 九尾
61〜70
71〜80 悪いこと
81〜90
91〜00 久遠さん
↓1のコンマ
※久遠さんは基本的に夜
※判定でのみ、引いた時刻
- 224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 21:34:14.84 ID:5SOoEtncO
- あ
- 225 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 21:55:24.99 ID:G5oBse3qo
-
√ 1月14日目 昼 (病院) ※水曜日
友奈「はぁ……」
東郷「友奈ちゃん、本当に大丈夫?」
友奈「……うん」
額の汗を、拭う
大丈夫、大丈夫
そう言い聞かせて、息を飲む
友奈「でもちょっと、息苦しいね」
東郷「そうね……少し、辛いかも」
友奈「寝てるだけでも、なんか怠くてご飯も吐いちゃいそうな気がする」
東郷「分かるわ」
冗談を言い合うように、笑う
でも、内容はまったく楽しくはない
けれど笑っていれば、少しは軽くなる気がした
東郷「お風呂に入るのも怖いわよね」
友奈「うん……」
東郷「久遠先輩のための体なのに……こんなに穢されて」
友奈「う、うん?」
- 226 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 22:27:50.53 ID:G5oBse3qo
-
東郷「出来る限り早く、綺麗にしないと」
友奈「東郷さんは、えっちなことしたいの?」
東郷「その有無に限った話じゃないわ」
たとえそれがなかったとしても、
自分の体が穢されているのは気に入らない
したいこと、したいけれど。
東郷「……なんというか、久遠先輩を喜ばせたいの」
ちょっと勢いに乗りすぎて困らせてしまうこともあるけれど
でも、いつも楽しんでくれている
終わった後は、満足してくれている
ほどほどにね。と言いながら
嬉しそうに笑ってくれる
東郷「友奈ちゃんは、どう?」
友奈「私は……まだ、えっちなことは良く分からなくて、全然力になれてないなぁって思う」
それが必要な頃だって
自分よりも東郷たちが役立っていて、全然役に立てていなかったと心の中では思う
でも、天乃は嬉しそうだった
自分のせいで淫らになっていく
それには少し申し訳なさそうではあったけれど
でも、自分たちの望んでいることであると伝えたら
困ってはいたけれど、ダメとは言わなかったし嬉しそうだった
- 227 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 22:53:34.41 ID:G5oBse3qo
-
友奈「本当は高校生くらいから、なんだよね?」
東郷「そうとは限らないけどね」
友奈「そ、そうなんだ……」
東郷「久遠先輩みたいに妊娠や出産を経験するのは……ないみたいだけど」
神世紀以前はどうだったのか
千景は多くはないが少なからずあったと言っていたから
少なくとも、道徳的に正しくはないことなのだろうと思う
東郷「でも、久遠先輩はどちらでも嬉しいのよね」
友奈「うん」
東郷「私たちが幸せなら、それでいいの」
天乃はみんなの幸せを願い、
みんなは、天乃の幸せを願っている
だからこそ、それが踏み躙られている今が許されない
そんな姿を、見せたくない
東郷「私たちの幸せには、久遠先輩が必要」
友奈「そのために、久遠先輩は凄く頑張ってくれたんだよね」
今も、頑張ってくれているんだよね。と
友奈は悲しそうに、けれど嬉しそうに言う
友奈「そのために、もう少し私達も頑張らないとだよね」
- 228 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 23:05:53.56 ID:G5oBse3qo
-
東郷「友奈ちゃん……分かってるよね?」
友奈「……うん」
友奈や東郷、夏凜は
すでに一度、天乃の穢れの一端を請け負っている
その効果はすでに消え去っており
恩恵も何も得られないような普通の体だが
天の神からしたらすでに穢れた不浄な者だろう
その分、影響は樹達よりも大きくなる
それは努力で賄える苦痛ではない
東郷「辛ければ辛いって言ってね? 私も……辛いから」
友奈「東郷さん……」
東郷「でも、えっちなことを話す余裕があるならまだ大丈夫ね」
友奈「東郷さんっ!」
東郷「ふふふっ」
もうっ! と
ちょっぴり怒った友奈の声はいつも通りで
東郷は嬉しそうに笑う
まだ大丈夫。まだ平気
病気ではない熱っぽさの強くなっていく体の息苦しさを感じながら、
東郷は極力、笑みを見せた
- 229 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 23:08:16.01 ID:G5oBse3qo
-
√ 1月14日目 夕 (病院) ※水曜日
01〜10 久遠さん
11〜20
21〜30 風
31〜40
41〜50 大赦
51〜60
61〜70
71〜80 千景
81〜90 九尾
91〜00
↓1のコンマ
※久遠さんは基本的に夜
※判定でのみ、引いた時刻
- 230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 23:09:12.89 ID:v08Ob+yq0
- あ
- 231 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/07(日) 23:21:27.62 ID:G5oBse3qo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夕方は夏凜と九尾の交流
そして夜に久遠さん
- 232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/07(日) 23:34:41.46 ID:mpVLGSNSO
- 乙
くあゆでは貴重なゆうみも回だったな
久遠さんも勇者部も幸せになってほしい
- 233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 00:18:27.67 ID:nOw8SlKk0
- 乙
仲間がいるだけでだいぶ原作より心強いよなあ
- 234 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 21:10:14.74 ID:aKYze7A1o
-
では少しずつ
- 235 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 21:19:36.74 ID:TsJEtPC10
- あいよー
- 236 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 21:49:12.39 ID:aKYze7A1o
-
√ 1月14日目 夕 (病院) ※水曜日
夏凜「天乃はどうなのよ?」
九尾「案ずるな、問題はない」
夏凜「予定では今日なんでしょ? あんまり、そんな感じはしないんだけど」
九尾「見た目は変わらぬが、確実に力を取り戻しておる」
大丈夫。と
九尾はもう一度繰り返して言う
はたから見たら今までと変わりなく思えるが
内面ではしっかりと力を取り戻しており
目を覚ますことは確実だと九尾は感じていた
これで、勇者部も救われることだろう
九尾「と言っても、力を取り戻すだけで本調子ではない。無理はさせるでないぞ」
夏凜「させるわけないでしょ……もう、させない」
九尾「じゃが、お主らが無理をしても主様は嫌がるじゃろうな」
くくくっと笑った九尾は
厄介じゃのう。と、あざけるように笑う
- 237 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 22:09:24.24 ID:aKYze7A1o
-
九尾「その祟り、主様に勘付かれるぞ」
夏凜「………」
九尾「もっとも、主様の手を借りる以上。知らせる事じゃが」
天乃の力が戻った後は、久遠家の血を借りて祟りの影響を最小限に抑え込むため
祟りの影響は知られてしまう
どれだけの苦痛だったか
どれだけの辛さだったか
全部、知られてしまうことになる
夏凜「……やっぱり、アンタもそう考えてんのね」
東郷達もそれは気がかりで
無理に力を貸し与えようとしてくるのではないかと、
少し……いや、かなり不安だった
夏凜「天乃の力は全盛期に比べてどうなの?」
九尾「それには劣る。子がおるのじゃから当然じゃな」
夏凜「それでも、戦うことはできる?」
九尾「うむ。血を分け与えた後はまた時間がかかるじゃろうが時期にできるようになるじゃろう」
無理をするのならば、すぐにでも。
もちろん、その場合に命の保証はできないが
- 238 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 22:41:45.71 ID:aKYze7A1o
-
夏凜「……頼みがある」
九尾「妾に頼みじゃと?」
いい度胸をしておるのぅ。と
九尾はぐっと身を寄せ、夏凜の瞳の奥までをも見透かそうとしているかのように
目を見開く
ただでさえ大きな瞳が、紅く強く光る
九尾「聞くかどうかは保証せぬが、よいかや?」
夏凜「ダメ」
アンタにしか頼めないことだから。と、
夏凜は九尾の威圧感にまったく怯むことなく、続ける
夏凜「私達じゃできないことなのよ」
九尾「ふむ……」
夏凜「あんたが素直にお願い聞いてくれるような奴だとは思ってない」
でも、と夏凜はつづける
夏凜「天乃のためなら、やってくれる奴だとは思ってる」
九尾「何を言うか」
夏凜「九尾も私達も……みんな、天乃が大切だから」
- 239 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 22:56:57.85 ID:aKYze7A1o
-
夏凜「でしょ?」
九尾「…………」
じーっと夏凜の瞳を覗いていた九尾は、
おもむろに目を閉じ、身を引いていく
つまらないと言いたげな様子ではあったが、
九尾は何も言わずただ息を吐いて瞬きする
紅い瞳は怪しげな光を放ちつつ夏凜へと戻る
九尾「妾は人間とは違う。久遠家の血その契りがあるが故のこと。主様個人に思い入れなどない」
子供が産まれ、出涸らしと言ってもいいような天乃のことは
もう、気にする必要もない
何をしようが、どうなろうが
力を継承した子供たちさえいるのならばどうでもいい
しかし……
九尾「妾の本来の主を引き継いだ貴重な娘じゃ。特別、聞いてやろう」
夏凜「素直になったほうが良いんじゃないの?」
九尾「貴様が言うか、小娘」
夏凜「私は素直になってるわよ……一応、そのつもり」
じゃないと、伝えたいことも伝えられずに後悔してしまいそうだったから
失ってから、こうしておけばよかったと嘆くことになりそうだったから
なにより、まっすぐであっても受け取ることに難色を示す人だったから
夏凜「天乃が面倒だっていう九尾の意見には……異論はないわ」
過去の数か月
その難しさを思い出した夏凜は
呆れたように、そう言った
- 240 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 23:07:34.58 ID:aKYze7A1o
-
√ 1月14日目 夜 (病院) ※水曜日
01〜10 大赦
11〜20
21〜30
31〜40
41〜50 大赦
51〜60
61〜70
71〜80
81〜90 大赦
91〜00
↓1のコンマ
※空欄は久遠さん
- 241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 23:11:16.55 ID:Enxh2dc7O
- はい
- 242 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/08(月) 23:27:04.18 ID:aKYze7A1o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
風「確かに、夏凜って素直になったわよね」
東郷「久遠先輩って、自分に向けられる好意に関して否定的でしたから」
樹「率直にぐいぐいいかないとーって感じだったとは思います」
友奈「でも、それなのに手当たり次第に口説いていたような……」
園子「天さんの天は天然さんって意味もあるんよ〜」
夏凜「あんたが言えたことじゃないでしょ。それ」
- 243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 23:31:57.20 ID:7V8xzeA7O
- 乙
目覚めは近いのか
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/08(月) 23:39:25.55 ID:9WtZAXkrO
- 乙
夏凜も成長したからかいつの間にか完成型勇者とかあまり名乗らなくなったしな
それにしても九尾にしかできない頼みとは一体…?
- 245 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/09(火) 21:10:50.95 ID:UcZJkqDco
-
では少しだけ
- 246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 21:13:13.14 ID:TZYSaQQh0
- やったー
- 247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 21:17:43.01 ID:6SQbRvgdO
- かもん
- 248 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/09(火) 21:38:02.34 ID:UcZJkqDco
-
√ 1月14日目 夜 (病院) ※水曜日
天乃「っ……」
冷え切った身体が急激に温められていくような感覚が広がっていく
乾いた喉の痛みも瞬く間に癒えて
身体の鈍さも和らいでいく
天乃「ぁ」
目が見える
濁っていない、歪んでいない、半分欠けてもいない
耳が聞こえる、左からも、右からも
片方からしか聞こえなかった音が、両方からしっかりと聞こえてくる
消えていた、大切な人たちの記憶
それもまた、まるでなくなっていたことが嘘のように、鮮明だった
足も動く
弱弱しいけれど、しっかりと動いてくれる
ただ一つ、左足を除いて
天乃「……望みすぎは、毒ね」
どうせなら左足も治してくれればよかったのに
そう言いたいけれど、
左足以外は治ってくれたことに感謝すべきだろう
- 249 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/09(火) 22:05:46.38 ID:UcZJkqDco
-
天乃「九尾の力とは……全然違う」
若葉達の記憶
それを取り戻す際に感じた記憶の復元とは全く違って
痛みなどもなく、すんなりと収まっている
もっとも、寝込んでいる間に激痛にもがいたのかもしれないが。
少なくとも、意識を失う寸前に血を吐くまで来ていたのは、体が覚えている
一瞬感じたのどの痛みも
その感覚を覚えていたからだろう
天乃「風……?」
横を見てみると、医療器械に囲まれていて
風の姿はどこにもない
歌野達の力に守られている病室の方に移されたのだろうか
天乃「そう……貴女は、大丈夫そうなのね」
起きて独りと言うのは寂しいけれど
順調に治ってくれているのなら、良かった。と
天乃は苦笑する
天乃「今、いつなのかしら」
- 250 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/04/09(火) 22:18:04.25 ID:UcZJkqDco
-
携帯端末も、時計もない
すぐ近くにあるモニターには時間の表示がない
ナースコールでも押そうかと手を伸ばす
天乃「……普通、押すべきなのよね」
寝込んでいたとは思えないほどの快調な感覚
抑圧されていたものを解放したがっているのか
頭は、押さなくてもいいのではなどと考える
友奈たちは呼べないが、精霊は呼べる
精霊が呼べれば、友奈たちも来てくれる
天乃「元気になった途端これなんだから」
自分自身のことなのに、笑えてしまう
若葉は無事だろうか
風はどうだろうか
みんなは、あれ以降大丈夫だろうか?
自分のことよりも、気になることが多い
1、とりあえずナースコール
2、精霊
3、とりあえず、片足で立ってみる
4イベント判定
↓2
- 251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 22:19:26.28 ID:dhWwbAKv0
- 4
- 252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/09(火) 22:20:08.32 ID:6SQbRvgdO
- 3
441.85 KB Speed:0.3
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2026/05/10 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)