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【安価・コンマ】孕ませハーレム子孫繁栄!

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749 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 12:58:12.75 ID:EBrgWnT50
 シスターがもう一度頭を下げた。


シスター「…………では、お二人とも。これで本当にお別れです。ですが、何かあったら、また孤児院に戻ってきてくださいね」


 その言葉は、母のように、とても優しかった。
 俺は頷いた。


俺「はい。シスター・エクレア」


 フィーが涙を流しながら言う。


フィー「本当に…………本当にいままでありがとう、シスター…………!」


 シスターが俺とフィーを見て、また頷いた。


シスター「シズキさん、フィーちゃん……………幸せになってください」


 そういうと、シスターは忍者のように跳んで木々の中に消えてしまった。
 本当に、忍者のようだった。


俺「…………………行こうか、フィー」


フィー「うん……………ナカダさん………………!」


 そうして、俺たちの2人っきりの旅が始まった。


 ◆◇◆◇◆
750 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 13:02:27.48 ID:EBrgWnT50
 ◆◇◆◇◆


 町の入り口で、俺とフィーは話していた。


俺「必要な物は揃っている。この街は素通りで良いね」


フィー「うん…………………次、どこいくの………………?」


 俺は地図を広げる。


俺「西に行ったら町があるみたいだからね。そこに行くことにするよ」


フィー「へー、どんな町……………?」


俺「えっとね………………」


 次の町、村、都市安価やで。


立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4
751 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 13:03:04.57 ID:EBrgWnT50
 ◆◇◆◇◆


 町の入り口で、俺とフィーは話していた。


俺「必要な物は揃っている。この街は素通りで良いね」


フィー「うん…………………次、どこいくの………………?」


 俺は地図を広げる。


俺「西に行ったら町があるみたいだからね。そこに行くことにするよ」


フィー「へー、どんな町……………?」


俺「えっとね………………」


 次の町、村、都市安価やで。


立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4
752 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 13:04:16.12 ID:EBrgWnT50
 すまんで。
 安価ずらしや。
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 13:06:05.22 ID:itWuxQ2iO
大きな都市。壁に囲まれており守りが硬い。
人口は多く多種多様な種族がいる。
754 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 13:06:31.48 ID:EBrgWnT50
 重ね重ねすまんで。
 もう一回や。

立地や規模:>>下1
特色や名産:>>下2
備考:>>下3
名前:>>下4
755 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 13:07:04.20 ID:EBrgWnT50
 >>753は採用やで。
 あとみっつ。
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 13:14:00.82 ID:Q/yjA57j0
種族固有の風習や文化が入り乱れ半ば無法状態、他種族への寛容を求める風潮がある

その分治安維持のため自警団(ヤクザ)や交渉人・仲介役が沢山いる
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 13:37:35.83 ID:dZcaTRSZo
多種族のため必要な物がそれぞれあるがその全てが揃っているといわれる大きい朝市
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 13:38:40.42 ID:dZcaTRSZo
見るとこまちがえたねすまん安価下
759 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 14:17:29.73 ID:EBrgWnT50
 備考>>安価下1
 名前>>安価下2
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 14:44:38.46 ID:741LaW8yO
備考は>>757の『多種族の必需品を揃えた朝市がある』でも良い気がする
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 15:06:30.46 ID:5YXhTfWvO
城塞都市カドプレパス
762 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 15:17:40.81 ID:EBrgWnT50
 >>753 >>756 >>757 >>761
 次の町は城塞都市カドプレパスや。
763 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/15(火) 16:33:17.28 ID:EBrgWnT50
俺「城塞都市カドプレパスだって」


 俺がそうフィーに教えると、フィーは難しそうな顔をした。


フィー「城塞都市かどぷ………?」


俺「カドプレパス。シスターから聞いた話では沢山の種族がいて、巨大な城壁があるらしいよ。でも種族や民族が沢山いるせいで治安も少し悪いみたいだ…………」


 カドプレパス…………城塞都市とだけあって強そうな名前だ。
 治安が悪いと言うことは、フィーぐらい小さいと危ないな。


俺「街の中ではぜっったいに俺から離れないでね」


フィー「ん…………………分かった、シズキさん………………」


 フィーはそう言うと俺の指をきゅっと握ったのだった。


 半日かけて日が沈む前にカドプレパスに行くで。
 道中でイベント(商隊と出会う等)やトラブル(魔物と出会う等)はあったか。
 なければ何もなかった。
 >>下
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 16:36:54.31 ID:zSxFFQTDO
行商人と出会う
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/10/15(火) 16:37:42.66 ID:Q/yjA57j0
ヒャッハー!魔物ダァ!

魔物と遭遇で
766 :あばんぎゃるど ◆X0vo94uImPEW [saga]:2019/10/15(火) 21:39:26.91 ID:IgtJcUOt0
 ◆◇◆◇◆


 俺とフィーは城塞都市カドプレパスに向かってもう数時間歩いていた。
 道は余り整備されておらず、草を刈り地面を平らに慣らしただけ、という道だ。
 まあ道のりが分かるだけ、歩きやすいだけ良いだろう。
 道中でフィーは疲れ切ってしまい、俺の腕の中ですやすやと寝息を立てている。
 フィーは小さく軽いから、どれだけ持ってもへっちゃらだ。
 なんならずっとここで寝ててもいい。
 俺の嫁は天使です。
 そうフィーの寝顔を覗き込んで思った。
 因みに、ここまで数時間歩いて数人とすれ違った。
 様々な種族がいるという街に続く道だけあって、人間じゃない種族の方が多かった。
 犬の獣人に、魚っぽい人など、ファンタジー物の映画で見るよりもとてもリアルだった。
 またすれ違った人々はみんな気さくで、良い夫婦だねと言ってくれた。
 …………このカップルで夫婦に見えたのか………
 多種族のいる異世界こそだな。


 その時、ガタガタという車輪の音とともに馬車のような物が向こうからやってきた。


商人「おぉ、こんにちは」


 それは馬車だった。
 馬車以外なんと言えば良いんだ、と言うほど馬車な馬車が来た。
 手綱の繋がった馬に、それに引かれる馬車、片眼鏡をかけた御者。
 俺は初めて見る本場の馬車に感動した。
 俺は御者の人に頭を下げた。


俺「こんにちは」


 御者の人は背が低く耳と鼻が尖っており、どうやらこの人も人間では無いらしい。
 俺と寝ているフィーを交互に見て、御者の人はははーんと微笑んだ。


商人「ほうほう、新婚さんですか。おめでとうございます」


俺「あ、どうも……」


 俺は会釈をした。
 そして不思議に思っていた事をその御者の人に聞くことにした。


俺「あの………少しお聞きしたい事があるのですが………」


商人「何でしょうか。私に答えられる事なら、何でも」


俺「えっと、実は先程から数人の方とすれ違っているんですが、なぜ僕達が夫婦だと分かるんですか……? ちょっと夫婦には見えないと思うんですが………」


 俺はぽっちゃりの人間20歳、フィーは妖精の14歳。
 夫婦どころか親子にも見えず、フィーの大きさも相まってむしろ誘拐中に見える。


商人「ああ。確かにニュートラルと妖精の夫婦は珍しいですが、それは指輪を見れば分かりますよ。幸せそうですしね。随分お若いうちにご結婚」


 指輪か………そんな簡単な事だったのか。
 にしても指輪だけでも夫婦と判断できてしまうのか。
 不思議だ………
767 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/16(水) 01:24:55.51 ID:MhCpJW1U0
 それにしても、今の会話で分からない単語があった。


俺「ありがとうございます。ところで………ニュートラル? って何ですか?」


 恐らく会話の流れから俺の事だが、それなら妖精であるフィーに対して俺は人間、じゃないのか?


商人「ほお、ニュートラルを知らない………まあ、教えましょう。ニュートラルとは、あなたの事です」


 やっぱりか。


商人「まあ人間の事ですね。ですが数十年前からあなた方の種族のことを人間と言う事は無くなり、『普通』という事を意味するニュートラルと呼ぶことになったのです。因みに私はノームです」


俺「はーなるほど。色々と教えていただきありがとうございます」


 俺がそう言うと、ノームの商人はいえいえと微笑んだ。


商人「ところで新婚さん。ちょっと余っている商品があるから、買っていかないかね?」


俺「良いんですか?」


商人「はい。ウチは雑貨を扱っているから、もしかしたらお気に入りの掘り出し物が見つかるかもしれませんね」


俺「ああ、ではありがたく………」


 商人の御者が馬からおり、ホロを開けた。
 そして引き出し式の商品棚を展開し、素早く商品を並べた。
 ガチャガチャと物を動かす音でフィーが目覚めてしまった。


フィー「ん、んぅ………ふぁぁ…………うん………?」


商人「おっとすいません。起こしてしまいましたか」


 フィーはこしこしと目を擦ると、俺に地面に下ろすように促した。
 地面に立つと少しふらふらしながら俺に話しかける。


フィー「ん〜………シズキさん、この人は………?」


俺「商人さんだって。雑貨屋さんだけど、何か欲しいものがあったら買って良いよ」


商人「どうも可愛らしい奥さん。好きな物をお選びください」


 フィーはコクリと頷き、眠気ナマコのまま商品棚を物色し始めた。


 ナカダが買ったもの>>下1〜3の内コンマ最大。

 フィーが買ったもの>>下4〜6の内コンマ最大。


 名前と効果と見た目を明記。
 陳列されているものは主に雑貨で、あったとしても低ランクの魔道具まで。
 ゾロ目が出た場合はコンマ×10と効果上乗せ。
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 10:37:44.33 ID:wll0Faac0
名前:ガラス燭台
効果:蝋燭の残りカスを掃除するのが楽(ノーム談)、ガラス製なので普通の燭台より広く照せる。代わりに割れやすい
見た目:小さめの燭台、色ガラスで小洒落ている
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 11:43:32.74 ID:jUCGjEpKO
名前:伸び輪
効果:力を加えると伸びる、抜くと縮む。要するに輪ゴム
見た目:毒々しい青色の輪ゴム。大小不揃いで大きい物はフィーちゃんを緊縛するのにピッタリなサイズ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 11:58:13.41 ID:BfyUvUX40
>>768
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 12:26:54.02 ID:Iymmgz6go
名前:無言飴
効果:口に入れると思わず無言になるくらい美味しい飴……という売り文句で実際はごく短時間沈黙の状態異常になる普通の飴
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 12:47:45.51 ID:ZotuCt6G0
名前着せ替えぬいぐるみ
効果:フィーと同じサイズのぬいぐるみ+数着の着せ替え衣装 子供向けのおもちゃだが衣装自体の質は高い
見た目 金髪のかわいらしい少女の姿をしている
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 15:37:46.13 ID:5tb/bbpDO
金平糖
色とりどりの金平糖がいくつか入った小袋
色ごとに微妙に味が違い、稀に「当たり」が入っていることも
774 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 10:00:01.06 ID:t7HNMT1v0
 シズキの所持金:118000円
 フィーの所持金:22000円


俺「うーん、色々有るなあ」


 俺は様々な雑貨に目移りしていた。
 しかし長く引き留めるのも悪いし、早く決めてしまわなくては…………
 輪ゴムのような物に、不思議な生物の置物、その他もろもろと沢山ある。
 そうやって俺が悩んでいる内に、フィーが先にお気に入りを見つけたようだ。


フィー「……………あれ」


俺「ん? どれだ?」


 フィーが指さした先には、ニュートラルの形をした人形があった。
 とても大きく、サイズ的にはフィーと同じサイズだ。


俺「………………これ?」


 俺が取ってやると、フィーはこくこくと頷いた。


商人「おお奥さん。それにいたしますか。それはこちらの服5着とセットです」


 商人は人形の近くに置いてあった女の子向けのようなとても可愛らしい服を示した。
 色々な種類の服があり、人形用にしてはとても作りがよい。
 ……………というかこの服そのままフィーが着れないか?


フィー「これがいい」


 自分の背丈の人形を抱きかかえ、フィーが目をキラキラさせる。


俺「分かった。自分のお小遣いでいいね?」


 フィーは頷く。


俺「じゃあ、会計は俺のが決まってからね。ちょっと待ってくれ」


 俺はいくつもの雑貨にまた目線を戻した。
 その時、棚の中で一つ不思議に光る燭台を見つけた。
 それは透明で、触った感じはガラスで出来ているようだった。


俺「これは………」


商人「ああ、それは魔道具ですよ。燭台のね」(ゾロ目だったため効果付属)


俺「魔道具? と言うことは何か魔法がかかっているんですか?」


 商人が頷く。


商人「それは(安価>>下1)という魔法がかかっているうえに魔道具だから壊れづらいんですよ。そちらの燭台の値段は銀貨(コンマ一桁>>下2)枚で、そちらの人形は銀貨(コンマ一桁>>下3)枚です」


 シズキとフィー、それぞれ買うか買わざるか。
 シズキ、安価>>下4
 フィー、安価>>下5
775 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 10:03:01.13 ID:t7HNMT1v0
 やっぱり値段は
 銀貨(コンマ一桁)枚→銅貨(コンマ二桁)枚
 で。
 銅貨10枚で銀貨10枚。
776 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 10:04:40.20 ID:t7HNMT1v0
 訂正。
 銅貨10枚で銀貨1枚。
 安価ずらし。
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 10:14:30.89 ID:FYwXy0udo
光量調節可能
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 10:21:12.73 ID:KAGGD2qA0
でもお高いんでしょう?
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 11:32:53.12 ID:XXgZItfcO
燭台高ぇ
780 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 11:39:25.30 ID:t7HNMT1v0
 参考までに。


俺「光量調節…………?」


 俺がそう言うと、商人はロウソクを取り出し燭台に刺すと火を付けた。
 デモンストレーションをしてくれるようだ。


商人「はい。こうやって火をつけて燭台のコックをひねると………」


 商人が燭台のつまみを左にひねると、ロウソクの火が小さくなった。
 俺は思わず簡単の声を上げた。


フィー「………………貸して貸して」


商人「はい、奥さん」


 商人がかがむと、フィーが小さな手でつまみをキュッと右にひねった。
 ロウソクの火が最初の二番ほど大きくなった。


フィー「おー……………」


 ペチペチと人形を抱えたままフィーが手をたたく。


商人「最大で八倍、最小で八分の一まで幅があります。それに比例してロウソクの消費も変わりますよ」


俺「なるほどな……………」


 買うか買わざるか……………


 安価下
 シズキ、買うか(7200円)(安価>>下1)
 フィー、買うか(1200円)(安価>>下2)
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 11:49:44.73 ID:RbZ85B/1O
燭台なら買わない

人形なら飼う
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 11:51:22.85 ID:BzPdODmDO
買う
783 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 13:06:37.00 ID:uPChKN3q0
俺「うーん…………悩みましたけど、ちょっと高いですね…………」


商人「まあ魔道具ですしね」


俺「…………ごめんなさい、買いません」


 俺がそう言うと商人は頷いた。


商人「わかりました。奥さんは?」


 フィーは銀貨二枚を商人へ差し出す。
 人形はわりと荷物だが、フィーのためだ…………


商人「ほい。じゃあ八枚のお返しです。ありがとうございました」


 フィーは銅貨を荷物にしまうと、人形を抱きしめ嬉しそうに飛び跳ねた。


俺「じゃあ、俺たちはこれで。あまり引き止めても悪いですしね」


商人「わかりました」


 商人はパタパタと棚をたたむとひらりと馬車に乗った。


俺「ありがとうございました」


フィー「ありがとう、ございました………………」


 俺たちがそうお礼を言うと、商人はにっこりと笑った。


商人「いえいえ。お二人とも、お気をつけて」


俺「はい」


フィー「はい…………」


 商人はそう言うとピシッと手綱を鳴らし、ゴトゴトと車輪を慣らしながら行ってしまった。
 その背中を見送りながら人形を抱きしめるフィーに話しかけた。


俺「じゃあ、行こうか、フィー」


 フィーはコクリと頷き、俺の手をきゅっと握った。
 その後少し歩いてから、人形の足がわりと擦れることがわかり、だっこひもを作ってあげてフィーの背中におんぶさせる事にした。
784 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 13:15:36.43 ID:uPChKN3q0
 ◆◇◆◇◆


 それから数時間歩いて………………
 夕方頃。


俺「これだな、城塞都市カドプレパス」


フィー「かとぶ…………」


 それは横に長く続く壁だった。
 壁にはとこらどころに穴があいており、時々人影がちらっと見える。
 これが城塞だろう。
 開け放たれている分厚く巨大な城門のようなあり、兵士のような鎧を着込んだ門番のような人が左右に一人ずつ立っている。
 そこが入り口のようだ。


俺「入ろう、フィー。手を離さないようにね」


フィー「うん……………」


 人形をおんぶしているフィーの握る力が少し強くなった。
 そうして俺たちは、多種族の入り乱れる城塞都市、カドプレパスにたどり着いたのだった。
785 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 13:16:49.31 ID:uPChKN3q0
 このタイミングで二人目行くで。
 カドプレパスは
 ・多種族がいて治安が悪い。
 ・自警団等もいるため均衡は取られている。
 ・もちろん路地裏は格段危ない。
 ・発展具合は高い。
 そんな都市やで。


 性別:女
 種族:>>下1
 名前:>>下2
 身体的特徴(見た目):>>下3
 職業、身分:>>下4
 処女か:>>下5
 性格や趣味:>>下6、下7
 年齢:>>下8
 備考:>>下9
 主人公との出会い方&惚れ方:>>下10
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:29:00.27 ID:6TY2ryQU0
龍族
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:42:17.06 ID:kYQGVmZW0
プリシラ
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:46:44.67 ID:MumzN+/OO
平均よりやや高めの身長で気品のある美少女。髪は金色のポニーテール
すらりとした均整の取れた体つきで、胸はやや大きめ
龍の翼と角がある他はほぼ人間と変わらない
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:53:56.42 ID:Ku16qKQI0
職業 学者 身分 上流階級出身
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:57:19.14 ID:ryztFi5d0
処女
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 13:57:46.00 ID:BzPdODmDO
性格 気弱でいつもオドオドしてる
趣味 読書や自分で小説を書くこと
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 14:14:18.52 ID:Q2JMcmNr0
とってもおっとりして心優しい 創作料理が趣味
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 14:23:54.25 ID:lGvvWzUjO
200歳(人間換算17歳前後)
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 14:25:21.22 ID:Qse5rsLoO
箱入り娘で大切に育てられたため外の世界に憧れている。
羽が性感帯だが性知識にひどく乏しい
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 14:26:55.45 ID:2gEZjqgxO
屋敷からこっそり抜け出したところで柄の悪い男に絡まれてしまったが主人公に助けられた
796 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 15:28:59.52 ID:UeZ8RX800
 200年箱入り娘…………?
 とりあえずプリシラで行くで。
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 16:50:00.75 ID:ZCZ+EN/4o
タイミング合わねかったー
カエデパイセンインストールは備考に書く、でしたよね?
798 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 16:55:56.36 ID:mGKtcr7x0
 >>797せやでー。
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 17:11:24.87 ID:iI+K0CmkO
カエデパイセンの転生キャラの場合なんだけど、その場合記憶の有無や転生前の最期とかは判定で決める感じ?
800 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/17(木) 18:53:47.51 ID:mGKtcr7x0
 >>799せやな。
 その時になったら記憶と最期で安価するで。
801 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/18(金) 19:57:32.02 ID:/y03cL3w0
 俺はフィーと手を繋いで、カドプレパスへと入っていった。
 少し門番に怪訝な顔をされたが、普通に通してもらえた。


俺「やっぱり壁の内側って異質だな」


フィー「…………ちょっと息苦しい…………」


 言ってみれば、カドプレパスの内側はごちゃっとしていた。
 パリのように升目で区切られておらず、道はあっちにこっちに広がっている。
 そして、やっぱり一番目につくのは、道よりも入り乱れている様々な種類の種族だ。
 パッと見ただけでニュートラルの他にノームや獣人、エルフやおそらくドワーフのような種族がいる。
 ………ちょくちょく妖精もいるな。
 フィーのように身体が小さく、ブーンと虫のような羽を羽ばたかせキャハキャハと空を待っている。
 いかにもピクシーとかシルキーとか言う種族に見える。


フィー「おんなじ種族だ…………」


俺「ああ。みんな髪の色とか羽の種類とかが違うんだね」


フィー「うん…………」


 俺は入り口の近くの立て看板に貼られているカドプレパスの地図を覗き込んだ。


俺「どこに行こうかな………」


 どうやら南の赤い印が現在地のようだ。
 丸い壁の反対、北がお金持ちのエリアだそうだ。


 時刻は夕刻。
 どこに行く? 位置関係も>>下1
 また、そこに行く途中でイベントやトラブルなどもあれば。
 無ければ無し>>下2
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:01:51.36 ID:xqxDRY10O
とりあえず宿を取る。
宿の位置は街の中心部近く(富豪層と貧民層の境目ぐらい)
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:06:54.24 ID:61F1u+Qi0
まずは宿取ろう

お金持ちエリア入口と現在地の中間くらい
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:07:43.56 ID:maojpfq8o
宿近くで>>795
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:08:44.83 ID:qbxCGJgLO
中出しが淫魔に襲われる(性的な意味で)
806 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/18(金) 22:13:46.22 ID:/y03cL3w0
俺「先ずは宿を探そう。もう時間だしね」


 フィーが頷いて、俺たちは宿を探しに行く事にした。
 お金持ちエリアから離れすぎたら治安は悪いだろうし、お金持ちエリアに行きすぎると確実に値段が高くなる。
 だから真ん中辺りのエリアを目指す事にした。


 ◆◇◆◇◆


俺「サダーナの宿………値段もいい感じだね」


フィー「ん………」


 俺たちはしばらく歩いていい感じの値段設定の宿を見つけた。
 一晩一部屋銀貨二枚。
 まあまあ安い値段だ。
 街並も、入り口付近よりはごちゃごちゃとしていない。


俺「よし、チェックインしようか」


 フィーがコクリと頷いた。
 そしてチェックインしようとした瞬間、どこからか助けを求める声が聞こえた。


???「え、いや、あの………ちょ、ちょっと、通してください…………」


???「へっへっへ、姉ちゃん良いじゃんかよ。あんた上層のお嬢様だろ? なあんにも知らないんだから俺たちが楽しい事教えてやるよぉ………」


???「そうだよ姉ちゃん連れねえなぁ。なあ、教えるっつってんだろ!?」


???「ひ、ぁ、助け……………」



 俺の耳は特別良い訳では無いのだが、その路地裏からのか細い声ははっきり聞こえた。
 俺に聞こえたと言うことは周りの人にも聞こえた筈だが、周りの住民はその方向をチラッと見るだけで素通りして行く。


フィー「し、シズキさん……………」


 フィーが不安そうな声を上げ、ギュッと俺の手を握る。
 俺の腰にはすぐ持ち出せる位置にブラックジャックがある………


 どうする?>>下
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 22:41:51.02 ID:+nmWpAoDO
知り合いの振りをして連れ出す
808 :オパビー ◆JcmNO1WDuA [saga]:2019/10/18(金) 23:28:37.22 ID:/y03cL3w0
 とりあえず今日はここまでや。
 落ちるで。
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 00:30:34.41 ID:ev1HOmECo
おつおつ
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 00:31:12.75 ID:gqD03zMH0
乙ー
811 :オパビー ◆JcmNO1WDuA [saga]:2019/10/19(土) 10:37:05.07 ID:ehAehXl40
 俺はブラックジャックに手を………かけなかった。
 フィーに物陰に隠れるように言い、その路地裏に入っていく。


柄悪男A「姉ちゃん名前なんてーの?」


???「ぷ、プリシラです……あ、あの、手を…………」


柄悪男A「へー、プリシラちゃん…………おれんちあっちにあるんだわ。いこーぜ」


柄悪男B「ひぇひぇひぇ………いいなぁ?」


???「いや、わ、私は…………」


 あからさまに柄が悪そうなニュートラルの男2人が貴族令嬢っぽい華奢なメガネをかけた女の人の腕を掴んでいる。
 女の人は良く見るとニュートラルでは無さそうで、ドラゴンっぽい角と翼と尾がある。
 俺は意を決してその2人に叫んだ。


俺「おい、プリシラに何しているんだ!」


柄悪男A「あぁん? お前なんだ?」


 柄が悪い男はぐりんと凄んできた。
 ぐ、怖い………だが一瞬でも怯んだら負けだ………!


俺「知り合いだ…………その手を離せ」


 俺も精一杯怖い顔をして男達を睨みつける。
 男達は俺が怯まないのを見て分が悪いと思ったのか(俺の内心はビックビクだが)、舌打ちをすると踵を返した。


柄悪男A「チッ………んだよ運悪いな………行くぞ」


柄悪男B「え、ぶっ飛ばさないんで?」


柄悪男A「めんどくせえよ。ほら、来い」


柄悪男B「へーい。チッ……」


 そう言って男達は路地裏の奥に行ってしまった。
 種族の分からない女の人………と言うか、よく見たら思ったよりも幼い。
 女の人、と言うよりは少女だ。
 少女は目に涙を浮かべながらへなへなと座り込んだ。


俺「>>下」
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 10:42:39.81 ID:OxISZSXHO
『大丈夫?』と声をかけながらへたりこんでいるプリシラに手を差し出す
813 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/20(日) 09:26:18.41 ID:hvCxy6O10
 あ、あーっ、怖かったーっ!
 あのまま襲いかかって来たらどうしたか………!
 とりあえず、俺は床にへたり込んでいるプリシラという少女に手を差し出した。


俺「大丈夫………?」


 俺がそう話しかけると少女はピクッと震えて俺を見上げて来た。
 その目には恐怖が浮かんでいたが、俺と目があった瞬間にそれは無くなった。
 少女は俺の手を取り、俺をぽーっと見つめている。


プリシラ「は………はい………だいじょうぶ………です…………♡」


 ………ん?
 なんか、少女の瞳が熱っぽいぞ?
 ………いや、まあ、大丈夫だろ、うん。
 たった一回危険から助けただけで惚れるなんてことは………
 ………フィーという前例があるな。


俺「う、うん。とりあえず、立てる?」


プリシラ「は、はい………おい、しょ……っとと……」


 手を引いて立ち上がらせた瞬間、プリシラがよろけた。
 俺は慌ててその身体を支えようと前に回ったが、それがいけなかったらしい。
 プリシラの身体はそのまま俺の胸に収まり、ブニュッ、と胸と胸が押し付けられる。


プリシラ「え、ぁ、あっ………」


俺「あ、ご、ごめんっ!」


 その瞬間、少女の顔がボッと赤くなり、固まった。
 少女の荒い息が俺の首元にかかる。


プリシラ「………あ、ありがとうございます………その、助けてくれて……………」


 ゆっくりと俺の背に手を回そうとしたので、慌てて優しくつき離す。


俺「あ、ああ! うん! 良かった! と、とりあえず出ようか!」


 少女は少し戸惑ったが、コクリと頷いて俺の手を握った。


プリシラ「は、はい…………♡」


 ああ、これ完全に惚れられている…………ど、どうしよう………
 とりあえず、俺は俺の手を握って、というか腕に手を絡めて離そうとしない(相当力が強い)少女を連れたまま路地裏を出た。
 そこで人形とごっこをしていたらしいフィーと目が合う。


フィー「あ! シズキさん。大丈夫だっ………」


 俺の腕には顔を赤らめて腕を絡ませる角と翼と尾のある美少女。
 フィーが言葉を詰まらせる。
 少女もフィーを見て驚いている様子だ。


プリシラ「シズキさんとおっしゃるんですね…………♡」


フィー「シズキさん………その人は?」


 プリシラは俺の名前を知ってさらに顔を赤らめ、フィーはどこかジトッとした目で俺を見ている。


俺「>>下」
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 09:38:21.00 ID:Ni88aHhDO
フィー、この人がさっき悪そうな人に絡まれていたプリシラさんという人だよ

そしてプリシラさん、彼女は俺の妻のフィーです…
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 11:00:56.38 ID:w5MZRGfx0
出会って三秒で合体ならぬ出会って三秒で修羅場である
816 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/20(日) 13:57:19.99 ID:/MlDHT5C0
俺「えっと、フィー。この人はさっき悪そうな人に絡まれていたプリシラさんという人だよ」


 俺はとりあえず少女を紹介した。


プリシラ「あ、はい。プリシラです…………って、そう言えばシズキさん、なんで私の名前を……………?」


俺「さっき柄の悪い奴らに言っていましたから」


 少女はなるほどと頷いた。
 フィーはジトッと俺を見ている。


フィー「へー……………………………プリシラさんねー……………………………」


 なんでもありませんからフィーさん。
 多分、というか十中八九惚れられてますけど、なんでもありませんから。


プリシラ「あのー、ところでシズキさん……………あのフィーという方は…………? 妹さんですか……………?」


 少女が変わらず俺の腕を抱えたまま俺に聞く。
 そう言えば、初めて夫婦以外に見られたぞ。
 兄妹か…………フィーは耳も尖っているし、羽もあるし、まず種族が違うような……………
 俺は少女に言う。


俺「妹では無いです…………えっと、プリシラさん。彼女は、俺の妻のフィーです」


フィー「どうも……………………妻です……………」


プリシラ「へぇ、妻………………え、つま? え、おっと???」


 少女が明らかに動揺した様子でフィーと俺を交互に見ながら俺に聞き返す。


俺「はい。夫婦です」


プリシラ「え、そんな……………ふうふ? めおと?」


俺「はい」


 俺とフィーの関係を知った少女は何度か聞き返した後、絶望したような表情のまま力を抜いて俺の腕から離れた。


プリシラ「ご、ごめんなさい…………わ、私、ご夫婦の前でこんな、事を……………」


 あからさまに少女はダメージを受けているらしい。
 地面を見たまま、顔を上げようとしない。


フィー「…………………シズキさん?」


俺「………………はい」


 どうしようか戸惑っていたら、フィーがやっぱりジトッとした目で俺を見ている。
 口説いたの? とか、責任取るつもり? とか、そんな色々な気持ちがこもったジト目だ。


フィー「…………とりあえず、宿屋入ろうよ。そうとう暗くなってきたし……………」


俺「うん」


プリシラ「あっ、わ、私はどうすれば…………………あっ、いえ、何でもないです………………自分で帰りますので……………」


 少女は何が原因とは言わないが、大きいショックを受けた様子でトボトボと帰ろうとした。

 どうする?>>下
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 14:01:04.07 ID:WE+qB8xp0
またあんなことがあったら心配だから家まで送るよ
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 14:10:57.97 ID:w5MZRGfx0
笑えばいいんじゃないかな
819 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/20(日) 21:42:33.69 ID:hvCxy6O10
 俺は声をかけて一人で帰ろうとした少女を引き留めた。


俺「あの、ちょっと………」


プリシラ「はい………?」


俺「あんな事もあった後ですし、家まで送ります。もう日も落ちていて危ないですからね」


 俺は少女にそう言った。


フィー「うん、そうだね………危ないし………まあ、ちょっとシズキさんの下心も不安だけどぉ………?」


俺「無いってば……」


 フィーがボソッと少女に聞こえないように俺に言った。
 俺はもちろん全力否定した。


プリシラ「え、あ、そうですか……えっと、じゃあ、お願いします…………」


 少女は嬉しいような寂しいような返事をして俺の横にぴったりついた。
 しかしフィーがいるからか、俺には触れず、なるべく俺の方も見ないようにしている。


俺「ところで、家はどこらへんですか?」


 俺が話しかけても、少女は俺の方を見ようとしない。


プリシラ「はい………えっと、私の家は…………」


 ◆◇◆◇◆


俺「………………やっぱり貴族だったんですね」


プリシラ「は、はい…………」


フィー「おっきー…………」


 プリシラが家だと案内したのは、カドプレパスの北、それもお金持ちエリアの相当中心部の方にあった、大きい屋敷だった。
 プリシラが屋敷の扉、というか門を叩く。
 ギイィ………と重々しい門が開き、中から裕福な髭を蓄えた片眼鏡の鳥の獣人が出てきた。


???「はい、どなたで………お嬢様!?」


プリシラ「えっと、ただいま………」


 鳥の獣人は見たところフクロウのように見える。
 フクロウの獣人、多分格好からして執事だと思われるその獣人は、両方の翼で少女の肩をガッ! と掴んだ。


梟執事「お、お嬢様! どちらにいらしたんですか!? お嬢様が家にいらっしゃらないからいまもうご主人様と自警団に連絡したところで……! ご主人様〜っ! プリシラお嬢様がお帰りになりましたよ〜っ! と、とりあえず中にっ!」


 ◆◇◆◇◆
820 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/20(日) 22:17:12.66 ID:hvCxy6O10
 ◆◇◆◇◆


梟執事「いやぁもうわたくし達共々本当に心配で心配で…………」


プリシラ父「お前………なんで今になって家出なんて…………」


プリシラ「ごめんなさい…………」


俺「………………ズズ」


フィー「…………………あち」


 ああ、紅茶が美味しい。
 多分割と高い紅茶だ。


 …………しばしの沈黙。


プリシラ父「………………ところでお前ら誰だ」


梟「そういえば」


プリシラ「あ………」


フィー「………………」


 あの後、普通に梟執事に少女と一緒に屋敷に招き入れられ、紅茶を出された。
 そのまま流された俺達も俺達だけど、梟の執事もなにか気付けよ。
 因みに、少女の父と見られる人物は、一言で言えば、マフィアだった。
 少女と同じ金髪を持っているが、それをオールバックにしており、顔には謎の深い傷などが走っている。
 角も翼も尾も少女と比べ物にならないほど力強く、荒々しい。
 怖い。


プリシラ父「火傷だらけの隻眼の妖精になんの特徴もねえニュートラルの冒険者………お前らプリシラとどういう関係なんだ? まさかお前らがプリシラを誑かして連れ出したのか………!?」


 怖い。
 視線だけで殺されそう。
 フィー、何か助け舟を……………めっちゃ茶菓子食ってる。
 リラックスしすぎじゃない?
 と、とりあえず俺がなにか話さなくては………


俺「>>下」
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 22:22:17.28 ID:EbKVRlnQO
『お嬢さんが柄の悪い男に無理やり連れていかれそうになっていたところ、ちょうど通りかかったので放ってはおけず勝手ながらお助けさせていただきました』と下手に言い訳せずに正直に話す
822 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/21(月) 17:43:27.25 ID:nCwoOO5s0
 俺はビクビクしながら少女の父親に全てを正直に話した。
 お金持ちエリアと貧困エリアの丁度真ん中の宿に泊まろうとしたところ、少女が柄の悪い男に無理やり連れて行かれそうになったところを見かけたため、放って置けず勝手ながら助けた。
 そう、下手に言い訳せずに正直に話した。
 助けたシーンを話している時、少女が顔を赤らめていたのを、梟の執事と少女の父親がチラッと見たのを、俺は見逃さなかった。
 ああ、これ殺されないか………?
 助けた後にも少女が危険だと思い付いていき、それで屋敷まで来たという事も話した。


俺「それで、その、執事さんが招き入れるままに入ってきてしまって………ごめんなさい」


 俺が話し終わると、少女の父親が口を開いた。


プリシラ父「………ってこたぁ、お前達が連れ出した訳じゃねえのか………むしろ、危ねえところを助けてくれたって事か…………プリシラ。合っているか?」


 少女はコクリと頷いた。
 その瞬間、少女の父親がガタンと席を立ち、俺とフィーがそれにビビった。
 まさか鉄拳が飛んでくるのでは、と思ったが、少女の父親はその手を地面につけると、角を叩きつける勢いで土下座した。


プリシラ父「感謝する………! 娘の危ないところを助けてくれて………!」


梟執事「ご、ご主人様っ!」


 俺とフィーと少女は呆気に取られた。
 見た目いかつい男の綺麗な土下座は圧巻だった。


プリシラ父「感謝しても仕切れない…………礼はする…………で、それはそれとして、プリシラ。後で話がある。……………なんで家出したか、についてなぁ…………」


プリシラ「ひ、ひぃ………!」


 少女が身体を硬らせた。
 少女の父親が手をスイッと振ると、少女は涙目のまま部屋の奥に消えていった。
 少女の父親は立ち上がるとまた椅子に座った。
 そして隣に座る梟の執事の顔を見ていう。


プリシラ父「なんだ、なんか文句あるのか? 実の娘の命の恩人に土下座しちゃあ悪い、ってか?」


梟執事「い、いえ………」


 梟の執事はパタパタと自分の顔を仰ぎ、片眼鏡の位置を正した。
823 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/21(月) 17:51:29.72 ID:nCwoOO5s0
プリシラ父「まあいい…………ところで、お前ら。名前は何だ? 俺はプリシラの父親であるガルシアだ。ガルシア・ドラゴヴェール。よろしくな」


 そう威厳たっぷりの声でプリシラの父、いや、ガルシアは俺たちに聞く。
 俺はとりあえず自己紹介する事にした。


俺「あ、お、俺、私は、シズキです………シズキ・ナカダです。こっちは、私の妻の………」


フィー「フィー・ナカダです」


 妻、という言葉を聞いた時、ガルシアが驚いたように目を見開いた。


ガルシア「これは驚いた………そんなに若く見えて夫婦なのか」


俺「まあ、はい………」


フィー「ほんのちょっと前に、なんですけれどね………」


 ガルシアは少し考えると、俺達に言った。


ガルシア「まあいい。とりあえず、ナカダ夫婦。娘の命の恩人だ、もてなそう。ホッホ、夕食の準備を」


 この梟の執事ホッホって言うのか………


梟執事「は、はい。あの、お嬢様は……?」


ガルシア「今夜は俺の説教だ。夕食は作らせない」


梟執事「は………では、準備しておきます」


 執事は立ち上がり部屋を去っていった。


ガルシア「まあ、もう外も暗い。今夜は泊まって行ってくれ」


俺「あ、ああ、はい………ありがとうございます」


 断れるような雰囲気ではないため、俺はそう返事をした。


フィー「ありがとうございます………」


 俺たちがそう言うと、ガルシアは笑った。


ガルシア「はは……礼を言いたいのはこっちだ。本当に、助かった。俺はプリシラと話をしてくる。準備ができるまで、ゆっくりしていてくれ」


 そう言って、ガルシアは部屋を出て行ってしまった。


俺「……………行ってしまった………」


フィー「……………うん」


 ど、どう、しよう………?

 夕食まで何してるか(数十分)>>下1
 そしてプリシラがガルシアにシズキの事をどれぐらいどんな風に話したか>>下2
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 17:55:19.79 ID:hoks1rcz0
プリシラにヤキモチを焼いたフィーに甘えられまくる
あとプリシラをハーレムに加えるかどうかも追及される
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 18:20:56.45 ID:0iLCmjGDO
夕食ギリギリまで
誰が見ても明らかな恋する乙女の瞳で顔を真っ赤にしながら助けられたことを熱っぽく語ったと思えば、妻帯者でだったことで一気にブルーになったりしていた
826 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/21(月) 21:40:01.20 ID:nCwoOO5s0
 ガルシアが部屋を去ってちょっとした時、フィーがソファーに座ったまま俺に話しかけてきた。


フィー「……………シズキさん………」


俺「ん? なーに?」


 フィーがプーとほっぺを膨らませている。
 なんとなく機嫌が悪そうだ。


フィー「………私今、なに思ってるとおもう………?」


俺「えっと………」


フィー「……………やいてる」


俺「ごめん」


 機嫌が悪そう、と言うか悪かった。
 フィーは膨らませていたほっぺを解除すると、ソファーの上をススススと移動し俺の方に寄って来てトスと頭を預けて来た。
 俺が申し訳ない気持ちを含めてその頭を撫でると、フィーはスリッとその手に頬をすり寄せて来た。


フィー「………ねー、シズキさん…………」


 俺に体重を預け、フィーにしてみれば巨大な人形を抱きしめながら、さっきより甘えの感情が入った声でフィーが聞いてくる。
 ん? と俺が聞くと、フィーは抱きしめていた人形を横に置いて、替わりに俺の腕を抱えた。


フィー「…………プリシラちゃん………どうするの?」


 俺は思わずギクッとした。
 フィーの質問の意味がなんとなく見えたからだ。


俺「どうするって………」


フィー「ハーレムに入れるの………?」


俺「……………うーん…………」


 まあ、そういう質問だろうなと思った。
 あの少女………プリシラはどっからどう見ても俺に気がある。
 出会った時から俺にピッタリくっついて顔を赤らめて、フィーという妻がいるという事を知った瞬間落ち込んだ。
 これで惚れていないと言う方がおかしい。


フィー「…………私は、良いよ…………」


 フィーが俺に言う。


フィー「…………最初に言ったでしょ………? ………私は………ハーレムを応援するって……………私、シズキさんの事大好きだし…………ね♡」


 フィーはこう言っているが、どうしたものか………
 ハーレムを作るとは言ったが、今更ながら一夫一妻制の日本人としてはやはり抵抗がある。
 それに、あのめっちゃ怖い父親がいる…………
 どうしよう………
 あの父親に娘さんを貰いますなんて言った時には………
 俺は腕にしがみ付いているフィーの頭を撫でながら言った。


俺「>>下」
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 21:58:17.43 ID:rlKXhKUu0
流石に今日会ったばかりですぐには決められないかな
でも彼女が助けられたからという一時の感情で俺に惚れたのではなく本気で俺のことを愛しているのなら、
そして俺自身も彼女のことを一生大切にしたいとほど愛してると思うようになったら、彼女のことを迎え入れたい
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 21:58:34.36 ID:NzOCnEH2O
あの恐いお父さんと戦争になったら助けてね
829 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 07:41:03.02 ID:W2HSnsGn0
俺「流石に、今日会ったばかりでは決められないかな。フィーとは出会ってしばらく過ごしてからこういう関係になったでしょ? フィーは本当に俺を愛してくれていたし、俺もフィーの事を色々知っていた状態だったしね」


フィー「うん……………じゃあ、時間かけて知り合うの…………?」


 俺は頷いた。


俺「まあ、そういう事になるね。それから、プリシラ、彼女が助けられたからという一時の感情で俺に惚れたんじゃなくて本気で俺のことを愛してくれるようになったなら、そして俺自身も彼女の事を一生大切にしたいと思うほど愛してると思うようになったら、彼女の事を迎え入れたいかな………」


 出会いは、フィーと同じだ。
 しかし、ここまで知り合った時間が全然違う。
 今日明日では、決めたくはない。
 それより、俺に惚れる、と言うのは、俺の加護の影響を受けている、という事だからな。
 あんまりそれで会って惚れたからヘイ、ハーレム! というのは………


フィー「ふーん………分かった…………シズキさん…………優しいね」


俺「優しいって言うか、なんて言うか……………あの怖いお父さんと戦争になったら助けてね」


フィー「大丈夫だよ…………あのお父さん、ああ見えてすごく優しそうだし、ね…………ん………♡」


 フィーはまたスリッと俺の手に頭を擦り付ける。
 猫みたい。
 プリシラの事は、もっとしっかり考えないと…………
 不意にフィーが立ち上がり、俺の股の間に座り込む。


フィー「やっぱり、ここが落ち着くね〜…………」


俺「そうだなー…………」


 そうしてイチャ付きながら、俺とフィーは時間を潰した。
830 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 10:43:32.60 ID:W2HSnsGn0
 ◆◇◆◇◆


 それからしばらくして梟の執事、ホッホが部屋の扉をノックして開けた。


梟執事「失礼します。お夕食の準備が整いました」


俺「はい。今行きます」


フィー「あー、いー匂ーい………………♡」


 俺とフィーは一緒に食堂に行った。
 そこには既に4人分の豪華な食事が並べられていた。
 見た目も豪華だが、しっかり量もある贅沢なA級グルメのようだ。
 フィーの分は妖精使用でしっかり少量だ。
 プリシラとガルシアはまだいない。


梟執事「お嬢様とご主人様を只今呼んできますので、先にお着きください」


 そう言うとホッホは二人を呼びに行った。
 俺たちが先に席に着いてからしばらくすると、執事がプリシラとガルシアを連れてやってきた。
 どこか2人とも難しそうな顔をしている。
 執事が椅子を引き、2人を座らせると、お辞儀をして料理の説明をした。
 ちなみに、料理は2人のシェフが作っているらしい。


梟執事「えー、メインディッシュは」


 (ry


梟執事「以上で説明を終わらせていただきます。では、ごゆっくり………」


 そう言って執事は奥の部屋に消えて行った。
 俺たちは4人だけになり、静かに夕食が始まる。
 フィーが手元の食器を持って首を傾げる。


フィー「…………なにこれ」


俺「ナイフだよ。えっと、こうやって………」


ガルシア「……………」


プリシラ「……………」


 そうしてしばらく静かに食事を続けていた時、ガルシアが口を開いた。
831 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 10:45:03.11 ID:W2HSnsGn0
ガルシア「母親のミラシカが死んでから、プリシラは大切に育ててきた」


プリシラ「…………!」


 突然そんな話を振られ、俺は驚いた。
 ガルシアは食事を進めながら続ける。


ガルシア「この200年………生まれてから一度も外に出さずに、危険の及ばないこの場所で、好きな事をさせ続けた。しかし………この広い屋敷でも、プリシラには狭く退屈だったようだ。俺に隠していた憧れは溢れ出て、今日こっそり俺や使用人達の目を盗み外に出た。窓からしか見たことがなかった外の世界は、プリシラにとってとても輝いて見えたらしい。楽しくもあったようだが、当然のように土地勘も全くないため下の方に降りて結果危険な目に遭ってしまったがな」


 うん、ちょっと待って情報が多い。
 生まれてこの方家から出た事がない箱入り娘ってのは聞いたことがある。
 でも200年ってなに。


ガルシア「そして、シズキ。お前が危険な目からプリシラを救った。まあ、偶然だ………運命かも知れない」


プリシラ「…………っ……」


 ガルシアが運命、と言うプリシラが顔を赤らめた。


ガルシア「しかし………まあ、ここから先はみなまで言うまい。プリシラ、もし自分の気持ちを優先したいのなら、覚悟を決めるんだな。色々な覚悟を、な」


 よく理解が出来ない。
 この話の意味も、ガルシアがどう言う意図でプリシラにこういう話をしているのかも、俺達の前でそう言う話をするのかも。


俺「……………えっと………」


ガルシア「………………話は終わりだ」


 ガルシアはそう言うと食事を再開した。
 俺とフィーは困惑しながらもそのまま食事を終わらせた。


 ◆◇◆◇◆
832 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 11:40:37.73 ID:W2HSnsGn0
 ◆◇◆◇◆


 俺たちは食事を終えた後用意された寝室に移動した。
 そこでフィーとイチャ付きながら話す。


俺「なんだったんだろうね。夕食の時のあのガルシアさんの話………」


フィー「うーん………私達よりも、プリシラちゃんに話していたみたいだけどねー………」


 俺とフィーはうーんと首を傾げた。


俺「…………まあ良い。とりあえず寝ようか。明日からの事は明日から考えよ。ガルシアさんからも、色々この街の話とかも聞いてみよう」


 俺がそう言うと、フィーが頷いた。
 色々と部屋の中に面白そうな物もあるが、今日は色々と疲れた。
 触るのは明日にしよう。
 ベッドは二つあるが………まあ一緒に寝よう。
 俺は布団をめくり、フィーを誘う。


俺「おいで、フィー」


フィー「……………シズキさんのえっち」


俺「何が………」


 人の家で如何わしい事なんてする訳がない。
 フィーはパジャマに着替えさせた人形を空いているベッドに寝かせると、俺の胸の中に飛び込んできた。
 ちっちゃくて可愛い…………
 俺は基礎体温の高い小動物のようなフィーの身体を優しく抱きしめた。


フィー「じゃ、おやすみなさい…………ちゅっ♡」


俺「あ、ぅぅぅ…………可愛いよフィー………ちゅ……♡」


フィー「んー……………♡」


 俺はフィーを撫でながら眠りについた。


 その夜…………なにかあった?>>下
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 11:45:25.66 ID:ZaBz7xg7O
フィーも寝静まった辺りでプリシラが部屋に来た
834 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 12:20:53.10 ID:W2HSnsGn0
 誰もが寝静まったドラゴヴェール家の屋敷。
 その中で一つ、起き上がる影があった。
 その影は自分の部屋を出ると、足音を立てないようにゆっくりととある部屋にと向かっていく。
 影は目的の部屋の前に着くと、その扉をゆっくりと開ける。
 その部屋には二つのベッドがあり、一つには小さい膨らみ、もう一つには大きい膨らみがある。
 影は二つの寝息がある事を確認すると、安心したようにため息をついた。
 そして………


 >>下
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 12:24:36.58 ID:oMKQneygo
起こさぬよう小声て想いを吐露するプリシラ
段々声は大きくなる
836 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 16:22:05.39 ID:W2HSnsGn0
 その影はゆっくりと大きい膨らみに近付くと、そのかたえにしゃがみ込んだ。


プリシラ「…………寝てますか?」


 その影、龍人の少女は少しその男に触れ、本当に寝ているかを確認した。
 そしてその男が寝ている事が確認できると、少女はどこか寂しげな表情で呟き始めた。


プリシラ「…………寝ているので言います……………シズキさん…………好きです…………起きているあなたには言えません…………ただ、言わせてください。卑怯でごめんなさい…………あ、あなたが、助けてくれて、嬉しかったです………………に、200年、ずっと屋敷の中だけ充分だと思っていましたけど、いつからか外への憧れが止められなくて………出てみたらあんな怖い事になって…………でも、助けてくれて、ありがとうございました………………それで、好きになっちゃいました…………でも、奥さんがいたから………私は、諦めます…………は、うっ…………初恋、でした…………もう、外には出ません…………恋も、しません…………恋を教えてくれて、ありがとうございました…………楽しかったです…………ぐっ………ふぐっ………ひっ……ぁあっ…………! さ、さようなら……………ひぃーん………っ…………!」


 声を殺して泣く少女の声を部屋の外で聞いていたその父は静かに首を振ると、そこを静かに離れて行った………


 ◆◇◆◇◆


 ……………俺は目覚めてしまった。
 恐らく、プリシラが入ってきて俺が寝ているのを確認してから寝ている俺に気持ちを吐露したのだろう。
 しかし気持ちが高まり、声が大きくなってしまったのだろう。
 俺はその声で起きてしまった。
 寝ている間も耳は聞こえていたため、ほぼ全て聞こえてしまった。
 プリシラの気持ちが、全て聞こえてしまった。
 腕の中のフィーはまだ寝ているようだ。
 どどどどどどどどどっどーすればいいんだ………


 どうする………?
 このまま寝たふりを続けるか、起きるか…………>>下
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/10/22(火) 16:34:41.44 ID:XuMJz3Mfo
あえてここは寝たフリ継続だ
プリシラがなにかしでかすようなら起きよう
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 16:35:28.92 ID:SlFQd7QDO
起きる
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 17:25:22.34 ID:xQxyvJkw0
なにかしでかすとかなんだよ…勝手に決めつけて安価誘導しようとしてる・
840 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 20:01:34.94 ID:W2HSnsGn0
 俺は寝たふりを続ける事にした。
 プリシラが何かしでかしたら起き………
 そう思っていた時、俺の頬に何か柔らかい物が当たり暖かい水滴がパタタッと落ちた。
 柔らかく、少し湿っている物。
 俺は何度も経験した事がある、唇の感覚だ。


プリシラ「ごめんなさい…………ごめんなさい…………ごめんなさいぃ…………ひぐっ、ひぃーん……………!」


 プリシラが立ち上がった気配がした。
 さらにポタポタと暖かい水滴が俺の頬に落ちる。
 


プリシラ「ぁっ、ふぁっ……………ぅっ……………」


 立ち上がったプリシラはゆっくりと扉の方に歩いていく。
 このまま立ち去らせてもいいのか………?
 俺は………
 >>下
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 20:09:31.26 ID:6bHgKWEs0
今起きたように装って話しかける
842 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 21:34:12.45 ID:W2HSnsGn0
 俺は寝起きを装って身体を動かした。
 布団の擦れる音に気づきプリシラが振り返る。


俺「ふ………んん…………あれ、プリシラちゃん…………?」


プリシラ「あ、ああ………えっと、あ、シズキ、さん………」


 プリシラは目元を急いで拭くと、何も無かったように手を後ろで組んだ。
 しかし目は思いっきり腫れ、目の下には涙の跡がある。
 というか俺の頬も濡れているし………


プリシラ「お、起こしてしまいましたか? ごめんなさい………」


俺「ああ、うん………どうしたの?」


 俺がそう聞くと、プリシラは焦ったように何かを考え、答えた。


プリシラ「あ、いや、あの、たまたま通りかかったらお二人の布団が乱れていたので、直そうと思って………直していました」


俺「うん。ありがとう………フィーの布団も直してくれたの?」


プリシラ「あ、はい………しっかり寝ていましたよ」


 フィー、ここにいるんだけど………
 隣のベッドに寝ているのはフィーのお気に入りの人形だ。


俺「ありがとうね」


 俺はとりあえずプリシラにそう言った。
 プリシラは俺が目覚めた事に動揺しながらも、笑みを浮かべる。


プリシラ「あ、は、はい。お役に立てて良かったです…………!」


 しかし、その笑みには明かな悲しみが含まれていた。
 俺は先程のプリシラの気持ちを思い出し、胸がとても痛くなった。


プリシラ「で、では、これで…………」


 プリシラは今度こそ部屋を出ようとした。


 どうする(安価多くてすまんで)>>下
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 21:36:33.56 ID:SlFQd7QDO
放っておけず、後ろから優しく抱き締めてしまう
844 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/22(火) 23:01:36.52 ID:W2HSnsGn0
 俺は耐えきれず、部屋を出ようとしたプリシラをベッドから降りて後ろから優しく抱き締めてしまった。
 堅い龍の翼が強張る。


プリシラ「え、えぁ…………? あ、あの、シズキさ……………?」


俺「……………………」


 徐々にプリシラの翼から力が抜けていく。
 俺は内心パニックになっていた。
 勢いで抱きしめてしまったが、これからどうしようか考えていた。
 とりあえず、いやらしくないように抱きしめ続ける。


プリシラ「は………ぁ……………はぁ………シズキ、さぁん……………/////」


 そうこうしている内に、プリシラは目に涙を浮かばせ、熱い吐息を吐き始める。
 危ない雰囲気になってしまった………
 その時………


フィー「ん、あれ………シズキさん…………」


 俺が起き上がった事でフィーが目覚めたらしい。
 フィーと目があったプリシラがもう一度固まった。


プリシラ「え、なんで、あっちは…………人形…………? で、でもシズキさん…………あれ………?」


 フィーがコスコスと目を擦りながら床に降り立つ。


フィー「…………で、どうするの、シズキさん…………プリシラちゃんをそんなんにしちゃって……………」


プリシラ「え、ど、どうするって…………」


 プリシラの顔は赤く吐息は熱い。
 ま、まあ、確かに俺がこうしたけれど…………


フィー「今決めて…………今この場で、プリシラちゃんをどうするか……………もう、逃げちゃダメだよシズキさん………これから先、プリシラちゃんの気持ちを受け入れるか、どうするか…………」


プリシラ「わ、私の、気持ち……………………?」


 プリシラはまだ自分の気持ちが知られていないと思っているようだ。
 フィーの鋭い眠気なまこが俺に刺さる。
 割と外堀も内堀も埋められている。
 内堀はもちろんフィーだ。
 外堀は………直接本人が言っている訳ではないが、多分だがプリシラから話を聞いていたガルシアが埋めていると思う。
 …………その上で、俺の覚悟は、>>下だ。
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 23:04:59.71 ID:VC36IpLpO
自分を愛してくれる人がいるなら、例え何人いようと背負ってみせる
846 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/23(水) 18:08:39.57 ID:Dbkd+MBm0
 ………俺を愛してくれる人がいるのなら、例え何人でも背負って見せる………
 時間をかけて知り合ってからハーレムに迎え入れるかどうかを決めたいというのもあるが、あれだけの気持ちを聞かされて断るなんてのは、あまりにも冷酷だ。
 俺は、決めた。
 プリシラを、ハーレムに入れる。
 そして、必ず幸せにする。
 俺はプリシラを抱きしめながら、彼女の耳元で言う。


俺「…………すまない、プリシラちゃんの気持ちには気付いていたんだ…………」


プリシラ「え、え………」


 プリシラの身体が徐々に熱くなってくる。
 俺の言葉の意味に気づき始めたらしい。


プリシラ「な、なん、え……………どうして……………い、いつから………………」


俺「うーん…………ごめん、ずっと。最初っからかな………会った時から?」


 プリシラの顔がカァーッ、と赤くなる。


プリシラ「え、ぇぇぇえ…………えっ、うそぉ……………き、気づかれて…………?」


フィー「バレバレだったよ…………」


 恥ずかしかさからかプリシラの身体の力が抜ける。
 俺が慌てて身体を支えると、プリシラは涙を零して泣き始めた。


プリシラ「う、うぅぅぅぅぅぅぅぅ………………」


 プリシラは嗚咽を上げながら言う。


プリシラ「で、でも、シズキさんは、フィーちゃんと結婚していて………! わ、私は………!」


フィー「大丈夫だよ、プリシラちゃん…………シズキさんはハーレム作ろうとしているから」


 おい、それ言うのか。
 プリシラがその言葉に涙を止める。
847 :オパビー ◆KAEGoYwefVpi [saga]:2019/10/23(水) 18:09:12.45 ID:Dbkd+MBm0
プリシラ「へ………そ、それって、不倫………」


俺「うん、えっとね。そう思うよね。じ、事情があるんだけど………プリシラちゃんは、俺の事が好きなんでしょ?」


 プリシラは呆気に取られていたが、俺のその言葉になんとかコクリと頷いた。


俺「えっと、実はさっき寝ている俺にいろいろ言った事もほぼ全部聞こえていて………」


プリシラ「え………!?」


 プリシラの顔が再び真っ赤になる。


プリシラ「ぜ、全部、全部バレてぇ……………/////」


俺「それで、プリシラちゃん言っていたよね。俺はプリシラちゃんの初恋だって。それに、俺を最後にするとも」


 プリシラが首を縦に振る。


プリシラ「はい………もう、シズキさん以外に恋は出来ないです…………シズキさん以外に恋は知りませんし、本気で、好きになってしまったので…………ひぐっ…………!」


 こんな純粋な箱入り娘を俺は惚れさせてしまったのか…………
 じっ、とフィーが本日何度目かのジト目を俺に向けてくる。
 俺は申し訳ない気持ちと一緒に、覚悟を決めた。
 プリシラの頭を撫でながら、言う。


俺「プリシラちゃんの気持ちを、無碍にはしない………プリシラちゃんの最初で最後の恋を、失恋では終わらせないから」


 プリシラが一瞬驚いたように息を止めた後、ボロボロと大量の涙を零す。
 フィーがホッとしたように笑顔になった。


プリシラ「そ………それっ、て…………?」


俺「>>下」
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 18:16:41.80 ID:t97yXkkw0
俺の恋人に…いや、妻になってくれないか
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