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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
- 153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 23:26:42.09 ID:OOxHyhokO
- 乙
そういえばこの世界での陽乃さんは力があっても千景たちを救えなかったんだよな…
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 23:28:46.97 ID:sySXpU36O
- 乙
久遠さんの悩みが続く
- 155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 03:09:47.28 ID:2WI1zHxeO
- 乙
神婚まであと2日?
いよいよ時間が無くなってきたぞ久遠さん
- 156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 15:19:59.00 ID:6a7MdPCao
-
では少しずつ
- 157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 15:23:22.78 ID:Rh3am4oxO
- よしきた
- 158 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 15:42:02.59 ID:6a7MdPCao
-
天乃『どうして』
九尾「妾がここに来た理由? それとも、陽乃がそれをした理由かや?」
怪しく、妖狐らしい笑みを浮かべる女性は、
瞬く間もなくその姿を九尾の狐へと変え
稲穂のような匂いが病室を満たしていく
九尾「前者ならば、愚かなる我が主様の心に答えるため」
後者ならば。と、九尾は紅い瞳を揺らす
九尾「陽乃は己が出来なくなったことこそが、分水嶺であると考えたからじゃ」
天乃『出来なくなったこと?』
九尾「人を信じること」
細い瞳が、さらに細くなる
その過去を恨むように、憎んでいるかのように
鋭く怒りの焔を灯しているかのような赤色はうっすらと光を映して――閉じる
九尾「血縁に裏切られ、友に裏切られ……あやつが信じたのは、いや、それすらも信じておらなかったやも知れぬ」
しかし、それが
その結果が、信じることは出来なくても愛することを止められなかった相手の喪失
守れるだけの力はあったはずで、奪い返せるだけの想いもあったはずなのに
九尾「主様は陽乃の後を追うな。妾はそのような結末を見届けるために、ここにいるわけではないのだから」
- 159 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 15:56:45.38 ID:6a7MdPCao
-
天乃『信じていないわけじゃない。ただ、みんなを失いたくないだけ』
九尾「そのために、主様は愚かな神々との話をつけに行くのではないのかや?」
天乃『でも』
九尾「主様、神婚の儀は主様を贄として行うモノであることを弁えよ」
みんながどうして、それを承諾したのか
なぜ、そんな命懸けの交渉をさせるための時間を稼ぐことを決めたのか
九尾は軽く鼻を鳴らして、瞳を開く
赤い瞳からは怒りが薄れ、優しさが感じられた
九尾「あやつらが主様を信じておるからであろう? それでも大丈夫じゃと、必ず戻ってくると」
そういった天乃の言葉を信じたからだ
だから、夏凜達は頷いた
最後の戦いに挑むことを決めた
それですべてを終わらせるのだと、覚悟を決めた
九尾「主様も信じてやれ。それでも恐れがあるのならば――早々に、愚かな神々との話をつければよい」
天乃「………」
九尾「ここに命を懸けるのが、主様のすべきことではない。ことを迅速に終わらせることが、主様のやるべきことじゃ」
履き違えるでないぞ。
そういった九尾は、細い前足で、天乃の頭を小突いた
- 160 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 16:42:30.07 ID:6a7MdPCao
-
天乃『みんなは、それを信じてる?』
九尾「妾が知るわけなかろう。直接聞けばよい」
しかし。と
九尾は含みを持たせるように呟いて、ちらりと天乃に目を向ける
よやく、ただの反論以外の言葉が出てきたと、
その瞳はわずかに見据える
九尾「救いたいと言うのならば、それ以外に道はない」
天乃「………」
九尾「穢れの乱れで平静さを失ったな」
くふふ……と、九尾は馬鹿にする笑みを零す
九尾からしてみれば、滑稽だったかもしれない
喜劇よりも喜劇らしい、みっともないことだったのかもしれない
だが、それ以外に道はないと言うのは事実で
ただただ強情でいても失うだけで
きっと、「なら私も頑張るから」と、
神樹様との駆け引きに努めると意気込むべきだったのだ
- 161 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 17:19:06.74 ID:6a7MdPCao
-
天乃『私にできると思う?』
九尾「知らぬ。じゃが、主様はやる女じゃろう?」
やれるかやれないかではなく、
やると決めたらやる人間だと、九尾は思う
それは、今見せていたような強情さではなく、
成し遂げようとする心が見せてくれるもの
九尾「望むのならば、成し遂げてみるが良い。妾はそれの観測者として、共にあろう」
天乃『傍観は、許さない』
九尾「くふふっ、妾がこのような祭り事を前にして指をくわえているだけの女狐だとでも?」
手を貸してやるさ
足を貸してやるさ
力を貸してやるさ
主様がそう望むのであれば、いくらでも
惜しむことはない、拒むことはない
それでこれからも先へと進むことが出来ると言うのであれば、いくらでも
九尾「……妾は主様の力じゃ。望め。されば与えよう」
それが、愛してしまった者の務めであると。
九尾は笑みを浮かべて、喉をならした
- 162 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 17:24:39.48 ID:6a7MdPCao
-
√ 2月7日目 夜 (病院) ※水曜日
01〜10
11〜20 園子
21〜30
31〜40
41〜50
51〜60 園子
61〜70
71〜80
81〜90 園子
91〜00
↓1のコンマ
- 163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 17:27:35.69 ID:Rh3am4oxO
- あ
- 164 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 18:10:31.47 ID:6a7MdPCao
-
√ 2月7日目 夜 (病院) ※水曜日
天乃「っ……」
まだ痛みの残る喉を擦って、息を吐く
完治にはまだ時間が掛かるだろう
だが、神婚の儀までにはきっと……間に合うはず
天乃『誰か、手伝って』
精霊を呼ぶにも声を出せず、
電子パッドにSOSをかいて、誰もいない空間に向ける
千景「仕方がないわね。私が連れて行くわ」
天乃『若葉達は、嫌?』
千景「……気づいたら、私の当番のようになっていたの」
困ったように笑った千景は、
車椅子を広げて、天乃を引く
何度かやっているおかげか、手慣れていて
危なげなく、車椅子へと移された
千景「敵対しているから、顔を合わせ辛いのよ」
そんなこと気にしなくていいのに。と、
千景は笑いながら言って、天乃へと目を向ける
千景「答えは決まったのね……それでいい?」
天乃「……ええ」
- 165 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 18:37:18.24 ID:6a7MdPCao
-
千景に連れられて、みんなのいる病室へと向かう
樹を諦めるか
二人を失うか
それとも、強情に突き通すか
天乃「………」
樹と話して、
みんなと話して、沙織と話して、球子と話して
九尾にまで説得されることになって
天乃「ん」
ちゃんと、考えた
その決定を、みんながダメと言うのならダメなのかもしれない
みんなもまた、解決を求めて考えているのだから
天乃『九尾との話、聞いてた?』
千景「……えぇ」
天乃『陽乃さんは、後悔してた?』
千景「さぁ? 私はあの人のことを貴女よりも知らないから」
でも。と、千景は笑う
千景「あの人も優しい人ではあったわ」
今思えばだけどとちょっぴり後悔したように言った
- 166 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 19:24:13.30 ID:6a7MdPCao
-
夏凜「来たわね」
天乃『来なかったら、いなくなっちゃう』
昨日はなかった、夏凜の分の出ていくセット
樹のと並べておいてある荷物に目を向けた天乃は、
電子パッドを夏凜に向けて、首を振る
それは何もしなかったのと同じだ
決断から逃げたのと一緒だ
天乃『ちゃんと、決めた』
風「そっか」
友奈「久遠先輩、あのっ」
覚悟を決めていても、心に嘘をつけない友奈の心配そうな表情
天乃は優しく笑みを浮かべながら、書き記した言葉を向ける
天乃『大丈夫』
1、樹、本当にやれるのね?
2、悪いけれど、夏凜。貴女が祟りを背負って頂戴
3、貴女達に、どんな策があるの?
↓2
- 167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 19:26:34.21 ID:74ROaK+20
- 1
- 168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 19:28:10.12 ID:Rh3am4oxO
- 1
- 169 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 19:53:50.22 ID:6a7MdPCao
-
天乃「……」
名前を呼べないもどかしさを感じながら
樹へと目を向けて、手招きする
天乃『樹、本当にやれるのね?』
樹「やれます」
考えなかった
迷わなかった
すでに済んでいる覚悟
ゆえに活力のある声で、はっきりと答えた
樹「絶対に、やられたりなんてしません」
天乃『祟りは危険』
樹「それでもです」
覚悟の強さを示すように笑みを浮かべて見せる樹
風も夏凜も、東郷も
誰も口を挟まずに、見守る
それが、みんなの信頼を表しているようで
天乃は笑いそうになった喉を抑えて、口元を綻ばせる
天乃『なら、私も信じてあげる』
- 170 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 20:11:36.77 ID:6a7MdPCao
-
友奈「久遠先輩っ」
天乃『確かに、これが最善』
夏凜を万全の状態の持っていき、
勝率を少しっでも高くする
そうすることで、より確実に防衛できるようにしたうえで
天乃が神樹様との神婚の儀を介した対話を行う
天乃『でも、先に負けたら世界を滅ぼす』
神樹様による人類の救済などではなく
天の神による侵攻でもなく
天乃の持ち得る力のすべてを使い果たして、
穢れの中にこの世界を閉じ込める
そうなれば、世界は神々の力に干渉されることなく飲まれ……消えていくことだろう
天乃『約束。死なない』
夏凜「死んだら元も子もないっての」
東郷「初めから、死なないための策ですよ。久遠先輩」
友奈「大丈夫です久遠先輩、私達の想いは何にも負けたりなんてしません」
- 171 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 20:23:31.20 ID:6a7MdPCao
-
樹「久遠先輩、神樹様の説得をお願いします」
天乃『うん』
神婚の儀を成立させてしまえば、
人類は神の眷族となって、救済される
だが、それは人間としての形は保てなくなり、
人としての幸せは訪れない
それでもいいと、思う人はいるかもしれない
苦しいこと、辛いこと、悲しいこと
それを味わわされることはなくなって
得体のしれない化け物に食い殺されることも無くなって
もしかしたら、その方が幸せなのかもしれない
それが嫌だと言うのは、まだ年端もいかない少女たちの我儘でしかないのかもしれない
天乃『何とかして見せるわ』
だが、それでも天乃たちは生きていきたいのだ
困難なことがあっても一緒に乗り越えて
大変なことも一緒に考えて
みんなで生きていきたいのだ
- 172 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 21:00:22.65 ID:6a7MdPCao
-
天乃『夏凜、明日ね』
夏凜「……分かった」
今日一日を消費してしまうのは大きいけれど
樹にやらない分、時間的な余裕はある
話せるようになっているかは怪しいけれど
きっと、夏凜に力を与えるくらいの余裕はあるはずだ
それさえできれば、残りは休んでいればいい
天乃『友奈、心配させてごめんね』
友奈「大丈夫です……信じてましたからっ」
ちょっぴり泣きそうな笑顔
不安にさせたし、怖い思いをさせた
風と違って、性的なこともしてあげられていない
天乃『全部終わったらね』
友奈「……?」
天乃『ね』
友奈「……っ」
口にはしなかったことを悟ったのか
友奈ははっとした驚きを見せて、顔を赤くする
天乃「………」
頑張らないと。
そう、心に強く思う
- 173 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 21:14:32.22 ID:6a7MdPCao
-
1日のまとめ
・ 乃木園子:交流無()
・ 犬吠埼風:交流有(信じる)
・ 犬吠埼樹:交流有(信じる)
・ 結城友奈:交流有(信じる)
・ 東郷美森:交流有(信じる)
・ 三好夏凜:交流有(信じる)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 白鳥歌野:交流有(信じるってこと)
・ 藤森水都:交流無()
・ 郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(みんなの願い)
・ 九尾:交流有(久遠陽のが託した力)
・ 神樹:交流無()
2月7日目 終了時点
乃木園子との絆 106(かなり高い)
犬吠埼風との絆 131(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 113(かなり高い)
結城友奈との絆 145(かなり高い)
東郷美森との絆 144(かなり高い)
三好夏凜との絆 170(最高値)
乃木若葉との絆 112(かなり高い)
土居球子との絆 59(中々良い)
白鳥歌野との絆 57(中々良い)
藤森水都との絆 49(中々良い)
郡千景との絆 59(中々良い)
沙織との絆 146(かなり高い)
九尾との絆 80(高い)
神樹との絆 ??(低い)
- 174 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 21:20:33.95 ID:6a7MdPCao
-
√ 2月8日目 朝 (病院) ※水曜日
01〜10 園子
11〜20
21〜30 園子
31〜40
41〜50 若葉
51〜60
61〜70
71〜80 園子
81〜90
91〜00 クラスメイト
↓1のコンマ
- 175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 21:21:38.39 ID:Rh3am4oxO
- あ
- 176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/30(日) 21:34:11.37 ID:6a7MdPCao
-
では少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
暫く平日が厳しくなりますが、土日は出来る限り早い時間から進めていく予定です
千景「ねぇ貴女、隠していることがあるでしょう」
九尾「何のことか分からぬな」
九尾「妾は妖狐じゃ。騙りも人の数だけしてきたぞ」
千景「……そうやって誤魔化して、それでいいの?」
九尾「くふふっ、さて。どうかや?」
- 177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 21:50:01.99 ID:Rh3am4oxO
- 乙
ようやくメンタルが回復して良かった…久遠さんは陽乃さんと違って人間不信って訳じゃなかったからな
そして、おや?九尾のようすが…?
- 178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:53:23.57 ID:4xCLT/SFO
- 乙
まったり待ってます
- 179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 02:39:26.65 ID:SShb5hMiO
- 乙
これ夏凜への譲渡で身体うずいちゃってもそのまま神婚に向かうのか
薄い本案件でしょ
- 180 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 20:58:55.89 ID:l3Q2XTOQo
-
では少しだけ
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 21:12:25.35 ID:/A+1pYldO
- あいよ
- 182 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 21:33:30.34 ID:l3Q2XTOQo
-
√ 2月8日目 朝 (病院) ※水曜日
神婚の儀を行うまで、あと4日
今日夏凜に力を渡すのであれば、3日間休むことが出来る
それだけあれば、体調も回復することだろう
問題は、園子がまだ目を覚ましていないことだ
天乃「………」
園子が一番時間がかかることは分かっていたことだけれど
それでも、時間がかかりすぎているのではと不安になる
園子ならば大丈夫。そう信じてはいるけれど、
園子が世界を守るために繰り返した満開の数は勇者部のそれを超えており
限りなく神に近づいているため、天乃の力ははっきり言って天敵だと言っていい
死ぬことはないはずだが……長引くことは免れない
天乃『まだ時間がかかる』
最悪の場合、園子は間に合わないかもしれない
そうなれば、戦力の低下は著しい
だが、みんなもそれは覚悟しているだろう
最悪の場合は園子が参加できなくなる
それも覚悟のうえで、樹の祟りをそのままに戦うことを決意しているはずだ
天乃『だからこそ、間に合って欲しい』
- 183 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 21:54:22.57 ID:l3Q2XTOQo
-
園子のいない最悪のパターンを想定しているみんなにとって、
園子を戦力として数えられることはこの上ない幸運
それだけでも、戦闘中の安心感は段違いだ
園子をむしばんでいるのは神樹様の力と祟りと天乃の力
天乃の力だけであれば天乃にもできることがあるのだが
ここで何か手を加えても、園子には悪影響しかない
それが分かっていて、何もできなくて
そのもどかしさに、息を飲む
天乃『・・・/|』
トン、トン、トンと電子パットを叩く
文字ですらないものが増えていく中、
天乃は喉を確かめるべく息を吐いてみる
今度は息を吸って、喉を通る空気の違和感に顔を顰めた
まだ、無理らしい
1、精霊組
2、みんなのところへ
3、イベント判定
↓2
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 21:59:11.82 ID:/A+1pYldO
- 3
- 185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 21:59:40.41 ID:wIFdhtGL0
- 3
- 186 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 22:04:12.56 ID:l3Q2XTOQo
-
01〜10 夏凜
11〜20 友奈
21〜30 風
31〜40 若葉
41〜50 千景
51〜60 東郷
61〜70 歌野
71〜80 園子
81〜90 樹
91〜00 クラスメイト
↓1のコンマ
- 187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:09:47.87 ID:/A+1pYldO
- あ
- 188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 22:36:37.34 ID:l3Q2XTOQo
-
電子パッドを叩く音ではなく、扉をたたく音が部屋に響き、
返事をしたくても出来なくて、電子パッドに「入れて」と書き記す
それからすぐにドアを開く音が聞こえて
樹が、病室の中に入ってきた
樹「久遠先輩……まだ、声は厳しそうですね」
天乃『なにしてるの』
何しに来たのかではなく、何しているのか。
そう問う天乃は顔を顰めて、文字パッドのボタンを押して、書き直す
天乃『出てきたら危険』
樹「すみません、久遠先輩に会いたくて」
天乃『昨日も会った』
樹「それでもです」
自分でも困ったものだと言わんばかりに、
樹は苦笑いを浮かべながら天乃へと近づいて、椅子に腰かける
樹「怖いとか、不安とかではないんですけど……最終決戦だと思うと、少しでもって、思って」
違うかもしれません。
樹は言葉半ばで、自ら取り消す
樹「夏凜さん達は特別なことをして貰えるから、ちょっとだけ欲張りたいんです」
断ったのは自分なのに。と、樹は困ったように笑う
- 189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/01(月) 22:41:13.23 ID:l3Q2XTOQo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は恐らくお休みになるかと思いますが
出来れば、通常時間から
出来なければ、明後日、通常時間を予定しています
- 190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:44:55.63 ID:8GCn1NZAO
- 乙
下手したら今生の別れになるわけか
そんなことはないと信じたいけど
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:48:26.04 ID:QHX60+YJ0
- 乙
今生の別れなんてことになったら誰に何と言われても久遠さん絶対に自分を許さないだろうな。
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:59:44.19 ID:/A+1pYldO
- 乙
そんなことになったら銀のトラウマが再発しそう…
- 193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/03(水) 20:42:02.89 ID:UsUQ+zu5o
-
では少しだけ
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 20:57:38.88 ID:oYYR4TyxO
- 来てたか
- 195 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/03(水) 21:20:00.58 ID:UsUQ+zu5o
-
天乃『出ていくなんて言ってたくせに』
樹「あはは……」
天乃『お断りします』
樹「そっそう……です、よね」
全面的に自分が悪いと考えているのだろう
樹は反論したりなんだりすることはなく、
申し訳なさそうな表情で呟くと、少しだけ身を引く
樹「あんなことして、何言ってるんだって話ですよね」
天乃『そう。怒ってる』
樹「っ」
天乃が話せないから、目を離せない
電子パッドと一緒に見える目は、感情があった
天乃『出て行ってたら、その欲求はどうなるの?』
樹「我慢、するしかなかったと思います」
天乃『それで祟りを背負う?』
樹「はい」
天乃「………」
樹が頷くと、
天乃は少し過剰に電子pっ度のボタンを押して、別の言葉を書く
勢い付いた筆圧は少し、大きい音がして
天乃『バカ』
言葉は、単純だった
- 196 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/03(水) 21:37:38.14 ID:UsUQ+zu5o
-
天乃『そういうの嫌い』
樹「ごめんなさい」
悪いことだと言う自覚はあって、
自分にとっても良くないことであるという痛みはあって
でも、それでもと言う覚悟で行った
樹「でも、必要だと思ったんです」
そうしなければ天乃が無理をしてしまうから
今のように怒られることすらなくなって、
二度と話すことも出来なくなってしまうと思ったから
悪いことをしたという罪悪感がある
けれど、後悔はしていない
樹「……でも、久遠先輩が受け入れてくれて」
安心しちゃったのかもしれません。と樹は呟く
手持ち無沙汰な指先は左右で絡んで、
意味もなく爪先を撫でては指の腹を摘まむ
- 197 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/03(水) 22:07:56.50 ID:UsUQ+zu5o
-
樹「………」
天乃の電子パッドの文字が変わらないのをじっと見つめていた樹は
おもむろに首を振ると、天乃をまっすぐ見つめる
罪悪感滲む樹の表情は、相変わらずだ
樹「それと、このままじゃ嫌だなって思ったんです」
天乃『このまま?』
樹「その……喧嘩したまま、みたいな感じだったから」
それも覚悟の上ではあったけれど
でも、それが必要なくなったのなら
そんなもやもやも晴らしておくほうが良いと思ったのだ
樹「喉も……私のせいですよね」
天乃「…………」
樹「っ」
ここまでになるなんて思わなかった
でも、それでは許されないと、樹は唇をかむ
樹「ごめんなさい」
1、別に私は謝って欲しいわけじゃないわ
2、謝らなくていい。ただ、その責任を取りなさい
3、罪悪感を感じるくらいなら、やらないで
4、許さない。そう言っておけばいい?
↓2
- 198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:09:14.38 ID:oYYR4TyxO
- 1
- 199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:13:42.15 ID:C2ezdq1r0
- 2
- 200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:14:02.03 ID:nu/sf/sY0
- 3
- 201 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/03(水) 22:15:05.63 ID:UsUQ+zu5o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夏凜「結局、怒るのは心配してるからなのよね」
風「そこが天乃らしいと言うかなんというか」
東郷「久遠先輩も、穢れのことがなければ……」
友奈「でも、久遠先輩はずっとその問題が残るんですよね」
東郷「つまり、えっちなことし放題なのでは?」
沙織「時々、東郷さんは結城さん以上に前向きなんじゃないかって思うことがあるよ」
- 202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:34:10.40 ID:oYYR4TyxO
- 乙
樹ちゃんは今作では満開こそしてないけどこの祟りの件や大ケガとかでそれなりに大変な目にあってるよなぁ
あとオマケの東郷さんの変態ぶりにあのさおりんすら引いた…だと…?
- 203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:43:46.52 ID:Yf/FvrIFO
- 乙
恐ろしいほどポジティブで笑った
- 204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 02:21:34.17 ID:+IxygPsgO
- 乙
実際問題嫁8人とかそれくらいの欲求でちょうど良さそう
- 205 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/04(木) 22:19:10.89 ID:98+Ft062o
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
明日も難しければ、明後日の再開になります
- 206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 22:23:10.40 ID:C78+fvFaO
- あらま、乙ですー
- 207 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 20:56:09.66 ID:L/26VGiEo
-
遅くなりましたが少しだけ
- 208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 21:01:13.97 ID:ROdqbO+fO
- やったぜ
- 209 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 21:11:48.95 ID:L/26VGiEo
-
天乃「ぁ……」
これは自分の言葉で言うべきだ
その意思はあっても傷ついた喉にはその力はなく
天乃は漏れ出た吐息のような声ですら痛みを感じる喉を擦って、ペンを握る
天乃『謝らなくていい。ただ、その責任を取りなさい』
樹「久遠先輩……」
天乃『絶対に』
樹「っ」
嫌がることをした
嫌われても仕方がないことをした
許して貰えないようなことをしようとしていた
それを、天乃は謝らなくて良いと言う
樹「はいっ、この気持ちに誓って」
樹は自分の胸元に手を宛がって、言葉を紡ぐ
憧れの先輩で、最愛の先輩
その人を傷つけることさえ厭わなかった想いの強さを、改めて
樹「必ず、久遠先輩のところに帰ってきます」
- 210 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 21:55:23.20 ID:L/26VGiEo
-
天乃『帰らなかったら世界を滅ぼす』
樹「滅ぼさせるんじゃなくて、滅ぼすんですね……」
天乃『ええ、私の手で』
大切な子供もいるけれど
二人と同じように、樹たちのことも大切だから
それが欠けるのは、認められない
それは我儘だ
無関係な人たちにとっては悪魔のような所業と言ってもいい
だから、自らの手でやるのだ
天乃『よろしく』
樹「軽く言わないでくださいっ」
天乃『帰ればいい』
樹「それはそうですけどっ」
だからと言って、
世界を滅ぼす否かの命運を
軽く口にされては困ると樹は困ったように言った
- 211 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 23:29:12.87 ID:L/26VGiEo
-
樹「久遠先輩はほんとに、無茶ばっかり言いますね」
今回は自分たちも無茶を言ったからだろう
あまり強くは言えないけれど、
でも、その言葉を言うことが出来ることを尊く思う
まだ、無茶だから
無茶をする程度なら、取り返しがつかなくなることはないから
樹「でも、それだけ本気だってことですよね」
天乃『ええ』
樹「……久遠先輩、神樹様をよろしくお願いします」
天乃『神樹様?』
樹「神樹様は私達にとっては、敵のようなものかもしれません」
でも、だけど。と
樹は考えに考えて、口にする
樹「神樹様が守ってきてくれたんです。ずっと、ずっと……枯れそうになる今まで」
天乃「………」
樹「だから、救ってあげてください」
- 212 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 23:48:02.52 ID:L/26VGiEo
-
神樹様に対する天乃の感情を知らないわけではない
でも、これで最後なのだ
すれ違いもあった
救いきれないものもあった
けれど、300年間人類の傍に居て守り続けてくれた恩がある
最後には労いがあってしかるべきだ
樹「我儘だとは思います……お姉ちゃん達はそう思っていないかもしれません」
天乃『貴女だって』
樹「それでもです」
天乃『良いの?』
樹「憎んでばかりじゃ、前を向くことは出来ませんから」
父と母を失った
その悲しさをにじませながらも、
樹は力強く笑みを浮かべて見せる
樹「私達はこれから、神樹様のいない世界に生きるんです。前を向かないとっ」
天乃『そうね。言う通りかもしれない』
- 213 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/06(土) 23:53:15.31 ID:L/26VGiEo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
今後は可能なら土曜日も早めの再開を予定しています
- 214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:04:02.07 ID:8ZmrQ6JwO
- 乙
話し合ってよかったなあ
- 215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:15:50.11 ID:v018VWjtO
- 乙
神樹様との和解か…そういや久遠さんは当初は恨んでたからな…
それでも救って欲しいと頼んだ樹ちゃんの言葉は説得力が凄いなぁ
- 216 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 14:14:37.79 ID:/++fTd+go
-
では少しずつ
- 217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 14:34:52.89 ID:DQug/+OzO
- きてたー
- 218 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 15:06:57.27 ID:/++fTd+go
-
樹「お願いします。久遠先輩」
天乃『正直、自信はない』
銀のことがあってから、
天乃はあまり、神樹様のことをよく思っていなかった
だから、神様をも救痛いだなんて気持ちになったことは無かったし、
労おうだなんて考えを持とうとすらしていなかった
そんな自分が神樹様の救済を求められたところで
救えるだなんて自信を持てるはずがない
天乃『でも。頑張るわ』
樹「はいっ」
頑張らない理由はない
樹の言う通り色々ありはしたけれど
それでも300年間守ってきてくれた神様だ
天乃『最悪嫁なってあげてでも』
樹「それはダメですッ!」
天乃『じ』
樹『 だ め で す ! 』
電子パッドを奪い取った樹は、
画面いっぱいに大きく書いて、拒絶する
神樹様の嫁になどなったら、本末転倒だ
天乃『じょうだん』
樹「冗談でも駄目です」
- 219 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 15:36:36.28 ID:/++fTd+go
-
天乃『分かってる』
樹「久遠先輩のことですから、神様も手懐けてきそうな感じはしますけど……」
天乃『それは出来ない』
樹「出来るかもしれませんってだけです」
九尾や、悪五郎だって手懐けた……と言うべきかは分からないが
仲良くしていたし、
樹が一番世話になっている歌野が元にしているのは稲荷神
その名の通りに、神様だ
もしかしたら、神樹様の持つ本当の力を携えて戻ってくるかもしれない
そんなことをも思って、樹は微笑む
天乃なら、やりかねない
樹「お互いに頑張りましょう」
天乃『ええ、頑張る』
天乃たちみんなの為に
この世界に住むすべての人々の為に
そして、守り続けてくれた神樹様の為に
- 220 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 16:05:25.96 ID:/++fTd+go
-
√ 2月8日目 昼 (病院) ※水曜日
01〜10 夏凜
11〜20
21〜30
31〜40 園子
41〜50
51〜60
61〜70 若葉
71〜80
81〜90 園子
91〜00
↓1のコンマ
- 221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 16:17:38.50 ID:8ZmrQ6JwO
- あ
- 222 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 16:55:08.14 ID:/++fTd+go
- √ 2月8日目 昼 (病院) ※水曜日
天乃「ん……んんっ」
まだ、声は出せそうにはないけれど、
夏凜に力を渡す程度の余裕はあるだろう
今からでもいいし、夕方でも夜でもいい
えっちなことをするのならば夜の方がいいかもしれないが
今の天乃にそれは出来ないからいつの時間でも問題はない
声の回復を待つと言うのなら
あと一日くらいなら休む余裕はあるが。
天乃「………」
どうするべきかと、天乃は思う
樹も言っていたように、
神樹様を救うか否かには賛否両論があることだろう
それについて、天乃は救おうと考えているが
そのことを一応みんなにお話しておく必要もあるのではないかと、考えていた
- 223 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 17:12:21.12 ID:/++fTd+go
-
説得から、救済へ目的は変わることになった
その時間を稼いでくれるのはみんなだ
そのことを話しておいた方が
あと腐れなく神樹様を救うことが出来る
もちろん、それは説得がうまく言った上で
神樹様を救済できることが前提の話になる
場合によっては説得だけで終わり
神樹様を救うことなどできないかもしれない
そもそも、何が神々の救いになるのか。それすらも分かっていないのに。
天乃『1、2、3、4、5、6』
候補を書こうとして、
何も書くことが出来ずに時間だけが過ぎていく
それだけは、時間の無駄だ
何もしないのなら、眠っていたほうが良い
1、精霊組
2、夏凜に力を渡す
3、神樹様の救済について、みんなのところへ
4、イベント判定
5、休息
↓2
- 224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 17:18:53.59 ID:DQug/+OzO
- 3
- 225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 17:20:03.16 ID:sJQZ14tl0
- 3
- 226 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 17:55:37.68 ID:/++fTd+go
-
天乃「……」
そうね。と、自分の考えに頷く
力を分け与えることも、
自分たちが何を守ろうとしているのかを伝えることも
どちらも大切なことだ
それなら、まずは力を与える前に
その力を振るう理由を話すべきだろう
それを納得してもらって、受け入れて貰って
それからだ
天乃の穢れの力は
取り込んでしまえば影響も最小限に落ち着くが
与えられたばかりの時は、非常に強力だ
その状態で不安の種を与えるのは……いけない
天乃『何度もごめんなさい、手伝って』
千景「車椅子でいいの?」
天乃『意地悪言わないで』
千景「……そうね」
今は、見栄を張るよりも回復を優先する
そのために、天乃は車椅子へと体を移した
- 227 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 18:06:51.96 ID:/++fTd+go
-
千景「樹も変わったわね」
天乃『でしょう』
千景「犬吠埼さんよりも、いい大人になるわ」
まるで、樹が自分の妹であるかのように優しい笑顔を見せる
初めは弱弱しかった
非力で、軟弱で、姉の後ろに隠れているような少女だった
それが、たった一つの大きな想いを抱いて強くなり、
誰かの後ろではなく、前に行くことを選ぶようになった
憧れていた姉と先輩達
勇者部の中で唯一の1年生である樹は、
多くの背中を見てきたからこそ、その誰よりも立派になれるはずだと、千景は言う
千景「腑抜けていられないわ。私も、貴女も」
天乃『もう、あの子は私の前を行ける子よ』
千景「神樹様のことなら、そうね。貴女よりも立派だった」
天乃『私は憎さを捨てられなかった』
千景「それでも救うことを決めたのなら、それでいいと思うわ」
- 228 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 18:18:28.76 ID:/++fTd+go
-
千景「あの子が言っていたのは正しい」
憎んでばかりでは、前を向くことは出来ない
まさにその通りだった
憎んでばかりだったから、
本当にみるべきものも見ることは出来なかったし
大事な場面でその力を振るうことは出来ないどころか
力の使い道を誤って、仲間を傷つけてしまうことにさえなった
千景「憎むなとは言わない。けれど、憎むだけでは救うべきものも救えなくなってしまう」
天乃『そうね』
千景「だから、貴女の英断には……感謝するわ」
先日、二人を救うか否か
その意見で分かたれていたころとは正反対
背中を押される形で病室へと向かう
千景「応援しているわ、久遠さん」
天乃「ん」
千景「私達は貴女の、味方よ」
千景の明るい笑みに、天乃は「ありがとう」と、電子パッドを向けた
- 229 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 18:42:02.18 ID:/++fTd+go
-
風「神樹様の救済!?」
天乃『色々あったけど、守ってくれていたから』
樹「私が提案したんです」
東郷「神樹様の救済なんて、そんなっ」
いくら守ってくれていたとはいえ。と不満げな声を漏らす
色々あった
その一言に込められたものは
東郷にとって多く、重い
それは天乃と同等なほどに
だから認められないと言いたいのだろう
そんな東郷の隣で、友奈は口を開く
友奈「分からないこといっぱいあるのに、頑張ってくれたんですよね」
間違いはあった
すれ違いがあった
失敗があった
でもそれは人間にとってのものであり
神々にとっては、それが考えられる最善だったのかもしれない
友奈「私は賛成です。それでこそ――久遠先輩だと思うから」
- 230 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 18:44:36.01 ID:/++fTd+go
-
では少し中断します
再開は20時ころから
- 231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 18:52:16.31 ID:DQug/+OzO
- 一旦乙
ひどい目に合わされたからとはいえ神樹様を助けることに驚く東郷さんたちが少し新鮮
- 232 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 20:20:32.99 ID:/++fTd+go
-
ではもう少しだけ
- 233 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 20:38:45.62 ID:/++fTd+go
-
夏凜「正直、神様の救済なんて人の手に余ることだと思う」
強者に対し、弱者が「私が護る」等と言うようなもの
受け取る相手によっては
見下しているのかと激高したくなることですらあるはずだ
説得すべきこの状況下で
そんな気を煽るようなことをしてもいいのだろうか
そんな、悩みはある
夏凜「でも、天乃はそれをするんでしょ? あえて、難しいことをしようっていうのね?」
天乃『そうなる』
夏凜は「そう……」と
夏凜は息を吐くように呟いて、東郷へと目を向けた
夏凜「東郷、あんたは神樹様の救済を認めたくないの?」
東郷「神樹様は私達から大切なものを奪おうとしたわ……そこに、理由があったことは理解しているつもりだけど」
でもそう簡単に、
理由があったのだから気にする必要はない、気にせず救おう
そう割り切ることなんて出来ない
いや、きっとそれだけではない
東郷「私は一度、神樹様を傷つけてしまえばいいと言う考えを持ったわ」
樹「東郷先輩……」
東郷「ええ、あの時のことよ」
- 234 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 21:25:21.14 ID:/++fTd+go
-
東郷「私はそうしないと決めたけれど、その考えを捨てられたわけじゃない」
風「でも、それを言ったらあたし達だってそうなんじゃない?」
沙織「少なからず、あたし達は神樹様を恨んでる。消えてしまえばいいと思ったことだってあった」
一部を除いてはね。
その言葉を言う代わりに、友奈たちを見つめて沙織は苦笑する
悪いことではあるのだが、
今となっては、いい思い出のようなものだ
沙織「でも、そんなあたし達だからこそ、神樹様の救済を求める意味があるんじゃないかな?」
東郷「意味、ですか?」
天乃「ぁ……ぁぅ」
夏凜「あんたは無理に話そうとしなくていいから」
言葉を選んで、記していては時間がかかる
だからと話そうとする天乃を宥めて夏凜が口を開く
夏凜「確かに間違いばっかりだったし、悪いことも考えたでも、その失敗や過ちから学べるのが……人間ってやつじゃないの?」
友奈「私達はずっと、ずっとそうやって進んできたんだよ。東郷さんっ」
樹「神様だって、間違ってでもそのたびに、頑張って変わろうとしてくれていたじゃないですか」
天乃『似た者同士』
東郷「久遠先輩……」
- 235 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 21:37:37.83 ID:/++fTd+go
-
本当に良いんですか?
そう紡ごうとした口は、動くだけ動いて息を吐くだけに留まった
それはきっと愚問なのだろう
みんなだって、神樹様を恨んだ瞬間があって
心のどこかに後ろめたさを抱えている
勇者部の中では最も神樹様を憎く思ったであろう天乃でさえ、
それが必要なことだと考えている
絶対に死なない加護
人間としての尊厳を傷つけるものではあったが、
それだって、銀を失った天乃たちを憐れんだからこその力
満開による代償
それで散華していたのは勇者だけでなく神樹様もだった
常に、考えてくれていた。常に傷ついていた
まったく別種の、異質な存在のことを理解しようとしてくれていた
東郷「……信じようとしない相手を、信じることなんて出来ませんか」
東郷は困ったように笑うと、天乃を見つめて頷く
東郷「そうですね。神樹様の救済……すべきだと思います」
- 236 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 21:58:36.44 ID:/++fTd+go
-
東郷「300年間、神樹様は私達を守ってくれていました」
みんなが言っていたように、
過ちを犯したこともあるだろう
間違いをしたことってあるだろう
だが、それは人間も同じだったはずだ
実態がある分、
醜い争いもあっただろうし、護る価値を疑わしく思わせるようなことだってあったはずだ
それでも、守り続けてくれたのだ
感謝すべきだろう
救えるのならば、救うべきだろう
東郷「ただし、久遠先輩これだけは約束してください」
天乃『なに?』
東郷「感謝すると言って、体を差し出すようなことは絶対にしないでください」
天乃『生贄になるつもりはないわよ』
東郷「そうではなく……」
天乃「?」
1、大丈夫よ。できれば救済するだけだから
2、みんなは出来ると思う?
3、なるべく諦めない。私も、みんなもね
4、もしかしたら、神樹様の力も継承しちゃうかもね
↓2
- 237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 22:02:30.88 ID:sJQZ14tl0
- 1
- 238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 22:03:05.87 ID:DQug/+OzO
- 3
- 239 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/07(日) 22:16:57.74 ID:/++fTd+go
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃『似た者同士』
東郷「つまり、神樹様も久遠先輩の体を堪能したいと思ってる……?」
東郷「きっと神婚とか言いながら神の遣いと言われている白蛇で緊縛するみたいな性的行為に勤しむつもりだわ!」
夏凜「いやいやいや、さすがにそれはないでしょ」
東郷「良く考えて? 久遠先輩と結婚したいなんて言い出す神様よ?」
友奈「た、確かに……」
夏凜「落ち着け」
- 240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 22:26:57.69 ID:DQug/+OzO
- 乙
安定のオマケの台無し感…w
それはともかくまさかの神樹様生存ルートが来るのだろうか
- 241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 23:58:53.92 ID:8ZmrQ6JwO
- 乙
どうやって対話するんだろう
精神世界みたいな感じかな?
- 242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 10:13:43.07 ID:wBJlLB+1O
- 神樹様を助けに行く展開は何気に初めてじゃないか?
一作目の頃の神樹様への憎しみが半端なかった久遠さんが懐かしい気がする
- 243 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 21:23:47.96 ID:IYg9J3zYo
-
遅くなりましたが少しだけ
- 244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 21:26:13.88 ID:DtYjQ4dWO
- あいあいさ
- 245 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 21:32:50.26 ID:IYg9J3zYo
-
天乃『なるべく諦めない。みんなも私も』
天乃の見せる電子パッドに書かれた心意気
勇者部が掲げる五箇条にも記されている一文を引用したその言葉に
夏凜達は軽くうなずいて「そうね」と返す
なるべく諦めない……では、もしかしたら望み通りの結末にはならないかもしれない
だからといって、無理をしてしまったら
それこそ、望み通りの結果を得ることは出来ないと思うから
沙織「勇者部五箇条一つ、挨拶はきちんと」
おもむろに、五箇条を口にする
求めたわけじゃなく、呟いただけ
けれど、続く
東郷「なるべく諦めない」
風「よく寝て、よく食べる!」
夏凜「悩んだら相談」
友奈「なせば大抵なんとかなるっ」
今ある五箇条、そのすべてを並べて
沙織が口にしてしまったからか、言えなかった樹は笑みを浮かべた
樹「無理せず、みんなが幸せになれること」
- 246 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 21:58:01.17 ID:IYg9J3zYo
-
風「え?」
樹「必要だと思う」
東郷「確かにみんな無理しすぎたわ。無理を、しようとし過ぎたわ」
天乃はもちろん、
みんなにも思い当たる節があるのだろう
少しだけ黙り込んで、それぞれが頷く
みんなの為にと、それを考えた
けれどそのみんなの中には自分がいなくて
結局、みんなのためになっていなくて。
夏凜「みんなって言うか、自分のことも考えろって話よね」
友奈「……それなら、無理せず自分も幸せであること。かな?」
樹「そうですねっ」
みんなから目を向けられた天乃は
電子パッドに隠れるようにして、言葉を見せる
天乃『みんなで見ないで』
風「別に責めてるわけじゃないわよ。副部長」
夏凜「世界が新しくなっていくなら、ここらで改めるのも悪くないんじゃない?」
- 247 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 22:19:52.22 ID:IYg9J3zYo
-
沙織「久遠さんが一番言われたことじゃないかな」
東郷「言ったのは私達ですが……私達も、久遠先輩のことは言えませんよね」
思えば。と
東郷は後から付け足すように呟いて、笑みを見せた
あれだけ言っておきながら、無理をしたし
樹や夏凜に至ってはつい最近も無理をしようとした
天乃はみんなのため
みんなは天乃のため
だからと無理をしようとすることが多かったのだと、振り返る
東郷「これから、神樹様の加護は得られなくなります。神秘的な恩恵のない世界はきっと、とても厳しいと思います」
だからこそだ
東郷はそう考えて、続ける
東郷「だから無理は止めて、なるべく諦めないで頑張っていきましょう」
風「無理する前に、相談も大事よね」
夏凜「諦める前にもね」
樹「どんな些細なことだって、困ったら相談が良いと思います」
- 248 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 22:25:58.43 ID:IYg9J3zYo
-
西暦を生きた勇者達
神世紀を生きる勇者達
そして、長きにわたり久遠家に寄り添ってきた精霊達
多くの味方がいるのだから
きっと、誰かが答えをを持っている
誰かの考えが道しるべとなってくれる
夏凜「あんたの願いでもあるわけだし」
みんなで生きていく
それは、みんなが幸せであってこそのもの
伺うように見つめる夏凜の目を見つめ返して
天乃は小さく息を飲む
天乃『そうかもしれないわね』
反対する理由はなかった
自分が無理をし過ぎた自覚はある
みんなが無理をしようとしていたことへの不満もある
だから、その過ちに似た経験を戒めると言った意味でも
それはあっていいのかもしれないと、天乃は思った
- 249 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 22:27:26.50 ID:IYg9J3zYo
-
√ 2月8日目 夕 (病院) ※水曜日
01〜10 若葉
11〜20
21〜30
31〜40 夏凜
41〜50
51〜60 園子
61〜70
71〜80 園子
81〜90
91〜00 風
↓1のコンマ
- 250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 22:31:00.07 ID:aqBVk7jnO
- あ
- 251 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/09(火) 22:43:20.31 ID:IYg9J3zYo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
沙織「久遠さんが一番言われたことじゃないかな」
東郷「一番言われたのはえっちなことをしたい。では?」
風「いや、それは思われた数では一番だろうけど、そこまで言ってなくない?」
東郷「言われずともイ――」
友奈「一番言ったのは【好き】かな」
夏凜「色々言いすぎたし覚えてない」
樹「無視しつつかき消しましたね」
- 252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 22:48:42.38 ID:DtYjQ4dWO
- 乙
決戦前にして六箇条目にたどり着くとは…みんな本当に成長したなぁ
あとはそのっちの復活を待つばかりか
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