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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】

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53 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 20:52:46.30 ID:1CUEQbDno

千景が答えるよりも早く次の言葉を書き出している天乃は、

樹を止めてくれなかったことが不服なのだろう

睨むような鋭い目を向けて、パッドを見せる

天乃『私は見捨てたくない』

千景「その気持ちは分かるわ。でも――」

天乃『聞きたくない』

聞き終える前に見せて、背を向ける

これ以上の会話をする気はないと言う天乃の姿勢

背中を見る千景は

開いていた口を閉じて、目を瞑る

覚悟の上……だ

千景「連れて行くわ」

天乃「……」

千景「でも、これだけは言っておく」

踵を返し、天乃の病室からみんなの病室への道を進む

千景「この件で、貴女の味方はいないと思ったほうが良い」

期待しているかどうかはともかく

しているのならば。と、出ていそうな杭を打つ

千景「みんな、久遠さんを大事に思ってるから」
54 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 21:23:19.26 ID:1CUEQbDno

天乃『そうね』

千景「……なんだか、それでのやり取りだと変な感じね」

普段の天乃と違って、

感情豊かではない―怒っているからかもしれないが―せいか

電子パッドに書かれる文字だけでは

天乃の感情を読み切れなくて

無機質で、無感情で

ちょっとだけ、怖く感じてしまう

でも、良くなると良いわね。などとは口が裂けても言えない

声が聞けるといい。とも、言えない

樹を止めていれば天乃が無理して声を出すことなんてなくて

それがなければ、小さいながらも話すことは出来たはずだから。

互いを思うがゆえの、傷

その気まずさを飲み込んで、千景は足早にみんなのいる病室へと向かった
55 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 21:46:14.39 ID:1CUEQbDno

天乃を連れた千景が病室を訪ねると、

起こされた様子もなく、みんなが起きていた

一応、消灯時間まで一時間程度ではあるのだが、

誰一人として寝ようともしていなかったのは他の精霊が伝えたか

それとも、天乃のことで寝るに寝れなかったか。

天乃が電子パッドを手に持っているのを見た夏凜はわずかに顔を顰めた

夏凜「それ、なに持ってるのよ」

天乃「…………」

友奈「久遠先輩?」

すぐに答えるのではなく、文字を書く

いつもとは全く違う姿に不安そうな友奈の声がぶつかる

天乃『暫く話せなくなった』

樹「っ」

天乃『喉、傷めた』

隠すようなことはせず、

かといって、樹に見せつけるわけでもなく理由を見せると

すぐに決して、新しく書き込んでいく

天乃『治るまで、これを使う』

夏凜「……そう」
56 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 22:03:51.09 ID:1CUEQbDno

そんなった理由は、喉を傷めたことだが

その原因は、樹が自分を見捨てるように言ったことであると

夏凜達はみんな、分かっている

だから、千景のように言葉にはできなくて

身を案じる言葉をかみ砕く

刺々しい言葉の一つ一つに、樹たちはチクチクと痛みを覚えた

東郷「それなら、早くお休みになられた方が良かったのでは?」

天乃『会いたくなかった?』

東郷「そんなことは……」

友奈「あの……その……」

言い淀む東郷への助け舟

そのつもりだった言葉は出てくる直前で乱されて、消えてしまう

辛そうな天乃に懸けられる言葉は案じる言葉

でも天乃はそれを望んでいないし受け取らない

それをひしひしと感じる目を、向けられているからだ


1、樹から話は聞いてる?
2、私は諦めないわよ
3、夏凜、力を渡すわ
4、東郷、調子は?


↓2
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:05:44.01 ID:9NhXyeU9O
4
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:10:28.83 ID:cTs1l5hP0
4
59 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 22:17:45.90 ID:1CUEQbDno

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃『東郷、調子は?』

東郷「!」

東郷(これは……試されてるの?)

東郷(良いと答えれば、私は悪いけど。と返ってくる?)

東郷(口に出した言葉じゃないのが、悟りにくいわ……!)


夏凜「エロいことを口にしないから調子悪そうね」

東郷「ちょっと待って夏凜ちゃん、それどういう意味?」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:25:42.02 ID:9NhXyeU9O
乙
終盤だけあって重たい展開が続いてる分オマケが癒しパートになってきてる気がする…
それはそうと今の久遠さんの状況ってアニメ版勇者の章の友奈ちゃんみたいだな
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 23:42:50.84 ID:lXdZ8qm3O
乙
緊張感あるな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 01:30:24.77 ID:/mpkU8iaO
乙
まあ樹を助けるのは最終決戦後でも出来るからな
逆に言うと樹のためにも絶対帰ってこなくちゃいけないという気力になる
帰ってこれないと祟で死亡?だし
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 08:14:28.24 ID:2r7Rf4eGO
乙
祟り背負わせたまま戦わせられないって話だから後では駄目なんよ
樹海化で強制的に連れてかれるから
64 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 21:36:36.62 ID:+far0habo

では少しだけ
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 21:37:26.57 ID:nkahLulSO
やったぜ
66 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 21:59:33.19 ID:+far0habo

天乃『東郷、調子はどう?』

東郷「……多少、感覚の違いは感じますが問題はありません」

天乃『寝た?』

東郷「いえ、特に眠くもなかったので」

東郷としては自分よりも天乃の体調なのだろう

自分のことを聞かれて答えに躊躇う様子を見せつつも、

質問にだけ答えて、余計なことを付け足しそうな考えを飲み込む

天乃『友奈達は寝たから寝たほうが良い』

東郷「ですが……」

渋る東郷に顔を顰めながら電子パッドに書き込んで、

若干、不機嫌そうに見せつける

天乃『感覚の違いは寝てないから。馴染まない』

電子パッドを指で叩き、

その指で東郷を指さしてもう一度パッドを指さす

貴女に言ってるのよ。

そう示す動きに、東郷は「分かっていますが」と、歯切れ悪く答える

東郷「寝て、いられなかったんです」
67 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 22:33:02.97 ID:+far0habo

東郷「休息が必要なのは良く分かっています」

でも。と、続ける

東郷「寝て待つなんてことは出来ませんでした」

むしろ、したくなかったというのが正しいと、東郷は思う

目の前で天乃が傷つくのを見てしまった

沈んでいくのを見てしまった

それなのに、どうして眠れるだろうか

目を瞑れば、あの姿が浮かぶ

楽し気な姿ではなく、苦しむ姿

力なく沈んでいく姿

恐ろしくて、寝ることなんて出来ない

たとえ、夏凜達が大丈夫と言ってくれていても

風「天乃が意識を失うのを見ちゃったのよ。簡単に寝れるはずないでしょ?」

夏凜「私も経験あるけど、寝ようと思って寝れるものではないわ」

自分より心は強く感じたから、大丈夫かもしれないけど。と

すこし歩み寄るそぶりを見せて、夏凜は天乃を見る

天乃『体調を崩されたら困る』

取り付く島もないとみんなが思い、

それは自分たちもだと、言葉を飲んだ
68 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:07:42.36 ID:+far0habo

夏凜「体調崩されたら困るのはこっちもなんだけど」

天乃『話すことはないって?』

友奈「夏凜ちゃんはそんなこと――」

夏凜「言ってるようなものだし」

庇おうとする友奈を制して、

夏凜はあくまで堂々とした態度で視線を受ける

後ろめたいことではないとは、少し言いにくいけれど

だからと言って身を引けることでもない

樹「久遠先輩、さっき話した通りです」

血を吐かせるほどに、

話を出来なくなってしまうほどに追い詰めてしまったこと

それを再度話すのはと思いながらも、意を決して口にする

樹「みんなで話し合って決めたことなので」

話したいことはある

叶うならばいっしょに居たい

でも、互いの想いがぶつかり合う今、それは叶わないことだ

樹「その話なら、頷いてくれる以外は無駄だと思います」
69 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:28:33.90 ID:+far0habo

天乃『知ってる』

さっきまでと違って、

やや殴り書きに近い字で答えた天乃は、

視界の端、樹のベッドのそばにある荷物を見て顔を顰める

天乃『みんな敵』

風「敵って言い方はちょっと違うんじゃない?」

天乃『違わない』

異議を述べて、首を振る

もの申したいという風の視線を受けつつ樹を見て

電子パッドのボタンを押す

天乃『樹が死んで平気?』

風「平気なわけ、ないじゃない」

そんなわけがない

そんなわけがないが、天乃だって死んで平気なわけがない

天乃が夏凜と樹の両方を救いたいように

風達だって、天乃と樹達の両方を救いたい

だが、どちらかを選ばなければならない

その中で、樹は自ら自分を切り捨てるように進言したのだ

その考えと、覚悟

姉として止めたい気持ちもあるが、止められない

風「樹は覚悟を決めてる。なら、あたしは、あたし達は姉として仲間として、樹を絶対に守るだけよ」
70 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:30:08.89 ID:+far0habo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 23:35:50.60 ID:nkahLulSO
乙
二人とも救おうとして暴走する久遠さん…
勇者部は久遠さんを止めることができるのだろうか
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 01:18:45.70 ID:yk6nY4XP0
乙
風の決意もすごいなあ
73 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:16:44.02 ID:7N0rURjSo

では少しだけ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 21:17:31.14 ID:DQ4jz5BfO
あいあいさ
75 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:41:56.18 ID:7N0rURjSo

天乃『今度は死ぬ』

戦いを甘く見ていないことくらいは分かっているけれど

あえて明示する

以前のように、死から守ってくれるわけではない

致命的なダメージを防いでくれるのも回数制限があって、

満開を使えば、それは一瞬にして消費されてしまう

そうなれば、勇者の力を持つだけの生身の人間だ

加護がない以上、当然ながら叩き飛ばされれば死ぬ

爆発をまともに食らえば死ぬ

そんな戦場に、祟りを持って臨まなければならない

そんなハンデのある人を守りながら、今までにない最大級の敵と戦わなければならない

天乃『覚悟ではどうにもならない』

東郷「それは、久遠先輩も同じでは?」
76 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:55:20.71 ID:7N0rURjSo

風「分かってるでしょ? 天乃も樹も状況はほぼ同じ」

天乃『違う』

風「違わない」

どちらも命懸けだ

一瞬たりとも気の抜けない危険な戦いに身を投じることになる樹も

己の限界を超えて力を分け与えようとする天乃

二人ともが命がけで、死のリスクが非常に高い

それは一緒だと風は繰り返す

風「それでも樹にリスクを背負わせるのは抵抗できるから」

夏凜「あんたが考えてるように、守って貰えるのには限度があるわ。でも、満開を使わなければ一気に消費しない」

そうすれば、傷つくことはあっても死ぬ可能性は大きく減少する

そしてその樹をみんなで守り、みんなで支え合う

友奈「私達は、私達で抵抗することが出来るんです」

天乃「………」

樹「そこが久遠先輩との違いで、とても大事なポイントです」
77 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 22:39:24.60 ID:7N0rURjSo

天乃『認めない』

夏凜「認めるとか認めないとかそういう話じゃないでしょ」

頑なに認めないと言うのなら、樹は出ていく

天乃に話したことは、みんなにも話していて決定事項だ

明日の時間になっても二人を救うと言うのなら

樹に無理させるくらいなら自分は死んでもかまわないと言うのなら

そう考えて、

夏凜は天乃の批判的な視線を見つめ返す

夏凜「いい加減にしないと、私も出てくわよ」

樹「え?」

風「夏凜、それは――」

夏凜「あんただけ完全に助けたいとかフェアじゃないし、二人を助けなきゃ万全になれるでしょ?」

驚く二人をよそに

夏凜は一人、堂々とした態度で言った



1、いい加減にして
2、どうしてそういうこと言うの?
3、最低
4、意地っ張り
5、馬鹿
6、大嫌い


↓2
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 22:43:41.43 ID:DQ4jz5BfO
1
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 22:46:55.09 ID:PmnTC7/O0
2
80 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 23:03:14.53 ID:7N0rURjSo

ではここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼頃から


天乃『最低、馬鹿、意地っ張り、大っ嫌い』トントン

東郷(考えられる限りの暴言、注視を促す画面を叩く指の動き)

東郷(怒ってるけれど、それ以上にされたら困ると言う不安の見える表情)

東郷「あっ」

夏凜「あっ。って何? あんたまた良くないことを考えたわね!?」


友奈(分からないほうが良いけど、分かっちゃう自分はもう駄目なのかなーって)

樹(私も分かってるのでセーフです)

千景「アウトよ」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 23:16:59.34 ID:DQ4jz5BfO
乙
選択肢の罵倒で久遠さんの心に全く余裕がないことが分かるな…
まぁ久遠さんからしたら戦えないわ力すら満足に分けられないわで必死なんだろうけどね
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 23:26:59.40 ID:qbne8cv4O
乙
夏凜つよい
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 03:07:16.35 ID:yPfBY2/TO
乙
最後の戦いが控えてるのに心がバラバラになるのは見ててつらいな
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 12:27:04.94 ID:rE34aQU80
久遠さんどうしようもなく追い詰められてるな…
せめて精神的に全盛だったら代案出すなりもうすこしうまく話し合えたりできると思うのだが…
85 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 19:23:56.72 ID:KFbkxXM/o

遅くなりましたが、少しだけ
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 19:38:07.39 ID:/XX0qcJBO
あいよー
87 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 19:49:12.19 ID:KFbkxXM/o

天乃『どうしてそういうことを言うの』

夏凜「あんたが死のうとしてるから」

天乃『二人も』

夏凜「でも、私達には可能性がある」

そのリスクを背負っていたとしても、

無事で済む可能性がある

それは、樹達が言うようにみんなが一緒に頑張ることだからだ

けれど天乃は違う

他の誰かが一緒に頑張るなんてことは出来ない

天乃だけがリスクを背負い、その代償を支払わなければならない

夏凜「あんたのそれは努力でどうにかなるようなものじゃないでしょ」

天乃『でもあ』

夏凜「だからこそ」

天乃の電子パッドを手で押さえて、

まだ書いている途中だった言葉を消し去る

夏凜「リスクを背負うのは私達であるべきだって言ってるのよ」
88 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:15:43.34 ID:KFbkxXM/o

夏凜「悪いけど、樹は本気だし私も本気」

天乃「っ」

夏凜「あくまで樹と私の両方を求めるなら、出ていく」

一緒には居られない

抗議しようとする天乃の電子パッドを押さえつけながら、言う

必死に持ち上げようとしてるのが伝わってくる

邪魔しないでと、睨んで来る瞳が見える

でも、いつか見たあの目よりはずっと優しかった

怒っているからではなく、心配だからこそ、不安だからこそ

相手を想うからこその怒りはとても優しくて

夏凜は目を逸らすことはないが、首を振る

夏凜「あんたが考えを変えないのなら、これ以上話すことはないわ」

夏凜の手が離れ、

天乃はすぐに、電子パッドへと文字を書き込んでいく

天乃『考え直して』

樹「それは久遠先輩にお願いしてることなんです」

すみません。そう続けかけた口を閉じると、

樹は病室の隅に目を向けた
89 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:43:54.04 ID:KFbkxXM/o

樹「千景さん、お願いします」

千景「……そうね」

天乃『待って』

千景「待たないわ」

天乃『ちかげ』

漢字を書くよりも早く、ひらがなで書かれた名

それを一瞥しつつも千景はそれは出来ないと首を振る

これ以上ここにいても何も決まらない

夏凜達が退くことはないし

今の天乃の様子では、考えを改めるつもりもないだろう

千景「時間よ。連れ帰るわ」

天乃『だめ』

千景「睡眠時間を削るつもり?」

少しきつく言い放って、

千景は強制的に車いすを動かして、天乃を連れ戻す

考える時間は少ないかもしれないが、

だからと言って眠る時間……体を休める時間を削っては本末転倒

何も救えなくなってしまうからだ
90 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:58:21.54 ID:KFbkxXM/o
1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・   犬吠埼樹:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・   結城友奈:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・   東郷美森:交流有(力の譲渡、二人を救いたい、話し合い)
・   三好夏凜:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・   乃木若葉:交流有(一人だけなら)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流有(一人だけなら、二人を救いたい)
・ 伊集院沙織:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()


2月6日目 終了時点

乃木園子との絆  106(かなり高い)
犬吠埼風との絆  130(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  112(かなり高い)
結城友奈との絆  144(かなり高い)
東郷美森との絆  143(かなり高い)
三好夏凜との絆  170(最高値)
乃木若葉との絆  112(かなり高い)
土居球子との絆  59(中々良い)
白鳥歌野との絆  57(中々良い)
藤森水都との絆  49(中々良い)
  郡千景との絆  59(中々良い)
   沙織との絆  146(かなり高い)
   九尾との絆  80(高い)
    神樹との絆   ??(低い)
91 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 21:05:19.04 ID:KFbkxXM/o

√ 2月7日目 朝 (病院) ※水曜日


01〜10
11〜20 沙織
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 歌野
81〜90
91〜00 園子


↓1のコンマ
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 21:06:38.18 ID:/XX0qcJBO
あ
93 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 21:59:01.38 ID:KFbkxXM/o

√ 2月7日目 朝 (病院) ※水曜日


樹たちの提示した、約束の日

神婚の儀を行うまではまだ時間はある

でも、当初考えていた休息期間

みんなに力を分け与えること

それを考えれば、この考える時間の少なさも致し方ないかもしれない

沙織「……」

沙織は少し考えて、精霊のいる空間から、

現実の世界へと出ていく

沙織「久遠さん、大丈夫?」

天乃『平気』

沙織「喉の違和感は?」

天乃「………」

喉を軽く擦って、首を振る

まだまだ違和感はある

こみあげる吐き気のような、不快感

火を間近にあてられているような熱さ

軽く咳き込みたくなるけれど、そんなことをしたら吐血することになるだろう
94 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:23:16.15 ID:KFbkxXM/o

沙織「なら、まだ平気じゃないよ」

天乃「………」

沙織「体調で嘘はダメ」

沙織は困ったように言うと

小さく笑みを浮かべて、天乃の電子パッドに触れる

沙織「もう少し寝てた方がいい」

天乃『 | ' . ゛ 』

沙織「昨日も遅かったのに」

沙織が抑えるせいで、言葉にならない文字が刻まれていく

それでも天乃の言いたいことを察した沙織の言葉に、目を向ける

時間がない

今日の夜までに決めなければ、話をつけなければ

二人ともいなくなってしまう

寝ている暇なんてない

沙織の手に触れて、話すように促す

天乃『いっそ苦しめばいい』

沙織「そんなこと言わないで……」
95 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:48:59.66 ID:KFbkxXM/o

夏凜達が苦しめばいいということではなく、

天乃自身が苦しめばいいという考え

夏凜達は自分が苦しむことになっても、考えは変わらないだろう

だが、天乃が苦しむのであれば変わるかもしれない

けれど、それは解決策としては悪手だ

沙織「久遠さんが苦しむのはみんな嫌だけど、でもそれで解決はしないと思うよ」

みんな覚悟している

天乃に嫌な思いをさせること

辛い思いをさせること

笑顔にさせたいと言っていた夏凜でさえ、泣かせるようなことに手を出している

その苦渋の決断は、天乃を死なせないためのもの

自分たちが嫌われることよりも、天乃を生かすことを選んでいるのだ

沙織「樹ちゃんだけ、諦めることは出来ない?」


1、出来るわけないでしょ
2、貴女までそんなこと言うのね
3、嫌よ
4、樹が死ぬのよ?


↓2
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 22:51:07.61 ID:02e3nONE0
2
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 22:52:14.39 ID:Kdis8I5xO
4
98 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:56:33.26 ID:KFbkxXM/o

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夏凜「だからこそ、私達がリスクを背負うのよ」

天乃「………」

天乃「……」グスッ

球子「あー! 夏凜が泣かせたー!」

風「ちょっとー女子ー!」


夏凜「手のひら返すなっ!」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 23:06:06.26 ID:Kdis8I5xO
乙
夏凜も意思が揺るがないのかっこいいな
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 23:11:03.97 ID:/XX0qcJBO
乙
久遠さん夏凜ちゃんにあれだけ脅されてなお諦めようとしないのか
最早なるべく諦めないの域を飛び越えてる気がする…
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 02:42:08.45 ID:LVPuqA4ZO
乙
久遠さんはかなり危険域だけど樹は死ぬと決まったわけじゃないからなあ
樹の根性みたいなの信頼してもいいのでは?
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 08:26:50.94 ID:w5Uux6khO
乙
心配が行き過ぎて信じることが出来なくなってるんだろうね
普段の久遠さんなら《でも大丈夫》って信じてくれるし《危なくなったら私も戦いにいっちゃうからね》とでも脅してくれるだろうに…
103 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 20:24:56.33 ID:2sbbrZ5Lo

では少しだけ
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 20:29:04.03 ID:Bd/1lwNAO
よしきた
105 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 20:40:33.03 ID:2sbbrZ5Lo

天乃『樹が死ぬのよ』

沙織「……死なないよ」

天乃『祟りがある』

沙織「そうだね」

でも。と、沙織は微笑む

祟りがある。そう書かれた電子パッドを抑えて、

天乃の目をまっすぐ見つめる

あたしを見て。と

沙織「祟りに負けない力がある」

天乃『神樹様の力は駄目』

万全ならばともかく、

衰えた神樹様の力では対抗しきれない

だからこそ、唯一抵抗できるであろう天乃の力が必要なのだ

天乃『私の力、必要』

それを示す天乃を、沙織は優しく見る

睨むのも、怒るのも

勇者部のみんながしてくれているから

沙織「うん、それが最善策……【だった】んだよ」

沙織は努めて優しく、諭すように言う
106 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 20:54:53.32 ID:2sbbrZ5Lo

沙織「みんなもそれは分かってるんだよ。でもね、それじゃダメなんだ」

天乃『でも』

沙織「久遠さん。みんなが、望んでることなんだよ」

天乃「…………」

沙織の言う【みんな】は勇者部だけではない

天乃の精霊たち含めただけでもない

今まさに、その望みを挫く行いをすべきとしている天乃自身も含んだ願い

いや、

その天乃自身が、一番初めに願ったことなのだ

無理をさせると、無茶をさせると

でも、自分を戦いから退かせたいのであれば、

それを成し遂げて欲しいと我儘を言ったのは、他でもない天乃だ

沙織「久遠さんの力があれば二人は万全な状態で戦うことが出来る。でも、久遠さんは無事では済まないんだよ?」

天乃『今回の戦いは危険』

沙織「樹ちゃん達が、危険を承知じゃないとでも?」
107 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 21:24:12.72 ID:2sbbrZ5Lo

沙織「散々言ってたのに」

天乃『分かってる』

沙織「分かってないよ。樹ちゃんにも言われて、三好さんにまであんなこと言われちゃって」

流石に予定にもなかったということもあって沙織は困ったように零す

勇者部のみんなと一緒にいることも多く

樹が出ていくつもりであることは知っていたが、

流石に、夏凜まで出ていくつもりだったのは初耳だった

何の準備もしていなかったし、そぶりを見せてすらいなかったのに

ただ勢いで言ったわけではないのは、天乃はもちろん、みんなも感じたことだろう

沙織「三好さんは本気だよ? それでも、二人を助けたいって言うの?」

天乃『死なせたくない』

沙織「その我儘は、本末転倒だよ」

天乃『これが最後』

自分たちにとっても、バーテックスにとっても

そうでなければ困るという希望もあるけれど、きっとそうなるはずで

出てくるバーテックスの親玉は、今までとは比較にならないほどに凶悪なはず

であれば、戦いに赴く勇者たちは万全であるべきなのだ
108 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 21:42:04.68 ID:2sbbrZ5Lo

天乃『みんな分からず屋』

沙織「久遠さんだよ」

天乃『私は干気』

沙織「平気なわけないよ」

点が足りないよ。と、

指先で二回ほど突いて、天乃の書いていた言葉を正す

夏凜達に止められることもあってか、

出来る限り早く書こうとしている字は乱れてしまっている

どれだけ考える余裕がないのか、明白だった

沙織「東郷さんまでで話せなくなるほどの症状が出たんだよ? 二人分の力を短期間で失ったら死んじゃう」

天乃『樹が危ない』

沙織「だから……」

それよりも。と、沙織は息を吐く

これだけ言っても、天乃は頑なで

本末転倒なのに、それを貫こうとしている

沙織「久遠さん、良く考えよう?」

これ以上はと、口を閉ざす

話すよりも、時間を与えるべきだと沙織は身を引く

でも、あと一つだけ

そう思って、沙織は天乃を見る

沙織「忘れないで。みんなが願ってるのは、久遠さんも含めた未来だよ」

それだけを言い残して、沙織は姿を消す

しっかりと考えてもらうために
109 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 21:52:12.30 ID:2sbbrZ5Lo

√ 2月7日目 昼 (病院) ※水曜日


01〜10
11〜20 九尾
21〜30
31〜40
41〜50 園子
51〜60
61〜70
71〜80 球子
81〜90
91〜00 歌野


↓1のコンマ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 21:53:28.73 ID:Bd/1lwNAO
あ
111 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/24(月) 22:24:38.22 ID:2sbbrZ5Lo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


千景「土居さん、今は――」

球子「今行かないで、いつ行くんだ。良いから、タマに任せタマえ!」

千景「あっ……もう、勝手な人ね」

友奈「でも、それがタマちゃんの良い所だよ」

千景「っ、高嶋さん……?」


友奈「え?」

千景「……いえ、なんでもないわ。そうね。その通りかもしれない」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 22:35:28.83 ID:Bd/1lwNAO
乙
まさかさおりんの説得すらも通じなかったとは…
そしてこのタイミングでタマっち先輩…なにか打つ手があるのだろうか
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 23:54:48.09 ID:MyB4s31wO
乙
精霊組による久遠さんへのメンタルクリニックが続くな
114 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/25(火) 22:22:06.45 ID:CdMI2FBwo

すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/25(火) 22:26:11.37 ID:hV1Y5KHnO
了解、乙ですー
116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 20:33:42.38 ID:OME+QWZbo

では少しだけ
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 20:37:46.68 ID:eGtfdb4+O
かもーん
118 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 20:47:42.07 ID:OME+QWZbo

√ 2月7日目 昼 (病院) ※水曜日


天乃「……………」

約束の時間まで数時間

考える時間はだんだんと無くなってく

比例して余裕も失せていき

病室に一人、ベッドに横になっている天乃の表情には焦りが見える

出ていくと樹に言われ、夏凜に言われ

みんなに二人を助けるのは諦めろと言われ

沙織にも、そう説得を受けた

でも……でも。と、天乃は首を振る

何度も言っているように、

今回戦う相手は生半可な状態で勝てるような存在ではない

樹達の状況を鑑みて、手加減してくれる相手でもない

確実に狙われる。徹底的につぶしに来る

そうなれば殺されてしまう

堪えられないほどの痛みと苦しみを与えられ、絶望の淵から突き落とされるかもしれない

生きたまま、食い殺されるかもしれない

そんな残酷な死を与えるために、戦いを任せたわけじゃない
119 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 21:09:14.59 ID:OME+QWZbo

球子「寝てなくて平気なのか?」

天乃「っ」

球子「わっ待て待て!」

そんな睨まないでくれ。と

慌てたように手を振った球子は、手を合わせて「ごめん」と言う

球子は別に天乃を煽りたかったわけではないらしく

心配そうに眉を顰めると、来客用の椅子を起こして座り込む

球子「東郷に言ってただろ? 馴染まないのは寝てないからだって」

天乃『それが?』

球子「それがって……いや、回復するのも同じなんじゃないかって思っただけだけど」

怒るなよ。

居心地悪そうに身を捩りながらつぶやくと、

ちらっと天乃を見る

時間が迫っている焦りもあるのだろう

天乃の表情が緩むことはなくて

球子「……天乃はどうしても、みんなの意見を受け入れたくないのか?」

珍しく、球子は真剣に問いかけた
120 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 21:25:46.46 ID:OME+QWZbo

天乃『死ねと言いたくない』

球子「死ぬとは限らないだろー?」

天乃『無理』

球子「可能性があるってだけだ」

天乃『無理』

電子パッドの言葉を一切変えずに見せつけて、天乃は首を振る

可能性があるだけではなく、確実なのだと

球子は少しむっとした、難しそうな顔をして

悩ましそうに目を逸らす

長考するような素振りではあったけれど、

そんな柄ではないと思ったのか

煩わしそうに「あーっ」と、声を上げた

球子「夏凜達があれだけ言ってきかないのにタマに上手いこと言えるかーっ!」

天乃「っ」

ガシガシと頭をかいた球子はいきり立って

球子「タマが言いたいのは一つだけだ!」

びしっと、天乃を指さす

球子「みんなを信じられないのかっ!?」

絶叫するかのような、大きな声だった
121 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 21:45:44.29 ID:OME+QWZbo

球子は難しく考えるのは、得意じゃない

長々と悩むことも苦手だし、好きじゃない

だから、単刀直入に疑問を問う

確かに危険な戦いだと思うし、

死の危険が伴う非常にリスクの高いものであると球子も思う

だが、みんなはそれを承知の上で

それでも頑張ろうとしているのだ

沙織が言ったように、天乃を含めた全員の願いの為に。

その決意と覚悟をなぜ信じることは出来ないのか

球子「普段の天乃でも渋るかもしれないけど、そこまで言うならって言ってたはずだぞっ」

千景は答えを得ているようだった

九尾も答えを知っているかもしれない

本当なら自分が出ていく必要だってなかったかもしれない

そんな無意味なことを考えようとする頭を振る

球子「こういうときは信じてやるもんじゃないのかっ?」

天乃「…………」


1、祟りの重さを見ていたから、怖いのよ
2、信じる以上に不安なの
3、今までのように甘くはないの
4、今までは無理をすれば助けに行けた。でも、もう行けないの


↓2
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 21:51:01.93 ID:j6UDlZprO
2
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 22:00:59.86 ID:BBI0gmx20
2
124 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/26(水) 22:20:54.15 ID:OME+QWZbo

では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


沙織「いい方法があるよ」

天乃『いい方法?』

沙織「そう。みんなの士気を高めて確実に帰ってきてもらう方法」

沙織「その名も……おあずけ!」

東郷「帰ってきたら食べ放題ですね」


風「ツッコミ」チラッ

夏凜「無理」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 22:31:26.63 ID:eGtfdb4+O
乙
精神的に不安が勝っている久遠さん…
球子の優しくて直球な思いは届くのだろうか
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 22:50:19.01 ID:j6UDlZprO
乙
タマもいいやつだなあ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 23:55:59.59 ID:aI+OwuMc0
乙
久遠さんが、自分は力を渡しても耐えきれると己を信じて言っているならともかく、今は完全に自暴自棄だからな…
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 02:03:17.07 ID:dOmL8xDxO
乙
その理論だとおあずけ解消されてる風に死亡フラグが!?
129 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 20:40:53.45 ID:nZD3JfbPo

では少しだけ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 20:45:18.00 ID:glIkFeGuO
おk
131 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 21:04:58.49 ID:nZD3JfbPo

天乃は、球子の真っ直ぐな疑問から電子パッドへと視線を落とす

軽く握るペンは折れそうもない

天乃『信じられる以上に、不安』

みんなを信じられないわけじゃないし

ましてや、信じたくないわけでもない

けれど怖いのだ

だから、信じる以上に不安になってしまう

みんなの決意を聞いても、目の当たりにしても受け入れがたくて

もしかしたらという恐れが、先に出てくる

球子「みんながあんなに言ってるのにか?」

天乃『覚悟してるのも、怖い』

球子「なんでだ? 覚悟してるってことはそれだけ強く考えてて、頑張るぞってなってるものじゃないのか?」

天乃『その結果の為に、何でもできる』

球子「でも――」

天乃『実際に出ていくつもり』
132 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 21:10:49.54 ID:nZD3JfbPo

夏凜と樹は本気だ

球子もそれは分かっているからか、

天乃の言葉を否定することは出来ず「確かになぁ」と呟く

認めたくはないが、認めるしかない

絶対に避けて通りそうなみんなが、それをしようとしている

その覚悟を心強く思っていた球子だったが、

考えを変えてみれば、途端に危うさが増していく

それでも、球子の表情は曇る

球子「でも。でもだぞ……それは悪く考えた場合の話じゃないのか?」

天乃『無視は出来ない』

ポジティブに考えるのは大切だし、

ネガティブになりすぎるのは良いことではない

だが、ポジティブ一辺倒も良くはなく、

ネガティブな考えを一切無視してしまうことも良くないことだ

天乃『まだ大丈夫。それが命取り』
133 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 21:38:27.68 ID:nZD3JfbPo

球子「それは、むぅ……」

分からなくもない反論

いや、むしろ納得できてしまう

みんなは本気だ

本気で、天乃を悲しませてしまう策を行使しようとしている

その覚悟の重さは簡単には口にできないほどで

きっと、何が何でも成し遂げようとするだろうと球子は思う

そもそも、成し遂げることが出来なかったら望みが潰えるのだから

無理をしない理由はない

球子「言われてみれば確かに」

天乃『だから止める』

球子「そ――いやいやいや!」

そうだな。と

頷きかけた頭を振りに振って、考えを改める

言いくるめられてどうするのか

すぐそばで見ている千景の睨むような視線を感じた気がして、振り向く
134 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 21:57:47.19 ID:nZD3JfbPo

球子「そうなったら、二人とも出て行っちゃうんだぞ」

天乃「………」

力を失わせ過ぎて死なせてしまうくらいなら、

これ以上は与えて貰うことをやめて、

現状の持ちうる力で何とかしようとしている

止めることなんて無理だし、

それを手伝ってくれる人なんて、存在していない

ある意味では、みんなが天乃の敵のような状態なのだ

球子「怖いのは分かる。不安なのも……見てれば良く分かる」

でも。と、球子は言う

球子「みんなにとっては、それよりも天乃が血塗れになっちゃう可能性が不安で」

きっと。と、続ける

球子「二度と目を覚まさないかもしれないってことが、怖いんだ」

園子の時がそうだったんじゃないか?

そう問いかけた球子は、悲し気に首を振る

球子「それとな。やっぱり、タマはちゃんと見送って貰いたいって思う」

天乃『見送る?』

球子「仲違いしてる最終決戦なんて、それこそ嫌だからな」

祟り以上に祟りらしい悩みを抱えての戦い

それこそ不安になると球子は言って、

黙り込む天乃に、「だから割り切ってくれないか」と、求めた
135 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 21:58:56.01 ID:nZD3JfbPo

√ 2月7日目 夕 (病院) ※水曜日


01〜10
11〜20 園子
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 友奈
81〜90
91〜00 歌野


↓1のコンマ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 22:00:06.63 ID:glIkFeGuO
あ
137 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/27(木) 22:04:17.64 ID:nZD3JfbPo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夜は固定で勇者部のみんなとの交流
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 22:10:20.39 ID:glIkFeGuO
乙
このままじゃ本当に二人とも出て行っちゃう…
何かもう少し久遠さんの考えが変わるようなきっかけが欲しいところだな
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 05:38:43.42 ID:TaN+7uReO
乙
久遠さんも心配だけどなかなか復活しない園子も大丈夫だろうか
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 12:46:32.91 ID:YdQLGdLIO
ゆゆゆいのランカーに久遠さんいて草
>>1かな?

みんなにこれだけ言われたんだからきっと考え直してくれるはず
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 15:31:11.02 ID:X9ivjri60
久遠さんは皆が生き残る光景が想像できなくなってるな…
逆に皆は欠けることなく無事に帰るためにどうしようと考えているのだろうか…
142 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 20:20:38.77 ID:Cy+59sWNo

では少しだけ
143 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 20:41:11.31 ID:Cy+59sWNo

√ 2月7日目 夕 (病院) ※水曜日


天乃「もう、こんな時間なの?」

余りにも時間がない

あと数時間後には、決断しなければならない

沙織も、球子も

当然と言えば当然だけれど、天乃とは正反対の考えだった

樹を見捨てるべきだと言う考えだった

もちろん、見捨ててしまえばいいなんて考えではなく

それが最良な案であると考えてのもの

樹を失いたいわけではないし、

苦しむことを良しとしているわけでもない

でも、結果として

それに似たことになってしまっているのは、否めない
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 20:41:44.61 ID:OOxHyhokO
きてたか
145 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 20:53:49.34 ID:Cy+59sWNo

天乃『………』

考えを、電子パッドに並べていく

書いて、書いて、

独り言のように書き並べて、消して……ため息をつく

天乃『どうしたらいい?』

見ている者はどこにもいない

呟きを消して、また書く

天乃『二人がいなくなる』

誰かに言うのか

自分に言うのか

文字を浮かべる電子パッドを、強く握る

以前の力ならミシミシと音を立ててしまうほどに強く握っているつもりなのに、

手が痛むばかりで、音は鳴らない

自分の無力さを、痛感させられてしまう
146 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 21:16:48.37 ID:Cy+59sWNo

天乃「っ」

樹を諦めるか、二人を失うか

いまの天乃にあたえられた選択肢はその二つ

今日の夜、天乃の答え次第では

樹と夏凜は病院から出て行ってしまう

あれは脅しだが、嘘ではない

本気で出て行こうとしている

その場合、樹だけでなく夏凜までもが祟りを背負った状態で戦うことになる

天乃「………」

それはダメだ

でも、樹を見捨てると言うのも……

軽く、喉を擦る

声が出せたら、もっとうまく説得できたのだろうか

もう少し余裕があれば、いい考えが浮かんだのだろうか

球子の言った普段の天乃なら。と言う言葉が少し、心に残る



1、精霊組
2、みんなのところへ
3、それでも私は、みんなを救いたい
4、どうして、こうなっちゃったのかしら
5、イベント判定


↓2
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 21:23:57.97 ID:OOxHyhokO
5
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 21:25:12.39 ID:xL+4bfOG0
4
149 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 21:52:04.23 ID:Cy+59sWNo

どうしてこうなってしまったのか。

どちらが傷つくことしか解決しない問題

そんなものを抱えてしまったのか

祟りを背負うことになったのは、奉火祭を止めたからだが

それを止めるよう求めたのは天乃で、

巫女が奉火祭の犠牲になる理由の一つに、天乃がいる

考えれば考えるほど、自分の責任が重くなっていきそうな感じがする

自分の我儘が絡んでいそうな気がする

もしもし、奉火祭の時

自分のことは良いからとこの身を差し出していれば

こんなことにはならなかったのだろうか

みんなで生きていきたいなんて我儘を口にしなければ

天乃『……私』

どれもこれも、天乃が関わっている

それはそうだろう

天乃は常に、重要なことに関わらされてしまっているのだから

だが、それを解決しきれていないのは……

天乃『無力だから』
150 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 22:07:43.70 ID:Cy+59sWNo

みんなは違うと言うだろう

そんなことはないと、否定するだろう

今抱えている悩みは考えられていなかったことで、

普通なら解決することなんて出来なかったことで

まだ子供である天乃には、手の余るようなことだった

そもそも、それを抱えさせられていること自体が……問題だ

天乃「……」

確かに考えが足りなかった部分もある

だが、こんなにも追い込まれる状況に陥ってしまった理由は、あまりにも理不尽だ

奉火祭だって、勇者たちの抵抗もあるが

大赦発案による、天の神への抵抗も大きく影響している

その責任を負わされかけたのが天乃や東郷で、数名の巫女

それを救った結果が、祟り

天乃『理不尽』

命を救うのだから、命を差し出せ

等価交換として考えれば確かに当然の結果だが……認めがたい
151 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 22:55:12.34 ID:Cy+59sWNo

もっと力があれば。そう悔やまれる

神をも討つことのできる力

それだけでは、足りなかった

天乃『死ぬ』

その物足りない、天乃にとっては無力とさえ思える力ですら

下手をすれば死ぬほどの反動がある

であれば、無力ではない力は……確実に死ぬ力だろう

天乃「………」

それはきっと、陽乃が持っていた力だ

久遠家が代々背負い続け、それでも早死にしていくことを止められなかったほどの呪い

その源を握っていた、久遠陽乃と言う少女の力

それは完璧だっただろう

確実に敵を討つことが出来ただろう

守りたいものを、守ることが――

九尾「出来なかったぞ」

天乃「!」

九尾「あやつはその力を持っていても、それは出来なかった」

どこからともなく姿を見せた九尾は、

天乃の考えを読んでいるように答えて、天乃を見る

九尾「だからこそ、あやつは力を二つに分けた」

それは、大きな一つでは無力であると分かったから

それでは何も守ることは出来ないと悟ったから

だから、一つの大きな力を二つの力にした

九尾「理由は、主様ならば分かることであろう?」
152 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/29(土) 23:19:02.14 ID:Cy+59sWNo

では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から


陽乃「止めてよ、私のことを引き合いに出さないで」

九尾「じゃが、事実じゃろう?」

陽乃「そんなわけないでしょ。私はただ、子供に渡しきれないから捨てただけ」

九尾「……子孫の再会。それを夢見たはずじゃが?」

陽乃「うるさいわよ。バカ」
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