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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
- 302 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/15(月) 22:07:50.60 ID:qJFWwNjfo
-
夏凜「そんな状態で……」
天乃「っ」
夏凜「……分かってる」
裾を掴まれ、夏凜は困った表情を見せる
こんな状態で力を分けるのは無茶だ
しかし、樹を犠牲にするような形で選んだ夏凜への集中
だからこそ、やらないと言う選択肢などあるはずもない
夏凜「あんたの頑張りを無碍にはしないわ」
天乃『死にはしないから』
夏凜「でも、早死にしそうよね。あんたは」
神樹様の種を使い、力の調整を行ったことで
穢れの力による死を免れることは出来た
しかし、怪我の治りが遅かったり
やや病弱な体質となってしまっていて、
ただの風邪でも死に至る病と同等とさえなっているかもしれない
天乃『だったら、幸せにして』
夏凜「…………」
天乃『死ぬまで、毎日』
夏凜「なにその呪いみたいな願い」
それでも聞くのが私達だけど。と
夏凜は冗談めかした笑みを浮かべて、唇を重ねる
夏凜「貰うわよ。あんたの力」
天乃『YES』
性的行為の有無に答える枕のような文言を抱いて、
天乃は、夏凜の体を受け入れていく
- 303 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/15(月) 22:10:21.67 ID:qJFWwNjfo
-
影響判定
0〜9
0最低9最大
↓1 天乃 ↓2夏凜
※天乃+2
※夏凜-3
- 304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:13:21.77 ID:WG3kTFOi0
- あ
- 305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:13:46.66 ID:Q669KVytO
- あ
- 306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:15:52.12 ID:Q669KVytO
- 久遠さん運に見放され過ぎだろ…
- 307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:19:20.12 ID:1HDcx9sBO
- 止められるまでもなく樹の無理だったなこりゃ
- 308 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/15(月) 22:20:03.03 ID:qJFWwNjfo
- ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
ぞろ目は考えてませんでした
七夕と久遠さんの誕生日、出会えなくなるのも一つの物語
東郷「久遠先輩の中に種……?」
水都「神樹様の力の分が残っているみたいで……」
東郷「神樹様まで久遠先輩の子供になる願望があるなんて!」
東郷「なんて俗物的な……許せないわ」
風「はい、お部屋に帰りましょうね」
- 309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:28:35.45 ID:Q669KVytO
- 乙
予想以上に久遠さんの弱体化が止まらない…
今までどんな逆境でも乗り越える力があったけど今回はその力すら残されてないのが辛いなぁ
- 310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:34:11.55 ID:1HDcx9sBO
- 乙
弱った身体で神樹様に手篭めにされる久遠さん……
けしからんな!
- 311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 08:12:01.81 ID:8zblLxbrO
- 世界を救いたければ久遠さんの命を捧げろと言わんばかりのコンマだよな…
- 312 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/17(水) 21:13:27.18 ID:lT6m+U2po
-
では少しだけ
- 313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 21:14:05.56 ID:CS59lh6dO
- よしきた
- 314 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/17(水) 21:46:07.46 ID:lT6m+U2po
-
√ 2月9日目 昼 (病院) ※木曜日
風「天乃は?」
沙織「かなり厳しいね……東郷さんの時点で予想は出来てたけど」
友奈「やっぱり、やらないべきだったのかな?」
東郷「ううん、やらなければ夏凜ちゃんが戦力として欠けることになっていたわ」
樹が祟りの影響を残したままと言うのも厳しい部分があるのに
夏凜まで祟りの影響を残していたら勝ち目が薄くなると言うのは全員の意見だ
だからこそ、無理やりな方法ででも夏凜か樹かを選んでもらったのだから
樹「夏凜さんはすぐに復帰できるんですよね?」
沙織「出来ると思うよ。適応力もあるし、そこまで重くなかったから」
問題はやはり、天乃の方だ
力を渡した直後の反動は東郷の時のそれを軽く上回っていた
喉のこともそうだが、
完治する前にやってしまったのが原因だろう。と、
精霊間では答えが出ている
だからといって、夏凜を諦める以外の道はなかったし
その道は絶たれていたのだから仕方がないと言うほかない
一縷の望みに賭けたが、駄目だった
- 315 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/17(水) 22:11:48.74 ID:lT6m+U2po
-
沙織「久遠さんは……どうだろう。間に合うかもわからない」
友奈「目を覚ますことは出来るんですよね?」
沙織「久遠さんの意思次第……なら、確実にそうなんだけど」
でもね。と零した沙織は
それきり何も言わずに飲み込んでしまう
穢れの力が激減しているのは、力を分けたのだから当然だろう
しかし、そこから緩やかに回復していく感じがしない
本来なら子供に継承され消滅していてもおかしくないという話だったし
出涸らしのような状態である天乃の力が回復しないのは当然と言えば当然かもしれない
東郷「力を消費しすぎたんですね」
沙織「うん、そうだね」
樹「使い過ぎて回復が追い付いてないのかな」
風「だったらいいんだけど……」
東郷「十中八九それはないわ」
残念だけど。
そういった東郷は、逡巡して眉を顰める
東郷「もしそうなら、もう少し喉の回復が出来ていてもおかしくなかった」
風「夢も希望もないわね、東郷」
東郷「流石に、希望に縋るには時間が足りないかと」
- 316 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/17(水) 22:43:10.62 ID:lT6m+U2po
-
本当はあまり言いたくないのだろう
顔を顰めながら友奈へと目を向ける
普段は単純に紡ぐ友奈でさえ、考えがまとまっていない様子で
何かを言おうとはしていても、何も言えそうにない
風「神樹様の種は? 天乃を生かすために使った力なら何とかならないわけ?」
沙織「機能してない」
沈黙したままだ
ただそこに抜け殻があるだけで中身は空っぽなのかもしれない
気にするほどのものではなく、穢れの力にも無視されるような器
いずれ壊れて消えるかもしれないと、沙織は思う
沙織「久遠さんは本当にギリギリなんだ」
どれだけ苦しめばいいのか
これを神の裁きと言うのは簡単だし
産まれ持っての宿命と言うのも簡単だ
だから……どうだと。
樹「出来ることは、ありますか?」
沙織「………」
樹「久遠先輩が重態なのは分かりました、それなら、私達に出来ることはありますか?」
友奈「樹ちゃん……?」
樹「久遠先輩を傷つける覚悟、私はしたんです」
だから。と、樹は自分の胸に手を当てる
不思議と落ち着いている心は、痛い
樹「このくらいで、絶望なんてしていられません」
- 317 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/17(水) 22:45:19.10 ID:lT6m+U2po
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 22:48:09.76 ID:x4pfbSeCO
- 乙
いいところで切れたな
- 319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 22:53:53.77 ID:CS59lh6dO
- 乙
最近の樹ちゃんのカッコよさよ
納得の時期部長感が出てきてるな
- 320 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 20:50:28.41 ID:qEl6NNo0o
-
では少しだけ
- 321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 20:51:39.37 ID:NmlVMvohO
- やったぜ
- 322 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 21:54:16.57 ID:qEl6NNo0o
-
風「樹、いくら覚悟を決めてたって」
希望を持つのも難しいほど追い込まれた天乃を見て
心配にならないはずがない
本当に大丈夫なのかと不安にならないわけがない
なのに、樹は前を向く
友奈「樹ちゃんは、久遠先輩のこと信じてるんだよね」
東郷「久遠先輩なら大丈夫。そう思いたい気持ちはあるけど」
状況が状況なだけに希望は持てない
容易く裏切られるのが、今の天乃だ
東郷は、心に秘めた不安を吐かないようにと息を飲んで
樹を見る
険しい表情
信じているのはそうだが、
傷つけようとした責任もあるからだろう
友奈「信じよう」
風「友奈……」
友奈「信じましょう、久遠先輩を」
- 323 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 22:24:17.30 ID:qEl6NNo0o
-
意思でどうにかなるようなものではないのは分かっている
しかしそれでも、みんなで生きていきたいと願ったのだ
これで終わってしまうはずがないと、
天乃ならば大丈夫なはずだと
かつて追いかけたはるか遠い背中を想う
友奈「今、久遠先輩は戦ってる。信じて待つのが私達に出来ることなんじゃないかな」
東郷「少しは久遠先輩の気持ちが分かるかもしれないね」
風「分かるっていうか、思い出すっていう方が正しいんじゃない?」
天乃が戦っていた頃
絶対的な力を持っていたけれど、その分の負荷を抱えていて
戦いのたびに壊れていく、崩れていく
だからと戦いから退いてもらって……
風「今にして思えば、ちょっと血を吐いたくらいでって感じになるわよね」
東郷「血を吐くのも普通ではありませんが」
友奈「久遠先輩の中では、軽かったかもしれない」
今はもう、血を吐くなんて言うレベルには収まっていない
本当に酷いときは凄惨で、ある意味地獄のような光景が瞬く間に広がる
それこそ、病室が使用不可になるほどに
- 324 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 23:07:13.28 ID:qEl6NNo0o
-
沙織「そうだね。出来ることと言えば、信じて療養」
あと数日
天乃に時間がないと言うことは、
みんなにも時間は残されていないのだ
その間、天乃を不安に思って精神的に疲弊してしまっては
天乃がこうなるほどに頑張った意味がなくなってしまう
樹「戦いに備えるのが、今の私達に出来ること。ですか」
沙織「だからと言って、鍛錬に出たりしないように」
樹「しません」
準備運動くらいしか。
隠すように付け足されたその言葉は、
残念ながら風の耳に届いていて、樹の手がぎゅっと握りしめられた
風「無理は厳禁って言われたでしょ」
東郷「樹ちゃんは特に、祟りの影響が出ちゃうから部屋から出たらダメなのよ?」
樹「分かってます」
畳みかけられるように言われて、困ったように笑う
そんな樹を沙織はじっと見ると薄く微笑む
傷つける覚悟をしたのは生半可な気持ちではないと言うのが、良く分かる
樹はあえて、厳しい言い方をしようとした
友奈が好意的な話をつなげてくれたけれど
そうでなければ、もう少し厳しい言い方になっていたかもしれないと沙織は思う
- 325 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 23:34:12.05 ID:qEl6NNo0o
-
沙織「三好さんは明日……早ければ夜には戻ってくる」
風「園子はさすがにまだ無理よねぇ」
友奈「夏凜ちゃん、園ちゃん、久遠先輩かな?」
希望的にはその順番で戻ってくる予定だが、
夏凜は確定としても
園子は少し厳しいし、天乃はかなり難しい
沙織「順調ならそうなると思うよ。久遠さんに関しては、当日まで無理かもしれない」
目を覚ますことはあるだろうし
話すのは無理にしても、つい最近のように電子パッドでの会話くらいなら出来るだろう
ただ、病室を移動なんてことは無理だ
東郷「でも、こんな状態で本当に神婚の儀を?」
風「代役を立てる可能性は?」
沙織「神託がある以上代役は立てられないよ」
樹「久遠先輩を無理やりにでも連れ出すのかな?」
友奈「嫌な言い方だけど、穢れが薄れてる久遠先輩なら一番状態が良いのかもしれない」
天乃自体の体調は悪いが
穢れの面で考えれば調子は悪くないと言える……かもしれない
沙織「結城さんのそれ、間違ってはないかもしれないね」
だからと言って、神樹様に食べさせるものではないけれど。
樹「とにかく、もう時間がないんです。備えましょう」
樹の言葉に、頷く
それが現実で、問題
それしかないと思いながらも、渦巻く不安を完全に振り払うことは出来なかった
- 326 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 23:35:12.66 ID:qEl6NNo0o
-
√ 2月9日目 夕 (病院) ※木曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40 若葉
41〜50 園子
51〜60
61〜70
71〜80 夏凜
81〜90
91〜00 千景
↓1
※ぞろ目なら天乃
- 327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:36:19.49 ID:NmlVMvohO
- あ
- 328 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/19(金) 23:56:40.81 ID:qEl6NNo0o
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早い時間から
- 329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:58:31.46 ID:NmlVMvohO
- 乙
ようやく園子のターンきたか
久遠さんも早く良くなってほしいなぁ
- 330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 02:01:05.05 ID:qTTn5ENbO
- 乙
っていうか久遠さん今どんな状態なんだよ……
- 331 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/20(土) 21:25:21.69 ID:oDuvCM2Lo
-
遅くなりましたが
少しだけ
- 332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 21:26:31.18 ID:f5ffIGw+O
- かもーん
- 333 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/20(土) 21:56:03.15 ID:oDuvCM2Lo
-
√ 2月9日目 夕 (病院) ※木曜日
園子「はふぅ」
大きく息を吐く
目が覚めたばかりの昨夜
深呼吸の体の膨らみでさえやや痛みを感じたが
半日以上の休息もあってか、今はもうない
とはいえ、自由に動けるようになるにはもう少し時間がかかるだろうと
天井を眺めていた園子はすぐ横のベッドに頭を動かす
昼頃までは、若葉がいた場所
けれど、今いるのは夏凜だ
天乃の力を受けてから、今日まで
眠ってしまっていた約五日間に起きたことは
若葉から聞いて知っているが、夏凜達を責めようとは思わない
天乃に対して酷いことを言ったとは思うが
本人たちにもその自覚はあるし、責を担う覚悟がある
何より、最も嫌うことを何にそそのかされたわけでもなく選んだのだ
その想いは責められるものではない
むしろ、良くできたとさえ思ってしまう
- 334 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/20(土) 22:25:09.96 ID:oDuvCM2Lo
-
園子「天さんは……」
園子、友奈、風、東郷
そうやって力を与えてきて、
だんだんと反動も重くなって……東郷の時に潰れた
だからと樹を諦めて夏凜に集中することにした。という話だが
二つあった反動を一つにしただけで
一つ一つの重さが変わるわけではない
東郷の時に受けた反動を癒すために休養を取ったはずだけれど
それでも、積み重ねは反動を大きくする
東郷の時以上にかかった負荷は相当なもののはずだ
園子「私で五日……だとしたら」
目を覚ますのはいつになるのか。
園子と違い、神樹様の力を大きく受けているわけではないため、
影響の度合いは比例しないが、
それでも、想像以上に被害は大きいことだろう
園子「にぼっしーは、まだ軽そうでよかった」
苦しく呻く様子はないし、寝相も安定している
この分なら明日にでも十分な回復が見込めるだろうと
一先ず、安堵する
- 335 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/20(土) 23:40:01.26 ID:oDuvCM2Lo
-
園子「ご先祖様、天さんはどうだったの?」
若葉「それを聞くか」
園子「見てきたんだよね?」
若葉「あぁ、見てはきたが……」
語りかける声に導かれるように姿を見せた若葉は、
園子の瞳から目を逸らす
気安く口にできるようなものではなかった
あの日、友人を目の前で食い殺される惨劇を見てきた若葉にとっても
天乃の姿は見ていられるものではなかったのだ
瞬く間に奪われたのではなく、
じっくりと時間をかけて蝕まれていくのに、ただ見ていることしかできない中、
内側から八つ裂きにされていくかのように血が流れていく
医師達が駆け付けるまでの数分間ずっとだ
ずっと、苦しんでいるのを見ていただけ
かける声は無意味、触れる手は真っ赤に濡れる
若葉「凄惨だった……その一言に尽きる」
園子「ご先祖様がそういうのなら、天さんは相当だったんだね」
若葉「ああ、はっきり言って無茶と言うには無理があった」
園子「でも、やる必要があった」
若葉「そうだな。みんな、分かっていたことだ」
- 336 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 00:07:58.50 ID:8BCDdlfDo
-
この後に控える戦いのためには必要な犠牲
……だとは、誰も思っていないだろう
それでも必要なことだった
みんなが生き残るためには
みんなが生きる未来を勝ち取るためには
この天乃の戦いは必要不可欠だった
若葉「友奈たちは、天乃の戦いだと言っていたよ」
園子「引退してからも戦うなんて、天さんはほんと……」
若葉「だからこそ、すべてが終わったら静かに暮らして貰いたいな」
もし世界が解放されたら、大騒ぎになることだろう
神樹様の寿命だって限界だ
加護が残るとも思えない
そんな状況で静かな暮らしを。と言うのはやや高望みかもしれないけれど
人里離れた場所で生きろとは言わない
けれど、喧騒に塗れていない穏やかな暮らしをして欲しいとは思う
不安にならず、何かに怯えるようなこともなく
ただ静かに、幸せでいて貰いたい
若葉「その代わり、私達は外の世界を見て来よう」
園子「偶には帰ってきてくれると、嬉しいな」
若葉「帰るさ。もちろん」
連絡だって出来る限りするつもりだ。と
若葉は優しい声で、続けた
- 337 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 00:08:31.34 ID:8BCDdlfDo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
- 338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 00:12:45.43 ID:9qc2PlRoO
- 乙
若葉の久遠さんへの想いも感じられていいな
- 339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 00:16:22.81 ID:uBX1GI+cO
- 乙
久遠さんが元気を取り戻すのは相当先になりそうだなぁ…
- 340 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 20:37:03.29 ID:8BCDdlfDo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 20:44:01.26 ID:6v/Vxj6yO
- 来てたか
- 342 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 21:29:17.59 ID:8BCDdlfDo
-
園子「天さん、神樹様のところから戻ってこられると思う?」
若葉「それはどういう意味だ?」
園子「今の天さんには付け入るスキが多いと思うんだよねぇ」
恋愛的な関係性の隙ではなく、
精神面や、力の状態的な意味での話だと補足する
園子「神樹様だけじゃなくて、天の神的にも、かなりねらい目の器だと思う」
若葉「器……か」
園子「何か聞いてる?」
若葉「最近はまだ聞いていないが、奇しくも久遠の家には縁ある言葉だな」
久遠陽乃と言う西暦の久遠家でも聞いた言葉だ
そして天乃もまた、変らぬ器だと九尾は考えていたし、口にもしていた
元々巫女の家系である久遠家は神々の器としても優良だったが、
穢れのある勇者としての力を含み、代々受け継がれてきたことで
和魂のみならず荒魂にも強く適応力を持ってしまったのだろう
それでも退け続ける理由であり、力となっていた強い破滅の穢れは薄れ
今や、専用の入れ物だと言われてもおかしくはないほどに適している
神樹様にとっても、天の神にとっても捨て置けない捧げものだ
- 343 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 21:53:22.58 ID:8BCDdlfDo
-
若葉「だが、神樹様は天乃を解放すると思うが?」
園子「天さんの中に入る可能性もあるよね」
若葉「そんなことしたら穢れに囲まれて消滅する……いや、そうか」
園子「そう。穢れの力が弱まってる今の天さんなら、力を逆転させて奪うことが出来る」
若葉「穢れの力を逆に払いのけて、完全な神格化を図ると?」
園子「体の中には神樹様の種がまだ残ってるって話だったよね?」
だとしたらそれを媒介にし、
人体そのものを神樹様の代替として新たな神々の宿木とする可能性はある
園子「天さんの体から穢れを消し去れちゃうかも」
若葉「しかし……それは」
園子「うん。今いる天さんの力を受けているご先祖さまたちの存在が維持できなくなる」
若葉「……対策はないのか?」
園子「天さんの回復力次第かな」
衰弱しきった体をさらに酷使するような話だけれど
穢れの力をどれだけ回復させられるのか
そして、そもそもの体力を取り戻せるのか
園子「今の弱弱しい天さんじゃ拒否する意味もなく入り込まれると思う」
若葉「だからスキが多いと」
園子「私はまだこんな状態だから、出来ればにぼっしーに何とかして貰いたいんだけど」
若葉「せめて明日。だな」
- 344 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 22:09:28.41 ID:8BCDdlfDo
-
力を与えられたばかりで、
完全になじんでいない夏凜がまだ眠っているのは仕方がないし
責めるようなことでもない
それは園子も分かっていることで
園子「そうだねぇ……そもそも、今は天さんも目を覚ましてないから」
若葉「それでも傍に誰かがいるのといないのとでは変わってくるだろうからな」
園子の言いたいことも今なら分かるよ。と
若葉は少し恥じらいを感じる笑みを浮かべて、想いを馳せた瞳が揺らぐ
園子「ご先祖様も女の子だ」
若葉「当たり前だろう男であってたまるか」
園子「でも男の子だったら、天さんに子供産んで貰えたかもしれないよ?」
若葉「男だったら、ここには居られないじゃないか」
事態は逼迫している
だからと言って全くの余裕もないのは問題だと思っているからだろう
冗談―だと思う―を言う園子は楽しそうに笑う
若葉「まったく、園子はそこはかとなくひなたに似ているな」
園子「ん〜?」
若葉「だからどうと言うことはないが……ふふっ、まぁなんだ。園子のような胆力は大事だ」
今の心持を忘れないようにな。と
若葉は愛おしそうに、園子に触れた
- 345 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 22:10:12.62 ID:8BCDdlfDo
-
√ 2月9日目 夜 (病院) ※木曜日
01〜10 夏凜
11〜20
21〜30 千景
31〜40
41〜50 九尾
51〜60 友奈
61〜70
71〜80 樹
81〜90
91〜00 夏凜
↓1
- 346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:14:36.26 ID:6v/Vxj6yO
- あ
- 347 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/21(日) 22:25:03.52 ID:8BCDdlfDo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
若葉「もしも平和な時代に生まれていたらそれも悪くはなかったと思う」
若葉「今のような戦いではなく、人生での苦難と向き合いながら」
若葉「普通に恋をして、普通に大人になって、普通に子供をもうけて、それで共に歩み続ける」
若葉「まぁ、なんだ……変わらないな」
若葉「普通ではなかったし決して幸せの多くない人生だったが、共に歩めたことは今でも幸せだったと思うよ。ひなた」
ひなた「私も、そう思います。若葉ちゃん」
若葉「!」
園子「?」
若葉「……ふふっ、そうか」
- 348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:36:45.02 ID:6v/Vxj6yO
- 乙
久遠さんが新たな神にとか…色んな意味で本人が一番嫌がりそうだなぁ
- 349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/07/21(日) 23:44:05.05 ID:9qc2PlRoO
- 乙
久遠さん目も覚めないのかなあ
- 350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 03:33:42.91 ID:0ybIjK4EO
- 乙
最悪昏睡状態のまま神婚になるのかな?
まあ対話自体テレパシーみたいな感じだろうけど
- 351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 07:16:49.65 ID:86oZlrQoO
- 乙
つまり久遠さんが無理矢理孕ませられるってことか
ほんと神様はけしからんな!
- 352 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/22(月) 22:03:32.80 ID:hE1Clk8lo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日、出来れば通常時間から
- 353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 22:08:56.49 ID:lahiLEYiO
- 乙ですー
久遠さんはどうなってしまうのだろうか…
- 354 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 20:32:51.36 ID:plNsQjxeo
-
では少しだけ
- 355 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 20:41:18.38 ID:plNsQjxeo
-
√ 2月9日目 夜 (病院) ※木曜日
千景「なんだか、いつも眠っている気がするわ」
そんなことはないはずなのにね。と
千景は微笑交じりに呟いて、いくつもの機械に酸素マスクといった
一目で非常に厳しい状態であると分かる天乃を見守る
天乃自身も夏凜への力の譲渡は決して軽くならないことは承知の上だっただろう
だが、それでも予想を上回ってしまっただろうことは想像に難くない
じわりじわりとなぶり殺しにされているかのような凄惨な姿を
出来ることもなくただ見ているしかなかった苛立ちは今も胸にある
千景「久遠さん、大丈夫だとは思うけれど……このまま息を引き取ったりしないで」
声をかけるが返答はない
時折苦しそうに歪む顔からは、返答代わりに口から血を噴き出すのではないかとさえ思えてしまう
それほど、天乃の体は限界に来ていた
それは肉体に留まらず精神的にも及んでいるだろうと千景は首を振る
夏凜達の一件があり、声を奪われ、直前での大きすぎる反動
直近でも厳しいと言わざるを得ないが、それ以前から苦しみ続けてきた天乃の心身の負荷は想像できるほどのものではない
かつて精霊の力を用いることで自身の闇の部分を大きくさせることに至った経験のある千景でさえ
ここまでではなかったはずだと考える
少なくとも、現状のような信頼のおける友人たちの関係が構築できていればあの事態は防げた
だが、天乃の状態はそんな信頼関係など焼け石に水のようなものでしかない
- 356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 21:11:51.10 ID:IAJsOewLO
- 来てたか
- 357 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 21:30:13.67 ID:plNsQjxeo
-
眠る主に何かできることはないかと千景は考えるが
目を覚ました時に最低限の明かりの中で独りぼっちになっていることがないようにと
寄り添うことくらいしかできないとすぐに至る
普段なら別段気にするようなことでもない些細な欠片だとしても
膨れ上がった風船に触れようものなら無視することは出来ない
徹夜をする必要はないが、精霊という体の状態が不眠を可能としているため、
しても損はないし、目を覚ました時にすぐに反応してあげられるのならそれが良いと千景は思うが
その反面、精霊とはいえ人間扱いする天乃が面倒をかけたと気に病むのではないかと思いもする
精霊だからと言えば頷いてはくれるとしても納得はしないだろうし、貸し一つにでもするのが天乃と言う少女だ
千景「貴女と陽乃さんはやっぱり違うわね」
久遠陽のと言う天乃の先祖のすべてを知っているわけではないが
知りえている一部の情報から考えても違う
根本的な部分の甘さ……と言えばいいのかは分からないが
言動こそきつい陽乃にも他者を思いやる気持ちがあるのはかつて共にいたひなた達からも聞こえてはいた
しかし、親類や友人らの多くに裏切られた過去を持つ陽乃は捨てきれない優しさを踏み躙るほどの憎悪を持ってもいた
仕方ないことだと思いつつ、それこそが天乃と陽乃の決定的な違いだと言えるのかもしれないと千景は感じる
天乃が人を恨んだり憎んだりすることはそう多くない
昨今に至っては、どれだけ裏切られようと天乃は自分自身の責任を考えるのではないかと言う危うささえ見えるほど
少しは他人の責任にしても罰は当たらないだろうにと考えるが
それが出来るような人間ではなかったからこそ、いい意味でも悪い意味でも
ここまで来ることが出来たのだと思えば仕方がないとも思う
- 358 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 21:44:08.35 ID:plNsQjxeo
-
千景「でもこれからは少しは人のせいにすることも考えたほうが良いわ」
こんな状況に陥る要因でもある穢れの減少を喜んでいいのかは疑問ではあるが
そのおかげで、人間らしく多少の負の感情を持ったとしても大した問題にはならないはずだ
天乃は責める気が全くないし
樹は樹でそのことを気に病んでいるので
責め立てろなどと言う気は毛頭ないが、喉を傷めたのだって元を辿ればやはり樹が悪い
あんなことを言い出さなければ、
あれほどまでに感情的になることも、無理に声を出そうとすることもなかったはず
もっとも、穢れの減少が回復力の低下につながっているのであれば
運悪く樹が起因となっただけでしかないのかもしれないが。
千景「……寝耳に説教なんて、私も乃木さんに近づいたわね」
呆れ混じりに呟いて、苦笑する
どこからか若葉の反論が聞こえた気はするが、病室は静かだ
千景「…………」
じっと天乃を見ていた千景は
死神であったころの記憶と知識も一応は引き継いでいるためか、
このまま目を覚まさなければ、九尾は何らかの手段を講じるかもしれない。と
心に沸く不安を感じながら顔を上げると、脱力とともに息を吐く
少なくとも、九尾が講じる最終手段がまともなはずがなかった
- 359 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 22:02:59.82 ID:plNsQjxeo
-
九尾は天乃を一番に考えている
それも驚くほど極端に
九尾は天乃の害になるような要素を徹底的に排除しようとするが
その行動が天乃の外になるかならないかは考慮の外だ
もちろん、その行動が余計に大きな害になるのなら避けるが
そうでなければ実行するのが九尾である
夏凜達が代わりに色々とやっているから今までは問題なかったけれど
神婚の儀に関しては夏凜達の干渉が難しい領域のものになる
それゆえに、九尾の手が加えられるのではないかと千景は危惧していた
天乃が死ぬようなことにはならないとして、
それ以外の人類が滅びる可能性もあるのが、恐ろしい
千景「誰か、神婚を代われれば……なんていうのは無駄ね」
神婚自体やらないのが最良ではあるが、
それをしない場合には世界が滅ぶと言われれば避ける手はないのが現実だった
千景「直前に目を覚ますなんて危険なことにはならないで欲しいけど」
どうなるのかは、分からない
- 360 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 22:04:08.04 ID:plNsQjxeo
-
01〜10 樹
11〜20 若葉
21〜30
31〜40
41〜50 友奈
51〜60
61〜70
71〜80 沙織
81〜90
91〜00 九尾
↓1
- 361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 22:05:14.19 ID:IAJsOewLO
- あ
- 362 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/24(水) 22:25:12.80 ID:plNsQjxeo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 22:31:25.63 ID:IAJsOewLO
- 乙
九尾は久遠さんのためなら他人の犠牲も辞さないからな…
でもここまで来たらもうどうにもならないのだろうか
- 364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 22:56:02.38 ID:HUsXZm0RO
- 乙
とにかくまず目覚めることだな
- 365 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 21:05:15.23 ID:UNnXmEPQo
-
では少しだけ
- 366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 21:06:23.88 ID:G3KWO18+O
- よしきた
- 367 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 21:19:59.56 ID:UNnXmEPQo
-
天乃の眠る病室で静かに寄り添い続ける千景に「少し良いか?」と声がかかる
振り返った千景の目に映る西暦時代の今は友人だと胸を張れる若葉は
少しばかり神妙な雰囲気を纏っていた
千景「久遠さんを一人にするつもり?」
若葉「そこはみんなが補ってくれるさ」
千景「……わかったわ」
みんながみんな天乃の力あってこその存在と言うこともあって、
プライバシーなどお構いなしに感じ取れる千景は
精霊としての感覚に触れてくる複数の存在を認める
つまるところ、千景を除いた歌野達が結託しての呼び出しというこ都にはいささか不安もある千景だったけれど
断る理由はすでにないと、承諾する
千景「見てるのは乃木さんじゃないなら……忠告はいらないわね」
若葉「それはどういう意味だ」
千景「寝込みを襲う可能性があると意味よ」
若葉「す、素直……だな」
困ったように言う若葉の横を抜け、
病室の扉に手をかけた千景は「行くんでしょう?」とせかすように出ていく
後を追うことになった若葉は後ろ髪を引かれる形で天乃を一瞥して歩を進めた
- 368 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 21:38:40.53 ID:UNnXmEPQo
-
千景「久遠さんには聞かせたくない話? それとも、あまり騒がしくしたくないだけ?」
今でこそ容態は安定している―と言える方なだけ―天乃が眠る病室では
囁き声でもあまり響かせたくはないと言う配慮の可能性もあると、千景はあえて後付けする
若葉があまり良くない顔をしていると言う時点で
良い話ではないことはもう確定しているようなものなのだが。
若葉「騒がしくすべきではないと思ったのも大きいな」
千景「残りは?」
若葉「心配しなくても、そう重い話をするつもりはないよ……今後の話だ」
千景「進路相談は学生で一番重い話だって噂を聞いたことがあるわ」
若葉「どことなく、天乃に似てきたな」
千景「そう?」
ああ言えばこう言うと言うとやや悪く聞こえてしまうけれど
論点をずらすような茶化し方が天乃のからかい方に似ていると感じたのだろう
しかしそれゆえに、
若葉は楽し気というよりは寂しげな笑い声を零す
天乃が元気ならばいざ知らず、そうではないことの多い最近ではあまり聞かなかったからだ
- 369 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 21:54:59.72 ID:UNnXmEPQo
-
若葉「千景、このままこっちに残るつもりはないか?」
千景「それは……」
若葉「あぁ、もちろん戦いを終えた後の話だ」
千景「生き残る前提なのね。乃木さん」
若葉「そうできなかったら、みんな仲良く死ぬだけだからな」
どのような死に方をするのかは分からないが、
天乃か勇者部か
どちらかが欠けても誰かの手によって世界が終わることだろう
であれば、敗北した後のことを考える必要は全くない
割り切りの良い若葉にやや不気味なものを見る表情を見せた千景だったが
理解は出来ると、目を逸らす
若葉「歌野達が同行するのは、あくまで目的があるからだ」
千景「私にも――」
若葉「ないとは言えないが、どちらかと言えば天乃達の傍に居る方が楽しいんじゃないか?」
千景「乃木さんもそうでしょう?」
若葉「否定は出来ないが目的がある。取り戻した世界をこの目で確かめたいんだ」
だが、千景は違うだろうと若葉は問うように言う
若葉「友人として、何があるか分からない世界に出ていく私達を気遣ってくれるのは嬉しいが千景は千景の姿態ようにして欲しい」
- 370 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 22:14:33.24 ID:UNnXmEPQo
-
ごく普通の友人関係からは少し踏み入ったものであることはそうなのだが
千景が天乃に抱いている好意と言うものは、別に恋愛をしたいと言ったものでは全くないし
心のよりどころとしてはこれ以上にないほど最良であることは明白だった
元々は記憶を失っていたせいで
粗雑さのない丁寧な少女だった名残が残ってしまっていることも無関係とはいえないけれど
天乃の傍に居る千景は非常に思いやりがあって優しい少女だ
西暦時代の千景も、今の千景も
結局は千景であることには変わりがないし
どちらに良し悪しを言う気は毛頭ない若葉だが
それでもやはり、ほかの精霊が出ていくからと自分もという流れは避けて欲しいと求める
若葉「天乃の傍に居る時、千景はとても満ちているように私には見えた」
千景「………」
若葉「状況が状況だ。戦いを終えてすぐに出ていくわけでもないから時間はあるからすぐに答えを出せとはいわない」
しかし、今こうして、与えられている猶予があるのならば
自分の今後を考えるのも悪くはないのではないかと若葉は思っていた
もっとも、
天乃が伏せっている今、寝る間も惜しんで寄り添おうとしている自分の心を見つめなおそうと言うのなら
戦いを終えた後の道を分かつのは目に見える事実なのだけども。
若葉「せっかくだ。好きに生きようじゃないか」
千景「精霊って、生きているって言えるの?」
若葉「少なくとも、私達の主は……いや、友人はそう考えているだろう?」
- 371 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/25(木) 22:20:46.44 ID:UNnXmEPQo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 22:31:43.49 ID:G3KWO18+O
- 乙
千景も生前は苦労人だったもんな…
西暦時代が不遇な分千景にも今の時代を幸せに生きてほしいなぁ
- 373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 23:48:25.77 ID:eqjcQLFKO
- 乙
久遠さんとの約束?っていうかご褒美?もあるし帰ってこないわけにはいかないよな若葉
- 374 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 21:48:47.49 ID:up6pn23Jo
-
遅くなりましたが少しだけ
- 375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 21:53:55.30 ID:FhM7t0z3O
- やったぜ
- 376 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 22:09:37.00 ID:up6pn23Jo
-
千景「友人ね……そう、友人ね」
馬鹿にしたつもりはなくとも笑みが零れる
それは嬉しいという感情から生まれるもので
堪えようと思えば堪えることも出来るのだろうけれど
する意味はなくて。
昔は抱くこともなかった言葉を噛みしめる
千景「乃木さんはもう少し、疎い人だと思っていたわ」
若葉「馬鹿にしてるな?」
千景「馬鹿にはしてないわ。からかっているだけ」
若葉「そういうところだぞ」
千景「友人があれだから」
その受け売りみたいなものよ。と、千景は笑う
薄れた時代には叶うことのなかった笑みを目にした若葉もまた
嬉しそうに笑みを浮かべて見せた
あの時代には見ることのなかった少女としての笑み
今なお戦いの中におかれている身ではあれど
それが見られると言うことは十分に心のゆとりがあると言うことだ
- 377 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 22:26:27.87 ID:up6pn23Jo
-
千景「そうね……貴女の言う通りかもしれない」
自販機の低い冷却音に包まれる休憩スペース
背もたれのない椅子に手を沈ませる千景はおもむろにそんなことを言って下を向く
だが鬱屈とした気持ちで俯いたわけではないと分かっている若葉は
長い髪に隠れる千景の表情を見えないながらに思う
千景「私は満ち足りてるわ」
西暦時代によりどころにしていた高嶋の方の友奈がいない寂しさはあるが
それを補うことが出来ないわけではない
それほどに、満たしてくれている
自分を友人だと言ってくれる人たちに囲まれている暮らしは
死ぬ前の自分がどうあがいても得られないと諦めてしまっていたものだからだ
それの代わりとして半ば依存する対象であった友奈に今の気持ちを話したらどうなるだろうか
それを考えて、千景は「あぁ」と漏らす
怒ることはないだろう
私もあってみたかったなぁ。とか、良かったね。とか
友奈はきっと嬉しそうに笑ってくれるだろうと思う
千景「手放すのは、惜しいわね」
若葉「そうか」
- 378 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 23:00:35.78 ID:up6pn23Jo
-
千景のそれは殆ど独り言ちたようなものだったが、
若葉はそれを答えとして受け取ったのか、反応する
千景もそれが誤解ではないためか反論する素振りもなく笑顔を見せた
いくばくかの申し訳なさが滲んでいるのはかつての友としての責を感じているからかもしれない
若葉「好きに生きようと言ったのは私だぞ」
千景「それでも、外の世界を任せることになるわ」
若葉「歌野達もいる」
それに。と付け加えた若葉は過去の無茶っぷりを思い出してか
気恥ずかしそうな苦笑をこぼす
若葉「今は無茶も無理をしようなんて考えは持たないさ。無理なら逃げ帰るし、助けも求めるよ」
何かがあっても深追いをすることはないことを誓うと言う若葉をまじまじと見つめると
おもむろに緊張の糸を解すため息をつき、千景は口を開く
千景「初めからそういう貴女だったら、私も苦労しなかったのに」
若葉「それは私も思うよ。だが、余裕がなかったんだ……分かるだろ?」
千景「今の私なら分かってあげられるわ」
若葉「どっちもどっちじゃないか」
最終決戦の近い夜
緊張感の薄れた二人の少女の楽し気な声が木霊する
過去の後悔
悔やむことは多いし、反省すべきことも数多くあるが
それに沈められていては今ここにいる意味はないと、二人は心を同じくしていた
- 379 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 23:01:43.33 ID:up6pn23Jo
-
√ 2月10日目 朝 (病院) ※金曜日
01〜10 天乃
11〜20
21〜30 園子
31〜40 九尾
41〜50
51〜60
61〜70 夏凜
71〜80
81〜90 風
91〜00
↓1
- 380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 23:05:07.10 ID:FhM7t0z3O
- あ
- 381 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/26(金) 23:28:24.77 ID:up6pn23Jo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
千景「もしかしたら」
若葉「ん?」
千景「高嶋さんじゃなくて、乃木さんに依存していた可能性もあるのよね」
若葉「止めてくれ、面倒なことになる」
千景「大丈夫、上里さんとは結託するくらいだから」
若葉「それが面倒だと言ったんだが!?」
- 382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 23:33:52.22 ID:FhM7t0z3O
- 乙
お互いに辛い過去を乗り越えてきた二人ならもう負ける気がしないな
そしてみんなの思いに応えて久遠さん復活来るか…?
- 383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 00:19:10.61 ID:ta6bgR06O
- 乙
久遠さん目覚めてよかった〜
- 384 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 19:26:22.58 ID:hCeoPaEco
-
遅くなりましたが少しだけ
- 385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 19:43:40.85 ID:ZkBtNNzGO
- きてたか
- 386 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 20:01:05.88 ID:hCeoPaEco
-
√ 2月10日目 朝 (病院) ※金曜日
天乃「ぶ……げほっ」
千景「久遠さん……?」
何の前触れもなく、咳き込んだかと思えば吐血する
酸素マスクが血に塗れてしまったせいか、何らかのエラーによってけたたましい警告音が鳴り響く
痛ましく痙攣する天乃の手を握った千景は、声をかけながらナースコールを押すと
出来る限りゆっくりと酸素マスクを外し、吐き出された鮮血が布団を汚していくのを横目に、
タオルで口元を拭い、血が鼻をふさぐことがないようにと確保する
天乃「ぅ……」
千景「しっかりして! 閉じないで!」
僅かに開いた瞼から見える焦点の合わない瞳
また眠りに付こうと言うかのような目の動きに千景は思わず声を上げてしまう
このまま眠ってしまったら二度と目を覚ますことがないような気させする
早く、早く。
看護師たちが来ることを心の中で急かし、手に力が込みすぎていることにすら気付かずに、
千景は天乃をじっと見続ける
顔を見せていれば、瞼が閉じることなく自分を見ようとしてくれるのではないかと、思って
- 387 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 20:08:10.60 ID:hCeoPaEco
-
暫くして駆け付けた看護師たちに半ば押し出されるような形で病室の外へと追いやられた千景は、
フラフラと後退りすると、背中を壁にぶつけてそのまま崩れるように座り込む
何かあると思ってはいたが、いきなりするとは思っていなかった吐血、痙攣する体
あまりにも異常な状況を目の当たりにして、さすがに耐えられなかったのだろう
若葉「千景、大丈夫か?」
千景「だい、丈夫よ……」
球子「真っ青じゃないか」
千景「このくらい、少し休めば平気よ」
ため息をついた千景は天を仰ぐように顔を上げ、
額に当てた手が視線までも覆っていることすら気にせずに、じっと目を凝らして……閉じる
酸素マスクを外した時に付着したのだろう
天乃の血に汚れた手が、頬を汚す
千景「まさか、あそこまでなんて」
若葉「流石に予想外だったな」
球子「天乃ならありえないことじゃなかったけど、突然だったからなぁ」
あまりにも唐突で、不意を突いた衝撃的な出来事
それに慌ててしまったことを申し訳なく思う千景に対し、球子たちは励ますような言葉を向ける
実際、自分たちがいたところで瞬時に冷静な行動は出来なかっただろう。と
病室の中から聞こえる慌ただしい声に耳を傾ける
- 388 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 20:24:24.68 ID:hCeoPaEco
-
看護師たちの必死に呼びかける声が絶え間なく、
医師の指示が力強く飛ぶ
ただ、電気ショックなどと言った心肺停止に用いられる言葉が聞こえてこない事から察するに、
最悪の状態には陥っていないのだろうかと若葉は感じる
しかし油断は出来ないだろう
若葉「友奈たちに伝えるか?」
球子「もう沙織が伝えてるみたいだ」
若葉「そうか……」
沙織が伝えているのなら、飛び出してくるようなことにはならないだろうと安堵し、
息を吐くように呟いた若葉は、座り込む千景へと目を戻す
大丈夫だと言ってはいるものの、間近で見てしまったあの光景は心に傷をつけてはいないだろうかと心配にはなる
千景はそんな若葉の心情を察してか、無理に笑うようなことはしなかったものの
大丈夫だから心配しないで。と口にする
千景「久遠さんなら、きっと大丈夫」
球子「なんだかんだ、次入れたときにはもうけろっとしてたりするかもな」
千景「だと良いけれど、それは難しいと思うわ」
あの光景を見てしまった身としては、万全な姿を見せて貰えるとまでは、楽観できない
それでも、ベッドの上で困った顔くらいは見せてくれるだろうと思う
口を利くことが出来なくてもいいから、起きていて欲しいと願う
- 389 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 21:12:15.11 ID:hCeoPaEco
-
入っても大丈夫ですよと言う声に誘われて
天乃の病室の中がまだ騒がしかった頃に合流した友奈と風を含んだ5人で入っていく
本当は沙織も来たがっていたが、
精霊間での連絡のやり取りを樹たちに伝えるために残る必要があり
向こうに残ったままなのだ
運び込まれたときは清潔だった様々な器具が真っ赤に汚れた状態で棚の上に置かれているのを見て、
千景は一瞬、不安になるがそれにカバーが欠けられるのとほぼ同時に、医師から声がかけられた
「命に別状はありませんので、安心してください」
ベッドに横になっている天乃はしっかり整えられた状態で、
体こそ起こしてはいなかったが、目は開いているのが見えた
友奈「久遠先輩……」
天乃「っ」
声こそないが、何とか笑みを浮かべようとしたのだろう
笑顔と言うよりも苦悶の表情に見える天乃は諦めて、医者の方に目を向けた
「ただし、しばらく動くことは難しいかと思います。安静にしていれば数日で戻るでしょう」
はっきりと答えた医師ではあったが、その発言には自信がないのだろう
千景の目には、顔を顰めているのが見えた
- 390 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 21:24:40.75 ID:hCeoPaEco
-
風「数日ってどのくらいですか?」
「私もはっきりとさせたいとは思いますが、そこまで詳しくは分かりません」
数日で戻るとは言ったものの、それはあくまで順調に回復した場合の話であり
何かがあれば数日の回復なんて出来なくなってしまうし、
もしかしたら、そのなにかしらによって数日も経たずに回復するかもしれない
霊的医療班に属する医師ではあるが、それでも天乃の容態については把握しきれないことが多かったのだ
千景「とにかく、安静にしていればいいのでしょう?」
若葉「そうは言うが……」
千景「何とかなるように願うしかないわ」
祈るのも願うのも似たようなもののような気はしたが、
祈ると言うのは何か違う気がして故意に避けた千景は、
天乃の複雑そうな表情を一瞥すると、医師に目を向ける
千景「手術とかはするの?」
「いえ、その点は心配いりません」
答えのようで答えではないが、答えだった
本来なら手術が必要になりそうな状態であるのも事実だが、
天乃の場合、手術に体が耐えきれない可能性もあるほか、超常的な力による回復力もあるため
下手に手術を行ってしまえば逆に取り返しのつかないことになってしまう可能性もあるからだ
とにかく安静にしておくことが必要です。と言った医師は、看護師に呼ばれて、部屋を出ていく
残された千景たちは、天乃を囲むようにして集まり、そっと手に触れる
- 391 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 21:39:31.89 ID:hCeoPaEco
-
千景「一先ず目を覚ましたことは良かったわ。あとはゆっくり休んで」
神婚の儀まで時間はそんなに残されていない
間に合うかどうかは非常に分の悪い状況ではあるが
だからと焦っても何も変わらないし
今更何かできることもなく、ただ、休んでいてもらうほかにない
球子「ゆっくりしてるんだぞ」
友奈「園ちゃん達も大丈夫ですから、心配しないでくださいね」
風「天乃は自分のことだけ考えときなさい」
少しでも安心できるように
心に負担をかけることがないように
夏凜達が無事に回復していることを伝えた風達は、
天乃が笑うことさえ難しいのを感じて、唇をかむ
ここまで弱ったのは初めてかもしれない
だが、天乃が頑張っているのだからこちらが折れるわけにはいかないと言う意地か
気丈な笑みを見せた風達は、「みんなにも話してくる」と病室を出ていく
そのあとを見送った若葉と千景は、傍に居るからと優しさを見せて
天乃の前髪をさっと払う
千景「寝てなさい」
若葉「そんな風に言わなくてもいいと思うが……そうだな。そばにいるから安心して休むと良い」
天乃は何かを言おうとしたような表情を作るが、声も出ないしうまく動かせない
それでも、ごめんね。と、言いたいのだろうと察した千景は「そういうの良いから」と、断った
- 392 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 21:49:04.20 ID:hCeoPaEco
-
1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
↓2
※精霊組の場合、若葉達精霊組の会話
※勇者組の場合、友奈達勇者組の会話
- 393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 22:01:28.93 ID:ZkBtNNzGO
- 2
- 394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 22:02:34.28 ID:AgH6Mktk0
- 2
- 395 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/28(日) 22:20:46.17 ID:hCeoPaEco
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
勇者組なので、勇者側
天乃の回復はもう少し
- 396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 22:30:42.10 ID:ZkBtNNzGO
- 乙
これだけ死にかけてるのにこのあとまたもや命を懸けなければならない久遠さん…
- 397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 02:04:38.91 ID:YVYSCW5RO
- 乙
神婚まであとどれくらい時間あったっけ?
- 398 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 21:00:49.45 ID:9rp4Nwd1o
-
では少しだけ
- 399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 21:01:52.49 ID:JmoXeR8+O
- あいあいさ
- 400 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 21:17:38.49 ID:9rp4Nwd1o
-
天乃が目を覚まし、良いとは言えない状態ではあるが峠は乗り越えたという話はすぐに勇者部のみんなへと伝わった
油断は出来ないが、一先ずは安心してもいいのではと東郷が胸を撫で下ろす
園子ももう少し安静にしておくべきと言う話ではあったが、目を覚ました
夏凜の回復は想定通りに順調
目を覚まさないとさえ思われた天乃も、一応は意識を取り戻している
最悪の状態からは脱したのではないかと考え、東郷は戻ってきたばかりの風へと声をかけた
東郷「久遠先輩は神婚の儀を行えそうな状態でしたか?」
風「いや、どう考えてもやらせないべきな状況に決まってるでしょ。まぁ、そうとも言ってられないからやって貰うことにはなっちゃうんだけど」
友奈「笑うのも難しいって感じだったから、本当にただ起きられただけなんだと思う」
東郷「出来るなら、私がやりたいくらいですが……」
残念ながらそれは出来ない
無理だと分かっていることを呟くむなしさを感じる東郷は、
悔しそうに歯噛みすると、少しだけ軋む音が病室に聞こえる
樹「明後日、でしたよね?」
友奈「うん。夏凜ちゃんと園ちゃんは間に合うと思うけど、久遠先輩はやっぱり難しいと思う。無理やり連れだされることになりそうだけどそこは沙織さん達が何とかしてくれる……かな?」
風「無理にでもするって話してたけどね、沙織は」
友奈「私達の誰かがついていけたらいいんですけど」
樹「普通なら立ち入れない場所……神樹様の世界、だったっけ?」
風「そっ。樹海ともまた違う本当に神の世界って話だし、どうやって介入したもんかねぇ」
- 401 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 21:40:03.80 ID:9rp4Nwd1o
-
樹「介入するの?」
風「その必要があるならだけどね。正直に聞きたいんだけど、戦力を割く余裕があると思う?」
天乃の前では大丈夫だなんだと口をそろえることもするみんなだが、
天乃がいない場では、自信たっぷりに平気であるとは言えなかった
最初に比べれば十分な力が身についているし、ある程度やりあうことも難しくはないだろう
しかし、樹はハンデを背負ったままで、次の戦いに出てくるのはバーテックスではなくその親玉であるとされている超常の存在
かつて苦戦したレオ・スタークラスターでさえ、その力と比べれば齢と考えるべきだとさえ、友奈達は思う
西暦時代の勇者である若葉達も対峙したことのない最恐の敵
これでもかと幾重にも準備をしたところで、微量な差にしかならないのではと言う不安がある
一日一日経過して刻限が迫ってくるたびに、胸が痛くなる。と、東郷は苦しそうに笑う
友奈「こんなことは言いたくないですけど、難しいと思います」
前向きでいられることが取り柄だった友奈も、
そればかりではいられないことを学び、逃げるように前を向くのではなく
それに躓くことがあったとしても進むことが大事なのだと、学んだ
だからこそ、難しいことは難しいと認め口を開く
友奈「でも風先輩、大事なのは諦めるか諦めないかなんです。私達が諦めない限り、勇者の心が挫けない限り、希望はある」
そっと、自分の胸に手を当て、風を、東郷を、樹を
今ここには居ない夏凜や園子、若葉達を見る
友奈「今までだって、無理だと思うことは沢山あったじゃないですか。でも、諦めなかったからこそここまでこれたんだと思います
色々違うこととか、難しいことはあるかもしれないですけど、でもそれだけは変わらないんじゃないかなって」
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