このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
- 402 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 21:57:23.94 ID:9rp4Nwd1o
-
東郷「そうね……友奈ちゃん」
諦めるつもりなんてなかった。ただ少し、弱音を吐いてしまいたかった
そんな笑みを浮かべた東郷は、友奈の言葉に同意すると息を吐く
渦巻いていた不安が完全に拭われることはないけれど
でも、その慎重さもまた必要なことなのだろうと東郷の瞳が光を携える
風「まぁ、あたし達ってこれまで打ちのめされること色々あったしね」
樹「そのほとんどを、久遠先輩が肩代わりしてくれてたけど」
東郷「だからこそ苦しんだような気もするわ」
友奈「久遠先輩が何が何でも頑張ろうとするのは、自分たちが頼りないからなんじゃないかとか……色々」
東郷「勇者部を解散しようかって悩んだこともあったような気がする」
樹「ほんと、気付いたら一年と言いますか、まだ一年っていうくらいにいろんなことがありすぎたような気がします」
風「おかげで留年しそう」
東郷「そこは風先輩の怠慢と言うことで」
風「祟りやらなんやらあったんだから仕方がないじゃないっ!」
あーもうっと声を上げた風は「神だか何だか知らないけど叩ききってやる」と、
唸り声に似た声で言い切って、枕を引き裂く勢いで掴む
風「天乃の代わりに専業主婦になるのもありっちゃありじゃない?」
東郷「全然できそうなので、風先輩次第なのでは? 久遠先輩に罪悪感を抱かせる覚悟があればの話ですが」
- 403 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 22:05:31.62 ID:9rp4Nwd1o
-
風「あーあたしも子供産みたい」
樹「夏凜さんがいないからって言いたいこと言い過ぎじゃないかな」
呆れて言う樹を見ていた友奈は夏凜ちゃんがここに居たら悪態付きそう。などと思い、
綺麗に整えられたままのベッドに目を向ける
天乃と夏凜と園子
三人も抜けた病室は十分に埋まっているはずなのに、広く感じてしまう
東郷「それで、どうしますか?」
風「どうするもこうするも、満開は惜しみなく使っていくしかないわ」
東郷「万が一に備えて、誰か一人満開を残しておくべきでは?」
天乃に何かがあった場合に対応するため
少なくとも一人は満開を使わずに残しておいた方がいいのでは? と言う東郷の提案
東郷自身と、園子に関してはシステム変更後に満開を使ってしまっているため、
もう、守ってくれる精霊の力はないし、満開を行うことも出来ない
そのうえで、もう一人の力も温存するのはいかがなものかと、風は悩む
1、園子も含めてから考える方がいい
2、温存する方向で考える
3、天乃を信じ、温存せず全力で挑む
↓2
- 404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 22:19:45.29 ID:/2BikXFEO
- 1
- 405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 22:20:56.07 ID:JmoXeR8+O
- 1
- 406 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/29(月) 22:28:18.41 ID:9rp4Nwd1o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
神婚の儀は12日目
夏凜は早ければ昼、園子は夕か夜に復帰
何もなければ11日目には二人とも復帰
- 407 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 22:32:26.97 ID:/2BikXFEO
- 乙
もうそんなに迫ってたのか
緊張してきた
- 408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 22:51:05.82 ID:JmoXeR8+O
- 乙
確か前に14日目まであるって聞いてたけど2日余るのか
神婚以外で何か別のイベントでもあるのかな?
- 409 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 04:14:16.00 ID:HByAhXdnO
- 乙
最終決戦だけじゃなくて久遠さんがフラフラのまま神婚迎えるって心配もあるんだよなこれ
- 410 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 20:22:21.82 ID:0995EObRo
-
では少しだけ
- 411 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 20:35:05.62 ID:0995EObRo
-
風「やっぱり園子も含めて考えましょ」
暫く考えた風は、そう答えた。
風達が考えて出した答えでも園子が反対するようなことはないだろうし
それが悪い方向に向かっているのでない限り、
それで行こうとついてきてくれることだろう
けれど、やはり園子も交えたほうがより良い答えを出せるのではと思う
それは風だけでなく、友奈たちも思うことのようで
同意だと言わんばかりに頷く
友奈「園ちゃんが戻ってくるときは夏凜ちゃんもいるし、その方がいいよね」
樹「時間は確かにありませんが、急ぎ過ぎても良くないと思います」
東郷「久遠先輩の状況を鑑みれば、急いだ方がいいような気もするけれど……」
風「東郷の言い分も間違ってないわよね。というか、無視できない部分が確かにある」
天乃の今の状況は、
いい方向に向かっているものの、それは結局悪い中でのいい方向と言うだけで
危機的状況を脱せたわけではないのだ
東郷が初めに危惧していたように、
最悪の場合、天乃はボロボロのまま神婚の儀を行わなければならない
もし、それが巫女を救いに行ったときのような状況で行われることであるならば
肉体はともかく、精神に多大な負荷がかかることだろう
そうなった場合、今の天乃が耐えられるのか。など、不安要素は大きい
- 412 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 20:42:36.66 ID:0995EObRo
-
風「でも、それにばかり囚われてたら本質を損なうことになりそうで……なんかね」
自分でも臆病な感じがしてもやもやするんだけどと漏らした風は、
苦笑いしながら頬を掻くと、ふと息を吐く
ほんの少しヘラついていた気分を吐き出したのか、
張りつめた表情で風は続ける
風「あたしたちの目的はみんなで生き残ることなのよ。神婚の成立はもちろん、誰かが死ぬなんてもってのほか」
友奈「……死んじゃうかもしれないん、ですよね」
言葉の重さを感じるように一拍挟んだ友奈の声に
樹と東郷は息を飲んで、目を細める
そうだ。死ぬ可能性がある
園子は自信たっぷりに傷つくことなど慣れていると言ってはいたが、
死ぬことになれているわけではないし、その恐怖は払しょくできるはずがない
精霊による加護をなくしている東郷達は敵の攻撃次第ではその時点で即死だし、
他のみんなだって攻撃を受け続けたり、満開を使えば死の危険がぐっと近づく
風「怖いもんは怖い。自分たちが死ぬことも、天乃を失うことも」
樹「だからこそ、出来る限り完璧な作戦を考えるべき……だよね? お姉ちゃん」
- 413 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 21:01:12.71 ID:0995EObRo
-
言葉を繋いだ樹の問いかけに、
風は驚くような様子もなくうなずいて、笑みを見せる
東郷「急いては事を仕損じる……ですか」
風「東郷が天乃のことを考えてくれてるって言うのは分かる。あえて、反対する立場でいてくれるのもすっごく助かってる」
それでいい、それが良い。
同意してもらえれば自分の考えに自信が持てるし、
話もスムーズにまとまってくれるので行動に移しやすい
しかし、欲しいのは自信でも事のスムーズさでもない
より堅実な手段だ
そういう時に、反対意見を述べて欠点を考えるようにしてくれるのはありがたいと風は思う
だけど、一人一人では限界がある
しかも、超常を相手にするのだ
万全に万全を喫したとしても不十分であると考えるべきだ
であれば、突拍子の無いことを言ったりふざけることがあっても
やるときはやってくれるであろう園子の意見も取り入れておきたいし、夏凜の冷静な一言も欲しい
東郷「別に、ふてくされてるわけでも不満があるわけでもないですよ。このくらいで、反旗を翻すつもりも毛頭ありません」
励まされているように感じたのだろう、
そんなことは不要だと遠回しに言う東郷は困ったように笑う
東郷「そのっち達の意見を求めるのは賛成です」
時間はないが時間はある。
その考えに頷いて、各々考えつつもう少し待つことにした
- 414 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 21:12:43.68 ID:0995EObRo
-
√ 2月10日目 昼 (病院) ※金曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60 園子
61〜70
71〜80 歌野
81〜90
91〜00 沙織
↓1
- 415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 21:20:05.39 ID:fix6/jHOO
- あ
- 416 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 21:33:49.02 ID:0995EObRo
-
1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
↓2
※精霊組の場合、若葉達精霊組の会話
※勇者組の場合、友奈達勇者組の会話
- 417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 21:36:50.89 ID:fix6/jHOO
- 3
- 418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 21:37:35.25 ID:BBsvJ1bv0
- 1
- 419 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 22:10:44.73 ID:0995EObRo
-
√ 2月10日目 昼 (病院) ※金曜日
若葉「天乃が目を覚ましたのは僥倖だったが、まだまだ気は抜けないな」
球子「あのまま死んでもおかしくなかったし目を覚ましただけましなんだろうな」
東郷達も心配していたが、若葉達もまた天乃のことが心配で
目を覚ます覚まさないに関わらず、神婚を行わなければならなかった可能性を危惧していた
もちろん、当人の意識がなければ成立しない可能性もあったが、
神樹様とのつながりは肉体ではなく精神体が担うのであれば
肉体的なダメージは無視されてしまうこともあり得た
精神での直接的な対話なら、口が利けるか利けないかも関係ない
若葉「千景は天乃が目を覚ましたのは偶然だと思うか?」
千景「どういう意味? 何らかの意思が働いたとでも言いたいの?」
球子「それはないだろ。出来るとしたら九尾だけど、タマ達がずっといたんだぞ?」
歌野「九尾さんなら気付かないうちにハンドを加えるなんてブレックファースト前、なんじゃない?」
千景「だとしても、思わせぶりな何かをするはずよ」
あの人なら。と
死神の記憶も併せて九尾のことを思い描いた千景は、
悪だくみする九尾の顔に少し顔をしかめた
千景「乃木さんは何か感じたの?」
若葉「いや……だが、あまり楽観したくはなくてな。馬鹿みたいだが、裏がありそうで少し怖くもあるんだよ」
心配性なだけかもしれないけどな。と、若葉は自分自身に呆れたように答える
- 420 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/30(火) 22:14:46.42 ID:0995EObRo
-
では、途中ですがここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から
- 421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 22:19:56.29 ID:fix6/jHOO
- 乙
この状況で九尾がおとなしくしてるのもそれはそれで不気味なものがあるな…
- 422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 23:20:43.54 ID:3EX9JQ33O
- 乙
緊張感が続くな
- 423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 02:38:59.36 ID:Cr/nymeyO
- 乙
神婚ってどんな感じになるんだろうな
原作だとそこまで掘り下げてなかったし
- 424 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/31(水) 20:53:14.96 ID:wJtxiZ/vo
-
では少しだけ
- 425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 20:55:15.95 ID:JMqjJwIjO
- よっしゃ
- 426 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/31(水) 21:23:07.43 ID:wJtxiZ/vo
-
千景「乃木さんの言いたいことも理解は出来るわね」
球子「千景も疑うのか?」
千景「疑うかどうか以前の話よ」
九尾ならば、何かしていてもおかしくはない
ある種の信頼めいたものがある千景は
では何をしたのかと考えて、首を振る
天乃が目を覚ましたのなら、目を覚ます何らかの手助けか
それとも、神樹様や天の神に対しての抵抗か。
九尾なら、どれでもやりそうだし
いっそ全部やってしまっていてもおかしくない
元からある不穏さに加えて、九尾自身の万能さが難しくさせる
千景「あの人のことだから、私達がどうしようもなくなるまでは手を出さないと言う可能性もあるわ」
歌野「それ見たことか。なんて言いそう」
若葉「神樹様の力を借り受けること自体、九尾は反対していたことだからな……だが、
それならむしろ、何も言わずに手を加えるなんてことはないだろう?」
千景「そう。九尾の場合、私達に見せつけるくらいのことはすると思うわ」
若葉「……だから、九尾は何もしてないと?」
千景「あくまでその可能性がある。と言う程度だけど」
- 427 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/31(水) 21:49:02.32 ID:wJtxiZ/vo
-
本当のところは九尾でなければ分からないことだが、
人間性というべきか、獣性というべきか
どちらもあり得るような存在だ
なら九尾に聞けばいいとは思うけれど
聞いたら聞いたら答えてくれるとは限らないし
それこそ、思わせぶりなことを言うだけ言って悩ませた挙句「それ見たことか」とでも笑うに違いない
球子「結論、言っていいか?」
呆れた表情ですっと手を上げた球子を千景たちが見つめる
答えを促す視線はどれも似ていて
どうせ分かってるんだろうにと漏れ出かけた言葉を飲む
球子「九尾に関しては考えるだけ無駄だろ」
歌野「う〜ん……コンセントね」
若葉「そっちにあるぞ」
歌野「それじゃない」
指さされた二つの穴に目を向けることなく否定し、頷く
精霊であっても理解できない九尾のことなんて、考えるだけ無駄
不安はあるにはあるが、そればかりに目を向けていてもどうにもできない
歌野「私達はフューチャーでハピネスを掴むためにすべきことを考えるべきだわ」
- 428 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/31(水) 22:16:44.41 ID:wJtxiZ/vo
-
水都「でもうたのん。全く考えないのもダメだと思うよ」
歌野「それはそうだけど」
球子「って言っても、九尾だってめちゃくちゃにしようとか考えてるわけじゃないだろ?」
若葉「九尾はそんなこと考えるような精霊じゃない」
純粋に、天乃のことだけを考えて行動する
ただそれだけのこと。
それで天乃以外に被害が出るのだとしても、
九尾にとっては天乃が無事ならそれでいいがゆえに、関係のないことだ
だからこそ厄介で、捨て置けないのだが。
千景「久遠さんのためという根本的な部分は揺るがない」
若葉「それ基準なら、少なくとも天乃の害になるような手は加えてない……か」
水都「後々体調に影響が出るようなことはまず避けるかと」
邪魔になるような存在を消すようなその場しのぎは行うだろうが
天乃に副作用があるような治し方をするはずがない
もちろん、天乃が望めば別かもしれないが……それこそ神樹様の種を使うことだったわけで。
若葉「不安はあるが、それを信じて先を考えるしかないか」
千景「犬吠埼さん達が考えていたことでも引き継ぐつもり?」
1、そうだな。天乃の傍には精霊がいたほうが良い
2、いや、九尾の話だ
3、それは風達に任せよう。私達は力の使い方だ
↓2
- 429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 22:19:52.78 ID:JMqjJwIjO
- 1
- 430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 22:25:53.62 ID:w7PdhLtY0
- 2
- 431 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/07/31(水) 22:30:31.51 ID:wJtxiZ/vo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
若葉「九尾のことなんだが……千景」
千景「なにかしら」
若葉「あれは、本当は千景の精霊だろう? 違うか?」
千景「違うわ」
若葉「なん……だと?」
球子「それの前振りだったのか!?」
歌野「若葉、疲れてるのよ貴女」
- 432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 22:38:59.64 ID:JMqjJwIjO
- 乙
邪魔者を捕食するようなマネしようものなら久遠さんのメンタルに深刻なダメージが入るだろうしな
九尾のことを信じるしかないか…
- 433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 04:00:07.39 ID:XmFksFOFO
- 乙
園子や夏凜も気になるな
- 434 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/01(木) 22:22:04.99 ID:nRb5UIVxo
- すみませんが
本日はお休みとさせていただきます
明日できれば通常時間から
- 435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 22:23:49.25 ID:fIVjscJqO
- 了解、乙ですー
- 436 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/02(金) 21:34:03.72 ID:Pb3NjLzTo
-
では少しだけ
- 437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 21:37:05.34 ID:q1/cBB4cO
- かもーん
- 438 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/02(金) 22:25:19.35 ID:Pb3NjLzTo
-
若葉「嫌、九尾の話だ」
球子「九尾のことは疑わないってことにしたんじゃないのか?」
それなのにと呟く球子が困惑を表すように首をかしげると
若葉は少し考える素振りを見せて、苦笑する
若葉「私は偶然か否かと言っただけで、九尾を持ち出したのは千景だぞ」
疑いがあるのかないかで言えば、首を振るのにも躊躇するところではあるが
天乃の件に関して九尾がどうだこうだというのは、
若葉が本来目的としていた九尾の話とはずれてしまっている
千景「なら、乃木さんはあの人に何があると?」
歌野「なんでもありそうだけど、そういうことじゃないんでしょ?」
若葉「そうだな……九尾を限定して言うようなことでもないのではないか。とは思うが」
それは若葉や千景たちのように、
西暦時代の勇者の姿を模していない精霊を対象としての言葉だと補足する
若葉自身、それがあり得るのかどうかは推測の域を出ない
記憶の中にある彼女はもうボロボロで、出来ることなど少なかったように思えるからだ
若葉「結論から言うと、九尾には陽乃の魂の欠片が入っているんじゃないかと思うんだ」
水都「陽乃さん……ですか?」
千景「話には聞いてるだろうけど、久遠さんのご先祖よ。そして、私達の同期」
- 439 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/02(金) 23:03:45.90 ID:Pb3NjLzTo
-
陽乃と接点のなかった水都に答えた千景は
若葉を横目に組んだ腕を解く
千景「そう思う根拠はあるの?」
若葉「無い……が、私達のような存在があって、陽乃本人がいない理由もない」
陽乃は身勝手さの目立つ人ではあったが、
それでいて優しさをしっかりと持っていた
全てを他人に押し付けて一人楽な道を逝くようなことは出来ない人だったと、若葉は記憶している
それゆえに、
若葉たちの魂を残しながら、陽乃自身の魂は解放しているなんて言うことは
聊か考えられなかった
もし、それがあり得るとするなら
他人は出来ても自分は出来ないか
陽乃の魂は別の何かに奪われてしまったかだ
前者ならば救いはあるが、後者であれば救いがない
それなら、バーテックスの後は陽乃の魂を解放する方法を探したいと若葉は思う
歌野「九尾じゃなくて、火明命って可能性もあるわよね?」
若葉「ああ、十分にある」
千景「確かに、彼女自身がいない理由はないけど……」
若葉「いる理由もないと?」
千景「いるなら真っ先に矢面に立つと思うわ。あの人、ヘイトを集めるのがまるで義務のようなことばっかりだったでしょう?」
- 440 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/02(金) 23:15:28.36 ID:Pb3NjLzTo
-
勇者部が崩壊するかもしれなかった満開の真実の時や
犬吠埼の両親の件など
頼んでもいないのに出てきて
自分の力があるからだなどと言い出してもなんら不思議ではないと
過去の記憶を頼りに考えた千景は顔を顰める
いるならいるで出てこない理由が気になるし、居ないならいないでなぜいないのか
若葉とは別の意味でそこに疑問を持って、若葉へと目を向けた
千景「直接聞いて答えて貰えると思う?」
若葉「天乃が聞けばな」
歌野「今は無理ってことになるわね。話だけしておいて、後は任せちゃう?」
水都「今の久遠さんの負担になるようなことは控えたほうが良いんじゃないかな」
千景「そこは乃木さんがそこを気にしている理由によるわね」
なにか外すことのできない理由があるのならば、
それを暴かなければならないし
そうではなく、好奇心だとか片手間の疑問であるなら
無理して暴くようなことでもない
みんなの目が自分へと向いたのを感じた若葉は、逡巡すると口を開く
若葉「陽乃なら、今の天乃をどうにかできるんじゃないかと思ってな」
そういった若葉は、「それに」と、続けて
若葉「可能なら見せてやりたいと思たんだ。今の世界はきっと、陽乃が望んでいたものに近いからな」
最期に見た陽乃の顔を思い浮かべながら、
きっと喜んでくれるだろうことを想い、笑みを見せた
- 441 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/02(金) 23:16:13.99 ID:Pb3NjLzTo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 23:44:42.93 ID:q1/cBB4cO
- 乙
大分前に陽乃さんの魂は砕け散ったって死神が言ってたな
陽乃さんを復活させる方法はあるのだろうか…
- 443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 00:12:30.92 ID:GR21hNQCO
- 乙
>>176をこの件とするなら千景は知ってるよね
- 444 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 20:40:21.90 ID:wQNtxn5Do
-
では少しだけ
- 445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 20:47:05.25 ID:Lt99jxq7O
- おk
- 446 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 21:26:28.40 ID:wQNtxn5Do
-
千景「乃木さんの気持ちは分かるけれど、陽乃さんを取り戻すのは難しいんじゃないかしら」
若葉「陽乃の魂について知ってるのか?」
千景「死神の頃の記憶が正確なら。だけど」
千景は自分の持っている死神の記憶から陽乃の魂の行方についてを引き出す
度重なるバーテックスとの闘いと、それに用いた力によって
陽乃の魂は死に際にはもうすでにないにも等しいほどに欠けていた
その傷が災いしてか、魂は砕け散って消えてしまったのだ
その一部は確かに九尾が握っている
だが、それで復活が果たせるかと言われれば答えは否だろう
千景「どこまで消えてしまったのかは分からないけれど、私達のように半分もの魂は存在してない」
以前ほり起こしていた過去の遺物……というかタイムカプセル
あそこに保存されていたものが健在ならば話も少しは変わったかもしれないが
陽乃の髪はその効力を瞬くに使い果たして消滅してしまっている
球子「なるほどなぁ……つまり、魂は魂でも半分くらいは必要ってことか」
歌野「で、九尾がその一部を持ってるって言うのは確かなの?」
- 447 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 22:14:35.52 ID:wQNtxn5Do
-
千景「持ってるわ」
勇者の力を使うにあたって、代償として差し出し分の魂
ゆえに同じ理由で千景も一部の預かりがある
だからこそ千景は九尾の力を扱える
しかし、陽乃の力の一部を与えられた少女の家系である夏凜にも魂は継承されているかと思えば、そうでもない
であれば、通常の魂が辿るように召されてしまったか
力による代償での寿命の短さのため、消滅してしまったか
それとも……
神樹様の力を感じる方角をじっと睨んだ千景は、
若葉へと向き直る
その可能性は言っても仕方がない
千景「ともかく、あの人の持っているものだけではどうにもならないわ」
若葉「そうか……それは残念だ」
千景「………」
九尾が持っている分、千景が持っている分
それを合わせた上で、天乃を依り代とすれば何とかなるかもしれないが
- 448 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 23:19:37.08 ID:wQNtxn5Do
-
天乃は陽乃にかなり近しい存在だ
姿もそうだが魂さえもそうであると、死神の記憶と力を併せ持つ千景は視ることが出来るし
魂を狩る死神の力のおかげか
似ている魂であれば、代用することも可能だとも分かってしまう
だが、それが可能であると分かったとしても
天乃が犠牲になるのなら、若葉はそれを行おうとはしないだろう
千景「あの人のことで話したいのはそれだけ?」
若葉「もう一つあったが、それはもう話し終えたからな」
千景が言い出したことだと言っていたが
それも話の一つだったらしい若葉は苦笑気味に鼻で笑う
球子「陽乃がいれば、天乃の力を何とかすることも出来るかもしれないんだけどなぁ」
水都「幸い、九尾さんは久遠さんのことにおいては味方ですしその点については九尾さんに助力頂きましょう」
歌野「それしかないわね」
頼まなくとも全力を尽くしてくれるとは思うが
陽乃が取り戻せない以上、最も知恵があるのは九尾だ
今後も天乃に関してh九尾に頼っていくということで
若葉達は方針を決めた
- 449 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 23:22:28.34 ID:wQNtxn5Do
-
√ 2月10日目 夕 (病院) ※金曜日
01〜10
11〜20 友奈
21〜30
31〜40 千景
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 天乃
81〜90
91〜00 夏凜
↓1
- 450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 23:23:12.54 ID:Lt99jxq7O
- あ
- 451 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/03(土) 23:44:15.99 ID:wQNtxn5Do
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
久遠さん視点に戻ります
- 452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 23:50:14.89 ID:eB7+2UVcO
- 乙
ちょっとは回復してるかなあ?
- 453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 23:51:36.90 ID:Lt99jxq7O
- 乙
やっと久遠さん視点が帰ってきたか…当日までに何とか回復出来るといいなぁ
あと神樹様が陽乃さんの魂のかけらを隠し持ってる疑惑が…?
- 454 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/04(日) 19:29:32.72 ID:/3S4EPj1o
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 19:47:01.28 ID:7kaRdJsMO
- 来てたか
- 456 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/04(日) 19:54:22.10 ID:/3S4EPj1o
-
√ 2月10日目 夕 (病院) ※金曜日
今朝、目を覚ましたばかりの天乃はまだおぼつかない体の感覚に不安を覚えながら
失せてしまった眠気を掘り出そうと意識の中を弄るが、
体を動かすほどの感覚は取り戻せないくせに、
覚醒した意識は痛みと不快感をはっきりと伝えてくるだけで
天乃を眠らせようとしてくれない
天乃「………」
精霊の誰かを呼ぼうにも
声は出ないし頼みの綱の電子パッドも触れることさえできない
意識した言葉をそのまま伝えることが出来ればと思いつつ
あったらあったで便利であり不便なんだろうなと空想する
九尾や夏凜、沙織なら視線で察してくれるかもしれないが
呼べないから、どうにもならない
明後日には神婚の儀もあるというのに
こんな状況でどうにかなるのだろうか
自分の姿を客観的に見ることのできない天乃は最悪の場合を想像して、目を瞑る
無意識のまま連れ出される可能性もあったし
そうならないだけマシなのかもしれないが
指一つ動かせず、呼吸の痛みを恐れてしまう状態では
一歩先か後ろかの違いしかないのではないかと、思う
- 457 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/04(日) 20:16:32.37 ID:/3S4EPj1o
-
神婚儀では、神樹様の世界へと赴くことになる
精神的な交わりとなるであろう神婚は、肉体の状況に左右されることなく対話が可能だろう
そこで神樹様が耳を貸すかどうかは確定ではないけれど
聞く耳を持ってもらえなければ世界が終わることになる
いや、そこは大丈夫だろうと天乃は思う
神樹様の叶えてくれたことは極端だったり、曲解だったり
望んだことではあるが、望んでいなかったことであるとはいえ
銀を失った天乃達の悲しみに応えてくれようとしたり、
代償のない状態へと戻しつつ満開の力を扱える力を貸し与えてくれたり
神樹様は良心的な神々だろう
親の心子知らず……と、
血を分けた家族ですら理解も察することも難しいことがあるのだから
神様が人間を、人間が神様を
完全に理解して応えてくれるとは限らないし、高望みはすべきではない
天乃「………」
もし、神樹様もまた、
人間に対してそのような考えを抱いていたらどうなるだろうか
大赦の嘘ではないという前提にはなるけれど
神婚の儀において天乃が神託で選ばれたということは、
神樹様の合意もなく天乃を差し出すわけではない……はずだが
望みもなく天乃を選んだとしたら、樹の願った神々をも救うということは無理かもしれない
逆に、低いハードルであれば予想以上に良い印象を与えられれば何とかなる可能性もある
……が、それは望みすぎというものだろう
- 458 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/04(日) 22:15:01.55 ID:/3S4EPj1o
-
樹の望みは叶えてあげたいし
出来るのならばそうしたいと思ってはいる
けれど、口にするほど簡単なものではないにも関わらず
考えを歪ませかねないような状況にいる
前向きに考えたいと思う一方で
後ろ向きになってしまいそうな苦痛を感じる天乃は
ため息さえつけない不快感がその背中を後押ししているようで、飲み込む
それでも喉が痛むのだから、どうにもならない
天乃「………」
でも、どうにもならな過ぎて
絶望するほどのものでもないと感じるのだから
中途半端に苦しめられるよりはましなのではないかとさえ、思えてくる
本当なら、神婚の儀までに目を覚ますことさえできなかったはず
でも、目を覚ますことが出来た
ここからどれだけの回復が望めるのかは分からないが
少しでも回復するよう、何もしない方がいいのだろうかと、考える
1、イベント判定
2、眠れるように少し頑張ってみる
↓2
- 459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 22:20:28.75 ID:7kaRdJsMO
- 2
- 460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 22:25:24.19 ID:gtmA3CGz0
- 2
- 461 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/04(日) 22:32:14.56 ID:/3S4EPj1o
-
では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
若葉「西暦時代は羊を数えていたらしい」
九尾「ふむ……それは違うぞ」
九尾「西暦時代、特に襲撃以降に行われていたのは」
九尾「羊ではなく星屑が空から降ってくる数を数える遊び」
九尾「よく眠れた。という話じゃぞ」
千景「それはただの失神よ」
- 462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 22:47:20.98 ID:7kaRdJsMO
- 乙
意識が戻ってもまだまだ会話すらできなさそうだな…
回復間に合うだろうか
- 463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 00:13:41.76 ID:46WlQCO4O
- 乙
寝たらまたしばらく起きない可能性
- 464 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 20:33:13.20 ID:rxbY/D64o
-
では少しだけ
- 465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 20:44:56.84 ID:PY435rtQO
- よしきた
- 466 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 20:53:17.32 ID:rxbY/D64o
-
なんとか眠ることは出来ないかと、目を瞑る
意識を取り戻したおかげか外してもらうことのできた酸素マスクだが、
視覚を閉ざして鋭くなった感覚には、まだ装着しているような違和感を覚えてしまう
けれど、それを不快に思わないのは、体が慣れているからだろう
天乃「………」
病室の匂い、自動で動かせるベッドの微妙な硬さ、
酸素マスクや注射、すぐそばのナースコール
普通なら慣れないようなもの、一生縁のないようなものまで馴染みを感じる天乃は
鼻で空気を取り込む
鼻での呼吸なら、痛みはそんなに感じない
口の中に溜まる唾液を飲み込むのは苦行だが、吐くよりは楽だ
天乃「……ん」
眠ろうという意識は、
まるでそれを阻むかのように余計なことを考えようとする
もしかしたら考えることで頭を疲れさせて休もうとしているのかもしれないが
しぶといのだろう、中々に疲れる様子も起きるような感じもなく
すぐそばの医療機器の脈拍に耳を傾けていく
- 467 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 21:35:04.35 ID:rxbY/D64o
-
一定のリズムを刻む馴染み深い電子音
本来なら一緒に下げられているべき機械は、天乃の横で見張るように佇んでいる
天乃がいつ意識を失って、危険な状態になるのか
もしかしたらならないかもしれないが、
万が一の為にと置かれたまま、繋がれたままなのだ
機械が警告するよりも千景たちに気付いてもらう方が早いような気はするが
それは、だとしても。というところだろう
天乃が自由に動けるのならばともかく、まったく動けないのだから。
天乃「………」
右足が動かせるようになったのは最近で
左足はまだ動かせないし、体の自由が利かないというのもまだまだ馴染みある感覚だ
それでも、眠れる気がしない
暗いのが怖いわけじゃない
でも、このまま飲み込まれてしまいそうな精神的不安がある
それはきっと、
何度も意識を失って呑まれた経験があるからだ
一人が怖いのも、寂しさに弱いのも
多分、そうだ
声を出せない、意思も示せない
その無力感が、嫌になってしまう
- 468 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 22:08:21.66 ID:rxbY/D64o
-
このまま目を瞑っていれば眠れるだろうか
怖いことも、嫌なことも、悲しいことも、忘れて
明日の朝になったら目を覚まして、まだ完全ではない声で誰かの名前を呼んで
くだらないことに付き合って貰うのだ
明後日には神婚の儀を行わなければならない
猶予がないのだからふざけていられないと言われるかもしれない
いや、みんななら付き合ってくれるだろうか
目を瞑る
強く、目を瞑る
起きたときに誰もいなくなってしまっていたらどうなるだろうか
そんな、不安を覚える
でも、誰にでもあるはずのそれを吐露する力が、今の天乃には欠けている
声も、手も、足も
これは祟りの力ではなく、天乃自身の力が及ぼした影響だ
だからこそ。
天乃「………」
目を瞑る
眠れるようにと願って
- 469 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 22:12:50.61 ID:rxbY/D64o
-
01〜10 九尾
11〜20
21〜30 千景
31〜40
41〜50
51〜60 夏凜
61〜70
71〜80
81〜90 若葉
91〜00
↓1
- 470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 22:15:44.23 ID:PY435rtQO
- あ
- 471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 22:17:07.67 ID:2NIg7rRUO
- あ
- 472 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/05(月) 22:40:53.64 ID:rxbY/D64o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 22:51:44.05 ID:PY435rtQO
- 乙
休んでるはずなのに心は疲弊していく…
孤独が最大の弱点である久遠さんにとっては生き地獄だな
- 474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 23:03:22.99 ID:gwALHOANO
- 乙
痛ましいな……
- 475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 15:04:28.15 ID:EPHqbQ7zO
- 乙
ここまで弱ってるとこの前の九尾のお酒でもダメなのかねぇ
- 476 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 21:05:42.33 ID:PE8RHVouo
-
では少しだけ
- 477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 21:08:06.32 ID:8WoIU3iyO
- あいよ
- 478 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 21:36:02.19 ID:PE8RHVouo
-
千景「……心配はいらないわ」
音もなく、姿を現した千景は
無理やりにでも眠ろうとしている天乃に柔らかく声をかけて、目元に手を当てる
僅かに湿る指先
もう少し早く出てくるべきだったかと、悔やまされる
寝ようとしていたからという理由はあるが、言い訳だ
千景「三好さんの代わりにはなれないだろうけれど、傍に居る」
天乃「っ……」
千景「だから、安心して眠りなさい」
焦点のあっていなさそうな目を向けてくる天乃の瞳に影を被せる
明るいも暗いも関係ないとは思うが
目を閉じた暗さと、誰かの空気を感じる暗さ
今の天乃には後者の方がいいだろう
天乃「ぁ……」
千景「無理しないで」
- 479 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 22:04:42.00 ID:PE8RHVouo
-
声が出ないのに、声を出そうとする
少しだけ開いた口から零れてくる死にそうな音
言葉よりも先に血を吐きそうな闇の見える口に手を当てた千景は、
自分の唇に左手の人差し指を当てて、「しーっ」と笑う
千景からしてみればあからさまというべきか、あざといというべきか
わざとらしすぎて恥ずかしくなってしまうが
その分かりやすさが天乃には良かったようで
無理にきこうとしていた口を天乃は閉じる
ほんの少し、かすかに動いた口元
笑おうとしたことだけは分かる一方で
それくらいしかわかることは出来ないと、
夏凜には及ばないことを自覚する
もちろん、恋愛感情があるわけではないし
別段、嫉妬しているというわけでもない
けれど、自分のできる限界が天乃の求めることに届かない可能性があるというのは
聊か、もどかしさを覚えてしまう
それっていいことだろうか? 悪いことだろうか?
- 480 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 22:48:45.55 ID:PE8RHVouo
-
少し考えた千景は、ただの向上心だと割り切る
無駄な悩み……か、どうかはともかく
深く悩むことではないと思ったからだ
千景「…………」
気付けば、起きているときの不安定な呼吸ではなく
眠っているときの整った呼吸が聞こえてくる
千景「……まぁ、良いけれど」
これで話をしていたらどれだけつまらない話をしてしまったのかと不安になるが
これだけ近くにいて、声をかけて
それでも眠って貰えたのなら、安心感を与えられたということだろう
千景「でも」
問題はまだまだ山積みだ
体だけでなく、精神的にも疲弊しきっている今の天乃が
神婚に耐えられるのか
いよいよ怪しくなってきてしまったと思いながら、
眠りを妨げそうな天乃の紙を指で払う
閉じた瞼、少しだけ開きそうな唇
やはり痛みか苦しさがあるのか、時折辛そうに顔を顰める
傍に居るだけではどうにもならない状況を前にして、
千景は少し不服そうに、眉を顰めていた
- 481 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 22:49:44.49 ID:PE8RHVouo
-
√ 2月10日目 夜 (病院) ※金曜日
01〜10
11〜20 千景
21〜30
31〜40 沙織
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 夏凜
81〜90
91〜00 友奈
↓1
- 482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/08/06(火) 22:50:58.80 ID:oUYd/jy8O
- あ
- 483 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/06(火) 23:06:49.43 ID:PE8RHVouo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
満を持しての夏凜
- 484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 23:21:00.53 ID:kKgHCVMhO
- 乙
夏凜きた!
これで勝つる!
- 485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 23:22:40.27 ID:Jb8Gs+9rO
- 乙
ついに久遠さんの最後の希望が…!
やっぱり夏凜ちゃんが隣にいないとな
- 486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/07(水) 03:56:37.02 ID:4KH/ralEO
- 乙
神婚前に夏凜と話せてよかったな
- 487 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/08(木) 22:07:32.56 ID:pdblGNFso
-
遅くなりましたが少しだけ
- 488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 22:13:27.85 ID:rqsjOueYO
- やったぜ
- 489 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/08(木) 22:32:08.44 ID:pdblGNFso
-
√ 2月10日目 夜 (病院) ※金曜日
すっかり暗くなった病院の外
廊下から見える暗い世界を見ていた夏凜は、
おもむろに身をひるがえすと、窓とは正反対にあった扉の取っ手に手をかけて、開く
引き戸特有のカラカラという音を出来る限り殺し、忍び込む
後ろめたいことをしているわけではないが
寝ているのなら、起こしてしまうのも申し訳ないと思ったからだ
それならそもそも明日にしたらいいとは夏凜自身も思うけれど
千景から、ぜひ来てあげて欲しいと頼まれれば断れるわけもない
夏凜「…………」
自分では力不足
そう言っていた千景の少し残念そうな顔が、暗い部屋のせいか見えるような気がする
忍んでいるせいか思っている以上に時間のかかった天乃の隣
気を利かせて姿の見えない精霊たちの気配を感じながら、
用意されていた来客用の椅子に座る
夏凜「……まぁ、寝てるわよね」
静かな寝息を立てる天乃を一瞥し、
話せないことよりも、ちゃんと眠っていることに安堵する
- 490 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/08(木) 23:00:39.84 ID:pdblGNFso
-
本来ならまだ目を覚ますはずのなかった天乃が目を覚ました
若葉達は、精霊という立場だからか天乃が目を覚ましたことについて不安を感じ
風達はそれよりも神婚の儀や、その場での戦いについてを心配していたらしい
若葉達の悩みも、風達の悩みも分からなくはないと夏凜は思う
九尾が何かやりそうというのは夏凜も思うし、
今の天乃の状態で神婚の儀は厳しいだろうし、戦いに関しても予断を許さないのは分かっていることだ
だけど。
だけど、だ
夏凜はそうっと、天乃の額にかかる前髪を払う
それはもう、ここまで来たらなるようにしかならない
そして、為せば成るし為さねば成らない
九尾に関しては為せることなどないし
若葉達が考えたように少なくとも天乃の害になるようなことはしないことは確実なのだし、
今回に関しては、大赦の人間がどうこうという問題でもないので、
人に危害を加えたなんて言うこともないはずだ
夏凜「重要なのは、あんたのこと。なのよね」
- 491 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/08(木) 23:17:41.08 ID:pdblGNFso
-
みんながないがしろにしてしまっているというわけではない
当然のように大事にしているし、常に考えているだろう
けれど、山積みになった問題のせいでもっとも単純かつ重要なことに目を向けられていないのか
それとも、精霊がいるから大丈夫だと考えていたのか
もしかしたら前者だろうかと、
天乃の目元に見える微かな痕を指先でなぞろうとした瞬間、
その気配に気づいたのか、閉じていた瞼が開いていく
天乃「…………」
寝起きというよりは、病気に近い不穏さで揺れる瞳
ほのかに光が失われているように見えるのは、ただ暗いだけだと思考が望む
何か言おうとしているのか、痙攣しているかのように震える唇が痛々しさを増す
唇を硬く結んだ夏凜はぐっと息を飲みこんで、
困ったように笑みを浮かべる
悲しさ混じるの笑顔だとは、気付かれないようにと願って。
夏凜「ごめん、起こしたかも」
天乃「………」
夏凜「私は平気よ。元々、そんなに症状は重くなかったから」
天乃「っ」
夏凜「気にしなくても、気に病んだりなんてしてないわよ。運が悪かった……とも、思うつもりはないけど」
天乃の表情や唇
普段の十分の一も示すことのできない天乃の微細な動きからではなく
普段の天乃ならこの時にどんな反応をするのか、何を言いたいのかを考えて、夏凜は答える
夏凜「積み重なった結果なわけだしね。天乃だってそう思ってるから、そんな心配してんでしょ?」
無駄だから心配なんて捨てときなさいよ。と、何気なく笑ってみせる
- 492 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/08(木) 23:32:51.08 ID:pdblGNFso
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 23:39:29.80 ID:hR/fqYN0O
- 乙
この一年近く前は車椅子で夏凜ちゃんを圧倒していたとは思えないほど衰弱してるよな久遠さん…
- 494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/09(金) 03:01:58.81 ID:ZhgHUnUVO
- 乙
少しでも励みになればいいけど
- 495 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/10(土) 21:03:45.20 ID:ylNPBPfRo
-
遅くなりましたが少しだけ
- 496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/10(土) 21:07:10.82 ID:1MPdWFt4O
- かもん
- 497 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/10(土) 21:44:33.19 ID:ylNPBPfRo
-
夏凜「……ま、それは無理な話よね」
天乃の心配性は今に始まったことではない
自分のことなど全く顧みてはくれず、他人のことを心配する
少しは自分のことを気遣うように。
そう散々言われてようやく自分のことを気にしてくれるようになっただけ
そんな天乃が体調に影響を及ぼす力を渡して気にしないわけがない
死地に向かうことが確定しているみんなのことを心配にならないわけがない
例え、自分がどれほど危険な状況になったとしてもだ
だから夏凜は強制しないし望みもしない
ただ言うだけに留める
今の天乃に対し、さらに追い立てるようなことはしたくない
天乃「………」
夏凜「………」
天乃「………」
じっと、見つめあう
一目ぼれしたとか、何か気になることがあったとか
そんな理由があったわけではなく
ただ、そこに目を向けていただけ
見つめられて恥ずかしいなんて思いはないが、夏凜はおもむろに笑う
- 498 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/10(土) 22:21:53.75 ID:ylNPBPfRo
-
夏凜「別に酸素マスクの跡がついてるわけじゃないわよ」
口の動きは相変わらずなものの
ほんの少し眉を顰めようとしたのを見て、先手を打つ
実際にそう言ったわけではないけれど、そう言いたそうだと、思って。
だから思う、約一年前の勇者部に合流する前の自分だったら
腑抜けているだの、甘いだの、馬鹿みたいだの
否定していたのではないだろうか。と
そもそも、なぜこんなことになったのだと
同僚的な立場……芽吹のように考える
夏凜「最初は、勇者部とかふざけてるのかとか、まぁ……今思えば理不尽に喧嘩吹っ掛けたのよね」
天乃「………」
夏凜「そうそう、天乃と友奈を勘違いしてやらかしたから、あんたにぼこぼこにされたんだっけ」
それで結構な自信を失った……わけではなく。
むしろ徹底的に対抗してやるとか考えて
予定よりも早く転校しようとしたりして……気づけば、勇者部にのめり込んでいて
夏凜「甘いくせに、適当なくせに、ヘラヘラしてるくせに、実力だけはある車椅子の女……だったのに」
天乃「………」
夏凜「入れ込んだのは勇者部じゃなくて、あんただった」
入れ込んだではなく、惚れ込んだ。かもしれない
その自覚があるからか、少しだけ気恥ずかしくなってくる
- 499 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/10(土) 23:13:35.67 ID:ylNPBPfRo
-
夏凜「圧倒的だった」
その背中の遠さも、大きさも。
だが、甘さはただの甘さではないと知った
笑顔は余裕があるからこそのものではないと知った
それでもなお、みんなの前に立とうとする無謀な勇者
夏凜「追うべきものとして、あんた以上はいないと思ってる」
見逃せない、見捨てられない
この目に見えなくなってしまえば、もう二度と映ることがなくなってしまいそうな気がして。
それは憧れか
それとも心配か
きっと、ただ憧れているだけなのだとしたら
今自分を見ているその顔が何を言いたいのか、分かることはなかっただろう
夏凜「してないわよ。私も、みんなも」
今の天乃を見て失望するような人はいない
すでに足が朽ち、それでもなお這いずる思いで己の前を譲らなかった天乃は
そのまま進んでいたら命までも代償として切り崩し、尽き果てていただろうから。
しかも、一線を退いてなお命を危険に晒しているのだ
天乃の歩みが停まろうと、自分たちがその背を追い越せたとは思っていない
夏凜「みんな信じてるのよ。あんたがいつかまた、あの頃のように戻ってくれるって」
天乃「…………」
その言葉に恥じらいはなく、自信がある
自分一人のものではない、みんなの総意だ
言葉を支えるものが、ちゃんとある
夏凜「そこにあるのは無謀じゃなく希望……だから私達は戦えるのよ」
- 500 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/10(土) 23:40:48.37 ID:ylNPBPfRo
-
途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
- 501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/10(土) 23:46:36.99 ID:+JinDSaqO
- 乙
夏凜の愛を感じる
451.87 KB Speed:0.3
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2026/05/10 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)