【安価】ガイアメモリ犯罪に立ち向かえ【仮面ライダーW】

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306 : ◆iOyZuzKYAc [saga]:2019/08/17(土) 20:57:18.97 ID:kdFZsgbw0



 どこを進んだのだろう。自分でも分からないまま、気が付くと彼は、町の北にある、山の頂上近くにいた。
 リンカの体をそっと下ろすと、ドライバーからメモリを外し、変身を解除する。不思議なことにワイルドメモリは、抜いた途端に光になって消え、メモコーンは独りでに元の形に戻って走り去った。野生の装甲が解けた瞬間、彼はその場に膝を突いた。

「徹…」

「…いや、大丈夫だ」

 徹は、弱々しく微笑んだ。それを心配そうに見つめるリンカも、傷だらけであった。
 見上げると、朝日が昇るところであった。

「…ああ、今日もいい天気だ」

 木漏れ日に目を細めながら、彼は息を吐いた。その隣に、リンカがそっと寄り添った。

「ガキの頃、夏休みにな。朝早くに家を抜け出して、こうして山に登って…カブトムシを捕まえたり、走り回ったり…こうして、空を見上げたり。雨が降っても、木に遮られて思ったほど濡れないし…」

「…」

「俺は…この町が好きなんだ。でかい風都の隣で、いろんな苦労をしながらも俺たちを育ててくれた、優しい母親のような、この町が」

「母親…ですか」

「ああ」

 徹は、真面目に頷いた。

「だから、勝手に母を名乗って、この町の人たちを傷付ける奴を、俺は許せない」

「そういうことですか。…」

 沈黙。やがてリンカは、彼に体を預けるように寄りかかった。

「私は…可能な限り、それを支援したいと思っています」

「何だよ、煮え切らないな」

 徹は苦笑した。

「…」

「…リンカ?」

 呼びかける徹。リンカは、しばらく黙って彼の肩に寄り添っていたが、不意に彼の首に両腕を回して抱き寄せた。

「おい…朝だぞ?」

「いつ次の襲撃があるか、分かりませんから」

 彼の胸に縋り、顔を見上げる。撫で付けた髪はすっかり乱れて、額や頬にかかる毛先が妙に艶かしく見えた。

「…本当に、するのか」

「私は、それを希望します」

「そうか。…分かった」

 徹は頷くと、彼女の首を抱き寄せた。
 木漏れ日の下で、2人は初めて、一つになった。



「な、何なんだね君は!?」

 工場の入り口に立って、真堂は叫んだ。彼の目の前には、白い詰め襟の服を着た、がたいの良い男がニヤニヤしながら立っていた。

「あ? てめえらの新しいご主人さまだよ」

「馬鹿なことを。お母様を差し置いて、この私が服従するものか!」アイソポッド!

 赤褐色のガイアメモリを取り出した真堂。白い服の男は、相変わらずニヤニヤしたまま、懐から濃緑色のメモリと、そしてロストドライバーを取り出した。

「良いぜ。ペットの躾は、飼い主の最初の仕事だ」

 ドライバーを装着し、メモリを掲げてみせる。

「…生物種としての、格の違いを見せてやる」
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