【あんこ】勇者「…………」

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74 : ◆BKp9.Rbx5s [saga sage]:2019/12/08(日) 23:19:51.64 ID:6AHGZ5rFO

……^^

申し訳ありませんが想定外なので明日か明後日続きで……

ありがとうございました
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 23:27:47.80 ID:9fW6s5qWo
おつおつ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 23:50:55.84 ID:gUKsgjnFO
おつおつ。いいとこでゾロ目ですかw
実は同類なんですねえ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/09(月) 01:44:39.92 ID:Rq0YLpsF0
ここでそれかw
アレが硬くなっちゃってますねえ...
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/09(月) 07:34:54.73 ID:xumWppNpO
勇者は足フェチだったか…硬くなってますねぇ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/09(月) 13:13:10.30 ID:i1sYCJlJ0
誰だロリの足にフェティシズム感じるような奴を勇者にした奴は

あれだけの山道で全然足が疲れてない→この僧侶ちゃん実は人間じゃなくてエルフや妖精?
的な展開一瞬考えたけどそういやR板やったねここ
80 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 22:50:13.52 ID:V95yYlg40

【ゾロ目→ ……硬くなってません? 】




努めて、そう努めて疚しい気持ちなど微塵も、欠片も、寸分たりとも、全く何にもちょっとも無かった。
これだけは信じてほしい。いや、誰に言っているのかは分からないが、取り敢えず信じてほしいのだ。

自分よりも随分と小柄な割に美しい素足に見惚れたことが無かったといえば嘘になる。
例えば、華麗なバックステップを決めた際に見せた脹脛だとか。
例えば、無頓着にも自分の怪我を見せてくれたときの太腿だとか。

けれど、断じて、断じて違うと信じてほしい。
よもやギリギリ婚約が許される様な年齢の女の子に対して巫山戯た感情を持つなんてことはーーーー



僧侶「あの……えーっと…………硬くなってません? 」



湯浴みをした後は筋肉が解れるものだ。
だから、湯浴みをしてもらった後に、薄手のローブだけを着て寝台に寝てもらったのだが……。
81 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:01:51.71 ID:V95yYlg40

勇者「え? えーっと……」

僧侶「私は今うつ伏せです」

勇者「う、うん」

僧侶「勇者様は私の足先に座って私の腿裏をマッサージしてくれています」

勇者「……はい」

僧侶「別にそんなことに対してつまらない感想なんて持ちません、私は」

勇者「…………ええ」

僧侶「戦場での裂傷で意図せずに肌を見られてしまうこともあるでしょう。
野宿続きで止むを得ず肌着や下着を見てしまうこともあるでしょう」

勇者「…………」

僧侶「ですから、私はこのローブ一枚で勇者様に身を委ねることに何の嫌悪感もありません。
それはひとえに、あなたを信頼しているからです」

勇者「……………………」



枕に突っ伏した彼女の独白めいた告発は続く。
彼女の身体に触れているのは誓って両の腕だけだし、
腿より上、特に女の子が嫌がりそうな部分は触っていない筈だが。



僧侶「…………これは、ただの純粋な質問なんです。私、背中に目は付いていませんから」

勇者「…………」



ここで、何かが、決定的に決まってしまうがするーーーー




【さらば純朴青年? 】




0.ま、冗談ですけれど
1.勇者様の手、凝っていますよね?
2.ま、冗談ですけれど
3.ま、冗談ですけれど
4.勇者様の手、凝っていますよね?
5.ま、冗談ですけれど
6.ま、冗談ですけれど
7.勇者様の手、凝っていますよね?
8.ま、冗談ですけれど
9.勇者様の手、凝っていますよね?
ゾロ目偶数.……踏み付けて、よろしいですね?
ゾロ目偶数.……あと一年は、待てませんか?
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 23:04:00.30 ID:e9NeGWEyo
セーフ!なのかな?
83 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:07:54.94 ID:V95yYlg40

【1→ 勇者様の手、凝っていますよね? 】




勇者「……え? 」

僧侶「触れられれば分かるものもありますから。考えてみれば主に武器を揮っているのは勇者様でした」

勇者「…………」

僧侶「本来であれば労り労わなければならないのは私の方です」

勇者「…………僧侶」

僧侶「ふふっ……いえ、今すぐ役目を代わって、なんて子供っぽいことは言いませんよ?
折角勇者様が癒してくれようというのですから」

勇者「…………」

僧侶「ただ、そうですね……明日からは一層、私ーーーー



頑張りますからっ!



勇者「…………あぁ」



天使かな? 天使に違い無い。間違い無い。僧侶は天使。

悪魔かな? 悪鬼に違い無い。間違い無い。勇者は変態。



勇者「…………次、仰向けになってよ、僧侶」

僧侶「はいっ。勇者様、マッサージまでお上手なんですね! 」
84 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:15:59.69 ID:V95yYlg40

その後三十分程でマッサージはつつがなく何の問題も生じさせず変なことが起きることも無く、終わった。

何か妙な勘繰りと後ろめたさを覚えた自分の怯懦と少しばかりの変態性を恥じるばかりである。
もうなんかどっと疲れたというか、素直に殴ってほしい。

考えてみれば湯浴みを終えてすぐの女の子にあそこまで信頼されて接することなんて今までには無かったことだ。
どう考えてもそちらに頭がいきそうなのに斜め方向の想像をしてしまった自分の嗜好……思考には目を瞑りたい。



勇者「じゃ……また、明日」

僧侶「はいっ。勇者様のお陰で随分楽になりましたから。明日からはもっとお役に立ちますね! 」

勇者「あぁ……ありがと。また、ね」



元気にも程があるんじゃないかな、とか。
天使にも限度ってのは無いのかな、とか。
明日には顔を合わせられないかな、とか。
天使って現世に降臨してたのかな、とか。
変態ってアイツだけじゃなかった、とか。



色々と思うことはあるけれどーーーー



勇者「……………………僧侶って職業は何で誰も彼もスタイルがいいんだろう」



自分の代わりに自室の枕を殴り過ぎて翌朝隠れて弁償したのは秘密である。
85 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:16:27.27 ID:V95yYlg40



………

………………
86 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:17:23.11 ID:V95yYlg40



僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「…………」

僧侶「……………………クスッ」
87 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:17:51.01 ID:V95yYlg40










………

……………
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 23:22:30.62 ID:e+urOVkho
小悪魔でござったか
89 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:29:43.73 ID:V95yYlg40

勇者「おはよ、僧侶」

僧侶「はいっ、おはようございます勇者様」



まぁ、何があったとしても生きていれば朝は来るわけで。
今日も今日とて最近と変わらぬ二人の朝だった。
二人で朝食を終え、装備を確認して、目的地までのラインを調べて。
今日一日に達成すべき最低限度の目標を決めた。

僧侶に変わったところは無い。
俺自身も特段変わったところは出さなかった、と思う。

もしかすると僧侶が何か気を遣ってくれたのかもしれない。
演技だとすればそれはそれでもう本格的に彼女に足を向けて寝ることはできないだろう。
いや、しかしそこまでこの天使を疑う様な真似をたかが人間がしてもいいものだろうか。



勇者「…………」

僧侶「? 」



笑顔で小首を傾げるな可愛いなおい。



勇者「…………えーっと、この先の洞窟にいるのがだな」

僧侶「はいっ」



この子につまらない人間の下らない感情などぶつけてはならない。
この子をつまらない敵意の下に一人ぼっちなんて以ての外である。
彼女を守ることを当座の目標にしよう。今決めた。




まぁ、とはいえ。罪も無い枕を殴り過ぎて傷んだ手を自分で治療しているときにはさすがに乾いた笑いが溢れたが。




【??+1 】

【この先の洞窟に……】



0.魔法使いを拐かしたモンスター
1.魔法使いを拐かしたモンスター
2.四天王の一人らしい
3.魔法使いを拐かしたモンスター
4.四天王の一人らしい
5.四天王の一人らしい
6.魔法使いを拐かしたモンスター
7.四天王の一人らしい
8.四天王の一人らしい
9.四天王の一人らしい
ゾロ目.逃亡した女騎士がいるらしい
90 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:39:17.44 ID:V95yYlg40

【3→ 魔法使いを拐かしたモンスター】




そもそもこの山間の村へやってきたのは当代きっての術師、俗に魔法使いと呼ばれる人物が目当てだった。

魔法、という代物は魔術とは全くの別物なのだ。

その本質はこの世に広く拡がった万物の源たるマナを利用するものであって変わりは無い。
けれど魔術とはあくまで魔法の代用品。

マナそのものを使って世界そのものを変質させてしまうのが魔法。
マナに触れ世界からの干渉を減らしたり、逆に増やしてしまうのが魔術。

例えば俺や僧侶が自分の戦傷を治療するのは単純な魔術だ。
普遍的にただようマナを使って傷という存在の時間を早めてしまう。
学者様に詳しく説明してもらえば時間を早めるだけではなくて、
マナの固定化、マナによる傷という概念の強化、認識を外さないためのマナ活性化、なんて面倒だけれど。

魔法、というのは至極シンプル、ザ・簡単。
マナによって治す、それだけらしい。
91 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:45:37.78 ID:V95yYlg40

その違いだけおしえられても魔法というものの凄さは分からない。
正直なことを言うと未だによく分かってはいないのだ、俺は。

けれどまぁ、一応は国王陛下に是非会えと勧められたわけで。
圧倒的屈辱を味わされた魔王はその身そのものが魔法と恐れられているわけで。

幾つかの攻撃魔術と簡単な回復魔術しか使えない自分は必ず会っておくべきなのだ。




僧侶「んーっと……その方、凄い方なのですよね? 」

勇者「その筈だよ」

僧侶「魔法といっても種類があるらしいですけれど……取り敢えず、凄い」

勇者「うん」

僧侶「……………………そんな人を拐うモンスターに私たちが敵います? 」

勇者「さ、さぁ? 」



目撃した村人によれば酒をたらふく飲んで切り株に座ってうたた寝していたところを拐われたらしい。
正直昨日のうちに会っておけば面倒は全く無かったと言わざるを得ない。ウチの天使を困らせるな間抜け。
92 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/11(水) 23:51:56.98 ID:V95yYlg40

勇者「ま、まぁそれでも助けなければならないだろう? その人が仮にただの一般人でも」

僧侶「それはっ、そうですけれど……」



間抜け一人の為に笑顔を曇らせないでほしい、本当に。
なんならばその微笑みが既に魔法だ。俺はそう言いたい。言えないが。



勇者「ま、取り敢えず、行こうか。極論、そのモンスターを倒さなければ魔王になんて絶対勝てないわけだし」

僧侶「そう、ですね……ええ、困っている人は放っておけませんものね! 」

勇者「う、うん」



いざ行かん、間抜けを助ける聖者の旅へ。



【洞窟の前まで来ましたが】



0.そもそも魔法使いってどんなやつ?
1.ダルいしボスまでスキップ
2.そもそも魔法使いってどんなやつ?
3.ダルいしボスまでスキップ
4.そもそも魔法使いってどんなやつ?
5.ダルいしボスまでスキップ
6.そもそも魔法使いってどんなやつ?
7.ダルいしボスまでスキップ
8.そもそも魔法使いってどんなやつ?
9.そもそも魔法使いってどんなやつ?
ゾロ目.トラウマ野郎再来
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 23:55:05.18 ID:QEMoJ3hJO
展開次第じゃ僧侶が勇者のトラウマになりかねんね
94 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/12(木) 00:01:39.09 ID:8rGa3geo0

【8→ そもそも魔法使いってどんなやつ? 】



ーーそれにしてもどんな人なんでしょうね。
魔法使いとかいう間抜けの話が出た。



僧侶「私でも王都で聞いたことがあります。若くして魔術は一級品。
今最も魔法使いと呼ぶに相応しい人間だ、と」



目的の洞窟前まで来てトラップが無いか確認している最中。
手持ち無沙汰な僧侶が話しかけてきた。

俺とて大した情報は持っていないが王都暮らしの長い僧侶と情報を交換する。



勇者「俺は大概田舎暮らしだったから基本的な情報しか知らない。
国王陛下と、あとはさっきの村で聞いた話くらいさ」

僧侶「はぁ。でも、きっと油断なさっていたから拐われてしまったのでしょうね……」



油断というよりは慢心、呆けのレベルであることは言わないでおこう。
これ以上僧侶に要らぬ心配は掛けたくない。

若いとわざわざ言われるだけあってそういった失敗も仕方の無いことかもしれないが、さすがに無い。
才能に吸い取られて脳味噌の容量も食われてしまったのだろう、きっと。



勇者「かもね。……聞いたところによるとーー



【お仲間チャンス】



0.普通の男の子(自称)
1.普通の女の子(自称)
2.普通の女の子(自称)
3.普通の女の子(自称)
4.普通の女の子(自称)
5.普通の男の子(自称)
6.普通の女の子(自称)
7.普通の男の子(自称)
8.普通の女の子(自称)
9.普通の男の子(自称)
ゾロ目.エルフのお姉さん
95 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/12(木) 00:02:47.99 ID:8rGa3geo0

日付を跨いだところで続きは今日か明日にでも
普通の男の子が仲間って王道の冒険っぽくていいですね!

ありがとうございました
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 00:07:08.04 ID:nhaq/vE7o
自称?
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 01:15:23.15 ID:47sRRO2oo
あつおつ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 01:28:41.50 ID:l/I2WTa5o
おつ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/12/13(金) 01:18:29.97 ID:ouFyUTAT0
魔王の強さ考えると救済なきゃ仲間全滅死に戻りが何回かありそう
勇者くんトラウマ大丈夫かなぁ
100 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 22:55:40.45 ID:6WuNUcnF0

【9→ 普通の男の子(自称)】



勇者「普通の男の子だって紹介しやがった宿屋の店主はぜってぇ張っ倒す」

僧侶「…………」

勇者「なーにが年相応なところもある普通の少年ですよ、だ間抜けがぁ! 」

僧侶「…………」



低級から中級までそれなりのモンスターを時に切り時に吹き飛ばし。
そこそこに苦労して辿り着いた洞窟の最奥。

心配して損をした、とかそういう問題ではなかった。
件の魔法使い様は僧侶と同じくらいか少し上、俺よりも下くらいの年齢だ。
顔もまぁ中の中から中の上くらい。身長も普通なら声も普通。
ただし普通なのと話通りなのは見た目だけのもので行動が既に常軌を逸している。



僧侶「…………オークやオーガってあんな流暢に会話できたんですね」

勇者「…………驚くところはそこなのか、僧侶」

僧侶「いえ、あの……なんというか…………えーっと」

勇者「や、分かるよ、うん。俺もどこに対してツッコめばいいのかは正直分からないからさ」

僧侶「はぁ……」



少なくとも多種多様なモンスターに囲まれて和気藹々と酒を酌み交わす少年は普通ではない筈。
それが十八年それなりに苦労して修行を積んだ俺の確固たる意見である。
101 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 22:58:20.65 ID:6WuNUcnF0

勇者「…………」

僧侶「…………」

勇者「…………」

僧侶「…………」

勇者「…………」

僧侶「…………」

勇者「…………」

僧侶「…………話しかけないんですか? 」

勇者「正直帰りたいんだけど俺。僧侶が話しかけてみたらいいんじゃないか? 」

僧侶「はぁ…………」



やつらの話は最先端の魔具とその派生系について。
簡易的に召喚陣を描いた杖のデザインを語るオークの笑顔が新しいトラウマになりそうである。
102 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:05:22.24 ID:6WuNUcnF0

魔法使い「ま、結局のところデザイン性っていうのは僕みたいな人間には無理な話だからね。
その辺は君がやってくれればいいよ。…………やぁ、待たせたかい? 」

勇者「なぁ、僧侶。あいつが呼んでいるぞ」

僧侶「当然勇者様を、でしょう? 」

勇者「しかしだな……」

魔法使い「安心しなよ。こいつらはまぁビジネスパートナー、
というか僕の友人達だから」

勇者「だから安心できないんだが。特にお前に」

僧侶「…………」コクコク

魔法使い「そんなこと言われてもな……まぁ、無理も無いか。
君たちもここに来るまでこいつらの同類を殺してきたんだろう? 」

勇者「……あぁ」

僧侶「……そうですね」

魔法使い「どうしても寄ってきちゃうんだよね。こいつらみたいにセンスと才能のある同胞のニオイに惹かれて、さ」



まるでここに来るまでに切り捨てたオークと座を囲むオークが違うかの様な言いようである。
いや、これが幻影だとかで無い限り違うのは確かなのだろうが、しかし。



魔法使い「ふぅ……分かった分かった。僕の家で簡単にだけど説明するよ。
変なとこ見られた所為で誘拐されたとか思われているんだろうしさ」



やれやれこれだから馬鹿は、というような態度に腹が立つ。
僧侶が隣にいなければ助走をつけて殴り飛ばしていたところだ。最低三回くらいは。
103 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:07:52.26 ID:6WuNUcnF0

帰路に着く間、オークが、オーガが、ハーピーが。
様々な種類のモンスターが荒ぶる同胞を宥め賺してくれた。
もう全く意味は分からないが取り敢えずもう一つ噂通りなことを見つけた。



僧侶「こういうのが……天才、って人なんでしょうね」

勇者「……あぁ」



俺たちにとって天災にならないことを祈るばかりである。








………

……………
104 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:15:29.76 ID:6WuNUcnF0

勇者「えーっと、何かつまりあのモンスターたちはお前が見つけ出してきたやつらのうちでも人間と親和性が高い方で」

僧侶「魔法使いさん謹製の魔具で理性を大幅に強化していたと? 」

魔法使い「実に簡潔な要約だね。実際はもっと色々細工してあるんだけど概ねはその通り」



宿屋の店主をはじめとした村人達に歓声をもって迎えられ、
魔法使いの自宅へと帰れたのは洞窟から帰還して更に後のこと。

何やら複雑な図式を見せられたが俺や僧侶には全く理解不能で。
それは魔法使いも最初から悟っていたようで教師めいた動作で講釈を垂れてくれた。
その要約、というか理解できた範囲の内容がそれである。



魔法使い「僕は確かに天才だけど実利的な、特に君たちの旅で活躍するような魔術は実のところ苦手な部類でね。
理論を組み立てていざやってみるとなったら日々溜め込んだマナで道具をつくるんだ」



俗に攻撃魔術なんて言われているものは既に君の方が何倍も得意だと思うよ、なんて。
当代随一の使い手、現在最も魔法使いに近いと謳われる少年はそう言い切った。
105 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:22:13.54 ID:6WuNUcnF0

魔法使い「まぁ、逆に道具の製作に関してはそれなりに自負はあるけどさ。
並の宮廷魔術師ならオークとまともな会話を楽しむなんて不可能だろう? 」

勇者「お、おう」



確かにそうなのかもしれないがそもそも楽しむ気が無いだろう、とは言わない。
そんなことを言ったってこの少年に普通の返答なんてものは期待できないからだ。



魔法使い「君たちがここへ向かっているのは知っていたよ。
結構前におーさまから手紙を貰って以来色々と“ 目 ”は配置しておいたから」


“ 目 ”というのは恐らく山の中にいたモンスターのことなのだろう。
普通に自宅で迎えるつもりが酒に酔った挙句友人であるところのオーガに連れて行かれ、
気付けば友人総出で飲み会が始まっていたらしいが。



魔法使い「で? 君たちはなんだって僕なんか訪ねてきたんだい? 」

勇者「一緒に魔王を倒す旅に来てほしい」

魔法使い「いいよ」

勇者「……は? 」



訊いておいてなんだが正直なところ断られるだろうと思っていた。
僧侶も隣で驚いた様な顔をしているし彼女も同じ気持ちみたいだ。驚き顔も可愛い。
106 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:26:58.28 ID:6WuNUcnF0

魔法使い「こんな山奥まで来てお話が聞きたかった、なんて有り得ないだろう?
今のはちょっと言ってみたいセリフだったんだ。山奥の賢者みたいな感じでさ」

勇者「…………」

魔法使い「あぁ、僕は天涯孤独の身だしオークたちのことは大丈夫。
最近だと彼らの理性を研ぎ澄ます魔具なんて彼らでもつくれるようになったからさ」

僧侶「…………」

魔法使い「よし、そうと決まったら早速準備をしてこないとね。
魔術関係のものは粗方まとめておいたし大丈夫だけどこの家は封印しておかないといけないから」



村の人たちに危害が及ぶと悪い、とかなんとか笑顔で呟いていたのは見なかったことにしたい。

ただまぁ、冒険に喜んで着いてきたがったり、賢者に憧れてみたり。
普通の少年っぽさというやつもまぁ、見えた、のかもしれない。


107 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:27:26.64 ID:6WuNUcnF0









………

……………
108 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/13(金) 23:36:46.12 ID:6WuNUcnF0

時刻は早めの朝食を終えてすぐのこと。
僧侶の欠伸は今日も可愛らしいし天気も非常に良い。
ついでに自称普通の男の子である魔法使いは旅人っぽいローブ姿だった。



勇者「まぁ、お前がいるというのは正直相当心強い。これからよろしく頼む」

僧侶「よろしくお願いしますねっ、魔法使いさん」

魔法使い「あぁ、うんよろしくね」



ぼんやりとした顔はどう考えても寝不足である。
まさか旅が楽しくて寝られなかったのかと訊いたらそれの何が悪いと開き直られた。

そもそも勇者と旅に出ることに心踊らない男がいるかと言われてしまった。
確かにそう言われるとそうだがこれに言われると妙に納得がいかないのもまた確かで。



勇者「まぁ、いいか。取り敢えず俺と僧侶が滞在していたとこに戻って次の日からだな。まともな旅は」



ここから元来た街へ戻るのなんていうのは精々がちょっと危ない遠足みたいなものである。
人格は兎も角としてまともな後衛が一人、増えた。
多分きっと恐らく大体、王道の冒険っぽく、順風満帆、ぽいと思う。



【賽は明後日に投げられた】



0.鍛治の街へ
1.鍛冶の街へ
2.港町へ
3.剣闘の街へ
4.港町へ
5.港町へ
6.港町へ
7.港町へ
8.剣闘の街へ
9.港町へ
ゾロ目.カジノでも行こうか
109 : ◆BKp9.Rbx5s [saga sage]:2019/12/13(金) 23:37:59.63 ID:6WuNUcnF0

ちょっと設定周りの為にあんこほぼ無しでしたすみません
明日か明後日はまともにあんこしますすみません

ありがとうございました
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 02:30:00.47 ID:Zsfl2Qj60
乙です
次も楽しみ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 14:06:46.04 ID:uuCfUucMo
おつおむ
112 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:29:16.60 ID:3QGOoBTH0

【2→ 港町へ】



魔法使い「馬車を買うべきだと思うよ、僕は」



旅を始めて二日目の朝のこと。
一日目で全く弱音を吐かなかった魔法使いがそんなことを提案してきた。



勇者「まぁ、仲間が増えた上に荷物もこれから更に増えるだろうし俺もそうしたいが」

僧侶「何ぶん元手が足りませんからね」



効率的なのは分かっているし俺や僧侶だってできれば楽をしたい。
徒歩のみでの旅で鍛えられるのは確かでも、そこには限界がある。
何より移動で疲労してしまい肝心なときに力を発揮できない、なんてのは非常に困る。

しかし僧侶は騎馬の経験が無いので旅を始める段階で馬による移動は不可能と判断。
もう一つの案が馬車だったが金銭的な理由で提案前から却下されていた。



魔法使い「それくらい君が色々と稼げばいいだろう。モンスターでも盗賊でも世の中沢山いるんだから」

勇者「それはそうだが旅を始めて十日程度なんだぞ俺たちは」

僧侶「それに馬車を使うのならもう一人は仲間が欲しいところですね。
この三人で馬車を扱えるのは勇者様だけですから」

魔法使い「む……」
113 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:37:13.87 ID:3QGOoBTH0

勇者「僧侶の言う通りだな。移動中はできれば背後の警戒に一人。
僧侶には回復薬と援護を頼みたいしお前もどちらかというと後衛だろう? 」

魔法使い「そうだね。正直言って今すぐ僕が四六時中見張りを務められるかといえば当然、否だ」

勇者「だろう? 」

魔法使い「……うん」



変に馬鹿にした顔をしたりやれやれと嘆息することもあれば、
今の様にすぐ様自分の非力や経験不足を認めてしまう。

自称普通の男の子ではあるがこの辺りが妙に憎めないところで良いところだと分かってきた。
自分が彼と同じ年齢で同じ立場だとして自分の非力を認めるなんてきっと無理だっただろう。
場合によっては今でも尋常では無い忍耐が必要かもしれない。



魔法使い「まぁ、金銭的にはそのうちクリアできるはずだよね?
なんなら僕が適当な魔具でもつくるからそれを売ろうか」

勇者「そうだな」

僧侶「じゃあ取り敢えず目先の目標は港町として、
これからは馬車の調達と御者役の確保も考えていきましょうか」



目標がまた一つ決まった。
どうせ旅の最終目的は決まっているわけで、しかも長いわけで。
魔法使いの言う通り、鍛錬も含めてモンスター狩りに行くのも悪くないだろう。




朝食を終えて旅を再開させた後は魔法使いも弱音を吐かなかった。
114 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:37:40.26 ID:3QGOoBTH0









………

……………
115 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:42:51.88 ID:3QGOoBTH0

勇者「これで行程は三分の一を消化した辺りだな。
順調に行けば一週間も掛からずに港町だ」

僧侶「馬車のことを考え始めると急にお金も惜しくなるものですね。
食材を値切るなんて初めてしちゃいましたよ、私」

魔法使い「僕はもう疲れたよ……足が石化しそうだ」



深夜になる前に目標の村へ到着して宿屋へ。
部屋割りは僧侶が一人で俺と魔法使いが二人。
魔法使いが嫌がるかと思ったが特に何も感じない様だった。
彼の言葉によれば、



魔法使い「これでも山奥でおっさんとかおばさんたちと生活していたわけだしね。
あとモンスターたちと接していれば君だって天使様さ」

勇者「お、おう……そりゃあ、うん」



とのことであった。他人をモンスターと比べるのはやめていただきたい。
116 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:53:17.94 ID:3QGOoBTH0

魔法使い「ま、倒したモンスターから素材も採取できたし、
僕はここでちょっと工作でもしているよ」



少しだけ眺めていただけだが魔法使いの手先は普通なんかじゃ有り得ないものだった。
砂一粒の向きすら拘泥る様なその手付きは本気で神がかっている気すらする。

途中からは此方のことなど全く気にもしてくれなくなったので退散してきた。
そういえばあれだけモンスターと酒を飲んでいたにも拘らず魔法使いは旅を始めて一度も飲んでいないな、なんて。

どうでもいい様なことを考えながら宿屋の一階、酒場となっているスペースでエールを飲む、美味い。実に美味い。



勇者「僧侶は飲まねぇだろうし……どうするかな」



この国の法でいえば彼女ももう飲める年齢の筈だ。
そもそもその法だって一応つくられているだけで、慣例でいえば一桁の少女でも飲まされるときは飲まされる。
主に親戚のおじさん、とかいう厄介者たちの所為で。
加えて彼女の信奉する神も聖職者の飲酒は特段禁止してはいない。
過度な飲酒と怠惰を戒めているくらいである。
飲まないだろう、というのは単にキャラの感じで決め付けているだけだ。



勇者「んー……あんま大きい村でもないが」



【賽を投げてみよう】



0.寝る
1.寝る
2.寝る
3.僧侶と話す
4.寝る
5.僧侶と話す
6.寝る
7.魔法使いと話す
8.寝る
9.魔法使いと話す
ゾロ目.深夜に不審なやつが出るらしいな
117 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:57:35.91 ID:3QGOoBTH0

【4→ 寝る】


勇者「……明日も取り敢えずは徒歩だし。早めに寝るかな」



身体は最高の資本だがすぐに失えてしまう資本でもある。
もう一人いれば話は違うが今のところ前衛と言えるのは俺一人だけなのだ。
二日酔いや寝不足で傷を負ってしまっては僧侶の目を見れなくなってしまう。
そんな不幸だけは避けなければなるまい。



勇者「早寝早起き快眠ーっと」



俺が寝る頃になっても魔法使いは何やら呟きながら作業を続けていた。
明日の朝この村で売ってみるのだそうだが果たして何をつくっているのだろう。

俺も不器用なわけではないしマナの扱いも一応は勇者の名を与えられるくらいには得意だ。
今度おしえてもらおうか、なんて考えていると眠気に襲われた。
118 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/14(土) 23:58:24.99 ID:3QGOoBTH0

魔法使い「…………足が痛い」








………

……………
119 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/15(日) 00:05:21.11 ID:vbRZTAEj0

勇者「」

僧侶「」



魔法使い「さぁさぁ王都流行りのサンダルにペンダント!
魔術的効果も様々で良い物を沢山揃えてますよー! 」



売れた。それはもう売れた。凄まじいの一言である。
何が凄いといえばまずその精巧さであった。
寒村の懐事情に合わせたとはいえかなりの低価格で売るのが忍びないくらいには技巧が凝らされている。
物々交換も大歓迎とあって少ない村人たちはどこからか現れては魔法使い謹製の魔具を購入していった。



魔法使い「ふぅ……まぁ、御者が持つ鞭の分くらいにはなったろ。…………待ったかい? 」

勇者「お前……商人になれば? 」

僧侶「職人としても一流なんて凄いですっ」

魔法使い「うん……? 」



【賽は高く高く放り投げるもの】



0.次の村
1.盗賊
2.次の村
3.次の村
4.盗賊
5.次の村
6.盗賊
7.盗賊
8.盗賊
9.次の村
ゾロ目.ストーカー登場
120 : ◆BKp9.Rbx5s [saga]:2019/12/15(日) 00:05:52.11 ID:vbRZTAEj0

僧侶に忍び寄る魔の手、再来

ありがとうございました
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/15(日) 00:42:40.81 ID:7VrNJL6Lo
最後で脱いたァ!
おつおつ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/15(日) 14:42:20.59 ID:OZ2YPrlt0
乙です
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/04/10(金) 00:45:34.18 ID:IwXjF175O
うーん、エタっちゃったか……
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