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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十一輪目】

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302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 22:17:54.28 ID:ppS/5nYsO
あいよー
303 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/13(木) 22:26:36.28 ID:ISI8t8eJo

天乃「ねぇ、風は私を含めた三人ですることに抵抗ある?」

風「三人……? あぁ、前に樹と一緒にやったようなことでしょ?」

天乃「っ」

風「ないない。あったらあの時にやってないわよ」

あっさりと首を振る風に天乃は少し驚いたけれど、

風はそれも気にした様子はなく、笑い交じりの軽い声で答える

思い出せば未熟だった

それでもいい経験になったし、

心の通う姉妹で行ったからこそ、不自由はなかったように思う

むしろ、技術的に不足しているのを埋め合っているようで

安心感さえ感じられたかもしれない

風「人数んが多いことに今更怖気づいたの?」

天乃「そういうわけじゃないの。ただ、夏凜が複数人でやる気があるかどうか重要だって言ってたから……」

風「はぁー……それで。なるほど」

天乃「何? 夏凜に何か言われた?」

風「言われてないけど言おうとはしてたわよ。樹のせいか東郷がちょろーっと不真面目に真面目で言い出せなかったみたいだけど」
304 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/13(木) 22:44:50.53 ID:ISI8t8eJo

天乃「不真面目に真面目って……」

風「ほら。友奈が今大変な時期でしょ? 東郷が友奈ちゃんも云々って」

天乃「あぁ……」

困ったように笑う風の途切れた言葉を受けた天乃の口から、

察しのついた声が漏れる

友奈ちゃんも我慢してるかもしれないに始まり、

久遠先輩が無理なら私が何とかしてあげるべきかどうかに流れて行ったのかもしれない

元々興味を持ったことに関しては突出してしまうこともあって最も知識豊富な東郷だが、

性欲に忠実に考えたわけではなく、

我慢も体に悪いと真面目に考えての言葉のはずだ

天乃「それでどうなったの?」

風「友奈が求めてくるならってことに落ち着いたわよ。東郷なら雰囲気で感じ取れるだろうしね」

天乃「……そう」

風「天乃含めて三人って話なら、生々しく言うと3Pは天乃も望めるところって考えて良い?」

天乃「ええ」

風「んーそうねぇ。友奈と東郷も経験あるし、二人にとっても願ったりかなったりな話だと思うわよ。それ」
305 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/13(木) 23:06:23.15 ID:ISI8t8eJo

天乃との密着度合いに妬いたりすることもある勇者部の面々ではあるけれど

だからといって危害を加えるようなことはないし、

出し抜いたり抜け駆けをしようだなんて目論みもなく

少しは妬くんですよと素直に天乃にぶちまけるか、

なにとは言わないが出来るときに全力を使い果たして教え込もうとするだけ

二人でするとしてもそれは変わらない

天乃の反応が自分のそれよりも良いとしても

被害を被るのは天乃であってもう一人の相手ではない

高めて良いのかまだ子供の風には解りかねる事ではあるのだが、

互いの技量を高め、より良い解消が出来るようになるはずだ

風「でも、正直天乃が一番大変なことになるわよ。まず間違いなく」

天乃「覚悟はしてるわ」

風「誰と誰とか、そういうのって考えてるの?」

天乃「考えていたほうが良いの?」

風「あたし的には、前はともかく今はそんなことに拘らなくても良いって思ってるけど」
306 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/13(木) 23:31:25.81 ID:ISI8t8eJo

風「夏凜も言い出しっぺならそこに文句はないだろうし……」

果たしてそこまで考えているのかという疑問はあるけれど、

夏凜なら大丈夫だろう

それよりも……と、風は考える

風「まだ一人で相手してあげたことない子はいない?」

天乃「えっと……」

みんな三人ですることに反対はしないはずだが、

まだ相手してあげたことない相手がいるならば、

先に相手してあげたほうが優しいのではと、思ってしまう

三人ですることに抵抗はないし不満もない

だけど、独り占めできると言うのはそれ以上に特別だ

上手くできるのかという不安も

一つ一つの工程への緊張感も

大切な感覚で、思い出だ
307 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/13(木) 23:34:52.81 ID:ISI8t8eJo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は所用でお休みとさせていただきます

再開は明後日、可能であれば早い時間から
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 23:43:22.26 ID:ppS/5nYsO
乙
友奈ちゃんなら東郷さんがなんとかしてくれるはず
そういえばまだ単独回がないのは夏凜ちゃんとそのっちくらいか?
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 00:01:27.84 ID:7G/Et8K9O
乙
そのっちって単独どころか未だに経験すらないんじゃ……
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 12:24:47.11 ID:GXMnjAkQO
風もwikiのオマケでは妄想だったから厳密には単独扱いじゃないかも
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 05:56:24.54 ID:mp7iKuwSO
そうか園子ってまだしてないのか
ファーストキスの時に舌入れて久遠さんをキス好きに性癖歪めた割には奥手だな
312 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/15(土) 21:50:15.48 ID:MOK+CKzSo

遅くなりましたが、少しだけ
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 21:53:11.65 ID:YrgYVU7+O
かもーん
314 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/15(土) 22:55:45.99 ID:MOK+CKzSo

天乃「一人って言うなら、風もじゃない?」

風「あたしは、もう樹と一緒にしたし……」

天乃「本当に良いの?」

風「駄目って言ったらさせてくれるの?」

天乃「ええ。もちろん体調が問題ない時ならだけど」

あっさりと、天乃は受けてくれる

関係性を考えれば当然のことなのだが、

少しは躊躇ってくれると良いのに……と、風は少し思う

受け入れてくれるのは嬉しいけれど、

躊躇ったところに攻め入るのもシチュエーションとしては望むところだ

もっとも、子供がいるこの部屋では

そうできたところで踏み込める部分に限りがあるが。

天乃「ただ、風の意見を聞くなら最優先は園子になるわ」

風「まだしたことない?」

天乃「キスくらいは」

しかし二人きりはもちろんのこと、三人でもしたことがない
315 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/15(土) 23:21:12.49 ID:MOK+CKzSo

園子のあの頃の状態を考えれば、当然だろう

東郷も似たような状況ではあったものの、

まだ下半身が不自由なだけで済んでいたが

園子の場合は全身だったのだから

体の自由を取り戻すころには天乃が危ない状態に陥っており、

流石に、そんなことに手を出せるような余裕はなかった

天乃「そのおかげって言うのもあれだけど、みんなよりは軽いと思うし」

風「そうねぇ……友奈からも薄れた感じがある初心さはまだ持ってると思うわ」

天乃「そうなの?」

風「話に乗ってくるのは乗ってくるんだけど深い話になってくると、わわわ……って」

天乃「わわわ?」

怖い話じゃないけれど

それをされたときの反応に似たものだろうかと、

頭の中で、枕を抱いて顔を埋める園子を思う

怖い話は蒼白だが、こればかりは真っ赤だろうか

天乃「東郷の話を聞いて卒倒したりしてない?」

風「わっしーが淫らな女教師になったって嬉しそうに複雑そうな顔してたわ」
316 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 00:13:39.20 ID:A9Zs7r+8o

風「でも大丈夫? 天乃って攻めるのには向いてないと思うんだけど」

天乃「それは私が下手だって言いたいの?」

風「少なくとも、東郷や樹みたいには無理ね」

天乃は受けに回るのは得意だが、

攻めていくことが不得手なのは友奈の甘い評価でも察しが付く

それでも天乃が頑張っていると思うと滾るものがあるけれど

それはそれ、これはこれ

ある程度どちらかに知識があったほうが良いような気がすると……風は思って

風「あたしもエッチになりすぎたかもね」

天乃「どうして?」

風「初めてって言えば知識もそんななくて初々しいものであるべきなのに、知識をつけてからのほうが良いんじゃないって考えてる」

天乃「園子とのこと?」

風「そうよ」

園子は経験はないが話を多く聞いている耳年増な感じの強い状態だ

それでも、えっちをしたことがないからがっつくこともなく

みんなが我慢できそうにない状況でもそれほど影響はない


1、大丈夫よ。私だってされる側とはいえその経験があるもの
2、初めて同士、だったらいいんだけどね
3、不得手同士で頑張ってみるわ

↓2
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:15:25.32 ID:AaKmAyBGO
1
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:16:43.49 ID:B6V6roGTO
1
319 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 00:28:05.92 ID:A9Zs7r+8o

ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:33:07.71 ID:B6V6roGTO
乙
性的知識が豊富そうに見えて実際の行為には恥ずかしがるそのっちかわいい
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 04:17:29.15 ID:o6WWqDnhO
乙
最後に回った結果久遠さんの攻めを受けることに
322 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 14:59:28.09 ID:A9Zs7r+8o

では少しずつ
323 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 15:23:17.36 ID:A9Zs7r+8o

天乃「そうねぇ……」

初めては初々しい方がいいとかどうとか

そういった拘りは持っていないし、

考えられるほど性的知識を網羅しているわけでもない天乃は

少し考えるとふと、笑みを浮かべる

天乃「大丈夫よ。私だってされる側とはいえその経験があるもの」

風「それはそうだけど」

天乃「それに、友奈とした経験もあるから何とか出来るわ。大丈夫っ」

覚悟を決めていると言うような天乃の笑みには

安心感というよりは不安があって、風はこめかみに皺を寄せる

ある一線させ越えなければ、別に痛い思いをするわけではない

友奈としたこともあるし、自分からいくと言う経験を積むのも悪くはないかもしれない

しびれを切らした園子に逆襲される可能性も6割強であり得るけれど

それはそれで……まぁ仕方がない。と、風はおもむろに苦笑する

天乃「何?」

風「いや、ちょっとね」

天乃「無理だって思ったでしょ」

風「ま、まっさかぁ」

天乃「私だってやればできるのよ。される側の気持ちが分かっているんだもの。うまくできるわ」
324 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 15:39:19.92 ID:A9Zs7r+8o

風「そ、そうねぇ……」

その自信はいったいどこから来るのか

少なくとも友奈に敗北した時点で

園子に勝てる見込みはもはやないに等しい

された経験を含めて贔屓目に見ても生存確率は四割だ

風「まぁ、なんとかなるかもね」

天乃「心にもないこと言っちゃって」

風の顔を見れば一目瞭然

そんなにエッチに弱いのかとムッとした天乃は風から子供へと目を向ける

今や二児の母親なのだ

そうそう簡単にマウントを取られてしまうわけにはいかない

そう考えてしまうと、

つい昨日の樹とのことが引っかかるけれど。

天乃「園子だって初めてなんだもの。利はこっちにあるわ」

風「あんまり無理しないようにしなさいよー?」

天乃「ええ。そもそも園子がしてくれるとも限らないし」

風「興味はあるみたいだし、そこは安心して良いと思うわよ」
325 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 16:56:38.35 ID:A9Zs7r+8o

風「じゃぁ、先に園子とするってことで良い?」

天乃「みんなはそれでいいの?」

風「日は空くけど誰かとしたからやらなくなるってわけじゃないし」

それに、エッチな行為だけの関係じゃない

今は病室が離れているが、

長引くことになっている友奈を除くことになるけれど、

みんなは時期に退院することが出来る

そうなれば、性的欲求に飢えるような寂しさも軽減されるはずだ

風「天乃は天乃のしたいようにしたらいいんじゃない?」

天乃「私が言えば白でも黒にしてくれそうだから……」

風「あたし達だってちゃんと考えてるから大丈夫、駄目な時はダメって言うから、安心して」

天乃「……そうね」

それはみんなに言われることだ

だけど、みんなが望んでいることの場合はその限りにない

次は、次の次は

順番をうまく考えて行かないと偏ることになってしまう

みんなはそれも許してくれるだろうけれど

天乃自身はあまり認めてしまうべきではないと、思う

それは性的接触に関わらず、すべてのことに言えることだ
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 17:29:41.54 ID:WpD5JOzhO
友奈以外はやっと退院できるんだな
327 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 17:42:54.43 ID:A9Zs7r+8o

風「あーそうそう。あたしの進路についてなんだけど」

天乃「急にどうしたの?」

風「真面目な話、あたし、志望校ダメだったら天乃の子育て支援に専念するわ」

天乃「それはどういう考えで?」

風「………」

性行為について話していたのが嘘のように、しっかりとした声

嬉しいともありがとうともいわず、

真意を見抜こうとする視線が向けられる

風「天乃一人に押し付けることじゃないからよ」

子育てを手伝うこと自体は、

受験に受かろうが受かるまいが決めていたことだ

受験に落ちた場合、浪人することになるし、

家事担当はもちろんのこと、

寝かしつける―その必要がなさそうだが―とか、おむつとか

日中の全般的な仕事を分担したいと思う

風「それで、天乃が来年受験するなら、一緒に勉強しようと思って」

天乃「諦めているわけじゃないのね?」

風「もちろん、諦めるならすっぱり諦めるわよ」

無理そうだから来年にするって言っても

事情が事情なだけに許されてしまう

風「あくまで将来設計の一つよ。天乃に風先輩って呼ばれるのはむず痒いし」
328 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 18:25:09.45 ID:A9Zs7r+8o

天乃「そう……風、無理はしちゃだめよ」

風「ん、無理はしないからそっちのことも考えておこうと思ったのよ」

これがら暫く、

寝ることもなく勉強に励み頭に叩き込み、

それが全て記憶できるとしたら望みはあるかもしれない

けれど、それは常識的に言って不可能だ

頑張りに頑張っても限界がある

そう考えていること自体が、諦めかもしれないが……

風「やれるだけ頑張るわ。勇者部だもの」

天乃「なせばなるけれど、大抵。だからね?」

風「分かってるって」

頑張れとは言えないし、諦めろとも言えない

だから、無理はしないでと言うのだろう

貴女ならできると言われないのは、救いだ

風「落ちたら慰めてね?」

天乃「合格したら褒めてあげる」

風「あーご褒美への期待だけで受験受かりそうだわ」

天乃「何言ってるのよ、馬鹿ね」
329 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 18:35:37.98 ID:A9Zs7r+8o
√ 2月17日目 夕 (病院) ※木曜日


01〜10 若葉
11〜20
21〜30 九尾
31〜40
41〜50 水都
51〜60
61〜70 沙織
71〜80
81〜90 園子
91〜00


↓1のコンマ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 18:41:07.05 ID:cOFRhjqDO
あ
331 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 18:58:53.99 ID:A9Zs7r+8o

では少し中断します
再開は20時半ごろを予定しています
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 19:17:14.64 ID:JCWBYiGVO
一旦乙
そういえば病院の外は今頃どうなってるんだろう?
333 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 21:25:50.58 ID:A9Zs7r+8o

遅くなりましたが、もう少しだけ
334 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 22:06:19.32 ID:A9Zs7r+8o
√ 2月17日目 夕 (病院) ※木曜日


天乃「っん……」

朝昼とゆっくり休んでいるせいか、

夕方にも関わらず疲れた様子もなく元気な双子に母乳を与える

えっちをしようが何だろうが、

まだまだ母乳には困らないらしい

樹は嬉しいと言っていたけれど

いつまでこの状態が続くのだろうかと、

天乃は少し考えてしまう

赤ちゃんに与えるための母乳は、

日が経つにつれてでなくなっていくと言う

だが、天乃はその気配がなかなかない

十分に出せていたのに、子供にあげてこなかったのが原因かもしれない

天乃「このまま出続ける体だと困るわね……」

若葉「力を放出し続けているような状態なのだろう?」

天乃「ゃっ!?」

若葉「……すまない、驚かせるつもりはなかったんだが」
335 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 22:37:27.80 ID:A9Zs7r+8o

天乃「後ろに現れておいて何言ってるのよ、もうっ」

若葉「間違いない……」

若葉は天乃の肩越しに手を伸ばしてくる赤ちゃんに微笑みつつ、

ベッドをぐるっと回って、天乃の正面に立つ

天乃「この子たちがいなかったら殴り飛ばすか蹴り飛ばしてるわよ」

若葉「それは怖いな」

天乃「ちっとも怖くないくせに」

若葉「ベッドに戻すんだろう? 手を貸そう」

天乃「ありがとう」

天乃の苦笑に苦笑を返した若葉は、

腕を動かそうとした天乃から子供を預かってベッドへと戻そうとしたが

赤ん坊は離されると悟ってか、若葉の袖口を掴む

若葉「ん? どうした?」

天乃「不器用なパパじゃないんだから……」

若葉「いや、袖を――」

呆れ混じりの呟きに、

若葉は赤ん坊に目を向けたまま、答える

天乃「もっと優しく声をかけてあげて」

若葉「や、優しくと言われてもだな」
336 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 22:59:58.17 ID:A9Zs7r+8o

天乃「なに困った顔してるのよ」

若葉「急に言われても……その、心の準備が……」

天乃「子供相手に心の準備が必要なの?」

若葉「くっ……」

天乃は若干茶化すような声色だが、

腕の中の赤ん坊は

まだ真剣という言葉も分からない無垢さで若葉を見ている

抱かれている温もりが嬉しいのだろう、口元は嬉しそうに開いたままで

言葉にならない声が漏れている

若葉「ど、どうかした……にょ?」

天乃「なんでにょなのよっ」

若葉「あ、赤ちゃん言葉とはそう言うものだろう!?」

天乃「違うわよっ」

若葉「なっ」

母親のため息と、

父親ではないが不器用な母親のような人の困った顔

赤ん坊にとっては若葉を優先すべきと思うのか、言葉未満の声と共に小さな手が若葉の腕を掴む

若葉「もしかして、慰められているのか?」

天乃「ふふっ、良い子ねぇ〜……お話が苦手なお姉さんを慰めてあげてね〜」

若葉「あ、天乃っ」

天乃の言葉を理解したとばかりに優しい声が、若葉へと届く

それは若葉の腕の中だけではなく、天乃の腕に抱かれた赤ちゃんからも届けられていて

若葉はそれほどかと、ぼやいた
337 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/16(日) 23:04:18.74 ID:A9Zs7r+8o

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 23:13:19.75 ID:tGt35tLcO
乙
久遠さんの母乳が出続ける体質になってたら勇者部にとってはむしろ朗報になってそう
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 23:23:23.63 ID:o6WWqDnhO
乙
胸どんどん大きくなりそう
340 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/17(月) 22:26:55.78 ID:G0xwve0Vo

遅くなりましたが、少しだけ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 22:27:17.00 ID:Bg539PSnO
よっしゃ
342 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/17(月) 22:42:35.45 ID:G0xwve0Vo

天乃「……怖い?」

若葉「それもあるが、不安になるな」

そうは言いつつ、

限りなく優しい微笑を子供へと向けた若葉は、

横目にベッドの端を見て、天乃の足がない空間に腰を下ろす

若葉「小さくて、柔らかくて……私達の手でさえ、簡単に覆えてしまう」

人ならざる者である若葉の力は、

通常の状態でも勇者として戦っていた勇者部の面々と変わりがない

むしろ、接近戦をメインとしていた若葉の力は車椅子で鍛えられてしまった東郷よりも上だ

若葉「間違ってしまわないかと、手が震えそうだよ」

天乃「でも抱いてくれたし、その子嬉しそうだわ」

若葉「弱っていた天乃に触れるよりも優しくと考えているからかもな」

天乃「そうね、そのくらい優しくしっかりしてないとダメよ」

自分がどれほど虚弱な体になっていたのか自覚のある天乃は

それも、みんなにとって決して悪い経験だけではなかったのだと、思い返す
343 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/17(月) 23:04:37.09 ID:G0xwve0Vo

若葉「それで、体の方は問題ないのか?」

天乃「ええ、全然大丈夫よ」

若葉「性的なこともそうだが、母乳を与えても大して影響がないのか……」

天乃「嘘はついてないわよ?」

若葉「ああ、そこは気にしていない」

疑問符の浮かぶ天乃の否定に若葉はさらりと返す。

以前はともかく、今は迷惑をかけるとしても体調面で嘘をつくことはない

若葉が気にしているのは、その天乃の体だ

若葉「力に関してはどうだ? 溢れかえっているような感覚は?」

天乃「それもないわ。ただ、その……貴女も知ってる通り、主におっぱいから出るから」

若葉「つまり性交と授乳によってむしろ楽になっている可能性もあるか」

天乃「エッチしても体に問題がなかったのは滾ってるから?」

若葉「可能性はあるな。だが、以前のようにしなければどうにかなると言うわけでもないのだろう?」

天乃「そうねぇ……だからある意味今が絶好調なのかも」

逡巡して出てきた考えに従った天乃は、

若葉の視線にはっとして、顔を伏せる

天乃「だ、だからと言って母乳が出続けるのは困るわ」

若葉「そうだな」
344 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/17(月) 23:34:01.68 ID:G0xwve0Vo

若葉「それだけ元気なら、そろそろ退院しても良いんじゃないか?」

天乃「そう思う?」

若葉「友奈のことが心配なのはわかるが、あれはまだしばらくかかる」

病院側からもそれは言われているし、

勇者の力を失った友奈は普通の人と同等の回復しか見込めないのも分かっている

けれど、だからこそ一人残すのは……と、思う

天乃「友奈は私達の為にあそこまで頑張ってくれたのよ」

若葉「しかし、いつまでもここにいるわけにはいかないだろう」

天乃「……それも、そうね」

若葉「みんなだってその方がいいだろう」

天乃「思えば、もう何か月も入院してるような状態なのよね」

風達は一時期学校に通うことも出来ていたけれど、

それも以前のことだ


1、友奈についてもらうことは出来る?
2、お見舞いに行く手伝いしてくれる?
3、でも、もうしばらくここに残るわ


↓2
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 23:36:20.27 ID:Bg539PSnO
2
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 23:37:18.79 ID:FdfY2Osj0
2
347 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/17(月) 23:50:37.87 ID:G0xwve0Vo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



若葉「ところで、精霊が子供を産めるかという話なんだが」

若葉「精霊同士の力の譲渡による疑似妊娠が可能ならば」

若葉「精霊と主人の女同士での疑似妊娠も可能なのではないだろうか?」

天乃「若葉、それは考えたらダメなことよ」


東郷「伊集院先輩、久遠先輩の精霊になる方法を!」ガシッ

沙織「まず久遠さんのおっぱいを――」

夏凜「やめなさいよ」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 23:57:04.44 ID:Bg539PSnO
乙
そろそろ長かった入院生活ともオサラバだな
あと若葉は生前に続いて精霊でも孕みたいのか…
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/18(火) 00:21:46.03 ID:4sHDXJ2LO
乙
退院したらひねもすえっちしてそうな久遠さん
350 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 21:59:52.62 ID:r2evRHRko

では少しだけ
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/18(火) 22:02:19.87 ID:UIEst2RGO
いえす
352 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 22:30:16.74 ID:r2evRHRko

天乃「お見舞いに行く手伝いしてくれる?」

若葉「友奈のか? そうだな。私は高校受験をするつもりはないし、そのくらいの手伝いはするさ」

天乃「……助かるわ」

若葉「もちろん、私だけでなく千景や歌野も力を貸す。しばらくはその方がいいだろう」

天乃「風が受験に落ちたとしても?」

若葉「それは、あまり口にするべきことではない気がするが……」

以前の風の成績

そこから勉強の遅れを考えれば、残念ながら落ちてしまう可能性が高い

風もそのことが分かっていてあんな話をしたのだとは思うが

それでもと、若葉は顔を顰める

若葉「どういうつもりだ。天乃らしくない」

天乃「私らしくない……は、ちょっと大げさだわ」

そう言って、天乃は間違ってはいないと苦笑する

天乃「出ていく話。今更止める気はないけれど、せっかく取り戻したのに足早に去っていくのは寂しいと思ったの」
353 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 22:50:30.21 ID:r2evRHRko

天乃「風がいればもう憂いはないでしょ?」

若葉「そこまで考えてはいなかったな」

正直、つい先日までは目先の不安の種が大きすぎた

祖rとの世界に出ていくと言うのは後々に丸投げして、

それを取り除くことだけに集中していた若葉は、

自分よりも考えてくれていたであろう天乃に、困惑を晒す

戦いを終えた後すぐ旅立つとは考えていなかった

少なくとも、天乃達が落ち着いてからにするべきだと思っていたが

友奈を除けば安定しているし、

一番不安を残す天乃も、風がいるのならば安心できる

若葉「天乃の言う通り、風には悪いが風のもう一つの将来設計であれば私がいつまでもここに残る必要はない」

天乃「私じゃなく、貴女にも必要ないの?」

若葉「どうした。何かあったのか?」

天乃「若葉、答えて」

若葉「……要か不要かで言えば必要だ。だが、先代の務めを果たすためにはいつまでも甘えているわけにはいかない」

若葉が天乃と恋仲になったのは喪失感からの逃避の面もある

それでも天乃は受け止めてくれたし、包んでくれた

その温もりを知ってしまったからには手放すことも惜しいけれど

だからこそ、断つべきことでもあるのではないかと思う

若葉「天乃。私にとって、天乃の隣は居心地が良すぎるんだ」
354 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 23:25:07.09 ID:r2evRHRko

若葉「沙織にも言われたよ。歌野達のように故郷に帰るという強い目的があるならともかく、そうではないのならと」

天乃「なにそれ……初耳だわ」

若葉「最近じゃないぞ。少し前だ」

沙織が何も言わなかったことをフォローするかのように繋げた若葉は、

ふと、息を吐いて腕の中の温もりに意識を集中する

これがもし我が子ならば、絶対に離れないとする理由になっただろうか

いや、子供がいなくても離れまいとする理由はいくらでもある

それを悟っていたからこそ沙織はそんな問いを投げかけてきたのだろう

若葉「少し考えたよ。まだ天乃の体も不安定で心配だから無理に行く必要はないんじゃないかって」

天乃「でも、行くんでしょう?」

若葉「ああ、そう決めた」

若葉は自嘲の笑みを浮かべると、小さな命に優しく微笑む

歌野達ほど強い意思はないかもしれない

境遇から考えてそうするべきだという義務感が勝っていたかもしれない

だから、天乃を理由に自分たちの失ってしまった世界から逃げ続けることは容易だった

しかし、それではダメなのだ

いつまでも居心地の良さに甘えていたら、彼女の理想ではなくなってしまう

若葉「やはり、ちゃんと世界を見てきたいんだ。世界が樹海化のように以前のまま保管されて居たなら生存者の可能性もあるからな」

かつては諦め、偽りさえしたこと。

悪い結果に終わる可能性の方が高すぎるほどの状況ではあるが、

いつかきっとと胸に抱いた亡き友の思いを遂げるために

若葉「風の結果がいずれにしても、外への道が封鎖されないとも限らない……そうなる前には出て行こうと思っている」
355 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 23:44:57.97 ID:r2evRHRko

天乃「封鎖……それは考えてなかった」

若葉「精霊だからどうとでもできるが、天乃から離れる以上力は温存しておきたいのが正直なところだ」

天乃「歌野との話聞いてた?」

若葉「聞こえていたよ」

真面目な話も、

真面目なのはわかるが、性的な方に傾倒している話も聞こえていた若葉は、

少し顔を赤くして、天乃は察して口元を綻ばせる

天乃「力の供給は?」

若葉「近くにいる現状では何ら問題は感じないが、離れればパスが弱くなるのは天乃とて例外ではないからな」

天乃「調査はしておくべきよね」

若葉「ああ。天乃がお見舞いに行く間は子守を担うとか、買い物をしてくるだとか。少しずつ距離を開いてみようと思う」

病院から学校までは距離があったが、

その時の天乃はあまりにも病弱だったため、パスがどうのの状況ではなかったから参考にならない

若葉「だから天乃。さっきの答えは歌野風に言えばイエスだ。暫く残るし喜んで手を貸そう」

天乃「ごめんね、変な空気にしちゃって」

若葉「私も察しが悪かったよ。退院を急かされては気にもなるさ」

退院すると言うことは、天乃達がもう大丈夫だと言う安心感が得られる

それを得てさっさと憂いを断ち目的を果たしたいのではと思われても致し方ない流れだったようにも思う

若葉「だが安心してくれ。全く持ってそんなことは考えていなかった」

天乃「だったらどうして退院を勧めてきたの?」

若葉「いつまでも病院は気が滅入るだろうし、したいこともしにくいのではと思っただけだ」

主に、あっち方面で。
356 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/18(火) 23:50:13.03 ID:r2evRHRko

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「ちなみに、天乃が入院中の通学を参考にすると」

若葉「大橋を超えた時点で戻ってきたくなるくらいには危ういほどの繋がりしかなかったな」

天乃「私が一番死にかけていた時期?」

若葉「そう。だから全く参考にならないよ」



東郷「その繋がりを通して性的快楽を共有できると言うのは本当ですか?」

千景「馬鹿なの?」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/18(火) 23:59:43.25 ID:sJpXZ/87O
乙
しばらくしたらやはり旅立つのだろうけど精霊としての繋がりがあれば完全なお別れにはならないのが救いかな

それにしてもここまでの流れを見る限り退院から卒業式までの一ヶ月はノーカットでや進めるのだろうか
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 00:44:07.66 ID:6ri9PawwO
乙
若葉いなくなるまでもうちょっと甘えてもいいのに
359 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/19(水) 22:02:56.39 ID:CzbzD2Zto

遅くなりましたが、少しだけ
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 22:03:24.67 ID:CmHxifn+O
おk
361 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/19(水) 22:28:15.15 ID:CzbzD2Zto

天乃「……千景のことは?」

若葉「それは本人が決めることだろう……と、言いたいところだが」

若葉は意味ありげに続けると、深く考え込むように瞼を閉じる

相手は天乃だし、千景の気配は感じない

きっと気を利かせて耳をふさぐように立ち去ったのだろう

若葉「それが突き放しているようにも聞こえてしまうのが女心というものなのだろう?」

天乃「時と場合によるわ」

若葉「なら、今はどうだ?」

天乃「そう聞いている時点で3割は失望するかもしれないわね」

若葉「なんだとっ?」

驚く若葉をよそに、

天乃は自分の抱いている赤ん坊の頬を指の腹で優しくなぞってあげると

ね〜? っと、子供ほどの高い声で笑う

若葉「天乃も失望するか?」

天乃「私は貴女がそういう不器用な人だって理解があるもの。失望するにはまだ弱いわ」

若葉「……そうか」
362 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/19(水) 22:45:23.88 ID:CzbzD2Zto

ほっとした若葉のため息

天乃は声に出さずに笑うと、赤ん坊も応えるように嬉しそうに笑い返す

若葉の腕の中にいる妹にも届いたのか

嬉しそうな声が聞こえたかと思えば、若葉の慌てる横顔が見えた

天乃「それで?」

若葉「あ、ああ……そうだな」

仕切り直しだと、若葉はしっかりと言葉を断つと息を飲む

女心がどういうものなのか、若葉は女ながらにまだ掴めていないけれど

自分の知る千景ならと、考える

若葉「数少ない旧知の仲だから一緒に来てくれれば嬉しいな」

天乃「そうよね」

若葉「だが、やはり昔を知るからこそ幸せになって欲しいと思うよ」

若葉たちと旅に出るか、天乃達とここに残るか

どちらも大変なことはあるし良いこともある

結局は千景がどうしたいかというところに委ねられる

若葉「私達は千景の答えを受け止めてやれる用意をしておけばいいのではないだろうか」

天乃「そうね……千景がこうしたいって言った時にただ否定するのはなんの救いにもならないわ」
363 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/19(水) 23:12:20.14 ID:CzbzD2Zto

若葉「球子は……残念ながら東郷達は手に負えないって言ってたから私と一緒に来るだろうな」

天乃「ふふっ考えてみればそうよね」

性的行為のみで生きているわけではないが、

猪突猛進なところのある東郷達を抑え込むのは容易ではない

千景はそれを抑え込む一端を支えてくれていた

その経験は苦ではなかっただろうか

そう考えて、普段の千景を思い浮かべる

愚痴をこぼすことはあったけれど、嫌悪感を感じたことはない

天乃「若葉もそれが嫌で行くのね」

若葉「そうだったら悩まないよ」

冗談と分かっている若葉は優しく答えると、

笑みを携えて、嬉しそうに笑う子供を抱く腕を揺らす

若葉「千景は良い母親……いや、姉のようになると思うから子供については千景を頼ってもいいと思うぞ」

天乃「歌野も似たようなこと言ってたけど……」

若葉「天乃は分かってるだろうが、千景も面倒見は悪くないからな」

だからこそ、ここにいたほうが幸せなのではないかと考えるし、

母親や姉のように大切に子供を見ている姿を見ていると、誘って導こうなどという気が起きないのだ

若葉「致し方ないことだが、友奈……高嶋がいないのを差し引いても、千景はこの世界に呼ばれて良かったのではないかと、思うよ」


1、千景、高嶋さんの代わりを求めているように見える?
2、安易に頷くことは出来ないけど、そう思ってくれているといいと思うわ
3、若葉も千景のことが好きなのね
4、貴女はどうなの? 上里さんがいなくても、幸せだと言えるようにできたかしら


↓2
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:16:09.14 ID:HRbFQDU0O
1
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:18:23.04 ID:JhuqE+cw0
1
366 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/19(水) 23:26:38.46 ID:CzbzD2Zto

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:32:47.07 ID:eNUkNJTxO
乙
千景も久遠さんを散々助けてくれてたからなぁ
果たしてどちらに進んでいくのか
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 08:09:38.42 ID:nXpP2LyCO
乙
このシリーズの千景は本当に頼れるお姉さん的存在だよな
369 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 22:24:48.42 ID:50Hul50to

遅くなりましたが、少しだけ
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 22:28:24.41 ID:xfOpGKKYO
かもん
371 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 22:48:52.66 ID:50Hul50to

天乃「若葉、貴女から見て千景は高嶋さんの代わりを求めているように見える?」

若葉「もしそうなら、友奈に対して黙っているなんて出来ないと思うが」

天乃「それはそうだけど、抱えている可能性だってあるわけだし」

若葉「抱え込んでいたら、他人が見て幸せそうだとは言われないだろう」

千景が友奈……高嶋友奈に対して、

それがいずれの形であれ好意を抱いていたのは今更ながらに察することが出来る

しかしだからと言って、

球子が杏子を求めたように求めているかと言えばそうでもない

友奈がいないことを受け止めた上で

この世界でできることを精一杯にやろうとしているように思う

それはきっと、後悔があるからだ

若葉「千景のことなら心配無用だ。樹達が変われたように千景だって変われたはずだからな」

少なくとも、自分はそう感じていると若葉は嬉しそうに続ける

かつてあのような別れになってしまったからこそ

今の千景の姿を見ていられるのは、喜ばしいことだった
372 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 23:07:26.47 ID:50Hul50to

若葉「少なくとも、私の知る千景は子供の面倒を見る余裕があったようには思えないんだ」

天乃「その余裕が出来たのか、その余裕が持てるくらいに千景が変われたのか」

若葉「あるいはその両方かもしれないな」

勇者と敵の存在

まだ終わっていなかったこともあるけれど、

精神的な柵もすでに流れ去った三百年後の世界は

千景にとってやり直すのに最適だったのかもしれない

千景は過ちを繰り返すことなく

それを教訓に、今度こそはと前へと進もうとしていた

それが出来るのは心にゆとりを持つことが出来たから

そして、周りを信じ委ねることも大切だと知り、変ろうとしたからだろう

そのきっかけは、間違いなく天乃だ

若葉「本当に感謝しているよ」

天乃「特別なことをした覚えはないわ」

若葉「私達に比べたらそうかもしれないが、それでも天乃が千景に与えた影響は限りなく大きい」
373 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 23:26:55.39 ID:50Hul50to

天乃が若葉達にしてくれたこと

若葉達にさせてくれたこと

それに比べれば千景にしていたことは些細なことなのかもしれないけれど

千景にとっては確かなものだった

千景が聞けば勝手なことをと呆れられそうだが、

今は傍に気配を感じない

若葉「改めて礼を言わせて貰いたい」

天乃「良いわよ、助けられたのは私も同じだわ」

みんなが与えて貰ったと思うのと同じかそれ以上に

与えて貰ったものがある

かつての天真爛漫さには届かないかもしれないが

それでも十分、変ったのだと天乃は自覚する

天乃「だから、千景がもしも抱えているならどうにかしてあげたいって思ったのだけど」

若葉「杞憂だと良いな」

天乃「あら、自分の見る目に自信がないのかしら」

若葉「見る目はあると思っているが、女心への理解力が足りていないんだ……笑うなっ」

言葉を理解しているのかいないのか

困った呟きにきゃっきゃきゃっきゃと笑った赤ん坊へと

若葉は全く怒っていない表情を向けて、人差し指の腹を頬へと押し当てた
374 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 23:39:02.14 ID:50Hul50to

天乃「若葉も千景のことを大切に思ってるのね」

若葉「仲間……いや、大切な友人だと思っているよ」

天乃「千景に言ってあげた?」

若葉「言えると思うか?」

今の千景なら素直に受け取ってくれることだろう

だけど、素直に受け止めて貰えてしまうからこそ

恋愛的な意味ではないにしても、口にするのが恥ずかしくなる

若葉「それに、あれだ。別に言葉などなくとも通じ合えるからな」

天乃「言葉の方が伝わることもあるのに」

若葉「……それを私に求めるか」

意地悪なことを言う。と、

若葉は天乃をちらりと見て、その笑顔にため息をつく

からかわれているのは分かっているが、

実際に言葉にしたほうが良いのも事実で、言い返せない

天乃「千景がどっちを選んでも恨みっこなしよ」

若葉「色恋沙汰でもあるまいし、恨みなどあるものか」

千景が残りたいと言うのならそれでいいと思うし、一緒に来ると言うなら迎え入れるつもりだ

どちらにしても、千景が選んだことであれば言うことは何もない
375 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/20(木) 23:39:31.40 ID:50Hul50to

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 23:49:59.21 ID:xfOpGKKYO
乙
最も千景を救いたかったであろう陽乃さんもこれで報われるな
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 01:38:42.91 ID:1ibSNaODO
乙
外の世界マジでどんな状態なんだろうな
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 22:57:29.51 ID:PT6BXh13O
今日も休み?
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 23:33:47.94 ID:2Tt7vzYQO
休みっぽいなー
時期的に侵蝕で嫌気がさしたとかありそう
コロナかインフルじゃなければ良いけど
380 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/23(日) 21:44:45.79 ID:lHvMfxZzo

遅くなりましたが、少しだけ
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 21:47:52.46 ID:FCZ6qAaCO
やったぜ!
382 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/23(日) 22:10:59.16 ID:lHvMfxZzo

天乃「あら。色恋だったら恨むこともあるのかしら」

若葉「さて……そんなことで恨んだことなどないから分からないな」

天乃「夏凜達と私の取り合いは?」

若葉「ないよ。みんな取り合うなんて物騒なことは考えるつもりがないらしい」

取り合って争えば天乃に嫌な思いをさせてしまうと分かっているからだろうし

そもそも別に、取り合いをする必要性が感じられない

天乃の体質面を考えれば、

一人で独占したところでどうにかなるわけではないのは明らかだ

今でこそみんなが上に立てているが、

以前の穢れの影響そのままなら、喰われるのは天乃ではなくみんなの方になるだろう

その時、一人で相手していたらさすがの沙織たちですら体が持たない

若葉「取り合いされてみたいのか?」

天乃「喧嘩は好きじゃないわ」

若葉「だろうな……だが、だからだよ天乃。みんな天乃が一番だから取り合う必要がないんだ」

みんなが、みんなは天乃を大切にしてくれると分かっている

誰が相手しても天乃は幸せで、天乃が幸せならば、誰が相手をしてもいい

だから、譲り合う

若葉「取り合いされてみたいならそう言ってみると良い。喜んでそれっぽいことをしてくれるだろう」
383 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/23(日) 23:00:17.23 ID:lHvMfxZzo

天乃「それっぽいことって……例えば?」

若葉「たとえば……たとえばか」

そう言われてしまうと、困る

若葉にはその経験がない

そうしている誰かの姿も見た覚えがない

どうしても参考にするというなら千景になるだろうか

若葉「そうだな……こう、手を引きあうとか」

天乃「二本しかないから激戦になるわね」

若葉「違いないな」

夏凜や風は一歩引いてみんなに委ねてしまうだろうが、

樹や沙織は取ろうとする

友奈は……積極的に手を取りに行こうとはしないだろう

そんな友奈の背中を東郷は押して、

園子がさらに火をつけに行く

名んだんだ神田で、取り合うような争いごとも平和に収まりそうだと、

若葉は自分の同意を撤回しようと、苦笑する
384 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 00:17:10.01 ID:VQZV5/wBo

若葉「天乃、今はまだ影響は小さいが次第に大きくなっていくだろう」

天乃「食糧問題とか?」

若葉「神樹様の加護が無くなってしまったからな……色々不足するはずだ」

若葉は少し考えて、子供をベッドへと戻す

若葉の心情を察してか、求めるように手を伸ばしては来ない

若葉「大赦が天乃を必要としているのもその部分が大きいな」

天乃「みんなをまとめるための巫女っていう話でしょう?」

若葉「それもある……だが、問題は天乃ならそれが本当に可能だと言う点だ」

神の意向を聞き届ける巫女というお飾りだと言われているが、

本当に求められているのはその力の一つ、歌野達に分け与えられた豊穣の力

あれは、多方面に恩恵をもたらす神樹様と違って

一点に集中させられる分、恩恵は神樹様のそれを大きく上回る

若葉「私が保有しているものもそうだが、歌野は完全な豊穣の神。その力を使えれば恩恵を補って余る」

天乃「大赦の目的はそれだって?」

若葉「使わない道理がないからな……しかし、土地を支えるためにはそれなりに力を消費し続ける必要があるだろう」

天乃「毎日でしょう? 耐えられないわ」

若葉「以前の天乃なら無理だが、神樹様の種を宿している天乃ならば可能なはずだ」

そう思えば、

神樹様の種を奪ったことに対する厳罰が課されないことも納得ができる

大赦がそこまで深く想定していたのかは分からないが

天乃の力を知っていれば、天乃達が世界を救うと選択することを考えている人がいたならば

そこまで考えていた可能性もある
385 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 00:24:16.35 ID:VQZV5/wBo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 00:33:15.78 ID:96h/75d0O
乙
そろそろ本筋に戻る感じか
久遠さんたちはどう乗りきっていくのだろうか
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 00:43:41.71 ID:wYyvLZAJO
乙
シリアスな話に
388 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 18:37:35.77 ID:VQZV5/wBo
遅くなりましたが、少しだけ
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 19:07:46.84 ID:+wpGcD0MO
きてたか
390 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 19:12:07.20 ID:VQZV5/wBo

若葉「今はまだ手ぬるいが、天乃をこのまま見逃してくれるとはどうも思えない」

天乃「……普通の生活をさせて貰えないと?」

若葉「断言はできないが、介入しようとしてくるだろう」

あの手この手で天乃に接触を図り、人々のためだと願う

天乃の力は世界にとって猛毒にもなり得るが

それと同等の恩恵をもたらすことのできる力を秘めている

大赦全体がそれを知っていなくとも

上層の人間がそれを知っていて

下層の者達に指示を出せばいいだけのこと

そのうちの一人として……天乃の祖母がいる

若葉「天乃がいくら拒否しようとその力がある限り、大赦にとって重要なんだ」

天乃「もしかしたら、枯草のような私なんかより子供を欲しがるかしら」

若葉「それをしたらどうなるか分からないほど愚かではないだろう」

勇者部は勇者としての力を失っているが、

僅かでも天乃の力を宿しているならば、勇者と同等の戦闘力を引き出せる可能性がある

それ以前に、若葉や歌野達を除いても人智を超えた力が周囲を囲っていて

その中でも、九尾だけはその尾を踏んではいけない凶悪さを秘めている

若葉「天乃は優しいが、その周囲がな……手加減させなければ死人が出る」
391 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 19:42:59.54 ID:VQZV5/wBo

天乃「誰が人を殺すのかは言わなくてもわかるわ」

若葉「ああ、天乃が止めても彼女は確実にやる」

天乃が拒絶しようと、

たとえ、自分が嫌われることになろうと、

九尾は九尾が思う限りに天乃に尽くす

大赦から人類まで

九尾は必要と考えれば滅ぼしてしまうことを厭わない

若葉「天乃、世界がどれだけ困窮しても力で解決しようとはしないで欲しい」

それをしてしまっては大赦の思うつぼだ

天乃性格的に見過ごせない部分は多いだろう

だけどそこで救いの手を差し伸べてしまったら、大赦はすかさずその手を取り上げる

話を持ち掛けて以降一切接触してこないのも

天乃が退院して現実を見れば

次第に衰弱していく世界の姿に耐えられないと考えているからかもしれない

若葉「もう、出来るからと頑張るようなことは控えてくれ」

天乃「………」


1、見て見ぬふりは……できる自信がないわ
2、神樹様の後釜なんて絶対に嫌よ。でも、少しくらいは良いでしょ?
3、若葉は心配しすぎだわ
4、ええ、そうね


↓2
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 19:53:41.33 ID:wNqJgo5LO
2
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 19:55:33.74 ID:bkCV/dQG0
1
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 20:12:11.23 ID:MhWNnUEnO
3
395 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 20:27:48.59 ID:VQZV5/wBo

天乃「若葉の言ってること、理解はしているつもりよ……」

そう呟きながら腕の中の子供を見る

泣いている子供から目を背けられるだろうか

辛そうな母親を見て何も思わずにいられるだろうか

そう考えて、天乃は首を振る

天乃「でもね。見て見ぬふりは……できる自信がないわ」

若葉「それは解っている。解っているがそれではダメなんだ」

天乃「出来ることがあるなら、それで救えるのなら私は力を使う」

若葉「神の力を使うのか?」

天乃「全てを賄うつもりはないわ。でも、豊穣の祈りくらいは許されるでしょう?」

若葉「天乃の祈りは願いではなく命令だ。そうさせるだけの力が天乃にある」

天乃「……そう。そうね」

若葉「天乃は優しい。優しいからこそ、無意識にその力を使ってしまう可能性があるんだ」

天乃がただ祈っただけだとしても

その祈りから力が流れ、畑を潤してしまうことがあるかもしれない

それほどの優しさと力が天乃にはある

天乃の優しさを信じれば、無理強いする理由がない

若葉「……すまない。嫌な話をしたな」
396 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 21:05:38.22 ID:VQZV5/wBo

天乃「急に謝らないで。考えるべきことでしょう?」

若葉「絶対にそうなるという話でもないんだ」

天乃「嫌な話ならそれこそ事前に考えておくべきことだわ」

不安にさせたと若葉は思っているのだと天乃は察する

若葉は天乃を優しいと言うが、若葉も不器用なりに優しいのだ

天乃「若葉の気遣いは嬉しいけれど……でもやっぱり私にはできない相談だわ」

若葉「天乃……」

天乃「私自身も、この子たちも。誰かに利用させるなんてことは絶対にさせない」

だけど、

だからと言って周りの苦しみを見過ごすことは出来ない

一度力を使って、それを悟られてしまったら

もう天乃は普通の人間とは思われなくなってしまうかもしれない

だとしても、それで世界が救えるのならば力を使ってしまう

天乃はそういう人なのだ

天乃「ごめんなさい」

若葉「なぜ謝る」

天乃「だって、忠告してくれてるのに。その意味も解っているのに……私」

若葉「仕方がないだろう。どちらが正しいと言う話でもない。天乃の心情も解っているつもりだ」
397 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 21:52:24.91 ID:VQZV5/wBo

若葉「救えるならば救いたいのは私も同じだしな……」

ひなたなら、どうするだろうか。

ひなたは今の若葉の立場に立って、今の天乃の立場にいる若葉を諭そうとする

心情を理解しつつも

困ったように、悲しそうに

それには限界があるんですよ。と、寄り添って言う

ひなただって、救えるのならば救いたいと思っているのに

若葉「天乃はそのままでいい」

天乃「わっ――」

若葉「良いんだ。そのままの優しさで」

子供がいることを意識しつつ、

可能な限り天乃をその腕に抱く

若葉「その想いを大切にしてくれ」

見切りをつけられるようになった天乃は、心に傷を負った陽乃に近くなる

彼女は優しくも厳しく、見限りながらそれをしきれずに疲弊していくことになった

天乃もきっとそうなってしまう

目を背けるたびに傷を負い、次第に壊れていく

根付いた優しさは、そう簡単に失うことが出来ない

若葉「大丈夫だ。今は私もいるよ。精霊が去っても勇者部のみんながいる」

天乃「………」

若葉「その優しさは私達が支えよう。可能な限り、その願いを聞き届けよう……そのために、私達は君の傍に居るのだから」
398 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 22:03:58.07 ID:VQZV5/wBo

天乃「若葉……」

若葉「良い。そのまま子供を抱いていてくれ」

天乃「………」

子供を腕に抱いている天乃を抱きしめるのは、

まさしく若葉が考えている通りの構図だった

誰かを支える天乃を支える

それを、みんなでやっていく

母親の気持ちも何も若葉はまだ未熟ゆえ知りえないことだが、

それでも考える

子育てを支えるというのもまた、同じようなことではないのだろうかと

若葉「……これ以上はこの子を怒らせてしまうな」

天乃「えっ?」

おもむろに離れた若葉は、

傍らのベッドから顔を覗かせてあうあうと手をばたつかせている赤ちゃんをもう一度抱き上げる

若葉「ふふっそんな顔をしないでくれ」

「ぁぅ……ぅ〜っ」

ゲシゲシと弱い力で胸元を蹴られる若葉は、

なぜだか嬉しそうに微笑みながら、両腕でしっかりと抱き込む

若葉「ママじゃなくて不満か?」

天乃「なら交代しましょうか?」

若葉「……ああ」

天乃に抱かれていた赤ん坊は嬉しそうに若葉に抱かれ、

若葉に抱かれていた赤ん坊は満足げに天乃の腕に収まる

はたから見れば夫婦なのだろうかと、若葉は柄にもなく考えた
399 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 22:06:03.69 ID:VQZV5/wBo
√ 2月17日目 夜 (病院) ※木曜日


01〜10 園子
11〜20
21〜30 球子
31〜40 東郷
41〜50 水都
51〜60
61〜70 千景
71〜80
81〜90 九尾
91〜00 夏凜


↓1のコンマ
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 22:08:06.31 ID:gHvJfDDtO
あ
401 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/24(月) 22:22:47.34 ID:VQZV5/wBo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「私は間違っただろうか」

千景「離れる貴女が言えたことじゃないという意味なら」

千景「でも、久遠さんが良心の呵責に耐えられないと言うのは私も同意するわ」

千景「彼女は人間にしては慈悲深さが過ぎるのよ。だからこそ、耐えられない」



東郷「この真面目な空気を払拭すべく夜這いしてきますね」

風「誰か東郷を止めろーッ!」

東郷「冗談ですよ。風先輩」ニコッ
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