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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十二輪目】
- 609 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/21(日) 23:41:32.32 ID:A4JoE/Z5o
-
天乃「貴女に先輩って呼ばれるなんて」
夏凜「これが最後」
もう呼ばないからねと天乃を離した夏凜が下がると、
東郷は部室に置かれていたカメラを持ち出して、部員名簿にもなっている黒板の方を向く
東郷「写真、撮りませんか?」
風「良いわねぇ」
樹「それなら黒板にちょっとだけっ」
一足先に小さな黒板に向かった樹は、
もう枠に収まらなくなってしまった部員名の左側に、
天乃先輩、風先輩、沙織先輩……あえて下の名前で書いて、
卒業おめでとうございます。と、付け加える
沙織「あたしも?」
東郷「伊集院先輩も、です」
正式に入部届を出してはいないけれど、れっきとした部員だと東郷は頷いて
卒業おめでとうございます。の下に樹と夏凜の部長副部長就任を祝うメッセージを書く
園子「わたしも〜」
のりに乗った園子のおかげで斜め下にはサンチョの可愛らしい絵が追加され、
ならこれもと風の「勇者部は永久に不滅」という言葉が大きく書かれた
風「勇者部はこれからも続いていく。たとえ、樹が卒業してもね」
樹「そうできるように、頑張る」
- 610 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 00:00:38.93 ID:HkLya9B/o
-
東郷「……久遠先輩」
セットしたカメラを確認していた東郷は天乃を呼ぶ
もう一度ファインダーを覗いて、今度は友奈を見る
東郷「友奈ちゃんのこと抱っこしちゃってください」
友奈「ぇっ!?」
東郷「人数が多いから、納めたいの」
友奈「でもっ、えっ……」
天乃「少しだけよ。負担はかけないから」
足首に負担をかけないために、お姫様抱っこで友奈を迎え入れる
ちゃんと支えているからと天乃は言うが、
そういう問題じゃないと友奈は顔を真っ赤にする
リハビリ程度の運動しかできていない身だ
天乃の体にとって重荷名のではと不安だが、天乃は大丈夫よ。と微笑む
夏凜「ほんとに平気? 落とされたら困るんだけど」
天乃「女の子を抱くくらいはできるわよ。歩くわけじゃないから大丈夫」
東郷「それでは、押しますっ」
風「もっとそっち寄って、そっち」
東郷が撮影ボタンを押すと、電子音が流れ始める
東郷が駆け寄って、風が樹を抱きよせ沙織へと身を寄せる
その分、夏凜と天乃も密着して
園子「わっしーこっちこっち〜」
天乃の隣に東郷を挟んで、園子がぎゅっと抱きしめる
天乃「ちょっ」
風「勇者部はーっ!」
風の声が上がると「ふめつーっ!」と、全員の明るい声が部室に重なって
小さなシャッター音はその中に消えていく
天乃の「みんなが押すから」という文句は笑い声に呑まれる
やや強引におさまった一枚は、記念すべき一枚となった
- 611 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 00:03:33.46 ID:HkLya9B/o
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 00:12:18.37 ID:CHF3MxK4O
- 乙
久遠さんたちついに卒業か…本当に終わりが近づいて来てて寂しくなるな
まだフライング気味かも知れないけど作者さんが大丈夫ならくあゆシリーズはこれからも続いて欲しい
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 01:28:36.03 ID:DZWVKsM1O
- 乙
友奈ちゃん役得だな
- 614 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 20:45:33.58 ID:HkLya9B/o
-
では少しだけ
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:33:03.31 ID:MuUvWvwRO
- きてたか
- 616 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 22:14:32.75 ID:HkLya9B/o
-
√ 3月14日目 昼 (自宅)
友奈が退院できていたなら、かめやに向かうところなのだが
仮退院ともいえる外出許可な状況ではだめだという友奈に従って家での昼食となった
天乃「私は中華が良いんだけど」
風「辛さを三割減するなら許可する」
夏凜「三割でもダメでしょ……特に麻婆系は絶対に食べさせられない」
キッチンの方から聞こえてくる声に、
リビングで待機する夏凜の呆れた声が零れる
同じく待機している友奈は「そんなに?」と、不思議そうに首を傾げた
夏凜「普通のを作ろうとすれば作れるんだけど……」
友奈「それも辛いの?」
東郷「料理本通りに作ると、刺激が足りないって」
友奈「刺激……そうだよね」
味覚がなかった時期
その間に唯一味覚に近い刺激を得られたとすれば、辛味だ
普通煮えられるものでは不足するのだろうと、友奈は察する
友奈「夏凜ちゃんは、それでも食べてるんだよね?」
- 617 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 22:35:43.91 ID:HkLya9B/o
-
夏凜「は? なんで?」
友奈「えっ違うの?」
きょとんとした表情を見せる友奈から、
背中しか見えないキッチンの方に目を向けた夏凜は、目を伏せる
見透かされた。
そんな恥じらいの感じられる頬には、裏は感じない
察したのは、夏凜が「三割でもダメ」と断言出来ていたからだ
沙織「夏凜ちゃんはちゃんと食べてるんだよね」
園子「食べ過ぎなければ云々って、力説してたんよ〜」
夏凜「……別に嘘は言ってないし」
天乃は優しい人だ
周りが嫌だと言えば、天乃は絶対にその料理を作らない
だから、無理のない範囲でその好みに付き合っている
夏凜はそれを認めないけれど。
夏凜「なんにしても友奈には食べさせられない。無理」
樹「お医者さんにバレちゃったら怒られますからね」
- 618 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 23:21:49.98 ID:HkLya9B/o
-
友奈「それで……」
以前天乃の手料理のお見舞いがないのを聞いたときに、
渋面で無理だった。と言っていた理由がようやく分かって、友奈は思わず笑う
辛すぎる料理なんてお見舞いに持ってきたら
次の日には出禁になってしまうかもしれない
絶対安静の体に悶えるほどの辛味を与えるなど、酷い話だ
友奈「退院したら、作って貰えるかな?」
千景「一緒に作ったら良いんじゃない?」
精霊らしくなく普通にリビングの扉を開けて入ってきた
千景は、前後に背負った赤ん坊を軽く揺らす
一見したら千景が母親に思えるような姿だ
さっきまで天乃に抱かれていたのとまったく変わらずに大人しいのは
それだけ好かれている証拠だろう
千景「彼女も喜ぶと思うわ」
沙織「星乃ちゃん達寝てるねぇ」
千景「ええ、さっき母乳をあげていたから」
- 619 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/22(月) 23:56:40.19 ID:HkLya9B/o
-
千景「もうすぐ全員そろうのね」
友奈「その代わりに、若葉さん達が出かけちゃうんですよね?」
千景「一年も経たない内に帰ってくるはずよ」
勇者に劣ることのない力を持っている若葉達は
歌野と水都の目的地である諏訪には徒歩でも一週間かからないで辿り着くことが出来る
そのあと、
西暦時代に反応があったと言われる北方と南西の島に向かう予定らしい
北方から南西に向かうために一度戻ることになっている。
今も人が生きているとは思えないが、念のためだ
天乃「みんなー、運んで頂戴」
樹「はーいっ!」
千景「……」
キッチンへとみんなが駆けていく
それはまるで母親に呼ばれた子供のようで
走ったら危ないと困ったように言う天乃と目が合う
千景「母親ね。久遠さんは」
友奈「そうですね……早く、帰ってきたいです」
車椅子のひじ掛けを撫でる
天乃が使っていた車椅子
これを使わなくなるのは寂しいけれど、でも、また隣で歩きたいと、友奈は思った
- 620 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 00:05:01.67 ID:hTPCIEY/o
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 00:15:51.69 ID:IWIEzZ20O
- 乙
若葉は1年の単身赴任か…
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 00:16:14.68 ID:0Z6NQVx0O
- 乙
友奈ちゃんもケガが早く治るといいなぁ
- 623 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 20:57:34.47 ID:hTPCIEY/o
-
では少しだけ
- 624 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 21:12:46.09 ID:hTPCIEY/o
-
友奈の外出許可の申請が通った時間を考えると、
夕食を一緒に取るにはかなり早い時間にしなければいけないことと
夏凜のツッコミと、風の手伝いもあって
お医者様から怒られるような料理が一品も出なかった昼食は、ちょっぴり豪華だった
食べ終えた後には、一応だがケーキもあった
東郷「手作りも考えたけど、同棲しているから諦めたわ」
天乃「言ってくれれば知らない振りしたのに」
沙織「サプライズでやりたかったって意味じゃないかな」
夏凜「分かってて言ってるから気にしなくていいわよ、多分」
沙織の補足に補足を加えた夏凜に、天乃は笑顔で頷く
ケーキはあくまで卒業祝いで用意されたものだ
東郷が洋菓子を手作りしてくれるという点でも特別感が強いものだけれど
残念ながら、それは果たされなかった
もうしばらくしたら訪れるもう一個のお祝いサプライズは進行中だ
- 625 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 21:42:37.95 ID:hTPCIEY/o
-
天乃「友奈、帰っちゃうんでしょう?」
友奈「外泊許可は貰えなかったので……」
風「治ってる途中の今下手したら一生左足がダメになる可能性もあるって話だからね」
勇者だったおかげで、また歩けるようになれる程度で済んだ
ただの女の子になってしまった今は、
ちょっとの無理でもダメになってしまうことがある
園子「ゆーゆもあともう少しの辛抱なんよ〜」
樹「そうですね。友奈さん、待ってます」
友奈「えへへっ……ありがと〜」
友奈はちょっぴり恥ずかしそうに笑うと
でもね。と、小さく口を開いた
友奈「みんなが毎日お見舞いに来てくれるから、全然大丈夫だよ」
風「ほんと、部屋は空けてるから。焦らないでゆっくりね?」
友奈「はいっ」
- 626 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 22:02:12.77 ID:hTPCIEY/o
-
東郷「退院したら久遠先輩がまたお姫様抱っこしてくれるって」
友奈「う、嬉しいけど……恥ずかしいよ」
写真を撮るときにもされたけれどあの密着感は、とても心に悪い
友奈の熱くなってしまう体温に対して
元から少しひんやりしている天乃の体はとても明確に感じられる
ドキドキと高鳴る音が聞こえてしま和無いかと気が気じゃなかった
夜を共にした関係であっても、
それを悟られてしまったら向けられた笑みを見ることが出来なくなってしまいそうで。
天乃「どうしてお姫様抱っこ限定なのよ」
夏凜「筋トレになるから?」
園子「にぼっしーのそういうところ、ちょっとないかな〜」
夏凜「ちょ……冗談よ」
ふんっと園子の視線から顔を背けさせて、照れ笑いから余裕のなくなった友奈を見る
友奈はどちらかと言えば、抱っこされるよりもする側とみられることが多い
男勝りではないのに、快活さに引き立たされる女の子っぽくもどこか異性めいた感覚
そんな友奈だからこそ、天乃ととは女の子であって欲しい。
男女で分けられるのなら男子側に振られる感覚を知ってる夏凜としては、そう思っている。
簡単に言えば――そうされている友奈が可愛いのだ
- 627 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 22:33:02.29 ID:hTPCIEY/o
-
天乃「お姫様抱っこじゃなくても、なんだってしてあげるから」
友奈の後ろからそっと抱きしめた天乃は耳元でそうっと囁いて、頬にキスをする
友奈「っ」
天乃「だからちゃんと完璧に治すこと」
友奈「は……ひゃいっ」
赤くなった友奈は唇の触れたところに手を添える
ほんのちょっぴり天乃の潤いが感じられるのは、さっきまで飲み物を口にしていたからだろう
抱きしめられるなんて思ってなかった
キスされるなんて思ってなかった
準備不足な心はもう一杯一杯で
ぼうっとしてしまった友奈を、東郷達は優しく見守る
東郷が撮影の時にお姫様抱っこを要求したのは、
友奈が普段はお見舞いの時しか触れ合えない分の寂しさを感じているのではと思ったからだ
あまり口にはしないし、友奈自身だってそこまで大きく思ってはいないであろう部分
けれど、天乃は知ってか知らずか友奈への対応はとても柔らかくて
そんな気持ちなど簡単に満たしてくれるだろうと、感じた
そしてやっぱり。
東郷「久遠先輩、後ろから抱きしめての頬への接吻は私もされたいです」
そうなってくるとちょっぴり妬けてくる
- 628 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/23(火) 22:38:49.84 ID:hTPCIEY/o
-
では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 629 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 22:47:04.15 ID:ZWriiTZgO
- 乙
久遠さんもお姫様抱っこされてばかりなくらい弱ってた頃より大分体力が戻ってきたんだなぁ
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/24(水) 01:26:20.36 ID:QNXVyn3l0
- 乙
- 631 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/24(水) 23:57:19.45 ID:ZRoS8JHWo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日はできれば通常時間から
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/24(水) 23:58:54.77 ID:pyCg01bYO
- 乙ですー
- 633 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/25(木) 23:26:57.26 ID:bys6yqMso
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 634 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/25(木) 23:27:15.45 ID:/7OIXSfTO
- やったぜ
- 635 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/26(金) 00:36:22.26 ID:IJP2PJgCo
-
天乃「東郷がそれだけで満足してくれるとは思えないのだけど」
東郷「時と場合によりますね」
風「時と場合ねぇ?」
風は訝しげに言う
東郷は確かに、場合によってはそもそも過度な接触を避ける節度のそれなりにある子だ
けれど、それと同じくらいに場合によっては触れてくる
風の考えを察しているであろう東郷は「時と場合です」と繰り返す
東郷「特に、夜は駄目です……それは、みんな同じだと思いますが」
樹「それは確かにそうですよね。夜、ベッドの上でそうされたら、良いのかなって思っちゃいます」
園子「押し倒すんよ〜」
きっと天さんは受け入れてくれるからね〜と、
にこやかに言ってくれる園子にはみんなが同意していて
そんなことないとは、言わせて貰えないだろう
天乃「押し倒されると困るから抵抗するけど、良いの?」
夏凜「どうせ貧弱じゃない、あんた」
- 636 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/26(金) 01:09:32.88 ID:IJP2PJgCo
-
天乃「酷い言い草ね」
でも事実だ
多少なりに力を取り戻した天乃だけれど、
やっぱりまだまだみんなには勝てない
せいぜい、怪我を庇う必要のある友奈くらいだ
今はまだ樹にすら負ける
と言うより、勇者になる必要が無くなっても鍛えることを止めない樹がいけないのだ
戦うのを目的としていないその努力は天乃を抱くためだけの積み重ね
暫くはずっと、天乃はみんなに力負けするだろう
だから、と天乃は夏凜を見上げる
天乃「だったら、優しくしてよね」
園子がやるように、夏凜に身を寄せる
天乃の方が背が低い分夏凜の体が傾いて、驚いた声がくすぐったく感じる
園子の感極まった声が聞こえた
風や樹のちょっぴり弾む楽しんでいる声がする
けれど、天乃はその瞳に夏凜だけを映して
天乃「優しくしてくれなきゃ……嫌よ」
夏凜の腕を抱いた
- 637 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/26(金) 01:41:46.30 ID:IJP2PJgCo
-
夏凜「や、優しくする……けど……」
天乃の体温、体の柔らかさ
抱き着く天乃の見上げる瞳には夏凜も強くは出られなくなってしまった
止める気のない園子達の一方で
星乃達を抱いている千景だけが、眉を顰めた
千景「せめて、子供が見ていないところでやってくれないかしら」
夏凜「他に言うことない?」
千景「お邪魔しました。とでも言えば良い?」
夏凜に対して素っ気なく答えた千景はその声とは裏腹に苦笑を零した
子供を連れて避難するのは別に構わないけれど
今はまだ昼だし、場所はリビング
そもそも、天乃にはそんな気はないはずだ
夏凜が酷いことを言うから、ムッとして攻めてみているだけで。
千景「引きはがせばいいんじゃないかしら」
夏凜「それはそうだけど……」
夏凜の視線が天乃に落ちる
天乃の視線はそれとぶつかって――ふっと微笑む
天乃「引きはがさないだけ嬉しいけれど、抱きしめてくれたらもっと嬉しかったわ」
なんて、天乃は日々培う駆け引きの一端を、垣間見せてみた
- 638 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/26(金) 01:43:27.71 ID:IJP2PJgCo
-
では遅くなりましたが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/26(金) 06:05:33.08 ID:+JJ29YrSO
- 乙
久遠さんの夜は色々な意味で忙しくなりそうだな
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/26(金) 11:42:44.52 ID:PJ/6fcaBO
- 乙
久遠さんがその気になれば毎日だってあり得るぞ
- 641 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/27(土) 21:27:33.69 ID:nxyfOrueo
-
昨日は出来ませんでしたが、少しだけ
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/27(土) 21:37:58.63 ID:AzIYyJgFO
- よっしゃ
- 643 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/27(土) 22:30:54.01 ID:nxyfOrueo
-
天乃の追撃に困り果てた夏凜だったが、
千景の視線があったからか、はっとして首を振ると
天乃の体をちょっとだけ離した。
夏凜「それはこの状況じゃ無理……悪いけど」
天乃「ばーか」
夏凜「状況考えてよ、お願いだから」
これがもし、
天乃がどこかに旅立つ見送りであるのだとしたら
夏凜も抱きしめることは出来る
もしかしたら、その一歩踏み込んだ先のことだってできるかもしれない
でも、そうじゃない今は難しい。
なにより、それをした後の天乃が大変になる
- 644 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/27(土) 23:19:41.54 ID:nxyfOrueo
-
天乃「ふふっ、ごめんなさい」
冗談よ。と、天乃は言う。
夏凜は二人きりの時は、それなりに相手をしてくれる。
今だって、ちゃんと
だからこれだけでも十分だと、天乃は夏凜の体を抱きしめてから、離れる。
友奈「退院したら、私が真っ先に抱きしめますね」
東郷「友奈ちゃん、私は?」
友奈「えへへっ、東郷さんもっ」
友奈は車椅子のまま、東郷の腰に腕を回す
今までの友奈のスキンシップに比べてとても頼りない距離感に
東郷は寂しそうに笑みを浮かべて「ありがとう」と、友奈の頭を撫でる
東郷「私と久遠先輩を一緒に抱きしめてもいいわ」
風「あんた……ブレないわね……」
- 645 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/28(日) 00:14:15.77 ID:Kl6LqDIno
-
友奈を病院へと送るために、瞳の車に乗せたあと
一緒に行くと言った天乃だけれど、友奈との
子供達と一緒に居てあげるべきだという友奈の言葉に折れて、
代わりに東郷が一緒に病院へと向かった
園子「天さんは、わっしーに夜這いされる準備もしておいた方が良いんよ〜」
天乃「そこは友奈が犠牲になってくれるわ。きっと」
少しくらいは、東郷の気持ちを発散させてくれるだろう
友奈の体を思えば、完全にとはいかないのが惜しいけれど。
天乃「今日は、夏凜が付き合ってくれる日なのよ」
樹「特別な日ですから、仕方がないですね」
特別な日だからこそ、
全員で天乃を囲いたいところだけれど
そんなことをしたら天乃が干からびるので、それは出来ない
風「夏凜、ちゃんとしなさいよ?」
夏凜「言われなくても分かってるわよ」
- 646 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/28(日) 00:33:36.47 ID:Kl6LqDIno
-
天乃「ねぇ、ところでほかのみんなはどうしたの?」
千景「乃木さん達のことなら、出かけているわ」
風「あれ、どこ行くって?」
千景「橋の向こうまで」
もうすぐ帰ってくる予定だと千景は前置きして、
感度を確かめに行ったのだと言う
天乃の精霊として生きている若葉達は、天乃との精霊的な繋がりを持っている。
それが、どれほどまで維持できるのか。
千景「県外でも問題なかったわ」
樹「それって、つまり今も千景さんは話が出来てるってことですか?」
千景「ええ。一応」
沙織「あたしは半霊だから無理なのかな」
半分人間で半分が精霊
そんな状態の沙織は、流石に宿している力が他と比べて弱いのだろう。
残念そうに、首を振った。
- 647 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/28(日) 00:35:04.69 ID:Kl6LqDIno
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 01:21:23.27 ID:UI+QQWCTO
- 乙
千景が残ってくれているおかげである程度安心だな
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 07:06:05.51 ID:rod1SkNRO
- 乙
さおりんはまだ猿猴と一体化したままなのね
- 650 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/28(日) 23:18:54.02 ID:Kl6LqDIno
-
遅くなりましたが少しだけ
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 23:24:11.42 ID:WhTgu2ZzO
- かもん
- 652 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/28(日) 23:57:33.30 ID:Kl6LqDIno
-
樹「久遠先輩とのつながりがあるだけうらやましいです……」
沙織「それを言われると困っちゃうな」
精霊の繋がりは、千景たち完全な精霊であれば少なくとも県外まで通じる
半霊である沙織でさえ、隣の市まで離れても全く問題ないほど通じていて、
知ろうと思えば、天乃の居場所を知ることも出来る。
もちろん、天乃は逆に精霊の居場所を感じ取れるけれど。
プライベートを考えて、めったにしないが。
天乃「樹達とも、繋ごうと思えば繋がれるかもしれないわ」
樹「本当ですか?」
天乃「私に力は残ってるし、それをうつせば……少しだけね」
沙織達のように定着は出来ない
数秒か数分か、そのくらいだろう
千景「当然、ハイリスクよ。やらないべきだわ」
- 653 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 00:19:38.65 ID:qOJYjyeHo
-
風「当たり前でしょ。出来てもやらない」
天乃の体が落ち着いているのは、
子供に母乳を通して力の供給を行う以上のことをしていないからだ。
せっかく苦難を乗り越えて安定しているのに、
ちょっとつなげてみたいからと余計なことをして
体内に宿り続ける力のバランスが崩れたらどうなるか分かったものではない。
子供が成長しきったら、
天乃の体に宿る力は非常に微弱なものとなって、
もう、何があったって調子が崩れることはないとみているけれど。
東郷「でも、時々……その、そういうことをしてますけど、大丈夫ですか?」
夏凜「その程度じゃ問題ないくらいにまでは来てんのよ。だから、それ以上のこと」
例えばそう、純粋に血を分けるとか――だろうか。
それなら確実に久遠に染まるだろうから
- 654 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 00:45:12.13 ID:qOJYjyeHo
-
園子「……子供が大きくなったら、私達のこと、説明しないとだね〜」
天乃「そうね……それ、結構重要な問題だわ」
今から少しずつ考えておいた方が良いかもしれない
どうして、天乃の周りには女の子しかいないのか
同棲していて、逆に父親がいない理由。
風「いっそ、包み隠さずぶっちゃけてもいいと思うけど」
天乃「私の子供だからって、暴れないとは限らないから」
もう、すでに千景や夏凜のことを気に入っているし、
親類縁者として認識して、特に波乱もなく終わってくれる可能性も……ある。
天乃「子供を育てるって、大変ね」
夏凜「そりゃそうでしょ」
簡単なはずがないと言った夏凜は、
でも、ちゃんと助けるから。と、天乃に笑みを見せる
素直な気持ちを打ち明けたせいか、ちょっぴり頬が染まっているのが愛らしい
それを見てか、園子はとてもうれしそうで。
園子「夕飯はにぼっしーの秘密サプリ飯でけって〜いっ」
夏凜「はぁ!?」
東郷「精力増強を図るのねそのっち……流石だわ」
樹「それ、私達にも影響出ませんか……?」
- 655 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 00:46:20.35 ID:qOJYjyeHo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から
- 656 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/29(月) 06:11:58.92 ID:OX+BKYbkO
- 乙
五郎くんのことについても話しとかないとだな
- 657 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 21:22:03.75 ID:qOJYjyeHo
-
では少しだけ
- 658 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/29(月) 21:26:06.32 ID:ihyx1VMUO
- よしきた
- 659 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 21:50:03.22 ID:qOJYjyeHo
-
天乃「普通のお夕飯が良いわ」
風「まぁ、食べるなら……の、話しだけどね」
風は困ったように言うと、お腹を撫でる。
食べられる余裕はあるけれど、夕飯のことを考えるほどではない。
甘い物もあって、今は十分満たされていた。
天乃「時間も考えるべきかしら……」
夏凜「私達はともかく、天乃は極力抜くのは考えない方が良いんじゃない?」
樹「そうですね……軽食でも口にしてください」
産後間もないというほどではないにしても、
まだ母乳を上げる期間である天乃は、しっかりと食事はしたほうが良いと、樹は言う。
天乃の場合、
太るだのなんだの気にしなくていいというのは、
こういう時にアドバンテージかもしれない。
もっとも、理由が理由の為に天乃はそれをよく思っていないけれど。
- 660 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 22:07:05.31 ID:qOJYjyeHo
-
天乃「それは良いのだけど、あまり遅いとなんだかちょっとね」
天乃が良いと言っても、みんなは同じ時間に夕食を取ってくれる
それはそれでみんなに迷惑が掛かってしまうので、あまりにも遅い時間はさけたい
なら――と、天乃は閃いたように笑みを浮かべる
天乃「いつもより1時間だけ遅くしましょ。それでいいかしら」
園子「軽食くらいは全然問題ないんよ〜」
夏凜「ならその辺りで軽く作る……ってことで」
夕食の予定も決めたところで、天乃が一息つくと
東郷がすぐに「久遠先輩」と、心配そうに声をかけた
東郷「お休みになったほうが良いと思います」
風「そうそう、卒業式、送迎会出てお昼だって作らせちゃったし」
天乃「お昼は良いのよ。まだ余力はあったから」
- 661 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 22:22:13.42 ID:qOJYjyeHo
-
樹「本当、ありがとうございました」
天乃「どういたしまして」
もう何度か言われたけれど、
改めてお礼をしてくれる樹に微笑んで、すぐ傍にいる夏凜の腕に体を寄せる
今度は冗談でも悪戯でもない
それをちゃんと分ってか、夏凜は天乃の背中に手を回した
天乃「さっきは抱いてくれなかったのに」
夏凜「疲れたんでしょ……だったら恥ずかしいとかどうとか、どうでもいいわよ」
頬が赤くなることさえない夏凜は真剣な目をしていて、
風達も茶化したりはしない。
千景「私はこの子達を連れて行くから――」
風「じゃぁあたしがベッドやりに行くわ」
樹「園子さん達は大丈夫だとは思いますけど、夏凜さん達をお願いします」
あっという間に指示が通っていくのを聞きながら、
天乃は困ったように、目を閉じる
天乃「そんな大げさにしなくていいのに」
- 662 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 22:34:12.38 ID:qOJYjyeHo
-
そうは言いつつ、天乃は少しずつ夏凜に頼る力を大きくしていく
以前のようにふっと意識が途絶えることはなくなったし、
強い眠気に襲われているなんて言うこともないけれど、
だんだんと、立っていられる力が無くなっていくのだ
夏凜「ゆっくり腰を下ろして」
天乃「……?」
言われるがままに、縋りついたまま腰を下げていくと、
夏凜の身体も一緒に下がって行って、膝裏の細く力強い感触を感じる
それが、所謂お姫様抱っこの兆候だと察した天乃は、
夏凜の腕から、胸の方に頭をスライドさせる
天乃「落としたら、承知しないんだから」
夏凜「信じなさいよ」
天乃「ん……」
ぐっつと力が加わって体が持ちあがると
一瞬の浮遊感の後には、優しく強く体が支えられる
天乃「いっつも、これだけしてくれたら……良いのに」
夏凜「たまにやるから特別――って、思っておいてくれると助かる」
夏凜はそう言って苦笑いを浮かべると、
園子達に控えて貰いながら、天乃を部屋へと運び込んだ
- 663 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/29(月) 22:38:49.02 ID:qOJYjyeHo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
早ければ明日には3月14日目終了予定
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/29(月) 23:12:44.37 ID:ihyx1VMUO
- 乙
安定の夏凜ちゃんの旦那さん感よ
あまにぼのイチャイチャシーンがあるなら是非見届けたいなぁ
- 665 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/30(火) 01:44:49.05 ID:oxoFho72O
- 乙
久遠さんにご飯を一杯あげようキャンペーン開幕
- 666 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/06/30(火) 23:41:14.61 ID:sHt87klKo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/30(火) 23:45:12.40 ID:y35xKQu7O
- 乙ですー
- 668 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/01(水) 23:01:12.69 ID:2LiqMr/1o
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 23:02:12.59 ID:peZJyfxQO
- やったぜ
- 670 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 00:44:47.12 ID:EbfTYSpoo
- √ 3月14日目 夕 (自宅)
夏凜によってベッドへと運ばれた天乃は、そのまま数時間眠ることになった。
今日は卒業式があったこと、送迎会に参加したこと
そして、普段通りに母乳を子供たちに与えたこと
最も大きな理由は力の源ともいる母乳を与えていることだが、
それを除いても、体力の落ちた天乃としては頑張りすぎたのだ
天乃「……悪いわね」
夏凜「気にしなくていい」
天乃「みんなは?」
夏凜「さぁ? 家の中には居ると思うわよ」
天乃が眠った後、
起こしてはいけないからと、みんなは部屋を出て行った。
出かけるような音はなかったし、そういう声かけもなかった。と、夏凜は言う
- 671 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 01:14:34.49 ID:EbfTYSpoo
-
天乃「なんでそういう……」
部屋を一歩出ればすぐにでも分かりそうなことを曖昧に答える夏凜を見上げる
二人……子供の天乃達なら三人は横になれそうな広いベッドの端に腰かけている夏凜は、
目を瞑ってはいるものの、起きている。
きっと、天乃が眠る前から――起きるまで。
天乃「ずっといてくれたのね」
夏凜「すぐに起きるって分かってたからよ」
天乃「そうじゃなかったら、一緒に寝ててくれた?」
夏凜「……少しは考えたけど」
はっきりとは言わない夏凜は、
きっとそのつもりだったのだろうと、天乃は勝手に考える。
ベッドの上の手に触れてみたけれど、驚いた様子はなく、困ったような吐息が聞こえた
- 672 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 01:41:43.22 ID:EbfTYSpoo
-
夏凜「なに? 言っておくけど……今日はさすがにしないからね?」
天乃「私、そんなに欲求不満な生活してると思う?」
夏凜「言葉の綾だから」
天乃は暇があれば―もちろん、日中は控えている―そういう付き合いがある。
と言うより、していかなければみんなが欲求不満になってしまう。
夏凜もそれが分かっているからか、
やっぱり、休ませることを優先してくれる。
その気持ちは嬉しいけれど、たまには――そんなこと関係ない。とか。
なんて、天乃は最近……ちょっとだけ思うこともある。
もちろん、それをされたら体調を崩す可能性が高いので
夏凜がそれをすることは今しばらく、絶対にないけれど。
天乃「御夕飯は?」
夏凜「誰も呼びに来てないし、まだだと思うけど――軽食で良いなら用意するけど」
天乃「インスタントだったら泣くわよ」
夏凜「簡単なものだけど、ちゃんと作るから」
そう言った夏凜に、頷く。
リビングに行くと天乃は言ったけれど、
部屋に持ってくるから大人しくしてて。と、夏凜に拒否されてしまった
- 673 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 01:42:45.95 ID:EbfTYSpoo
-
では短いですがここまでとさせていただきます。
明日はできれば少し早い時間から
- 674 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/02(木) 03:22:24.30 ID:YatafSqUO
- 乙
みんなで同棲したら料理も当番制かな?
- 675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/02(木) 06:06:42.11 ID:e8+lGz65O
- 乙
元気になったとはいえまだまだデリケートな体の久遠さん
- 676 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 22:01:57.57 ID:EbfTYSpoo
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 677 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 22:13:58.04 ID:EbfTYSpoo
-
少ししてから戻ってきた夏凜はお盆を持っていて、
そこはかとなく海のにおいが感じられるそれには多分、
夏凜の代名詞が関わっているのだろうと、天乃は一人納得する。
天乃「煮干しのにおいがするわ」
夏凜「少し使ったから……身は除いたわよ。細かくしようとも思ったけど」
噛むのも億劫でしょ。と、
気遣う夏凜が作ってきたのは、どうやらおかゆらしい。
水分たっぷりのつやつやとしたご飯がお椀の中で湯気を揺らしている。
天乃「みんなは?」
夏凜「まだいいって。あんたは食べておいた方が良いでしょ?」
天乃「それはそうなんだけど……」
夏凜「みんなと食べたかった?」
天乃「そんな我儘は言わないわ」
- 678 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/02(木) 22:15:07.48 ID:JRvVYsKJO
- 来てたか
- 679 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 22:29:47.94 ID:EbfTYSpoo
-
思っていないとは言わないけれど、
流石に、みんなが食欲のない時間帯に一緒に食べたいだなんて言えない。
本当は眠る予定はなかったし、
もう少しあとを予定していたが、力を消費した分を補うためには早い方が良くて。
ちょっぴり寂しいという気配でも漏れていたのか、
夏凜は仕方がない。とでも言いたげに眉を顰めて見せた。
夏凜「私は付き合うから、それで我慢しなさいよ」
天乃「ちょっとドキドキするからそう言うの、今は禁止」
弱った女の子はなんとやら……と言うか、
少しぼんやりとも仕掛けない今の状態には、
はっきりと感じられるものはより強調して感じられるものなのだろう
気絶するようなそぶりを見せた天乃だが、
夏凜はスプーンひとすくい分を手であおいで冷ましてから天乃の方に向ける。
夏凜「馬鹿なこと言ってないで少しでも食べなさい」
- 680 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 22:47:34.49 ID:EbfTYSpoo
-
夏凜が差し出したスプーンへと目を向けた天乃は、
それにゆっくりと口を近づけて、熱が多少なりと冷めているのを確認してから少しずつ口に含む。
じんわりと広がるぬくもり、
潮気と言うべきか、塩分の感じる汁とふやけたご飯が喉を通って芯に沁みる
意志に関係なく、夏凜の手でスプーンが引き抜かれていくのを見送って、冗談っぽく呟く。
天乃「サプリが溶けきってない」
夏凜「入ってないから」
次。と、遠慮なく差し向けられたそれを同じように口に含み、
飲み込んでから、ほぅ……と、息を吐いた。
天乃「ありがとう、美味しい」
夏凜「ん」
特に言葉はなかったものの、
夏凜の閉じた唇の奥で震えたそれは「気にしないで良いから」と言うものなのだろうと、天乃は察する。
ちょっぴり照れてくれたのも、なんだか可愛らしく思えた。
- 681 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 23:04:40.08 ID:EbfTYSpoo
-
夏凜「頑張らせすぎて……悪かったわね」
天乃「良いのよ。好きでやったことだもの」
卒業式で、入退場など可能な限り普通に行動させて貰ったのも、
そのあとの送迎会に参加していたのも、
友奈の為に料理をしていたのも。
誰かが悪いという話ではなく、天乃がやりたくてやったことなのだ
申し訳ない。と、そう項垂れられても、天乃は許すとは言えない。
天乃「今までは母乳をあげる程度だったから……今はこのくらいが限界なんだって知れてよかったわ」
リハビリをちょっぴり頑張っていたころにも似たようなことがあった。
だから、リハビリは慎重に慎重を重ねる必要があったし、全盛期がとても遠のいた状態にある。
夏凜「子供が成長してる証だって九尾が言ってたわ」
天乃「そう、なの?」
夏凜「無意識ではあるらしいんだけど、自分に適した力をよりしっかりと取り入れようとするから余分に持っていかれてるって話だった」
九尾を信じるなら――の話ではあるけれど、これに関しては別に疑う必要もない
夏凜「この後、あげられそう?」
天乃「頑張ってみるから……もっと食べさせて」
- 682 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/02(木) 23:07:32.41 ID:EbfTYSpoo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 683 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/02(木) 23:17:44.76 ID:JRvVYsKJO
- 乙
夫婦で力を合わせて双子ちゃんたちを育ててる感があるな
- 684 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 14:07:07.93 ID:jD6CWEkJO
- 乙
子供の次は夏凜にもあげようか
- 685 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/04(土) 00:00:29.00 ID:03jiA34Go
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば早めの時間から。
- 686 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/04(土) 00:15:06.83 ID:nMRcfaMuO
- 乙
- 687 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/04(土) 21:25:37.60 ID:03jiA34Go
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 688 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/04(土) 22:13:22.40 ID:03jiA34Go
-
天乃「病弱な奥さんって、どう?」
夏凜「何急に、自分の状況が嫌にでもなった?」
天乃「そういうわけじゃ、無いけど」
いままでがそうだったし、
病弱だからみんなに見捨てられるだなんて思ってはいないけれど、
夏凜があまりにも甲斐甲斐しく世話をしてくれるから、聞きたくなってしまう。
天乃「貴女が、優しいんだもの」
夏凜「……馬鹿なこと言うようなら、怒るけど」
天乃はまだ話していない。
けれど、夏凜はその口が何を言おうとしているのか、察したらしい。
天乃の口にスプーンを運ぶ手を止め、器に放る
まだ、ぺちゃりと音がする。
夏凜「私は別に、病弱なあんたが好きなわけじゃない。だから大事にするわけじゃない。だから、優しくしてるわけでもない」
- 689 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/04(土) 22:13:33.66 ID:hCe6tKMW0
- きてたー
- 690 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/04(土) 22:40:13.26 ID:03jiA34Go
-
あえて並べ立ててから、ゆっくりと口を開く。
天乃が本当にそう思っているかなんて聞くつもりはない
思っていようがいまいが、
天乃が病弱である自分はどうかと聞いてきた。それだけだから。
夏凜「そりゃ、弱ってると……いつも以上に優しくしちゃうわよ」
突っ撥ねるような冗談が出来るのも
天乃が元気であるからこそのもの。
そうでなければ、少しでも距離を近づけたくなってしまう。
夏凜「でも、だからってそう思われるのは困る」
天乃「だって」
夏凜「もう少し優しくするから……たぶん」
そう努力するから。と、夏凜は照れくさそうに言う
夏凜がツンとすることがあるのは、
頼り慣れていなかったころがそのまま残り続けているからだろうか。
けれど、だからこそ人のそういったところには敏感でもある。
- 691 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 00:07:35.70 ID:FKg4XMyTo
-
天乃「でも私……夏凜の照れ屋なところも好きよ」
夏凜「はっ!?」
天乃「ふふっ」
ツンとしたところを、天乃は照れ屋と言う
それがあってこその夏凜だと思うから
別に、自分が病弱の方が良いとは思っていない。
優しい夏凜は好きだけれど、
ちょっぴり行けずな夏凜も好きではある。
でも、優しくされたいとも思ってしまう
自分ってちょっぴり面倒な女の子だよね。と、思うくらいには面倒だ
天乃「夏凜は今のままが良い」
夏凜「そう?」
天乃「ちょっと意地悪だったりするけど、でも、して欲しい時にして欲しいことをしてくれるもの」
夏凜「抱きしめて欲しい時に抱きしめないのに?」
天乃「恥ずかしがってる貴女を見られる方が良いって思ってるってことよ」
- 692 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 00:38:18.72 ID:FKg4XMyTo
-
天乃はそう言って笑う。
夏凜の愛らしい姿を見られるのも
自分の体に触れてくれるのも
どちらも、天乃が望んでいることだ
両方してくれたら嬉しいとは思うけれど。
天乃「それに、抱いてって言ったら。抱いてくれるでしょう?」
夏凜「それは……まぁ……」
みんなの前では。なんて恥じらうこともあるけれど、
お願い。と言えば、限度はあるけれど一応聞いてくれないことはない
それでいい、それで十分だ。
天乃は、そう思う。
天乃「ところで、面倒くさい女の子は――好きかしら?」
夏凜「そう言う奇特なやつしか、あんたの傍になんて来ないわよ」
天乃「もうっ……否定してくれると思ったのに」
思ってないくせに。
そう困りつつも笑う夏凜を、天乃は嬉しそうに見つめていた
- 693 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 00:39:52.86 ID:FKg4XMyTo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 694 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 02:36:49.77 ID:oNOIKxScO
- 乙
めんどくさい女の子大好きサークル勇者部
- 695 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 07:05:46.70 ID:T+axfsq0O
- 乙
いつでも抱かれる気満々な久遠さん
- 696 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 19:01:34.36 ID:FKg4XMyTo
-
遅くなりましたが、少しずつ
- 697 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 19:09:55.56 ID:vQtxb0lNO
- かもーん
- 698 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 21:23:12.01 ID:FKg4XMyTo
-
食事を食べ終えた天乃は少し時間を置いてから、
授乳を行おうと、千景を呼んで子供達を連れてきて貰った。
天乃「あんまり、見ないでよね」
夏凜「今更でしょ」
天乃「それはそうだけど」
授乳の手伝いなんて、夏凜だけじゃなくみんなが経験しているし、
そもそも、天乃の裸体も何度も見てきている。
だから、正直に言ってしまうと、
天乃もそこまで恥ずかしさはなくなってきていた。
とはいえ――割り切るわけにもいかなくて。
天乃「夏凜にもいつか授乳させてみたいわ」
夏凜「はいはい。子供が出来たらね」
軽くあしらう夏凜の物言いにちょっぴりむっとした天乃だが、
絶対に子供作らせてあげるんだから――東郷が。と、
他人任せに、笑みを見せる
- 699 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 22:25:55.75 ID:FKg4XMyTo
-
夏凜「気を失うまで吸われないように気をつけなさいよ?」
天乃「大丈夫。そのために、夏凜にも一緒に居て貰うんだから」
夏凜「止めるのは天乃がするんだからね?」
天乃「ええ」
星乃と月乃
双子の女の子である二人は、だんだんと成長していっているのを感じる
髪が生えてきているし
言葉だって、少しずつしっかりとし始めている
ママ、パパ
それはもう、ちゃんと言ってると分かるほどで
なぜかパパと呼ばれることに、千景が少し困り顔で笑っていることもある
夏凜「妊娠期間みたいに、育つのも早かったりすると思う?」
天乃「どうかしらね……」
病院では、
妊娠から出産までの早さは異常だという話だったが、
産まれてからの成長に関しては、あまり大差がないという話だった
- 700 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 23:15:15.72 ID:FKg4XMyTo
-
天乃「夏凜は……背、伸びた?」
夏凜「量ってないから分からないけど」
天乃「体重増えた?」
夏凜「……筋肉はついた」
ぷいっと顔を背ける夏凜は、
自分のふくらはぎの部分を軽く抓る
御\脱衣所のところに体重計が置いてあるから、
みんながみんな、気になれば量ることが出来る
つい最近量った時に体重が増えていたけれど
日々積み重ねている鍛錬の結果であると、信じている
実際、食べ過ぎたりはしていないから大丈夫なはずだ
夏凜「天乃は……そういう変化もないの?」
天乃「体重、変わってないのよ。脂肪は落ちていると思うのだけど……」
夏凜「筋肉が点いた分体重が落ちてるんじゃないの?」
天乃「ん〜……だと、思うんだけどね」
- 701 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 23:31:29.52 ID:omGMtsFI0
- 山科花菜
- 702 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 23:45:42.76 ID:FKg4XMyTo
-
天乃は力の関係で今現時点より、容姿は止まってしまう。ということは伝えられている。
なので、身長が148cmなのはもう諦めているけれど、
衰えた筋力のままではいられないので、日々少しずつ運動するようにしている。
その結果、筋肉はつくし脂肪は落ちる
しかし、体重に変動がないことから
固定されているのは天乃の成長が元から止まっていた時期なのかもしれない。と、推測している。
九尾は、理想の形に戻るだけだと言っているけれど。
天乃「理想……あと、10cmくらい背が高くなりたいわ」
夏凜「戻るわけじゃないから」
天乃が元々10cm背が高かったのなら、戻れるだろう
でも残念ながら、違う。
天乃「夏凜達も成長止まってくれたらいいのに」
夏凜「私は、あんたに成長して欲しい」
天乃「おばさんになっちゃうのに?」
夏凜「一緒におばさんになりたいのよ。当たり前のように、普通に……老いていきたい」
若い方が良いと思う気持ちはある
けれど、年老いていくのが普通で、日常で
だから、一緒に老けていきたいって思う。と、夏凜は母乳を飲む子供たちを優しく見つめた
- 703 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/05(日) 23:52:18.77 ID:FKg4XMyTo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 23:56:47.20 ID:vQtxb0lNO
- 乙
寿命こそあるけど久遠さんだけ老けないままなのもなぁ…
それはそれで後々辛いことになりそう
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/06(月) 00:44:43.98 ID:iw3EPAhwO
- 乙
一応精霊組とか月星ちゃんがいるにはいるけどな
- 706 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/06(月) 21:55:22.49 ID:uJ5MVyUko
-
では少しだけ
- 707 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/06(月) 22:12:28.99 ID:Duw+NlMjO
- 来てたか
- 708 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/07/06(月) 22:26:34.12 ID:uJ5MVyUko
-
夏凜「子供も同じ可能性は高いし、精霊は確定してるけど……」
天乃と同じように、ある一定の容姿から変わることがない人たち。
精霊は沙織を除いてすでに亡くなっている存在のため、変わらない。
子供達にも天乃と同様の力が流れることになるため、ある一定の年齢から変わらない可能性はないとも言い切れない。
もちろん、
神樹様の種をとりこんだ天乃とは状態が違うため、
子供達は問題なく成長するとみているけれど。
天乃「置いていっちゃうんじゃないかって?」
夏凜「……それが一番、悩むことかもね」
天乃は永遠の15歳だ
その一方で、夏凜達はしっかりと歳を取っていくことになる
天乃の血を取り込んだことで、多少長生きで多少若々しいかもしれないが、
やっぱり――おいていくことになるだろう
天乃「普通の夫婦だって、どちらかに先立たれるものだわ」
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