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【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その15

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696 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/06(木) 18:56:38.79 ID:M1MEBk9G0
>>695
アベルに抱かれた時にもう開発されてる
しかしフィーアは急成長確定したけどロウルのちっぱいは成長するんだろうか
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/08(土) 15:30:09.70 ID:qJlLVlOEO
フェリに耳があるのは種付けの時にアベルが責めまくってロウルが意識してしまった可能性が微レ存?
698 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/10(月) 23:29:56.28 ID:N/r2/Kd70
こんばんはー
とりあえず生存報告です……
他と並行して考えていたら想像以上に時間がかかってしまいました
今週中には投下できると思いますので、もうしばらくお待ちください……

エリス以外の他ヒロインズのおおまかな流れも考えていたのですが、上でシチュ案を考えてくださっている方もいらっしゃるようなので、
やっぱり募集をかけた方がいいのかな?
既に並行書きしている為、完全採用というものは難しいかもしれませんが、とりあえずまだ自由の利くアーシャは少し募集してみようと思います
お手すきの方は、案をお願いします
(エリス妊娠発覚後、しばらく動けないエリスに代わって……とまず先に迫るのがアーシャの基本流れです)
あと髪色と瞳の色も判定取った方がいいですか? 本当にフレーバー中のフレーバーですけど
(当初の予定では、女の子は髪色は母親譲り、瞳の色が父親譲り。男の子はその逆の予定でした)
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 23:51:02.45 ID:DApr9jkNO
生存報告乙です
変態枠と常識(純愛)枠でセットだと良いかも
アーシャ&ロウル、シア&パトラ、
ティア&エリス(アベルとティアで大惨事性界大戦繰り広げた後身重な体で二人を正気に戻して癒すとか)
正直なるべく複数名のプレイにした方が書きやすくもあるでしょうし
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 01:03:36.93 ID:ISkTYch6O
報告乙です
ここの>>1は投げ出す人とは思ってないし気長に待ってます
アーシャは最初はペット扱い…と見せかけて普通に可愛がって困惑させちゃうとか?
子供配色はそれで大丈夫だと思う
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 02:24:23.29 ID:2WVQxjMiO
>>699
順番や組み合わせは一応>>688の予定っぽいよ

アーシャのプレイは最初はエリス妊娠でアベルの性欲処理のために躍起になったアーシャとペットプレイ、後半では妊娠したエリスを見て自分も妊娠欲求が出てきたアーシャとしっぽりいちゃラブとかどうだろ
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 08:27:06.74 ID:tiZxofzY0
おつ。なるほど身重のエリスに変わってみんなが順にアベルに飛びかかる流れなのね
子世代は任せても大丈夫だけど、欲を言うとルーシェの子もオッドアイがいいな
ウェディングブーケキャッチしたし、ルーシェも出産ワンチャンないですか(小声)
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 10:56:04.09 ID:JcUk8soy0
アーシャの着弾シチュかー

先代が2人しか相手を作らなかったのに対して6人いる状況
何かのきっかけで仲がこじれたり争いが起きるかもしれない
でも私ならば国の平和から全て治められる自信がある
そんな私を躾られるのはあなただけだからガンガンこいよオラァ
というか一生躾てくれないとクーデター起こすぞ

というフリからアベルのSを引き出して手加減無しのプレイ

わざと屋外でバレるようなプレイに出て
アーシャ夫人は変態だったと広まって実家にトドメ刺しちゃう作戦とか
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 18:43:25.50 ID:FWvEAWPVO
アーシャはこれまでの描写見る限りソフトペットな感じだし、段々ハードなペット扱いをしていってアーシャが羞恥の限界に達したらノーマルプレイに移行するとか
今更だけどガチペット(雌奴隷)になりかねないドエロシスターズ同時に相手取るっぽいけど、アベルは耐えきれるんだろうか
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 22:09:45.10 ID:nKzQffrKO
キアラの早期出産ってエリスと同時期らしいけどここでエリス着弾としたらキアラは
・初体験の時に実は着弾してた(>>27では外に出してるけど現実でも先走りで妊娠する例はある)
・エリス結婚に触発された二人がまたヤッちゃった
・実はエリスとの初夜を偶然ほんの少しだけ覗いてしまったキアラが悶々としてヤッちゃった


辺りのどれになるんだろ
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/13(木) 14:18:01.39 ID:pKyq1hwg0
>>582でフレーバーだけど高コンマ程妊娠欲求大と書いてあったけど、キアラの11はどういう扱いになるかな
数値通りで低い扱いならマックスがハッスルしたか>>705の1番目になりそうで、ゾロ目として高数値扱いなら>>705の3番目になりそうだけど
707 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:52:20.69 ID:oWRLwf0g0
こんばんはー……
すみません寝落ちてました(白目)
予定より凄まじく遅くなり、今週内かも怪しいですが、
アベルとエリスの一夜を投下しておきます
708 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:52:59.61 ID:oWRLwf0g0
――


『孕ませる』


この言葉が、どういった意味を持つのか。
少し前までの少女であれば、まるで理解ができなかったことだろう。

帝国を変えるため、そして仕える主君を助ける為。
城塞で数年間暮らしてきた少女達はそればかりを考え、動いてきた。
敵を倒すための武力。味方の被害を減らす為の知略。情報収集に奇襲の対策。
性知識など使う場面もなかったのだから、当然なのかもしれない。


だが、今はもう違う。


十分過ぎる程の力を身につけ、ついに目標は達した。
心の奥底で幼少期より募らせていた恋慕の情は、主君や大切な友人達にも受け入れられた。
幾度か肌も重ねてきた。主君の為に、そういった知識も必死に取り込んだ。
もう――無知な少女ではないのだ。


「勿論、エリスが嫌だと言うならば止める。……抱くことを止めることはできんがな」


敬愛する主君は、余程相手が強く望まない限りは手荒な真似はしない。
こうして再度了承を求める辺りが、彼の性格が出ていると言えるだろう。


「アベル様……」


しかし、その言葉を受けて花嫁姿の従者は喉を鳴らす。
主君の言葉に偽りはないと断言できる。
それでも、その振る舞いに胸の高鳴りが抑えきれなくもあった。

孕ませずとも、抱くことは止められない。
その言葉を裏付けるかのように、その吐息は既に荒さを含んでさえいた。
ドレスと同じく純白の上質なスーツの上着は少し乱暴に投げ捨てられ、
首元を飾るタイも片手で取り払われ、既に鍛え抜かれた胸板が顔を覗かせている。

決して慣れない白い服に耐えきれないからではなく、そこには確かに男の欲望が見て取れた。
冷静で、慎重で、考えが読めない男。そう言われるが、本当はこうして燃え上がることもある。
普段はそれを隠すようにするが、今はそれも出来ない程に……これまで以上に、欲している。

『孕ませる』

この言葉が、どういった意味を持つのか。



「――わ、私も……アベル様の赤ちゃん……欲しい、です……!」



かつてまっさらだった少女は、意味を理解してその言葉を口にする。

きっと今の自分も、相手に負けず劣らず息を荒げてしまっているのだろうという自覚はあった。
自分から赤ん坊をせがむ、孕まして欲しいと懇願するのは恥ずかしいとも思う。
それでも。
これは主の望みだからではなく――自分の意思でそう思ったからこそ。


羞恥の混じった、しかし幸せそうな笑みを浮かべながら、エリスもその決意を口にする。


709 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:53:26.88 ID:oWRLwf0g0


「エリス……」


愛らしい花嫁の言葉に、情欲はより駆り立てられる。
今度は唇に軽く触れるだけではない。


「んっ……んぅっ! あっ…ふぁ……っ、は、ぁ……ぅんっ……!」


一度や二度ではとても足りない、降り注ぐ口づけの雨。
その一つ一つを受ける度に、エリスは小さく声を漏らした。

額。

瞼。

頬。

あますことなく、慈しむかのように次々に落とされていく。


「っ、アベル様ぁ……」

「ふふ、そう急くな」


あえて外されていた唇が、切なげに強請る様な甘い声を紡ぎだす。
こちらにもちゃんとくださいと恥ずかしげに差し出される唇を食みながら、アベルは小さく笑みを返した。
それは時折、友人達にも見せる嗜虐を含むものだ。


(ああ、私……本当にこの後、アベル様に孕まされちゃうんだ……)


僅かばかりの恐怖と、圧倒的な多幸感。
愛する人に、これほど求められることのなんと幸せなことか。
こうも愛されては、本当に自分は今日孕まされるのだという強い確信すら持ててしまう。
一体自分はこの後、どうなってしまうのだろうか?
舌を絡め取られながら、エリスの身体は小さく歓喜に打ち震える。


「まだだ。まだ足りない……」

「ん、んぅ……!」


舌が解放されたかと思えば、耳や首筋にまで口づけは及ぶ。
くすぐったさに身を捩りでもすれば、その捩った先までもが狙われる。


「本当に、綺麗だ……」

「んっ、あぁっ!?」


そして雨は、ゆるりと下へ下へと。
純白のドレスから覗く、むき出しの肩へと辿りついた。
今度はさらにさらに強く。舌先で撫ぜてやりながら強く吸い付く。


ドレスに負けぬ白く穢れの無い場所に、紅い華が咲いた。



710 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:53:56.98 ID:oWRLwf0g0


「あっ……駄目、です……痕が、のこ……あ、やぁ……!?」


細やかな抗議を無視して、肩口に続いて今度は胸元に紅い華。

以前、浴場で抑えきれなくなったこの主従はその時もこうして痕を残す真似をしていた。
あの時はまだ、その時では無かった。誰かに気がつかれることもなかった。二人だけの、秘密の刻印。
式を決めてからは、当然に自重した。
清廉な花嫁の装束とはいえ、肩や胸元などは肌が露わになっているからだ。
刻印も、鍛錬の傷も見せるわけはいかない。
互いに抑えて抑えて過ごしてきた。


「……残す、刻む。エリスは、俺だけのものだ……」

「あっ、ふぁっ、ああぁぁっ……!」


だがこうして夫婦の契りを交わした今ならば、もうその必要もない。
遠慮なく、愛と独占の誓いの証を印すことができる。

唇が吸いつき、離れる度にエリスの身体はぴくりと反応する。
彼女はもう細やかな抵抗すらしない。
先程の抵抗も口だけのもの。エリス自身、主君から賜るこの所有者の刻印は気に入っているのだから。


「絶対に、離さない……」

「はい……」


いくつも刻まれた紅い印。
それでもまだ足りないと、再び互いの舌が絡み合う。
己の舌を吸われれば、吸い返し。
また吸いかえされたなら、こちらも負けじと。
流石にここに痕は残せないが、それでも二人はお互いの唇を貪り合う。

息苦しささえ覚えてしまうほどの、濃密な口づけ。
どんどんと身体は熱を持ち、欲望を滾らせる。
式の誓いだけではまだ足りない。
この繋がりこそが、何よりも雄弁に物語る二人の誓い。
揺るがぬ愛の誓いだ。


「はふぅ……アベルさま……」

「蕩けた顔も素敵だぞ、エリス」


つぅっと繋がる唾液さえも、アベルは舌先で全て掬い取る。
この素晴らしき花嫁を穢したくもあり、穢したくもない。
相反する感情に挟まれながらも、その手が止まることはなかった。


「あっ、やぁ……」


未だ余韻で蕩けていたエリスが、短い悲鳴をあげる。




711 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:54:24.08 ID:oWRLwf0g0


アベルの手は、ゆっくりとだが純白の布地の上からエリスの胸を愛撫し始めていた。
折角のドレスに余計な傷みが入らないように……
そして愛しい人を焦らす為に、本当にやんわりとした手つきで。


「エリス、気持ちいいか?」

「ふっ……んっ、くすぐ、ったいです……!」


僅かに左右に振られる首。
あえて焦らしているのだから、当然即座に快楽を得ることはできない。
それをわかっていながらの、あえての問いかけ。
短く、そうかと返しても動きは変わらず。
おそらく胸の頂があるであろう場所を探り当てても、指先でほんの少しだけひっかく程度。
確かに刺激は与えられるが、微々たるものに過ぎない。


「やっ、んぁぁ……! アベル、様……どう、してぇ……!?」


少し明確な抗議の声。
だがそれにアベルは小さくくつくつと笑うのみ。


「可愛いぞ、エリス……」

「んっ!?」


布越しに先端を小さく虐めていた指は、不意に矛先を変える。
ドレスの胸元、申し訳程度に主張する谷間の間にそれは侵入した。
しかし最初こそ身体を反応させるも、それもまた快楽には程遠い。
せめて、差し込まれた指を動かしてくれたならば。


「アベルさまぁ……」


エリスの身体はふるふると震え、瞳の潤みが増してくる。
あからさまに焦らされている。それは未だ知識が完璧とはいえない彼女でもわかることだった。
このままでは、はしたなくもっと縋ってしまうかもしれない。
現に、自分でもどこから出しているのかわからない程に媚びた声が出ている。

そして、主はそれこそを望んでいるのだということも、理解できてしまった。

緩い愛撫により、エリスの芯は甘く疼いている。
これから、どうなるのか。
孕まされるまでに、何をされるのか。
無知ではなくなったが故に、女の情欲が燃える。
激しい口付けが、それに反するような愛撫が、自分の肌に熱をもたらし昂ぶらせていく。
もっともっとと、理性が焼かれ焦がされていく。

それでも、生まれつきか。あるいは聖国のドレスに身を包んでいるからだろうか。
幾度肌を重ねようとも、エリスは羞恥の感情を忘れない。
度を越えた愛の形を理解こそすれ、真似をすることはできない。
清く正しく、自分はただ愛する人と共に在れればそれが一番幸せ。
それが、エリスという少女であった。


「エリス――どうしてほしいのか、言ってごらん……?」

「っぁ……」


耳元で囁かれ、ぞくりと身体が震えあがる。
ああ、やはりそういうことなのか。

結婚した夫婦とは、互いを想いあう存在。そして支え合い、分かち合う存在。


――欲望も、互いでぶつけ合わなければならない――


712 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:54:55.98 ID:oWRLwf0g0


改めて口にするのは恥ずかしい、はしたないという思いが無いわけではない。
しかし彼が望んでいるのは、正直な自分の気持ちの吐露だ。

上質な生地と共に、胸がそっと撫ぜられる。
これでは、足りない。お互いに。
答えを待つアベルも表情は余裕を見せているが、呼吸の乱れまでは隠しきれていない。
本当は、孕ませる為により激しく責めたいのだろう。
だがそれでは駄目だ。
夫婦として、エリスからも己を求める言葉を聞かねば。
孕ませる了承は得たが、まだそれだけだ。
彼女自身の気持ちを、欲望を、曝け出して欲しい。


「……っ……」

「ん?」

「……もっと、触れて欲しいです……」

「ドレス越しじゃなくて、私の身体に直接、アベル様の手で……っ」


耳まで紅くしながら、しかしエリスはやがてしっかりとその言葉を告げる。
相手が望んだからではなく、自分も望んでいる。
対等な関係の確認のためにも、必要な言葉だ。


「ああ」

「んぅ……」


薄い笑みを浮かべたアベルは満足気に頷くと、その手をエリスの背中へと回す。
愛用のメイド服と比べれば、背中の露出の激しいドレスだ。
指先が軽く素肌に触れるだけで、エリスは甘い声が漏れてしまう。
まだまだ、これからより激しくなるのだとわかっていても。


「エリス、折角だが脱がしていくぞ?」

「は、はい」


花嫁の身を彩る純白の装束が、後ろ手で緩められる。
一気に脱がされることはない。惜しむように、ゆっくりと。
壊れ物を扱うように、丁寧に。


(これは、なんとも言えんな……)


そしてアベルは、気付かれないように小さく喉を鳴らした。
今まで幾度もエリスの服を脱がせてきたものの、今日ほど興奮を覚えたのは初めてかもしれない。
無垢な花嫁のドレスを、時間をかけて剥ぎ取っていく……
これから自分の色に染め上げていくのだという、倒錯的な欲望。
それをより強く実感できるからだろうか。

背中が緩められれば、必然的に胸元も緩んでいく。
やがてはらりと、花嫁を守る壁の一つは力なくはだけてみせた。


713 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:55:26.46 ID:oWRLwf0g0


ドレスの下には、やはり清楚な純白のビスチェ。
普段の下着とは異なる、細やかな刺繍の刻まれたものだ。
このままこの姿のエリスを眺めつづけるのも悪くないと思えてしまうほどに、これも彼女によく似合う。


「あっ、アベル様……」

「わかっているよ、エリス」


だが、少し虐めが過ぎたか。
お互いの身体は熱を持ち、下半身は早く早くと疼きを訴えてくる。
力任せにしてしまわないよう、細心の注意を払って美しい下着も押し下げられていく。


「んっ、ぁっ……」


純白から肌の色が覗き、続けて鮮やかな蕾が顔を見せる。
ゆっくりと下げられた下着はその先端に少しだけひっかかった後に、あえなく陥落。
少し勢いよく、ふるりと慎ましいながらも美しい乳房が曝け出された。


「エリス……本当に君は、どこもかしこも綺麗だ」

「アベル様、恥ずかし……あっ、やっ……んぅぅっ!?」


アベルは躊躇うことなく、形の整った綺麗な胸を直接愛撫する。
両の手で優しく揉み回し、舌先で乳首を嬲り、わざとらしく音をたてて吸い上げる。


「んぁ、はぁ……ふっ、ん……アベル、さま……んいっ!?」


潤んだ瞳も、甘い吐息も、恥ずかしげに捩られる身体も……
何もかもが愛おしく、アベルは責めを緩めることなく胸全体を口に含んだかと思えば、軽く歯を立てる。
少し強めの刺激に驚いたようではあるが、その声もすぐに甘いものへと変わっていく。

愛おしい、大切な少女。
それが今日は、いつも以上に愛おしく……そして淫らに見える。
清楚なドレスを完全には崩さず、しかし魅惑的な胸を晒して顔も蕩けているせいだろうか。
普段肌を重ねる以上に、どこか陶酔しかねない魔力がこのドレスには宿っているとでもいうのか。


「はぁっ……あっ、アベル様、わたし……」


そしてそれは花嫁のエリスも同じこと。
少し憧れをおぼえてしまった、聖国の純白のドレス。
こんな淫らな行為に耽る為に用意されたものではなく、頭のどこかで後ろめたさが生まれる。
しかしそれ以上に、だからこそより深く深く、愛の沼に嵌まれるのではにかという期待感も生まれてしまう。
純白のドレスは、何物にも染まっていないことの証明。
愛する人に、あなたの色に染め上げて欲しいという意味があるということは学んでいた。


(アベル様の、色……)


愛する彼の色は、純白の対極に位置する漆黒。
子供の頃から、彼の色が大好きだった。
激化する戦いに備え編み出した己の魔法剣も、無意識の内に彼の色合いを真似ていた。

冷酷な仮面を被る、黒衣の青年。
しかし少女にとっては、たとえ黒くともその存在は煌めいて見えた。


(アベル様色になってしまうには、どれだけ染め上げられるのでしょうか……?)


純白が、漆黒に。
灰色では済まない程に染め上げられる――愛されるなら。
自分は果たしてどうなってしまうのだろう……?

胸を弄られながら、その身体はさらなる興奮を抑えることはできなかった。



714 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:55:56.85 ID:oWRLwf0g0


「アベル、さまぁ……」


ぞくりと身体を駆け抜ける、更なる深みへの期待感と興奮。
変わらず胸を捏ねくり回す主人へ、哀願のような声が漏れた。


「っと、すまないな。痛かったか?」

「い、いえ。気持ち、いいです……」

「そうか。それならこのまま……じゅっ、んぷ……!」

「んぅぅっ!? やぁ、違うんですぅ……!?」


既に散々弄られた乳首は淫らに色づき、ぴんと主張をしている。
そこを再度強く吸われれば、当然にエリスの身体は跳ね上がった。
偽りの無い、確かな快楽を感じている。
それでも、他ならぬエリス自身が気がついていた。

自分の身体は、もっともっと強い刺激を欲している。
まだ暴かれていない、この純白のドレスの下で悶えている秘所。
羞恥の感情は強い。それ以上に自分は求めてしまっている。

この疼きを、止めて欲しい。

もう、待ちきれない。

もうとろとろと蜜を垂れ流している、はしたない自分を……

この身体を、満たして欲しい。

奥の奥まで染め上げて。



――孕ませて欲しい。




「アベルさま……もうっ……」


準備はできています。その言葉は、どうしても恥ずかしくて口から出てこない。


「ふっ……」


しかし、顔を更に紅くして懇願の眼差しを寄越すだけの愛しい人の想いに、夫は短く笑って応える。
まだまだ彼女が恥ずかしがり屋であるということは、重々承知している。
本人の口から直接聞きたい気持ちも無くはないが、虐め過ぎて泣かせてしまうのもいただけない。
何より、我慢の限界なのは自分もなのだから。


「まったく、俺の花嫁は随分といやらしい子だな?」


口ではそう言いつつも、アベルは少し困ったような笑みを浮かべていた。
彼とて、自覚はある。
まさしくこのドレスと同じ純白とも言えた少女を、こうも変えてしまったのは……
間違いなく、自分の欲望を抑えきれなかったせいなのだから。


(ああ、俺はどこまでも卑しいんだろう)



そしてそんな少女を、これから更に堕とそうとさえ思ってしまっているのだから。


715 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:56:38.98 ID:oWRLwf0g0


「あっ……」


お望み通り、名残惜しげに口が双丘から離れていく。
そして両の手は、白いドレスの内側にするりと潜り込んでいた。


「ド、ドレス、脱がないと……!?」

「いや、もう少し。もう少しだけ待ってくれエリス」


慌てふためく少女の静止は、あっさりと止められた。
するりと内腿を撫でながらアベル自身も聖域へと乗り込まんとする。


「ア、アベル様っ!? そこはっ……」


より強い静止もやはり無視され、エリスの顔は羞恥に染まりきる。
主人の黒髪の一切が視界から消えた。
どこにと言えば、考えるまでも無い。自分の着ているドレスの内側だ。
優しく手で撫ぜられる内腿と、時折触れる髪の毛が実にこそばゆい。
だが今はそれを気にしている余裕も無かった。


「い、いけませんっ……んぅぅ!?」


広げられた脚を閉じようとするが、それをするとアベルの頭を挟むこととなってしまう。
心底恥ずかしく、本来であれば両脚でもって対象の頭蓋を締め付けるくらいはしたかもしれない。
だが悲しいかな。純白のドレスに護られていた聖域に踏み込んできたのは、この世で最も愛する人なのだ。
抵抗は弱弱しく、為すがままにされてしまった。


「ああ、エリス……こんなに濡れて、ドレスの中はエリスの匂いで一杯だぞ?」

「やぁ……言わないでください……!」


見えていないとわかっていても、エリスは小さくいやいやと首を横に振る。
恥ずかしい報告など聞かずとも、自分が今どれだけ期待して蜜を零しているかなど理解している。
上品な純白の下着も既に多量の愛液を啜り、薄く透き通って内側が見えてしまうほど。
その中心が指で押された瞬間、確かな水音と押し殺した嬌声が部屋に響き渡る。


「ふぁ……! アベルさまぁ……!」


エリスは堪らず身を捩るが、しかし熱い視線は潜り込んだ主人へと向けられる。
翠の中には隠しきれない期待と欲望の色が浮かんでいた。
不意に秘所に感じる解放感、見ずとも彼が下着を抜き取ったのだということがわかる。
いよいよなのだと、固唾を呑み……



「ひあうぅぅっ!?」



その瞬間に、悲鳴と共にエリスの身体は大きく跳ねあがった。
予測した、期待した刺激とはまるで違うものが襲ってきたためだ。


716 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:57:21.59 ID:oWRLwf0g0


「ちょ、ちょっと、アベル様……!?」

「なに、熱そうだったから少し冷ましてやろうと思ってな?」


エリスが驚くのも無理はない。
期待に濡れそぼった秘所、そして可愛らしい肉芽に対してアベルは息を吹きかけたのだ。
それも、自身の氷の魔力を操作した少しひんやりとしたものを。


「それ、だめです……んっ、んうぅぅ……!?」


ここにきて、まだお預けをされ。
しかし敏感な場所に感じたことのない刺激を受けてエリスはひたすらに悶え続ける。
脚を閉じようにも、いつの間にか両膝を押さえつけられていてそれもできない。


「やぁ……アベル様ぁ……!」


なんとか起き上がり抗議をしたいが、ぞわりとする刺激を受け続け思うようにいかない。
どろどろのぐずぐず、どうしようもないくらいに蕩けきり熱を持っているのがわかる。
はやく、はやく……いつまで我慢をすればいいのだろう?


(切ない、よぉ……)


お腹の奥がきゅうっとなるような感覚。
頭が、身体が。何もかもを忘れ去って、ただただ愛しい人と繋がりたいと叫び続ける。
羞恥心は、どこかへと置き去りにされていた。


「んじゅっ……」

「んああああぁぁぁっ!?」


そんな時、冷風に焦らされ続けた秘所に突然舌が這わされ、強く舐めあげられる。
不意の一撃、そして冷やされたせいか余計に熱く感じる舌の感触にエリスは思わず軽く達してしまう。
思わず口元を手で覆い隠すが、もう声は抑えきれなかった。

じゅるじゅると、大仰にいやらしい音を響かせながらアベルの愛撫は止むことは無い。
伸ばされた舌は肉をかき分け、奥へと潜り込んで無遠慮に蠢く。
ようやく求めていた刺激を受け、止め処なく溢れ出る愛液。
次々に溢れだすそれを、彼は飽きることなく啜り続けた。

純白の花嫁装束の中、聖域内で堪能する淫猥な光景と甘露はアベルにもいつも以上の劣情をもたらしていた。
口では愛する少女より優位に立っている風を装っているが、彼とて状況は似たようなもの。
すでに己の下着は先走りでぬめりきり、とうに使い物にはならなくなっているが、それはひた隠す。

舐め啜るたびに、いつまでも初心な反応をしてくれる少女の反応をまだまだ楽しみたい。
そして……



より深く――これまで以上に、その身体に愛を刻み込みたい故に。


「んぅ! あ、ああぅっ……! やぁ!? ふあっ! あぁっ……ぁはっ……っ」


ただでさえ蕩けきった場所を念入りに解され、エリスはもう声を抑えることも身体に力を込めることもできなくなっていた。
くたりとした肢体、霞がかかったようにぼんやりとする頭。
荒い息の中に感じる、確かな甘さ。
もう、お互いの準備は完全に出来上がっているだろうと言える状況。
それでも、まだアベルは動かない。
いつのまにかエリスがドレスの裾を掴み持ち上げ、より乱れる準備を無意識にしていたとしても。


彼女の全てを愛するために、もう少し――手を出しておきたいところがある。


717 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:58:11.06 ID:oWRLwf0g0
「ん、あ……ひゃんっ!?」


蕩けきった状態から、一気に覚醒状態へ。
今、自分は何をされたのか?
それを理解するのには少しだけ時間を要した。


「アベル様、そこは……」


エリスは小さく首をふるふると振る。
ああどうしてこの人はこうも意地悪をするのだろう。
とっくに準備ができて、もう待ち焦がれているのに。
未だ前には指も触れず、よりよって後ろを責めてくるなんて。


「前に言っただろう? いつか、こちらも楽しみにしていると」


少しだけ恨めしげな視線を浴びつつ、アベルは小さく笑いながら指を動かす。
男を惑わす蜜壺よりも下、柔らかな尻肉の奥には可愛らしい穴が隠れていた。
アベルがそっと触れたのは、本来であれば生殖行為には一切使わない場所だ。


「ひぅ……んん……!?」


アベルの指は溢れ出る愛液ですぐさまに粘り、図らずも丁度良い潤滑油代わりになっている。
その状態でエリスの肛門の周りを優しく撫ぜる。
こそばゆさに加えて、排泄の為の穴に触れられているという羞恥にエリスは身を硬くする。
しかしその反応にアベルは違和感を覚えた。
何度かたまたま触れてしまった時は、もう少し良い反応が返ってきた筈だ。これは……


「不意を突いたつもりだったんだが……エリス、俺がこうするとわかって――備えていたな?」

「っ!!」


ぴくりと身体が反応を示す。言葉よりもわかりやすい肯定だ。
事実、エリスは以前のアベルの言葉からいつの日かこういうことをされる覚悟は決めていた。
そして幸か不幸か、身近に後ろの穴を既にメイド長に弄り倒されている竜の力を持つ少女もいる。
全ては主人の為に。如何なることにもその信念で突き進み、彼女は成長してきた。
たとえそれが、自身の理解の範疇を逸脱したものであっても、その知識を取り込んできたのだ。


「そ、その……スミレさんから、少し教わって……」

「ほう?」



「ア、アベル様も以前に私のお尻を触られていたので……ちゃ、ちゃんと清めてありますからご安心下さいっ!!!」



半ばやけになった様子で、しかしはっきりと真っ赤な顔でエリスはその事実を伝える。
このドレスを着る際に、一際念入りにいつも以上に身体を清めてはいたが、それは後ろの穴とて例外ではない。
友人からの指導を受け、こうなることも想定されていたのか滑りをよくする為の油まで貰っていた程だ。
さらには恥ずかしいけれど、少しだけ自分で……弄ってみたりもした。
とても正直には話せる内容では無く、エリスはただ黙ってアベルに身体を任せるのみ。


(でも、よかった。これでアベル様も……)




「――そうか。なら、俺も遠慮はしなくていいんだなエリス?」

「っ!?」


718 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:58:49.57 ID:oWRLwf0g0


一瞬感じたのは、開いてはいけない扉を開いてしまったのだという――恐怖。



「ん、んあああああああぅっっ!?」


それはすぐさま――快感で塗り潰された。


「え……ぁ……!?」

「ふふ、思った通り……いい声だ、エリス」


とても自分の口から出たとは思えないような大きくはしたない声。
手で口元を強く押さえても、もう声を出してしまったという事実が消えることも無い。
耳元で囁かれる主人の言葉にさえ、混乱してしまう。


(うそ……今、私のお尻……)


なんのことはない筈だ。指の本当に先端が門を潜り抜けただけ。
自分でも、なんとかそこまではやってみせた筈なのに。
その時とは比べものにならない快感が、エリスの全身を襲っていた。


「ぁっ……ま、待ってアベル様……ちゃんと、頂いた油がぁっ……はぅ……っ!?」

「安心しろエリス。俺もああして用意はしてある。まぁ……この溢れるエリスの蜜のおかげでそれも不要そうだがな?」


ちらりと目だけで小瓶の存在を報せはするが、アベルがそれに手を伸ばすことは無い。
彼の言葉通り、そんなものを使わずとも自前の愛液だけで十分に滑りはよくなっているようだ。
しかも、次から次へと湧き出てくる。小瓶の容量よりもきっと多いことだろう。
突き付けられた現実にエリスは顔を背けたくなるが、それも叶わない。
ゆっくりと、しかし絶え間なくつぽつぽと尻穴を刺激してくる指の感触に、全神経が集中してしまう。
何度も出し入れをされた影響なのか、気がつけば指は更に奥へと入り込んできていた。


「だ、めぇ……指、抜いてくださ……あっ……」

「ん? そうか。それじゃあ抜くぞ?」


存外素直に、アベルは肛門からゆっくりと指を引き抜いていく。
本当に、ゆっくりと。


「あっ!? あっ、あっ、あぁっ……んっ、駄目ぇっ……!?」


しかしそれは、エリスの新たな快楽の引き金となった。
指の圧迫感に混じって感じていた、もどかしさ。
ゆるゆると与えられていた腸内への刺激。
通常ならありえない、侵入し蠢いてくる異物。
そして、それの排泄に伴う解放感。


「あっ――ぃ――!?」


アベルの指がちゅぽっと音を立てて全て引き抜かれると同時、エリスの身体は大きく跳ねた。
全身の力が抜けた様子で、荒い息を吐き出す彼女のその様子は……
紛れも無く、少なからぬ快楽を受け取ったことの証明でもあった。



719 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:59:21.35 ID:oWRLwf0g0


「はぁっ……ぁ……い、今のは……」

「どうだったエリス? 次はもう少し奥まで行ってみようか?」

「えっ!?」


そんなエリスの後ろの穴に、休む間もなくアベルの指が再び挿入される。
先程よりも滑らかに動くそれは、一気に前回よりも奥地へと到達してみせた。


「あ、ふっ、はぐぅ……!?」


さっきよりも、太くて長い。

エリスは異物が変わったことを、腸壁で敏感に感じ取ると同時に悟った。
自分の時と、どうしてもこうも状況が異なるのか。
答えは実に単純なものであり、エリスとアベルとでは指の大きさが異なるからだ。
双剣を振るい勇猛に戦うエリスも、こうして寝台に寝かされている様はどこからどうみても華奢な少女でしかない。
たゆまぬ鍛錬を積んでなお、その指は白く細く滑らかで少女らしい。無骨なアベルの指とは大違いだ。
おそらくは、先程の指はあれでも小指だったのだろう。
では、この指はどれだろう?


「ん゛っ!? ひ、ぁ……ふ、うぅぅ……!?」


それを考えるよりも先に、エリスの思考が再び快楽で塗り潰される。
今、弄られているのは後ろの方だというのに。
前の方から、切ないほどに愛液が撒き散らされる。


「どうだ、エリス。今、こちらからお前の子宮に触れているぞ?」

「ぁひっ!? しょん、な……ふああぁぁあぁっ!?」

「これから、ここを一杯にしてやる。俺が、エリスを孕ませるんだ」

「んひぃ……!? っは……アベルしゃま……これ、らめぇ……!?」


アベルの言葉通り、エリスの腸壁越しに彼は子宮を優しく叩いていた。
指の腹で、撫でていると言った方が正しいか。
とても緩やかな、間接的な愛撫。


「ひっ、ふぁっあ……はう゛ぅぅ!? どうして、らめなの、らめなのに……きちゃ、うぅぅぅ……!?」


前は弄られていない。だというのに、お腹の奥底が疼いて仕方がない。
壁越しに大切な場所を撫でられている。本来の用途ではない場所に指を入れられて。
こんなのはおかしいと、エリスは襲い来る快楽を否定しようとする。
しかし否定しようすればするほど、その場所に意識が向いてしまう。
こりゅこりゅと腸と子宮を刺激する指の感触が、もう頭に焼き付いて離れない。


「やら、やれす、きちゃ、あっ……!?」


「んっ、イっ――〜〜〜っ!!??」


そして、アベルの指が曲げられ、再び子宮を刺激されたその瞬間。
エリスは、前や胸を刺激されていないというのについに達してしまう。
取り繕うにも、噛み殺したかのような嬌声は聞かれてしまっている。
そしてきつく締まった肛門は、直接彼に絶頂の報せを送っていることだろう。


(そん、な……私、お尻でぇ……)


興味が全くなかった……そう言えば、嘘になってしまう。
だがしかし、初めての後ろでの絶頂は、エリスに並々ならぬ衝撃と快楽をもたらした。


720 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:59:57.45 ID:oWRLwf0g0


「アベル、様……今のは……っ」

「ふふ、やはりエリスはこちらが弱いみたいだな?」


なんとか顔だけ起こして見れば、アベルは口の端を少しだけ吊り上げていた。
彼の腕から滴り落ちる雫を見れば、自分が改めて尻穴で絶頂を迎えてしまったのだと見せつけられるようだ。
今のは、たまたま。
そう言い逃れしたかったエリスではあるが……


「だが、俺もそろそろ限界なんだ。こちらはまた今度、ゆっくりと……」

「んにぃぃっ!?」

「おっと」


仕舞いだと言わんばかりに、指が再び引き抜かれる。
その瞬間にエリスの身体も再び跳ね、漏れ出る嬌声も抑えることができなかった。
挿れられ、抜かれ、そのどちらもが違う種類の快楽をもたらす。
この有様では、もう言い逃れもできないだろう。


「ふふ、可愛いぞエリス」

「やらぁ……これ……」


ばれている。お尻の穴で気持ちよくなってしまったことが。
教わる時に、癖にならないように気をつけてくださいと忠告は受けていたがもう手遅れかもしれない。
結婚を経て、一つの障壁を乗り越えたはいいが違う壁も乗り越えてしまったのだろうか。
口では嫌がりつつ、自分の肛門が切なげにひくついてしまっていることを、エリスは自覚していた。


「……もう少し、解しておくか?」

「え? やぁ、だめ、だめです……!? やめ……あっ!? んふぅんんんんんっ―――っ!?」


そして、気が変わったのかアベルの指は三度エリスの菊穴を穿つ。
さんざんに弄られたせいか、エリスの身体の強張りもなくなりそれはぬぷぬぷと奥まで呑みこまれていく。
さらにはもう片方の手はは焦らされた前へと伸び、二本の指が蜜壺に挿されて掻き回す。
とどめだと言わんばかりに、充血し膨らんだ豆が思いきり吸い上げられた瞬間、エリスの身体は今日一番の反応を示した。
背を仰け反らせ、浮き上がった身体は意思とは無関係にがくがくと震える。
ぐちょぐちょと掻き回される膣からは止め処なく愛液が幾度も撒き散らされ、肛門は指を咥えこんで離そうとしない。
強烈な快楽。少女の身には余るほどだが、そこに苦しみはなかった。


「ひどいです、アベルさま……」


しばらく余韻でくたりとしていたエリスだが、身体を起き上がらせるなり少しだけ口を尖らせる。
虐めぬいた少女の股から顔を上げたアベルと目が合うと、そのまま口づけをして抱きついて見せる。
紅に染まりきったその顔には、幸福と情欲に満たされた蕩けた笑顔しか浮かんでいなかった。


「私ばっかり、気持ちよくなるだなんて……駄目です、そんなの……」

「――ふ、夫婦ならっ、アベル様と、一緒に……気持ちよく、なりたいです……!」

「っ……そうだな」


身体を擦りつけるように甘えてくるエリスに、いよいよアベルも自分の限界を悟る。
自分でもできる限り、これから長い一夜になっても大丈夫なようにといつも以上にエリスの身体を昂ぶらせてきたつもりだ。
もう少しとも思ったが、こんな可愛らしい顔を見てしまってはもう駄目だ。
ゆっくりと口づけを落とすと同時に、互いは強く抱きしめ合う。

二人を遮るものは、もう何もない。


721 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:01:08.80 ID:oWRLwf0g0


……


純白のドレスは胸元を曝け出し、優雅なスカートはたくし上げられてその機能を果たしていない。
清純とは真逆、淫らな格好となってしまった花嫁。
しかし向かい合う夫婦の顔には、笑みが浮かんでいた。


「エリス……挿れるぞ?」

「は、はい」


エリスのお腹の上に、ぴとぴとと猛り狂ったアベルの肉棒が当てられる。
まさにはち切れんばかりであり、こんな状態でも確認を取ったのはアベルの優しさか。


(こ、これからあれに、アベル様に、赤ちゃんを……)


孕ませる。その意思の象徴のような姿に、エリスは覚悟を決める。
愛する人が、自分の他に誰かを何人愛していようとも構わない。
だけれども、メイドの身分でありながら欲深くなった自分にも、譲れないものはできていた。
誰よりも先に、愛する人の赤ちゃんを産みたい……家族の時間を過ごしたい。
それは、幼くして過酷な運命を背負った少女の心からの願いだった。


「エリス……」


横たわるエリスの脚が開かれ、アベルはより密着した姿勢となる。
そしてどちらからともなく両手を重ねあわせると、彼女の顔の両側へと持っていかれる。
自然と合わさる、二人の視線。


「アベル様……きて、ください……♪」

「ッ……エリス!」


潤んだ瞳で見つめるエリスに頷き――アベルはそのまま一気に最奥までを貫く。



「っあああぁぁぁあああぁぁっ――!? ぁ……ふぁ、ぁ、ぁあっ……!」


エリスの身体が幾度目かわからない程に跳ね、ふるふると震える。
膣内も挿入と同時にきつく締め付けたかと思えば、すぐに緩めてみせた。
まだかまだかと待ち望んでいたエリスの身体は、挿入だけでも軽く達してしまったようだ。


「っぁ……もうしわけ、……っまた、私だけ……」

「まだだ。まだ夜は始まったばかりだぞエリス?」


またしてもアベルよりも先に気持ちよくなってしまったことに罪悪感を覚えるエリス。
しかしアベルは気にした素振りも見せず、優しいキスをして慰める。
そう。一度や二度の絶頂程度は誤差の範囲。
これからまだまだずっと可愛がるのだから。
にやりと笑うアベルは、ゆっくりと腰を動かし始めた。


「ひぁっ! ふぅっ……ぁぁん、あぅ! あっ……気持ち、いい……♪」


熱く柔らかいエリスの内側は、きゅうきゅうとアベルを締め付けながら絡みつく。
それも当然にアベルを昂ぶらせるが、それ以上にエリスの表情と声が大きい。
内だけでなく外からも、男を悦ばせる。


722 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:01:48.31 ID:oWRLwf0g0


「アベルさまぁ……いい、の……! もっと……っぁ……もっと……!」


努力家で、純真で、一切の穢れを知らなかったエリス。
そんな彼女がこうして自分の下で乱れて、もっともっとと自分を欲している。
純白のドレスを纏った美しいこの少女を、自分の手で染め上げているというこの背徳感。
そして、紛れも無く彼女は――自分だけのものなのだという、至高の悦び。


「エリス、エリス……っ!」

「んぁ……! アベルさま、アベルさまぁ……!」


腰が止まらない。
このまま、いつまでも繋がっていたい。
独占欲が意外と強いことを、アベルは自覚している。
誰にも渡す気はない。
愛する少女に、最後の愛の証を刻み込まねば。
誰よりも先に、愛の結晶を。それは彼女も強く望んでいることなのだから。


「アベルさま、だいすきです……! アベルさまのあかちゃん、ほしいの……!」

「ああ……俺もだ……!」


緩急をつけて動かされる身体。下半身の水音だけでなく、お互いの口からも水音は止まらない。
飽きもせぬ甘い口付け。上も下も、繋ぎ合った両手も離れることはない。
お互いの身体を、お互いに知り尽くす。
ただの主従から夫婦となる二人は、より相手を知ろうとさらに繋がりを深め続ける。


「あぁぁっ! んぅ、はぁ……っ! ふあっ、あぁぁっ! んあああああぁぁぁっ!」


握られた手の力が、強くなる。
声もより艶めき、エリスも無意識の内に腰が動き出して締め付けも強くなっていく。
やはり先に限界を迎えるのは彼女の方か。察したアベルも動きを速め、より激しく膣内を抉りこむ。




「ひっ、あ……らめ、またい、イッ……っぁ―――――!?」

「く……! まずは一発目だ……! 出すぞエリスっ! 俺の子を……孕めっ!!!」

「あ゛っ、イ……んぅぅぅぅ―――〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」




繋いだ手は離さないまま、エリスの身体が大きく張りつめる。
同時にぎゅっと収縮してみせたエリスの膣内に、アベルは言葉通りに無遠慮な焼けるような精液を流し込んだ。
すでに達していたエリスにとっては追い討ちとなるようなものであり、彼女の痙攣はしばらく続いた。
お互いが達し、これほどの量の精液を注いだのだ。
本来であればここで終わるだろうが、今日は何よりも特別な日だということはお互いがわかっている。
荒い呼吸を少し整えると、二人はどちらからともなく口付け、舌を絡ませあってお互いを確認し合う。


「お腹に、アベル様がとぷとぷ入ってきているのがわかります……赤ちゃん、できたかな……?」

「……わからないな」

未だぴくりと反応するエリスの頭や身体が、優しく撫でられる。
大切な少女を慈しみ――再度、高みへと引き上げる細やかな愛撫。


「んっ!? あ……また、大きく……」

「まだ、わからない。エリスの中を満たすまでは……な?」


アベルの言葉に、再び顔の熱を自覚するエリス。
しかしそれを断る道理も無く、恥ずかしげに目を反らしつつもこくりと首を縦に振った。
その様子を満足そうに見つめると、アベルは手を彼女の後ろにまわし抱きしめながら再びキスをする。


723 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:02:20.40 ID:oWRLwf0g0


「んむ……アベル様……」


ただ唇を重ね、舌を絡め合う。
これだけの行為だというのに、どうしてこうも安心し、そして色々と期待してしまうのか?
それはわからないが、エリスは夢見心地だった。
愛する人と上も下も繋がり、こうして抱きしめられる。
これ以上の幸福が、この世に存在するのだろうか?


「あかちゃん……」


いや、存在するからこそ、今宵はまだまだ続くのだ。


「ああ、エリスの子ならきっと可愛い子だろうな」

「あ、ふあああぁぁ!?」


そしてとろんとした心地よさは再び淫らなものへと変わっていく。
繋がったまま上体を抱き起され、その際に膣内も掻き乱されたのだ。
アベルのものは一度出した後だと言うのに、先程よりも固く主張している。


「あっ……ん……」


思わず漏れた嬌声は再びキスで塞がれ、エリスもそれに応えつつ身体を動かす。
さっきよりも、より深く。抱き合いながらお互いが触れ合える、対面座位。


「んむ……ちゅ……んっ!? ふきゅっ!? ふっ、ああ、んあああああんっ!?」

「言った筈だ……そう簡単に、眠らせない……終わらせない!」


ゆったりと舌を絡め合っている最中、突然アベルの腰が激しく打ち込まれる。
先程より深く……それは、体内の状況にも当てはまる。
最奥をとちゅりと突かれ、エリスは堪らず叫ぶと同時にアベルに抱き縋った。


「ひゃうっ!? らめ、れす……これ、らめ……!? ひあ、ああぅぅうああぁっ!?」


しかしそれでどうにか緩和できるということもなく。
先程よりもアベルの責めは苛烈となっていた。
抱きしめられていて、身体を捩らせ逃げることは叶わず。
綺麗な形の胸も胸板でぎゅうと押し潰され、腰の動きにあわせて擦れれば甘い痺れをもたらしてくる。
それだけでなく、まわされた両腕は時にエリスの身体を動かし、揺さぶってくる。
ただ下から突き上げるだけではない、異なる方向からの刺激に慣れる程の経験をエリスはまだ積んでいない。
瞬く間に、もう次の絶頂を迎えようとしていた。


「はぅ……! ま、ってアベルさま……! わたひ、まださっきのがぁ……きゃうぅぅっ!?」

「エリス……!」


容赦ない責めに、再びエリスの身体は達してしまう。
一緒にという想いからなのか、同時に中がより強く締め付けるが、アベルはこれを食いしばって耐え抜く。
そして耐えながらに、エリスへの責め手を緩めることもしなかった。


724 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:03:19.81 ID:oWRLwf0g0


「はぁっ……! らめ、らめなんれすアベルさまぁ……!?」


エリスは目で止まってくれと懇願する。
しかし彼女は気がついていない。
顔は蕩けきり歓喜に染まり――悦ぶ身体は子宮を降ろしているということに。


「ほら、エリス……わかるか? 今、俺のものが突いているのが」

「んひぃ……♪ らめぇ、これ、アベルさまにとんとんってぇ……♪」


元々体躯差がある二人だ。
かつてない快楽に身体が反応し、ここまで子宮が降りてくれば容易にそこを突くことができる。
少し激しさを控え、とはいえ突きだされる動きの度にエリスの身体はぞくりと反応を示す。
今、自分が小突かれている場所こそが、赤ちゃんの部屋なのだ。
そしてゆっくり動いている今でさえも、奥を叩かれているということがわかる。
扉を軽く叩く時のような、控えめなものでこの心地よさ。
もし、また激しく突かれたら、どうなってしまうのか?


「いひ……アベルさまの……♪」

「……まだだ」

「ひっ、ぐぅ!? そ、そっちはらめれすぅぅぅぅ……!?」


そう考えていた隙を突かれたのか、アベルは後ろの穴にまたしても指を滑り込ませた。
堪らずエリスは喘ぐと同時に、意識が飛びかねない程の刺激を受ける。
前戯の時とは違い、より激しく掻き回されていることも大きい。
しかしそれ以上に、今は既に前でアベルの逞しい一物を受け止めているのだ。
薄い肉壁越しに、二つの異物が擦れあう。


「あ゛っはぁ……ひぐ、はっ……おなか、くるしいのに……!?」

「すまないエリス。だが……こうするとどうだ?」

「ん゛っ!? んうう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」


ずぷりと、指が根本まで呑みこまれる。
そしてそれが蠢けば、降りた子宮がまたしても裏側から柔らかく愛撫される。
前後の穴から大切な場所を異なる刺激で弄ばれる、倒錯的な快楽。
恥じらい以上、抗い難い快楽の前に、エリスはただただアベルを抱きしめることしかできない。


「こりぇ、らめれふ……わたひ、おかひく……♪」

「エリス……愛しているよ」

「わ、わたひも、あべるひゃまとはなれたくないれす……♪」


呂律も怪しくなってきたが、それでもエリスはアベルに抱きつきながらキスをせがむ。
頭が真っ白になりそうではあるが、この上ない幸せ。
自分の心も身体も、悦んでいるのがわかる。
離れたくない。離したくない。
それを主張するように、エリスの前後の穴もアベルを捕えて離そうとはしなかった。


「ああ、俺も――絶対に離さない」


それに応えるように、アベルは力一杯エリスを抱きしめる。
そして――その勢いのまま、エリスの身体に腰を打ちつけた。


725 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:03:53.42 ID:oWRLwf0g0



「あ……♪」


びくりと、エリスの身体が反応する。
合わせるように、その口の端からはだらしなく涎が零れ落ちた。
今の一突きで、またイってしまった。
そしてきっとこの直後、またイってしまうのだと、彼女は本能で悟った。


「エリス……!」


ぐっとアベルの腰にも力が込められる。
膣内の奥の奥。本来は容易には届かない子宮も、待ち焦がれ降りてきている現状。
突かれる度に子宮口はくにゅくにゅとした奥底の感触をアベルに伝えてはいたが、彼はそこで止まることをしなかった。
前と後ろから可愛がり、愛する少女を快楽で染め上げた。
そして孕ませるという野望を為すために、その逃げ場の一切を塞いだのだ。
ぶちゅりと異なる感触、奥底のさらに奥。子宮内まで到達し、さらにその壁までをも貫いた。
既に先に注いだ精液が入ってはいるようだが、心もとない。
確実に、孕ませる。





「いくぞ……! 孕めっ! 孕めエリスっ……!!!」


「んああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!?」

「おくに、おくにアベルさまの、きてるぅぅぅ……!?」

「――アベルしゃまのあかちゃん、できちゃううぅぅぅぅ! ひ、あ、ふああああああぁぁぁぁぁぁ――〜〜〜〜〜〜っ!!!?」


エリスの両腕が、アベルから離れる。
奥底に直接注ぎ込まれる精の奔流の前に、絶叫に近い嬌声とともに幾度も身体を跳ねさせては抱きつく余裕も無い。


「ぐっ……!」


代わりに、尋常ではない射精を続けながらも食いしばったアベルが、その身体を離すまいと支えていた。
くたりと力なく倒れ込むエリスを抱きとめると、その身体を優しく横たえた。
正直な所、アベルはまだまだ出したりない思いがあった。
奥底に解き放ったが、果たしてこれでエリスは妊娠できたのだろうか?
しかしそれ以上に、やはり無茶をさせてしまったエリスが気がかりであった。


「大丈夫か、エリス?」


ゆっくりと引き抜けば、ごぽりと精液が溢れ出る。
我ながらとんでもない量を出したものだと思うが、それを受け止めてくれた彼女が愛おしい。
労うかのように頭を撫でて、汗で張り付いてしまった金の髪をやんわりとどけてあげる。


「……アベル様」


程なくして、エリスはぼんやりとしつつも、視線をアベルにあわせて少しだけ唇を突きだした。
彼女の願い通り、荒々しさは控えた優しく丁寧な口づけを贈れば、嬉しげに喉を鳴らした。
本当に、愛おしくてたまらない。
そう思うと再び下半身に熱が戻ってきたが、アベルも流石に控えるべきと――



「――今度は、私から……♪」



その言葉を聞いた瞬間、アベルの理性は完全に吹き飛んだ。


726 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:04:26.64 ID:oWRLwf0g0


……


「ん、あ、あっ……♪ いかが、ですか、アベルさま……♪」

「最高だよ、エリス……っ!」


その後も、二人はお互いを愛し続けた。
騎乗位でアベルの上に跨ったエリスが、自ら腰を落とすこともあった。


「ん、きゅっ、ふぁぁ……♪」

「ふふ、あまり無理はしなくていいぞエリス?」

「ん、でも……ふやぁ!?」

「――俺が突きあげたくなる気持ちを、抑えられないからな?」


そしてアベルも腰を突き動かし、下から幾度となくエリスの子宮を蹂躙する。
この時に放たれた欲望もまた、子宮をこじ開けての直接攻撃であった。



……


「ん……♪ また、後ろぉ……♪」

「……そんなに尻を振って俺を惑わさないでくれ」


「――我慢ができなくなる、だろっ!!!」


「んあああああぁぁぁっ!? お、おひりにあべるひゃまがぁ……♪」


幾度目かに体位を変え、本来はエリスの好みではない後背位となった時、二人はさらに一線を越えた。
ふるふると揺れるエリスの愛らしい桃尻を眺めているうちに、アベルは目的の一つを見失ったのだ。
後ろへの挿入では、子供は絶対に孕めない。それはわかっているのだが。
どうしたことか……いや、間違いなく自分が今日エリスの尻を弄り倒したことが原因ではあるのだが。


「ごりゅごりゅって、アベルひゃまがおひりぃ……♪」

「う、ぐ……! これは、また……!」


受け入れられるか少々不安な行為ではあったが、杞憂だったようだ。
自分が愛するエリスの全てを味わいたいと思ったように……
エリスも愛する人からの愛は全て受け入れたいと思ったのだろうか?
痛みもないのか、甘ったるい声で悦んでくれる少女の姿を見ていると、アベルももう止まれなかった。


「エリス、エリス……!」

「んふぇぇ……♪ これ、らめぇ……♪ らめなのに……おひりきもちいいよぉ……♪」


両者の間に、未知の快感が突き抜ける。
子供を作る為ではない、快楽を貪るだけの行為。
挿入する速度はゆったりとしたものだが、だからこそより長くそこにあるものを感じられる。
そして引き抜かれる度に、エリスの身体はびくびくと悦びに打ち震える。
お互いに言葉はないが、もうわかっていた。
純白の花嫁は、愛する黒い皇子の手で堕ちてしまったのだということを。
それを悔いも咎めもせず、二人は底なし沼のような快楽に身を委ねていく。

ただ、この愛し合いは一点だけ問題があった。

727 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:05:03.24 ID:oWRLwf0g0


「あ……」


短く、エリスの切なげな声が漏れる。
最早尻での絶頂に抵抗も薄くなってきた筈だが、アベルはその声を聞き逃さなかった。


「どうしたエリス? やはり苦しかったか……?」


顔を赤らめ、後ろからの快楽に身を捩らせるエリス。
しかし彼女は続けて口を開いた。


「お尻から圧迫されていたら、アベル様から頂いた赤ちゃんの素が……」


それを聞いてアベルもようやく合点がいった。
確かにたっぷりと子宮に注いだ精液が、時折外へと零れだしているではないか。
こんな行為をすれば当然の結果ではあるが、エリスの瞳は実に寂しげだ。


「だめ、戻さないと……アベル様との、赤ちゃんが……」


なんとか零れる精液を押し戻そうとするエリス。
しかし後ろから突かれ、体力を消耗している彼女は片手を自らの股に持っていくことも辛そうだ。
そしてそうしている最中にも、溢れだす愛液と混じって精液が外へと出てしまう。


「やぁ……」


哀しみさえも混じってきた声に、アベルはそっと後ろからエリスを抱きしめた。


「アベル、様……」

「……安心しろ、エリス」


そして彼は後ろから引き抜くと同時に、抱えたエリスの身体をひっくり返してみせた。


「んああぁぁ♪ ア、アベル様……?」


その瞬間にまた軽くイってしまったことを誤魔化す様に、突然体位を変えられたエリスはアベルの顔を見つめる。



「――零れた分だけ、また注いでやるからな」



「―――――〜〜〜〜〜〜っ♪」




耳元でそう囁かれた瞬間、エリスはその全身を震わせて悦びを表す。
そしてエリスの顔の横で、再び二人の手がどちらからともなく繋がれる。
これは、今日の最初の体位だ。


「さぁ、エリス。もう一度……」

「はい、アベル様……♪」


二人の夜は、まだまだ終わることはない……


……


――
728 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:06:42.40 ID:oWRLwf0g0
というわけで、アベルとエリスの結婚初夜でした。
まだこの後少しやりとりととある判定が残っていますが、それはまた明日に
長らく間が空いてしまい本当に申し訳ありませんでした
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 01:08:17.78 ID:gmP2IlAMO
おつおつ
お盆だししっかり休んでええんやで、この後もアーシャ・シスターズ・パトラ・ロウルと控えちゃってることだし
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/08/16(日) 01:24:43.31 ID:TNz92fB+0
乙です
これはまた力作……後ろ責めて前から逆流とか普通書けんぞ
待った甲斐があった……というかこのクオリティが
さらに続くとなると凄まじい……期待せざるを得ない
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 13:53:18.65 ID:oaA1TkC60
これは妊娠待った無しというか、第二子第三子も出来ちゃいますわぁ
初期レベル2でママンも匙投げたエリスがこんなにえっちぃ子に育つなんて……
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 21:17:22.64 ID:jyz3kqjgO
生クリームprprにお尻まで好きになっちゃうとか純情なのにエロいメイドとか最高かよ
733 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:26:18.93 ID:oWRLwf0g0
こんばんはー
それでは、イベント最後までと次の導入部まで投下できればと思います
734 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:26:47.81 ID:oWRLwf0g0
――




……


トチュ…トチュ…


エリス「ん、ふぅ……///」

エリス「んっ、んぅぅ〜〜っ!///」ビクンビクン!

エリス「ふぁ……///」クテ…


アベル「っ……」ヌポ…


トロォ…


エリス「あっ……お腹、もう一杯……///」ポッコリ…

エリス「アベル様で、一杯です……///」

アベル「流石に、やりすぎてしまった気もするが……///」ポリポリ…

アベル「エリス、大丈夫か?」

エリス「はい、私……とっても幸せです///」

エリス「赤ちゃん、できたかなぁ……///」

アベル「ああ。もし出来ていなくとも……また近いうちに、な」ナデ…

エリス「んぅっ!?」ビクン!

アベル「エリス!?」

エリス「あっ/// らめ、アベル様……お腹、撫でられたら……///」トロ…

アベル「……」ムラァ…

アベル「こうか、エリス?」ナデ…ナデ…

エリス「あっ、あっ、あふぅ……!?///」フルフル…

アベル「まだまだ、欲しいのかエリス……?」ギシ…

エリス「あっ……///」


アッ…


アァー…!



……

――
735 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:27:22.69 ID:oWRLwf0g0
――――
―――
――




エリス「ん、んぅ……?」ゴシ…

アベル「……おはよう、エリス」

エリス「ひゃ!?」

アベル「……すまない。俺も箍が外れたのか、途中で力尽きて眠ってしまったらしい」

アベル「繋がったまま意識を手放すなど……」

エリス「……///」カアァァ…

エリス「……」

エリス「…………」

アベル「エリス?」

エリス「私達、これで……夫婦、なのですよね?///」

アベル「あ、ああ///」

アベル「こんな俺だがエリス、どうかこれからもよろしく頼む」



エリス「……っ……」




エリス最終特殊判定

↓1〜2コンマ二桁

736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:29:33.95 ID:fVqlTjf30
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:29:43.81 ID:U8cL8+100
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:31:46.37 ID:TNz92fB+0
何か高くね?期待
739 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:41:08.62 ID:oWRLwf0g0
最後にも決めていくエリスの強さよ……
――
主従から夫婦へ。エリスの変化

1愛する人の呼び方

01〜60:「アベル様はアベル様です!」
61〜94:「ア、アベル……さん///」
95〜00:「あ……あなた///」

コンマ95

95〜00:「あ……あなた///」


2周囲への羞恥心

81>50

※基準値を上回った為、まだ二人きりの時だけ

※普段は一個下の呼び方に

――


エリス「……」スゥ…

アベル「エ、エリス? 本当に大丈夫か?」オロオロ…

アベル「やはり俺が無茶をさせすぎたのか? すまない――」




エリス「――大丈夫ですよ」


エリス「あ……あなた?///」テレテレ




アベル「」


エリス「っ〜〜〜〜〜!」パタパタ!

エリス「申し訳ありませんっ! い、一度だけ、呼んでみたくて、その……///」

エリス「お許しください、アベル様――」

アベル「エリスっ!」ガバ!

エリス「ひゃっ!?///」

アベル「……もう一度頼む」

エリス「ふえぇ!? や、やっぱり恥ずかしくて、その、アベル様にも……///」

アベル「……そうだな。そろそろ様付けも止めてほしいんだが」ニヤニヤ

エリス「そ、そんなぁ……!? 私はメイドであり……///」

アベル「もう俺の妻だ」ズイ!

エリス「あぅ……/// わ、わかりました……///」

エリス「ア、アベル……さん?///」

アベル「……違う、エリス。さっきのだ」ズズイ!

エリス「お、お許しを〜!? まだ心の準備が〜!?」ワタワタ

エリス(でも、いつかはちゃんと……ね、あなた……♪)

740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:44:38.94 ID:PFvno8eXO
安定のさすエリ
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:46:24.27 ID:jyz3kqjgO
これは破壊力抜群
742 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:48:20.32 ID:oWRLwf0g0
アベル「……」ジー…

エリス「うぅ……///」

アベル「……」ジジー…

エリス「そ、そんな目で見つめてくるのは、ずるいですよ……///」

アベル「むぅ……仕方がない。では、せめて俺と二人きりの時ぐらいは頼めないか?」

エリス「……わ、わかりました。私も、できればいつでもちゃんと呼びたいですし……///」

アベル「ありがとう。愛しているよエリス……」ギュ…

エリス「はい、私もですよ――あなた///」

アベル「……エリス、もう一回だ」ガバ!

エリス「も、もう! 少しだけ時間をください!///」

エリス「そ、それよりも! もう朝です……!?」ワタワタ

エリス「色々と朝の準備もしなければなりませんし、それに……」チラ…


乱れたドレス「」


エリス「このドレスも、ちゃんと綺麗な状態に戻さないと……///」

アベル「そうだな。大切な品だし……」


アベル「――いつかまた、夜だけ着て貰うのも悪くない」


エリス「っ!?///」

エリス「も、もう! いけませんよ!」

エリス「噛みしめていたい幸せな時間ですけれど……自堕落になってしまってはいけません!」

エリス「まずはお洗濯を……」フラ…

アベル「おっと!」ガシ!

エリス「あ、あれ? 身体に力が入らない……」ヨロ…

アベル「すまない。本当に無理をさせたな……ほら」ヨイショ

エリス「え?」

アベル「動けないなら、俺が足になろう。前みたいにおぶさってくれ」

エリス「ええっ!?///」

アベル「あ、それよりも抱き抱えた方がいいか?」

エリス「〜〜〜〜っ!///」


……

――
743 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:50:28.91 ID:oWRLwf0g0
――


【城塞内・廊下】


……


キアラ「よいしょ……」

マックス「朝の仕事って、一応片付いたのかな?」

キアラ「うん。エリスさんやアーシャさんのお話だとこれで最後の筈ですよ」

キアラ「外の警戒はフィーアちゃんがやってくれてるし、後はこのお水を運んでお仕舞です」


――アベルとエリスの心配は杞憂であった――

――元々、城塞内の仕事は分担制――

――結婚式の翌日だ。気を遣わせ、誰もがアベルとエリスに日課の雑務をさせる気はない――



マックス「それにしても、アーシャさん達がみんな寝坊っていうのも珍しいなぁ」

キアラ「珍しいというよりも、初めてかも……?」



――ただ、気配りをしたアーシャ達にとって誤算であったのはアベルとエリスの一夜が想像以上に長かったことである――

――流石にまだ始まっていないだろう……改めてお祝いの言葉を伝えに行った女性陣は軒並み被害を受ける――

――扉越しでも内容が確認できてしまうような、深い交わり。濃密な雄と雌の匂い――

――慌てて部屋に戻るが、どうしてもその内容を想像して眠ることができなかった――

――いつか、自分もそうなるのかと思うと……期待や、不安の感情が渦巻く――

――悶々とし続けた彼女らも朝の仕事には間に合わず、結果として被害に遭わなかった二人が代役を務めることになったのだ――



ガチャ…



マックス「ん?」


744 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:52:21.74 ID:oWRLwf0g0
アベル「ん? マックスとキアラか。おはよう」

キアラ「お、おはようございますアベル兄様!」

マックス「おはようございます!」

マックス「……と、エリスちゃん?」

エリス「は、はい!? おはようございます!」オブサリ

マックス「ちょ、何があったんですかアベル皇子!?」

アベル「なに、まだエリスが眠そうだったから俺が背負っているだけだ」

アベル「昨日の疲れが出てしまったのかもしれないな」

エリス「だ、大丈夫です!もう自力で立てますので!?」ワタワタ


ストッ…


エリス「ん……///」ピクン!

アベル「おっと。無茶をするなエリス」ササエ

アベル「すまないが二人とも、エリスの代わりの仕事を頼めるか?」

キアラ「は、はい! もう済ませていますので……///」

マックス「?」

キアラ「アベル兄様とエリスさんは、今日はゆっくりとお休みください///」

アベル「すまないな。そうさせて貰うとしよう」

エリス「も、申し訳、ありません……///」フラ…


スタスタ…


キアラ「……///」

マックス「キアラちゃん、どうし……!?」


――言葉を続ける前に、マックスは絶句した――

――先程エリスが降り立った位置に、よろよろと肩を借りて去っていく先に点々と……――

――『何か』が零れ落ちていたのだ――



745 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:00:16.25 ID:zxs5Q8+q0
マックス「こ、これって……///」

キアラ「……///」


――それが何かわからない程、二人は無知では無かった――

――果たしてどれだけの量を注がれたのか。向かう先はおそらく浴場だろう――


マックス「……///」ゴクリ…


――これは、掃除をすべきか否か。混ざり合った液体は、エリスの蜜も含んでいる――

――かといって、キアラに任せるのはどうなのだろう。当然だがアベルの精液でもあるのだから――


キアラ「……///」


――エリスはその出で立ちとは裏腹に、今や帝国が誇る最高の剣士の一人――

――常に鍛錬を欠かさず、体力もつけている筈の彼女がまともに立てなくなるまで愛された――


マックス「……///」ドキドキ…


――彼女は、胸の大きさを除けば皇女のキアラに近しいものがある――

――流れる様な美しい金の髪。低めの身長。華奢な身体――


マックス(もし、キアラちゃんも同じくらいのことをされたら……)


――マックスの中で、金髪少女二人の姿が重なってしまう。――

――零れ落ちた情事の結晶が、理性を崩して男の欲求に訴えかける――

――愛する人を、より深く愛した時……どんな表情を浮かべてくれるのか――

――普段の彼であれば、股間を殴りつけてでも抑え込もうと努力しただろう――


マックス「……///」チラ…

キアラ「……///」チラ…


――しかし、頬を紅潮させた愛しい皇女の顔を見てしまったのは不味かった――

――きっと彼女も、この零れた痕を見て想像してしまったに違いないと察する――

――足腰が立たなくなる程の、深い深い愛し合い……それが、どれほどのものなのか――


マックス「キ、キアラちゃん……」ドキドキ…

キアラ「は、はい……」ドキドキ…


――そっと、皇女の手を握る――

――抑えられない。拒絶されるかもしれない。それでも――

――炎槍で貫かれても構わない。その覚悟を決めて、騎士は動く――



ギュ…


――皇女がその騎士の手を振り払うことは、なかった――



……

――

746 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:01:19.76 ID:zxs5Q8+q0
――

【城塞・浴場】


エリス「ん……!///」トロォ…

アベル「……だ、大丈夫かエリス?」アセアセ

アベル「はき替えたばかりの下着がこんなに……」グッショリ…

エリス「はぁ、ぁ……た、垂れてしまっていないか不安です……///」

アベル「流石に大丈夫だと思いたいが……」

エリス(アベル様に背負われた時に、また気持ちよくなってしまったなんて言えません……///)

エリス「……こ、これとドレスは、私が責任を持って洗っておきますので///」

エリス「アベルさま……アベルさんは――」

アベル「……」

エリス「ア、アベル、さん……?」

アベル「……」ジー

エリス「〜〜〜っ!/// あ、あなた?///」

アベル「なんだ、エリス?」ニコリ

エリス「で、ですから、これは私が責任をもちますから、あなたは……」ワタワタ

アベル「――服だけではなく、嫁の身体も綺麗にしないと不味いだろう?」ニュル…

エリス「ん、んぅぅ!?///」ピクン!

アベル「これは、また新しく湧き出たエリスの露だろう……?」ペロリ…

エリス「〜〜〜〜!///」カアアァァ!

アベル「……俺も、汗をかいた。前のように背中を流してくれるか?」

アベル「――終わったら、俺もエリスの背中を流そう」

エリス「は、はい……///」ポォー…


アベル(ああ、俺はきっと……)

エリス(ああ、私はきっと……)




二人((もう、この人と離れては生きていけない……))


――


EXイベント16


【戦いを終えて〜〜君に永遠の誓いを〜〜】 おしまい


――
747 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:04:04.35 ID:zxs5Q8+q0
――


ラストイベント


【戦いを終えて〜〜その後の帝国・愛しき人達との日常〜〜】


――
748 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:09:23.38 ID:zxs5Q8+q0
――――
―――
――



その後、帝国第三皇子アベルとそのメイドの結婚が正式に帝国中に広められることとなった。

アベル皇子に皇位を継ぐ気がなく、また元々は妾の子と蔑まれてきた彼のこの一報は、
然程大事にはならないだろうというのが当人の予測であった。

しかしながら実際には帝国は沸き立った。
宣戦布告をし、仲間を率いて正面からかつての皇帝ギルバートを打ち倒して見せた彼の評価は以前とは違う。
特に圧倒的なまでに貧民街と帝都の住民からは祝福され、変わりつつある帝国騎士団も宴を開いた程だ。

一部の帝国貴族達は、権力の足掛かりにしようとしていた皇子の結婚には落胆するも、すぐに立ち直った。
本命は第一皇子。これまで以上の縁談が、次々に舞い踊ることとなる。

それを見越していたかのように、第三皇子アベルの結婚に続きなんと第一皇子アドルランも正式な結婚を表明する。
しかも二人を同時に妻にするという。帝国異例の平等な一夫多妻の容認。

一方は帝国貴族の中でも有数の力を持つ名家の黒令嬢。
彼女の父親はその報せを受け一日中号泣すると同時に、待たせすぎだと第一皇子に少しだけ不満の声を漏らしたという。
これにより貴族達はこの家を僅かばかりに妬むものの、第一皇子が順当に力有る貴族を妻に迎え入れたという事実は大きかった。
一夫多妻なら自分達にもまだ可能性はあると、彼らの野心が変わるにはまだ時間を要しそうだ。

そしてもう一方は、素性のわからぬ白少女。
快活な黒き令嬢と比較すると随分と大人しい娘であり、明らかに異なる二人を妻とした第一皇子の行為に誰もが疑問符を浮かべる。
しかし、三人が並んで笑う姿は実に喜ばしい光景でもあり、惜しみない祝福に包まれた。
メイドという少女の本来であればあまりに不釣り合いな身分も、既に第三皇子の事例があるために然程問題にされることもなかった。
これを見越して、あえて第一皇子は結婚を先延ばしにしていたのではないかという噂も飛び交った。

そんな熱気が冷めやらぬ時に、第二皇子のカインも正式な結婚を発表。
続け様にもたらされる吉報に帝国民のほとんどは沸き立ち、貴族達の気勢は削がれていった。
相手はなんと第三、第一皇子に続いてやはりメイドの少女。

本来、メイドという身分は主人にそういった想いを抱いてしまうことさえも禁ぜられている。
だがこうして帝国の皇子全員がメイドと結ばれたという確か事実があれば、それはもはや形骸化する。
また退位直前、前皇帝ギルバートは正式にメイドは帝国の強者として認めてその給金を跳ね上げてもいた。

もはや帝国において、かつてのメイドと今のメイドは違う。
ただ主人に奉仕し、雑務をこなすだけの存在ではない。
やがて庶民達からは皇族との結婚も夢ではない、一つ上の箔がつく憧れの職業となっていった。

しかし帝国民が何よりも驚いたのはメイドという職の躍進ではなく。
小さなメイドを抱き寄せながら、心の底から幸せそうな笑みを浮かべる第二皇子の姿であったという。
人が変わったように民の為に働く彼にも、多くの祝福の言葉が届けられたという。


皇帝ギルバートの退位から始まった激動の帝国の変化。
決して反発がなかったわけではないが、確かに帝国は変わっていった。
王国と聖国との正式な同盟。
奪い奪われ、長き争いの時は終わり新たな時代へと移りゆく。
かつての帝国と比べると、想像もつかないような穏やかで平和な時。

そんな中で、また新たな吉報が帝国にもたらされようとしていた。

アベル皇子の妻、エリスのご懐妊。

あまりにも早い報せ。
アベル皇子は手が早いと民や騎士団が口々に噂したが、事実である以上彼は何も言えなかった。
そんなことよりも、愛する人が二人の望み通りに妊娠した。
これから愛する、守るべき家族が増えるその悦びに誰よりも喜んだ。

そしてそれは、後に続けて彼の妻となっていく女性達も同じこと。
彼女達は親友の妊娠を喜ぶと同時に……あることを考え始めるのであった。


……

――

749 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:11:01.93 ID:zxs5Q8+q0
最終イベント導入が済んだあたりで、今日はここまで
この後は少しやりとりの後、連続して残りのヒロインズとの一夜になると思います
エリスはちょっと無駄に長くなってしまった感があるので、残りはもう少し綺麗にまとめられたらいいなぁ……

本日もありがとうございました!
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:16:01.47 ID:iD5gWs7A0
乙乙
キアラとマックスのあの後が見たかった
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:21:59.12 ID:YrbT8HNKO
おつおつ
無駄なんてとんでもない、むしろ各ヒロインズの最後の見せ場とも言えるわけだしいくらでも待つからじっくりやってくれてええんやで

ところでエリスはあなた呼びになったわけだけど、他のヒロインズだと関係的にあなた呼びしそうなのはアーシャぐらい(ただし正妻エリスへの配慮から呼ばない可能性もあり)で、ロウル・シア・パトラ・ティアは個人的に『旦那様』呼びとかがすごいしっくり来そう
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:59:09.35 ID:RRoHmE0FO
おつおつ!エリスのどろ甘プレイ最高だったんでむしろもっとやりやがれください
ずーっとメイドの立場で様呼びだったのが砕けるのいいなぁ……
他のヒロインたちがどうなるかも気になるけどなんとなくティアだけはアベル様呼びが抜けなさそう
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 01:06:40.38 ID:fmCS3xODO
乙、最終エピソードを期待しています

願わくはさらに新スレを建てて濃厚な一夜を過ごした彼ら彼女らのいちゃラブの様子をより濃密に見たいと思ってしまいました

754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 10:11:55.36 ID:izoQ6tS6O
これ三兄弟の結婚でメイド&執事=皇族との結婚を狙えるポジションという認識が確立されたことだし、割りとガチでサクがフィーアの婿候補とか帝国国民に勘違いされるんじゃ
執事服+貧乳でやや女顔の執事に見えなくもなさそう&フィーアは常にべったり&白帝の知能なら三年後には使用人技能を相当修得してそう&めっちゃ強いから皇族の守りとしては最適と性別以外の適性が高すぎる
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 15:27:32.90 ID:72S2BRPw0
アベル…結婚&高速妊娠+この後嫁追加で五人。夜は結構S。ギャップ萌(中)
エリス→幼少期から約束された相思相愛の純愛だがペロペロ、アナル、お風呂場プレイを次々ラーニング
アーシャ→普段は常識人。でもデートで荒ぶって妙な本を買ったり首輪とリードを持ってるペット属性
ロウル→クンカー。巫女服でアベルとアドルランにとどめの属性を付与した。普段着推奨される程でコスプレプレイの可能性有り
シア→ピンク。エロ方面になった途端ゾロ目を出しまくる性職者の鑑。最初は演技だった雌奴隷も本当の願望に
パトラ→性癖や酒においてまさに最後の砦。でもバレンタインの時にチョコプレイに目覚めかけてるので陥落寸前
ティア→ドピンク。最強の胸と最強の夜レベルで単機でアベルを敗北寸前まで追い詰めた実力者。氷プレイラーニング

アドルラン…縁談蹴りまくり貴族泣かせの後、一夫多妻で一気に二人と結婚。ギャップ萌え(大)
ヒバリ…幼なじみは負けフラグをへし折った。終始安定感のある頼れる黒髪のお姉さん。アドルランをついつい甘やかしている節がある
ルーシェ…要所できっちり仕事をこなす。たまに荒ぶるが普段は控えめな白髪の少女。清掃面でアドルランにはかなり厳しめ
改めるとヒバリとは色も含めて色々対極的だけど仲は良い

カイン…小物非モテ短小童貞の筈がある日を境に(バスケ)別人の如く大活躍。ただ一人のメイドを愛する
エメリナ…バキュームモンスター。でも純愛願望が低いわけではなく全てカインの為。カインとの初夜はイチャラブで綺麗に終わっている

……事情を知らない国民から見れば、カイン夫婦が一番まともって認識持たれてそう
756 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:48:53.53 ID:zxs5Q8+q0
こんばんはー
遅くなりましたが、少しだけ再開です
カインは本当に序盤の超壊滅コンマからここまで持ち直すとは私もまったく予想できなかったですねぇ……
757 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:49:23.94 ID:zxs5Q8+q0
――


【帝国・アベルの城塞】



アベル「……すまない、もう一度頼めるか?」

エリス「……アベルさんとの赤ちゃん、出来たんです///」

アベル「っぉ……おぉ……っ……!」フルフル…

アベル「ありがとう、エリス……!」グッ…

エリス「えへへ……///」

エリス「本当にあの日、孕んじゃったんですね///」サスサス…

アベル「……///」

エリス「本当に、夢みたいです……///」

アベル「ああ……」

アベル「……だが、喜んでばかりもいられないな」

アベル「これで俺も、父親となるんだ」

アベル「産まれてくる子には、苦労をかけたくないからな」

アベル「これまで以上に、より一層働かねば!」

エリス「わ、私も……」

アベル「いや、エリスはしばらく無理をするな」

アベル「何がどうお前の身体や子供に悪影響を与えるかわからん」

アベル「未だに続けているメイドの業務は勿論、城塞の当番も全て休め」

エリス「……///」ジー…

アベル「……当たり前だが、俺も夜は自重するよ///」

エリス「お尻ならとも思ったのですが……」

エリス「ま、また後ろからお腹を圧迫されるのは駄目かなって……///」

アベル「当然だ。とにかく、しっかりと気をつけるんだぞ?」

エリス「はい!」

エリス「えへへ……///」ニマニマ


……

――

758 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:50:17.75 ID:zxs5Q8+q0
――


……


アベル「――ということで、しばらくはエリスは休業させることにした」

ロウル「おぉー!? エリスさん、もうお母さんになるんですねぇ……」シミジミ…

ティア「聖国式の検査をしましたので、間違いはないです。順調に育っていますよ」

シア「今の内から、色々と準備しておいた方がいいかもしれませんね〜」

アベル「そういえば、二人が検査をしてくれたんだったな。ありがとう」

シア「いえいえ〜」

ティア「赤ちゃんが産まれる時も、微力ですがお手伝いさせていただきます……!」

アーシャ「これは、私達にも帝国にとってもいい報せですね」

パトラ「ええ。ここ最近はアドルラン皇子とカイン皇子のご結婚もありましたからね」

パトラ「本当に、少し前までの情勢からは想像もつかない……平和で、素晴らしい時代だと思います」

ロウル「とりあえず、真っ先にすることはエリスさんの鍛錬具を全て没収するところからですかねぇ」

アーシャ「流石にエリスちゃんも、今ばかりは鍛錬を自重すると思いますよ?」

アーシャ「結婚式以来、ますます幸せそうにしてアベルの赤ちゃんを欲しがる素振りを見せていたんですから」

ティア「これからを考えると、お腹を覆えるドレスとかも必要になりますね」

シア「あと赤ちゃんを寝かせられるちゃんとした場所や、お洋服も必要ですね〜」

ロウル「裁縫ならばお任せあれ!」パタパタ!

パトラ「アベルさん、あなたも出来る限りエリスさんの傍にいてあげるべきですよ?」

パトラ「いざ、という時に傍にいてあげるのも父親の務めですからね」

アベル「ああ。しかし……」

アーシャ「今も続けているあなたとエリスちゃんの警邏は、私達が引き継ぎますから大丈夫」

ロウル「まあ、アベルさん達ご兄弟が立て続けにご結婚なさって色々と大変なのも知っています」

ロウル「私達では手が周りきらない署名が必要な案件などは流石にこなして貰う羽目になりそうですけど……」

アーシャ「逆に言えば、それ以外は任せてください。二人の負担は極力減らして見せるわ」

シア「公務で疲れちゃったら、早く言ってくださいね〜?」

ティア「すぐに、治療いたします……!」

アベル「みんな、ありがとう……」


……


――
759 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:51:27.45 ID:zxs5Q8+q0
――


……



アーシャ「……さて、アベルはちゃんとエリスちゃんのところに戻ったかしら?」

ロウル「足音はちゃんとエリスさんの方に向かっていますから、大丈夫ですね!」

パトラ「エリスさんの年齢で妊娠というのも、負担と不安が大きいでしょう」

パトラ「それを和らげるためにも、アベルさんには頑張っていただかないと」

ロウル「いやぁ、でも本当……結構驚きましたよ」

ロウル「どんな赤ちゃんが産まれてくるのか気になりますね」ワクワク

シア「全力で色々とお手伝いしますよ〜!」ワクワク

ティア「私もちゃんと手引書を読んで勉強し直さないと……!」

アーシャ「とりあえず当面は、さっきの案の通り」

アーシャ「アベルとエリスちゃんの仕事は極力私達で片づけましょう」

パトラ「警邏は、少し気をつけた方がいいかもしれませんね」

パトラ「過去の王国でもあったことですが、祝い事で浮かれている国は狙われることもあります」

パトラ「今の聖国は大丈夫とは思いますが、王国の腐敗貴族や帝国の反勢力の存在までは否定しきれませんからね」

ロウル「んー、でも何故か不思議と大丈夫な気もするんですよねぇ……?」

パトラ「?」




……その頃……



シュイン!


バーンズ「……陛下。どうやらエリスがアベル皇子の子を身籠ったそうです」

ギルバート「……」




ギルバート「くくく……もうすぐ、もうすぐか……!」

ギルバート「10年……いや、あの二人の子なら5年でいけるか!」

ギルバート「我も今一度鍛え直さねばな!」ブオンブオン!

ギルバート「アドルランとカインも順調な様子……ふふ、滾るな……!」ブオンブオン!







ギルバート「――この逸楽を邪魔をする者は、全て我が塵にしてくれよう!!!」ブオォォォン!




ドガアアアアァァァァン!



フローレン「ちょっとあなたぁ!? 家の方まで斬撃飛ばすのはやめてぇ!?」


……

――
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 23:52:33.10 ID:i9U9oiJ/O
この親父さんもすっかり丸くなったねえ(レベルからは目を背けつつ)
761 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:55:14.66 ID:zxs5Q8+q0
――

……


ネスト「いいな、お前達?」

ネスト「帝国皇族が揃ってご結婚なさるという、帝国にとって大いにめでたい今の情勢」

ネスト「必ず、よからぬ輩は出てくる。出て来なくても、出てくる覚悟で任務にあたれ!」


斥候部隊「「はっ!!!」」シュバ!


ネスト「いやぁ〜……結婚式から然程月日が経っていないのに妊娠って、アベル様も手が早いなぁ」

ノワール「ふふ、そこはギルバートに似てしまったのかもしれませんね」スッ…

ネスト「っと、これはノワール様。失礼を……」

ノワール「ふふ、楽にして? 警戒任務もそこまで気負わなくて大丈夫ですよ」

ネスト「いやいや、こんな時だからこそ万が一もあっちゃ駄目でしょう?」

ネスト「アベル様達がようやく掴んだ幸せ。壊させやしませんって」

ノワール「ありがとう。でも大変なのは、むしろこれからかもしれませんね……」ハァ…

ネスト「え?」

ノワール「正直な所、私ももうすぐおばあちゃんなのかと思うと、年甲斐も無くはしゃいでしまいそうなのだけれど」ウズウズ

ネスト(多分、この世界のどこにもこんな綺麗なおばあちゃんはいないだろうなぁ……)

ノワール「ここは、ぐっと堪えるべきです……」グッ…

ネスト「堪えるって……何をです?」

ノワール「……先程も言った通り、アベルの手のはやさはギルバート譲りかと思います」

ノワール「そしてあの人は、その……///」

ノワール「――孕ませると誓ったら、本当にその晩に孕ませるような人でしたからね///」

ネスト「」

ノワール「アベル、そしてエリスちゃんが安静にしている間に、あの子達が考え付いてしまいそうなこと……」

ノワール「それらを鑑みると、近いうちにどんどん孫が増えそうな気がするのですよ」ワクワク

ネスト「」


……

――

762 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:59:44.44 ID:zxs5Q8+q0
――

……

【アベルの城塞・とある部屋】


シア「今のうちから赤ちゃん用の沐浴場所も用意しておきましょう〜」パタパタ!

ティア「あ、赤ちゃんの肌に優しい毛布も……!」パタパタ!

シア「お洋服関連はロウルさんにお任せするにしても〜……」

ティア「やっぱり、揃えておくべき道具は色々ありますね……!」



ガチャ!



フィーア「シアさん、ティアさん! いらっしゃいますか!?」ピョーン!

サク「フィーア、飛び込む必要はないと思うっきゅ」



シア「あれ? フィーアちゃんにサクさん慌ててどうしたんですか〜?」

ティア「……そういえば、今日の朝はどちらに?」

フィーア「そ、それがですね……」

サク「問題ありそうなのは、こっちなんだきゅ」スッ



マックス「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ドゲザズリー!




ティア「きゃああああぁぁぁぁぁ!? マ、マックスさん!?」ドキドキ…


キアラ「……///」モジモジ…


シア「い、一体何が……?」

キアラ「その……///」ゴクリ…







キアラ「――に、妊娠しているかどうかの検査をお願いします///」カアアァァ…!




シア「」

ティア「」

フィーア「」

サク「」



マックス「俺は、俺はなんてとんでもないことをしてしまったんだあああぁぁぁぁっ!!!」ズリズリズリ!



……

――
763 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:00:23.43 ID:g5PY3BA70
――


【アベルの城塞・アーシャの私室】


アーシャ「……」カリカリ…

アーシャ「よし……」コト…

アーシャ「あらかた片付きましたね。あとは……」


予定表「……」ビッチリ


アーシャ「これで、アベルとエリスちゃんの負担は減るはず」

アーシャ「エリスちゃんの仕事はほぼ補えているし、メイド専門の技能は……」ウーン…

アーシャ「やっぱりローズさんにお任せするべきかしら?」

アーシャ「でも最近は、自ら業務時間を減らしているとも聞くしお忙しいのかも……」

アーシャ「やっぱり、ここも私達で補うしかなさそうですね」

アーシャ「幸い、私もお掃除には結構自信があるし……」カリカリ…

アーシャ「ふぅ……」

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「問題なのは……」



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 00:01:54.17 ID:0fs2j+gE0
さて
765 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:15:02.73 ID:g5PY3BA70
エリス休業中、アベルの夜の相手って……

25>17

※基準値を下回った為、くじではなくアーシャ独自決断!

※みんなへの報告が事後になります

※これにより、間接的に……

――


アーシャ「ア、アベルの夜のお相手ですよね……///」

アーシャ「本当に今のエリスちゃんとアベルは幸せそうで、邪魔はしたくない」

アーシャ「でも、アベルだって若い男性。愛しいエリスちゃんを長期間抱けないとなると、溜まってしまうでしょう……」

アーシャ「ちゃんとエリスちゃんのお仕事をお休みにさせていたし、アベルもエリスちゃんに無茶なことをするはずもない」

アーシャ「……」

アーシャ「よく考えましょう。エリスちゃんが抜けた穴を塞ぐ為に、何が大事か」

アーシャ「まず、エリスちゃんに代わり前衛を担えるパトラさんは欠かせない。彼女にも負担をかけることはできませんね」バツ!

アーシャ「同様にロウルちゃんも、警戒には必須……身重のエリスちゃんが狙われでもしたら大変だわ」バツ!

アーシャ「シアさんとティアさんは回復の要だし、赤ちゃんに関する知識もちゃんと持っているみたいだし外せない……」バツバツ!

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「………〜〜〜///」パタパタ!







アーシャ「 必 然 的 に 私 が ア ベ ル の お 相 手 を し な き ゃ 駄 目 じゃ な い ! ? 」ガーン!





アーシャ「そ、そんな……///」

アーシャ「で、でも……///」ゴクリ…


アーシャ「――や、やらなきゃ!///」グッ!


……

――
766 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:18:49.95 ID:g5PY3BA70
まさかのアーシャ単独先行になったあたりで今日はここまで
少しやりとりを挟むかもしれませんが、その後アーシャとの一夜になります
流れは以前挙がっていた物の中に、当初のこちらの予定に近いものがあったのでそれを使わせていただきたいと思います

なお、お気づきかと思いますがマックスとキアラはこの時点でまだ式を挙げてないんです(白目)
後ほど、必然的に彼らのイベントも少し挟まります

本日もありがとうございました!
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 00:53:10.82 ID:myGDAlEPO
おつです
ふと思ったけどアルは
・父親&祖父が巨乳好き
・母親が作中上位クラスの巨乳でずっとその乳に授乳される
と考えると確実におっぱい大好きな子になりそうだなぁ
少なくともパトラ・シア・ティア・アイナ・スミレ・三年後フィーア辺りには懐いてそう(特に父親と関わり深くて面識多そうなパトラ・母親と仲良しのフィーア)

あとノワールとフローレンに対して『フローレンばーちゃんよりノワールばーちゃんのがおっぱいおっきぃからすき!』とか言って一悶着起こしそう
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 08:22:33.26 ID:/HGP2300O
おつおつ
さすアシャ軍師抜け目ないとは思うけど、最終的にはみんな身篭っちゃうんだよなあ
てか一時的とはいえフィーア以外おめでたラッシュで帝国戦力のほとんどが育児休暇でガタつくのか
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 11:46:51.69 ID:wfGTUiwAO
・息子がついこの間実家に連れてきた娘と相思相愛になってた
・が、実は帝国の第一皇女だった
・挙式前に孫が出来ちゃいました
・それに伴って(祖父母的な意味で)前皇帝と同じポジションになっちゃいました
と寝耳に水どころか寝耳に熱湯注ぎ込まれるレベルなのだが大丈夫かマックス両親

あとキアラ着弾については前回の甘々具合から
エリス妊娠云々から二人の発情と快感にブースト

初体験の時以上にギリギリでだがどうにか外に出そうとするマックス

が、絶頂寸前のキアラが無意識にだいしゅきホールドしてしまい抜けず

着弾
とか浮かんだ
770 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 23:42:19.42 ID:g5PY3BA70
こんばんはー
やはりこのままやりとりも込みでアーシャとの一夜に入ろうと思うので、またしばらく書き溜め時間を頂きたいと思います。
そしてその内容に関して、判定を忘れていたので取っておきましょう
アベルとしては『プレイの一環』として行います(これまでのアベルの性格的に鬼畜過ぎるのはあれなので)

ペットプレイ、どの辺りでアーシャが折れるか?

※できればゾロ目はやめてほしいです

↓1コンマ二桁
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 23:43:16.25 ID:4FXnm3wg0
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/20(木) 09:02:18.57 ID:tcDeMUBlO
シア&ティア:牝奴隷の務め=エリスが妊娠したことで溜まっているであろうアベルの性欲処理&シアがティアの夜レベルを参考にするために二人で
ロウル:城塞で選択してたらアベルの服発見してくんかくんか&最近ご無沙汰なのとエリス妊娠に影響されて発情
とかは浮かんだけどパトラはどんな導入になるんだろ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 02:21:32.50 ID:mSqeRKbwO
今更だけど>>1的に各キャラの身長ってどれくらいで考えてるんだろ
三年後で胸だけ一気に10→87(キアラと同じ)になるフィーアやロリ巨乳のアイナ(70)やティア(94)がどれぐらいの犯罪臭を出してしまってるのかちょっと気になる
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 20:50:20.41 ID:YnKZ7gufO
ティアは確かほどほどに身長はあった筈(エリスを見て私より小さい発言)
ヒロイン達もだけど、皇子達の身長も少し気になるな。順番はアドルラン兄様>アベル>カインお兄ちゃんだろうけど
パパンは普通に2メートル越えてそう
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/24(月) 01:14:58.49 ID:l/DGjj4SO
マックスはほぼ確実にこのあと『早くキアラに相応しい男になれるように』みたいな名目でアベル・パトラ・ローズさん・ノワールママ辺りにバスケされまくるんだろうなぁ……
多分だけどパパンは『あ奴め、キアラを手籠めにするに留まらず孫も作りおったか!』って感じで多分問題なしだと思う
776 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/27(木) 23:49:36.66 ID:fZYAUxeA0
こんばんはー
すみません、連日の暑さの影響かPCがイってしまい生存報告すらままなりませんでした……
ほぼほぼ完成はしているので、土曜日の夜には投下できるかと思いますので、よろしくお願い致します
(明日はおそらく来れないです……)

なお、キャラクターの身長に関しましてはある程度は考えていましたが
実は一部の子の正常位の時とか身体的負担が相当キツイことになっていたりします(白目)
皇子三人はアドルラン190↑、アベル180↑、カイン175(筋肉とかもこの順番)
女性陣は140〜165(ロウルは高めで170)サクは唯一コンマで100+80の180
ちなみに三皇子の身長が下がるのに比例して各嫁メイド達の身長も下がっていたりします
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 12:02:53.07 ID:JqS2rqhe0

何の体位がオセッセで楽かね
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 13:11:05.82 ID:yHDm1M5GO
無事でなによりです。リアル優先で無理しないようにね
しかし兄弟予想より背高い中でサクに負けたカインお兄ちゃんは何を思うのか
>>777
身長差緩和かついちゃつくとなると対面座位や背面側位とか?ティアは騎乗位あるから大丈夫だな(断言)
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 13:20:10.15 ID:P6Jr/l3RO
最近の酷暑は本当にヤバイから熱中症気を付けてな

とりあえず三兄弟でお兄ちゃんが一番もやしっ子なのはすごい分かる
780 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:44:11.77 ID:+1uowV+80
こんばんはー
予告しておきながら昨日は寝堕ちてしまい本当に申し訳ありません(土下座)
非常に間が空いてしまいましたが、アーシャパートの投下を行いたいと思います
なおコンマ25のため、アーシャは
アーシャの羞恥心

11〜30:最終段階一歩手前までオーケー///

となっていました。
おかげで少し二人の変態度数が上がってしまったかも……
781 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:45:40.19 ID:+1uowV+80
――


「……すまないアーシャ、もう一度言ってくれないか?」


夜遅くに部屋を訪ねてきた親友に、思わずアベルは聞き返す。
無論、彼女の声はよく通るし聞き取れないことなどは基本的に無い。
それでも聞き返してしまったのは、その内容があまりに突拍子もないものだったからだ。


「で、ですからアベル。エリスちゃんがおめでたで、しばらくは無理ができない状況ですよね?」

「ああ」

「だから、しばらくエリスちゃんの代わりに私達もより一層頑張ろうという話になったんです」

「ああ、ありがとう」

「そして、エリスちゃんに代わってしばらくは私がアベルの夜のお相手をしようかと」

「……」

「わ、私なら何をされても構いませんし、もし妊娠しても影響は少ないでしょうし……」


僅かに目を伏せ、頬を赤らめるアーシャ。
しかしすっと差し出された彼女の手には、とあるものが握られていた。


首輪である。


首元を飾る宝飾の類ではない。
上流階級の者達が、自身の飼育する動物の所有権を主張する為につける代物……
つまるところ完全なペット用だ。

既にアベルも、どこかで親友が誤った性癖を拗らせてしまったことは理解している。
だがどうにも理由の一端は自分にあるようで、彼女が少し変わった性癖の持ち主だからといって嫌いになることもない。
これも彼女の一面。
歪んだ両親と姉に囲まれ、弱者を踏み躙る強者の家の娘として育てられながらも心は喪わなかったアーシャ。
冷たい瞳に震え、獣のように扱われたいというのは、彼女の境遇から来る贖罪の感情の一つなのかもしれない。
だから、それはもう気にしない。
だが。


(……俺は、そんなに性に奔放だと思われているのか?)


アベルは内心、凹んでいた。
アーシャは優しく聡明だ。本当にエリス達のことを考えた結果、この結論に達したのだろうと察せられる。
しかしこの結論に達する前段階は、つまり自分が身を差し出さねば手当たり次第に妊娠させまくる男として認識されていることと同義。
流石にそこまで無節操ではない……


(いや、アーシャ達全員に手を出している時点で、間違ってはいないのか……)


否定をしたかったが、口にしたところで確実に言い負かされるだろう。


(それに……)


改めて、己を見つめ直す。
それと同時に、アベルに黒い欲望が静かに渦巻いた。
自分自身で、気がつかないふりをしていた欲望。
何を今更。事の発端でもある一夜にも確かに抱いていた欲望ではないか。


――愛する人達を、孕ませたい――


毎度一夜でそう都合よくいくとは勿論限らない。
それでも強欲な皇子は、確かにその欲望を持っていた。

それを自覚した彼は、小さく口の端を吊り上げ――目の前の愛する人の為に『仮面』を被る。

782 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:46:14.03 ID:+1uowV+80


「……アーシャ」

「!!」


普段よりも、少し低く冷たさを意識した口調で彼女の名前を呼ぶ。
自惚れでなければ、きっと彼女も……
声に反応して小さく身体を震わせる反応は――期待の表れ。
アベルだけでなく、アーシャもまた密な一夜を焦がれているという証でもあった。


「それを俺に寄越すということは……覚悟はあるんだな?」

「は、はい」


少々手荒な真似はしてことがあるが、首輪をつけたことはない。
隷属の証。その者を縛り付ける存在。
貴族の家の娘という、生まれながらに枷をつけられたアーシャ。
彼女は姉と両親と決別し、その枷から解き放たれた筈だ。
そんな彼女に、傾向が違うとはいえ別の枷をつけてしまって大丈夫なのか。


「私は、アベルになら……」


そんな感情も、期待を寄せるアーシャの姿の前に吹き飛ぶ。
首輪による枷など、今更微々たるものだ。
己の野心を遂げる為に巻き込み、そして今のこの状況……
結婚という、その人の後の人生を縛り付ける枷もつけてしまっているのだから。
その枷を幸福に満ち足りたものにできるか否かは、アベル次第だ。
そして、この首輪の枷もそれは同じこと。


「……いいだろう」


彼女の全てを受け入れる。その覚悟は済ませてある。
首輪を、枷を、冷たい視線を望むのならば。
存分にそれに応えてこそ、この首輪も彼女にとって幸せな枷となる。
アベルは小さく息を吐きだし、改めて念入りに仮面を被りなおす。


――果たしてどこまでアーシャが動物扱いに耐えられるのか?――


頭を過ぎった嗜虐的な考えに、思わず口の端が吊り上る。
意外とアーシャの性癖は、自分の性癖も満たしているのではないか?
才女を自分の足下でペットとして扱うともなれば、満たされる征服欲は大きい。
子供を孕ませるということも、見方を変えれば征服欲の一つではないか?
考えを巡らせ、これからの行為を『普通』のものとして扱う。
そうすることで、仮面は以前よりもより黒く染まったものとなる。
願わくば、彼女がこれを悦んでくれるように。


「……首を出せ」


低い声に、躊躇いなくほっそりとした首が差し出される。
まわされた手にさらりとした黒髪が触れ、アベルにも妙な興奮をもたらした。
ああ、今から自分達は一見すると普通ではないことをするのだという、背徳感。
それを顔には出さず、淡々と首輪が巻かれ……

そして、小さな金属音と共にそれはアーシャの装備品となった。

今この時、彼女はアベルのペットとなったのだ。


783 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:46:40.05 ID:+1uowV+80


「いい格好だな、アーシャ」

「あ……」


首輪に繋がるリードを握りしめながら、アベルが笑みを浮かべればアーシャの顔は熱くなる。
くいと軽く引けば、自然とアーシャの身体は四つん這いの姿勢となった。
既にこの時点で屈服しているように見えるが、アベルは再び思考を巡らせる。


(さて、ペット扱い……本当にそれをなぞればいいのか。アーシャの限界はどこなのか……)


流石のアベルとて、いくら仮面を被ろうともそちら側の知識は完璧ではない。
ただ相手を腰砕けにする手なら覚えはあるのだが、意外にも少し常識から脱したものはまだ勉強の余地がある。
おそらくは知識を叩きこんでくれた母が真っ当であったのも原因の一つであろうが。
これから先も愛する人たちを満足させるためにも、より深い世界に踏み入る必要があるとアベルは感じ取っていた。


(挑む相手が未知であれば、段階を踏んでいくのが定石か)

「……よし。これで君は俺のペットだ。ペットなら主人の命令には悦んで尻尾を振るな?」


コクリと首が縦に振られるのを見て、アベルはまずは軽めのものから試してみる。


「……アーシャ、お手」

「わぅんっ!」

「っ!?」


風切り音すら聞こえた気がする。
アベルが差し出した手には、気がついた時にはアーシャの手が重ねられていた。
一切の躊躇いの無い、圧倒的な速度。
およそ人に対して出す命令ではないというのにこの反応速度。
間違いなく、この事態を想定して修練を積んでいなければできない芸当だ。


(アーシャ……)


思わず頭を押さえそうになるが、なんとか堪える。
努力家で頭のいい彼女のこと、きっとこれもしっかりと勉強したのだろう。
そういえば王国で、そちら側の御用達のような本を贈ったりもした。
きっとあれを熟読したに違いない。
ともなれば、小手先だけでは通用しないだろう。


(――アーシャ。君が、ペットの扱いに恥ずかしさを覚えるのはどのあたりかな?)


知らないうちに、アベルは笑みを浮かべていた。
アーシャの望みを叶えるための仮面。
しかしそれはやはり同時に、アベルの嗜虐的な欲求を叶える仮面でもあった。


――彼女が羞恥に悶える姿を見てみたい――


どろりとした欲望を自覚しながら、アベルは次に期待を寄せるアーシャを見下ろしてみせる。
首輪に繋がれた気品と教養のある女性……普通のペット扱いではもう照れてはくれないのだろう。
これをより、辱めるにはどうするべきか。

784 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:50:51.39 ID:+1uowV+80


「……ペットが服を着ているというのも、妙な話だな?」

「!!」


告げられた言葉に、アーシャの肩はぴくりと震える。
アベルからは次の句は告げられなかったが、その意味を察っしろということなのだろう。
つまりは、手を貸してやることもしない。自分の意思で服を脱げと、そういうことだ。
見下ろすアベルの視線は冷ややかで、それでどことなく期待を含んでいる。


「は、はい……」


それに射抜かれながら、アーシャはゆっくりと動き始める。
首輪にリードがあっては、普通の服では上手く脱ぐことはできない。
しかし今着ている夜着は緩やかなもので、肩から紐を降ろせばそのまま脱ぎ去ることができる。
特に考えてはいなかったが、今日これを選んだのも、首輪を意識してのことだったのか。
アベルからの視線と自分の底に眠る欲求に赤面しながらも、その手は止まることはなかった。


「ほう……」


アベルから時折漏れる声が羞恥心を煽り、動きを僅かに鈍らせはする。
何も知らない者が見れば、皇子に首輪を繋がれながら自ら下着を脱ぎ去ろうとしている娼婦か何かだ。

貴族の令嬢がするには相応しくない行為。
だからこそ、二人の中の劣情はどんどんと増していった。
『アーシャ』という個を受け入れ、どこかで歪んでしまった自覚のある性癖に応えようとしてくれる彼が愛おしくて。
優しく優雅で博識で、憧れさえ抱いていた彼女が自分の意のままに痴態を曝け出してくれて、興奮しないわけがない。


「あの、アベル……」


おずおずと声をかけるも、返答はない。
当然に下着も何もかもを脱ぎ去り、生まれたままの姿になれということなのだろう。
わかってはいたが、やはりいざとなると身震いをしてしまう。
彼に脱がされるのとは違う、自分の意思で見られながら脱ぎ捨てるというのは非常に羞恥心を煽ってくる。
しかしここで止まるわけにもいかず、アーシャはまずは上の下着を取り去る。


「んっ……!」


ふるりと揺れる美しい乳房は、見る者の目を惹きつける。
大きすぎず、小さすぎず。絶妙なそれはどこか品の良ささえ感じさせる美しさを持っていた。
しかしその先端部分が、早くも尖りはじめていることを本人は自覚していた。
視姦され、そしてこの後に期待するだけでこの有様。
顔から火が出そうなほどに恥ずかしいが、そこに感じる視線がさらに身体を昂ぶらせる。


(ああ、見られている……! アベルにももう、絶対気がつかれています……!)


ぞくりと身体を震わせれば、合わせるように胸も揺れる。
その一挙一動を見られていると思うと、ますますアーシャの身体は悦びに震えるのであった。

785 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:51:36.14 ID:+1uowV+80


そして当然、ここで終わりではない。
しばし揺れる胸を楽しんでいたようだが、アベルの視線はその下へと向いている。
今脱げばどうなるか……
それはアーシャも重々承知の上だが、しかし脱がねば延々と視姦されて夜が明けてしまうだろう。
意を決し、下腹部を覆う下着にも指をかける。
黒地の面積の少ないそれは、左右を紐で結ぶ代物だった。
解くのは然程難しくなく、すぐさま片方がその役目を失い布は大きくめくれてしまう。


「っ……」


それだけで……いや、おそらくは最初から感づかれていただろう。
それが既に水分を含み始めていたということに。
もう一方も解かれて床に力なく落ちれば、もうアーシャの身を守るものは何も残されていない。


「……濡れているな」

「あぅ……」


まじまじと股を視姦され、アーシャは思わず顔を背けたくなる。
しかし首輪を繋ぐ紐を引っ張られ、それは許されない。
ただ純粋に秘所を見られているという恥ずかしさもあるが、前戯も無く濡らしている自分という存在が恥ずかしいのだ。
それこそまさしく躾のなっていない犬かなにかだ。
それがわかっていても、身体の熱が抑えられない。
上から下へと送られる視線だけで、声が漏れてしまいそうになる。


(アベルの視線を、凄く感じます……)


どうしようもなく恥ずかしく、しかし嬉しいという感情がが渦巻く。

染みついてしまった貴族の教養でもあるが、アーシャは無意識でその身体の美しさを保つことを心がけている。
無駄な肉は無く、しかし女性らしさは失わず。
所作にも気をつかい、細剣を扱う腕や踏み込む脚はすらりと美しく。
しかしそうして完成されてしまった身体だからこそ、自身の能力同様に突出した存在には及ばないことが密やかな悩みでもあった。
ある程度はあるとはいえ、抱擁力を具現化したかのような聖女の豊満な胸には届かない。
愛らしい耳や尻尾もなければ、彼女程に腰に括れがあるわけでもない。
愛されついに子を授かった少女のように、抱きしめやすい華奢な見た目というわけでもない。
そんな自分の身体を、愛する男がこれでもかといわんばかりに視線を寄越してくれるのだ。
性癖を抜きにして、求められているということは女としてただただ嬉しい。


(……あれ?)


――今自分は、どっちを悦んだのだろう?
ペットとして扱われたいのか、それとも一人の女として見られたいのか。
一瞬だけ、それが揺らいでしまった気がする。
しかしそれも些細なこと。
きっとこの後は以前と同じように、獣のごとく後ろから激しく突かれるのは変わらないのだから。
それを期待してしまうと、太腿までたらりと愛液が垂れてきた。




「……よし、それじゃあ行くとするか」

「え?」



だからこそ、アベルの言葉はあまりにも予想外であった。
呆気にとられ思わず聞き返してしまうが、アーシャはそこで確かに見た。
アベルが意地悪い笑みを浮かべているのを……

786 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:52:30.87 ID:+1uowV+80


「い、行くって何処へですか?」


応えを待つが、返ってくるのはくつくつという笑いのみ。
博識で通るアーシャも、言葉の真意が掴めずに困惑する。
今の時間は皆も寝静まる頃合い。どこかの店が開いている確率は低いだろう。
そもそも自分はアベルの望み通りに服を全て脱ぎ去った状態だ。
一度脱がせて、また着させて何処かへ向かう? それはないだろう。
それでなくとも昂ぶったこの身体では、下着をなおしてもすぐに濡らしてしまう。
どう考えても、この状況下でどこかへ向かうというのは愚策だろう。



「決まっているだろう? ペットには適度な運動……散歩も必要だ」



なんでもないと言わんばかりに告げられたその言葉に、アーシャは絶句する。
手元にあるリードがわざとらしくくいと引っ張られ、それが冗談ではないと念押ししているようだ。
散歩。確かに飼っている動物であれば必要なことではある。
しかしまさか、全裸に首輪というこの状況で、人間に散歩をさせようというのか?


(お前はもう本当に、人間じゃなくて俺のペットだと……そういうことなのアベル?)


飛躍したペット扱いに、思わず身震いしてしまう。
だがその視線は非常にぞくぞくとするものであり、身体の内が熱を持っていくことがわかる。
ここでこれを断ってしまえば、今後ともペットの様な扱いをしてくれなくなるかもしれない。
恐怖と羞恥の感情が無いと言えば勿論嘘だ。
その感情以上に、逸楽を求めてしまう。それだけのこと。


「わ、わかり、ました……」

「……よし。四つん這い……と言いたいところだが、怪我をされても困る」

「特別に、二足で立つことを許してやろう」

「ありがとう、ございます……」

「――ただし、手は行儀良く背中の後ろで組んでおくんだぞ?」


耳元で低く囁かれ、アーシャは朱に染まると同時に激しく混乱する。

二足、人間の尊厳を許されたのは僥倖……いや果たして本当にそうと言えるのか?
なまじ残っている方が、より無様で屈辱的な格好なのではないか?
四つん這いであれば、正面から誰かが来ても胸部や秘所を隠すことはまだできる。
しかし手を背中側で組まされては、もう隠しようも無い。全てが見られてしまう。
どちらにせよ誰かに見られたならば、ある意味で生涯に幕を降ろすと言っても過言ではないだろう。
ならばまだ、四つん這いの方が愛する人以外に身体を見られずに済んだのではないか?
才女の頭脳はあれやこれやと考えるが、正解が導き出せない。
導き出したところで、結局は主人の許可が無ければ意味が無いのだが。


「よし、いい子だアーシャ。楽しい散歩に行こうな……?」


逆らうこともできず、アーシャは背を向けて手を組んだことを見せる。
そのまま背中を優しく撫ぜられ身体が反応してしまうが、無理もないだろう。
半ば本番をお預けされて、熱は上昇を続けるばかり。
そんな状態で外に出れば、どうなってしまうのか……
まさか、このまま外で……?

頭が沸騰してしまいそうな程の熱で、正常な思考ができなくなってくる。
繋がれた動物は、ただただ主人に従って部屋を飛び出すことしかできなかった。

787 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:56:05.89 ID:+1uowV+80
……


「はぁっ……はぁっ……」


アーシャの荒い呼吸音は、時間と共に大きくなって行った。
今、自分は全裸に首輪という人間の尊厳を投げ捨てた格好だ。
身体を隠すことも許されず、全てを曝け出して城塞内の廊下を歩かされた。


「興奮しているのか? 音を抑えないと、ロウルに聞かれてしまうかもしれないぞ?」

「っ!?」


後ろから囁かれ、息を呑む。
手は組んだまま。口を押さえることもできない。
静かな夜の散歩は、確かに呼吸の音さえよく聞こえてしまう。
いくら気心が知れた仲とはいえ、こんな姿を見られれば軽蔑されてしまうだろう。


(あぁ、アベル、アベル……っ!)


何よりも救えないのは、この状況に言いようのない興奮を覚えている自分自身だとアーシャは自らを内心罵る。
いつ誰に見られるかわからない恐怖。その中で、アベルだけが後ろからずぅっと視線を寄越している。
彼には震える尻も、徐々に量を増して垂れ流す愛液も、全て見られてしまっているだろう。
正面に回り込まれれば、触れられてもいないのにひどく主張している乳首もばれてしまう。
夜風で冷えたせいだと言い訳をしたいところだが、とてもそれだけで説明できる状態ではない。


「どうした? 散歩は楽しくないのか? 尻尾があれば、悦んでいるかどうか俺にもわかるんだがな」

「んっ!? んんぅぅ……!?」


不意に尻肉が割り広げられ、中心に指を埋められる。
あまりに突然のことに声をあげそうになるが、アーシャは唇を噛みしめてこれを堪える。
以前、筆の先端を埋め込まれ尻尾のようにされた経験がなければどうなっていたことだろう。
まさか今日も尻尾を生やされるのかと身構えるが、どうやら違うらしい。
性的な興奮を与えつつ、望む域までは与えない……待てという、躾をされているのだろうか?


(どうにかなってしまいそうです……アベル、どうか……)


心中でねだっても、主人がそれに応えてくれることはない。
やわやわと尻を撫で、時折軽く叩かれるのみ。はやく進め、という催促なのだろうとアーシャは判断する。
『ご褒美』が欲しくてその指示に従って歩を速めれば、時折自分の息とは違うぱた、ぱたという音が聞こえ始めた。
もう見なくてもわかる。自分が溢れさせているはしたない雫が、脚を動かす度に点々と地面に痕を残しているのだ。
拭き取りたい。でもわかっている。それが許されないことくらい。


「くくっ、いやらしいなぁアーシャは……」


嘲笑に、ますます身体は熱くなる。
痕跡を残さないためにも、はやくはやくと動いてようやくアーシャは気がついた。
この先は……


「ア、アベ――」

「どうしたアーシャ。もうすぐ城塞の外だぞ? 散歩なんだから、しっかり外に出ないとな?」

「ああ、誰かに見られるのが恥ずかしいのか。それなら、逆にこう考えればいい」

「――自分が何も視なければいいんだとな」


言うや否や、アベルは黒い布を取り出すとアーシャの視界を塞いで見せた。
アーシャは何もできない。夜目に慣れつつあったところに、漆黒の帳。
第二皇子と同じく、人は視覚を奪われるとその他の感覚が鋭くなる。
肌に感じる感じる視線も、冷気も、何もかもより強く。

788 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:56:52.81 ID:+1uowV+80


「アベ、ル……!?」


視界を覆われ、身体は自由には動かせず、当たり前だが逃げ出すこともできず。
息をますます荒げながら、アーシャはいよいよ混乱の極致にいた。
命を預かる者として、冷静に策を考えて状況を判断しなければならない……
そうは言うが、いくらなんでもこんな事態はアーシャの想定の範疇を逸脱している。

不意により肌寒くなったということは、本当に外に出てしまったのか。
かつてよりは平和になった今だが、まるで警邏の兵がいないわけでもない。
こんな姿を、アベル以外に見られてしまったら恥ずかしさのあまり死ねるのではないか。
そう思うも、こうして目隠しされてしまっては、果たしてどれだけの人間にこの痴態を見られているかもわからない。
後ろから感じる、たまらなく好きな視線に神経が集中してしまい、他の人間にまで気が回る気もしない。


「ほう、今日はなかなか涼しい風が吹くな。草木も程よくそよいでいる」


耳を傾ける余裕はない。自分の心音と呼吸が煩すぎる。
誰かに見つからないようにと、頭から発せられる命令も限られてくる。
しかしこの状態では、どこに向かえばいいのかもわからない。
アベルがその気になって首輪を強く引っ張れば、それだけで自分はその場所に縛り付けられてしまう。


(ああ、主人に逆らうことも出来ない。望みのまま、行きたい場所に行くことも許されない……)

(まさしく、ペットの扱いです……だけど、アベル……!)


アーシャの中で、興奮とは違った感情が急速に育ちあがる。
それは、紛れもない恐怖の感情だった。
学友であるが故に。彼に憧れ、時折見せる冷たさに惹かれたが故に。
アベルがまだ、この後に何かを企んでいるのだということは嫌でも察することができた。
そしてそれはきっと、既に限界寸前の自分には耐えきれないことであろうことも。


「夜の散歩は気持ちがいい。なぁアーシャ?」

「は、はい……」


思わず、声も震えた。見えずとも、アベルが意地の悪い笑みを浮かべているのがわかった。


「どうしたんだ? そんなに震えて」



「――あぁ、用を足したいのか? ならそこの樹の根元にするといい」

「俺が、しっかりと飛び散らないように見守っておくからな?」



その言葉は、残酷な程にしっかりと耳に入りこんできた。
それと同時に、アーシャの中の何かが砕け散った。


「っ、お、お願いアベル……どうか、どうかっ、それだけは……っ!」


嗚咽を漏らしながら、アーシャは自身の目元が熱くなるのを自覚した。
幼少期、家族の教育のせいもあり並の責め苦では泣くこともないと自負していたが……
こうも容易く打ち砕かれるかと、アーシャは自身に落胆する。
そればかりか、アベルのペットを望みながらそれを遂行しきれないという情けなさ。
色々な感情がぐちゃぐちゃに混ざり合うが、それでもアーシャの心の底からは叫び声が聞こえていた。
それだけは止めてくれ。彼の前で粗相だけはしたくない。
アーシャという『人間』の理性が、獣の欲を抑えこんで泣き叫ぶ。


「アベル、お願いです……っ!」


こんなにしおらしく、心の底から懇願したのは何時以来だろうか。
彼の前では、きっと初めてかもしれない。
それを感じ取ったのは、アベルも同じく……


「……アーシャ」


アーシャからは見えることはないが、アベルは笑みを浮かべていた。

789 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:57:53.13 ID:+1uowV+80


「ふっ……少し意地悪が過ぎたかな?」


その笑みはすぐに消えると同時に、申し訳なさそうなものへと変わる。
そして詫びながらに結び目を解き、目隠しを外していく。


「……え?」


布が取り払われた瞬間、思わずアーシャは間の抜けた声を出す。
そこは冷たい風の吹く野外などではなく、彼女も知る場所であった。
見覚えのある浴場――城塞内の一部だ。


「ど、どうして……」

「……君の願いに、俺は出来る限り応えたつもりだ」


後ろから言葉と共に吹きつけられる冷風に、アーシャの肩が反応する。
そして瞬時に理解した。外に出たように感じたのは、アベルが調整した氷魔法を使っていたということを。
本来のアーシャであれば違いに気が付けたかもしれないが、極限の羞恥心は判断を鈍らせていた。
ほっと安堵するが、何故アベルがこのような真似をしたかまではわからない。


「少し、俺の予想以上に君が突き進むから困惑したが……」

「幸いにも君も野外排泄などは耐えきれないようで、安心したよ。あれは中々勇気がいるからな」

「万が一にも……君のそんな姿は誰にも見せたくない。だから少しばかり芝居をさせてもらったが……」


後ろから、低い声と共にぬるりと手が動かされる。


「そもそも、君の身体を見知らぬ連中に見せるということも、俺は我慢できそうにない」

「あっ……! アベル……!?」


いつの間にやら、アベルの手には泡のついた手拭が握られていた。
薄布越しに、緩やかにアーシャの腹部が撫でられる。
いくら野外排泄の危機が去ったからといって、全裸で首輪の格好なのは変わらない。
彼女に逃げ場は無く、無遠慮な動きに抗うことは不可能だ。


「っぁ、んっ……なに、を……!?」


気を緩めたところに、予期せぬアベルからの泡を伴った優しい愛撫。
ようやく触れられた悦びから、泡に紛れて再び愛液が滴り落ちるが、それを気にする余裕は無い。
状況の変化に、頭が追いつかない。


「どうだ? アーシャ?」


具合を聞いてくる声が、また意地悪い。
あえて敏感なところには触れず、その周りだけを撫ぜている。
それでいて自分はしっかりと感じてしまっている。それがわかるのが恥ずかしい。
勿論アベルもその反応を察しておきながら、こんなことを聞いているのだろう。
アーシャはただその身を震わせることしかできなかった。


790 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:59:04.90 ID:+1uowV+80


「ペットの身体をしっかり洗うことも、飼い主の責務だと思ったのだがな」


小さく笑いながら、アベルは手を休めることはしない。
アーシャも頭でそういうことかと理解はするが、緩急のついた快楽の前に思考はあまりに無意味。
ごしごしと洗われつつも性感帯を刺激されるこの状況では、何も考えられない。


「短いとはいえ散歩は散歩だからな。念入りに洗わないとなぁ……」

「ひゃっ!? アベ、ル……だめですっ……そこぉ……!」


妙にこなれた手つきで、柔肌の上をアベルの手は踊るように移動していく。
本来であれば、背中を擦られた程度でこんな声は出さない筈だとアーシャは自負している。
しかし自分でやるのとは大違い……アベルの手が別の目的も持っているのは明らかだが、
それを抜きにしても気持ちが良いというのが正直な感想であった。


(身体が、熱い……)


ついさっきまで野外で冷えているつもりだった身体は、すぐさま熱を取りもどした。
羞恥の熱だけではない。アベルの手が滑った箇所は明確に熱を帯びてきている。
この泡に媚薬の類が混ぜ込んであると言われても、信じてしまうだろう。
身体の汚れが落とされ、ゆっくりとそれを染み込まされているかのような錯覚。
取り戻した熱はすぐに本来以上のものとなり、身体の芯から熱をもたせていく。


「はぁっ……アベルゥ……!」


「どうしたアーシャ? まだ背中と腕だぞ?」


熱にあわせるように、息も荒くなっていく。
まるで本当に発情した犬のようですらあるが、アーシャはそれを抑えることができなかった。
布越しに感じる無骨な指。大好きな人の掌。
それを感じる度に、甘い声が出てしまう。
主人に媚びる、動物の様に。


「まだ、これはつけておいた方がいいか? ここは、なかなか洗いにくいんだがな」

「きゅ、ふぅ……!?」


そして指は首の方へと伸ばされた。
背後から首に指をかけられるなど、本来であれば死を覚悟して同然の状態。
しかしアーシャには、これさえも予想だにしない快感となった。
首輪の隙間に少し強めに差し込まれた指が、程よい圧迫感と存在感を主張してくる。
紛れも無く、彼は今ここにいる。
こんな近くにいる。そう思うだけで、嬉しくなってくる。
首だろうが、背中だろうが、腕だろうが……
身体のどこを触られても雌の反応をしてしまう。
はしたない、恥ずかしい、それでも嬉しい。
何があろうとも、愛する人が傍にいるだけで嬉しいというのは、従順なペットと同じなのか?


「――なぁ、アーシャ」

「は、はい!?」


そんな時、不意に声がかけられた。


791 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:03:04.20 ID:I3RUG0L20


「俺は、君に応えたいと思う」

「だが、君の望みに必ず全て応えられるわけではない」

「……俺は、どうあれ人を物の様に扱うことは好きじゃないんだ」

「ふぁ……!?」


撫で擦るような動きから、揉みこむような動きへ。
脇の下を通り、伸ばされた両腕は胸に触れたかと思えば下降。
腰回り付近で、しっかりと組み合わさった。
両腕の自由は聞くが、体躯で勝るアベルにこれをされては逃げ場はない。
手を離れた首輪の紐はだらりと床で水分を含んでいくが、それを気に留める者は誰もいない。


「アベル……っ」


背後から抱きすくめられ、彼の身体の逞しさを感じずにはいられない。
残念なことに彼は着衣の状態のため、その身体を直接感じることはできないのだが。
それでも下腹部の疼きが、どんどんと激しくなる。求めている。


「……俺は、強欲……いや、傲慢な男だ」

「そ、そんなことはありません。アベルは……」

「君の望みに応えたい。そう言っておきながら、俺は自分の我を……欲望を押し通したいとも思っている」

「欲望、ですか?」

「ああ……君の望みを全否定しかねない、酷い欲望さ」





「――俺は、アーシャをペットとしてではなく、一人の大切な女性として扱いたい」

「そして――君も孕ませてしまいたいと思っているんだぞ?」





耳元で囁かれ、言葉そのものが媚毒のようにアーシャの身体に浸透していく。
首輪で、腕で、身体全体で……逃げ場無く捕えられた獲物。
ここに欲望という名の愛が加われば、どうなってしまうのか。想像に容易い。


「アベ、ル……」


身体も声も震える。
それは歓喜からか、恐怖からか。
アーシャは城塞で暮らしてきた年数で言えば、古参の二人には劣る。
それでも、軍学校で共に学び過ごした時間はあるし、数年も共に暮らせばアベルの人となりも十分わかる。

自分だけじゃない。多くの人が彼を支えてきたが、核となったのはアベルの意思があったからこそ。
彼は、為すと決めたことは投げ出さない。為し遂げるまで投げ出さない。
そんな彼が、エリスと同じく自分まで孕ませると宣言したのだ。


(私、も……)


きっと、近いうちに。
自分もエリスと同じになるのだ。
……嬉しくないわけがない。


792 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:03:37.87 ID:I3RUG0L20


「……エリスちゃんは?」


それでも、それを遠ざけようとしてしまうのは何故なのか?


「……普通に考えれば、俺は刺し殺されても文句は言えないだろう」

「だが、俺の気持ちの全てに偽りはない。エリスも、アーシャも、生まれてくる子も、等しく愛するよ……」


肩に、軽く口付けたかと思えば吸い上げられる。
まだだ。まだこれは、待っている。


(私の、言葉を……)


手が腹から脇腹へ、そしてそのまま太腿へと移動していく。
触れるか触れないか、そんな絶妙な位置を、ひたすらにゆっくりと撫でまわす手に、眩暈を覚えてしまいそうになる。
大切な場所には、一切触れていない。
意地悪で、優しくて、いやらしい手だ。


「ふふ、アベルはなんだかんだで子供好きですものね……」

「あまり、そういったつもりはないんだが?」

「……子供が欲しいなら、コウノトリさんが連れてきてくれるかもしれませんよ?」


自分にも少し突き刺さる冗談を言ってみるが、当然手は止まらない。
より際どい位置を優しく撫ぜるだけ。
空いたもう一方の手は、やんわりと胸を揉みしだき始める。


「その冗談は笑えないな。やはりペット扱いをしないと駄目か?」

「んぁぁあっ……んぅ、そ、そんなことは、ありません、けど……っぁ!」


会話をしつつも乳首をこりこりと刺激し、アベルの責めは緩むことが無い。
アーシャ自身、アベルの子を産む……正しくは、アベルとの結婚を望んでいないわけがない。
貴族の人形同然だった自分が、生まれ変わるような道を示してくれた大切な人……
自分が決意した時には大切な友人を恋人としており、諦めかけたというのに愛してくれた。
こうしているだけでも、既に幸せだと言うのに。
どうして自分は、最後の一言を言えないのかアーシャにはわからない。
ペットを望んでいるのも……大元は、彼の視線が欲しいからだ。
聞かれるまでも無い。全身が貴方を欲しているのだと。
相手もこうして、もう待ちきれないと言わんばかりではないか。
ここで首を縦に振って、了承するだけで……
きっと、お互いが幸せになれる筈なのに。


「では、何故だ……?」


問いに答えることはできない。
アーシャ自身が、わからないからだ。
エリス以外……ロウルにシア、パトラやティアを結果的に出し抜いたからだろうか?
確かに申し訳なさはあるが、彼女達のことだ。
少し羨ましがられるか、またくじ引きを用意するか……
おそらく、そう酷い結果にはならないだろうと予想できた。
一人の男を巡る多数の女達という構図では、極めて稀な一例だろう。
これも、愛する人の人徳のおかげか。

793 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:09:49.07 ID:I3RUG0L20


「……」

「……」


しばらく、無言のまま時が流れる。
しかし全くの無音というわけではない。


「んっ……んぅぅ……! ふぅ、ふぅ……くぁ……!」


どれだけ思考を巡らせようとも、緩やかな愛撫だけでアーシャの身体はとっくに出来上がっていた。
今日の夜の始まりからしてお預けを続けられた身体は、既に限界を超えている。
欲しいのに、遠ざけてしまう。
その理由を理解したい。頭ではそう思っても、身体はそうもいかなかった。


「あっ、あっ、あぁっ……!?」

「おっと、俺の欲望を肯定するか否定してくれるまでは、逃がさないぞ?」


火照った身体はしっかりと抱きとめられ、首輪以上の拘束力と興奮をもたらしてくれる。
愛する人の抱擁に比べれば、無機質な首輪のなんと味気ないことか。
ゆっくりと、ゆっくりと……
決して強くはない言葉と行為で、アーシャの中の何かが削り取られていく。


(あつい、ほしい、アベルが……)


熱にうかされ、アーシャは彼の手を掴んで秘部へと招こうとすらした。
しかしそれは叶わず、相変わらず足の付け根で意地悪を繰り返すのみ。
思考が乱される。何も考えられない。


(赤ちゃん、アベルの……)


乳首を嬲る彼の指先に、どうしても意識が集中してしまう。
転がされる度に悶えて、それでいてもっと激しくと望んでいる自分もいる。
理知的な軍師は、その思考が武器だ。
その武器が、快楽で塗り潰されていく。
じくじくと全身が疼く。これ以上されれば……


「……」

「あっ……!?」


そんな時に、急に刺激が無くなれば誰もが驚くだろう。


「……」


アベルは無言で愛撫を終えていた。
それは己の欲望諦めたのか、或いは絶頂の寸前で止める意地悪なのか。
判断ができないが、もはやアーシャにとってどちらでも答えは変わらない。




「――おねがい、アベル……!」



……



794 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:10:28.79 ID:I3RUG0L20
――


「んっ、んあ゛あああぁぁぁぁぁぁ!?」



真夜中の浴場に、大きな女性の喘ぎ声が響く。
普通の部屋よりもより響いて聞こえるが、その原因は場所だけではない。
ただただ、純粋にアーシャの喘ぐ声が……
普段の品の良さを感じさせない程に、乱れたものだったからに他ならない。


「ま、まって、まってアベルッ! ん、んぐっ、んう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」


そして品が無いのは、その姿勢もだった。


「これ゛、深いですっ……! 奥まで、アベルが奥までえ゛ぇぇぇぇぇぇ!?」


アベルの欲望と、アーシャの欲望。
二つの欲望を満たす為なのか、アベルはアーシャを四つん這いにさせてすぐに刺し貫いた。
十分過ぎる程に解れきったそこは、ぬぷりと深い一撃も飲み込んでみせた。
まるで獣の交わり。しとやかな夫婦の一夜ではないだろう。


「まだだ、まだもっと、アーシャを……!」

「あ゛っ!? 腕、ひっぱら……ふぐ、んあぁあぁぁぁぁぁぁ!」


それでも、二人は幸せだった。
四つん這いで叫ぶ姿は、貴族らしからぬ姿だ。
だが貴族の檻を壊し、アーシャという個人を見せることができているという幸福感がある。
女の敵だという自覚を持ちつつ、だからこそ己の手中から離したく人には常に全力の愛を注ぎたいとアベルは願う。
激しく荒々しく、獣のように愛する人の奥底に愛と欲望の印を刻めるのは至高の悦びだ。




「っ、そろそろ、一回出すぞ……っ!?」

「ん゛っ、く、ん――――〜〜〜〜〜〜っ!?」




通常よりも深く挿入された状態で、アベルの欲望がアーシャの身体に注がれていく。
ともすれば、雌ならば誰もが屈服しかねない程に雄々しく容赦のない膣内出しだ。


「あっ……あぁっ……」


だからこそ、それはアーシャにとっては望んでいる、たまらないものだ。
視線を合わせられない難点はあるが、こうして愛されつつも獣のような交わいは、嫌いではない……
いや、大好きなのだと。
アーシャは自分の性癖というものを、改めて理解するのであった。


「ふぅ……ふぅ……」

「よかった、です……アベル……」


アーシャの四足として支えていた腕が、くたりと折り曲げられる。
崩れ落ちた彼女の身体は、幸せに震えていた。


795 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:11:06.82 ID:I3RUG0L20





「……まだだぞ、アーシャ?」

「え? っ!? あ、はあああぁぁぁぁあ゛あ゛ああぁぁぁぁ!?」


そんなアーシャに、再びアベルは挿入を再開した。
終ったと油断し弛緩した身体。
絶頂を迎え敏感になっている上、腕が曲がった分より高く彼に尻をみせつける格好になってしまった。
そんな状態でより激しく突かれれば、よがり狂わない道理はない。


「ま、待ってぇ!? まだイッ゛!?」


子宮を容赦なく突かれ、その度にアーシャの身体はビクビクと反応する。
容赦のない、まさしく欲望の獣のようなアベルを前に、アーシャはようやく理解した。
何故、自分は望んでいるにも関わらず、彼から離れようとさえしてしまったのか?


(こ、こんなっ、はげしいっ……♪)


何のことは無い。確実に自分の予測を上回るであろうアベルの苛烈な責め。
それを冷静な頭が警戒して、身を守ろうとしていたのだ。
だが今となってはもう時間切れ。
アーシャの身体は、愛を持って蹂躙され続ける。


「あ゛っ! あぅっ! アベ、ル……ァ!」

「アーシャ、もっと……!」

「んぐぅぅ!?」


アベルは精液を吐き出しながらも、動きを止めることが無かった。
吐き出されながら、すぐに体内でかき混ぜられ、突き上げられ、擦り込まれていく。
膣壁に、そして子宮に、アベルが馴染ませられていく。


「んうぅぅぅぅ!? ま、待って、待ってアベルっ!?」


制止の願いも虚しく、アーシャは突かれ続ける。
深く、深く、刻み込まれる。
乱暴な様でいて、愛を感じられる。
圧倒的な愛欲が、何もかもを塗り潰していく。


「君のここは、俺を咥えこんで離そうとしていないぞ……!?」

「だ、だって、アベルと離れたくなんか、ないですもの……♪」

「でも、もう少しだけ……」

「ああ、まだまだ、これからだアーシャ……っ!」

「ちが、待ってえぇぇぇぇぇぁぁあああああ゛あ゛あ゛あぁぁ!?」


お互い、声を抑えようなどという考えは無くなっていた。
誰にも見せたくない痴態も、二人の間だけだったら問題ないのだから。
二人しかいないこの世界なら、存分に獣に身を堕とせる。


「アベル、アベル……!」

「アーシャ……!」


二頭の獣は、なにものにも邪魔されることなく、いつまでも存分に愛を貪りあうのであった……



……


――
796 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:13:46.66 ID:I3RUG0L20
というわけで、アーシャとの一夜でした
この後のやりとり及びマックスの処遇などはまた後日
そして次はティア&シアの予定です
(こちらはほぼ内容が決まってしまっているので、次に内容募集があるとすればパトラになります)

本日もありがとうございました!
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 00:35:04.39 ID:WYTG94Ih0
乙です
アーシャ編でこの濃度なら
シスター達はマジでどうなってしまうのか……
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 01:00:11.38 ID:gY2X0KdTO
おつおつ
なんだかんだでアベルドSよなぁ
そしてシスターズのシチュはもう決まってるのか……個人的には両方巨乳、特にヒロインズ最大のティアがいることだしWパイズリ辺りがあると嬉しいが果たして
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 03:56:53.40 ID:cYtaKEvlO
アカンアベル家の間で
寝室=ノーマルプレイ、浴槽=アブノーマルプレイの
不文律がいつの間にか出来てぞう(いいぞもっとやれ)
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 19:13:39.65 ID:ltGTTRZXO
おつおつ!
城塞内だけだったとはいえ全裸散歩とか容赦無いというか、下手したらアーシャさん露出にも目覚めかけそう
しかし口ぶりからしてアベルもしかして前に誰か野外放尿させてるのか……?
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 23:08:00.09 ID:CJfSDnT+O
客観的に考えて貧民街時代にはエリスやロウルに
むしろ羞恥心とか以前の段階でさせてたんじゃないかね
アベル本人は危険が無いように下心一切無しで

……お風呂でロウルがアベルに当時を思い出して挑発する感じでやったら
双方元々そういう空気だったところに燃料投下しちゃって燃え上がるとか有りかも
802 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 23:46:18.87 ID:I3RUG0L20
こんばんはー
短いですが、いくつか次に必要+おまけの判定を取りたいと思います

なおアベルの野外排泄発言は、>>801さんの仰る通り暗黒街時代の経験からです
濁していますが、劣悪な環境下では止むをえないため、三人とも経験済み
(なお流石にアベルは直接は見ていません)
流石に現在は全員羞恥心を身につけているため行いませんが、
緊急事態となった際、アベルとエリスとロウルはアーシャよりも行動が早いでしょう

803 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 23:46:45.70 ID:I3RUG0L20
――――
―――
――



……翌日……



アーシャ「……///」ビクンビクン!


ロウル(アベルさん、何してるんですか……」)ヒソヒソ…

アベル「いや、その、だな……」アセアセ

シア「だ、大丈夫ですかアーシャさん〜?///」

ティア「回復した方がいいと思いますけど……///」

アーシャ「んっ……/// 大丈夫です……」ビクン!

アーシャ「た、ただちょっと、あまりに激しく動き過ぎて足腰に力がですね……///」ビクン!

パトラ「無理はいけません。アーシャさんもしばらく休んでください///」

パトラ「幸い、まだ私達でも仕事は回せる筈ですから」

ロウル(……お風呂の方からずーっとアベルさんとアーシャさんの声聞こえてたのは、黙っておきましょう///)

ロウル(多分、私以外には聞こえてはいないでしょうし……アーシャさんの名誉の為でもあります)

ロウル(……これは、アーシャさんも妊娠してしまいそうな予感がしますよ?)

アーシャ「アベル、申し訳ないけど支えてくれるかしら……///」

アベル「あ、ああ。勿論だ!」スッ…

シア「それじゃあ、今日のアドルランさんへの報告は私とティアさんが代わりにしておきますね〜」

ティア「あの箱に入っていた書類をお渡しすればいいんですよね?」

アベル「そうだが、本当にすまないな……」

シア「いえいえ〜」

ティア「その、実は私達もちょうどアドルラン様達にご報告したいことがありましたし……」アセアセ

アベル「?」

シア「ア、アベルさんにはまた後で教えますね〜?」アセアセ

シア(キアラさんが妊娠、それも多分エリスさんと同時期だなんて、まだアベルさんには言えませんよ〜……)

ティア(アベル様、キアラ様を傷つけられて聖王様への敵意が跳ね上がったといいますし……)ドキドキ…

ロウル「とりあえずアベルさん、今はアーシャさんを。他の仕事も私達でやっておくので」グイグイ!

アベル「あ、ああ。わかったよ」

アーシャ「ごめんなさい。すぐに体調を戻す様に努めますね」


……

――
804 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 23:47:16.28 ID:I3RUG0L20
――



……


アーシャ「……」ギュ…

アーシャ「……きっと、原因はみんなにばれていますよね///」

アベル「……アーシャ、本当にすまない」

アーシャ「いえ、私も少しあなたの本気を見くびっていました……///」

アーシャ「私も、もう少し頑張らないといけませんね///」

アベル「……」

アベル「……一応聞いておくが、何をだ?」

アーシャ「ふふ、ペットに決まっている――そう言いたいところですけど」

アーシャ「今まで通り、色々なことですよ」

アベル「?」

アーシャ「……あなたの隣にいる為なら、私はどんな努力も惜しみませんよ?」

アベル「アーシャ……」

アーシャ「だ、だから、ですね……///」モジモジ…

アベル「ど、どうした?」






アーシャ「ア、アベルが望むなら、今から街路樹に片足をあげながら――」





アベル「望まんっ!!! あれは俺も少しやりすぎたかと反省している!」

アーシャ「あらあら」クスクス

アーシャ「私も、あんなに恥ずかしいとは思いませんでしたよ」


アーシャ「……すごく、ドキドキもしましたけど」ボソリ…


アベル「な、何か言ったか?」

アーシャ「いいえ、何も?」

アーシャ「さ、アベル。もう少しだけこの肩を……///」ピト…


……

――

805 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 23:48:31.85 ID:I3RUG0L20
――

……

【帝国・王城執務室】


ヒバリ「あれ? 今日はアーシャが来る予定じゃなかったっけ?」

シア「その〜、実はアーシャさんお疲れのようでして〜」アセアセ

ティア「代わりに、私達が……!」

アドルラン「そうだったのか。アーシャ君はなんでもこなせる分、無茶をしがちだからな」

ルーシェ「適度な休憩、必要、です……」

シア「そうですよね〜。甘いお菓子とお茶があれば尚良しです〜」

ティア「でも、まずはお仕事を済ませてからですね。……至急の案件も出てきましたし」アセアセ

アドルラン「む?」

ヒバリ「アベル様のところが至急の案件って、それかなり大事なんじゃないの!?」

ルーシェ「……っ!」

シア「大事……う〜ん、方向性は少し違うんですけど、確かにそうかもしれませんね〜」

アドルラン「……」ゴクリ…

ティア「その、ですね……」

シア「……」

シア(アーシャさん、あんなになるまで……///)

ティア(もしかしたら、エリスさんに続いてアーシャさんも……?///)

シア(……ん?)

シア(んん〜……?)



特殊判定
↓1〜3コンマ二桁


806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 23:48:52.82 ID:kxxDBsF20
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 23:48:57.59 ID:JVpIVlnDO
はい
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/31(月) 23:51:00.14 ID:xUlN8CIl0
809 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/01(火) 00:00:23.37 ID:WqiRgp7w0

1:ウエディングブーケを獲得したルーシェの奇跡

82>75

※基準値を上回った為、エピローグ時妊娠→出産に繰り上げ!

※ヒバリと同時に妊娠したようです


2:周りが振りまく幸せ色欲ムード。シスターズは……

59+10×3(エリス+アーシャ+ヒバリ)+追加10(ルーシェ)

= 9 9 ( 大 爆 発 ! ! ! )>75

※アベルが完全に二人がかりで襲われます

※ティアの方は妊娠願望を加味すると振り切ります(白目)


3:長兄、マックスどうするの?

75>14(おお、めでたいじゃないか! よかったなキアラ!)

※基準値を大きく下回り、長兄は特に気にしていないようです

※次回判定時、マックス判定緩和

――

判定を取ったあたりで今日はここまで
相変わらず祝福の羽は残っているのですが……使わなくて大丈夫そうですね(白目)
(3番目は00だとガチでマックスぼこられるので)

ルーシェは以前ウエディングブーケボーナスの話が挙がっていたので
結構高めの基準にしましたが、乗り越えてこれで全員出産に(白目)
そしてアベル、これはどうしようかなぁ……

本日もありがとうございました!
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 00:20:46.44 ID:xL6QgVzd0

ルーシェとマックスは良い結果で良かった
アベルは頑張れ
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 00:34:18.93 ID:CyVU2F/tO
おつおつ
なんとなくアドルラン兄様は寛容そうなイメージあった
そして相変わらずのドピンクシスターズよ……てか、アベル99に対してティア100のシア50前後ぐらいだから二人いっぺんに相手すると確定敗北かつ初の夜敗北になるが大丈夫かアベル
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 01:11:23.66 ID:6glERLYH0
乙です
シスターズの本気……とそれを更に上回りそうなアベルのベッドヤクザ振りに期待
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 12:36:53.53 ID:R9yRpRUYO
そういえば妊娠願望ってティアだけじゃなくてスミレも同じぐらい高いんだよね
個人的には金真龍の力を植え付けられた時に、サクを捕らえてた腐敗貴族の考えみたいに『龍の力を持った子供が生まれるとどうなるのか』ってことで生殖欲求にブーストかけられたのではとか思ってる
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 19:02:26.66 ID:R1te9SBI0
ルーシェが報われて何よりだがマックスはローズさんという最後の壁があるからな
そしてエロモンスター二人同時とか早く片方戦闘不能にしないといくらアベルでも干からびるんじゃないか……?
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 21:36:07.17 ID:LGZxpVlFO
大淫行ドピンクシスターズ相手に大立回りするアベルを見たい一方で二人、特に振り切ったティアに搾り取られてお兄ちゃんの気持ちを完璧に理解するアベルも見たい
とどのつまり、エロければそれでいい
816 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:17:35.47 ID:CEq+o/Sr0
こんばんはー……
すみません、書き溜め期間入る前に無断で長期空けてしまい申し訳ありません……
完全に私事の問題で、書き溜めもできていない状況です(土下座)
かなり遅れましたが、まずは夜前までの部分を投下していきます
817 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:18:10.97 ID:CEq+o/Sr0
――


シア「……」ジー…

ヒバリ「ど、どうしたの?」アセアセ

シア「……」ジー…

ルーシェ「……///」プルプル…

シア「……お二人とも、なんだか動き方がいつもと違うような〜?」ジー…

ティア「言われてみると、確かに……」ジー…

ヒバリ「!?」アセアセ

ルーシェ「!?」アセアセ

アドルラン「や、やはりそう見えるかな?」

シア「はい〜。なんだか、歩きにくそうと言いますか〜……」

ヒバリ「そ、そんなことないよ!? 私もルーシェも――」




アドルラン「やっぱり、私が二人に無茶をさせてしまったのだな……!」グッ…!

アドルラン「昨夜、あれだけ待ってと懇願されたのに私は劣情に負け――」



ヒバリ「わーっ!? わーっ!!? わあああぁぁぁぁぁぁぁ!?///」バタバタ!

ルーシェ「アドルラン様っ! 言わなくて大丈夫っ!?///」バタバタ!



シア「」

ティア「」

アドルラン「し、しかしだな。大丈夫だと言ってはいたがこうして気がつかれてしまったんだぞ?」

アドルラン「幸いにも二人は優秀な治療師だ。状況をしっかり説明して最善の治療を――」

ヒバリ「だ・い・じょ・う・ぶ、だからっ!///」

ヒバリ「立てないって程じゃないからっ! はい、この話もうおしまいっ!///」

ルーシェ「い、今は、シアさん達の、お話です……!///」

アドルラン「そ、そうか……」

シア「」

ティア「」

シア(こ、これはそういうことですよね〜///)

ティア(アベル様だけじゃなくて、アドルラン様もしっかりしてるんだ……///)

ティア(……エリスさんにアーシャさん、ヒバリさんとルーシェさん……)

ティア「……」ムラ…



818 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:18:52.06 ID:CEq+o/Sr0
ヒバリ「ほ、ほら! 大切な話があるんでしょ?」

ヒバリ「私達のことなんて後々!」

ルーシェ「はい……!」コクコク!

シア「え、えっとですね〜……」

シア(……意外と皇族の方も自由になさっているようですし、大事ではなかったのかも〜?)

アドルラン「……」ゴクリ…



シア「実はですね、キアラさんがご懐妊なされまして〜……」オソルオソル…



ヒバリ「……え?」

ルーシェ「……!?」

アドルラン「おお、めでたいな! よかったなぁキアラ……」


ティア(アドルラン様の反応が思っていたより明るい!?)ガーン!

シア(流石にヒバリさんとルーシェさんは驚かれていますけど……)

ティア(この反応は、つまり……)




ティア(――皇族にとっては、子供が沢山できることは喜ばしいことっ!!!)グッ!




ティア(と、いうことは……?)

ティア「……///」モジモジ…

シア(アベルさんの子供が増えても、認められる可能性が高い……)

シア「……///」モジモジ…

ヒバリ「ふ、二人とも顔紅いけど大丈夫? って、まぁそりゃそうだよねぇ……」ハァ…

ヒバリ「アドルランからあんなこと聞かされた後に、キアラ様の妊娠報告なんてねぇ……」

ルーシェ「……アドルラン様、原因の一部、です」ムス…

アドルラン「す、すまない」アセアセ

819 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:19:24.78 ID:CEq+o/Sr0
アドルラン「しかし、驚いたな。まさか妹に先を越されるとは……」

アドルラン「私も今までの遅れを取り戻さんと、二人とより――」

ヒバリ「だ・か・ら! あれとかそれは人様に言っちゃ駄目! わかったアドルラン!?」

ルーシェ「三人だけの、秘密……!///」アセアセ

アドルラン「そ、そうだったな。すまない、今の言葉は忘れてくれ」

ティア「は、はい……///」

ルーシェ「でも、本当、驚きです。……マックスさんが?」

シア「そのようです〜。本人にそのつもりはなかったそうでして〜……」

ティア「キアラ様は気にしていないようですが、マックスさんを気遣ってまだ黙っているそうです……)

シア「でも、流石にこれは下手をすると国際問題ですからね〜……」ブルブル…

シア「アドルラン様には、報告しておかないと不味いかなって〜……」

アドルラン「いや、マックス君なら軽はずみな気持ちでは致していないだろう」

アドルラン「それにキアラもあれで芯の強い子だ。本気で嫌なら相応の行動を起こしているだろうからな」

アドルラン「二人が合意の上で結ばれ、運よく子供が出来た。何も問題はないと思うがなぁ」

ヒバリ「いやいや、シアの言う通り結構な問題だって……」

アドルラン「子が出来てしまうのはそんなに不味いのか? 君とルーシェもやはり……」オソルオソル…

ヒバリ「い、いや私達はむしろ楽しみだよ!? もう子供の名前までいくつか考えちゃってるくらいだもん!」アセアセ

ルーシェ「ヒバリさん、気が早い、です……///」

ルーシェ(……でも、アドルラン様との、赤ちゃん……)

ルーシェ(楽しみ、だな……)サスサス…

ルーシェ(……私とアドルラン様の色が混ざったら、白金の子……?)ムムム…

ヒバリ「と、とにかく、私達は大丈夫! キアラ様が不味いってのは、その……」

ヒバリ「キアラ様はまだ、正式な結婚前だし、その……ローズさんがね?」

アドルラン「……言わんとすることはわかるが、私は当人達の気持ちを優先したいな」

アドルラン「報告、感謝するよ。この件は、いずれキアラ達の口から改めて聞いてみることにする」

ティア「そ、そうですね。それがいいと思います」

シア「それでは、私達はそろそろこの辺りで失礼致します〜……」ササッ…


……

――
820 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:20:18.18 ID:CEq+o/Sr0
――

……


シア「……///」ドキドキ…

ティア「……///」ドキドキ…

シア「……///」ドキドキ…

ティア「……///」ドキドキ…

シア「…………ヒバリさんと、ルーシェさんも、でしたね〜///」

ティア「はい……///」

シア「皆さん、思ったよりも開放的というか、なんというか〜……///」

ティア「もしかしたら、お二人もいずれご懐妊の可能性が……?」

シア「十分にありえますね〜///」

ティア「そう、ですよね……」

ティア「……」

ティア「ねえ、シアさん?」

シア「はい〜?」




ティア「シアさんは――アベル様の赤ちゃんが欲しいって思ったことはありますか?///」




シア「〜〜〜〜っ!?///」ボッ!

ティア「わ、私は実は……結構前から、あったんです」

ティア「そうは言っても、最初は赤ちゃんを望んでいたというより、その過程だったのですが///」

シア「?」

ティア「赤ちゃんできちゃうくらい、アベル様に朝まで無遠慮に犯されちゃう過程が……///」モジモジ…

シア「な、なんてこと考えちゃっているんですか〜!?」ワタワタ

ティア「……でも」

ティア「エリスさんがご懐妊されて、エリスさんもアベル様も本当に嬉しそうで……」

ティア「わかるんです。きっと生まれてくる子は、二人や周りの人からも愛されて穏やかに成長していくって」

ティア「そして……温かな家庭を築いていく」

ティア「……おこがましいですけど、私もアベル様と……平和な家庭、築いてみたいなぁって……///」

シア「ティアさん……」

シア「……わかりますよ〜、その気持ち」

ティア「!!」

シア「アベルさんは、時折いぢわるですけど、そんなところもいいんですけれど〜……」

シア「本当に人の嫌がることはしない人です。無意識でも、誰かを気遣える、優しい人……」

シア「きっと、どれだけの子供が産まれても……みんな、可愛がってくれるって、断言できますよ〜」

シア「そして、そんな暮らしは……きっと、とっても幸せなんだろうなぁ〜って///」ポヤポヤ

ティア「で、ですよね……! アドルラン様の反応を見る限り、皇族の方にとっては子供はむしろ喜ばしい存在……!」

ティア「そ、そこでですね? 実はシアさんに折り入ってお願いがあるのですが……」


……

――
821 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:21:16.44 ID:CEq+o/Sr0
――


……数日後……

【帝国・アベルの城塞】


ロウル「エリスさんとアーシャさんはお休み、パトラさんは警邏……」パタパタ

ロウル「そして何故かマックスさんにシアさんとティアさんも不在って……!」パタパタ!

ロウル「流石の私もちょっと手がまわり切らないですってぇ……!」

ロウル「くぅ、パトラさんが戻るまで耐えきれれば……!」


ゴンゴン!


ロウル「ってあぁっ!? こんな時に来客ですって!?」アセアセ

アベル「待てロウル。応対ぐらいは俺がする。お前も少し休んだ方がいい」

ロウル「うぅ、ごめんなさいアベルさん……」ショボン…

アベル「気にするな」ヨシヨシ



……

ガチャ…

アベル「すまない、遅れたな」

帝国兵「あ、アベル様!?」アセアセ

帝国兵「お忙しい中、申し訳ありません! 実はアベル様宛に小包が届いておりまして……」

アベル「俺に? 差出人はわかるか?」

帝国兵「はい。どうにも聖国の者のようですが、念押しで急ぎの届けが指示されていましたので」

アベル「これは……すまない、助かった」

帝国兵「いえ! それでは失礼致します!」ビシ!




アベル「……この差出人は、ティアの父君」

アベル「一体中身はなんだろうか? 妙な胸騒ぎがするが……」ゴソゴソ…


謎の小瓶「……」チャプ…


アベル「」

ヒラ…


手紙「……」

アベル「……」スッ…

アベル「……」ペラペラ…

アベル「……」

アベル「…………今日の夜辺りから、もう警戒はしておいた方がいいかもしれんな」ダラダラ…


……

――

おまけ特殊判定
↓1〜2コンマ二桁
――
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:21:57.16 ID:MMo8a4CEO
そらら
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:22:13.16 ID:NLSPjZ5DO
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:24:14.93 ID:QyJuwdBa0
低いけど結果は!?
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:32:37.58 ID:hQ11SjG4O
まさかの同一数値
826 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/06(日) 23:34:55.68 ID:CEq+o/Sr0
1ティア父からの救援、精力増強剤(2倍)使う?

25>16

※基準値を下回った為、アベル使用せず!


2夜の襲撃、アベルの身に迫る危機

アベル:夜レベル99
ティア:夜レベル100(欲求により最大状態)+シア夜レベル56×1/2(本来受身のためサポート)=128

差…−29(アベルに−補正)

勝敗基準値50

01〜21:アベル勝利
22〜00:シスターズ勝利

コンマ16


01〜21:アベル勝利!!!



判定を取った辺りで今日はここまで
使わないのかよと思ったら勝っちゃうのかよ!?(白目)

そして長く留守にしておきながら、今度は書き溜めの為にまたお時間頂きます
もうすぐ終わりだというのに時間かかって本当に申し訳ないです
本日もありがとうございました!
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:35:54.97 ID:QyJuwdBa0

どうせなら負けルートも見てみたいなぁ………と思ったり
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 23:58:29.30 ID:hQ11SjG4O
おつおつ
使わない上に勝つとか流石あの両親の子供だなアベル……
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/07(月) 12:39:06.23 ID:HCKHWVurO
地味にアドルラン兄様も特段夜レベル高くないとはいえ二人相手にして割りとピンピンしてるんだよな……
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/07(月) 13:40:03.56 ID:T7F5l5QvO
薬に頼らず勝率2割の戦いに勝つってアベル流石やな…とりあえず使わなかった薬はカインお兄ちゃんに回しておこう
>>829
アドルラン兄様って大抵の判定で基準値上回って安定してる+体力は兄弟の中でもずば抜けてるっぽいしね
ヒバリさんは夜レベル低め+ルーシェは程よくエロい夜レベルだから平気だったのもあるかもしれないけど
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/07(月) 14:37:06.59 ID:JEYBsNyJO
お義父さんからの薬はアレだ
アベルvs6人で一斉に2人目を作るときにとっておこう
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/07(月) 14:44:31.71 ID:k+gEGRimO
アドルラン兄様は多分あれだよ、二人が渾身のコスしてきたとかで夜レベルにブーストかかったんだよ
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 23:34:51.77 ID:DH5eYr9l0
一応保守
相当難産みたいだが楽しみにしてます
834 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:22:27.06 ID:/6KcqEhQ0
こんばんはー……
本当に続けて報告もせずに空けてしまい申し訳ありません……(土下座)
私事でかなり時間を作るのが難しい状況でして、重ね重ね申し訳ないとしか言えませんです……

まだ見てくださっている方が残っているか怪しいですが、ティア&シアのパートだけ投下しておきます
835 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:23:13.07 ID:/6KcqEhQ0
――


「……」


コトリと小さな音を立てて、薬瓶が棚にしまわれる。
義父からの救援とも言える代物だったが……
こうして夜を迎えるまで、アベルは使う気がおきなかったのだ。

かつての兄のように、薬に手を出さざるを得ない者もいることだろう。
しかし自分は非常に恵まれた身体に、それなりの技術を持っているという自負がある。
だがそれ以上に、使う気がおきなかったのは自分を慕ってくれる少女達の存在。
6人も手を出し、それぞれの幸せを誓った身だ。
そのうちの一人さえ薬に頼らなければ満足させてやれないのでは、今後が話にもならない。


「さて……」


普段は気弱な態度だが、夜は中々に積極的な彼女のこと。
恐らくは今夜か明日には来るだろうと当たりをつけて、こちらの準備は万端。
以前もかなり消耗したとはいえ、一応は満足させてやることはできた筈。
抜かりはない。今度は油断も慢心もしない。

じいと見つめる時計の針が、宵の刻を示す。

今日はこないか?
そうは思うが、気を抜いて眠ることもできない。
完全な寝込みを襲われては、流石にひとたまりもないだろう。
来ないなら来ないで、それは問題ない。
寝ずの番は慣れたものであるし、こうして気を張り待ち構えるというのも久しい。
平和な時に少し弛んでしまった節もあり、かつての感覚を錆びつかせないのに丁度いい。
流石に、かつての野生の獣や賊と同等の警戒をしているなど、当のティアには絶対に言えないのだが。

静かな時を刻む音だけが響く自室でそんなことを考えていた頃……


「っ!」


こんこんと、実に控えめに扉が叩かれた。


「……開いているぞ」

「し、失礼します……!」


やはり来たかとアベルが入室を促せば、遅れて少し震えた声が返ってきた。
準備を整え、予想通りの展開だ。


「わ、私も失礼しますね〜……?」

「なっ……!?」


ただ一つだけ誤算があった。
部屋にやってきたのはティア一人ではない。

もう一人の聖職者、シアも一緒だったのだ。

普段であれば穏やかな気分になれる彼女の間延びした声も、今ばかりは少し聞きたくなかった。




836 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:23:44.56 ID:/6KcqEhQ0
深夜に男の部屋を訪ねる聖職者……
既にこの時点で問題が発生しそうだが、気にするべきは彼女達の格好だろう。
ティアは上品な絹製だが薄く丈の短いネグリジェ。ほとんど身体を隠せていない。
そしてシアはほぼ下着……いや、下着と呼ぶのもおこがましい何か。
あえて言うなら、紐だろうか。大切な箇所をギリギリで覆い隠しているといいたいところだが、
豊満な彼女の胸は収まり切らず、ちらちらと淡い色の輪が見え隠れしてしまっている。

そして追撃として、揃って桃色の枕を大事そうに抱えている。
言い逃れなどできない。彼女達が何を願ってここを訪れたかを察せない人間はいないだろう。


「っ……」


覚悟を決めていた筈のアベルは思わず言葉を失い、たらりと汗が伝った気もした。
普段は控えめな二人が、あまりにも扇情的な格好でこうして目の前にいるのだ。
経験豊かとはいえ、それでも目を奪われたというのは揺るぎ無い事実。
そうしているうちに二人の聖職者はゆっくりと部屋に入ると、やがて寝台に腰を下ろした。


「シア、ティア……」


確認するように、二人の名前を口にする。
何故ここに、などとは言えない。
格好もだが、軽く息を吸うだけで仄かな湿り気と石鹸の香りがわかる。
準備を念入りにしていたのはあちら側もだ。


「アベル様……」


可愛らしく、ティアがこてんと肩にもたれかかる。
するとすぐに倣うようにシアも反対側の肩にもたれかかった。
ふわりと広がる柔らかな匂いに温もり。
アベルも欲望が首をもたげてくるのを自覚するが、まだ動くことはしない。


「……二人でそんな格好で来るとは、驚いたな」


ただ一言、正直な言葉だけは口にする。
淡々と、焦りの感情などまるで見せずに。


「そ、その……折角買った水着でしたし、喜んで貰えるかな〜って……」


顔を真っ赤にしながらもシアが返す。
恥ずかしげに身を捩れば、それだけで色々とはみ出てしまっている。
やはり下着ではなかったか。しかし時期外れの水着となるとまさか以前のあの時に……?
色々な感情が混ぜこぜとなるが、確かに淫猥なシアの姿に惹かれている自覚がアベルにはあった。


「私……以前、アベル様を満足させられないまま意識を無くしちゃって……」

「一人じゃ、不安だったんです。だから、私に一番近いシアさんと一緒ならって……!」


首の向きを変えれば、やはり紅くなったティアが応える。
一番近いというのは、体型的な意味合いだろうか。
同じ聖国出身者の穏健派でもあり、頼り易かったのもあるのだろう。
しかしわかってはいたが『一緒』という言葉に内心アベルは震える。
前回、ティアの体力を奪いきったのは運も味方していた筈だ。
ティア一人で消耗するというのに、ここにシア――意外と性には積極的な彼女も加わるとは。


(だが……逆に言えばまだ二人程度、ではあるか)


今更、後に退くわけにもいかない。
彼女達も覚悟を決めてここに来ているのだし、これ以上待たせるのも無粋だろう。
予定外ではあるが、この程度はまだ苦境の内に入らない。
アベルも覚悟を決めて、ゆっくりとその身体を動かし始める。


837 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:24:21.85 ID:/6KcqEhQ0


「あ……」


少女達の声が重なった。
アベルが両腕を広げ、二人をまとめて抱きしめたのだ。
それぞれが片腕だけのため、熱い抱擁とはならないが……
それでも彼女達は嬉しそうに身体を委ね擦りつける。

両手に花という言葉があるが、まさに今がそれだろう。
柔らかな極上の肢体、人肌のぬくもり、髪から香る甘い匂い。
このまま絡み合い、溺れてしまいたいと誰もが思うだろう。


「んっ!?」

「やぁぁっ!?」

「おや、これはこれは……」


しかし、アベルの行動は速かった。
二人を抱き寄せた余韻もそこそこに、そのまま無遠慮に彼女達の下腹部に同時に手を伸ばしたのだ。
ティアの下着の中に手を入れ指を蠢かし、シアの方はまだ触れてやらずに紐をぐいと引っ張ってやる。
それだけで、可愛らしい喘ぎ声がアベルの両耳を楽しませる。
互いが密着しているからこそ、その声も実によく聞こえる。


「まだ触れる前から、こうも準備ができているとはな。どれだけ期待していたんだ二人とも?」


それは、悶える二人にも同じこと。
低く呟かれたアベルの言葉が耳に染みわたり、頭の中を掻き回す。
はしたないとは思いつつも、今宵に期待していなかったと言えば嘘になる。
そうでなければ、こんな格好で部屋を訪ねるわけもない。


「くぁ……んぅ! そ、そんなことはぁ……!」

「アベルさんが、触れるからぁ……!」


それでも、聖職者の意地なのか。
すぐにそれを認めようとはしない。
そんな真似をすればどうなるか、わかっている筈なのに。
いや……わかっているからこそ、二人はそれを期待していた。


「認めてしまえ。二人とも、俺にこうされたかったんだろう?」

「ん゛ぅ!?」


冷たい風で、どこか愉しげにアベルは言葉と共に責めを強める。
蜜を零すティアの秘裂をなぞっていた指をいきなり差し込んだかと思えば、爪の先で皮をめくり、
昂ぶった様子の豆を少し強めに擦ってやることも忘れない。


「あぅ、あっ……! だめぇ、そんなにくいこませないでぇ〜……!?」

「そんな紐を用意していたのはシアだろう? 流石の俺も少し意識が飛んだぞ?」


対してシアの方はまだ触れてやらず、より激しく紐を食いこませるばかり。
水着としての機能は元々皆無だが、アベルの手で好き放題にされたそれは、本当にただの蜜を含んだ紐だ。
引っ張れば引っ張る程、新たな蜜を供給する。
シアの抗議を気にすることも無く、紐はまだまだ弄り回された。


838 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:24:51.99 ID:/6KcqEhQ0


(これは、想像以上の濡れ方だな……)


両手で愛しい二人を嬲りながら、内心でアベルも二人の乱れぷりに驚く。
二人同時と言うこの状況も少し特殊ではあるが、アベルとしてはやっていることは実は変わらない。
ティアは最初から激しい責めを望む節があり、また後々のことを考えれば先手を打って余力を削ぎたい思いもあった。
シアはああして焦らした方が、口ではいぢわると文句を言ってくるが実は悦んでいるということを知っている。
左右の責めを微妙に変え、それぞれが満足できるように責めているつもりではあるのだが……
それを考えても、今日の二人はどこかが違う。
今でこそ乱れる二人ではあるが、本来は控えめだ。
彼女達が勝負をしかけてきたのも、何か理由があってのことだろう。


(……愚問だったか)


そしてすぐに答えは見つかった。
エリスを徹底的に堪能し、孕ませて。
いずれ子供が産まれるというのに、欲望はおさまらなくて。
アーシャまで孕まさんと、後のことを考えずに獣のように交わった。
全員を愛する覚悟は勿論あるが、それでもやはり彼女達側から見れば、扱いの差を感じてしまうのだろう。
アベルは個人的な感情から、正妻と妾の関係が好きではない。
愛するならば等しく、そこに差があってはならない。
エリスとアーシャを見た二人が、何を想ったのか?
そしておそらくは……いずれ、パトラとロウルも。


(……)


自分には勿体ない程の少女達が、子を為したいと思う程に慕ってくれる。
それは男冥利に尽きると同時に、強烈に支配欲も満たす。
そしてなんの因果なのか、この二人はティアの言うように近しいのだ。

純粋で心優しく、聖国の良い面を体現したかのような聖職者。
それでいて男を惑わす豊満な胸を備え、被虐趣味という似た者同士。
もちろん彼女達の身体や心に傷を残す真似はしたくない。
それでも二人の昂ぶる心と身体、その欲求を満たす為ならば仕方がないのだと。
僅かばかりの理論武装で、仮面を被る。


「やれやれ、お前達のせいでこんな有様だぞ?」


漸く手の動きを止めたアベルは、わざとらしく水音をたてながら手を上にあげる。
それだけで聖職者らしからぬ淫らな様を突きつけられているようで、二人の顔は紅くなる。
だが、責めは止むことは無い。


「見てみろ、指どころか掌まで濡れてふやけたかもしれんぞ?」

「あっ……」


言葉通り、アベルの両手は二人の甘露でしとどに濡れていた。
ぬめり指先を光らせるそれがなんなのかは、口に出さずともわかる。
それを見せつけるように、羞恥に染まった二人の眼前で揺れ動かす。



「…………」

「……ん……!」


言葉はない。
しかし、自らの乱れた証を突きつけられた二人はどちらからともなく、どこか蕩けた瞳でその指に舌を伸ばした。


839 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:25:33.90 ID:/6KcqEhQ0
「んちゅ……ちゅぅ……」

「ちゅぷ……ぺろ……」


アベルの指にたっぷりとついた愛液を、二人は綺麗に舐めとっていく。
決して美味い代物ではないが、しかし彼はそれを望んでいる。
それに舐めとりさえすれば、残るのは指だけだ。
かの従者はこれを舐めるのが好きだと言うが、それはこの二人も同じようだった。
およそ普通の人間であればしない行為だが、だからこそ相手にも悦んで貰える。
そして自分達も、何か満たされた気持ちになってくるのだ。


(薬湯で清めておきましたけど、今度はもっと用意しておいた方がいいですかね〜……?)


アベルの傷痕の残る指を丁寧に舐めあげながら、シアはもう『次』を考える。
回復魔法は便利ではあるが、使い手は少なく施せる治療も完全なものではない。
薬草や傷薬といったものが廃れないのもそれが理由である。
勿論重傷ならば即座にそれ相応の手当が必要とはなるが……
例えば指先を切った程度のものであれば、口に薬を含んでこうするだけでも効果があるだろう。
治療を名目に、いつでもこうして大好きな人の指を舐められる……
それはこの上なく幸せなことだろう。


「んぢゅ……んっ、むっ……!」


そうした夢想をしているうちに、ティアはより大胆に指への奉仕を行っていた。
舐めとるという行為は既に終えており、今や指全体に吸いつき掌や甲の方にまで舌を這わせている。
はしたないと言われても仕方がない行為ではあるが、彼女は止まれない。


(アベル様、の……ごつごつしてて、太くて……!)

「っぉ……!?」


喉奥まで咥えこんだのか、ぬろりとした感触にアベルの口からも声が漏れる。
遅れて彼は指への奉仕を命じたのは失敗だったかと後悔するが、もう遅い。
舐めとられた愛液に代わり、今度はティアの唾液で手全体がぬれそぼっていた。


「ん、んぅ……」


喉から指を戻したかと思えば、今度は爪先が舌でこそばゆく撫ぜられる。
彼女が指を何に見立てて奉仕しているかは、アベルとシアの目から見ても明らかだった。
普段のティアを知る者であれば、想像もつかないような淫靡に蕩けた顔つきで指を舐めしゃぶる……
彼女の特別な一面を見られるというのは嬉しいものがあるが、同時に身震いもしてしまう。


「あむっ……」

「ま、待てシア! お前まで……」


呆気にとられていたシアも負けていられないとばかりに指を咥えこもうとして、阻止される。
彼女は少し不満そうな表情を浮かべるが、制止は少し遅かった。



「アベル様……もっと、ご奉仕をさせてください」



蕩けきった聖女は、笑顔でそう言ってのける。
優位に責めていた筈が、次は自分が責められる番だとアベルは認識せざるをえない。
そして、今は以前とも状況が異なるのだ。


「わ、私だってご奉仕しちゃうんですからね〜……?」


少し張り合うように、もう一人の聖女も名乗りをあげた。


……

840 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:26:19.82 ID:/6KcqEhQ0
――


薄暗い部屋の中で、聖職者の身体を好きにする。
字にすれば帝国の暗将とやっていることは同じだが、実際の光景は大きく異なる。
鍛えられた青年の身体に清らかな白い肢体が絡み付き、それは彼女達が望んで行っていること。
受身なのは、男の方だ。


「ど、どうですかアベルさん? 前よりも、大きくなったと思うんですけど〜……」

「あ、ああ……」


恥ずかしいといった感情はかなり残っているのだろう。
ぎこちなく、紅くなりながらもシアは奉仕をやめるという選択肢を除外していた。
寝台に腰掛けたアベルの背中から抱きつくようにし、その豊かな胸をこれでもかと押しつける。
普段着ではわかりにくいが、確かにより魅惑的に成長した果実の感触にアベルは生返事しかできなかった。
仮に大きさが変わっておらずとも、こんな真似をされて意識しないわけがない。
ただ抱きつくだけでなく、時折自ら動いてこすりつけてくれば、その先端の感触もわかる。
当のシアもこの行為だけで胸に快楽を感じて甘い吐息を漏らし、それはそれでアベルの理性を崩してゆく。


「こっちも、しっかりご奉仕しますよ〜?」


そして背中にもたれるようにしながら、白い手は前へと回された。
既にそそり立っているアベル自身に指を絡め、ゆっくりと動かされる。
これだけでも十分過ぎる快楽だが、それだけではない。


「んふぅ、んっ、んぐ……っ!」


ティアはアベルの脚の間に跪くような格好で、指と同じように性器への奉仕を行っていた。
軽く咥えただけだが、時折見上げてくる表情とくぐもった吐息は劣情を煽る。
以前よりもさらに上手く的確に弱いところを責められれば、アベルの意思とは無関係に射精感も煽られる。


「テ、ティア……!」

「んふ、ひもひひいでふは?」


びくりと反応を示せば、彼女は咥えたまま嬉しそうに目を細めて奉仕の速度を上げた。


「こっちは、どうですか〜?」

「く、ぉ……シア、待て……!」


それに合わせるようにシアの胸はより強く押し付けられ、擦り上げる指の動きも速くなる。
二人がかりの奉仕の前に、アベルも声を抑えきれずにただ堪えるのみ。
気を抜けば、このまま全てを二人に委ねてしまいそうな快楽だ。
自分が受け身、二人にされるがままの状況になっているということは受け入れざるをえない。
だがこのままただ自分だけが快楽を甘受してしまうというのは、己の求める在り方に反する。


心のどこかに、やはり彼女達をいぢめてみたいという嗜虐的な欲求もあったのかもしれないが。


押し寄せる快楽に耐えつつも、アベルはゆっくりと手を動かす。
奉仕に夢中な二人は、それに気がつくこともない。



841 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:26:47.29 ID:/6KcqEhQ0
「ふっ……!? ん、やぁぁ!?」


突然の痺れるような感覚に、ティアの身体が跳ね上がる。
アベルの手はいつの間にかティアの胸元まで滑らされており、ぷくりと膨らんだ頂を摘み上げたのだ。


「あっ、駄目、です……! 今は、私がぁ……!」


か弱い抗議の声があがるが、たわわに揺れる胸を捏ねまわし尖りきった乳首を指の間で挟み転がせば、
身体を仰け反らせながらティアは堪らず口を離して嬌声をあげてしまう。


「あ……」


切なげな表情を浮かべた理由はどちらのものか。
奉仕を再開しようとするティアだが、その度に更に激しく胸を虐め抜くアベル。
悦びつつもいやいやと身体をくねらせ逃げようとする少女の小さな身体を、
脚を少し閉じることで逃げ場を無くしてやることも忘れない。


「……どうしたティア? 奉仕が止まっているぞ?」


そして追撃と言わんばかりに言葉責めもしてやる。
止まって欲しいのがアベルの正直な思いではあるのだが、彼女にはこれが有効なのもまた確かなこと。
事実目の前のティアは瞳に涙を浮かべつつもなんとか奉仕を再開しようとしている。
これはこれでいいものだが、まずは再び攻勢に入ろうとアベルも指先に力を込め始めた。


「ご、ごめんなさ、あっ、あっ!? やぁ、そんなに揉まないで……!」

「ふふ……」


どこまでも指が沈んでいくティアの胸は、アベルを飽きさせることはない。
ティアも胸を弄られることで明らかな快感を得て、見えない場所では既に蜜で床を汚している。
少し乱暴かと不安がよぎる程の力を込めても、返ってくるのは甘い声。
自分の股の間で、愛らしい少女が涙を浮かべ、涎と汗に愛液まで撒き散らす……
いけないことだと思う反面、満たされてしまう。


「……奉仕ができないなら先に達してしまうか、ティア?」

「んっ、ま、まっ―――っ!? んゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ―――――ッ!?」


再度咥えこもうと意識がそちらに集中した瞬間を狙って、強めに乳首を弾いた瞬間にティアは達した。
誤って歯を立てないようにするためか、咄嗟に口を離して開かないようにしたのは彼女の本来の優しさだろう。
それでも抑えきれていない嬌声に、アベルは静かに満足そうな笑みを浮かべる。


「っ……!?」

「もぉ、いぢわるしすぎも駄目ですよアベルさん〜?」

「シア!?」


しかしそれを狙っていたのか、背後から少し責めるような口調でシアが囁いた。
彼女の双丘はアベルの背でぐにゅりと潰され、先程よりもさらに密着している。
そしてその細い指が、アベルの先端で先走りの汁を弄っていた。
ティアの口が無くなったことで、彼女の指は全体を責められるようになっていたのだ。


842 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:27:24.56 ID:/6KcqEhQ0


「アベルさんだってぇ、気持ちよくなってくれているんですよね〜……?」


ゆったりと囁かれる言葉に合わせるように、指の動きも非常にゆっくりとしたものだ。
しかし唾液と先走りでぬめるそこをゆっくりと扱かれ、敏感な先端も時折刺激されるというのは、
なかなかの快楽をもたらす。勢いはないが、着実に昂ぶらされると言えばいいのだろうか。


「っ……シア、今日は随分と……」

「……私だって、アベルさんに喜んでもらいたいもん。こっちのお勉強だって、少しはしたんですよ〜?」


言葉を遮り、シアは緩やかな奉仕を続けていく。
やはり拙さは残るものの、彼女の場合はその落ち着いた声も武器の一つとなっていた。
それに呑まれれば、なかなか本来の調子に戻ることはできなくなる。


「ティアさんほど、上手くはできないかもしれないけど……」

「ぐ、ぉぉ……!?」


緩やかに続く刺激。
しかしある種の緩急がついた奉仕に、アベルは敏感に反応を示す。
このままでは、程なくして射精させられるという予感があった。
股座で絶頂の余韻に浸ってはいるようだが、ティアもいずれは起きることだろう。
そして仕返しと言わんばかりに、今度は喉奥まで呑みこんでくるに違いない。
シアもそうだが、ティアの場合でも相手の得意とする状況に持ち込まれるのは不味い。


(俺も、まだまだ甘いみたいだな……)


少しばかり持っていた自信も、もう役には立たない。
二人がかりでこの有様では、いつか全員を同時に愛することは本当にできないだろう。
この緩く甘い奉仕も悪くはないが、この後を考えるとまだ余力を残しておきたい。


「……シア」

「はい? っあ!?」


だからこそ、迷いは無かった。
片手はティアに備え、もう一方の手を素早く背後のシアへと回してみせる。


「ん、んんぅ……!?」


背後を取り、胸が惜し潰れる程の密着状態……
先程はいきなり胸を弄られるティアの姿を見て少し震えたものだが、シアには余裕があった。
これだけくっついていれば、同じ手で奉仕を妨害されることはない。
逞しい背中に潰されているだけでも気持ちがいいのは隠せないが、すぐには達しない筈……そう考えていた。
事実アベルといえど、この状態で胸への愛撫を強行するということは難しい。シアの考えは間違ってはいない。


「や、あ、あぁぁ!? だ、だめぇぇぇ〜!?」

「何が駄目なんだ? シアも奉仕が止まっているということは……気持ちいいんだろう?」


意地悪いアベルの言葉に、シアの顔が染まり上がる。

アベルの片手は、シアの尻肉を揉みしだくと同時に指先が穴に埋まっていた。


843 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:27:54.90 ID:/6KcqEhQ0
「あっ、ふぁ……はぅぅ……」


胸とは違った心地よい柔らかさの尻が、ゆっくりと愛撫される。
深い挿入はないが、尻穴をつぷつぷと刺激されるだけでシアの身体は悶え跳ねた。
意識がそちらに集中してしまい、気がつけば手の動きも止まってしまう。


「……そう言えば、以前こんなことを言ったな」

「ん、ふっ……んぅぅ……?」

「カイン兄様をはぐらかす為だったが――後ろの穴に挿入したと」

「〜〜っ!?」


思い出し、そして顔は見えずともきっと小さく笑っているだろうアベルの顔を考え、シアがぴくりと反応する。
そして無意識のうちに肛門もきゅっと閉まったことをアベルは見逃さない。


「俺も経験が無いわけではない。シアが望むなら、嘘を真実にしてしまうことも吝かではないんだがな?」



くつくつと笑いながらも、尻を穿つ指を休めることはない。
入口周りと浅い部分だけだが、それでも男の指が抜き差しされ、時には折り曲げられる。
既に一般的な聖職者の道からは踏み外してしまった自覚があるシアも、この提案は素直には受けられない。


「だ、だめですぅ……このうえ、お尻までだなんてぇ……」


ふるふると首を振る代わりに、頬がアベルの背中に擦り付けられる。
背中越しに感じる精一杯の抗議に、アベルは薄く笑うと指を引き抜いた。
素質はありそうだと思うが、無理強いはしたくない。


「ん、んあぁん……♪」

「くく、そう言う割には、随分と艶っぽい声だが?」

「も、もぉ〜! こうなったのも全部、アベルさんの責任なんですからねぇ〜!?」


しかし言葉でいぢめることは忘れずに、同時にアベルはひっそりとシアの手を後ろに下げておく。
一度小休止を挟まなければ、昂ぶった自分の下半身はすぐに暴発することだろう。
このままシアを側面に戻し、胸を愛撫して主導権を取り戻せば――




「アベル様のいぢわる……」

「な、ティア!?」



そう考えた矢先、アベルの股座には少しだけ唇を尖らせたティアがいた。
予想していたよりも、随分と速い復活だ。
慌てて再びティアへの愛撫を再開しようとするが、今度は彼女の方が一手早かった。


「え、えぇいっ!」

「ぬおぉっ!?」


揉み潰されるよりも速く、ティアは身体ごと前へと踏み入る。
そしてアベルの腕を払いどけるや、着実に限界の迫っているアベルの肉棒をその豊満な果実で挟みこんでみせた。


844 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:30:09.75 ID:/6KcqEhQ0


極上の柔らかな感触が押しつけられ、それだけで達してしまいそうになるのをアベルは必死に耐える。
先程の仕返しのつもりなのか、ティアは己の胸を両手で押し潰し、より強く挟み込んで射精を狙う。
そして奉仕を続けながら、光の宿った青い瞳はアベルではなくその後ろのシアを見ていた。


「わ、私一人では駄目かもしれないので、シアさんも……!」


何を、とまでは口にしなかったがそれだけでシアも頷いてみせた。
まさかの事態にアベルが制止をかける前に想像もつかない機敏さでシアもアベルの正面に回り込む。
その顔は相変わらず恥ずかしそうであるが、どこか悪戯めいた笑顔でもあった。


「アベルさ〜ん? あんまりいぢわるばかりすると……私達だって、怒るんですよ〜?」


その口ぶりに怒りの感情は見えないが、彼女もティアに並ぶようにアベルの股の間に身をおさめる。
機能していないも同然の紐をずらせば、固く尖った乳首と共に豊満な胸が改めて大きく震えた。


「っ……」


思わずアベルも生唾を呑みこむ。
自分が知る少女達の中でも、最大級の大きさを誇る二人が惜しげも無く胸を曝け出しているのだ。
育てる、弄りやすいといった面から小ぶりな胸が好みのアベルではあるが、決して豊乳に魅力を感じないわけでもない。
目の前で揺れていれば当然弄り倒したくなるし、柔らかな感触もいつまでも楽しんでいられる。


「それじゃあ、私も失礼しますね〜?」


よいしょと、シアも自身の胸を持ち上げながらアベルににじり寄る。
これから何が起きるかなど、三人ともがわかっていた。
ティアはすすっとお互いが動きやすいように位置を変え、シアを迎え入れる。
シアもそれを受け、ちょうどティアと対面になるような位置に移動する。
これは不味いとアベルの脳も警鐘を鳴らすが、視界から飛び込んでくる光景に目を奪われ反応が鈍る。
経験豊富なアベルも、この光景は初めてのこと。
甲乙つけがたい特大の柔肉が眼前にあり、それは彼女達の呼吸だけでも上下して男を誘惑する。


そして。


「「んしょ……」」

「っぉ……!」


息の合った動きで、左右から挟み込むと同時に肉の布団でアベルのモノを擦り上げた。
特大の果実で包み込まれてなお埋まりきらず、時折先端を覗かせる姿に、二人の聖女は頬を染めつつも目を輝かせる。
ああ、なんて逞しいのだろう。
これがこの後、自分達の中に出たり入ったりするのだと思うと、身震いが止まらない。
この後も可愛がってもらう為……
そして、たまにはいぢわるの仕返しもしてみたいと、二人は容赦なくアベルを責めたてる。


(こんな駄肉でも、アベル様に悦んで頂けるなら……悪くないかも♪)


口で咥えていた時以上の反応に気を良くして、ティアは胸の動きをさらに速めていく。
嫌いでしかなかったこの大きな胸も、今ばかりは感謝の感情しか湧いてこなかった。


(……もっと甘いものを食べたら、もっと大きくなって悦んで貰えるのでしょうか〜?)


そしてそれは、シアも同じく。
二人は実にうっとりとした表情で共同奉仕を続けていく。

845 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:30:48.84 ID:/6KcqEhQ0
「くっ、はあぁ……!」

「アベル様、いかがですか……?」

「痛かったりしたら、言ってくださいね〜?」


上目遣いで極上の快楽を与えてくる二人の聖女。
しかしそれに文字通りに挟まれているアベルにとっては、堪ったものではなかった。
荒い息しか吐き出せず、二人の問いにも満足に答えてやることもできない。
責め手だった筈が、少しでも気を抜けば立場が入れ替わる。
いやただ入れ替わっただけではない。与えられる快楽に何も考えられなくなるなど、敗れているも同然だ。


「あ、アベル様今震えた? ここが良いのですか?」

「それとも、こっちですか〜?」


目敏く弱いところを見つけ出すと、ティアは嬉しげにそこを責めたてる。
圧倒的な包容力と柔らかさだけでなく、谷間から顔を覗かせる先端にも躊躇いなく口付けを落とす。
そして間髪入れずにシアの舌も伸ばされる。
時折四つの固い蕾もこすりつけられ、種類の違う波状攻撃はいとも容易くアベルの忍耐力を削り取った。


「あむっ」


「う、ぐ、おおおおおぉぉぉぉぉぉ……!?」


「ん、んむぅぅ!?」


幾度目かの刺激で、実にあっさりとアベルは谷間とティアの口の中で弾けた。
不甲斐ないという気持ちが湧くが、それさえもすぐさま新たな快楽で塗り潰される。


「んぐ、ん、んむ……!」


苦しげな表情は一瞬のこと。
吐き出された濃い精液を口内で受け止めたティアはすぐさま全てを吸い上げようという姿勢を見せる。
射精中の新たな刺激に、アベルの腰は震える。
それでもティアは止まらない。決して美味でもなければ飲みやすいものでもないそれを、最後の一滴まで求める。


「けほっ……! あ……!」


しかし、望んだことが必ずしも実現できるわけでもない。
精液を飲み下すのに手こずり、口の中の精液量が限界を迎えた時ついに口を離してしまう。
必然的に口から溢れ零れ落ちる白濁した粘液。
そして吸われていた勢いそのままに、まだ飛び散る残滓が彼女の顔を穢してみせた。


「あ、ああぁ……」


穢されながら、彼女は飲み切れなかった後悔と、染め上げられる被虐の悦びの狭間で震えていた。
その姿は実に淫らで、そそるものがあった。
節操がないという自覚はあったが……
アベル自身の意思とは無関係に吐き出したばかりのそこは早くも硬さを取り戻しつつあった。
これで次になんとか挽回するしかないかと、アベルは動き出そうとする。

846 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:32:21.65 ID:/6KcqEhQ0
「す、凄いです〜……それじゃあ、次は私の番ですね……?」

「んおぉっ!?」


しかし、呼吸を整えるよりもはやく今度はシアが先端を咥えこんだ。
相変わらず乳圧による快楽に加え、射精直後の先端を舌先でくすぐられて耐えられよう筈もない。


「ま、待てシア……! まだ……!」

「やぁですよぉ〜? わ、私だって、その……」


ごにょごにょと口籠ってしまうが、それを誤魔化すように再び吸い付く。
その姿と与えてくる刺激に、もはやアベルに体裁を保っている余裕は微塵も残ってはいない。
されるがままに震え、柔らかな胸の感触に溺れ、滑らかな舌先に悦ぶばかり。


「待ってくださいシアさん、私まだ、ちゃんとご奉仕できてないです……!」


そこに、染められた顔もそのままにティアも入り込んできた。
先程飲みきれなかったのが悔しいのか、より強く胸で圧迫して快楽を与えてくる。


「ティ、ティアさんはさっきやったじゃないですか〜!? 次は私ですよ〜!」


それに負けじとシアもぐいと胸をさらに寄せ上げ、アベルを刺激していく。
受けてティアもさらにさらに激しさを増して。
どこか張り合っているようにすら見える光景に、アベルの思考は放棄寸前までに追い込まれる。
これは天国か地獄か?
愛しい聖女達が、自分を求めて股座で可愛らしい勝負をしているのだ。
狙っているのが自分の精液などでなければ、なんと微笑ましく嬉しい光景だったことだろう。
耐えなければと思ってはいるのだが、射精直後の敏感な状態であること……
そして、挟みもたらされる快楽があまりにも大きすぎた。


「ん、んぐぅぅぅぅぅ〜〜〜っ!?」


再び呆気なく、今度はシアの口の中で果ててしまう。
涙目で口をもごもごとさせているシアが気がかりではあるが、それを羨ましげに見つめるティアの姿が映った。
言葉には出さないが、舌先をのぞかせているのは分け与えてくれという合図なのだろうか?
しかしシアは表情を歪めたまま首を横に振り、ゆっくりゆっくりと喉を鳴らしていく。


「んっ……! んん……! ん……んあぁ……」

「大丈夫かシア……?」


なんとか飲み干した様子だが、まだ苦しいのか問いには首を縦に振るだけにとどまった。
ティア程には精飲が向いているとは言いにくいようだ。
いや、ティアが天賦の才を持ってしまっていただけなのかもしれないと彼女の方を見れば、目が合った。


――次は、また私にお恵みを――


言葉は無くとも、彼女が次を望んでいること。
そして今度こそ飲んでしっかりとした奉仕をするのだという気概を感じ取れた。
彼女は思わぬところで行動力を見せるということは知っていたが……
流石にこれ以上は身が持たない――アベルは身の危険を感じていた。

847 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:32:49.58 ID:/6KcqEhQ0
このまま推移すると、口淫だけでお互いが飲んだ飲まないで幾戦か勃発する。
果たして自分は耐えきれるのか、見栄を張らずに薬に手を出しておけばよかったか?
二度に渡る射精で思考の一部が掻き混ぜられている状況でも、アベルは必死に考えた。



(――いや、二人が本当に望んでいることを為すまでは、このまま倒れるわけにはいかん!)



溺れてしまいたい共同奉仕。
しかしそういうわけにはいかないと、アベルは己を奮い立たせる。
程なくしてティアがまた吸いついてくることだろう。
それでは泥沼だ。
一対一ならおそらくは勝てるだろうが、それでは意味が無い。
二人同時に相手にして満足させてやれてこそ、この夜に意味はある。


(――形振りを構っている暇はないな)


結論は、実に迅速に導き出された。
少し手荒かもしれないが、この二人ならそれを受け止めてくれそうだとも思えたのだ。
考えをまとめたアベルは、行動も素早かった。


「アベル様、次は――ふぁあああっ!?」

「ティアさ――んああぅっ!?」


二人の聖女が次の奉仕を始めるよりもはやく、両の手は愛液の源泉を無遠慮に蹂躙していた。
少し乱暴に突き入れられ、ばらばらに動かされる指はぐちゅぐちゅと今日一番の淫らな水音を部屋中に響き渡らせる。


「――随分と、好き放題にしてくれるじゃないか二人とも?」


寝台から降り、彼女達と目線を合わせ、低く冷たい声を出しつつも笑ってやる。
身震いする様も気にすることなく、蠢かせる指を止めることも無い。
濃紫の眼に魅入られ動けなくなった二人は蕩けた息とくぐもった嬌声しか出さなくなっていた。
これでもかと掻き回された秘所から溢れ出る水音は、昂ぶっていた二人の熱を現実へと引き戻す。
制止を振り切って大胆な真似をしてしまった恥ずかしさと相まって、己が淫乱な聖女だと咎められているようにすら思う。
今更はしたない声を抑えたところで、新たに溢れ出る蜜の前には何もかも無意味なのだが。


「さっきの言葉を返すなら、俺でも怒ることはあるし――容赦をしなくなる時だってあるんだぞ?」

「「んうっぅ!?」」


二人同時に、蜜穴からじゅぽりと指が引き抜かれる。
それだけで二人ともががくがくと震えて淫らに揺れた。
軽く達したのかくたりと力を失った身体は、必然的にアベルが受け止める格好となった。


「――覚悟はいいか?」


二人を両腕を広げて抱き止めながら、耳元で囁く。
それはこれまでに聞いた、どんなアベルの声よりも酷く冷たく――魅力的に聞こえた。


「「は、はい……♪」」


二人の聖女は、それを揃って悦びとして受け入れる。


848 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:33:29.65 ID:/6KcqEhQ0
怖い……その感情が無いと言えば嘘になる。
だが今は自分は一人では無い。二人いれば奉仕もしやすいし、耐えることもできる。
仮に組み伏せられたとしても、一方を相手にしている最中にもう一方は少しは休める。
だからこそ、これからもたらされるであろう快楽を、全力で受け止めようと聖女達は決心する。
両腕を広げての抱擁が、とても心地よい。
ここから、どういう扱いを受けるのか――


「「……え?」」


仲良く受け入れた二人は、仲良く困惑した声をあげた。
いつの間にか、自分達の両腕が後ろに回されている。
それだけならまだいいのだが、どうにも動かせない。
強めに動かそうとすれば、何かが食いこんでくる。


「こ、これは……」

「二人とも、男に抱きしめられたからといって――簡単に気を許すとそうなるぞ?」


シアはその正体に感づき口にしようとするが、そこに冷たいアベルの声が割って入ってくる。
彼は二人を抱きしめると同時に二人を後ろ手で縛っていたのだ。


「や……!? これ、荒縄ですか!?」

「いつの間に、いえ、そもそもどこから……!?」

「縄は二人の趣味嗜好に合わせて元から寝台の下に用意してあった。
 その束縛は、暗黒街では割とよくある手だ。俺もされたことがあるし、仕返したこともある」


淡々と告げられる言葉に、二人の背筋が震えあがる。
何でもないと言った様子ではあるが、まるで気がつくことができなかった。
もし、本当に彼が悪しき心の持ち主だったらと思うと、震えずにはいられない。


「さて……本番といこうか」


その言葉で、聖女達はさらに震えがる。
未だに何が起きたのか理解しきれず、頭は混乱したまま。
激しい愛撫で身体の力は抜け、手は荒縄で封縛された。
困惑、恐怖……そして淫靡な期待を寄せる様な、混ぜこぜの感情のまま喉を鳴らすことしかできない。


「まずは、シア」

「ひゃあぁ!?」


そして間髪を入れずに、縛られたままのシアが抱き抱えられる。
これはこれで恥ずかしいけどいいかも、そう彼女が思った頃にはすぐに寝台の中央に仰向けで寝かされていた。
少しだけ頬を膨らませて細やかな抗議をしてみるが、次の瞬間にはティアも抱き抱えられている。
なんだただ寝台に移動させただけかと思えば……


「え?」

「きゃっ!?」

シアは、己の上が塞がれたのがわかった。
てっきり隣に寝かされでもするだろうと思ったティアが――『うつ伏せ』の格好でシアの上に被せられたのだ。
然程重くないとはいえ、腕を縛られティアが折り重なっていてはシアは思うように動けない。
逆にティアもうつ伏せで手を縛られていては思うように動けないし、何よりも背後にはアベルがいるのだ。
動けるわけがない。

849 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:35:16.34 ID:/6KcqEhQ0
「いい格好だぞ二人とも?」


折り重なる聖女の脚を掴み、互いに負担の少ない位置に導いてやるが、優しさはそこまで。
アベルはそのまま脚を割り開いて、聖女二人が互いの蜜を混じらせながら股を濡らしあう様をじっくりと観察し始めた。


「いや、いやあぁ……恥ずかしい……!」

「そんなにじっくり、みないでくださいぃぃ……!」


完全に予想だにしていなかった展開に、二人は涙を浮かべながら恥ずかしがる。


「「んっ!?」」


そして身悶えすれば、お互いの身体が擦り付けられあって互いの新たな刺激となる。
既にここまで昂ぶり続けてきた身体にとっては、この程度の刺激も大きなものだ。
それで悶えれば、同じことの繰り返し。傍から見れば、男を誘うように揺れ動いているように見えなくもない。
見えずとも、アベルの顔がどんどんと迫っていることが二人にはわかった。
吐息が触れるだけで、全身にぞくりと痺れるような感覚が訪れる。


「「ふあ、ああああぁぁぁぁあぁぁぁ!?」」


そして同時に舌で舐めあげられた瞬間、重なりあった身体は見事に捩りあった。
周りをなぞり焦らすようにしたかと思えば、躊躇いなく秘裂を割り開いて蜜が掬い上げられる。
かと思えば膨らんだ肉豆も嬲られ、軽く歯を立てられもする。


「「ああんっ!? だめ、だめですってばああぁぁぁぁ!?」」


悶える聖女達の声が重なった。
羞恥心はとっくに限界を迎え、しかしそれでも身体の奥底はずっと待ち焦がれている。
彼女達は、涙目で訴えかける。


「……そろそろいくぞ、二人とも」


そして今度は焦らされることもなく、望み通りに肉棒は二人の蕩けきった泉へとあてがわれた。
互いの身体を愛液でどろどろに濡らし絡み合う聖女の痴態に、アベルの余裕も無いに等しい。
だからこそ彼は、まとめて相手をする道を選んだ。



「「ん゛ん゛っ!?」」


ぐじゅりと、二人の重なり合った貝の狭間にアベルの凶悪な剣が刺し込まれる。
挿入されていないというのに、重なり擦れあっていた身体にさらに強く硬く擦ってくる存在が現れたとあっては、
感じる快楽もこれまでの比ではない。
脳を焼き切られてしまうのではないかと思う程の、焦熱の快楽。


「っぁ……! もう、もう我慢できません……! アベル様の逞しいおちんちん、私の膣内に挿れてくださぁい!」


そして、先に決壊したのはティアの方であった。
彼女は何もかもを投げ捨て、懇願する。
真下の憧れの人や神に聖王、あらゆる人から見放されても構わないという想いがあった。

――それでもこの人だけは、きっと自分を見てくれるのだから。


850 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:36:30.34 ID:/6KcqEhQ0
「っ、ならば、まずはお前からだティア!」

「んぐ、んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


そしてそれを受け、アベルも狭間から抜き取るや否や容赦なく深々とティアの身体を刺し貫いた。
今の彼女はうつ伏せの格好、縛られ後ろから容赦なく突かれるその様は家畜同然と言われても不思議ではない。
それでも、間近でその顔を見ていたシアは思わず羨望の感情を向けてしまっていた。

――ああ、なんて淫らでそして幸せに蕩けた顔なのだろう?

縛られた状態でも快楽から大きく仰け反り嬌声をあげるティア。
彼女が動けばシアの刺激となるが、これに腰を動かすアベルの動きが加わればそれもシアへと伝わっていく。


「だ、めぇ……! ティアさん、動かないでぇぇ……!」


言っても無駄だということはわかっていても、言いたくなる。
寵愛を受け、どろどろに蕩けた彼女の顔を見つめながら。
無遠慮に奥底までを突き上げられ、女の悦びを芯まで刻みこまれる衝撃のおこぼれを感じながら。
はやく私にもと切なくひくつかせても触れて貰えず、手を縛られていては自分で慰めることもできない。


「……アベルさん、いぢわるしないでぇ〜……!」


あまりにも酷すぎるお預けに、シアの声は半泣きとなっていた。


「ふっ!」

「はっ、へぇ……? は、はああぁぁぁぁぁぁぅぅぅぅん!?」


そしてそんな顔を見せられたアベルは、大きく腰を引いたかと思えば今度はシアを一息で貫いた。
待ち焦がれていたものを最奥まで一気に叩きつけられ、泣き顔はあっという間に堕ちたものへと変わっていく。


「あんっ……! ひどい、アベル様、まだぁ……!」


そうしているうちに、今度は途中で抜かれてしまったティアが切なげに催促をする。
シアが悶える刺激でやはり快楽は感じているようだが、身体の中が満たされなければ意味がない。


「……んちゅ、ん!」

「ひゃいっ!? やっ……ティアさん……!? そこ、あっ、舐めないでぇ!?」


より長く挿れてもらうにはどうしたらいいか。
それを考えた彼女が導き出した答えはどうやら先にシアが達することらしい。
突かれる悦びで震えるシアの首筋に舌を這わせ、予想外の快楽を与えて彼女の限界を誘う。


「……そう急くなティア。すぐに、挿れてやるっ!」

「あ、あああぁぁぁぁぁぁぁんっ!?」


予想外の光景を少し眺めていたいとも思ったアベルだが、より欲求が強そうなティアを再び貫いてやる。
程なくしてシアがまた切なそうな顔をすれば、また入れ替えて。
聖女の食べ比べは、幾度となく繰り返される……


……


――


851 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:38:46.08 ID:/6KcqEhQ0
……


「あっ、あっ、あああああ――――ッ♪」


幾度目かの交わいの中で、ティアの膣内にアベルの精液が吐き出される。
体格で勝る彼に覆い被さるようにされ、気がつけば下のシアから脚を絡められている。
どう足掻いても逃げ場の無い、上から子宮に叩きつけるように吐き出される男の欲望。
太く大きい彼の逸物は子宮の口もこじ開け、奥底を満たす様に射精を続けていた。
戦争の中で、聖国の治療師にはこうして凌辱された者も少なからず存在している。


「んああぁぁぁぁ♪ きてる、きてるのぉ♪ 今、私のなかにぜったいアベルしゃまのあかちゃんできちゃったああぁぁぁぁ♪」


しかしティアは心底嬉しそうに、それを受け止めて全身で喜びを表現していた。
体力は使い果たし、もう限界の筈なのに、嬌声と共に悶える彼女を、シアは羨ましそうに見つめる。
赤ちゃん。愛する人の子供。
最初はそれほど望んでいなかった筈だが、周りが幸せそうになっていくのを見ると……
つい自分もと思ってしまうのは、人間の性なのだろうか?


「あ、アベル、さん……私も、もっとください……♪」

「ああ、勿論だシア!」

「んう、んううぅぅぅぅぅぅぅ―――♪」


普段よりもより濃い、三人分のむせ返るような愛と欲望の臭い。
濃密過ぎるそれは、どれだけ理性的な人間であっても抗うことはできない。
二人ともやり過ぎた程に愛したのだ。それでもアベルは当初の目的を見失い、止まれないでいた。
それは縋りつくような聖女達も同じこと。
離れたくない。いつまでもこうしていたい。
退廃的な、聖職者が持つべきではない感情。


「ぐっ……出すぞ、シアの膣内にも……!」

「はい……! 出して、私も、アベルさんの赤ちゃ―――んんんんんぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♪」


しかし、彼女達は敬愛する神の教えの一つを反芻していた。

――そこに愛があればいい。

ああ、ならば何も問題ない。
今このひと時は間違いなく愛で溢れているのだから。
きっと神もお許しになることだろう。
それなら――もっともっと、乱れてしまってもいいのだろうか?


「はぁ……はぁ……アベルひゃまぁ、もっとぉ……♪」

「わたしも、おねがいしますぅ〜……♪」


幸せに蕩けきる聖女達の顔を見れば、まだまだ皇子の欲望も燃え上がる。


「――今日は眠れないと思え」

「「〜〜〜〜ッ♪」」


重ね合わせた聖女達の左右から手を入れ、至高の柔らかさの中に埋める。
そしてその中から紅く染まった蕾を探り当て、四つをまとめて擦りあげてやる。
それだけで呂律も怪しくなっていた二人の身体は跳ね上がり、再び準備が整い始める。


神聖にして淫らな営みは、聖女が完全に力尽きるまで繰り返されたという……


……

――
852 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/23(水) 23:45:32.42 ID:/6KcqEhQ0
聖女パート投下終了です
状況的に10月半ばまで更新不安定になる可能性が高いですが、エンディングまでは必ず行くことは誓います
残り僅かですが、お付き合い頂ける方は最後までよろしくお願い致します
この後はやりとり→マックス判定→パトラパートの予定ですが、
(かなり)以前にお伝えした通り、パトラパートの展開等を一応募集しておきます
必ずその通りにできる保証が全くないのが申し訳ないですが(白目)
なお現時点での展開は『パトラ、疲れ気味のアベルにマッサージ』→『色々あってむらむら』→『アベルからお返しマッサージ』→『アベルスイッチ』
になっています

それではまた後日
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:47:30.39 ID:3RFaaoPw0
久しぶりに乙です!
続きが読めて良かった良かった!
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:24:36.05 ID:QcB1jSus0
乙です
待った甲斐があった……素晴らしいです
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 02:36:18.85 ID:7meAGT63O
久しぶりすぎて忘れてた…
時間あったら読み直そうかな
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 07:11:55.90 ID:RcwwLxES0
調合師にあわせてみる
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 07:20:52.69 ID:RcwwLxES0
誤爆すまん
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 09:25:02.17 ID:isuR5ZXrO
おつおつ これは時間かかっても仕方ない、素晴らしかった

パトラパートの案としては、この後のマックス判定でアベルやパトラにバレる&(パトラ偶数ゾロ目とかで荒ぶって『よくやり遂げましたマックス!』みたいにはっちゃけない限りは)婚前に孕ませたということでパトラによるマックス折檻を前提として

アベルをマッサージで癒す→『マックスにはああ言ったものの、内心キアラを羨ましく思っている自分がいる』と孕ませ要求→しっぽりとイチャラブ
でどうだろ?
アーシャ(ペットプレイ)・シスターズ(SM)と来てさらにロウル(クンカクンカ)が控えているわけだからここらで真っ当なイチャラブを挟みたい
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 13:16:34.03 ID:ugFTskzHO
おつおつ!やっぱりシスターはエロい生きものだって改めてわかるな…
そしてシアティアの百合もありだと思い(ry

>>858
エリス「私純愛ラブじゃないんですか!?」
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 13:34:35.78 ID:6/VN5Y8a0
復活本当に待ってました
今回のパートもエロくて最高でした
パトラパートについては>>858でも書かれてるようにキアラ妊娠の報告を聞いて、羨ましさからの焼きもちとか先を越されてしまった焦りとかで積極的に妊娠しようと頑張るシーンで

(残りレス数も少なくなって書き込み控えようかとも悩んでいましたが、いっそ次スレを建てても歓迎します
余ったスペースは気が向いたときにアベルたちや子供世代の後日談等のオマケを投稿する場とか次回作のキャラ案や世界設定を投げたり議論する場として利用したりとか)
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 14:25:10.43 ID:E/HjYFTBO
パトラは年上で真面目だけどどこか抜けてるって感じだし
仕事や執務も気を抜いちゃ駄目ですよとアベルの意識を整えてあげつつも
マッサージの中でやっぱ自分も遅れたくないって気持ちが
そもそも自身一度は没落した貴族なことのコンプレックスと合わさってぐるぐるして
貴族の仕事は世継ぎを残すことなのでアベルさん真剣に励みましょうという感じ?
二人とも酒いけるしその力借りたりあるいはこいつらに限って優勢劣勢判定取りながら……とか
862 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/24(木) 23:30:27.40 ID:yFmhGSiD0
こんばんはー
短いですが、判定取得部分まで進めておきます
863 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/24(木) 23:30:54.23 ID:yFmhGSiD0
――――
―――
――



……



ティア「あ……あ……♪」ドロドロ…

シア「だ、大丈夫ですかティアさん〜?」ヨロヨロ…

アベル「シア以上にねだってきたからなぁ……」フラ…

アベル「流石に、俺も少し休みたい……」

シア「もう朝ですよ〜……?」

シア「本当に寝かしてくれないだなんて、いぢわるです〜……」

アベル「――だが、それを二人とも望んでいたんだろう?」クイ

シア「あ……///」カアァァ…

シア「は、恥ずかしいので黙秘です〜……///」

アベル「今更だと思うがなぁ……」

アベル「まずシアの場合、あの水着を称する紐はなんだ?」

シア「あ、あれはですね〜!?」アセアセ

アベル「……できるなら、俺の前以外ではあまり大胆な格好はしてくれるなよ?」

シア「は、はい! もちろんですよ〜!」

シア「とりあえず、あれはまたしばらく封印して……あれ?」カクン…

シア「た、立てない……」プルプル…

アベル「……すまない。やはり無理をさせすぎたか」

シア「気持ち良すぎて、夜の間は平気だったんですけど〜……///」

シア「私でこれだと、ティアさんもきっと辛いかも〜」

ティア「あ……/// アベルしゃまのあかちゃん……///」

シア「……これは、皆さんにも言い逃れできないですね〜……」

アベル「……だな」ハァ…


864 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/24(木) 23:32:21.38 ID:yFmhGSiD0
アベル「しかし、求めてくれるのは男としては嬉しいが……」

アベル「昨夜は二人とも、随分と積極的だったな?」

シア「だ、だって〜……///」

シア「エリスさんにアーシャさん、あんなに幸せそうだったんですよ〜?」

ティア「あかちゃん、ほしぃぃ……///」ムニャ…

アベル「……///」

シア「それにルーシェさんとヒバリさんもしっかりとなさっていたようですし〜」




シア「その上キアラちゃんも妊娠してただなんて知ってしまったら――」



アベル「……なんだって?」

シア「あ」

アベル「今、とんでもないことを聞かされた気がするんだが……?」

シア「と、とにかくティアさんも私もアベルさんの赤ちゃんが――」


グチュリ!


シア「んあああぁぁぁ!?///」ビクン!

アベル「シア、正直に話さないと……」グチュグチュ…!

シア「あ、あっ♪ そん、な……また……///」

アベル「今後はシアだけ手のみで――」

シア「話しますからお慈悲を〜!?///」


……


――

865 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/24(木) 23:33:05.33 ID:yFmhGSiD0
――

……


【帝国・王城】



マックス「」ガタガタガタガタ!

キアラ「え、えっと……」オロオロ…


ギルバート「……」

フローレン「……」

ノワール「……」

アドルラン「その、だな……」

アベル「……」チラ…

パトラ「……」

ローズ「……」


マックス「」



おまけ特殊判定
↓1〜3コンマ二桁

866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:34:43.63 ID:2BuqqUFX0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:34:54.30 ID:vGo2uZaDO
はい
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:35:02.95 ID:RcwwLxES0
869 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/09/24(木) 23:46:26.08 ID:yFmhGSiD0

キアラの妊娠に対する一部の人々の反応(前回のアドルラン補正あり)
ローズのみ保護者補正−30

1アベル
85>63(思うところはあるが、俺は人のことを言う資格が無い……)
※基準値を下回った為お咎め無し!

2ローズ
55>30(天使も大人になってしまったのネ……)
※基準値を下回った為お咎め無し!

3パトラ
95(マックス、一から叩きなおしますか……?)>85

※基準値を上回った為お咎め決定!

※しかしアドルラン+アベル+ローズの三連援護には勝てません

――

判定公表した辺りで今日はここまで
ローズ以外は大丈夫かと思えばまさかのローズクリアからのパトラ基準値超えってマックス……
主だった面々(+ギルバート)に容認された為、マックスはそこまで酷い目には遭いませんが、
これによりちょっとだけイベントも起きます

……しっかり描写いれとこうと思うとこのスレ内で収まるかすごく不安になってきました(白目)
最悪>>860さんのようなスレの使い方をしてしまう羽目になるかも……

本日もありがとうございました!
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:48:52.91 ID:RcwwLxES0

マックス、ごめん………
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:52:29.30 ID:vGo2uZaDO
乙です
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 00:05:16.68 ID:yTWRC334O
乙!
まさかのローズさんが一番寛容とは
>>870
いやむしろこの後のパトラさんの快楽堕ち考えたら引き合いに出せる最高のコンマだぞ
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 00:24:18.77 ID:W/5Scaz/0
パトラは引っ込みつかなくなったところでフィーア辺りに
「パトラさんも兄さまの奥さんなんですから兄さまの子ども産むんですよね」とか
爆弾投げられて動作停止しそう
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 08:44:50.94 ID:i3jLT6Lz0
a
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 10:11:49.22 ID:VOIqRF9JO
三連援護を絡めると個人的には
『マックスのキアラ様への想いは誠実であることは認めましょう』

『ですがそれを踏まえると、マックスには速やかにキアラ様に相応しい者に成長してもらう必要がありますね?』(折檻開始)
な感じがする
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 13:21:49.97 ID:B3E8geWMO
>>875
折檻はアベルとアドルランが
「こいつ咎めるなら先に俺らを」ってなっちゃうからね
パトラさんはスカーレット将軍の支援もあると良さそうかな
「シアさんとティアさんの二人がかりで無理なんで何かアイディアを」的な
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 17:05:52.07 ID:ZXsjnfNJ0
むしろ父親になるのだから、キアラを安心させる意味でも堂々としてればいいのにこんなに震えて情けないという意味で怒りそう
(それはギルバート・フローレン・ノワールの役割っぽいけど)
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 15:07:14.61 ID:kSZ1mAFTO
そういやマックスはまだクラウス・スカーレット・マックス家への報告残ってるんだよね
879 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:50:13.03 ID:4HSXd1eQ0
こんばんはー
更新が飛び飛びで申し訳ないですが、とりあえずパトラ導入少し前までの判定まで進めたいと思います
880 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:50:39.48 ID:4HSXd1eQ0
――


ローズ「…………」フゥ…


マックス「」ビックン!


ローズ「天使も、完全に大人になってしまったのネ……」

マックス「え?」

ローズ「そう怯えないの。あなた達の仲は、もう認めた筈ヨ?」

ローズ「確かに、あまりにも早すぎるって思いが全くないわけでもないのだけど……」

ローズ「……それを言うと、ここにいる若干名の方も問い詰める必要があるしネ」

ローズ「これが、どこぞの男の手によるものだったらもう、地の果てまで追いかけてぶちのめしてる」

ローズ「でも、あなた達はお互いを想って……つい昂ぶってしまった、そういうことなのよネ?」

キアラ「あ、あぅ……///」

マックス「その……///」

ローズ「……それなら、アタシがとやかく言う権利はないワ」

ローズ「でも、どうかこれだけは約束して頂戴?」


ローズ「――お互いと、そして子供は何があっても大切にすること。わかったわネ?」


マックス&キアラ「「は、はい!」」

ローズ「……いい返事ヨ」ニコリ

ローズ「それじゃあ、アタシは先に退散させてもらうわネ?」タタタ…


バタン…




<ウオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォン! オヴ、オヴゥゥゥゥォォォォ……!

<ローズサン!シッカリ!
<オケショウガイッシュンデクズレタ!?





一同((やっぱり無理はしていたんだな……))



マックス(ローズさん……その約束は、絶対に違えません!)グッ!

キアラ(今のうちから、赤ちゃんの為の勉強も始めないと……!)グッ!



881 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:51:10.60 ID:4HSXd1eQ0
アベル「……やはり、ローズさんは大人だな」フゥ…

マックス「ア、アベル皇子……」ブル…

アベル「まあ、確かに俺も最初聞いた時には驚いたよ……」

アベル「ローズさんと同じくだが、相手次第では確実に俺も斬り捨てていたと思う」

アベル「だが、マックス。お前は俺達と一緒に苦難を乗り越えた仲間の一人だ」

アベル「確かに調子のいい面もあるが、根は真面目な男だということは俺もわかっているさ」

マックス「アベル皇子……」ジーン…!

アベル「大方、膣内に出す前に引き抜けば大丈夫とか短慮なことをしたんだろう? それは無意味だからな」

マックス「!?」ドキィ!

ノワール「ええ。とはいえ、それは多分キアラも知っていたのではないですか?」

キアラ「!?///」ドキィ!

マックス「えっ!?///」

アベル「はぁ……キアラも心のどこかで望んでいたということなら、俺ももう何も言えん」

アベル「……そもそも、俺にマックスを責めることは不可能なんだがな」

アドルラン「はははは! そうだな、私も責める気は毛頭ないが不可能な立場だなぁ」

マックス「え? え?」

アベル「……婚前、という問題は確かにあるんだがな」

アベル「…………エリスはキアラよりも年下と言えばわかるだろうマックス?」

マックス「あ、あぁー……」

ノワール「本当にこの子はもう……」

ノワール(……でも、孫が沢山見れそうなのはちょっと楽しみです)ソワ…

アドルラン「ルーシェもキアラとそう変わらない歳だからなぁ」

アドルラン(猫のように甘えてくるルーシェに我慢ができず私も理性を飛ばしたからな……)

アドルラン(二人の夜を聞く無粋な真似はできないが、きっとマックス君も似た状況だったのだろう)

アベル「そういうわけだマックス。斬り捨てることはしないが……」

アドルラン「男として、責任はとらないといけないからな?」

マックス「も、勿論です!」ビシ!

882 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:51:43.52 ID:4HSXd1eQ0
マックス「……でも正直、殺されると思っていました」ブル…

アドルラン「ん?」

マックス「アベル皇子の言う通り、俺とキアラちゃんはまだ正式な式を挙げていない。それなのに……」



ギルバート「……恥ずることはない、マックスよ」ズン…!



マックス「!?」ドキィ!

ギルバート「我が実力主義の名の元に帝国を治めていたことは理解しておろう?」

マックス「は、はい」

ギルバート「……アベルとエリスの式には参列したが、それは強者たるアベル達の望みであったからだ」

ギルバート「我が敗れる以前は……挙式前からの子供なぞよくあること。そもそも挙式せぬことも多々あった」

マックス「……え?」



ギルバート「――欲しい女があれば、己が力で手に入れるのだっ!!!」クワッ!



マックス「結婚も実力主義!?」

フローレン「そうよぉ? 相当力の差を見せつけてやらないと大変なんだからぁ」

フローレン「貴族達は建て前や損得で動くからまだ温いけどぉ……」

フローレン「たとえば兵士達の結婚とかは特に荒れるわぁ。文字通りの略奪婚よぉ?」

フローレン「男から花嫁奪って勝ったと思ったら、その花嫁に殺されることも……」

マックス「」ガタガタ!

フローレン「ちなみに私とギルバートはしっかり式を挙げたし、とっても平穏なものだったわぁ。当たり前だけどねぇ?」

ギルバート「誰か一人ぐらいは乗り込んでくるかと期待したのだがな」

フローレン「まあ私にはギルバート以外の男なんて考えられないから、ぜぇったい略奪婚は無理でしょうけどねぇ……」

ギルバート「近年ではこの傾向も減ってきてな。不甲斐ない者が増えたものだと思ったが……」


ギルバート「――形こそ違うが、お前のキアラをなんとしてでも自分のものにしたいという強き意志は感じたぞ」


マックス「」


883 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:52:50.78 ID:4HSXd1eQ0
ギルバート「キアラもあの魔力であれば、並大抵の男は捻り潰せるであろう」

フローレン「そもそも結界張って挿入できないようにしてやるって手もあるしねぇ……」

ギルバート「キアラがそれをしなかったということは、お前は強者として認められたのだマックスよ」

キアラ「お、お父様? マックスさんが弱い強いとかじゃなくて、私は……///」

ギルバート「絶対に手に入れたいモノの為に練磨する……それに相応しくなるまで己を鍛える」

ギルバート「これが出来る者は、紛れも無く強者よ。我の拳にも怯まなかった点も評価できるがな……」クク

マックス「あ、ありがとうございます……」

ギルバート「だが、婚前の子程度で狼狽えるな。己は帝国皇女を孕ませた強者なのだと誇るがいい!」

マックス「」

フローレン「そうよぉ? 上手くいけばアベルのとこより先に産まれるかもしれないし……」

フローレン「皇族で一番最初に子供作ったとかアベルの自慢を封じられそうねぇ。キアラもよくやったわぁ」

キアラ「お、お母様、私そんなつもりじゃ!?///」

ノワール「フローレン……」ハァ…

アベル「俺もそんな自慢はしませんよ……」

フローレン「なによぉ? それじゃああの人に認められたエリスを孕ませてやったぞって自慢かしらぁ?」

ノワール「フローレン。前にも言いましたけど、子供ができるというのはそういう問題ではなくですね……」

ノワール「それとマックス君? ギルバートの理論は極端だけれど、私も覚悟と誇りは持つべきだと思いますよ?」

ノワール「――自分が親になるのだという、次代の命を育んでいく覚悟と誇りをね」

マックス「覚悟と、誇り……」

ギルバート「……ふむ、見どころはあるがまだ青くもあるか」

ギルバート「ならば仕方がない。一つ教えてやろう」ガシ!

マックス「うぇっ!?」メキメキ…!



ギルバート「我も、妻がいる状態でノワールの痴態に歯止めが効かなくなり一夜にして孕ませた過去がある。気にすることはないのだ」

ギルバート「そう、ただの一夜のつもりがあやつの普段決して出さぬ声と揺れ動く――」



ノワール「ギルバートオオォォォォォォォォォォォ!!!///」ヒュオオオオォォォォォォォ!



ギルバート「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ!?」パキパキ…!

フローレン「あなたぁぁぁぁぁ!? 色々な意味でおのれノワールウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」ギリギリギリ!


一同「「」」


……


――
884 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:53:24.83 ID:4HSXd1eQ0
――


……


アベル「……文字通り嵐が去って行きましたね」

アドルラン「う、うむ……///」

マックス「」

アドルラン「はは、私も色々と驚いたがしっかりしたまえマックス君」ユサユサ

マックス「――はっ!?」

アベル「もう嵐は収まったぞ。あまり聞きたくない内容だったのはわかるがな……」

アドルラン「とにかく、だ。私やアベルは勿論、父上も母上も君とキアラの子を否定はしていない」

アベル「年齢の問題は先に言ったが、婚前というのも確かに帝国では珍しくはなかったんだ」

アベル「……式後に、というのはあくまで俺個人の考えだからな」

アベル「俺も一歩間違えば、戦中にエリス達を孕ませていたかもしれんしな……」

アドルラン「うむ。結局のところは、当人達の考えが一番大切だ」

マックス「……」

キアラ「……」

アベル「さて、二人とも。改めて問う必要もないとは思うんだが」

アドルラン「一応、聞いておこうか」

アベル「母上も言っていたが――覚悟はあるな?」

マックス「……はい!」コクリ!

キアラ「私も……!」コクリ!

アドルラン「うむ! ならば良し! 呼びつけて悪かったな!」

アベル「……お前達なら、大丈夫だろう」

キアラ「アベル兄様……」

アドルラン「ははは! むしろ覚悟を決めなければいけないのは我々も同じことだからな!」

アベル「そういうことだ。しっかりと前を見て進め、二人とも」

マックス&キアラ「「はい!!!」」



アベル「……そういうことだ。いい加減、何か喋ったらどうだパトラ?」



パトラ「…………」



マックス「パトラ将軍……」

キアラ「パトラさん……」

885 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:54:02.04 ID:4HSXd1eQ0
パトラ「…………」

パトラ「……」ハァ…

パトラ「キアラさんのご両親にご兄弟に保護者、そしてご本人が認められているなら……」

パトラ「私にも、何も言えるわけがないじゃないですか……」ヤレヤレ…

マックス「パトラ将軍――」




パトラ「でもっ! 王国騎士マックスに対して王国将パトラとしてもの申すっ!!!」クワッ!




一同「「!?」ビクッ!



パトラ「マックスあなたねぇ!? 仮に、仮にキアラ皇女の方からお誘いがあったのだとしても!」

パトラ「そこはぐっと堪えなさい!? 前から言っているけど、あなたは少し欲が表に出過ぎなの!」

マックス「すみませんでしたぁ!?」ドゲザァ!

パトラ「それも違うっ! 額を床に擦り付けても、もうあなたがキアラ皇女を妊娠させて父親になる事実は変わらないの!」

パトラ「あなた、この事の重大さをちゃんと理解できていますか!?」

マックス「はい! 絶対にキアラ皇女と産まれてくる子は幸せにしますっ!」ビシ!

パトラ「んん、それはいい返事なのだけれども!」

パトラ「ああ、もう! ギルバートさん達が少しずれているせいで別の問題に気がついていないのね!?」

アベル「べ、別の問題?」

パトラ「アベルさんまで……」ハァ…

パトラ「いいですか? 確かにキアラ皇女のご両親達には認められて、あなたも覚悟はある。それはいいでしょう」

パトラ「でも、それは少なからず私達と彼らに面識と理解があるからです。マックスの在り方を知っているからです」

アドルラン「うむ。マックス君ならキアラを任せても大丈夫だと思うが……」




パトラ「――王国の無名騎士が帝国皇女を婚前に妊娠させた。これ、王国側で流れたらとんでもないですよ?」





アベル「」

アドルラン「」

マックス「」

キアラ「」


886 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:55:01.15 ID:4HSXd1eQ0
パトラ「……私も口に出して寒気がしてきました」ブル…

パトラ「実際は、もう誰もが認めてしまい問題ないことなのかもしれません」

パトラ「でもマックスを知らない人からすれば、さっき私が言った言葉通りなんです」

パトラ「あなたがもう王国で並ぶものがいない程の将にまで成長していても、それはまだ私達や騎士団の仲間しか知らないの」

パトラ「陛下にわざわざ、弁明させるつもりですか? この騎士はもう立派な将だから問題ないと」

マックス「そ、それは……」

パトラ「まあそもそも、どんな立派な騎士の肩書を持っていてもいきなり皇女を妊娠させるのが不味いでしょうけど……」

アベル「待てパトラ。それなら俺も……」

パトラ「残念ですけど、アベルさんとマックスでは事情は大きく異なります」フルフル

パトラ「アベルさんはそもそも皇子ですし、王国でもかつての四天の撃破等で英雄視されています」

パトラ「対してマックスは、どれだけ頑張っていても現時点ではまだよくてアベル皇子の部下の一人、そう認識されるでしょう」

パトラ「この子がどれだけ努力を重ね、死線を潜り抜けてきたかはまだ表に出ていない。当然、キアラさんとのなれ初めもです」

パトラ「もし、陛下以外……私やアベルさんがこれは問題ないことなのだと説明しても難しいでしょう」

パトラ「むしろ下手に弁明すれば、邪推されかねません。事実は違っても、無名騎士と皇女はあまりにも不釣り合いなのです」

マックス「……」

キアラ「……」

パトラ「何か帝国の弱みを握った、或いは逆に王国が取り込まれるかもしれない。帝国の罠なのか」

パトラ「婚前の皇女を妊娠させるなんて常識外れ過ぎる。国王や将の任命責任なのではないか……誰がどう言われるかもわからない」

パトラ「……そしてそれは、生まれてくる子にまでつきまとうかもしれない」

マックス「!!」

パトラ「腐敗貴族……いえ、あえてここでは人間というけれど。その醜さや陰湿さはあなたもよく知っているでしょうマックス?」

マックス「はい……」

キアラ「……」

パトラ「……」

パトラ「……私も、あなたとキアラさんの仲を裂きたいわけじゃないの」

パトラ「本当なら、素直におめでとうと言ってあげたいの……」


887 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:55:41.56 ID:4HSXd1eQ0
パトラ「でも、それでも。お互いの立場を考えて、どうか一歩踏み止まって欲しかった」

パトラ「普段のあなたなら、きっとぎりぎり頑張れたとは思うのだけれど」

キアラ「マ、マックスさんは悪くないんです! 私が……!」

マックス「違う! 俺が……!」

パトラ「……」フゥ…

パトラ「さっきも言いましたけど、もう事実は変わらないんです」

パトラ「それなのにぐちぐちとごめんなさい。でも、改めてマックスにはちゃんと理解して欲しかったから」


パトラ「……さて!」パン!


一同「「!?」」


パトラ「お説教はここまでにしておきましょう。事実は変わらない以上、ここからどうするかが大事ですからね」

マックス「パ、パトラ将軍……?」

パトラ「さっき挙げた問題は、大半がマックスが無名扱いされる点と婚前妊娠という点にあるわ」

パトラ「つまりこれさえ解消すれば……今度こそ、あなた達を邪魔する者は誰もいなくなります!」

マックス「ど、どうやって!?」

パトラ「幸いにも、まだキアラさんの妊娠を知る者は少ないですからね」

パトラ「強引な手ではありますけど――今から筋を通してしまえばいいんですよ」

キアラ「?」




パトラ「――まずマックス、近いうちにあなたのご両親、陛下にも正直に報告すること!」

パトラ「――そしてキアラさんが大変かもしれないけど、生まれる前にすぐに挙式しなさい!」



マックス「」

キアラ「」


888 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:56:53.21 ID:4HSXd1eQ0
パトラ「またそんな顔をしないの! アベル皇子とアドルラン皇子もよろしいですか?」

アドルラン「うむ、そうだね……確かに我々も認識が甘かったやもしれん」

アベル「あのドレスも圧迫感があるからな。お腹の子のことを考えると迅速に動かざるをえんな……」

アベル(……俺も用意を急ごう)

マックス「ま、待ってくださいパトラ将軍!? その、俺の実績とかの問題は――」

アドルラン「いや、そちらの問題は楽に片付くと思うぞ?」

アドルラン「なにしろ私達と共に父上と戦った勇敢な騎士だからな!」

アドルラン「それに、以前の暗将ルーシオの件もある。帝国から正式に君が皇女を守り抜いたことに対する謝状も贈るべきかな?」

アベル「だとすれば、ヘリング司教の一件も使えるでしょう。マックスがキアラを救ったのは間違いない事実だからな」

パトラ「騎士団の方にも、天使襲撃の際にあなたが頑張っていたことをそれとなく広めさせた方がいいかしら?」

マックス「ちょ、ちょ、ちょ!? いくらなんでも――」

パトラ「……安心なさいマックス。私は嘘の情報なんて絶対に流さないから」

アドルラン「君がキアラを守り抜いてくれたことに感謝している気持ちも、勿論本当さ」

アベル「あの日、お前は燃え盛る街で天使にも怯まず騎士として動いていた。それを否定することは誰であれ俺が許さん」

パトラ「――もっと堂々と胸を張りなさいマックス。あなたは、少し急いてしまっただけ」

パトラ「――皇女様と結ばれたって不思議ではない、立派な実績はもう持っているんだからね?」

マックス「お、俺……」

ピト…

マックス「え、キアラちゃん!?」

キアラ「……私がマックスさんのことが大好きだという気持ちにも、偽りはありません///」

キアラ「お腹の子のことも。だから……///」

マックス「あ……///」デレ…

アベル「……本当に、お前が俺の部隊の一員でよかったよ」

アベル「お前以外がそんな顔をしていたら、考えるより先にやっぱり叩き斬っていたかもしれん」グググ!

マックス「ひぇっ!?」

アドルラン「はははは! まあ落ち着けアベル!」ガシ!

パトラ「うーん……先程ギルバートさんと同意見になってしまうかもしれませんけど、もう少しこの子は自信を身につけるべきかも?」

パトラ「王国騎士はいつでも毅然とした態度で物事に取り組むのです。となると……」

パトラ「――皇女様との色に溺れてしまった心身を今一度鍛え直してあげる必要もありそうですね!」ジャキン!

アドルラン「鍛錬なら、私もご一緒させてもらおうかな!」

アベル「……俺も手を貸そう」

マックス「!?」

マックス(いや、でも……キアラちゃんに、俺の子に誇って貰えるような父親になるには……!)



マックス「――お願いします!!!」バッ!


……

――

889 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:57:43.69 ID:4HSXd1eQ0
――

【帝国・鍛錬場】


アドルラン「はっはっは! いい動きだぞマックス君!」ブオン!

マックス「重っ!? でもまだまだぁ!」ギャリィン!




キアラ「だ、大丈夫かなマックスさん」ハラハラ…

アベル「アドルラン兄様も鍛錬に熱が入ると周りが見えなくなるからな」

アベル「だがマックスも十分に強くなった。心配する必要はないだろう」

アベル「むしろキアラ、俺はお前の方が心配だぞ? 身体は大丈夫なのか?」

キアラ「はい、今のところはまだ実感もないんですけど……」

パトラ「無理は禁物ですよ。エリスさんと同じく、今の内からしっかりと身体を休めておかないと」

キアラ「そう、ですね。色々と準備も必要でしょうし」

アベル「俺もこの鍛錬が終われば手伝――」

パトラ「アベルさんはまず、シアさんとティアさんの方に戻ってあげてください」ハァ…

パトラ「あえて何も言いませんけれど、あの様子ではとてもお仕事は無理です」

アベル「……」ダラダラ…

パトラ「先程は公務で来られなかったカイン皇子に諸々の報告は私がしておきますから」

パトラ「あの様子だと、マックスの鍛え直しはまだまだアドルラン皇子がなさってくださいそうですしね」

アベル「すまないな、パトラ……」

パトラ「いえ」

キアラ「カイン兄様は、認めてくれるかな……」ドキドキ

パトラ「恐らくは大丈夫だと思いますよ。仮に否定されたとしても……」

キアラ「はい。私の口で、兄様を説得してみようと思います!」



パトラ(……)



……


――
890 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:58:29.50 ID:4HSXd1eQ0
――

……

【帝国・執務室】



カイン「ははーん、そういうことかい……」

カイン「しかしまさか君の口からこんな報告を受けるとは予想外だよ」

パトラ「それは、どういう意味です?」

カイン「君はどちらかと言うと外を警邏しているイメージが強いからねぇ」

カイン「てっきりアーシャかシア辺りが来るかと思ったけど……」

パトラ「生憎と、エリスさんをはじめアーシャさんとシアさん、それにティアさんも今はちょっと……」

パトラ「ロウルさんもお忙しい状態ですので、代理で私が」

カイン「ふぅん……」

パトラ「しかし、流石カイン皇子と言うべきでしょうか。凄く落ち着いていらっしゃいますね?」

カイン「ふん、僕を誰だと思っているんだい?」

カイン「昔の僕ならともかく、今の僕ならキアラの妊娠程度じゃあもう驚かないよ」

カイン「マックスの奴が欲望に正直だってのは、前の温泉で察してたし」

パトラ「そうですか……」




パトラ「――ところで、何故先程からエメリナさんは一言も発さずにカイン皇子の膝の上なのですか?」




エメリナ「!?」ドキィ!

カイン「べ、別にいいだろう彼女をどうしようが僕の自由だぞ!?」アセアセ

パトラ「……そうですね。失礼致しました。それでは、私はこれで」スタスタ…




カイン「……あ、危なかった。エメリナ、流石に執務室でしようとするのは不味かったと思うよ……」ドキドキ…

エメリナ「で、でも……/// 予定よりも早く終わって、二人きりの場所になったんだと思うと……///」

カイン「やれやれ……彼女がしっかりノックをする人間でよかったよ本当」ハァ…

カイン「しかしまさか、キアラがねぇ……」

エメリナ「驚きました……」

カイン「僕はいつ自分が下半身丸出しなのがばれるかと冷や冷やして、それどころじゃなかったけど……」

カイン「改めて考えると、なんかマックスに負けた感じがして悔しいかもしれないなぁ」

エメリナ「……///」クイクイ

カイン「ん?」



エメリナ「――わ、私はいつでも準備はできていますよ?///」クパァ…

カイン「エメリナ……///」



……


――
891 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/01(木) 23:59:42.84 ID:4HSXd1eQ0
――

……


パトラ「……」カツカツ…


パトラ(多分……ですが。あのお二人も恐らくは……)

パトラ(なんだか少し、いやらしい臭いもしましたし……///)

パトラ(皇族という地位、年齢を考えれば……世継ぎを積極的に作ることは当たり前なのかもしれない)

パトラ(それでも、まさかマックスがキアラさんを……)

パトラ(……あの子も私にとって義弟になるのよね)

パトラ(私もいつか、アベルさんと……)

パトラ(……)

パトラ(いけない、もっとしっかり自分を保たないと)

パトラ(マックスにはかなりきつく言っちゃったし、私もしっかりと踏み止まらないと!)グッ!

パトラ(シアさんははぐらかしていましたけど、ティアさんはうっとりと赤ちゃんの名前を考えていましたからね……)

パトラ(おそらくは、そういうことでしょうし、こちらも覚悟を決める必要はあるでしょう)

パトラ(そうなるとアベルさんの部隊で動けるのは私とロウルさんのみ……)

パトラ(仕事の穴埋めをしっかりとしなければならないという意味でも、私は自分をしっかりと律さないと)

パトラ「……」



パトラ「――……妊娠中はできませんし、その間アベルさんをずっと我慢させるのも……」ボソリ…




パトラ「――っ!?///」カアァァ!

パトラ「いけない、しっかりしなさいパトラ!?」パン!

パトラ「……」

パトラ(……エリスさん達は勿論、今朝のシアさん達も……幸せそうだったな……)



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁

――
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/01(木) 23:59:52.12 ID:XyB/88v30
893 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/02(金) 00:07:08.02 ID:aQqSNdPn0
――
パトラさーん!(白目)

清廉な騎士パトラの屈強な理性

15>12

※基準値を下回った為、理性の敗北!

※アベルからのお誘いではなく、パトラの積極性に変化します

※この後マッサージ中に色々昂ぶってしまいそうです



判定を取った辺りで今日はここま……なんかこのスレ15パーセント確率をよくぶちぬかれている気がします(白目)
マックスにああは言ったけど、周りの様子とかで我慢しきれずに……な流れかな?
なお王国への報告はパトラパート後となります

本日もありがとうございました!
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 00:08:09.15 ID:aTsLbvCQ0

コンマ君はある意味仕事する
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 00:21:50.37 ID:S62BCwAKO
エリス:純愛……なんだけど初めてなのにお尻完全開発されました
アーシャ:露出ペットプレイ
シスターズ:説明不要
ロウル:クンカクンカ確定
パトラ:理性敗北(←NEW!!)

コンマさんから『純愛はさせるけど純粋な甘々イチャラブなどさせるものか』という鉄の意志が伝わってくる
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 01:02:27.09 ID:ckLxKUUWO
確かに普通に考えると皇女を下っ端が孕ませるとか国際問題だよな……
しかし話が進む度におめでた産休組が増えていくのか
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 01:10:34.08 ID:p7OoEgDG0
乙です
めっちゃ時間かかっただけあって読みごたえも整合性も素晴らしかった
と思った矢先に良いこと言ってたパトラさんが欲望に負けるとか笑うわこんなん
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 06:34:36.39 ID:y3Pm6+l60

純粋な甘々イチャラブはマックス・キアラ担当だから…(震え声)
しかし>>745の描写を見た時は、この時に膣内射精してしまってキアラ妊娠したと思ったけど、>>881見ていると一応この時も外に出していたのか
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 08:35:48.17 ID:dknS+HUDO
乙です
個人的に前回気になる所で終わったから更新楽しみにしてたけど良かった
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 09:22:02.35 ID:GLx3EzLJ0
乙でした
パトラさんの理性敗北もインパクトあるが、いやお兄ちゃんなにやってんの?www
901 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:10:09.54 ID:+BZV2HV60
こんばんはー
パトラパート用意までまたお時間を頂きますが、
その直前までを投下しておきます
おまけ判定一つありです
902 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:10:55.85 ID:+BZV2HV60
――


パトラ「……」

パトラ「…………」

パトラ「………………///」



パトラ「――っ!?///」カアァァ!




パトラ「い、いけないっ! 何を考えているの私は!?///」ブンブン!

パトラ「貴族は節度も守るもの! こんな体たらく、許されない……!」

パトラ「そう、落ち着くのよパトラ……」スーハー…

パトラ「マックスにあれだけ言ってしまった私が模範をしめさなくてどうするの!」パン!

パトラ「私は誇りある王国騎士にして貴族! いつ如何なる時もそれを忘れては駄目……!」

パトラ「そう、冷静に考えれば今は一番気を引き締めないといけない時……」

パトラ「帝国三皇子のご結婚、新しい帝国の夜明けを感じさせる祝祭……」

パトラ「だからこそ、狙われないとも限らない。それこそかつての実力主義派の転覆の危険性がある筈です」

パトラ「皇子達は勿論、エリスさん達が戦えない今は確実に防衛力が下がっている」

パトラ「可能性は低くとも、万が一にも備えてこそ。私だけはきっちりと自分を律し、皆さまをお守りしなくては!」グッ!





パトラ「――エリスさん達が復帰したら、大丈夫かな……///」ボソリ…




パトラ「――って、だから私は一体なにをぉぉぉっ!?///」ブンブン!

パトラ「煩悩退散! すぐに鍛錬してこの邪念を払わないと……!」



……

――
903 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:11:22.82 ID:+BZV2HV60
――

……数日後……


ロウル「うーん、わかってはいましたけど……」

ロウル「エリスさんとアーシャさんだけでなく、シアさんとティアさんも安静にしておいた方がいいですねぇ」

ロウル「特にティアさんはまだ歩きにくそうですし」

アベル「……う、うむ」ダラダラ

パトラ「アーシャさんは大丈夫って言っていたけど、彼女もつい無理をしかねませんからね」

パトラ「もうしばらくは私とロウルさんで仕事をしておこうと思います」

ロウル「キアラ様も大変ですけど、あちらはフィーア様とローズさん達がついていますからねぇ」

ロウル「あとは肝心のマックスさんですけど……」チラ…


マックス「」チーン


ロウル「……相当に扱かれたみたいですね」

アベル「マックス自身も望んだことだったんだが……」

パトラ「流石に私とアベルさん、それにアドルラン皇子に連日鍛錬漬けにされた疲れが出てしまいましたね……」

ロウル「流石に今日はお休みした方がいいですって……要安静者一名追加っと」

アベル「そうだな。この後のこともあるし、マックスの気持ちは十分に伝わった」

アベル「あちらへの報告が満足に行えるよう、しっかり休んでもらおう」

パトラ「しかし、気がつけばアベルさんの部隊で自由に動ける人も残り僅かです」

パトラ「ここは私が――」


ロウル「――ああ、パトラさんも今日はゆっくりしていて大丈夫ですよ?」


パトラ「え?」


904 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:11:56.96 ID:+BZV2HV60
ロウル「斥候部隊の皆さんも動いていますし、今日は処理する書類も少ないですしねぇ」

ロウル「パトラさんも働き詰めでは疲れちゃうでしょう?」

パトラ「そ、それはロウルさんもでしょう? ロウルさんこそ今日はお休みに……」

ロウル「……」




ベーコンエッグ「……」テーン!

焼きたてパン「……」テーン!

新鮮野菜「……」テーン!

温かいスープ「……」テーン!




ロウル「……アーシャさん達と比べると簡素な朝食で申し訳ないと思いますけども」

ロウル「昼食や夕食の用意と、ああ後買い出しやお掃除もお願いすることになっちゃいますよ?」

パトラ「……お掃除だけしておきます」ショボン…

ロウル「あはは、まあそんなに落ち込まないでくださいよパトラさん」

ロウル「私だって程々に作れるんですから。いつか上達しますって!」

アベル「そうだな。失敗を恐れずに、何度も挑んでは改善していけばいい」

アベル「確かアーシャの話では、少々火力が強すぎるんだったか?」

パトラ「は、はい……」

パトラ「料理は火力と、スカーレット将軍のお話にあったのに……!」

ロウル「……あの人の話を全て正面から受け止めるのは危ないと思いますよ?」



パトラ「――でも、実際にスカーレット将軍のお料理は超火力なのに美味しいそうなんですよぉっ!?」



アベル「あ、あぁー……そういえば、あの人意外にもチョコレートは美味かったな……」

ロウル「ふざけている時と真面目な時がありますし、料理もそういうことなのでしょうか?」

アベル「謎だな……」


パトラ(うぅ、このままでは私だけ子供に手料理を振舞えない……こ、子供っ!?///)


パトラ「うあああああぁぁぁぁぁぁ!?///」

アベル「落ち着けパトラ!?」

ロウル「大丈夫、大丈夫ですって!?」



……

――
905 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:12:31.19 ID:+BZV2HV60
――

……


パトラ「……はぁ。結局ロウルさんに任せてしまうことに」ガクリ…

アベル「何故か俺まで休むように言われてしまったぞ……」

パトラ「それはロウルさんが正しいですよ」

パトラ「アベルさんもマックスとの鍛錬でお疲れでしょうし」




パトラ「――ここ数日、随分と夜に頑張られたようですからね?///」マッカ!





アベル「ん゛んっ……!」ゴホンゴホン!

パトラ「疎い私ですらわかってしまう程なのですから、相当だと思いますよ?」

アベル「い、いや俺は……」

アベル「……否定は、できないな……」

パトラ「まったく。マックスとは立場が違うとはいえ、あなたも少しは節度を心がけてくださいよ?」

パトラ「あなたが体力自慢なのは知っていますけど、どれだけ強い人にも休息は必要です」

パトラ「それに、エリスさんの中に宿っている新しい命……父親になる覚悟だけでなく、立ち振る舞いも大切ですからね」

パトラ「子供には強く逞しく、そして頼れる親の姿をみせてあげたいじゃないですか?」

パトラ「立派な両親がいるということは、その子の大きな支えにもなるんですから」

アベル「そう、だな……」

パトラ「ええ、そうです!」フンス!

パトラ「だから今日はアベルさんもお休みです。ゆっくりと身体を休めることも仕事だと思って!」

パトラ「……あ」

アベル「どうしたパトラ?」

パトラ「私もお休みなら、折角だから……」


……

――
906 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:13:05.78 ID:+BZV2HV60
――



【アベルの私室】



アベル「本当にいいのかパトラ?」ゴロン…

パトラ「ええ。ただ寝るだけよりも、マッサージを加えた方がいいんじゃないかなって」

パトラ「まあ、私も大した腕ではありませんし、最近やってなかったから鈍っているかもですけどね」

アベル「いや、以前のパトラのマッサージはなかなかよかったぞ?」

アベル「……迷惑でなければ、頼めるか?」

パトラ「お任せください。それでは、やっぱり一番負担が来ているであろう場所を」



グリッ!



アベル「おっ!?」

パトラ「駄目ですよー? まだ若いのに腰を痛め続けるお父さんだなんて」グッ…! グッ…!

アベル「っぉ……!」

パトラ「あ、そうそう。勉学に励まれるのも素晴らしいですけど、アベルさんは時々背中が丸くなっていますよ?」

パトラ「読み進めているうちにのめりこんでしまうというのは、気持ちがわかりますけど、ね!」グイ!

アベル「ぜ、善処する……!」

パトラ「思った通り、身体はだいぶお疲れのようで……」

アベル「め、面目ない……」




パトラ(……でも、この硬さは疲労のせいだけじゃない)

パトラ(……鍛え抜かれた男性の、アベルさんの身体……)ゴクリ…

パトラ(……)



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 00:13:16.81 ID:HKctZUeK0
908 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/10/06(火) 00:18:55.98 ID:+BZV2HV60
理性敗北パトラ、羞恥心の方は?

81(わ、私なにをして……!? でも止まれない……///)

※色々せめぎ合っているようですが、理性は敗けています

※高い羞恥心の為、勢いで妙なことまではしないようです

――

判定を取った辺りで今日はここまで
更新不安定ですが、またしばらくお時間頂戴したいと思います
この値だと少し落ち着いた一夜の感じかな……?

本日もありがとうございました!
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 00:20:09.62 ID:HKctZUeK0
乙乙
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 00:30:52.93 ID:T/95T6bQ0

パトラさんって夜の方は
やべープレイや性欲フェスティバルな他の嫁達を何とか撃退したアベルを
真っ当なプレイとお姉さん的な立場で癒してくれそうなポジションになってそう
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 14:04:57.42 ID:Y6qYKYmfO
パトラさんは子供の教育厳しそうにみえて意外と甘いイメージあるなぁ。アーシャが順当にしっかりしてそう
まあ共通の父親であるアベルが一番甘そうだけど
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/27(火) 07:21:27.60 ID:UHuozDvXO
忙しいのか、シスターズ以上に難航してるっぽいな……ただそろそろインフルも来はじめるから少し心配
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 00:31:07.97 ID:R/FfoI4KO
信じて待ってます
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 00:01:12.89 ID:WcNpyqoNO
今までのペースだと1ヶ月空くのはかなり心配になるな……
生存報告あると安心出来るんだが……
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 00:24:11.45 ID:fd3XPHL60
いつまでも待ってる
916 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/08(火) 00:23:22.68 ID:Z8EWAb8r0
報告も無くこれほど長く音信不通にしてしまい、誠に申し訳ございません……
なんとか戻ってこれましたので、リハビリしつつ来週には再開できればと思います
ほとんど人も残られていないとは思いますが、もし残られている方は、今しばらくお付き合いお願い致します
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 00:27:51.19 ID:J39afw2p0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
生きていてよかった
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 00:42:27.93 ID:4b9Ee38B0
待ってました!!
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 00:47:39.74 ID:HPv8cJz10
無事で良かった

二ヶ月がエターラインだから生存報告だけでもしにきてくれると嬉しいです
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 11:25:01.23 ID:2Wz8C1vLO
とんでもねぇ、待ってたんだ(歓喜)
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 14:19:15.43 ID:lDLIcqTu0
待っていたぜぇ、この時をよぉ!
でも無理はしないでね
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 17:54:35.51 ID:F+NWaT/DO
ずっと待ってました
無理しないで作者のペースで構いません
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 22:53:59.97 ID:v185XEVGO
いやホンマご無事で何より
落ち着かれたらぜひ再開してくだされ
924 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/20(日) 23:54:49.03 ID:qNg44Dj90
申し訳ありません、諸事情でさらに立て込み投下遅れそうです……
今年のうちには投下できるかと思いますが、重ねて申し訳ありません
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 06:50:24.25 ID:dtQV/aOdO
年末は忙しいししゃーない
気長に待ってるから無理はしないで
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 07:09:56.52 ID:PKsGXXkk0
生存報告乙です
無理なさらずに
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/29(火) 18:08:04.43 ID:mvPZlT0lO
無理のない程度で頑張ってね。
928 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:46:06.71 ID:JWft5Wlx0
こんばんはー
私事でとんでもなく間が空いてしまいましたが、パトラパートを投下していきたいと思います
929 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:47:03.23 ID:JWft5Wlx0
「……」


悟られぬように、女騎士は小さく喉を鳴らす。
既に突きつけられたことではあるが、自分は浅ましい女だと自嘲したくなった。
騎士として。貴族として。
口癖のようにそう言い続け、誇れる部下にもきついことを言ってしまったというのに。
自分も所詮、愛してしまった男の前では一人の女に過ぎないのかと痛感した。


「本当に、硬いですね」

「そ、そうか」


ぐいと指を押し込めば、みっしりと繊維の詰まった感触が返ってくる。
鍛え抜かれた男の肉体。
時に自分を抱きしめ、屈服させてしまう強い雄の身体。
服越しに触れているだけだというのに、身体の奥底が熱くなってしまうのは何故なのか。


「……これは、思ったよりも強敵かもしれませんね」

「――上を、脱いでいただいてもよろしいですか?」


気がつけば、パトラの口からはするりとその言葉が出ていた。
普通のマッサージであれば、服を着たままでもできはするのだが、
脱がなければ満足にできないマッサージというものも勿論存在する。


「こんなこともあろうかと、いい香油を用意しておいたんです」


なんでそんな物を用意していたのか。問い詰められても問題はない。
香油は身嗜みで使うこともあるし、湯に混ぜることもある。
木の実や花々、混ぜ込むものにより心を落ち着かせたり、身体を柔らかくしたりと効果も様々だ。
決して、いかがわしい目的の為に用意したわけではない。


「ほら、香りもいいでしょう? これでアベルさんの身体もしっかり解してさしあげますからね」


少しだけとろりとした香油を指に垂らしてみる。
微量でありながらも、それは非常に滑りが強いものであると誰でもわかるだろう。
服を着ていては、確かにこれは使えない。


「すまないな。少し、待ってくれ」


衣擦れの音の後、アベルの上半身が晒される。
傷痕の多い、戦士の身体だ。


「その……失礼、します」


断りをいれてから、アベルに跨る格好となる。
騎馬騎士団を率いるパトラからすれば、こういった格好になることは珍しいことではない。
しかし今跨っているのは馬では無く、幾度か肌を重ねた帝国の皇子だ。


「っ……」


完全に意識しないということは、できない。
それでも努めて冷静に、施術を続けていく。


930 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:48:00.63 ID:JWft5Wlx0
「やはり、お疲れのようで。どうですか?」

「んっ……気持ち、いいぞ」


香油を纏った指が、ぬるりと広い背中全体に這わされる。
日常ではなかなか経験することのできない、不思議な体験。
皇族ではあるが、所謂貴族の生活を過ごしてきたわけではないアベルは勿論のこと、
貴族ではあるが、騎士として実直に励んでいたパトラも手慣れているわけではない。


(香油を使うだけで、こんなにも変わるものなのね……)


仄かに香る花の匂いに混じり、男の臭いまでもが鼻腔を刺激する。
触れて撫でまわす指先は、男の逞しさをより一層感じてしまう。
これは不味いと、騎士の理性が訴えかける。


「さ、さあ。腕も解していきますね?」

「わかった」


逃げるように、背中から腕へ。
片腕ずつを持ち上げ、最初は優しく。
そして徐々に力を込めて扱いてやれば、こちらも疲労の様子が感じ取れた。


「まあ、腕まで? どれだけ身体を酷使なさっているのかしらねアベルさんは?」

「むう、少しの書類作業でがたつくほどやわでは、っ、ないつもりだったんだがな」


探りながら時折強めに押せば、押し殺してはいるが隠しきれていない声が漏れる。
存外にこの皇子の全身は疲労が溜まっているのは間違いないようだ。
でもそれは、本当に常日頃の激務からくるものだけなのか?
……考えるまでもない。
ここ連日の部隊の様子を見ていれば『夜』に何が行われているかは明らかだ。
昔ならばともかく、今は真っ当な知識を得てしまった。
深紅の令嬢の部屋に招かれた新兵が、翌朝には枯木のようになっていた意味も、今なら理解できてしまう。


(何を考えているの、パトラ)


邪念、それもとびきりのものが理性を侵食していく。
振り払おうと、今やるべきことに集中しようとすれば、それさえも裏目になってしまう。
神経を集中させた指先は、彼の腕の逞しさをより強く意識させる。
ああ、この腕で彼は剣を振るい、多くの少女達を抱きしめてきたのだ。


――自分も、そのなかの一人だ。


国王に忠誠を誓った身でありながら、あろうことか横恋慕をしてしまった。
抱いてはいけない想いだと自制していたというのに、この皇子は複数人に手を出していて。
歯止めが効かなくなり、自分も想いを打ち明けてしまい……そして、堕とされた。
初めてだったのに。つい最近まで、ろくに正しい性知識もなかったというのに。
自分の方が、年上だったというのに。
安易に色欲に負けてはならない。それは正しい騎士の姿ではない。
それでも、受け入れて貰えた。
どうしようもない程に嬉しかったことを、今でも鮮明に思い出せる。

931 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:48:39.58 ID:JWft5Wlx0


(私は……)


だからと言って、自分は騎士を辞めたわけでもない。
当然だ。自分は国王に槍を捧げたのだ。
清廉な先祖の誇り、正しい貴族としての務めも果たさねばならない。


(私は、皆とは違う……)


いくら皇子に抱かれた女の一人だとはいえ、彼女達と釣り合うこともない。

メイドの少女は幼少期から共に在り続け、彼をずっと支え続けてきた子だ。
敬い愛した人の為にはあらゆる努力を怠らず、そして人一倍に心が広い。

軍師の学友は様々なことに精通し、貴族としての教養も備えている。
彼の為にと、彼女が今も新たな知識を得続けていることを知っている。

狼耳の弓兵も幼少期から彼を支え続け、今では副官の地位にある。
軽口の裏には確かな信頼があり、彼女と話している彼は実に愉しそうだ。

いつも穏やかな聖女は、彼に初めて協力してくれた異国の者。
その場にいるだけで空気を和ませてしまいそうな彼女は、しかしその魔力で彼の命を救っている。

争い事が苦手なもう一人の聖女は、儚げな見た目とは裏腹に芯が強く、そして魅惑の肢体を持つ。
元は捕虜だったせいか少々従順過ぎる気配もあるが、ひたむきとも言えるだろう。

皆、自分が持っていないものを持っている。
愚直に槍を振るうだけの自分とは違う。
気の利いた軽口も叩けない。かと言って男性を誘惑するような甘言も持ち合わせていない。


(アベルさん……)


だからと言って諦めることもできない。
なんと欲深いのかと自分自身を罵りたいが、どう取り繕っても想いを抑えきれない。
こうしてその身体に触れているだけで、自分の奥底が熱を持つのがわかる。
施術すればするほど、指先にその逞しさを感じてしまう。
また強く抱きしめられたいと、女の部分が疼く。


「っ、はぁ……」

「パトラ?」

「すみません、大丈夫、です」


思わず漏れた艶めいた吐息を誤魔化す様に、指先に再度力を込めていく。
王国騎士として。貴族として。
欲に負けて流されるなどあってはならない。
今はただマッサージに集中しなくてはならないと、邪念を振り払う。


(本当に、逞しい身体……)


しかし払えど払えど、触れたそばから欲は渦巻くばかり。
元から崩れ気味であった騎士の理性は、自覚を持ったまま急速に崩れ去って行った。


932 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:49:19.32 ID:JWft5Wlx0


(落ち着け、落ち着くんだ)


パトラが悶々としている最中、その下に寝そべるアベルもまた理性を保とうとしていた。
相当に疲労が溜まっているらしい己の身体。
それを解してくれているパトラには感謝するが、どうしても彼女を意識せずにはいられない。
跨った彼女の熱を衣服越しに感じ、背に触れる指は直接その熱を伝えてくる。


「くっ……ぉ……」


柔らかく撫でられたかと思えば、少し力を込められて扱かれる。
心地良いと思っていたところに、腕を押されると堪らず声が漏れた。
痛みを感じるということは疲労の証明でもあり、本当に自分でも気がつかない内に疲れていたのだろう。

腕に続いて肩や首にも手が伸びてくる。
こちらもするりと撫でられたかと思えば、不意にぐいと押さえられる。
僅かな痛み。しかし指が離れればほぅと思わずため息が勝手に漏れてしまう。
首の付け根に鎖骨上部。ぐいぐいと指の圧を感じるが、それがまた心地良い。


「ん、ふっ……!」


こちらも相当に凝っているのか、パトラの指先に込められる力もなかなかに強い。
うつ伏せの状態で、鍛えられた騎士が皇子の首に対して自重を加えつつ圧迫してくる……
状況だけを見れば、慌てふためく者も出てくるかもしれない。
だが当の皇子はそれを気にしない。限りなく無防備な状態を晒してでも、彼女のことを信頼しているから。


「っ……」


だからこそ、アベルは理性を保とうとする。
その信頼する彼女からの善意の整体、自分の性欲で穢してしまってはあまりに失礼。
腕や背に触れる指の感触だけでも心をざわつかせるが、先程から上からくぐもった声まで降ってくる。
原因は自分の凝り固まった筋肉であり、彼女はそれを解そうとしてくれているだけ。
断じて誘ってなどいない。
わかっているのだが、耳をくすぐるその声はどうしても騎士の淫らな姿を連想してしまう。

そして首元を力を込めて押す影響なのだろう。
体重を加える為にパトラの身体は僅かに前のめりな格好となる。
そして指が離れると同時に彼女の身体も元の位置に戻る。
その度に、ゆっくりと引き締まった臀部が背中に触れてくる。
微かな触れ合いだというのに、それは確かに主張をしていて……


(抑えろ……!)


本当に節操がないとは思うが、ゆっくりと情欲が下腹部に溜まっていくのを感じる。
うつ伏せ故に気がつかれることもないが、気を抜けば勃起してしまうかもしれない。
全く持って情けないが、愛撫でもない行為に……パトラの身体の一部だけで欲情していることになる。
多くの少女達に手を出し、兄からは色事に秀でているとまで言われた自分がこの有様とは。
少なからず夜の技量に自信を持ち、愛する彼女達を満足させてやれるよう頑張ろうと常日頃から考えるアベルにとって……
初心な少年のような反応を示す今の自分は、ただただ恥ずかしくあった。


「っは……本当に、全身お疲れのようで……!」

「ぉ……そのよう、だな……!?」


パトラはそれを知らず、変わらず施術を続ける。
疲れている原因のほとんどが情事によるものだと知られたら、軽蔑されるだろうか?
いや彼女のことだ。もう察せられているかもしれない。
流石にそんな状態で、まさか今も欲を溜めこんで行っている最中などとまでは気がつくまいが。


933 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:50:12.67 ID:JWft5Wlx0


――ああ、しかし。
うつ伏せのまま、アベルは内心で言い逃れる言葉を模索する。
自分も大概だが、パトラも不用心が過ぎるのではないか?
転嫁。責任のなすりつけ。
恥ずべき行為だが、しかし実際どうなのだと気を紛らわせるように考えを巡らせる。

以前、パトラは言っていた。
自分のマッサージは部下にも好評であったと。
まさか部下にも、一人一人こうして親身に施術していたのだろうか?
いや、仮にしていなくとも鍛錬は共にしてきているだろう。
新米のマックスですら彼女との鍛錬を経験し、その胸部に視線を集中させているのだから。

彼女の振るう槍の威力は凄まじい。
薙ぎ払い、穿ち、時には投擲すら辞さない豪胆さが、それを後押ししている。
自分の知る女性の中では、文句なく最も『鍛えられた』人だとアベルは評価するだろう。
よく鍛錬を共にするエリスも強者ではあるが、彼女の場合は魔力の恩恵も大きい。
体質や環境と言った問題もあるだろうが、真正面からの腕力勝負ではパトラに勝つことはできない。
騎士として、パトラの身体は完成されている。
貴族の身でありながら、だ。
アーシャという例外もいるが、彼女も戦闘は主にその戦術眼に重きを置いている。
しなやかな身体と細剣で敵をいなし、敵を翻弄しつつ鋭い一撃をいれるスタイルだ。
パトラの場合、このしなやかさに加えて、どこか逞しさも備えているのだ。

こうして自分の身体を圧してくる指は細身ではあるが鍛錬の痕が滲み出ている。
腕は女性らしい細さを有しながら、しかし鍛え抜かれて余計な脂肪など一切存在しない。
そして跨られると改めて感じるが、ふとももから足首にかけては特にしなやかに鍛えられている。
おそらくは馬を駆る騎士故にここまで引き締まるのだろうが、それを差し引いても実に見事なものだ。
当然腹部も無駄なく、腰は見事なまでに括れている。
それでいて胸の二つの膨らみは大変に実っている。四肢の削いだ分が集結したのかと馬鹿な考えさえ過ぎる。
さらに言えば先程から感じる臀部の温もり。今まであまり気にしていなかったが、こちらもそそられる丸みだ。


(……)


真面目に彼女の騎士として鍛え抜かれた身体を評価しようとしてもどうしても雑念が入ってしまう。
だが実際問題、どれもが事実である以上どうしようもない。
非常に端的にまとめてしまえば、パトラは優秀な騎士であり、
そして、出るとこは出て括れるべきところは括れるという男を……
いや最早同性でさえ目で追ってしまうような、本当に完成された身体であると言わざるをえない。

さて、そんなパトラとの鍛錬を彼女の部下達は、果たして本当に煩悩なく打ち込めていたのか?
胸は見まいとしても、肢体が魅惑的ともなればどこか別の場所を見てしまうのではないか?
機能性を重視する彼女はスカートはあまり履かないと言っていたから、下着に惑わされることは少なそうだが……
むしろ鍛錬の汗で身体に張り付いた服の方がより扇情的なのではなかろうか。

あの激しい槍撃の前では煩悩ごと吹き飛ばされる可能性もある。
そもそもかつての王国の腐敗が色濃く残る最中で、あれだけ高潔な姿を見せる将軍がいればまず畏れ敬ってしまうか。
実力も人望も人格も備えているとあらば、おいそれと穢すような真似もできなくなるだろう。
事実マックスも胸への熱視線こそ送っているが、純粋に将として尊敬の念を抱いていた。


(俺は……)


そんな彼ら騎士団の長を。
間違いなく魅惑的に映ったであろう美しき高嶺の花を。
自分は、手折ったのだ。
自分にも過ぎた相手だとは思うが、欲してしまいそして受け入れられたのだ。
男として嬉しくないわけがない。
そして自分はやはり帝国の皇子なのだと実感させられるほどに――独占欲が強い。
気を紛らわせようと巡らした思考は、いつの間にか彼女への欲とその部下達への嫉妬になっていた。



934 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:51:12.29 ID:JWft5Wlx0
――

……


「っ、すまないパトラ。もう少し、肩の方も頼めるか?」

「は、はい。大丈夫ですよ」


ゆったりとした施術の時間。
しかしそれは、いつの間にかどこか色を含んだものへと変化していた。


「っ……は……」

「ふっ……んっ……」


時に浅く。時に深く。
吐き出される男女の息は、じわりじわりとその場の空気を変えていく。
どこにもやましいものはない。凝りを解そうとすれば思わず力は入るし、解される側も反応を示して当然だ。
しかし二人は、身体を重ねた仲だったのがいけなかった。
その逞しさを。
その痴態を。
お互いに記憶しているからこそ、頭の片隅で吐息がそれと結び付けられてしまう。


「はっ……はぁ……!」


パトラのなけなしの理性は限界寸前であった。
抑えようにもいつの間にか息は荒くなり、指先は施術と共に彼の逞しい身体を求めている。
この向きで触れたいのではない。
背に腕を回す様に――抱きしめるように触れたい。


――自分も触れられたい。


自分を律さねばと常々考えてきた。
部下にも説教をしてしまった。
帝国はめでたい状況であるが故に、気を引き締めなければならない。
騎士として、貴族として、皆の模範であらねばならない。


それでも。


この身体はもう、女の悦びを知ってしまっている。


はしたない、はしたない。
恥ずかしい、恥ずかしい。
感情がごちゃ混ぜになる中で、必死に踏み止まる。
せめて羞恥の感情だけでも保てているだけ上等なのでは?
いやそもそも劣情を抱いている時点で、救いようがないのでは?
自問自答をしても、何も変わらない。

自分はいつから、こんな駄目な女になったのだろう。
王国に、国王に槍を捧げたのではなかったか。
今からでも、この想いを断ち切るべきなのではないか。


――どうか、幸せな道を歩んでくれ


その仕えるべき王の言葉が、背を押してしまう。
自分の幸せを、王も望まれているのだ。


ならば、なんの問題があるのだろう?

935 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:52:44.55 ID:JWft5Wlx0
考える、考える。
色々な問題から、羞恥の感情は強い。
それでも、この疼いた身体はもう制御できそうもない。
真下から立ち昇る、濃密な男の香もそれを加速させる。

自分の幸せ……いつだったか夢想した、ありふれたものだが確かに幸福な生活。
両親が、祖先がそうしてくれたように、自分も子供に教えを説いて……


(アベルさんと、私の子供……)


きっと、とても賑やかなことになるのだろう。
沢山のきょうだいと共に色々なことを学び、育っていく。
父親は忙しくても、きっと我が子の面倒を投げ出さないだろう。
自分が生まれ育った国の転覆を幼い頃に思い立ち、そして長年をかけてついに実現した人なのだから。


(欲しい……エリスさん達だって、あんなに……!)


この人を慕う人は多い。それはわかる。
自分も彼に魅了され、今こうして頭がどうにかなってしまいそうなのだから。
自分は彼女達とは違う。それもわかっている。
だけどそれがなんだと言うのか。


(マックスも……私も、私だって……!)


崩れかけた理性に、欲望の波が止め処なく押し寄せる。
身体の奥底から、無尽蔵に溢れてくる。
ああ、これは気のせいなんかではない。
子宮が疼く。彼の子との幸せな生活を欲している。


止めろ、止めろ。


理性が訴える。
もし、もしも。
これが今よりも過去であれば、踏み止まれたのかもしれない。

しかし、身の回りでは次々に幸せな報せが続いている。
自分が望んでいるささやかな夢を、彼女達は既に手にしている。
いかに貴族と言えど、己の幸せを願うなというのは酷だ。


欲しい、欲しい。


純然な欲望。
それは理性の壁を突き破り、押し流すには十分過ぎた。
同じくして抑えきれなくなった愛蜜が服を濡らすが、もはやそれも些細なこと。
今からさらに恥ずかしい、はしたない真似をするのだから。


「――アベルさん、では次は前の方を」


ああ、ついに口走ってしまったという後悔の感情は当然にある。
下の身体がびくりと反応した以上、きっと相手も驚いていることだろう。
それでももう、止まることはできない。

騎士にあるまじき振る舞いをしながら、不退の誓いだけは貫く自分に、
パトラは小さく自虐的な笑みを浮かべた。

936 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:53:41.21 ID:JWft5Wlx0
いくら相手が鍛えられた成人男性とはいえ、この体勢での不意討ち。
馬から降りる要領でさっと腰を浮かせつつ、パトラは焦がれる男の身体をひっくり返す。


「パトラッ!?」


突然の出来事にアベルも反応が遅れ、為す術も無く体位を変えられた。
まさか前までマッサージの対象とされるとは思っていない。
加えて嫉妬の混ざった女騎士の肢体への欲情から、既に自分の身体が反応を示していることもわかっていた。
そんな状況下でひっくり返されれば、どうなるか。
節操がないことの自覚はあるが、まさか施術中にこんな反応をするとは誰も思うまい。
ここ数日の夜の生活について多少の苦言で済まされたが、これはどうだ。
清廉な女騎士ならば、今度こそはしたないと彼女の部下と同じように説教を受けてしまうだろう。
むしろそれで済めば恩の字、彼女の善意に対して欲情したとなれば粛清されても文句は言えない。


「うっ!?」


しかし言葉より先に、身体にはとろりと香油が垂らされた。
腕に、胸に、腹に。先と同じ要領だ。
それがパトラの手で、引き伸ばされていく。
自分の身体がぬめり、その上をついと指が滑っていくのは実にこそばゆい。
しかし同時に、真面目な彼女が念入りな施術をしようとしているのだと思うと、申し訳なさが出てくる。


(俺は何を考えているんだ……)


ゆるりと動く彼女の手に、余計興奮を覚えてしまっただなんて言えるわけもない。
これ以上彼女に失望されない為にも、自分を律さなくてはならない。
アベルは滑らかな誘惑から逃げるように、思考を外へと飛ばす。

その時は、彼にしては珍しく自分のことだけで精一杯だった。
ただただ自分の失態、善意を踏み躙る欲情を鎮めることに集中していた。
だから、気がつけなかった。


自分の身体が、パトラの身体が、香油以外の何かで濡れていることに。


(本当に、私はどうしてしまったのかしら……)


指先に伝わる立派な胸板の感触が、心地よい。
こんな真似をしておきながら、自分がこの身体に劣情を抱いてしまったことは悟られたくない。
だから、自分の股が彼の腹に触れる前に、多めに香油を垂らした。
滑りも匂いも、これで少しは誤魔化せるだろうと画策して。
そう。自分の有様を偽った。
清く正しくあるべき自分が、正規の用途の香油を言い訳に使った。


(……違うわね。マッサージを提案したその時から、もう私は……)


惚れてしまった弱みと言えば、それまでではあるが。
それでもパトラは、せめてアベルの前では正しい姿で振舞っていたかった。
僅かとはいえ彼よりも長く生き……彼の生き方に、思うところもあるからこそ。

ぬちりと香油が小さな水音を立てる。
それだけだというのに、妙に淫らに聞こえてしまうのは何故なのか。

皇子も騎士も、己を律そうとばかり考える。
官能の誘惑に耐え、この人の前では抱いてくれているであろう人物像を崩すまいと抗う。
まさか最初の触れ合いだけで、どちらもが意識してしまっているなどとは思い至らない。
いっそ正直に打ち明ければ、楽になるというのに。

937 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:54:53.86 ID:JWft5Wlx0


「んぅ……!」


そして、先に限界が来たのはパトラの方であった。
同僚、城塞の仲間、そして部下……
幸せな報せにより体内で燻っていた火種は驚くほどに燃え盛ってしまった。
相も変わらず頭の冷静な部分は自分を御そうとするが、もうどうしようもない。


「パトラ……!?」

「ごめん、なさい、アベルさん……!」


何に対する謝罪だろう。
清廉な騎士に相応しくないことをしているからか。
彼の身体を癒すつもりがそれどころではなくなってしまったことか。
浅ましくも彼の腹部に股を擦り付けていることか。


「ん、んぁ……っぁ……!?」


もう、施術どころではなくなっていた。
アベルに跨ったまま、パトラはゆっくりと腰を前後に揺らす。
香油が染み込んでくるが、気にもならない。


(ここ、ちょうどアベルさんのものが当たって……♪)


香油と愛液とが潤滑油となって、服越しでも脈打つ熱を感じられる。
彼の身体を利用して自慰をしていると言われても、否定はできない。
はしたない女だと、幻滅されるだろう。
それでも……




「っ、すまないパトラ……ッ!」

「ん゛ぅっ!?」




構わない。
そう考えた矢先に、衝撃と共に下腹部に甘美な刺激が奔った。
予期せぬそれは快楽に忠実になりつつあったパトラを、軽く絶頂させる。
何が起きたのか。
深く息を吐きだしパトラが現状を把握しようとする頃には、再度身体に痺れが訪れる。


「アベル、さん……っ!?」

「ぐ……!」


漏れだす呻き声。
それ以上に押し付けられた硬いものが、何よりも雄弁に男の興奮を証明していた。
腰を掴み、怒張したそれを着衣状態のままで突きつける……
直接の挿入ではないが、双方に大きな刺激だ。

男と女は、互いに勘違いを続ける。
自分が『先に』欲に負けた浅ましい存在であると思いこむ。
実際はほぼ同時に負けていたのだとしても……


……

938 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:55:45.00 ID:JWft5Wlx0

「あ、あっ……!」

「パトラ……」


その絡み合いは、静かで穏やかな……それでいてひどく淫らなものであった。
遠慮がちに行われていた着衣越しの愛撫も、すぐに我慢ができなくなった。
これもどちらから脱ぎ捨てたのか、二人にはもうわからない。
ただただ肉欲に負けて、駄目だと思いつつもそれに抗うことができなかった。


「ん、んちゅ……ん……」


深く交わされる口づけも、そこまで貪るものではない。
どこか許しを請うような、それでいて思考を蕩かすには十分な甘さを持っていた。
負い目から少し引いてしまうのか、しかしだからこそ以前とはまた少し違う刺激となる。


(これ、好き、かも……)


激しく求められ、快楽に溺れてしまうのもいい。
だがこうして、罪悪感を抱えながらゆっくりするのも悪くないと、パトラは考える。
勿論申し訳ない気持ちはある。
あるのだが、こうしていつまでも甘く緩い快楽に浸け込まれるのも捨てがたかった。


「ごめんなさい、アベルさん……」

「謝るな、パトラ」


一方がすまなそうな表情を浮かべれば、相手も浮かべる。
根にある真面目さから来る反応なのだろう。
たとえどちらが先だったにしろ、こうして互いの身体を求めているのであれば謝罪など無意味なのだから。


「アベルさんの……っ、疲れを、癒そうと、したの、にっ……こんな、ぁああぁっ!」

「俺こそ、パトラの善意に対して、こんな……っぉ……!」


互いに謝罪はする。
しかし身体を動かすことは止めようとはしない。
男の身体も女の身体も、実に魅力的だった。
後ろめたさから遠慮をすれど、それは完全なものではない。
中途半端に求め続け、それが逆に快楽を増大させていく。

そしてそれは、どこか用意された逃げ道のようにも思えた。
自分は完全な快楽の虜にはなっていない。
獣のように求めていない。自分はまだ、理性ある人間なのだと。
ゆっくり、ゆっくりと。静かに沈んでいく快楽の泥濘。
そんな最中で、パトラはそこから這い出ようとももがいていた。


(だって、私は……)


いくつも逃げ道はあった。
しかし不退を誓う王国騎士の生き方をしてきたからこそ、彼女は一歩を前に踏み出す。
ただの謝罪だけでは、きっといつまでもこの調子だ。
このゆったりとした快楽もいいが、それを享受し続けるわけにもいかない。

939 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:56:59.97 ID:JWft5Wlx0


「っ、善意じゃ、ないですよ……! 私、心の中で……みんなを羨ましいって……っ!」


幻滅されてもいい。正直に打ち明けようと、全てを吐き出す。
それに合わせるように、アベルを呑みこんだまま腰が大きく動かされた。
角度が変わり新たな刺激となる。
堪らず零れる嬌声にのせて、本当の想いも出しきってしまおう。
パトラの腰の動きは、徐々にはやくなっていった。


「私も、アベルさんに触れたい……! 私も、アベルさんとの子供、できればいいなって……!」

「パトラ……」

「本当に、ごめんなさい……っ、私、……っ……!」


思わず涙が零れそうになる。
少し前までなら、きっとこんなことにならなかったのに。
いつの間にか自分は、腐敗貴族と同じように欲望に忠実になりすぎている。
真面目で清廉な騎士と評してくれる彼の期待を、こんな形で裏切ってしまうことになるとは。


「……」

「アベル、さん……?」


そんなパトラの頭が、優しく撫でられた。
それはそのまま頬にそえられ、指で滲んだ涙も拭い去る。


「……そこまでパトラに想われているというのは、男としては嬉しい限りなんだがな」

「で、でも、私は誇りある騎士で貴族で、それがこんな……!」

「騎士も貴族も、まずは一人の人間だ。その程度で恥じることはないと思うぞ?」

「っ」


冷酷な皇子の顔などではなく、薄い笑みを浮かべたアベルの顔を見た瞬間、
パトラは自分の頬の熱を再認識する。
添えられた手の熱とは違う、内側からやってくる熱。
嘘偽りの無い言葉なのだと、根拠もないのに信じさせてくれる。


「パトラはこれまで、自分を犠牲にしてきた。もっと、正直に生きていいんだ」

「ふふ……」


そしてかけられた言葉に、思わず笑いが漏れてしまった。
彼の本心からの言葉を笑ってしまうのは失礼だとは思う。
そう言ってくれるのは、救われた気もする。
それでも、この優しく逞しい皇子が。
自分のような一将にそんな言葉をくれたのかと思うと、苦笑せずにはいられなかった。


「パトラ?」


笑みの理由がわからないでいるようなアベルの頭を、
パトラはその胸に抱き寄せると同時に撫でていた。
940 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:57:41.14 ID:JWft5Wlx0


「お、おい!?」

「ありがとう、アベルさん。でも……」



「――それは、あなたにこそ相応しい言葉だと思いますよ?」



どういう意味だという返しは予測できた為、胸に埋めたまま封殺する。
胸の中で身じろがれると少しこそばゆいが、そこは耐えて頭を撫で続けた。
まるで子供をあやすように。


「アベルさんは、私よりも辛く険しい道を歩んできました」

「私達を率いて、ついに悲願を達成されてからも……まだまだ、歩みを止めることは無い」

「きっとこれからも頑張り続けるのでしょう。その最期の時まで……」

「だから、あなたこそもっと正直に生きて、幸せになっていいと思いますよ?」


慈しみすら感じさせる声音だった。
そして彼女の言わんとすることも理解できたが、それをそのまま受け取れるわけでもなく。
少し名残惜しいが、谷間から顔を上げたアベルは反論する。


「……俺はもう、十分に幸せだと思うが?」


これはアベルの本心だった。
確かに辛いことも少なくはなかったが……
あの戦争を、大切な人を誰一人欠くことなく生き延びることができた。
きょうだいとの仲は昔に戻り、母も帰ってきた。
王国と聖国とも繋がりが持てた。
どこかで少しでも何かが狂っていれば、こんなに幸福な結末は迎えられなかった筈だ。


「そう、ですね。では言い方を変えましょうか。――アベルさんは、もっと欲を出していいんですよ?」

「何?」

「あなたは、優しい人。だからいつも、誰かを優先して動いて……あまり、自分の欲を口に出さない」

「それは……」

「以前のデートの時、本当はお酒を飲みたかったと打ち明けてくれたりはしましたけどね?」


くすりと笑うパトラの表情は、朱に染まってこそいるがどこか包容力を感じさせた。
アベルにも思い当たる節は無いわけでもない。
大切な彼女達や家族。自分の願いが叶った今、支えてくれた彼女達の願いは極力叶えさせたかった。
自分がこれ以上ない幸せを感じてしまっているからというのも大きいのだろう。
それをパトラは、今この時になって口にしている。
お互いに生まれたままの姿になり、曝け出している。内面の問題も隠すなと……
恥ずかしいならば、遠慮してしまうならば、自分には正直に打ち明け――甘えてくれということか。


「ふっ……」


以前も、パトラの口から言われたことがある。
元々面倒見の良い彼女だが、あえて言うなら皇子の自分を甘えさせたいことこそ、彼女の欲なのか。
なるほど、ありがたい話ではあるが……アベルとて少なからず男としての意地がある。
望みは叶えたいが、こればかりは快諾はしかねる。

――正直に欲を出していいのならば、お言葉に甘えさせてもらおうではないか。

941 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:58:30.91 ID:JWft5Wlx0


「悪いが、パトラ。俺ほど欲深い人間も、そうはいないぞ?」


きっと今、自分は黒い笑みを浮かべているなとアベルは確信する。
確かに自分よりも他者を優先したことが無いとは言い切れない。
だが結局最後は、自分は欲望のままに彼女を抱くのだ。
欲深いから、諦めきれない。
欲深いから、少女の優しさに甘えてしまう。
欲深いから、手放したくないと独占し、嫉妬の感情さえ持ってしまう。


「パトラが俺を気遣ってくれるのはとても嬉しい。さっきのマッサージも、とてもいい」

「あ、ありがとうございます……」

「だから――今の俺の欲を言えば、そんなパトラを俺も労いたいというところかな?」

「ひゃっ!?」


アベルの口の端が吊り上るのを見ると同時、パトラは短い悲鳴をあげた。
先程まで使っていた香油を、秘裂と太腿に垂らされたのだ。
先に使っていた香油は互いの身体で揉まれ適温かつ少量が馴染んだ状態となっていたが……
ここにきて追加の、それもこんな場所に垂らされては察せざるをえない。
施術のためではない。最初から、快楽目的の……


「アベ、アベルさ……んぅっ!?」


香油をたっぷりと塗したアベルの両手が、パトラの引き締まった太腿にそえられる。
真似事のようであるが、労いたいという言葉の現れなのか。
指は筋肉の流れにあわせるように動き、そして優しく解すかのように蠢く。
それはそれで心地良いが、既に火のついていたパトラには少々物足りない。


「あ、あぅ……! アベル、さん……!」

「ほらみたことか。俺もだが、パトラもだいぶ疲れが溜まっているんじゃないのか?」


それは否定できない。だがそれ以上に、解れることよりも身体の奥底の疼きが気になってしまう。
もはや取り繕えているとは思えないが、それでも淫らな欲望に負けていることには恥ずかしさを覚える。


「んぅ……!」


太腿全体を一撫でにした両手の指先が、僅かに動く。
滑らかに動くそれは、少し強めに脚の付け根を圧しながら揉むように動いた。
これの刺激だけでもパトラはその身を震わせるが、直後に違った意味でもその身体を震わせることになる。


(やだ、これ、あそこ、ひろげられて……!?)


アベルの指が動くたびに、脚の付け根が揉まれていく。
それに合わせるように、濡れそぼった秘裂も左右に開かれるのだ。
身体の構造上当然のことではあるが、直接性器を愛撫される以上の恥ずかしさがそこにはあった。
香油のせいではない、ぬちりとした音もそれに続く。
強めに押されればより一層割り開かれ、焦がれる膣内まで曝け出しているのは想像に容易い。
香油に混じり滴る蜜も何もかもが、愛する人に見られてしまっている。

942 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 22:59:43.86 ID:JWft5Wlx0
これが初めて、というわけではないというのに。
未だに慣れないというか、羞恥心が消え去ることはない。
自分も少しは深紅の令嬢に教えを乞うた方がいいのではないか?
彼女の持論では殿方を満足させるのも淑女の務めらしいが、清廉な騎士ではないのでは?
ああ、もうどちらが正しいのかわからない。
それでも今、確かに言えることもある。


「ん、んぅ……っ! も、もっと、アベルさんのしたいようにして大丈夫ですよ……?」


既に浮ついた思考で、それでも余裕なフリをしてみせる。
既に見てきた、彼の愛する少女達は完膚無きまでに腰砕けにされていた。
それが彼の本当の欲望なら、まだ満足していないのではないか。
自分はまだ大丈夫だから、もっと激しく扱っても問題ない。



「――いいえ、違いますね」



そう考え、パトラは首を静かに横に振った。
人に正直になるように言っておきながら、自分はいつまで逃げるのか。
貴族である前に、騎士である前に、一人の女として……



「もう、私が我慢できません。だから来てください、アベルさん……♪」



――愛する人の前では、正直でいたい。
真っ赤になりながらも、精一杯の勇気を振り絞り、パトラは自分の手を動かす。
香油と愛液に濡れたその指は、それだけでもいやらしい。
そんな指が、自らの秘所を割り開いて見せつけてくる。
直接曝け出されたそこは、ひくひくと男を今か今かと待ち受けているようだ。


「っ、パトラ……!」

「ん、んううぅぅぅぅぅぅぅ……♪」


もう少し、焦らす様に……そそられた脚の愛撫を続けたい気持ちもあった。
しかしあのパトラが、自ら股を開いて誘ってきた。
この事実が、アベルの欲を大きく煽った。
彼女の望み通りに、一息で真正面から貫いてやる。


「くっ……おっ……!?」


迎え入れるは濡れそぼった媚肉。
一突きする度に、もっと奥へと挿れたくなってしまう。


(俺が、欲を我慢している、か……)


誘われ、挿入し、より強い欲にとりつかれる。
自覚はなかったが、パトラの言葉は正しかったのか?
すぐに射精すことはすまいと食いしばりながら、アベルは口を開く。


943 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 23:01:06.31 ID:JWft5Wlx0

「っ、は……っ! パトラは、欲を、見せては……っ、くれないのか……!?」

「んっ……っ! わたしは、今日、最初からっ……、欲に、負けてしまっていますよぉ……!」


突かれる度に胸を揺らし乱れるパトラの姿は、およそ普段の姿からは想像つかないだろう。
アベルだけが見ることを許される、彼女の秘密。
顔を染めながら、快楽に負けている……敗北とも言える言葉を口にする様は実に愛おしい。


「アベルさんっ、わかります……? わたし、いまっ、一番奥、アベルさんに、何度も突かれてぇ……♪」

「ああ、わかるよ……っ!」


体内から痺れるような快感がパトラの全身を駆け巡る。
荒い息を吐き出すアベルも、パトラの最奥をこつこつと責めている感覚がよく伝わってくる。
子宮を一突きする度に、きゅうきゅうと絞めつけてくるのだ。
言葉をかわす最中に、気を抜けば思わず吐き出してしまうだろう。


「あなたとの、赤ちゃん欲しくて……こんなに、子宮降りちゃって……!」




「――ずっと、ずっと前から、私……妄想してたんです……!」



「っ!?」


深く甘い吐息と共に、パトラはその身体をアベルに預ける。
豊かな乳房が押し潰される感触と有様は実に魅惑的だが、今はそれよりもその表情に目を奪われる。
凛とした騎士の鑑である彼女が、自分のすぐ傍でこうまで蕩けている。
そして、本当に自分との子を求めてくれているのだとわかる程に、用意の整った子宮。
男として昂ぶらないわけがない。




「――私も、孕ませて」




そしてトドメの一撃と言わんばかりに、パトラはアベルの耳元で熱っぽく囁いた。
彼女らしからぬ程に、酷く甘く淫らな言葉。


「……っ! わかっ、た……っ!!!」

「あ、あ、きてる、きて……んぅぅぅ――――――ッ!?」


欲の極致とも言える言葉に、アベルは白旗の代わりに未だ濃さを失わない精液を吐き出す。
それでもなおも収縮を続けるパトラの膣壁は、一滴残らず搾り取ろうとしているようだ。


「あ……♪ アベルさん、まだ……」


ふるふると身体を震わせながらも、パトラはまだアベルを離さない。
誇りある姿を取り繕うことをやめた彼女は、どこまでも貪欲になっていた。


……

944 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 23:02:54.70 ID:JWft5Wlx0
――


「ん、ん……ふぁ……あ!」

「パトラ、大丈夫か……?」


二つの影は、まだ重なり続けていた。
抱きしめ合っていたかと思えば、パトラがアベルに跨り腰を振ることもある。
どちらかが絶頂を迎えれば、しばらく休んで……またゆるゆると動き始める。
激しさこそないが、部屋は確かに情欲の匂いで満たされていた。


「アベルさんこそ、大丈夫です、か……?」

「あ、ああ……」

「ごめんなさい。これじゃあ、あなたを余計に疲れさせてしまいますね……」


そうは言うが、ゆっくりとパトラの腰は動き続けていた。


「……明日の業務に、支障が出ない範囲で自重しますから、もう少しだけ……!」


ゆったりとした交わいは、捨てきれないパトラの真面目さからくるものであった。
アベルの精力と体力を考えれば、アーシャ達の二の舞になる可能性が高い。
騎士たる者、節度を守るべし……
欲望のままに子供を求めても、完全には理性を捨てきれていない。
やはり根っから真面目な騎士なのだと、思わずアベルは笑みを浮かべてしまう。

そんな彼女が、淫らな姿を晒してでも自分の子供をこうして求めてくれているというのも……
堪らないものがある。


「パトラ、そんなことは、気にしなくてもいいんだぞ?」

「いえっ、こんな痴態をお見せしてますけど……誇りはまだ少し、残ってます!」

「――アベルさんが、私を壊れるまで犯したいというのなら、受け入れますけどね?」

「……いや、そんなことはしない」


悪戯な笑みを浮かべるパトラに、アベルは降参する。
彼女は、自分に対しては騎士の姿を忘れて乱れてくれる。
自分もパトラの前では、どこまでも欲望をぶつけてしまうのもいいのかもしれない。


(……あまり、節操のない姿を見せたくない筈なのにな)


しかし、どうしてだろう。
パトラの前では、少しだけ節度ある皇子の姿を保ちたくなってしまうのは。
今更手遅れな気もするが、なかなかこの感情を捨てることはできない。
……隙を見せれば、本当に甘えてしまう恐れがあるからだろうか。
アベル自身、理由はわからない。


「明日からは、ちゃんと騎士に戻りますから……! 今は、赤ちゃん……!」

「……明日以降も今みたいに乱れてくれていいんだぞパトラ?」

「やめてください、恥ずかしい……!」


それでも、彼女は馬の代わりに男に跨り続ける。
清廉さと淫猥さを併せ持つ騎士の痴態。休みを挟みながらならなおのこと萎えようもない。
下から存分に彼女の表情を楽しみながら、アベルも彼女に応えるべく腰を深く突きだした。


しっとりとした夜は、まだまだ明けることはない……


……


――
945 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/12/30(水) 23:08:02.99 ID:JWft5Wlx0
というわけで、パトラパートでした。
更新停滞、本当に申し訳ありませんでした……
次回よりまた少しづつ更新できていければいいなと思います。
(この後はロウルの前に、マックスの報告イベントが入ります)

今年は色々と大変な年でしたが、皆さんもどうかご自愛を
予定以上に長引いてしまいましたが、来年度もどうかよろしくお願いいたします
先にコンマ二桁↓1〜3で判定をとりつつ、一足早いですが締めの挨拶をさせていただきます。

皆さん、良いお年を!
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/30(水) 23:11:57.93 ID:CVMBD9A0O
おつおつ
もう少しで終わりではあるけど、来年もよろしく!
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/30(水) 23:22:20.15 ID:UFL+3VrA0

待ってた
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/30(水) 23:22:47.11 ID:yOJ/YZ1DO
良いお年を
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/30(水) 23:54:11.32 ID:7tmoOzu50
久しぶりに乙です!
残り少ないですが良いお年を!
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 00:01:15.97 ID:oqRhKcmQ0
帰還乙です
年末に力作最高でした
そして何か恒例と言えるゾロが見えるんですが
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 11:05:42.62 ID:aNSOb1kBO
おつおつ!
パトラさんもなんだかんだでかなりえちぃ思考だよね
そしてまた開幕ゾロで>>1白目になりそうだけど来年もよろしく!
952 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:01:18.50 ID:wR7S+Zic0
あけましておめでとうございます
そして開幕からうわああぁぁぁ(白目吐血)
と、とりあえずいい気つけになったと考えましょう
判定結果公開を含むマックスハウス前まで投下していきます
953 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:02:12.33 ID:wR7S+Zic0
三連特殊判定結果

1理性が負けても節度はあるパトラ将軍

93>85

※基準値を上回ってしまった為、まさかの足腰立たず!

※マックスの挨拶まわりに同行できず、ロウルの負担も増大!


――

……


パン…! パン…!


パトラ「あっ、あっ……!///」

アベル「パトラ……!」

パトラ(気持ち、いい……///)

パトラ(アベルさんに抱きしめられて、突かれて……///)

パトラ(駄目、これ以上は明日に支障を……っ///)

パトラ(でも……///)



ギュゥゥ…!



パトラ「アベルさん、もっと……///」

パトラ「――私も、あなたとの子を……♪」

アベル「ああ……!」グッ……!



パトラ(騎士として、貴族として……)

パトラ(本来なら、止めておくべきなのに……)





パトラ(――今の、そしてこれからの幸せは、手放したくない……///)ギュ…



……

――
954 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:02:53.92 ID:wR7S+Zic0
――――
―――
――




パトラ「ぁ……♪」ドロドロ…


アベル「だ、大丈夫かパトラ!?」アセアセ

パトラ「は、はひ……///」



パトラ(やってしまった……///)



パトラ「んぅ……♪」トロォ…

パトラ「もう少し、お待ちを……♪」

パトラ「すぐに、支度を……」ググ…


ペタン


パトラ「あ、あれ?」アセアセ

アベル「無理をするなパトラ。すまない……」

パトラ「い、いえ! 私こそあんな……///」

パトラ「私もう、色々な意味で騎士失格です……///」

アベル「そんなことはない。とにかくしばらくは休んでくれ」ポン

パトラ「うぅ……申し訳ありません。これでは陛下へのご報告も……」

アベル「マックスの件なら、こちらでなんとかしておく」

アベル「とりあえず今はまず身体を拭くべきかな。すぐに戻る」タタタ…

パトラ「……///」




パトラ「……赤ちゃん、できたかしら?///」サスサス…



……

――


955 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:03:25.50 ID:wR7S+Zic0
――


……


【帝国・メイド長私室】


ロウル「――ので、もう早めにマックスさんとキアラ様のことを王国に伝えようかと」

ローズ「そうネ。今ならまだ、国民からも結婚初夜に妊娠させたと思われなくもないし……」ンギギ…

アイナ「ローズさん落ち着いて」アセアセ

スミレ「帝国と王国の今後にも関わりかねませんからね。ボクも急いだ方がいいと思います」

ロウル「ええ。折角王室直通転移陣もあるわけですしね」

ロウル「そういうことですので、今日はキアラ様は不在になるかと思います」

ロウル「出発の準備とか諸々は私がやっておきますので……」

ロウル「あ、でもあっちの仕事が先ですかねぇ……」ポツリ…

ローズ「……ロウルちゃん、随分と忙しそうネ?」

ロウル「あ、いえそんなことないですよ?」ブンブン!

アイナ「私達でよければ、お仕事手伝うけど……」

ロウル「いえいえ! 大丈夫ですって全然!」

スミレ「……そういえば、パトラさんはどうされたのですか?」

スミレ「マックスさんのことを気にかけていましたし、てっきり彼女も同行するかと……」

ロウル「あ、あー……その、ですね?」

ロウル「私は全然平気なんですけど、パトラさんの方が仕事疲れでちゃったみたいで!」アセアセ

ロウル「ですので私が代わりにこうして動いている次第ですよ」

ロウル「まあアベルさんの副官の私にかかれば、あの仕事もこの仕事もぱぱっと解決ですって!」

ロウル「それじゃあ、失礼致します!」スタタタ!


バタン!


ローズ「……」


956 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:04:10.02 ID:wR7S+Zic0
アイナ「ロウルちゃん、忙しそうだね……」

スミレ「パトラさんがお休みといいますが、確か残る部隊の皆様も……?」

ローズ「……」

ローズ「こう立て続けにとなると、アベル様の手がすごく早いと見るべきネ」ハァ…

スミレ「!?///」

アイナ「え、え? それってつまり、そういうことなんですか!?」

ローズ「あの子達、みんなアベル様を慕っているワ」

ローズ「エリスちゃんが妊娠して、あれだけ幸せそうにしていたら……乙女としてクるものがあるでしょう?」

ローズ「一人増えたら私も私もって、どんどん勢いは増していくものヨ」

スミレ「ではパトラさんも……///」

ローズ「騎士も人間だもの。それに真面目な子ほど色々溜め込みやすいし……」

ローズ「誰にもそれを咎めることはできない。天使の件はアベル様とロウルちゃんに頑張ってもらうしかないワ」

ローズ(でもロウルちゃんも、溜め込み過ぎなければいいんだけど……)

スミレ「そういえば、私達はともかくローズさんはキアラ様に同行されないのですか?」

ローズ「ふふ、キアラちゃんもフィーアちゃんもアタシの天使だけれど……」

ローズ「残念ながら本当の親子じゃないの。あまりアタシがでしゃばるのもよくないワ」

ローズ「……あと挨拶している最中にお化粧崩れそうだしネ」ムグググ!

スミレ「な、なるほど」

アイナ「……」

アイナ「えっと、それじゃあローズさんは今日はお休みなのかな?」

ローズ「え? ええ、そうネ。今のところは急ぎの仕事はないけど――」


ギュゥ…


ローズ「っ!?」

アイナ「――ごめんなさい、ローズさん。でも、みんながって思うと、もう……///」スリ…

ローズ「アイナちゃん……」

スミレ「……っ」

アイナ「……」テマネキ

スミレ「!!」


ピト…


スミレ「ボクも、です……///」ギュ…

ローズ「スミレちゃんまで……」

ローズ「……」ギュ…

アイナ「///」ドキドキ…

スミレ「///」ドキドキ…

ローズ「……明日以降の仕事もすぐに片づけるわヨ」

ローズ「――三人ずっと部屋から出て来なくても、誰も文句を言えないくらいにネ」

アイナ&スミレ「「は、はい!///」」


……

――
957 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:04:44.02 ID:wR7S+Zic0
――

……

【帝国・アベルの城塞】


ロウル「ローズさん達へ報告はしておきましたよー」

ロウル「他の仕事も片しておくんで、アベルさんとマックスさんはキアラ様をお願いしますね?」

アベル「すまないロウル。色々と押しつける格好になってしまうが……」

ロウル「なーに言ってるんですかアベルさん。このくらいなんともないですよ!」

マックス「その、ごめん。元はと言えば俺がしっかりしていれば……」

キアラ「い、いえ! 私の方が……!」

ロウル「はいはい、これから挨拶なんですからもっと堂々と!」

アベル「キアラも無理はするなよ? いつも以上に身体は大切にするんだぞ」

キアラ「心得ています。でも、私もしっかりとご挨拶はしたいので」

マックス「キアラちゃん……」

アベル「俺も落ち着いたら、改めて挨拶に回らねばな……」

マックス「あれ? そういえばパトラ将軍は?」

ロウル「あー、パトラさんはちょっとお疲れ気味なので休ませてあげた方がいいかと」

ロウル「まあそもそもマックスさんのケジメの挨拶ですし、アベルさん同伴で十分でしょう?」

マックス「そ、そうだよな。よし、行くぞ……!」グッ!

キアラ「うん!」

アベル「俺もいなくても平気だとは思うが、一応な」

ロウル「もう用意は済ませてあるんで、転移陣の方からすぐに向かえますよ」

ロウル「まああんまり気張りしすぎないで、いつも通りで頑張ってくださいよー」フリフリ


ガチャ…パタン…




ロウル「……」

958 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:05:11.39 ID:wR7S+Zic0
ロウル(今朝の様子からして、アベルさんとパトラさんは……)

ロウル(あれだけ元気だったパトラさんがああなるんです)

ロウル(きっとアベルさんに好き放題されちゃったんだ……)

ロウル(パトラさん綺麗で胸も大きいですし、当然ですよねぇ……)

ロウル(エリスさんもアーシャさんも、シアさんもティアさんも……)

ロウル(……アベルさんとの、子供)

ロウル「……」フルフル…

ロウル「何を考えているんですか、私は」

ロウル「私はアベルさんの副官で、あの人を支えるのが仕事なんです」

ロウル「皆さんが動けない今こそ、私が頑張る時です!」フンス!

ロウル「皆さんの分の仕事をして! 皆さんが元気あふれる様なお食事も作って!」

ロウル「それから、エリスさんやアーシャさん達の赤ちゃんのお世話もいつかは……」

ロウル「えっと、まずはどれから手をつけましょうかね……」





ロウル「――頑張ったら、アベルさんも撫でてくれるかな……」ポツリ…




ロウル「うん。私は、多くは望まない。それだけで、十分です」グッ…

ロウル「……」

ロウル「……よし! アベルさんのコートで気を引き締めてから、お仕事頑張りますかねぇ!」


……

――

959 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:05:40.90 ID:wR7S+Zic0
――

……


【王国・謁見の間】


クラウス「これはアベル皇子にキアラ皇女。ようこそ王国に」

クラウス「慌ただしく大したおもてなしもできずに申し訳ない」

クラウス「マックスもよく戻った。時間があれば、騎士団の方にも顔を出して欲しい」

スカーレット「事前に連絡をくだされば、ワタクシ達も相応の用意を致しましたのに」

アベル「いえ、お構いなく。私達の方こそ突然申し訳ありません」ペコリ

アベル「実は、早急にお伝えすべきことがありまして……」

クラウス「む!?」ガタ!

スカーレット「!」キッ!

アベル「ああ、いえ。戦争のような大事ではないのでご安心ください」

アベル「……いや、ある意味では大事なのですが」

クラウス「?」

アベル「……詳しくは、こちらの二人から」スッ…

キアラ「……」ドキドキ

マックス「……国王陛下。騎士マックスより、ご報告致します!」バッ!





マックス「――この度、帝国第一皇女キアラ様との結婚を誓いましたっ!!!」



クラウス「」



キアラ「もう、お腹の中にマックスさんの子もいるので、近いうちに……///」



クラウス「」

クラウス「」

クラウス「」

960 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:06:22.20 ID:wR7S+Zic0
特殊判定結果


2自国の期待の新人の爆弾発言。国王の精神力は?


15≧15(国王といえど人間です。 大 混 乱 )


※基準値と同値のため、クラウスパニック!

※代わりにスカーレット将軍が落ち着きます


――


クラウス「ま、待ってくれマックス……」ヨロ…

クラウス「今私はとてつもない報せを受けたとおも……」

クラウス「いや、キアラ皇女の方が重大だった気がする……」グルグル

クラウス「申し訳ないキアラ皇女。もう一度お願いできるだろうか……?」

キアラ「……///」カアアァ!

キアラ「その、もうマックスさんとの子供もいるので、正式に契りを――」




クラウス「スカーレット将軍! 私の首を惨く刎ねてくれっ!!!」



一同「「!?」」ギョッ!

スカーレット「な、なりませんわ陛下! お気を確かに!」ガッ!

クラウス「気は確かだ!」

クラウス「ああ、なんということだ……!」

クラウス「確かに報告はあった。優秀な新人がいると……!」

クラウス「若く才もあり、努力も欠かさない誇りある騎士がいると……!」

クラウス「少しばかり女性の胸部に興味を持ち過ぎていること以外は期待できると……!」

マックス(俺、先輩達からそんな報告されてたんだ……)

マックス「ってそうじゃなくて、クラウス様申し訳ありません!?」

クラウス「君の年頃なら、それも普通のことなのだろう!」

クラウス「生憎と私は未熟で忙殺されている故か、その気持ちを理解してやれないが……」

アベル(……クラウス王も適齢では? 王国の後継ぎも問題が……いや、今はそれどころではないか)


961 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:07:00.70 ID:wR7S+Zic0
クラウス「しかしだからと言って、婚前にあろうことかキアラ皇女を襲うとは……!」

キアラ「あの……!」

クラウス「責任を取ろうとするのは見事な姿勢ではある!」

クラウス「だがしかし、王国騎士としては最良の対応とは言えない……!」

マックス「っ……」

クラウス「どうして、一歩踏み止まることができなかったのだマックス!」



キアラ「クラウス様っ!」



クラウス「!!」ピク!

キアラ「マックスさんは、悪くないんです。これは……私が望んだことだから!」

クラウス「!?」

マックス「キアラちゃ……」

キアラ「それに、襲われてもいません。マックスさんにはいつも優しくしていただいて……」

キアラ「この命を、救って頂いたこともあります」

キアラ「だからクラウス様。詫びるべきは、私なのです」

キアラ「王国が誇る騎士を、私が奪ってしまったのです……」

マックス「そ、そんなことない! あれは俺が……!」

クラウス「……と、とりあえず、同意の上ではあったという認識でいいかな?」

キアラ「はい!」

クラウス「そうか……少しは救われた気分だよ……」ホッ…

クラウス「とはいえ、やはり式の前に妊娠というのは……」ムムム…

962 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:07:34.73 ID:wR7S+Zic0
スカーレット「……よいではありませんか、陛下」

一同「「?」」

クラウス「スカーレット将軍……」

スカーレット「……陛下。ワタクシも陛下に謝罪をしなくてはなりません」

スカーレット「ワタクシは今この報せを受けて――凄く、嬉しいのです」

スカーレット「この二人が仲睦まじく王国にお忍びで来ていたこと、知っておりましたもの」

スカーレット「あまり広めるべきではないと独断で判断致しました。申し訳ございません」ペコリ

クラウス「!!」

アベル「!!」

スカーレット「確かに、マックスの行為は万人が受け入れるものではないかもしれませんわ」

スカーレット「でも……」

スカーレット「この子は真っ直ぐで、ワタクシとの鍛錬にも臆さず魔法の才も開花させました」

スカーレット「以前の魔法剣の話を聞く限り、キアラの魔力の一部が無意識に譲渡されてもいます」

マックス「え!?」

キアラ「///」

スカーレット「キアラの膨大な魔力は普段は抑えてある。それでいてそうなったのは……」

スカーレット「――キアラが心から安堵し、気を緩め……そして長い間お互いの手を握り続けたからですわ」

キアラ&マックス「「〜〜〜っ!?///」」ボッ!

アベル「ほう……」

クラウス「そ、それほどまでに……」

スカーレット「ワタクシが会った時には、実に初々しい姿でした」

スカーレット「二人は、しっかりと愛を育んでいたと思われます」


963 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:08:25.54 ID:wR7S+Zic0
スカーレット「……」

スカーレット「淑女たるもの、その身は清くあれ」

キアラ「え?」

スカーレット「いつか結ばれる殿方の為に大切に純潔を守り……そして初夜を迎える」

スカーレット「レディーとしての相応しい姿、とは言われていますわ」

スカーレット「婚前妊娠はこれに相応しくない。でも、それは伝統であると同時に古びた習慣でもあります」

スカーレット「夢半ば……姦計にはめられ、無数の男に凌辱されるよりはずっと良い筈です」

クラウス「……っ」

スカーレット「全身の穴を塞がれ、注がれたくもないものを注がれていく」

スカーレット「なまじ誇りがあれば、容易く楽になることもできない」

スカーレット「自分が殿方の精液が好物なのだと。これは自らが望んでいることなのだと思い込み自我を保つ」

スカーレット「ならば相手を搾り尽くして、その隙に全員の首を刎ねてやろうなどと……」

スカーレット「血染めの赤薔薇と化してしまうよりも、ずっといいのです……」

スカーレット「キアラ、あなたは子を宿そうと……無垢な白薔薇のまま」

キアラ「スカーレット将軍……」

スカーレット「マックス」

マックス「は、はい!」

スカーレット「この白薔薇、誰かに手折らせてはなりませんよ?」

マックス「勿論です!」ビシ!

スカーレット「うむ。いい返事でしてよ」

スカーレット「……陛下。お聞きになられた通りです」

クラウス「ああ……」

クラウス「……すまなかった。私もあまりのことに少々混乱してしまったが……」

クラウス「二人の気持ちが通じ合っているのであれば、私が口を挟める問題でもない」

クラウス「私自身、まだ落ち着けてはいないが……出来る限りのことはしよう」

クラウス「マックス。これから先も、困難が待ち受けることだろう」

クラウス「だが、そうして道を決めたのであれば……必ず貫き通すのだぞ?」

マックス「はっ!」


964 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:09:23.10 ID:wR7S+Zic0
……



クラウス「……では、すまないが私も色々とやることが出てきたからな」

クラウス「これで失礼させて貰うよ」スタスタ





スカーレット「流石の陛下も驚かれたようですわね」

スカーレット「しかし陛下のお立場と国際問題を考えればそれもやむなしです」

アベル「流石に自身の打ち首を言い出した時には驚いたが……」

アベル「部下を処刑するより、部下を育てられなかった自分に責を感じるのはクラウス王らしいな」

マックス「うぅ……」

スカーレット「若くして誠実で責任感の強い陛下だからこそ、我らも忠誠を誓えるのです」

スカーレット「さて、ワタクシも将としては手放しには褒められませんが……」

スカーレット「個人的には、拍手いたしますわ。お二人とも、本当におめでとう」パチパチ

マックス「あ、ありがとうございます!」

キアラ「あの、スカーレット将軍、先程のお話は……」

スカーレット「え? ああ、さっきのは例え話ですのよ?」

スカーレット「ワタクシは産まれた瞬間に母乳ではなく精液を欲したほどの――」

アベル「……スカーレット将軍、キアラの前ではできればお控えを」

キアラ「///」

スカーレット「あら、これは失礼」

スカーレット「何にせよ、そこまで深刻な騒動にはならないでしょう」

スカーレット「むしろ王国と帝国の友好の象徴となるくらい、燃え盛る愛を見せつけてくださる?」

アベル「そうだな。下手なことをするより、そうした方が邪推する輩も減るだろう」

マックス「が、頑張ります!」

スカーレット「騎士団……はもう少し後ですわね。まずは陛下が落ち着かれてから」

スカーレット「そういえば、ご両親には?」

キアラ「あ、私の父と母、それに大切な人達からもう祝福の言葉は頂いています」

マックス「俺の両親には、この後報告しに行こうかと……」

スカーレット「それがいいですわね」

スカーレット「……間違いなく、陛下以上に取り乱されそうですが」

アベル「俺も状況次第では援護に回るつもりです」

アベル「あとは――」

965 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:10:05.41 ID:wR7S+Zic0
――

特殊判定結果


3混乱必至なマックス家への挨拶。援護担当は誰?


コンマ11

 1 1


奇数ゾロ目:ギルバート


※マックス家は平民の家です
※キャル(キアラ)の正体も知りません
※結婚+妊娠でも驚きでしょう。そこに皇帝もやってきます

――


ズズズズズ…!


スカーレット「っ!?」ゾク…!

アベル「こ、この気配はまさか……!?」

キアラ「ど、どうして……!?」

マックス「え? え? えぇっ!?」ガタガタ



ズドドドドドドド!




ギルバート「ほう、面白い。こうして王国と繋がっておったのか」ザッ!



一同「「」」

ギルバート「む……そこにおったか。丁度良い」

ギルバート「フィーアとロウルの言っていたキアラの報告とやらはまだ終わっていないようだな……」

ギルバート「我もこの若造の家には少々興味がある。しばし同行させてもらおう」



一同「「」」



マックス(……ど、どうしよう……)ガタガタ!



……
966 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/03(日) 23:13:36.30 ID:wR7S+Zic0
判定結果を公表したあたりで今日はここまで
……うん、三連全部で低めの確率のを全部射抜くってどうなっているんでしょうね(白目)
そして先に別の判定も↓1〜2コンマ二桁で取っておきます

どう足掻いてもこのスレ内で終わりきらない為、もう1スレ建ててしまいそうですが、そちらの案内は後日
本年度も更新が不安定になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします
本日もありがとうございました!
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 23:14:03.80 ID:ksbsRuHl0
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 23:14:44.72 ID:yRvroxlDO
はい
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 23:14:48.30 ID:BAeoQf1UO
>
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/01/03(日) 23:16:19.54 ID:9jvo8bvS0

マックスは最初モブの予定だったのにかなり昇進したんだっけ?
他にそういうキャラいたよね?2人ほど
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 23:20:59.95 ID:4GL9RwWMO
あけおめ、そしておつおつ

>>970
>>1が『あまり出番は無いです』って言ったキャラはコンマさんの悪戯で全員漏れなく出番めっちゃ増えてるからね
具体的に言うとマックス・アイナ・スミレ・ティアの四人
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 23:21:35.63 ID:HDJkaPA0O
おつおつ
これはマックスパパン達下手すりゃ昇天してしまうのでは?
そしてここでまさかスカーレットさんの過去?が少し語られるとは…
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/04(月) 00:31:52.70 ID:xGOuLWBk0
乙です
奇数ゾロだから良い結果で間違いないのだろうけど
付き人がよりによってパパンは表記見て正直吹き出したわ
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/05(火) 00:33:18.09 ID:0lfoRdO+0
乙です!
よりにもよってギルバートは1番あかんやつやんけ!
マックスの両親大丈夫か…?
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/05(火) 00:44:49.42 ID:VWUICWRD0
パパンはノワールさんとの間に色々やらかした前科あるから
マックスの実力を認めている点も含めて挨拶自体は順調に進みそうではあるのよな
ただしマックスの両親がパパンのオーラに文字通り耐えられるかが問題よね
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/01/08(金) 15:20:00.93 ID:wYtA7vuD0
下らないぞ〜イナイレSSを見ろっ
977 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:36:25.02 ID:9u18c1Ax0
こんばんはー
だいぶ遅くなりましたが、投下できるぶんだけ投下していこうと思います
そしてまたコンマが……
978 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:37:20.12 ID:9u18c1Ax0
――

……

【王国・街道】


アベル「……」ドキドキ…

キアラ「……」ドキドキ…



ギルバート「……ふむ」ズン…ズン…



マックス「……」ドキドキ…

ギルバート「王国の守備は堅牢と聞いていたが、この程度ならば我一人で崩せるな」

マックス「!?」

アベル「……父上、現在まともな騎士達は各地に散っているのです」

アベル「やはり腐敗した貴族は、しぶといようですからね」

ギルバート「なるほど……」

ギルバート「……そういえば、マックスよ」

マックス「は、はい!?」ドキィ!

ギルバート「お前の家は、貴族の家系ではないのか?」

マックス「あ、はい……」

マックス「俺の家は、特別何かがあるわけではありませんよ」

マックス「王国では、ただの平凡な一般家庭に分類されると思います」

ギルバート「……何故、騎士を目指した?」

マックス「……俺はもっと子供の頃から、この王国が嫌だったんです」

マックス「貴族が偉そうにして、国王もろくでもなくて、本当に腐っていた」

マックス「いつか、俺が立派な騎士になって民達を守るんだって……」

マックス「子供心に、そう思ったんです」

キアラ「マックスさん……」

ギルバート「……そうか」


979 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:37:48.28 ID:9u18c1Ax0
マックス「でも、結局王国を立て直してくれたのはクラウス様」

マックス「それにパトラ将軍やスカーレット将軍、本当の貴族達です」

マックス「現実はそう甘くはないけれど、それでも俺は……」

マックス「それでも俺は、この志を曲げるつもりはありません!」

マックス「そしてキアラちゃんのことだって、守れるような立派な男に……!」

キアラ「ふふ、もう何度も守ってくれたのに……///」

マックス「あ、いや……///も、もっと! もっとだよ!」

ギルバート「……誇るがいい」

マックス「え?」

ギルバート「このギルバートが認めよう。お前は、強者だマックス」

マックス「え!? いやいやでも、俺なんてまだまだで……」

ギルバート「確かに、今はまだアベル達には及ぶまい」

ギルバート「だが……」

ギルバート「……ならば言い方を変えよう」

ギルバート「お前は強者の素質を持っている。それを胸に、精進を続けるがいい」

マックス「は、はい!?」ビシ!

アベル(父上……)

キアラ(思った以上に、お父様もマックスさんを認めてくれているのでしょうか……)ヒソヒソ…

アベル(ああ。実際マックスは本当に強くなった。それに――)




マックスハウス「……」




マックス「あ」

マックス(やっべ!? 話してたらいつの間にか着いてた!?)ガーン!

ギルバート「ほう、あの家か」

キアラ「は、はい。以前一度だけお邪魔しましたが覚えています」

アベル「なんだ、挨拶は済ませていたのか?」

キアラ「いえその、ちょっと色々あって変装してと言いますか!?」ワタワタ

ギルバート「……そうか」

980 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:38:16.94 ID:9u18c1Ax0
特殊判定結果

1ギルバートの自重(>>967

80>75

※基準値を上回ってしまった為、正面突破!

――


ギルバート「――ならば今回は、正々堂々と臨むべきだ」ゴゴゴゴゴ!

ギルバート「わかったなキアラ?」

キアラ「は、はいっ!?」ビクゥ!

ギルバート「魔力の封印を解くのだ。ありのままのお前を、こやつの両親に見せるのだ」

ギルバート「無論、我も隠さぬ……!」フシュゥゥゥゥ…!



アベル「」

マックス「」


キアラ「……っ」

キアラ(ど、どうしよう……)

キアラ(でも、ご挨拶はちゃんとしないと。今度はキャルじゃなくて、キアラとして)

キアラ(マックスさんにばかり真っ直ぐなことをさせちゃ駄目。私だって……!)


スッ…


キアラ「こ、これでよろしいでしょうか父上!」ゴオオオォォォォォ!

ギルバート「うむ……」

ギルバート「では、いくとしよう」


マックス「」

アベル「……」ポン…


玄関扉「……」ドキドキ…

ギルバート「……」スッ…




バキャア!


981 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:38:57.62 ID:9u18c1Ax0
【王国・マックスハウス内部】



マックス父「な、なんだ!?」

マックス母「扉が壊されたの!?」

マックス父「むぅ、魔物か!? 母さん下がっていろ!」

マックス父「来るならば来い! どんな相手だろうと母さんは私が守ってみせるぞ!」チャキン!

マックス母「あなた……///」ポッ…



バキャバキャ…


ズウゥゥゥゥゥン…







真体ギルバート「――む、加減を間違えたか?」←レベル4000オーバー






キアラ「だ、駄目ですよお父様!?」ワタワタ!

アベル「挨拶前に玄関を破壊するのは非常識かと!?」ワタワタ!


マックス父「」

マックス母「」


アベル「あ、固まっているお二人がマックスのご両親――」

ギルバート「……」チラ

マックス「」コクコク!

ギルバート「……」




ギルバート「……失礼した。我が名はギルバート。本日は急ではあるが挨拶に――」



マックス父「」

マックス母「」


ギルバート「……?」

アベル(……当然の反応だろうな)

キアラ(ごめんなさい……!)

マックス(父さん母さん、駄目な息子でほんっとごめん……!)


……

――
982 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:39:31.14 ID:9u18c1Ax0
――――
―――
――



……



マックス両親「「はうあっ!?」」ハッ!

マックス「あ、よかった! やっと気がついた!」

マックス父「マ、マックス!? よく帰ってきた……ではなくてだな!?」

マックス母「すぐに逃げるのよ! さっき、とんでもない怪物に――」



ギルバート「……」チョコン



マックス両親「「」」


キアラ(お父様! もっと覇気を抑えてください……!)ヒソヒソ!

アベル(身体も極力動かさず! 備品まで破壊するわけにはいきません!)ヒソヒソ!

ギルバート(ぬうぅ……)グググ…


マックス両親「「」」

マックス「……うん、驚かせちゃってごめん」

マックス「でも、どうしても伝えないといけないことがあるんだ」

マックス父「つ、伝えたいこと?」

マックス母「そ、それとあの恐ろしい人が関係あるの?」

マックス「ああ。実は――」




キアラ「待って、マックスさん」スッ




マックス「!!」

キアラ「まずは、私から」

マックス父「君は……」


983 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:40:15.95 ID:9u18c1Ax0
マックス父「そうだ、格好や髪型は違うけどその雰囲気と声はまさか……?」

マックス母「もしかして、キャルちゃんなの?」

キアラ「はい。以前は大変お世話になりました」ペコリ

マックス父「いやいや、こちらこそ……」

マックス父「……」ゴクリ

マックス父「この魔力の感じは、もしかして君が……?」

キアラ「ご、ごめんなさい。これでも抑えるようにしているのですけど」

キアラ「……本当の私を知って頂く為に、あえて今の状態をお見せしています」

マックス母「キャルちゃん……」

キアラ「……」フルフル…

キアラ「申し訳ありません。キャルは、仮初の名と姿なのです……」



キアラ「――私は、帝国第一皇女キアラ」

キアラ「――この度、正式な挨拶の為に参りました」ペコリ



マックス両親「「!?」」ゴフゥ!



マックス父「て、帝国第一皇女って……キャルちゃんが!?」

マックス母「で、でも確かにそれならあの貴族のような振る舞いも納得が……」

マックス父「……」

マックス母「……」

マックス父(うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!? わ、私はなんという態度をとってしまったんだぁ!?)ガタガタ!

マックス母(ど、どうしましょう!? そうとは気がつかず、かなり砕けた対応をしたような!?)ガタガタ!

マックス父「マ、マックス……?」チラ…

マックス「……ごめん、黙ってて」

マックス「あの時は……まだ付き合っていなくてさ。俺のただの片思いだったんだ」

マックス「父さん達を安心させたくて、嘘をつこうとして、キアラちゃんが手助けしてくれて……」

アベル「……お前そんなことをしていたのか?」

マックス「あ、すみませんアベル皇子!? でも――」アセアセ


マックス両親「「アベル皇子!?」」ガタ!


マックス「あ」

984 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:41:23.78 ID:9u18c1Ax0
マックス父「ど、どどどどど……」

マックス母「お、落ち着きましょうあなた!? 深呼吸よ!」スーハー!

マックス父「そ、そうだな母さん……!」スーハー!

マックス母「え、えっと……キャルちゃん、がキアラ様で? そちらの黒髪の方が?」オソルオソル…

アベル「大変失礼を……私は帝国第三皇子アベル。キアラの兄にあたります」

アベル「ご子息には私も大変お世話になっており……」フカブカ…

マックス父「あ、これはどうもご丁寧に……」フカブカ…

マックス父「しかしアベル皇子と言えば王国の英雄――」

アベル「それは買い被り過ぎです。クラウス王や王国騎士達……」

アベル「そして彼が奮戦していたのを、私達は少し後押ししたに過ぎませんよ」

マックス「アベル皇子……」

アベル「……さあ、マックス。あの日のように、勇気を持ってご両親に伝えるんだ」

マックス「っ、はい!」



マックス「――不肖、このマックス!」





マックス「――この度、帝国第一皇女キアラ様との……け、結婚の報告に参りましたっ!」






マックス両親「「!?」」ブホォォ!


985 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:42:00.98 ID:9u18c1Ax0
マックス父「け、結婚!?」

マックス母「キャル……キアラ様と、あなたが!?」

マックス父「いや、その……確かに私達も、キャルちゃんとの結婚は大賛成だったんだが……」

マックス母「流石に状況が一変しているというか……」チラ…

アベル「……わ、私を危惧しなくても大丈夫です。既に二人の仲は、私も認めておりますので」アセアセ

アベル「勿論、父も」

マックス父「父……?」ギギギ…

マックス母「も、もしかして……」ギギギ…



ギルバート「む? もう一度名乗らねばならぬか」

ギルバート「我が名はギルバート。――そこのキアラとアベルの父親である」



マックス両親「「」」ウボァ!


マックス「だ、大丈夫か二人とも!?」ユサユサ!

キアラ「か、回復魔法を使った方が!?」オロオロ

マックス父「ごほ……だ、大丈夫だ……!」ヨロ…

マックス母「キアラ様との結婚が本当なら、当然のことだものね……!?」ブルブル…

マックス父「そう、最初に少しは覚悟できていた。だから耐えられるぞ……!」プルプル…

アベル「流石、マックスのご両親だ……」

アベル「――マックス。このままあちらのこともお伝えした方がいいと思うぞ?」

マックス「は、はい!」




マックス「――あともうキアラちゃんのお腹の中には俺達の子もいますっ!」

キアラ「……///」




マックス父「マックスお前いくつ爆弾を持ってきたんぼえぇぇぇぇぇ!?」ビチャア!

マックス母「あなたあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

キアラ「か、回復ーーー!?」パアアァァァ!

アベル(当然の反応だ……)

アベル(しかしこれは流石に、大丈夫だろうか?)


……

986 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:44:18.32 ID:9u18c1Ax0
――

特殊判定結果

2マックス両親の耐久力(>>968

コンマ72

−15(結婚)−30(妊娠)−15(皇帝)−10(自重無)

=2

※かなり瀬戸際ですが耐えきりました!

――

……


マックス父「マ、マックス……」ヨロ…

マックス母「あなた、婚前の皇女様を……」ヨロ…


アベル(す、凄いな。なんとか耐えきったようだ……)


マックス「……うん、二人が言いたいことはよくわかるよ」

マックス「クラウス様やパトラ将軍、スカーレット将軍からも言われたからさ」

マックス父「当たり前だろう……」ハァ…

マックス母「確かに、あの子とマックスが結婚して孫もできればって……私も考えはしたけども!」

マックス父「そこまで真っ直ぐに突き進まずとも……」ガクリ…

マックス「……いいや、俺はこのまま進むぜ!」

マックス両親「「!?」」

マックス「このまま、絶対にキアラちゃんを幸せにできるような男になってみせるんだ!」

マックス父「マ、マックス……!」

マックス母「でも、そんな……キアラ様は……」チラ…

キアラ「様は無くても大丈夫ですよ。だ、だって……」



キアラ「――もうすぐ……お義父様とお義母様になられるのですから///」ポッ…



マックス両親「「んぅ!?///」」



マックス父「……///」テレテレ

マックス母「……///」テレテレ



ギルバート「……」



耐えきった為、追加特殊判定
↓1〜2コンマ二桁
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/10(日) 23:44:35.38 ID:Fv5A9mHTO
よろろ
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/10(日) 23:44:53.54 ID:Mly2/ZFMO
はい
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/10(日) 23:45:39.15 ID:voqYrPXxO
そおい!
990 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:51:02.64 ID:9u18c1Ax0
追加特殊判定結果

意識を保ち続けた為、援護者(ギルバート)との語らい

1マックス父の酒レベル(酔いやすさ)
38(少しだけ強め。マックスが酒を飲めないのは少し残念)

2マックス母の酒レベル(酔いやすさ)
54(大体平均的。飲めないことはないけど、マックスもいるから酒は避けがち)

――

追加判定をとったあたりで今日はここまで
と思ったのですが、残りが凄く微妙なことに……
少し早いですが、次スレの用意をしてこようと思います
少々お待ちください
991 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/10(日) 23:59:47.39 ID:9u18c1Ax0
次スレ(今度こそ最終スレ)になります
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1610290527/
992 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/11(月) 00:00:53.75 ID:pWY/X3Hv0
さて、残り数レスですが
993 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/11(月) 00:02:05.94 ID:pWY/X3Hv0
本来このスレで終わらせる(それももっと早く)予定だったので、1000ボーナスは考えていませんでした
994 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/11(月) 00:03:25.03 ID:pWY/X3Hv0
ですが色々と予定外なこともあり、時間もかかってしまいました
それでもこのスレを見限らないで下さった方々がいたこと、本当に感謝の念しかありません
995 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/01/11(月) 00:05:36.92 ID:pWY/X3Hv0
誠に勝手ながら、Rパートはロウル以外の各ヒロインが一つの区切りという形で行ったため難しいですが……
もし、他になにか望まれるような小イベントがあれば、今度こそ最後の1000ボーナスとしたいと思います
(無論、無しも可能です)
それでは、このスレは埋めて頂けると助かります
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/01/11(月) 00:05:39.90 ID:8+9s4IhP0

ゆっくりでいいからやりましょう

もし1000ボーナスがあるのなら次回作に対しての要望を叶えられる奴を叶える感じで
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 00:08:33.52 ID:CFY/yOvfO
おつおつ
むしろ見たいイベントまだまだ色々あるのよ?
でもここは踏み台になるぜ!
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 00:12:13.58 ID:P1RDm33HO
>>1000ならこの世界感の別大陸新作が書かれる
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 00:14:22.21 ID:8+9s4IhP0
>>1000ならこの世界観の別大陸の新作が書かれる(ただし、ファンサービスでこったの大陸について触れる時が合ったりなかったり)
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 00:14:36.45 ID:s7by7Zeo0
おつです!
ゆっくり進行でも楽しみに待ってますよ
ここは踏み台に、仮に>>1000なら>>998でお願いします!
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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【おちフル】ホホ「はいみんなキャンプ行くわよー!」【ゆるキャン△】 @ 2021/01/09(土) 07:21:23.19 ID:6bDTFM1H0
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