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【あんこ】あなたは淫魔に襲われました【ファンタジー】
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135 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/21(火) 23:02:30.72 ID:a2XDcgPM0
代わりに舌先により力を込めて舐め回し、秘裂を何度もなぞってやる。
先程から滲み出していた粘り気のある液体を塗り込むように、陰唇全体がぬらぬらとテカるように。
淫魔「! 〜〜〜〜……っ」
それで彼女も気付いたのだろう。赤みがかっていた頬が更に赤く染まる。
塗りたくられた愛液は熱く火照る身体とは反対に外気と触れて冷えていく。
つまり、彼女の陰唇周辺は今そこだけが冷感を味わう場所となっていて。
本格的にどの辺りが羞恥のポイントなのかはどうでもいい。
淫魔のくせに胸への愛撫と舌先の動きだけでしとどに濡らしてしまったためなのか。
その火照りが呆気無い程簡単に強制的に進められてしまったからなのか。
それとも主人然として上下を演じてみたのにそれを崩されてしまいそうだからなのか。
何にせよ、舌で陰核を潰されたとき反射的に反らせた顔を下に向けたのは間違いだっただろう。
何故なら目が合った彼が渾身の笑みでその紅玉を射返してやったから。
136 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/21(火) 23:20:06.73 ID:a2XDcgPM0
淫魔「ばかっ……ばっ、か…………っ」
止めてなんて、やらない。簡単に天頂を弄ってなんか、やらない。
既に限界は近く彼の手の平は押し付けられているというより、
無理矢理動かそうとして諦められて抱き締められているような状態。
まずはこのまま舌先だけで濃密な極致の星を見てもらおう。
「ッ…………んっ……っと! 」
無理矢理に背中を曲げて首を伸ばす。
舌だけではなくて、一気に口内に捕らえて吸い上げてしまえ。
まずは明確に外イキだけで気をやってもらいたい。
その後、こちらの自由にさせてくれるなら乳首でだって好きなだけ楽しませてやる。
組み敷いて正常位になりながら押し潰してやってもいい。
後背位で腰を突き込みながら垂れ下がる弱点となったそれを揉み潰してやってもいい。
137 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/21(火) 23:20:35.25 ID:a2XDcgPM0
取り敢えず、まずは顔面に騎られた仕返しをしてやりたい。
「んー……ゅるっーー
淫魔「っっっっ〜〜〜〜っ……っ! 」
【月はまだ輝きを残している】
1.姿見
2.直で見てやりたい
3.直で見てやりたい
4.姿見
5.姿見
6.姿見
7.直で見てやりたい
8.姿見
9.直で見てやりたい
0.仕返しの仕返し
ゾロ目.襲撃
138 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/21(火) 23:22:46.69 ID:a2XDcgPM0
今日は眠いのでこの辺りで中断します
明日は来れない気がしますが来れたらサイレントでたぶん
またよければ覗いてください
ありがとうございました
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/21(火) 23:26:16.43 ID:WJXb86Zko
乙
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/22(水) 01:41:18.64 ID:2Z8n4HNUo
おつー
141 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:33:37.00 ID:otMEiOz+O
サイレントで少し……
142 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:34:04.75 ID:otMEiOz+O
【下一桁:5……姿見】
淫魔「っふぁ……はぁ……っはぁ…………んっ」
危うく派手に痙攣して脱力した彼女に首を折られるところだった。
寸でのところで顔を挟み込みかけた太腿から肩を逃して弛緩した身体を抱き留めなければ、
彼女は間抜けにも寝台から落下していただろう。
さすがに淫魔とはいえ絶頂の衝撃で震えながら木床を転がらせるのは忍びない。
とはいえ未だに一人分の重みを担いで無理な姿勢を続けるのも辛いところだったが。
143 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:34:44.72 ID:otMEiOz+O
「ん……もしかして君雰囲気でイっちゃうタイプ? 」
淫魔「しっ、知らないッ……! 」
間抜け見つけたり、というかなんというか。
本人も言われるまで自覚が無かったのだろう。
恥じらう淫魔というのもおかしな気がするが本人は淫魔ではないと言っていたか。
「顔がべったべたなんだが」
淫魔「〜〜〜〜……っ」
「うん? 何か反論があるなら喜んで拝聴致しましょうとも、敬愛すべき全能のマスター」
あれだけ上から目線の女王様然とした女が殆ど舌先と雰囲気だけで気をやるというのは楽しいものだ。
正直、男としてあんな反応をしてくれる美しい女を嫌いになるなんてことはできない。
女が女の子に堕ち戻る瞬間は、何物にも替え難い。
我が女王はどうしようも無く過度な津液を撒き散らしたことに気を取られているので言わないけれど。
144 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 14:35:19.87 ID:otMEiOz+O
「まぁ、そんなことはいいさ。……ご主人様? 」
淫魔「な、何よ従者」
位が戻るの早過ぎると思うよ、なんて。
どうせ完全な主従関係なんかではなくて、劇的な一夜に生まれた擬似繋属。
淫らで倒錯的なまぐわいに加える淫靡なアクセントに過ぎない。
意識せずころころと変わる関係の名前に意味は無いけれど、
ストーリーを忘れて一瞬で切り替わるその思考そのものは狼狽の証でアクセントに感謝だ。
とはいえ、あれだけ素晴らしい一夜だったのだ。
その刹那で生まれた関係性は生かし切って楽しみ切ってその先へ行かねばならない。
145 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:36:08.84 ID:otMEiOz+O
ーーーーーーーー
淫魔『鏡ちゃんってば毎朝毎朝可哀想よねぇ』
『あん? 』
また戯言が始まった。そんなことよりも早くまともに服を着てほしい。
できることならば同行者にはまともな人間、ないし正常な人物であってほしいし、
早く朝食にあり付いて一晩欲望に溺れて女を貪った空腹を満たしたい。
そして何より、均整の取れ過ぎた誘惑的な身体が目に毒だった。
それも自分が自由に揉みしだき舌を這わせ吐精したばかりのことである。
男として朝の生理現象もあるわけで二つの相乗効果が正直辛い。
淫魔『私の顔を映されるなんて酷い話。だってその美しい顔を完璧には映せていないのだもの』
ーーきっと毎朝不明に恥じ入っているわね。
146 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:37:59.82 ID:otMEiOz+O
『それなら俺の目も駄目なわけだな。特段目が良いわけじゃない』
どう答えるのか、そんな興味が湧いた。
彼が困らされることは数あれど、彼女を困惑させたり動揺させたことは殆ど無いのだ。
淫魔『馬鹿ね。究極的にはあなたの目に映る私が一番綺麗で本気の私なんだから唯一恥じなくていい鏡に決まってるじゃない』
ーーあなたの目は私だけの鏡だし、そこに映る私が一番綺麗なのよ。
本当に唐突で、何らの衒いも無い言葉だった。
それはきっととても尊いことで、実際には酷く気恥ずかしい。
「……………………」
淫魔「……うん? 」
正直、狡いと思う。
ーーーーーーーー
147 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:39:20.81 ID:otMEiOz+O
「不明に恥じ入るばかりが仕事じゃないとおしえてやる機会だな」
それから傲岸不遜に嘯く主人へ肉体的な諫めと罰を。
朝方の他愛無い会話を思い出しながら淫魔を見遣った。
特段それに不満など無かったし、この彼女にはきっと一番似合う姿だとも思ってはいるけれど。
淫魔「は……? 」
未だに顔を赤らめてよく分からない言葉を紡いでいる口にはもっと卑猥な、唆る言葉を吐かせたい。
だから、意味の分からないことを言い出したと思っているのも今のうちだけ。
一度しか性液を吐き出していない秘処も到底満足できてはいないだろう。
其処は割り拓き擦り上げ穿つ為の入り口なのだから。
舌先でノックを続けただけで終わるなんてことあってはならない、暴挙だ。
148 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:39:53.35 ID:otMEiOz+O
淫魔「やっ……っ」
いい加減休憩も十分だろうと勝手に判断して細くそれでいて肉と筋肉がバランス良く付いた腰を捕まえる。
大柄で筋肉質な彼にとっては多少身長が高いだけの華奢な人間を持ち上げることなど容易い。
そのまま腹や尻の柔らかい部分に指先を立てないようにしながら、
朝方人知れず貶されていた姿見の前まで移動した。
ふるふると震えた波打つ桃尻や年齢に負けたわけではなく単に自然の理として垂れ下がった大きな乳房、
それから浅く指の食い込む腰の柔らかさに加速度的な獣欲が掻き立てられる。
それは丁度姿見の前に位置取ってされるがままの彼女が、
羞恥に顔を引き攣らせているのを確認したとき最高潮に達した。
149 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:40:26.62 ID:otMEiOz+O
ここまでくれば誰であれ自分がどういう窮地に追い込まれた状況か理解するだろう。
彼女は今高貴で居丈高な、傲慢さえ許される美貌の女王なんかでは決してない。
残念ながら今はその流麗な顔を歪まされるのを待つ豪華な肉壺付きの女でしかない。
少々の加虐と嗜虐に突き動かされて凶悪な怒張を猛らせる悪い男に片手を引っぱられて細腰も鷲掴まれて。
あとはせめて少しだけでも手心を哀願して媚びを売るだけだった。
淫魔「あの、えっと……」
「うん? 」
淫魔「……優しく、して? 」
張り付けた精一杯の笑顔には媚態を混ぜ込んで、
けれどその顔は瞬時に引き攣った元のそれに逆戻り。
何故なら自分を貫こうとしている男は、実に愉快そうに嗤っていたから。
「ばーか。……期待してるんだろうがっ! 」
淫魔「ひうっ……! 」
150 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:40:55.97 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
151 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:41:34.93 ID:otMEiOz+O
宛てがって、狙いを定めて、遠慮なんて微塵も残さず打ち抜かれた。
ハリのある巨尻は脈打ちながら大きなシワのように押されて歪まされて。
一気に侵入を許していっそ招き入れるように最奥を明け渡した膣道は歓喜に震える。
強い衝撃と自分が物のように扱われる未経験の不条理に思わず情け無い嬌声まで聞かれる始末。
確かに期待は、していた。
彼女とて一方的な服従に興味は無いし、寧ろ幅のある一夜を重ねていきたい。
けれど、これは本当に唐突で。
本当に唐突でいてそして、たったこれだけで快楽の上限を塗り替えられてしまった。
152 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:42:20.06 ID:otMEiOz+O
大き過ぎる程に巨大な肉槍だなんてことは知っていたけれど、あんまりだ。
物のように、そう、まるで動物が交尾のためだけに腰を打ち込むような残酷さ。
突っ込んで、吐き出す、それだけが目的のような無遠慮さ。
まだ開発と経験の足りない子宮を殴り付けられた衝撃で一瞬気をやりそうになった。
その痛みを伴う無礼には本当に腹が立つ。
一度深めに絶頂を迎えさせられていて良かったと本気で思う。
その余韻とぬめりが無ければきっと突き込まれ拓かれて秘奥に辿り着かれる頃には涙を溢していただろう。
快楽の上塗りは不幸中の幸いとして、反面痛みを軽減してくれていた。
いつか仕返しして男が上げてはいけない喘ぎ声を出させてやりたいとも思う。
でも、真に酷いのはそんなことではなくて、それはもっと別のことで。
淫魔「やだっ、やっ……いやぁ……っ…………んっ! 」
ーーこんなにも一方的に嬲られて使われることが、今までで最高の快楽だなんて、酷過ぎる。
153 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:42:52.57 ID:otMEiOz+O
淫魔「ぃやっ! はげっしっ……〜〜〜〜んんっ」
彼女の柔らかな尻に鋼のような硬さを纏った筋肉質な腰が遠慮無く叩き付けられる。
パンっ、といった生易しい音ではない。
硬い肉を叩いて柔らかくするように、下拵えをするが如き悪鬼の抽送音。
またその音は女の一番深い処、人間ではない彼女ですらメスらしくさせられる場所への責め苦の苛烈さも表していた。
それは熱した鉄で吸い付く肉ヒダを掻き回しながら決して鍛えることのできない位置への殴打を繰り返されるに等しい。
聳える破城槌が食い破られてはいけない門扉を破壊しようと躍動している。
154 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:44:06.11 ID:otMEiOz+O
「鏡っ、見ろよ。自分のっ、顔をっ」
執拗に揉まれる波打つ尻への蹂躙に思わず手を伸ばしてしまって。
何にもできないと知っているのに、自由だった方の手も煩わしいとばかりに捕まってしまった。
だから、正面を向いてただ喘がされているうちは、
僅かな痛みと度を越した快楽に塗れた自分の顔を見るしかない。
勿論、目を閉じてしまうことは簡単ではある。
けれど、できなかった。
視界を閉じると淡々と圧倒的に強いオスに屈服させられているようで、怖かったのだ。
嬲られて、嘲笑われて、抉り抜かれ造り変えられる自分のメス穴が、恐ろしかったのだ。
それから、自分の選んだ男から目を離すなんて、どんなときでもしたくはなかったのだ。
155 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:44:45.41 ID:otMEiOz+O
しかも歪められた顔を見ながら犯される方が、断然気持ち良い。
姿見に映る彼は胸板の下くらいまでで。
傷だらけの屈強な身体が自分の両腕を拘束し、
彼女の腕と欲望そのものの肉槍、それら三点だけを支点に腰を振りたくっている。
あまりの激しさに彼女の自慢であるところの大きくそれでいて形の良い双丘も、
形をを変えて前後左右関係無しに暴れさせられていた。
淫魔「こんなっ、こんっなっ、嘘っ……っ」
ーーでもなんて、はしたなくて淫らで絶望的で、気持ち良いのだろう。
ただ犯され使われる。こんな快楽、知ってはいけなかったのだ。
156 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:45:14.44 ID:otMEiOz+O
「限っ界、だっ……」
淫魔「! まっ、待ってまだ激しくなっ
激しくなるの? と言葉に出そうとして、その疑問は即座に恫喝染みた抽送に打ち消された。
ただでさえ巨大で人の身に余るエグい逸物は彼女の胎内で更に膨れ上がったようで。
緩急取り混ぜた絶妙なバランスの抽送は単調に、しかし彼女からまともな呼吸を完全に奪い去った。
引き抜きかけて、また突き込んで。そんな悠長なことはもうしない。
込み上げる射精感に限界を超えて耐えて、少しでも多く快楽を溜め込んで放出することを望むような。
一往復腰を振る毎にその快感を蓄積できると信じ切ったような。
当然、彼女のことなんて欠片も考えてはいない獣の衝動だった。
157 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:45:44.94 ID:otMEiOz+O
「っ…………」
淫魔「〜〜〜〜っ……んぁぁぁぁっ…………っ」
限界を超えて臨界した堰に驚きは無かった。
けれどその奔流は怒涛の、という言葉では到底足りない。
当然のように、あるべき姿であると主張するように、彼女の胎を熱さで蹂躙した。
永遠にも似た絶頂の痙攣が溶岩流染みた熱さの白濁流に誘発されて、上塗りに上塗りを重ねられていく。
彼女のうちで元気なのは最も痛め付けられ、
神経が灼き切れると錯覚する程快楽の源となった膣奥だけ。
貪欲に、もっと寄越せと泣き叫ぶ女の奥深くのみだった。
158 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:47:20.06 ID:otMEiOz+O
攻撃的な獣に弄ばれた尻と太腿は獣性に食い荒らされて震えが止まらず、
解放された両手で姿見の両脇に手を着かなければ身体を支えられなかった。
熱く身体の内側から滲む痺れは心地良いけれど、きっと尻は赤く腫れてしまっているだろう。
この一時彼女を支配した男はただただ射精の快感に浸って腰を震わせているだけで。
甘掴んだ臀部を辛うじて抑えているに過ぎない。
淫魔「っはぁ……あぁ……ぅ…………」
ぼとぼと、びしゃびしゃ、どろどろ。
酷く粘ついた精液と、攪拌され過剰に分泌された愛液と、それから汗と。
彼女と彼の足元はそれは凄まじい有様になっている。
治り切らなかった精液は彼女の脚を伝い、指先の間を汚してすらいた。
159 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:48:01.17 ID:otMEiOz+O
淫魔「どん、っだけ……堪え性、無いの……射精し、過ぎ……っ」
性に溺れた顔のまま、非難よりは情愛を多分に含んで辛うじて意味のある言葉を紡ぐ。
最早既に、何故姿見の前で犯されたのかだとか、どんな表情で犯されていたのかだとか、そんなことは頭に無い。
ただ、純粋に射精し過ぎだろうと、そう問い掛けるだけの言葉。
実感の籠もった言葉はけれど、すぐに次なる予感が洗い流していくーーーー
「っふぅ……これだけで、満足なんてしていないだろう? 」
淫魔「ーーーーーーーー……っ」
【結局……】
1.濃密にたぶん五回くらい
2.濃密にたぶん五回くらい
3.濃密にたぶん五回くらい
4.濃密にたぶん五回くらい
5.濃密にたぶん五回くらい
6.濃密にたぶん五回くらい
7.濃密にたぶん五回くらい
8.濃密にたぶん五回くらい
9.濃密にたぶん五回くらい
0.ベッドが壊れるくらい
ゾロ目.獣は朝など知らぬ
160 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 14:48:37.65 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
161 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 15:39:21.13 ID:otMEiOz+O
【下一桁:7……濃密にたぶん五回くらい】
淫魔「あなた実はオークとかオーガとか、それともインキュバスの血でも引いているのじゃなくて? 」
「いや、これでもたぶん純粋な人げ……悪かった、ちょっと暴走したんだ、この通り」
淫魔「別に? 私も愉しかったし、文句なんて精液一雫分もありませんわよ? 」
「なんだその例えは。……一応睡眠時間は確保して止めたんだが」
淫魔「それはあなたの話でしょう?
私は気をやって失神していただけだからあなたが寝てすぐに起きてしまったのよ? 」
ーーしかもあなたに抱き締められていた所為で寝苦しくて寝付けなかったし。
162 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 15:40:09.13 ID:otMEiOz+O
「や、まさか淫魔がヤって最中に気絶するとは思わなかったので……」
淫魔「あれだけ嬲られて耐えられる女がいるとお思いで? 」
「まったくもってその通りで御座います。申し訳ございません」
淫魔「ま、あれだけ射精されたからちょっとキャパシティオーバーだったのね。
淫気も精気も溜まり過ぎ状態なわけ」
「ほーん? 」
淫魔「大食いの人間だっていきなり豚一頭平らげることはできないでしょう?
少しずつ食べる量が増えて、段々と胃袋が大きくなっていく」
「なるほど。理に適っているようないないような」
163 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 15:40:52.49 ID:otMEiOz+O
淫魔「まぁ、大食いとは違って私たちに限界は無い筈なのが違うところね。
仮に国中の男全員に精液を捧げさせてもいつかはそれも物足りなくなるかもしれない」
「淫売のレベルを軽く超えてるなそれは」
淫魔「そうね。その人数だと質の悪い男も大勢混ざるでしょうし」
「そういうことじゃねぇよ。……で? 」
淫魔「うん? 」
「いつになったらまともに服を着て俺の上から退いてくれるので? 」
淫魔「私が満足したら。もう一眠りするから肉布団、任せたわよ? 」
「いい加減湯浴みくらいしたいしこの体勢だと勃って仕方無……おーい、気持ち良さそうに目を閉じるな、おーい……? 」
164 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 15:41:32.04 ID:otMEiOz+O
仰向けの彼に乗るうつ伏せの彼女。
はたから見れば仲睦まじい恋人同士に見えたかもしれない。
というか別にそうではないと強く否定するつもりも無い。
けれど、やっぱり彼にとってそれは大いに困ることで。
「日銭稼ぎ、はまぁ休んでもいいが……暑苦しいし身体がベタつく」
ーー結局、惰眠を貪るお姫様の我儘は昼前まで続いた。
【判定】
1.永続使い魔、始めました
2.小範囲毒物兵器は如何?
3.永続使い魔、始めました
4.永続使い魔、始めました
5.小範囲毒物兵器は如何?
6.永続使い魔、始めました
7.小範囲毒物兵器は如何?
8.永続使い魔、始めました
9.小範囲毒物兵器は如何?
0.感度上昇
ゾロ目.小国なんて一瞬
165 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/23(木) 15:41:59.62 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
166 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:23:44.09 ID:otMEiOz+O
【下一桁:4……永続使い魔、始めました】
「で、何故増えた」
淫魔「あなたの所為ね」
??「ねー? 」
「巫山戯んな! 」
寝苦しさに文句を吐きつつも、彼とてまぐわい後の疲労感は同じで。
胸板に感じる柔らかな暖かさと鼓動を感じるうちいつの間にか寝入っていたようだった。
前回のように爽快感どころかはち切れそうな気勢でも生まれるかと思っていたがそうではなかった。
聞けばそれが一晩嬲られた仕返しとのこと。
なんのことは無い、淫魔が単に拗ねた所為で生気を独り占めされただけのことである。
167 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:24:58.62 ID:otMEiOz+O
それで、また暑苦しい感覚に魘され昼前に起きて。
彼の上で涼やかに寝息を立てる女は相変わらず。
それは兎も角として彼の小脇には彼女と良く似た美少女がすっぽりと。
不思議なことには慣れたものだが、さすがに情け無い声を出して飛び起きたものである。
さすがに女とヤって翌朝までは普通で。
惰眠を貪ったくらいの咎が少女誘拐にすり替わっては不幸と罰が過ぎる。
168 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:26:26.62 ID:otMEiOz+O
淫魔「あるのよねぇ〜。過度なセックスと溢れた淫気で使い魔が生まれちゃうこと」
使い魔「ねー? あるよねー」
「……つまりあれか? これからヤる度にこの子みたいなのが増えていくと? 」
淫魔「それは無いわよ。今回は許容範囲を見誤っていたわけだし」
使い魔「意識して生まれないようにすれば抑えられるもんねー」
淫魔「ええ。……初夜には何も生まれなかったでしょう? 」
「…………できれば今回もそうしていただきたかった」
魔術によって防音がほぼ完全とはいえ二晩連続で盛っておいてこの上盛り相手とよく似た少女が増える。
どう考えても美貌の姉妹を脅して隷属させる悪漢の所業に見えるだろう。
169 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:27:21.60 ID:otMEiOz+O
「ん……で、いつ消えるんだ? 使い魔であるなら暫くすれば魔力が尽きてしまうんだろう? 」
淫魔「消えないわよ? 」
使い魔「わよ? 」
「……なんと? 」
淫魔「だから、消えない。この子は生まれ方が生まれ方だし元となった魔力が強過ぎるのね。
あなたの生命力って量もそうだけど粘っこくてぷるぷるだから」
「うるせぇ」
使い魔「ご飯か精液をくれればずっと隣にいるよ? 」
「…………」
170 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:29:07.20 ID:otMEiOz+O
淫魔「知識的にも能力的にも少し幼い私ってところね。大雑把にいえば私の分身」
使い魔「人間でいえば十六、七歳? 一番食べ頃なマスターだよっ」
「お、おう……」
淫魔「あなたそれは私がもう下り坂の年増だって言いたいの? 」
使い魔「残念だけど男っていうのは若い女程燃えるものなんだよ、マスター」
淫魔「んなっ?! 」
使い魔「マスターよりは少し小さいけどー、おっぱいも大きいよ? 爆乳だよ? 寧ろハリツヤ抜群? 」
淫魔「んぐぐぐ……」
使い魔「大丈夫? おっぱい揉む? 」
「えーっと……」
淫魔「チッ……貶そうにも少し前の私だから貶すところが無い」
使い魔「完全な上位互換なんですよねー残念ながら」
171 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:31:58.16 ID:otMEiOz+O
淫魔「はっ、そうだ。そもそも私が主人であなたが下僕。
つまりこの男が犬畜生みたいに盛らなければ問題無い」
使い魔「むーっ……でも、確かにわたしおぼこちゃんだ」
「他所でやってくれよ……君らはせめて見た目に比例した品を持って」
この頭痛は絶対に疲労とは別のところから来るものだ。
どう考えても面倒ごとであると思わざるを得ない。
淫魔「ですって。ほら、あなたのようなガキはお呼びではないみたいよ? 」
使い魔「年相応なんですよねぇ……逆に若作りって言われているのでは? 」
淫魔「こんな若作りがいるか! 」
「それは俺もそう思う」
淫魔「ほらみなさい」
使い魔「むー……」
172 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:32:27.92 ID:otMEiOz+O
「…………」
ゴチャゴチャと戯れ合う淫魔とその分身らしい使い魔の仲裁をしつつ訊いてみるに。
一口に使い魔といっても千差万別、どれだけ集約しても二種類に分かれるものらしかった。
一つは彼の思うところの使い魔。
自作するにせよ動物を隷属させるにせよ、
それは一時的な契約であったり込めた魔力の限りにある関係。
込めた魔力を消費し尽くせば消えるかただの動物に戻る。
勿論魔力を供給し続ける限り結んだ契約は有効で、
生命力を分け与えれば強化もそれなりに簡単。
173 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:33:23.14 ID:otMEiOz+O
二つ目は今回のパターン。
つまり術者ないし生みの親のほぼ完全な分身体。
生み出されてしまえばあとは個体として自立し、
食事によって勝手に生き、成長する。
魔術的な負担は一度で終わる代わりに、
その製作は並大抵のことでは無いらしい。
努力と研究だけでは到達できない境地、
才能と運が無ければ正解には辿り着けない一つの完成形。
淫魔曰く分身体となる使い魔を生み出すために年月をかけ、
そして何の成果も得られず生命尽きてゆく魔術師すら存在するのだとか。
174 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:34:09.55 ID:otMEiOz+O
淫魔「でもよかったわねぇ〜、この子がこの子で」
使い魔「ねー? 」
「あん? 」
いつの間にやら戯れ合いは終わったらしい。
見た目だけならば非常に仲の良い姉妹を見ているようで愉快ではあった。
その実淫らな話どころか段々と男ですら躊躇するような下品な話に進んでいたので実情は酷いものだったが。
淫魔「今回はあまりにも過剰なエネルギーで意図せず生まれたのだもの。
親から無作為に情報を集めてつくられるわけだから」
使い魔「今より若い頃のご主人様みたいな見た目だったかもしれないんだよねー」
「うへぇ……」
175 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:35:31.79 ID:otMEiOz+O
淫魔「ん? でもそれはそれで……私一人でこの絶倫巨根なお猿さんを二人も飼えたということ? 」
使い魔「あ、それはいいかもー」
「…………」
本当にそうならなくて良かったと大して信仰心も無い神に感謝した。
さすがに自分の生写しと女を共有する趣味は無い。
淫魔「ま、この子はこの子でそれなりに強い筈だし。
なんなら私たちでしっぽりずっぽりぬっぽりしている間に働かせてもいいわよ? 」
「え、そうなの? 」
使い魔「んなわけありますか。私にもくださいよー、ご主人様のセーエキ! 」
176 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:37:55.41 ID:otMEiOz+O
「……品が無さ過ぎる」
口にする言葉さえまともなら快活な美少女で通るのに。
いや、それはマスターたる目の前の女も似たようなものではあるのだけれど。
ともすれば冷たさが勝つような玲瓏とした美貌を持つが故により酷いかもしれない。
淫魔「取り敢えずあなたの言うことは聞くみたいだし。
私たち含めて今日はどうするの? 」
使い魔「どうするの? 」
「あー……」
どうするの? 、と。
本当に、見た目だけならば良く似た美人姉妹で済むのだが。
淫魔の血だか形質だかを色濃く受け継いだ容姿をしていながらも、
瞳の色だけは彼と同じ真黒なところも含めて自分の娘とはこんなものかな、とか。
そういった感傷も持てたかもしれないのに。
177 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:38:39.29 ID:otMEiOz+O
「残念過ぎる、というとさすがに贅沢なんだろうか……いやいや」
【どうするの? 】
1.いっそ二人で行ってこい
2.淫魔と二人で
3.淫魔と二人で
4.淫魔と二人で
5.三人でモンスター狩り
6.使い魔と二人で
7.三人でモンスター狩り
8.三人でモンスター狩り
9.使い魔と二人で
0.現実は非情である。一人で行け
ゾロ目.あっ、実は本業が……
178 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:43:02.13 ID:otMEiOz+O
【下一桁:9……使い魔と二人で】
淫魔「え、行かないけれど」
「あ? 」
淫魔「くだらない殺生は人間の都合でしかないでしょう?
あなたがどうしても、私が、必要だと希うのなら、流行りのアンクレットで手を打つけれど」
「……二人で行くぞ」
使い魔「はいっ! マスターは放っておいて二人で楽しみましょうご主人様」
淫魔「あともし勝手に盛ったりしたら片玉とはお別れするものと思いなさい」
「理不尽な。……ヤれと言われてもヤらねぇよ」
使い魔「えーっ? なんで? なんでなのご主人様。頭大丈夫? ちゃんと勃つ? 」
「やかましいわ。さすがにまだ枯れる歳じゃない」
179 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:43:34.91 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
180 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:53:00.81 ID:otMEiOz+O
と、そういった若干納得のいかない流れで今日も今日とて日銭稼ぎの依頼を受けた。
また一人食わせなければならない同居人というか同棲人が増えたため金は余計入り用ではある。
ただし片玉を失う恐怖に引き下がったわけではないけれど、
元々は自分一人でもそれなりにこなしていたわけで。
それに曲がりなりにもあの淫魔がまともに戦えると太鼓判を押した使い魔なわけで。
なんてことはない、出費以外はいつも通り。
十分に食える報酬額の依頼を完遂してしまえば、それで終わる話。
「本日もお誂え向きの殺生依頼が盛り沢山だな」
使い魔「生物を殺した後とか戦闘後って、その、昂って滾ってぶち込みたくなるんでしょう? 」
「……否定はしないけどもう少し、小声で」
周囲の目が、怖い。
【本日の得物】
1.盗賊集団
2.ワイバーン
3.ワイバーン
4.盗賊集団
5.ワイバーン
6.盗賊集団
7.ワイバーン
8.ワイバーン
9.盗賊集団
0.美人姉妹を囲う非道な悪漢の調査
ゾロ目.暗躍しているとかいう噂の淫魔
181 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 22:53:29.36 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
182 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:10:13.40 ID:otMEiOz+O
【下一桁:1……盗賊集団】
使い魔「やー……呆気無く終わりましたねー」
「そうだな」
使い魔「盗賊集団ってようはむさ苦しい不潔で暴力的な男集団じゃないですか。
だから精気的にも魅力的な男とかいるんじゃないかなーって思ってました」
「そうか」
使い魔「それが実際にはどうですか。ヒトを化け物か何かのように」
「そうだね、酷いね」
使い魔「こっちは超エロい身体の美少女で犯してくださいオーラ半端無いっていうのに」
「それはちょっと複雑」
183 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:13:25.14 ID:otMEiOz+O
使い魔「お、妬きました? 妬きましたね? さ、マスターには会わずこのまま別の宿屋で休憩しましょう? 」
「しねぇって。……あのさ」
使い魔「はい? 」
小首を傾げる姿はいっそ張り倒したいくらいに可愛らしく、どこか妖艶で。
でも実際にはそんなことどうでもよくて。
「君、強過ぎない? 」
使い魔「へ? 」
様子を見て見張りから片付けていこうと話しかけようとしたときには時既に遅し。
平素となんら変わらぬ足取りで盗賊どもが根城にしている簡素な山城の門を叩いたのはこの少女。
184 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:18:24.49 ID:otMEiOz+O
襲いかかってきた見るからに強欲そうな脂ぎった肥満体をつまらなさそうな顔で消し済みにして。
その後はほぼ全て一緒。
最終的には化け物相手に震え上がった頭らしき男と子分たちは皆一様に炭と化して空に舞った。
あの、一人の少女に大して男たちが集団で命乞いをする様は何度思い返しても間尺に合わない適わない。
使い魔「まぁ、あれくらいマスターもできる筈ですよ? 」
ーーだってわたし、マスターとご主人様のイデンシ受け継いだコピーですし。
「…………」
本来、この依頼は時間をかけて達成するもので、その分報酬も莫大なものである。
だから彼も腕に自信があるとはいえ、見張りと頭を切り捨てたあとは後を追わないつもりだった。
185 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:23:21.58 ID:otMEiOz+O
「俺の手に負える力じゃないと思うんだが……なんなのこれ」
使い魔「そんな女二人をじゆに組み敷いて犯したり犯されたりできるんですからっ。
ご主人様は果報者の絶倫さんですねー」
「…………」
ケラケラと、まるで他愛無い冗談を喋るように。
いや、きっとそれは間違いではなくて、彼女にとってはまさに他愛無いお話なのだろう。
「……救世の英雄でも目指そうかな? 」
使い魔「いいんじゃないですか? ヤればヤるだけ強くなる三人の冒険譚、うん、中々楽しそう? 」
ーーあ、一人ずつヤりたいならわたしは構いませんよ?
「…………」
部屋は二つに増やすべきだと確信した。
この奇妙な関係はそれなりに居心地が良くて、楽しい。
見目の極致たる美貌を穢すのは何物にも替えがたい悦楽だ。
けれど、こんなのと四六時中一緒にいては壊れてしまう。
186 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:29:18.93 ID:otMEiOz+O
「ま、まぁ、そのうち一定ラインを超えれば成長は緩やかになるとか言ってたしな、うん」
それだけが、心の支えである。
いき過ぎた力は、身を滅ぼす。
使い魔「マスターったら新しいランジェ揃えてくるって言ってたしなー。
どんなエロいの用意してくると思います? 」
「……知らん」
ちなみに。
一夜どころか小一時間程度で中規模な盗賊集団を壊滅させたとして一躍有名人になったのは彼だった。
当然といえば、当然の見方ではあるのだが。
【強化(はぁと)】
1.じゅうまんぼると
2.じゅうまんぼると
3.じゅうまんぼると
4.じゅうまんぼると
5.まぁ、今回は制限無しでやりました
6.まぁ、今回は制限無しでやりました
7.まぁ、今回は制限無しでやりました
8.まぁ、今回は制限無しでやりました
9.じゅうまんぼると
0.伝説的
ゾロ目.神話級
187 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:29:45.86 ID:otMEiOz+O
………
……………
…………………
188 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:37:19.36 ID:otMEiOz+O
【下一桁:3……じゅうまんぼると】
淫魔「ま、そんなものではなくて? あくまでこの子は私、と多少はあなたの分身体なわけだし」
使い魔「まだご主人様とえっちしてないですしマスターより弱いんですけどね」
淫魔「永遠にそうだから安心しておきなさい。……何か問題でも? 」
問題しか無い。別にこの街の出身ではないし、いつかはこの街を出るつもりだった。
それでも、この街は中々に居心地がよくて、
工房ギルドの長や宿屋の主人夫婦、市場にだってそれなりに友人はいる。
そんな人々から予想外の理由と早さで離れてしまうのは少し、悲しいことだった。
189 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:43:34.34 ID:otMEiOz+O
淫魔「別にいいじゃない。私、独占欲は強い方だからレベルの低い街娼だとか木っ端な街娘は許さないけど、
それなりな浮気は浮気だと思わないわよ」
ーー私は、一途でいるつもりだけれどね。
使い魔「英雄色を好むものですし。や、ご主人様は特に英雄ではありませんが」
「はぁ……」
確かに、この街に腰を落ち着けて街の有力者へと目を向けるのもつまらなくはないだろう。
いつまでも生命の遣り取りをする冒険者ではいられない。
だから彼女たちが暗に勧めるように、彼女たちとこの街で暮らすのも選択肢の一つ。
彼女たちと暮らし、街の発展に寄与して、参事会の役員に食い込む。
その中でどこかの奥方や娘と火遊びをするかもしれない。
それでも、いつも美貌の妻の元へと帰っていく男。
それはそれで、成功した冒険者の人生だろう。
190 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:46:59.96 ID:otMEiOz+O
淫魔「まぁ、私はあなたがいてまぐわってくれて、できれば愛してくれるのならそれでいいわ」
使い魔「右に同じですー」
淫魔「あなたはこれ以外の男を見つけなさい。
なんなら私が淫夢を見せて品定めした中でこの男の次に良かったのを
使い魔「結構ですー。どうせご主人様とは圧倒的な溝があるレベルの二番手候補でしょう? 」
淫魔「あなたにはお似合いでしょう? 」
使い魔「んー? 」
淫魔「何か? 」
「…………」
191 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:50:15.05 ID:otMEiOz+O
別に不幸なんかじゃない、不自由があるわけでもない。
寧ろ、また次の街へ向かい居心地の良い場所を探す方が多難だろう。
「それでもさ、俺は注目されるような生活って、嫌なんだ」
淫魔「ふぅん? 」
使い魔が用を足しに行ったときを見計らって、呟く。
まだ出会って殆ど時間は経っていない。
だが、なんとなく相談や愚痴ならば、彼女一人に語りたい。
彼女程ではないにせよ、彼も急速に惹かれているのだ。
見目や肢体が全てではなく、ただ純粋に居心地の良い関係に。
192 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:55:20.77 ID:otMEiOz+O
「これでも一端の冒険者なんだ、俺」
淫魔「知ってる。幾らアレが良くても弱い男やつまらない男は趣味じゃないから」
「左様で。……だから、誰にも注目されず、顧みられず、自分の限界ってやつを知りたい」
淫魔「いいのじゃない? 旅を始めるなら私たちはいいわよぉ?
野外で愉しんで翌朝には前日より元気だし強くなってるし」
「それは確かに心強いな、うん。……明日でもいいか? 」
淫魔「ん。……私だけはいつでもあなたの味方よ」
「ありがとう。……誰かと旅をするのも久し振りだし、俺は準備をしてくる」
まだ日は完全に落ち切ってはいない。
それなら、旅に必要な物は粗方揃えられるし、
何人かに感謝と別れを告げることもできるだろう。
193 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/23(木) 23:58:56.38 ID:otMEiOz+O
淫魔「嗚呼……森の奥、木陰で獣たちに見られながら最低の獣に犯されるなんて」
ーー今から濡れてくるわ。
「…………」
最低なのはお前で、この瞬間だと言葉が口先の寸前まで飛び出す。
今までの感傷的な空間はどこへやら。
「あいつに見られながらヤる趣味でもあるって? 」
淫魔「見られるのじゃないわ、見せつけてやるのよ」
ーー愛されているのが誰か、パートナーが誰か教えてやらないと。
気持ちは嬉しいがそれは言葉と理屈で教えてやってほしい、なんて。
194 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/24(金) 00:08:55.35 ID:VHK9bH8NO
「まぁ、いいか。……取り敢えず、これからもよろしく」
淫魔「ん、こちらこそどうぞ末長く」
それはさすがに重いと思うが、構わない。
彼とて今更この女の身体と手管から離れられるとは思わない。
ヤってしまえば野外もそれなりに楽しいものである。
「っと、まずはどの辺りに向かおうかーー
【第一部、完! 】
1.海
2.海
3.山間の小さな……
4.山間の小さな……
5.山間の小さな……
6.海
7.山間の小さな……
8.海
9.海
0.追跡者
ゾロ目.所謂魔界
195 :
◆cKDALETpQ6
[saga]:2020/07/24(金) 00:09:23.32 ID:VHK9bH8NO
………
……………
…………………
196 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 00:10:54.56 ID:VHK9bH8NO
何かこう終わった感がありますがまだ二夜なので続きます……
それから今後もこんな感じで時間と難易度はガバガバです
それではよければまた
ありがとうございました
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2020/07/24(金) 00:50:31.15 ID:fuYZf+dQO
おつおつ
第一部は珍しく非常に穏当な感じだったけどさてさて
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/24(金) 01:05:12.72 ID:0lUhThqpo
おつです
>>1
も大分毒されてきてる…
199 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:41:06.38 ID:VHK9bH8NO
このまま穏当に幸せにいきたいですね……
毒はこう、自分から撒いてしまってますし……
夜までゆっくり考えるために少しだけ
200 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:41:32.27 ID:VHK9bH8NO
【下一桁:……山間の小さな……】
それは旅を始めて三日目の晩。
どうせならばあまり人の寄り付かない、冒険らしい冒険をしようと決めた。
山間の小さな村とも呼べない集落。
そこの近くには信じられない程に巨大で、
溶岩流すら凍てつかせる魔術を操る計り知れない強さの魔物が住むという。
倒せるのならば挑むも良し、倒せそうもないのならまた目的地を変えてしまおう。
そんな、当てども無い旅に出られたことが、実は相当に嬉しく心を弾ませた。
こればかりは、一生心に住まう童心の欠片、とでも表現すべき宝である。
無くしたときが彼の死、或いは大人を飛び越えて歳を取る、ということ。
201 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:42:02.05 ID:VHK9bH8NO
淫魔「あぁ、ところで」
「お前の” ところで ”には良い思い出が無いんだが。……何だ? 」
淫魔「私、それなりに今現在のあなたは調べましたけれどね、
あなたの過去についてなんて何も知りません」
「だろうね」
淫魔「過去なんて要らない、今が唯一大事なモノ、なんて言いますけれど」
「気になるって? 」
淫魔「語りたくないのならば結構。誰しも見せたくない過去の一つや二つあるでしょう」
202 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:42:40.11 ID:VHK9bH8NO
「別に面白いものでもないが……ま、いいか」
淫魔「本当によろしいのかしら?
さすがにその肉槍の猛りと持て余す獣性を鎮めるために幼子を攫って使い殺した、
なんて告白されては困ってしまいますが」
「んなことするか馬鹿! 」
淫魔「あらぁ、人は中々に奥深く、闇深い存在でしてよ? 」
「はんっ」
爆ぜた焚き火が薪を転がして。
軽く魔力を込めた手でそれをもう一度組み直しながら自分の過去を思い出す。
203 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:45:35.33 ID:VHK9bH8NO
奔放な使い魔はその秘めた力に反比例したように子供らしくあり。
今は、淫夢の彼方へ旅立ってしまっている。
さして遠くで寝ているわけでもないが、ちょっとやそっとでは起き出してこないだろう。
だから、さして面白味の無い昔話をたった一人の聴衆へ向けるには、丁度良い。
面白味の無いものとはいえ、やはり自分語りというものは恥ずかしいものである。
「俺はーー
【生まれ】
1.街人
2.← 桁の目
3.騎士
4.スラム
5.商家
6.街人
7.商家
8.スラム
9.騎士
0.貴族
ゾロ目.王族
204 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:46:01.77 ID:VHK9bH8NO
……おや?
205 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 13:46:36.20 ID:VHK9bH8NO
恐らく今夜も来られると思うのでそのときまたお願い致します
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/24(金) 13:51:11.83 ID:0lUhThqpo
コンマ神「そろそろいいか?」
おつ
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/24(金) 14:22:48.78 ID:jc95dIPEO
おや?
おやおやおや?
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2020/07/24(金) 15:23:22.23 ID:fuYZf+dQO
ざわ……ざわ……
209 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:35:26.08 ID:VHK9bH8NO
事情によりぶつ切り細切れになりますが再開します
210 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:35:53.70 ID:VHK9bH8NO
【ゾロ目33:……王族】
彼の生まれは所謂ところの高貴な家柄、その最上位に位置するものだった。
某国の王家、しかもその中枢、何かが間違えば万民を統率し慰撫する者に収まり得た血筋。
位階の継承権を持った紛うこと無きそれは、王族の血統。
この肉体に宿る血脈にさしたる意味があるとは思えないけれど、それは今だから思うだけのこと。
幼い頃、宮廷から呼ばれた家庭教師や剣術の師には貴人らしさを叩き込まれ、守らされた。
そんなとき、幼心というものは実に正直で真っ直ぐなものである。
すなわち、その血を受け継ぎ支配者となるのだから強く、賢く、慈愛に満ちた人物とならねばならない。
その代価が暴虐による楽園などではなく、愛と平和に満ちた穏やかな国であれと願うような。
211 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:38:48.21 ID:VHK9bH8NO
淫魔「あらぁ……もしかしてじゃあ私、重要人物誘拐犯? 」
「そうだな。捕まれば陵辱される間も無く拷問に入るだろう」
淫魔「あぁら、生半可な手管じゃあ私にとってはご褒美になりかねないわよ? 」
嘯く顔には嘘偽りなどきっと無い。
けれどそれは行われるであろう出来事に対してだけで。
面倒なこと、自分にとって気に入らないこと、そして何故か貞操のかかるものに対しては真剣なのだ、これは。
「はんっ。……今更積極的に俺を探してはいないだろうが、見つけられれば使いようがあるのは確かだ」
国内にいるのだから噂は嫌でも耳に入る。
曰く、彼の伯父にあたる王は不治の病に倒れている。
曰く、先年事故死した第二王子は王太子によって暗殺された。
曰く、第二王子に賭けていた者たちは十数年前に出奔した今は亡き王弟の息子を血眼になって探している。
「ま、順当に行くなら王位は真っ当に引き継がれるだろう。
そこに余計な火種を持ち込むようなことはしたくない」
ーーそこに恨みが無いとは、言わないけれど。
わざわざ何か仕掛けるような気も、能力も、今や理由だって特には無い。
212 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:39:18.03 ID:VHK9bH8NO
王国第一の藩屏たる王弟唯一の男子。
しかも真実は探せなくなってしまったが伯父と父公爵の仲は非常に良いものだった。
伯父が困れば父が助け、父が躓けば伯父が手を差し伸べる。
彼の母親である夫人はときに兄弟間の絆に嫉妬さえ抱いたという。
そんなわけだから、少なくとも表向き伯父王は彼を実子同然に可愛がってくれた。
剣術の師も、家庭教師も、そもそも乳母さえ同じで。
王太子の一つ下だった彼は自然、王太子の最も親密で大概のことは言わずとも分かる仲となった。
213 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:40:09.20 ID:VHK9bH8NO
淫魔「なるほどねぇ〜……」
「驚かないんだな。人間の細々とした雑事に興味は無いか? 」
淫魔「んー……無いわけじゃないし、納得できる部分も多いから」
「納得? 」
淫魔「あなた、ただの剣士崩れにしては所作が綺麗過ぎるのよ。
几帳面だとか貴族被れだとか、そんな言葉では表せない程度には」
「そう、か? 」
淫魔「それにほら、まず金銭感覚がおかしい」
「何を馬鹿なことを。これでもまともな冒険者の数倍は貯蓄があるんだぞ」
ーーそれらは全て、嵩張らない宝石や貴金属に替えて持ち歩いている。
214 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:42:12.19 ID:VHK9bH8NO
淫魔「そこがまずおかしいと気付きなさいな。
普通その日暮らし日銭暮らしとなったら貯蓄なんてしないし、できない」
「……それでも、俺の周りにはそれなりにいたさ」
淫魔「勿論いないとは言わない。……私に呉れたバレッタ、これ幾らしたの? 」
「…………安物は、言い過ぎた」
淫魔「言い過ぎた、どころじゃない筈よ。
鎧猪丸々一頭の捕獲は下手な工房一年の仕入れを賄って余りあると聞いたわ。
……それも、あなたが請け負った依頼の主はあの街の工房を取り仕切る男だった」
「馴染みの男だったからな。世話にもなった」
淫魔「だから安く手に入れることができたと? 」
「まぁな。……いや、分かり切っているんだ、自分でも。
間違っているとは思わないが思い切るタイミングが平民とは全く違うっていうのは」
215 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:45:54.68 ID:VHK9bH8NO
淫魔「そ。……まぁ、別に責めているわけじゃあないわ。
あれだけ時間がどうの義理がどうのと言う割に金銭感覚だけおかしいから、思っただけ」
ーー寧ろ、私としては好みな考え方。
淫魔「それで? 未来の国王と竹馬の友になったサラブレッドが何故冒険者なんてやくざな生き方をしているわけ? 」
「別に。いきなり、追放されたんだ」
淫魔「追放? 」
「兄貴は……いや、王太子殿下は終ぞ姿を見せなかったな。
ただ、暫く着いた監視兼お守り役は仲の良い騎士だったから」
そもそも追放とは宗教的な事情や忌み子としての生まれなど、
どうしようもないけれど皆が理由としては理解できる際に行われるものである。
そうでないのならば主観は兎も角罪人相手なのだ。
追放などという変に温情のある生温い刑ではなく、
いっそ刑死させてしまえばそれで良い。
それとも、王の名で死を賜ってしまえば誰も表向きは文句など言い出さない。
淫魔「あなた本人にすら知らされない事情、ね」
「あぁ。何か敵対止む無しとなったのか、それとも単に王家の血筋に手を掛けられない日和った反逆者でもいたのか」
淫魔「ふぅん……」
216 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:46:31.27 ID:VHK9bH8NO
「む……」
また、薪が爆ぜて、転がり落ちた。
転がり落ちたわけではない、と思う、我ながら。
あの日、兄貴と慕う王太子の元へ向かう途中、
彼に立ちはだかったのは沈痛な面持ちの剣術師範だった。
彼は、その卓越した剣術のみで宮廷お抱えの魔術師すら圧倒することができる男。
十代半ばに過ぎない年齢で参戦した隣国との戦、
その最激戦区の前線を一人で支えたばかりか、
逆に押し返し敵将を血祭りに上げて一代貴族となった当世無双の伯爵であった。
217 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:47:16.05 ID:VHK9bH8NO
「彼らが言うところによるとな、笑えることに事情は全く話せないのだそうだ」
淫魔「そりゃあそうでしょうけれどね……あなたそれまともに聞き入れたわけ? 」
「今でも同じ選択肢を採るだろうが……特にあの頃は王太子殿下と伯爵、父上と母上くらいしか信頼に足る相手はいなくてな」
淫魔「はぁ? 」
「一応今は公爵家を継いでいる筈の妹もいるんだが……あれとは中々複雑でな」
淫魔「いえ、そういうのは問題にならないでしょう。
信頼できる人間が少ないからってその数少ない人間の裏切りは許容するというの? 」
「まぁ、今となってはそういう疑問や痛みも覚えるさ。
だけど、今更過去には戻れないし、今の王宮は魅力的な場所じゃあない」
淫魔「…………」
218 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:47:56.67 ID:VHK9bH8NO
「それともあれかい? 今戻れば地位としては凄まじいものがあるのは確かだ。
病に倒れた王の甥、時期国王竹馬の友にして最も信頼できる臣下。
それも、長く市井に溶け込み良い意味で王族らしさの少ない大貴族。
そういう立場として立つ男の波乱万丈を見届ける夫人になりたいか? 」
淫魔「…………」
「なれと言われてなれるものでもないしそんな気も無いけどな」
淫魔「…………」
「ま、いつかは王城の門くらい眺めに行くつもりだよ。
本当はせめて即位パレードくらい見てやりたかったが」
淫魔「…………」
「…………? 」
219 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:49:21.05 ID:VHK9bH8NO
淫魔「…………」
「…………なんだ? まさか俺の不幸を悲しんでくれるって? ありがたくて涙が出るね」
淫魔「はぁ…………あなたーー
【岐路に立ち】
1.寂しいのね
2.いつかは、知っていること全部おしえなさい
3.いつかは、知っていること全部おしえなさい
4.寂しいのね
5.寂しいのね
6.いつかは、知っていること全部おしえなさい
7.寂しいのね
8.寂しいのね
9.いつかは、知っていること全部おしえなさい
0.……勃ちなさいな
ゾロ目.襲撃
220 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:54:41.13 ID:VHK9bH8NO
【下一桁:5……寂しいのね】
淫魔「…………あなた、寂しいのね」
「赤の他に……他淫魔様に憐まれる筋合いはございませんね」
淫魔「そうでしょうけれど」
「今でも俺はあのときの判断を誤りだと思えない。いや、思っては、いけないんだ」
淫魔「だから、それが
「そりゃあ寂しいさ。またあの、慕う人々と、幸せに暮らせるのならなんだって捧げてみせる」
淫魔「ん、そうじゃなくて……いえ、勿論それも物凄く大切で、私には侵せない想い出なのでしょうけれど」
「…………」
淫魔「実際にはあなた、割と今の生活の方が性に合っているでしょう。
華美な礼服を着て、参内して、兄と慕う男に首を垂れて、なんてやりたくなかった」
「……それでも、俺はそれが嫌ではなかったさ」
221 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 19:58:40.88 ID:VHK9bH8NO
淫魔「あなたが気にしていること、心に刺さった棘、それって究極的には頼ってもらえなかったこと、違う? 」
「…………」
淫魔「そうあれかしと育てられてきたのだからある種当然の帰結。
王太子に剣を向けられたのならば理解できた、取り巻きに排除されたのなら抗った。
けれど、そこに王太子の意志があるかも分からず、信頼できる人間から事情は話せないと語られた」
「…………」
淫魔「そんな一大事、せめて、嗚呼、せめて一言でも自分に相談してくれたのならばッ……! 」
「…………」
淫魔「…………ん? 」
「…………変に声を張って演技などするんじゃない。台無しだ」
222 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:02:20.49 ID:VHK9bH8NO
きっと、彼女の言うことは正しいのだろう。
王族として、政争は宿命付けられた戦いの舞台で。
王太子と仲が良かった、いや、それ以上の絆があったなどもしかすれば人間には分不相応な奇跡なのかもしれない。
それが結局、歴史にすら語られないであろう幕切れを迎えたのが虚しくて。
何か、自分だけが蚊帳の外であるのが悔しくて。
王太子殿下は、最終的に自分以外の人間を頼ったのだ、恐らく。
そんな、失恋染みた気分になっていたのだ、彼は。
223 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:08:24.31 ID:VHK9bH8NO
淫魔「まぁ、いいじゃない。だって、私はあなたが誰でもいいし、
これはあくまで寝付けない夜の他愛無い一幕だもの」
「そうかい。……いや、その方が気が楽だが」
淫魔「でも、それと関連して一つだけ言わせなさい、不出来な従僕」
「なんなりとお申し付け下さいませ、御心広き慈悲深い御主人様」
大仰に、それでいて滑らかに。
過剰な演技で場を和ませてくれたのだから、
その善意に乗って本場仕込みの正式な礼を返す。
一生使うことは無いと思っていた、彼唯一の主人たる王への、格式ばった拝跪。
224 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:12:25.66 ID:VHK9bH8NO
淫魔「一度刺さった棘は時間が経って抜けたり、溶けたりすることもあるでしょう」
「ええ」
淫魔「でも、そういうときの傷は、中々治らない。
ときにそれは、誰か他人に薬を塗ってもらって、舐めてもらわないと完治しない」
「そうかもしれませんねご主人様」
淫魔「だから……
「だから? 」
淫魔「私のことだけを考えなさい。それができないのならいっそ私に溺れなさい」
「……は? 」
淫魔「あなたの寂寥が私に癒せると思うのは傲慢よ。
だけど私、自分にできないことがあるって本当は我慢がならないの」
225 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:16:15.63 ID:VHK9bH8NO
「はぁ……」
淫魔「それなら、いっそあなたが私に合わせて変わりなさい、ってこと」
「理屈としては辛うじて分からないでもないような」
淫魔「仕方無いわね……もっと、もっと簡単に言うなら」
「あぁ、馬鹿な下僕におしえてくれよ、女王様」
淫魔「あなたにそんなことヘラヘラ言われても嬉しくない。……ヤらない? 」
「は? 」
淫魔「ふふ……もう二日も何もしていないもの。それにあの子には強力な眠り粉を飲ませたし」
「何やらかしてるんだお前馬鹿じゃねぇの? 」
淫魔「馬鹿で結構。……ふふ、あなたも今あまり俊敏には動けないのではなくて? 」
「は? いや、そんなこ……え、あれ? 」
226 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:22:32.64 ID:VHK9bH8NO
状況は詰み、とかそんな段階だった。
焚き火を囲んで、二人ともマントとささやかな服を身体に巻き付けている。
季節は初夏。
体感的には寧ろ身体に巻き付けた布が蒸し暑さに拍車をかける。
ただそれでもなんとなく、森林が放つえも言われぬ心細さが手を伸ばさせたのだった。
そして、薬だかチャームだか知らないけれど、身体が少しだけ、鈍い。
そのくせ、眠っている筈の肉槍は今にもズボンを突き破りそうな程に脈打ち勃ち上がっていて。
淫魔「ふふ……あぁ、今日は小川で沐浴もできなかったし、臭いもするでしょうねぇ〜」
227 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:29:11.19 ID:VHK9bH8NO
「や、別に嫌ではないが……本気で臭うぞ、たぶん」
淫魔「いいじゃないそれも。……んふ、嗚呼、服越しにすら臭い立つ汚臭ね」
「言い方に悪意が……ちょっ、おい! 」
いつの間にやらベルトに手をかけられて、押し倒される。
背中には外套や食料の入った荷物がクッションの役割を果たして挟まって。
なんとはなしに彼女との初めての夜を思い出す、彼女上位の流れ。
淫魔「二日も無沙汰じゃあ喉が乾いて仕方無かったのよ……いただきます」
「っひっ……! 」
【後処理とかそういうのは考えないよね】
1.なすがまま
2.なすがまま
3.なすがまま
4.なすがまま
5.なすがまま
6.なすがまま
7.なすがまま
8.なすがまま
9.味方がいるんだよなぁ……
0.魔術耐性毒耐性◎
ゾロ目.襲撃
228 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 20:29:38.95 ID:VHK9bH8NO
ちょっと休憩入ります
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/24(金) 20:36:51.18 ID:0lUhThqpo
たんおつ
230 :
◆cKDALETpQ6
[saga sage]:2020/07/24(金) 21:15:43.07 ID:VHK9bH8NO
申し訳ありませんが急な呼び出しが入りましたので今日はこの辺で……
明日の夜は恐らく大丈夫かと思います
それではまたよければお願い致します
ありがとうございました
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/24(金) 21:29:59.11 ID:0lUhThqpo
お気をつけて
おつおつ
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/07/25(土) 01:30:18.38 ID:/bv/BbXMo
おつ
図らずも王族の血を継いでしまった使い魔ちゃん
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/04(火) 01:11:48.94 ID:XHaZnk6+O
エタ?
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/05(水) 13:55:15.80 ID:957mXu3n0
っぽいね
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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