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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】

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153 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 22:33:21.99 ID:E21gN6KWo

陽乃「じゃぁ、一撃決着で決めましょうか」

球子「おう、やってやる」

意気込む球子は陽乃から距離を取って、

ポケットから取り出した端末を操作する

陽乃「……あら」

端末からあふれ出していく神々の力

それが球子の体を包み込んでいき、

身に纏っていた衣服をどこかへと消滅させて……戦装束へと変えていく

陽乃「なるほど」

球子「どうだ、凄いだろ」

杏「作ったのはタマっち先輩じゃないのに」

大社の中でも

そう言った力を研究する部署が作り上げた技術

それは確かに神々の力に満ちている

満ちてはいるが。

陽乃「力の纏まりがないわね……分散してるように見える」

まとまりがないから

その真価を発揮できていない

これでは、大して力を防げない
154 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:21:31.74 ID:E21gN6KWo

杏「久遠さん、力が見えているんですか?」

陽乃「見えるというか、感じるというか……でも、見えてると思って貰って良いわ」

神の力

小さい頃からそれに触れてきた陽乃は

九尾の力を借りずにそれが察知できるようにまでなってきている

九尾の力を借りれば

それがさらに……鮮明になっていく

陽乃「九尾、できるかしら」

『無論』

端末の操作をすることなく

ただ力を貸してくれる九尾に声をかけただけで

陽乃の装いを戦用の装束へと一変させる

黒を基調とした、暗晦な雰囲気を感じるそれは

陽乃が巫女として勤めていた頃の装束をモチーフとしたものでできていて

一見すると、酷く動きにくいように見えるが

陽乃「懐かしいわね……もう二度と着ることなんてないと思ってたんだけど」

球子「黒いな……」

杏「赤と白じゃなくて、黒と白……独特だね」
155 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:42:09.68 ID:E21gN6KWo

球子「本当にそれで戦えるのか?」

陽乃「ええ、何の問題もない」

巫女装束は、演舞の際にも身に纏っていたものだ

戦闘と比べると動きに派手さはないかもしれないけれど

それなりの運動量を、通常の巫女服で行っていた陽乃としては

それように調整されたものであれば、何も問題にはならなかった

陽乃「準備は良いかしら?」

球子「あぁ、どんとこいだ!」

陽乃「ふぅ……」

普通の模擬戦なら

戦力的に優位な陽乃が後攻で、球子が先攻となるべきだ

しかし、

陽乃の攻撃を受けてこそだから――今回ばかりは譲ることが出来ない

陽乃「手加減するからちゃんと避けてね」

球子「避けたら意味ないだろ」

陽乃「まぁ、それもそうなのだけど……」

楯を、狙うべきだ
156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:47:13.42 ID:E21gN6KWo

陽乃⇒球子
↓1コンマ判定 一桁

0、5 00  最悪
1、4、6、7、8 防ぐ
3     回避
9、2 楯以外命中
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 00:00:07.18 ID:3g6k813aO
ふむ
158 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/15(金) 00:00:51.74 ID:WZQiFFk/o
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 00:26:07.53 ID:pYae/x1PO

とりあえず成功なんかね?
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 05:28:40.79 ID:kRkartdWO

何気に陽乃さんの戦装束的なものが出たのは初めてか
憑依と性能に違いがあるのか気になる
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/16(土) 23:46:43.31 ID:c56LLfC+O
休みか…年末辺りから更新が激減してて寂しい
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/16(土) 23:57:24.44 ID:lnuodNX7O
SSスレって何日に一回の更新がデフォみたいなもんだしまあ気長に待とうよ
163 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 17:58:40.19 ID:TlnyH0rzo

遅くなりましたが、少しずつ
164 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 18:45:01.52 ID:TlnyH0rzo

陽乃「土居さん、動かないでね」

球子「避けてやるからな!」

陽乃「もう……」

さっきと言ってることが違うわよ。と、

小さく笑いながら、力強く地面を踏み込む

陽乃の戦闘スタイルは友奈と同じく超近接戦闘

零距離にまで近づいて拳を打ち込むその戦い方は曰く、防御の突破においては若葉達を大きく上回る

踏み潰され、砕かれる小石がギャリギャリと音を立て

少しずつ滑るようにかかとが浮き上がって、体重が前へ前へと推移する

陽乃「すー……はぁ……」

強く、強く

陽乃「ふっ!」

静かに呼吸を整えて、一気に飛び込んでいく

球子「!」

球子との距離は百数メートル程度

地面を蹴り飛ばし、駆け抜け……距離を詰める

それは、球子から見ればほんの一瞬で――

陽乃「せぇぁぁぁああッ!」

球子「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

――勢いづいた蹴りが、球子の構えた楯を撃ち貫く
165 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 18:55:33.17 ID:TlnyH0rzo

球子「おわぁっ!」

蹴り抜かれ、球子の小さな体が吹き飛ぶ

球子は数回地面を跳ねるように転がって、

最奥の木にぶつかる前にどうにか立て直し――ふらりと膝をつく

球子「おっ……おぁ……痛ったぁぁぁぁぁぁ!?」

陽乃「……大丈夫?」

球子「あんず! 腕、腕くっついてるか!?」

杏「ちゃ、ちゃんとついてるから大丈夫だよ!」

球子「楯が砕けるかと思った……」

球子の腕につけられている楯は、まだヒビも入っていない

けれど、蹴り飛ばされた球子の体はあちこちに擦り傷が出来ていて、汚れていて

激戦の真っただ中にいるかのようにボロボロだった

球子「くっそー……タマじゃなかったら死んでたぞ」

陽乃「土居さんなら大丈夫だと思ったのだけど」

球子「ば、馬鹿にしやがってぇ!」

やってやるからな! と叫ぶように唸った球子は、

擦りむいた膝から流れる血を叩いて、大きく息を吐く

球子「やられたら――やりかえぇぇぇぇす!」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 19:07:01.15 ID:PKoDgcvYO
タマ頑張れー
167 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:11:22.85 ID:TlnyH0rzo

球子⇒陽乃
↓1コンマ判定 一桁

1、4、6 防ぐ
3、2、5 回避
8、9  撃ち落とし
7、0  命中
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 19:12:07.87 ID:PKoDgcvYO
169 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:22:59.30 ID:TlnyH0rzo

球子「くっ……」

骨が軋む

噛みしめた歯の隙間から血がにじむような気がする

歯が抜けたかもしれない

足が痛い

腕が吹き飛びそうな感じがする

でも、だけど、それでも

球子「くらぇぇぇぇ!」

陽乃「っと……」

勢いよく踏み込む多摩湖から、飛びのいて距離を取る

球子の戦い方は、話で聞いた程度しかない

だが、それでも何をしてくるかは察しが付く

球子「ぬおぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

陽乃「!」

振り抜く腕は、陽乃が想像したよりもずっと早い

足先から、腕

そうして楯へと神々の力が多く流れ込み――それは急激に巨大化して

球子「ぁぁぁぁぁああああああッ!?」

球子の腕をもぎ取るような力強さで投げ飛ばされ、陽乃へと直撃する
170 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:35:05.96 ID:TlnyH0rzo

陽乃「っ!」

別に馬鹿にしているわけではなかった

けれど、それでも球子の攻撃が当たることはないだろうと思っていた

いや――その油断がなかったとしても

陽乃は球子の攻撃を躱しきることはできなかったかもしれない

陽乃「くっ……っ!」

巨大な楯は陽乃の腹部に直撃し、抉るような回転に弾き飛ばされ、

受身を取って転がった陽乃はすぐに体を起こして――戻ってくる巨大な楯を躱す

球子「おわぁ!?」

陽乃「………」

球子の腕に戻った楯は通常サイズに戻っている

球子が容易に受け止められる辺り、暴発と言うわけではなく

完全に、球子自身の力がそうさせたということだろう

陽乃「ん……私の負けね」

杏「あっ、そ、そうですね」

一撃入ったら終わりの模擬戦闘

陽乃の一撃は楯に当たり、球子の一撃は陽乃を直撃した

杏「タマっち先輩の勝利!」

球子「な、納得いかない……」
171 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:47:27.00 ID:TlnyH0rzo

球子「納得できるかぁーっ!」

陽乃「えぇ?」

球子「おかしいだろっ! 無傷じゃないか!」

陽乃「当たり前でしょう? あのくらいで怪我するようにはなっていないもの」

球子「ぐぬぬぬ……」

球子の予想外の力を喰らっても、

受身を取った土汚れこそついているものの、陽乃の装束は傷一つついていない

一方で、球子はボロボロだ

擦り傷、汚れ、打撲のような痕

装束だって所々破けてしまっている

陽乃「力の収束が甘いのよ……あの小さいのはともかく、集合体相手には通らないかもしれないわ」

杏「集合体……」

球子「つまり、久遠さんは集合体と同レベルってことか……?」

陽乃「それ以上かもしれないわよ?」

球子「くそっ……もっと集中しないとダメか」

杏「私たちの装束も、久遠さんくらいの頑丈さがないと簡単に食い破られちゃうってことですよね?」

陽乃「でしょうね。正直、土居さんの装束は私から見たら体操服の上からジャージを着てる程度だもの」

球子「マジか……」

陽乃「ええ」
172 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 20:49:29.31 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ちゃんとしていれば、私のさっきの攻撃でそんな風にはならないはずよ」

球子「でも本気だったら?」

陽乃「最悪、楯が砕け散るとおもうけど」

球子「だろうな……腕がまだ痺れてるし」

球子の体を守っていた神々の力が霧散して、装束はまた私服へと戻る

怪我はそのままではあるけれど

多少の擦り傷程度なら普通に手当てすれば問題はないだろう

陽乃「打撲の方は平気? 骨折れてない?」

球子「折れてない……っていうか、なんか。こう、あれだな……」

陽乃「なに?」

球子「優しくて怖い」

陽乃「……もう一戦、してあげても良いのよ?」

球子「わー! 無理無理!」

一度楯を蹴られた程度でボロボロなのだ

もう一度撃ち込まれたら今度こそ骨折まで行くかもしれない

杏「ふふっ、でも。私たちの装束や武器にはまだまだ理解が足りていないって分かりましたね」

陽乃「もう少し解析できれば大丈夫でしょうけど、時間がかかりそうね」

陽乃とのデータが活用されればその進捗も良くなるはずだが


1、伊予島さんも、やっておく?
2、土居さん。もう一回くらい頑張れない?
3、ねぇ九尾。私の力の余波だけを与えた場合って、どうなるのかしら
4、でも、危ないし止めておきましょうか。お疲れ様


↓2
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 20:50:49.26 ID:PKoDgcvYO
1
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 20:52:08.83 ID:9/AUbuf90
3
175 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:39:59.11 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ねぇ九尾、私の力の余波だけを与えた場合ってどうなるのかしら」

『ふむ……模擬戦を行わずに試したいのかや?』

陽乃「下手に怪我を負わせなくて済むなら、伊予島さんにも協力して貰えるでしょう?」

『そうじゃのう……』

九尾はしばらく考えるように黙り込むと、

影を揺らめかせて、小さく口を開くようなそぶりを見せた

『小娘共の今の状態では病に侵されるやもしれぬ』

陽乃「そんなに?」

『身体の内側を蝕むゆえ、大した加護なき衣服など障害にすらならぬぞ』

もちろん、

その状態だからこそ、侵蝕していく力をその身に受ける。という経験は有益かもしれない

九尾はあえてそう口にしたが、

しかし、それは当然ながら危険なことで……

最悪殺してしまうなんて生易しいものではない

戦いで命を落とすよりも苦しむことになる
176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:50:39.17 ID:TlnyH0rzo

杏「どうですか?」

陽乃「病気になっちゃうかもしれないって」

杏「っ……」

球子「でも、勇者なら治るんじゃないのか?」

普通の人間なら、そんな病気に侵されれば大変な事になる

だが、勇者ならそこまで重くならないのではないか

少し休む必要はあるかもしれないが

一生ダメになってしまうことはないのではないか

そう考える球子の問いに、

聞こえもしない声で、九尾は笑う

『穢れに蝕まれれば、早死にするが』

陽乃「え……」

『重くなければ良いが、重ければ死ぬ。それは主様にも話しておろう?』

蝕む陽乃の力は、耐性がない人間なら即死もあり得る。

それはただの余波であっても、同じ

球子「ん?」

陽乃「場合によっては、早死にするって言ってるわ」

球子「えぇ……」

杏「でも、加減して貰えれば……有益なデータが取れるんですよね?」
177 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:59:44.51 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ええ……まぁそうなのだけど」

球子「無理はさせたくないって顔してるなー……」

杏「………」

陽乃「別に殺したいわけじゃないもの」

球子の視線から逃れるように顔を背けた陽乃は、

小さく首を横に振って、息を吐くと

地面に広がる狐の形をした自分の影を見つめる

九尾は、陽乃がやると言えば手を貸してくれるだろう

杏たちも、

陽乃がやってみましょう。と言えば、やるかもしれない

けれど、これはさすがにハイリスクが過ぎる

杏「信じて貰えませんか?」

球子「あんず、無理したら死ぬぞ」

杏「でも、タマっち先輩よりは無茶じゃない」

球子「いいや、無茶だ。ただの攻撃ってわけじゃないんだろ?」

陽乃「ええ。言葉にするのが難しいのだけど……ただの物理攻撃ではないわ」

杏「……でも。それがあれば、私達がちゃんと戦えるようになるかもしれません」

陽乃「………」


1、やらない
2、やる


↓2
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:02:27.89 ID:PKoDgcvYO
1
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:06:49.99 ID:g3B8NQ8zO
1
180 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 22:44:35.78 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ダメよ。やらない」

杏「久遠さん!」

陽乃「無理しなければならないほどの状況ではないでしょう?」

有益な情報が得られるのだとしても、

無理する必要があるのなら、それは最終手段だと考えるべきだ

今すぐにデータをかき集めて、

装束を完成させて戦いに出なければならないならいざ知らず

まだまだ時間があるであろう状況下では必要ないだろう

陽乃「今はまだ、土居さんをタコ殴りにするだけで良いでしょう?」

球子「タコ殴りはやめてくれ」

陽乃「それでも平気なようになりなさいって言ってるのよ」

球子「あんなの何発も受けられるわけ――」

陽乃「受けられるようになるのよ。貴女が本当に人を護る楯なら……私の全力であっても受けられるだけの力をつけて欲しいの」

そうでなければならない

バーテックスは尋常ではない化け物だ

今の集合体が全てではなく、さらに上位になるのであれば、

陽乃の本気の一撃でさえ上回る力を持っている何かがいるかもしれない

陽乃「そうなれるように……毎日殴ってあげる」

球子「こっわ! 殺意しか感じないぞ!」

陽乃「貴女、さっき後ろに伊予島さんがいたらどうなっていたのかを考えた方が良いわ」

球子「それは……」

陽乃「絶対に護る。その言葉の重さ、分かってくれたかしら?」
181 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 22:46:06.05 ID:TlnyH0rzo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:58:53.75 ID:dTsn1kXVO

短い戦闘だったけどそこそこ収穫あったみたいでやって良かったな
そういえば陽乃さん、タマだけでなく千景にも先手で一本取られてるけど今作の西暦勇者って中々強いのでは?
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 23:46:20.23 ID:TclUbvRgO

2人が本当に強く思う気持ちが力に乗った感じかね
そして陽乃さんの優しさがもう隠しきれてない
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 00:24:37.78 ID:CJUcZc5yO

前向きに話進んできてホッとしてる
185 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 21:37:24.81 ID:SJx99iW9o
では少しだけ
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 21:43:40.83 ID:sl4ADOXCO
よっしゃ
187 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 21:53:02.38 ID:SJx99iW9o

球子「……そうか」

球子だって、軽はずみに守るだなんて言っていたわけではない

杏と出会ったあの日

自分の力が守るためにあるものだと悟ったあの瞬間から、

球子はそうあれるようにと、ずっと思い続けている

それは、球子の経験した戦いが決して簡単なものではなかったからこその自負でもある

けれど――自分は手を抜いた一振りで蹴り抜かれた

後ろに杏がいたら、その守るべき身体ごと吹き飛ばされて

自分の身体で圧殺していた可能性だってある

球子「タマは……弱いか?」

陽乃「弱いわ」

球子「見込みはあるか?」

陽乃「さぁ? 私の知ったことじゃない」

球子「……杏を、守れると思うか?」

陽乃「知らないわよそんなこと」

陽乃は素っ気なく返して、

普段と打って変わって俯いてしまっている球子を一瞥する

陽乃「貴女が守りたいなら、守れるようになるしかない。そうなれる保証なんて、私はしてあげられないわ」
188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:05:22.63 ID:SJx99iW9o

球子「でも、手伝ってくれるんだろ?」

陽乃「私が手伝うのはデータ収集であって貴女の特訓じゃないわ。勘違いしないで」

球子「くっ……ふ、あはははははっ」

陽乃「笑えるようなこと言った?」

傷の痛みに呻きながらも笑う球子に、陽乃は顔を顰める

球子の笑い二嘲笑じみたものが含まれているようには感じられないけれど

それでも、笑えるような場面で笑われると、少々気にもなるもので

首をかしげながら球子を指さす陽乃に問いかけられた杏は、小さく首を振る

笑えるようなことは言っていない

それは間違いない

けれど、球子が笑いたくなる気持ちもわかる

杏「久遠さん、さっきタマっち先輩のことをタコ殴りにするって言ってたじゃないですか」

陽乃「それが?」

杏「いえ、それだけです」

それを受けられるようになれと、陽乃は言った。

そのあとに全力でさえも受け止められるようになれと言った

最後まで付き合ってくれるかはともかくとして、

多少は、付き合ってくれると言っているようなものなのに。

陽乃「言っておくけれど、本当に付き合う気はないからね? 装束のデータさえ万全になってくれたらあとはどうでもいいんだから」
189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:44:13.94 ID:SJx99iW9o

球子「あぁ、分かった」

それでもいいよ。と、

球子はまた笑みを浮かべて、陽乃を見上げる

先日まであった敵意も

話し合いを重ねれば落ち着いていくもので、柔らかい

球子「好きなだけ殴ってくれ」

陽乃「嫌よ。名実ともに人殺しになる気はないわ」

球子「そうならないようにしてくれるって話だったはずだぞ」

陽乃は強い

間違いなく、球子よりもはるかに力を持っている勇者だ

今でもその考えに変わりはない

しかし、それでも守れると言いきらないだけの理由があるのだと納得した

自分が守れると言い切ってはいけない強さであると自覚させられた

球子はもう、躊躇いなく陽乃へと手を差し出す

陽乃「……なにしてるの?」

球子「タマも、仲間になってやる……いや、そんなこと言える立場じゃないな」

そうじゃないだろう。

そうである必要はないだろう。

球子「今は友達だ! それで我慢してくれ」

陽乃「は?」

球子「なっ? 宜しく頼むぞ!」

戸惑って動かない陽乃の手を球子は掴みに行く

今はその距離感

でもそれでいい、今はまだその程度の力しかないのだから

いつか言えればいい

お前も守ってやるからと。そう、いつか言って……引っ張ってやれればいい
190 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:47:12.18 ID:SJx99iW9o

√ 2018年 8月5日目 昼:伊予島家

03〜12 若葉
37〜46 大社
51〜60 友奈

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 22:47:56.14 ID:sl4ADOXCO
192 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 23:01:03.80 ID:SJx99iW9o
√ 2018年 8月5日目 昼:伊予島家


陽乃「友達……? 友達って……」

球子は友達だと言った。

その言葉の意味が分からないほど馬鹿ではないが

だからこそ理解が出来ない

呆然と多摩湖に握られた手を見つめる陽乃の視界の奥、

ベッドの影と混じり合う陽乃の影が動き、

人もいないのに、人影が出来上がる

『主様が、友人などと言ってあやつらに関わったゆえのことであろう』

陽乃「でも、だからってこうなる?」

『押しに弱いから……だったかのう?』

くつくつと喉を鳴らして笑う九尾

陽乃は人影を踏むが、

実体のないその影は踏まれたことなどまるで気に止めてはいない

陽乃「バカなことをしたわ……友達なんて、私」

『守りたいなら、守れるようになるしかなかろう』

陽乃「それも、私が言ったわよ……分かってるってば……」

自分の発言には責任を持てと。

そう言いたいのだろうと悪態をつく陽乃は、ベッドに腰かけながら、頭を抱えた
193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 23:03:32.76 ID:SJx99iW9o

では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 23:10:58.04 ID:sl4ADOXCO

殴りあいの末にタマと和解できて良かった良かった
あと陽乃さんのツンデレっぷりや思い悩む姿がシリーズの原点回帰感があるな
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/19(火) 00:49:16.64 ID:PB8vztjmO

殴り合って友情深まるとかベタやん?
素敵やん?
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/01/19(火) 23:50:37.88 ID:KnmDDQFr0
「納得できるかぁーっ!」は「こんな勝利いるかァッ!」を彷彿させるから好き
197 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 20:35:26.64 ID:JG4oPmLUo

では少しだけ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 20:49:22.94 ID:xXa/LR6iO
やったぜ
199 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 20:56:39.88 ID:JG4oPmLUo

陽乃「仲良くなるつもりなんてなかった」

『じゃろうな』

陽乃「友達だなんて……私、責任とれない……」

『しかし、主様が招いたことであろう?』

陽乃「ええそうよ……そう。そうよね……」

あの人は押しに弱い

そんな余計な一言のせいだろうか

それとも、その一言がなかったとしても

杏のせいで、球子は結局こうなっていただろうか

――今は友達

陽乃「取り消せないかしら」

『往生際が悪いぞ』

陽乃「だって……」

もう、失いたくない

目の前で奪われるのなんて……我慢できない

そう思っていたのに

それが一番あり得る勇者の友人なんて

陽乃には一番、辛いものだ
200 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 21:28:44.59 ID:JG4oPmLUo

『諦めて友人になってしまえばよかろう』

陽乃「嫌よ」

『もうなってるつもりじゃろう。あの娘は』

陽乃「そうだけど……」

けれど、九尾は加えてそれを認めろという

無理な話だ

難しい話だ

それを認めてしまったら、

球子や杏を友人にしてしまったら

陽乃は、それを守らなければいけなくなる

そうできなかった時の苦しみを、

また、味わう恐怖に怯えなければならなくなる

陽乃「私はそんなに……強くないの」

自分の力が強いと、自負できない

強いのならば、誰一人失うことはなかったはずだから

自分の心が強いと、自負できない

強いのならば、今もなおこんなにも苦しんでいるはずがないから


1、あとは、貴女に神託を出して貰う必要があるわ
2、無理。友達にはなれないわ
3、杏と交流
4、球子と交流
5、イベント判定

↓2
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 21:29:45.02 ID:xXa/LR6iO
1
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 21:31:15.92 ID:17WGecZO0
1
203 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 22:18:26.87 ID:JG4oPmLUo

陽乃「それは、とりあえず置いておいて……」

『置いておける話しかや?』

陽乃「考えたってしょうがないのっ!」

陽乃が何といおうと、

球子はもう今更、あの発言は撤回しないだろう

陽乃が悪いことをしでかそうと、

それがなぜなのかを……しっかりと考えてくれてしまうだろうから。

陽乃「もう……最悪だわ」

そうぼやいた陽乃は、もうそれはいいから。と、首を振る

陽乃「あとは、貴女に神託を出して貰う必要があるわ」

『ふむ……よかろう』

陽乃「今すぐには、ダメよ?」

『あの小娘共の装束じゃろう?』

陽乃「ええ……あれが完成してからじゃないとダメ」
204 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 22:54:07.45 ID:JG4oPmLUo

少なくとも、杏と球子はついてくることになるから

あの二人の分だけでも完成してくれなければ、大変な事になる

『主様が護ればよいではないか』

陽乃「貴女、それだと私が死ぬって話だったでしょ……」

死んでほしいならそう言いなさいよ。と

悪態をつく陽乃を見上げる影は揺らいで、

喉を鳴らすような笑い声が部屋に零れる

陽乃「それに守ってあげられる自信がない」

『自信をつければよい』

陽乃「無茶言わないで……死にたくないわ」

言葉通り死ぬ気でやればどうにかなる

けれど、そんなことをしてあげるつもりは毛頭ない

陽乃「二人、貴女から見て伸びしろは?」

『一人は知らぬが、もう一人は主様も分かっておろう』

陽乃「……やっぱり」

『うむ。今のあの楯では、いずれ砕けるぞ』
205 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 22:55:09.67 ID:JG4oPmLUo
では途中ですが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 23:10:21.59 ID:xXa/LR6iO

仲間と打ち解けると陽乃さんの心が抉られてくとは…
このトラウマをどう克服すればいいものかなぁ
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/22(金) 00:09:30.65 ID:2s2s5i4yO

仲良く修行してるうちにはるのんも柔和にならないかな
208 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 19:24:57.92 ID:sLBlnzOMo

では少しだけ
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 19:28:48.83 ID:mVcox4qJO
かもーん
210 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 20:01:00.76 ID:sLBlnzOMo

陽乃「なら……どうにかする必要があるわね」

球子自身を強くして、

神々の恩恵をより強く受け止められるようにするか

楯を扱う戦闘における技術力を磨いてもらうか

そうしなければ、ただ装束が完成したところですぐに限界が来てしまう

『何じゃ主様。あの娘どもに手を貸すのかや?』

陽乃「諏訪に行くとき、足手纏いになられても困るってだけよ」

『くふふっ、そうかや』

陽乃「そうよ……そう」

諏訪にたどり着ける可能性を少しでも高めたい

諏訪から勇者達を連れて来られる可能性を少しでも高めたい

そして何より、生き残ることができる可能性を高めたい

球子と杏は貴重な戦力だ

『主様、死ぬぞ』

陽乃「死なないために、あの子達を使うのよ」

それがなければ協力なんてしないと陽乃は言うが

それがなかったとしても陽乃は手伝うだろうと九尾は目を細める

陽乃は、決して見限ることのできない愚か者だからだ
211 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 20:21:13.10 ID:sLBlnzOMo

『して、主様や』

陽乃「そうね……神託の内容でしょう?」

九尾による惑わしの力は、神託でさえ成り済ますことが可能だ

九尾が語っていたことのため、本当にそうなのかは分からないが、

それがないと陽乃は大社に無断で出ていかなければいけない

大社に義理を通さなくても良いとは思うが、

後々へと余計な禍根を退かさないためには

あくまでも、大社からの指示と言う大義名分があった方が良い

特に、郡千景との溝は……これ以上広げるのは得策ではない

陽乃「貴女ならどう出す?」

『諏訪に兆し有り……とでも告げればよかろう。ことの良悪は語る必要もあるまいて』

陽乃「どちらともとれる神託を出すと、迷って判断が遅くなるんじゃないかしら」

『明晰では勇者を残さぬ可能性もあるが……良いか?』

陽乃「それは危険ね……」

しかし、全員が最も確実ではある


1、九尾に任せる
2、諏訪の危機を明確に神託する
3、久遠陽乃を諏訪に行かせるように神託する

↓2
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 20:26:32.14 ID:mVcox4qJO
2
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 20:30:12.88 ID:byrQhzFz0
2
214 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 21:06:29.95 ID:sLBlnzOMo

陽乃「良いわ。九尾、明確にしましょう」

『良いのかや?』

陽乃「じゃないと、私は連れていかれないと思うし……」

曖昧な状態の場合、

調査をかねての派遣になることだろう

そんな大事な役目を陽乃に与えてくれるとは限らない

むしろ、ほぼ確実にここに残していかれるとみて良い

その一方で、明確に危険であると知らせれば、勇者達みんなを派遣してくれる可能性は高い

そうなれば、必然的に陽乃も連れ出されることになる

……はず。

どれもこれも希望的観測ばかりだ

陽乃「上手く行くかしら?」

『さて……妾にはいえぬことじゃ』

陽乃「そうなの?」

『うむ……諏訪が捨て駒であるのならば、大社は勇者を出さぬ可能性もある』
215 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 21:42:12.34 ID:sLBlnzOMo

陽乃「……本気?」

『じゃろうな』

大社が諏訪を捨て駒として考え、

救う気が無いのだとしたら

勇者の派遣は行わずに、勇者たちの力を温存しようとする

その可能性は確かにある

だが、神託はいずれにしても出しておくべきだ

その結果、

大社が【諏訪は必要な犠牲】とでもいうのであれば、

その時は、誰が何と言おうと壁をぶち壊してでも出ていけばいい

陽乃「それ、どうにかならないの?」

『することは可能じゃが……面倒なことになるぞ』

陽乃「たとえばどんなふうに?」

『あ奴らの元々の計画から強引に切り返すからのう……違和感はあるじゃろう』

その違和感から看破されてしまうと、

千景からの情報で陽乃の仕業であることも気づかれてしまうこともあり得るし

そうなると……面倒なことになってしまう
216 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 22:03:58.51 ID:sLBlnzOMo

『得策ではないだろう』

陽乃「……そう」

『その時は、行くがよい』

大社なんて気にせずに

自分がしたいことをするために、行動してしまえと。

九尾の言っていることは非常に危険なことだ

しかし、そうしなければならないのなら、するしかない

陽乃「貴女としては、その方が良いのかしら?」

『わざわざ死ねとは言わぬ』

陽乃「ならいいけれど」

陽乃の力でなら、諏訪まで突破は可能だ

それを成し遂げるための犠牲は払う必要があるが。

それを最小限に抑え込むためにも、勇者の助力が欲しい

そのための神託だ

陽乃「神託……頼むわよ」

『承ろう』

九尾はそういうと、影を揺らして陽乃の影を元に戻す

陽乃「……捨て駒。ね」

そんな決断をする大社なんて――。
217 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 22:15:48.87 ID:sLBlnzOMo

√ 2018年 8月6日目 夕:伊予島家

05〜14 若葉
27〜36 大社
52〜61 球子
81〜90 友奈

↓1のコンマ

※それ以外は通常 判定追加
※一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 22:25:38.15 ID:byrQhzFz0
219 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 22:30:20.40 ID:sLBlnzOMo

追加判定

一桁奇数 陽乃連れ戻し

↓1
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 22:31:51.62 ID:mVcox4qJO
そおい
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 22:48:26.94 ID:HjzWbx1kO
セーフ!
222 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 23:08:41.02 ID:sLBlnzOMo
√ 2018年 8月6日目 夕:伊予島家


杏たちの戦装束は、

陽乃から得られるデータが膨大とはいえ、

今日一日でデータ十分になってくれればいいがそう甘くはない

まだまだデータ収集する必要があると思っておく方が良いだろう

データ収集の必要がないとしても

あと数回……あるいは

せめて一度楯を砕くほどの力で殴っておくべきだ

球子の力は、楯にしては脆い

九尾が述べたならそれは事実だ

友達になどなりたくないと思うけれど

陽乃は死んでも良いとは思っていない

いいや……もう

彼女に死なれた場合、陽乃は傷つくことになる

陽乃「あぁもう……もうっ!」

横に振り抜いた拳は、壁に当たる寸前で止まる

陽乃「ここに……来なければ良かった」
223 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 23:49:51.94 ID:sLBlnzOMo

杏の両親は、優しい

杏も球子も、陽乃を放っておいてはくれない

最初は敵対していたはずなのに、友達になるとまで言われてしまった

それが悪いわけではないが

守れないことを恐れ、

失うことに怯えている今の陽乃には相性が悪かった

陽乃「土居さん……」

土居球子

他者を守る楯の力を授けられた戦いにおいて最も死に近い少女

よりによって、彼女に友人だと言われてしまった

言わせてしまった

あのうどん屋での失言があろうとなかろうと

この場に来てしまったことで、こうなっていた可能性はある

が……いずれにしても自分の言動の結果だ

突き放すように言葉を紡ごうが、無駄になった

陽乃「っ……何、してるのよ……私」


1、球子
2、杏
3、電話を借りる
4、イベント判定

↓1
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/23(土) 23:50:29.20 ID:mVcox4qJO
2
225 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/23(土) 23:53:30.52 ID:sLBlnzOMo

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼頃から
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 00:07:28.40 ID:P2uHr1ouO

かといって陽乃さん、孤独なままはむしろ苦手まであるから難しいよなぁ
あと時間経過する度に連れ戻される判定があるのも地味に怖い…
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 00:41:08.01 ID:YLcM+8jYO

もうこうなったら死なないように鍛えるしかねえよ!
228 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 14:38:06.70 ID:EnrKGhruo

では少しずつ
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 14:43:03.72 ID:lvuiuSmCO
よっしゃ
230 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 14:57:01.72 ID:EnrKGhruo

陽乃「伊予島さん?」

杏「久遠さん、どうかしたんですか?」

陽乃「土居さんは?」

杏「タマっち先輩なら、庭に出てますよ」

ほら。と、

差し向けられた先に目を向けてみると、球子がシャドーボクシングに興じているのが見える

勇者としての装束に切り替えているので、

力の制御についての鍛錬……のつもりだろうか。

陽乃「あの子……私の監視役だったはずでしょう?」

杏「久遠さんなら大丈夫だって思ってくれたんですよ」

杏は嬉しそうに笑っているけれど、

陽乃は苛立たし気に顔をしかめて、首を振る

陽乃「あの子、打撲してるのに」

杏「言ったんですけど……諏訪に行く途中で打撲したからって休めるのかって」

陽乃「無茶をするのは今じゃないでしょうに」

杏「……心配。してくれているんですか?」

陽乃「戦力が減ると困るのよ」

杏「ふふふっそうですねっ」
231 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 15:18:45.82 ID:EnrKGhruo

陽乃「なによ」

杏「いえ、別に」

陽乃「嘘や照れ隠しで言ってるわけじゃないわよ?」

杏「それは、はい……分かっています」

陽乃が本気でそう言っているのは分かっている

けれど、

それが本気であるからこそ、杏は嬉しかった

陽乃は、人を拒絶し……懐に入れまいとしている

多くの人々から疎まれ、畏れられている

なのに、その心の内にある優しさだけは変わらずそこにあると分かるからだ

だからこそ、杏は傍にいたいと思う。

陽乃がどれだけ拒絶しようと

その振り払う手の内側に居ようと思う

少なくとも自分だけは味方でありたいと思う

陽乃「それで、データは送ったの?」

杏「送るというか……戦闘データは随時送られているんです」

陽乃「大社から連絡は?」

杏「何が起こったのか。と言う確認がありました」
232 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 15:46:55.63 ID:EnrKGhruo

陽乃に襲撃の疑いがかけられたものの

データ収集に協力して貰っただけだと説明をして、どうにか事なきを得た

ただ、向こうは疑わしく思っていることだろうけれど。

それでも、陽乃を連れ戻すなんて言うことにはならなかったのは奇跡だろう

いや、球子から得られた情報量を見て……それは出来ないと断念したという方が現実味がある

杏「久遠さん、体は問題ありませんか?」

陽乃「土居さんに比べればあの程度かすり傷にも――」

杏「タマっち先輩の攻撃じゃありません……久遠さん自身の力の影響です」

陽乃「それなら何の問題もないわ」

あの一瞬とも言える模擬戦程度でどうにかなるほどではない

杏「久遠さんの力は異質です……あまりにも」

陽乃「だから?」

杏「……私達を、頼っては貰えませんか?」

陽乃「はぁ?」

杏「弱いですけど……力はないですけど……」

でも……だけど

杏は自分の弱さを認めて、言う

杏「それでも久遠さんの力になりたいです」


1、お断りするわ
2、弱い人に命を預けるなんて出来るわけないじゃない
3、頼られたいなら強くなったらいいじゃない
4、馬鹿なこと言わないで


↓2
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 15:50:30.84 ID:Vfxhzuz3O
3
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 15:54:54.90 ID:4AM1KpDmO
4
235 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 16:49:30.30 ID:EnrKGhruo

陽乃「馬鹿なこと言わないで」

杏「っ……」

陽乃「土居さんも貴女も……笑えない冗談だわ」

一人は友達だと言い出して一人は頼ってくれと言う

自分が弱いと分かっているのに

それでも友達だとか、頼ってとか

陽乃にとってはふざけているにもほどがある戯言だ

陽乃「私はね。友達なんて作るつもりはないし、ましてやこの命を赤の他人に委ねるなんて絶対にしたくない」

杏「私達が弱いからですか?」

陽乃「貴女達が強かろうと……他人なんかに任せたくない」

自分の命は、自分で守る

信用ならない他人なんかに委ねるなんて、死にたくないならやらないべきだ

陽乃「頼ることなんて何もないわ」

杏「久遠さん一人では守り切れないものだって――」

陽乃「私は私の命以外守る気はないわ……ううん、私とお母さんの命以外はどうだっていい」

杏「久遠さん一人で倒せない敵が現れたらどうするんですか?」

陽乃「その時は、潔く心中するわ。もちろん、その敵とだけど」
236 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 17:08:37.02 ID:EnrKGhruo

杏「久遠さん!」

陽乃「冗談で言ってるわけじゃない」

杏「だからこそです!」

陽乃「目ざわりなのよ。貴女達みたいなのが一緒に戦うなんて」

一般人のように一方的に嬲られることはないはずだ

しかし、かといって生き残れるとは限らない

死ぬことはあるのだ

殺されてしまう可能性はあるのだ

それこそ……あの日のように、目の前で。

陽乃「っ」

杏「久遠さん……」

陽乃「私に傷一つつけられないような力で、頼れだなんてふざけたこと言われたって」

悲鳴が聞こえた

自分に向かって延ばされる手が見えた

貪りつくされ、砕かれていく音を聞いた

腕や頭、足が千切れ落ちるのを見せられた

一つや二つではなく……何度も何度も……

陽乃「っ……足手纏いだって言ってるのよ!」
237 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 17:39:49.55 ID:EnrKGhruo

陽乃「どうして私に嫌がらせするのよ」

杏「嫌がらせなんて……」

陽乃「友達とか、一緒にいるとか迷惑なのよ」

杏「でもっ、一人でいたら久遠さんは」

陽乃「私が、何? 辛いって? 馬鹿じゃないの?」

独りでいるのにはもう慣れた

頑張って守り抜いた地区の人々に生贄として捧げられた挙句

家を焼かれ、神社を壊され

勇者として丸亀に来てからも、

陽乃が特異と言うだけで隔離しているような状態のまま三年間

その間に千景にまで目をつけられて

久しぶりの再会を果たした友人からは拒絶されて……

もう十分だ

もう嫌だ

独りで良い……独りが良い

陽乃「今は行き場所がないからここにきているだけで、あなた達と仲良くする気なんてないんだから――勘違いしないで」
238 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 17:54:24.02 ID:EnrKGhruo

√ 2018年 8月6日目 夜:伊予島家

05〜14 若葉
27〜36 大社
41〜50 杏母
52〜61 球子
81〜90 杏

↓1のコンマ

※それ以外は通常 判定追加
※一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 18:00:57.39 ID:ckgqHe3DO
はい
240 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 18:05:38.31 ID:EnrKGhruo

↓1コンマ判定

データ収集率

※70以上またはぞろ目で完
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 18:09:42.21 ID:L+n5bmVoO
242 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 18:27:44.88 ID:EnrKGhruo
√ 2018年 8月6日目 夜:伊予島家


陽乃に強く拒絶された杏は

しかし、両親の前では態度を変えたりはしなかった

変わらず陽乃に声をかけ、答え

極めて近い距離に居座った

陽乃「………」

拒絶したはずだ

友達は嫌だと

頼るのは嫌だと

なのに、杏は笑顔でそこにいる

陽乃「冗談……だとでも?」

杏は陽乃の発言を笑って受け流すこともあった

だが、今回ばかりは本気だと思うのが普通なのに

カーテンを閉め切った暗い寝室の中、

腰かけるベッドの薄い掛布団を握りしめる

甘んじてしまった結果、得られた利便性

けれどこうなるくらいなら

あの時点でいなくなるべきだったと……思う
243 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 18:46:27.47 ID:EnrKGhruo

陽乃「どうしろっていうのよ……」

殴ったら友達になって

拒絶したら余計に距離が近づいた

陽乃「……諏訪遠征」

あの二人は確実について来る

神託を出して

勇者達にはここに留まって貰った上で

単独で行くのも視野に入れるべきだろうか

あの二人は、陽乃の最も近くにいるつもりだ

それは戦いだろうと、そうでなかろうと

そんなことをされたら、陽乃は二人を守らなければならない

そうしなければ、逆に陽乃を守って死ぬ可能性があるからだ

厄介だ

目ざわりだ

足手纏いだ

陽乃「最悪……っ」

四国に残るか出るかを決めたあの日

そこで出ていっていればと……悔やんでしまう

1、球子
2、杏
3、九尾
4、伊予島両親
5、電話を借りる
6、イベント判定

↓2
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 18:48:18.31 ID:VhcmnwG90
4
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 18:49:08.51 ID:L+n5bmVoO
4
246 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 18:50:43.99 ID:EnrKGhruo

では少し中断いたします
再会は20時頃から
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 18:56:31.08 ID:L+n5bmVoO
一旦乙
陽乃さんの闇が深い…
248 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 20:12:42.68 ID:EnrKGhruo

ではもう少しだけ
249 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 20:46:03.40 ID:EnrKGhruo

陽乃「夜分遅くに申し訳ありません」

「いいえ。大丈夫よ」

「なにかな?」

杏の両親は、陽乃の呼びかけに答えて

夜にも拘らず、時間を作ってくれた

父親の方は声色こそ厳しく感じられるが、とても温厚な人だ

母親も、とても穏やかな人で

流石杏の両親と言ったところだろうか

「杏は何も言ってきていないから、家を出ると言う話でもないだろう?」

陽乃「そう……ですね」

「やっぱり、他人の家では息苦しいかしら?」

陽乃「そんなことは……」

「ふふっ、無理はしなくても良いのよ。そういう気持ちも理解はあるもの」

陽乃「………」
250 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/24(日) 21:12:58.48 ID:EnrKGhruo

「……久遠さんのおうちと神社については、先日改めて拝見させて頂いたわ」

陽乃「見ても面白いものではなかったと思いますが」

「ええ、本当に。酷いものだったわ」

「あれが人の手によるものであるなら、神様がお怒りになられるのも無理はないと思ったよ」

陽乃「いえ……私がお役目を投げ出した結果です」

「けれど、そうしなければ貴女が亡くなっていたのでしょう?」

二人は憐みの目を向けてくる

仕方がないと、許そうとしてくる

陽乃の血縁者ではないけれど

大人として、子供である陽乃を守ってあげたいという優しさを感じるその声は、

陽乃にとっては、やはり……イヤなものだった。

この両親から口添えをして貰えば、杏と球子は陽乃について来ようとしなくなるだろうか

この両親を害する意思を見せれば、流石の二人も離れていってくれるだろうか

陽乃「っ……」



1、娘さんを説得してはいただけませんか?
2、手を出す
3、一芝居……ご協力いただいてもよろしいですか?
4、お二人がいなくなれば、娘さんは戦う理由を無くしてくれるでしょうか?
5、周辺の方々からは何も言われていませんか?


↓2
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 21:26:56.46 ID:L+n5bmVoO
5
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/24(日) 21:28:46.23 ID:VhcmnwG90
5
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