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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】

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453 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/13(土) 20:51:28.44 ID:1LDkWQUvo

コンマ判定↓1


2,4,9 悪い方

それ以外、通常
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 20:52:23.64 ID:V9yHNhxxO
たのむ
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 20:53:59.97 ID:V9yHNhxxO
終わった…
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 21:12:40.41 ID:HROQPm1TO
ある意味引きが強い
杏の両親かな……
457 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/13(土) 21:54:45.18 ID:1LDkWQUvo

「あんたたちが匿ったんだな!?」

その声は唐突に上がった。

矛先が杏の両親に向かうことは元々考えていたけれど

本当に向かってしまったことに、陽乃は思わず眉を吊り上げた

「あなた達が匿ったせいで、大勢の犠牲が出たんじゃないですか!?」

「あんな化け物の味方をするなんて、どうかしてる!」

「人殺しなのよ!」

「今すぐにでも外に放り出すべきだ!」

陽乃「はぁ……」

三年前と違って、壁に覆われている四国

一般人がその向こう側に行けるわけもないのに

どうするつもりかと呆れる陽乃がため息をつくと、

一斉に刺々しい視線が向けられて――

バチン……と、目の前で石が粉々に砕け散った

陽乃「……九尾」

『小石ならばともかく、主様の手ほどのものは許さぬ』

陽乃「別に、自分で対処できるのに……」

石を投げたであろう若い男性は、

前触れなく石が砕けたことに恐れおののいて、目を見開いている

彼らにとっては……噂に違わない化け物に見えただろう
458 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/13(土) 23:13:33.52 ID:1LDkWQUvo

「そうだ……もう一度連れていけばいいんだ」

「おちつ――」

「黙れ!」

「そうよ……もう一度捧げれば良いのよ!」

「今度こそ逃がすな!」

杏「お母さんっ! お父さんっ!」

彼らの一番近くにいた杏の両親が真っ先に取り押さえられる

相手が怪我をする事なんてまるで考えていないかのように

無理矢理引き倒して、のしかかって

球子「ま、待て待て待てって!」

それほど、希望がないのか

それほど、恐ろしいのか

それほど、憎まれているのか

それとも……全てか

暴走する否定派と、自分まで巻き込まれることを恐れる傍観者達

陽乃達を取り囲むようにして、大人たちが近づいて来る

正直、本気で相手をすれば所詮一般人な大人の力など陽乃には赤子のようなものでしかない

けれど、まだ本調子ではなく

対人に不向きな球子と杏は抵抗しきれないだろう

杏「久遠さん……」

陽乃「責任は取れないって、ちゃんと言ったわよ」



1、無視して離脱する
2、九尾を呼び出す
3、大人を殴り飛ばす
4、大人しく捕まる


↓2


※1〜3は判定次第で死人が出ます
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 23:14:33.79 ID:HROQPm1TO
4
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 23:20:04.10 ID:o1x2bc+R0
3
461 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/13(土) 23:26:58.27 ID:1LDkWQUvo

↓1コンマ判定 一桁

  0   死者2
1、4    死者1
3、6、2、7 重傷
5、9、8   重傷者複数 


00 死者複数
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 23:28:01.81 ID:Wmmwd4YRO
463 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/13(土) 23:36:13.68 ID:1LDkWQUvo

ではここまでとさせていただきます
明日もできればお昼ごろから
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 23:40:10.16 ID:HROQPm1TO

とうとう死人が……
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/13(土) 23:41:46.77 ID:l/3MWn07O

まさかボランティアに参加したばっかりにこんな鬱展開になるとは…
杏がトラウマになりそう
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 00:10:32.73 ID:erZ2fHJRO
杏のお父さんお母さんどっちが死ぬかとか地獄みたいなコンマ判定来るのかな?
467 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 17:04:51.04 ID:lLbFIcFmo

では少しずつ
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 17:07:19.12 ID:9V06vbX+O
あいよ
469 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 17:08:45.70 ID:lLbFIcFmo

球子「あ、あんずっ!」

杏「っ……お母さんっ、お父さんっ……」

球子「くそっ」

陽乃だけでなく、球子や杏の方にも男性が近づいて

両親を助けに行こうとする杏を阻み、置いていけない球子を足踏みさせる

球子「た……わ、私達は勇者だぞ! こんな、こんなことっ!」

「本当に勇者様ならあんなやつと一緒にいるなんてありえない」

「本当に勇者様ならあの化け物退治してくださいよ!」

「そうしなかったのが嘘をついている証拠だ!」

球子「ちょ、ま、はぁ!? 杏ッ!」

躊躇わずに迫ってくる大人たちの言葉

その目も危ういものだと感じた球子は、とっさに杏へと手を伸ばして突き飛ばす

杏「っ……」

球子「ダメだっ逃げ――」

杏「タマっち先輩……」

球子よりも一回りも二回りも大きい男性によって、

球子の体が地面に押さえつけられていく

突き飛ばされて尻もちをついた杏にも、その手は近づいてくる

逃げ場はない

勇者と比べれば力もない一般人を、どうにかしない限り
470 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 17:38:32.97 ID:lLbFIcFmo

陽乃「………」

リスクがあることは、事前に話していた通りだ

それによってどんな被害があろうと

自分にはその責任を負うことはできないことも忠告した

杏の両親が取り押さえられ、

ボランティア活動で使う予定だっただろうビニールで縛られていても

土居球子が男性に馬乗りになられていても

伊予島杏が呆然自失としてしまっていても。

自分には関係ないと、陽乃は首を振る

陽乃「だから言ったのに」

本当に。

自分には関わるべきではないことも、

何が起こるか分からないことも

あんなにも……忠告をしてあげたのに

「あとはお前だ!」

陽乃は、勇者の中ではそれなりに背が高い部類に当たる

それでも、大人の男から見ればまだ小さい子供にしか見えない

だからなのか、大した武装もなく近づいて来る男性を……陽乃は一瞥して。

「このばけ――」

躊躇なく、殴り飛ばした
471 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 17:56:04.18 ID:lLbFIcFmo

「あ……ぁ゛……うぶ……」

殴り飛ばされ、地面を転がっていった男性はうめき声を漏らして完全に沈黙する

陽乃を取り囲んでいた大人たち

杏や球子を取り押さえる大人たち

杏の両親を縛り上げる大人たち

ただの傍観者な大人たち

みんなが、その異常な光景に息を飲む。

化け物だとしていても、それが事実化け物めいた力を持っていることを知る人間はそう多くはない

なぜなら、知っている人間は救われた人間だからだ。

だからこそ、

ただの少女にしか見えない "化け物" が体格も良いはずの男性を殴り飛ばし、気絶させたのは異常だった。

陽乃「私は、これでも自分のことを人間だと思ってる」

球子「っ……」

何をしてるんだ。と、苦悶の表情を浮かべる球子を無視して、

陽乃は殴った左手で握り拳を作る

陽乃「でも、あなた達にとっては化け物なんでしょ?」

「あ……ぅ……そ、そうだ!」

「今まさに化け物みたいな力で人を殴ったじゃないか!」

「ひ、人殺し!」

「化け物! 取り押さえて殺せ!」

耳障りな怒鳴り声を、さも聞こえないかのような表情で陽乃は笑う

杏「久遠さん……」

陽乃「そうよね。ありがとう」

「何がっ」

陽乃「これで心置きなく "自分を人間だって思いこむ化け物" を殺せるわ」

球子「やめろっ!」

陽乃「もう遅い……もう、遅いのよ」
472 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 18:17:11.27 ID:lLbFIcFmo

陽乃はそもそも、勇者とは違った異質な力を身に纏っている

それによって、常人離れした身体能力を得ているため

勇者と相対しているのでもなければ、

大人が数十人いたところで、御しきれるような少女ではない

陽乃「はぁ……」

どうにか取り押さえようとした十数人の大人が気を失うまで殴り、蹴り

草刈り用の鎌を持ち出した男性の命を陽乃が奪ったことで、争いは収束した。

武器を持ったら手を抜けないと、忠告はした。

死にたくないならやめて。と、宥めようとした。

けれど、その男性はそれでも陽乃に向かってきたのだ

陽乃を恐れ、逃げ出した人もいれば

その場から動けなくなってしまった人もいる

ごめんなさいごめんなさいと謝罪を口にする人もいる

この場にいた人々にとって、

正真正銘、化け物になったと……陽乃は眉を顰める

杏「……」

球子「ばかやろう! なんで……なんでっ!」

陽乃に害されるのを恐れて男性が逃げたことで自由になった球子は、

真っ直ぐ、陽乃へとぶつかっていく

球子「なんで……そうなんだッ!」

陽乃「さぁ? 化け物だからじゃないかしら?」
473 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 18:20:58.85 ID:lLbFIcFmo

↓1コンマ判定 一桁

1 子供
3 妻
9 兄弟

※それ以外 なし
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 18:23:28.16 ID:9V06vbX+O
475 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 18:45:47.57 ID:lLbFIcFmo

陽乃「邪魔だから離れて」

球子「離れられるか!」

陽乃「腰でも抜けたわけ?」

球子「そう言う話じゃ……」

陽乃「いいから――やめて」

球子の腕を払い除け、体を突き飛ばす。

倒れて動かない男性は、もう息をしていない

不幸中の幸いとも言えないが、

血反吐を吐くようなこともなく、長く苦しまなくて済んだのは良かったのかもしれない

陽乃「………」

ボランティアの集まりがあってから、常に一人でいた男性だ

家族がいないか、失ったか。

でなければ、死ぬと言われても武器を持ってくることはないはずだ

恐らく、あの日にすべてを失ったのだろう

だから、久遠陽乃は元凶であると憎み、恨み、殺意を持っていた

陽乃「誰もそんなこと、望んでなんていなかったと思――」

「近づくな!」

陽乃「………」

「人殺しめ……どっか行けよ!」

陽乃「じゃぁ、後処理しておいて」

陽乃はそう言い残して、男性の傍を離れた
476 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 18:54:50.70 ID:lLbFIcFmo

杏「久遠さん!」

陽乃「………」

杏「待って、待ってくださいっ!」

杏や球子

杏の両親の誰にも目もくれずに立ち去ろうとした陽乃の腕を、今度は杏が掴む

今ここで逃してしまったら

もう、会えなくなる気がして。

杏「どこに……行くんですか?」

陽乃「教えられないわ」

杏「どうして……」

陽乃「他人に知られたくないことだから……なんて」

聞きたいのはそうじゃないんでしょ? と、

陽乃は困ったような笑みを浮かべて、杏の腕を振り払う

杏の問いの真意を分かっていても、答えてあげる義理はない

どうしていなくなろうとしているのか。

そんなの、言うまでもないだろう。



1、諦めなさい
2、あの人のように死にたくないなら、もう近づかないで
3、向こうには一人で行くわ
4、私の行き先なんて、貴女が一番分かっていることだと思うけど
5、謝るつもりはないから


↓2
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 19:01:52.94 ID:Md1vWggq0
3
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 19:05:13.27 ID:xf3Tmo84O
4
479 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 19:51:51.42 ID:lLbFIcFmo

陽乃「私の行き先なんて、貴女が一番分かっていることだと思うけど」

杏「それは……でもっ」

突き放したのに、杏は縋る

腕では振り払われるからと、裾を力一杯に掴む

意味もなく土汚れたジャージに皺が走る

杏「でも……まだ、まだ先の話じゃないですか」

陽乃「だから?」

杏「だから……」

少なくとも、三日間は先の話

なのに、今からこの場を離れて……どこに行くつもりなのか。

どこでその短くも長いであろう時間を過ごすつもりなのか。

けれど、匿えるだろうか。

今での両親は受け入れてくれるだろうか

周りから被害を受けたりはしないだろうか

杏「っ……」

陽乃「もう、放して貰えるかしら」
480 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 20:09:15.68 ID:lLbFIcFmo

陽乃の神社も、家も燃え尽きて、崩れ落ちた

偶然でも、事故でもなく

人が悪意を持って故意に行った火事だった

今になって、そうだと確信が持ててしまう。

そんな恐ろしいことが、自分の家に行われないとは限らない

家が燃え、親が殺されるかもしれない

多くの人が、陽乃を化け物だと言った

殺すべきだと、死ぬべきだと

口々に罵って、憎悪と殺意を向けていた

それは人でありながら、化け物のようで。

陽乃「……ね?」

杏「っ」

肩が叩かれる

とても優しい力だ

人を拒絶するどころか、傷つけられそうもない力

杏「………」

裾を掴む力を強くして

少しだけ緩めて……また強くする
481 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 20:10:39.75 ID:lLbFIcFmo
↓1コンマ判定

58以下 杏「……勇者が責任を持って身柄を拘束します!」

※ぞろ目 特殊
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 20:15:16.62 ID:Md1vWggq0
483 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 20:41:57.34 ID:lLbFIcFmo

杏「ごめん……なさい……」

止められない。

止めるための言葉が思い当たらない。

人々にとって、もはや陽乃は人を殺した化け物だ

たとえそれが正当防衛から超えてしまった過剰防衛だったとしても。

本当の化け物がどちらなのかと……分からなくなってしまっていても。

杏「ごめんなさい……」

自分には失いたくない人がいる

失ってはならない場所がある

それは、陽乃の味方をすることで奪われるかもしれないほどに脆い

陽乃「何のことか、分からないのだけど」

陽乃は吐き捨てるように言って、杏の手を弾く

「勇者なんだろ! なんとかしろよ!」

「人殺しなのよ!? なんとかしなさいよ!」

陽乃「それもそうね……」

一緒に拘束しようとしていたのに

自分達では無理だからと勇者に頼る

陽乃「今ここで、殺しておいた方が良さそうだわ」

杏「!」

球子「っぁぁぁああああああああっ!」

杏を引き倒して、球子が割り込む

球子「この――」

陽乃「ばか……っ」

球子の腹部には陽乃の回し蹴りが叩き込まれて、地面を転がっていく

中途半端に入った蹴りは、間違いなく球子の防御の隙間を縫って

臓器の一部に突き刺さっただろう

暫く、起き上がれないはずだ
484 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 20:57:56.45 ID:lLbFIcFmo

杏「タマっち先輩!」

陽乃「あなた一人で、私を止めてみる?」

杏「っ……」

球子を一瞥し、陽乃を見上げて……球子へと駆け寄っていく杏を見送る

それでいい

そうでなければ、さらに面倒なことになるかもしれない

陽乃「死にたければ……いつでもどうぞ」

球子や杏、両親

立ち向かってきた大人たちにそう告げて

陽乃は一人で歩いていく

杏の家に衣服を置いてきてしまったけれど、

代わりにジャージを貰ったと思えば、悪くない

陽乃「はぁ……」

最低三日後の予定だった遠征

今すぐにでも行ってしまおうかと……少しだけ考える
485 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 21:06:42.32 ID:lLbFIcFmo

√ 2018年 8月7日目 夕:

1、神社
2、丸亀城
3、壁の近く
4、廃屋


↓2

※陽乃の居場所
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 21:09:58.60 ID:Md1vWggq0
3
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 21:11:51.39 ID:7SKJbhnkO
2
488 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 21:20:03.84 ID:lLbFIcFmo

05〜14 若葉
28〜37 友奈
52〜61 千景

↓1のコンマ

※それ以外なら見つからない
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 21:20:39.23 ID:7SKJbhnkO
490 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 22:07:47.31 ID:lLbFIcFmo
√ 2018年 8月7日目 夕: 丸亀城


こっそりと、丸亀城の宿舎に忍び込む

運よく誰にも会わずに自分の使っていた部屋にたどり着き、

ベッドの方へと近づいて……膝から崩れ落ちる

陽乃「っ……」

殺したくはなかった

そんなつもりなんてなかった

でも、一般人とはいえ

明確な殺意を持って向かってくる相手に手を抜くことはできなかった

球子と模擬戦するのとはまるで違う

死が、そこには確実に存在していたからだ

陽乃「私……っ」

人殺しだ

元々、護ることができなかった自戒を込めて、

自分のことを人殺しと思ってはいたが

本当に人殺しになってしまったのだ

陽乃「お母さん……っ……」

なんて言えばいいのだろう

何が出来るのだろう

この手はもう――握らせるわけにはいかない

綺麗に見えるだけの、人殺しの手だから。
491 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 22:28:55.61 ID:lLbFIcFmo

陽乃「なんで……なんでっ……なんでっ!」

そんなことしても無駄だって言ったのに。

責任なんて取れないって言ったのに。

それ以上は駄目だって言ったのに。

手加減は出来ないって言ったのに。

殺すことになるって言ったのに

なのに……

結果的に、陽乃は人一人を自分の手で殺すことになった

武器を持っていた。

簡単に人を殺せるものだ。

陽乃だったら死なないかもしれない。

けれど、

杏や球子、杏の両親は確実に死ぬ。

武器が有効だと思わせるわけにはいかなかった。

大人しく捕まるわけにもいかなかった

けれど、だけど、それでも――

陽乃「まだ……ダメなの……っ?」

突き放して、突き放して、突き放して

それでも、良くも悪くも周りに人が集まってくる

頑張って独りになろうとしているのに、それを嘲り笑うように集い暴走して崩壊していく

陽乃「やだ……もうやだよ……っ……」

冷徹さをどれだけ装うと……陽乃はまだ、子供だ。


1、一人で遠征に行く
2、死にたい
3、助けて
4、何もしない


↓2
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 22:30:03.64 ID:7SKJbhnkO
3
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 22:31:49.01 ID:erZ2fHJRO
3
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 22:32:35.31 ID:Md1vWggq0
2
495 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/14(日) 22:35:55.53 ID:lLbFIcFmo

では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 22:41:04.68 ID:7SKJbhnkO

これは流石にほぼBADENDでは…?
今回ばかりはあまりに悲惨過ぎて前日からやり直したいなぁ
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/14(日) 22:56:12.63 ID:erZ2fHJRO

コンマが死にきってるからな
だがやり直しなどない
前に進むしかない
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 08:01:11.65 ID:1JeA25D8O

何もかも失ってここから巻き返せるビジョンが見えない…
前作の久遠さんがいかに環境的に恵まれてたかがわかるな
499 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:01:56.16 ID:K2SsYy4jo

では少しだけ
500 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:02:27.81 ID:K2SsYy4jo

陽乃「助けて……誰か……」

人と関わらない様にしようとしてきた。

関わってくる人を突き放したし、拒絶した

可能な限り、自分の目の前では被害に遭わないようにしてきた。

その結果、人一人を殺す羽目になった。

関われば、多くの人が縋ってくる

関わらなければ、多くの人が付け狙う

陽乃「助けてよ……」

どうしたら良いのか。

どうすれば、この地獄のような状況から抜け出せるのか

陽乃が人を殺したことは、間違いなく大社に伝わるだろう

拘束と監視

そればかりだった今までが自由だと錯覚するほどに酷いことになるか

正式に、勇者による討伐が行われるか。

前者ならばともかく、後者は非常にまずい

千景は殺意マシマシで殺しに来るけれど、

球子や杏、友奈と若葉はそれを出来るような強さがない。

大社はそれを許すだろうか

いいや、許すはずがない

陽乃に味方するような言動は、罰せられてしまうに違いない。
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 21:03:32.69 ID:8hbJOjJHO
よしきた
502 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:15:02.90 ID:K2SsYy4jo

陽乃「私……ただ、死にたくないだけだったのに……」

目の前で奪われていく命

その一つでも救うためにと、力を得た

それをもってしても、護れた親類は母親のみ

その死に物狂いの生還が、人々の憎悪の対象になっている

ならば、死ねばよかったと?

あぁ、死ねばよかったのだ。

みんながみんな、それを声高に叫んでいた

陽乃「死にたく、無いのに……」

『なにゆえ、主様が行った』

陽乃「貴女だったら、皆殺しにしていたでしょう?」

『奇妙なこと言うものじゃのう。アレらに、生かす意味があったのかや?』

陽乃「……だって、あんな人たちにだって、大切な人が」

『いるから……なぁに?』

陽乃「え……」

九尾の声が、急激に女性めいた高いものに変質する

狐の形をしていた影が歪んで、どろどろとした汚泥のように立体感を持ち始めて

それはやがて、一人の女性の姿へと変わる
503 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:31:10.03 ID:K2SsYy4jo

「そんなもの……殺してしまえば良いと思いますよ」

陽乃「九……尾……?」

九尾は、様々な姿を模すことのできる幻術を得意とする妖狐だ。

もちろん、女性の姿にだって切り替わることができる

だが、纏う雰囲気が異常だ

九尾とはまるで違う、憎悪に塗れている力

「もし仮に、貴女が言うようにそれらに大切な人がいたとしましょう」

陽乃「……っ」

「それらも含めて、殺してしまえばいいんです」

女性は、容姿に見合わず高い声で言う

子供のように甲高い、頭に響く声

けれど言葉は……純粋に殺意に満ちている

「みんな、殺してしまいましょう」

陽乃「やめて……」

「私を辱めた男の子供達が、私の子供をまた辱めたのだから」

陽乃「やめ――……ぁっ……」

立ち上がろうと床に手を突いた瞬間、視界が揺れる

下を向くと、血が滴る

九尾の力なんて比較にならないほどの、体への負担

陽乃「ぁ……ぅ……ごぷっ……」

身体の中身が捻り潰されるような痛み

それだけでなく、血が溢れ出ていく

「貴女 "私達の子" なのね」

陽乃「私……たち?」

「私とあの人の子だからそんなに苦しいのでしょうね。でも、大丈夫。貴女が死ぬ前に、この国の人間を皆殺しにするくらいは容易いですから」
504 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:46:11.63 ID:K2SsYy4jo

酷く冷たい手が、陽乃の頬を撫でる

九尾が先日話してくれた、九尾ではない力

彼女をもってして、最も厄介だと言わざるを得ない存在

――伊邪那美命

陽乃「わた……し……」

九尾は言った

貴女が滑稽にも人を殺めることを良しとしないからなりを潜めている。と

だが陽乃は今日、人を殺してしまった

九尾の力によるものでもなく、自分の力で。

多くの人に裏切られ、石を投げられ、憎悪の対象とされていた

彼女が表に出てくる理由としては十分すぎると言っても良い

「貴女は私の子。可愛い子。お願いを聞いてあげても良い」

だから。と、人の形をした憎悪は笑う

「人間なんて、殺してしまいましょう。貴女を傷つける人間も、それらの世界も。全部殺してしまいましょう」

それが、救い

それが、施し

「貴女はゆっくり、眠りなさい。私の可愛い子」


1、だめ……
2、殺してほしくない人もいるの
3、だったら……力を貸して……遠くに行く、ための力
4、私、死にたくないの

↓2
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 21:47:58.99 ID:8hbJOjJHO
2
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 21:48:32.16 ID:9NAOKT0K0
1
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 22:09:29.54 ID:7eeVrDswO
マジで誰か助けて
508 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 22:09:36.57 ID:K2SsYy4jo

陽乃「だめ……」

「どうして? 生かしておく必要があるの?」

心まで凍り付きそうな、冷めきった手

瞳には感情が感じられず、声も冷たい

「貴女を傷つける人間を守ってあげる意味があるの?」

陽乃「それは……」

杏の両親みたいな人もいる

けれど、ほとんどの人がそうではない

この神は、そんな違いなど考慮せずに皆殺しにするはずだ

陽乃「だめ」

「貴女を辱める人間なんて、生きていても仕方がないでしょう?」

陽乃「でも……私は殺したくない……」

「理解が出来ない」

かの神は、呟くように繰り返す

憎悪が影のように揺れて……陽乃の身体へと負荷が重くのしかかる

眩暈がする

口の中も気持ちが悪い

鼻血も出ているのか、血のにおいしかしない
509 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 22:34:24.58 ID:K2SsYy4jo

人を一人殺した

九尾に操られたわけでもない

自分の意思で、正当防衛の一つとして過剰に打撃を加えたことで死に至らしめた

それは、かれらが陽乃を敵視して向かって来たからだ

杏の両親の提案を受けてボランティアに参加しようとした

けれど

化け物だと言われ、石を投げられ、殺意を持ってぶつかられた。

だから

殺すことになった。

「貴女をずっと見てきたけれど……人間なんて生きているだけ無駄だとしか思えない」

陽乃「………」

「この先の未来で貴女を傷つける人間を生かしておく理由なんてある?」

陽乃「でも……ぅ……げほっ……」

「殺してしまいましょう?」

陽乃「だめ……」

瞼が重い

全身が気怠くて、動かなくなっていく

口元から血が滴り、床に倒れこんでしまう
510 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:01:22.14 ID:K2SsYy4jo

止めるものがいなければ、伊邪那美命は殺しに行ってしまう

けれど、その制御をするだけの余力が陽乃にはなかった

人を殺してしまったこと

初めての神の顕現

その心身の負荷は耐えきれるようなものではなくて

陽乃「ぁ……ぅ……」

陽乃の体中から流れ出ていく血が溜まりとなって

凄惨な事件現場が出来上がっていく

陽乃「ぁぇ……」

「貴女の半分があの人だから、そんなにも愛してしまうの?」

もうあがりさえしない手を伸ばす陽乃を見下ろす神様は、

陽乃の震えるだけの手を優しく包んで、頬を撫でる

「不要な人間なんて愛したって傷つくだけなのに」

とても

とても悲しそうな声だった

やがて、陽乃の意識は薄れ――消えていく

霞んだ視界に見える女性は、

その瞼が閉じる瞬間までは、そこにいてくれた
511 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:09:48.98 ID:K2SsYy4jo

√ 2018年 8月7日目 夜:

08〜17 若葉
34〜43 友奈
67〜76 九尾

↓1のコンマ

※ぞろ目 悪(場所移動)
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:10:45.58 ID:8hbJOjJHO
513 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:16:07.79 ID:K2SsYy4jo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:21:11.90 ID:8hbJOjJHO

流れ的にゲームオーバーかと思ったらまだ続くみたいだけどこの状況どうするんだろう…
あと九尾が最早悪霊と化してて辛い
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:31:12.43 ID:jR2Qo/2IO

陽乃さんが死ぬまでBADENDにはならないでしょ
あと殺そうとしてるのは九尾じゃなくてイザナミ様では?
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 00:06:27.67 ID:LSRW9k5fO

まだまだ踏ん張れるぞ
陽乃の底力を信じろ
まあとりあえず杏か球子メンタルケアしにきて(他力本願)
517 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:28:38.28 ID:hcbXZnOQo
では少しだけ
518 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:29:07.27 ID:hcbXZnOQo

√ 2018年 8月7日目 夜: 丸亀城(寄宿舎)


陽乃「ぅ……」

ゆっくりと目を覚ますと、

鈍い頭の痛みがじわじわと広がっていき、思わず呻いてしまう

口の中にはまだ血の味とにおいが残っていて

喉の渇きを潤そうとする唾液に交じって流れ込んでくる

陽乃「ぁ」

体を起こすだけの力が入らない

頭以外の全てが自分のものではないかのように微動だにしてくれない

声も出ず、かろうじて出来る呼吸と瞬きだけが今の陽乃の力だった

頭も動かせないので、見えるのは天井くらい

空気にも血のにおいが混じってしまっているけれど、居場所くらいはぼんやりとした頭でも分かる

失神する直前にいた、丸亀城の寄宿舎

それも、自分に与えられた部屋だ

陽乃「………」

不可解なのは、姿勢ただしくベッドの上で横になっていること

気を失ったのはベッド脇の床

自分が吐き、滴らせた血だまりの中に倒れこんだはず

なのに、気が付けばベッドの上

誰かが助け起こしてくれたと見て間違いない

問題は、誰が。という点だろう
519 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:50:29.16 ID:hcbXZnOQo

杏や球子である可能性は万に一つもない

二人には行先を告げていないし、まさかこんな場所に戻ってくるだなんて予想はしないだろうから。

せいぜい、久遠家の家だった場所や神社が候補に挙がるくらいだ

自分からこんな危険な場所に乗り込むなんて考えない……だろうか?

諏訪遠征よりも危険ではない

それなら、可能性の一つとして考えるのも無理はない

陽乃「っ」

だが、だとしたらこの場にいないのがおかしい

どちらか一方が偶然その可能性を見出して様子を見に来たとして、

残ったもう一方を呼ばないわけがない

事情聴取を受けるということになっていたとしても

杏か球子のどちらかは必ずこの部屋に残るだろうし

どうしてもと言うのなら、友奈か若葉のどちらかに見ていて貰えるようにお願いするはずだ

陽乃「ぁぅぁ……ぁ……」

声を出そうとすると、喉が焼けるように痛む

伊邪那美命……九尾よりもはるかに強力な、本当の神を呼び起こした代償

ほんの数分の会話だけでこれだけ影響が出るのだから

長時間の戦闘など行おうものなら、途中で力尽きるのが関の山だろう

もしくは、九尾のように慣れれば少しは耐えられるようになるのかもしれない

耐えられたとして、その力を使う影響が恐ろしいけれど。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 20:56:25.98 ID:u4BkQIP6O
ダメージは受けたままか…
521 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 21:02:35.95 ID:hcbXZnOQo

陽乃「ん……」

杏や球子と同じように、若葉や友奈が見つけてくれていたとしたら

誰かがいてくれるだろうし、

もしも千景が見つけていたなら、

首から上が床に転がっているだけで、ベッドの上には置いてくれていないはずだ

床に転がる自分の体を見せるなんて猟奇的発想があるなら別だけれど。

そもそも、そこまで来たら陽乃はさすがに死んでいる

病院ではなく寄宿舎の自室と言うことから、大社でもない。

つまり、元から考えるまでもなく助け起こしてくれた人物は一人しかいないのだ

今は目を覚ましたことも呼び出すことも自力では難しいが。

陽乃「ぅ……ぃ……ぅ……げほっ……げほっぁっ……ぅぶっ……ぉぇえ゛……」

どうにか呼ぼうとして、喉奥を掠めた空気に咳き込む

渇いた喉がそれ傷つけられて、血が滲んで詰まり、吐血して……そのまま嘔吐する

痛めた喉を通っていく胃酸の刺激に胸やけがして、胸の奥の痒みが生まれて不快感に満ちる

陽乃「ぃぅ……」

死ぬ。

このまま死んでしまうのではないかとさえ思うほどの辛さ

それでもいい

見つけた人に、なんて惨めな姿だと嘲笑されるような死に様でも

この苦しみから解放して貰えるのならそれでもいいかもしれないとさえ、少し思う

血と胃液の混じり合った異臭のする布団

こんな状況では普通、眠れるはずもないのに眠れそうなのは神社での野宿のたまものだろうか。

それとも、それほど憔悴しきっているか。


1、無理に動く
2、無理に声を出す
3、眠る


↓2

※1〜3 判定有
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:05:40.28 ID:pPLYJs5S0
3
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:06:15.27 ID:u4BkQIP6O
3
524 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 21:19:07.42 ID:hcbXZnOQo

01〜10 杏
11〜20 球子
21〜30 伊邪那美命
31〜40 過去
41〜50 九尾
51〜60 友奈
61〜70 若葉
71〜80 大社
81〜90 九尾
91〜00 千景


↓1のコンマ
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:22:43.87 ID:Z3ZK3xwQO
526 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 22:02:14.98 ID:hcbXZnOQo

陽乃「ぅ……っ……」

眠るというよりは、意識の消失に近い眠気

だんだんと瞼が降りていく中に

ふと、どこからともなく人型の何かが映りこむ

九尾「主様、眠るのかや?」

陽乃「ぁ……っ」

九尾「ふむ……」

気を失う前に聞いた女性の声とは違って

良く聞いた声

これは、九尾の声だ

九尾「妾と違って、かの神は容赦がないのう」

頬に、大きな手が触れる

優しい手だ

冷たくない、人肌の温かみを感じる手

九尾「しばし休むとよい」

陽乃「っ……」

九尾の指が口元を拭う

鼻の部分にもその細長い指先が走って

血の味とにおいが消えていく
527 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 22:43:41.41 ID:hcbXZnOQo

九尾の手は、

顔から首、胸、腹部……と、ゆっくり下へと下がっていく

九尾「……」

九尾の手が触れた部分は、どうしてだか感覚が戻ってくる

鋭い痛みの後に、鈍い痛み

そうして、痛みがそのまま消える

九尾「祟りが深いのう……」

陽乃「ゅ……うび……」

九尾「かの神は可能な限り呼ぶでないぞ」

陽乃「っ……ぅ、ん……」

九尾「もっとも……」

そう、もっとも

かの神、伊邪那美命は陽乃の許可もなく

なにより、九尾が前面に出ていたのもお構いなしに塗りつぶす形で表へと表れた

それだけ力が強いということになる

分かっていたことだが、余りにも凶悪だ

一番の問題は " かの神は陽乃の生死に興味がない " ことだ

そしてもう一つ

九尾程度ではまるで防波堤になっていなかったこと

神と妖

当然なのかもしれないが、力量差は圧倒的だ


528 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:25:40.73 ID:hcbXZnOQo

九尾「こんなものかのう」

陽乃の全身を通して撫でた九尾は、静かに手を引く

苦しそうなうめき声を漏らすばかりだった陽乃は、穏やかに寝息を立てている

身体の外側に問題はない

だが、中身がズタボロだ

無理矢理に何かをねじ込んだかのように歪になってしまっている

痛みを含めた感覚を失うのも無理はない

それを、九尾の力でただ誤魔化し補っているだけ。

九尾の力だけではここまでだろうか。

九尾も容赦なく人間を殺す

だがそれは、陽乃の害になる人間に限定される

そして、陽乃が望まない場合は特例を除いて手を引く

しかし、かの神は違う

陽乃の害になろうとなるまいと、今の限られた世界の人間すべてを滅ぼす

そして、陽乃が望まなくともそれを決行する

しかし、陽乃が力尽きたことで今回ばかりは運よく事なきを得た

かの神が満足に人を殺めるには、陽乃はまだ人間味が濃いのだろう

九尾「主も神の端くれならば、主様の体くらい癒してみよ」

九尾は静かに告げて、目を閉じる

陽乃は神に愛されている

だから、生命力を高める神もいるのだ

生まれる前から、神聖なものに触れてきたからこその寵愛

だがそれは間違いなく、呪いだ
529 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:33:59.36 ID:hcbXZnOQo

1日のまとめ

・ 乃木若葉 : 交流無()
・上里ひなた : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 土居球子 : 交流有(余計なことしないで、活動、大人を殴る、陽乃の行き先)
・ 伊予島杏 : 交流有(失う覚悟、余計なことしないで、活動、大人を殴る、陽乃の行き先)
・  郡千景 : 交流無()
・   九尾 : 交流有(眠る)

√ 2018/08/07 まとめ

 乃木若葉との絆 62→62(普通)
上里ひなたとの絆 56→56(普通)
 高嶋友奈との絆 52→52(普通)
 土居球子との絆 51→53(普通) ※
 伊予島杏との絆 58→60(普通) ※
  郡千景との絆 21→21(険悪)
   九尾との絆 63→63(普通)

※陽乃の評価・殺人を目撃
530 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:37:04.02 ID:hcbXZnOQo

√ 2018年 8月8日目 朝:丸亀城(寄宿舎)

01〜10 九尾
21〜30 友奈
41〜50 若葉
81〜90 大社

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※ぞろ目特殊
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 23:40:47.51 ID:puei3vJoO
532 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:44:00.83 ID:hcbXZnOQo

では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 23:58:37.19 ID:QNMt/gJVO

あの九尾すらどうにもならないとはとんでもない神様を覚醒させてしまったか…
それと何気に人間体の九尾久しぶりに出てきたけどこちらの方がやっぱり馴染みがあるな
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 01:33:58.83 ID:tLGsWPbaO

ここにきて話がどう転ぶかわからなくなってきたな
535 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:08:35.76 ID:8J6MLlino
では少しだけ
536 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:11:58.05 ID:8J6MLlino
√ 2018年 8月8日目 朝:丸亀城(寄宿舎)


陽乃「っ……」

目を覚ますと、伊予島家の戻っているなんてことも

ここ数日がただの夢で、まだ病院に監禁されているわけでもない景色が見える

約三年間過ごしてきた丸亀城に隣接して用意された寄宿舎の自室

陽乃「あれ……」

頭が動かせる

体も起こせるし、手足の感覚もしっかりとしている

吐き捨てた血に塗れているはずの布団も綺麗に真っ白で、

赤黒く汚れているはずの床まで綺麗になっている

陽乃「夢……じゃ、無いわよね?」

気を失うまでの出来事の記憶ははっきりとしている

九尾が悪戯したわけではないのなら、あれは現実に起こったことのはずだ

九尾を押しのけ、陽乃を瞬く間に衰弱させてしまうほどの力を持つ、伊邪那美命

あの感覚は忘れらない

あの感覚が、まやかしであるはずがない

陽乃「はぁ……」

どっちにしろだ。と、陽乃は溜息をつく

人を殺したことも、

その現場と誹謗中傷を杏たちに知られてしまった現実は変わらない
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:11:59.55 ID:W4oF1bDPO
かもーん
538 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:27:43.32 ID:8J6MLlino

陽乃が出来ることは限られている

まず、勇者や大社に見つかるわけにはいかない

杏や球子ならどうにかなるかもしれないが

若葉や友奈は危害を加えなくとも、大社に引き渡そうとするはずだ

千景にいたっては殺しに来てもおかしくない

大社に引き渡されたら最後

死ぬまで監禁か、モルモットか、処刑か

少なくとも良い結果は得られない

しかも、そのいずれにせよ、

人間は滅ぶべきだというかの神は陽乃の障害を消し去り、人類を滅亡させる可能性が非常に高い

それだけは避けなければならない

――いいや、避ける必要があるのだろうか?

こんな世界なんて、いっそ滅んでしまったらどうだろうか

陽乃「………」

なんて、考えてしまう

幸いにも、力を使い果たして死に至る結果が目に見えているため、

誰もいなくなった世界に独りぼっちなんてことにはならない

陽乃「幸い……? 幸い、幸い……何を馬鹿な……」


1、諏訪遠征に向かう
2、九尾を呼ぶ
3、伊邪那美命を呼ぶ
4、街に出る

↓2
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:30:11.71 ID:W4oF1bDPO
1
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:35:17.40 ID:Bp7HrvT00
1
541 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:56:37.43 ID:8J6MLlino

こうなったら、仕方がない

勇者達の装束のアップデートは確認できていないけれど

諏訪の遠征に出てしまうべきだろう

いつまでも寄宿舎には居られない

もちろん、大社の目がある四国にだっていられない

久遠陽乃が本当に人殺しであるという話は、大社に関わらず民衆に広がっていく

今でも酷い噂は出回っているけれど

確たる証拠のあるそれは、信憑性のある噂……つまりは真実として知られることになる

そうなっていく以上

陽乃は寄宿舎の外だって自由にはいられない

だから、遠征に行く

人殺しである陽乃を大社が諏訪遠征のメンバーとして考えるとはとても思えないし

そうでなくとも、

行方不明である危険人物を野放しにしたまま、捨て駒として想定されている諏訪遠征に人員を割くはずがないからだ

杏と球子には悪いが

二人を待っている余裕は陽乃には残されていないのだ
542 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 21:28:23.81 ID:8J6MLlino

陽乃「遠征に行くわ」

『主様、よいのか?』

陽乃「神託を出したとして……最短でも1日をこっちで生きていかないといけない」

そのたった一日を無事過ごせるとは限らない

神託があっても、久遠陽乃と言う危険分子を放置するわけがないので

場合によってはだとしても放置するという決定が下されるだろう

そうなれば、本当に救いようがない

そんな判断は聞きたくもない

『単独で、良いのかや?』

陽乃「私が死ぬって?」

『痛みはなくとも、先の祟りの残滓はいまだに抜けきっておらぬ。無理をすれば死ぬぞ』

陽乃「こっちにいたら殺されるわよ」

それも、人間に。

可能性は低いが、無いとは言い切れない。

『神託も無しに、往くのじゃな?』

陽乃「ん……」

神託がなければ勇者は動けない

杏と球子は抜け出すかもしれないが、

二人が今から行く壁のところにいなければ連れてはいけない

そうなれば、一人だ。


1、神託を出す
2、神託を出さない

↓2

※出す場合、遠征実行判定
※出さない場合、合流判定
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 21:33:34.71 ID:Bp7HrvT00
1
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 21:36:26.84 ID:h6umhvitO
1
545 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:05:05.62 ID:8J6MLlino

陽乃「ん……分かったわ。神託を出しましょ」

『よいのか?』

陽乃「もう……そうやって悩ませるの止めて」

『くははっ良いではないかよいではないか』

心から楽しんでいるかのような声

上機嫌な明るさに陽乃は眉を顰めて首を振る

溜息をついて、ベッドに座る

足元の影は狐の形をしたままだ

『神託を出すのは良いが、全員出せとは言わぬほうが良かろう』

陽乃「そうね。全員出せって言うと……私のせいで却下されるかもしれない」

『ならば人数は指定せぬほうが良かろうな……ふむ。神託らしく、あやふやに兆しを示そう』

陽乃「調整、どこまでできるの?」

『夢に干渉する程度じゃ。無だろうと有だろうと自由じゃぞ』

陽乃「なるほど……内容は任せるわ。諏訪の遠征に出られるようにして頂戴」

『うむ』

影が崩れて消える

神託を出した当日に即行動に移ってくれればいいのだが

きっと、そう簡単にはいかないだろうから

陽乃「最大、1日ね」

待てるのは、明日の朝までだ
546 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:21:33.83 ID:8J6MLlino

陽乃「はぁ……」

『何じゃ主様』

陽乃「っ……まだいたの?」

『妾は常におるぞ』

陽乃「神託は出してくれた?」

『うむ。兆しを与えるくらいこの場からでも容易じゃ』

なにしろ、寵愛を授けた上里ひなたが向こうにいる

ひなたを中継地点として力を拡散させれば、

向こう一帯に神託を感知させるくらい容易いのだという

陽乃「上里さんに影響はないのよね?」

『通常に人間よりは感度が上がる程度じゃ。問題はなかろう』

陽乃「そう……神託が伝わったかどうかもすぐに分かる?」

『無論』

陽乃「なら、どうなったか結果をすぐに教えて貰っていい? 決行でも却下でも保留でも」

『良かろう』

決行なら良し

保留なら、明日の朝以降になる場合は無視

却下だったら……

それはその時だ
547 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:26:18.43 ID:8J6MLlino

↓1コンマ判定 一桁

0 00 陽乃が見つかる
1、7、4 決行
3、6、2 保留
5、9、8 却下


※保留の場合、二桁目の日数分保留
※結構の場合、二桁目偶数で即日 奇数で2日以上先
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:28:51.56 ID:Bp7HrvT00
549 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:42:23.64 ID:8J6MLlino

√ 2018年 8月8日目 昼:丸亀城(寄宿舎)

01〜10 千景
21〜30 友奈
41〜50 若葉
81〜90 大社

↓1のコンマ

※遭遇判定
※それ以外は通常
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:42:38.58 ID:tLGsWPbaO
551 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:46:28.38 ID:8J6MLlino
では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


大社は諏訪遠征を保留しています(5日後までに決定)
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:52:20.88 ID:H5MkI+e/O

現状だと四国にはもう居場所がないし諏訪に関してもあまりモタモタしてる余裕もないしで早めに行きたいけど…
杏たちは今頃どんな反応してるのか気になるな
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