このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】
- 502 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:15:02.90 ID:K2SsYy4jo
-
陽乃「私……ただ、死にたくないだけだったのに……」
目の前で奪われていく命
その一つでも救うためにと、力を得た
それをもってしても、護れた親類は母親のみ
その死に物狂いの生還が、人々の憎悪の対象になっている
ならば、死ねばよかったと?
あぁ、死ねばよかったのだ。
みんながみんな、それを声高に叫んでいた
陽乃「死にたく、無いのに……」
『なにゆえ、主様が行った』
陽乃「貴女だったら、皆殺しにしていたでしょう?」
『奇妙なこと言うものじゃのう。アレらに、生かす意味があったのかや?』
陽乃「……だって、あんな人たちにだって、大切な人が」
『いるから……なぁに?』
陽乃「え……」
九尾の声が、急激に女性めいた高いものに変質する
狐の形をしていた影が歪んで、どろどろとした汚泥のように立体感を持ち始めて
それはやがて、一人の女性の姿へと変わる
- 503 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:31:10.03 ID:K2SsYy4jo
-
「そんなもの……殺してしまえば良いと思いますよ」
陽乃「九……尾……?」
九尾は、様々な姿を模すことのできる幻術を得意とする妖狐だ。
もちろん、女性の姿にだって切り替わることができる
だが、纏う雰囲気が異常だ
九尾とはまるで違う、憎悪に塗れている力
「もし仮に、貴女が言うようにそれらに大切な人がいたとしましょう」
陽乃「……っ」
「それらも含めて、殺してしまえばいいんです」
女性は、容姿に見合わず高い声で言う
子供のように甲高い、頭に響く声
けれど言葉は……純粋に殺意に満ちている
「みんな、殺してしまいましょう」
陽乃「やめて……」
「私を辱めた男の子供達が、私の子供をまた辱めたのだから」
陽乃「やめ――……ぁっ……」
立ち上がろうと床に手を突いた瞬間、視界が揺れる
下を向くと、血が滴る
九尾の力なんて比較にならないほどの、体への負担
陽乃「ぁ……ぅ……ごぷっ……」
身体の中身が捻り潰されるような痛み
それだけでなく、血が溢れ出ていく
「貴女 "私達の子" なのね」
陽乃「私……たち?」
「私とあの人の子だからそんなに苦しいのでしょうね。でも、大丈夫。貴女が死ぬ前に、この国の人間を皆殺しにするくらいは容易いですから」
- 504 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 21:46:11.63 ID:K2SsYy4jo
-
酷く冷たい手が、陽乃の頬を撫でる
九尾が先日話してくれた、九尾ではない力
彼女をもってして、最も厄介だと言わざるを得ない存在
――伊邪那美命
陽乃「わた……し……」
九尾は言った
貴女が滑稽にも人を殺めることを良しとしないからなりを潜めている。と
だが陽乃は今日、人を殺してしまった
九尾の力によるものでもなく、自分の力で。
多くの人に裏切られ、石を投げられ、憎悪の対象とされていた
彼女が表に出てくる理由としては十分すぎると言っても良い
「貴女は私の子。可愛い子。お願いを聞いてあげても良い」
だから。と、人の形をした憎悪は笑う
「人間なんて、殺してしまいましょう。貴女を傷つける人間も、それらの世界も。全部殺してしまいましょう」
それが、救い
それが、施し
「貴女はゆっくり、眠りなさい。私の可愛い子」
1、だめ……
2、殺してほしくない人もいるの
3、だったら……力を貸して……遠くに行く、ための力
4、私、死にたくないの
↓2
- 505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 21:47:58.99 ID:8hbJOjJHO
- 2
- 506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 21:48:32.16 ID:9NAOKT0K0
- 1
- 507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 22:09:29.54 ID:7eeVrDswO
- マジで誰か助けて
- 508 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 22:09:36.57 ID:K2SsYy4jo
-
陽乃「だめ……」
「どうして? 生かしておく必要があるの?」
心まで凍り付きそうな、冷めきった手
瞳には感情が感じられず、声も冷たい
「貴女を傷つける人間を守ってあげる意味があるの?」
陽乃「それは……」
杏の両親みたいな人もいる
けれど、ほとんどの人がそうではない
この神は、そんな違いなど考慮せずに皆殺しにするはずだ
陽乃「だめ」
「貴女を辱める人間なんて、生きていても仕方がないでしょう?」
陽乃「でも……私は殺したくない……」
「理解が出来ない」
かの神は、呟くように繰り返す
憎悪が影のように揺れて……陽乃の身体へと負荷が重くのしかかる
眩暈がする
口の中も気持ちが悪い
鼻血も出ているのか、血のにおいしかしない
- 509 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 22:34:24.58 ID:K2SsYy4jo
-
人を一人殺した
九尾に操られたわけでもない
自分の意思で、正当防衛の一つとして過剰に打撃を加えたことで死に至らしめた
それは、かれらが陽乃を敵視して向かって来たからだ
杏の両親の提案を受けてボランティアに参加しようとした
けれど
化け物だと言われ、石を投げられ、殺意を持ってぶつかられた。
だから
殺すことになった。
「貴女をずっと見てきたけれど……人間なんて生きているだけ無駄だとしか思えない」
陽乃「………」
「この先の未来で貴女を傷つける人間を生かしておく理由なんてある?」
陽乃「でも……ぅ……げほっ……」
「殺してしまいましょう?」
陽乃「だめ……」
瞼が重い
全身が気怠くて、動かなくなっていく
口元から血が滴り、床に倒れこんでしまう
- 510 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:01:22.14 ID:K2SsYy4jo
-
止めるものがいなければ、伊邪那美命は殺しに行ってしまう
けれど、その制御をするだけの余力が陽乃にはなかった
人を殺してしまったこと
初めての神の顕現
その心身の負荷は耐えきれるようなものではなくて
陽乃「ぁ……ぅ……」
陽乃の体中から流れ出ていく血が溜まりとなって
凄惨な事件現場が出来上がっていく
陽乃「ぁぇ……」
「貴女の半分があの人だから、そんなにも愛してしまうの?」
もうあがりさえしない手を伸ばす陽乃を見下ろす神様は、
陽乃の震えるだけの手を優しく包んで、頬を撫でる
「不要な人間なんて愛したって傷つくだけなのに」
とても
とても悲しそうな声だった
やがて、陽乃の意識は薄れ――消えていく
霞んだ視界に見える女性は、
その瞼が閉じる瞬間までは、そこにいてくれた
- 511 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:09:48.98 ID:K2SsYy4jo
-
√ 2018年 8月7日目 夜:
08〜17 若葉
34〜43 友奈
67〜76 九尾
↓1のコンマ
※ぞろ目 悪(場所移動)
- 512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:10:45.58 ID:8hbJOjJHO
- あ
- 513 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/15(月) 23:16:07.79 ID:K2SsYy4jo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:21:11.90 ID:8hbJOjJHO
- 乙
流れ的にゲームオーバーかと思ったらまだ続くみたいだけどこの状況どうするんだろう…
あと九尾が最早悪霊と化してて辛い
- 515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/15(月) 23:31:12.43 ID:jR2Qo/2IO
- 乙
陽乃さんが死ぬまでBADENDにはならないでしょ
あと殺そうとしてるのは九尾じゃなくてイザナミ様では?
- 516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 00:06:27.67 ID:LSRW9k5fO
- 乙
まだまだ踏ん張れるぞ
陽乃の底力を信じろ
まあとりあえず杏か球子メンタルケアしにきて(他力本願)
- 517 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:28:38.28 ID:hcbXZnOQo
- では少しだけ
- 518 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:29:07.27 ID:hcbXZnOQo
-
√ 2018年 8月7日目 夜: 丸亀城(寄宿舎)
陽乃「ぅ……」
ゆっくりと目を覚ますと、
鈍い頭の痛みがじわじわと広がっていき、思わず呻いてしまう
口の中にはまだ血の味とにおいが残っていて
喉の渇きを潤そうとする唾液に交じって流れ込んでくる
陽乃「ぁ」
体を起こすだけの力が入らない
頭以外の全てが自分のものではないかのように微動だにしてくれない
声も出ず、かろうじて出来る呼吸と瞬きだけが今の陽乃の力だった
頭も動かせないので、見えるのは天井くらい
空気にも血のにおいが混じってしまっているけれど、居場所くらいはぼんやりとした頭でも分かる
失神する直前にいた、丸亀城の寄宿舎
それも、自分に与えられた部屋だ
陽乃「………」
不可解なのは、姿勢ただしくベッドの上で横になっていること
気を失ったのはベッド脇の床
自分が吐き、滴らせた血だまりの中に倒れこんだはず
なのに、気が付けばベッドの上
誰かが助け起こしてくれたと見て間違いない
問題は、誰が。という点だろう
- 519 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 20:50:29.16 ID:hcbXZnOQo
-
杏や球子である可能性は万に一つもない
二人には行先を告げていないし、まさかこんな場所に戻ってくるだなんて予想はしないだろうから。
せいぜい、久遠家の家だった場所や神社が候補に挙がるくらいだ
自分からこんな危険な場所に乗り込むなんて考えない……だろうか?
諏訪遠征よりも危険ではない
それなら、可能性の一つとして考えるのも無理はない
陽乃「っ」
だが、だとしたらこの場にいないのがおかしい
どちらか一方が偶然その可能性を見出して様子を見に来たとして、
残ったもう一方を呼ばないわけがない
事情聴取を受けるということになっていたとしても
杏か球子のどちらかは必ずこの部屋に残るだろうし
どうしてもと言うのなら、友奈か若葉のどちらかに見ていて貰えるようにお願いするはずだ
陽乃「ぁぅぁ……ぁ……」
声を出そうとすると、喉が焼けるように痛む
伊邪那美命……九尾よりもはるかに強力な、本当の神を呼び起こした代償
ほんの数分の会話だけでこれだけ影響が出るのだから
長時間の戦闘など行おうものなら、途中で力尽きるのが関の山だろう
もしくは、九尾のように慣れれば少しは耐えられるようになるのかもしれない
耐えられたとして、その力を使う影響が恐ろしいけれど。
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 20:56:25.98 ID:u4BkQIP6O
- ダメージは受けたままか…
- 521 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 21:02:35.95 ID:hcbXZnOQo
-
陽乃「ん……」
杏や球子と同じように、若葉や友奈が見つけてくれていたとしたら
誰かがいてくれるだろうし、
もしも千景が見つけていたなら、
首から上が床に転がっているだけで、ベッドの上には置いてくれていないはずだ
床に転がる自分の体を見せるなんて猟奇的発想があるなら別だけれど。
そもそも、そこまで来たら陽乃はさすがに死んでいる
病院ではなく寄宿舎の自室と言うことから、大社でもない。
つまり、元から考えるまでもなく助け起こしてくれた人物は一人しかいないのだ
今は目を覚ましたことも呼び出すことも自力では難しいが。
陽乃「ぅ……ぃ……ぅ……げほっ……げほっぁっ……ぅぶっ……ぉぇえ゛……」
どうにか呼ぼうとして、喉奥を掠めた空気に咳き込む
渇いた喉がそれ傷つけられて、血が滲んで詰まり、吐血して……そのまま嘔吐する
痛めた喉を通っていく胃酸の刺激に胸やけがして、胸の奥の痒みが生まれて不快感に満ちる
陽乃「ぃぅ……」
死ぬ。
このまま死んでしまうのではないかとさえ思うほどの辛さ
それでもいい
見つけた人に、なんて惨めな姿だと嘲笑されるような死に様でも
この苦しみから解放して貰えるのならそれでもいいかもしれないとさえ、少し思う
血と胃液の混じり合った異臭のする布団
こんな状況では普通、眠れるはずもないのに眠れそうなのは神社での野宿のたまものだろうか。
それとも、それほど憔悴しきっているか。
1、無理に動く
2、無理に声を出す
3、眠る
↓2
※1〜3 判定有
- 522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:05:40.28 ID:pPLYJs5S0
- 3
- 523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:06:15.27 ID:u4BkQIP6O
- 3
- 524 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 21:19:07.42 ID:hcbXZnOQo
-
01〜10 杏
11〜20 球子
21〜30 伊邪那美命
31〜40 過去
41〜50 九尾
51〜60 友奈
61〜70 若葉
71〜80 大社
81〜90 九尾
91〜00 千景
↓1のコンマ
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 21:22:43.87 ID:Z3ZK3xwQO
- あ
- 526 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 22:02:14.98 ID:hcbXZnOQo
-
陽乃「ぅ……っ……」
眠るというよりは、意識の消失に近い眠気
だんだんと瞼が降りていく中に
ふと、どこからともなく人型の何かが映りこむ
九尾「主様、眠るのかや?」
陽乃「ぁ……っ」
九尾「ふむ……」
気を失う前に聞いた女性の声とは違って
良く聞いた声
これは、九尾の声だ
九尾「妾と違って、かの神は容赦がないのう」
頬に、大きな手が触れる
優しい手だ
冷たくない、人肌の温かみを感じる手
九尾「しばし休むとよい」
陽乃「っ……」
九尾の指が口元を拭う
鼻の部分にもその細長い指先が走って
血の味とにおいが消えていく
- 527 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 22:43:41.41 ID:hcbXZnOQo
-
九尾の手は、
顔から首、胸、腹部……と、ゆっくり下へと下がっていく
九尾「……」
九尾の手が触れた部分は、どうしてだか感覚が戻ってくる
鋭い痛みの後に、鈍い痛み
そうして、痛みがそのまま消える
九尾「祟りが深いのう……」
陽乃「ゅ……うび……」
九尾「かの神は可能な限り呼ぶでないぞ」
陽乃「っ……ぅ、ん……」
九尾「もっとも……」
そう、もっとも
かの神、伊邪那美命は陽乃の許可もなく
なにより、九尾が前面に出ていたのもお構いなしに塗りつぶす形で表へと表れた
それだけ力が強いということになる
分かっていたことだが、余りにも凶悪だ
一番の問題は " かの神は陽乃の生死に興味がない " ことだ
そしてもう一つ
九尾程度ではまるで防波堤になっていなかったこと
神と妖
当然なのかもしれないが、力量差は圧倒的だ
- 528 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:25:40.73 ID:hcbXZnOQo
-
九尾「こんなものかのう」
陽乃の全身を通して撫でた九尾は、静かに手を引く
苦しそうなうめき声を漏らすばかりだった陽乃は、穏やかに寝息を立てている
身体の外側に問題はない
だが、中身がズタボロだ
無理矢理に何かをねじ込んだかのように歪になってしまっている
痛みを含めた感覚を失うのも無理はない
それを、九尾の力でただ誤魔化し補っているだけ。
九尾の力だけではここまでだろうか。
九尾も容赦なく人間を殺す
だがそれは、陽乃の害になる人間に限定される
そして、陽乃が望まない場合は特例を除いて手を引く
しかし、かの神は違う
陽乃の害になろうとなるまいと、今の限られた世界の人間すべてを滅ぼす
そして、陽乃が望まなくともそれを決行する
しかし、陽乃が力尽きたことで今回ばかりは運よく事なきを得た
かの神が満足に人を殺めるには、陽乃はまだ人間味が濃いのだろう
九尾「主も神の端くれならば、主様の体くらい癒してみよ」
九尾は静かに告げて、目を閉じる
陽乃は神に愛されている
だから、生命力を高める神もいるのだ
生まれる前から、神聖なものに触れてきたからこその寵愛
だがそれは間違いなく、呪いだ
- 529 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:33:59.36 ID:hcbXZnOQo
-
1日のまとめ
・ 乃木若葉 : 交流無()
・上里ひなた : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 土居球子 : 交流有(余計なことしないで、活動、大人を殴る、陽乃の行き先)
・ 伊予島杏 : 交流有(失う覚悟、余計なことしないで、活動、大人を殴る、陽乃の行き先)
・ 郡千景 : 交流無()
・ 九尾 : 交流有(眠る)
√ 2018/08/07 まとめ
乃木若葉との絆 62→62(普通)
上里ひなたとの絆 56→56(普通)
高嶋友奈との絆 52→52(普通)
土居球子との絆 51→53(普通) ※
伊予島杏との絆 58→60(普通) ※
郡千景との絆 21→21(険悪)
九尾との絆 63→63(普通)
※陽乃の評価・殺人を目撃
- 530 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:37:04.02 ID:hcbXZnOQo
-
√ 2018年 8月8日目 朝:丸亀城(寄宿舎)
01〜10 九尾
21〜30 友奈
41〜50 若葉
81〜90 大社
↓1のコンマ
※それ以外は通常
※ぞろ目特殊
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 23:40:47.51 ID:puei3vJoO
- あ
- 532 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/16(火) 23:44:00.83 ID:hcbXZnOQo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/16(火) 23:58:37.19 ID:QNMt/gJVO
- 乙
あの九尾すらどうにもならないとはとんでもない神様を覚醒させてしまったか…
それと何気に人間体の九尾久しぶりに出てきたけどこちらの方がやっぱり馴染みがあるな
- 534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 01:33:58.83 ID:tLGsWPbaO
- 乙
ここにきて話がどう転ぶかわからなくなってきたな
- 535 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:08:35.76 ID:8J6MLlino
- では少しだけ
- 536 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:11:58.05 ID:8J6MLlino
- √ 2018年 8月8日目 朝:丸亀城(寄宿舎)
陽乃「っ……」
目を覚ますと、伊予島家の戻っているなんてことも
ここ数日がただの夢で、まだ病院に監禁されているわけでもない景色が見える
約三年間過ごしてきた丸亀城に隣接して用意された寄宿舎の自室
陽乃「あれ……」
頭が動かせる
体も起こせるし、手足の感覚もしっかりとしている
吐き捨てた血に塗れているはずの布団も綺麗に真っ白で、
赤黒く汚れているはずの床まで綺麗になっている
陽乃「夢……じゃ、無いわよね?」
気を失うまでの出来事の記憶ははっきりとしている
九尾が悪戯したわけではないのなら、あれは現実に起こったことのはずだ
九尾を押しのけ、陽乃を瞬く間に衰弱させてしまうほどの力を持つ、伊邪那美命
あの感覚は忘れらない
あの感覚が、まやかしであるはずがない
陽乃「はぁ……」
どっちにしろだ。と、陽乃は溜息をつく
人を殺したことも、
その現場と誹謗中傷を杏たちに知られてしまった現実は変わらない
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:11:59.55 ID:W4oF1bDPO
- かもーん
- 538 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:27:43.32 ID:8J6MLlino
-
陽乃が出来ることは限られている
まず、勇者や大社に見つかるわけにはいかない
杏や球子ならどうにかなるかもしれないが
若葉や友奈は危害を加えなくとも、大社に引き渡そうとするはずだ
千景にいたっては殺しに来てもおかしくない
大社に引き渡されたら最後
死ぬまで監禁か、モルモットか、処刑か
少なくとも良い結果は得られない
しかも、そのいずれにせよ、
人間は滅ぶべきだというかの神は陽乃の障害を消し去り、人類を滅亡させる可能性が非常に高い
それだけは避けなければならない
――いいや、避ける必要があるのだろうか?
こんな世界なんて、いっそ滅んでしまったらどうだろうか
陽乃「………」
なんて、考えてしまう
幸いにも、力を使い果たして死に至る結果が目に見えているため、
誰もいなくなった世界に独りぼっちなんてことにはならない
陽乃「幸い……? 幸い、幸い……何を馬鹿な……」
1、諏訪遠征に向かう
2、九尾を呼ぶ
3、伊邪那美命を呼ぶ
4、街に出る
↓2
- 539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:30:11.71 ID:W4oF1bDPO
- 1
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 20:35:17.40 ID:Bp7HrvT00
- 1
- 541 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 20:56:37.43 ID:8J6MLlino
-
こうなったら、仕方がない
勇者達の装束のアップデートは確認できていないけれど
諏訪の遠征に出てしまうべきだろう
いつまでも寄宿舎には居られない
もちろん、大社の目がある四国にだっていられない
久遠陽乃が本当に人殺しであるという話は、大社に関わらず民衆に広がっていく
今でも酷い噂は出回っているけれど
確たる証拠のあるそれは、信憑性のある噂……つまりは真実として知られることになる
そうなっていく以上
陽乃は寄宿舎の外だって自由にはいられない
だから、遠征に行く
人殺しである陽乃を大社が諏訪遠征のメンバーとして考えるとはとても思えないし
そうでなくとも、
行方不明である危険人物を野放しにしたまま、捨て駒として想定されている諏訪遠征に人員を割くはずがないからだ
杏と球子には悪いが
二人を待っている余裕は陽乃には残されていないのだ
- 542 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 21:28:23.81 ID:8J6MLlino
-
陽乃「遠征に行くわ」
『主様、よいのか?』
陽乃「神託を出したとして……最短でも1日をこっちで生きていかないといけない」
そのたった一日を無事過ごせるとは限らない
神託があっても、久遠陽乃と言う危険分子を放置するわけがないので
場合によってはだとしても放置するという決定が下されるだろう
そうなれば、本当に救いようがない
そんな判断は聞きたくもない
『単独で、良いのかや?』
陽乃「私が死ぬって?」
『痛みはなくとも、先の祟りの残滓はいまだに抜けきっておらぬ。無理をすれば死ぬぞ』
陽乃「こっちにいたら殺されるわよ」
それも、人間に。
可能性は低いが、無いとは言い切れない。
『神託も無しに、往くのじゃな?』
陽乃「ん……」
神託がなければ勇者は動けない
杏と球子は抜け出すかもしれないが、
二人が今から行く壁のところにいなければ連れてはいけない
そうなれば、一人だ。
1、神託を出す
2、神託を出さない
↓2
※出す場合、遠征実行判定
※出さない場合、合流判定
- 543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 21:33:34.71 ID:Bp7HrvT00
- 1
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 21:36:26.84 ID:h6umhvitO
- 1
- 545 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:05:05.62 ID:8J6MLlino
-
陽乃「ん……分かったわ。神託を出しましょ」
『よいのか?』
陽乃「もう……そうやって悩ませるの止めて」
『くははっ良いではないかよいではないか』
心から楽しんでいるかのような声
上機嫌な明るさに陽乃は眉を顰めて首を振る
溜息をついて、ベッドに座る
足元の影は狐の形をしたままだ
『神託を出すのは良いが、全員出せとは言わぬほうが良かろう』
陽乃「そうね。全員出せって言うと……私のせいで却下されるかもしれない」
『ならば人数は指定せぬほうが良かろうな……ふむ。神託らしく、あやふやに兆しを示そう』
陽乃「調整、どこまでできるの?」
『夢に干渉する程度じゃ。無だろうと有だろうと自由じゃぞ』
陽乃「なるほど……内容は任せるわ。諏訪の遠征に出られるようにして頂戴」
『うむ』
影が崩れて消える
神託を出した当日に即行動に移ってくれればいいのだが
きっと、そう簡単にはいかないだろうから
陽乃「最大、1日ね」
待てるのは、明日の朝までだ
- 546 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:21:33.83 ID:8J6MLlino
-
陽乃「はぁ……」
『何じゃ主様』
陽乃「っ……まだいたの?」
『妾は常におるぞ』
陽乃「神託は出してくれた?」
『うむ。兆しを与えるくらいこの場からでも容易じゃ』
なにしろ、寵愛を授けた上里ひなたが向こうにいる
ひなたを中継地点として力を拡散させれば、
向こう一帯に神託を感知させるくらい容易いのだという
陽乃「上里さんに影響はないのよね?」
『通常に人間よりは感度が上がる程度じゃ。問題はなかろう』
陽乃「そう……神託が伝わったかどうかもすぐに分かる?」
『無論』
陽乃「なら、どうなったか結果をすぐに教えて貰っていい? 決行でも却下でも保留でも」
『良かろう』
決行なら良し
保留なら、明日の朝以降になる場合は無視
却下だったら……
それはその時だ
- 547 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:26:18.43 ID:8J6MLlino
-
↓1コンマ判定 一桁
0 00 陽乃が見つかる
1、7、4 決行
3、6、2 保留
5、9、8 却下
※保留の場合、二桁目の日数分保留
※結構の場合、二桁目偶数で即日 奇数で2日以上先
- 548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:28:51.56 ID:Bp7HrvT00
- あ
- 549 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:42:23.64 ID:8J6MLlino
-
√ 2018年 8月8日目 昼:丸亀城(寄宿舎)
01〜10 千景
21〜30 友奈
41〜50 若葉
81〜90 大社
↓1のコンマ
※遭遇判定
※それ以外は通常
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:42:38.58 ID:tLGsWPbaO
- あ
- 551 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/17(水) 22:46:28.38 ID:8J6MLlino
- では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
大社は諏訪遠征を保留しています(5日後までに決定)
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:52:20.88 ID:H5MkI+e/O
- 乙
現状だと四国にはもう居場所がないし諏訪に関してもあまりモタモタしてる余裕もないしで早めに行きたいけど…
杏たちは今頃どんな反応してるのか気になるな
- 553 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 00:18:10.33 ID:XTEi82qoO
- 乙
もう保留の結果待たずに行くかもしれないだけど杏たちついてきてくれるかなあ
- 554 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 19:57:28.88 ID:QoCov0zMo
-
では少しだけ
- 555 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 19:58:11.22 ID:QoCov0zMo
-
√ 2018年 8月8日目 昼:丸亀城(寄宿舎)
お昼にもなれば、流石に神託が下ったことは大社に広がり、
それについての会議も執り行われることになる
幸いにも、巫女の中でも特に秀でているのがひなたと言うこともあって
一般の巫女には伝わらないような内容も、ひなたにだけは伝わってきたりもする
そのせいで力を通して九尾に伝わり、九尾から陽乃へと筒抜けになっていたりもするのだが。
陽乃と九尾を除けば、ひなたを含めても誰も知らないのだからどうしようもないのだろうけれど。
その結果、遠征の有無は5日後まで答えの先延ばしが行われると、陽乃へと伝えられた。
陽乃「……は?」
『5日後までには答えを出すそうじゃ』
陽乃「それは聞いたわ。どうして?」
『ふむ……』
1つ、諏訪は元々時間稼ぎとして考えられていたこと
1つ、諏訪まで行くには、勇者の経験が浅すぎること
1つ、諏訪襲撃後に、四国が襲撃を受けた場合に防衛出来ない可能性があること
1つ、久遠陽乃という危険人物が国内に留まっていること
理由としてはこんなものだと九尾は並び立てて、一息つく
言われれば確かにと納得する話ではある。
即時棄却とならず、保留となったのがむしろ運が良かったとさえ言える状況だ
『主様、言わずとも承知と思うが……人間どもは見捨てるつもりじゃぞ』
陽乃「ええ、分かってるわ……」
- 556 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 20:09:53.24 ID:QoCov0zMo
-
大々的に神託が降りた以上、まったく聞く耳を持たないというのは
巫女はもちろん、神々に対しても非常に無礼なふるまいである
大社という組織が、それを進んで行うとは思えない
熟考したという体裁を整え、やはり状況的に送ることは出来ない。という判断になるだろう
もちろん、その逆に "ご神託なのだから遂行すべき" ということにならないとも限らない。
しかし、それでも今日明日に答えが出るはずがない
最低でも2日3日はかかるだろうし、5日後までと言うのならそれだけの時間を浪費する。
『小娘共を呼ぶのかや?』
陽乃「連絡手段がないし……」
それに、呼んだところで犠牲者を増やすだけになるかもしれない
あの二人は勇者だ
今は脆くても、いずれまともに戦えるようになる
その頃には、久遠陽のなんて化け物も討てるだけの力が備わっているかもしれない
なにより、この諏訪遠征は陽乃の我儘に様なものでしかなく、
本当に必要な行為ではないのだから。
ここで無理して死ぬのは、ただの犬死でしかない
なにより――
陽乃「私、あの二人の目の前で人を殺したのよ? そんな私が、付いてきてなんて言えるわけないじゃない」
『死して然るべき有象無象を殺めたところで、問題などあるまい』
陽乃「あなた達基準では。でしょう……私達は違うの」
- 557 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 20:21:14.37 ID:QoCov0zMo
-
陽乃「それに、あなたの言う有象無象にとって、死ぬべき存在は私よ」
自分を名指しして、胸元に手をあてがう
人を一人殺したのに
多くの人にそれを見られ、より一層責め立てられる側に立たされたというのに
杏と球子
陽乃の友人だと言い張る二人の勇者の目の前でそれを行ってしまったというのに
心臓の音はまるで高鳴ったりしない
緊張も恐怖もなく平穏無事、まるで些末なことを語っているかのよう
でも少しだけ、痛みを感じる
陽乃「そんな私が、あの二人と一緒にいるのを見られるわけにはいかない」
『殺せばよい』
陽乃「馬鹿言わないで」
『不服なのじゃろう?』
陽乃「望んでたことだもの」
『妾に主様の戯言が通じるとでも』
陽乃「だとしてもよ」
俯く視線の先には狐を模した影が見える
そこに、九尾がいるのだ
陽乃「私の望んでた結果であることに違いない」
『抜かしおる』
陽乃「もう、裏切られるのも……手を伸ばされるのも嫌だから」
- 558 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 20:36:17.05 ID:QoCov0zMo
-
あの二人は、本当に善良なのだろう
民衆曰く化け物である陽乃を友人とまでいうのだから。
裏に何かを秘めているのでなければ、馬鹿なだけだと思いたくなるほどに優しいのだ。
だが、その二人は人々の声を聞いた
陽乃に対して何を思い、抱き、行動しようとしたのかを知った
それに対しての陽乃の態度を目の当たりにし、果てには人を殺す瞬間までもをその目に焼き付けた
勇者が守るべき一般の人間を、陽乃は殺したのだ
杏と球子が勇者であることは、あの場の人々の誰もが知っている
その二人と陽乃が、今後行動を共にしていることを知られれば、
杏の家は多大な被害を被ることになるだろうし、もしかしたら球子の家だって被害を受けるかもしれない
今は勇敢に立ち向かい、蹴り飛ばされた勇者だと言われる程度かもしれないが
知られた後はもう、化け物の仲間に成り下がる
そうなったら取り返しはつかない
陽乃「独りが良いって、初めから言ってたことじゃない」
『よいのか?』
陽乃「いいの。これで」
『一人で往くのかや?』
陽乃「そうね……向こうで合流しなかったら。一人になる」
1、遠征に行く
2、明日の朝、出発 ※9日目朝
3、1日待つ ※9日目昼
↓2
※1 合流判定1回
※2 合流判定3回 + 大社(千景・若葉・友奈)遭遇判定
※3 合流判定4回 + 大社(千景・若葉・友奈)遭遇判定
※大社遭遇の場合、判定により戦闘
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 20:38:20.15 ID:JDCxj5WHO
- 2
- 560 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 20:41:52.64 ID:gPjknOjEO
- 2
- 561 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 21:07:00.31 ID:QoCov0zMo
-
陽乃「出発は明日の朝にするわ」
『見つかるやもしれぬが』
陽乃「まさか……こんな場所で待ちぼうけるつもりなんて毛頭ない」
寄宿舎は真っ先に大社が詰めかけてきてもおかしくない場所だ
昨日の今日でまだ人が来ていないこと自体奇跡だと言える
そんな場所に、いつまでもいられない
神社……は、もう無理だ
一度、あの場所が潜伏地だと晒してしまったのだから
捜索となればすぐに人が来る
瀬戸大橋の方、壁のところで待機が妥当だろう
陽乃「また野宿になるかもしれないけど……廃屋くらいはあるはずだし」
廃屋だろうと、あの神社よりはマシだ
『見つかれば厄介なことになるぞ』
陽乃「ええ」
『くふふふっそうか……ならば妾は何も言わぬ』
好きにするがいい。と、
九尾は喉を鳴らしながら笑った
- 562 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 21:27:19.78 ID:QoCov0zMo
-
陽乃「………」
杏と球子は陽乃が遠征に行こうとしているのは知っている
陽乃がたとえ一人であろうと
遠征に向かう意思があるということも
ただ、杏には最低でも三日後と言ってある
そのまま考えているなら、
杏たちが向こうに行くのは明後日
特に約束の場所を決めたわけでもないし、
時間だって決めてもいない
合流する可能性は限りなく低いと言っていいだろう
いや、しない方が良い
したところで、二人が以前のように協力関係にあるとは限らないのだから。
場合によっては、その場で戦いになることもある。
陽乃「っ……」
いずれにしても、ハイリスクだ
最悪の展開でさえなければ……どうにかなるが。
陽乃「来ないで、くれると良いのだけど」
- 563 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 21:39:03.05 ID:QoCov0zMo
-
15〜24 大社
58〜67 若葉
83〜92 友奈
↓1のコンマ
※ぞろ目 千景
※それ以外は通常
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 21:41:23.59 ID:M2X/2sudO
- あ
- 565 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 22:00:30.83 ID:QoCov0zMo
-
外を駆ける足音が聞こえた。
まだここにいても問題が無かったころに何度も聞いた音
鍛練に努めているそれは、若葉の――
陽乃「あ……」
違う。
足音は間違いなく若葉のものだ
しかし、それはいつも聞いていた走り込みではなく
もっと、慌ただしい
その音は陽乃のいる部屋の前で途絶えると、
ドアノブが音を立てる
ドアの鍵をかけているおかげで、一度で入ってくることはなかったが、
しかし、若葉はなぜか合鍵を使って容易く侵入してきた
若葉「っ……」
陽乃「久しぶりね」
窓から逃げ出すことも考えたが、
そうしたとして、千景たちに見つかる可能性がないとは言えない
だったら、まだ話し合う余地のある若葉と対峙したほうが楽だと考えたのだ
- 566 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 22:10:25.06 ID:QoCov0zMo
-
若葉「ここに、いたのか」
陽乃「いると思ったから来たんでしょう?」
若葉「半信半疑だった」
昨日、なぜだか背筋が凍る思いをした寄宿舎
ドアの前にまで来て一度は開けようかと思ったが、開けられずにいたが
今日は開けるしかなかった
若葉「……指示が来たんだ。久遠陽乃を見つけろ。と」
声を絞り出して、
血が滲みそうなほど強く拳を握る
陽乃「それで?」
若葉「それで、だと……?」
陽乃「ええ。どんな話が来たかってことくらい、分かってるわ」
若葉「くっ……っ……なぜだ! なぜなんだッ!」
陽乃「………」
若葉「なにがあったんだ! どうして……人を殺したんだ」
陽乃「大社? それとも土居さん達?」
若葉「そんなことどうだって――」
陽乃「土居さん達でしょ……じゃないと、疑いから入らないのがおかしいもの」
若葉「茶化さないでくれ!」
- 567 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 22:54:12.45 ID:QoCov0zMo
-
若葉は、勇者としての装束をすでに着込んでいる
青を基調としていて、清楚さを感じさせる装束
左の腰に鞘を構え、まだ納めたままの刀の柄をゆっくり握る
若葉「頼む……怪我をさせたくない」
陽乃「良いの? 人を殺した私に手加減なんて」
若葉「迫害を受けた件は聞いた」
若葉は、大社から陽乃捜索の命令を受けた
しかも、生死を問わないというのだから相当な何かがあったのは明白
すぐに杏と球子に連絡を取って何があったのかを聞いたのだ
若葉「最悪の場合、伊予島の両親まで被害に遭いそうだったのも聞いた。だとしても……殺す必要なんて」
相手が武器になるものを持っているのも聞いている
しかし、それでも聞かずにはいられなかった
若葉「頼む……本気になりたくない」
陽乃「……馬鹿な人」
1、窓から逃げる
2、生かしておく価値がなかった。それだけよ
3、武器が有効だなんて、思われたら面倒だもの
4、だって、私は化け物だもの
5、いいわ。その装束の性能、テストしましょう
↓2
- 568 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 22:55:15.50 ID:M2X/2sudO
- 1
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 22:57:07.57 ID:9bPO1skl0
- 3
- 570 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/18(木) 23:01:10.06 ID:QoCov0zMo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 571 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 23:11:43.25 ID:M2X/2sudO
- 乙
若葉の装束の初登場がこんな形になるとは…
立場上見逃す訳にはいかないし辛いだろうなぁ
- 572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 00:26:43.53 ID:RM8QrF/kO
- 乙
マジでどうなってしまうのか……
- 573 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 20:55:16.28 ID:6J3Qg0q7o
-
では少しだけ
- 574 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 20:55:48.66 ID:6J3Qg0q7o
-
陽乃「武器が有効だなんて、思われたら面倒だもの」
若葉「武器なんて、久遠さんには何の意味もないじゃないか」
陽乃「そうね」
若葉「私たちの……いや、神々の力を宿したものでなければ、久遠さんには傷一つつけられない。だろう?」
陽乃「そうよ。化け物らしく、私の体は丈夫だわ」
簡単にに血反吐を吐くし
昨日なんて、途中で失神したうえに今朝までまともに話すことさえできない状態だったけれど。
それはあくまで、自滅
自分よりも一回り大きい大人から暴力を振るわれたところで
今の陽乃には、痛くもかゆくもない
陽乃「でも、武器の一つが通用しなければ二つになるし、刀が駄目なら銃にもなるでしょ?」
若葉「だからって……」
陽乃「抵抗する意思がある限り終わらない。だから、その心を折る必要があった」
自分達では不可能なのだと
自分達ではただ殺されるだけなのだと
そう思わせてしまうのが武器が通用しないと思わせるうえで一番、手っ取り早い
陽乃「相手が武器を持って私が怖気づいたら、みんなが武器を手にするからそれは出来ない」
若葉「だろう、な」
陽乃「武器を持った人をただ打倒しても、武器の数や種類が変わるだけ」
若葉「………」
陽乃「だから……私言ったのよ? それを手にしたら手加減は出来ないって、殺すって」
でも、彼は退かなかった
蛮勇にも挑み、そうして陽乃が討った
陽乃「もう、笑うしかなかった」
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 21:03:23.81 ID:P62HRT/7O
- 陽乃さん…
- 576 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 21:03:30.39 ID:6J3Qg0q7o
-
陽乃「私の武器はこの拳1つ。分かるでしょう? この手で、人を1人殺したのよ」
若葉「っ……でも、殺す気はなかったんだろう? 事故だったんだろう?」
陽乃「殺せるだけの力を自覚しておきながら、手を抜かなかったんだもの。それはもう、故意だわ」
若葉は目を見開き、
嘲笑交じりに自分の右手で拳を作って見せる陽乃から足元へと視線を下げる
怒りか、悲しみか
若葉に握られる刀がその体の震えによって微かな音を立てる
それはそうだろう
他人がどう言おうと、勇者だと思っていた人が人を1人殺したのだから失望もする
陽乃「人質を持ち出されても面倒だもの。あの瞬間は殺すしかなかったのよ」
若葉「人質は、有効だからか?」
陽乃「まさか」
若葉「土居や伊予島だけでなく、あの場には伊予島の両親がいた……それを見過ごせる人じゃないはずだ」
陽乃「関係ない。赤の他人だし」
若葉「久遠さん!」
陽乃が何を思い、そうしたのか
分かっているのは本人とその身に宿している九尾くらいだろう
しかし、それがどんなものであれ、いかなる理由であれ
陽乃が人を殺したという事実に変わりはなく、それを多くの人に目撃されてしまったことも変わらない
そこから派生した久遠陽乃を討てという命令もまた、どうにもならない
若葉「頼む……大人しく私と一緒に来てくれ」
- 577 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 21:19:22.04 ID:6J3Qg0q7o
-
陽乃「そんな、今から戦います。みたいな状態で何言ってるのよ」
若葉「念のためだ」
陽乃「私が大人しく付いてきてくれるって、思ってる?」
若葉「思ってないから、お願いしてるんだ」
若葉は歯を噛みしめるように、首を振る
陽乃は自由奔放とは少し違うが、大社が関わることに置いて素直に従ってくれるとは思えない
しかし
若葉「ここで従って貰えないと、困るんだ」
陽乃「勇者の肩書に傷がつくから?」
若葉「それはもうついてる……二人が久遠さんを止められなかったからな」
陽乃「……そう。申し訳ないことをしちゃったかな」
若葉「従って貰えなければ、戦う必要がある」
陽乃「なるほど」
千景とは出会って即戦闘になると考えていた陽乃だが
若葉とも戦闘は避けられないような雰囲気だ
諏訪遠征に行くには、ここで大赦に拘束されるわけにはいかない
まず間違いなく断罪されるだろうし監禁されるだろうし
以前とは比べものにならないほどに厳重な拘束をされることになるだろう
若葉「従ってくれ」
陽乃「私を殺せたら、英雄だって称賛して貰えるのに」
若葉「そんなもの……そんなものに何の意味もない!」
陽乃「ごもっとも」
1、悪いけれど、諏訪に旅行する予定があるから……逃げるわ
2、どうしてもと言うなら、力づくでかかってきなさい
3、不意打ち
4、代わりに、諏訪遠征に行ってくれるなら考えてあげる
↓2
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 21:21:46.67 ID:P62HRT/7O
- 1
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 21:24:48.43 ID:a5XBiBmH0
- 1
- 580 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 22:05:08.40 ID:6J3Qg0q7o
-
陽乃「でも悪いけれど、諏訪に旅行する予定があるから……逃げるわ」
若葉「諏訪……? 諏訪って、まさか諏訪か? 白鳥のいる長野か?」
陽乃「そうよ」
若葉「っ……だめだ」
陽乃「それはそうよね」
陽乃が諏訪遠征にいけば今回の件が落ち着く……わけがない
陽乃が四国から出ようと、
そのあとに戻ってきたら意味がない
大社でしっかりと管理されなければならないし
大々的に捕らえたことを示さなければならないかもしれない
そうしなければならないくらいには、陽乃の存在の影響は大きかった
若葉「白鳥が心配なのはわかる。だが……」
陽乃「別に心配なんてしてないわよ。ただ、ここに居たって良いことないから出ていきたいだけ」
若葉「嘘は良い。助けに行こうとしているんだろう?」
陽乃「そうしたら自由にして貰えるって思ってたんだけど……まぁ、もう無理だと思うし」
- 581 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 22:18:41.86 ID:6J3Qg0q7o
-
最初こそ、
長野の勇者を救い出してここにまで連れてきたら戦力になるだとか、
大社からの評価も手のひら返しになるだとか
そんな打算的な考えを持っていたけれど
今となってはもう、どうあっても好転する気がしなかった
陽乃は人を殺した
その事実が揺るぐことも拭われることもない
何か善行を成したところで
あの娘は人を殺したと、化け物なのだと
そう言われてしまうだけな気がしてならない
少なくとも、勇者と組ませることはないはずだ
陽乃「だから、ほんとうに……もう、助けるだとかは考えてないから」
若葉「……っ」
陽乃は困ったように笑って、手をひらひらと振る
見逃せば、陽乃は出ていくだろう
そうして、諏訪へと向かう
居場所がないと陽乃は言った
もう、取り返しのつかないことをしてしまったのだから
それは "かもしれない" の域を超えている
- 582 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 22:40:05.30 ID:6J3Qg0q7o
-
陽乃は否定しているが、
陽乃が向こうの戦力に加わる恩恵は計り知れない
それこそ、
もし仮に今月中に諏訪がバーテックスに突破されることが未来的に決定していたとしても
陽乃がそこに割り込むことで、今月どころか来年以降も健在でいられる可能性が出てくるくらいには。
そもそも、一人で守っている状態から
2人で守るという形に変わるだけで、十分力強いことだろう
白鳥歌野と諏訪そして久遠陽乃
そのすべてにとって、
今ここで見逃すことこそが正しい選択のように思える
いいや、きっと正しい
壁の外は危険だ
そこで陽乃が殺されてしまう可能性はある
けれど、今ここで拘束したって、
大社に捕らわれて処刑されたり、飼い殺しにされたりするだけだ
- 583 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 22:50:53.99 ID:6J3Qg0q7o
-
若葉「……くそっ」
陽乃「どうする?」
若葉は考え込んで、
そうして、舌打ちをするように顔をしかめる
若葉「……この部屋を荒らしていいか?」
陽乃「どうして?」
若葉「ただ一刀、ここで久遠さんに向けさせて貰う……逃げるついでに躱してくれ」
陽乃「簡単に言っちゃって……」
若葉「何を言うかと思えば……簡単だろう。適当なところで追いかけるのは辞めるが、今日か明日中には出て行ってくれ」
若葉は軽く笑って申し訳なさそうに首を振ると
居合の一刀を放つべく、身構えていく
陽乃「手間をかけてごめんなさい」
若葉「……こうならないように手を打ちたかった……すまないッ!」
若葉は護るためにと鍛えたその最速の一刀を全力で振り抜く
その切っ先は決して陽乃に触れることのない距離
けれども、勇者としての力強い斬撃は、
壁を傷つけ、布団を切り裂き、陽乃のもとへと風を叩きつける
それに押し込まれるように、陽乃は自分から窓へとぶつかって――外へと逃げる
二階からの転落も、常人離れした体には痛みもない
若葉「待てッ!」
陽乃「なにこれ……バカみたいっ」
けれど、
こうしなければいけないのだと陽乃は笑って、若葉から逃げた
- 584 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 22:59:45.77 ID:6J3Qg0q7o
- √ 2018年 8月8日目 夕:
↓1コンマ判定
01〜10 87〜96 ぞろ目 遭遇
23〜32 千景
45〜54 大社
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 23:01:57.93 ID:a5XBiBmH0
- あ
- 586 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/19(金) 23:06:59.61 ID:6J3Qg0q7o
-
ではここまでとさせて頂きます
明日もできれば少し早い時間から
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 23:14:04.61 ID:P62HRT/7O
- 乙
諏訪を救ったところで犯罪者扱いのままならどうすればいいんだろう…
あと大社や千景とは別の判定の遭遇って誰が来るのか
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 02:09:57.47 ID:4ujeuV3ZO
- 乙
最近コンマすかりまくりだったから遭遇だけでもありがたいわ
- 589 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 20:59:44.21 ID:H62J04Zco
- では少しだけ
- 590 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 21:00:48.18 ID:H62J04Zco
- √ 2018年 8月8日目 夕:
陽乃「はぁ……もう……」
大橋の傍にある、道の駅
芝生広場を通って展望台の方へと登った陽乃は、ようやく一息つく
若葉は本当に途中から姿が見えなくなった
病み上がりな陽乃の足の速さは、
無意識にセーブしてしまっていることもあって
若葉なら追い越したうえでゴールテープを張っておくことができるくらいに遅い
それでも追い抜くどころか後ろからいなくなっていたのだから、
若葉が自分から撒かれてくれた以外にあり得ない。
陽乃「……ん」
陽乃は、自分の体調面を考慮しなければ、
死ぬまで誰かに見つかることはない
というのも、常に九尾の力を借りて姿を誤魔化しておけば、
誰一人として、それを見破ることは出来ないからだ
もっとも、それを24時間続けようものなら数日で体調を崩すだろうし
そのまま回復できずに死に至るだろう。
もちろん、そんなことは出来ない為
必然的に人気のない場所に身を顰めるしかない
そういうのもあって、
立ち入り規制が行われている瀬戸大橋付近は陽乃にとってはこれ以上ないほどに好条件だった
――の、だが。
陽乃「っ!」
展望台までの階段をすっ飛ばして飛び込んでくる人影
まだ本調子には感じられない体は鈍く、それを躱しきれずに押し倒される
その力は常人離れしたもので……
目を向ければ、見知った顔に怒りが滲んでいる
球子「杏の読み通りだな」
闖入者は勇者の一人である、土居球子だった
- 591 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 21:17:16.90 ID:H62J04Zco
-
陽乃「っ……痛い……」
球子「放したら、逃げるだろ」
陽乃「簡単に押し倒される程度の私が、逃げ切れるわけないじゃない」
球子「……だとしても、ダメだ」
球子は少し迷う素振りを見せたけれど、
首を横に振って、力を緩めない。
陽乃「見張ってたの?」
球子「まぁ、そうだな……諏訪に行くにはここを通るしかないだろ?」
陽乃「明日かもしれないし、一週間、一ヶ月もっと先かもしれないのに?」
球子「いや、あんなことがあったし……ここに居る理由が無くなったらすぐにでも行くと思った」
って、杏が言ったんだ。と、球子は困ったように言う
その読みが当たったのに、
球子は喜ぶどころか、不満気だった
球子「一人で行くつもりだったろ」
陽乃「私は別に、二人がいなくてもいいし」
球子「タマの体当たりも躱せないような状態でか?」
陽乃「色々あったのよ……仕方がないじゃない」
球子「仕方がないから死にに行くのかッ!?」
陽乃「ぃっ……痛いっ……」
押さえつける力がより強くなって、
陽乃は思わず呻いて、顔をしかめる
そろそろ、九尾が出てきてもおかしくない
- 592 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 22:16:53.84 ID:H62J04Zco
-
球子「ふざけんなッ!」
陽乃「………」
球子「勝手に消えて、勝手に死ぬつもりだったのかッ!?」
球子は本気で怒っている
陽乃のためか、杏のためか、自分自身のためか
怒りながら、悲しそうな瞳をしていた
球子「生きたいんじゃなかったのかよ……」
陽乃「死ぬつもりなんてないけど」
球子「でも死んだって良いって思ってるだろっ」
陽乃「その時はその時って思ってるだけ」
球子「っ……そうなったら、あんずはどうなる。母親だって、大社にいるんだろ?」
杏のことを出されても、陽乃は大して響かない
けれど、母親が出された瞬間に
陽乃は苦虫を噛み潰したような顔をして、球子を睨む
だが、すぐに顔を背けた
1、そんなに熱くならないでよ
2、人を殺した娘なんて、死んで貰った方が良いに決まってるわ
3、だから、なに? 大社に従ってこのまま私を捕まえるの?
4、どうだっていいじゃない。あなた達なんて赤の他人なんだから
↓2
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 22:18:12.93 ID:MPCf7yOn0
- 2
- 594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 22:18:17.99 ID:4ujeuV3ZO
- 3
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 22:19:36.63 ID:0GZh8e3xO
- 1
- 596 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 22:51:19.96 ID:H62J04Zco
-
陽乃「だから、なに? 大社に従ってこのまま私を捕まえるの?」
球子「……知ってるのか」
陽乃「昨日は寄宿舎に戻ってたのよ」
球子「はぁ!?」
陽乃「で、さっき乃木さんに見つかって逃げてきたの」
球子「寄宿舎に戻るなんて、おま……マジかよ……」
球子はそんなバカなと呟く
灯台下暗しと言う言葉もあるが、
まさか実際にそんなことをするとは思わないだろう
唖然としながらも、力は抜けない
球子「あんずも聞いたらびっくりするだろうな」
陽乃「で……どうするの?」
両手を押さえる球子の手
腰周りを圧迫する球子のお尻
頑張れば足で球子を蹴ることができるが、
勇者としての力を行使している今、大して力の入っていない蹴りではびくともしない
陽乃「捕まえる? それとも、首を絞めて殺す?」
球子「捕まえるって言ったら?」
陽乃「乃木さんから逃げたのに、貴女に良いよ。なんて言うとでも思ってる?」
球子「そりゃそうだ」
- 597 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 23:41:24.23 ID:H62J04Zco
-
球子「行くんだろ? 諏訪」
陽乃「ええ」
球子「だったら、予定通りタマとあんずも連れてけ」
陽乃「死ぬ気?」
球子「あんずが言ったんだ」
止める方法があったはずだと
あの悲劇は止められたのだと
陽乃に対する人々の態度を目の当たりにしておきながら
それがただの人間だからと、躊躇してさえいなければ
こんなことにはならずに済んだはずなのだと。
そして――
球子「……分からなくなったんだ。あんなのを守るのが勇者の役目なのかって」
陽乃「そんなこと言って、勇者の力没収されても知らないわよ?」
球子「勝手に喧嘩売って、ダメだと分かったら勇者に投げて、それでもだめだからって勇者を野次って……原因作ったくせに、勝手だろ?」
呆れた。とでも言うかのように笑う球子は、
それでも、陽乃を手放そうとしない
球子「連れていくって約束するなら、解放する」
陽乃「断ったら?」
球子「このまま簀巻きにして連れていく」
1、良いわ。来たければ来なさい
2、なにそれ。どっちにしろじゃない
3、死んでも責任は取らないわ
4、悪いけど――使えない人を連れていく気はないの
↓2
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 23:45:44.94 ID:MPCf7yOn0
- 3
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 23:47:22.27 ID:0GZh8e3xO
- 1
- 600 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/02/20(土) 23:52:55.74 ID:H62J04Zco
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 00:03:38.48 ID:0pXau1WgO
- 乙
タマっち先輩ほんといい人や…
最初は嫌ってたのにいつの間にやら前作までの夏凜みたいな立ち位置になってきた気がする
478.85 KB Speed:0.5
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)