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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】

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302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/14(水) 23:24:08.67 ID:Nb7vtgfKO
1
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/14(水) 23:24:20.56 ID:gMEsd26tO
2
304 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 00:09:33.89 ID:0IOUZylVo

陽乃「……ねぇ。どうしてそこまでするの?」

杏「え?」

陽乃「この前のことを気にしてるなら、気にする必要はないわ」

陽乃の評判をどうにかしようとした杏の両親の助力

それによって起こった惨劇

結局、陽乃の評判は悪くなっただけだった。

もしもそれの責任を感じているのだとしたら、陽乃は別に必要がないと首を振る

あの場に連れて行こうとしたのは杏の両親だが、

それを引き受けたのも

あの場で騒動を起こしたのも、ほかでもない陽乃だからだ

陽乃「あれは、私が自分で選んだ結果よ」

陽乃がそう続けると、

杏の動きが水面を伝って肌に触れる

冷水の中に置いて熱を帯びた体の、水に触れていない部分に水が跳ねて少しだけひやりとする
305 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 00:11:27.45 ID:0IOUZylVo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 00:34:33.30 ID:qew2i2PPO
乙
今更だけど復旧してよかった
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 00:36:00.18 ID:rYtkstsfO
乙
杏の反応やいかに
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 06:46:55.47 ID:vQMbbJOzO
乙
陽乃さんの態度にだんだん軟化の兆候が出てきてる気がする
もう一息かな
309 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 22:06:11.33 ID:0IOUZylVo
では少しだけ
310 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 22:06:51.25 ID:0IOUZylVo

杏「あの件は……本当に申し訳なかったと思ってます」

杏は絞ったような声で言う。

股下のあたりにまで迫っている水の冷たさに身震いしながら、

同じものを感じているはずなのに、身じろぎ一つしない陽乃の背中

白鳥歌野を含めてなお、勇者の中でも二番目に背の高い陽乃の背中は、

こう言っては失礼だが、女の子らしくはない。

神々の力を借り受けることで、そのままでも超人的な力を発揮することができるのに、

陽乃は当然のように鍛えてしまっているからだ。

ただそれも、まだ寄宿舎にいたころと比べると、少し衰えたように見えるのが痛々しい。

その引き金がこの前の一件であり、そこには杏も深くかかわっている

だから……罪悪感は抱かざるを得ない

杏「……久遠さん、体はもう、大丈夫ですか?」

陽乃「大丈夫だから、こうして貴女には辛いことも平気でしているのだけど」

杏「そう、ですよね」

陽乃の反応は、基本的に冷たい

今こうして足を踏み入れている冷水のように、人によっては拒否してしまいたくなるようなものがある

けれど、陽乃は聞けば応えてくれる

最近も、やっぱり距離を置こうとしているようなそぶりは見せるけれど

近づいた距離を突き放したりしようとはしない。

勝手にしたらいい。と、我関せずというように見逃してくれる。

しかし――それでも陽乃は心を許してくれたようには感じられない
311 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 22:15:33.44 ID:0IOUZylVo

↓1コンマ判定 一桁

1,3,5 杏「な、仲良くなりたいですっ!」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:16:42.49 ID:33MkEaJe0
あ
313 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 22:29:59.91 ID:0IOUZylVo

杏「……一緒にいられるのは嫌ですか?」

陽乃「はぁ?」

杏「だって……」

杏の声が途絶える

水面が揺れることもなくなって

杏が微動だにしなくなったのだと陽乃は察して少しだけ前へと進む

静かに体を回して、振り返ると

下ろした手から垂れるタオルの半分ほどが水面に浮いてしまっていた

それさえ、杏は気づいていないようだ

陽乃「貴女……」

つい最近も、杏はそばにいたいと言ってきたばかりだ。

拒絶したって無駄だからと勝手にしたらと答えたけれど

杏はそれでも嬉しそうにしていたし、

そんな態度でさえ、優しくした。などと言っていた

正直に言わせて貰えば

いや、何度も言っているように――一緒に居られても迷惑なだけだ



1、嫌と言ったら離れてくれるわけ?
2、そこで引き留めるような人間じゃないわよ? 私は
3、ええ。迷惑だわ
4、好きにしたらいいじゃない。ついてくるも離れるも。貴女の自由よ


↓2
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:33:58.33 ID:faMn9s2c0
1
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:34:30.41 ID:+oz7ssZ9O
4
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:34:53.64 ID:qew2i2PPO
2
317 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 22:50:24.36 ID:0IOUZylVo

陽乃「好きにしたらいいじゃない。ついてくるも離れるも。貴女の自由よ」

杏「でも……」

陽乃「私がどうして欲しいかなんて、貴女たちには散々伝えたはずだわ」

ここに来てからも

ここに来る前も

何度も伝えたはずだった

なのに今ここに一緒に来ているような状態なのに。

奥歯がかみ合って、音が鳴る

冷たい水に晒されたことによる発熱以外の熱量が奥底から湧き上がってくるのを感じる

陽乃「ここまで……」

心以上に体は正直に揺れる

穏やかだった水面が慌ただしく波打って

鏡写しのように見えていた自分の顔が見えなくなる

陽乃「ここまで来たのは……私に拒まれても踵を返さなかった貴女の意志じゃなかったの?」
318 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 23:02:06.46 ID:0IOUZylVo

↓1コンマ判定 一桁

2,4,6 ぞろ目 特殊

※それ以外通常
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:03:58.23 ID:CGa/1UVDO
はい
320 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 23:21:52.63 ID:0IOUZylVo

杏「私の……意志です」

陽乃「だったら、一緒にいられるのが嫌かどうかなんて関係ないでしょう」

杏「……」

陽乃は怒っているかのような表情ではあるけれど

怒鳴ったりはしない。

無理についてきているのに

最初はそれに不満を言っていたのに

拒んでいたのに

なのに、この……突き放す絶好の機会を

陽乃は説得に費やした

陽乃「……馬鹿なの?」

杏「すみ、ません……」

悲しいことなんて一つもない。

ただ、心には余るほどに嬉しかった

その収まりきらなかった分が――瞳から零れ落ちてしまった

杏「私……その……だって……」

陽乃「そのままだと冷えるだけよ。邪魔だから出ていきなさい」
321 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 23:29:13.07 ID:0IOUZylVo

杏「……すみません」

陽乃「謝られても困るわよ」

陽乃はそういうや否や、また杏へと背中を向けてしまう

けれど、杏は今度はもう無理をせずに水のたまった浴槽から出て

暖かいシャワーを自分の頭からかけ流していく

陽乃は出て行けと言ったりするけれど、

ここぞという場面では離れるように言わなかった

だから

無理をしなくても陽乃は二度と来るなと突き放したりはしないと思ったからだ

何より。

今の言葉はとても優しく感じた

陽乃「……」

陽乃はそんな杏を横目に見て、ため息をつく

これは――間違いなく失敗だ
322 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 23:31:10.39 ID:0IOUZylVo

√ 2018年 8月14日目 夕:諏訪

01〜10 杏
11〜20 球子
21〜30 水都
31〜40 歌野

89〜98 九尾

↓1のコンマ

※ぞろ目 襲撃
※それ以外は通常(全員)
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:32:54.24 ID:+oz7ssZ9O
あ
324 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/15(木) 23:39:12.57 ID:0IOUZylVo

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:51:26.90 ID:+oz7ssZ9O
乙
今作は杏が凄くヒロインしてるなぁ
陽乃さんももっと素直になってあげて欲しい
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 00:30:26.22 ID:J40ZxTX0O
乙
杏コンマ弱いのが玉に瑕
327 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/04/16(金) 07:03:30.20 ID:Mx/MRXvF0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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328 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/16(金) 23:46:01.85 ID:LPMJSJ9Eo
すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 00:06:16.31 ID:q0dtrfOkO
乙ですー
お昼楽しみに待ってます
330 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 16:30:50.04 ID:R1jk1tvko
では少しずつ
331 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 16:31:34.27 ID:R1jk1tvko

√ 2018年 8月14日目 夕:諏訪


襲撃もないまま、諏訪には平和な時間が流れる

夕方になって日が傾き始めると、

ただでさえ静かな場所がより一層静まって感じる

神社だからか、その静けさは厳粛さがあった

陽乃「……」

陽乃にとっては、それこそが日常だった。

生まれてから、あの時まで

陽乃に寄り添い続けてきた空気

神々の御力に満ち満ちているかのような、厳かな空間

そして――陽乃が奪われたもの。

陽乃「ん……」

参集殿の一室

使う人間がいなくなってからも清潔に保たれていた小さな和室で一人になっていた陽乃は

足音が近づいてきたのを感じて、顔を上げた

水都「久遠さん、ここにいたんですね」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 16:51:29.86 ID:5sJP32KhO
来てたか
333 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 17:12:59.06 ID:R1jk1tvko

陽乃「なに? 立ち入り禁止だった?」

水都「いえ、大丈夫ですよ」

陽乃を含めた勇者たちに居住区画として貸し出されたのは一部だが、

ほかの部屋には立ち入ってはいけないなんて言う制限は設けられていない

陽乃達の要求であれば本殿の奥にだって入れてもらえる

水都「えっと、例の話聞いてますか?」

陽乃「例の話って? 分かると思う?」

水都「あの……向こうの通信担当のおhなしです。上里さんを呼んで欲しいっていう」

陽乃「ああ……駄目だったんでしょう?」

聞かなくてもわかる

もしひなたが呼ばれていたなら、

歌野が陽乃に声をかけてきてるから、

その時に水都が呼びに来ていたはずだからだ

そうならなかった時点で、今日の通信にひなたは参加しなかったということだ

水都「はい……一応、乃木さんではあったんですが、ひなたさんは呼べなかったそうです」
334 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 18:01:55.36 ID:R1jk1tvko

陽乃「乃木さんだったのね」

水都「あ、はい……ただ……」

水都は言いよどむ。

この前の時点で若葉が言っていたことだけれど、

通信担当は若葉から別の人に代わってしまう。

今日はまだ平気だったが

水都「明日、正式に切り替わるそうです」

陽乃「そう」

水都「明日、上里さんを連れ出せなければ無理ですね」

陽乃「そうね。乃木さん何か言ってなかった?」

水都「……おそらく無理だって言っていました」

今日無理だった時点で

可能性はほとんどないかもしれない

陽乃「まぁ、でしょうね」



1、そういえば、貴女って巫女として何かしているの?
2、その時はそのときね。諦めるしかないわ
3、神託はどう?
4、何も言わない


↓2
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 18:05:18.58 ID:87OeZGhY0
1
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 18:06:09.86 ID:xRnxcCaDO
3
337 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 19:02:05.92 ID:R1jk1tvko

陽乃「藤森さん、神託はどう?」

水都「えっと……すみません」

水都は、巫女としての力を与えられただけで、

もともとは一般の女の子でしかなかった。

だからというわけではないが、

本当に……ギリギリにしか神託を受けたことがない。

水都「今のところ神託はなくて……その、やっぱり、襲撃がある直前くらいにならないとだめだと思います」

神社に来たからと言って

神託がすぐに来てくれるわけではない

水都は申し訳なさそうに頭を下げる

陽乃は神社の娘だった

けれど、今は巫女というよりも勇者側の立場で

神託を受ける役目は水都に任されている
338 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 19:06:44.65 ID:R1jk1tvko

陽乃「別に、責めるつもりはないけど」

水都「すみません」

水都はもう一度頭を下げる

陽乃は謝れだなんて言っていないし

言葉は水都を責めるようなものでもない

けれど、水都は勇者のみんなに申し訳ないと思う。

ないものねだりではあるけれど

陽乃のように、正しく巫女として生きていた人がいたら

もっと適性のある人が他にいたなら、

ちゃんと神託を受けて、みんなの助けになれていたはずだと思うからだ

直前にしか神託を受けられないのは、

自分の力不足のせいだと……水都は思っていた
339 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 19:07:32.16 ID:R1jk1tvko

↓1コンマ判定 一桁

0、2,4,8 水都「あの……お願いがあります」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 19:09:37.42 ID:qLrQUzboO
あ
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 20:03:36.63 ID:5s6wDhNnO
みーちゃん相変わらずコンマ強いな
342 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 21:44:32.95 ID:R1jk1tvko

水都「あの……お願いがあります」

陽乃「なに?」

水都「私を巫女にして欲しいんです」

陽乃「貴女は巫女でしょう?」

水都「そうですけど、そうじゃなくて」

水都は陽乃のいる部屋の中に一歩踏み込む。

電気がついていないせいで、外からの明かりしかない暗い部屋

陽乃の瞳の光を感じて、少し怯んでしまう

水都「あの……巫女の修業的な、鍛練的な……そういうことをしてもらいたいんですっ!」

陽乃「私が、貴女に?」

水都「……はい」
343 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 22:05:26.23 ID:R1jk1tvko

今の諏訪には、それができるような人が残っていない。

資料のようなものがあるにはあるけれど、

それだけで素人がどうにかしろというのは無理があった。

水都「それっぽく巫女装束を着てはいますけど、それくらいで……」

陽乃「穢れを祓ったりは?」

水都「体を綺麗にしてはいます」

陽乃「それだけ?」

水都「……お、お祈りとか」

お祈りというか、参拝だろうか。

しっかりとお金を投げ入れていたら所持金が底を尽きる―あって意味あるのかはともかく―ため、

基本的にはお金を入れていないのだけれど

陽乃「祝詞は?」

水都「えっと……」


1、無理。面倒だわ
2、自力でどうにかしなさい
3、教えてあげたとして、見返りは?
4、3年間で何をしてきたのよ
5、何も言わない


↓2
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 22:13:15.76 ID:barTl7ruO
1
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 22:13:38.27 ID:7/G2WAN+0
4
346 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 22:42:02.30 ID:R1jk1tvko

陽乃「3年間で何をしてきたのよ」

水都「それは……」

何をしてきたのかといわれると、水都ははっきりと胸を張れなかった

歌野はすごく頑張っていたけれど

水都はそれについていっていただけ

巫女に選ばれたからと言って、特別何かをしてきたわけではなかった。

だから。

水都「ごめん、なさい」

陽乃「謝ってどうするのよ」

水都「だって、私……何にも……」

お清めと呼ばれるものだって、

ただ体を綺麗にするくらいしかしてこなかったし、

陽乃が言った祝詞なんて、唱えたこともない。

言葉では知っているが、それだけ
347 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 22:59:41.47 ID:R1jk1tvko

水都「全部、うたのんがやってきてくれたんです」

水都が何もしなくても、歌野がやってくれていた

水都が何もしなくても、

ほかの誰かが何か困るなんてこともなかった。

ただ、襲撃が起こる直前になって神託を受けて、

どの方向に向かえばいいのかとか

規模がどのくらいなのかとか

それがわかるくらいで。

水都「私、思えば何にもしてこなかったんだって――」

陽乃「貴女が役立ったか、立ってないかなんて私はどうでもいいの」

水都の話を遮って、陽乃は眉を顰める

陽乃「巫女としての勉強とか、それらしいことをしてきたのかって話」

水都「……む、難しい言葉ばっかりで」
348 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 23:27:05.12 ID:R1jk1tvko

正直に言って、何にもわからなかった

巫女になるための参考書なんてものは諏訪には存在していなかったから、

神社にある小難しい書物に目を通したくらい。

何も、頑張っていなかった

水都「全然、勉強とかできてません」

陽乃「それで、自分が役に立ってないとかよく言えるわね」

水都「っ……」

陽乃「……」

何かを頑張っていれば、

役立たずだなんて思う必要もなかったかもしれない

それをせずに自分を卑下するなんて無駄もいいところだ

水都「だ、だから……その、経験がある久遠さんにお願いしたいんです」


1、お断りよ
2、時間があるときだけよ
3、難しい書物ってどこにあるの?

↓2
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 23:28:54.13 ID:xRnxcCaDO
2
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 23:28:59.99 ID:5s6wDhNnO
2
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 23:30:50.87 ID:7/G2WAN+0
1
352 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/17(土) 23:42:58.94 ID:R1jk1tvko

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 23:50:31.74 ID:0lQn5n1ZO
乙
みーちゃん弟子入りするのか
陽乃さんの鍛練とかなんだか過酷そう
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 00:07:22.97 ID:GLO+K8cnO
乙
圧迫面接みたいになっちゃったな笑
355 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 13:02:28.55 ID:As1VTo1So
では少しずつ
356 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 13:03:01.91 ID:As1VTo1So

陽乃「はぁ……時間があるときだけよ?」

水都「全然大丈夫ですっ」

陽乃「もう……」

杏も杏だし、水都も水都だ

杏に関しては……確実に追い出すチャンスを棒に振ってしまったけれど、

こうやって自分から離れて行きたくなるような態度をとっても、

離れて行ってはくれなくて。

……そこでもう一歩追い払うことが出来ないのも悪いのかもしれない。

水都「お願いします」

陽乃「どうして……」

水都「はい?」

陽乃「なんでもない」

陽乃はため息をつきながら水都から顔をそらして、

目の前のテーブルにふて寝する

肩のあたりまで伸びている髪がさらりと流れていく
357 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 13:16:22.62 ID:As1VTo1So

部屋の中が暗いせいか、

どこか鬱屈としたものを感じる陽乃の雰囲気

杏と一緒に沐浴に向かって、

帰ってきたかと思えば、一人で出て行ってしまったし

いや、団体行動をあまり好まないから、

単独行動自体は別におかしいことでもないけれど。

水都「……あの」

陽乃「なに?」

水都「巫女のお勉強を教えてもらう代わりって言うと、あれですけど……」

なんていえばいいか。

マッチポンプ? のような感じがする

水都がそんなことを考えていると

陽乃からの視線を感じて、はっと顔を上げる

陽乃「まだ何かあるの?」

水都「えっと……わ、私に何かできることありますか?」

陽乃「急に何?」

水都「お礼です。お礼……私のお願いを聞いて貰うので、久遠さんのお願いも何かあればと思って」


1、何もないわよ
2、なら放っておいてくれない?
3、別に見返りなんて求めてないから
4、察してくれればそれでいいわ
5、何も言わない

↓2
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 13:20:16.04 ID:wXu5tU9xO
5
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 13:21:47.15 ID:xNjKxHf2O
2
360 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 13:42:35.52 ID:As1VTo1So

陽乃「なら、放っておいてくれない?」

水都「っ……」

陽乃「私が望んでることなんて、わかってるでしょ?」

水都「……」

陽乃の声は、怒りを感じるものではない

けれどそれは確かに拒絶で、触れることのできない冷たさがあって。

水都は立ち尽くしてしまう

陽のが動く微かな服の擦れる音だけが聞こえる室内

やがてそれさえもなくなって静寂に包まれると、

少し離れたところにいるみんなの、声が聞こえる

水都「……わ、わかりました」

それは駄目なんて言えない

それは嫌なんて言えない

水都は答えて……でも、足は引けない
361 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 13:56:18.63 ID:As1VTo1So

↓1コンマ判定 一桁

0 またはぞろ目 特殊
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 13:57:53.18 ID:zr0WBAxD0
あ
363 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 14:20:58.69 ID:As1VTo1So

水都「あのっ」

陽乃「まだ何かあるの?」

水都「……私は……久遠さんのこと……」

水都はそこまで言いかけて、ぐっと飲みこむ。

放っておいてといわれてしまった。

それでも……と、踏み込めない。

踏み込んだ方がよさそうな気がしても、

お願いを聞くという流れで拒絶されてしまっては、

さすがにもう――

水都「すみません。巫女の件は……お願いします」

陽乃「……」

それだけ言って、

水都は踏み込んだ一歩を引き返して、部屋から出ていく

陽乃はそれを目で追うだけで、

遠ざかっていく足音を聞きながらゆっくりと目を閉じる
364 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 14:33:19.16 ID:As1VTo1So

水都が言いかけたのは、きっと、本当に言いたかったことだろう。

けれど陽乃はそれを聞く気はないし、聞きたくもなかった

聞いたからって何かができるわけじゃない

言って貰えたからって何かを返せるわけでもない。

陽乃「……なによ」

杏も、水都も

陽乃が拒絶していることなんてわかっていることのはずなのに、

どうして……辛そうな顔をするのか。

陽乃「馬鹿じゃないの……?」

聞く相手もいない、暗い部屋

陽乃は独り言ちて、ため息をつく

部屋が静まり返っているから、どこからともなく球子や歌野の声が聞こえてくる

陽乃「はぁ……」

陽乃はため息をついて、仰向けに体を倒す。

畳特有の匂いに包まれながら、深呼吸をした
365 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 14:50:11.29 ID:As1VTo1So

√ 2018年 8月14日目 夜:諏訪

01〜10 杏
11〜20 球子
21〜30 九尾
31〜40 歌野

↓1のコンマ

※それ以外は通常
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 14:52:13.64 ID:jvz6WOqxO
あ
367 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 15:59:21.38 ID:Yf+Q/O32O
√ 2018年 8月14日目 夜:諏訪


夕食を終えた後も、

陽乃は一人で部屋を出ていく。

誰かにかかわることもなく、

黙々としている姿を球子達は気にしていたけれど

なかなか声をかけられなかった

陽乃「……」

すっかり暗くなった外

陽乃達を除けば生活している人のいない参集殿は

一部以外の電気は消えている

真っ暗な通路は神聖というよりも、おどろおどろしい雰囲気に満ちているが

陽乃は気にすることなく歩く。

暗く静まった神社の空気感は、陽乃にとって慣れ親しんだものだ



1、九尾を呼ぶ
2、一人で過ごす
3、外に出る
4、イベント判定


↓2
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 16:02:03.00 ID:zr0WBAxD0
3
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 16:02:31.99 ID:jvz6WOqxO
3
370 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 16:37:11.45 ID:Yf+Q/O32O

陽乃「……ふっ」

小さな埃、小さな虫

軽く吹き払って……陽乃はすぐそばの外につながる扉を開く。

古い日本家屋めいたつくりの参集殿

ぎしぎしと軋んだかと思えば、はめ込まれたガラスががたがたと音を立てる

蒸し暑い空気は少し不快

人一人が出られるくらいの隙間を開けて、陽乃はそうっと外に出る

近くにあった外履きはちょっぴり古ぼけていたが、

履けないようなものではなかった

陽乃「……変な感じ」

しっかりと扉を閉めてから進む。

歩きなれない、諏訪大社の本宮

出てきたのは社務所側の出口、

すぐ左手には蓮の葉が並ぶ蓮池がある
371 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 17:04:42.14 ID:Yf+Q/O32O

まっすぐ行けば、本宮に設置されている御柱の一つがあり、

その近くには御沓石と呼ばれる諏訪七石があって、

その傍らに……陽乃が触れようと考えた天之逆鉾がある。

陽乃「……」

けれど、正直言って暗すぎてすぐ目の前の足元が見えるくらいでしかない

下手に歩けば、躓いたり池に落ちるかもしれない

陽乃の神社なら、

目を瞑っていても問題ないけれど。

ここはそうとはいかなそうだ

夕食前の暗い部屋

あれで夜目になれられるかと思ったが、そう甘くなかった

陽乃「……こっちが、北参道」



1、御柱
2、天之逆鉾
3、北参道
4、夜目に慣らす

↓2
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 17:09:53.76 ID:yIikTvrDO
4
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 17:09:57.65 ID:LNfACJi20
1
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 17:10:18.98 ID:3kH7j+m6O
3
375 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 17:43:52.07 ID:Yf+Q/O32O

陽乃「……」

生温い、夏場の空気が肺の中に入ってくる

どこからともなく羽虫の音も聞こえてきて

時折、手や首元のあたりに感じて……身じろぎする。

トラウマというほどではない

けれど、あの日の野宿の経験のせいか、

体が震えてしまう

陽乃「駄目ね……」

戻っても邪魔な人たちがいるし、

立ち止まっていたら虫がたかってくる

だから……動く

ややすり足気味に歩いて、

大きな石や、

突然の階段で転倒したりしないように警戒する
376 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 18:18:20.14 ID:Yf+Q/O32O

向かうのは御柱

陽乃が出た場所から、まっすぐ歩けばいいだけだ

陽乃の本来の歩く速さならすぐにたどり着ける

けれど、この暗い道では倍以上の時間がかかるだろう

陽乃「……」

じめじめとした空気

虫の声も極まって、不快感が募る

じゃりじゃりと小石を踏みしめて歩く

陽乃「……この先、よね」

だんだんと、夜目になれてきてはいるが

それでも道は暗い

杏や水都が見ていたら、

すかさず駆け寄ってきて手を貸してきそうなおぼつかない足取り。

陽乃「……見えた」

囲いのある、縦に延びた黒い影

近づくにつれて、それがただの木ではなく御柱だとはっきりする
377 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:02:02.67 ID:Yf+Q/O32O

陽乃「……諏訪の御柱」

陽乃の神社にも祀っているものはあるけれど

御柱のようなものはなかった。

世界が壊れる以前から、

諏訪大社の御柱は有名なものだった。

同じ神社の関係者として、

陽乃もそれについては話に聞いたことがある。

陽乃「……」

古来より、神々は自然界に宿っているとされ、

それらは八百万の神とも言われてきた。

当然ながら、木々にも髪は宿るといわれており、

一説では、大地より伸びるそれは神の御手であるとも言われていた。

そのご神木を用いて作り出された御柱

崇め、奉られ、それが正しく信仰を得ていたからこそ、

これらは結界の要として機能することができたのだろう

陽乃「……もう、限界が近そうね」

陽乃はその御柱を見上げて、呟く
378 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:10:12.56 ID:Yf+Q/O32O

陽乃「えっと……」

数は少なくなっても、より厚い信仰心を得てきたであろう諏訪大社の主祭神

それが誰だったかと小首をかしげた陽乃は

小さく息を吐いて、はっとする

諏訪大社は本宮とそれに付き添うものとして上社前宮などがある

詳しく知っているわけではないが、

それゆえに本宮とそれ以外では主祭神が別である。というのを聞いた覚えがある

陽乃「本宮……確か、建御名方神」

そして、上社前宮などでは、その妃とされている神だったはず。

いや、両方とも両神だったか。

陽乃「だめね……3年も前だとあやふやだわ」

少し調べれば、わかることではあるけれど。


1、御柱に触れる
2、九尾を呼ぶ
3、何もしない


↓2
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 19:12:27.28 ID:3kH7j+m6O
1
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 19:13:10.33 ID:zr0WBAxD0
1
381 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:32:54.64 ID:Yf+Q/O32O

陽乃「……失礼」

ここにある御柱は、本来触れることが許されないものになっている

いくつかある宮の、どこかなら触ることが許可されていたはずだけれど

それがどこかは陽乃の記憶にはない

周囲を囲う、強制力のない簡易結界の上から、陽乃は御柱に触れる

人の手でご神木から作り出された御柱

少し触っただけで、ポロポロとかけらが落ちていく

陽乃「相当、頑張っているみたいね」

陽乃は、神々の力をその目に感じ取ることができる

直接手で触れてみると、

御柱がどんな状況なのかがより鮮明にわかるような気がする。

厚い信仰によって、どうにか力を保つことができているが、

消費されていく力の方がはるかに多い

諏訪の人々による信仰心は、もはや、消費を軽減する程度にしかなっていない

だが、それがあったからこそ3年間も保ち続けられたのだろう。

陽乃「……白鳥さんがそれだけ、力を尽くしたってことね」
382 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:43:52.76 ID:Yf+Q/O32O

歌野が神々の力を借りて諏訪を守護し続けることで

勇者である歌野と、それに力を貸し出しているとされていた諏訪の神々にも恩恵があったはず。

それがなかったらもっと早く、ここはバーテックスに飲み込まれてしまっていた。

陽乃「……だから、ここを護ってあげていたの?」

陽乃は、人間が自分の命を削ってまで護るようなものではないと思う。

みんなは、陽乃はだとしても護ってしまうような人だ……なんていうけれど。

陽乃「神様にとって、信仰は力であり存在でもあるものね」

人間の信仰があるからこそ

神々は力を持ち、己を神として存在していることができると、何かで聞いたことがある。

それが事実なら諏訪の神々が行っていることは、

過去の人々の信仰、そして、今をもがく人々の信仰

その願いを聞き届けているからこその恩返しとも言える

陽乃「……でも、護るのは不可能だわ。このままではあなたが朽ち果てる。あなたでは力不足」

いいや、無意味に人間を護ろうなどとするからこうなる。

結界なんて張らずに、勇者である歌野とそれを手助けする巫女である水都にだけ力を授けてここから逃がしてしまうべきだった。

それなら、少なくとも二人は死なずに済んでいたはずなのだ
383 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:44:47.34 ID:Yf+Q/O32O
↓1コンマ判定 一桁

0、2、6 ぞろ目 特殊
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 19:45:12.46 ID:LNfACJi20
あ
385 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 19:50:33.43 ID:Yf+Q/O32O

では少し中断させていただきます
再開は21時ころから
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 20:02:57.62 ID:W93BUajaO
一旦乙
387 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 21:26:30.67 ID:As1VTo1So

陽乃「っ!」

ふと、御柱がまばゆく光る

あたり一面を照らすかのような強い光は、まぶしくも神々しく

瞬く間に中心部へと収束していき、

陽乃が触れている部分へと下り――そして、陽乃の体へと流れ込む

陽乃「……っ」

痛みはないし、吐き気もない。

ただ、何かが流れ込んできたという感覚だけが体の中から湧き上がってくる

陽乃「あなた」

それは、間違いなく神様の力だ

諏訪大社、そのかなめともいえる本宮に残された御柱に宿っていた貴重な力。

失われれば結界が崩壊し、

今すぐにでもバーテックスが流れ込んでくる力

陽乃「なに、してるのよ……」

それが今、陽乃の方に駆け込んできたのだ
388 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 21:31:16.14 ID:As1VTo1So

陽乃が御柱から手を離すと、

お役目を終えたとでもいうかのように、その御柱はその場に崩れ落ちていく

ガラガラと騒音と土煙を立てながら、

枯れ木のように朽ちて……あたりに散らばる

陽乃「ば……馬鹿じゃないの!?」

陽乃は思わず怒鳴ってしまう。

御柱に宿っていた力は、陽乃へと譲渡された

それはつまり、

諏訪の結界、その最終的な主導権が諏訪の神々から陽乃へと移ったということだ。

諏訪にいながら、

諏訪の結界を破壊することを考えていた陽乃に。

その空気にもなっていた神々ならば、

陽乃の目論見など、すでに知っているはず。

なのに――陽乃に託した

陽乃「私が……私が貴方達の意志を継ぐだなんて思ってるの!?」
389 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 21:38:39.47 ID:As1VTo1So

歌野へと力を貸し与えて、結界となって人々を守っていた諏訪の神々

その力はもはや消えかけといえるほどに微弱だった。

それは諏訪の人々を守ることだけを目的として消費され続け

やがて潰えるはずだった希望

そんなものを譲渡された陽乃は、

諏訪の神々から " 頼む " と、願われたようなもので。

だから、苛立つ

陽乃「私は……私はっ!」

歌野「久遠さん!?」

球子「何があったんだ!?」

あたりを照らした光、

御柱が崩れ落ちた騒音……みんなが出てくるのは当然だった。
390 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 21:44:01.19 ID:As1VTo1So

懐中電灯を持って駆け寄ってきた歌野は、

その崩れた御柱のそばに立ち尽くす陽乃に、何があったのかと問う

水都と杏は、見るも無残に崩れ落ちた御柱を前にして、呆然としていた。

球子「なんっだ……これ」

水都「御柱……諏訪を、諏訪を守る結界の要が……」

杏「久遠さん……?」

枯れ木となった御柱は、

しゃがんで触れた水都の弱い力でも、簡単に砕け散ってしまう

歌野「久遠さん答えて……何があったの?」

陽乃「……っ」

陽乃乃の肩を掴んで、

自分を向くようにした歌野は、陽乃へと詰め寄る

歌野「これ……久遠さんがやったの?」



1、だったら、なんだっていうのよ
2、うるさい!
3、知らないわよ……
4、どっか行って!
5、何も言わない


↓2
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 21:46:27.96 ID:LNfACJi20
1
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 21:46:45.97 ID:yIikTvrDO
5
393 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 21:52:42.66 ID:As1VTo1So

歌野「久遠さん!」

陽乃は何も言わない

その黙秘している態度に、歌野は焦った様子で体を揺さぶる

水都が言ったように、諏訪の各社にあった御柱は、結界の要だ

それが崩れたということは、

最悪の場合結界が壊されたということに他ならない

歌野「黙っていないで答えて!」

球子「ここにいたってことは、何かしたのか?」

杏「ま、待ってっ! 久遠さんは――」

御柱の惨状に固まっていた杏が、傍らの騒がしさにはっとして、

陽乃と歌野の間に割って入ろうと体を差し込む

歌野「久遠さんが悪さをするとかしないとか、そういう話をしてる状況じゃないの!」

杏「で、でもっ」

歌野「結界の要だって……話をしたでしょう? それが、一瞬輝いたかと思えばこんな風に崩れ落ちたのよ?
    その瞬間に久遠さんが立ち会ったのは間違いないの……話を聞かないわけにはいかないわ」
394 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 22:01:43.74 ID:As1VTo1So

考え方によっては、

あの輝きは爆破されたとか、燃やされたとか

そういうものだと思われても仕方がないものだった。

御柱が崩れ落ちた騒音のせいで、爆破したといわれても言い逃れはできない。

それほど、御柱は粉々なのだ

歌野「お願い……黙っていられてもどうしようもないのよ」

あんなにも強い輝きがあって、

それに続いた地揺れも引き起こすような騒音があった。

しばらくしたら、多くの人々がここに集まってくることだろう。

歌野「久遠さんが悪いって言いたいわけじゃないの。でも、何があったか教えてくれなきゃ……」

歌野達は、その場にいた陽乃を拘束しなければならない。

最悪の場合は、何があったのかを力づくで話してもらわなければならない

歌野は勇者として、

諏訪の人々の不安の種を取り除かなければならないからだ
395 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 22:08:17.55 ID:As1VTo1So

水都「久遠さん……お願いします。教えてください」

杏「久遠さん……」

陽乃「……」

諏訪の神々から力を託されたと言って誰が信じるだろうか。

陽乃は力を感じ取れるが、

ほかのだれにも、それはできない。

客観的に見て、陽乃が御柱に何かして壊したとしか思えないのだ

球子「黙ってるのは、さすがにまずいんじゃないのか?」

歌野「……最悪、力づくで話を聞くことになるわ」

杏「そんなっ……」

割って入ろうとする杏をものともしない歌野の力

本気で戦うとなったら、

それ相応のダメージは覚悟する必要があるかもしれない


1、勝手にしたら?
2、どうせ信じないじゃない
3、諏訪の力を託されたのよ
4、何も言わない


↓2
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 22:10:44.33 ID:zr0WBAxD0
1
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 22:11:18.10 ID:vWjdg4eEO
4
398 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 22:19:41.65 ID:As1VTo1So

陽乃「っ……」

言ったところで、どうせ信じて貰えるわけがない

向こうでそうだった。

言っても、言わなくても

信じて貰えなかった結果が今だから。

なにせ、陽乃には証明する手立てがない

御柱が砕け散ったという物証が目の前に転がっているだけ。

歌野「っ……久遠さん!」

杏「ダメッ!」

歌野「邪魔しないで!」

懐中電灯を投げ捨て、

陽乃を掴もうとした歌野のもう一方の腕を杏が掴んで抑え込む

杏「久遠さんには私が話を聞きますからっ!」

歌野「それでどうにかなる問題じゃないの!」

歌野は陽乃を掴んでいた手を離すと

杏に掴まれた腕を引いて距離を詰め、杏の胸元にその右手を打ち込んで突き飛ばす
399 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 22:25:22.51 ID:As1VTo1So

杏「っあ゛!」

球子「杏!」

突き飛ばされ、歌野の腕を放してしまった杏はそのまま尻もちをつく

杏が傷つけられて目を見開いた球子が今度は歌野を抑えようと動くが、

戦いの経験がはるかに勝る歌野の方が動きが速い。

球子「この――」

歌野「し――っ」

一歩踏み込んできた球子の足を内側から払うと

球子「ぅ゛あ゛っ!?」

バランスを崩した球子の背中に肘を打ち込んで、勢いよく地面にたたき伏せさせる

歌野「っ……悪く思わないで」

歌野は申し訳なさそうに呟いて、首を振る

歌野は、諏訪の勇者としての責務がある

同じ勇者だからと言って、

御柱を崩した可能性のある陽乃を黙認はできないし、それを助けようとする二人を打たなければならなかった
400 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/04/18(日) 22:26:08.02 ID:As1VTo1So

↓1コンマ判定 一桁

1,5,9 水都「うたのんお願いっ!」

ぞろ目特殊
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 22:28:03.41 ID:nALkcKbFO
あ
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