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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【3頁目】

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773 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/19(水) 00:33:14.71 ID:z0xjt9M3O

不穏な空気に
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/19(水) 00:48:07.48 ID:HafthrRnO

住人の全員避難はかなり厳しいか…
諏訪の神様の力でどうにかならないかな
775 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/19(水) 23:52:04.11 ID:HyTR2RJOo
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
再開は明日、可能であれば通常時間から
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 00:28:18.19 ID:hO3EqLW3O
777 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 21:20:54.10 ID:x54E8tI2o
では少しだけ
778 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 21:21:42.07 ID:x54E8tI2o

球子「それでも、本当に見捨てることなんて出来ないだろ」

陽乃「母親以外を置いてきた私が、赤の他人を見捨てることに抵抗がないとでも?」

陽乃は球子を見ずに答える。

本当は置いてきたわけじゃない。

母親を救えた時点で、そこにはもう、母親しか残っていなかっただけ。

置いていったんじゃない、置いていかれたのだ。

陽乃「平気よ。自分の手で殺すよりは楽だわ」

杏「……っ」

実際に陽乃は、人を殺したことがある。

球子と杏そして、杏の両親

その他多くの人たちの前で、一人の命を奪った。

あれは、明らかに過剰だった。やりすぎだった。

……けれど。

武器をもって立ち向かってきた人への、抵抗

その結果だった。

殺したくて、殺したわけではないはずだ

杏「でも、久遠さんの意見は一理あります。正直な話、他人に他人の分を背負って欲しいというのは状況的に難しいですから」
779 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 21:44:38.76 ID:x54E8tI2o

球子「杏まで」

杏「でも、現実的に考えるとそうなると思う。もちろん、私だってみんなが助かるようにしたい。けど……」

杏は、竹ざるの隅に残る細かい蕎麦を見つめる。

多くを救っても、どうしても救いきれないものはある。

それが絶対に救えないというわけではないが、

このひとかけらのためにもう一度手を動かさないといけないように

もう一度、諏訪と四国を行き来しなければならないのではないだろうか。

だとしたら、それはあまりにも非現実的だ。

理想を語れなくなったら、勇者としては終わっている。杏は、少しだけそう考えているけれど、

小説の物語ではないのだ

勝利が約束された主人公ではないのだ。

現実で、非現実的な理想を語り続けるのは容易なことではない。

杏「どうしても、見切りをつける必要があると思う」

水都「……」

歌野「現実を見れば、確かにそうなるわ」

出来る限り諦めたくないけど、と、歌野は小さく付け加える。
780 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 22:11:27.75 ID:x54E8tI2o

球子「歌野もあきらめるのか?」

歌野「私一人残って守れるならいいけど、でも、そうもいかないじゃない?」

歌野一人残っても、

陽乃が離れれば、諏訪は終わりだ

だからと言って、諏訪に残ってくれ。なんて強要も歌野はできない。

いや、しようとはしたが、

向こうに大切な人がいる以上、やはり、できない。

杏「久遠さんが離れると、結界も、白鳥さんの力も……」

球子「いや、歌野が残る以外にも何か……ほら、どうにかして、動けない人連れていくとか」

陽乃「貴女がバスでも背負って行けばいいのよ」

球子「無理言うな!」

杏「どうだろう? バーテックスを投げ飛ばしたりできるなら、バスも……無理かな?」

水都「体力的に無理……じゃないかな」


1、私を説得するって言う手もあるわよ
2、諦めなさい。諦めてる人なんて
3、恨んでもいいのよ? 私のせいだもの
4、何も言わない


↓2
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 22:13:00.88 ID:hfhZGk01O
1
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 22:13:41.69 ID:q4wF335x0
1
783 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 22:34:01.95 ID:x54E8tI2o

陽乃「私を説得するっていう手もあるわよ」

水都「説得、されてくれるんですか?」

陽乃「話は聞いてもいいわ。応えるかは別だけど」

球子「うわっ」

聞く気ないな。と、あからさまに嫌そうな顔をする球子から顔を背ける

向こうには母がいる。

簡単にそれを覆す気はないし、

何を言われようがされようが、ここを出て行くつもりだ。

陽乃「説得しないの?」

杏「久遠さんのお母さんが向こうにいるんですよね? なのに、ここにいてくださいなんて言えません」

向こうに、その母の支えとなってくれる人物がいるなら、少しは話も変わってくる。

杏の母親などは、それがいる。あるいは、ある。

だから、顔を合わせられないことは少し不安にもなるけれど、大丈夫だと思っている。

けれど陽乃の母には、それがない。

そして、陽乃は自分以外の人々を信用していない。

それなのに、目も声も何も届かない距離の場所に残したままなんて、無理だ。
784 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 23:02:53.77 ID:x54E8tI2o

歌野「じゃぁ、久遠さんにここにいる間に恋人でも出来たらどうなる?」

陽乃「はぁ? 出来るわけないじゃない」

向こうに比べれば、諏訪の人々からの印象はいいものだ。

それが異性的な好意であるのかは別の話だが、

もし、中にそんな好意を持ってくれている人がいたとしても、

陽乃は、その人を信用できないし愛せない。

陽乃「無理よ。私には」

球子「わかんないだろ、好きになってくれる人いるかもしれないぞ?」

陽乃「そもそも、恋愛なんかにうつつを抜かしている場合じゃないでしょ
    どこぞの男の子が、ピンチに現れてあとは任せろ。なんて言ってくれたって私は恋もできないわ」

杏「現実ですからね」

以前は、自衛隊の人たちがバーテックスに対抗しようとしてくれていたが、

そういったものではほんの少しの足止めになるかどうかという程度。

格好良く守ってくれるような何かなんて存在しない。

なにより、勇者は今のところ数人で、それもみんな女の子だ

陽乃「いずれにせよ、私には……無理よ」
785 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 23:19:53.92 ID:x54E8tI2o

水都「でも、いつかまた、そういう余裕がある世界を取り戻したい……かな」

歌野「あら。だれか気になる人でもいるの?」

水都「そういう意味で気になってる人はいないけど、でも、そう思わない?」

一般の人々もそうだが、

何より、勇者に選ばれた少女たちが普通に恋をできるような世界

それはきっと、間違いなく、平穏な世界だ

水都「うたのん……は、そっか。野菜か……」

歌野「ワッツ……こほんっ。解らないでしょ?」

球子「いいや、何か想像つかない」

杏「たまっち先輩だって、想像つかないけど」

球子「なんだとぉっ!」

さっきまでの、真剣な話がそっちのけで始まるどうでもいい話。

陽乃はそれに耳を傾けることなく、増えたせいで残っていた天ぷらをつまむ。

陽乃「……ばかみたい」

陽乃は、たとえ平穏な日常が戻ってきたとしても、無理だと思う
786 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 23:23:22.98 ID:x54E8tI2o

↓1コンマ判定 一桁

0,3,8 水都「久遠さんは、どんな男の子が好みなんですか?」

ぞろ目 特殊

※そのほか交流終了
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 23:25:21.11 ID:hfhZGk01O
788 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/20(木) 23:40:30.62 ID:x54E8tI2o

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 23:45:35.81 ID:hO3EqLW3O

相変わらずみーちゃんコンマ強いな
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 23:46:45.87 ID:hfhZGk01O

そういえばここまでシリアス続きで恋バナのこの字もしてなかったな
そしてゾロ目補正でどんな話題になるのだろうか
791 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/21(金) 22:10:31.80 ID:eLxkLxlio

では少しだけ
792 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/21(金) 22:11:13.06 ID:eLxkLxlio

水都「もしも勇者が、うたのん達みたいな女の子じゃなくて、物語によくあるような男の子だったら
    そうしたら、何か、もっといい方に変わってたのかな」

陽乃「私みたいな面倒くさいのはいないかもって?」

水都「そ、そうじゃなくて……」

困り顔の水都は、ちいさくため息をつく。

面倒くさいのは、否定できない。

陽乃からしてみれば水都達も面倒な人たちに思えて仕方がないのだろうから

おあいこ……だなんて、心に思って。

水都「もっと、救いがあったのかなって」

歌野「女の子から男の子に変わったとして何かあるかしら?」

杏「意志とか、力そのものとかは違うかもしれません」

熱血な人とか、正義感の強い人とか、

逆に血気盛んだったり……と、杏は候補を引き出す。

杏「久遠さんみたいに事情がなくても、アウトローな人はいたかも」

球子「逆に悪用するやつとか?」

陽乃「そんなの、男女関係ないじゃない」

九尾「そもそも、主様は神樹とは関係がないからのう。むしろ、討伐対象として付け狙われておったかもしれぬぞ」

陽乃「は?」

水都「えっ!?」
793 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/21(金) 23:00:31.57 ID:eLxkLxlio

5人で座っているため、

蕎麦屋の中でも広い座敷を利用していた陽乃達。

その、余っていたはずの場所に座っている金色の長い髪の女性

真横にいた水都でさえ、それがいつ来たのかもわからずに、

思わず声を上げて、歌野の方にぐっと身を寄せてしまう。

歌野「……だれ?」

九尾「ふむ……妾にも蕎麦を頼む」

陽乃「私はお金ないからね」

九尾「窮乏じゃな……まったく」

ため息をついた女性――九尾は、歌野の質問に答えもせずに、

陽乃の小皿の上に残っていた、山芋の天ぷらを指でつまんでかじる。

球子「……陽乃の知り合いか?」

杏「もしかして、九尾さん?」

九尾「うむ。さっきの話じゃが、主様はまた別の存在じゃからな。
   たとえ、勇者に男が選ばれようと主様が妾らの力を与えられることに変わりはなかろう」

それは、陽乃が拒絶でもしない限り変わらなかっただろう。と、九尾は言う。

九尾「なにより――あの場に、たどり着ける勇者はおらぬ」
794 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/21(金) 23:36:43.42 ID:eLxkLxlio

九尾の言葉に、水都がびくっと体を揺らす。

九尾「それに、変えられぬものを仮定する意味などなかろう」

水都「そう、ですけど……」

球子「そんないい方しなくたっていいじゃないか」

むっとして、反論する球子を九尾は横目に見て、

口元だけで、ふっと笑う

球子「何で笑うんだっ」

九尾「得られぬものを望んで何の意味がある? まだ、小娘が勇者として戦えるようになりたいと望む方がよかろうに
    変えられぬ過去より、いかようにでもできる未来をどうにかしようと話すのが普通じゃろう?」

陽乃「そうね」

杏「なら、藤森さんが勇者として戦うことも可能だと?」

九尾「ふむ……」

陽乃「食べたければどうぞ」

陽乃から手渡された皿を受け取って、

九尾はまた一つ、天ぷらをつまんでかじる。

九尾「巫女になれたならば、勇者になることも不可能とは言えまい。無論、容易ではないが
    主様が諏訪の神の代行者ならば、少しくらい、その遊びもできるじゃろうな」
795 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/21(金) 23:55:49.71 ID:eLxkLxlio

水都「遊び……でも、可能なんですか?」

陽乃「どうせ、死ぬやつでしょう?」

九尾「くふふっ」

ひなたがそうであるように、

許容量を超えた力の譲渡は、最悪死に至る。

九尾の力ほどではないにしても、

普通の力だって、普通の巫女である水都二はきっと、耐えられない

耐えられる可能性もないとは言えないが、試すわけにはいかないだろう。

九尾「そうじゃな。間違いなく死ぬな」

歌野「だったら、それも無駄な話じゃないかしら」

九尾「一度きりで死ぬとしても、その瞬間に役立つならばそれでよかろう? 出来もしない過去の変化を望むよりはのう?」

球子「二人そろって……」

意地の悪い奴だなとでもいうかのような球子に

それでも、九尾は笑って。

九尾「それと同じように、主様の説得も無意味じゃぞ」

水都「……」

九尾「無駄な時を過ごさぬようにと、心優しい妾からの助言じゃ」
796 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 00:16:24.36 ID:6rcIRENLo

心優しくない九尾の笑み

だが、実際に無意味なことには変わりがなく、

それが、もし仮に可能であっても途方もないことだとわかっているみんなは、

九尾の意地の悪い話に、強く言い返したりはしなかった。

向こうに、大切な人がいる。

それを、捨てろというなんて、誰にもできることではないからだ。

歌野「それは、わかってるわ。大丈夫よ」

水都のこともあってか、歌野の声はやや冷たい。

九尾「ならば、なすべきことをなすのが先決じゃろうて」

陽乃「……貴女、何のために出てきたのよ」

前触れもなく、

意地悪いことを言って。

ただ、陽乃が余していた天ぷらを食べに来たわけではないはずだ

九尾「主様、覚悟はしておく方がよいぞ。時間は、なさそうじゃ」

陽乃「総攻撃が、起きるの?」

九尾「いいや、起きぬやもしれぬ……起こるとしたら、向こうじゃな」

そう答えた九尾は、指をぺろりと舐める

九尾「あやがあるか……。総攻撃ほどではなかろうが、間違いなく向こうに何か起こる」


1、冗談や嘘じゃないのよね?
2、どうして?
3、なんでそう思ったの?
4、今すぐ、帰るわ


↓1
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 00:17:34.98 ID:jTB7PFH8O
2
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 00:18:36.72 ID:TdYngnZAO
3
799 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 00:23:09.15 ID:6rcIRENLo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は、可能であればお昼ごろから
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 00:25:05.30 ID:TdYngnZAO

若葉と千景がピンチだなこれ、勇者二人しかいないし
考えようによっては向こうに意識が向いてる今こそみんな連れて移動する好機なのかも
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 00:28:25.79 ID:jTB7PFH8O

珍しく人間体の九尾がみんなの前に出てきたと思ったら不穏な情報が…
そろそろ四国に戻らないとマズいか?
802 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 20:33:46.95 ID:6rcIRENLo
では少しだけ
803 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 20:34:23.61 ID:6rcIRENLo

陽乃「どうして?」

九尾「それは無論、主様がここにいるからじゃろうな。告げたろう?」

陽乃が来たせいかおかげか、

諏訪の結界はいぜんよりも強固なものになったという話だった。

それがきっかけとなり、

諏訪には手を出さない……出せなくなった。という可能性があるというのは九尾も言っていたことだ。

あくまで可能性だったが、現実味を帯びてきたからこそ九尾は姿を見せたのだろう。

杏「じゃぁ、今も……」

歌野「少なくとも今は無事なはずよ。いくら、久遠さんに不信感を抱いているとはいえ、そういう情報を伝えてこないとは思えないから」

水都「うん。通信の状況はあんまりよくないけど、間違いないと思う」

だが、今は。と、歌野と水都は神妙な面持ちで目を細める。

水都「通信はともかく、内容は"異常なし"だったんです」

歌野「乃木さんほど多くは語らないというか、乃木さん以上に淡白で義務的、まるでコールセンターにつなぐ機械音声を相手にしているみたいで」

うたのん。と、水都に突かれて歌野の愚痴が止まる

九尾「特に、外に警戒に出ているわけでもなかろうからのう」
804 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 21:12:25.08 ID:6rcIRENLo

杏「四国が襲撃されるまでの猶予は解りませんか?」

九尾「向こうにつながっているならばともかく、今の状況では不可能じゃな」

素っ気ない返しをする九尾は、そもそもまだ絶対ではないと続ける。

九尾「じゃが、襲撃が行われる可能性は低くはなかろうて」

球子「なら、戻るしかないんじゃないか?」

九尾「ふむ……人間を連れてかや? それではつく前に襲撃されるぞ?
    なにより、連れ出した人間の幾人かは命を落とすことになる。それでも戻るかや?」

九尾は、にやりと嫌な笑みを浮かべる

悪だくみをしているかのような、ほほ笑み。

間違いなく面白がっている。

その目は、陽乃に向いていた。

陽乃「……私を見ないでよ」

九尾「主様じゃろう。鍵は」

陽乃は四国に戻りたいと考えていた。

一般の人々を連れ帰るのはあくまでついでという考えで

今回、一般人を連れ帰る場合、四国が襲撃されるまでには間に合わない可能性が高い。

だが、陽乃が一人で出て行けば諏訪の結界が消えてしまう。

つまり、

四国を諦めるか、諏訪を諦めるか。陽乃次第ということになる。

しかし、諏訪を諦める場合は、そこに住む人々を諦めるということでもある
805 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 21:40:41.62 ID:6rcIRENLo

球子「タマ達だけで戻るっていうのはどうなんだ?」

杏「戻れる、かな……」

歌野「久遠さんが離れられないなら、私も離れられないわ」

水都「人数的には2人ずつでちょうどいいけど……でも」

外は今、バーテックスが溢れている。

総攻撃を行うために準備されてきた、かなりの数が。

その一部が四国の方に向かったとしても、たった二人でどうにかできる数ではないだろう。

陽乃「……」

四国が落とされたら、疎ましい人々を一掃できる。

だが、あそこには母がいる。

放っておくことなんて出来るわけがない。

99が不快でも、1がそうではないから救わないわけにはいかない。

球子「陽乃、タマ達に任せてくれないか?」

杏「たまっち先輩、戻るの?」

球子「戻るしかないだろ……どう考えても」

向こうには友奈、若葉、千景の三人がいる。

しかし、いきなりの大規模な襲撃に耐えられる保証はない。

球子「こう、前と後ろから……バンッって感じでバーテックスを叩く」

球子は強く両手を叩き合わせる。



1、任せられるわけないじゃない
2、諏訪を諦めるわ
3、少し、時間を頂戴
4、2人でどうにかなるとは思えないわ
5、諏訪周辺なら、私が潰してあげてもいいわ


↓2
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 21:44:23.67 ID:tO6yh9Ip0
5
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 21:44:24.36 ID:TdYngnZAO
3
808 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 22:33:07.52 ID:6rcIRENLo

陽乃「少し、時間を頂戴」

九尾「時間はないと思うが」

陽乃「……分かってるわよ」

悩む時間を作れば作るだけ、

向こうに戻るのが遅れ、そして、その分だけ被害が拡大する可能性がある

九尾の意地悪な忠告なんて必要ない。

解っている。

自分の都合のみを考えるなら、

迷わず諏訪を捨てていくべきだと。

九尾がいやらしいことを言ってくるのは、

陽乃が普段はそんな姿勢であるくせに、ここで躊躇っているからであることも。

陽乃「すぐに答えは出すわ。私が決めるしかないんだから」

歌野「……そうね。でも一人で悩まなくてもいいのよ? 私たちだって無関係じゃないんだから」

陽乃「貴女達の答えなんて、聞くまでもないわ」

杏と球子を信じろとか

あるいは、向こうに残した勇者たちを信じろだとか

そんな "信じて" だろうと陽乃は首を振る

陽乃「聞くだけ無駄だわ」
809 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 22:49:30.27 ID:6rcIRENLo

球子は念押ししなくてもみたいな表情をしてはいるが、何も言わない。

杏も、歌野も、水都も

みんな、口を閉ざしている。

説得を聞かないのとは話が違う。

でも、確かに、無駄だろうとみんなわかっていた。

みんな、信じて欲しいからだ

陽乃以外の勇者を、人々を。

それが難しいことをわかっていながら、それでも。

歌野「じゃぁ、そろそろお開きにしましょうか」

歌野はテーブルの上のお皿がきれいになっているのを見て、笑顔で言う。

食べている途中でも、今のこの話は中断すべきだ

歌野「久遠さん、答えはちゃんとみんなに教えて欲しいわ」

一人で行くなんて言えば、確実に反対されるし止められる

だから、陽乃的には何も言わない方が楽といえば楽なのだが。

陽乃「……それも、考えておくわ」

陽乃はそう答えて、まだ手に持っていた箸をおく。

陽乃「ご馳走様」
810 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 22:54:18.45 ID:6rcIRENLo
↓1コンマ判定 一桁

5,8 水都「久遠さん、食後のお散歩はどうですか?」
2,9 杏「久遠さん、少し時間を貰えませんか?」

※その他、交流終了
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 22:55:44.97 ID:wQiJwJ5B0
あー
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 22:55:59.78 ID:TdYngnZAO
813 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 23:01:59.30 ID:6rcIRENLo

√ 2018年 9月1日目 夜:諏訪

05〜14 球子
27〜36 杏
41〜50 歌野
52〜61 水都

↓1のコンマ

※それ以外は通常
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 23:02:40.74 ID:OA16KQKWO
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 23:06:41.82 ID:TdYngnZAO
816 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/22(土) 23:38:14.14 ID:6rcIRENLo

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 23:46:18.50 ID:OA16KQKWO

みんなを信じることが困難突破の近道な気がするけど
肝心の陽乃さんの心を開くにはどうすれば良いんだろう…
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 00:04:45.21 ID:1YjnlgOXO

球子たちに先行して四国に向かって貰って陽乃たちは諏訪のみんなと一緒に後追いが無難かなあ
もしかしたらピンチになってても粘ってるところに間に合うかもしれないし
なんにせよ早く決めなきゃな
819 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 18:32:49.36 ID:hWsNg6FAo
では少しだけ
820 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 18:35:36.28 ID:hWsNg6FAo
√ 2018年 9月1日目 夜:諏訪


陽乃はいつもの部屋で、一人テーブルに突っ伏す。

暗い部屋は影と影も交じり合って、一つの深い闇のように感じる。

そんな黒々とした場所を、睨む。

諏訪を見捨て、人々を捨て、四国に向かうか

母を諦め、四国を委ね、諏訪に残るか

陽乃「……信じる。ね」

杏達は間違いなく、自分を信じて欲しいというはずだ。

そして、四国に残してきた勇者たちのこともまた、信じて欲しいと

信じたら、何があるのか。

最良の結果が返されるとでもいうのだろうか?

いいや、陽乃にとっての最良は母の無事以外にはなく、

それが最も確実なのは陽乃が四国に戻ることだ。

しかし、ここで諏訪を捨てれば、

杏と球子の目の前で人を殺したことよりも酷いことになる。

そしてそれは、言い訳のしようもないほどに、陽乃の責任。

陽乃「……はぁ」

間違いなく、優柔不断だと陽乃はため息をついた
821 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 19:31:52.14 ID:hWsNg6FAo

だれも信用できない、

誰も自分には関係ない

そうやって切り捨てていくなら、迷う必要はない。

だが、陽乃は答えをためらった。

関係ない、今すぐ四国に戻るわ。そう、言えなかった。

陽乃「迷ってるの……? ここの人を見捨てるかどうか」

来る前も、来た当初も

歌野と水都はともかくとして

ほかの人は見捨てるつもりでいた。

なのに、ふたを開けてみればこれだ。

陽乃「……」

みっともないというべきか

情けないというべきか

陽乃「……みんなには、聞くだけ無駄なのよね」

信じて欲しい。そういわれるだけだから。

九尾に関しては、少なくともからかい半分で来るだろう
822 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 20:03:49.45 ID:hWsNg6FAo

陽乃の行動ですべてが決まる。

諏訪の神々の嫌がらせによって、諏訪の結界の要になってしまった結果だ

陽乃が望んだわけでもないのに押し付けられた役目。

陽乃「あぁもう……」

可愛さも余らずに、憎さが増すばかり。

この押し付けさえなければ、

何も迷うことなく、出て行くことができた。

陽乃「……」

まるで、試されているみたいだ

人を救う勇者たり得るか

それとも、そんなこともしない、勇者なり得ない存在なのか。

もしここで、

神々を裏切って諏訪の人を見捨てたら、祟られるのだろうか?

陽乃「厄介だわ」
823 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 20:20:47.47 ID:hWsNg6FAo

これで祟られるのならあまりにも理不尽だが

それが神様というものだろう。

もう諦めるしかない。

だが、人は。

陽乃「……っ」

悩む時間は短い方が良い。

早ければ今すぐにでも四国に発っておくべきだ。

球子と杏に委ねるのなら、なおさら。

陽乃のように、半日でたどり着けるわけではないのだから。

陽乃「……九尾が、送り迎えだけしてくれる。わけがないし」

九尾が可能なら、

球子と杏を四国に送ってもらえばいい。

何が起こるかはわからないが。

道中の安全と、長い距離はそれで解消できる。

陽乃「……どうせみんな、私が優しいから悩んでるんだとか、変な誤解するんだわ」



1、九尾を呼ぶ
2、伊邪那美を呼んでみる
3、みんなのところへ
4、陽乃が四国に向かう
5、任せる

↓2
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 20:24:36.90 ID:PQppQQvIO
1
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 20:25:02.02 ID:5zCyBKyI0
1
826 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 20:48:19.94 ID:hWsNg6FAo

陽乃「九尾、どうせいるんでしょう?」

陽乃がそう声をかけると、

暗闇の中に一人分の形が浮き上がって、女性の姿で九尾が姿を見せる。

相変わらず、自然発光しているかのように目に悪い。

九尾「何を悩む必要がある」

陽乃「言いたいことは解るけど」

九尾「勇者の不興を買うのが怖いのかや?」

九尾はそう言っておきながら、いいや違う。と否定する。

陽乃は目を向けたが、

暗い部屋の中では、九尾の表情の変化まではつかめない

九尾「捨てきれておらぬのじゃろう? 無駄な情を」

陽乃「……私は」

向こうで散々な目に合った。

だから、諏訪の人々もみんな同じような人々。

そうやって一くくりに出来ればいいのに、

陽乃はそれができていない。

九尾「主様は、人を憎むことができておらぬのじゃな。できておるならば、悩むはずがない」
827 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 21:37:22.11 ID:hWsNg6FAo

陽乃「憎んでるわよ」

九尾「ならばなぜ見逃し、悩み、躊躇う? 人が憎いならば、みな同じであると見限ることができるならば今ここでそうしている主様はおらぬはずじゃろうて」

九尾は息を吐く。

ため息ではないのに呆れている感じが強い。

九尾「だれに止められるでもなく、むしろ妾を止めるであろう?」

陽乃「……でも」

九尾「憎いかや? なら、人間など救う価値がないと切り捨てればよい」

助けた結果があれなのだから。

救ってあげたところで、

噂に流されて陽乃を悪く言う人も少なくなかった。

救えば救うほどその声が大きくなると思えば、

九尾が言うように、切り捨ててしまうべきだ。

九尾「主様、ここが分岐点じゃぞ。他人を諦めるのか、救ってしまうのか」

母親と、赤の他人

ここで母親をとれなかったのなら、陽乃は他人を諦めることができないことの証になる。

杏も、球子も、歌野も水都も

きっと、目障りだなんて突っ撥ねることが難しくなるかもしれない。

何を言ったって結局、陽乃は他人を思うことのできる少女だと、言い返されるだろうから



1、諦める
2、諦めない
3、貴女なら、どうする?


↓2
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 21:40:22.10 ID:5zCyBKyI0
2
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 21:41:19.92 ID:PQppQQvIO
3
830 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 22:24:43.52 ID:hWsNg6FAo

陽乃「貴女ならどうする?」

九尾「くふふっ、愚問じゃのう」

九尾が笑うと、女性には似つかわしくない牙が見える。

段々と夜目にもなれて、顔がやんわりとわかる。

赤い瞳は細く、口元はニヤリとしていて

九尾「妾は人間など救わぬ。有象無象など投げ捨て己の欲に従う」

陽乃「諏訪が滅ぶとしても?」

九尾「妾に関係があるかや?」

陽乃「いろいろお世話になったとしたら?」

九尾「人間が自分勝手に行ったことじゃろう? 妾が望まぬともそれを行い、見返りがなければ悪だと言う。そんな人間など捨て置けばよい」

九尾は悩むことはない。

それが当然だと疑っていないのだ。

九尾「何じゃ主様、世話になったなどと気にしておるのかや?」

陽乃「多少はね」

九尾「向こうでは、世話になった主様を邪険にしているというのに?」
831 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 22:51:22.44 ID:hWsNg6FAo

陽乃「だからって同じことしたら、私も同じ人間になっちゃうじゃない」

九尾「そういう言い訳かや?」

陽乃「そんなつもりはないけど」

九尾「主様はやはり、甘いな」

九尾の声は不審なほどに柔らかい。

九尾は陽乃が人間を見限ることができないと思っているようだ。

それを悪いとは言わないが、悪いと思っているかもしれない。

闇の中の赤い瞳が消える

九尾「主様が、人間を諦められないというならばそれでも良い。妾は、救う価値などないとは思うがのう。
    妾は妾、主様は主様じゃ。その選択によって、後悔するのもまた、主様じゃ」

陽乃「貴女、後悔するって思ってるのね」

九尾「うむ。以前の主様はそうじゃろう?」
832 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 23:11:58.72 ID:hWsNg6FAo

九尾「人間を救ってどうする。あの場所に連れ帰ってどうなる。人間など、間引いてもよかろう」

陽乃「……間引く、ね」

九尾は人間ではない。

人の形をしてはいるが妖狐だ

だから情なんてなく、非情なことでも決断できる

九尾「これ以上、余計なものは抱え込まない方がよいと思うが」

九尾はのどを鳴らす。

九尾「なにより人間を連れ出すならば時間が足らぬ」

その場合は杏と球子

そして、向こうに残してきた勇者たちに委ねなければならないと、九尾は言う。

陽乃もそれは解っている。

九尾「妾はあの小娘らよりも、聞くだけ無駄であろう? なにせ救う気などないのじゃからな」

陽乃「ええ」

全くの無駄だったわと、陽乃は首を振る。
833 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 23:24:14.33 ID:hWsNg6FAo

陽乃の反応を見て九尾はくつくつと笑う。

口元に手をあてがって隠す少し上品ぶった仕草をして

細められた赤い瞳が陽乃を見据える

九尾「諏訪を捨てるならば妾も手を貸そう。じゃが、主様は小娘どもから睨まれることになろう」

陽乃「なのに見捨てるべきだってあなたは言うんでしょ?」

九尾「無論じゃ。主様にとっての母のような存在がおるならば他人のことなど気にする必要もない」

そして、本当に突き放したいなら

あえて恨まれる選択をするべきだ。

みんなは諏訪のことを考えてくれるようにと思っている。

だが、そうすれば母が助かる可能性は、低くなるかもしれない。

最悪、四国が崩壊してしまう可能性だってある。

陽乃「っ……」

杏と球子は、一応ここに来てから実戦経験を積んでいる。

模擬戦の約束ははたしていないけれど。

陽乃「私は……」


1、杏達に任せる
2、杏達に任せない
3、みんなのところへ


↓2
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 23:27:33.19 ID:72OKy929O
3
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 23:28:40.94 ID:1YjnlgOXO
1
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 23:28:55.66 ID:5zCyBKyI0
3
837 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/23(日) 23:49:45.11 ID:hWsNg6FAo

陽乃「いいわ。あの子たちに任せる」

九尾「ほう?」

陽乃「白鳥さんが3年間耐えられたんだから、2人を含めた5人での防衛なら凌げるはずだし
    なにより、私がこの先もお母さんと生き残ることを優先するなら、無駄に不興を買う必要はないわ」

そして、2人がいなくても諏訪の防衛はできる。はずだ

陽乃「それに、通信に上里さんを引き出せる可能性もある」

九尾「四国に戻るならば、不要じゃが」

陽乃「今回の件で、バーテックスの動きに変化があって諏訪に長く残る必要ができるかもしれないじゃない」

九尾「ふぅむ……そうじゃな」

九尾は納得したようにうなずく。

九尾「ならば、小娘に主様の母親をこっちに連れてこさせるのはどうじゃ?」

陽乃「そこまでの信頼はしてないわ」

九尾「そうか」

陽乃は九尾を睨んで、拒絶する。

平和だったころならまだしも、そうではない陸路の旅路

多少の実戦経験があろうと、許せない

陽乃「それはそれ、これはこれ。四国を任せるだけで母の身の安全まで任せる気はないわよ」
838 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 00:24:34.40 ID:iSEXsu9wo

九尾「みなの意を酌んだと思われて厄介なことになるやもしれぬぞ?」

陽乃「別にいいわよ」

事実を言ったって、

どうせ、みんなはそれを曲解する

今まで厄介だったのだから、これからも厄介になろうと関係はない。

陽乃「2人を四国に戻せば、2人まで手にかけた話も消えるだろうし」

九尾「そんなこともあったのう」

千景はその噂を信じているのだったか

どちらにせよ、陽乃への憎さは変わらないだろうが、

勇者を手にかけたという噂一つ減れば

ほかのうわさも……と、連鎖するかもしれない。

とはいえ、人一人殺した事実がある以上はどうにもならない。

九尾「まぁよい。主様がそうするならば、妾は従おう」

陽乃「天ぷらあげたんだから、そうじゃなきゃ困るわ」

九尾「くふふっ、次は蕎麦で頼む」

九尾のからかうような声に何も言わずに、

陽乃はさっと、部屋を出て行く
839 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 00:28:50.21 ID:iSEXsu9wo

では途中ですが本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 00:48:29.63 ID:YH32QPXyO

諏訪の人たちを裏切れないしな……
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 06:10:39.35 ID:fCgq3hjvO

とりあえず陽乃さんが諏訪を出るのは頃合いを見てという感じかな
842 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 22:51:02.80 ID:iSEXsu9wo
遅くなりましたが、少しだけ
843 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 22:53:32.29 ID:iSEXsu9wo

陽乃「というわけで、貴女達の案に乗ってあげるわ」

球子「上からだなぁ……」

陽乃「母のことを任せられるとは思っていないけど、でも、貴女達が生きていることの証明もできるし
    私の評判はともかく諏訪との往復が可能なこと、諏訪にはまだ生存者がいること。伝えるべきことが多いから」

陽乃は少し考えて、球子を見る

陽乃「とはいっても、貴女達が向こうにたどり着けなければ意味がないわ」

九尾の力を借りなければ、どう頑張っても半日で戻るのは不可能だ

不眠不休で、全力

それならどうにかなるかもしれないが、それはバーテックスがいないこと前提になる。

途中で戦闘する危険性を考慮すると、

注意力をそぐようなリスクをわざわざ背負う必要はない

陽乃「絶対に生きて戻ることができるのよね?」

球子「でき――」

杏「……外の状況次第です」

出来ると言おうとした球子

それを、杏は遮って偽りなく答える。

自信満々に言うべきだっただろうか。なんて、迷っていない。

杏「約束したいです。気持ち的には絶対だって言いたいです。でも、その約束はできません」
844 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 23:13:32.72 ID:iSEXsu9wo

球子「杏はタマが守るぞ」

杏「ありがと……もちろん、たまっち先輩のことは信じてる。でも、諏訪の周辺で数回戦って思ったんだ
  どれだけ力があっても、やっぱり、物量で押し込まれることがあるんだって」

歌野と球子、そして杏

三人で、襲撃に対応したこともあった。

その時も一人当たり数えるのも手間なほどだったが、

想像以上に力のある歌野を起点に、それをカバーするような形でどうにか切り抜けることができたというだけ。

今回は、その歌野さえいないのだ

歌野「道中、無理に戦う必要はないと思うけど」

杏「もちろん、可能な限り戦闘は避けようと思ってます。だけど、総攻撃の準備が行われた諏訪周辺
  襲撃の可能性が控えている四国周辺。そして、その中間地点。どこも安全な場所がないと思っておいた方が良いと思います」

球子「ならどうするんだ?」

杏「……頑張るしかない。と、思う」

球子「そんな根性でどうにかなんて、言う方がおかしくないか?」

杏「本来の時間よりも、かなり時間をかければ安全に行けるかもしれない。でも、それだと間に合わないから急がないといけない
   なのに、一度戦いになれば次から次へとバーテックスが来るかもしれない」

水都「九尾さんは、力をお借りできないんですか?」
845 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 23:28:41.97 ID:iSEXsu9wo

陽乃「あのひねくれ者が力を貸してくれると思う?」

飼い主に似るんだな。なんてつぶやきが聞こえたが、

聞こえなかったふりをして球子を一瞥する。

にこりとしたつもりだったが、球子はさっと顔を背けてしまった。

陽乃「私になら力を貸してくれる。でも、貴女達のために力を貸してくれるとは思えないけど」

聞くだけ、聞いてみようか?

なんて、どうせ聞いているだろうけれど、思ってみる。

聞いているならさっきみたいに口挟んでくれてもいいものだが。

諏訪周辺だけでも、陽乃が蹴散らしてしまうのも一つの案だ

水都「そもそも、久遠さんから離れたら逆に久遠さんが力を使えなくなっちゃったりするとか」

陽乃「それは、ないと思うわ」

九尾以外にも力はある。

今の状況なら扱えるという話だが、あまり確かめたくない力が。


1、九尾を呼ぶ
2、諏訪周辺は、私が蹴散らしてあげるわ
3、自信がないなら、私が行くけど?


↓2
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 23:30:00.41 ID:huUzHgVQO
1
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 23:30:34.36 ID:ynMoTjBf0
1
848 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/24(月) 23:55:53.92 ID:iSEXsu9wo

陽乃「九尾、どうせ聞いてるんでしょ?」

陽乃が呆れながら言うと、足元から延びる影が歪んで、揺れて

不自然に盛り上がったかと思えば、人の形に変わって、生まれる

歌野「わぁお……」

九尾「くふふっ、妾はめのこでも構わぬぞ」

なびく金色の髪、深紅の瞳、色白の肌

スタイルもいい女性としての姿に感嘆の声を漏らした歌野を、九尾は悪い目で見る

陽乃「そういうのはいいから」

九尾「ふぅむ……」

九尾は肩を落として見せるものの、顔つきは全然だ

九尾「まぁよかろう。じゃが、妾は小娘を運ぶなどしてやるつもりはないぞ」

歌野「どうしても?」

九尾「今の主様ならば、小娘二人減っても問題はなかろう」

球子「なっ!」

九尾「それと結論から言えば、主様は妾がいなくとも力の行使は可能じゃ。もっとも、必要な場合を除いて使うべきではないがのう」
849 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 00:00:03.22 ID:CYW+9YxIo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 00:10:44.72 ID:WGQ/5I0CO

できたら九尾の説得したいけどダメなら諏訪周辺をなんとかするのが先かな
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 01:36:50.71 ID:72bwNrPBO

少しでもいい方向に向かってくれることを祈るしかない
厳しいと思いつつも前向きなあたりは球子と杏もさすがに諏訪の人々見殺しにするのはと思ってくれてるんだろうか
852 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 21:08:27.13 ID:CYW+9YxIo
では少しだけ
853 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 21:12:34.34 ID:CYW+9YxIo

水都「それで久遠さんがまた倒れる可能性もあるということですか?」

九尾「ある」

心配そうな水都に、九尾は断言する

今の陽乃はちょっとやそっとのことでは影響を受けない

しかし、それはあくまで九尾の力であればという話だ。

もう一体の、切り札ともいうべき存在の力は九尾のそれをはるかに凌駕している。

力を使うでもなく、ただ姿を見せた状態で陽乃が昏倒するほどだったのだから

実際に力を使った場合の影響は使ってみなければわからない。

だが、ないことだけはありえない。九尾がそう、判断したということだ。

水都「なら、久遠さんにその力を使ってもらうわけにはいかない」

歌野「そう、ね。九尾さんはそもそも嫌だと言うし、残念だけど四国には二人でどうにか戻ってもらうことになるわ」

杏「もともと、そのつもりです」

球子「楯をぶん投げて乗り物に出来たりしたらいいんだけどなぁ……あの、なんか、投げた丸太に乗る的な」

歌野「その楯の大きさじゃ、ちょっとね」
854 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 21:51:31.52 ID:CYW+9YxIo

陽乃「楯を大きくしたらいいじゃない」

球子「平然と無茶言うなよ」

陽乃「九尾は大きくも小さくも人間にもなれるから、貴女もどうにかしなさい」

球子「だから無理だって!」

声を上げて頭を抱える球子は、

それが出来たら苦労しないんだよと、テーブルに額を叩きつける

陽乃「伊予島さん、ルートは?」

杏「えぇっと……たまっち先輩どいて」

球子「ぉぁっ」

球子の頭をグイっと押しのけて、

陽乃が考えている間に用意していた地図をテーブルに広げる。

杏「まっすぐとはいきませんが、九尾さんの力で飛び越えてきた道の下を進もうかと思ってます」

陽乃「……京都じゃなくて奈良側を通った方がいいんじゃない?」

歌野「それだと時間がかかるわ。敵が多いのは承知の上で、可能な限り見つからないように行くしかないって言うのが私たちの考えよ」
855 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 22:23:29.96 ID:CYW+9YxIo

陽乃「兵庫岡山ルートよりは時間もかからないのに……まぁいいわ。大きく遠周りしてもたどり着けるとは限らないし」

陽乃は地図に影を落として、ふっと息を吐く

陽乃「九尾はどう思う?」

九尾「手堅い道などあるまい。ならば、時を重んじるのはむしろ堅実とも言える。問題はなかろう」

陽乃「そう……」

問題は、それで本当に無事にたどり着けるかということ

それだけはもう運だ。

そして、球子と杏の戦闘における実力次第。

残念ながら、不安しかない。

陽乃「九尾――」

九尾「断る。妾は小娘どもを背に乗せる気はない」

水都「久遠さんが倒れるかもしれないので、それは大丈夫です」

水都は陽乃に首を振る。

そんなことはされても困ると。

陽乃に万が一のことがあれば、歌野まで駄目になる。

そんな危険は冒せない。

陽乃「……」


1、諏訪周辺、私が潰すわ
2、いいわ。ならそれで頑張りなさい
3、出発は?


↓2
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 22:23:59.38 ID:72bwNrPBO
1
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 22:24:53.09 ID:E7+vm2nF0
1
858 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 22:45:44.48 ID:CYW+9YxIo

陽乃「諏訪周辺、私が潰すわ」

水都「えっ」

陽乃「予定通り、私が単独で諏訪周辺のバーテックスを一掃してあげる」

歌野「それなら私も!」

陽乃「貴女は駄目よ。温存させてもらう」

手を挙げた歌野を、陽乃は制止する。

歌野は3年間を戦い抜いたうえ、

今では陽乃の力で強化まで施せる

勇者の中で一番力があるのは、歌野だ

それなら、総攻撃にだって耐えうるかもしれない

陽乃「私の力で諏訪周辺を一掃してバーテックスの注意を引くわ。白鳥さんはそのあとの対処に回ってもらう
    伊予島さんたちはその隙に、抜け出していきなさい」

杏「久遠さんを囮にしろと?」

陽乃「野宿で虫には慣れたから、誘蛾灯くらいにはなってあげるわ」

球子「大丈夫なのか?」

陽乃「貴女達よりはずっと問題ないと思うけど」
859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 23:05:59.30 ID:CYW+9YxIo

球子はそりゃそうだとうなづく。

諏訪にいる勇者……陽乃は自分を数えないが、

数えた4人の中で1番と2番の2人と3番4番の2人

どちらがより問題なのかは明白。

否定する理由もなくて、球子は笑う。

球子「良いよ。わかった。でも、やりすぎないでくれ」

陽乃「……以外に素直ね」

球子「陽乃の力は認めてるし、必要なことだから仕方がない」

球子はそういって。

球子「それにさ、陽乃が自分の力を認めてるってことだからな」

杏「その代わり、絶対に四国にたどり着きます」

陽乃「……約束なんてしなくていいわ」

約束しますと、胸に手を当てた杏に陽乃は冷たく言い返す。

けれど、杏は笑って。

杏「約束は出来ないって言ったじゃないですか」

陽乃「そうね」

杏「だから、結果で示します。私達が信じるに値する友人だってことを」

陽乃「……」

球子「任せろ。うまくやってみせるさ」
860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 23:35:53.60 ID:CYW+9YxIo

陽乃「……変わらず勝手なこと言ってくれるじゃない」

陽乃は呆れたように言って、球子たちから目を離す。

こんなのはまるで、約束すると言っているようなものだ。

陽乃「やるというならやり遂げて見せなさい」

杏「はいっ」

水都「久遠さん、殲滅はいつ行いますか?」

陽乃が行動してからの移動になるから、

やはり、これもまた陽乃次第になってくる。

あれもこれも決定権を与えられると困ると陽乃は顔を顰めたが

自分が言い出したことだ。

陽乃「そうね……」

なるべく早い方が良い

陽乃が一掃した後、2人の移動がある。

陽乃が1日後に行えば、球子たちの到着が1日遅れる


1、明日早朝
2、明日昼
3、明後日早朝
4、明後日昼
5、それ以外 ※再安価


↓2
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 23:36:59.60 ID:WwfpkGlFO
2
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 23:37:02.67 ID:72bwNrPBO
1
863 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/25(火) 23:39:13.22 ID:CYW+9YxIo

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/25(火) 23:48:13.71 ID:WwfpkGlFO

最終的に陽乃さんたちもいつか諏訪を出るだろうし次の日早々に動いたほうがいいか
それにしてもやっとのことで団結して役割分担できるようになって嬉しい
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 00:17:46.88 ID:B9FoOLikO

朝飯前という具合で片付けてしまおう
諏訪の人たちもいつか大移動しなきゃいけないし杏たちが頑張ってる間こっちも移動できるように準備がんばろう
866 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/26(水) 23:38:26.79 ID:gY6RsURNo
遅くなりましたが少しだけ
867 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/26(水) 23:39:07.96 ID:gY6RsURNo

陽乃「明日の早朝、さっそく出てくるわ」

球子「準備はいいのか?」

陽乃「必要ないわ。十分、ため込んだもの」

杏「なら、早く休まないとですね」

杏は少し残念そうに笑う。

もう少しここで、みんなで過ごしていけると思っていたのが、

急に、明日別れなければならなくなったからだ

歌野は少し悩んで、頷く

歌野「そうね。早く寝なきゃ。久遠さんも今日はさすがに寝るでしょう?」

陽乃「ん……」

正直眠くはない

相変わらず、覚めきっている

九尾「今の主様なら、寝ずともよかろう」

水都「駄目です。体は人間なんですから、精神的に問題がなくても、体が壊れます」

九尾「ほう? 小娘が妾に言うか」

水都「明日の朝、すぐに決行するなら休んでください。無理にでも」

九尾の視線を受けても、

水都は怯むことなく、陽乃へと目を向ける。
868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/26(水) 23:58:33.60 ID:gY6RsURNo

水都「今は平気でも、時間になって何かがあったら困ります」

陽乃「解ってる」

今まで、遅寝早起きで何か問題が起こったなんてことは一度もなかった。

だが、明日もないとは言えない。

陽乃「仕方がないわね。従っておくわ」

球子「……意外だな」

陽乃「言ってることは正しいわ。早く起きる分には問題ないし」

杏「ですね。私たちも早起きしないといけないし……久遠さんが起きてくれたら、一緒に起きられそうな気がする」

球子「早起きは問題ないだろ。もう、みんな慣れっこだ」

球子の笑い交じりの言葉に、水都は同意して笑って歌野に目を向ける。

朝早くから畑に出向くことも多い歌野

それについていく水都、そして水都と同じように手伝いを買って出て早起きしていた杏と球子

陽乃はそもそも、歌野と同じかそれ以上に早起きだったため、

ここにいるみんな朝が早い。
869 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/27(木) 00:20:12.85 ID:x02yumYuo

杏「今日で、ひとまずみんなが揃うのは最後ですね」

球子「タマたちがいないからって、だらけるなよ?」

陽乃「貴女ね……」

九尾「あまりに程度が過ぎるならば、食らうぞ」

そう言って……一瞬にして美しい女性の顔立ちが狐に変わる。

体は人間、頭は狐

その歪で異様な姿に、九尾に慣れかけていた水都も体を震わせて、

威嚇された球子は目を見開いて口元をひくつかせる

球子「……ごめん」

水都「この部屋も、また余計に広くなっちゃうかな」

球子「心配すんな。すぐに、5人で戻ってくるよ」

いや、それは難しいか? と、球子は自分で訂正しかけて、笑顔でごまかす。

球子「とにかく寝るなら布団敷くぞ……いつもの感じでいいか?」

杏「うん、いいと思う」

水都と歌野が横並び、

その下で、球子と陽乃と杏で並ぶ二段の敷き方

最初は、陽乃がこっそり逃げ出さないようになって、囲む算段だったそれも、

早々に無意味とわかって、形だけが残った

陽乃はその細やかではあるが、せわしない5人の空気を眺めて、小さく息を吐く。

これで、それも最後だ。
870 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/27(木) 00:26:26.95 ID:x02yumYuo
√ 2018年 9月2日目 朝:諏訪

↓1コンマ判定 一桁

0,9 球子
1,8 杏
2,7 歌野
3,6 水都

ぞろ目 特殊

※そのほか 通常
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 00:27:12.63 ID:FRXUlxyNO
872 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/05/27(木) 00:34:01.03 ID:x02yumYuo

ではここまでとさせていただきます
1日のまとめは明日、再開時


水都単独交流→殲滅戦
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