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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
- 702 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 22:02:33.64 ID:9gSPyTtSO
- あ
- 703 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/27(水) 23:00:33.69 ID:E6/TiC6po
- √ 2018年 9月12日目 夕:移動�@
陽乃「……」
身動きできない以上、バスの車内にいるのは酷く退屈だ
声を出せるわけでもない為、
本当に、ただゆっくりと療養するしかないといった状態。
せめて片手でも自由なら、
本の一冊でもあればと思えるけれど、それもできない。
1号車では煩わしいほどに周囲に人がいたのに、
賑やかさこそ不要ではあるが、
細やかな雑音でもあればと思うときに、何もないのだから困る。
しかし、九尾に声をかけることは出来る。
歌野が元気なら、歌野にも可能だ。
水都に関しては……難しいけれど。
1、九尾を呼ぶ
2、歌野に声をかける
3、球子達を呼んで貰う
4、水都を呼んで貰う
5、イベント判定
↓2
- 704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 23:01:47.29 ID:9gSPyTtSO
- 5
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 23:02:06.25 ID:ONbtgPeg0
- 3
- 706 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 23:02:25.65 ID:HXjNozJcO
- 2
- 707 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/27(水) 23:12:35.19 ID:E6/TiC6po
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 708 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/27(水) 23:21:13.90 ID:9gSPyTtSO
- 乙
やむを得ないが四国到着まで絶対安静か…
できれば動くのは無理でも会話くらいはさせてあげたいけど
- 709 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 06:54:43.98 ID:CFYoQGUnO
- 乙
今さらだけど陽乃や歌野の使った力って切り札みたいな精神汚染とかはないのかな?
- 710 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/28(木) 21:14:16.34 ID:U1G/cYPGo
- では少しだけ
- 711 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/28(木) 21:18:14.69 ID:U1G/cYPGo
-
寄るなと言うくせにいざ何もないと呼び出しをかけたりするのなんて
陽乃自身、面倒くさいとは思うけれど。
あんなことがあった後なのにもかかわらず球子たちの誰もいないというのが不安だった。
体の状態的によりどころがないと不安なのではなく、
真っ先に罵倒でもしてきそうな彼女達が何もアクションを起こしてこないからだ。
その鬱憤がたまりにたまっているのではと思うと、
後々がより面倒くさそうで。
陽乃『九尾、お願いがあるんだけど』
九尾『同じ過ちは繰り返すつもりはないぞ』
陽乃『過ちって……』
つながりを辿って声をかけると、
九尾はすぐさま拒絶の姿勢を感じさせる
陽乃『土居さん達を呼んで欲しいのよ。次の休憩の時で良いから』
九尾『ふむ……』
九尾は一拍置いて、「そのくらいなら」と、承諾してくれた。
- 712 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/28(木) 22:15:42.38 ID:U1G/cYPGo
-
九尾は言った通り、
道中での休息の際に球子達に声をかけてくれたようだ。
球子「……酷い状態だな」
杏「諏訪での久遠さんの状態と比べると、だいぶ軽いけどね」
球子「そりゃそうだけど、十分酷いって」
敷布を敷き詰められている最後尾のバスの床
そこに横たわる陽乃は、身動き一つできずに球子達を見つめている。
杏が見てきたのは血反吐を吐いてもがき苦しんでいる姿なので、
そのくらいは普通と感じているのかもしれない
杏「本調子じゃないって言ってたのは、本当だったんですね」
球子「走り回ってたと思ったら、急に、あんなことになって……ほんと、何やってんだ」
杏「タマっち先輩ってば……」
球子「気遣う必要なんてないぞ、杏」
こういうのは、甘やかすから駄目なんだと球子は言うけれど、
杏は困ったように笑って、一番甘やかされてないと思うと、陽乃を見つめる
- 713 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/28(木) 23:08:54.43 ID:U1G/cYPGo
-
杏「体の方は怪我とかはなさそうでしたけど、やっぱり、反動のせいですか?」
球子「そうだって言ってるぞ」
杏「……久遠さんにあとで怒られるよ」
陽乃が顔を顰めているのを見た杏が球子に忠告する
陽乃は今、話すこともままならない為か、球子は好き勝手に言う。
後で何か言われること、されることは覚悟の上なのだろう。
杏に注意されても、球子は謝罪もなくて。
球子「命を捨てるようなことをした陽乃が悪い」
文句があるなら言ってみろ。と、
むしろ挑発するような球子は、けれど、陽乃の身を案じているような表情を見せるけれど
どちらかと言えば怒っているのは球子のようだった。
球子「あのくらいなら、タマと杏だけで問題なかったはずだ。
そんなに、タマ達のことが信じられないのか? そんなに、タマ達は弱かったのか?」
杏「タマっち先輩っ」
球子「杏だって、気になってるだろ? なんで、わざわざこんなことになる無理をしたのかって」
杏「それは」
1、答えない
2、信じられないから
3、命を預ける気がないから
4、肯定する
5、文句でもあるの?
↓2
- 714 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 23:11:12.89 ID:mbsFChLlO
- 4
- 715 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 23:11:34.50 ID:8YmUIOogO
- 4
- 716 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/28(木) 23:21:55.86 ID:U1G/cYPGo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 717 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 23:33:32.81 ID:mbsFChLlO
- 乙
陽乃さんも自分に非があるという自覚があるはずだから今回は素直に頭下げた方がいいと思うんだけどなぁ
- 718 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/29(金) 00:48:55.28 ID:qWDorLuIO
- 乙
そろそろマジで反省しよう
- 719 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/10/29(金) 02:31:21.66 ID:OZa+M+GE0
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 720 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/30(土) 06:30:13.91 ID:SbtPN98EO
- アニメ三期ついにのわゆ来たと思ったらまさかのあのシーンからか…
なおさらこっちでは早く仲良くなって助けてやりたい
- 721 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 17:34:21.46 ID:5P/F18CEo
- では少しずつ
- 722 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 17:42:30.15 ID:5P/F18CEo
-
陽乃「ぅ……」
何を言おうにも、呻き声しか漏れない。
しでかしたことを考えれば言われるがままでも仕方がないことではあるけれど、
球子達は答えを求めている。
これが歌野だったのなら、
このまま話すことが出来なくても伝わるのだが。
陽乃『九尾』
九尾『また面倒なことを』
陽乃『いいから、このくらいは許して頂戴』
前回の裏切り……とも言える行為もあったし、
前向きではない九尾の反応も分かるけれど、
口を開くにも、今は九尾の力が必要だ。
九尾は恨み言を呟いたりはしなかったが、
ため息とともに、九尾の力が流れ込んできた。
九尾『人間を説き伏せるのなら、力を貸してやってもよいぞ』
陽乃『冗談は力だけにして』
- 723 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 18:20:47.29 ID:5P/F18CEo
-
球子「陽――」
陽乃「……ええ、そうよ」
陽乃は小さく息を整えてから、声を出す。
2回目ともなると、変に掠れたりしていない声が出せるらしい。
九尾の力は治すのではなく、治ったように錯覚させるだけ。
体に引っ張られる頭を、逆に、頭で体を引っ張っているだけでしかない。
思考さえ奪われなければ、どうにでもなるのかもしれないと、陽乃は企みを飲み込む。
陽乃「貴女にしては良く、分かっているじゃない」
球子「嫌な言い方だな」
陽乃「だってそうでしょう? 私がどうして貴女達を信頼できるのよ。
どうして、そうして貰えると思うほど、自分に自信があると胸を張ることが出来るのよ」
球子「っ」
陽乃「貴女が自分で言ったんでしょう? 自分は弱いって。ほかでもない私に」
- 724 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 19:05:13.04 ID:5P/F18CEo
-
球子「そう、だけど……けど。陽乃が言ったんじゃないか。見せてくれって」
陽乃「あぁ、そうね」
球子「なのに、見せる暇もないのはちょっとズルいんじゃないか?」
陽乃「……見せる暇をあげられるほど、私の余裕がないのよ」
一転攻勢
そこまではいかないものの、
陽乃は素直に答える。
陽乃「貴女達を信じていない。信じられない。あのまま任せても良いといえるほどの余裕がない。見ればわかるでしょ
本調子じゃないなんて嘘。ほんとは、こんな体だったのよ」
本調子じゃないといえるほど、調子は良くなかった。
指先一つ動かすことは出来ず。
顔を動かすこともできない。
陽乃「たとえ、貴女達が弱いとしても。貴重な勇者を欠くわけにはいかない。その可能性を無視するわけにはいかない」
- 725 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 19:45:04.17 ID:5P/F18CEo
-
杏「……動かないんですか? 体」
陽乃「指先一つね」
球子「話せはするんだな」
陽乃「まさか。ここまでの体で正常に会話が出来るわけないじゃない」
九尾の力は話すことにしか作用していないようで、
苦笑しようにも、体がまるで反応してくれず、頬が引き攣る
陽乃「これも九尾の助力があってのこと……でも、駄目ね。思っていた以上に反動が大きかった」
下手に戦うことなく、
日常生活を送るだけだったなら、大丈夫だっただろう。
けれど、正常な体だとしても多少は反動のある力だ
今の体に、それは死にに行くようなものだった
球子「こんな体なら、少しくらいいいじゃないか……信じられなくても、少しは、自分のことを考えたって」
杏「久遠さんはもう少し、自分を大切にするべきです」
陽乃「したからこうなったのよ」
杏「してたらならないです」
球子「なるわけないだろ」
陽乃「……」
2人は睨むように、陽乃を見つめる。
1、それもそうね
2、悪かったとは、思ってるわ
3、なったからこうなってるんじゃない
↓2
- 726 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/31(日) 19:46:54.81 ID:XLew39e60
- 2
- 727 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/31(日) 19:47:03.12 ID:bywg79duO
- 2
- 728 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 20:34:14.96 ID:5P/F18CEo
-
陽乃「悪かったとは、思ってるわ」
杏「これで思っていてくれなかったら、本気で怒りますっ」
陽乃「ご立派なことね」
球子「いっつもそうだ。陽乃はタマ達を……」
陽乃「……なによ」
球子「上手い言葉が浮かばないんだよっ」
球子はフイッと顔を背ける。
自分の頭の中に言葉があっても
それを相手に伝えることが出来ないもどかしさからか、歯を食いしばっている。
杏「タマっち先輩、帰ったら本を読もうよ。いいセリフが思いつくかもしれないし」
球子「……考えては、おく」
これは読む気はないなと思う陽乃に、杏が困った笑みを見せる。
同じ考えのようだ。
杏「久遠さんはいつも、遠いんですよ。全部、まるで他人事みたいに受け流そうとしてる」
- 729 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 20:57:16.24 ID:5P/F18CEo
-
杏「私達がこうやって怒ってても、ハイハイ。って、受け流してるように感じるんです」
陽乃「……否定はしないわ」
ちゃんと聞き入れているなら、
陽乃が今こうして伏せっているわけがないからだ。
受け止めて、考えて
正しく行動していれば苦痛は少なく済むことだろう。
にもかかわらず、陽乃は最も辛く苦しく
何よりも厳しい道を自ら率先して選んでいく。
周りがそれを改めるように言っても、まるで聞こうとはしない。
杏「生きたいって言うのに、死に急いでしまう。諏訪での生活でも、それは変えられなかったんですか?」
陽乃「死に急いでいるわけではないわ。ただ……ただね。何度だって言うけれど、私は自分以外、信じたくないのよ」
陽乃は、笑いきれない表情を歪ませて、杏に目を向ける。
陽乃「貴女達が自分は大丈夫って言って、たとえそれが真実だと頭が分かっていても、信じたいとは思えない」
杏「……四国で、散々な目に遭ったからですか?」
陽乃「ふふっ……さぁ? どうかしら。
誰かを信じ、誰かに頼り、そうして傾いた分だけ、まっすぐに立っていられなくなるものだと思う」
球子「陽乃っ」
陽乃は目元に涙を浮かべる。
それに気づいているのは、陽乃以外の2人だけだ
陽乃「私、きっと次は死ぬわ。貴女達を信頼して、その果てに失うことがあったら、私は間違いなく死を選ぶから、誰も信じたくないの」
- 730 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 21:23:12.42 ID:5P/F18CEo
-
球子「失うって言うのは、死ぬことも含まれてるのか?」
理性より、感情が前に出るタイプの球子は、
その言葉そのまま受け取ると陽乃は思っていたが、そうではないらしい
陽乃「貴女、意外と賢いわね」
球子「……なんだよ」
むっとする球子をよそに、陽乃の目は杏へと向く
杏は驚いたような表情で、手元にはどこからか出したハンカチがあった。
陽乃「なに?」
杏「私達が強くなれば、失う不安も少しは和らぎますか?」
陽乃「なれると思ってるの? 大社が応えてくれるかしら」
球子は、そう思っていなかった。
それにも限界があって、
いずれ自分は死に、杏を守れないだろうと考えていた。
けれど、杏は大社に相談して何か方法がないか探ろうとまで考えている。
強く慣れるとすれば杏の方だろうか。
杏「その為に、久遠さんには是非にも無事に四国にたどり着いて欲しいんです」
- 731 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 21:38:19.82 ID:5P/F18CEo
-
杏はハンカチを握りしめて一部分を人差し指と親指の間から差し出すと、
優しく、陽乃の目元を拭う。
杏「強くなりますよ。今は、まだ頼りにならないですけど」
球子「杏……なれると思うのか?」
杏「体を強くすれば力がつくし、戦術を扱えればより安全な戦いができる。
自分の武器の特性を理解して、100%……あるいはそれ以上の戦い方を身に付ければ、神樹様の力に限りがあってもできることはあると思う」
球子「それでどうにもならない敵がいたじゃないか」
杏「でも、あれにだってどこか脆い部分があるかもしれない」
球子と杏は一撃で吹き飛ばされたため、
戦いになってすらいなかった。
たった一回の攻撃で戦闘不能に陥るほどの力に、
超常の力抜きで抗うなど、到底無理な話のはずだ。
しかし、杏は諦めていない
杏「白鳥さんが来てくれなかったら、そのままタマっち先輩は死んでて、私一人になってたと思う」
球子「杏……」
杏「その時からずっと、考えてるの。タマっち先輩が死んでいたかもしれないって
それは、タマっち先輩以外の誰にでもあり得ることなんだって」
杏は唇をかみしめて顔を顰め
それでも、瞳だけはしっかりと前を見据えているように陽乃には見えた。
杏「でも、私が頑張ればそうならないかもしれない。この最悪の時代をどうにか潜り抜けられるかもしれない。
誰一人も欠けることなく、取り戻せるかもしれない」
陽乃「無謀な話だわ」
杏「そうですね。だから、最初はその手伝いを頑張っているんです。無謀なことを成し遂げようとしている勇者に助力して
いつの日か行う無謀なことのための、貴重な経験にしようと思ってます」
- 732 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/10/31(日) 22:10:02.79 ID:5P/F18CEo
- すみませんが、本日は所用の為ここまでとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 733 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/31(日) 22:35:56.81 ID:jUGFgnb2O
- 乙
陽乃さん今までで一番自分の正直な気持ちを外に出してた気がする
あとタマと一緒に大変な目にあったはずの杏のメンタル強くて心強いなぁ
- 734 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 00:13:49.91 ID:vTpdD7EfO
- 乙
みんな成長しないとな
陽乃に関してはむしろここで倒れてよかったかもな
一番成長しないといけない気がする
- 735 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 20:27:07.21 ID:BGNoHvu5o
- では少しだけ
- 736 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 20:30:09.39 ID:BGNoHvu5o
-
陽乃「……」
杏は本気だと、陽乃は感じる。
目を細めても杏の瞳は揺らいだりせずに陽乃を見返して
その"無謀な先駆者"が誰のことを指しているのか明らかにしていた。
陽乃「私はやりたいことをやって、出来ることをやっているだけ。死なない程度に」
球子「死にかけてるやつが何言ってるんだ。やりたいことやってるだけだろっ」
杏「しかも、それが諏訪から生存者を連れ帰るなんて勇者でも出来そうにないことなんだよね」
まだ調査さえされていない、バーテックスが蔓延っている結界の外に出て行き、
生存が確認されている諏訪へと向かい、
そこにいた生存者の大多数を引き連れての四国への帰還
やろうとする勇者はいるだろう。
しかし、それを実行に移せるかは別の話。
周りが止めるし、何より、犬死になる未来しか見えないことだ。
どれだけ緻密に計画を練ろうと、無計画と言われるほどのこと。
陽乃「私の目的はあくまで、生存率を上げるために諏訪の勇者を戦力に加えることであって、それ以外は荷物よ」
杏「でも、重いからって途中で捨てたりしないじゃないですか」
- 737 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 20:41:53.61 ID:BGNoHvu5o
-
高いお金ではなくても、お金を出したりなにか代価を払って手にしたものなら
手放すのは惜しいと感じるものはいくらでもある。
けれど、諏訪の人々はそうではない。
悪い言い方をすれば、押し付けられたものに過ぎない。
命が懸かる状況では、真っ先に見捨ててしまうのも無理はないものだ。
杏は陽乃を、悲しそうに見つめる
杏「でも、久遠さんはあえて命懸けでそれを守るんです」
陽乃「そ――」
杏「それは違う。なんて、この場にいる誰にも通用はしません」
明らかに危険な何かを拳1つで叩き伏せ、
大怪我を負いながらも敵へと向かい、
ただでさえ巨大な異形の怪物のさらに大きな化け物を打ち倒した。
杏達がそれを聞いたのは、諏訪の人々からである。
杏も球子も
そして、諏訪の人々も。
陽乃がどうしようもないほどに、他人を守ってしまうことはもう、分かっていることだった。
杏「知ってますか? まだ私達が合流していない頃、意識を失った久遠さんを白鳥さんが連れてきたとき、諏訪の方々が大騒ぎだったそうです」
- 738 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 21:26:21.62 ID:BGNoHvu5o
-
粗暴な口ぶりで、付き合いは悪い。
自分のことを最優先だなんだといいながら、
命の危機が迫る強敵を前に逃げ出すことなく、それどころか、
過去の言葉が本心なら見捨てるべき多くの命を守っていた。
疑う余地はない。
気にかけない理由がない。
恐ろしいほどに、勇猛果敢な少女のことを。
陽乃「知らないわ」
杏「そう、ですよね」
倒れていた時のことなんて知るわけがない。
話を聞けばすぐにわかることだが、陽乃はそういうことをする性格ではないからだ。
杏は少し考えて、口を開く。
杏「ここでなら、久遠さんが嫌な扱いをされることは絶対にないって断言できます」
陽乃「貴女の言うそれこそが、私が好まないことだって分かってもらえると助かるのだけど」
杏「……大丈夫です。久遠さんがいて、白鳥さんがいて、タマっち先輩がいて、私がいる。四国よりも戦力がありますから」
誰も死なない。
誰も欠けない。
だから誰も裏切ったりはしないと、杏は言いたいのだろう。
- 739 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 21:27:58.64 ID:BGNoHvu5o
-
√ 2018年 9月12日目 夕:移動�@
↓1コンマ判定 一桁
9 バーテックス 発見
2 バーテックス 襲撃
4、6、8 歌野
1 住民
※それ以外のぞろ目は特殊
- 740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 21:29:38.45 ID:j/XHOvyMO
- あ
- 741 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 22:29:42.45 ID:BGNoHvu5o
- √ 2018年 9月12日目 夕:移動�@
バーテックスの襲撃頻度が上がってきていたこと
そして、陽乃と歌野が倒れつつも、
杏や球子が合流したことで余分な捜索活動が必要無くなったことや
戦力に余裕が出てきたこともあり、
出発時とは比べ物にならない速度で、バスは移動することが出来ている。
そのおかげで、朝に姫路城付近だった陽乃達一行は、
すでに、兵庫県に入ることが出来ていた。
ここから、通常の状態なら2時間程度で四国に入ることが出来るが、
当然、無理な話だ。
陽乃「四国が以前の諏訪の状態だと仮定しておいた方がよさそうだわ」
陽乃は目を細める。
四国は諏訪と同じように襲撃を受けている状態。
そしてその影響かは分からないが、
近付くにつれて襲撃される頻度が増えてきている。
場合によっては、諏訪の時以上の軍勢を突破しなければならない可能性がある。
1、歌野について
2、陽乃について
3、九尾と交流
4、水都を呼ぶ
5、イベント判定
↓2
- 742 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 22:31:26.27 ID:j/XHOvyMO
- 5
- 743 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 22:32:02.03 ID:xBaU2PR00
- 5
- 744 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 22:39:15.92 ID:BGNoHvu5o
-
↓1のコンマ
※ぞろ目で特殊
01〜10 杏
11〜20 球子
21〜30 九尾
31〜40 歌野
41〜50 水都
51〜60 住民
61〜70 特殊:悪
71〜80 歌野
81〜90 水都
91〜00 襲撃
- 745 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 22:40:21.73 ID:j/XHOvyMO
- あ
- 746 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/02(火) 22:58:42.88 ID:BGNoHvu5o
-
では少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
歌野起床
予定上では13日朝に四国
完成型2回、戦闘7回(先行含む)
- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 23:05:44.58 ID:j/XHOvyMO
- 乙
一時はどうなることかと思ったけど全員無事でやっと四国への長旅が終わりそうだな
あとは今の陽乃さんが向こうでどんな扱いになるかが気になるけど
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 00:19:27.59 ID:K1XiW5XBO
- 乙
四国までたどり着けたか……
あとはうたのんになんとか回復させて貰えたらなあ
- 749 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 02:03:19.00 ID:UTibgaXD0
- 乙
結構長いあいだ四国空けててタマと杏は不在だし(しかも四国側からしたら生死不明)
結構原作と似たような状態で四国放置だったけど陽乃が一身に受けてた批判とかが残った勇者のほうに行ってそうで千景とか闇堕ちしてないか心配
- 750 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 21:44:26.31 ID:Nhu0Gdmwo
- では少しだけ
- 751 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 21:52:28.03 ID:Nhu0Gdmwo
-
陽乃「ん……」
九尾とは違う別の声が内側に響いて来て、陽乃は目を開く。
自分が意識を失っていたことに戸惑う声。
陽乃の視界の端で垂れていた薄い掛布団がずるずると動いて、陽乃の方に落ちてくる。
歌野「ぁれ……寝ちゃっていたのね……」
視界は布団で塞がってしまったけれど、歌野の声と体を起こした音が聞こえた。
陽乃「……体の方は、痛みがなさそうね」
歌野「えっ?」
歌野の驚いた声がすると、暫くして陽乃の体を覆っていた歌野の使っていた掛布団がめくられる。
ようやく視界が確保された陽乃は目の前に見える歌野をじっと見つめて。
陽乃「貴女、身に余る力を使ったでしょう」
歌野「ええ……久遠さんの力の一部以上の力を借りたわ」
陽乃「その反動で意識を失っていたのよ。感覚的には寝落ちしたように感じるだろうけど、一歩間違えれば死んでいたわ」
歌野「分かってる。けれど、そうする他なかったの。そうしなくちゃ、私は誰も守れなかった」
- 752 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 22:12:06.03 ID:Nhu0Gdmwo
-
歌野「……久遠さんも目が覚めてよかったわ。宇迦之御魂大神様の御力なら癒すこともできるといっていたけど、本当だったのね」
陽乃「ええ。まぁ……とはいえ、見てわかるとおりだけど」
歌野「体、動かないの?」
陽乃「ちっとも」
杏と球子だったら誤魔化しもしたかもしれないが、歌野に対しては特別、隠したりはしない
隠したところでバレるだろうし、それなら、初めから素直に教えておいた方が良いからだ。
陽乃「貴女が眠っている間に襲撃があったのよ。で、ちょっと油断してこうなったの」
元々体は動かなかったのに、
九尾の力を借りて無理した結果が、このざまである。
余計に悪化して、指一本動かせない。
本来なら会話もままならないところだが、
そこは九尾の力でどうにか話せるようにしているだけだ。
歌野「……ごめんなさい。久遠さんには無理させたくなかったのに」
陽乃「謝られたって、困るわ」
歌野が戦えなくなるきっかけを作ったのは、
完成型を無理やりにでも倒すための手段を講じたからに過ぎず、その判断は陽乃がしたものだった。
その結果、陽乃が戦闘不能に陥って歌野が1人で戦うことになっため無理をする必要が出てきてしまったのだから
1、ただ、無理はしないで。貴女に死なれると水の泡だわ
2、神様は普通以上に反動が大きいのよ。無理をするものじゃないわ
3、力を使い過ぎない方が良いわ
4、貴女には、私のそばにいて貰うわ
↓2
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 22:14:49.91 ID:9NIrCHQM0
- 2
- 754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 22:15:04.83 ID:ucR2HnRXO
- 2
- 755 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 22:40:50.86 ID:Nhu0Gdmwo
-
陽乃「神様は普通以上に反動が大きいのよ。無理をするものじゃないわ」
歌野「身に染みたわ」
歌野はそう言って困ったように笑う。
俗にいう、ゾンビアタックのような戦い方しかできなかった歌野
壊れていく傍から無理矢理に回復させるその戦い方もそうだし、
誰かを癒すために力を使うのも、それなりに死に物狂いだった。
歌野「けれど、必要なの」
陽乃「……どうしても?」
歌野「ええ」
完成型に対抗するには必要不可欠
そして、誰かを助けるのにも、無くてはならない力だったと歌野は思っている。
それがなければ完成型に敗北していただろうし、
どうにか逃げ切った先で杏達に出会っても、球子を救うことは出来なかっただろう。
歌野「私が遭遇した海老とか蠍みたいな形をした個体は、猛毒を持っていたし……瞬く間に体が侵されて、使い物にならなくなる。あれは、普通の勇者では間違いなく致命傷だったわ」
陽乃「そんなのもいたのね。私の穢れとどっちが強いかしら」
歌野「間違ってもそんな勝負しないで」
陽乃「しないわよ。死にたくないし」
- 756 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 22:55:39.32 ID:Nhu0Gdmwo
-
歌野はそうよね。と言うと、
少し間をおいてから「久遠さん」と囁くように言って、手を握る。
歌野「……無断で力を借りたのは申し訳ないと思ってるわ」
それもただの力ではなく、
宇迦之御魂大神様と言う、神様の力だ。
陽乃「私にお願いしたところで借りられる力ではないし、別にいいわよ」
歌野「そうなの?」
陽乃「当たり前でしょう? 私ならともかく、間接的に繋がりがあるだけの貴女が無理矢理力を引き出すことなんて不可能よ」
それでも歌野が力を使うことが出来たのは、
宇迦之御魂大神様が歌野に力を与えることを承諾したからだ。
そうでなければ、歌野は力を使えない。
陽乃「貴女が諏訪で農業に携わっていて、それに対して強い想いがあったからこその賜物でしょうね。宇迦之御魂大神様に気に入られてるわ」
歌野「好きでよかったって、心から思ってる」
歌野は頬を赤らめて、とても嬉しそうに言う。
食物の神で、農業の神としても知られる宇迦之御魂大神様
だから、九尾は歌野を唆したに違いない。
歌野「久遠さんを、助けられるわ」
- 757 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/03(水) 23:01:24.05 ID:Nhu0Gdmwo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 758 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/03(水) 23:13:20.55 ID:TSF77CZkO
- 乙
確かに回復戦法のおかげでみんなを救えたのはあるけど…
陽乃さんと思考回路がだんだん似てきたせいかそのうち無理が祟ってうたのんが最初の犠牲者になりそうで心配だな
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 00:27:13.51 ID:5XwbHuUbO
- 乙
うたのんを助けてうたのんにも助けてもらおう
- 760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 23:01:21.15 ID:8TUZIwHwO
- 今日も休載だろうか…
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 02:02:21.89 ID:xlGC5M8UO
- 忙しいんでしょう
ここでも長くやってて更新速度早いし気長に待とう
- 762 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 21:58:37.39 ID:IMEoJBh9o
- では少しだけ
- 763 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:00:17.63 ID:IMEoJBh9o
-
歌野を戦力に加えて、生存率を上げるという当初からの目標を考えれば、
歌野のその考えは願ったりかなったりな話だ。
しかし、それでは困る。
陽乃「神様は普通以上に反動が大きいと言ったはずよ。死ぬつもり?」
歌野「そんなつもりは無いわっ」
陽乃「結果的に死ぬと言っているのよ。私がそうするのと貴女がするのでは話が違うの」
陽乃はそう言って、歌野を見つめる。
普通に体が起こせるまで回復している歌野と、寝たきり状態の陽乃では全く説得力のない話にはなってしまうが、
それは扱う力の重さが原因であって、
同じ力を使った結果であれば、陽乃の方が症状は軽く治りは早いだろう。
歌野がもしもイザナミ様の御力を借りていたとしたら、モノの数秒で死に至ることだろう。
陽乃「私が出来ているから貴女もやるなんて言うのは、不可能よ」
歌野「そこまで慢心したりしないわ。久遠さんがとっても遠い人だっていうのは、良く分かっているつもりよ」
- 764 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:23:38.03 ID:IMEoJBh9o
-
陽乃「貴女が精力的に私の生存率を高めてくれることには感謝するけれど、それで犬死されるのはお断りだわ」
歌野を戦力に咥えようと考えていた時は、まだ完成型が出現していなかった。
進化型が明らかに過程のように見えていたけれど、
それ以外には予兆もなかった
だけど、今はそれが出現し、陽乃でさえイザナミ様の力を必要とし、
戦闘経験が豊富な歌野でも、陽乃を通して神様の力を借りられなければ今頃食い殺されていたかもしれない。
球子と杏も今の力では太刀打ちできないため、
歌野が増えたところで実質、戦況は悪化したと言えるだろう。
にもかかわらず、歌野がむやみやたらと命を削ってしまうのは無駄でしかない。
陽乃「土居さん達の戦力差から察するに、乃木さん達も完成型には歯が立たない可能性があるし、その場合は私と貴女しかいないのよ。分かる?」
いずれはどうにかなる力を得られるかもしれない。
ただ、それは希望であって、まだ絶対ではない。
それなのに歌野が命を落とせば、残りの負担はすべてが陽乃に回る。
歌野「だったら、久遠さんも自分を大切にして」
陽乃「だから私と貴女ではそもそも――」
歌野「命が1つしかないのは同じだわ! いいえ、そもそも久遠さんは自分の能力に頼っていつも先陣を切って行ってしまうから一番死にかけているじゃないっ」
むしろ悪い方だわ。と、歌野は辛そうに言う。
歌野「久遠さんが死んでしまったら私も力を失う可能性が高いのよ。分かって……もう、久遠さん一人の命じゃないのよ」
1、なぁにそれ。私と貴女の子供でも産まれてくるのかしら
2、ちゃんとわかってるわ
3、……そうね
4、一蓮托生、ね
↓2
- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 22:27:41.36 ID:G7/WqXDHO
- 4
- 766 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 22:28:01.83 ID:+UYpepDl0
- 3
- 767 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:43:36.80 ID:IMEoJBh9o
-
陽乃「……そうね」
歌野「ええ、そうなの。No久遠さん、Noフューチャーよ」
陽乃がいなければ未来はないと歌野は冗談のような言い方をするけれど、
今のところ、完成型を倒せる陽乃がいなければ話にならないのは事実。
望みは薄いけれど、
球子達にも完成型に対抗する手段があって欲しいと思う一方で
それもやはり、同じように命を削る手段になるのではという懸念もある。
歌野は宇迦之御魂大神様に認められている為、比較的反動が軽い方だ。
だが、そうではない状態で力を扱うのなら、
球子達はたったの一度でも、陽乃がイザナミ様の力を使うほどの反動があるかもしれない。
陽乃「リスクばっかりだわ」
歌野「何か心配事?」
陽乃「心配事しかないわよ……まず、体が動かないところから」
歌野「それは、久遠さんが無茶してしまうからいけないのよ」
まさしくその通りだったが、
歌野は困ったように笑って、少しずつ力を送るから。と、陽乃の手を握った。
- 768 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:51:47.81 ID:IMEoJBh9o
-
歌野から流れてくる力は、宇迦之御魂大神様の力。
生命力を膨大にまで高めてくれる上、傷を癒す力がとても強いものだ。
そのおかげで、陽乃の体は少しずつ癒えていくのだが、
傷は多く、力を打ち消してしまう力が陽乃にはあるということもあって、
球子にした時のようにすんなりとはいかない。
とはいえ、1週間かかるはずだった傷が3日程度で治ったり、
3日ほどかかる予定だったものが1日で治癒できると言った大幅な短縮は見込める。
もちろん、歌野が無理をすればその限りではないが、
歌野が疲弊しないようにと考えると、そのあたりが限界だろう。
陽乃「あまり、力を使い過ぎないようにしなさい。病み上がりなんだから」
歌野「……いつも思うことがあるんだけど、言っていいかしら」
陽乃「言わなくても聞こえてるけれど、なに?」
歌野「それ、他人に言えないと思うわ」
陽乃「自覚はしてるわ」
たちが悪い。と、声が聞こえた気がしたが、
陽乃は反応せずに目を閉じる。
もちろん、たちが悪いのだって自覚していた。
- 769 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:52:34.18 ID:IMEoJBh9o
-
√ 2018年 9月12日目 夕:移動�A
↓1コンマ判定 一桁
3 バーテックス 発見
8 バーテックス 襲撃
1 住民
6 九尾
※それ以外のぞろ目は特殊
- 770 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 22:52:50.42 ID:xlGC5M8UO
- あ
- 771 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/06(土) 22:58:26.39 ID:IMEoJBh9o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 23:06:06.49 ID:y0Eribv7O
- 乙
陽乃さんが無茶しないためには若葉たちも強化が必要だろうけどどうすればいいのか…
あと振り切ったのかいつの間にか判定から完成型や進化型が消えてるな
- 773 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 00:19:30.26 ID:Ja788/pSO
- 乙
まあここまで来たら戦力の手薄な四国行くよね
- 774 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/07(日) 21:30:52.46 ID:+lApLILzo
- 遅くなりましたが、少しだけ
- 775 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/07(日) 21:33:01.77 ID:+lApLILzo
-
√ 2018年 9月12日目 夕:移動�A
あと数時間もすれば夜になる。
夜になればバスは休憩なしで走ることになるので、まただいぶ距離を稼ぐことが出来るだろう
最後の襲撃からまだ数時間
今のところ再度の襲撃は行われていないが、
夜に襲撃される可能性はある。
襲撃を受け始めた四国に近付きつつある今、安全な場所はもうない。
陽乃「……貴女も外に出てきていいのよ」
歌野「良いわ。久遠さんと一緒にいる」
陽乃「ここから先、明日の朝まで外に出られないのよ?」
戦闘がある場合は別だけれど、
殆どの場合、障害物の除去は球子と杏が遠距離から可能となったため、歌野に出番はない。
けれど、歌野は小さく笑って、良いわ。と繰り返す。
- 776 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/07(日) 22:17:55.27 ID:+lApLILzo
-
歌野「外の空気は窓を開ければ吸えるし、今は久遠さんの体を癒す方が大事なことだわ」
歌野が持つ宇迦之御魂大神様の力
陽乃を癒さなければならないわけではないけれど、
そうしないと、完治までにかなりの時間がかかる。
戦力的にも陽乃を遊ばせている余裕はない。
もちろん、そんな理由がなくても歌野は陽乃を放ってはおけない。
今は、歌野が使っていた場所に陽乃が横になっている。
陽乃から歌野、そしてまた陽乃へと戻った。
陽乃「……ここ、白鳥さんのにおいがするわ」
歌野「えっ!? ぁ、ご、ごめんなさい……」
陽乃「私も似たようなものよ」
歌野「……四国に着いたら、温かいお風呂に入りたいわ。久遠さんが動けなさそうだったら、私が手伝うわ。良いでしょ?」
陽乃「さぁ?」
四国にたどり着いてから、そんな自由があるのかどうか。
歌野達は労われるだろうけれど、陽乃は。
陽乃「そうできたらいいわね」
1、歌野が戦った完成型について
2、四国到着後について
3、先に大社に行かないといけないの
4、四国が滅んでるかもしれないし
5、イベント判定
↓2
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 22:19:20.09 ID:YDSEqtjxO
- 3
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 22:20:22.81 ID:7mo/FwYi0
- 5
- 779 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/07(日) 22:53:14.34 ID:+lApLILzo
-
↓1のコンマ
01〜10 水都
11〜20 球子
21〜30 杏
31〜40 九尾
41〜50 住民
51〜60 球子
61〜70 特殊:悪
71〜80 バーテックス
81〜90 住民
91〜00 九尾
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 22:54:16.64 ID:Ja788/pSO
- あ
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 22:54:40.38 ID:ebE+ZSatO
- あ
- 782 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/07(日) 23:34:05.65 ID:+lApLILzo
-
陽乃「今、どの辺りを走っているんだったかしら」
歌野「岡山市だって聞いたわ。普通ならもう2時間も経たずに四国につくことが出来るって話よ」
陽乃「ええ。そうだったわね」
今からでも全力でバスを走らせ、四国に向かってしまうべきではないだろうか。
バーテックスに気づかれる可能性はあるけれど、
勇者が4人いれば、通常個体の襲撃くらいはどうにでもなるし、
進化体なら、まだ平気だ。
歌野「不安なことでもあるの?」
陽乃「完成型……貴女、倒したわけじゃないのよね?」
歌野「撃退が精いっぱいだったけど……完成型との戦闘では私もっ」
陽乃「違うわ。完成型はどこに逃げたのか気になるの」
倒しきれなかったのだから、バーテックスはまだ残っているのは当たり前だ
今向かっている方向に逃げたわけではないのは分かっている
そして、現在進行形で襲撃を受けているであろう四国
逃げた完成型が歌野を含む一団を探して彷徨っている場合でも
そうではなく、四国襲撃に移った場合でも
このバスは、挟み撃ちに遭う可能性があるのではないだろうか。
陽乃「もう一度、完成型と戦闘になる覚悟をした方がよさそうだわ」
歌野「また、無理をするの?」
陽乃「死なない程度にね。心配は要らないわ」
- 783 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 00:12:08.06 ID:bEOTtUhdo
-
歌野「そんなこと言って……いつも、運よく死なずに済んでいるだけなのに」
完成型との戦闘ではかなりの深手を負ったが、
基本的にはバーテックスの攻撃ではなく
自分の力の反動によって陽乃は傷ついている。
歌野はそんな陽乃の手を優しく握って力を送りながら、
困ったように笑って。
歌野「その時は、私も連れて行ってね」
陽乃「悪いけれど、心中のお誘いはお断りするわ」
歌野「そうじゃなくて、戦うときはって話よ。もうっ……クレイジーだわ」
陽乃が動けないのをいいことに、
むにっと頬を摘まんだ歌野は呆れたように、絶対にね。と言う。
歌野「貴女を守るのが、私の役目だから」
陽乃「大それたことを言ってくれるじゃない」
一番死にやすい役割を引き受けるという歌野
陽乃は茶化すように言って、そして――
九尾『主様!』
陽乃「!」
九尾の叫びが聞こえた瞬間に、バスのすぐ近くで大きな爆発が起こった
- 784 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 00:15:03.06 ID:bEOTtUhdo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 785 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:19:25.60 ID:Jd01jGKnO
- 乙
到着目前にしてまたもやヤバそうな急展開が…
陽乃さん今の状態で乗り切れるだろうか
- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 00:28:28.81 ID:0+I41oA6O
- 乙
めちゃくちゃ気になるところで終わってしまった
なにが起こったのか気になって他のこと手をつかないぞ
- 787 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 02:23:17.48 ID:96AtBj300
- 乙
考えようによっちゃここ最近陽乃もみんなと話してちゃんと反省してってしてるし
そろそろいい加減に今こそ皆で力を合わせて戦うってのをするにはいいころ合いかもしれない
陽乃もうたのんもボロボロだし勇者の力的な成長じゃなくて内面の成長を経るにはいい機会だと思う
- 788 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 23:10:26.65 ID:bEOTtUhdo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 789 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 23:16:03.50 ID:bEOTtUhdo
-
陽乃「急に何なのよ……っ!?」
爆発の振動によってバスが激しく揺れた影響で歌野を下敷きにしてしまった陽乃は、
当然、指先一つ動かせないまま、苛立たしそうに怒鳴る。
そんな陽乃を歌野はどうにか抱き上げて椅子に座らせようとしたところで……また、爆発が起こった。
距離は少し遠いが、確実にこちらを狙っているもののようだ
陽乃「九尾、状況!」
九尾『あ奴らが現れおったぞ主様、襲撃じゃ』
陽乃「襲撃ってバーテックス? どこに潜んでたのよ」
休憩地点とする際、周囲の探索は怠っていないはずだった。
陽乃と歌野はそれを行える状況になかったものの、
球子と杏がそれを代わりに行ったはずだ。
それが甘かったと言われれば、叱責するだけでは済まないが……九尾もいてその体たらくはあり得ない。
九尾『辺り一帯から急激に数を増やし、一気呵成に厄介なものを作り上げおった』
- 790 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 23:40:53.46 ID:bEOTtUhdo
-
話すよりも見て貰う方が早いと判断したのか、
九尾の力が一気に流れ込んできて、体が動くようになっていく。
陽乃「っ……」
歌野「久遠さん?」
陽乃「大丈夫だから、さっさと行くわよ」
歌野の腕を払いのけてバスから飛び出ると
勇者服に着替えた球子と杏が必死に敵の迎撃に移っているのが見えた。
球子は近づきつつある初期個体の迎撃をしていて、
杏はそれとは別の何かを懸命に撃ち落としているが、落としきれずにいくつかが付近で爆発する。
杏「久遠さんっ、白鳥さんっ!」
球子「説明している時間はない! 皆を連れて逃げてくれ!」
杏は振り返る余裕すらなく、球子はかなり慌てた様子で怒鳴る。
杏が撃ち落とす炸裂段のような何かを放つ、巨大なバーテックス
今まで見たことのない形から察するに、あれもまた完成型の1つであることは間違いなかった
しかし、球子達が逃げろと言うのには別の理由がある。
それは……もう1つ、巨大な物体が陽乃達のいる場所に向かってきていたからだった。
- 791 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 23:50:22.65 ID:bEOTtUhdo
-
四国方面から向かってきた初期個体の集合体である爆弾のようなものを飛ばしてくる完成型
それとは別に、陽乃達が来た方向から向かってくる、針のようなものが見える尻尾のある完成型
ここには2体の完成型が集まりつつあるということだ。
今はまだ近距離を主体とするバーテックスが近づいてきていない為、
球子と杏だけでもどうにかなっている。
だが、完全に挟み撃ちされる形となったら逃げだすことは出来なくなってしまうし、
たった2人ではどうにもならない。
つまり、ここで2人を置いていけば、2人は確実に死ぬだろう。
しかし、陽乃は満身創痍で、歌野は病み上がり。
完成型2体を倒しきれるかと言えば……そうとはいえなかった。
杏「殿は私達が努めます。お二人は逃げてください……そして、万全な状態で立ち向かえるようにしておいてください」
球子「行けッ!」
だから、唯一対抗できる2人を温存し、万全の状態でいつか敵を取ってくれることを願って球子と杏は陽乃達に逃げるように言う。
陽乃と歌野さえ守れれば
その2人が万全な状態になりさえすれば……完成型が2体いようと、どうにかなると信じて。
歌野「久遠さん……」
歌野は陽乃を見て首を振る。
歌野は見捨てたくないようだが、陽乃が逃走を受け入れてしまったら、従うしかない。
1、逃げる
2、逃げない
3、球子と杏に逃げるように言う
↓2
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 23:52:06.38 ID:PfB5zZ6h0
- 3
- 793 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 23:52:12.19 ID:9V+tS9dXO
- 3
- 794 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/08(月) 23:53:54.89 ID:bEOTtUhdo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 795 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 00:01:22.66 ID:VZvAPFbjO
- 乙
ここまで来て史上最大級のピンチだな…
完成型が二体もいる以上、イザナミ様に全てを懸けるしかないか
- 796 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 00:07:36.13 ID:wgft7cq8O
- 乙
イザナミ様ぶっぱだと1体倒してぶっ倒れて終わりだろうなあってのが見えてるからなあ前回よりすでに身体ボロボロだし
うたのんいるしなんとか協力して打開する奥の手はないのか
- 797 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/09(火) 23:08:46.23 ID:z7UjNqy7o
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 798 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 23:11:30.51 ID:hnxo5SK2O
- 連絡乙ですー
- 799 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/11(木) 22:35:12.05 ID:p87iv82/o
- 遅くなりましたが少しだけ
- 800 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/11(木) 22:42:21.83 ID:p87iv82/o
-
陽乃「私達が逃げたってどうしようもないわ。貴女達が逃げなさい」
球子「何言ってんだ!」
陽乃「手で直接触れずに迎撃できる貴女達と、近づかなければならない私達。防衛で最も有効なのはどっちかしら」
今まさに全身全霊で迎撃に集中している2人に考えている余裕なんてないことは分かっているけれど、
考える必要もないことだからこそ、陽乃は意地悪く言って、歌野へと目を向ける。
陽乃「貴女は残るしかないわよ」
歌野「言われなくても」
球子「なにふたっ……っ、このぉぉぉぉッ!」
次から次へと飛んでくる爆弾と、その合間を縫うように近づこうとしてくるバーテックスの猛攻
ギリギリのところで2人はさばいているが、限界も近いことだろう。
陽乃「荷物がなければ守る必要がない。守る必要がなければ、避ければいい。殴るしか能がない私達のメリットはそこにある」
杏「……久遠さん」
杏や球子は、ある程度その場に留まっておかなければ安定性が著しく減少することになる。
けれど、その分遠距離からの攻撃を行うことが出来、比較的安全に防衛が可能となっていて、
それが移動することが可能なバスなら……逃げながら迎撃さえ可能と言うことになる。
陽乃「どうするの? 貴女達は、私に " 協力 " するの?」
- 801 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/11/11(木) 22:54:43.09 ID:p87iv82/o
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球子「んなこと言ったって、そんな体で戦えるのかよっ!」
陽乃「それなりには」
完成型1体くらいなら、今の陽乃でもどうにかなる。
もっとも、あとのことを考えなければという話にはなってしまうけれど、
今回は全かと違って歌野もいるのだから、以前よりは酷くならないかもしれない。
杏「なら、どうにかしてあの遠距離攻撃を仕掛けてくる方を私達が引き付けるので、もう一体……お願いできますか?」
歌野「大丈夫?」
杏「何とかなるかと」
陽乃と歌野が参戦することで、
通常個体のバーテックスも戦力を陽乃達の迎撃へと回すしかなくなるだろうから負担は大幅に減少するだろうし、
そうなれば球子の手が空きやすくなる。
それを有効活用さえできれば……生存率は大幅に上がるだろう。
以前球子の楯を貫いたほどの突貫力は遠距離攻撃を仕掛けてくる方にはないからだ。
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