【テイルズオブゼスティリア】ロゼ「アリーシャがいるなら」

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202 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/20(水) 12:50:12.32 ID:/IiYP4EV0
アン・フィル「よかったぁ。頭領、あんなにあっさり刺されるから驚いたよ」

目尻を下げてアン・フィルはロゼの腕に触れた。むにむにと揉んで念入りに傷を確認している。

エギーユ「ロゼ。気がかりなことがあるならちゃんと解決しとけよ。お前は考えこむことに向いていない」

なんとかエギーユの表情にも安堵の色が混じる。

ロゼ「分かってるよ。どいつもこいつもあたしのことバカだと思って」

小声でボヤくとアン・フィルがクスクスと笑ったが、否定する様子はなかった。

アン・トルメ「頭領」

脱ぎ捨てた服をアン・トルメに押し付けられる。

アン・トルメ「女の子がいつまでも薄着でいたらダメだよ」

面倒見のいい彼らしい配慮だった。
203 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/20(水) 12:55:53.14 ID:/IiYP4EV0
ロゼ「ん、ありがと」

アン・フィル「頭領は恥じらいとかないからねえ」

からかうようなアン・フィルの口調に、アン・トルメが苦笑いをした。

ロゼ「あんたらはあたしがちっちゃい頃からお風呂も着替えも一緒でしょうが。一体何を恥ずかしがるんだよ」

呆れ口調で返し、服に袖を通しながらロゼは周りの荷物を見回した。

ロゼ「ねぇ。最近荷物が届かないとか、遅れてるとかって話、聞いてる?」

エギーユ「ああ。どうやら時折山中で凶暴な獣が暴れるらしくてな。うちもすでに在庫切れがあったか」

エギーユもロゼの視線にならって周りを見渡し、考え込みながら語るように話した。

アン・トルメ「複数の商人が訴えてるよ。今日、騎士団が偵察に出たみたいだね」
204 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/20(水) 12:57:44.50 ID:/IiYP4EV0
エギーユに視線を送られたアン・トルメが言葉を継ぐ。

ロゼ「騎士団か。アリーシャに聞くのが一番早いけど……」

アン・フィル「今は気まずいよねえ」

アン・フィルの緩い声が当てつけのように聞こえて、ロゼは肩を落とした。

ロゼ「フィル。アリーシャの情報、なんかない?」

アン・フィル「昨日の騒動で外出禁止だってさ」

ロゼ「厳重過ぎない?護衛が付くくらいだと思ってたのに」

ロゼの疑問にアン・フィルは言いにくそうに眉を下げた。ロゼはそれに気付いたが、黙って彼女を見つめて次の言葉を待つ。

アン・フィル「前から脅迫状が王宮に届いてたらしいよ。イタズラだと考えてらしいけど、本当に暗殺ギルドが絡んでるってなったらそりゃ厳重にもなるよねぇ。それに獣騒動で騎士団も忙しいみたいだし」
205 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/21(木) 14:04:02.08 ID:1XOsoggT0
ロゼ「脅迫状は王族宛?」

ロゼが尋ねると、アン・フィルはすぐに返答はしなかった。

ロゼ「アリーシャ宛か。なんであんたはアリーシャの話だとあたしに気を遣うのよ」

アン・フィル「だって頭領、アリーシャ姫のことになるとすごく怒りそうで怖いんだもん」

大げさに身を引いてみせるアン・フィル。

ロゼ「そりゃ怒ることもあるけど、怖いとまで言われると……」

アリーシャは脅迫状のことを一言も言っていなかった。誰かに疎まれていると分かっていながら、自分の信念を貫くことは簡単ではない。

一人で抱え込んでるのかと思うと、ひどく歯痒い気持ちになる。

アン・フィル「暗殺の依頼の件も少し分かったことがあるよ。ローランスの地方に鉱山があってね、その麓の村ではハイランドのせいで戦争が起こるって噂が出回ってる。どうやらローランスがそこの鉱石を没収して、鉱山の閉鎖までしてるみたいなんだよね。具体的なことは続報待ち」
206 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/21(木) 14:05:17.71 ID:1XOsoggT0
ロゼ「鉱石?」

アン・フィル「その村は鉄や鋼が採れるから武器を多く作ってるらしいの」

ロゼ「なるほどね。ローランスが武器の素材を集めてるって話からハイランドとの戦争に結びつくわけか。でもなんで没収なんか……」

ロゼは考え込みながら口元を押さえて、ほとんどひとりごとのように呟いた。しかし暗殺を依頼したり脅迫状を送るにしては、まだ話が飛躍しすぎている気がする。

ロゼ「とりあえずちょっとアリーシャのところに行ってくるわ。引き続き、そこの村の情報集めといて。まだ依頼人の身元、出てないよね」

ロゼは三人に背中を向けたが、エギーユに「ロゼ」と短く呼ばれて振り返る。

エギーユ「アリーシャ姫と喧嘩するんじゃないぞ。王族を殴ったら簡単に出てこれない」

ロゼ「なんで喧嘩するのよ。あたしそんなに暴力的じゃないよ。殴ったことはあるけど……」
207 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/21(木) 14:06:32.87 ID:1XOsoggT0
エギーユの本気なのか冗談なのか分からないコメントに、ロゼはビンタのジェスチャーをして見せた。

するとなぜかアン・フィルがロゼの前に詰め寄った。

アン・フィル「なんでそんなことすんの!?ダメだよ女の子殴っちゃ!」

ロゼ「前の話だってば!大体、先に叩いてきたのアリーシャだからね!」

アン・フィル「でも頭領が叩いたら姫様吹っ飛んじゃうじゃん!」

ロゼ「そんなわけあるか!結構力は強いんだからあの子!つーかあんたは一体なんの立場だ!」

一息で怒鳴りつけてから、目眩を覚えてロゼは額を押さえた。

アン・フィル「頭領大丈夫?」

ロゼ「誰のせいよ、誰の」
208 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/21(木) 14:07:36.43 ID:1XOsoggT0
エギーユ「やはり体調は良くないのか」

エギーユがロゼの肩に手を触れた。

ロゼ「出血し過ぎただけ。体力戻るまでは使い物にならないから」

家族に見栄を張るつもりはない。正確な情報を伝えなければ、最悪の状況では彼らを道連れにしてしまうからだ。

アン・トルメ「体力落ちてるなら頭を使えばいいんじゃない?」

にこやかに言うアン・トルメを全員が無表情で見た。

「それが一番向いてないだろ」

三つの声色が揃った。
209 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/21(木) 14:09:18.09 ID:1XOsoggT0
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再び訪れた貴族街で、ロゼは重たい気持ちを引きずりながら歩いていた。

アリーシャの屋敷に近付くにつれて胃がむかむかとして、歩幅が短くなってくる。

貧血のせいだけでないことは分かっている。

しかしそれ以上に彼女に聞きたいことがあるので、歩みを止めるわけには行かなかった。

衛兵「どうされました」

屋敷の前にはいつもの衛兵がいたが、普段のような穏やかな雰囲気ではなく、緊張感が漂っていた。

ロゼ「アリーシャに呼ばれてるんだ」

衛兵「左様でしたか。あの、申し訳ないのですがロゼ殿とはいえ、武器を預からせて頂けますか」
210 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/22(金) 12:39:51.41 ID:cTIXFyjJ0
ロゼは背中に携えたナイフを衛兵に渡した。いつもならそのまま通されるが、今回は彼が屋敷の扉を叩いた。

ここまで厳重に警備されているのなら、今ロゼがレディレイクを離れてもアリーシャが誰かに襲われるようなことはないだろう。

衛兵が侍女に話をした後、しばらく待っているとアリーシャが屋敷から顔を出した。

アリーシャ「ロゼ」

安心したような優しい声に心が揺さぶられる。つい先日会ったのに懐かしい気持ちになった。

屋敷の中に通されると気持ちが溢れてしまって、アリーシャの肩を掴んで振り返らせる。目が合ってすぐに彼女の方から顔を近付けてきた。

ロゼ「アリーシャ」

名前を呼んで唇を重ねる。

じっとアリーシャのぬくもりを感じて、唇を離した後、今度は強く抱きしめた。

同じようにアリーシャもロゼの体をしっかりと抱き止める。
211 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/22(金) 12:41:12.47 ID:cTIXFyjJ0
アリーシャ「来てくれてありがとう」

声に力がないような気がした。ロゼが考えているよりも強い不安や心配があるのかもしれない。

しかしロゼはそれ以上に自分が彼女を求めていることを自覚した。

ロゼ「会いたかった……」

素直に言葉にするととても恥ずかしい気がしたが、アリーシャの抱き返す力がそれを拭ってくれる。

しかしいつまでもそうしてはいられない。

ロゼ「あのさっ、アリーシャに聞きたいことがあって、」

急くように告げると、アリーシャはすぐに察してくれたようで、真剣な眼差しをロゼに向けた。

アリーシャ「侍女も通るから、部屋でいい?」

ロゼははっとして周りを見回した。近くに侍女の姿はなかったがアリーシャから慌てて離れる。そんなロゼを見ながらアリーシャは不思議そうにしていた。
212 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/04/23(土) 03:10:58.27 ID:FDgF/wRk0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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213 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:14:20.69 ID:C+2SQTyD0
何度目かに訪れたアリーシャの部屋はいつものように整頓されていた。

アリーシャ「聞きたいことって?」

アリーシャはソファに座り、ロゼにも座るよう促した。

ロゼはそれには従わずに、扉の近くで視線を落とす。

ロゼ「フィルから聞いた。脅迫状、届いてるんだって?」

アリーシャ「衛兵との会話を聞いていたんだね」

平然としているアリーシャに苛立ちが生まれる。

ロゼ「言ってくれたらよかったのに」

気持ちが口調に出ないように気を付けながら、ゆっくりと言葉を繋ぐ。

アリーシャ「なんでロゼに言うの」

ロゼ「そうなんだけどさ、……なんか納得いかなくて」
214 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:16:48.51 ID:C+2SQTyD0
素っ気ない態度に、今度は寂しい気持ちになる。アリーシャが困っている時に力になりたいと思うのは、そんなにも傲慢なのだろうか。

アリーシャ「ロゼは自分に脅迫状が届いたり、導師として命を狙われてる時に私に言う?」

淡々とした口調にロゼは一瞬口籠る。

ロゼ「たぶん、言わない……」

アリーシャ「でしょ?それは私を信用していないから?」

淡々とはしていたが、アリーシャの声は冷たいわけではなかった。声のぬくもりに、彼女の言いたいことはロゼにも理解できていた。

ロゼ「アリーシャに心配掛けたくない」

期待した言葉を言わされている。そう感じながらも、ロゼは思ったままを返した。

その予想通り、アリーシャは満足そうに笑っている。

アリーシャ「私だってそうだよ。ロゼにはロゼのやるべきことがあって、私もそれは同じ。私が背負うべきものは私が背負う」

ロゼ「そんなの、損だよ」
215 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:18:31.31 ID:C+2SQTyD0
拗ねた言い方をしてみせると、アリーシャがまた微笑んだ。

アリーシャ「政治だからね。誰もが満足できる答えがあるわけじゃないから、恨み言もキリがないよ」

穏やかな話し方をするアリーシャが別人に見えた。きっと彼女は日々成長しているのだろう。以前のような綺麗事や青臭い正論は聞けなくなっていくのかなと、内心残念な気持ちも少しだけあった。

ロゼ「案外割り切った考えなんだ」

アリーシャ「民のために頑張っても、いいことばかりじゃないから」

変わらず笑っていたけれど、視線を下げるその姿は淋しげに見えた。それでも彼女の気持ちは落ちてはいない。

嘆いた様子はなくて、強い意思が見えた。

ロゼ「でも頑張るんでしょ」

アリーシャ「ロゼもね」

ロゼに目を合わせて、アリーシャがまた笑った。
216 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:20:07.03 ID:C+2SQTyD0
ロゼ「なんであたし?」

アリーシャ「導師も似たようなこと、あるでしょ」

ロゼ「うん……、まあね」

すっかり気が抜けて、ロゼは半人分ほどの距離を空けてアリーシャの隣に座った。

ロゼ「で、脅迫状ってどこから来てるの?」

本題を戻し、アリーシャの顔を覗き込む。

アリーシャ「文章に独特な表現があって、ローランスのある地方の方言だってのは分かってる。ペンドラゴにも極秘に調査の依頼は出してるよ」

アリーシャはロゼを一瞥し、話すか迷ったようだったが、はっきりとした口調で伝えた。

アン・フィルからもアリーシャの暗殺依頼はローランスだという情報があったが、身元の情報はまだ届いていない。

ロゼ「極秘?」

アリーシャ「公式に出したらまた争いの種になるから」
217 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:55:16.80 ID:C+2SQTyD0
ロゼは少し考えて、口を開いた。

ロゼ「休戦協定があるでしょ」

アリーシャ「まだ国民全員が納得しているわけではないから、あまり刺激したくない」

アリーシャの疲れた声と横顔に苦労が伺えた。

ロゼもアリーシャが考えながら行動していることに水を差すつもりはない。

ロゼ「脅迫状ってことは、なにか要求とか指示とか書いてあったんじゃないの?」

アリーシャ「戦争を起こすな、そう書いてあった」

それもロゼの持つ情報と一致している。

ロゼ「休戦協定がアリーシャがもたらした成果だってのは両国民が分かってるはずじゃないの」

アリーシャ「そこは私にも分からない。襲撃の準備も進めていると書いてあったけど、昨日のは別だと思う」

ロゼ「なんでよ。アリーシャを恨んでる人ってそんなにいんの」
218 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:56:43.51 ID:C+2SQTyD0
ロゼは何も知らない顔をしたが、アリーシャを見ることが出来ずに、さり気なく視線を外した。

代わりにアリーシャの右手に目を移し、手のひらをなぞる。傷はもうすっかり消えていて、跡も残っていない。

アリーシャ「これは私が自分で刃を掴んだから」

ロゼ「なんでそんなことしたの」

その言葉は本気だった。何を思ってあんなことをしたのか、ロゼの頭からはずっとそれが離れなかった。

アリーシャ「私を[ピーーー]気がないように見えた」

ロゼは怒りのような感覚に肩を震わせ、アリーシャを見る。目が合った時、アリーシャはあまり見ないくらいに驚いた顔をしていた。

ロゼ「そんなの、分かんないじゃん!もし本当に殺されてたら![ピーーー]気がなくても動けないようにする手なんかいくらでもあるんだから!」
219 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/23(土) 23:58:41.70 ID:C+2SQTyD0
昨日の襲撃がロゼでなければ、もっとひどい目に遭っていたかもしれない。本当に脅すつもりなら命さえあれば十分なのだから。

声を荒らげるロゼをアリーシャは黙って見つめていた。

ロゼ「どれだけ心配したと思って……」

涙が出そうだった。

怒っているのか、彼女を慮っているのか、ロゼ自身にもよく分からなかった。

アリーシャがロゼの手を強く握ったのを感じた。

アリーシャ「ロゼは私に心配すらさせてくれないじゃない」

ロゼ「アリーシャ?」

顔を上げると、悲しそうな目をしてロゼを見るアリーシャが映った。思い詰めたような表情に戸惑っていると、アリーシャは慌てた様子でロゼから視線を外した。

アリーシャ「ロゼだって私のいないところで危険な目に遭ったり傷付いたりするでしょ」
220 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/24(日) 00:00:07.39 ID:Q6JxlBS10
ロゼ「そうだけどそれとこれは……」

アリーシャ「もう気にしないで。大丈夫だったし、傷もミクリオ様が直してくださったから」

投げた言い方に返したい言葉はあったが、喧嘩にしかならないと分かっているからロゼは口を結んだ。

今言っても仕方がないのは分かっている。

なんとか気持ちを落ち着かせて、ロゼは静かに口を開いた。

ロゼ「じゃあもうひとつ。最近出てる獣の被害、知ってる?」

アリーシャ「ああ、貨物が襲われてるって話?それは騎士団で対応中。……次は私も偵察に行くつもり」

最後の一言に、一旦引っ込めた感情がまた湧き上がってくる。

それでもアリーシャが言いにくそうにしていることが、ロゼの衝動を抑えてくれた。

ロゼ「狙われてるのになんであんたは……」

アリーシャ「以前から危険な任務もやっていたよ」

突っぱねるような言い方だったが、アリーシャはロゼと目を合わせようとしない。
221 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/24(日) 00:01:23.92 ID:Q6JxlBS10
ロゼ「それはバルトロの嫌がらせだったじゃん。マーリンドの時だってそう。あわよくばアリーシャが[ピーーー]ばいいと思ってたんだよ、あのタヌキ。胸糞悪い」

自分で話しながら苛立ちがどんどん募って、そんなロゼの悪態にアリーシャの視線が下がっていく。

アリーシャ「ごめん」

ロゼ「またそれ?アリーシャが気に病んでもなにも変わらないでしょ」

バルトロがカムランへの道を開いてしまう原因になったことを、アリーシャは前にも気にしていた。自分のせいではないことに責任を感じているのが腹立たしくて、口調が強くなってしまった。

俯くアリーシャの姿に、ロゼは奥歯を食いしばる。

ロゼ「今のはあたしの言い方が悪かった」

苛立ちをそのままアリーシャにぶつけてしまったことを後悔した。

彼女が責任感の強い人間であることはよく分かっている。
222 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/24(日) 00:03:16.25 ID:Q6JxlBS10
ロゼ「あたし、ずっと感じ悪いね」

アリーシャを傷付けたことや、彼女を助けられないもどかしさが、全部態度に出てしまう。それを責めることなく、アリーシャが黙って聞いていることにも胸が苦しくなった。

ロゼ「アリーシャ、外出禁止でしょ?」

突っかかる気持ちはなくて、今度は声を落ち着けて率直に伝える。

アリーシャにもその空気が伝わったのか、俯いた視線をロゼに移した。

アリーシャ「説得する」

ロゼ「じゃあ説得がうまく行ったとして、相手が強い憑魔だったらどうすんの」

冷静にロゼが聞くとアリーシャは一旦視線を外し、天井を仰いだ。

アリーシャ「それは考えてなかった」

ロゼ「えぇー……。あたしより抜けてるじゃん」

がっくりと肩を落とすと、何故かアリーシャがロゼの頭を撫でた。
223 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/24(日) 00:04:45.34 ID:Q6JxlBS10
それを軽く手で振り払い、指を絡め取る。

アリーシャ「じゃあ浄化が必要?」

ロゼはアリーシャの手を引いて、抱き寄せる形で距離を詰めた。

ロゼ「まだ分かんないけど、確認が必要だと思ってる。騎士団の調査ってどうなってんの?」

アリーシャ「収穫はなし。明日、囮として商人を装って再度調査に出る」

アリーシャの腰に手を回して首筋に口付けると、彼女はロゼの体を押し返した。

ロゼ「アリーシャ?」

アリーシャ「まだ話の途中……」

ロゼ「じゃあ、キスだけ」

ロゼが唇を寄せると、アリーシャも自然な仕草でそれに応えた。

重ねるだけではなくて、舌で唇をなぞって差し込んでいく。
224 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/24(日) 18:15:38.37 ID:Q6JxlBS10
くちゅくちゅと濃厚な音を立てて舌と唇を吸うと、アリーシャの体から力が抜けていくのを感じた。

唇を解放してアリーシャの顔を見る。彼女の頬が見事に真っ赤に染まっていて、戸惑いが伝わってくる。

アリーシャ「ロゼのバカ……」

ロゼ「もう何回もしてる」

アリーシャ「でもドキドキするんだから仕方ないでしょ」

怒ったような態度で照れ隠しをするアリーシャ。その頭を抱えるようにして引き寄せる。

ロゼ「あたしだってしてるよ」

アリーシャはロゼの肩に耳を当てて、じっとその音を探る。

少し経って体を離すと、アリーシャは自分の額をロゼの額に擦りつけた。

アリーシャ「ほんとだ」
225 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:30:06.94 ID:NbPiX4AD0
嬉しそうに笑う姿を見て、もう一度口付ける。今度は浅く付けて、二人で笑い合った。

アリーシャ「ロゼが行くなら私も行けるね」

得意気に言うアリーシャに、ロゼは首を傾げた。

ロゼ「なんで?」

アリーシャ「従士なんだから導師を手伝って当然でしょ?」

ロゼは少し考えて、「あー」と呻いた。

ロゼ「一緒に連れて行く発想はなかったな……」

アリーシャは公務で忙しいからと、レディレイクから連れ出せるとは思っていなかった。

ロゼ「仕事は?」

アリーシャ「昨日まではたくさんあったけど、王宮の人達は巻き添えを食らいたくないから、私には会いたくないだろうね」

ロゼ「そりゃそうだ」
226 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:31:17.98 ID:NbPiX4AD0
ロゼが声を上げて笑うと、アリーシャはロゼの頬を引っ張った。しかし全然痛くはなかった。

ロゼはアリーシャの手を掴んで、彼女の体に覆いかぶさった。

アリーシャ「ロゼ?」

狼狽えるアリーシャの手に口付ける。

ロゼ「もういいよね?」

アリーシャ「そればっかり……」

顔を赤らめて目を伏せるアリーシャの首を撫でると、ぴくんとその体が震えた。

ロゼ「したくないの?」

耳元でそっと囁く。答えは分かっていたけれど意地悪をしたくなった。

彼女の言葉で聞きたい。

アリーシャ「し、たい……」
227 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:32:48.69 ID:NbPiX4AD0
白い肌が真っ赤に染まる。

反応も言葉も嬉しくて、心が湧き上がる。乱れたアリーシャを想像しながら深く口付けると、彼女は吐息と共に色の付いた声を漏らした。

ロゼは性急になるのを抑える気もなくて、アリーシャの唇を吸いながら服に手を差し込んだ。

アリーシャ「ロゼっ、ベッド……」

腹を撫でて腰に手を這わせると、アリーシャの腰がびくんと浮いた。すでに体が出来上がりつつあるのを感じて、ロゼは彼女を勢いのまま攻めていく。

ロゼ「やだ、我慢できない」

アリーシャ「だって、すぐそこっ、」

服をすべて脱がす時間も惜しくて、シャツのボタンを外すと、インナーをめくり上げた。アリーシャの胸が露わになると、すぐにその先を舌で転がした。

アリーシャ「んっ、やっ……」
228 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:33:50.79 ID:NbPiX4AD0
体が跳ねるのを誤魔化すように、アリーシャはロゼの体を押し返そうとする。

しかしその力は弱々しくて、抵抗しているとは言えなかった。

ロゼは構わずアリーシャの乳房を好きなようにいじっていく。

両方の先を口と指で弄んでいくと、ついにはアリーシャの声が甘くなった。

アリーシャ「は、ぁっ、あんっ、ん……」

柔らかく沈んだ突起が弾力を持ち始め、ロゼの舌を押し返してくる。ぴんと立ち上がったそれに甘く歯を立てると、アリーシャの腰が動いた。

その動作を合図にして、ロゼはアリーシャの下半身へと手を伸ばす。

気持ちの向くままに下に身に付けた全てを取り払い、大事な部分に手を触れた。指の腹で女性部分の周りを撫でると十分なくらいにそこは濡れていた。

ロゼ「胸、いじられて興奮した?」
229 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:35:15.43 ID:NbPiX4AD0
人差し指と中指で秘所を開くと、とろりと透明な体液が溢れ出した。

アリーシャ「聞かないでよ……」

ロゼ「なんか嬉しくて。いやらしくなってるアリーシャがかわいい」

アリーシャ「だからっ、言わないでって……!」

羞恥に目を潤ませているのがとても好きだと言ったら、アリーシャは怒るかもしれない。あまり意地悪をすると本当に泣いてしまいそうだ。

体を起こして秘所に指を入れる寸前で、アリーシャがロゼの手に触れた。

ロゼ「嫌?」

ロゼが尋ねるとアリーシャは首を振り、控えめに口を開いた。

アリーシャ「もっと近くにきて……」

懇願する目が色気を帯びていて、ロゼの胸は高鳴った。

アリーシャのぬくもりを感じたいのはロゼも同じだったけれど、抱きついてしまうと行為が進められない。
230 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:36:54.08 ID:NbPiX4AD0
ロゼ「じゃあ、体を起こして」

ロゼはアリーシャの手を引いて、向かい合うように自分の膝を跨いで座らせた。

ロゼ「膝立てて……そう、肩に手を置いていいから」

アリーシャは胸や大事な部分がロゼの視線に近いことに戸惑っているようだった。

アリーシャ「これ、恥ずかしいんだけど……」

胸を腕で隠そうとするアリーシャを制止する。

ロゼ「ちゃんと見せて」

目の前にある綺麗な形をした双丘に軽く口付けると、アリーシャの体がびくっと震えた。

こうして改めて間近で見ると、やはり魅力的なスタイルをしている。

いくらか魅入った後、ロゼはこくりと喉を鳴らして膨らみ切った突起に吸い付いた。

アリーシャ「んっ……ぅ」

小さく呻くような声を上げて、アリーシャはロゼの肩をぐっと掴んだ。

少しだけ爪が食い込んだが、ロゼは構わずアリーシャの胸をついばんだ。
231 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:38:29.66 ID:NbPiX4AD0
アリーシャ「あっ、ぁっ」

乳頭に歯を立てたり、爪の先で掻いたりすると、彼女の体はその度に素直に反応した。

しかししばらくすると、アリーシャはロゼの首に両腕を回して抱きついてきた。

ロゼ「アリーシャ、おっぱい見えないんだけど」

アリーシャ「だって、見せつけてるみたいで……」

どうやらアリーシャは羞恥心に耐え切れなくなったようだった。

ロゼは左手でアリーシャの背を撫でながら、右手を彼女の中心にあてがった。

アリーシャ「っ……!」

まだ慣れない感覚にびくっとアリーシャの体が震えた。

ロゼ「指、入れるから力抜いて」

アリーシャ「ぅ……あ、ぁっ」

つぷ、と粘膜を分け入る音が鳴ってアリーシャの身体がこわばる。
232 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/26(火) 22:39:54.23 ID:NbPiX4AD0
ひとつの関節分程度入り込んだところで、先へ進まなくなった。中が狭くなっていて、無理に進むとアリーシャの体を痛めてしまいそうだ。

ロゼ「アリーシャ、少し腰上げられる?」

力が入らないのか、アリーシャの腰が落ちている。

アリーシャ「んっ、分かんな、い……」

ロゼが腰を支えて引き寄せると、膣が緩んでぬるりと指が奥まで入り込んだ。

アリーシャ「ああっ……!」

指を曲げて肉壁を掻くと望んだ通りの反応が見えた。

ロゼ「痛い?」

ロゼが問うとアリーシャは首を振った。

また中で指を動かすと、アリーシャの体が揺れて、喉の奥から濡れた声を漏らした。嬉しくて、もっと声が聞きたくなる。
233 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:35:33.97 ID:2jiaZrzJ0
少しずつ指の動きを早めていくと、隙間から粘液が次から次へと流れ出した。それが空気と混ざって、乱れた音が響く。

アリーシャ「は、ぁっ、あっ、ふぁっ」

小刻みに耳元で喘ぐアリーシャの声がロゼをさらに興奮させた。

ロゼ「中、弄られるの好き?」

アリーシャ「やっ……、変な、こと、聞かない、で……っ」

聞かなくても体の動きや中の蠢きがしっかりと感想を告げていた。意地悪をする気なんてなくて、ただ愛情を確認したくなっただけだった。

愛しくて息苦しい。どういうふうに愛したらアリーシャはもっとよろこんでくれるだろうと、理性の抜けた頭で必死に考える。

ロゼ「ぁ、アリーシャっ」

アリーシャの体を夢中で攻めながら、溢れる気持ちの代わりに名前を呼んだ。

もっと感じて欲しくて、陰核を押し潰す。途端にアリーシャの腰ががくんと揺れてロゼを抱きしめる力が強くなった。
234 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:36:36.40 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「そこ、だめ……っ」

そう言いながらも、アリーシャは腰を揺らして突起をロゼの指に押し付けていた。短く息を切らして、自分で気持ちのいい場所を探している。

彼女の嬌声を聞いていると、体が熱くなって、興奮で呼吸が乱れる。アリーシャの肩にキスをしながら、何度も熱い息を吐き出しているのに体温が冷めない。

下腹部が疼いて、自分の膝をすり合わせる。アリーシャの声とぬくもりだけで快楽を得ることができた。

手の角度を変えて、指をさらに突き込むと中が大きく動いた。

アリーシャ「ふぁっ、や、ぁあっん!」

差し込んだ指が強く圧迫される。腰が揺れて、ぶるっと小刻みに痙攣する様子から、アリーシャが絶頂したことに気が付いた。

アリーシャはロゼの膝に座り込んで、ぐったりと体を預けて息を整えている。
235 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:37:44.58 ID:2jiaZrzJ0
指をアリーシャから引き抜くと、透明な粘液が絡み付いて糸を引いた。

それを舌で拭い、濃いアリーシャを感じる。

ロゼ「まだ、いける?」

体の火照りが収まらない。もっとアリーシャを抱きたい。

アリーシャは息を落ち着かせると小さな声で返事をした。

ロゼはアリーシャの手を引いてベッドに横たわらせた。

内腿が思った以上に濡れている。

アリーシャ「ロゼも脱いで」

アリーシャがロゼの服の裾に手をかけた。

ロゼ「はいはい」

ロゼもアリーシャの肌に体で触れたかった。
236 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:39:04.27 ID:2jiaZrzJ0
お互いに体を隔てる服を全部脱ぎ捨て、ロゼはアリーシャに密着した。

足が絡むと腿と膝に愛液を感じる。

アリーシャもそれに気付いて「ごめん」と恥ずかしそうに呟いた。

ロゼ「ぐしょぐしょだね」

アリーシャ「ロゼのせいだよ……」

ロゼ「なら、嬉しい」

アリーシャに頬を擦り付けると、彼女から穏やかなため息が漏れた。

アリーシャ「ロゼの体温が好き」

落ち着いた声でひとりごとのようにアリーシャは零した。

肩や背中を手のひらで撫でて、じっくりとロゼを味わっている。

ロゼ「手つきがやらしい」

アリーシャ「あなたが言うの?」

楽しげに笑うアリーシャに浅くキスをする。
237 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:40:24.77 ID:2jiaZrzJ0
顔を離して、もう一度口付ける。今度は唇を食んだ。

そして三回目は舌を差し入れる。唾液が混ざって、舌が絡むのと同時にアリーシャの腕がロゼの首に回る。

深い口付けに気持ちがまた昂ぶっていく。

アリーシャはロゼの舌を吸って唾液を取り込むと、喉を鳴らして飲み下した。ロゼはキスを返しながら膝の裏を押し上げ、アリーシャの股を大きく開かせる。ほとんど抵抗はなく、彼女も体を開いてロゼを受け入れた。

羞恥心より性への欲求が強くなっているようだった。

体をずらしてアリーシャの陰部へと顔を寄せようとした時、彼女はロゼの手を掴んだ。

視線を上げると、アリーシャの目は潤んでいて首を振っていた。

アリーシャ「汚いよ」

ロゼ「まだそんな……気持ち良くしてあげるから」

アリーシャの抵抗を遮って、穴の周りをじっくりと眺める。

アリーシャ「やだ、きっとまた、溢れちゃう……」

上気した顔を手で隠しながらアリーシャは体を震わせた。
238 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:42:04.72 ID:2jiaZrzJ0
そういったそばから、またとろりと愛液が流れ出した。

体の興奮が抑えられないことをアリーシャも分かっている。

ロゼ「こんなの、誘ってるとしか思えないんだけど」

今すぐにでも吸い付きたい衝動を抑える。

アリーシャのそこがひくっと揺れた。彼女ももう我慢ができないはずだった。

ロゼ「アリーシャ。たくさんこぼれてるよ」

アリーシャ「い、や……見ないで……っ」

顔だけでなく、体も局部も赤く染まっている。

そんなアリーシャを目の前にしてはロゼも限界だった。

太腿の下に腕を差し込んで腰を浮かせると、その下に自分の膝を滑り込ませた。

上向きになったそこに舌を這わせて、流れ出した粘液を舐め取る。
239 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:43:24.33 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「あっ……、やっ」

くちゅ、と穴に浅く舌を差し込むとアリーシャが腰をよじった。

逃げられないように、ロゼはアリーシャの腿をしっかりと固めて、秘所を舌と唇で攻め続ける。

感じ過ぎて体が震える度、アリーシャは綺麗な声で鳴いた。

泣きそうな声で、何度もロゼを呼ぶアリーシャの手を握り、体を起こす。

ロゼ「アリーシャ」

返事をするように彼女の名前を呼んで、耐え切れずに開いた割れ目に中指を差し込んだ。

アリーシャ「あっ、ぅ、ろぜっ」

びくっと腰が浮いて中が強く締まったが、ロゼの指はするりと奥まで飲み込まれていった。

押し出された体液がロゼの手のひらを濡らし、女の匂いを漂わせる。

アリーシャ「ロゼが私の中に……」

アリーシャが繋がったところに手を伸ばしてきた。
240 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:44:33.22 ID:2jiaZrzJ0
濡れた秘部にアリーシャの指が触れて、ロゼの指を辿る。

自らに入り込んだところまで指を滑らせて、その存在を確かめている。

アリーシャ「ロゼの手、優しくて好きだよ……」

甘い囁きに脳がかき乱されていく。理性なんかとっくにかなぐり捨てている。

ロゼ「悪いけど、今は優しくできないよ」

アリーシャの甘い声をかき消すように、ロゼは差し込む指の本数を増やして、アリーシャの中に突き込んだ。

下腹部がびくんっと大きく痙攣し、アリーシャが嬌声を上げた。

アリーシャ「ふ、ああっ!あっ、や、ロゼッ、あんっ!」
241 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:45:39.60 ID:2jiaZrzJ0
止まらない快感にアリーシャが腰を引くが、ロゼはそれに追うように奥の肉壁をぐりぐりと突いた。その度に内側が蠢いて、アリーシャはロゼを締め付けた。気持ちをぶつけるように、ロゼは指の出し入れを激しく繰り返して、狭くなった膣内をぐちゃぐちゃに掻き回す。

粘膜が溶け出したみたいに吹き出して、さらさらとした体液がロゼの手や体を濡らしていく。辺りにはアリーシャのいやらしい匂いが舞い上がった。

五感が全てアリーシャに支配されていくのを感じる。今はきっと耳にも目にも彼女以外は届かない。

ロゼは行為に没頭してアリーシャの体を貪った。欲を満たすために彼女を犯し続ける。頭の中で何度となくアリーシャの名を呼んで、真っ赤に充血してよだれを垂れ流すアリーシャの膣を感じ続けた。

アリーシャ「ろぜっ……!ぁっ、だめっ!」

アリーシャに手を引かれて、顔を上げる。気が付けば彼女の目からは涙が溢れていた。

動きを緩めて、ロゼはアリーシャの頬に触れた。
242 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:46:44.95 ID:2jiaZrzJ0
彼女も快感に夢中でそれに気がついているのか分からない。涙を拭ってもまた流れ出した。

ロゼ「アリーシャ、かわいい」

情欲にまみれた目に吸い込まれそうになる。こんな表情に抗えるはずはなかった。

今のアリーシャを誰にも見られたくない、誰にも渡したくないという独占欲が湧き上がってきた。

指を咥え込む粘膜を刺激し続けながら、ロゼはアリーシャに深くキスをした。

アリーシャ「んっ、んぅ、ふぁっ……ぅ」

抑え込まれた声が熱い息とともに直接口の中に流れてくる。アリーシャの唇から唾液が溢れそうになるのを舌で拭う。口に残ったふたりの唾液は彼女自身がこくんと飲み下した。

ロゼ「気持ちいい?」

そう囁くと、まだ頭の片隅に恥じらいが残っていたのか、アリーシャは空気を喘ぎながら首を振った。

ロゼ「気持ちよくないの?」
243 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:47:54.05 ID:2jiaZrzJ0
中で水音を立てながら、突起を親指で押し潰すとまたアリーシャの体が跳ねた。

アリーシャ「や、ぁっ、聞、かないで……!」

ロゼ「ほら、ここ、私の指、感じてくれてる?」

アリーシャの意思を無視して言葉で攻め続ける。

さらに親指を小刻みに動かすと、アリーシャの声が高くなった。そろそろまた達してしまうだろう。

アリーシャの返事を待つように頬に口付けて、名前を呼ぶ。

アリーシャはロゼの手に自分の手を重ね、固く目を閉じた。

アリーシャ「あっぅ、気持ち、っ、いい……っ!」

また涙が溢れ、わずかに泣き声が吐息に混じった。そしてその瞬間、下腹部がこわばって力が入る。体が硬直してそれが解けるとアリーシャは息を切らしてベッドに沈んだ。
244 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:49:17.24 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「ぁっ……は、ぁ、はぁっ、ロゼのばか……」

力の入らない手でロゼの頬を撫でる。

しかしすぐに腰の違和感に気付いてまた身をよじった。

ロゼはまだアリーシャから指を引き抜いていない。

アリーシャ「まっ……て、やめ……っ」

中で動き続けるロゼの指に、アリーシャの体がまた反応し始めた。

アリーシャ「もう、イッた、からぁっ……!」

ロゼの手を掴んで制止しようとするが、ロゼは構わずにアリーシャの中を突き続けていく。

抵抗はすぐに止んでアリーシャが悲鳴を上げた。

アリーシャ「いっ、ぁうっ、んくっ、だめ、ぁっ!」

もうお互いに頭の中はぐちゃぐちゃだった。
245 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:50:27.21 ID:2jiaZrzJ0
幾度もアリーシャの名前を呼んで、体に口付けながら溢れる心を彼女に注いだ。そんなつもりでもアリーシャに伝わっているのかは少しも分からない。

喘ぐその声が返事だと思って、何度も無理をさせてしまう。

身勝手な行為だと感じながらも止められなくて、愛情の矛先がうまく見つからない。

ロゼ「好きだよ、アリーシャのこと……ほんとに好きだから」

アリーシャの唇を塞ぎ、悲鳴を頭の中で直接感じながら、ロゼは指で彼女に最後の刺激を与えた。

アリーシャ「ぁああっ!」

三回目の絶頂に体が大きく跳ねたが、すぐに力が抜けて反応が緩慢になった。

ロゼ「大丈夫?」

返事はなくて、息も乱れ、視線が合わない。意識が朦朧としているようだった。

ロゼ「……やりすぎた」
246 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:51:35.78 ID:2jiaZrzJ0
後で怒られるかなと考えながら体を起こして濡れた部分を今のうちに拭いた。激しく愛して白く濁った体液に、また興奮を覚えそうになったがこれ以上はアリーシャの体に毒だ。

ほどなくして落ち着いたアリーシャが寝転がったまま、不機嫌さを隠しもせずにロゼに言葉を向けた。

アリーシャ「この、大馬鹿」

やはり怒っている。

ロゼ「アリーシャの色気が悪い」

アリーシャ「そんなの分かんないし、変なこと言わないで」

苦し紛れの言い訳だと思っているのかもしれない。アリーシャは一切取り合わなかったが、性欲に負けたのはお互い様だとロゼは思った。

ロゼ「アリーシャだって、セックスしたいでしょ」
247 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:52:46.66 ID:2jiaZrzJ0
ロゼはベッドから足を降ろしてその縁に座った。

アリーシャ「そっ、そういう言い方をしないでよ」

恥ずかしそうにアリーシャが顔を背ける。

ロゼ「嫌なの?」

アリーシャ「そうじゃなくて」

続きがあると思って待っていると、アリーシャが小さく息を吸ったのが聞こえた。

アリーシャ「私はロゼに抱かれるのが好きなの……」

照れているのが声だけでも分かる。ロゼは突然心拍数が上がるのを感じた。

ロゼ「あ、アリーシャは、ほんとエロいよね……」

アリーシャ「どうしてよ!」
248 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:54:39.05 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャが顔を上げた。その拍子に膝が開きかけて、その付け根に目を奪われそうになる。

ロゼ「早く服着てくれないと、あたしの理性がもたないんだけど」

散らばった服を取ってアリーシャの体に引っ掛けるが、彼女はまだ寝そべったままだ。

アリーシャ「ロゼがやらしいんだよ!」

ロゼ「あたしは誘われてるんだって」

アリーシャ「誘ってない!」

今の姿ではなんの説得力もない。そんなことにも気付いてはくれないだろうかと、ロゼは半眼でアリーシャを見た。

もそもそと服を集めて抱え込む動作が見えたので、ロゼも自分の服を持ち上げる。

ロゼ「自覚してよ。他の人の前でそういう色気出さないでよね。心配になる」
249 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:56:04.19 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「ないよそんなの」

飽くまで認めようとしないアリーシャにロゼは口を尖らせる。

ロゼ「公務の服だって谷間見えるし、仕方ないけどドレスだって肌の露出多いじゃん。つーかあんたは国民に人気あるからちょっと妬くんだけど」

アリーシャが体を起こすのを見て、ロゼは服を着始めた。彼女の肌はとても好きだけれど、長く見続けるのは毒だ。

アリーシャ「ロゼが素直だ」

ロゼ「意地張ってモヤモヤすんの嫌いだもん。あたしは嫉妬するし独占もしたい。覚えといて」

ここしばらくアリーシャに突っかかるような態度を取ってしまう原因のひとつだと思っている。

立場の違いで目に見えない壁があるような気がして、それがもどかしかった。ただそれがあって当たり前なのだと思った方が気分は楽になる。
250 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:57:36.28 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「わかった。私もロゼしか考えてないから、覚えておいてね」

こちらを見て笑う姿は行為の時とはまた違った魅力があった。

ロゼ「とりあえず服を着て。また襲うよ」

さり気なく視線を外して促すと、アリーシャはやっと服を羽織ったが動作が緩慢だった。

ロゼ「どうしたの?」

ロゼが尋ねると、アリーシャが恨めしそうに視線を向けてきた。

アリーシャ「足に力が入らないんだよ」

ロゼ「それは……その、ゴメンナサイ……」

露わになったままの太腿を見て、また視線を逸らす。

力を入れようとしても、まだ膝が震えてうまく動かないようだった。

ロゼ「手伝う?」
251 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 06:58:43.63 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「何もしないなら」

ロゼはアリーシャに手を伸ばしかけて、すぐに引っ込める。

まだ彼女の体がみずみずしく見えて、体温が上がりそうな予感がした。

ロゼ「自信がありません」

ロゼが答えると、アリーシャは深くため息をついた。

ごそごそと動き始めるアリーシャを見ないように背を向けると、彼女は口を開いた。

アリーシャ「調査隊についてはこちらから導師一行が向かうと伝えるから、早朝でも出られるように準備をしておいて」

突然の本題にロゼは戸惑ったが、話の途中で襲ってしまったのだから仕方がない。

もしかしたらそれも根に持っているかもしれない。
252 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:00:15.35 ID:2jiaZrzJ0
ロゼ「アリーシャも?」

アリーシャ「当然でしょ」

自信満々に返事をするアリーシャに苦笑する。

アリーシャ「でも導師の力を借りないとまだまだ何も出来ないから……」

ボソリと呟いたアリーシャに、ロゼはやるせなくて目を伏せた。

ロゼ「そんなわけないでしょ。アリーシャは頑張ってるし、その分結果も残してる。アリーシャがあたしにしか出来ないと思ってることがあるように、あたしはあんたがやってることなんか少しも真似出来ないよ」

静かにまくし立てるが、アリーシャからの反応がない。

また言い過ぎたかと思って振り返ると、一通り服を着ている姿が目に入ってほっとする。
253 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:01:38.69 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャは目を丸くしてロゼを見ていた。

ロゼ「なに?」

アリーシャ「ロゼもそういうこと言うんだなって」

そう言うと今度は安心したように微笑んだ。

ロゼ「なんだそれ。誰にだって役割があんでしょーが。しっかりしろ、お姫様」

アリーシャ「うん、ありがとう」

やっと動けるようになったアリーシャが、ロゼに後ろから抱きついた。

アリーシャ「ロゼ、今日は顔色があんまり良くないね」

背中に乗せられた頭の重さを感じる。
254 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:02:54.85 ID:2jiaZrzJ0
理由以外は隠すつもりはなかったので、驚きもしなかった。

ロゼ「ちょっと疲れがたまってるみたい」

アリーシャ「延期した方がいい?」

気遣うように、アリーシャは抱きついたままロゼの脇腹を撫でた。

ロゼ「もう被害は出てるから早く片付けたい。アリーシャもいるなら大丈夫でしょ」

アリーシャの手を取ると、彼女は指を絡めて握り返してきた。

しばらく黙ってお互いのぬくもりを感じていたが、ロゼの方から体を離す。

ロゼ「準備しなきゃね」

ベッドを降りるとわずかに立ちくらみを起こしたけれど、表情に出すほどではない。
255 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:04:09.62 ID:2jiaZrzJ0
窓の外はまだ明るいが、日光に赤みが差し始めている。これから道具を揃えるのには、まだ充分に時間はありそうだった。

アリーシャはロゼと共に屋敷の門まで出たが、それ以上は衛兵が見張っていた。厳重な警備に舌を巻いて、お姫様というのは本来こういったものなのだろうと思う。

一人で街の外を出歩いたりするものではないはずだった。

ロゼ「そっちは任せるから」

アリーシャ「分かってる。騎士団に連絡を取るよ」

ロゼ「うん、じゃあまた明日」

ロゼはアリーシャに見送られる形で屋敷を後にした。
256 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:05:04.14 ID:2jiaZrzJ0
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陽が高くなる頃、ロゼ達は馬車に揺られていた。

御者はミクリオとザビーダに任せているので、すれ違う人がいれば馬車が勝手に動いているように見えるだろう。とりあえず、今は人の行き来が少なくなっているので、それはどうでも良かった。

スレイが浄化を始めてからは、各地の憑魔は目に見えて数が減っていた。

しかし当然道中に襲われることもあり、しばしば馬車が止まったりもする。

そして今がその状況だった。

ミクリオ「ロゼ、アリーシャ。南から二体の憑魔が向かってくるよ」

ミクリオの声に従って、ロゼは前方を覗き込んだ。
257 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:06:09.36 ID:2jiaZrzJ0
見覚えのある憑魔が馬車に向けて移動してきている。以前ライラが説明をしてくれたが、よく覚えていない。

アリーシャ「私が出ます」

アリーシャが馬車から降りる。

ライラ「では、わたくしも参りますわ」

ライラもアリーシャについて馬車を降りた。

ロゼ「あたしも行こうか?」

アリーシャ「ロゼはそこにいて。危なそうなら助けてね」

言葉の割にリラックスした様子でアリーシャは槍を携えた。

馬車から二人が離れていく頃にエドナが口を開いた。
258 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:07:40.41 ID:2jiaZrzJ0
エドナ「心配しないのね」

ロゼ「あたしがいなきゃいけないほどアリーシャは弱くないからね。心配し過ぎるのも毒なんだよ」

さらりと答えると、エドナはロゼの目をしっかり見つめてから視線を外した。

エドナ「そう。分かってるのならいいわ」

エドナが周りをよく見ているのはロゼも分かっていた。辛辣な言葉の裏にたくさんの意味がある。

戦闘はすぐに始まった。ロゼは遠くからその様子を見物する。

ロゼ「なんかアリーシャ、強くなってる?」

槍の返し方と突きが以前より鋭くなっている。

ミクリオ「時折ペンドラゴで訓練に参加していると聞いたことがあるよ」

ロゼの声が聞こえたようで、ミクリオが答えた。
259 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:08:51.59 ID:2jiaZrzJ0
ペンドラゴといえば思い当たる人物がいる。

ロゼ「セルゲイか。あの人強いもんなー」

女性を尊重するタイプだったはずだが、アリーシャの熱意が尋常でないことも知っている。それにクソ真面目同士で気が合いそうだとロゼは思った。

憑魔を浄化するのにはそう時間はかからなかった。

夕方に差し掛かるまでに同じような戦闘があったが、再びアリーシャが苦もなく浄化を終えている。

野宿の準備をする時ですら、アリーシャはロゼを働かせようとはしなかった。

ロゼ「アリーシャ、気ぃ遣い過ぎじゃない?そこまで具合が悪いわけじゃないよ」

確かにまだ右手の握力は完全には戻っていないし、普段より体力がないのも認める。しかしあからさまに気を遣われるのは居心地が悪かった。
260 : ◆U8ABys6DMo :2022/04/30(土) 07:10:19.04 ID:2jiaZrzJ0
アリーシャ「ごめん。気を悪くした?」

ロゼ「そういうわけじゃないけどさ」

素直に謝られると、悪いことを言ったような気持ちになってしまう。

気まずくなりかけた空気を察して、ライラがこちらに向いたのを感じ取る。

ライラ「ロゼさんは気を遣われることに慣れてないんですのね」

ロゼ「ええっ、なにそのあたしが意地っ張りみたいな言い方」

ミクリオ「意地っ張りだろ」

薪を並べながらミクリオも参戦する。

これは分が悪いと思い、ロゼは大人しく座り込んだ。

アリーシャが離れたのを見計らって、ロゼはミクリオに向けてぽそりと呟いた。

ロゼ「なんか、アリーシャの様子おかしくない?」
261 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/02(月) 23:53:35.47 ID:BCfODgf10
ミクリオ「君のことが心配なんだろ」

薪を並べ終わったミクリオは、顔を上げて辺りを見回した。火付け役のライラを探しているのだろう。どうやらライラはアリーシャについて行ったようだ。

ロゼ「それは分かるんだけど」

ミクリオ「アリーシャをもっと信じてあげたら?」

ミクリオの言っている意味がよく分からなくて、ロゼは首を傾げて考え込む。

ロゼ「信じてるつもりだけど、なんか足りない?」

ミクリオ「これは二人の問題だからね」

立ち上がって別の作業に行くミクリオを見送り、ロゼは空を仰いだ。

今日の風はいつもより冷たく感じた。
262 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/03(火) 23:42:33.45 ID:EGXSZhmY0
--------+++++++----------

ロゼ「毛布の数が合わない?」

就寝の準備を進めている時にザビーダからそう告げられ、ロゼは自分に割り当てられた毛布を差し出した。

ロゼ「あたしのぶん、使っていいよ。そういうの慣れてるし」

旅をしていれば野ざらしで眠ることも珍しくはない。火のそばにいれば体温は保てる。

エドナ「ザビーダはまず服を着ればいいわ」

ザビーダ「それは言っちゃぁダメだよねぇ」

エドナに指摘され、ザビーダは困った顔をして笑ったがただの振りだろう。

火の番をするミクリオが何かを言おうとしていたが、エドナがちらりと見ると口を噤んだ。
263 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/03(火) 23:43:53.36 ID:EGXSZhmY0
アリーシャ「ザビーダ様。こちらをお使いください」

アリーシャはロゼの前に出て、自分の毛布をザビーダに渡した。

それが余計な気遣いのように思えて、眉間に力が入る。

ロゼ「アリーシャはいいよ」

アリーシャ「私は、ってなに。ロゼならいいの?」

ロゼ「だからあたしは慣れてるんだってば」

二人の口調が強くなっていく。

ライラがおろおろとし始めたのが視界の端に映り、アリーシャもそれに気付いて一歩引いた。

エドナ「アリーシャ。それ、ザビーダに渡して」

今度はエドナが前に出た。
264 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/03(火) 23:46:21.97 ID:EGXSZhmY0
ロゼ「エドナ」

たしなめるようにロゼはエドナを呼ぶが、彼女は一瞥するだけだった。

ザビーダは遠慮する様子もなく受け取り、アリーシャに感謝を述べる。

エドナ「アリーシャはロゼと一緒の毛布で寝なさい」

さらりと促されて、ロゼは一瞬思考が停止した。

ライラの心配そうな表情が急にぱっと明るくなる。

ロゼ「えっ?えぇっ?」

ロゼが狼狽えていると、エドナが再び口を開いた。

エドナ「文句があるの?だったらアリーシャはライラと眠ればいいわ。どう、アリーシャ?」
265 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/03(火) 23:47:42.09 ID:EGXSZhmY0
アリーシャ「へ?あ、そんな恐れ多い……!」

ライラ「わたくしは構いませんわ。くっついて眠れば一枚でも十分でしょうから」

ライラがアリーシャの体を優しく抱きしめる。

ぼんやりと面白くない気持ちを持ちながらも、そんな二人に背を向けてロゼは「好きにして」と呟いた。

ロゼにはそろそろ状況が読めてきたが、アリーシャは相変わらず戸惑っているようだった。

エドナ「ロゼ、いいの?」

エドナの言葉にロゼは一度はぐっと奥歯を噛み締めて、無視を決め込んだつもりだった。しかし結局耐え切れずに声を上げた。

ロゼ「あんたらわざとやってんでしょ!アリーシャ、こっち!」

アリーシャ「え、なに、どういうこと?」
266 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/03(火) 23:49:06.93 ID:EGXSZhmY0
突然大きな声を出すロゼと天族達をキョロキョロと見回しながら、アリーシャはおずおずとロゼの元に歩み寄る。

むすっとした顔のままロゼはアリーシャに毛布を押し付け、その場に寝転がった。

アリーシャ「ロゼ、どうしたの?」

怒っていると思っているのか、アリーシャの声は弱気だった。

一人だけ今の状況を飲み込めておらず、少しかわいそうな気がしてくる。アリーシャを責めているわけではないのだから。

エドナ「アリーシャを困らせるんじゃないわよ」

ロゼ「あんたに言われたくないわ!」

ガバッと起き上がり、エドナに怒鳴りつけるがそれで動じるような相手ではない。
267 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/05(木) 06:12:17.82 ID:d+Rjq1950
わけもわからずそのやり取りを見ているアリーシャにライラが微笑むのが見えた。するとアリーシャは気付いたように、あっと声を上げた。

アリーシャ「ロゼ、いじられてるんだ……」

察したような顔をしてロゼを見るアリーシャ。

ロゼ「そういうのは黙ってて!」

余計に恥ずかしくなってロゼは口を曲げた。

そのまま彼女に背を向けて寝転がると、ふわりと毛布が被さってきた。すぐ隣に座るアリーシャの温かい匂いが、風に乗って流れてくる。

アリーシャ「やはり皆様、仲がいいのですね。こういったやり取りは私にとってはとても羨ましいです」

アリーシャが穏やかに話すと、一瞬しんと静まり返り、エドナが「なによ」と不機嫌にぼやいたのが聞こえた。
268 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/05(木) 06:13:15.81 ID:d+Rjq1950
おそらくエドナに視線が集まったのだろう。

ザビーダ「アリーシャちゃん、相変わらず天然だねぇ」

楽しそうに笑うザビーダの言葉の意味が分からないようで、背を向けていても疑問符を浮かべているアリーシャの姿がロゼには想像できた。

休息の空気になった瞬間、離れた場所でざりっと草と土を踏みつける音が鳴った。

瞬時に全員が立ち上がり、各々武器を構えて音の方へと意識を向ける。

物音はふたつ。重量ある足音が木々の間から響き渡った。

ミクリオ「例の獣か?」

ミクリオに問われ、ロゼは「たぶん」と、小さく頷いた。
269 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/05(木) 06:14:37.21 ID:d+Rjq1950
その音がいくらか進んだ後、まわり込むように左右に分かれた。

気配に合わせて全員が陣形を整える。

ロゼ、ザビーダ、ミクリオ。

アリーシャ、ライラ、エドナ。

それぞれが導師と従士を中心に展開する。

ライラ「穢れは感じませんが、注意してください」

ライラの声を合図に、ロゼはナイフを強く握り込んだ。

音はもう近くまで来ている。

ザッ、と土を蹴る衝撃音と同時に、木の間から獣が猛烈な速度で飛び出してきた。

ロゼ「うわっ……!」

その質量にロゼは思わず声を上げた。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 18:09:21.66 ID:ihDcxAkHO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
271 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/07(土) 23:34:19.14 ID:igWs8GNY0
決して大型ではなかったが、勢いだけで人を押し潰すには十分な大きさだった。

散開してそれをかわし、ザビーダが天術を唱える。

ザビーダ「アベンジャーバイト!」

風の牙が獣に噛み付くと、悲鳴を上げて獣がのけぞった。

そしてもう一体の獣も、アリーシャ達の前に現れた。

アリーシャ「エドナ様!」

獣はエドナに向けてまっすぐ飛び込んで行くが、彼女は涼しい顔のまま傘を振った。

エドナ「エアプレッシャー」

エドナが小さく呟くと、獣の体が地面に叩き付けられた

見えない力に怯んだ二体の獣は、警戒心を剥き出しにしながら後ずさる。

ミクリオ「熊の憑魔?」
272 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/11(水) 10:11:11.89 ID:iXU5ZpV50
ザビーダ「いや憑魔じゃねぇ。ただの熊だな」

ミクリオの言葉をザビーダが否定した。

しかし憑魔でなくても十分に危険な獣である。ロゼは戦意を保ったままナイフを構えた。

ロゼ「油断しないで。そいつら、動きが野生とは違うよ」

体格の似た二体の熊は横に移動して並ぶと、そのうちの一体が走り出した。

そしてその真後ろをもう一体の熊が、密着するほどの距離でついて走る。

ミクリオ「マインドスレイブ!」

真横からの攻撃に、先頭の熊が崩れ落ちる。真後ろの熊もそれに巻き込まれる形で転がるーーはずだった。

後ろの熊が前の熊を踏み台にして前に飛び込む。

ロゼ「アリーシャ!」
273 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/05/13(金) 03:48:40.31 ID:cyfAcyI00
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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274 : ◆U8ABys6DMo :2022/05/14(土) 22:37:04.67 ID:O6qa3B3J0
いち早く察知したロゼが、アリーシャに向けて駆け出していた。

しかしアリーシャも熊の動きに気付いてすぐに横へ飛んでそれを避ける。

アリーシャ「裂駆槍!」

ロゼ「鳳凰天駆!」

左右からの同時攻撃に熊の体が地面に沈んだ。

アリーシャ「倒した?」

槍を構えたまま、熊に近付こうとするアリーシャ。ロゼはそれを手のひらを向けて制止し、二体の熊が完全に動かなくなったのを確認する。

ザビーダ「普通、熊が連携取るかね」

ザビーダが後ろから声をかけてくる。まだ緊張は解けない。

ロゼ「訓練を受けてるんだろうね。猛獣使いってことよね……」

考えを巡らせて可能性を探す。
275 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/18(水) 12:31:49.57 ID:G1n6A9Ut0
しかしそれも数秒のことで、新しく生まれた殺気にロゼは身構えた。

ひゅっと風を切る音がして、次の瞬間には弾けるような音が響いた。そしてアリーシャの足元に壊れた矢が落ちた。

アリーシャ「ザビーダ様」

ペンデュラムをふわふわと操り、ザビーダは得意げに笑った。

ミクリオ「狙われてるのはアリーシャか」
 
いくつかの動揺の気配を察知し、ミクリオは杖を構えた。
 
憑魔でなければ、ロゼとアリーシャ以外は見えないだろう。矢も突然弾けて落ちたように見えるはずだ。

アリーシャ「これって普通の人から見たらお化けに見えるのかな」

ロゼ「やめてよ!そういうの苦手なんだから!」
276 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/19(木) 12:33:46.45 ID:KZa8Ej210
ロゼはアリーシャのひとりごとのようなつぶやきに、ぞわりと背筋が冷えるのを感じた。

その瞬間にまた風を切る音が鳴った。そしてそれと同時に、

エドナ「ロックランス!」

身構えていたエドナの掛け声から大地に岩槍が出現し、飛来する複数本の矢を破壊した。

ロゼはこのまま戦意喪失で相手が逃げ出すのを期待したが、気配はとどまり続ける。

ロゼ「エドナ。何人いるか分かる?」

エドナ「人間らしき足音が六つ。熊はもういないわね」

ロゼは頷いて闇の向こうに意識を向ける。

矢が効かないとなれば必ず飛び込んでくるはずだ。

ロゼ「狙われてんのはアリーシャだから。ミクリオ、お願い」
277 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/05/20(金) 02:45:31.24 ID:HNZtXROE0
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278 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/24(火) 09:23:29.32 ID:YKWYB1LV0
危険だというだけではなくて、標的があれば敵の動きが読みやすくなる。

アリーシャ「ロゼ。気をつけて」

アリーシャも立場を分かっているようで、大人しく後衛に回った。

そしてミクリオが庇うようにアリーシャの前に立つ。

じっと気配を探る中、六つの足音が一斉にロゼとアリーシャに向けて駆け出した。

ザビーダ「おら、来たぜぇ!」

先頭を走る一人はペンデュラムが足を絡め取る。近くの木に叩き付けるとそのまま動かなくなった。

エドナ「めんどくさいわね」

ライラ「手加減、忘れないでくださいね」
279 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/24(火) 12:28:22.18 ID:YKWYB1LV0
左右に展開した二人は地面の隆起による衝撃で気を失い、地に転がる。

そして後ろを走る三人は、ライラの起こした爆発で宙を舞った。

これで終わりかと思った時、三人のうちの一人が体勢を立て直し、素早い動きで距離を詰めてきた。

ライラ「ロゼさん!」

男は手前に立つロゼに向けて駆け出し、腰に携えた剣の柄を握る。

抜刀の強い圧が空気を切る。ロゼは二本のナイフで受け止めるが、握力のない右手は耐えられずにナイフを取り落とした。
280 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/24(火) 12:30:08.95 ID:YKWYB1LV0
ロゼ「あんたリーダー?なんでアリーシャ狙ってんの」

ロゼが話しかけるが予想通り男は一切口を開かない。プロフェッショナルであればそんなに簡単に目的をペラペラと話したりはしない。ロゼは自嘲気味に口角を上げた。

男はロゼの隙を伺いながら更に連撃に入り、二撃三撃と繰り返す。

片手のナイフだけでは受け止めることが出来ずに受け流していくが、段々と手がしびれていく。

距離が空けば天響術の援護も期待できたが、男はとにかく距離を詰めてきた。

反撃のタイミングを伺って、ロゼがいくらか下がったところでアリーシャの姿が視界の端に映る。

先ほどのアリーシャへの攻撃、そして今繰り出されている連携技は全て急所狙いの殺人技だった。

アリーシャ「ロゼ!」

心配そうなアリーシャの声が響く。
281 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/27(金) 12:43:57.39 ID:P4zEAaHx0
殺意のある相手に遠慮するつもりはない。ここで逃したりすればまたアリーシャを狙う。そしてグループの戦意喪失のためにもリーダー格は始末しておきたい。
 
ロゼは深く腰を落として攻撃態勢に入る。

視線に気圧された男は、一瞬たじろぎながらも大きく一歩踏み込んできた。

上から振り下ろされてくる剣を避け、後ろに回り込む。膝の裏を蹴って男のバランスを崩すと、逆手に持ったナイフを延髄を狙って構えた。

男はいつの間にか剣を捨てており、ロゼに反応して振り向きざまに懐から小刀を抜いていた。

その一瞬のやり取りの中でもロゼの動きの方が早い。

男の体にナイフを突き立てる感触を予想したその時、二人の間にアリーシャが割り込んだ。

アリーシャ「ロゼ、待って!」

咄嗟に振り下ろす腕を止めようとするが間に合わず、ロゼのナイフがアリーシャの右肩に突き刺さった。肉の感触がはっきりと手に伝わってくる。
282 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/27(金) 12:45:26.27 ID:P4zEAaHx0
男も動揺していたが、すぐに持ち直してアリーシャに小刀を向けた。

ロゼはアリーシャの体を引きながら、彼女と位置を入れ替え、庇う体勢に入る。しかしエドナが傘で男に攻撃を加え、彼はすぐに気を失った。

ロゼ「アリーシャ、なにしてんの!」

苛立ちにロゼは声を荒げるが、それどころではないのもわかっている。

アリーシャは肩を押さえてうずくまり、痛みに顔を歪めた。

呼吸もままならないようで、うめき声すら出せていない。

ロゼ「ミクリオ!」

ミクリオの名前を呼ぶが、彼もすでにアリーシャの元へと向かっていた。
283 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/27(金) 12:47:45.90 ID:P4zEAaHx0
膝を折るアリーシャの背中を支えた時に、彼女の手がじわじわと血で濡れていくのが見えた。いくら勢いを殺したとはいえ、刺さったのは出血しやすい位置だ。少しずれていれば首に刺さっていただろう。

ミクリオが治癒術をかけ始めると、アリーシャの呼吸が整い始めた。ロゼはほっと息を吐いてアリーシャの体をきつく抱きしめる。

ロゼ「なんでこんなことすんの……」

怒りの混じる声を抑え込むが、全てを隠すことはできなかった。

アリーシャ「ロゼ、殺すつもりだったでしょ」

アリーシャの声はしっかりとしていたが、痛みに声が震えている。

ロゼ「だってあんたのこと殺しに来てんだよ!殺しておかないとまたあんたを狙うじゃん!」
284 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/05/27(金) 12:53:02.39 ID:P4zEAaHx0
アリーシャ「でも捕まえられる相手だったから。ロゼが殺さなくても法で裁ける」

アリーシャの言う通り、戦闘は明らかにこちらに余裕があった。

熊も含めて気を失っているだけのようで、ザビーダが彼らを拘束している。

アリーシャ「ロゼが何者であっても、殺さなくていい人まで、殺してほしくない……」

その言葉に違和感がある。動悸がして、体が熱くなる。

ロゼ「なんで……」

何を言おうとしているのか、分かっているはずだった。それでも、まだ認めたくない。そんなロゼの気持ちを無視して、アリーシャは続けた。

アリーシャ「痛い思いさせてごめん……」

アリーシャはロゼの右腕に手を当てて、苦しそうに目を細めた。

その瞬間にロゼは総毛立つのを感じた。頭が真っ白になって、すぐに新月の夜を思い出す。
285 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/06/01(水) 23:48:44.06 ID:QBnqZdnj0
ロゼ「アリーシャ、あたしのこと知って……」

アリーシャは返事をしなかった。ごまかそうとも思えないほどに彼女は確信している。

ここにいてはいけない。

ロゼはそばにいたエドナにアリーシャを預けて立ち上がった。

気持ちが、すっと冷めていく。たった一瞬で心が途切れたような気がした。

彼女がすべて知っているのなら同じ場所に立つことは出来ない。アリーシャは裁きを下す側の人間で、ロゼは逆の世界にいる。

彼女はハイランドの姫だ。

ロゼ「ミクリオ、アリーシャをお願い。ちゃんと治してやって」

背を向けたまま、いつものような軽い口調で告げると、ロゼはその場から立ち去ろうとした。目的はなかったけれど彼女のそばには居たくなかった。
286 : ◆U8ABys6DMo [saga]:2022/06/08(水) 12:48:40.26 ID:Iy/KMOPH0
 本当は薄々と彼女の態度から、なにか探りを入れてきていると勘付いたこともあった。しかし気のせいだと思って、すぐに閉じ込めてしまった。

アリーシャ「ロゼ……!」

声を張るつもりだったのだろう。しかしアリーシャの声はかすれていた。

無理をしてまで叫ぼうとする彼女の気持ちに胸が痛くなる。それでも振り向かないまま、顔をしかめながらもロゼは足を進めた。とにかくアリーシャの姿が見えない場所まで移動したかった。

今はただ、彼女から逃げることしかできない。

アリーシャ「待ってって!」

さっきよりも大きな声を出したと思ったら、ザッと土を踏む音が聞こえた。

ライラ「アリーシャさん!」

悲鳴のようなライラの声に、ロゼは不安を覚えて視線を戻した。

憂慮した通り、アリーシャが痛む傷を押さえて立ち上がり、訴えるような目でロゼを見ている。暗がりの中でも血の気の引いた顔をしているのが分かる。
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/07/13(水) 15:17:25.45 ID:J9MJiwjI0
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