【読み上げるポイントを、自らに向けて――――そして周囲に向けて、叫びながら確信する】 【今のあの蝶――――虚神『シャーデンフロイデ』は、現状、"Le mal du pays"によって、無力化されている】 【何故に、あの装置の波動によってシャーデンフロイデが弱るのか、そこの詳しい理屈は分からないが――――現実に、シャーデンフロイデは消耗していた】
【"Le mal du pays"はミチカの制御下にあった。── 空中に浮かび上がった其れを止める手立ては無い】 【アーディンの言葉にゴーストライターは頷いた。ミチカの理論はやや乱暴だったが、筋は通っている】 【しかし、其れを阻害するアリアの行動、── その言葉にゴーストライターは並々ならないものを感じて】
「確かにたった今シャーデンフロイデは死んだ。けれども、それはこの時間軸のシャーデンフロイデではない」 「この時間軸のシャーデンフロイデは最早止められない。君達が "Le mal du pays" を破壊した事で、未来が変わる」 「たった一つの過去改変が蝶の羽ばたきを加速させる。たったいま、"虚構現実" の破滅は確定した」