双葉杏「日本は、義理チョコをやめよう」
1- 20
6:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:43:01.25 ID:p6iGZwjEO
 プロデューサーは鼻でせせら笑う。詭弁もいいとこだった。労力を割かないという目的に向ける、エネルギーのベクトルが間違っていると言わざるを得ない。

「ま、バレンタインなんざ所詮は販売戦略の一環だ。そんな世俗的なものに労力を割くくらいなら別のことに時間を使う。そこに関してはお前に同意するよ」

「お、強がり言っちゃって。ほんとはチョコ欲しいくせに」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:44:00.74 ID:p6iGZwjEO
 杏が懐から取り出した箱を目にしたプロデューサーは思わず急ブレーキを踏む。

 幸い人通りのない道だったから追突の心配もなかったが、急な動きにシートベルトに締め付けられた杏は「ぐぇ」とカエルのようなうめき声を上げた。

「ちょっと……安全運転安全運転。ていうかよそ見しないでよ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:44:59.31 ID:p6iGZwjEO
 チラ見せしておいてよそ見するな、早く出ろとはどういう物言いだという思いはあったが、自分の運転マナーが悪かったのは事実なので口をつぐんでおいた。

「……まぁ、ひがんでたのは事実だよ。俺には縁のない話だし、ってな……でもお前が? どういう風の吹き回しだ」

「きらり」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:45:39.26 ID:p6iGZwjEO
 杏の言葉を聞いて、プロデューサーは再び急ブレーキを掛ける。悲鳴のようなくぐもった「げぶっ」という声が助手席から聞こえた。

「二度目!!」

「いやいや、それ買ってきたんじゃないの? 作ったわけ? わざわざ?」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:46:26.32 ID:p6iGZwjEO
 黙ってしまった杏をしばらく眺めていたが、何の返事もなさそうだと判断したプロデューサーは無言で車を発進させる。

 しばらくの間会話はなかった。思い返してみれば、ここまでの会話は杏から切り出されたものだ。彼女が話さなければそうなってしまうのも自然なのかもしれない。

「……悪かったよ。想像もしてなかったから口を滑らせた。さっきまでの話は本気にしないでくれ」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:47:11.39 ID:p6iGZwjEO
 プロデューサーはぼやきながら路肩に車を停めた。シートベルトを外した杏は、じゃあこれ、と手に持っていたチョコレートの箱をプロデューサーに手渡した。

「今日のお駄賃ってことで。送ってくれてありがとね」

「お、おぉ……お駄賃ねぇ。バレンタインではないのか」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:47:42.39 ID:p6iGZwjEO
 杏は車から降りて、振り向きざまに答える。

「――杏だって、たまには年相応に女の子らしいことしたいだけだよ。へそ曲がりのプロデューサーには伝わんないかもしんないけどね」

 そして扉を閉めた。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/02/10(土) 12:49:24.08 ID:p6iGZwjEO
おわり。

「杏だって女の子なんですー!」
そんなお話でした。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2018/02/10(土) 13:48:33.35 ID:NSAASHSTo
おつい
かわ……かわ……


15:名無しNIPPER[sage]
2018/02/10(土) 16:02:10.10 ID:R4f4ELW9O
取り敢えずPはちょっとやそっとのことでブレーキ踏みまくる危険運転野郎だということは分かった


16:名無しNIPPER[sage]
2018/02/10(土) 16:27:05.20 ID:zlf53ag4o
嫌なご時世になったもんだ……


18Res/10.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice