“らしくない私たち” に 祝福と喝采を
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11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:24:07.34 ID:j/IZGaDe0

 ともかく、そうして私は話し始めた。

「実は今日、テレビの生放送に出たんです。夕方の番組の、ちょっとしたコーナーなんですけど、基本私一人でロケをやることになってて。『アイドルがぷらっと訪問!』っていうコーナーなんですけど、その今月の担当パーソナリティーに選んでもらってて」

「ぷらっと訪問──ああ、あれね。毎週末にやってるローカル局のワイドショー内の、15分くらいのミニコーナー。そう、あれに出てたの……すごいじゃない、おめでとう!今度、まとめて観させてもらうわね」

「そ、そうですか?えへへ……嬉しいな」

「そうそう、そのコーナーに春香や我那覇さんなんかも出てたのよ。ちょうど今の貴女と同じくらいの、デビューしたての頃だったから色々と危なっかしくて……ふふ、本当に懐かしいわ。そのビデオもきっと残っているはずよね、また観直そうかしら」

「そうだったんですか、春香さん達も出てたんですね……あ、それで私、直前のリハーサル中にお店の物を、その、こわしちゃって。今日が三回目の放送だったんですけど、毎回似たようなミスをしちゃってて……でも今日のは特にひどくて、売り物をいっぱい壊しちゃって……」

あっ、て言う暇もなかった。いつもより少しだけ大きく動こう、がんばってお店をアピールしよう──そう思ってたら、背中が棚にぶつかっちゃった。

「いつもいつも、スタッフさんだけじゃなくてお店の人にも、色んな人にいっぱい、いっぱい迷惑かけちゃって……プロデューサーさんにも、ほんとにたくさん」

ガシャガシャガシャーンッ!って音で振り向いたら、そこには青ざめた顔のみんながいて……あの顔はきっと忘れられないよ。



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