“らしくない私たち” に 祝福と喝采を
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12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:24:58.39 ID:j/IZGaDe0

「今日のことで私が怒られるのって、当たり前じゃないですか。こわして迷惑かけちゃったんですから、しかも三回も連続で……でも、私のせいでプロデューサーさんまですっごく怒られちゃって、色んな人にあやまりに行ってくれて」

 それでも今日の失敗をしゃべる。イヤな事も、つらい思いも全部。何かがこみ上げてくるのを必死に抑えながら、全部しゃべった。

「でも、私には『今はとにかく、本番に集中しろ』って言ってくれて。終わってから一緒にあやまろうなって……私、それがすっごくつらくて」

だから、思ったように言葉も出てこなくて、きっと分かりにくかったはずだと思う。体だけは千早さんの方を向いてはいたけど、怖くてまっすぐ見られないよ……。

「……私、今日のお仕事だけは絶対に成功させたかったんです。プロデューサーさんがとってきてくれたから──私の誕生日をたくさんのファンのみんなが祝えるように、ってテレビのお仕事をとってきてくれたから」

「……………」

「でも、肝心の本番の方もうまくいかなくて……」

 それでも、千早さんは黙って聞いててくれた。質問とかもなく、ただじっと私を見つめながら、私の話を聞いててくれたんだ。

「私、アイドルするのすっごく楽しいんです。毎日学校が終わったら劇場に来て、レッスンしたり色々打ち合わせしたりして、一生懸命練習して、それでステージに立って──時々うまくいかないこともあるけど、それでもみんなと一緒ならぜーんぜん大変じゃなくて!アイドルになって本当によかったなって、いっつも思ってたんです!」

「このままみんなと一緒だったらトップアイドルまでがんばれる、きっとできるって……そう思ってたんです」

──だから、この一言まで口から出てきたんだと思う。



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