“らしくない私たち” に 祝福と喝采を
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14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:42:06.07 ID:j/IZGaDe0

───────────────────side:如月 千早

 そうか、やっぱりそういうことだったのか。
未来の告白を聞いて、ようやく合点がいった。自分一人だけのことなら、こんなにも弱気にはならない、なるはずがない。私が見てきた未来は、そんな娘ではない。いつもなら三十分ほどで戻ってくると、青羽さんも言っていたではないか。

 だが、今回は違う。自分だけじゃない、他の人──大事な人たちが関係してくるからこそ、こんなにも弱気に、こんなにも不安になってしまうんだ。未来のその心模様、今の私には痛いほどよくわかる。

──けど、だからこそ。わかるからこそ。

このまま、ただ当たり障りのない言葉をかけるだけでいいの?それで未来の心にちゃんと届けられるの?そんな思いが頭を巡る……私だったら、きっと……。

わからない。私には正解がわからない。こういう時、水瀬さんだったら何て言うんだろう。四条さんだったら、萩原さんだったら、真だったら、あずささんだったら……春香だったら、何て言葉をかけるんだろう。
怖い。正解がわからないことが怖い。失敗して未来を傷つけてしまうかもしれない──それがたまらなく怖いんだ。

 けど、踏み出さなくちゃ。未来はちゃんと教えてくれた、踏み出してくれた。だから私も、このままじゃいられないんだ。

今は、ただ進むだけなんだ──細やかな勇気と、密やかな覚悟と、ありったけの優しさを、胸に抱いて。

ただ、進むだけでいい。



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