呆れメロス
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9:名無しNIPPER[saga]
2019/12/06(金) 23:24:11.95 ID:o9kFpOMF0

ぶらぶら歩いて駄菓子屋行きマンガ喫茶行き、そろそろ家に帰ろうかと思った頃、降って湧わいた災難、メロスの足は、はたと、とまった。

見よ、前方のスーツ姿の刑事たちを。

きょうの職質の逃亡と、女子更衣室への建造物侵入で指名手配され、さらにはTwitterで「あーマジ全人類殺してえ」と呟いたことがサイバー班に察知され、法律的にメロスを抹殺しようとしている刑事たちが、家の前で張りついていたのだ。


彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を絞り「なんなん、なんなん!?」と叫んでみたが、刑事の姿は消えない。

刑事たちはいよいよ、こちらを見て、指名手配されたヤツか?と思うようになっている。

メロスは路上にうずくまり、男泣きに泣きながら、推し(エリーチカ)に手を挙げて哀願した。

「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う警察を! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あの刑事どものせいで、家に行き着くことが出来なかったら、私の佳い友達が、私のために死ぬのです」

刑事たちは、メロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく睨んでくる。

しかし時は、刻一刻と消えて行く。今はメロスも覚悟した。家に帰るより他に無い。

ああ、μ's(ミューズ)、我に力を!

国家権力にも負けぬ愛と誠の偉大ななろう批判の力を、いまこそ発揮して見せる。

メロスは、ぶふぅと声を荒げて家の前に進み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う刑事を相手に、必死の闘争を開始した。

満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻かきわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍を垂れてくれた。

刑事相手に蹴りを食らわせつつ「クソポリ公どもが!」と叫びながら、見事、家の中に入って、鍵を閉めることが出来たのである。




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